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なぞの美女、Madame de la Tour の最新CD情報。

(00/5/3-00/5/18)

作曲家別索引

この画像は風夢さん(http://plaza.harmonix.ne.jp/~furm/)のご好意により使用させていただきました


5月18日

HANS ZENDER
Schuberts"Winterreise"
Eine Komponierte Interpretation
Christoph Prégardien(Ten)
KAIROS/0012002KAI
ツェンダー=シューベルト「冬の旅」創造的編曲の試み
今回はこの1枚。ハンス・ツェンダーが冬の旅のピアノパートを室内アンサンブルに編曲したもの。編曲版マニアのまだむとしては避けて通れない1枚ね。
ツェンダー版自体は、もうすでに彼自身の指揮、アンサンブルモデルン、ブロホヴィッツのテノールでCDが出ているから、聴いたことある人もいるんじゃないかしら。
RCA/09026 68067-2(輸入盤)
BMGファンハウス/BVCC-8863(国内盤)
何しろ、原曲のピアノパートでほのかに表現される風の音や、氷を踏みしめる音、その他心象風景とも言えるあいまいな物を、全て目に見える(耳に聞こえる?)形で私たちに付きつけてくるわけ。
ツェンダーがなぜこのような形で「冬の旅」を再構築したくなったかは、彼自身による注解を読んでいただくとして、私は純粋に音を楽しもうかしら。だって「冬の旅」なのに2枚組。なぜかって?それはいろいろと水増しがあるからなのね。
第1曲目の「おやすみ」からして、通常だと6分程度の曲なのに、こちらは10分。歌が始まるまでに4分かかる代物。何をしてるのでしょう?ひたすら歩いているんですね。
至るところで聞こえるマーラー風の響き(まるで「死んだ鼓手」そっくり!歌詞のテイストも似てるから、ツェンダーはその辺を意識したのかも)。クライマックスでは歌も耐えきれなくなって叫んでしまうのね。
全てがこんな調子。あまりにも描写的な拡大解釈は、聴く者を混乱に落とし入れるの。
ただ、ここで面白いのが、今回のテノールをプレガルディエンが受け持っていること。この人は、なんといっても宗教曲のスペシャリスト。ヘレヴェッヘのロ短調ミサ曲とか、新しい所ではコープマンとの「マルコ受難曲」など。もちろん「冬の旅」のピアノ(ハンマーフリューゲル)伴奏版も歌ってるのね。そんな人がなぜこのような色物を?って感じね。
で、聴いてみるとなかなかいいのね。この混沌とした音楽から1歩引いて、冷静な目で眺めているとでも言いましょうか。おげれつさが薄まって聴きやすい音になっている。でも却って不気味さは増しているけどね。
とにかく真面目にこわれてますね。興味深い2枚組です。

5月16日

Concertos by Siegfried Langgaad
and his son Rued Langgaard
Oleg Marshev(Pf)
DONA CORD/DACOCD 535
ランゴー父子のピアノ協奏曲だって。ランゴーなんて私の愛用の音楽作品辞典にも載ってない作曲家。この人の作品て「反キリスト」とか、変なタイトルばかり付いてるから一度聴いてみたいと思ってたの。で、先に買って聴いたNさんに「ど〜でした?」って感想を求めたら「父ちゃんのはヴィルトゥオーゾ系の協奏曲、息子のはよくわからん」だって。これは面白そう。
ここでランゴー(息子)について。
デンマーク生まれで、最初はご多分に漏れず、ブルックナーやマーラーの影響を受けた作品を書いていた人。そのうち同じ北欧の作曲家ニルセンの影響で、かなり冒険的な第6番の交響曲を書いて以来、自分独自のスタイルを確立したのね。結局、その頃主流の新古典主義(ヒンデミットとか)とは違う道をたどり、かなりロマンティックな様式の曲を書いていたわけ。そこには深遠な宗教的感情も盛りこまれていたんだけど、(彼はコペンハーゲンの教会のオルガニストでもあった)当時のデンマークの音楽界では孤立してしまったのね。そんな人だから、ちょっとひがみっぽい音楽を書いたのかも。
で、聴いてみた。
まず父の作品。ホント、聴きやすい曲。モシュコフスキーみたいね。華やかなピアノパート。甘いメロディー。Nさんの言った通り。でも印象に残る曲じゃないわね。
で、息子の方はどうかしら?う〜ん、これもそんなに変じゃないわ。(何を期待しているのだ) 4部に分かれていて、それぞれにお約束の表題がついているんだけど(絶壁、砕ける波、星空、収穫の時)みんなイメージ通りの曲。と、言うよりも題名そのものなのが、かえってつまんない。もっと予想を裏切る曲を期待していたんだけど。これなら前聴いたブゾーニの協奏曲の方が変だったわね。
まあ、単なるロマンティック協奏曲集として聴けば、それなりに楽しい1枚という事かな。
ピアニストのマルシェフは、以前ザウアーのエチュード全曲を録音してた人で、(これも超絶技巧系)まあ、いわばアムラン系。こういった人がどんどん増えてくれるのは、変態ピアノマニアの私には、とてもうれしい風潮ね。
DONA CORD/DACOCD 487

