0341(04/4/10)-0360(04/5/14)

今日の禁断 電撃倉庫

 電話の向こうでの愚妻の声は震えていました。「む、娘が・・・連れて行かれたの・・・」。緊迫のイラク情勢、この先どのような展開になるのかは今の時点では全く分かりませんが、少なくとも、「自衛隊の撤退は絶対にあり得ない」と言い切った日本政府は、その時点で、この「派兵」が、決して「人道支援」などではなかったことを全世界に知らしめたのでした。本心で「人の道」を貫こうとしているのであれば、それによって確実に人の命が助かる道を即座に選択するのが当たり前なのですから。したがって、もし娘が連れ去られたとしても、もはや日本政府などなんの当てにもなりません。私は途方に暮れてしまいました。しかし、と、思い直しました。娘は別にイラクに行ったわけではありません。確か、その時は、県民会館に、愚妻と一緒に「キャッツ」を見に行っていたはず。そこで、気を取り直してよくよく聞いていてみたら、以前こちらに書いたように、ラム・タム・タガーに連れて行ってもらえるかもしれないと思って買ったチケットの席に座ったら、本当に「連れて行かれた」ということを、幕間の休憩の時に電話してきたのですよ。思い込みとは恐ろしいもの。あんな事件があると、つい、家族があんな目に遭ったらなどと、反射的に思ってしまうのですね。繰り返しますが、全く関係のない人でも、これだけ心を痛めるもの。関係者のご家族の気持ちはよく判ります。「人道支援」を説く人々のあの仕打ち、それだけで、この派兵の欺瞞性は明らかでしょう。なんて、こういうことをネタにすること自体が、それこそ「人道」に反していると突っ込まれるかもしれませんね。
 それは昨日の話。一夜明けてこの地方はまさに春たけなわ、青空の下、桜もほぼ満開となって、絶好の花見日和となりました。そこで行ったのが、「さくら」というお店です(ベタな展開で、すみません)。最近、以前は電気屋だったところを改装して出来た、自然食品のバイキングのお店です。と聞くと、もしかしたら「ひな野」を思い出しませんか?そう、まさにあそこと同じコンセプト、今までに休みの度にチャレンジしたのですが、いずれも満員で、やっと早めに来ることが出来た今回、初めて店内に入れたというものです。どうしても「本家」のひな野と比べてしまいますが、開店してしばらく経つというのに、おでんを取るものがなかったり、パンに付けるジャムは言うまで持ってこなかったり、コロッケのソースは置いてなかったりと、初歩的なところで不備が多く、かなり問題、というか、致命的なものがあります。これは本家の二番煎じなどというものですらなく、はっきり言えば似て非なるもの、二度と来ることはないでしょう。
 とは言っても、とりあえずお腹はいっぱいすぎるほどいっぱいになりましたから、夜遅くまで続く指揮者練習も、途中で力がなくなることはないでしょう。しかし、考えてみれば、フルートパートで全乗りなのは私だけ、この密度の濃い練習で出ずっぱりというのは、かなり大変なことでした。岩村さんの「褒め殺し」が、何よりの救いでしょうか。
aventure number : 0341 date : 2004/4/10


今日の禁断 エクセル

 きのうあんなことを書いたとたん、イラク情勢は急展開を迎えました。「人道的」という点では、日本政府よりイラクのゲリラの方がはるかに勝っている、ということが明らかになったわけです。そんなわけで、無事解放された娘を目の当たりにした愚妻は、まだまだ「キャッツ」を見たくなったのでしょう。きのう「さくら」に行った時点で、当日券の「翌日予約」を入れていました。もはや四季のサイトでも、もちろんプレイガイドでも、この仙台公演は千秋楽まですべてソールド・アウトになっています。しかし、3階席のセンターの最後列が、当日券として用意されているのでその気になれば入手は可能。これも、以前は当日の開演1時間前に売り出される窓口に並べば難なく買えたのですが、今ではそれも3、4枚しか出回りません。その前の日に電話で予約しても買えるので、当日はそのぐらいしか残らないわけ、もしかしたら、今は全部電話予約でなくなってしまっているのかもしれません。その電話予約も、四季の会の会員だと早い時間に受け付けるので、入手の可能性は高くなっているのだそうで。
 そんなわけで、私としては6回目の「キャッツ」に行ってきましたよ。おととい行ってきた愚妻の話では、かなりキャストに変更があったというので、それも興味があって、愚妻にお付き合いすることになったものです。結局、ロングランならではのリピーターにしっかりなってしまった私。
 確かに、キャストは大幅に変わっていました。娘を連れて行ったラム・タム・タガーは荒川努という、ちょっと軟弱な人だったので、これは非難囂々(こんな字だったんだ)、今までの福井晶一さんに比べるとぜ〜んぜんもの足りません(その福井さんは、マンカストラップにシフト)。踊りはそこそこなのですが、歌がかなりアバウト。この人の名前、なんだか聞いたことがあるので調べてみたら、やっぱり「元アイドル」でした。天地真理あたりの時代のアイドルで、「下町ララバイ」というのが持ち歌だとか。こんな歌、聞いたこともありませんから、そんなヒットはしなかったのでしょうね。
 オールドデュトロノミーの石井健三さんは、これまで見た2人とは全く違ったキャラクター。 今までの人は声が若すぎて、「長老」という外見とはかなり違和感がありましたが、石井さんは声も仕草も貫禄たっぷり、前にしできさんからいただいたロンドン版のDVDで歌っていた人と似たものがあります。 グリザベラも、重水由紀さんという、「4人目」の人でした。この方は、以前の3人(といっても、「2人目」の金さんというのはまだ聴いたことがありませんが)に比べて、全く発声が違っていました。本格的なベルカント、表現の幅は格段に大きくなっていますが、人によっては嫌いなこともあるかも。現に、愚妻の評価はイマイチ。「メモリー」の最後を1オクターブ高く歌っていたのにはびっくりしました。
 その「メモリー」、1幕でも2幕でも、静かなイントロが始まって「ここぞ」という時に、「ママー」とか大きな声を出すガキがいたのには、腹が立つやら情けないやら。キャストがどうのとかいう前の、これは全く初歩的な考え違い、日本政府の態度よりたちの悪い行いです。
aventure number : 0342 date : 2004/4/11


今日の禁断 追い込み

 ほんのひっそりと、新しいコンテンツを作ってみました。今のところ誰からの反応もないので、おそらく気がついた人はあまりいないのでしょう。前回の「禁断」を書き上げたあとに仕上げて、しばらくしてからその本文からリンクしただけですから、目立たなかったのかもしれません。
 「キャッツ」の仙台公演は、キャストがかなり頻繁に変わります。それは、「四季」のサイトで、毎日見られるようになっていますし、県民会館に見に行くとロビーにその日のキャスト表が置いてあるので、持ちかえることが出来ます。そのキャスト表、何回も行っているうちに、だいぶたまってきました。愚妻に、「見やすいように一覧表にしてみたら?」と言ってみたら、「そうしたいけど、時間がないのよ」と、剣もほろろ。そこが、事務処理能力の違いなのですね。私にしてみれば、こんなものはすぐ出来ると思ってしまいますが、そうではない人もいるということ、それではと、自分でやってみることにしました。ただ、これはそんな能力云々の話ではなく、私の中での、ある種のマニアックな興味が頭をもたげてきた現れなのかもしれません。
 作業自体は、エクセルに書き込むだけですから、いとも簡単に終わってしまいました。表にしてみると、キャストの変遷が一目瞭然、そうなってくると、当然の成り行きで、これをコンテンツとしてアップしたくなって来るではありませんか。エクセルの表をHTMLのテーブルに直すことなど、ほんの一瞬です。あとは、他で使っていたひな形で体裁を整えれば出来上がりですよ。さっきも書いたように、連日のキャストは逐一サイトで公開されているので、それを拾っていけばもっと完璧なものは出来るのでしょうが(実際に、広島でそれをやっている人がいました)、ここには「実際に行った」という重みがこもっています。単なる名前の羅列だけではなく、「ここでは、この人はこんなだった」という記憶までしっかり込められた記録なのですから。
 こんなことをやってしまうと、キャストの人たちがしっかり人格を持って把握されるようになってしまいます。結局、私が何か始めれば、そこまで行き着くのはいとも簡単なことのようで、もう少しして、いっぱしの「四季マニア」みたいな顔をするようになるのも、時間の問題かも。もちろん、その道の本当のマニアは、こんなものではありません。ここでは、どの猫がどの場面でどんなことをやっているのか、完璧に調べ上げるというものすごいことをやっていますし。
 「キャッツ」は毎日やっていますが、ニューフィルの定期演奏会は年に2回だけ、それが、いよいよ今週の土曜日ですって。というわけで、最後の団内練習が行われたのが、ついさっきのこと、あえて「ツマミ」に終始して、問題点を掘り起こし、当日までに最後のあがきを各自やっておくように、という感じでしょうか。私の場合、「ドン・ファン」は死ぬ気でやっていますが、あとの2曲は何のプレッシャーもありません。「2番」がこれほど楽だったとは。
aventure number : 0343 date : 2004/4/13


