1921(12/7/7)-1940(12/8/14)

今日の禁断 トップテナー

 ゆうべは、いつかのような土砂降りの雨、窓を開けておくと雨の音がうるさくて、とてもCDなんかは聴いていられないほどでした。「窓を閉めてエアコンをつければいいのではないか」とおっしゃるかもしれませんが、私の部屋にはあいにくエアコンはありません。窓を開けて扇風機をまわす、というのが、唯一の冷房手段なのですよ。
 そんな雨は今日になっても続いていました。それでも、愚妻の買い物のために車で出かけなければいけません。向かった先は中山ジャスコ、そこへ行く途中の坂道からは、背後のそびえる大観音が見える・・・はずなのですが、雲に隠れて全く見えなくなっています。「中山」と言うぐらいですからここは「山」の上、やはり「地上」とは違って雲に近い場所なのですね。
 と、今まで見えなかった大観音が、急に姿を現しました。一瞬雲が風で流されて、その間に見えるようになったのですね。なんだか神秘的、というよりは、はっきり言ってブ・キ・ミですね。
 ジャスコの駐車場からも見えたので、車の中から少し粘って写真を撮ってみました。本当に、目まぐるしく見えたり見えなかったり変化していましたね。

 これをFacebookにアップしたら、すぐご近所に住んでいるヴィオラのNさんが、「よくあることです」とコメントを入れてました。それだけではなく、「震災の時には歩いた」などという、誰も知らない情報まで。怖いですね。
 実際には、震災では観音様が歩きだすよりもずっと怖いことが起こっていたわけですが、ちょうど1年ぐらい前に、私の学生時代に合唱団で同期だった人の消息が分かった、という連絡が、別の同期の人から回ってきました。同期の人たちの何人かとは、卒業後も連絡を取り合ったり、さらには、例の「コール青葉」で一緒に歌ったりと、今の「顔」が分かる人もいたのですが、その彼とは、どこかの商社に就職したような噂は聞いていましたが、卒業したあとは全くの没交渉でした。ただ、彼は福島県の双葉高校出身者でしたから、あの原発事故が起こった時には実家には何らかの影響があったのでは、とは思ったのですが、確かめようもありませんでした。
 そんな彼のことが、新聞に掲載されたのを、同期の人が偶然見つけ、新聞社などに連絡を取ってとうとう本人とのコンタクトに成功したそうなのです。それによると、彼は大熊町で自営業を営んでいたものが、原発で強制退去を余儀なくされ、奥さんの実家である和歌山市で仕事を見つけ、そこで働いていたそうなのですね。ただ、電話番号などはみんなにまわってきたものの、ご本人としては余り騒ぎ立てずにそっとして置いて欲しいようなことも、付け加えられていました。その気持ちは分かるような気がします。実は、彼は学生時代は委員長をやってました。その頃の懐かしい思い出なども蘇ってきましたが(「七声会」とか)、おそらく今の状況では、話をされてもかえって迷惑だろうと思い、私は特に連絡を取ることはありませんでした。
 つい先日のこと、さらに別の同期の人が、電話をしてみたそうなのです。そうしたら、彼は2か月前に、急の病で亡くなっていたことを、奥さんから知らされたそうなのです。
 確かなことは何一つ分かりませんが、原発事故さえなければ、こんなに早い死を迎えることはなかったのではないか、という気がしてなりません。彼は、間違いなく原発事故の犠牲者なのではないでしょうか。実は、私の親しい(親しかった)知り合いで、このような目に遭った人は初めてです。今まで頭の中だけで考えていた「反原発」の気持ちは、これではっきりと具体性のあるものに変わりました。「私の友人が、原発に殺された」のです。
aventure number : 1921 date : 2012/7/7


今日の禁断 リフキン

 きのうは、グリーンウッドハーモニーの定期演奏会でした。萩ホールでバッハの「ロ短調ミサ」、オケは仙台フィルです。ついこの間ここで同じぐらいの規模の合唱団を聴いたばかりですが、あの時はなにかと不手際があって、演奏以前のところでつまずいてしまいましたが、今回はそんなこともなく演奏に集中したいものだ、と、まずはその時には座り損ねた一番ステージ寄りのバルコニー席を取るために、早目に会場に足を運びます。もちろん全席自由ですから、早い者勝ちです。普通は開演30分前に開場というコンサートが多い中で、この日は1時間前に開場ですから、1時間半前に着くようにしたのですが、それでもすでに行列は出来ていましたよ。熱心な人はいるものです。他人のことは言えませんが。
 おかげで、目指すバルコニーには座れました。ここにいると、1階席も2階席も良く見えますから、お客さんが席を埋めていく様子が手に取るように分かります。2階席には、なかなか人がいかないのですね。確かに、この前のニューフィルの定期でも、1階はまずまずの入りだったのが、2階はガラガラでした。こちらからよく見えるということは、あちらからも良く見えるということ、知り合いのロシア人、サブチェンコさんとハマダーニャさんが私を見つけて手を振っているものですから、私も振り返します。多分、リチャード・ギア状態ではなかったはずでしたから。

 ステージでまず目に着いたのが、金管とティンパニの前に置いてある遮音スタンドです。仙台フィルでも、いつの間にか使っていたのですね。この配置だと木管ではなくヴァイオリンが直撃を受けますから、これは必要かもしれません。それと、使っている楽譜も気になったので覗きこんでみます。ベーレンライター版だということは分かりますが、はたしてウーヴェ・ヴォルフ校訂の「新版」かどうかまでは分かりません。あとで、仙台フィルの人がFacebookのフィードでこの演奏会のことを書いていたのでコメントで聞いてみたら、やはり「新版」だったそうです。つまり、この「ロ短調」は、「新版」による仙台初演ということになるのですね。
 予想された通り、この後の陰アナで、写真撮影や録音はするな、というコメントがありました。「著作権法によって禁じられています」というからおかしいですね。写真を撮ることが著作権法に触れるというのでしょうかね。肖像権なら分かりますが。ですから、これ以上の写真は、撮りたくても撮れませんでした。合唱団の演奏会で、男性の団員が蝶ネクタイではなくボウタイで歌っているなどというのはかなりレアな場面でしたので、ぜひフィルム(いや、SDカード)に収めておきたかったのですが。
 ご存じでしょうが、私はもしかしたらこのステージに乗っていたかもしれないという状況にありました。実際に今井さんの指揮する合唱団の練習にも3回ほど顔を出して、つぶさにそのご指導を体験しています。それは、バッハが創り上げた複雑に絡み合った織物を、糸の一本一本まで細かくほどいてそこに命を吹き込むという、本当に気の遠くなるような精緻な作業のように思えました。延々と続けられたそんな丹念な作業の末に完成したものが、ここでの彼らの演奏だったのでしょう。それはどこまでも滑らかで、それでいて深いところから力がわき出てくるものでした。それが、最も理想的な形で迫ってきたのが、「Credo」の中の「Et incarnatus est」、「Crucifixus」、「Et resurrexit」と合唱だけで続けられる3つのユニットです。この曲の中では、珍しく「感情」が表に出てきたな、と思える部分、そこを、まさに豊かな感情をこめて歌いきっていたのです。これこそが、今井さんとグリーンでなければなしえない至高の音楽なのかもしれません。
 ただ、ここにたどり着くまでの他の曲、特に多くの声部が入り組んでいるところでは、この方法論はもはや「現代」のバッハ像からは、少し距離が出来ているのでは、という感じは否めませんでした。なにしろ、昨今は「1パート1人」とまではいかなくても、パートが2〜3人、多くても10人以下という編成で素晴らしい演奏を聴かせる団体が目白押しですからね。
 それと、合唱に比べて、一部のソリストのレベルがかなり低かったのも、ちょっと興ざめでした。アルトの高山さんは、あんなに素晴らしいのに。もしかしたら、「Benedictus」を歌った田中さんもなかなかのものだったのかもしれませんが、この時には、私の耳は完全に戸田さんのフルートに向いていましたから、殆どテノールは聴こえませんでした。
 合唱でも、なんだか行儀の悪い人がいましたね。さっきの「Et resurrexit」の途中に出てくる、ベースパートの12小節に及ぶ超難しい大ソリを、なぜかテノールの団員が一人だけ一緒に歌っているのですね。これって、他のパートを見下したような、ものすごく失礼な行為じゃないですか。例えば、1番フルートのソロを、勝手に2番フルートがユニゾンで吹く、みたいなことですから、私だったらものすごく嫌ですね。それを、さも「おれはうまいだろう」みたいな顔で歌っているのですから、いやになります。というか、こんな人とは、絶対に一緒に歌いたくはないですね。あとは、えらく薄っぺらな楽譜を持っている人もいましたね。いくら重たいからって、大切な楽譜を無残に切り刻むなんて、いったい何を考えているのでしょう。楽譜を愛せない人に、音楽は愛せません。
 それに比べれば、私の右隣に座って、休憩中に自販機で買ってきた缶コーラを客席で飲んだり、演奏の間中全く関係のない本を、鉛筆で線を引きながら読んでいるという、とても常識では考えられないような奴でも、まだマシなような気になってしまいます。ただ、知り合いにあとで聞いたのですが、2階席の一番前(普通のお客さん用の席です)で、後の人が邪魔になるのも構わずに写真を撮りまくっていた「スタッフ」は、とても許す気にはなれません。ひいては、お客さんの邪魔をしてまで、写真を撮らせるという、その「スタッフ」を雇ったこの合唱団の姿勢さえ、許せなくなってしまいますね。

