1841(12/1/30)-1860(12/3/7)

今日の禁断 掲示板

 きのうは、1日サイトや「かいほうげん」の仕事をしていたような気がします。サイトというのは、「おやぢ」の原稿書きですね。このところ、ストックが全くない状態が続いていますから、少しでも余裕が持てるようにと、時間があるうちに書きためておこうという魂胆です。もちろん、そんな先を見据えた仕事がうまくいくわけがありません。やはり「締め切り」というものがあってこそ、人は初めてなにかをしようという気になるのでしょうね。
 その成果が、「オペラ座の怪人」のBDのレビューとなりました。本当にこれは見ごたえのある映像でしたね。なんって、ファントムを演じたラミン・カリムルーという人はすごすぎ。彼の最初の「デュエット」である「The Phantom of the Opera」で、彼の声が聴こえてきた瞬間、これは今まで聴いて来たすべてのファントムを超えるものだと思ってしまいましたよ。この張りのある伸びやかな声は、劇団四季の高井さんなんか、目じゃありません。そして、それに続く「The Music of the Night」では、今度はガラリと表情を変えて、まるでささやくように切なく迫ります。もういっぺんに彼のファンになってしまいました。
 このBDには、「Love Never Dies」というミュージカルの予告編がおまけのトラックに入っています。なんでも、これは「オペラ座」の後日談なのだそうですね。同じロイド・ウェッバーが作曲したもので、おととしロンドンで初演、その時には、このカリムルーがファントムを演じていたのだそうです。あいにく、これから映像が出てくるものは、そのロンドン版ではなく翌年のオーストラリアのカンパニーのものなのが残念ですが、まあ、これもおそらく買って見ることになるのでしょう。

 この新作ミュージカル、ネットでは、かなりの酷評があちこちで見つかりました。まずストーリーがつまらないんですって。まあ、それはそうでしょうね。なんでも、ファントムは死んではいなくて、アメリカで大成功を収めているのだとか。一方のクリスティーヌは、ラウルと結婚して子供をもうけたものの、結婚生活はあまりうまくいっていなくて、それがひょんなことからアメリカで歌うことになって、そこでファントムと再会する、という、確かにとんでもない話です。いや、もっとひどいのは、彼女の子供は、実はラウルではなくファントムとの子供だった、という結末です。そんなもの、見たくないよォ、と思う反面、「音楽は素晴らしい」という声もかなり聴こえてくるので、何のかんの言ってもやっぱりロイド・ウェッバー節にハマってしまうんでしょうね。アマゾンで注文したら、なんとカリムルーがソロCDをリリースすることも分かり、それも一緒に予約してしまいましたよ。
 「かいほうげん」の方は、写真を選んでレイアウトする、という作業ですから、とっかかりさえすればあとはどんどん進んでいきます。しっかり作りこんで、これはそのまま印刷できるのではないか、というほどの、完成度の高いものが出来上がったような感触でした。
 しかし、今日になって職場のプリンターで印刷してみて全体を眺めると、なんだか足らないものがあるような気がしてなりませんでした。もっと他のものが入らなければならないのに、無駄にスペースが空いている、という感じが強くしたのですね。長年の勘で、こういう時には少し待ってみた方が良いものが出来ることは分かっていますから、まだ時間もあることだしすこし放っておくことにしました。
 結局、しばらくすると足らなかったものはわかりました。あと2つ、「小ネタ」が残っていたんですね。それをはめ込んでみたら、見事に紙面全体が引き締まってきましたよ。なんて、自画自賛です。あ、末廣さんが龍にまたがっている「日本むかしばなし」もありますよ。
aventure number : 1841 date : 2012/1/30


今日の禁断 モスバーガー

 このところ、仙台では毎日のように雪が降っています。とは言っても、富山や新潟に比べればもう微々たるもので恥かしいぐらいですが、なまじ少し降ってそれが溶けた頃に夜中になって気温が下がると、道路という道路がキンキンに凍ってしまいます。きのうがそんな日でした。夕方、ニューフィルの練習に行く前にご飯を食べようと台原あたりを走っていて、カーブを切ろうとブレーキをかけた途端、「ガリッ」といういやな音がして、危うくコントロールを失うところでした。その時まで、それほど道路が凍っていたのには気づかなかったのですね。ですから、それからはひたすら安全運転、融雪剤をまいてあるところ以外はひたすらスピードを落として走ります。
 食事も終わって、旭ヶ丘へ向かう道路に入ると、なんだか急に車が進まなくなりました。いつもこの時間は渋滞などないのですが、どうしたことでしょう。そして、南光台へ向かう大通りへ出た時、その訳が分かりました。そこは長い下り坂になっているのですが、どの車もスリップを恐れてのろのろ走るしかなかったのですね。駐車場まであと少しなのに、完全にその渋滞にはまってしまって、ヘタをしたら遅刻?と思ってしまうほどでしたよ。さいわい、時間は多目にとっておいたので、私はちゃんと間にあいましたが、他のパートでは完全に遅れてしまった人がいたところもありました。オーボエパートなんかもそう。最初にやったチャイコフスキーの本吹きのメンバーが二人ともいなかったので、早目に来ていたIさんが、2楽章のソロを代吹きです。もっとも、Iさんは前もって遅れそうだというのは分かっていたようで、合奏前にかなりさらっていましたから、難なく吹き切りました。
 予定では、待望のヴァイオリンの見学者が来る予定だったのですが、やはりこんな寒さなので二の足を踏んだのでしょうか、練習場には現れませんでした。
 そんな道路状態ですから、練習指揮者も心得たもので、合奏はいつもより15分早く終わりました。私は、いつもの帰り道だとかなり長い上り坂があって怖いので、わざわざ遠まわりをして、ひたすら平地の道を走るルートを取りました。それでも、ちょっとした下り坂があるので、そこだけは細心の注意を払って無事通過、何事もなく家へたどり着きました。来シーズンはタイヤを新しいのに替えましょうね。
 スタットレス・タイヤは5年も使っていると性能が落ちてしまいますが、久しぶりに使ってみたヘッドフォンは、もう20年ぐらい前のものでも、ちゃんと使えました。

 これは、STAXのコンデンサー・ヘッドフォン。アンプにそのままつないでも音が出ず、専用のアンプが必要です。スウェーデンのBISというレーベルが、録音モニター用に使ってますね(別の機種でしょうが)。今では、スピーカーで大きな音を出しても構わない環境なので、ずっと使っていなかったのですが、最近、より精密なモニターがしたいと思って、久しぶりに現場復帰です。耳にあたる部分のウレタンが劣化して、もうボロボロになっていましたが、音には何の影響もなく、以前の通りの繊細な音が出てきたので一安心です。スピーカーでは分からないような細かいところが、まるで顕微鏡で見たように聴こえてきますからすごいものです。でも、やはり音場などはスピーカーでないと再現は出来ませんね。
 この間、新しいSACDを聴いていたら、とてもSACDとは思えないようなひどい音でした。こういう時に、STAXでモニターしてみると、本当の力が分かることがあります。それで、もしかしたらスピーカーがくたびれてきたせいかな、とおもって、ヘッドフォンで聴いてみると、それはスピーカー以上にひどい音でした。もう完全に歪みだらけ、明らかにマスターテープの劣化か、そもそも録音の際に飽和させてしまったのではと思えるような、どうしようもない音でした。元が悪いものは、いくらSACDにしてもそれ以上良くなるわけはありません。EMIのカラヤンは、よっぽどのことがない限り買わない方がいいでしょう。
aventure number : 1842 date : 2012/2/1


