1581(10/9/6)-1600(10/14)

今日の禁断 おらしょ

 きのうは、朝から町内会の催しもの、「草、刈りたいかい?」がありました。いや、そんなふざけたネーミングではありませんがね。なんたって町内会ですから。異常気象の影響はこんなところまでにも波及していて、本当はもっと先にやる予定だったものが、あまりに暑いので雑草が異常に伸びてしまって、今刈らないと大変なことになってしまうというのですね。それを決めた時には、もうそろそろ涼しくなるのでは、という見込みだったのですが、それはとんでもない間違いでした。朝の8時から始めたのに、もうその時間はカンカン照り、日のあたる場所だともうすでに焼けるような暑さになっていたのですからね。
 最初のうちは日影を狙ってチンタラと刈っていたのですが、そこが終わってしまうとあとは日なたに行くしかありません。腰をかがめて草を刈っていると、玉のような汗がとめどもなく湧いてきます。さらに、刈った草をポリ袋に詰める、などという作業もあります。これが、意外と大変。けっこう腰に来るんですよね。そんなクタクタになった体でちょっと強い日差しの中に出たりすると、なんだかこのまま倒れてしまいそうな感じになってしまいます。「熱中症」って、こんなのかなぁ・・・、などと考えていると・・・、危ない、危ない。本当に倒れてしまうそう。その前に日影に退散です。
 家へ帰ると、もうその場にバッタリ倒れこみたいほどの疲労感が襲ってきました。とりあえず午前中は何の予定もなかったので、椅子に座ってウトウトしていれば、少しは楽になるでしょう。
 夕方のパリンカの練習に行くころになったら、やっと元気が戻ってきました。なんせ、きのうは講習会の予定がありましたから休むわけにはいきません。コンクールの県大会は終わり、東北大会にも出場できるようになったので、「先生」をお迎えして自由曲を徹底的にみていただこうということなのですよ。
 「先生」のご指導は、いつもながらの緻密なアナリーゼに基づく、知的なものでした。今まで気づくこともなかったような和声の仕組みなどを、とても分かりやすく説明してくださいます。これで、我々の曲に対する理解はどれほど高まったことでしょう。
 それにしても、「先生」は、人にものを教えることが本当にお好きなんですね。つまり、人に教えられるだけの、とてつもない知識をお持ちになっているのです。で、たまに出てくるんですよね。その「知識」の一端が。「倚音」などという、合唱関係者はまず使わないような言葉が出てきたりして、それは和音の妙を解き明かすためのキーワードとして大活躍します。音楽の歴史にも精通、「これは、シェーンベルクの『浄夜』で使われているハーモニーですね」。うん、確かにそうですね。私も、そのぐらい知ってますが。
 もう少し興に乗ってくると、「フルトヴェングラー」という、コアな指揮者の名前も出てきました。非常に分かりづらい指揮なので、「振ると面食らう」という、これは誰でも知っているオチが出るのはお約束ですね。こんなネタは、合唱関係者の間でも有名なもののはず、でも、「先生」のこのお話にしっかり付き合って爆笑してあげたのは、みんなが「優しさ」という奴をもちあわせていたからなのでしょう。
 そんな濃厚な指導を受けて家に帰り、遅めの夕食を食べてお風呂に入った後、例のものすごい体重計で体重を測ってみたら、前の日より1キロも減っていましたよ。朝の過酷な労働と、夜に楽しいひと時を過ごしたことが、減量に貢献していたのでしょうね。
aventure number : 1581 date : 2010/9/6


今日の禁断 コンスタンツェ

 この前、今度のコンサートでの最初の顔合わせをした橘さんが、ご自身のブログにその時の様子を綴ってらっしゃいますね。これからも、ここにはニューフィル関係のエントリーが登場することでしょうから、要チェックです。ニューフィルのことを過大に持ち上げていただいているのには、汗が出てしまいますが、このような前向きの姿勢がうれしくないわけはありません。こんなおだてに乗せられて、リラックスしたいい演奏が出来るように、頑張りたいな、という気に自然となってしまいます。ブログの中で「終わってから数人の皆さんと打ち上げに」とありますが、あいにく私はその「数人」の中には入ってはいませんでした。なんたって、次の日は合唱コンクールの県大会でしたから、練習が終わるや否やそっちの練習に行ったのでした。
 そのコンクールの時の録音を収めたCDが、この間渡されました。録音を行った業者によって、ステージには演奏者のすぐ前になんと4本のマイクが立っていましたね。三点吊りもあったので、あるいはそのステージ上のマイクはサブだったのかもしれませんが、なんかこれだと、一人一人の声が目立ってしまうのではないか、という気がしてましたね。これは、前に「かやの木コンサート」で録音した時にも体験したことですが、鴨居にセットしたM10で録った合唱からは、なんとも生々しい個人の声が聞こえてきましたからね。明らかに他の人とは溶け合わない、というか、そもそも「歌」ですらないようなたよりない「声」が一人だけはっきり聞こえてきて、本当にがっかりしてしまったものです。コンクールのほうは、実際に聴いてみると、それほど極端なものではありませんでしたが、やはりパートによっては目立つ声だけがはっきり聞こえてしまって、ちょっと損をしているようなことになっていましたね。
 このCDには、もう1種類の音源も入っていました。2階席の、審査員のそばで個人的に録音したものなのだそうです。それこそM10みたいなちっちゃなレコーダーで録ったのでしょうが、こちらはたっぷり残響が入って、業者のものよりは溶け合って聴こえます。ただ、どんなふうに録音してみても、元の演奏のアラは消すことができませんから、やはりちょっと不本意なものであったことはどちらの録音からもしっかり伝わってきましたよ。今月末に山形で行われる東北大会までに、もっとリラックスして歌えるよう、こちらも乗せることにかけては人後に落ちないうちの指揮者だったら、きっとうまく持って行ってくれることでしょう。
 コンクールの1週間前に発行する予定の「かいほうげん」の編集作業も、着々と進んでいます。なんせ、6月のJAOフェスティバルのレポートだけで7ページ分も出来てしまったんですから(1人分ですよ)、もう楽勝です。それに末廣さんの「お茶ペン」の3ページが入ると、それだけでもう16ページは出来上がってしまいます。もちろん、さっきの「打ち上げ」や「ザウアークラウト?」の写真なんかも入れなければいけませんから、さらに4ページ追加、あと一ネタあれば完璧ですが、それもおそらく発行日までには見つかることでしょう。
 ちなみに、末廣さんの原稿のイラストは、本文がちょっと前に書かれたもので「真夏仕様」になっていましたから、こんな、末廣さんのサーフィンです。私は、末廣さんのビキニの水着姿をリクエストしたのですが、あっさり却下されてしまいました。

それならば・・・
aventure number : 1582 date : 2010/9/8


今日の禁断 クリスマス・イヴ

 何年越しかの悲願、山下達郎のコンサートに行ってきました。会場は、達郎が仙台でコンサートをやるときには必ず使う宮城県民会館です。今日と明日の2回公演、それでも、行きたい人が必ずしも全員は行けないという、かなりの高倍率のチケット争奪戦になっていました。開演は6時半、会場は6時ということだったので、6時5分ぐらい前にホールの前に着いたのですが、その前に長蛇の列が、という予想は外れてしまいまいした。客席に入ることは出来ないものの、入口は6時よりもずっと前に空いていたようなのですね。でも、なんだか他の入口で列が出来ています。なんでもそこは「立見席」のための列だったのですね。いったい、どこで手に入ったものなのでしょう。その人たちは、あとでまとめて一番後ろに入って、2列になって立っていました。大変ですね。
 入口では、チケットを切る前に持ち物検査をされてしまいました。カメラやレコーダーを持っている人は取り上げられてしまうのですね。私はそれが分かっていましたから、いつもは肌身はなさず持ち歩いているデジカメとM10は家へ置いてきてありました。せっかくのコンサートで、いやな思いはしたくありませんからね。
 中に入ってみると、グッズ売り場がすでに長蛇の列、という状態でした。この次はもっと早く来なければ。「次」があれば、ですがね。そこで買ったのが、パンフレットと、「せんべい」です。パッケージがかわいかったのでつい買ってしまったのですが、「せんべい」は5枚しか入っていなくて1000円ですって。1枚200円、果たして、どんなせんべいなのでしょう。「まあ、シャレですよ、シャレ」(←今日のMCで、何度このフレーズが飛び出したことでしょう)