今日の禁断 新国

 チケットプレゼントも終了して、あとは本番を待つばかり、今日は会場のイズミティでの前日練習です。この会場、3年前のTCCで、「アランフェス」とか「オルガン」をやった時以来、かなり久しぶりです。余談ですが、サンサーンスの交響曲第3番を「オルガン」と言ったり、今回のメインプログラムを「ブラ1」と略すのは許せますが、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」の最後の曲「神々の黄昏」を「神たそ」と略して言うような人は、心から軽蔑します。「ブラ1」と「神たそ」の間に何の違いがあるのだと言われるかも知れませんが、私の中では歴然とした判断基準が存在しているのですよ。その基準というのは、こういう略称を作る際の一般的な指標、つまり、「用いられる頻度が高いから、呼びやすいように短くする」というもの、これに従えば、誰でも一度は聴いたことのある、ブラームスの交響曲第1番は「ブラ1」になっても何の問題もありません。ところが、CDで4枚にもなろうという大曲「神々の黄昏」を、きちんと最初から最後まで聴く人など、殆どいるわけがありません。ですから、これを「神たそ」と縮めて言える人というのは、当然日常的にこの曲を聴いている人に限られてくるわけです。そこには、必然的に「俺はこんな凄い曲を聴いているんだぞ」という、鼻持ちならない特権意識が見え隠れすることになります。さらに、もっとたちの悪いのは、大して聴いたこともないくせに「神たそ」と言うことによって、さも聴き込んだかのように振る舞う輩。おそらく、大半はこの後者でしょう。もっと言えば、「神たそ」などと言って得意になっている人は、自らを極めて愚かな俗物であることを公表していることになるのです。しかも、本人はそのことに全く気付いていないと。こんな人は、決してそばにいて欲しくありません。
 つい、興奮してしまいましたが、朝日新聞に吉田秀和先生が(お元気そうですね)この「神々の黄昏」のことを書いておられたので、今までたまっていた鬱憤を晴らしてみました。しかし、このエッセイ、オペラにおける演出と音楽との関わりについて、相変わらす深い見識が見られます。確かに、前にザルツブルクでスキャンダルとなったノイエンフェルスの「こうもり」にしても、ミンコフスキの音楽は至極まっとうなものでしたから。
 それで、久しぶりのイズミティです。ステージから客席を眺めると、馴染んだ県民会館とは全く異なる、ワンフロアのだだっ広い空間が広がっています。音響的にかなり問題のあるこのホール、この間抜けな広さがその原因なのかもしれません。岩村さんは何回も客席に降りていってオケの音を聴いていましたが、かなり大変なホールだと思った様子。「キャッツ」のせいで、ニューフィルが使えるようなホールはここしかなくなってしまったのですが、専用のホールを造るという話はどうなったのでしょう。あ、もちろん、「四季専用」ではなく、「音楽専用」のことですが(む、虚しい)。
aventure number : 0344 date : 2004/4/16


今日の禁断 クロアチア

 メンバーの持てる力を最大限に発揮することができるように仕向ける力が、指揮者の能力であるとすれば、岩村さんはまさに超一流の指揮者です。練習の時も本番の時も、そして、打ち上げの時も、終始笑顔を絶やさず私たちを持ち上げてくれたその姿勢、これがここまで徹底されていたのは、おそらく今回が初めてのことではなかったでしょうか。岩村さんは、決して声を荒らげることなく、私たちが自分達の演奏に自信をもつことを可能にしてくれたのです。
 私がオーケストラの演奏会を迎えるのは、いったい何回目になったのでしょう。もはや開演前に緊張するようなことはなくなっています。しかし、頭でそう思っていても、いざ演奏が始まると、自律神経か何かが勝手に振る舞い出すことがあるものです。今回の場合は、「ドン・ファン」のフルートソロ。今まではずっと気楽に吹いてきたのですが、前日練習のあたりからちょっと休みのタイミングを意識し始めたところ、「もし落ちてしまったらどうしよう」という恐怖心に駆られるようになってしまいました。突然、今まで何事もなく吹けていたのがまちがいで、ほんのちょっとしたことで必ず破綻してしまうのではないかと思いこむようになったのです。そう、私はきっとこのソロをしくじる。ゲネプロでここを吹いた時の、まるで追いつめられたような心理状態を考えると、それは極めて高い可能性と持っていると思われました。
 救いだと思われたのは、最初の曲は1番ではなかったこと。ステージに出て客席を見渡せるだけの余裕はありました。一瞬、殆ど満席に見えたのは、照明の関係で客席の真ん中あたりしか見えなかったため。良く見てみると、下手のブロックは殆ど人が座っていません。やはり、「キャッツ」をやっている間は、お客さんは皆そっちに行ってしまうので、何をやっても人は集まらないのでしょう。その「魔笛」、1番のちほさんは難所を軽々とクリア、この演奏会が最後となる、その花道を見事に飾っていました。私など及びもつかない熱心な練習の賜です。
 「ドン・ファン」も、始まってしまえばひたすらマイペースでやる他はありません。不思議なことに、今までの練習できちんと吹けなかったところも難なく出来てしまうことも。問題のソロも、最初こそちょっと力みが入って思い通りの音ではなかったものの、まずはそつなく終えられました。ここまでで、私の役割はおしまい。残りのブラームスは、名手あっチャンのアシストに徹すれば良いのですから、これはもう余裕、普段と変わりない演奏が出来たと、自分では思っているのですが。
 すべてのプログラムが終了して舞台袖に下がってくると、そこでは岩村さんが待っていてくれて、すべての人と握手をしてくれたではありませんか。最近、こんなことをしてくれた指揮者も、久しぶり。ですから、打ち上げ会場では岩村さんのまわりにみんなが集まって、サインをもらったり、一緒に写真を撮ったり、お陰で、私は同時に4台のカメラを預かって、岩村さんとのツーショットを撮りまくるハメに(さすがに、使い慣れない写メールは失敗してしまいましたが)。別にミーハーではない私も、フルートパート全員で撮ってもらったりして。その時に、岩村さんとお話をして、2つのことに感激することになります。「Y江さん、大垣のオケの人から、ホームページのことを聞きましたよ」。何と、岩村さんは私の名前を覚えていてくれたのですよ。そして、最近行ったそのオケの人が、私のサイトを見て「感動したと、伝えて下さい」と言っていたというのです。これで、あと数週間は気分の良い状態を保つことが出来ることでしょう。この実りをお土産に、次の日の仙台フルートの会の本番に備えるため、帰途につく私でした。
 一夜明けて、そのフルートフェスティバルです。最近の練習は殆どニューフィルとかち合っていましたし、もちろん前日は来られるわけもありません。ですから、今回はアルトフルートの末席でひっそり吹かせてもらうつもりでいました。しかし、そんな希望を伝えても、他のメンバーは、私がトップに座るのはさも当然のことのように思っているらしく、鼻にもかけてくれません。仕方ありません。長いブランクのあと、殆ど初見に近い楽譜を前に、リハーサル、本番と、ただただ間違えないようにだけ吹いていました。緊張、という点では、こちらの方がはるかに大きなものがありましたよ。会場は、やはり「キャッツ」の影響で(ということにしておこう)ガラガラ、それもあって、なおさら緊張してしまいましたし。
 ところで、例のVIPロビーで昼ご飯を食べていると、隣のシアターホールの様子がモニターに映っています。それは、仙台オペラ協会のコンサート。そういえば、このオケの出演依頼が、かつて末廣さんから来たことがありましたね。結局本番とブッキングしているのでお断りしたのですが、前の日から続いた、これが本番だったのですね。ということは、その末廣さんが指揮をしているはず、モニターではピットの中に入っているので見えませんでしたが、食べ終わる頃にちょうど演奏が終わってカーテンコール、しっかり末廣さんもスポットを浴びて登場していましたよ。今回アルトの助っ人で、都民響の団員でもあるムラマツの人が来てくれたのですが、彼は何と末廣さん本人に会ってしまったとか。こんなところで会うなんて、まさに奇遇ですね。
 