 許せないと言えば、決して安くはない使用料を課しているこのホールで、こんな雨漏りの跡(でしょうか)をいつまでも放置しているのも、許せません。このみっともない汚れは、ニューフィルがここを使った時からありましたから、2か月近く何の手も打たなかったことになりますよ。ひどいものです。
aventure number : 1922 date : 2012/7/9


今日の禁断 リラックマ

 私は、今時珍しいまだスマートフォンに切り替えてない人です。ただ、私なりのこだわりはあって、二つに折ってパカパカ開いて使う携帯だけは使いたくなかったんですね。つまり、蓋を開けなくても使えるストレートタイプを愛用していたのですから、スマホが出来るずっと前からああいう「形」だけは取り入れていた、という、いわば「先進的」なところはあったのですよ。しかも、遅れてきたスマホは、両手を使わないと操作できないじゃないですか。私の携帯よりはるかに「原始的」なんですよね。ですから、片手で簡単に使えるようなスマホが出来たら、使ってやってもいいかな、とか思ってますけどね。
 その携帯には、2年近く前に仙台空港にいった時に、そこにあった売店で買った木製のストラップを付けていました。いや、ストラップは紐ですが、先に板札が付いている、というものなのですが、それに、去年の震災の1週間前に東京に行った時に買った千社札を張り付けて、ずっと使っていました。

 それが、ついに紐が切れてしまって使えなくなってしまったのですよ。それで、新しいストラップを買おうとヒマを見ていろんなお店に行ってみたのですが、最近はなんだかストラップを売っているところが少なくなったように感じられるばかり。私はあまり分からなかったのですが、どうやらスマホには、ストラップをつけない人が多くなっているみたいなのですね。いや、そもそもiPhoneには、ストラップをつける穴自体が開いていないのだそうですよ。もしかしたら、空港に行ってみても、もう同じものは売っていないのかもしれませんね。
 そんな無駄足を踏むぐらいなら、と、Amazonで「ストラップ 木製」で検索してみたら、こんな、理想的なものが見つかりました。その他にもいろんなのが他のメーカーからも出ていることも分かりました。本当は名前ではなく、HNで彫ってもらえれば良かったのですが、そんなところはどこにもなかったので、これで手を打ちましょう。

 今日になって、現物が届きました。表には名前、裏には「箱根寄木細工」の模様が入っています。何でも、一つとして同じものはないのですってね。本当だかどうだか分かりませんが、まあ信じてみましょう。それで1,500円(+送料)ですから、安いものです。別に2つ買ったわけではなく、この写真では同時に表裏を表示するという「細工」が施してあります(Facebookにアップしたのより進化してます)。
 実は、この間中からホームページ作りをお手伝いしている合唱団「萩」の担当者が、いろいろ教えてもらったお礼に、と、こんなものを送ってくれました。

 こんなもの、初めて受け取りましたが、こんなことまで出来るようになっているんですね。これはメールの画面、もっと下の方にパスワードが表示されているので、Amazonで買い物をする時にそのパスワードを入れてやれば、お金の代わりに使えるというものです。もっと早く着いていれば、これでストラップを買っていたのに。
aventure number : 1923 date : 2012/7/11


今日の禁断 ジェイソン

 今日は13日の金曜日ですね。それはキリストが磔刑に処された日だからだ、と思っていたのですが、どうもそうではないようです。金曜日はあたっていますが、13日というのはウソなんだそうですね。それよりも、「13」という数字に問題があったのだとか。最後の晩餐の時の人数ですからね。でも、キリスト教では「聖金曜日」とか言って、かえっておめでたい日のような印象があるのですが、どうなのでしょう。宗教に関してはからきし知識に乏しい私です。
 でも、今回の「13日の金曜日」は、確かに悪いことばかり起こっていました。まず、今私の住んでいるマンションは、駐車場の工事中。1週間ぐらいかけてすっかり舗装をやり直して、新たに線を引いて駐車できる車の数を増やす、という工事です。ちょっと並び方を変えるだけで、10台分ぐらい増えてしまうんですってね。その間は、車はちょっと離れた臨時の駐車場に置いておかなければなりません。今日もそこに駐車した後、家へ帰ろうと思ったら、なんとマンションの中に入れないようになっていたのですよ。私のマンションはちょっとした小川のほとりに建っています。それで、車で来る時にはその川を渡らなければ中に入れないようになっています。そのために、そこには小さな橋がかかっているのですが、今日は駐車場と合わせて、その橋の上の舗装工事が行われていて、車はもちろん、人も歩いては入れないようになっていたのです。確かにそんな案内があったことは覚えていますが、まさか今日だったとは。
 ですから、家へ入るためには別のところから川を渡らなければなりません。この蒸し暑い中、かなり大回りしてやっとのことで家にたどり着きました。でも、あとで考えてみたら、そこまで行かなくても、もっと近いところに、川の中に石があって、そこを渡って対岸に行けるところがあったことに気付きました。別に今は「これまでに経験したことのない大雨」なんか降ってはいなかったので、そこは楽々渡れたのでした。なんと悪いことだったことでしょう。
 気を取り直して、さっきまでは職場のホームページの手直しをやっていました。こちらは本当に全く何のお構いもしないまま、放置してあったのですが、そろそろ地震で壊れたところの改修工事が始まりそうな感じになってきたので、久しぶりにその工事の模様などをアップしてみようと、まずは軽く化粧直しということで、せめてフォントだけでもかっこいいものに直してみようと思い立ちました。実は、最近ちょっと昔の「おやぢの部屋」などを見返していると、IEではあまり気にならなかったのですが、今メインに使っているGoogle Chromeではかなりみっともない見え方になっているのにそろそろ我慢が出来なくなってきて、全部を、今と同じフォントに直したところなのですよ。それで、見た目がすっきりしたのに味をしめて、こちらの方でも同じことをやってみようと思ったのですね。つまり、そこで使っている「メイリオ」というフォントは、昔のXPあたりでは反映されなかったものが、最近は充分に対応する機種が出回ってきたのではないかという感触がつかめるようになったものですから。
 まあ、ファイル自体の数は少ないし、フォントを直すだけならスタイルシートを新たに貼りつけるだけで済むので簡単に終わるだろう、と思ったのですが、いざ、全部のスタイルシートを新しくしてまとめて転送したら、なんだか画像のリンクがおかしくなっていました。その部分はなにもいじってなかったのに、画像が消えているのですよね。不思議なこともあるものです。原因は分からないまま、対処法は見つかったので、さらに一つ一つのファイルについて細かい書き直しです。やはり、13日の金曜日なんかに、こんなことをやるべきではありませんでした。原因は分かりませんが、確かにこれだけ悪いことが起きるのですからね。
aventure number : 1924 date : 2012/7/13


今日の禁断 ノート

 今週は、月曜日からずっと駐車場の工事が行われていました。確かに、ラインはほとんど見えなくなって、夜に車庫入れするのは結構大変になっていましたから、白線引きなんかはそろそろやり直して欲しいと思っていたところでした。でも、管理組合が考えたのは、もっと大規模なものでした。1回全部まっさらにして、新たに線を引き直して、収容台数を増やそうというのですね。確かに、ここは全戸の住人のための駐車場はありませんでしたし、なによりも、台数が増えればそれだけ管理費収入が増えるのですからね。

 これが、工事前の月曜日の状態。すでに、住民の車は別の場所に移動させられています。右下にあるキンモクセイの植木も撤去して、スペースを広げます。

 火曜日には車止めを全部撤去しました。上にある植木も、少なくなってますね。水曜日は、まずは、アスファルトをはがします。

 金曜日から、新しいアスファルトを敷き始めました。

 土曜日には、すっかり平らになったところに白線書きが行われます。

 まずはチョーク(?)で下書き。かなり精密です。

 いよいよ塗料で白線が描かれます。車の先にガイドが付いていて、それを下書きに当てて真っすぐな線を引いて行きます。端のアールも、きれいに決めています。

 それから5時間ほど外出して帰ってきたら、白線引きは完了していました。

 番号はテンプレートを使って書いたようですね。

 さっそく、車を持ってきて、新しい区画に一番乗りです。 
aventure number : 1925 date : 2012/7/15


今日の禁断 ギョーザ

 きのうの朝、テレビのワイドショーを見ていた愚妻が「○○さんが出てるよ!」と大声で叫びました。確かに、そこには合唱仲間の△△さん(愚妻は、いまだに名前を覚えられません)らしき人が写っていましたね。最初は、よく似ているけど、まさかこんな所に、という感じでしたが、その映像は繰り返しあちこちで流れたので、何回も見ているうちにその人に間違いないことが分かりました。念のため、Facebookを見てみたら、「意見を述べてきました」という書き込みもありましたし。
 その映像は、今日になっても繰り返し登場していましたから、△△さんはすっかり有名になってしまいました。いや、本当に有名になったのは、そこからずっと離れた所に座っていた人なんですがね。
 「意見聴取会」ですか。なんだかずいぶん盛り上がってますね。そんなものが行われていることすら知りませんでしたよ。知っていたとしても、別に「公聴会」と同じようなもので、単に手続きのためのみんなの意見を聞くふりをする会合だ、ぐらいに思ったでしょうね。結局、あれは政府は全く知らないうちに、電力会社の社員が発言者に紛れ込んでいた、ということになったようですが、本当のところはどうなんでしょうね。それにしても、電力会社はバカなことをやったものです。当然、社員であることは分かってしまうのですから、そうなった時のマイナスイメージはかなりのものだ、ということに気付かなかったのでしょうかね。まあ、「原発事故の放射能で死んだ人は1人もいない」などと言い切れるような人が社員をやっているようなところですから、そもそも今の事態が全く把握できていないのでしょう。というか、こんな風に、あれだけのことがあった後でも全く変わろうとしていない会社が日本の電気を作っているということが、あんな小細工からはっきりしたことになりますね。いや、そんなことは、だいぶ前の「株主総会」ですでに分かっていたことでした。ですから、それが分かったからと言って、すぐに「脱原発」が実現することは決してないというのが、悲しいところです。
 そんな風に、本当に大切なことはなにか、ということが分かっていないのは、政府や電力会社だけではありません。私が、もう20年以上も贔屓にしている中華料理店、「とらの子」が、それ以上に愚かな人によって経営されていることがわかって、とてもがっかりしているところです。