 ロックのコンサートなんか、いったいこの前来たのは何年前でしょう、という感じ、もしかしたらYMO以来かも。ですから、最初はPAの音量にちょっとたじろいでしまいましたね。昔に比べると格段に音のクオリティは上がっているのでかなり聴きやすくはなっているのですが、やはりある程度慣れていないことには、この音圧はこたえます。でも、そんなギンギンの音の中で、お客さんたちは立ちあがりもせず、おとなしく座っていましたね。年齢層も、かなり高め、という感じですから、最初から立ちあがって踊りだす、などということはないのでしょうか。でも、結局は最後には総立ちになってしまうのですがね。
 でも、それからが面白いところで、アンコールを始める段になって、達郎は「まずお座りください」と、いったん全員を座らせてから、やおらばか長いアンコールが始まるという仕掛けです。もちろん、最後には結局総立ちになってしまいます。終わってみれば、始まってからなんと3時間15分も経っていましたよ。
 生で達郎の声を聴いたのはもちろん初めてのことでしたが、今までずっと聴いてきたCDとは全く別の歌い方をしているのには驚いてしまいました。正直、CDでは曲によっては癖があり過ぎて好きになれないものもあったのですが、ライブではなんとも素直な声で、もう完全に圧倒されてしまいましたよ。そして、演奏する姿のかっこいいこと。もう57歳になったんですってね。私も57歳になっても、あのぐらいかっこよくありたいな、と、大いに元気づけられるのでした。
 書きたいことは山ほどあるのですが、アンコールの前に「まだ、半分ツアーが残っているので、ブログや掲示板に書き込むときにはネタバレにご配慮ください」と、「シャレ」ではなくくぎを刺されては従わないわけにはいきません。あ、もうひとつ、「シャレ」でないのに、「小沢のバカ」というのがありましたね。 
aventure number : 1583 date : 2010/9/10


今日の禁断 武満徹

 谷啓さんがお亡くなりになったそうですね。「転んで脳挫傷」というのが、やり切れません。最近は、かつてのやんちゃなキャラはそのままに、とても渋い味を出すようになってきただけに残念です。「クレージー・キャッツ」のメンバーで、残っているのは犬塚弘さんと桜井センリさんだけになってしまいました。でも、このグループ自体はまだ「解散」はしていないんですってね。
 谷さんよりまだお若いはずの小澤征爾は、なんだかものすごく「爺さん」になってしまっていました。この時期、毎年決まってNHKで「サイトウ・キネン・フェスティバル」のコンサートが一晩分ぐらい放送されていたのですが、きのうBS-hiでやっていたのは、チャイコフスキーの「弦セレ」の第1楽章だけでした。ご存じのように、予定されていたコンサートを全部指揮するのはとても無理なことが最近分かってしまい、代理の指揮者に下野竜也さんを立て、小澤はその前に「前座」として弦セレを1楽章だけしか振らない、ということになっていたのでした。その告知は新聞で見たのですが、なんか釈然としない気持ちになったのは確かです。もちろん、達郎とは違い、チケットなんか手に入るはずもありませんから全然行く気もありませんでしたが、実際に苦労してチケットを手に入れた人は、さぞや複雑な気持ちになったことでしょう。最近は、こんなケースではまず払い戻しということはあり得ないようになってしまいました。以前、バーンスタインが振るはずだったコンサートで大植英次が代理を務めたら、抗議が殺到してパニックになったことがありましたが、今回はそれと全く同じケース、しかし、なぜか抗議をした人がいたという話は伝わってきません。それどころか、「1曲だけでも振ってくれて、本当にありがたい」というような、絶対に間違っている感想を公にする人の、なんと多いことでしょう。確かに小澤と言えば、ほとんど「人間国宝」とも言える存在です。彼を持ち上げることは仕方がないことなのかもしれませんが、こんな形での「解決」を、すんなり受け止めてしまう日本人というのは、とんでもないお人好しにしか見えません。
 このテレビの放送、番組が載っている雑誌が出たころにはちゃんとしたコンサートが開ける予定になっていましたから、なんと3時間の枠を取った番組になっていました。小澤が闘病生活から生還したことを克明につづった記録と、もちろん、その復帰第1弾となるコンサートをすべて収録すれば、そのぐらいの時間は必要だったのでしょう。ですから、こんな事態になって一番あわてたのは、この番組の制作者だったのかもしれませんね。いくら、リハーサルを丁寧に紹介したとしても、「弦セレ」1曲で3時間持たせるのはあまりにも理不尽です。結局、メインにはなんとベルリン・フィルとの「悲愴」などというものを持ち出して、なんとか1時間40分の番組には仕上げていましたね。
 しかし、そのおかげで、なんとも貴重なシーンを見ることが出来ました。それは、急遽代役に決まった下野さんが、小澤が指揮するはずだったプログラムである「ノヴェンバー・ステップス」のリハーサルしているところです。腰痛が治らないので他の人に任せたのなら、おとなしく休んでいればいいものを、小澤はスコアを見ながらステージの上に座ってリハーサルを見ています。そして、ときどき横からオケを停めて、何やら講釈を垂れています。「初演の時に作曲家とディスカッションしたので、この曲は誰よりもよく知っている」というデカい態度ですね。それだけではなく、あろうことか、指揮をしていたこの読響の正指揮者を捕まえて、指揮のやり方まで教え始めましたよ。その時の下野さんの表情が、彼の気持ちを物語っているとは思えませんか?

 でも、さすがはオトナ、しばらくすると「正座」して、神妙に「大先生」のお話を聴くようになりましたね。なんせ、周りにはここぞとばかりにカメラマンが取り囲んでいます。そうするしかなかったのでしょう。

 なんか、とてつもなく醜いものを目撃してしまったような気がします。もちろん、醜いのは下野さんではなく小澤です。
aventure number : 1584 date : 2010/9/12


今日の禁断 ロールキャベツ

 めっきり涼しくなりましたね。ほんのちょっと前の猛暑が信じられないような過ごしやすさです。これが本来の今の時期の気温なのでしょうが、あまりに落差があるので、寒いほどです。そんな時には「おでん」に限ります。今日のニューフィルの練習は、私の出番が前半しかなかったので、少し早めに帰れましたから、その足で「セブン」によって、今シーズン最初のおでんを買って帰りましたよ。
 その前に、先々週練習を休んでなんとヨーロッパへ行って来たという団長のお土産のトリュフを頂きます。数えてみたら人数分よりたくさんあるようなので、折角ですから2コ頂きましたね。最近は、この前のザッハトルテなど、ヨーロッパ土産が潤沢なニューフィルです。

 それと、土曜日に発行予定の「かいほうげん」のために写真やチラシをゲットしようという思惑もあったのですが、どちらもハズレ、写真はまた「たれぱんだ」でごまかしましょう。チラシも、写真を送ってもらうように頼みましたが、もし届かない場合の「プランB」も用意しておきましょう。でも、それは発行日の次の日が本番ですから、ちょっと苦しいかも。
 実は、今日行ったセブンは、ほんの2週間ほど前にオープンしたばかりの、新しいお店です。今まであったお店を見限って、かつてはガソリンスタンドがあった広い土地に移ってきたものなのです。ほんの数十メートル移動しただけなのですが、お店はずっと広くなりましたし、何より駐車場が倍以上になったのが、うれしいところです。パンの種類もかなり増えていましたね。今まで見たことのなかったメープルシロップ味のパンなどを見つけて、この間おいしく食べたところ、それと、私のお気に入りのじゃがコロッケが、いつでもきちんと揚げて置いてあるのも気に入ってます。家のそばにあるセブンは練習帰りに寄ったりすると、もう揚げ物関係は棚が空っぽになっていますし、他の物もほとんど補充されていないので、とてもわびしい気持ちになってしまいますが、ここはそんなことはありませんからね。もちろん、おでんも潤沢に揃ってましたよ。あと、最近は何を勘違いしているのか、コンビニの分際でマンガ雑誌にゴムをかけて立ち読みが出来ないようになっているところが増えていますよね。うちのそばのセブンもそうなのですが、ここはそれもありません。コンビニというのは、立ち読みが楽しくて行くようなものですから、立ち読みの出来ないコンビニなどはネギを売っていない八百屋のようなものです。当分の間、このコンビニを利用する機会は多くなることでしょう。
 このセブンがオープンした時は、まさに猛暑の真っ最中でした。その時に、開店記念として「おでん全品70円」というセールをやっていましたね。その頃は、こんな暑いのにおでんを食べるもの好きなんているものか、と思っていたのですが、ほんの2週間でこの涼しさですから、世の中は分かりませんね。
 その同じ日に、歩いても行けるほどご近所に、「サンクス」もオープンしてました。そこでは、朝からティッシュなどを配って盛り上がっていましたね。そこは、通りを1本隔てたところに同じサンクスがあるのに、大丈夫なのでしょうか。というか、最近はあちこちでコンビニの開店が大はやりのような気がします。ファゴットのKくんの職場のすぐそばにも、やはり以前はガソリンスタンドだったところにセブンが出来ていましたしね。あとは、きのう偶然通った大学病院の裏手に、こちらはローソンが新しくオープンしてましたっけ。
aventure number : 1585 date : 2010/9/14


