(01/01/23掲載)
この頃、焼酎を飲んでいる。『いいちこ』をウーロン茶で割って飲むのだ。これがまたうまい。量はそんなに飲めないけれど、体に馴染むのだ。そう言えば学生の頃、よく横浜の先輩の家へ行って、この『いいちこ/ウーロン割り』を飲んだものだった。あの先輩は今ごろどうしてるかなあ。いい先輩だったなあ。
この前、『アンサンプル・パタタ』のレコーディングに参加した。パタタは弦楽が主体のグループで、結成してからもう5年くらいたっているそうだ。今回のレコーディングではメンバーの一人である渋谷くんの作品を録音した。ここで、渋谷くんのプロフィールを紹介しよう。
渋谷牧人/仙台市出身。五歳よりピアノをはじめ、当時すでに『作曲』に目覚める。宮城教育大学に入学と同時に同管弦楽団に入学、チェロを始める。大学在学中にトップ奏者、室内楽活動を行うに至る。Ensemble Patata結成メンバーの一人。1998年夏より本格的に作曲を志し、毎回のパタタの演奏会に於いて、新作の発表を行っている。『現代音楽』という既成の概念を打ち破るような、自然な美しさに溢れる作品達は、これまで多くの方々に絶大な支持を受けている。また、編曲の分野においてもその才能を発揮している。これまでに、『啾歌(しゅうか)−ヴァイオリンとピアノのために−』、『弦楽のための四章−Tetralogy for Strings−』、『弦想詩−光あれと ねがふとき−』をはじめとする、室内楽作品を発表している。現在、作曲と演奏活動の他、東北高校非常勤講師として、音楽の持つ素晴らしさを多くの生徒たちに伝えている。これまでにチェロを川上徹氏、作曲を木村政巳氏それぞれに師事。
今回のCDは、『渋谷牧人 作品集/光あれと ねがふとき』というアルバムで、アンサンプル・パタタにとっては初録音となった。僕は、なかなか良く仕上がったんじゃないかと思う。アルバム全体が渋谷くんの作品のみで統一された事や、録音の会場をきちんとホールを使って録音した事などが、功を奏した感がある。演奏はやや未熟だが、それでも演奏者が渋谷くんの作品に対して深い敬意と愛着を持って接しているのが、スピーカーを通しても充分に感じ取る事ができる。僕も今回参加して思った事だが、それが作曲者と演奏者の理想の関係である以上、リスナーはそういった演奏に共感を覚えるであろうという事だ。以前の僕は、その三位一体は有り得ない話だとたかをくくっていた。しかし、仙台に帰って演奏活動を行うようになってからの話だが、そのような三者の理想的な関係が、この場所(仙台)ではかなりの確率で成功するのを実感している。渋谷くんとそして若きミュージシャンたちには、これからもこの地で、活躍してもらいたい。良いミュージシャンたちが、大都会や海外へ行ってしまうのは、僕はとても悲しい。
さて、ここからは宣伝です。別にパタタからマージンをもらってる訳でもなんでもないのですが、パタタでは今回の録音であるこの『渋谷牧人作品集/光あれと ねがふとき』を1枚2000円で販売しております。私家製盤につき、消費税はありません。企画と制作は、『Ensemble PatataとデザインラボWASABI』となっております。興味のある方はコントラバスの菅原まで、是非一声お掛け下さい。どうか、よろしくお願い致します。
再び、横浜の先輩の話。
その、『いいちこ/ウーロン割り』で先輩とあれやこれや話していると、話は必ず女の子の話になった。誰ちゃんが最近可愛いとか、その手の話である。これは、当たり前といえば当たり前なのだが、男同志で酒を飲んでそういう話にならない事はまず無かった。年が今よりも若かったせいも勿論あるにせよ、誰ちゃんが可愛い、誰ちゃんは可愛くないなどと無責任な話をとりとめもなく話すのは、とても楽しく、また貴重な時間でもあった。女の子の話が一段落すると、次は大体『オーケストラ当てクイズ』になった。例えば先輩が、チャイコフスキーのシンフォニーをCDか何かでかけて、「さあスガちゃん、これはどこのオーケストラでしょう」と問う。すると、僕は間髪入れずにこう答える。『う−ん、この演奏はかなり土くさいなあ。この金管の発音のしかたはロシア人特有のものだ。まあ、モスクワ・フィルだろうね。』すると先輩はすかさず『さすがはスガちゃん、いい耳してるねえ。ベルリン・フィルの金管はロシア人特有の発音してたんだあ、へえ、初めて知ったよ、教えてくれてありがとう。』などと嫌味らしく言われたものだった。
そんな、先輩との楽しい思い出も、『いいちこ/ウーロン割り』とともに思い出される。また、あの先輩と再会する事はおそらく無いだろうが、それでも『いいちこ/ウーロン割り』を飲む度に、自分の学生の頃の無責任さや、奔放さを『面白い奴だった』などと思い出すのは、ちょっと滑稽だろうか。
最後に一言。文中にたぴたび登場する『いいちこ』の製造元であるところの三和酒類と僕とは一切関係ありません。決して宣伝してる訳ではないので、一応、念のため。