
なぞの美女、Madame de la Tour の最新CD情報。
(99/12/10-99/12/30)

この画像は風夢さん(http://plaza.harmonix.ne.jp/~furm/)のご好意により使用させていただきました
12月30日
| SWITCHED-ON BOXED SET |
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Wendy Carlos(Syn)
EAST SIDE DIGITAL/ESD 81422 |
今年最後のまだむの部屋。
1000年代の終わりには、この名盤を、ってのはおおげさだけど、確かにエポックメーキングだったアルバムのリマスター盤が、ボックスセットになって発売されました。
1968年にワルター・カーロスという人が初めてシンセサイザーを使ってバッハの曲を録音したのが、「スイッチト・オン・バッハ」。私はこのころはまだ生まれてなかったから(ほんとよ)よく知らないけれど、発売当時は大騒ぎになったんですってね。
で、このアルバムはソニーレコードからCDもでていたんだけれど、最近になって輸入盤も国内盤も廃盤になっていたのね。
そうしたら、ぜんぜん別のレーベルから、同じころのソニー(当時はCBSね)から出ていた4枚を集めて、オリジナルのライナーとは別に140ページもある書き下ろしのライナーを付けて、「スイッチト・オン・ボックス・セット」ってタイトルで発売になったじゃない。そういうことだったのね。
あと、最近のはやりでしょうけど、4枚目がエンハンストCDになっていて、ヘレヴェッヘのマタイみたいにパソコンでデータが読めるのよ。
これには主に画像データが入っているのね。モーグ・シンセサイザーのモジュールとか、マニアにはたまらないお宝がどっさり詰まっているわ。
あ、それから、こんなものは見たくないかもしれないけれど、ワルター・カーロスってかたは、性転換してウェンディ・カーロスって名前の女性になっちゃったのね。そのウェンディさんの写真も入ってるんですって。
やっぱ、マニアは必見ね。
マスターに教えてあげたら喜んじゃって、さっそく手に入れてなんかトークを1個でっちあげてたみたいよ。そっちのほうもご覧になってみて。
12月28日
CATOIRE
Piano Music |
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Marc-André Hamelin(Pf)
HYPERION/CDA 67090 |
はっきりいって、まだむはアムランのファンです。
もう2年越しになるかしら。去年も今年もコンサート行ったし新譜が出れば必ず買っちゃう。もちろん変な音楽祭のCDもね。
この間のブゾーニももちろん買ったんだけど、書こう書こうと思っていたら某雑誌に先を越されてしまったわ。(張り合う事ないんだけどね)
それで今回の新譜。
カトワールなんてほとんど知られてない作曲家よね。
でも、ちょっと待って。この名前、なんか聞いた事あるのよ。そうだ。確かオイストラフが2.3曲弾いてた気がするわ。
まあ、その程度の認識しかない作曲家の作品をここまで精魂込めて弾くアムランてやはりすごい人だわ。
カトワールってなかなか面白い経歴の持ち主。1885年にはバイロイト音楽祭に出席したり、(聴くほうね。)R-コルサコフとリャードフに師事したけど見切りをつけたり。結局独学で勉強して1916年モスクワ音楽院の作曲科教授になったんだとか。
で、作風はショパンとドビュッシーとチャイコフスキーを混ぜてもっと余分な装飾を付けた感じ。きらびやかなメロディー。おしゃれなセンス。ほどよい技巧性。出来の良いサロン音楽ね。
ピアノマニアを自認する人は聴かなくちゃ。もちろんアムランマニアさんも。
(永●さ〜ん。買いましたか?今度ゆっくり彼の魅力について語りましょうか。)私信でした。
12月26日
TCHAIKOVSKY
Symphony No.6 |
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Gergiev/Kirov Orch.