今日の禁断 アラカン


 最近、YMOの3人がCMに出ていますね。でも、これを子供たちが見たとしても、元ネタはおそらく分からないでしょうね。なんだかお年寄りが無理してかっこ良いふりをして頑張ってるね、ぐらいにしか見えないかも。実際、このCMのことをワイドショーで取り上げていたのを見ましたが、これを紹介していた若いアナウンサーは「細野晴臣さん、坂本龍一さん、高橋ユキヒロさんの3人が一緒にCMに出ています」と言ったきり、でしたからね。この3人、今ではそれぞれビッグになっていますが、それが3人集まってこういうことをやっていれば、当然彼らのユニット名「YMO」をなにをおいても引き合いに出すはずでしょう?
 なによりも、これを見ていると、このCMを作ったスタッフですら、YMOのことを理解していないのでは、と思えてきます。このCMのバックで流れているのは、もはやほとんどパブリック・ドメインと化している彼らの最大のヒット曲「ライディーン」ですが、それをこのCMの商品である「ポッキー」と結び付けるために、ボコーダーっぽい声で「ポッキーを!」とか叫んでいます。そう、それは確かにかつて「トキオ(TOKIO)!」と、同じボコーダー声で合いの手を入れていたことのパロディになるわけで、それを知っている人は「なんと懐かしい!」と歓声を上げることになるのでしょう。でもなぁ、「トキオ!」ってのはこのCMのように「ライディーン」の中で叫ばれているのではなく、全く別の「テクノポリス」という曲の中で使われているんですよね。つまり、「ライディーン」の中でいくら「トキオ!(いや、ポッキーを!)」と言われても、ファンにとってはなんのありがたみもないわけでして。ですから、こんなことをやってしまったスタッフは、とりあえずYMOの曲だったら何でもいいじゃないか、などという発想でこんなことをやってしまったのでは、としか思えないのですね。「ライディーン」と「テクノポリス」の両方にきちんと「愛」を持っていたら、こんなでたらめなことは絶対できないのでは、と、私は思うのですが。というか、パロディをやる時には、きちんとつじつまを合わせないことには何の効果もないのですよ。
 そこへ行くと、今日、ほとんどの印刷が完了した「かいほうげん」では、その辺のつじつまは恐ろしいほど合ってしまっています。たまたまご結婚の知らせが入った団員がいたものですから、そのお祝いのためにこんな画像を作って載せたのですが、

もっと下を見てみたら、そこの編集後記はなんと新婚ネタだったのですよね。それは、このサイトの「9月のコラム」と全く同じものですから、確かめてみてください。つまり、コラムはすでに先月末に出来ていたのですが、その時点ではご結婚祝いのことは、私にはわからなかったのですよね。「予知」ってやつでしょうか。
 実は、この画像にはもう一つ意味が込められているのですが、それはニューフィルの団員以外には分からないことです。これは、さるホテルのサイトから持ってきた素材の画像を組み合わせて作ったものです。そこではかつて金管アンサンブルや、チェロのアンサンブルがクリスマスのアトラクションで呼ばれていったことがある、というのが、そのつながりなのですがね(いや、もっと別の意味もあるはずでは・・・)。
 そんなことより、上の画像のテキストにはとんでもない間違いがありますね。これを作っていてたまたま気が付いたのですが、さいわいこのページはまだ印刷が終わっていませんでした。こんなことでもなければ、またミスプリントで落ち込むところでしたよ。
aventure number : 1586 date : 2010/9/16


今日の禁断 綾鷹

 今日は、午後から橘さんとの2回目のリハーサルが予定されていました。明日からはお彼岸に入るということで、私の職場では墓地ボチお客さんも来ていたのですが、この練習に備えてお休みにしていました。その代わり、自販機の中身は「お彼岸モード」に直しておきましたし、その他に必要なものは用意しておいて、他の人が困らないようにしてあります。でも、お彼岸モード自販機って、どういうものなのでしょうね。
 少し余裕を持って家を出たのですが、道はけっこう混んでいて、会場の若林には予定したのよりは少し遅く着いてしまいました。それでも、まだ他の人はほとんど来ていなくて、やっと椅子を並べ始めた、というところだったのですが、橘さんはもうすでに着いていました。いつものように、ステージの辺りにうろついて、指揮台に立ってみたり、そこでスコアを眺めたりしていましたね。
 そんな早くに来てみたのは、「かいほうげん」の配達があったからです。椅子を並べ終わったところで、全員の譜面台の上に置いておこう、という作戦ですね。指揮者練習の時にはこういうことが出来るので、作った「かいほうげん」がみんなに行きわたります。出席の悪い普段の練習日だと、ごっそり余ってしまって、なんだかむなしくなってしまいますからね。なにしろ、中に掲載したコンサートの案内の中に、明日とあさってが本番、というのがありましたから、なんとしても今日中に渡さないと意味がないのですよ。
 もちろん、指揮台のところにいた橘さんにも渡します。「すごいですね」とか言って、チューニングの時にしっかり読んでいましたね。
 まず、2時から3時間の予定でバルトークです。そのあとにはブリテンなどが控えていますから、橘さんはしきりに時間を気にしています。なんせ、細かいところの指摘が多いものですから時間はすぐ経ってしまいます。実は、私も5時にはここを出なければならないような予定が待っていたものですから、これは大歓迎、橘さんと同じ気持ちで最後の時間を気にしていました。
 この前にあまりやらなかったところが中心になりますから、一応予定は2、3、4楽章です。2楽章はなんと言ってもパートごとのソロがメインですから、そこを細かく止めて注意を受けます。「楽しく!」とかですね。ファゴット、オーボエ、クラリネットと来て、最後にフルートですから、待っている間はもう緊張のしっぱなしです。前のパートではこんなことを言われたけど、いったいフルートには何を言われるのだろう、という不安もありますしね。そもそも、このソロ(ソリ)は、入るところがすごくわかりにくくなっています。前のオケを聴いていると、小節の頭が分からなくなって、うっかりすると入るのが半拍遅れてしまうのですよ。橘さんは、そこをわざと入りにくくするような演出で迫りますから、なおさら大変です。まあ、でも、入ってしまえば、あとはなんとかなりますが。
 4楽章では、最後にフルートのカデンツァがありますから、これはもう緊張の極致です。一番最後の音をオーボエと合わせなければならないので、一生懸命となりのKくんが入りやすいように吹いてみると、橘さんは、「そんなことをしないで、きちんと拍の頭を出せば、自然にオーボエが入れます」ですって。確かに、そのようにやってみたら、すんなり入れてましたね。あとは、「アド・リブ」の部分は、いくら繰り返してもいいんですって。これはいいことを聞きました。
 4楽章が終わった時点で、予定より少し早めだったのですが、そこで団長が「一度5楽章をテンポ通り通してください」などとリクエストを出したものですから、気が気ではありません。結局終わったのが5時少し過ぎ、その先の予定は、ちょっと遅れることになってしまいました。でも、本当に橘さんのリハーサルは、中身が充実しています。その分、グッタリ疲れますがね。
aventure number : 1587 date : 2010/9/18