今日の禁断 ミチコロンドン

 NHKの今の朝ドラは、ついにブレイクしましたね。視聴率25%ですって。このところ、あちこちで評判が上がっていると思っていたら、ついに朝日新聞までもが特集記事を出していましたよ。これはもうベタ褒め、なにからなにまでいいことずくめ、といった持ち上げようです。
 いつも、新しい朝ドラが始まる時には、「今度こそ、見続けるのはやめよう」という気持ちでいます。ま、中には本当に素晴らしいものもあって、見続けて良かったなあ、と思えることもあったのですが、正直、見始めたのを途中で後悔する、というパターンの方が多かったような気がします。前々回の「てっぱん」などは、まさにそんな例、存在感のない主人公と、でたらめな台本、そして、最悪な音楽なのに、途中まで見ていたばっかりに、どう落とし前をつけるのかを確認するためだけに残りを見るというのは、本当につらいことでした。結局、最後は言いようのない悔しい思いにさいなまれるだけなのですね。半年、こんなものを見るために時間を取っていた自分が許せない、と。
 前回は、ほとんど、たまにしか出て来ない斉藤由貴目当てに見ていただけでした。話はそれほどの破綻もなく、そこそこ面白かったのですが、これは主人公周辺の芝居の臭さが、かなり鼻につくものでした。いかにも無理をしてるな、というのがミエミエで、見ている方が辛くなってしまいました。
 今回も、ですから、始まった時にはあまりのテンションの高さに、今度こそはやめられる、と思いました。出てくる人は大声でわめきたてるだけ、こんなものは面白くないに決まっているから、いやでも見るのをやめてしまうだろう、と、信じて疑いませんでした。ところが、なんだかそのやかましさが、とても心地いいんですね。話は無茶苦茶だけど、なんか変なエネルギーが発散されているのですよ。それは、岸和田弁のノリから来るものなのかもしれませんが、演じている人たちが、とても自然に見えるのですね。
 それは、主人公が子役から大人に変わった時にも、続いていました。この主人公は、まさに朝ドラのヒロインらしからぬ粗暴さで、のべつ怒鳴り続けていたのですよ。これは、彼女が本当に芝居がうまいからなのか、ただの地が出ているだけなのか、判別できないものでした。しかし、彼女だけではなく、まわりの人たちを巻き込んだ時のアンサンブルとしての芝居が、びっくりするほどツボにはまっているのですね。まるで、隅々まで演出家の目が行き届いている極上の芝居を見ているのと同じ感覚、誰一人として無駄な動きをしている人はいなくて、すべてが一つの方向に向かっている、という恐るべき状態、言ってみれば、「テレビドラマ」にはあるまじき次元の高さが、そこここに見えてくるのですよ。
 なにしろ、素材は実話ですから、どんなに荒唐無稽だと思ってもほんとのことだけが持つ、ある意味信頼性がありますから、ストーリーに失望することはあり得ません。それを、上手に料理して、極上の台本が出来上がりました。笑いと涙の絶妙のバランスで、これからも楽しませてもらえることでしょう。ただ、もう少しすると主人公が別のベテラン女優に変わってしまうというのが、ちょっとした不安材料ではありますが。
 もちろん、いいことばかりではありません。そんなハイレベルなドラマを導くべきテーマ曲の、お粗末なこと。前にも書きましたが、この歌手の才能は、こういいう方面には絶対に合ってませんって。劇伴のほうは、まさに「ALWAYS」のテイストで、和ませてくれているというのに。それと、30pの画面は、どうしてもなじめません。
 考証は、おそらくかなり力を入れているのでしょうね。随所にその時代にふさわしいものが登場してうれしくなります。それにしても、あの時代にこんなポールホールのついたカフェカーテンのようなものがあったとは。
aventure number : 1843 date : 2012/2/3


今日の禁断 ロ短調

 このところ、休みというと買い物に引きづりまわされていますから、たまにはどこにも出かけないでたまったBDでも見ることにしよう、と決めました。なにしろインフルエンザも大流行だといいますから、大人しく家にいるのが一番です。
 まず、数週間前の「N響アワー(Nさんアワーではありません)」でやっていた時に知り合いが盛り上がっていた「1000人」です。N響に多くを期待するのはそもそも無理だったのですが、やはり悲惨でしたね。それと、あのテノール・ソロは一体何だったのでしょう。ピアニシモのコントロールが全くきいていないのですから、よっぽどコンディションが悪かったのか、そもそもその程度の人なのかは、他で聴いたことがないので分かりませんが、興ざめもいいところでした。
 ですから、同じN響でも、こちらは期待できそうなプレヴィンとのメシアンをダビングしてあったBDを、口直しに見てみようとセットしたら、なぜか音も画像も出てきません。タイムコードだけは表示されますし、インデックスもきちんと打ってあるのですが、肝心のデータがすっかり抜けてダビングされていました。こんなことは初めてです。レコーダーが悪いのか、ディスクが不良品だったのかは分かりませんが、当分TDKを使うのはやめることにしましょう。ちょうど在庫もなくなったことですしね。
 夕食の時間になったので、たまには自分で作ってみることにしました。私は、食事に関しては食器洗いに専念、その他は、たまに目玉焼きを焼くぐらいで、決して愚妻の領分を侵すことはしないようにしています。そこで、まず久しぶりに包丁を取り出して、野菜を切ってサラダを作ります。次は、きのうあまりにおいしそうなのでスーパーで買ってきてしまったホットドッグ用のソーセージを2本、お湯でボイルしてお皿に盛ります。あとは、冷凍してあったご飯と、きのうのおかずのハッシュドビーフを温めて、完成です。なんともお粗末ですが、全部自分でやってみると新鮮でおいしかったですね。
 御飯のあとは、今度はかなり昔の「ザ・インターネット」をやっていたので、録画の途中で最初から見てみます。1995年といいますから、まだ世の中ではほとんどMacしかなかった時代、もちろん私はまだパソコンに手を染めてはいなかった頃に見た映画でした。ですから、その頃はパソコンの用語などもほとんど知らなかったので、多分こんな感じだろう、と想像しながら見ていたような気がします。それを、今見なおしてみると、それがいったいどんなものであったかが、はっきり分かるようになっています。別に大したことをやっていたわけではなかったのですね。というか、あれほど脆弱なシステムなんて、今では現実味が薄くなってしまいませんか?まだ良く分からなかったあの頃だからこそ、あれが「恐怖」だと思えたのかもしれません。でも、確かに、ネット社会の盲点をうまくついてはいますがね。

 と、今週まではヒマな休日でしたが、来週からは例のモーツァルトのレクイエムの練習が入ってくるので、なんだか忙しくなってきそうです。それと、これはまだ極秘事項なので黙っていて欲しいのですが、もう一つ、宗教曲の大作を近々演奏する団体があって、そこでも「賛助団員」を募集しているのですね。ただ、これはもうすでに練習が始まっていて、今から行っても混ぜてもらえるかは微妙です。仮に歌えるとしたら、長年の夢がかなうことになるのですが、どうなることでしょう。
aventure number : 1844 date : 2012/2/5


今日の禁断 萩ホール

 おととい、コンサートやら映画やらのBDを見まくったせいで、なんだか肩がコチコチにこってしまいました。その上に、なんだか頭も痛くなっています。あまり目を使いすぎたので、ついに限界を超えてしまったのでしょう。実は、テレビの他に、かなり細かい楽譜を集中して見ていた、という事情も加わっています。つまり、どうなるかは分からないけど、とにかく音だけは取ってみようと、「ロ短調ミサ」の楽譜を見ていたのですよ。ただ、それがヴォーカル・スコアではなく、スタディ・スコアだったのがいけません。なにしろ小さな音符ですから、目を酷使してしまったのですね。一応手元には大昔のペータース版のヴォーカル・スコアがあったのですが、そんなものはとても使い物にはなりません。なんせ、指定されたのは「ベーレンライター改訂版」なのですからね。どうせあとで直すのだったら、最初からきちんとした楽譜で読んでおきたいじゃないですか。それで、とりあえずスタディ・スコアで音取りをしていたのですよ。明日になったら、注文していたヴォーカス・スコアが届きますから、少しは楽になるでしょうがね。
 しかし、この曲は大変ですね。バッハの曲を歌ったことはないわけではなく、「ヨハネ」などは前にやったことがあるのですが、これは比べ物にならないぐらい難しい譜面です。しかも、量がハンパじゃありませんから、とても最後まで見る忍耐力は出てきません。えらいことに挑戦してしまったものだと、頭を抱えているところです。
 そんなことばっかりやっているわけにもいかず、今日は木管のパート練習です。いつもの会館で練習なので、早目に暖房を入れて温めておいたのですが、なんだかさっぱり暖かくなりません。なにしろ、半分に仕切った会館でも50畳はありますから、そこに10人足らずの人が入ったところで夜中にはなかなか温まらないのですよ。まえに、全員で合奏した時には、暑いぐらいでしたからね。もっとも、あのときは既に寒さのピークは過ぎていましたがね。
 そこで、「指揮者練習が2回しかないんですね」なんて言っている人がいました。そうなんですよ。今回の定期は、あくまで1年前に途中まで作り上げたものを、そのブランクをそのままに、残りを今年になって仕上げる、ということになっているものですから、2回あれば十分だ、というスタンスなのですね。とは言っても、そんな前にやったことはほとんど忘れていますから、結局最初からまた同じことを繰り返すことになるのでしょうし、そもそも私などは、その前の練習の時にはチャイコフスキーは降り番で練習そのものに参加していませんでしたから、他の人と同じテンションにはたしてなれるのか、という不安もあるのですね。さっきの言葉は、私同様いきなり別の曲を吹くことになった人のものでしたし。
 いずれにしても、5月の演奏会の前の4月中の2回の指揮練が、集中的に取り組む最後の機会になるという、短期決戦になるわけです。
 その前に、私は半月ほどでモーツァルトのレクイエムを本番まで持って行くということに取り組まなければなりません。それだけでもかなりハードな体験だな、と思っていたのですが、それと並行して、今度は7月の本番(やるとすれば)に向けて「ロ短調」です。これは、週末までには一通り歌えるようになっていなければならないので、短期決戦どころではありません。「一夜漬け」ですね。頭痛や肩こりが治ることは、しばらくはないでしょう。
aventure number : 1845 date : 2012/2/7


