今日の禁断 |
熊蜂 |
今日は金曜日、「Glee」が放送される日ですね。「グリー」というのは、「グリークラブ」に集う人たちが主人公のテレビドラマです。なんたって、私は大学時代は合唱団に入っていましたし、最近では長年のブランクを乗り越えてまたちゃんとした合唱団に入って歌っているという人ですから、「グリークラブ」などと聞くと心が躍ります。私の合唱団こそ「○○大学男声合唱団」などという堅苦しい名前でしたが、同じ街には「東北学院大学グリークラブ」というもっと上手な男声合唱団があって、「やっぱり、グリークラブはうまいな」と、感心していたものでした。そういえば、この頃全国的に有名な男声合唱団には、殆ど「グリー」という名前が付いていましたね。「関学グリー」とか「早稲田グリー」とかね。いや、別に「グリー」というのは男声合唱団に限ったものではなく、「宮城学院女子大学グリークラブ」という名前の、「女声合唱団」だってありましたね。
そうしたら、おととしあたりからアメリカで「Glee」という、合唱団のドラマが評判になっているという噂を聞くようになりました。それは、まずCSで日本でも放送されるようになり、DVDまで出るようになっていましたね。ブラスならともかく、合唱なんて今では部活ではあんまり人気がないものになっていますから、これはすごい、と思ってしまいました。でも、合唱団のドラマなんて、なんだか盛り上がらないのではないか、という気がしましたね。ちょっと前に、映画でやはり「合唱団」が舞台の「うた魂」というのがありましたが、どうあがいてもやっぱり合唱はマイナーなのだな、という思いを深めただけのものでしかありませんでしたからね。やっぱり「グリー」というかっこいいタイトルでもつけないと人気は出ないのかもしれません。
そして、今年になってその「Glee」が、NHK-BSで放送されることになりました。つまり、CSの契約をしたり、DVDを借りたりしなくても「タダで」(いや、実際はお金を払っているのですが)このドラマを見れることになったのです。ついに人気の「合唱団ドラマ」が体験できるのですね。
そのドラマの初回、確かに、バックには終始ア・カペラの曲が流れていました。でも、何だか様子が違います。「学院グリー」だったら、指揮者が前に立っていて、それに合わせて団員が身じろぎしないで歌う、というシーンを想像してしまうのですが、ここに出てくる高校生たちはなんだか踊りながら歌っています。しかも、ロック・バンドがバックに入ってたりしますよ。いやぁ、これは「学院グリー」とは縁もゆかりもないパフォーマンスです。というか、そういう意味での「グリー」は、もはやアメリカでは死語になっているみたいなのですね。そうではなく、こんな風に(見たことのない人は、ぜひ見てください)歌いながら踊るというスタイルの「ショー」のことを、「グリー」と言うようになっているのですよ。この間NYに行って来た「萩」の前座を務めたアメリカのバーバーショップの合唱団も、これと似たようなことをやってましたっけ。
まっ、知ってたんですけどね。そういうものだというのは。それがドラマになると、さらに面白いことが起こります。彼らは全く練習しないのに、その場で暗譜で歌いながら、一糸乱れぬフリを付けられるのですからね。たまには楽器まで演奏しますから。まあ、このあたりは「お約束」ということで、勘弁してやりましょう。つまり、目的はあくまでドラマなんであって、実際の練習を見せることではないのですからね。もしかしたら、あの「オーケストラ!」という映画は、クラシック版「グリー」だったのかも。
ヴァン・ヘイレンの「Jump」のリフが、毎回登場します。ア・カペラですごくかっこいいですね。あれを聴くと、この楽譜をパリンカの練習に持って行って、リズム音痴のじいさんを特訓してやりたい衝動にかられてしまいます。 |
aventure number : 1741 |
date : 2011/7/15 |
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