今日の禁断 フォーラス

 ニューフィルの定期演奏会のチラシやポスターは、市民センターなどにはくまなく配ったものの、街中のお店などではまだ配り残したところがありました。今日は久しぶりにヒマになったので、HMVに置いてこようと思いました。もう1か所、クラシックの専用売り場があった新星堂は、この前飲み会の前にちょっとのぞいた時には、すっかりお店の中が変わってしまってクラシックのスペースが半減、とてもチラシなどは置いてもらえないだろうと、今回からは持って行くのはやめています。ですから、街中で置いてもらえるのは、レコライとHだけということになってしまいましたね。もっとも、レコライではもうCDは扱ってはいませんが。
 ところが、そのお店の前に行ってみると、何だか様子が違っています。「閉店」などという文字が見えるポスターのようなものがたくさん貼ってあるのですね。よく見ると、「11月7日をもって、閉店させていただきます」と書いてありますよ。ああ、この間渋谷店が閉店したことが大々的に報道されていましたが、ついに仙台にもこの波が押し寄せてきたのですね。「閉店後は、駅前店をご利用ください」とあるように、仙台にはもう1軒のHがありますが、こちらはクラシックの売り場は棚が1列あるだけで、輸入盤などはありませんから、クラシック・ファンが足を運ぶ価値など全くありません。つまり、これで、まともにクラシックのCDを扱っているお店はすっかりなくなってしまった、ということになります。タワレコ?まさか、あんなんで「まとも」とは言えないでしょう。まあ、私も実際にお店に行ってCDを買うことなどまずなくなってしまいましたから、これは仕方のない流れなのでしょうね。そもそも、CDそのものがネット配信の盛況で売り上げはガタ落ちになっていますしね。早晩、CDそのものがなくなってしまう日も来るのではないでしょうか。
 そのHのお店の前あたりで、なんとパリンカが路上ライブをやる、という話が進んでいるようです。そもそもは東京のさる男声合唱団が企画したことなのですが、その団員との知り合いつながりで、パリンカも「一緒にやりませんか?」というお誘いを受けたそうなのです。その前の日にその合唱団が一関でコンサートを行うので、その帰りにもう一仕事、というノリでしょうか。あ、そのライブが行われるのは10月10日の日曜日です。午後2時から4時までの間の予定だそうです。「番ブラ(死語)」のついでに、聴けるかもしれませんね。もちろん、これだけきちんと決まっているということは、ゲリラ的なライブではなく、きちんと各方面の許可を取った上での「合法的」なライブだそうですから、タイホされたりすることはないようなので、ご安心ください。というか、どうやらこれはれっきとした商店街の催し物のようですから。
 それこそ「ジャズ・フェス」などで、そういうものを「聴く」ということはありましたが、立場が変わって「聴かせる」というのは初めてのことですから、なんだかすごく楽しみです。思わず足を停めて聴き入る、というような演奏が出来ればいいのですがね。
 ただ、その前にはコンクールの東北大会が控えています。それのほぼ最後となる練習がきのうあったのですが、まあこれだけ仕上がれば、あとは審査員の判断を待つ、というところでしょうか。少なくとも私は、全曲暗譜出来るようになりましたから、本番に向けてそれを完璧なものに仕上げるつもりです。とても暗譜出来そうにないと思っていた自由曲ですが、きのう「暗譜で歌う人?」と聞かれたときにけっこうたくさんの人が手を上げていましたから、何とも頼もしい限りです。これだけのテンションがあれば後悔するような演奏にはならないはずです。無理して頑張る人さえいなければ。
aventure number : 1588 date : 2010/9/20


今日の禁断 ネオ

 この間、コンサートに行った時にグッズ売り場で買ってきた「達郎せんべい」は、なかなか封を切る機会のないうちに1週間以上経ってしまいました。なにかと用があって外食とか、あるいは家で食べるにしても一人だけ夜遅く帰ってきてからおでんを食べるなどという時が多かったので、開けられなかったのですよね。せっかくだから、御飯のあとのゆったりとした時間に開封したいじゃないですか。
 そして、ついにその日がやってきました。「1枚200円」というのは、いったいどんなせんべいなのでしょうか。

 ま、こんなもんです。何の変哲もない普通のしょうゆ味の素朴なせんべい。ただ、その表面に達郎のイラストが焼きごてで押されているのが「値打ち」ではありますが。これも、食べてしまったらなんの価値もなくなってしまうので、まさに自己満足の世界ですね。真のファンであれば、そんなことで文句を言う人なんか、いるもんですか。あ、このイラストはとりみきが描いてます。
 グッズは他にもあったのですが、別にTシャツなんか買ってもしょうがないと思って、これだけにしておきました。でも、あとでグッズのリストを見てみたら、買っておくべきものがもっとあったことに気付きました。

 これはそのリストの表紙なのですが、これと同じデザインのクリアファイルがあったんですね。買う時には気が付かなかったのですが、これがなかなか面白いデザインなもので。達郎の愛機のテレキャスターの周りに、なんかロゴデザインが集まったもののようですが、よく見ると今回のツアーに回った県と、コンサートを行った会場が、それぞれデザインされているのですよ。もちろん、行った(これから行く)ところは全部。いかにも達郎っぽいロゴが、泣けるじゃないですか。
 我が、宮城県民会館は、というと、左下にありました。でっかくすると。

 なかなかかっこいいデザインではあるのですが、「TOKYO ELECTRON HALL MIYAGI」という文字が情けないですね。ほんの僅かばかりのお金のために、言ってみれば「文化」である「名前」を売り払ってしまうと、こういうしっぺ返しを食らうという、これは見事な皮肉に満ちた「作品」なのではないでしょうか。
 実は、もう一つ、ゆっくりと食後に味わってみたいものがありました。それは、フルートパートのTさんが、わざわざ買って持ってきてくれた見たこともない「ジンジャーエール」です。私がジンジャーエール・マニアだと知っていて、「こんなのがありますよ」と、2本も下さったのですよ。見た目、炭酸が入っていないようなので、「炭酸の入ってないジンジャーエールって、あるんでしょうか?」ときいていました。

 横にして冷蔵庫に入れておいたのですが、見てみると下になっていた部分には生姜の繊維がうずたかく堆積していました。これはまさに生姜の塊みたいなもののようです。かなり手ごわそう。栓を開けてグラスに注ぐと、勢いよく泡が立ったので、炭酸はしっかり入っているようでした。それを飲もうと口に近付けると、ものすごい匂いです。ちょっと辛いかも。でも、とにかく飲むしかありません。それは、確かに強烈な生姜味ではありましたが、同時になんか「サロンパス」のような味もしますよ。噂に聴いた「ルートビア」というのは、こんな味なのでしょうか。
 Tさんには、申し訳ありませんが、残りの1本を飲もうという気には、とてもなりませんでした。でも、ごちそうさま。
aventure number : 1589 date : 2010/9/22