 そんな予兆は、だいぶ前からありました。確かに出される料理はどれを食べてもおいしいものですから、最近はとみにお客さんも増えたようで、休日などはかなり待たないと座れないような状態が続いていました。それでも、一人で行った時などは、真ん中の大きなテーブルに座れるので、あまり待つことはありません。その日はそんなに混んではいなかったので、その真ん中のテーブルの空いている席に適当に座りました。そうしたら、店員がやってきて「席を詰めて座ってください」と、無理やりちょっと脂ぎった男の隣に移動させられてしまいました。その時はすごく嫌な気がしましたね。そこまでして、客を詰め込みたいのか、と。
 そして、おとといのこと、今度は愚妻と2人で行ってみました。2人の時は、出来れば真ん中のテーブルではなく、相席ではない小さなテーブルに座りたいと思っていても、その時には相席の大きなテーブルしか空いていませんでした。ただ、以前来た時には、前もって言っておけば、もし料理が出来上がる前に小さなテーブルが空くとそっちに移させてくれることもあったので、今回もそれを期待して、まず大きなテーブルに座ります。
 しばらくして、小さなテーブルが2つも空きました。新しいお客さんが来る様子もなかったので、「移れませんか?」と店員に聞いてみると、そいつは「休みの日には、お席の移動はお断りしています」と、信じられないようなことを言い出しました。前は、休日でもなんでも移らせてくれましたよ。なおもしつこくお願いすると、奴は調理場に行って店長あたりにお伺いを立てているようでした。でも、結局、それは出来ないの一点張りです。
 このお店は、なまじ繁盛してしまったために、本当にお客さんにとって必要なことをすっかり忘れてしまったに違いありません。それが分かったからには、もうこの店にいるだけで不快になってきました。食事など、とんでもないことです。「じゃあ、注文はキャンセルします」と言って、席を立ってきましたよ。もう私は二度とこの「とらの子」に来ることはないでしょう。
 そんなことがあったからといって、この店が態度を改めることはないのと同じことで、いくら正論を説いたからと言って、この国の政府や電力会社、そして業界団体が「変わる」ことは、決してあり得ません。
aventure number : 1926 date : 2012/7/17


今日の禁断 モーグル

 全国的に「猛暑日」のところが多くなっているという昨今ですから、今日も一日暑くなるのだろうと、半袖のTシャツ一枚で職場に行ったらば、午後になったらびっくりするほど寒くなってきましたよ。本当に油断できませんね。今日はニューフィルの練習、そんな薄着でウロウロしたら風邪をひいてしまいそうだと思ったので、職場に置いてあった作業用のシャツを羽織ってみました。もう格好なんか構っていられませんからね。
 確かに、旭ヶ丘も、着いてすぐはなかなか過ごしやすい温度でした。こんな日ですから冷房を入れることは全く考えていないようですが、まあ外がこれだけ寒いのですから、大丈夫でしょう。それでも、さすがにシャツを着てると暑いので、それは脱いでおきます。でも、やはり閉め切った部屋にたくさんの人が入ってくれば、徐々に気温は上がっていきます。もう最後の頃になったら、暑さでぐったりなってしまいましたよ。難しいものですね。というか、最近の市民センターは使っている人が状況に応じて自分たちでエアコンを操作できるようになっているのですが、旭ヶ丘の場合はすべて事務所で操作するというタイプなので、こんな、実情にそぐわないことになってしまうのでしょうね。去年の今頃はお寺の会館でしたが、冷房に関してはきめ細かな管理が行えていたはずです。

 まあ、気温を管理するぐらいだったら、誰に任せようが構いませんが、国民全員のDNAのサンプルを集めて、それを国家が管理する、なんてことになったら、ちょっとイヤでしょうね。そんなお話が、この間買った東野圭吾の最新の文庫本「プラチナデータ」でした。実は、同じ頃にいしいひさいちの最新刊を買ったらば、その中にもこの人が登場していてびっくりしたことがあります。広岡達三センセイとはちがって、どんな本でもよく売れる作家、という使い方ですね。ほんとに、この人ほど出るものすべてがベストセラーになってしまう作家なんて、あまりいないんじゃないでしょうか。
 今回の文庫を読んでみると、なぜそんなに売れるのかが分かるような気がします。彼は、売れる本を書くツボを、完全に掌握しているのですね。以前好評だったパーツをしっかりキープしておいて、状況に応じてそのパーツをうまい具合にちりばめつつ、ストーリーを展開しているのですよ。そんなパーツで最も効果的なのが、「ミスリーディング」という手法でしょうか。いかにも犯人らしい人を匂わせて、読者の関心をそちらにリードしている間に、本当の犯人が意外なところから出てくる、という手ですね。今回も、私はそれにまんまと引っ掛かってしまいました。
 そんな犯人探しと同時に、なにかやるせない気持ちにさせられるキャラを使うのも、この人の手。それにもすっかりハメられてしまい、最後はちょっとホロッとなってしまいましたよ。
 これは、もう映画が出来ているのですってね。公開は来年の3月だそうですが、それに関するキャンペーンもこの文庫本には満載でした。最初は帯に書いてあることだけだと思っていたら、中に入っている小さなパンフレットにも、ぎっしりそんな情報が載っていました。でも、映画の中身に関しては、なんだかわざと情報を小出しにしているようで、逆にちょっと気になってしまいます。今のところは、主役2人の名前しか明らかにされていないのですよね。いろいろ探してみましたが、それ以上のことは全く分かりません。そんなキャンペーンに精を出すまえに、きちんとした映画を作ってもらいたいという気にはなりますがね。ほんと、これだけのものを2時間足らずの映画に収めるのは、かなり大変なような気がします。
aventure number : 1927 date : 2012/7/19


今日の禁断 ウアリヒト

 この間、チケットを買いに行った時に外側からだけ見ていた県民会館に、きのう、やっと演奏会を聴きに行くことが出来ました。なぜか、なかなか改修工事が始まらなくて、やっと最近完全復旧したのですよね。なにしろ、ニューフィルでも11月に使うことになっていて、以前ははたしてそれまでに工事が終わっているのかどうかとやきもきしていたものですが、まるで何事もなかったように、そのホールは開いていましたよ。中に入った感じは、震災前と全く変わらないようでした。市民会館などはホール内の壁を全部新しいものに貼り替えたりしていましたが、ここではそんなことはなかったのでしょうか。あるいは、全く同じ素材を使って「復元」したとか。
 私の席は2階の一番前でした。本当にしばらくぶりだったので、階段を上ってもどこの扉から入るのか、分からない感じになっていましたね。ここから行けるはずだ、と思って開けたら、テレビカメラにふさがれて目的地まではいけませんでしたし。そうなのですよ。このコンサートはNHKが録画を行っていて、いずれ(9月ごろ?)BSで放送されるのだそうです。
 席に行く前に、2階のロビーには打楽器やらモニターが置いてある一角がありました。そういえば、演奏されるマーラーの交響曲第2番にはバンダが入るんでしたね。普通はステージの裏などで演奏するのに、こんなところで一体聴こえるのでしょうか。確かに、このホールは二重扉ではありませんから、ここでも充分なのかもしれませんが。

 なにしろ、マーラーの生演奏なんてなかなか仙台では聴く機会がありませんから、2階席は満員でした。私のすぐそばに2人、ニューフィルの団員がいましたね。ただ、1階席の前の方と左右の花道の前は、かなり空席があります。ニューフィルがここでラフマニノフをやった時には、このあたりまで満席でしたよ。
 開演10分前に、指揮者の飯森さんが出てきて、お話を始めました。それによると、何でも、今回はギルバート・キャプラン版を使って演奏するのだそうです。これはラッキー、話には聞いていましたが、その現物にこんなところでお目にかかれるなんて。多分、まだCDでも出てはいないのでは。
 そして、いよいよオケの団員が入場してきます。仙台では普通はなかなか見ることのできない「16型」の弦楽器に、4管編成+合唱ですから、もうステージの前の縁にまで椅子が並べられています。でも、出てきたのはオケだけ、合唱はいつ入るのでしょう。2楽章の前でしょうか。
 いよいよ、改修後のこのホールでは最初となるはずのフル編成のオーケストラの音が響き渡ります。しかし、その音には期待していたほどの豊かさはありませんでした。ここではこのサイズのオケは何度も聴いていますし、自分たちでも頻繁に演奏してきましたが、16型でこの響きか、という、ちょっとした失望感がありました。見ると、ファースト・ヴァイオリンなどは、最前列に7プルトも並んでいます。あまりにも広がり過ぎてなんだか音も演奏もまとまらない、という感じがします。あるいは、日ごろやり慣れていない編成に戸惑っているのかもしれませんね。そんなもどかしさは、1楽章の間中、付いて回りました。でも、木管などはとても素敵でしたね。実は、この日はプログラムの他に、ファンクラブの人たちが作った、すべてのオケのメンバーの配置図が配られていました。