5月15日

PENDERECKI
Passio et mors Domini nostri Jesu Christi
secundum Lucam
Marc Soustrot/Bonn Beethovenhalle O
MDG/337 0981-2
タイトルは「聖ルカ伝による主イエス・キリストの受難と死」。簡単に「ルカ受難曲」とも呼ばれている名曲です。
受難曲といえばバッハの作品が有名だけど、この曲もバッハと同じような構成。エヴァンゲリストが物語を進行させる中(これはレシタティーヴォではなく、完全な語り、しかもラテン語)、アリアや合唱が続くというわけ。
ペンンデレツキがこの曲を作ったのは1960年代。まだ、第2次世界大戦の傷痕が生々しさを保っていられた頃だから、キリストの受難の物語を題材にしてはいるものの、もちろん終わったばかりの戦争も視野に入れて作られたのは明らかなこと。
作曲技法的には、その当時知っていたワザをなんでもかんでも詰め込んだって感じ。ソリストのアリアはとてもメロディアスだったかと思うと、いかにも12音という無機的なものが出てきたり、合唱もシュプレッヒ・シュティンメからトーン・クラスターまでてんこ盛り。でもって、一番最後はホ長調という古典的な長三和音で華々しく終わるというのだから、すごいわね。後に彼は、ロマンティックな作風に「変節」してしまうのだけれど、そうなるまでにはやはりこれだけのものをやっておく必要があったのでしょうね。
初演されたのが1966年。その直後に世界初演のメンバーでDHM、ポーランド初演のメンバーでMUZAにそれぞれ録音されていて、これは初演の興奮が伝わってくるような熱い演奏。それから20年以上たって、作曲者自身の指揮によって録音されたのがARGO盤。これが、なぜかのっぺりと整った演奏で、ちょっと拍子抜け。
DHM ARGO
そして、さらに10年たった1999年に録音されたのが、このCDというわけ。
最初聴いた時には、なんて荒っぽくて下手な合唱だと思ったの。ところが、何度か聴いているうちに、この荒っぽさになじんでくるのね。有名な「スターバト・マーテル」なんかは他の合唱団でもっとていねいに歌っているのもあるけれど、訴えかける力はこの方が格段上。あと、バリトン・ソロ(ル・ルー)が、思い入れたっぷりでとても素敵。オケもうまいし、各パートの持ち味が良く出た名演ね。

5月12日

SOUTH AMERICAN GETAWAY
Die 12 Cellisten der Berliner Philharmonker
EMI/CDC 556981 2(輸入盤)
東芝EMI/TOCE-55161(国内盤 524日発売予定)
もうじき来日予定のベルリンフィルの12人のチェリストたち。
今回の新譜はこのところ密かなブームの南米音楽。
ホントなぜかわからないけど、このところヴィラ=ロヴォスのリリースが多いのよね。先日まだむでも1枚取り上げたし、そのうち、「大物指揮者(ピアニスト)と仲間たち」みたいなのも予定されてるのよね。今年メモリアルイヤー?違うわね。(そうそう今年はヴァイルの生誕100年、没後50年ね。これはまたいずれ。)
このアルバムで聴けるのは、ヴィラ=ロボス、ピアソラ、その他、いかにもラテンのノリのいい曲ばかり。
もちろんスーパーテクニシャンの彼らの事だから、どの曲も素晴らしい。息を呑むような壮麗な音。めくるめく陶酔感。いいわ。でも何かが足りない気がするのね。
ブラジル風バッハ第5番で歌っているのは、このところまだむのお気に入りのユ リアーネ・バンゼ。いつものように、暗めの声で丁寧になぞるヴォカリーズはちょっとこの曲にはミスマッチ?一瞬そう思ったのだけど、それに続くDANSAでがらっと表情が変わるのはさすが。嫋嫋(じょうじょう)たる旋律に絡みつくかのような歌声は、ヨーロッパから見たブラジルの悲哀を感じさせるかのよう。
そう、これが何となく感じる違和感なのよね。南米音楽なのだけど、あくまでもベルリンフィルの奏者による南米音楽なのよね。だからどうしても上品な仕上がりになってしまうみたい。あと全体的に重いのね。ピアソラなんかはリズムが命のはず。だけど、何となくのんびりしているのよね。
やはり、ベルリンフィルの音を楽しむ1枚かな。ちなみに、このアルバム、国内盤はソロが中丸三千繪だって。
さて、どちらがいいでしょう?