PHILIPS/456 580-2(輸入盤)
ユニバーサル・ミュージック/PHCP-11174(国内盤) |
このところ私のしもべが大騒ぎしているわ。なんでも来年ゲルギエフの「運命の力」を観に行くんだって。まあ、うらやましい。キーロフね。私は行けそうにないわ。
とりあえず、復活でも聴きに行こうかしら。でもやはりオペラがいいなあ。だってまだむだもの。
で、ゲルギエフ。今回は悲愴ね。
前作の5番。ライヴということもあるけど、VPOがあそこまで燃えた演奏はなかなかお目に掛かれないわ。発売当時CD屋さんでよく掛かってたんだけど、もう終楽章まで来ると壮観だったわ。何しろフロア中のおじさまが手を振りながら歩いてるのよ。それも鼻歌交じりで。(ティーレマンの運命の時も同じような現象が起こったっけ)
それだけ聴く人の心をぐっと掴むのね。
今回の悲愴もとても名演よ。なにしろツボを押さえているのよね。最初からひきこまれちゃう。2楽章も素敵よ。
でも曲の性格上、どうしても終楽章は盛りあがらないじゃない。絶望したまま終わるわけ。寂しいわ。
でもそこはご安心を。ちゃんとロメジュリで盛り上げてくれますから。さすがゲルギエフ。これでまたファン倍増ね。
やっぱり聴きに行きたくなっちゃった。
12月24日
SZYMANOWSKI
Król Roger |
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Rattle/City of Birmingham Symphony Orchestra
etc.
EMI/CDS 556823 2(輸入盤)
東芝EMI/TOCE 55084(国内盤) |
ショパン好きのまだむとしては、モシュコフスキも、パデレフスキも、もちろんシマノフスキも要チェックなのよ。
で、このオペラ。
このところ、ある有名評論家の先生が新聞や雑誌で推薦したこともあって、にわかに注目を集めているようね。
でも、はっきり言って難解よ。まずテキストがポーランド語。これは仕方ないわね。
内容は、まあ一言で言うなら、ある王様が、一人の羊飼いによって、自分に正直に生きる道を見出した話ね。理性と本能の戦い。
ちょっと短くしすぎだけど、シマノフスキの音楽は見事よ。最初は厳格かつ荘厳。それが羊飼いの出現により少しづつ官能的に変化していくの。そこがすごく面白いわけ。羊飼いとは仮の姿で実は酒と官能の神。これはだれでも誘惑されるわね。
もちろんハンプソンを聴きたい人も大満足。
まだこんな聴き応えのあるオペラがあったのね。
カップリングの交響曲第4番もオススメ。
ピアノのアンスネス(ムストネンと名前が似て…ぜんぜん似てないわね)はこの間のN響のソリストを務めた人。上手いとはいえないけど、ものすごく味のある演奏をするわね。
この曲をきくだけでも買う価値があるかも。
とにかく面白かったわよ。
12月22日
J.S. BACH
Suites for Solo Cello(tr. for Fl.) |
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Wilbert Hazelzet
GLOSSA/GCD 920804 |
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藤井香織
ビクターエンタテインメント/VICC-60131 |
バッハの有名な無伴奏チェロ組曲をフルートで吹いたCDが続けて2枚出ました。日本の若手藤井香織とオランダの名人ハーツェルツェット。
チェロの原曲が頭にあるといろいろと違和感もあるかもしれないけど、最初からフルートの曲だと思ってしまえば、なかなかいいものよ。だって、バッハだって同じ曲をあちこちで使い回ししてるんだから、これは許されることだと思うわ。
まだむはおじさま大好きだから、頭の薄いハーさんは昔からのファンなの。トン・コープマン(コーさん!)と録音したロカテルリのソナタも良かったわ。(PHILIPS 416 613-2)。トラヴェルソっていうの?バロック時代の穴が6つか7つしかない楽器を吹かせたら、ひょっとしたら世界一かも。
ここでも、この単純な楽器から、信じられないぐらい表情豊かな音楽を導き出しているのよ。
一方の香織ちゃんはもちろん現代の楽器。音は滑らかだし、いとも楽々と吹いていて、これはこれで凄いんだけど、ハーさんにくらべたらなんか物足りないのよね。結局ほら、バロックってもともと「いびつな」って意味でしょう。ハーさんぐらいの名手になると、音程のクセとか音色のばらつきまで音楽に取り込んじゃってるから、いきいきと聞こえるんでしょうね。曲によって楽器を使い分けているのもニクいわね。