 ちょっと見にくいかもしれませんが、全部の楽器のところに名前と団が書いてあります。書き忘れましたが、このコンサートは仙台フィルと山形交響楽団との合同演奏なのです。ですから、どちらの団の人がどの席次か、ということが分かります。それで木管のトップを見てみると、すべて山響のメンバーによって占められていました。やはり、アンサンブルですから、いつも一緒にやっている人がチームになった方が良いに決まってます。その代わり、コンサートマスターは仙台フィルの神谷さんでしたね。
 そんな、ちょっと危なげな弦楽器でしたが、2楽章に入ったら見違えるように瑞々しい音に変わっていたので一安心。やっと慣れてきたのでしょう。しかし、この楽章の前にかなり長いポーズをとったのに、合唱が入ってくる気配はありません。4楽章の前なんかに入って来られたらいやだな、と、ちょっと不安になってきます。
 その不安は的中、合唱とソリストは、3楽章が終わったところでおもむろに入ってきたのですよ。これには、怒りに近いものがこみ上げてきました。私が、この曲の中で一番好きなのは4楽章の頭なんです。3楽章が終わったところで、さりげなくアルト・ソロが聴こえてくるのが、なににも代えがたい感動を与えてくれるのが、こんなに間を開けてごちゃごちゃやった後に始まったのでは、ぶち壊しです。いや、別に合唱団が悪いのではなく、これは合唱団員が座って待っていられるだけのスペースを確保できなかったこのホールの責任なのですがね。あるいは、ステージが狭くても、それを取り囲む客席に合唱団が座れるようなホールも、他の都市にはいくらでもあるのに、建設計画だけはあってもそれを実行できなかった仙台市の責任なのかもしれません。つまり、マーラーの「復活」を満足のいく環境のもとに聴くことが出来るようなホールは、仙台市にはないのです。それで「楽都」なんて言っているのですから、笑えますね。
 しかし、そんな悪条件にもかかわらず、アルトの加納さんの第一声は、素晴らしいものでした。以前BSでこの人の演奏を聴いて、これなら、と思っていた予感は、見事に的中してくれました。
 そして、長い長い終楽章、もうこの辺になると体力勝負で、金管あたりはかなり疲労が目立ってきましたが、起伏の激しい音楽はそんな傷などお構いなしに、どんどんパワフルなテンションを送りこんできます。問題のバンダも、どこから聴こえてきたのか分からないような不思議な効果を出していましたし、合唱が入る前のフルートとピッコロの掛け合いも、完璧でした。ほんと、このピッコロの人みたいな滑らかなフレーズは、なかなか聴けないものですよ。
 続いて、合唱が入って来ると、それまでの演奏は一体何だったのか、という、まるで異次元にでも迷い込んだような、極上の音楽に変わりました。150人の人が心を合わせて放ったピアニシモは、こんなとてつもない力を秘められるものなのですね。まさにこれこそこの演奏の白眉です。それがフォルテの場面になると、決してオケに隠れることなく、いや、それどころかオケをも圧倒するほどの存在感を示しているのですからね。
 こんなすごい合唱の後に出てくるホルンやトランペットのソロは、かわいそうですね。でも、しっかり合唱の緊張感を受け継いでくれないことには、とてもプロとは言えません。合唱のバックになっていたホルンも、なんと汚いピッチだったことでしょう。こんなところで合唱の足を引っ張るなんて。
 とはいえ、飯森さんのダイナミックな指揮ぶりに煽られて生み出される最後のクライマックスは、それこそ会場全体が熱狂の坩堝と化したような、ものすごいものでした。初めて「生」で体験したマーラーの交響曲第2番「復活」、堪能しました。

 でも、最後の飯森さんのスピーチは余計でしたね。言いたいことは全部音楽が語ってくれていました。そこに言葉など、邪魔なだけです。それにしても、このコンサートのプログラムの裏表紙に全面広告を出して「協賛」しているのが「東北電力」だというのは、なにかのジョークなのでしょうか。飯森さんが最後に「私たちに力を貸してください」と言った相手は、まさかこの電力会社ではないでしょうね。
aventure number : 1928 date : 2012/7/21


今日の禁断 ヤンソンス

 前回の「禁断」とか、その前のFacebookへの写真のアップなどは、思いがけないところで反響を呼んでいました。最近ではコンサート、特にプロの場合は、写真撮影に関してはかなり厳格に「禁止」の旨が伝えられるようになっていますから、演奏中に写真を撮ることはまず出来ません。すごい時には、係員が席までとんできて、「カードを寄こせ!」と言ったりしますからね。でも、今回はなぜかそのようなアナウンスは一切ありませんでした。もっとも、その時間に飯森さんが出てきてお話を始めたので、アナウンスのタイミングを失っただけなのかもしれませんがね。ですから、2階席の真ん前でしたし、演奏が終われば許されるだろうと、1枚だけ恐る恐る撮ってみたのが、あの写真だったのです。もっと落ち着いてフレーミングをちゃんとすればよかったのですが、やはり焦ってしまって、オケの一部が完全に欠落してしまいましたね。
 でも、合唱は完璧に入っていましたから、それをFacebookで見つけた合唱団の人が、シェアするついでに「お友達」にもなってくれたのですよ。実は、その方とは以前からサイトを通じて連絡はしあっていたのですが、さらにお近づきになれたということですね。そこで、前回苦言を呈した合唱の入りのタイミングについて(スコアを見てみたら、マーラーはしっかり「間を空けるな!」と指示していましたね)聞いてみたら、やはりあれは合唱団が座るスペースがなかったための、苦肉の策だったそうですね。4楽章の前に入っても、合唱の出番までは30分近く立ったまま待たなければいけないので、2楽章の後に入るのは、高齢者などには無理だ、との判断だったのだそうです。なんだかなあ、ですね。仙台(山形も)では、これからずっと、作曲者の指示に背かないことには、「復活」を演奏することは出来ないのでしょうか。
 それから、あの演奏で「キャプラン版」が使われていたことに関連して、「まだCDは出ていないだろう」なんて書いてしまったら、さっそくその方に「いっぱい出てますよ」と突っ込まれてしまいました。その中には、初めてキャプラン自身によって2002年に録音されたDG盤もありましたが、実は私はこれを持っていたのですよ。

 確かに、「新しい公式のスコアの初録音」というシールが貼ってありますね。これを手に入れた(実は、譲り受けた)頃には、マーラーの版に関しては全く無関心だったので、気にも留めませんでした。
 でも、今は違います。もはや私は、珍しい版となればとことん調べなければ気が済まない「版マニア」と化していますから、こんな恥ずかしいことは許されません。ただ、ちょっと調べただけでも、この「キャプラン版」については様々な情報が錯綜しているようで、まずそのあたりからきちんとしておかないと大変なことになりそう。まず、先ほどの2002年の録音の時点では、まだ「出版」はされてはいないのですね。仙台のコンサートのパンフレットでも「山形大学教授」という肩書の方がこの版について触れていて、そこでは「2005年に出版された<キャプラン版>」と書かれていますが、実際にUniversalから出版されている現物には「2010年」に出版されたという表記があるのですよ。さらにその出版社のサイトでは、「世界初演」のデータとして、「2005年10月18日、ロイヤル・アルバート・ホール、ギルバート・キャプラン指揮/ロイヤル・フィル」とクレジットされています。そうなると、さっきのDG盤は、あくまで「初録音」であって、「初演」ではない、ということになるのでしょうか。
 つまり、Universalのサイトに行ったのは、「キャプラン版」がどのような形で販売されているのか知りたかったからなのです。そうしたら、大判の指揮者用の楽譜しか出ていないと思っていたら、しっかりスタディ・スコアも販売されているではありませんか。送料込みでもたった49.9ユーロ、今のレートだと5000円ちょっとですよ。これを買わない手はありません。その場で購入、普通の航空便ですから、2週間ぐらいしたら届くはずです。こうして、私のマニア度は、さらにアップしていくのです。
aventure number : 1929 date : 2012/7/23


今日の禁断 キンモクセイ

 私のマンションでの駐車場のリニューアル工事は、やっと終わりました。この間、新しい線引きをしてそれで終わったのだと思われたかもしれませんが、実はあれは全体の半分だけ、別なところにもまだ駐車場があったので、そちらの工事もあったのですね。しかし、前の、今までとは全く別のパターンで線を引いて、いくらかでも駐車スペースを増やそうというプランには、かなりの無理があったようでした。私の場合はそんなに大きな車ではないのでそんなに問題ではないのですが、もっと大きなミニバンなどを持っている人が、通路があまりに狭すぎて、車を入れる時とても大変な思いをしなければいけない、と言い始めたのですね。確かに、普通の駐車場に比べれば、通路はかなり狭くなっていました。図面の上では問題ないと思ったのでしょうが、実際に使ってみるとダメだった、ということですね。
 それで、管理組合の理事さんたちは、設計者を呼びつけて対策を検討しているようでした。その結果、やはりこのままではまずいので、新たに手直しの工事をやることになりました。
 これが、工事前です。