今日の禁断 長岡京

 今度「ロ短調」に(多分)参加させてもらう合唱団では、賛助メンバーを募集するにあたってしっかり楽譜の指定を行っていました。「ベーレンライターの改訂版」を各自で用意して持って来い、というのですね。これは、ちょっと感激。普通は、だいたいそういう人は今までどこかで歌ったことがあるはずですから、その時に使ったものをそのままお使いください、みたいなことを言うはずなのに、しっかり「これ」という指定をかけてきたのですからね。きのうの「おやぢ」にも書いたとおり、もちろんそれが今では最も信頼のおける楽譜なのですから、まずきちんと楽譜から固めていく、という姿勢に好感を持ったのです。というか、この団体は、少し前に「ヨハネ」を演奏した時にも、かなり「稿」にこだわっていたようでした。しっかりその方面のブレインがいて、演奏の前に「プレトーク」ということで、楽譜のことを話していましたからね。おそらく、今回もその方からのサジェスチョンがあったのでしょう。もっとも、今では「ベーレンライター」と言えばこの「改訂版」しかお店には置いてないはずですから、それだけの理由だったのかもしれませんがね。
 私の場合は、既にスコアではこの「改訂版」は持っていました。同じく最新の「リフキン版」なんかもありましたね。ですから、それを使って歌っても良かったのでしょうが、いくらなんでもスタディ・スコアでは楽譜が小さ過ぎますし、めくりも多くなってしまいますので、やはりヴォーカル・スコアを入手しないことには。大昔に買ったペータース版のヴォーカル・スコアならありますが、もちろんそんな怪しげなものを持って行ったら、睨まれてしまいそうですからね。
 とりあえず、市内のお店にないかと思って主だった楽器店に行ってみたのですが、予想通り置いてありませんでした。それで、頼るのはネット通販、前にも利用したことのある、「パナムジカ」という楽譜サイトではちゃんと在庫があったので、それでお取り寄せです。合唱団のサイトでは「2500円ぐらい」とありましたが、送料を加えると確かにちょうどそのぐらいになりましたから、間違いないでしょう。
 それが、きのうやっと届きました。一緒に納品書みたいのが封筒に入っていたのはいつもの通りですが、そこにはさらにもう1枚、書状が入っていました。こういうものです。

 私自身は「被災者」という意識は全く持ってはいないのですが、現実にはそのように見られてしまうのですね。まあ、せっかくですから、ありがたくご好意に甘えさせていただきました。確かに、金額ではなく、形のあるもので「支援」の姿勢を見せようという気持ちは、しっかり受け取らせていただきましたから。

 しかし、届いた楽譜は、ものすごい厚さでした。まるで電話帳みたいですね。243ページあります。隣のペータース版は163ページですから、およそ1.5倍の「厚さ」ですよ。上に置いたスタディ・スコアでさえ279ページですから、あまり変わりませんよね。重たいし。そこではたと、こんな重い物を2時間もの間抱えているところを想像してしまいました。オーケストラではないのですから、まさか、一人一人に譜面台がつくわけはありません。つまり、歌った次の日に腕が上がらなくなって、フルートも吹けないような状態になってしまうのを防ぐためには、全曲を暗譜しなければいけない、ということにはなりませんか。えらいことになってしまいそう。
aventure number : 1846 date : 2012/2/9


今日の禁断 エキサイト

 昔ながらのウェブサイト、そして、ブログ、最近ではフェイスブックと、今ではかつて「ホームページ」という名前でインターネットで情報発信できるツールは、さまざまな姿のものが提供されてきています。かつてはある程度の知識や経験がないことには「ホームページ」を作ることはできませんでしたが、それがより簡単に、そしてより美しいデザインでどんな人でも使いこなせるようになったのは、ありがたいことです。私の場合は、その3つの形態を、模索を重ねながら使い分けているのですが、いまだにしっかり作り込んだウェブサイトには愛着があります。なんせ、すべて自分の好きなようにデザインできるのですからね。ブログ→フェイスブックとなるに従って、より複雑なリレーションシップを即座に構築できるようにはなりましたが、その代わり、必要でないものまで一緒にしょいこまなければならなくなったのには、逆に不自由さも感じてしまいます。フェイスブックのフィードなどは、「友達」が増えるに任せていると収拾がつかない状態になってしまいますからね。ほんと、「リアルおみくじ」とか、「こんな車を買いました」みたいな、どうでもいいような「情報」が氾濫しているのは、なにか違うような気がしてなりません。
 ブログのサーバーでは、最近はフェイスブックに対しての危機意識が高まっているのでしょうか、なんだかSNSっぽいサービスを始めたりしていますね。さらに、私が使っているブログでは、ついこの間、いきなり毎日のアクセス表示が変わっているのにびっくりしてしまいました。今までは、ユニーク・アクセスだけをカウントして、それを1週間ごとにまとめて集計していたのですが、今のはこんな感じ。

 ユニーク・アクセスだけではなく、ページ・ビューも並べて表示、集計は毎日前日まで1週間分の平均を出してくれます。さらに、今までは分からなかった、ページごとのアクセス数も分かるようになっています。「ページ」というのは、それぞれのエントリーのこと、これを見ると、だいぶ前に書いたものが、結構今でも読まれていることが分かります。「のだめ」とか。ただ、このグラフの下の方に、「PC」、「スマートフォン」、「ケータイ」と色見本があるのに、ここでは全部がPCからのアクセスのようになっています。これは、今の無料コースではなく、「有料コース」に移行すると、その内訳がきちんと分かれて表示されますよ、ということなのですね。きちんと色分けで見たかったら、金を払ってくれ、というさもしい願いが込められているのですよ。
 そもそもブログを始めた頃には、広告さえ入っていなかったものが、今ではしっかり入るようになってますね。これも、お金を払えば広告は消えるんですって。他のブログでも、広告の入っていないものなどまず見たことはありません。ということは、わざわざお金を払ってブログをやろうという人など、そもそもいないのでは、ということにはならないでしょうかね。
 アマチュアの場合、演奏活動をする時には、月々の会費や、演奏会がある時にはチケット代のノルマが必要になってきますから、自らお金を払わなければなりません。しかし、きのうから練習が始まったモーツァルトの「レクイエム」の場合は、会場の交流ホールに行ってみても、そこには出席をとったり会費を徴収するための受け付けなどはありませんでした。どうやら、これは仙台フィルから頼まれて人が集められたもののようで、歌う人たちには一切の負担はかからないようになっているようですね。まあ、言ってみればギャラなしの「アマトラ」ということなのでしょう。いや、総勢100人以上の合唱団員が集まるそうですから、そんなのにギャラを払っていたのでは、仙台フィルはつぶれてしまいます。しかも、この曲を歌うのは今回が初めてという、私のようなメンバーも混ざっているのですからね。いや、一通りさらっておいたので、なんとかついては行けましたが、わたし的にはきのうの時点ではお金をもらって聴かせるようなレベルではありませんでした。本番までには、ニューフィル並みの納得のいく演奏が出来るようになっていたいものです。
aventure number : 1847 date : 2012/2/11


今日の禁断 グリーン

 金曜日から今日まで、4日間連続で合唱の練習という、ハードなことをやってました。明日はニューフィルですし、そのあと1日置いてまた合唱、もう合唱からは足を洗ったはずなのに、これは一体どうしたことでしょう。
 まあ、縁がなくなってもいろいろ連絡が入ったりしていますから、そこでたまたまモーツァルトの「レクイエム」や、バッハの「ロ短調」で正規の団員でなくても参加できるようなお知らせがあったりすれば、やはり食指は動いてしまいます。なんたって、どちらの曲も一生の間に一度は歌いたいと思っていた作品ですからね。それがたまたま同じ時期に起こってしまったことが、こんなハードなスケジュールの原因でした。なんで、よりによってこんな近い時期に、やりたいものが重なってしまったのでしょうね。まさに「盆と正月」がいっぺんにやってきたようなものです。
 最初の2日間は、モーツァルト。いろいろな合唱団から集まった混成(混声)のチームですから、まずは一堂に会してみんなで合わせてみようということで、なにかと縁のあるJ先生のご指導で一通りチェックが行われました。基本的には「歌った経験のある人」という条件で集めたそうなのですが、私のようにこれが初体験などという人も結構紛れ込んでいたようで、なかなか2日ぐらいではきちんとは仕上がりません。つまり、それから1日置いた今日には、もう本番の指揮者がやってくる、というスケジュールが組まれているものですから、それまでには一応の形が出来ていなければ、と思っても、なかなかそこまではいかないようなのですね。ニューフィルの場合は、指揮者練習までには、細かいことはまだ無理でも、とりあえず破綻のない演奏には仕上がっていますからね。
 確か、この前ニューフィルが末廣さんの指揮で「第9」をやったときに、末廣さんが合唱の練習をする日に見学に行こうと思ったら、先に行っていた人から「先生は怒って帰ってしまったので、来なくてもいいです」みたいな連絡が入ったことがありましたね。そんな風に、あんまりひどい合唱の場合は、指揮者は練習をしないで帰ってしまうこともあるのですよ。そんなことになったらいやだな、と思いながら、今日の指揮者練習に行ってみました。もちろん、今回は「見学」ではなく、きちんと「歌いに」行ったんですよね。
 そもそも、こんな平日ですから、集まりはあまりよくありません。女声はともかく、男声はかなり少なめ、テナーなんか半分ぐらいしかいないようでしたね。なんだか、いやな予感がします。でも、指揮者の藤岡さんは、しっかり今の段階のこの合唱団の力を認めてくれた上で、多分次までには出来そうな「宿題」をたくさん出して、今日のところは気持ちよくお帰りになったようでした。なんでも、本番は12型の弦楽器という、この曲にしてはかなりの大編成になる予定なのだそうです。ですから、合唱はもっと声を出さなければ、と何度も言われていましたね。でも、その点は、本番にはテナーは倍になるのでしょうからクリアできそうです。しかし、合唱もオケと同じで、本番の指揮者が来る時にはきちんとしたレベルの演奏が出来るのですね。面白いものです。
 モーツァルトが1日空いたきのうは、全く初めての合唱団の中に1人で混ざって歌う、という、とても緊張することをやってきました。でも、緊張していたのは始まるまで、部屋に入って誰に話をしたらいいのかまごまごしていたら、委員の人がやって来て「お待ちしてました」とか言ってくれましたし、そのあと入って来た指揮者は、自ら私のことをみんなに紹介してくれました(一応、昔からの知り合いですので)。なんか、思いもよらぬフレンドリーな対応で、楽しくやれそうな気がしてきましたよ。こんな雰囲気で、バッハの真髄に触れられるのですから、思い切って飛び込んでみたのは多分正解だったのでしょう。
aventure number : 1848 date : 2012/2/13


