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なぞの美女、Madame de la Tour の最新CD情報。

(00/5/20-00/5/30)

作曲家別索引

この画像は風夢さん(http://plaza.harmonix.ne.jp/~furm/)のご好意により使用させていただきました


5月30日

FEU SACRÉ
Macha Méril(Rec)
Jean-Marc Luisada(Pf)
RCA/74321-69087-2
(輸入盤)
BMG
ファンハウス/BVCC34033(国内盤)
19世紀屈指の大恋愛として知られるショパンとサンドの関係。これを、残された手紙や文献から編纂して一編の美しい音楽物語にまとめたものです。2人の出会いから別れ、そしてショパンの死まで、フランス語の朗読と、それに添えられたピアノ曲の数々。
この2人の出会いから別れまでおよそ10年。変イ長調のプレリュードに乗せて語られる出会いのエピソードから、有名なマヨルカ島での生活。(ただし「雨だれ」は使われていない)コンサートでの成功。などのエピソードの合間に効果的に使われるノクターンやマズルカなど。
この2人は最後は他愛ない理由で決別し、それ以降会うこともなく1849年にショパンは亡くなります。それを知らされた時のサンドの苦悩。その静かだけど悲痛な叫びは、言葉の壁を超えて、聴く人の胸を打ちますね。
この10年間に、いかにたくさんの作品が生み出された事でしょう。このように恋愛というものは、創作の原動力となるものなのです。
サンド役はフランスで映画、舞台などで活躍しているマーシャ・メリル。ショパン役は名ピアニストジャン=マルク・ルイサダ。本来は2時間ほどの音楽劇として99年にフランスで上演されたもの。
ここに収められているのは抜粋版ですが、充分素晴らしさは伝わって来ます。もちろんルイ・サダのピアノは申し分ない物です。ただしショパンのせりふをしゃべってる時、彼の顔を想像しないほうがイイですが。
CD1には53分の音楽劇。CD2には使われた曲のオリジナルヴァージョン。(ただ、こちらは国内盤既発ですが)
今秋には東京で実演がみられるとか。

とてもつらいお知らせです。些細な事でマスターの不興をかってしまい、もう皆さんにお会いできない事になってしまいました。もうすでに後釜も決まっているとか。これも身から出た錆。ご愛読ありがとうございました。

5月26日

万霊節〜R・シュトラウスに献ぐ
ディートリッヒ・ヘンシェル(Bar
岡原慎也(Pf
音楽の友社/OCD 0570
少し旧譜なのだけど、今話題の1枚なので。
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウの流れを汲むドイツバリトン3人衆といえば、マティアス・ゲルネ、シュテファン・ゲンツそしてディートリッヒ・ヘンシェルでしょう。(名前からしていかにもドイツ的ね。)ゲルネは既に素晴らしいアルバムを次々と出しているし(アイスラー歌曲集は絶品!)ゲンツのブラームスも素晴らしかったわね。
で、ヘンシェル。実はこの人、以前紹介したブゾーニのファウスト博士でタイトルロールを務めた人。あの観念的で、極めて知的な遊びと美学に溢れた作品を歌いきった実力は高く評価されたわね。
ここでのシュトラウスは昨年の来日公演のライブ盤。
もともとシュトラウスのリートにもいろいろな傾向があって、いかにもオペラチックな曲(例えば「高鳴る胸」や「献呈」等)があるかと思えば、思い切り内省的な曲(帰郷等)があったり。で、それは作曲された時期には関係ないのね。それは初期の作品10の8曲を聞いただけでも明らかな事。全ての曲を力まかせにねじ伏せるのも結構。叙情的な曲だけを集めてリーダーアーベントを開くのも素敵。
ヘンシェルの歌い方はとっても真面目。劇的な曲は燃えるように激しい。もちろん発音なんかは正確だし、声も美しい。だから歌詞の意味がきちんと伝わってくるわね。でもちょっとストレートに歌いすぎかも。「そしてもう二度と」をあんなに明るく歌ってしまうのはどんなものでしょう?書かれてる音は明るいけど、すごく寂しい曲なのに。
ただ、この曲の配列を見てて思ったのね。ヘンシェルはシュトラウスの膨大な歌曲のなかから、シュトラウスの「冬の旅」を編集したかったのかもって。(2日間のリサイタルで歌われた30曲のなかから彼自身が選曲。)人生に絶望して帰郷し、一時愛しい人の夢をみて、また人生におびえる。でもそんな自分が結構すきだったりする。通して聞くとこんなドラマが見えてきた。やはり知的な遊びに満ち溢れている1枚よね。
1つだけ個人的な趣味を言わせていただくと、シュトラウスの歌曲って高い声で聴きたいのね。どうしてもバリトンだと音を下げちゃうでしょう。献呈はC-Durじゃなきゃねって思うのは私だけ?。それになんとなくピアノパートの煌きがなくなってしまうような気がするのね。(もともと控えめなピアニストだからよけいに。)でも仕方ないわ。
何はともあれ全曲盤でしか収録されててない曲が聴けるのは、うれしい事ね。