 そして、工事後。

 赤丸の中が工事を行ったところ。まず、植木を撤去して、スペースを増やしました。さらに、真ん中部分の左側全体を、40pほど動かしました。つまり、以前は番号が車に隠れていたものが、しっかり見える位置まで車止めを移動したのですね。そこに白線を新たに引いたので、そこだけ線が2本になっていますね。
 これで、この駐車場の中にあった植木は、殆どなくなってしまいました。なんだか、ずいぶん無理なことをしたな、という感じです。別に、ただ舗装をやり直すだけでよかったものを。
 ところで、マーラーの「復活」に関しては、まだ書き落としていたことがありました。いえ、ブログのコメントに「東北電力の協賛は仕方がない」などというノーテンキな書き込みがあったなどということは、人それぞれですからどうでもいいことなのですが、そんな、上演するにはとても大きなエネルギーを必要とするこの曲が、私が知っているだけでもこの後8月と9月に連続して演奏されるそうなのですよ。8月は清水で行われるJAOのフェスティバルで、ニューフィルからも何人か参加します。こちらは、いずれ体験談が「かいほうげん」に載ることでしょう。そして9月には、なんと末廣さんの指揮で、東京の都民響が演奏するのですよ。いずれも、ニューフィルの公式サイトからリンクが張ってありますが、都民響の場合はいつものように往復はがきでの申し込み、抽選で招待状があたるようになっています。それで、合唱指揮が長田雅人さんというのですから、ちょっとすごいメンバーですね。いや、長田さんの合唱指揮というのが、なんとも想像できないのですがね。これはぜひ聴いてみたいので、すでにはがきを送ってあります。
 ちょっと興味があったので、その合唱団のサイトに行ってみたら、「テナー大募集」なんて書いてありましたね。もう少し早く知っていれば、応募していたかもしれません。でも、東京まで6回通うのはちょっと大変かも。それよりも、その合唱団に参加すると招待状が1枚もらえる、というのには、ちょっと反応してしまいました。今まで何回かはがきを出したことがありますが、まず外れたことはありませんでした。それらの時には合唱は入っていませんでしたからね。でも、こんな風に合唱の人たちにも割り当てがあるのであれば、いつもより競争率は上がってしまいますね。はたして抽選に当たることが出来るのか、ちょっと不安になって来たところです。
aventure number : 1930 date : 2012/7/25


今日の禁断 コーラ

 1月に見に行った「ALWAYS三丁目の夕日'64」のDVDとBDが発売になりました。だいぶ前からAmazonからはその案内が何度も何度も何度も届いていたので、出るということは知っていました。つまり、私の場合は第1作と第2作のDVDを、どちらも「特別編」という一番高いパッケージでAmazonから買っていたものですから、それを覚えていて「また、今回もよろしくお願いします」と言って来ていたのですね。でも、私はそんな高いものを買ってみたものの、そのあとにBDが出て、そんなDVDはくず同然になってしまったという苦い体験をしているものですから、いくらBDもあるからと言って、そんなにホイホイ買う気にはなりませんでしたね。現に、今ではそんな高かったDVDよりもはるかに画質の良いBDが、WOWOWからのダビングで手元にありますから、これだっていずれはWOWOWで放送されることを考えれば、なにも今あわてて買うことはないな、と思っていたのですよ。
 でも、Amazonにはそんな私の気持ちなど伝わるわけもありませんから、その案内を送る手を緩めることはありませんでした。そのうちに、通常版だったらかなり値引きもされているし、まあ、買ってもいいかな、みたいな気持になってきます。人間って、弱い生き物ですね。WOWOWで確実に放送されるという保証はありませんし(最近、BSが多局化したら、新しい映画が少なくなったような気がしませんか?)まあ、3Dは見たけど、2Dはまだ見ていないから、なんて理屈をつけて、とうとう買ってしまいましたよ。BDを。
 映画館で見た時には、いろいろ不意打ちもあってはらはらしながら見ていたのでしたが、BDでもう1度見るんだったら、ネタは分かっているのですからもっと客観的になれるだろう、と思っていたのですが、やはり、どんな状況で見てみてもウルウルするところはしっかりそうなってしまうものなのですね。もちろん、伏線などはよりはっきりその意味が分かるようになっていますしね。
 これはレターボックスサイズなので、テレビの画面の上下に余白(余黒)が入っています。そこを上手に使って、2Dなのに3D、みたいなことをやっていたのには、笑ってしまいましたね。
 ただ、最初に「どうして?」と思ったところが、今回も疑問が残ってしまった、というようなのは、結構ありましたね。なぜ六ちゃんは簡単に旅行に行ったのか、とかね。あと、淳之介を送りだすシーンも、いまいち不可解なところが残ります。
 まあ、それらは多分に編集の問題もあって、必ずしも制作者の意図がきちんとは伝わらなかった、というような部分もあったのかもしれません。どんな作品にも、それは多かれ少なかれ起こることですから、別にどうでもいいことです。しかし、これはちょっと、という気がしませんか?

 この「エアーポット」は、映画館では気づきませんでした。でも、BDでこれを発見した時には、なにか違和感がありました。その時考えたのが、やはりWOWOWからダビングして最近見なおした「寅さん」です。吉永小百合が最初に出てきた時には、彼女は間違いなく昔ながらの傾けて使うポットを使っていたことは鮮明に覚えています。あれは、1964年みたいな昔に作られた映画ではなかったはずです(実際は1972年)。そこで、調べみたら、このタイプのポットが出たのは1973年だったことが分かりました。

 これは、桂三枝と栗原小巻なんですって。すごいですね。いずれにしても、1964年という設定の映画に、その頃にはまだ存在していなかった製品が出ているのは、ちょっとまずいですよね。あれだけ時代考証をきちんとやっているというのに、いったいどうしてしまったのでしょう。いや、もしかしたら、これは山崎監督が仕掛けた「罠」だったのかもしれませんよ。わざと、あり得ないものを出して、それに気がつくかどうかニヤニヤしながら見守っているという、意地悪な根性の人だったんですね。
aventure number : 1931 date : 2012/7/27


今日の禁断 ジャスミン

 いよいよ始まりましたね。マンションの夏祭り(え?)。いやあ、きのうの暑かったこと。もう朝早くから、会場になる駐車場に置いてあった車を別のところに移したりして、それだけでも大汗をかくぐらいですよ。とは言っても、今年は私は別に役員でも何でもないので、やったことはそれだけ、あとはなにかと用事があったので出たり入ったりしているうちに、駐車場では見る見るうちにテントが立ったり焼き鳥用のかまどが出来たりと、準備はどんどん進んでいきます。なんせ、私の部屋からは駐車場が丸見えですから、そのあたりの進み具合は手に取るように分かるのですよ。やがて、焼き鳥やたこ焼きを焼いている香ばしい匂いが漂ってくると、いよいよ今年の夏まつりもその開会式を迎えることになります。
 違いますよね。なんたって、始まったのはロンドン・オリンピックではないですか。というか、開会式が始まる前から一部の競技はもう始まっていた、というのがなんだか間抜けな気はしますが、なにはともあれ、あのものすごい開会式は、無事に終わったようですね。でも、日本時間で5時ごろ始まったものは、一応8時ぐらいには終わるのだろうとみんな思っていたのでしょうが、結局9時ぐらいまでかかってしまったというのは、周到に「演出」されていた割にはずいぶんアバウトな進行だったのですね。生中継なんて、そんなものなのでしょうか。オペラなんかだったら、きちんと予定されていた放送時間内に終わるのに。
 私としては、最後にポール・マッカートニーが出てくる、という興味だけで、最後のあたりはずっと見ていました。その前に別のバンドが出てきて「Come together」なんかを始めたので、ここでやるのかな、と思ったら、まだまだ出番はずっと先だったんですね。それにしても、このバンドや、そのあとの聖火点灯の時の音楽のPAはひどいものでしたね。もう音がバラバラに散ってしまって、なにをやっているのか全く分からない状態でした。こんなんでポールを聴くのは、ちょっと嫌だな、と思ってしまいましたね。
 でも、いよいよポールが登場して、「The End」を始めた時には、まず普通の野外コンサート並みのPAのクオリティだったので、一安心です。Facebookに書いたように、私としては、アルバムの曲順どおりに、この後に「Her Majesty」を歌ってくれることを期待したのですが、さすがにこの大舞台ではそんなお遊びはなかったようでした。せっかく女王陛下がいたというのに。そして、メインの「Hey Jude」が始まったとたん、あの「事故」です。いきなり、ディレイの音声がかぶってしまいましたね。なんでも、口パク用の音源とうまく同期できなかったのだとか。でも、それもすぐに修正されて(というか、生演奏に切り替えて)、あとはポールが最近のライブでやっている通りの構成の進行でしたね。あれで70歳ですって。すごいですね。
 そうなってくると、テレビはオリンピック番組一色になります。そこで聴こえてくるのが、NHKのテーマソングですね。今回はいきものがかりの曲ですが、最初にこれを聴いた時に、これは「アラジン」のテーマ曲と同じではないかと思ってしまいました。ディズニーアニメの「A Whole New World」というアラン・メンケンの曲です。こちらで聴けます。後半にいきものがかりをくっつけてみました。キーが半音違っているんですね。だから、これを聴くといきものがかりが魔法のじゅうたんに乗ってロンドンに飛んでいくような気がしてしまうのですね。まあ、こじつけですがね。点滴くんだって、相変わらず虚勢を張っているみたいですから、いいんじゃないですか?
aventure number : 1932 date : 2012/7/29