今日の禁断 フラット

 モーツァルトのレクイエムの練習は、ひとまず小休止、しかし、今週の土曜日にもう1度J先生の細かい練習を行ったあと、来週は水曜日に指揮者練習、そして金曜日から3日間はオケ合わせと本番という過密スケジュールが待っています。さらに私の場合、空いている火曜日はニューフィル、木曜日は「ロ短調」ですから、来週は6日間連続の練習と本番ということになりますよ。まあ仕方がありません。私が好きでやり始めたことなのですから、へこたれずに頑張るしかありません。おそらく、この間の経験というのは、かけがえのない財産になるはずですからね。
 この前の日曜日に初めて「ロ短調」の練習に行ってきた時には、ちょっと面白いことをやっていました。いや、前もってこの合唱団の団員のブログなどである程度情報を仕入れておいたのですが、最初の音取りの段階で「移動ド」での階名唱を採用している、というのですね。つまり、その楽譜の調に合わせて、たとえばニ長調なら「ニ」、つまり「D」の音を「ド」と読んで、そのまま「ドレミファ」と読んでいくやり方です。歌を歌う時には、相対的に「ドレミ」の音程が身についていますから、どんな調の時にも主音を「ド」と読むことで、その相対関係を崩さないで初見でも歌えるようになるのですね。もちろん、これは最初から最後まで同じ調で曲が作られている時に、威力を発揮することになりますが、途中で調が変わってしまうと、そのたびに「ド」の位置をシフトさせなければなりません。そして、当然のことですが「無調」の曲ではこれは何の意味も持たなくなります。
 実は、私は学生時代に合唱をやっていた時には、この「移動ド」でしか歌ってませんでした。慣れてしまえばとても簡単なことですし、なんと言っても自然に歌が歌えます。でも、たとえばピアノを習っている人などは、なぜかこのやり方を毛嫌いしているようでした。ト長調の曲でも、「ドミソ」ではなく、あくまで「ソシレ」と歌おうとするのですね。「シレファ」の「ファ」は器用に半音上げたりして。確かに、楽器の場合はまず「移動ド」を使うことはありません。私もフルートを吹く時には決してそんな「読み替え」はしませんし、そんな必要もないのですね。ですから、合唱をやめてオケに専念している何十年かの間は、この「移動ド」を使うことは全くありませんでした。パリンカに入っても、そもそもそんな階名で音を取るなんてことはやってませんでしたから、普通に歌詞を付けて歌っていましたしね。
 そんな状態で、「ロ短調」に行ったら、まず全員が「ドレミ」で歌いだしたではありませんか。前もってどの曲のどこからどこまではシャープ何個の調で歌う、というのが決められていて、みんながそれに合わせて歌っているのですね。驚いたことに、私はそれが何の違和感もなく出来てしまいました。昔さんざんやった「移動ド」が、すっかり身についていて、それは何年経っても決して忘れることはなかったのですね。途中で調が変わっても難なく読み替えが出来てます。バッハの場合、各所にメリスマが出てきますが、それも面白いように簡単に読めてしまいます。
 でも、まわりの人は、なんだかやりづらそうにしていましたね。中には、わざわざカナを振って読んでいる人もいましたよ。打ち合わせと違って、別の調で読むことになったところなど、せっかく書いたものを全部消して書き直しです。ということは、最近は「移動ド」は合唱の現場ではあまり使われてはいないのでしょうかね。
 そういえば、楽器の世界でも「読み替え」ということをやってましたね。フルートはまず縁がないのですが、クラリネットやホルンなどは「移調楽器」と言って、譜面では「C」の音でも、出てきた音は「A」だったりするものがあります。普通はみんなに合わせて楽譜の方を短三度高く書いておくのですが、たまにそうではなく「実音」で書いた楽譜を使わなければならない時があります。そんな時に彼らは、頭の中で移調して吹いているのですね。これも考えてみれば「移動ド」の一種なのでしょうが、なぜか私には絶対できません。
aventure number : 1849 date : 2012/2/15


今日の禁断 吉松隆

 しばらく暖かい日が続いたので油断していたら、今朝はなんと8センチの積雪でした。積雪量から言ったらもしかしたら今期最大?いや、何度も言ってますが、この程度で「積雪」なんて言っていたら、新潟や富山の人に怒られてしまいます。
 それでも、こんなに積もっているのでは、まず出かける前に車の「雪下ろし」をしなければなりません。いや、これも、屋根の上にのぼって、足元の不安定なところを大量の雪を落としていく、あの「雪下ろし」に比べたら、なんてことのないものなのでしょう。なにしろ、今日の雪ときたら、厚さこそありましたが、とても軽くふわふわしているものですから、ブラシだけで簡単に落ちてしまいます。
 そのうち降っていた雪も止んで青空も出てきましたよ。こうなってくると、踏み固めていない雪なんかはすぐに溶けてしまいます。もうお昼ごろには、日なたはすっかり雪がなくなってしまうほどでした。出かける時には、とりあえず長靴を履いて行ったのですが、帰る時にはそんなもの、全く必要ありませんでしたよ。
 今日は練習が全く何もない日だったので、時間を見てとりあえずモーツァルトをさらいます。ロ短調で移動ドをやらされていると、自然とそれで譜読みがしたくなってくるのは、やはりこちらの方がずっと自然に歌えるからでしょうか。わざわざキーボードなどを持って来なくても、頭の中だけで読めるようになっているので、なんだかすごく楽です。これで、言葉がきちんとつくようになればほぼ譜読みは完成するのですが、そればっかりは反復練習をしないことにはどうにもなりません。なにしろ、私が今まで歌ったことのある「レクイエム」といったら、フォーレとデュリュフレだけなものですから、「Dies irae」から「Lacrimosa」までの歌詞がバッサリ抜けているのですよね。それがかなりの量、その分、全くしゃべったことのない言葉をしゃべることになるわけですから、まるで生まれたばかりの赤ん坊と同じです。もう、慣れるまで繰り返すしかないのですよ。ま、逆に、これさえやっておけば、他の曲を歌う時には楽勝、となるのでしょうから、今ここで頑張ることに価値があるわけで。とは言っても、「他の曲」をこれから歌う機会なんて、あるのでしょうか。
 ところで、そのモーツァルトの「レクイエム」での指揮をされる指揮者の方が月曜日にいらっしゃったのですが、その方を見た時になんか違和感がありました。私が想像してた人と、なんだか違っていたのですね。つまり、最初に指揮者の名前を聞いた時に、私はこの方を思い浮かべたのです。

 しかし、実際に現れたのは、こんな方だったのですね。

 何となく似てはいますが、全然別の人ですね。つまり、名前の「幸夫」さんに反応してしまって、なぜか「北原幸夫」さんが出てきてしまっていたのですよ。ですから、あんなちょっと繊細でなよなよした人が来るのかと思っていたら、なんだかやたらタフで声の大きい人だったので戸惑ってしまったと。本当は「藤岡幸夫」さんだったのでした。
 藤岡さんだったら、別のところで知っていました。イギリスのCHANDOSというレーベルからたくさんCDを出していたのですよね。その中の1枚が手元にありました。今度機会があったら、それにサインをしてもらいましょう。もちろん、間違えていたことなんかは黙っていますよ。
aventure number : 1850 date : 2012/2/17