5月11日

DURUFLÉ
Requiem
Ian de Massini/Cambridge Voices
Vincent Warnier(Org)
HERALD/HAVPCD 234
マスターの大好きなデュリュフレのレクイエムの新譜が、なぜか最近立て続けに2種類も出てました。両方ともオルガン伴奏版。さっそく買って送るからコレクションに加えてね。で、聴いてみたら、セント・ジョンズ・カレッジ聖歌隊のNIMBUS盤はひどい合唱でハズレ。ところが、もう1枚、ケンブリッジ・ヴォイセズとかいうきいたこともない合唱団の演奏がとんでもなくいいのよ。びっくりしちゃった。
歌っているのは大人なんだけど、くせのない伸びのある発声。それで、力が抜けてて変な気負いがない自然な歌い方で、なんかデュリュフレの神髄をついてるような練れた演奏をしてるのよね。作曲家に対する共感が無理なく伝わってくるのよ。
いったいどこからこんな気持ちの良い演奏が出てくるのかな、と思ってライナーを読んでみたら納得がいったわ。指揮をしているのがイアン・デ・マシーニという人なんだけど、この人は有名なケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊の団員だった時に、この曲を録音していてすっかりはまっちゃったんですって。のちに合唱指揮者となった彼は、デュリュフレのあとを継いでサン・テツィエンヌ・デュ・モン教会でオルガニストを務めていたデュリュフレ夫人と知り合って、毎年この教会でミサを演奏することになるの。それで、そのために作った合唱団が、ケンブリッジ・ヴォイセズってわけ。
もっとあるのよ。このCDが録音されたのが、このサン・テツィエンヌ・デュ・モン教会。もちろんそこの、かつてデュリュフレが弾いていたオルガンを使っているんだけれど、それを弾いているのが、現在のオルガニストのヴィンセント・ワルニエ。もう何から何までデュリュフレ一色ね。
カップリングが、やっぱりいわく付きの曲で、指揮者のデ・マシーニが作った、この教会やデュリュフレに捧げられた合唱曲。とても聴きやすい教会音楽よ。
余談だけど、このデ・マシーニって人、クラシック・バスカーズ(ケンブリッジ・バスカーズ)のアレンジャーをやっていたこともあったんですってね。

5月10日

MAX REGER
Klarinettenquintett
Sabine Meyer(Cl)
Wiener Streichsextett
EMI/CDC 556602 2
ザビーネ・マイヤーの新譜です。
いつもだったらスペシャルプライスで買えそうなアイテムなのに、通常価格でしたね。レーガーのクラリネット五重奏曲という渋すぎる曲だからなのか、それともアルバン・ベルク四重奏団との共演でないせいでしょうか。
この曲はレーガーの亡くなる1年前に書かれた本当に渋い曲。これに比べればブラームスの曲なんて明るい、明るい。晩秋の縁側で一人寂しく思いに耽る心境って感じ。
ブラームスのメロディーだったら口ずさめるけど、レーガーは調性もほとんど崩壊しているからちょっと無理。そこが人気の違いかも。しかし、バッハ研究家のレーガーらしくきちんと書かれているし、ところどころ(特に終楽章)はかなりブラームスの影響を受けているようで、聴き込む程に味のでる秀作とでもいいましょうか。
で、この演奏。
どちらかというと後期ロマン派の作品である事を強調していて、あらゆる所から(なさそうなところからまで)歌を紡ぎだしているの。特に美しいのが3楽章。とりとめない漂っていってしまうかのようなはかない音楽。もの悲しいクラリネットの音色が涙をさそうのね。
終楽章の変奏曲は、いかにもレーガー。テーマはどことなくブラームス的なメロディーなのだけど。様々な変奏を繰り返して、最後、1楽章の最初のメロディーの断片が戻ってくる所なんかが最高。晩年のレーガーの心境を映しているのかしら。と、いっても43歳で亡くなったのだから、本当だったらまだまだこれからだったのよね。
マイヤーはずっと前にウィーン弦楽六重奏団とモーツァルト、ブラームスのクラリネット五重奏曲を録音しているのね。ブラームスもそうだったけど、この曲も「アルバン・ベルクとだったら」という人もいるわね。だけど私はマイヤーならウィーンの方が好き。何となく音が溶け合ってる気がするの。
カップリングの弦楽六重奏曲もなかなか良いのだけど、やはりオススメはクラリネット五重奏曲ということで。