今日の禁断 蕎麦屋

 今週は、月曜日と木曜日がお休みという、変な1週間でした。ニューフィルの場合、毎週火曜日が練習日なのですが、月曜日が休日になってしまうと、その次の日が、会場の市民センターが休館日になってしまうために、木曜日にずらしています。しかし、今週のようにその木曜日までが休日となると、「休日は原則練習は行わない」というニューフィルの暗黙のルールに従って(指揮者練習は除外とさせていただいてます)練習は出来なくなってしまいます。したがって、今週は練習がありませんでした。「その間に、しっかりさらっておいてください」というのは練習指揮者の言葉だったのですが、私の場合はとてもそんな暇はありませんでした。普通の人がお休みになるお彼岸は書き入れ時で職場は休めません。そこへ持ってきて、合唱関係の練習がその休みの日に入ってしまったものですから、いつもよりタイトなスケジュール、これにニューフィルが入っていたら大変なことになっていました。
 きのうの「秋分の日」が、そんな予定がぎっしりの日でした。まず、朝早くから、愚妻を練習場まで送っていきます。それから職場に行って、午後には、10月に萩ホールである「ホームカミング・デー」という、一応大学の行事のためにOBの合唱団として参加することになっているので、その練習です。私の場合は「全体合唱」と、「男声OB」という2つのカテゴリーでエントリーしていますので、その2つのコマにフルで参加です。
 まず最初は「全体合唱」の練習がホールで、という予定だったはずが、誰かが「最初は会議室でやることになりました」と言ったものですから、お隣の会議室で椅子を並べたりして数人で待機していたら、人が全然集まってきません。なにをしているのだろう、と思っていると、しばらくして「もうホールで全体練習が始まってますよ」と呼びに来た人がいました。予定通りに進行していたのに、誰かのデマで30分近く、なにもしないで待っていたのでした。あわててホールに行くと、ステージには山台にぎっしりのメンバー、現役が入っているのでたくさんいるのですね。そういう陣容だったことも、その時初めて知りました。
 それが終わって、今度はぐっと少人数でなんと間宮の「コンポジション」を練習です。たまにパートが抜けてしまうほどの少なさでこの曲はかなりしんどいものですが、本番にはもう少し増えることを期待して、なんとかコアになるべく練習です。
 そこで4時間が経過していましたが、そのあと、今度は八木山まで行ってのパリンカのパート練習です。晩御飯を食べている暇もありません。ちょっと遅れて会場に着くと、セカンドパートは意外と人がいます。だいたいこういうイレギュラーな練習だと、一人(いや、0.5人)、なんてことが多かったので、正直あまり来たくはなかったのですが、もうすでに3人(いや、2.5人)も来ていましたからね。結局、終わった時にはフルメンバーに一人足りないだけの5.5人になっていたのですから、来ておいて大正解でした。トップと一緒にみっちりと3時間、本当に細かいところまでパートリーダーからダメを押されて、ものすごく疲れたはずなのに、なぜかとても充実した気分になれました。こんだけやっておけば、なんだか本番もすごくいい演奏が出来るような気になってきます。
 そして、明日もやはりきのうと同じメニューで(会場も一緒)練習があります。その次の日、日曜日には、早起きをして山形に行って、コンクールの本番というスケジュールです。山形なんて、ずいぶん長いこと行ってないので、新しい駅や街並みを見るのが楽しみです。なんせ、駅に「エスパル」が出来たなんて、最近知ったばかりですから。
aventure number : 1590 date : 2010/9/24


今日の禁断 天童

 いよいよコンクール東北大回の本番の日です。なんせ、山形市内の練習会場に9時前には着かなければなりませんから、それに間に合うように、7時に家を出て仙山線に乗る予定、その前に家事をこなすためには、5時に起きなければなりません。そんなわけで、まだ窓の外は真っ暗なうちから、私の一日は始まります。
 私の家のすぐそばにある仙山線の駅では、もちろん自動改札機が完備、「スイカ」も使えます。ですから、まずはそこにスイカをかざして、電車に乗り込みます。さいわい、ほどほどの混み具合だったので、相席ですが座ることが出来ました。でも、途中でかなり降りてしまったので、山形近くになったら別のボックスを一人で占領して、最後の楽譜のチェックです。
 山形に着いてみると、同じ電車には、他に4人ぐらいパリンカの人が乗っていたことがわかりました。中には指揮者まで。全く気付きませんでしたよ。そして、意気揚々と改札を通ろうとスイカをかざすと、なぜかエラーが出てゲートが閉まってしまいます。他のパリンカ組でスイカを使っている人も、同じように通れないでいますよ。と、駅員が「スイカは使えません。別の窓口に行ってください」と叫んでいます。システム・エラーかなんかあったのでしょうか。その窓口には、我々も含めてたくさんの人が並んでいました。そこで分かったのは、「仙台をスイカで通った人は、山形ではスイカでは出られない」という、信じられないような事実です。同じJR東日本管内の、同じ仙山線の駅の間で、自動改札になっているにもかかわらずスイカが使えない駅があるなんて、いったいどういうことなのでしょう。しかも、それが、駅に着くまで分からなくて、こんなにたくさんの人がいちいち係員に応対しなければならない事態になっているなんて。結局、そんなゴタゴタのおかげで、練習会場に着いた時にはもうみんな先に集まっていましたよ。

 そこで2時間ほど練習、それから向かったコンクールの会場は、山形県県民会館(まちがいではありません)。1962年に出来たという古いホールです。その頃ですから当然多目的ホール、ワンフロアで間口がやたら広いという、いかにも音の悪そうなところです。ここに来る前から、響かないホールだから気をつけるように言われていましたが、実際に歌ってみると、それほどの歌いにくさはありませんでした。終わってから他の団体を聴いていても、余計な残響がない分、細かい表現などがもろに表に出てくるような印象がありましたね。そうなってくると、パリンカのように表現が大雑把なところはかなり不利、現時点ではまだ連絡は入っていないのですが、少なくとも全国大会に進むことは出来なかったようですね。もし行けていれば、愚妻の合唱団(エピス)のように、発表があるや否や、「速報」が携帯に入っていたことでしょう。いや、最初からエピスとは勝負にならないとは思っていましたから、これは当然のこと、晴れて全国へ行けて、おめでとうございました。

 私の場合は、なんと、同じ東北大会に進んだ山形県の合唱団の人が、私のサイトのファンだということで、わざわざ訪ねてきてくれるというサプライズを味わっていましたよ。あちらは出演順がずっと後だったので、私の出番が終わった後、ホールのロビーでけっこう長いこと話をしてくれました。サイトを見てくれている方からの生の声を、しかもこんなところで直接聞けるなんて、すごくうれしい出来事でした。
 あとは、山形名産のおそばを食べて、満ち足りた気持ちで帰ってきましたよ。
aventure number : 1591 date : 2010/9/26


今日の禁断 紐育

 パリンカが参加した合唱コンクールの東北大会は、あちこちのサイトに詳細な採点表なども出るようになって、「速報」では分からなかった細かいことが明らかになってきました。まあ、パリンカの場合は穏当なところですね。去年より3つ順位が上がっていますが、去年に比べると全国に行った金賞団体のうちの一つはシード、もう一つは不参加でしたから、実質は1つ上がっただけですしね。このあたりが、やはり実力というものでしょう。そして、全国大会に行くことになったエピスも、結構シビアな採点だったことも分かりました。あのエピスがこんな感じなのでは、パリンカが全国なんてのは、とてもあり得ない話です。
 もう一つ私が参加している大学OB合唱団は、いろんな形でそれぞれ演奏会を目指しています。その中の「HCD」というIT用語のようなコンサートに向けて練習を重ねているメンバーが、この前の土曜日に、本番をやる萩ホールを使わせてもらいました。あまり人が集まらなくて本番でも10数人しかいないのですが、それがあの萩ホールを占領して練習させてもらうのですから、なんともぜいたくな話です。しかも、大学の行事ですのでおそらく使用料もいらないのでしょうね。その枠をもっと広げて、誰でも格安でリハーサルに使えるようにすれば、ニューフィルあたりは喜んで使わせてもらうのですけどね。
 そこでやっている曲が、間宮芳生の「コンポジション第3番」という、とてつもない難曲です。その中には、ソロのパートがたくさんあって、それぞれかなり難しいパッセージを歌わなければなりません。何せ人数が少ないので、ソロに取られてしまうと本体のパートが足らなくなったりして、いろいろやりくりが大変です。そのうち、どうやらソロも一人足らないことが判明してきました。すると、指揮者は私をそのソロに指名してきたではありませんか。まあ、ちょっと難しい譜割りですが、2、3回歌ってみるとなんとか出来るようになってきましたので、今まで音のなかったパートを、他の人に分からせるための役には立ったかもしれませんね。どうせ、本番は別の人が歌うはずですから、気楽なものです。
 しかし、なんだか指揮者は私にそのまま歌わせたいような感じでしたね。たとえそのつもりでも、私は本番の日は、例のストリート・ライブがあるので、こちらのリハーサルには出られませんから、その希望をかなえるのは無理、私も、そんな大それたことなど、まっぴらです。
 実は、この曲は「合唱団萩」のレパートリーでもあるのですね。つまり、メンバーはダブっているので、こちらで1回本番をやっておけば、練習も楽になる、という腹積もりなのですよ。私は、そちらには不参加ですから、ますますソロからは遠い立場になっていきます。
 その「萩」のサイトを、少しリニューアルしてみました。今までのトップページは、参加者の勧誘を目的にしていたのですが、だいぶ人も集まったので、もうサイトでの勧誘はやめてもいいのでは、という指示に従っての、変更です。実際には、「勧誘」の部分だけを削って、残りはそのままなのですが、ちょっと見栄えを良くするために、会場のカーネギー・ホールの写真を加えてみました。この、客席からステージを撮った写真は2種類送られてきていたのですが、1枚はすでにタイトル用に使ってあって、これはその残りのものです。こちらはどうやらまだ指揮者が登場していないチューニングの時なのでしょうが、後ろの壁になにか文字が映されているのが、気になりました。こんなのです。

拡大すると、

 あまりにぼんやりとしているので、最初はなにが書いてあるのか分からなかったのですが、最初が「Please」、最後が「Thank You」だというのがなんとなくわかりました。あとはそれを頼りに、それらしい単語を考えてみたら、ついにその全文が解読出来てしまいましたよ。それは、
  • Please turn off your cell phones and other electronic devices. Thank You.