今日の禁断 ブラームス


 愚妻の入ってる合唱団の定期演奏会に行ってきました。去年も今頃やっていたのですが、それが終わってからあの地震が来たので、とりあえずスケジュール通りの定期が開けたようです。まあ、合唱団の場合は大体1年に1回の定期なので、こんな風にうまくいくこともあります。
 わりと早く着いたら、ホールの客席はまばらだったので、隣の席にコートや荷物をおいても大丈夫だろうと思ったのですが、開演間近になってかなり混んできたので、やはりここはみんなに座ってもらおうと荷物を膝の上に移動したら、ちょうど席を探していた運のいい年配の人が、「空いてますか?」とか言って、さっそく座りました。ところが、その人は運が良かったかもしれませんが、私にとってはとんでもない不運だったことに、しばらくすると気が付くことになります。その人は、ちょっと問題のある人のようで、一時もじっとしていないのですね。最初のア・カペラの静かな宗教曲が演奏されている間中、パンフレットに挟まっているチラシを出したり入れたり揃えたりしているのですから、全然集中して聴いていられませんよ。睨みつけても平気な顔をしてますし。
 実は、愚妻に頼まれて、M-10で録音をしていたのですね。ああいう紙をガサガサやる音はとてもマイクに乗りやすいので、気が気ではありません。きっとあとで「この音、なによ」ぐらいの文句は言われてしまいそう。
 しかし、最後のプログラム、フォーレの「レクイエム」が始まったら、もうそんな「雑音」は全く気にならなくなってしまいました。この合唱団は数年前にも同じ曲を演奏していて、それも聴いたことがあるのですが、その時とは伴奏の編成が違っていました。前は弦楽合奏がついたのですが、今回は小さなポジティヴ・オルガンだけです。そんな「薄い」伴奏ですから、ほとんどア・カペラのような感じで合唱が聴こえてくるのですが、その最初の「Requiem aeternam...」というd-mollの響きを聴いた時に、涙が出そうになるほどの衝撃が走ったのですよ。なんという慈しみに満ちた合唱なのでしょう。「彼らに、永遠の安息を与えたまえ」という歌詞そのままに、とても優しく包み込むような響きが、もろに私の弱いところを直撃したのですね。これですよ。これ。「上を向いて歩こう」みたいな偽善的な「応援ソング」からは決して受けることのない深い衝撃、普遍的な意味の「安息」が与えられるような、重みのある響きを、そこに感じたのですね。これは、まさに震災を経験した人でなければ歌えない、そして、同時に、震災を受けた人でなければ、もしかしたら感じることのできないメッセージだったのかもしれません。
 これは、最後から2番目の曲「Libera me」でも再現されます。なぜ、フォーレが全く同じことを繰り返したのか、それがはっきり分かった瞬間でした。そして、最後の「In Paradisum」の一番最後も、やはり「Requiem」で終わります。その最後の音は、まるで永遠に続くかのように長く伸ばされていました。もう、涙が止まりませんでした。
 そんな時に、隣のじじいは、なんだかいびきをかきながらいい気持ちで居眠りをしていましたね。このいびきも、やっぱりしっかり録音されているのでしょう。アンコールでは、とても素敵な編曲(信長さん)の「ふるさと」が演奏されました。指揮者が「1番の歌詞だけ、ご一緒に歌ってください」と言ったのですが、私はすぐ前で録音しているのでご遠慮させてもらおうかな、と思っていると、となりのじじいはいきなり大声で歌い始めましたよ。しかも、指揮者が言ったことを聴いていなかったのか、2番になっても、相変わらず調子っぱずれの声で一人だけで歌い続けています。もう録音は台無しです。
 さっき聴いてみたら、その「2番」のところのおかしいこと。腹を抱えて笑ってしまいましたよ。涙と笑いは、紙一重です。
aventure number : 1851 date : 2012/2/19


今日の禁断 ふるさと

 おととい「エピス」の演奏を手元で録音したものは、ちょっと用心しすぎて、録音レベルがかなり低くなっていました。以前同じように録音した時には、レベル設定が高すぎて、無残にも音がひずんでしまったという苦い経験を生かして、極力低めにしたのが、ちょっとやり過ぎだったようでした。いっそ「オート」にすればいいようなものですが、どうもそれだと音のメリハリがなくなってしまうようで、使う気にはなれません。やはり手動で、最適のレベル設定が出来た時には、とても生々しい録音が出来ますからね。
 そんなわけで、CDに焼いても、アンプのヴォリュームを目いっぱい上げないと、ちゃんとした大きさには聴こえません。そこで、もう少し聴きやすくするために、職場のパソコンに入っているソフトで、ダイナミック・レンジの補正をすることにしました。最大12dBまでレベルを上げられるという優れものですが、それを使ったら見事にしっかりした音の音源が出来上がりました。それをCDに焼いたものをモニターしていたら、社長がやって来て、「これ、CDか?」と聞くのですね。売っているCDをかけているのだと思ったみたいです。ですから、もう1枚焼いてあげましたよ。こんなのが好きなんですね。
 例の、隣のじじいが歌っている声がしっかり入っているアンコールも、あんまりおもしろいので、Facebookにアップしてみようと思いました。良くいろんな映像がアップされていますし、中には静止画をバックにして音声だけ入っているようなファイルも見かけますから、それをやってみようと思ったのですよ。Youtubeというのもありますが、なんかあちらは大げさになり過ぎるような気がして、きちんとプライバシーを設定できるFacebookの方がなじめるような気がして。つまり、今まで、そういう映像をネットにアップするようなことはやったことがなかったのですね。
 それで、とりあえずmp3のままでアップしてみたら、エラーが出てしまいました。どうやら、音声ファイルだけを送ることは出来ないようなのですね。それで、ヘルプを調べてみたら、とにかく映像ファイルを作らないことにはどうしようもないことが分かりました。「7」についているソフトを使えば、それは簡単に出来るのだ、と。しかし、その説明通りにやっても、どうしてもうまくいきません。画像ファイルと音声ファイルの時間を合わせることが出来ないのですね。どんなに頑張っても、静止画だと30秒以上は続かないので、音楽も30秒で終わってしまうのですよ。
 さんざんいじってみて、結局静止画をコピーしてつなげれば、必要な時間を確保することが出来ることが分かり、やっと「映像ファイル」が出来上がりました。それをアップしたら、見事に再生できるようになりましたね。またひとつ、新しい「技」を覚えました。私のFacebookにありますから聴いてみてください。ただ、むやみやたらに関係のない人に聴かせるのもなんなので、一応「友達の友達」までがアクセスできる設定にしてあります。それ以外の方は、「友達」か、「友達の友達」になってくださいね。
 と、きのうはそんなことをやっている時間がありましたが、今日からはいよいよ1週間連続練習という「死のロード」が始まります。その先頭を切ったのがニューフィル。合唱も大変ですが、やはりオケの練習は責任の重さが違いますから、過酷です。最後にチャイコフスキーの4楽章を通した時には、もう指がまわらなくなるほど、消耗しきっていました。明日からは、喉が「まわらなく」なってしまうことでしょう。
aventure number : 1852 date : 2012/2/21


今日の禁断 暗譜

 きのうはモーツァルトの「レクイエム」は合唱だけの最後の練習、指揮者の藤岡さんの2度目の登場です。この間冗談半分に「CDにサインをもらう」などと書いたら、それを真に受けた人がいたりして、逆になんだか引っ込みがつかなくなってしまいましたよ。まあ、ダメモトでいつもカバンにそのCDと、サイン用の細マジックをいつも用意はしていたのですがね。
 会場は本番と同じコンサートホールだったのですが、合唱の立つ位置がまず問題になりました。私は山台の一番後に立っていたのですが、そこだと音がこもって前に出て来ないというのですね。ちょうどそこは「かまくら」みたいに囲まれていますから、歌っていては気持ちいいのですが、客席で聴くと引っ込んでしまうというのです。ですから、そこは使わないで前に出ろ、という指揮者の指示、そうなると1列分前に出なければなりませんから、かなり窮屈ですね。明日は本番通りに並ぶそうなので、どうなることでしょう。
 1時間歌い続けたところで小休止、客席に下りて行って座っていると、前の方で藤岡さんが誰かと立ち話をしているのが見えました。どうやら、音楽的な打ち合わせみたいな、ちょっと邪魔されたくないような感じではなく、ただの雑談という雰囲気だったので、ここがチャンスとCDとマジックを持って話に割り込みます。藤岡さんは、CDを見るなり驚いたように「ぼくのCDだ!」と本当にうれしそうな顔になりました。それで私もやっと緊張が解けて、いろいろお話が出来たというわけです。もちろん、サインはしっかり頂きましたよ。

 これで、もうあとはオケが入る練習しか残っていませんから、合唱はすっかり譜読みも表現もすべて完成されている、という状態で全体のリハーサルが行われることになるのでしょう。プロのオーケストラのリハを間近に眺めつつ、その中に入って一緒に音楽を作るという、なかなか得難い経験が、待っています。その前に、まだちょっと怪しいところもあるので、悔いの残らないようにきっちりと譜読みをしなければ。
 そして、今日は「ロ短調」の方の練習です。木曜日に来るのは今日で2回目、この間は少し遅れていったので今日はまず定時には着くように行ってみました。そうしたら、私はなんと2番目、6時半から練習開始となっているのに、その時間になっても人はほとんどいません。やはり、社会人のサークルの夜の活動はこんなものなのでしょうね。ニューフィルもかつては6時半音出しだったのですが、今では7時スタートに変わっても、その時間に全員が集まることはまずありませんからね。
 さらに恐ろしいことに、発声練習が始まった時点で、テナーはなんと私しかいなかったのですよ。この名門合唱団の中で、テナーが私一人なんて、あり得ない事態です。いい体験になると飛び込んだ「ロ短調」ですが、こんな状況は全くの想定外、ちょっと「後悔」の念がよぎります。さいわい、曲が始まったらもう一人来たので、とりあえずなんとかなりましたが、まさに薄氷を踏む思いでしたね。
 結局、最後になってもテナーは4人しか来てませんでした。「Kyrie」あたりは、一人で音取りをしていてもかなり苦戦したのですが、他の人もなんだか大変そうで、ちょっと今日のテナーはかわいそう、あとで、ベースの人に「テナーは難しくて大変ですね」なんて言われてしまいましたよ。この分だと、もっともっと予習をしていかないと、せっかくのご指導が中身の薄いものになってしまいそう、モーツァルトが終わったら、本気で取り組むことにするのだ、と、固く心に誓うのでした。
aventure number : 1853 date : 2012/2/23