今日の禁断 マリナート

 今日はニューフィルの練習日なので、旭ヶ丘のいつもの駐車場に車を入れた後、お向かいの青年文化センターに行ってみました。実は、今はコンサートホールの改修工事中なのですね。もう、震災からの復旧工事は終わったはずなのに、なぜ、と思うのですが、これはステージを大幅に模様替えする工事なのです。つまり、今までステージの後にあった階段と、その上の空間を撤去する、というものなのですね。これが、工事前のステージの写真です。

 ホールに行ったのは、愚妻からの情報で、そこに工事後の写真が貼ってあるというので、それを見に行くためでした。確かに、階段を撤去するのはいいのですが、そのあとはどんなものになるのか、知りたいですからね。前にホールのサイトを見た時には、「改修工事を行います」という案内はあっても、写真は載ってませんでしたから、それが見れるのなら見てみたいものです。
 確かに、ホールの入口には内側から板が貼ってあって、中が見えないようになっていますが、その板にガラス越しに写真が2枚貼ってありました。1枚は、上の写真、そして、もう1枚はCGで「改修後」を見せるものです。

 実は、その写真を実際に写真に撮って、それをここに載せようと思ったのです。しかし、ガラス越しですから、もろに撮っている私も写り込んでしまってますから、かなり修正が必要だな、と思っていました。ところが、帰って来てホールのサイトに行ってみたら、さっき貼ってあった写真のもとの画像が、しっかりあるではありませんか。かなり大きなサイズの写真がダウンロードできるようになっていましたよ。いつの間にアップしたのでしょうね。分かっていれば、わざわざ行くこともなかったのに。
 まあ、これは最近のホールにはよくある備え付けの反射板ですね。特に、ワインヤード・タイプのホールのステージではよく見かけるものです。これでどのぐらい音が変わるか、楽しみでもあり、恐ろしくもあり、ですね。あれ以上ひどい音になってしまったら、一体どうするのでしょう。そもそも、今回撤去した階段というのは、上にオルガンを設置するために用意されたものなのだそうですよ。結局、オルガンを購入する予算はどこからも出なかったので、こんなことになってしまったのでしょうね。情けないことです。それで「楽都」ですって。
 こんな風にステージを少しぐらい広くしたところで、このホールでは到底マーラーの「復活」を演奏することはできません。あの県民会館でも無理だったのですからね。もちろん、その前の日に山形で同じ団体が演奏した時には、もっと狭いステージでしたから、かなり悲惨だったようですね。その山形のコンサートが、全部ストリーミングで見ることが出来るというので、見てみました。やはり、仙台と同じように第4楽章の前に合唱を入れてましたね。いくらキャプラン版を使っていても、その楽譜の指示(3楽章が終わったら、切れ目なく4楽章を始める)が守られないのでは、その意義も半減です。

 そのキャプラン版のスタディ・スコアが、注文して1週間しか経っていないのに届いてしまいました。さっそく今までのマーラー協会版と比較してみます。ブルックナーの版のような劇的な違いはありませんが、細かいところで違っていましたね。それはいずれ詳しく見てみたいと思っていますが、とりあえずはっきり音による違いが分かる部分が見つかったので、それをもとに手元にあるCDの版を特定しているところです。
 ところで、あと2週間もしたら、JAOのフェスティバルで「復活」が演奏されます。指揮は松尾葉子さん。それに出る予定のK子さんのパート譜を見せてもらったら、しっかりキャプラン版でした。もう世の中はそういうことになっているのですね。となると、9月の末廣さんも当然キャプラン版?
aventure number : 1933 date : 2012/7/31


今日の禁断 ウニヴェルザール

 この間から、ヒマがあれば届いたばかりのキャプラン版を、音友の従来版(1970年改訂版)と見比べて、どこが違っているのか調べているところです。あ、マーラーの交響曲第2番「復活」の楽譜の話です。校訂報告があれば楽に探せるのでしょうが、そこまでのめり込むつもりはないもので、ひたすら力仕事が頼りです。キャプラン自身がウィーン・フィルと録音したDG盤のライナーで「聴き慣れたフルートのメロディがトランペットに変わるようなことはない」と書いてますが、確かに、目立つような変更箇所はなく、ひたすら細かいところで変わっているような印象があります。でも、実際は、1ページ目から違ってますよ。2小節目、低弦の「ドシドレミ♭」のダイナミックスが、音友版では「fff」だったのが「ff」になってますからね。こんな違い、聴いただけでは絶対わからないでしょうが、演奏する時には気持ちの入れ方がかなり変わってくるはずですよ。
 でも、こんな、言ってみれば曖昧な違いではなく、もっと、誰にでも分かるような違いはないかと探していたら、5楽章の最後の方になってやっと見つかりました。ア・カペラで合唱が入って来た後、ソプラノ・ソロが抜け出してくるあたり(487小節)にユニゾンで入っているフルート・ソロが、2小節長くなっているのですよ。つまり、ソプラノが歌い終わる直前まで吹いているように変わっているのですね。これだったら、その最後の部分にフルートが有るか無いかだけですから、客観的に判別できるはずです。
 ところが、それを目安に、間違いなくキャプラン版を使っているはずの彼自身の録音を聴いてみると、そのフルートが全く聴こえないのですよ。ソプラノに隠れてしまっているのでしょうか。しかし、もう一つのキャプラン版というクレジットのあるヤンソンスの録音でも、やはり聴こえません。いずれもSACDですから、この音域のフルートが鳴っていれば、絶対に分かるはずなのに。もう一つ、やはりキャプラン版と謳っているノット盤を聴いてみると、これはしっかり聴こえます。楽譜通り、従来版にはなかった最後のフレーズまで吹き切っていました。試しに、最近の録音で従来版を使っているもの(ジンマン、ゲルギエフなど)を聴いてみると、これもはっきり楽譜通りに吹いているのが聴こえます。つまり、吹いてさえいればこれは必ず聴こえるものだったのですよ。ですから、同じキャプラン版であっても、吹いているものと吹いていないものがあるということになります。これはどういうことなのでしょう。
 そこで、楽譜をよく見てみると、そこには校訂者のコメントがありました。この部分は、その前の弦楽器やトロンボーンのように、「合唱が音を取れない場合」の補助として演奏するためのものなんだというのですね。確かに、よく見てみるとそれらの音符は、少し小さめに印刷されていました。さらに従来版でも、弦楽器の部分にはマーラー自身のコメントとして同じことが書いてありました。ただ、そのあとのフルート(+オーボエ)のフレーズまでは、その指示はなされていない、というのが、従来版の解釈だったのですね。しかし、キャプランはそこまで含めてあくまで「補助」であると主張しているのですよ。つまり、まともな合唱が歌っているのであれば、ここはフルートは演奏することはない、ということなのですね。キャプラン版では、ここはフルートが聴こえて来ないのが正解なのでした。ノットの場合は、合唱を信用していなかったのでしょう。
 しかし、問題はそんな単純なものではありませんでした。それからいろいろ古い録音などを手当たり次第に聴いてみると、キャプラン版の「キ」の字もなかったような時代のものでも、フルートが入っていないものがどんどん出てきたのです。例えば、1975年録音のショルティのSACDなど。
 これは、「もしや」と思うことがあったので、AmzonでDover版の在庫を見つけて即注文しました。それが今日届いたので、問題の場所を見てみたら、予想通り、そこには最初からフルートなどは全く入っていませんでした。Doverは1897年の初版のリプリントですから、初版にはそもそもフルートは入っていなかったのですね。それが、改訂版でフルートパートが加えられ、キャプラン版で、実質的に削除された、ということなのですよ。初版がまだ使われていた時代の指揮者だったら、ここにはフルートは入れませんね。

 言葉だけでは分かりづらいでしょう?いずれ、楽譜と一緒に詳しく「おやぢ」あたりに書く予定です。
aventure number : 1934 date : 2012/8/2


今日の禁断 ユニクロ

 8月に入って、公私ともに何かとあわただしくなってきました。職場では来週に、毎年恒例の大きな行事があるのでその準備が着々と進んでいるのですが、私の担当のお土産のパッキングに関しては、ちょっと大変なことになっています。来てくれたお客さんのために、3種類の会報(○○会、△△会、そしてわが社)と、その時々のグッズを袋に入れて用意しなければいけないのですが、そのグッズがまだ届いていないのですよ。今回は、いつものような出来合いのものではなく、こちらでしっかりデザインを指定して特注したものを使うことにしました。もうサンプルは届いているのですが、肝心の量産品が、今日の時点でもまだ届いていないのですね。ちょっと焦ってしまいます。ですから、とりあえずはグッズ以外のものだけをソートして、重ねておきました。グッズが届いた時点で、少しでも早くパッキング出来るように、という配慮ですね。こうしてさえおけば、最悪、当日に届く、なんて事態になっても、焦らないで対応できるはずです。
 ニューフィルの方でも、事務局の体制がなんとも流動的なことになってしまっているにもかかわらず、定期演奏会に向けての作業は、むしろいつもよりも早目に進行しているようです。いや、「いつも」というのが、実はちょっとスケジュール的には遅すぎたようだったので、体制が変わってそのあたりがノーマルなものに立て直された、ということなのかもしれません。今の予定だと、どうやら演奏会の2か月以上前には、チラシやポスターは出来上がりそうですよ。「いつも」は、だいたい2か月を切ったあたりで印刷物が出来上がってくるというタイミングですから、これはありがたいことです。
 そのポスターやチラシのデザインも、今回から担当者が変わりました。おそらく、デザインのコンセプトも大幅に変わるのでは、という気がします。正直、今までのものは「アート」としては素晴らしいのですが(市民センターなどに持って行くと、一様に「素晴らしいですね!」と言われたりします)、チラシの本来の目的である「商品の訴求力」という点では、ちょっと難がありました。あまり演奏会の宣伝には見えないのですね。とは言っても、よその団体のように親しみやすさを強調しすぎると、今度は「品格」というものがなくなってしまいます。その辺の兼ね合いはなかなか難しいところですが、今度からの担当者はどのようなものを作ってくれるのでしょう。期待して待とうではありませんか(と、プレッシャーを与える)。
 もちろん、それが出来上がるころには、私の企画書も出来上がっていなければいけません。その頃は、「かいほうげん」の進行も入っているはずですから、今年も大汗をかきながら、仕事に精出すことになりそうです。
 そんな熱い夏を乗り切ろうと、南吉成の衣料量販店に行って「ロールアップ・スリークォーター・カーゴ」というものを買ってきました。えらくものものしいネーミングですが、実物はこんなんです。