 日本のコンサートでも、こんなことをやればスマートなんじゃないでしょうか。
aventure number : 1592 date : 2010/9/28


今日の禁断 ウェーベルン

 合唱ネタばかり続いていますが、ニューフィルの方はスケジュール通りに進行しているということですね。もう、これだけやってくると、今これをやっておけば、その次にはこうなるな、というのがほとんど分かるようになってしまいますから、もう淡々とその時期に必要なことをこなしていけば、最終的にはちゃんとした本番が出来るようになる、という感じです。もちろん、それはコンクールのように明白な評価がくっついてくるものではありませんから、終われば打ち上げで飲みまくって(いや、私はソフトドリンク全種目制覇ですが)、また次の演奏会へ向けてリセットする、という感じですね。そう、この、まずすべて忘れてしまう、という作業が、もしかしたら長く続ける秘訣だったのかもしれませんね。そうなんですよ、いくらリセットしたからと言って、本質が変わるわけではありませんから、ある種儀式のようなものでしょうね。などということを、ひょんなことから気づいたりする今日この頃でした。
 そうは言っても、こまごまと必要な情報はもたらされてきて、その都度何かしらのアクションは必要になってきます。最近ですと、来年秋の末廣さんとの定期演奏会での、メインプログラムの「版」が決まりました。この曲には3種類の版があって、それぞれに小節数など全く違っていますから、他の版の楽譜で代用するわけにはいきません。まあ、でも、以前「5番」をやった時にはハース版を使ったので、おそらく今回も同じものだろうな、と思っていたら、予想通りハース版でしたね。これは、ネットでパート譜までダウンロードできますから、楽譜の問題は解決するはずです。というか、すでにフルートパートはダウンロード済みです。スコアはだいぶ前に買ったKALMUSの海賊版がありますし(もちろん、ノヴァーク版の第1稿と第2稿も持ってます)。
 そして、同時にカップリング曲の提案もありました。これは全くの予想外、こんな曲が出てくるなんて、誰も考えもしなかったことでしょう。私も、名前は聴いたことはありますがまだ1度も聴いたことがありませんでしたし。そうなってくると、提案されたところで実物を聴いたことがなければ判断のしようがありません。私が聴いたことがないくらいですから、他の人もまず聴いたことはないでしょうしね。
 そうなってくると、私のところに「音源をアップしてください」という要望が寄せられることになります。私だったらCDぐらい持っているのでは、と思っているのでしょうね。あいにく、私はこのあたりの作曲家は大嫌いですので、CDなんか持ってません。でも、「音源」を手に入れるのは簡単なんですよね。ネットで探せばいいんですから。これは、私の場合はどんな珍しい曲でも集められる自信がありますから、さっそく検索してみました。ただ、そのサイトは非常にクセのある配列になっていて、この曲を探すのには非常に苦労しましたね。作曲家順に並べるという基本的なことさえやっていないのですからひどいものです。
 ただ、確か前にも今回の曲で同じことをやった時に書いたように、これはコンテンツのダウンロードは出来ない、ストリーミングだけのサイトなので、アナログ出力を一度M10に入れてA/D変換しなければいけません。つまり、ファイルを作るときにはまるまる演奏時間の15分が必要なのですよ。モニターしながらその作業をしていると、突然「ピロ〜ン」という、流れている音楽とは全く無関係な音が聴こえてきました。それは、メールが届いた時の合図の音、うっかりメーラーを開いたままだったので、それが入ってしまったのですね。ほとんど終わりかけていたのに、メーラーを閉じて、また最初からやり直しです。
 そんな手間をかけて、やっと「夏風のなかに」はアップされたのでした。
aventure number : 1593 date : 2010/9/30


今日の禁断 上ロース

 きのうから、煙草が大幅に値上げになったそうですね。私は酒と女と煙草には全く縁のない生活を送っていますから、別に高くなろうが知ったことではないのですが、その結果禁煙者が増えるのでは、という見方があるのは、ちょっとうれしいことです。私自身はもう「縁」を切ったつもりでいても、向こうの方から擦り寄ってくる場合、というのが、結構ありますからね。
 つまり、煙草ってやつは(煙草の話ですよ)、私が吸おうと思わないのに、他の人に無理やり吸わされる、ということがあるものですから、そういう人と出っくわす機会が少しでも減るようになるのは大歓迎なのですよ。確かに、今の世の中は、ちょっと前に比べると煙草を吸わない人にとっては、信じられないくらい快適な環境が整いつつあります。なんたって、この地方ではすべての電車の中で煙草が吸えないようになっているのですからね。この前山形に行った時に乗った仙山線には、かつてはどの車両にもついていた、ひっくり返して吸殻を出すようになっている灰皿を撤去した「痕」が残っていて、なにか懐かしい思いにかられたものでした。向かい側に座った人が堂々と煙草を吸っている、というのは、ちょっと前まではごく自然にどこにでもある風景だったのですね。
 ただ、これだけ「吸えない」場所が増えてくると、その反動で、「吸ってもよい」場所には、もはや絶滅種のようになってしまった喫煙者が大挙して訪れることになってしまいました。信じられないことですが、レストラン(というか、食堂)などでは、いまだに全店喫煙可というところがあるのですよ。「さくらや」というお気に入りのとんかつ屋さんが、そんないまどき珍しいお店です。こんな美味しい料理を出す人が、なぜこんなことをやっているのか、いつも不思議に感じられてしまいます。
 それと、これは愚妻がいつもぼやいているのですが、中央通りにある「八百長」(ほんとに、こういう名前の八百屋さんがあります)というお店の前の小路には、わざわざ喫煙者のために椅子などを置いて、自由にこのご禁制の嗜好品を吸い放題に出来るという空間があるのですよ。そこには、ヤニで真っ黒になった不健康な顔の男たちが、一日あてもなく座って、うつろな目をして煙に浸っているのだそうです。当人たちが中毒でハイになっている分には構わないのですが、何せそこは開かれた空間ですから、すぐわきの、煙草を吸ってはいけない空間を歩いている罪もない人たちをも脅かすことになってしまうのですから、たまったものではありません。もちろん、そんなことを私に言われても困りますから、関係者にはぜひ善処してもらいたいところです。
 おそらく、一番町の「ブランドーム」には、そんな阿片窟のような目を覆いたくなるような空間はないはずです。そこで行われるストリート・ライブの詳細が決まりましたので、ご案内します。日時は、10月10日の午後2時と3時の2ステージ。2時の部はフォーラスのとなり、新生銀行の前、3時の部は、1階にdocomoショップ、2階にロイヤルホストがあるビルの前で行われます。出演は、合唱コンクールの全国大会に出場が決まった東京の男声合唱団「お江戸コラリアーず」と、ご存じ「合唱団パリンカ」です。それぞれの単独ステージの他に、合同演奏もあります。秋晴れのひと時(晴れるに決まってます)、どうぞお誘い合わせのうえ、お越しください。あ、もちろん無料ですが、「おひねり」などは大歓迎ですよ。
aventure number : 1594 date : 2010/10/2


今日の禁断 サーフィン

 待ち合わせの時などに読むには最適な東野圭吾の文庫本、手当たり次第に読んでいたら、もう殆どのものは読んでしまっていました。今のところは、同じものを買ってしまうという事態は起こってはいませんが(BSで録画したコンサートなどでは、最後まで見たところで「これ、前に見たな」と気付くことが何度かありました)、本屋さんに行って棚を眺めると、すべて読んだものだと思えるので、多分これからも大丈夫でしょう。でも、一番いいのは、新刊だけを買うこと。どうせ1回読んだらそれで終わりなので、まずハードカバーを買うことはありませんから、これだったら間違いないでしょう。他の作家の場合、同じものが別の出版社から「新刊」扱いで出ることがあったりしますが、東野さんの場合は、そういうことはないようですし。