あったかい部屋でしみじみ聴いてごらんなさい。寂しさなんかどこかへ行ってしまうわよ。もちろんハーさんのほうよ。
12月20日
CHRISTMAS KANTELE
サンタの国からクリスマス |
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Eija Kankaanranta & Mervi Yli-Vainio(Kantele
Duo)
FINLANDIA/3984-23387-2(輸入盤)
ワーナーミュージック・ジャパン/WPCS-10342(国内盤) |
このところ大晦日だ、お正月だ、はたまたヴァレンタインだとか、先のことばかり騒いでいたら、「クリスマスをきちんとしなさい!」って、さる方面からしかられてしまったわ。
で、まだむオススメの1枚。
シベリウスマニアの方ならカレワラってご存知でしょうね。
そう、言うなれば日本の古事記。
その中に登場するのがこのカンテレ。もともとは、カマスの骨に馬の鬣(たてがみ)を張ったものだとか。この音を聞くために森羅万象全ての物があつまるんだって。日本の筝に近い音(形もね)で、とても聞きやすいの。
ただ繊細な音だからみんなでわいわい騒ぎながら聴くのには不向き。(そんな時には中国の楽器によるクリスマスアルバムというのもあるのよ。)
良く知られているジングルベルや、聖しこの夜だけでなく、フィンランド独自の聖歌もバランス良く収録されているのが心憎いわね。
そうね。彼女かなんかと2人で、カレワラについて語り合いながら聴くのはどうかしら。「トゥオネラの白鳥はね、黄泉の国の水先案内人なのさ。」なんて。
彼女逃げるわね。
冗談はさておいて、この美しい音色をぜひ一度は聞いてみて。
まだむから皆様へメリークリスマス!
12月17日
SHOSTAKOVICH
Cello Concertos |
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Arto Noras(Vc)
FINLANDIA/3984-21441-2(輸入盤)
ワーナーミュージック・ジャパン/WPCS-6420(国内盤) |
今回も旧譜。
そろそろ年末。私なんか昨日も第9を3回聴いてしまい、もう気分はすっかり大晦日。
でもニューフィルの皆様は来年の定期に向けて頑張っていらっしゃるのね。すごいプログラムですこと。ショスタコとブラームスとチャイコ。
jurassicさんが「何かおすすめCDを」とおっしゃるの。
そうね。ブラームスは誰かの新譜が出たら書こうかしら。(ヴァントが再録でもしてくれたらいいんだけど、97年に出しちゃったから2000年中には無理ね。)
で、ショスタコのチェロコンね。
ロストロポーヴィチに献呈。初演も彼ね。このところは、日本に来て「中とろ、大とろ、ろすと〜ろ」なんて言ってるおちゃめなおじさんになってしまったロストロポーヴィチ。
でも若い頃はご存知の通りバリバリに燃えていたのね。
この曲は(2番もそうだけど)聴くだけでもかなりの緊張を強いられるわね。書かれた時代背景を考えると無理もないけど。
何となく不安感をあおられるので、あまり好きではなかったの。
でも今回いろいろ聴いてはまってしまいました。面白いわ。
で、おすすめ。
BISのテ・デーンにしようかと思ったけど、アルト・ノラスで。ちょっとオケとかも柔らかすぎだけども、チェロは素晴らしい。なによりカップリングがいいの。R・シュトラウスのロマンスね。
1、2番て続けて聴いて緊張した精神をシュトラウスでほぐすわけ。(この曲目当てで持っている人もいるんだから)
なにはともあれ皆さん頑張ってくださいね。
12月14日
| ÉTUDES DE VIRTUOSITÉ |
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藤原亜美(Pf)
SOLSTICE/SOCD 168 |
新人ピアニスト藤原亜美のデビュー盤です。
「いいピアニストがいるよ」ってオススメされた1枚。若いし、美人だし、ちょっとまだむジェラシー。
気を取りなおして聴いてみました。20世紀のエチュード集なんだけど確かに上手い人だわ。
なんでも芸大からフランスに行って勉強した人だって。だからこのCDもフランス製作なのね。って妙に納得。
これ聴いて気に入ったので先日実演も聴いてきたの。
プログラムの最初がカヴァレフスキのマスクだもの。意欲的でしょ。やっぱこれも上手いのよね。何気ないメロディの処理がいいの。結構難解な曲のはずなのに歌ってるのよね。信じられなかった。