 七分丈(スリークォーター)のカーゴパンツの裾を、矢印のように「ロールアップ」してボタンで留められるようにしたものです。最初は普通の短パンでも買おうかな、と思って探していたら、マネキンが着ていたこのロールアップの部分がカッコよかったので、つい買ってしまいました。夏場でも絶対に短パン系は履かなかった私ですが、一度こんなものを履いてしまうと、もう元には戻れなくなりそうな予感。いやあ、足元から入ってくる風の涼しいこと。
aventure number : 1935 date : 2012/8/4


今日の禁断 イースター

 「箱買い」をしていたウィルキンソンのジンジャエール辛口のPET版が、もう少しでなくなってしまいそうだったので、またAmazonに注文してしまいました。これで3箱目になります。1箱24本ですから、かなりの本数ですね。これが出たばかりの頃はスーパーでいつでも売っていたのですが、そのうち全く店頭から姿を消してしまったもので、やはりこれは「スイカペプシ」みたいな一過性の商品なのだな、とガッカリしてしまいました。でも、知り合いが「ネットで1箱買った」と言っていたので、試しに見てみたらしっかり売っていたので、すっかり嬉しくなって買ってしまいました。
 しかし、やはり「1箱」というのはたくさんあるものですね。うちでは私以外にこれを飲む人はいませんから、もう、これだけあれば一生困らないだろう、と思ったぐらいでしたが、やはり毎日飲んでいれば必ずなくなるのは当たり前ですので、とうとう3箱目、ということになったのですよね。でも、今回買った時は、前に買った時より300円以上安くなっていましたよ。これがちょっと気になるところです。もう、あまり買う人がいなくなったので、商品がだぶついて在庫処分で安くなっているのでしょうか。そうすると、もはやメーカーとしては見切りをつけて生産を終了してしまう、なんて事態になっているのかもしれませんよ。まあ、その時はその時で、またビン入りに戻ればいいだけのことですから、一向に構わないのですがね。というか、そもそもこんなマニアックな飲み物が、これほど当たり前のパッケージで流通しているということが、いまだに信じられない思いなのですがね。
 そんな風に、普通のお店で買えたものが、だんだんごく限られたお店だけにしかなくなってしまい、今ではどこに行っても手に入らないのでてっきりもう生産はしていないのだな、と思っていたものが、Amazonでいとも簡単に手に入ってしまったので、狂喜しているところです。それがどういうものなのかは、ちょっとここに書くわけにはいきません。そもそもそれは今の世の中では誰も使う人がいなくなってしまって、後生大事に愛用している私などは確実に絶滅危惧種となっているという、極めてレアなアイテムなのですからね。そんなものが、ネットの世界ではきちんと大手を振って歩いているのですから、それを見つけた時にはそれだけでうれしくなってしまいました。ただ、これも「半額セール」みたいなものをやっていましたから、それで売り切ってしまったら、あとはもう作らない、なんてことになるのかもしれませんがね。
 そんな感じで、今では普通のお店で買うことはまずなくなってしまったのが、CDです。なにしろ、ネットと同じだけの品数を揃えている小売店なんて、そもそもあり得ないことですからね。なにしろ、仙台市内では、まともなクラシックの品揃えをしているお店すら、1軒もありませんから。
 でも、やっぱり、「物」としてのCDだったら、まず手にとって見てみたいものだ、という思いには、かられます。ネットの情報だけだと、たまにほとんど詐欺まがいの商品をつかまされることがありますからね。新録音だと思って注文して、届いた現物を見てみたら何十年も前に出たものの移行盤だった、なんてことはざらですし、まるで実際に聴いたものであるかのような巧妙な紹介文にだまされたことなんか、数え切れません。まあ、長いこと付きあっていると、その紹介分から別の意味を見つけ出すことが出来るようにはなってくるものですが、そもそもそんな「化かし合い」の上に商売が成り立っているなんて、ちょっとさびしくないですか。
aventure number : 1936 date : 2012/8/6


今日の禁断 マイク

 きのうのニューフィルは、お盆休み前の最後の練習となりました。そのあと、1回お休みで、その週末には早くも末廣さんとの指揮者練習というスケジュールです。つまり、指揮者練習前の最後の練習、ということにもなるわけです。これが終わると、あとは10日以上全然合奏がなくて、いきなり末廣さん、これはちょっと辛いですね。ですから、私としては、この段階で、とりあえず指揮者の前で吹いてもなんとか大丈夫なぐらいの仕上がりになっていることを、なんとしても確認しておきたいのですよ。
 今やっているブルックナーの8番の場合、フルートは基本的にそれほど難しいわけではありません。休んでいる時間も、かなり長いので、曲は長くてもそんなに大変ではありません。それでも、結構難度の高いソロはあちこちに転がっているので、気を抜くことはできません。まず、1楽章には、なんと17小節休みなしというどえらいソロがあります。これは、長いだけではなく、臨時記号がたくさんついているので譜読みが大変でした。なにしろブルックナーという人は転調が大好きな作曲家ですから、あちこち臨時記号だらけ、「F♭」なんてのが出てくると、瞬時には対応できなくなってしまいます。でも、これはひたすらさらいさえすれば、指がおぼえてくれますから、あとは楽、3回目ぐらいの合奏からは、まずノーミスで吹けるようにはなっていました。
 そんな感じで、目立つソロは一通りなんとかなるようにはなったのですが、1ヶ所だけ、いまだに自信が持てないのが残ってしまいました。それは、4楽章に出てくるこんなソロ。

 フラット3つの調で始まった楽章が、ここではフラット7つの調に転調しています。つまり、すべての音符にフラットが付くことになります。2小節目の「Fナチュラル」や3小節目の「Cナチュラル」は、普通の音階にシャープが付いた経過音ですからね。こういう音形ですから、まずブリッチャルディ・キーを使ってB♭を出したいところですが、高音のG♭が出てくるので、その時には外しておかなければなりません。いや、そこまではきちんと練習しさえすれば克服は出来るのですが、問題はリズム、というかタイミングです。それまでずっと二分音符中心で進んできた音楽の中に、いきなりこんな忙しい譜割りをはめ込まなければいけないので、どうしても焦って走ってしまいます。指よりも、メンタルな環境が整わないと、うまくいかないという厄介なソロなのですね。実際、一人で吹いていればどんなにテンポを上げても吹けるのに、いざ合奏の中になると、とたんに空中分解してしまうのですよ。ですから、きのうの時点で、ここを落ち着いて吹けるという見通しが立たないことには、不安が残ってしまいます。
 でも、きのうは私の中ではベストの状態で吹けました。少しは見通しが明るくなったような気がします。でもなー、オリンピックのアスリートみたいに、技を完璧に磨いて絶対の自信を持って臨んでも、考えられないようなミスが出てしまったりするのですからね。うまくいかなくても大目に見てくださいね。
 この間、印刷物のことに触れましたが、実は、必要な写真がないというので、私が土曜日の夕方に画像を送ったあとで、あれを書いたのですね。ところが、きのう行ったら今度の演奏会のチラシのゲラがもう出来上がっていましたよ。確かに、私が、集合写真から余分なものを消した写真がしっかり使われていましたね。なんという素早さでしょう。デザインも渋い上に分かりやすくて、素敵でしたよ。まだ2、3手直しがあるようですが、近いうちにアップしますから、見てください。
aventure number : 1937 date : 2012/8/8


今日の禁断 パリンカ

 毎年恒例の職場の行事、この前「お土産がまだ届いていない」と書きましたが、前の日になってやっと届きました。こんなんです。社長の自画像入りですが、これはすでに「団扇バージョン」がだいぶ前に出来ていて、画像はそれをそのまま使いました。ただ、原画はもうどこかに行ってしまっていたので、その団扇からスキャンして、私が修復したものです。「骨」の部分で色が変わっていたので、そのあたりを修正しなければいけなかったのですね。