 そこで読んでみたのが、角川書店から最近出たばかりの「夜明けの街で」です。妻子のあるサラリーマンが、同じ職場に配属された派遣社員の女性と恋に落ちるという、「禁断」の「あばんちゅうる」を描いた作品なのですが、もちろんこの作者のことですからそんなただの「官能小説」で終わるわけはありません。その女性は、15年前に自宅で起こった殺人事件の目撃者(というか、第一発見者)という、秘められた過去の持ち主だったのですね。ところが、話が進んでいくうちに、どうやら殺人犯はこの女性自身ではないか、という疑いを読者は抱くようになっています。つまり、巧妙に周囲の人物の証言などによって、ちょっと勘のいい読者であれば、すぐこの女性=犯人という構図が浮かんでくるようになっているのです。しかし、もう少しこういうものを読んでいる人であれば、それは確かに突飛な発想ではあっても、そんなにストレートに結末を迎えるわけはない、と思い始めるはずです。そう、これは、この作者の得意技、「ミスリーディング」、つまり、意図的に間違った結論に読者を誘いこむための「罠」なのではないか、と。
 もちろん、私もそのように思いました。そんな、読者と作者とのだましあいこそがミステリーの醍醐味、この女性が犯人だったりしたら、もうこの作者の本なんか読むまい、と思いました。そして、私の予想通り、最後には見事などんでん返しが待っていたのですね。よかった、よかった。この前のテレビドラマでの、なんともお粗末なトリックにはちょっと失望していたところでしたから、東野さんの緻密な設計はまだ健在だったことを知って、本当にうれしくなりました。
 ところで、この間サイゼリヤに行ったら、新しい「キッズ・メニュー」が置いてありました。もちろん、私のお目当ては裏にある間違い探しのパズルです。今回はオリーブ・オイル編なのですが、これは以前もあったような気もします。ただ、私が実際に挑戦するのは初めて、さっそくやってみました。これも、なかなか手ごわい問題でしたね。5問まではすぐわかるのですが、そのあとはとてもお店で解くことは出来なかったので、いつものように写真を撮ってきました。これです。

 まあ、あとは折に触れてちょこちょこ見つけて行ったのですが、9問まで出来たところで、どうしても最後の一つが分かりません。いや、結局わかったことは分かったのですよ。そして、分かった時点で、なぜそんなに分からなかったか、ということが分かりました。解答は例によって「ばっくなんばあ」にしかありませんが、1ヶ所(というか2ヶ所)だけここでお教えしますと、それは右下にある「フォッカチオ」です。これなんか、あまりにも簡単なので誰にでもすぐ分かるのですが、実はもう1個、皿の模様も違っているのですよ。本体の違いだけで安心して、「もうここはいいや」と見過ごしてしまうという、これもまさに「ミスリーディング」だったのですね。
 正解は、これです。「フッカチオ」は二重丸ですね。
aventure number : 1595 date : 2010/10/4


今日の禁断 忍者

 おとといの4日からきのうにかけてニューフィルの公式サイトを見ようと思った人は、いきなり「サーバー・エラー」という表示が出ているのに面食らったことでしょう。私は、4日の夜はのぞかなかったので分からなかったのですが、5日の朝に開けてみて、そんなことになっているので焦ってしまいましたよ。あの表記は英文で書いてありますが、それには何の意味もないのは明らかです。なんとかしなければ、と。
 そこで、まず携帯の日程表を見てみると、これは何の問題もなく開けました。同じサーバーなのに、携帯ではOKのものが、PCではエラー。次に、同じサーバーを使っている別のサイトを見てみます。この無料サーバーは確か一人で10個までのサイトを開くことが出来るようになっていたはずですが、ニューフィルの他にたとえば「合唱団萩」などにも使っています。サーバーに問題があるのなら、そちらも同じようにエラーが出ているはず、と思ったのですが、こちらはなんともありません。そうなると、私には到底原因を突き止めることは出来ないので、「これは、なにかの間違いだ」と思うことにしました。しばらく放っておけば、そのうち何とかなるだろう、という安易な解決法(いや、解決してないって)ですね。
 ただ、これはおそらくニューフィルの団員が毎日必ずアクセスしているはずのサイトですから、もし治らなかったらそのままにはしておけませんから、最悪新たにサイトを開設してみる、ということまでは考えておきました。少なくとも、きのうの練習が始まるまでには、日程表だけでも別のところへ持って行って見られるようにしなければ、という使命感ですね。
 念のため、その無料サーバーの管理サイトで、「トラブル発生報告」みたいなものが出ていないか、確かめてみましたが、きのうまでにはそんなものはありませんでした。そこで、「ヘルプ」というところがあったので、藁をもすがる気持ちで行ってみたら、なんと、同じようなトラブルを抱えた人がたくさん書き込みをしていたではありませんか。そして、それらはすべて「解決済み」という扱いになっています。そこで、その解決策を読んでみると、「.htaccessファイルを削除してください」とありました。そういえば、4日からこのサーバーが「.htaccsess対応」になります、という案内のメールが届いていましたね。これは、ニューフィルの場合だと掲示板などに使っている「ベーシック認証」という、パスワードを入れないとアクセスできないという機能です。確かに、これが使えるサーバーというのは限られていますから、ここもそれに対応すれば、使い道も広がるな、と思っていました。つまり、そのための切り替えを行った結果、ニューフィルのディレクトリの中にある「.htaccessファイル」という、この認証を行うために必要なファイルが邪魔をして、そのようなエラーが出ていたということになるのですね。確かめてみると、確かにルート・ディレクトリに「.htaccess」と「.htpasswd」がありましたね。この2つのファイルを送るには、かなりの手間が必要なのですが、ここに関しては私は送った記憶は全くありません。おそらく、これは最初から入っていたものなのでしょうね。そんな詮索をするより、指示の通りこれを削除するのが先決です。そうしたら、サイトは何事もなかったように開けるようになりましたよ。
 さっきの「ヘルプ」では、同じように送った覚えのないファイルのせいで同じ目にあった人がたくさんいるようでした。このサーバー、この間はFTPをFTPSに変えろとか言っておいて、結局またFTPに戻したり、今回は全く身に覚えのないファイルを勝手に送っておいて、それに対応出来ないサービスを、これも勝手に始めて多くのサイトをエラーに送り込むなど、なんだか不愉快な挙動が続いています。この次なにかあったら、ただでは済みませんよ。
aventure number : 1596 date : 2010/10/6