今日の禁断 ジュスマイヤー

 きのうと今日は、仙台フィルとのリハーサルでした。きのうはまずロビーで発声をしてからホールに入ります。ステージには、既に合唱用の山台も組んであって(このホールの山台は段差が大きいので、途中に山台を敷いて、2段を4段にしてありました)、その上に「ベンチ」も設置されています。ビニールテープでそれぞれの人の「陣地」が指定されていますが、これは結局あまり役に立ちませんでした。それよりも、この前のホール練習の時に合唱は後の壁から離れるように言われたのに、そのベンチは壁にべったりでしたね。オケを並べてみると、そんなに前に出すだけの余裕がなかったのでしょう。
 ただ、そのオケは弦楽器がなんだか少なめです。前の話では「12型」なので、合唱も負けないで声を出してくれ、ということだったのですが、どう数えてもこれは「10型」です。もしかしたら、合唱の練習を見て、やはりこれではオケに負けてしまうと判断して、1プルト減らしたのかもしれませんね。ただ、「10型」とは言っても正確には「10.8.6.6.3」という、低弦が少し厚くなった編成でした。でも、最初の「Introitus」(これ、「入祭唱」という訳の、「レクイエム」では最初の曲ですが、実は他にものすごい意味がある言葉だったんですね。この単語で検索すると、それがなんだかわかります)を客席で聴いていた指揮者の藤岡さんは、指揮台に戻ってくると「大変申し訳ない」と言って、チェロとコントラバスのプルトを減らしてしまいました。この日は、この曲しか練習がなかったので、減らされた人はそのままお帰り、プロではこんなこともあるのですね。やはり、これでも弦が厚すぎたのでしょう。演奏が始まっても、細かいところで弦やトロンボーンがもっと落として演奏するように指示されていましたね。合唱は一応100人揃っているのですが、そのぐらい落とさないと聴こえて来ないのだそうです。角田の「第9」の時も、こんな感じだったのでしょうかね。あいにく、ニューフィルはそこまで小さく演奏することはできませんから、毎回合唱にはご迷惑をかけているのでしょうね。
 今日は、客席にM-10を置いてリハーサルを録音してきました。それを聴いてみると、確かに合唱は小さめですが、今日みたいに意識的に言葉をはっきり歌っていれば、音圧以上に伝わってくるものはあるような気がします。ハーモニーはきれいだし、特にテノールの声が若々しいのは、ちょっと意外でしたね。実は、藤岡さんのブログで、この合唱のことが触れられていたことを、仲間から教えられて初めて知りました。実際に私たちの前で「ハイレベルの合唱団」などと褒めて頂いて、ちょっと複雑な気分だったのですが、それは結構本心のようですね。特に「ビブラートのコントロールが素晴らしい」と、いつもおっしゃっていたのですが、逆に私たちにとってはビブラートを付ける合唱の方が異常に感じられてしまうのですけどね。それは、もしかしたらビブラートをかけないで美しいハーモニーを作っている合唱団をいつも身近で聴いているせいなのでしょうか。
 もちろん、仙台フィルもとってもピュアな音を出していました。見ていると、コンマスの森下さんはほとんどビブラートをかけていないのですね。藤岡さんも、最後の伸ばしでは極力ビブラートをかけないで、ハーモニーを作るように指示されています。ブログでは「モーツァルトでは古楽奏法は使わない」と書いてましたが、こういう「小技」は取り入れているのでしょう。そんなクールな面以上に、藤岡さんのエモーショナルな指揮には「熱さ」を感じないわけにはいきません。明日の本番は、なんかすごい名演が誕生しそうな予感です。
 まだまだ座席には余裕があるそうです。明日の午後3時、青年文化センターでのモーツァルトの「レクイエム」、聴いておいて損はないと思いますよ。たったの2500円ですし。
aventure number : 1854 date : 2012/2/25


今日の禁断 階段


 いよいよ、モーツァルトの「レクイエム」の本番です。開演は午後3時ですが、10時半からゲネプロが始まるという予定、合唱の場合はその前に発声練習の時間が必要なので、10時集合ということになっていました。その前の9時半には男声楽屋である「アトリエ」が空いているので、まずそちらに荷物を置いて、女声の楽屋である練習室に集まって発声、という段取りです。このホールは楽屋がオケが使うとそれだけでいっぱいになってしまいますが、こんな風に施設内の他の部屋をうまく利用して、合唱などの楽屋に充てる、という機能には長けています。それぞれの部屋からは、「秘密の抜け道」を通って、直接ステージ裏に行くことが出来ますしね。ま、こんなことは、十年以上前に「仙台フルートの会」の事務局長をやっていた時に、「フルート・フェスティバル」という催しものを仕切るために、この施設のほとんどすべての部屋を借り切って(VIP用の応接室まで)上から下まで走り回ったことがあったので、よく知っていたことですが。つまり、某萩ホールのように、合唱団がステージに行くためにはお客さんが入っているロビーを通らなければならない、というようなことはあり得ないのです。
 そのあたりの誘導は、実に手慣れたものでした。4段に並んだ合唱団を「入り」の順に1列にまとめ、広い楽屋裏をフルに使って並べているのですからね。今まで散々こういう「並び」を体験してきましたが、こんなにスマートなのは初めてです。
 ただ、なぜか進行はそんなにスマートにはいかず、12時にはゲネプロが終わってしまったのに、本番のスタンバイは3時40分、その間にお昼を食べたとしても待ち時間は3時間以上になってしまいますよ。いったい、みんなはどんな風に時間を過ごしていたのでしょう。私は、そんなに時間があるのなら、と、フルートを持ってきていました。パフォーマンス広場で、このところ合唱にかまけてあまり時間が取れてなかったフルートの練習に充てようと思ったのです。この辺も、この施設の機能を知り尽くした時間の使い方でしょ?
 私がいつも使っている穴倉みたいなところに行こうと思ったら、なんと、そこにニューフィルのWさんがいるではありませんか。結局、練習をしたり、私が持って行った樹脂製のフルートを見てもらったり、いろんな話をしたりしているうちに、結構時間がつぶれてしまいました。
 演奏は、かなりのものだったのではないでしょうか。なんせ普段一緒にやっている合唱団ではありませんから、それをまとめるのは大変なことなのでしょう。実際、このホールでの練習の初めのころは、パート内でみんなバラバラな声を出しているだけ、という印象があったのですが、リハーサルを何度も重ねていくうちに、確実に声にまとまりが出てきていました。ですから、もう本番になったら、他の人の声はあまり気にならず、自分の楽譜に集中できるようになりましたね。全く初めてやる人が、これだけちゃんと歌えるようになるなんて、私自身も予想していなかったほどの結果が出たような気がします。なんたって、「Sanctus」でのテナーの聴かせどころのハイGが、実声できちんと出るのですからね。
 実は、ゲネプロでは藤岡さんは「Dies irae」などは頭だけやって、「後は本番に取っておきましょう」だったのですが、その「本番」の時の形相が、とてつもないものでした。おそらく、そのテンションに圧倒されて、合唱からはものすごいエネルギーが放出されていたのではないでしょうか。もう、すっかり満足です。本当にこれに参加して良かった、としみじみ思っているところです。
 となると、次の目標は「ロ短調」ということになるのでしょうが、私の「お気に入り」のブログにこんな書き込みを見つけて、すっかりやる気を失ってしまいました。
ある初老の版マニアが「賛助会員」という制度の欠陥を衝いて私が活動する合唱団に潜りこんできた。団員の社交辞令を真に受けてのさばり始めている。迷惑な話だ。やれやれ。どうしてこんなことになるんだ。
 こういう醜い失言が、ネットではどれだけ危険なことかを諭すのが、「初老」たるものの役目なのでしょうが、私にはそんな気力すらありません。そもそも私は、あんな「名門合唱団」で「のさばる」には、あまりに非力でシャイ過ぎます。「ロ短調」を歌えなくなったのは本当に残念ですが、数回おじゃまして、指導者も団員も共に間違いなく最高の音楽を作り上げようとする情熱にあふれていると感じた合唱団に、こんな愚かな若輩者が「のさばって」いると知ってしまったことの方が、もっと残念です。

  ・・・とまあ、あまり書きたくもないことを書いたのですが、先方がそれを見てその部分を削除してしまったので、あえて無関係の人に見せることもないかな、と私も削除しました。削除するぐらいなら最初からあんなことは書かなければ良かったのに、なんという小心者なのでしょう。でも「ばっくなんばあ」にはしっかり残しておきましたよ(上の部分を反転)。それと、本心を知ってしまったからには、やはり「ロ短調」には行けません。
aventure number : 1855 date : 2012/2/26