5月25日

Psaumes et Chansons
de la Réforme
Dominique Visse/
Ensenble Clément Janequin
HARMONIA MUNDI/HMC 901672
20年近く前に「鳥の歌」で衝撃的なデビューをしたアンサンブル・クレマン・ジャヌカン。うら若き10代だった私は、カウンターテナーのドミニク・ヴィスの声にはまってしまって、それから出るCDは全部集めたわね。
この新作は、宗教改革の時代の詩篇とシャンソン。
宗教改革といってすぐ思い出すのはルターによるコラールよね。フランスでもカルヴァンは詩篇をテキストにした曲集を作らせるんだけど、当時の作曲家、ジャヌカンやセルミジはこの旋律をもとにポリフォニーの曲を作るのね。ただ、教会では単旋律しか演奏が許されなかったんだって。ドイツのプロテスタント音楽が、バッハに代表されるように、シンプルなコラールのメロディーを元にとても豊かな世界が拡がっていったのとは対照的ね。
で、この詩篇、やっぱり、世俗的なシャンソンに比べると抹香臭い感じはするのね。でも、ヴィスの生々しい声(彼の場合はファルセットではなくて実声なのよね)が聞こえてくると、爛熟っていうの、もう独特の世界が拡がってしまって、まぎれもなくあの活き活きしたシャンソンを作った人たちの作品というのが実感できてしまうわ。
昔の話だけど、このグループはデビュー当時は日本の音楽評論家には評判が悪かったのね。特にM川T夫先生なんかは、新譜がでるたんびにレコード雑誌でさんざんこき下ろすのよ。「おふざけが過ぎる」とか「真摯さが足らない」とかね。中世・ルネッサンスの権威としては、この時代の音楽にエンタテインメント性を認めることは断じてできなかったという、今では信じられないようなお話。だから、先生のお眼鏡にかなっていたのは、真面目くさったプロ・カンツィオーネ・アンティクワだったわけ。
最近はずいぶん様子が変わったわね。大体「音楽評論家」なんて言葉からして使わないでしょう(この呼び名が許されるのは、吉田ヒデカヅ先生だけだという声も)。Yさんはさらっと「音楽批評」だし、あとは「〜ライター」が多いかな。「音楽ライター」とか「古楽ライター」。Mさんなんか「サウンド&ヴィジュアル・ライター」ですってよ。そうなると、私はさしずめ「ヴィジュアル系ライター」かしら。見た目で勝負ってね。

5月23日

SIBELIUS
Coronation Cantata etc.
Leif Segerstam/
Helsinki Philharmonic O.
ONDINE/ODE 936-2(輸入盤)
キングレコード
/KKCC 4299(国内盤)
篠崎さんおめでとうございます。一面識もない私ですが、お祝いにシベリウスの祝典音楽集を。で、オケはこれもタイムリーなヘルシンキ・フィルね。
収録された5曲のうち、「授与式のためのカンタータ」と「ニコライ2世の戴冠式のためのカンタータ」は世界初録音。1896年帝政ロシアのニコライ2世の戴冠式の際書かれたカンタータはとても荘重で、ひたすら若きプリンスを賛美する内容。「北国に遅い春がやってきて、花は咲き湖は煌く。われらの結束は固く、祖国をあげてあなたを賛美する。あなたはわれらの希望である」そんな歌詞。
でもな〜。その3年後に、例の新聞祭典の催しの活人画のための音楽を書いてるんだよ。3年で気持ちが変わったのか?シベリウスさん。
まあ、いろいろ事情もあるのでしょう。で、正直いって、曲自体はそんなに面白いものではありません。聴けて得した。その程度。シベリウスマニアにはおすすめできるかも。意外に合唱が荒削りでびっくり。それより面白かったのが「アンダンテ・フェスティボ」。そう、これは前回のニューフィルの定期のアンコール曲ね。セーゲルスタムにしてはテンポが早めで、なんの仕掛けもなく曲が終わってしまったのが意外。あと、お約束のフィンランディア。こちらはいかにもセーゲルスタム。たっぷりとした響きを重視した演奏。もちろんテンポは遅くて、なんだかお涙ちょうだい系。先日ヴァンスカで燃えた私は、あまりの違いに唖然としてしまったわ。しかし、いつものことながら北欧のオケは底力がありますこと。
このところラハティ響、フィンランド放響、そしてヘルシンキ・フィルと聴きまくっているけど、どこも「うまい!」のよね(今のところ1番勢いがあるのはフィンランド放響かも知れないと思ってるけど)。いずれは、ヘルシンキ・フィルを振る篠崎さんのCDをここで取り上げる事ができたらうれしいな。
そういえば篠崎サンの事、マスターは「くまさん」とかいってたけど、セーゲルスタムなんかは、さしずめ熊の親分ね。しばしば来日するし、私も実物と握手した事もあるけど、ほんとでかい人。よくしゃべるし笑うしで圧倒されたものでした。
当分北欧からは目がはなせませんね。