5月9日

クラシック名盤大全
オペラ・声楽曲編
ONTOMO MOOK 音楽の友社
今回はちょっと寝業で攻めてみました。
CDを紹介している本の紹介。
こういった名曲や名盤の紹介本って、大体あんまり面白くないでしょう。事実、このレーベル、じゃない、出版社が発行している雑誌の特集で扱っているおすすめCDなんて、ありきたりでつまらないのよね。だから、その手の本だと思って立ち読みしてみたら、これがえらくマニアックじゃない。つい買ってしまったわ。
取り上げてあるCDのノミネートの方法がユニーク。いろんなところに執筆している42人の評論家やライターに、それぞれ自分がおすすめのCD(物によってはLP)を勝手に選んでもらって、それをほとんどノーカットで掲載してるのよ。だから、人によって選択基準が全くバラバラだから、とんでもないのが出てきたりするの。なんたって、ピンク・フロイドから矢野顕子まで揃ってるんだからすごいでしょう(ピンク・フロイドが声楽曲!)。吉松隆さんの定番エニグマもね。
もちろん、0先生とかS先生とか、昔ながらのかっちりした「名盤」を挙げている人もいるのよ。きちんとスタンダードは押さえた上での、間口の広さ。けれど、若手のライターさんたちはほんと自由に好きな、というか、ほとんどレアもの自慢のノリで書いてるから、面白くて(特に片山杜秀さん。高橋悠治が指揮をした「ウェスト・サイド・ストーリー」聴きたいっ!)。
マスターが書いてたリゲティのCDもしっかりあるわよ。「ルクス・エテルナ」とか「レクイエム」とか。マスターの文とよく似たコメントだから、もしかしたらまねしたのかもね。逆に、マスターのページを読んでないH先生なんかは、アバドのモーツァルトのレクイエムを、国内盤のコメントを鵜呑みにして「バイヤー版」だって。笑えるわね。
それにしても、エルガーの「ゲロンティアスの夢」などというレアな曲が5種類も取り上げられているCD案内なんて、前代未聞でしょうね。

5月8日

BEETHOVEN
Symphony No.3 "Eroica"
Jansug Kakhidze/Tbilisi SO
HDC/INF1
この前、マスターがレーベル別目次なんてつけてくれたじゃない。自分でも気がつかなかったけど、かなり偏愛傾向があるのよね。EMIとかやたら多くて、RCAなんてほとんどないでしょう。それならば、いっそマイナーなレーベルでいきたくなるのが私のモットー。これはどうかしら?
いつも行くCD店、午後はその時の注目盤をストアプレイしてるけど、午前中はお客さんも少ないせいか、変なのが掛かってる事が多いの。これって多分店員さんの趣味が入ってるのよね。だから珍しいのが聴けたりするんだけど、今日はまともな「英雄」。とてもオーソドックスな演奏ね。このところのベートーヴェンの新録だとバレンボイムかしら?
そうしたら違ったわ。なんだか見た事もないレーベル。ジャケにオケも指揮者も書いてないし。何しろ安い。(1090円)きっと出直りの廉価盤ね。だから上手いんだわ。
最近のベートヴェンて、版違いだとか、解釈に一ひねり加えるとかで、何かしら目新しくするのがトレンド。でも、この演奏はそういう事はしていない。でも決して古いわけでもないし、とにかく安心して聴いていられるのね。
いつものお兄さんをつかまえて「これは何?」と聞いてみたの。そしたら「あ、演奏家みてください」って。
で、裏を見てびっくり。さすが変なの掛けてるわね。トビリシ交響楽団で指揮はヤンスーク・カヒッツェ。
ああ、それでうまいわけね。ここは前一度書いたっけ。そう、カンチェリの初演を一手に引き受けているところ。現代音楽が上手いから、古典も上手いとは限らないかも知れないけれど、少なくとも一定以上の水準はクリアしていないと、あの複雑、かつ、とりとめのないカンチェリの音楽は演奏できないはず。
家で聴きなおして、改めて気に入りました。欲を言えば、少し弦楽器の音が弱いかな。でも希少価値という事で。
とにかく久し振りに普通のベートーヴェンを聴いた感じです。