 そんなわけで、2日間の本番を終えてもうへろへろ、しかし、今私の手元には、すでに昨日の演奏会のDVDが届いています。フルートの会のビデオ撮りもお願いしたしできさんが早速作ってくれたもの、初回限定3枚のうちの1枚です。これを見ると、イズミティの響きがいかにデッドであるかがよく判りますが、そのせいでソロ楽器の音がとてもはっきり聞こえてきます。私のソロ、3つ目ぐらいの音でガラリと変わっているのでびっくりしてしまいました。吹きながら感じていたことが、そのまま録音されているなんて。
 楽しみにしていた1号様との再会が果たせなかったのを残念がっていたら、ついさっき、二次会でのデジカメ画像を51枚も送りつけてきましたよ。その、いささかも衰えていない名ショットの数々、「き」のアップに、期待は高まります(あいにく、Kさんは写っていません)。
aventure number : 0345 date : 2004/4/18


今日の禁断 宇宙人

 ついうっかりしてカウンターのチェックを怠っていたら、今朝開けてみた時にはとっくに28万を過ぎてしまっていました。私の予定では、今日の午後あたりのはずだったので、慌ててアクセスの推移を見てみると、昨日の時点でおよそ五割り増しのアクセスが。そう、いつも定期演奏会の直後にアクセスが跳ね上がるのを、すっかり忘れてしまっていたのです。多分キリ番が出たのは今朝の8時頃、心当たりの方は、誰にも言いませんから正直に申し出てください。こうやって、キリ番の時に必ず数字を書いているのは、意味があります。こうやってコンテンツの中に数字を埋め込んでおけば、「全文検索」をかければ、容易にキリ番の日を探し出すことが出来るのですよ。ほんと、○尾さんのお手を煩わせているこの全文検索、いつも役に立っています。ネガティブな使い方かもしれませんが、仮に、誰かに対する信頼がにわかに失われてしまうような事態になって、その人に関する文章をすべて削除したくなったとしたら、こんな便利なものはありません。
 ところで、先日の演奏会のDVD、まだ見られた人は限られていますが、今回はボーナストラックがふんだんに入っているので、楽しみにしていて下さい。その中で、ちょっと「謎」が解けた思いがしたことがあります。アンコールが終わって、岩村さんが何回か出入りしてると、突然客席が明るくなって、それがきっかけで団員もお客さんもすんなり退場出来るようになったのですが、これは、岩村さんが、指示を出していたのですね。舞台に出ていく時に、ステマネに向かって、「僕がステージの真ん中まで行ったら、客電を上げてください」と言っているのが、はっきり写っているのです。この最後の切り上げのタイミング、特にアマチュアの場合、まごまごしてみっともなくなってしまうことが多いものですが、さすが岩村さん、ここまできちんと「演出」を仕掛けていたのですね。末廣さんあたりは、確か、コンマスと握手して、そのまま手を引いて一緒に袖に下がってしまうという、「粋」なことをやっていました。それもなかなかでしたが、この岩村さんの手は、さらにスマートなものでした。
 そんな岩村さんをメインに据えた、今回の公式ページが出来上がりました。というか、今回は全乗りで写真を撮っている余裕が全くなかったため、必然的にステージの写真とかが無くなってしまい、打ち上げの写真だけで編集せざるを得なくなったと。その打ち上げも、いつものような立食ではなく、きちんと席が決まっていたので、「ブルネンハイム」ご自慢のジャーマンポテトやソーセージを賞味するのに夢中で、ついつい写真がおざなりに。ですから、いつものようなちょっと堅苦しいものではなく、かなりくだけた感じになったのは、ただの偶然なのですが。
 もちろん、お待ちかねの「き」も、本家の写真があれだけあれば、難なく出来てしまいます(実は、もうきのうのうちにアップしてありました)。二次会で弾けまくったという1号様、T田さんの顔についたパイの残渣が、その凄さを物語っているようです。
aventure number : 0346 date : 2004/4/20


今日の禁断 謝肉祭

 地元のプロオケでありながら、仙台フィルの演奏を積極的に聴きに行くということは殆どありません。ひとつには、定期演奏会の会場となっているホールのあまりの音響の悪さ。あのホールでフル編成のオーケストラを聴くなんて、とても私には絶えられないのです。ですから、ほんとにたまに、知り合い(ちょっと大きく出過ぎ)が関係しているときに聴いたりすると、木管あたりが新しいメンバーになっていて、すっかり音が変わってしまっているのにびっくりさせられることになります。特に、オーボエの新しい方(名前は忘れました)と、重要な演奏会では殆どトップを任されているフルートの戸田さんのお二人によって、やっと仙台フィルは一皮むけたオケになったような気がします。
 その戸田さんで、まず「すごい」と思ったのが、下野さんの指揮だと言うことで聴きにいった岩沼の演奏会でした。その時のメインがフルートが思い切り目立つ名曲、ドヴォルジャークの8番でしたから、嫌でも戸田さんの音は耳に入ります。終始オケをリードしていたフルート、そして、フィナーレの大ソロのかっこよかったこと。それから、最近では大井さんのピアノを聴きにいった定期演奏会。この演奏会を巡っては、全く関係のない人から幾重にも嫌な思いをさせられた苦い思い出がついて回りますが、それはさておいて、ラフマニノフの交響曲第2番で、あのひどいホールにもかかわらず、くっきり響いてきた戸田さんのソロが、とても印象的でした。
 その戸田さんの、仙台での初めてのリサイタルが行われました。「かいほうげん」にもチラシを掲載したので、ご存じのことでしょう。実は、先日のイズミティでの定期演奏会の時に、戸田さんから「チラシをプログラムに挟ませてください」というメールをいただいていました。もちろん、いつもチラシを挟んでいる作業は見ていますから、事務局と相談して、「当日、持ってきてください」とお返事を出しました。その時に、いつも他の依頼者に言っているように「もしできましたら、お手伝いをしていただければ・・・」とも、書き添えたのです。そして、当日、ゲネプロが終わってロビーに行ってみたら、チラシの挟み込みの真っ最中だったのですが、その中に戸田さんご本人がいらっしゃるではありませんか。「喜んで、お手伝いします」というお返事はいただいていたのですが、お弟子さんにでもやらせるのだと思っていたら、何と本人自らいらっしゃったとは。
 そんなご努力の甲斐(?)あってか、会場のシルバーセンターはなかなかの入りでした。アンコールの時にステージでコメントされていましたが、なんでも、そんなに来ることを想定していなくて、プログラムを120部しか用意していなかったら、足らなくなってしまったとか。嬉しい誤算ですね。
 戸田さんのフルートは、オケの中で聴いた時と同じように、とても輝かしい音でした。特に高音が魅力的。今までに、仙台フィルの他のメンバーのリサイタルも聴いてきましたが、戸田さんの音はちょっと次元の違うレベルのものです。テクニックも完璧、タファネルやチアルディ(アンコール)あたりでの名人芸は、目の覚めるものがありました。物足りないものがあるとすれば、ほんのちょっとした「遊び」でしょうか。
aventure number : 0347 date : 2004/4/23