5月22日

R. STRAUSS
Josephs Legende
G. Sinopoli/Staatskapelle Dresden
DG/463 493-2(輸入盤)
ユニバーサル・ミュージック
/UCCG-1094(国内盤)
久々にまだむの大好きなR・シュトラウスの新譜です!
曲は、これまた珍しいバレエ音楽「ヨゼフの伝説」ね。交響的断章としての組曲は、ケンペやヤルヴィが録音しているから耳にした事はあるんだけど、全曲は初めて。全部で28の場面からなる60分ほどの大作です。
この曲が書かれたのは「アリアドネ」の初演がうまくいかずに、あれやこれや練り直していた、彼のちょっとスランプ気味の頃。本来なら「影のない女」に取りかからなくてはいけないのに、そちらもいろいろと理由をつけて引き伸ばしていたシュトラウスに、ホフマンスタールが持ちかけたらしいのね。
パリでディアギレフのロシア・バレエ団の公演を見たホフマンスタールが、ニジンスキーのために台本を書いたわけ(ケスラー伯爵との共同執筆)。なんとか仕事を引き受けたシュトラウスだけど、書き出したら、やはり筆が進まなくて、散々文句を言ったようね。(気分の乗らないときはそんなものよね。ねっ。マスター)
なんとか、なだめすかして出来あがったのがこの曲。結局、初演はニジンスキーがヨゼフを踊る事もなく、それもシュトラウスはお気に召さなかったようね。
大戦直前のパリで初演された時は大成功を収めたとか。でも、今ほとんど聴く機会がないのには、やはり曲としての完成度がイマイチなせいもあるのでしょう。だってねぇ。いやいや書いたんでは仕方ないわよね。
でも音は紛れもないシュトラウスの中期から後期の爛熟した様式。厚みのあるオーケストレーションだけど、響きはかなり透明。蔦のように絡まる対旋律。これを拾うだけでもうっとりしてしまう。
ただ、ここで残念なのがシノポリの指揮ね。彼はシュトラウスが好きなのかも知れないけど。実は「影のない女」の時もがっかりしたの。なんだか音の出し殻みたいなんだもの。スコアをくっきり浮かび上がらせる手法は、ベルクなんかにはいいけどシュトラウスには向かないんじゃないかしら。陶酔感とはほど遠い演奏ね。
もっと濃厚な味わいを楽しみたいなんて言ったら贅沢かしら?もしかしたらレヴァインなんかが振ったらいいかもね。
まあ、とりあえず全曲聞けただけで満足のまだむでした。
ちなみに、このジャケットは初演のときのポスターなんですって。

5月20日

NIELSEN
Symphonies 3 & 6
Jukka-Pekka Saraste/
Finnish RSO
FINLANDIA/3984-29714-2
(輸入盤)
ワーナーミュージック・ジャパン
/WPCS-10662(国内盤)
シベリウス、ランゴー、ラウタヴァーラと北欧物にはまってる私。でも、なぜかニールセンはあまり馴染みがないのね。もちろんカラヤンの不滅なんかは聴いたことあるのだけど、何となく印象が薄くてね。
何でも知ってるマスターに「ニールセンてどんな作風かしら?」って聞いてみたらフルート協奏曲くらいしか聴いてないって。そういえばアランコさんが吹いているんだってね。だからなのね。
で、今回はこの1枚。2曲とも表題付きで楽章は
4つ。3番の方は、まだ調性を持つ聞きやすいメロディーが多く使われているわね。ニールセンてリズムに凝る人で、この曲も1楽章はワルツとも言えない3拍子。振り方によっては、かなり危険な音楽になりそうなんだけど、そこはサラステ。今1歩のところでとどまっている感じ。2楽章の木管の美しさは、さすがフィンランドRSO
ちょっとグリーグ?みたいなもやもやした世界が目の前に広がるわね。終楽章には、ソプラノとバリトンのソロがつくのだけど、それはあくまでも控えめ。やはり、とらえどころのない曲想の移り変わりと特徴的なリズムが面白かったわ。
で、6番。
様々な作風を変遷した末に行きついた、彼なりの語法炸裂とでもいえる曲で、表題は「単純な交響曲」なんていうんだけど、どこが単純なのだか。時として美しいメロディーを耳が捉える事もあるんだけど、脅迫的ともいえるリズムにかき消されてしまうのね。このあまりにも千変万化する曲想が、却って取りとめなく聞こえてしまうみたい。でも、じっくり聞くと面白い事このうえないわね。管楽器を愛したニールセンらしく、特に木管の使い方はピカイチ。で、このオケは上手いから(さっきも書いたっけ)、終楽章の冒頭の木管合奏は聴きものよ。
ただ、この曲もサラステの表現がおとなしめなのかな。この楽章の交錯するテーマなんて、もう少しドンチャカやってもいいのに。なんて思ってしまったわ。既に出ている
4・5番も聴いてみようかしら。そんな気になりました。

もっとあります。こっちを見てね。


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