でも、ショパンとかリストはありきたりだったかも。なんだか燃えてないのよね。不思議ね。
後半のバルトークなんて最高だったから、きっと現代、近代曲に向いてる人なのね。あら、決めつけちゃってごめんなさい。
だからこのCDはとても面白いのよね。
バツェヴィチなんてもう爽快。メカニックの極地。コンサートでもこれを弾いてくれれば良かったのに。
これからが楽しみな人がまた増えたわね。
見かけたらお手元に。
12月12日
J.S. BACH
Matthäus-Passion |
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P. Herreweghe/Collegium Vocale Gent
HARMONIA MUNDI/
HMC 901676.78(CD only)
HMC 951676.78(with CD-ROM)
HML 5901676.78(with CD-ROM and booklet) |
ヘレヴェッヘのマタイはこれが2度目の録音(1回目は84年 HMC 90115)。
メーカーも力入れてるってのわかるわ。なんたって同じものが3種類のヴァージョンで発売されてるのだもの。普通のCDだけと、CD-ROM付き、そしてCD-ROMに大型ブックレットが付いた限定版。
私はもちろん限定版よ。いまにプレミアがつくレアアイテム。でもjuracssic さんは、CD-ROMだけの方がケースがりっぱだって、こないだの日記でみせびらかしてたわよね。
そんな見かけはどうでもいいのよ。オトコと同じ、中身が大事。(見かけがいいに越したことはないけどね)
旧盤もいい演奏だったけど、今回の新盤はもっとすごいわよ。録音もいいしね。
マタイを聴くときのポイントは合唱とエヴァンゲリスト。そのどちらも完璧。1曲のコラールの中で、歌詞の内容にあわせて音色と表情をガラっと変えてしまうのよ。この合唱聴いてるだけで、世の中のすべてのものを赦せるって気になれるわ。
エヴァンゲリストはイギリスの若手のイアン・ボストリッジ。芯のある声で、とっても豊かな表現。シュライアーを越えてるかも。
あとは、カウンターテナーのショルも素敵ね。
オケも、名人揃い。オーボエのマルセル・ポンセールは、この分野の第一人者だわよね。有名な20番のアリアのオブリガートなんてもう絶品。この人にかかると、オーボエ・ダ・カッチャみたいな地味な楽器でさえものすごく歌わすのね。これを聴いちゃうと、モダン楽器のコールアングレなんか、ほんとどんくさい(死語)。
ついでに言っちゃうと、モダンオケがガット弦に換えたり木管のフルート使ったりってのも流行ってるけど、肝心のフレージングが元のままだから、かえって最悪なのよね。オリジナル楽器だから出来る表現、訓練された合唱、力のあるソリスト、それらが相まってこの名演が生まれたのよ。
12月10日
FAURÉ
Requiem(Transcription for Pf) |
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Emile Naoumoff(Tr,Pf)
LVC/001007 |
このところすっかりまじめモードになってしまったわ。で、またまた私の好きな編曲ヴァージョンをひとつ。
編曲(トランスクリプション)には大きく分けて2通りがあって、まあ、もとの形を大きくするか、小さくするかってとこかな。
ベートーヴェンの弦楽四重奏を管弦楽版にするとか、逆に交響曲をピアノソロにするとか。もちろん作曲家本人の編曲もあればそうでないのもあるわけ。
マーラーの交響曲のピアノ連弾版なんてすごく面白かったわね。あとブルックナーの8番のオルガン版。ああきりがない。
で、今回もそんな1枚。
なんとフォーレのレクィエムをピアノで弾いたもの。それも合唱なし。え〜って感じ。何考えてるのかしら。(jurassicさんは聴きたくなさそうね!)
最初は「何これ?」って思ってたんだけど、繰り返して聴くうちに歌がきこえてくるから不思議ね。ただし実際演奏するのはかなり大変だと思うの。
しかし各パートの弾き分けも見事。押さえたピアノの音色で統一しているのもハーモニウムを意識しての事でしょう。充分楽しめたわ。
確かに、この大曲をたった一人で演奏できるなんて素晴らしい事なのかもしれないわ。だってもともと極めて私的な目的で書かれた曲だったはず。一番ふさわしい形なのかもね。
そう思って改めて聴いてみたらとても感動しちゃった。
おまけの歌曲 Clair de lune(月の光)のソロヴァージョンも面白かったわ。
ピアニストの自己満足の世界を満喫させていただきました。
もっとあります。こっちを見てね。