今日の禁断 けらえいこ

 だいぶ髪が伸びて前から切りたかったのですが、演奏会を控えているので伸ばしっぱなしにしていました。切ってすぐの間抜けな姿では、ステージには立ちたくないと。それで、やっと演奏会も終わったので、行きつけの美容院にカットに行ってきました。といっても、ただ単に人が変わるとあれこれ面倒くさいので、たまたま近くで便利なところにずっと通っているに過ぎないのですが。朝一番に行ったのですが、あいにく、いつもお願いしている店長さんが同時に3人のご指名を受けて、「ちょっと時間がかかりますよ」とか言われてしまいます。まあ、それも慣れっこですから、いいでしょう。コンサルティングの時に「耳、半分くらい切りますか?」と聞かれても、あえて突っ込むようなことはしませんよ。
 案の定、シャンプーが終わっても、店長さんは他のお客さんにかかりきりでこちら来るにはまだ時間がかかりそう。アシスタント風の美容師さんが、「コーヒーでもお持ちしましょうか?」というので、「ついでに、『あたしンち』ももってきてください」と、入る時に本棚に全巻揃っていたのを思い出して、頼んでみました。それを読んでいたら、アシさんは、待たせているのも悪いと思ったのでしょう、マッサージをしながらさかんに話しかけて、間を持たせようとしてくれます。「マンガ、お好きなんですか?」「私、『浦安〜』好きですけど」としつこいので、「『のだめカンタービレ』知ってますか?」と聞いてみましたよ。そしたら、「なんですか、それ〜。知りませ〜ん」ですって。
 頭がさっぱりしたところで、家族3人揃って「キャッツ」です。えぇ、娘は3回目、私は7回目、そして、愚妻は18回目ということになりますか。「数で勝負」ということで、今までは殆ど安いC席だったのですが、この日は千秋楽にいい席が取れなかったので、たまにはちゃんとした席ということで取った1階席の通路のすぐ後の真ん中です。と、その通路を歩いている中に知った顔が。それは、ニューフィルのミュージカルマニア、○が○まさんでした。やはり、これは当然チェックに来たのですね。前から2番目という、マニアックなところに座りましたっけ。
 私の隣に座ったのは、一人で来ていた男性。もしや、と思ったら、これがやはり「通」っぽい人でした。拍手はタイミングも早いし、なによりもその熱心さは、かなりのものです。はっきり言って、男でこういうのは、ちょっとキモいもの、しかし、おそらく、前に一人で2階席の最前列に座っていた時には、私もそんな風に見られていたのかもしれませんね。この拍手というか、手拍子、スキンブルシャンクスのナンバーの時が実力(!)の見せ所、イントロは変拍子ですから、ここで手拍子をするのはシロートです。そして、Bメロの途中で一旦やめるのが、正しい作法。この男、イントロは合格ですが、Bメロでは延々と叩いていましたよ。「勝った」、と思いましたね。
 2回公演の夜の部だったので、かなりボロボロのところもありましたが、最後は久しぶりの全員のスタンディング、これから楽日までは、こんな盛り上がりが続くことでしょう。ガスとマンカスとミストに握手をしてもらえましたし、グリザとデュトが最初からステージにいて歌っていることがやっと確認できたというのに、もうあと1回しか見に来るチャンスはありません。
aventure number : 0348 date : 2004/4/24


今日の禁断 ランラン

 予想していたこととは言え、「天花」のあまりのお粗末さには、ガッカリさせられてしまいます。そもそも、あの、まるで小学生の学芸会のような脚本は、いったい何なのでしょう。おそらく、これを書いた人は、ドラマの作り方など一度も学んだことのない、全くの素人なのでしょう。そうでなければ、これほどまでに地理的な位置関係や、時間の経過、そして人物の相関関係などを無視した物語を作れるわけはありません。その象徴的な存在が、サンプラザ中野が演じているパーカッショニスト。あの人が、なぜ金港堂(「ミミズク」、でしたっけ)でバイトをしていたのか、何度考えてみても、その訳は謎のままです。
 たかがドラマと済まされないのが、この番組の怖いところです。最近来た「市政だより」とか「県政だより」を読んでみると、このドラマを本気で「地域振興」に役立てようと呼びかけているのですから、恐ろしくなってしまいます。しかし、逆の考え方をすれば、そのような「目的」を持っている時には、地元の様子だけが画面に映っていればそれで十分、話の中身などはどうでも良いと言うことになってしまうのでしょう。もしそうだとすれば、そういう発想は、地元にとっても、そして、ドラマを作る人たちにとっても、不幸な結果しかもたらさないと思うのですがねぇ。
 「天花」と並んで、今仙台市が全国から注目されている大イベントが、もうすぐ始まります。とは言っても、「注目されている」と思っているのは、地元の、ほんの一握りの人だけなのかもしれませんが。そのイベントとは「仙台国際音楽コンクール」というもの。これが決して全国規模で有名な出来事ではないと思えるのは、その地元で、曲がりなりにも音楽活動をしている私自身が、この催し物に全く何の興味も関心も持てないからです。街中を歩くと、このコンクールの垂れ幕が至る所に下がっているので、そういう催し物があるということだけはかろうじて認識することは出来るのですが、それがいったいどうした、というのが正直な気持ちなのです。実は、最近めざましい活躍をしているさる中国のピアニストが、このコンクールの前身にあたるジュニアコンクールの優勝者だったのですが、そのことを知る人は、例えばレコード業界あたりには皆無です。そのあたりが、まさに、このコンクールの知名度の現状なのでしょう。
 そして、その垂れ幕とかポスター、およそ芸術とは縁遠い即物的な仕上がりであるのにも、失望は隠せません。キャッチコピーが「楽都仙台」、その巨大な文字が例えば「141」あたりの壁面いっぱいに描かれているのですから、そのセンスの悪さは際立っています。もっと言えば、まともなコンサートホールひとつ持たない都市が「楽都」などと公言しているのは、まさに、たちの悪い冗談でしかありません。私の中では、1000人以上の人を収容できて、きちんとした音響設計の施されているものが「まともな」コンサートホール。もちろん、「本物の」パイプオルガンが備わっていることも、必須条件になってきます。したがって、このコンクールの本選などが開かれる青年文化センターのコンサートホールは、すべての面で「まとも」ではないことになります。客席は800、備え付けのオルガンは「電気式」、そして、このホールの音響は、いたずらに残響のみが多い、少なくとも私にとっては不愉快きわまりないものなのですから。
aventure number : 0349 date : 2004/4/25