今日の禁断 シグナルズ

 数日前から、フェイスブックでは「タイムラインに変更してください」みたいな告知が出るようになりました。なんだか、「今すぐ変更」か、「後で変更」しか選択肢がないようなのですね。「金輪際タイムラインにはしない」というのは選択できないと。さらに、「3月○日からは、自動的に変更されます」などという、ずいぶん一方的なお知らせもあったりします。まあ、入会金も会費も取らないでやってくれているのですから別に文句を言う筋合いではないのかもしれませんが、せめて何種類かのスキンの中から選べる、ぐらいの融通をきかせてくれてもいいような気がしますがね。なんたって「大企業」ですから、「顧客」の言い分なんかは聞いていられないのでしょう。
 ただ、お仕着せのデザインの中で、唯一自分で作れるかなり大きなスペースがあるのは、まあいいことなのでしょう。タイムラインに変更すると、「カバー」と言うらしいのですが、一番上の部分に自分を表現するような写真を入れることが出来るようになるのですね。
 そこで、「私らしい」写真をなにか探すことにしました。自分がフルートを吹いている姿なんかは死んでも出したくありませんから、ここはだれにも迷惑のかからない、私のCD棚の写真を使うことにしましょう。それで、写真を撮ってアップしようとしたのですが、IEからだとうまくいかず、一旦「アルバム」を作らざるを得ないような状態になってしまいました(Chromeだと、すんなりあっぷできるのですが)。そうしたら、いきなりその写真に対して「友達」から反応がありましたね。ですから、この際、私のコレクションが一堂に会した集合写真を作って、それもアルバムに入れてしまいましたよ。こんな写真です。

 これは、職場に置いてある分、この他に、まだ聴いてなくて棚に入れていないものが200枚ぐらいありますし、これとは別に自宅にも1000枚ほどありますから、結構な量ですね。
 そんなことをやった後は、ニューフィルの木管パート練習です。今日は仙台フィルのMさんのレッスンです。このMさんは、おとといのレクイエムの時にも、私のすぐ前で吹いていました。なかなかおいしいパートのようだったのですが、聞いてみたら「トロンボーンがうるさくて」と言っていましたね。このあたりが、やはりジュスマイヤーのオーケストレーションの拙いところなのでしょう。
 それと、この演奏会を聴きに来てくれた、指揮者の藤岡さんのお友達のOさんも、私のことを藤岡さんが話していた、と言っていましたね。それで、やはり「素晴らしい合唱だった」とも言っていたそうなのですよ。藤岡さんのブログやフェイスブックでも、やはり絶賛していますから、どうやらさんざんほめてくれたのは単なる「社交辞令」ではなかったようですね。これはしっかり「真に受けて」もいいのではないでしょうか。
 指導のJさんも、「このメンバーで、またオーケストラと演奏する機会があるかもしれません」と言っていましたが、これが一つのパターンになってくると、仙台フィルに限らず、ニューフィルでも合唱を使う曲で頼めるようになるかもしれませんね。マーラーの「8番」とか。まあ、こんな風に必要な時に集まって短期間でそれなりの演奏が出来るようになる合唱団が一つあるというのは、ありがたいことです。
 でも、ニューフィルでお願いする時には、ブログに幼稚な誹謗中傷を書き込んで、「ロ短調」を歌うのを楽しみにしていた人のやる気を殺いでしまうような人は、参加をお断りさせていただくことになっておりますので、ご了承ください(冗談ですよ。「真に受け」ないでくださいね)。
aventure number : 1856 date : 2012/2/28


今日の禁断 ヴァイオリン

 先日、フェイスブックをタイムラインに変更したことを書きましたが、フェイスブック・ページでも同じようにタイムラインへの移行が行われるようなのですね。やはり、3月30日からは強制的にレイアウトが変わってしまうというので、それだったら先手を打ってカバーの写真をしっかり設定して、見栄えのあるページにしておこうと思いました。さいわい、既にアルバムの中に格好の写真があったので、それを使ってかっこ良い「表紙」が出来上がったような気がします。そうなると、今までのプロフィール写真が、同じようなニューフィルの全体写真なのはいかにも芸がないので、別のものに差し替えることにしました。となると、やはり昔Eさんがつくったロゴマークでしょうか。ところが、その画像を原寸で送ってみると、なんだかずいぶんノイジーな画像になっていました。タイムラインになると、プロフィールの写真は150px平方ぐらいの小さなものになっているので、縮小した時に歪みが出てしまったのでしょうね。ですから、最初からその大きさに直して、その際に少しコントラストを強くしたものを送ったら、ずいぶんマシにはなりましたね。ただ、この大きさだと肝心の文字がほとんど読めなくなってしまうので、ちょっと困ってしまいます。いまさらデザインを変えるわけにもいきませんしね。
 そんなわけで、とりあえず「リニューアル」が終わったので、この際もう少し「ファン」を増やしておこうと思いました。今回初めて知ったのですが、「ファン」が30人以上になると「インサイトデータにアクセスできるように」なるのだそうです。またまた訳の分からない「フェイスブック用語」が出てきましたが(「ウォール」とか「フィード」とか、最初はなんだと思いましたよ)どうやら「アクセス解析」のようなことが出来るようになるみたいですね。開設してずいぶん経ったのですが、いまだに「ファン」は14人しかいないので、そんな、一人前のフェイスブック・ページなら出来るようなことが、まだ出来なかったのですよ。
 そこで、私のフェイスブックに「ニューフィルのフェイスブック・ページの『いいね!』をクリックしてください」と書きこんでおきました。あまり見ている人はいませんが、これでもしかしたら少しでも「ファン」が増えるのでは、と思ったのですね。ところが、驚いたことに、たちどころに5人もの人が「ファン」になってくれましたよ。中には、私が全く知らない人もいたので、これはこの書き込みとは関係ないのかもしれませんがね。ですから、今のところ「ファン」は19人になっています。あと11人、なんとか30人を集めて、まっとうなページになりたいものです。どうか、こちらに行って「いいね!」をクリックしてみてください。フェイスブックに登録していない人でも、クリックすれば登録用の案内が出るはずですから、そこでアカウントを作れば大丈夫です。簡単ですよ。
 とは言っても、フェイスブック自体は相変わらず中身の薄い情報に終始しています。最近笑ったのが、こんな写真です。

 なんでも、イタリアのデザイナーのフェイスブックにあったものを、みんなが「シェア」して世界中に広がっているらしいのですが、私はすぐにこれが合成写真であることに気づきました。赤枠で囲ったあたりがなんとも不自然、特に、遠くにあるネックに相当する部分の島が、これでは空中に浮かんでいることになってしまいます。合成自体は別に悪いことでも何でもなく、それによって感動的な作品が生まれるのであれば何の問題もありません。ただ、このようなすぐに分かってしまうようなお粗末な合成では興ざめです。これは、ある種の「騙し絵」、どうせ騙すのなら、絶対にばれないように細部にとことんこだわってこそ、真の感動を呼ぶものが出来るのではないでしょうか。
 でも、もしかしたら、この「作者」は、最初から「これは合成ですよ」と知らせたいために、わざとこんな雑な部分を残しておいたのかもしれませんね。その方が、よっぽど救われます。「シェア」というのは、もちろん「share」で、他人と共有することなのですが、ここに込められたのは「共有」ではなく、「シャレ」だったのだ、と思いたいものです。
aventure number : 1857 date : 2012/3/1


今日の禁断 ロッテ

 今日は「ひなまつり」ですね。「♪あかりをつけましょぼんぼりに」という歌詞で始まる「うれしいひなまつり」という、この日のテーマソングは、サトウハチローが作詞をしたものだと知って、ちょっとびっくりしているところです。童謡マニアの私としては、この歌はフルコーラス暗譜で歌える数多くのレパートリーの一つなのですが、この、雛飾りのメンバーをさりげなく歌い込んだ技巧的な歌がサトウハチローの作品だったとは、今日の朝日新聞を見るまでは迂闊にも気づきませんでした。世の中、まだまだ知らないことばかりです。
 3番の歌詞には「♪少し白酒召されたか/赤いお顔の右大臣」というフレーズがありますね。私の場合、白酒に限らずお酒のたぐいは全く飲めませんから、飲み会などではまずお酒を飲むことはありません。たまにビールをほんの少しだけ口につけるぐらいのことはありますが、そのときには「右大臣」さながら真っ赤っかになっている私を目撃している人は少なくないはずです。
 ところが、「お酒」そのものはダメでも、お酒の入ったチョコレートなんかだったら、なぜかなんともないんですね。いまハマっているのが、この2種類のチョコレート、「季節限定」とあるので、店頭からなくなっても食べられるように、ストックしておこうとさえ思っています。