5月6日

FINLAND AWAKES
Patriotic Music by J. Sibelius
Osmo Vänskä/Lahti SO
BIS/CD-1115
まだむのお気に入りヴァンスカの新譜。去年実演を聴きに行って以来、すっかりはまってます。この人のシベリウスは、何かしらひねりが加えてあってマニアにはたまらない1枚となってますよね。
今回の曲は、またまた珍しいもので、聴きどころは何といってもフィンランデアのオリジナルヴァージョンでしょう。もともとは「Suomi herää(フィンランドは目覚める)」という題名で、「新聞祭典の催しの活人画」という8曲からなる組曲の最後の曲。後に手を加えて独立した交響詩「フィンランディア」として出版されたのね。これは当時、帝政ロシアによる新聞への弾圧に対して企画された催しのための音楽だとか。あまりにも愛国心をかき立てるものだから、「フィンランディア」の題名は禁じられたんですって。
そんな背景があるものだから、どの曲も気持ちを高揚させるようなメロディーが使われていたりで、とにかくかっこいいのね。この間のスメタナの「わが祖国」もそうだけど、この手の曲はお国自慢みたいなものだから、その国のオケの演奏がBESTなのかしらね。
特筆すべきはラハティ響の金管。何故寒い所のオーケストラの金管てこんなにパワーがあるのかしら?それでいてロシアのオケみたいにノーテンキな音ではないですし。(そうそう、このところロジェベンのショスタコ交響曲全集が話題よね。あの何というか壊れた音楽もなかなか素敵だわ。)
やはりシベリウスを演奏するためにあるようなオケよね。少し乾いた弦の響きはいかにも北欧。まるでだれかさんのしょーもないおやぢギャグくらい冷たい響きなんだけど、心の底には熱いものが満ち溢れてるのね。
それでフィンランディアの異稿版。ここでは2ヴァージョンが聴けるのだけど(あとの版は世界初録音のはず)大きな違いは終わり方。片方の終わり方は、まるでベートーヴェンの運命の終楽章。これでもかって言うくらい粘る事。もう笑っちゃうわよ。
他にも、レミンカイネンの歌とか興味深い曲ばかり。これは、久々に燃えた1枚でした。

5月3日

BACH
Die Flötensonaten
Eckart Haupt(Fl)
DEUTSCHE SHALLPLATTEN
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)/TKCC-15197
このCD、1年ちょっと前にレギュラー盤で出てるのね。で、その時お店のお兄さんに、「いいのが入りましたよ」って言われたの。でも、このレーベルって輸入盤で安く出ることが多いじゃない。だから、「せっかくだけど」って丁重にお断り。
そしたら、なんと国内盤で1枚1000円、2枚買っても2000円で出ちゃったじゃない。やったね、即ゲット。
フルートを吹いているハウプトは、シュターツカペレ・ドレスデンの首席。主席じゃないわよ(だって、帯にもライナーにもそう書いてあるんだもの。〜チャイ44楽章のメロディーで、はいっ〜あ・な・た・も・共・産・党・員)。
ふぅ。寒くなってきたでしょう?これだから国内盤はきらい。
ソナタ集となっているけど、収められているのは偽作を含めたソナタ6曲とトリオソナタ2曲、それに無伴奏パルティータ。BWV1020のト短調のソナタはヴァイオリンソナタということでカットされたのかな。
出だしのロ短調のソナタを聴いてみたら、すごく温かい感じがして、いっぺんに引き込まれてしまったわ。音は地味なんだけど、音楽がコセコセしてなくて、包み込まれるみたいに抵抗感がないの。細かいところで「違うな」というのがなくはないんだけど、全体の流れが良いからあんまり気にならないし。
この人、テクニックはすごいんだけど、それを表に出さないのね。なにげなく吹いてるようでて、ここぞという時には思いきり凝った装飾を付けたりするのよ。
あと、ハ長調 BWV1033の無伴奏ヴァージョンというのも収録。こんなの私は初めて聴いたけど、これだったらコンサートで吹いてもおかしくないわね。メヌエットの装飾もさすが。
録音も、チェンバロの音がとても素敵。柔らかい羽根であごのあたりをくすぐられているような感じ。あっと言う間に全部聴いてしまっていたわ。心温まるバッハ。日頃なにかととげとげしい方にはおすすめよ。

もっとあります。こっちを見てね。


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