今日の禁断 送別会

 「キャッツ」の仙台公演は、あと10回を残すのみとなりました。四季のサイトでは、このラストスパートのキャストが発表になっていますが、これが何と、千秋楽も含めて全く同じ人の組み合わせなのです。1人か2人は常に変わっていた仙台公演の今までのキャスティングを考えると、これはかなり異例のこと、もう「これしかない」というベストのキャストを揃えたのでしょうか。しかし、もちろん主観もあるでしょうが、いくらなんでもこの人はないだろうというのがあちこちに見受けられますので、これは「ベストのものを見てもらいたい」というのではなく、あくまで四季サイドのやりくりの都合なのでしょう。結局、愚妻の言うところのベストだった「金グリザ」は、とうとう私は見ることが出来ませんでした。あとは、「服部ジェニ」も、避けて欲しかったところ。「村ガス」と「武藤マンゴ」が抜けているのも、納得がいきません。最大のミスキャストは「飛田ディミータ」でしょうか。しかし、「福井タガー」と「石井デュト」、そして「蔡ミスト」が残っているのですから、贅沢は言いますまい。
 「キャッツ」はもうすぐ終わってしまいますが、10月には「ジーザス・クライスト・スーパースター」がやってくるとか、これは本当に楽しみです。しかし、日程がもろに定期演奏会の直前にぶつかっています。うまくスケジュールが合えばよいのですが。というか、「四季」が使ったその県民会館を、すぐあとにうちで使うことになるのですから、ちょっと興奮してしまいますね。衣装の切れっ端でも落ちていないでしょうか。
 その、秋の演奏会、ドヴォルジャーク・ナイトに向けての練習が、いよいよ始まりました。最初の初見大会は、本当に我々にとっては初めての曲になる、「交響曲第7番」です。もちろん、私も吹くのは初めて。一通りさらってみると、今までやったことのある「8番」や「新世界」に比べて、フルートパートに限って言えば、とてつもなくやっかいなところが多く感じられます。曲の作り方にしても、何か気負いの入った作為的なところが多いような気がするのですが、どうでしょう。この曲の人気がイマイチなのが良く分かるような箇所があちこちに見られるのは、単なる私の偏見なのでしょうか。などと言っているヒマはありません。実際に演奏が始まると、ソロだけは何とか落ちないでそれなりに(それでも、確かにヤバイところはありました)吹きましたが、トゥッティはちょっと油断していると完璧に訳が分からなくなってしまいます。最後まで通したら、もういい加減イヤになってしまいました。それでも、1楽章はもう1度返し、今度は少しは落ち着いて決められたでしょうか。吹き終わってみれば、どうやら、音的には難所はなさそう、あとは指さえきちんとさらえば、まあ何とかなるでしょうか。
 恒例の懇談会も、音と画像を収録、連休にはまた議事録のMD起こしが待っています。
aventure number : 0350 date : 2004/4/27


今日の禁断

 春は異動の季節、ニューフィルでも転勤で仙台を去ってしまう方がいらっしゃいます。しかも、ご夫婦で。ご主人はトランペットパート、そして、奥様はフルートパートの「ちほさん」です。なぜか、ニューフィルにはこのパートの組み合わせのご夫婦がもう一組、そこで、そのもう一組の方の「新居」で、フルートパートとトランペットパートの合同の送別会をやることになりました。
 こういう予定外の行事がある時には、何を置いても愚妻に報告して了解を得なければなりません。しかし、「ご夫妻でフルートとトランペットをやっている人の送別会がある」と言うと、「それ、この間結婚パーティーをした人たちね」と要領を得ません。無理もありません。フルートとトランペットの夫婦が二組もいるなんて、彼女の思考経路ではとても理解できないことなのでしょうから。細かい説明をするのも面倒なので、「結婚したばかりで、東京に転勤」とか訳の分からないことを言って、家を出ます。
 会場の「新居」は、新築のマンション、エレベーターに引っ越し屋の養生のシートが貼ってあったりして、もしかしたら本当に入ったばかりでもう引っ越しをしてしまうのではないかと思ってしまいました。しかし、部屋に入ってみると、引っ越し荷物はどこにも見あたりません。それどころか、いかにもこざっぱりとした、文字通りの「新婚家庭」です。やはり、転勤するのはもう一組の方だったのですね。
 その、ちほさん夫婦はもうだいぶ前から来ていて、私が行った時には、特別ゲストのりっちゃんたちと、新婚夫婦の手料理を殆ど食べ終わっていました。私も早速ご相伴、チヂミ風とか、春巻き風とか、いいですね、新婚って。しばらくしたらしできさんも到着して、これでフルメンバー7人が揃いました。そこで出てきたのが、デザートのスウィーツ、一皿分が一人前、いろんな組み合わせがあるので、ジャンケンで勝った人から、好きな皿を選んでいきます。私が取ったのは、左の上のお皿。なぜか、みんなの中で一番食べ終わるのが早かったりします。
 マクリーシュのガブリエリなどというセンスの良い曲をBGMに、和やかなおしゃべりが繰り広げられます。団内の飲み会とはちょっと違った雰囲気の、何かとても心が安らぐ時間が、まったりと流れていくのが、とても気持ちよいものでした。こんなに、何も身構えなくても自然に話に入っていけることなんて、なかなかあるものではありません。そういう空気をさりげなく作ることが出来るちほさんご夫妻と新婚夫婦、その絶妙の流れを断ち切るのがもったいなくて、地下鉄がなくなってしまう12時ちょっと前まで、誰も帰るそぶりを見せることはありませんでした。
aventure number : 0351 date : 2004/4/29


今日の禁断 BMW

 ゴールデン・ウィークに突入ですね。私の場合、29日の「昭和天皇誕生記念日」(はっきりこう言わないで、「みどりの日」などとごまかしているのは、何かやましいところがあるからなのでしょうか。)は出勤していたので、その代休の昨日から連休が始まりました。そもそも「ゴールデン・ウィーク」という言葉は、この大型連休の時にお客を集めようと、映画業界が作った言葉だと言われています。もはや、そんな言葉の起源は世間ではすっかり忘れられていようが、創設者である映画界では、毎年この時期に集客を望めそうな作品を並べてくるのは、恒例のこととなっています。私的にも、ぜひ劇場で見ておきたいというものが5本はあるでしょうか。全部は無理でしょうから、まずその中から、「スクール・オブ・ロック」と「パッション」と「ホーンテッド・マンション」だけはクリアしようと堅く心に決めるのでした。
 そんなわけで、まず昨日のうちに「スクール・オブ・ロック」を見てきました。これは、予告編を見た時から絶対見ると決めていたいわば大本命。これだけははずせません。そして、あらゆる意味で期待が裏切られることはありませんでしたよ。なんと言っても、主演のジャック・ブラックのキャラクターが強烈。今最もノッているコメディアンであると同時に、第1級のロック・ミュージシャンである彼にとって、この作品はまさにはまり役、当然ながら吹き替え無しのそのギターやヴォーカルには、究極のリアリティがあります。クラシックを扱った映画などで良く見られる、「役になりきるためにピアノを1日何時間も練習しました」みたいなちょっと悲愴な、それでいて映像的には殆ど成功していないものに比べたら、この差は歴然としています。そして、小道具へのこだわりも徹底していて、ロック好きにはたまりません。一見、「アンプがないのに音が出ている」と、何も知らない人は突っ込みたくなるかもしれませんが、もしかしたらそれはブラックたちが仕組んだ「罠」なのかもしれません。ギターにはきちんとトランスミッターがつながれていますし、目立たないけれども、きちんと小さなポータブルのアンプも置いてありますよ。そして、とことんウソっぽい脚本もいいですねえ。もともとあり得ない話なのですから、肝心の盛り上がりさえ描ければそれでOKなのですよ。その結果、まんまと私あたりを本気で「感動」させてしまうのですから、これはすごいことです。ピアノを弾いていたアジア系の男の子が、佐藤卓史クンそっくりだったのにも、笑えました。
 そして、今日は「ファースト・デイ」、1本1000円で見られるので、残りの2本をまとめてみてしまおうと思ったのですが、そこまで遊び呆けるのを許す愚妻ではありませんから、「パッション」はまたの機会に。
 「ホーンテッド・マンション」は、「〜ロック」とは逆の意味で、脚本の素晴らしさに感服です。この題名でディズニーとくれば、殆ど意味のないホラーが予想されてしまいますが、それを見事に裏切った物語の素晴らしさ、エンディングなど、涙が出るほどの美しさがありました。もちろん、こちらも「仕掛け」に抜かりはありません。一番ウケたのが、見事なバーバー・ショップ・スタイルのコーラスを聴かせてくれた「ザ・シンギング・バスツ」と、召使いがオルガンで弾くとんでもない和声の「結婚行進曲」。しかし、あえてマニアックなことを言わせていただければ、この、いかにもバロック時代、シュニットガーとかジルバーマンの系譜を引くと思われる楽器には、本来はリュック・ポジティーフに隠れて見えないはずのキーボードが、そのリュック・ポジティーフの手前にあるという、とんでもないまちがいが潜んでいました。
aventure number : 0352 date : 2004/5/1