 パッケージにはそれぞれアルコール分が「3.2%」と「3.7%」とありますし、「お酒が入っていますので、運転時などはご遠慮ください」などという注意書きもありますから、間違いなくこれは「お酒」なのでしょうが、いくら食べても「酔っぱらう」という症状が出て来ないのですね。チョコレートには酔いを押さえる効能でもあるのでしょうか。それにしても、この注意書きの文章はヘンですね。いったい何を「ご遠慮」してもらいたいのか、よく分からないとは思いませんか。もちろん、普通に考えれば「食べること」を「ご遠慮」なんでしょうが、「運転」を遠慮してくれ、と言っているようにも見えませんか?ちょっと強引ですが。まあ、要するに運転する時には食べるなということなのでしょうが、出来ればもっと正確に書いてほしいものです。
 こういう、読んだだけでは意味の分からない文書を、もう一つ見つけました。震災の影響で被害を受け、その補修工事のためにずっと使うことの出来なかった宮城県民会館が、やっと使えるようになる日を明らかにしてくれました。ただ、問題は、その使える日からの貸し出しの予約の方法です。今年の12月からは、普通に申し込みが出来るようになっているのですが、その前の11月末までの分を、全部まとめて受け付けようというのです。しかも1日で。その案内がこちらです。
 これを読んで、私はほとんど内容が理解できませんでした。要するに、抽選を何回も繰り返して、順番が決まったら、その順番に従って早いもの順に予約が出来る、ということなのでしょうね。つまり、順番があとになってしまったら、希望している日が先の順番の人に取られてしまったら、それでもうおしまい、ということになりますね。多分、それで正しいのだと思うのですが、そこにたどり着くまでには、いったい何度この悪文を読み返したことでしょう。ただ、「1巡目」なんて書いてあると、とにかく一通りは申し込みは出来そうな気にもなりませんか?そして、そこで申し込みが複数ある日についてはさらに抽選とか。
 しかし、お役所の文書というのがこんなあいまいなものなのだったら、震災復興関係の書類などは、いったいどういうことになっているのか、ちょっと恐ろしくなってきませんか?
 これよりは正確だと思っていたフェイスブックも、以外とあいまいなものでした。タイムラインに変更したとたん、ブログからのリンクが消えてしまいましたよ。携帯で見るとちゃんと表示されるというのに。それと、なぜか「友達」が一人いなくなってます。かけがえのない友達を、返して!
aventure number : 1858 date : 2012/3/3


今日の禁断 りらっくま

 毎月、今頃になるとニューフィルの2か月先の練習予定を作ることになっています。つまり、仙台市の市民センターなどの貸し出しの抽選が月の初めに行われて、それによって練習会場が確保できるようになるのですね。確かに、ネットを見てみるとこの月の分の会場はもう取れていたので、さっそく5月の日程表を更新しようと思いました。しかし、いざ作ろうとすると、そこではたと思いとどまってしまいました。実は、5月には一応定期演奏会の本番が予定されているのですが、今度再開日が決定したことで、県民会館にもアタックしようと、執行部は考えているようなのですね。それが、この前書いたようなとんでもなくややこしい抽選を経るわけですから、はたして希望していた日が取れるかなんて、だれにも分かりません。つまり、抽選が行われる3月21日にならないことには、5月の予定も確定できないのですね。ということで、日程表の更新はお預けです。
 これなんかも、震災から1年経ってもまだその影響が残っている実例ですね。そんな「1周年」を間近に控えて、世の中はなんだかあわただしくなっています。たかが1年ぐらいであれだけの被害が元通りになるわけがないのに、なんだか、まるで「お祭り」のようなこの盛り上がりは、いったい何なのでしょう。なんでも、「1周年」の前の日には、泉ヶ岳で花火大会が行われるんですってね。亡くなった方々の冥福を祈るための花火なのだそうですが、いまいち意味が分かりません。しかも、テレビやラジオでは、「当日は一般の方々のご来場はご遠慮ください」と、スポットCMで連呼していますよ。なんで、そんな制限が必要な場所でやらなければいけないのでしょうね。ネットで案内を見つけたのですが、これも、なんという「悪文」なのでしょう。頭の「2万発の花火は、県内最大になってしまいます」からすでに、何を言いたいのかが分かりません。続く「意図が意図であるため」という、日本語とは思えないようなフレーズで、もうその先を読む気を失ってはしまいませんか?少なくとも、私にはこんな文章しか書けないような人が企画したものが、まっとうなものであるとは到底思えないのですが。まあ、せいぜい「事故」が起きないように、気をつけてほしいものです。
 まあ、私の場合は、泉ヶ岳が真正面に見えるところに住んでいるので、その日はきれいな花火を存分に楽しむことが出来るはずです。無邪気に季節外れの花火を見ながら、1年前のことを思い出しているのでしょうね。
 そう、これだけ大々的に煽られれば、どうしてもあの1年前のことを考えないわけにはいかなくなってしまいます。きのう、髪を切りに行ったのですが、いつもの店長さんが「まだ寒い日が続きますね」とか言うので、つい、「去年も、今頃は雪が降ってましたしねぇ」と返してしまいましたよ。そうしたら、店長さんは「どうしても、思い出してしまいますね」ですって。私の場合は、この「禁断」を読み返すことによって、それは克明に思い出すことが出来ます。去年の今日は東京にいたんですよね。東京駅の地下街で千社札を買ったり、川崎まで行って練習を見学したりしていたんでしたっけ。そして、翌日は「コール青葉」のコンサートでした。今年は、なんと3月11日が本番なんだそうです。そんなこともあって、もうすでにチケットは完売しているそうですね。きっと、盛会となることでしょう。
 そういえば、その日には「1周年」がらみで、テレビで仙台フィルの定期演奏会が紹介されるのだそうです。ついこの間のリヒャルト・シュトラウスだけのプログラムで、オーボエ協奏曲などが放送されるのだそうですが、その時に演奏された「死と変容」は、なぜかカットされてしまうのだとか。あのとき、「水」とか「海」といったタイトルの曲を「自粛」していた合唱団があったことを思い出しました。非常時には、なにが大切なことなのか、判断が出来なくなってしまうのでしょう。
aventure number : 1859 date : 2012/3/5


今日の禁断 ふるさと

 前回の「禁断」では、なんだか不思議なことを書いてしまいました。5月の定期演奏会は既にきっちり会場も決まって、何の変更もなく開催されるのに、秋の演奏会とごっちゃになってしまって、「まだ確定してません」とか言ってるんですからね。しかも、その間違いに気づいたのが、きのうの午後だというのですから、ひどいものです。ニューフィルの練習に行っても、あの「禁断」を見てる人からなにか言われるのではないかと、内心ひやひやものでした。でも、秋の予定の方もなんだか確定の方向に向かっているそうで、まずは一安心です。とりあえず「確定」した5月の予定はアップしましたから。
 でも、相変わらず秋の指揮者練習の会場が取れていないのは困ったものです。仙台市だけではなく、近隣の、いや、かなり遠くの会場まであたったというのに、どこにも空きがなかったのですから、結構深刻。土日でさえなければ、この間まで使っていたお寺の会館はいくらでも使えるんですけどね。いっそ、平日の夜だけ連続で5日間ぐらい練習、なんてのはどうでしょうかね。末廣さんにはずっと仙台に泊まっていただいて。それでもホールを使うより安く上がるのではないでしょうか。まっ、末廣さんのスケジュールと、そして団員の予定がネックですがね。普通にお勤めして、毎日7時に練習に出られる人なんていませんよね。
 そんなニューフィルあてに、長文のメールが届きました。公式サイトのメールフォームからの書き込みだったので、もしや入団希望?と期待したのですが、そうではなく、今度の日曜日に奈良で「祈念」演奏会を開くので、そのことを知ってほしい、みたいな、ご連絡でした。例によってひどい悪文、この前みたいに本文を公開したりはしませんが、そもそも同じメールが2通届いたところでいやな感じでしたね。手当たり次第に「被災地」の団体に同文メールを送りつけているのがミエミエじゃないですか。なぜ「2通」なのか、というと、誰も知らないでしょうが、ニューフィルの公式サイトは全く同じものが「2つ」あるからなのです。「ミラーサイト」というやつですね。今使っているフリーサーバーがなにかと問題が多いので、なにかあった時のために、別のレンタルサーバーに同じものをアップしておいてあるのですよ。それと、そのサーバーではフォルダーごとにドメインを取ることが出来るので、いずれは今よりもっとすっきりしたURLに変更することも考えてはいるのですけどね。ですから、たまたまそちらのサイトからもメールフォームを見つけて書き込むことだってありうるわけですよね。おそらく、先方はこちらの掲示板にでも載せて欲しかったのでしょうが、そんな誠意のないメールなど、載せる意味がありません。まあ、ご自由に「祈念」演奏会で盛り上がってくださいよ。
 これは正式には【3.11震災復興祈念 チャリティコンサート〜ふるさとを想い、皆で歌う小学校唱歌と演奏〜】というのだそうですが、前にも書いたように、「3.11」という機械的な言い方には、どうしても馴染むことが出来ません。「9.11」と同じことで、その中には単なる「事件」として「抽象化」しようという意志が感じられてしまうのですね。そこには、なぜか人間的な暖かい心を全く感じられないのは、どういうわけなのでしょう。
 最近ラジオで知ったのですが、某有名作曲家が、この震災で孤児になった人々に、教育の機会を与えようという趣旨の「支援機構」を創設したそうなのです。でも、そのフルネームの最初にこの数列があるのを知って、一瞬たじろいでしまいました。
aventure number : 1860 date : 2012/3/7

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