 でも、考えてみたら、団扇は平面ですが、扇子の場合は完全に開いても縦に少し折り目が残りますから、その分を見越して画像も少し横に拡大しておかなければいけなかったのですね。本当はもっと丸い顔になるはずでした。
 なにはともあれ、それから急いで袋詰め開始です。とは言っても、すでに「下ごしらえ」は出来ていますから、そんなに時間はかかりません。BGMでかけた竹内まりやの3枚組のベストアルバムの、2枚目の途中で、作業はすべて完了です。よかったよかった。3枚目になると、大嫌いな原由子とのデュオが入っていますから、それを聴かずに済んだのは本当に幸せでした。
 そんなことをやっている時に、私のかつて所属していた合唱団では、Kスタでの試合前の「君が代」斉唱の準備に余念がなかったことでしょう。Facebookでは、そんな緊張した様子が刻一刻伝わってきます。写真を見ると、私の知らない人がずいぶんいるようでしたが、別に団員ではなくても、団員の知り合いとかも参加できるはずですから、いろんな面子が集まったのでしょう。小さなお子さんもいるようでしたね。
 そして、きのうはいよいよその行事の本番でした。私の役目は受付のチーフですが、まだ他の人が揃わないうちからお客さんが来始めていますから、社長もアシに入ってくれます。そこで、私とは違って、スポーツにかけては誰よりも詳しいので、最近疑問に思っていることをちょっと聞いてみることにしました。オリンピックでバレーボールの試合を見ていると、なんか一人だけ他の人とは違うユニフォームを着ている人がいるので、気になっていたのですよね。東京オリンピックの時には、そんな人はいませんでしたからね。そうしたら、「それは、『リベロ』といって、レシーブしか出来ない人だよ」と、親切に教えてくれました。でも、なにか言葉の端端に、私を傷つけまいという配慮が込められているのを、私は見逃しませんでした。。そんなことは誰でも知っているのに、聞いたりするのはとても恥ずかしいことだよ、と言いたいのを、必死になってこらえていたのでしょうね。そんな優しさは、私にとっては辛いだけです。
 その時に、前の日の「君が代」の話をしたら、「録画してあるかもしれない」などと言い始めましたよ。なんせ、そんなスポーツおたくですから、ここはケーブルテレビやらCSやらを動員して、楽天のすべての試合が最初から最後まで見られるようになっています。その日の分もきちんと録画してあるというのですね。あとで見せてもらったら、確かに、歌っている場面がしっかり映っていました。しかも、センターからのカメラで、こんな真正面のアングルまでありましたよ。

 さっそく、これをFacebookにアップします。最初はフィードを見た人がシェアしてくれることを期待したのですが、写真にタグ付けしたら、その時点ですでにその人にシェアされてしまうようになっていたんですね。そんな機能があるのは、初めて知りました。
 その少し前にアップしたのが、これです。

 用心してハガキを2枚出したら、両方とも当たってしまいました。1枚余ってしまったので、欲しい方は私まで。あ、もちろんはんこなんかは押されていない「本物」ですから。
aventure number : 1938 date : 2012/8/10


今日の禁断 エピス

 きのうは、実質的なお盆の入りだったのに、ちょっと職場を抜け出して作並温泉まで行ってきました。いや、私は本当に「行ってきた」だけ、愚妻が合唱団の合宿だというので、岩松旅館まで車で送って来たのですよ。国道48号線は、だいぶ前にニューフィルの芋煮会をニッカの工場でやった時に行ったのが、確か、最も遠くまでの記録。作並はそれよりもっと先ですから、ちょっと楽しみです。
 その、ニッカの入口あたりに、「ゴリラ岩」という看板がありました。

 確かに、左の山肌がゴリラの顔に見えないこともありませんね。もっとも、私が「ゴリラの顔」と思っている部分と、これを命名した人がそうだと思った部分は、多分違っているような気はしますが。
 そこから10分ぐらい走ると、すぐ道路沿いにその旅館があったので、愚妻を降ろしただけでそのまままた元の道を戻ります。実は、仙台を出たのがお昼前だったので、まだご飯を食べていなかったのですね。このまま帰れば2時前には仙台に着きますから、「櫻家」のランチが食べられます。来る時はちょっとした渋滞があったのが、帰りは楽々流れていたので、1時20分ごろには西道路を下りられました。あとは北環状線を行けば、間違いなく2時前には「櫻家」がある川平には着けますね。
 ところが、そこから環状線へ続く道が、なんだかすごい渋滞になってます。というか、対向車線を走っている車は全然なく、その先で通行止めになっているみたい、そこには、消防車がたくさん見えます。

 これは、間違いなく事故ですね。それも、かなり大規模な事故のようでした。こちら側の車は、殆ど進みません。対向車線だけでなく、こっちも3車線のうちの2車線が使えなくなっているようです。結局、環状線に入った時点で、すでに2時を過ぎてしまい、「櫻家」のランチメニューはお預けです。
 あとでネットのニュースを調べたら、タンクローリーとダンプカーがぶつかって、ガソリンが道路に2000リットルだかぶちまけられたようですね。確かに、横を通り過ぎる時には、ものすごいガソリンのにおいがしました。すでに砂がかけてあって、その周りを消防車が見守る、という状況でしたね。
 家へ帰ったら、WOWOWでは6月に行われた「ダイヤモンド・ジュビリー」のコンサートを全部放送していたので、最後まで全部見てしまいました。なんともすごい演出でしたね。なんせ、宮殿そのものをスクリーンにして、そこにプロジェクターで映像を写したりしているのですからね。そして、聴衆は宮殿の真向かいのまっすぐな道路にまでぎっしり詰まっていましたね。もちろん、私はロンドンには行ったことがありませんから、その位置関係の全体像をつかむなんてことは、出来るはずがありません。
 そのライブ、どんな人が出ていたのかはほとんど知らないで見ていたのですが、ラン・ランとかルネ・フレミングみたいに、しっかり「クラシック」のアーティストまで参加していたのですね。さすが、英国王室、という感じです。それと、殆ど「伝説」と化した過去の大物が、大挙して繰り出していた、というのも、やはり、と思わせられます。でも、クリフ・リチャードとトム・ジョーンズは同じ年のはずなのに、声の衰え方は全く違っていましたね。シャーリー・バッシーは、予想通りの曲を歌いましたが、これも見事な声でした。意外だったのは、まだまだ「若い」はずのカイリー・ミノーグが、なんとも情けない声になっていたことです。ほんの少し前までは、もっと張りのある声だったのに。
 ついさっき、そんな「思い出の場所」をマラソン選手が走っていました。普段はこんな道路なんですね。日本は6位入賞ですか。おめでとうございます。きのうのライブでお客さんが埋めていた道路は、マラソンのゴール前の直線コースだったのですね。
aventure number : 1939 date : 2012/8/12


今日の禁断 バーコード
 Facebookを本格的に始めてから半年以上経ちましたが、最近になってなんとなく私の中でのFBの役割のようなものがはっきりしてきたような気がします。私の場合は、あくまでもメインはウェブサイトなわけで、基本的にすべての情報はサイトに入っています。それを補完する意味で始めたのが、ブログでした。サイトと全く同じものをブログにもアップした結果、それぞれに微妙に異なるリアクションが得られるようになり、そこでサイトとブログの特性、というか、役割の違いを身をもって知ることになったのでした。
 そこに、FBが参加します。こちらでは、もはやコピーさえも必要がなくなり、単にURLを書き込むだけでそのままリンクも張れるし画像も表示できるという手軽さです。そんな特性を生かして、やはりコンテンツ自体はサイト、あるいはブログと全く同じものをアップするという姿勢は変わりませんでした。ただ、ここに来て、FBならではの機動性を生かせることにも気づきました。サイトの場合は一応ローテーションがあって、「禁断」は1日置きということになっていますが、その間になにか面白いことがあったような時には、写真だけでもFBにアップしておくことが出来るのですよ。そんな「即効性」を生かして、最近ヒットしたのが、今度のニューフィルの定期演奏会のチラシの画像です。

 前に、今回の印刷作業は早目に進んでいる、と書いたら、今週末に行われるJAOフェスティバルに行く予定のK子さんが、「チラシのサンプルがあれば持って行きたいのですが」と聞いてきました。そこで、印刷担当のK'子さんにそんなことが出来るのかどうか打診したところ、即座に表と裏の画像を送ってくれたのですよ。そこで、さっそくそれをニューフィルの公式サイトと、Facebookページに掲載しました。
 火が点いたのは、FBページの方でした。あれよあれよと言う間にたくさんの人がその画像をシェアしてくれたのですね。これこそが、FBの最大の機動性、多くの人のタイムラインやウォールにシェアされたチラシの画像は、いったいどれほどの人の目に触れているのか想像もつきません。広報のツールとして、これほど役に立つものはないことを、初めて実感できました。
 実際にチラシの現物が出来上がってくるのはあと2週間ぐらい先になるのですが、そのずっと前にチラシと同じ情報がこれだけ広範に広がる効果は、計り知れないものがあります。これで、11月3日の県民会館は、満員間違いなしでしょう。図に乗って、FBページのカバー画像も、チラシを横に貼り合わせたものに変えてしまいました。これも結構好評みたいですよ。
 でも、FBでは「友達」という厄介なものが付いて回ります。私の場合は、寄せられたリクエストはまず受け入れますが、極力自分からはリクエストは出さないようにしています。たまに断られることがあって、そんな時に凹んだりするのがちょっと嫌なもので。でも、ちょっと検索していたら「末廣誠」というFBを見つけたので、これはダメモトで、と、リクエストを送ってみました。つい最近登録したばかりのようで、プロフィール写真もまだアップされていません。友達もなんだかご家族のような人ぐらいしかいなかったので、これはチャンスかな、と思ったのですね。
 しばらくして、メッセージが届きました。そこには、
 「 私は、武蔵野市に住んでる末廣と申しますが、あなたがメールした人とは同姓同名ですが別人です。わたしは音楽家ではありません。」
 ですって。やってしまいました。もちろん、ていねいにお詫びのメッセージを送りましたよ。これで、私がリクエストを送ることは、ますますなくなっていくことでしょう。
aventure number : 1940 date : 2012/8/14

12/8/16-12/9/23