今日の禁断 ゲッセマネ

 ・・・そして、「パッション」です。今日は月曜日なので、利府の「メンズデー」、時間を調べると、最初の回が10時20分ですが、その次になると1時半、これだと、「午後からは用事があるから」という愚妻の言いつけには従えなくなってしまいます。ですから、1000円で見ようと思うと、どうしてもその最初の回に行かなければならないことになってしまいます。まあ、別に早起きは苦になりませんから、いつも通りに起きて家事をこなしてから、利府へ向かいましょう。お陰で、かなり余裕を持って、というか、スタート1時間前にはついてしまいましたよ。しかし、チケットを買おうと思ったら、「前の方と、一番後ろの列しか空いていません」ですって。やはり、アメリカではものすごい興行収入を記録した作品ですから、人気が高いのでしょうか。その割には、100人ちょっとしか入らない7番シアターを割り振っているこのシネコンの対応には、ちょっと疑問を感じてしまいます。てっきり、300人、500人の3、4番シアターあたりだと思っていましたから(そっちは、確実に人が集まる「クレヨンしんちゃん」)。
 その7番シアター、メンズデーということもあるのでしょうが、かなりお年を召した男性(ジジイとも言う)がたくさんいたのには驚きました。最近の映画館ではついぞお目にかかれないような年齢層、そういう人を呼び込む魅力が、この作品にはあるのでしょうか。確かに、私のまわりの「若い人」は、「あんな気持ち悪いの、イヤ」と、完全にひいていました。
 物語は、あまりにも有名な文学作品(と言うと、怒られそう)が原作、と言うより、私たちにとっては日常的にお馴染みのバッハの「マタイ」や「ヨハネ」の世界、もっと言えば、最近何かとブームのアンドリュー・ロイド・ウェッバーのミュージカル、そして、それをノーマン・ジュイソンが映画化した「JCS」の世界です。もちろん、西洋人にとってはもっともっと日常的な素材、日本人にとっての「忠臣蔵」や「太閤記」のようなものでしょうから、映画を作るにあたってのポイントは、どの辺のディーテイルにこだわるかが課題になってくるのでしょう。メル・ギブソンがこだわったのは、まさにタイトルにあるような「受難」、それもフィジカルな面をとことん強調してくれました。その結果現れたのは、まるで生ベーコンか明太子のようなジム・カビーゼル。例えばジュイソン作品でのテッド・ニーリーの痩躯とは比ぶべくもない豊満な(お腹が出てるキリスト?)肢体は、哀れみよりは食欲をそそるものでした。
 「原作」にはないキャラクター、ピラトの奥さんを登場させたのは、なかなか新鮮なアイディアでした。さらに、「原作」では「十字架を背負わせた」としか書かれていないシモン君にあれだけの役割を与えたのも、効果的。ただ、「復活」があの程度というのは、ちょっと物足りないかも。それから、ローマの兵士は「ラテン語」を喋っていましたが、「口語」としてのラテン語は、ちょっとあれとは違うような気がしてならないのですが。
 そして、「午後の用事」は、思いがけなく前日予約でS席が取れてしまった「キャッツ」のソワレです。愚妻はマチネとの連チャン。県民会館の前で待ち合わせたら、「タガー、変わっちゃった」と落ち込んでいます。そう、もう楽日まではキャストが決まっていたはずなのに、急に福井さんが大阪でラダメスをやることになって、荒川タガーになっていたのですよ。なんという。
aventure number : 0353 date : 2004/5/3


今日の禁断 名刺入れ

 ・・・そして、「キャッツ」千穐楽です(「穐」なんてすごい漢字、殆ど初めてお目にかかりましたが、以前ジャズ・ピアニストの秋吉敏子さんが「穐」吉と表記されていたので、とりあえず面識はあったと言うことで)。そんな難しい字が描かれた吊りカンの下で、タガーが土下座をしようが、グリザベラが「ありがとう仙台」という垂れ幕の字をなぞったあと深々とお辞儀をしようが、総立ちの聴衆の拍手が鳴りやむことはありません。
 仙台での146回目の公演、開場1時間前に着いてしまったのですが、もうすでにお客さんもチラホラ。一番乗りを果たそうとしている二人連れの服装に何か見覚えがあったので、良く見てみたら、おとといも入り口で一緒だった人たちでした。とてもユニークなコスプレ風の衣装、おそらく連休に泊まり込みでやってきたのでしょう。そのうち、背の高い白髪の紳士が、「顔パス」で中に入っていきました。なんと、その方は「四季」の総帥浅利慶太氏ご本人、とても70歳とは思えないような、軽やかな身のこなしでした。その他にも、主催者関係でしょうか、スーツ姿の人たちがたくさんたむろしていたのも、千穐楽ならでは。
 幕が開く(もちろん、この演目に実際の「幕」はありません。あくまで言葉のアヤ)前の張りつめた静寂感は、今まで見てきた中で初めてのものでした。たいがい仲間でおしゃべりをしていたり、なんとなくざわざわしていたものが、今日に限っては会場内のだれ1人として無駄口を叩く人はいません。今日の公演がどういう意味を持つものなのか、おそらくそれをきちんと知っている人のみが集まった奇跡的なマチネが、今始まろうとしています。
 各ナンバーが終わった時の的確な拍手、ついアップテンポになってしまう熱気に満ちた手拍子、それに応えてくれた出演者たち(グリザベラは最高でした!)、すべてが理想的な状態で運ばれていくうちに、ついに最後のコーラスがティンパニの連打と共に鳴り響き、仙台で最後となる「キャッツ」公演の「幕」(ねっ)が降ろされました。それに続いたカーテンコールの模様は、立ち上がって拍手するのに夢中で殆ど憶えていません。しかし、もちろん、今までとは全く異なる、真に「お客さんが呼んでいるのでステージに戻る」という、作為の全くないものに思えてしょうがありませんでした。そして、冒頭に書いたようなことがあったあと、出演者全員が客席を走り抜けてホールの外に立ち去り、やっと拍手は渋々止んだのでした。
 (5/6 11:30追記)夕べの「禁断」の最後に書いたことは、おおもとの掲示板の書き込みが削除されてなんの意味も持たなくなったため、削除しました。もう誰の目に触れることもないのですから一応「良識の勝利」というべきなのかもしれませんが、後味の悪さは残ります。「一度ネットに出たものは、どんなことをしても取り消すことは出来ない」というのが持論だった「あの男」の「卑劣」なやり口、実体はなくなっても、しっかり私の中には深い傷となって残っています。してやったりでしょう。この次はどんな汚い手を仕掛けてくることやら。
 (5/7再追記)掲示板のログを解析する中で、書き込みの主は完全に特定されています。ここで実名を公表して、あのような犯罪まがいの行為を行ったその人物の正体を明らかにするのは造作もないことを、知っておいて下さい。
aventure number : 0354 date : 2004/5/5


今日の禁断

 連休も終わって職場に行ってみたら、裏の竹藪にはたわわに(とは言わない?)筍が生えていました。去年全く出なかったのがウソのよう、この分では掘っても掘ってもどんどん出てくることでしょう。というわけで、公式掲示板や、各パートの掲示板に書き込んだように、「筍掘り大会」を開催することになりました。土曜日の午後という微妙な時間ですが、初めての方もぜひ参加してみてください。と言って、全世界のJPファンが、例えばロンドンやLAからわざわざ駆けつけて来るという状況は(ありえない?)ちょっと心苦しいので、参加資格は、一応ニューフィル団員の周辺ということにしておきましょうか。その他に、「私の目をまっすぐに見ることが出来る人」という条件を付けるとか。別にエントリーの必要はありませんから、3時から5時くらいの都合の良いときに来てみてくださいな。
 ただ、さっきもテレビで丸森町の「プロ」の竹林の筍掘りの様子を放送していましたが、あのような小綺麗な竹藪を想像されるとガッカリされることでしょう。竹藪というものは、それこそ専門に世話をする人がいないことには、年々荒れ続けていくものです。特に、下草は生え放題ですからミュールやサンダルではちょっと辛いかもしれませんね。地下足袋やゴム長靴とまでは言いませんが、スニーカーぐらいが適当かも。
 ところで、昨日でついに終わってしまった「キャッツ」ですが、最後から2回目にして初めて分かったことがありました。その日の席は、1回のPA/照明ブースのすぐ隣り、ちょっと腰を浮かせば、オペレーターの動きが丸見えという場所でした。そこで気がついたのが、そのブース全体から発せられている「ゴー」という音。ここは休憩時間などに何度も来て、中にある機材をチェックしていたものですが、カラオケ用の音素材は、「オペラ座の怪人」の時に使っていたオープンリールのアナログテープではなく、どうやらハードディスクから送り出しているようなのですね。したがって、それらを納めた音声用のコンピュータや、さらに照明用のコンピュータに使われているファンの音が、その正体です。今まで見に来ていた中で、例えばマキャヴィティの格闘シーンのあと、一切の音がなくなった時に、この「ゴー」というノイズが非常に気になったものでした。その時までは、アンプから出ているノイズだと思っていたのですが、それにしてはちょっと異質な音、やっとその原因が分かりました。
 それが分かってしまうと、この音は非常に邪魔なものに感じられてしまいます。さっきの場面だけでなく、「メモリー」のような静かなナンバーの時も、これははっきり聞こえてしまうのです。これは、のべつ音が出ているという点では子供の泣き声よりもたちの悪いものかもしれません。今回のPAのクオリティが格段に向上していたのは、おそらくこのハードディスクの導入が大きな要因でしょう。しかし、それと同時に、冷却ファンによる騒音という新たな問題が発生することになってしまいました。プロの音響技師である関係者は、おそらくこのことに気付いているに違いありません。したがって、これは例えば水冷マシンなどを導入する前の過渡期の状態だと信じたいものです。
aventure number : 0355 date : 2004/5/6


今日の禁断 たんぽぽ

 ゴールデンウィークが終わる頃には、ケヤキの若葉も鮮やかさを増し、仙台の町は初夏のたたずまいです。車で通町(この道路を「青葉神社通り」などという、お上が押しつけた理不尽な名前で呼ぶ人など、誰もいません)を走っていると、神輿渡御のための交通規制予定の看板が立っていました。もうすぐ「青葉まつり」なのですね。
 そんな初夏の風物詩、「筍掘り大会」が開催されました。諸般の事情でしばらく行われていなかった、このニューフィルの「準公式行事」、今回は確実に出席出来ると言う連絡が殆どなかったので、ほんのこぢんまりとしたものになる予感がありました。一応「初めての人も来てください」と呼びかけてはありましたが、わざわざ好きこのんで「悪い意味での有名人」(しっかりこだわっています)のところへ来るはずもありませんし。ですから、開始時間の3時になったので、裏庭の木戸を開け、スコップやバケツを用意しても、誰も現れる気配がなかった時には、正直、一人で孤独に耐えながら筍を掘っている場面を想像してしまいました(いじいじ)。
 しかし、蓋を開けてみれば、全くノーマークだったじゅんこさんが、なんと3人のお子さんたちと家族総出でやってきたではありませんか。そこで、最終的には、こちらもご家族全員で参加してくれたしできさんのお子さんと合わせて、全部で5人の「若者」が、大活躍してくれることになりましたよ。その他にも、やはり初参加のひろしくんと、ただ一人の常連のりっちゃんという顔ぶれ、総勢12名という、想像を絶する大がかりな「大会」となってしまっていました。
 「若者」たちは、最初のうちはお母さんにおんぶしたりして恥ずかしがっていたものの、ひとたびスコップを手にして筍を掘り出す味を覚えると、もはや夢中、目を輝かせて竹藪中を走り回っています。同様にハマってしまったのが、しできさんの奥さん。お子さんはご主人に預けて、ほんとに楽しそうに掘りまわっていましたっけ。気がついた時には、掘った筍はバケツにうずたかく山積み。どうやら、「若者」たちのエネルギーは、土の上に出ていた筍をあらかた掘り尽くしてしまったみたいです。竹藪が荒れないように毎年行っていた伐採作業、お陰で今年は殆どその必要がなくなることでしょう。お疲れ様でした。と同時に、私にとっても、最近のイヤなことを忘れることが出来る格好の機会となりました。
 そんなわけで、おそらく火曜日には新しい筍はまだ生えてこないでしょうから、練習の時にもらえるかもしれないなどという甘い期待は抱かないでください。そもそも、掘ったりしている時間なんかないかもしれませんし。
aventure number : 0356 date : 2004/5/8


今日の禁断 ベンツ

 先日取り上げた著作権法の改正法案、ネット上ではもうすでに確固たる流れができていて、さまざまな人が日記やブログで取り上げるようになってきました。あの法案には、当初危惧されていたようなことが盛り込まれているのは、もはや誰の目にも明らかになったと言うことでしょう。そして、この問題はネットという特殊な世界から、もっと幅広いものになろうとしていることもうかがえます。というのも、さっき車でラジオを聴いていたら、民放FMのDJがこの法案についてマジになって話していたのですよ。ご存じのように、今の民放FMというのは、間違いなく業界のPRのツールと成り下がっているわけで、レコード会社のプロモーションをすることはあっても、マイナスイメージを持たれるような言動は決して表面には出てこないもの。そこを舞台に、さるラッパーが「これは5大メジャーの利益につながるものだ」などと熱く語っているのですから、ミュージシャンの危機感は本物なのでしょう。なにしろ全国ネットの番組ですから、今までこの件に全く関心がなかった、というか、こういうことが行われようとしていることすら何も知らなかった人にも、そういう動きがあるということが知れ渡ることでしょう。
 あいにく、この法案はもうすでに参議院を「満場一致」で通過してしまっています。色々な反対行動はあるにせよ、これが成立するのは時間の問題、今さら盛り上がってももはや手遅れなのですよ。なんと言っても、著作権法の趣旨のひとつは業界保護、メーカーと流通業者が完璧に後押しをしているのですから、今さらユーザーがいくら騒ぎ立てようが、なんの力にもなりません。聞くところによると、販売店にはこの問題についてお客さんから問い合わせがあった時の対応方法のマニュアルがちゃんと用意されているとか。そんなものを教え込まれて、「お客様」に理解していただくために弁舌を尽くすなんて、ある意味販売店も被害者なのかもしれません。
 というような、偽善と悪意に満ちた社会に生きる人間を描いた映画が、「チェンジング・レーン」です。車線変更のミスで衝突事故を起こした被害者と加害者が、相手を陥れるためにさまざまな卑劣なことに手を染めるという物語、加害者である弁護士は、ハッカーを雇って被害者である黒人の保険業者の財産を消滅させて破産に追い込んだと思えば、その黒人は弁護士の車のタイヤのボルトをゆるめて、大事故を起こさせると言った、陰湿なやりとりが延々と続きます。しかし、そこはハリウッド映画、最後にはお互いに本来の人間らしい理性を取り戻し、ハッピーエンドになるというのが、お約束。こんな、とてもあり得ないヒューマニズムがもてはやされて大ヒットとなったのは、現実の世界では求められない安息を、映画という娯楽の中でほんの一時でも体験したいという願望の表れなのでしょうか。それほど、世の中には邪悪なものがはびこっているのだとしたら、こんな悲しいことはありません。
aventure number : 0357 date : 2004/5/10


今日の禁断 パン屋

 土曜日の筍掘り大会で、すっかり筍がなくなってしまった竹林ですが、今朝覗いてみたらまだまだあちこちから顔を出しているではありませんか。まさに「雨後の筍」、今年は筍の勢いがいつになく活発なのでしょう。そんなものを見てしまうと、掘らずにはいられなくなるのは、悲しい性と言うべきなのでしょうか、ほかにやらなければならないことはいくらであるというのに、ついついスコップに手が伸びてしまいます。せっかくですから、今日の練習に持って行って「ほかの用事で行けませんでした」とか言っていた人にあげることにしましょう。
 実は、新しい「かいほうげん」は来週発行の予定、それに必要な懇談会の議事録は、「連休中にMD起こし」などと言っていたのもすっかり忘れたふりをして、連休中は映画、ミュージカルと遊び回っていました。まだまだ休みがあると思っていたのに、気がついたらもはや普通の日、結局、何も仕事をしなかったツケがこの連休明けに回ってきてしまいました。筍などを掘っているヒマなどなかったのです。MD起こしは、まだ7割しか仕上がっていませんし、今の時点でファイルが完成しているのは2ページ分だけ、これで来週16ページの「かいほうげん」が出来ていたら、奇跡としか言いようがありません。特に、今の私はいつになく気力が衰えています。何度も書いているように、人の心の醜さをとことん見せつけられてしまったおかげで、正直、ニューフィルに関する仕事など全く手につかなかったのも、作業が遅れている原因、来週出せなければ、その次はパート練習ですから、次の全体練習の6月に発行ということになってしまいます。その時は、そんな事情だったと、ニューフィルの現団員だったら大目に見てくれることでしょうね。
 辞めていった人のことは、もう放っておくことにしましょう。2週間ぶりとなった練習では、そちらこちらのパートで新しい顔が見られました。このところ減少気味だった団員数も、これで少しは持ち直すことでしょう。もちろん、ちほさんが抜けてしまったフルートパートも、しっかり補充されていましたよ。言ってみれば、今までの恋人に飽きて別れたら、すぐ次の人を探すというようなもの(もちろん冗談ですよ・・・と言っておかないと、どこかの掲示板に貼り付けて「誹謗中傷」などと騒ぎ出す人がいるかもしれませんから、念のため)、これは現代の若者の常識です。初めて合わせたチェロ協奏曲も、チェロパートがきちんと代奏を用意してくれたので、しっかり全体を掴むことが出来たでしょう。2楽章のソロとのからみはかなり大変そうでしたが、こうやってしっかりした代奏がいれば、本番のソリストが来る頃には完璧にクリアされていることでしょう。
aventure number : 0358 date : 2004/5/11


今日の禁断 マイソング

 最近、このサイトの掲示板に面白い書き込みが相次いでいます。一番新しいものが、音大生やOBを対象にしたリクルートの書き込み。何でここに来たのかという点がイマイチよく分かりませんが、別に害はないのでそのままにしておきましょう。その一つ前のものは、ご存じ「輸入盤規制問題」のアピールです。この問題もいよいよ山場を迎え、このような草の根の作戦を始めたのでしょうか。もちろんそれはそれで結構なことなのですが、私のようにこの「禁断」である程度の意思表明をしている人間のサイトにまでやってくるというのは、ちょっと間抜け。書き手としては、そんな細かいチェックをやっているヒマはないのでしょうが、このように、いかにも関係したすべてのサイトの掲示板に同じ文面を書き込んだのがミエミエだと、なんの効果もないばかりか、反発さえ起きかねないでしょう。はっきり言って、これはあまり賢い書き手による書き込みとは思えません。もちろん、こんなアホな書き込みでも、いつぞやの仙台国際音楽コンクールの掲示板に書き込まれたものよりははるかに意味のあるものであることは、言うまでもありません。少なくとも、これらの書き込みは管理者によって削除されることはないでしょうから(しかし、仙台国際音楽コンクールのサイト管理者は、あの書き込みを削除する時にはかなり複雑な気持ちだったことは想像に難くありません)。
 その掲示板からのリンクの影響でしょうか、最近「禁断」へのアクセスが目に見えて増加しています。怖いもの見たさにリンクをたどってきてみれば、あそこに書かれていたような怪しげなものではなく、「なんて素敵なサイトなんでしょう」と、逆にファンになってしまったという「ミイラ取りがミイラに」(ちょっと意味が違う?)なってしまうケースが全国で起こっている・・・のだったら良いのですがね。いや、アクセスが増えているというのは事実でして、今まで1万ヒットを達成するのに1ヶ月以上かかっていたものが、今回はどうやら25日ぐらいになってしまいそうです。アクセスを増やそうとあくせくしているサイト管理者には申しわけありませんが、こんな風に何もしなくてもどんどんアクセスが増えていくのですから、何が幸いするのやら。
 ところで、もしかしたら「奇跡」が起こるかもしれません。前回あんな弱気なことを書いてしまいましたが、昨日集中して「かいほうげん」のファイルを作り始めたところ、なんと、12ページ分のワードファイルがいつの間にか出来てしまっていたのですから。と言うことは、すでに出来ていた2ページと合わせて14ページ、これで表側のお知らせが揃えば完成してしまうという、驚異的は展開です。おとといの段階では、どう考えても4ページ分は不足していたのですが、調べてみたらまだ使っていなかったテキストがどっさり出てきたのと、例の「懇談会」を起こしてみたら、3ページ分になってしまったのが、勝因です。私には幸運の女神かなんかがついているのでしょう。卑劣な中傷なんかに負けるもんですか。
aventure number : 0359 date : 2004/5/13


今日の禁断 パーマ

 ついに負けるべくして負けた朝青龍ですが、カウンターの方は順調に快進撃を続けています。この調子では、間違いなく今日中には29万を達成してしまうことでしょう。キリ番ねらいの方は、チェックを怠りなく。
 しかし、「天花」は相変わらず無茶な展開を繰り広げていますね。まあ、もはやまっとうなドラマに生まれ変わることはあり得ないでしょうから、あれこれ言わず放っておくしかないのでしょう。マンガ家のいしかわじゅんまで喫茶店のオヤジで登場していますし。ただ、前に書いたどうしても晴れない疑問が、めでたく解けた瞬間も。例のサンプラザ中野が、なんと「金港堂」の跡取り息子だったとは。それなら、実家の店番を手伝っていたのは分かりますが、しかし、なぜそこで竜之介が万引きをしたのかは、依然謎として残ります。
 その竜之介君、これから松島のお寺で修行をすることになっているそうですが、そのロケがつい最近、その松島の瑞巌寺で行われたそうです。雲水としての修行をするために、竜之介君はきちんと頭を剃髪して(つまり、スキンヘッドになって)松島町内を托鉢して歩いたとか。そこまでして役作りするほどのドラマでもないような気はしますが、これがブレイクにつながるかどうか、ON AIRは7月頃だそうですので、お楽しみに。
 というようなことまで、好き嫌いにかかわらずなんでも知っている私ですが、このところ、ある問題が解けなくて悩んでいました。私が毎日訪れている日記のページがあるのですが、そこで、「次のAグループではつくが、Bグループではつかないものはなんでしょう」という問題が出されていたのです。
Aグループとしては、「ショパン、まいたけ、目、スペード」など、
Bグループとしては、「リスト、シイタケ、鼻、ハート」がそれぞれ対応します。
 どうです、分かりましたか?
 結局、丸2日考えに考えたあげく、ついに答えを見つけることが出来ました。それが分かった瞬間は、まさに「やった!」という気持ち、ひとつのことを成し遂げた達成感っていうんですか、そんな充実したものを味わってしまいましたよ。そこで、その結果を応用して、私も問題を作ってみました。
 「バッハではつくが、ヘンデルではつかないもの、なに?」
 「ピアノではつくが、オルガンではつかないもの、なに?」
 「岩村さんや下野さんではつくが、末廣さんではつかないもの、なに?」
 「マーチではつくが、ソナタではつかないもの、なに」
 きりがないから、この辺で・・・。
 ついでですが、前に「のだめ」で出した問題、「メンデルスゾーン」で試してみてください(これはつくな)。
aventure number : 0360 date : 2004/5/14

04/5/16-04/6/20