今日の禁断 マスカーニ

 いよいよ、怒涛の週末に突入しました。いや、まだ週末ではないのですが、その前哨戦みたいなものが今日もあったものですから。例の「ホームカミング・デー」というコンサートの本番が日曜日、それに備えての練習が、今日から集中的に行われるのですよ。明日はなんだか通しのリハーサルがメインのようなので、実質的にきちんと練習できるのは今日だけということになるのですね。
 合唱の集合時間は6時だったので、それにギリギリ間に合うように萩ホールへ行ってみると、まだオケだけのリハーサルをやっているようでした。そうなんですよ。去年と同じ感じで、最後にはオケと合唱の合同演奏があることになっています。去年同様、ファースト・ヴァイオリンが4プルト(だったかな)という小さな編成ですが、なかなかいい音を出していましたね。最近オペラの本番を行って好評を博した、という噂を聴いていましたが、そんな影響もあるのでしょうか。指揮をしているのは、そのオペラを作った人でもあり、今回の編曲も担当、もっと言えば、来年「萩」を率いてNYに行くというOさんです。その編曲で、今回は「ラピュタ」の中の「きみをのせて」という、ちょっと前の「角田第九」のこども合唱でおなじみの曲を演奏します。そのオケのアレンジが、とても素晴らしいのですよ。最初はグロッケンとチェレスタ(デジタル・ピアノで代用)でかわいいアルペジオがあった後、チェロがそっと入ってくるのですが、そこがぞっとするほど気持ちが良いんですね。こういうバックで歌うと、歌っている方も楽しくなってきます。実はこの曲、「コール青葉」でも歌ったことがありました。大いに期待したのですが、本来四拍子の曲を三拍子にするというおかしなアレンジの上に、変なシンコペーションが使われていて、ものすごく歌いづらく、完全に失望してしまったことを思い出してしまいました。もちろん、そんな編曲をした人は、その前の年だかにやはり無残に変貌してしまった「Walking in the Air」を手掛けた方です。そんなストレスのない、Oさんの編曲は、歌っていてとても和むものでした。
 その他に、このコンサートでは男声合唱団のOBだけによるステージがあります。これが、実はかなり大変なものでして。そもそもはさっきのNYでのコンサートのためのレパートリーだったものを、ほぼ同じメンバーなのでせっかくだから使い回ししようと、こちらにも持ってきたものなのですね。しかし、始めてみたら思いのほかメンバーの集まりが悪くて、かなりの苦戦を強いられているところです。それこそ、前にも書いたように、私にまでソロのお鉢が回ってきたりしていましたからね。
 ただ、今日になって、そのNYへ行くメンバーが、東京と、そしてNYから来てくれました。お二人とも今まで手薄だったパートなので、一気にそこは「二倍」になってしまいましたよ。確かに、そのあたりのパートは見違えるようにしっかりしてきました。しかし、私のパートなどは全力で頑張らなければならないほどの厳しさです。その、NYからきたSさんは、「これしかいないんですか?」とびっくりしていました。確かに、15人でコンポジションを演奏するのは、無謀です。出来るだけ追い込みの練習に参加して、少しでも力になりたいと思っているのですが、なんせ本番当日は直前まで「一番町」にいますからね。どうなることやら。
aventure number : 1597 date : 2010/10/8


今日の禁断 斉太郎節

 きのうは一日中雨が降っていましたし、今日の予報も、「雨のち曇り」から、「雨」に変わるなど、どう転んでも爽やかな秋空などは期待できないものでした。こんな日に、いくらアーケードがあるからといって、屋外でライブというのはつらいなあ、と思っていました。そんなうっとおしい気分と、もう一つ、それにすぐ続いて、というか、実際は「重なって」萩ホールでのホームカミング・デーのコンサートのリハと本番が控えていますから、それに向けての心の準備もあって、ちょっとダークな気分になっていました。
 まず、問題は服装です。ライブの方は先方もラフな格好なので、「自由」ということになっていました。ただし、演出上の必要から、「必ずポケットの付いているもの」という指定はありました。本当は「礼服で」と指定されていたら、そのまま萩ホールに行けるので、こんな楽なことはないのですがね。というのも、このホールはもともとは古い建物ですから、出演者にとってはいろいろ不都合なところがあります。今回のように大人数の出演者だと、それを収容できるだけの楽屋がないのですよね。本来の楽屋はオケが占領、そうなってくると、合唱は、少し離れた講義室などで着替えをさせられることになるのです。私が着くと予定している時間には、みんなの着替え終わっていて、その講義室に鍵をかけてホールに移動してしまっている可能性がきわめて強いのですよ。そこで、私はズボンだけは礼服をはいていくことにしました。そうすれば、最悪車の中で上だけ着替えることもできますからね。何せ黒いズボンですから、暗めの色の花柄のシャツと、そんな中途半端な服装の時には重宝する薄手のジャケットというコーディネートです。本番が続くときの服装はこうでぃねえと。

 一番町でのライブは、まずフォーラス並びの銀行の前で行います。まずパリンカが数曲歌った後、「お江戸コラリアーず」が、太鼓の入ったノリの良いアフリカあたりのクリスマス・ソングで、圧倒的なうまさを見せつけてくれます。ちょっとした手違いで合同で演奏するものを彼らだけでやった後で、こちらもその中に混ざって残りの合同演奏曲を披露します。そんなわけで、1回目のステージは30分ぐらいで終わってしまいました。なにしろ、すべて生音、PAは一切(MCでも)使わせてもらえなかったので、雑踏やら、アーケードの中を一日中流しているCM(♪心やさしい人だから〜・・・みたいな)に負けてしまって、なんだかなあ、という感じでしたね。
 2回目は、もう少し大通りからは離れたところですが、パリンカがその前と同じように道路に並行に並んで歌っていると、それでは歩く人の邪魔になる、というので、「お江戸」の番になったら、90度回転して、間口を狭くして並び、その両脇を通行してもらう、という形に変えさせられてしまいました。でも、そのあと全員合唱で入って歌うと、このほうがずっと歌いやすく、声も届いているような気がしましたね。終わったら、隣で歌っていたあちらの団員から「楽しかったですね。今度はぜひパリンカさんと東京でやりたいです」などと言われて、とてもうれしくなってしまいました。なにはともあれ、貴重な経験を積むことが出来ましたね。お天気も、予報に反して汗ばむほどのいい天気でしたし。
 それは、40分ぐらいかかってしまったので、近くの駐車場にとめてあった車に飛び乗って、川内へ向かいます。案の定、講義室にはかぎが掛かっていたので、ズボンを穿いて行ったのは大正解でしたね。みんなからは「よく間に合いましたね」と言われてしまいましたよ。演奏は、予定になかった本番前の特訓の甲斐あって、とても流れの良い、本気で楽しめるものでした。払っただけの努力は、見事に報われたのではないでしょうか。
お客さんは、こんなものでしたが。
aventure number : 1598 date : 2010/10/10


今日の禁断 秋の子

 仙台宗教音楽合唱団という、歴史のある合唱団があります。略して「宗音」などと言っていますが、パリンカのようにコンクールに出ることはせず、定期演奏会に向けて真摯に練習を続けている(という印象のある)合唱団です。その名の通り、「宗教音楽」に特化したレパートリーを持っているのが特徴で、時にはオーケストラとの共演で大規模な宗教曲を演奏したりしています。前回の演奏会では、あのヘルムート・リリンクを「呼んで」、バッハの「ロ短調ミサ」を演奏していましたね。その前の演奏会では、ラッターの「レクイエム」などというマニアックな曲もやってくれましたし、その時のカップリングがそのラッター校訂によるフォーレの「レクイエム」という、これもマニアックな選曲でした。
 ですから、当然次のコンサートの曲も期待されるところですが、それがモーツァルトの「レクイエム」の、ちょっと変わった修復稿である「レヴィン版」による演奏だ、というのですから、ちょっと嬉しくなってしまいました。このあたりの様々な「版」については、このサイトをスタートさせたころの、いわば「目玉」だったわけですから、特にこのような変わった「版」については敏感なのですよ。おそらくこれが仙台初演となるのでしょうから、本当に楽しみです。CDでは、レヴィン版のものは(いや、そのほかの「新しい版」もすべて)、全部揃えていますが、あいにくまだ「生」では聴いたことがないものですから。
 それにしても、この合唱団の指揮者の取り上げる曲が、決して斬新ではないような印象があったのに、なぜ「レヴィン版」などという、ふつうの「ジュスマイヤ版」に比べたらとんでもなくヘンな版をあえて取り上げた、というあたりが、ずっと疑問に感じられていました。さっきのフォーレの時に、せめて「ネクトゥー・ドラージュ版」のようなちょっと変わったものをでも使っていればそれも納得なのですが、あの時は「ラッター版」という、「マニアック」とは言っても、内容自体はごく平凡なものでしたからね。
 そんなちょっとした疑問が、見事に晴れるようなことがありました。以前、そのコンテンツを作った時などから時たま連絡を取り合っていたこちらのサイトのウェブマスターは、実はこの合唱団の遠隔地団員で、この前の「ロ短調」も歌っていたことは知っていたのですが、今回「レヴィン版」を使うように指揮者に進言したのが、この方だったのですね。そんなことを伝えるメールの中では、なんと、演奏会のパンフレットでも、私のサイトについても言及してくれるようなことが書かれてありましたよ。つまり、この前の天童混声合唱団に続いて、ここ仙台でも、私のサイトが曲目決定についての一つの要因になっていた、という事態が起こっていたのですね。これは、私にとってはとてもうれしいことです。だいぶ前ですが、「コール青葉」の団員の人から、その人が所属している横浜の合唱団がやはりレヴィン版をやった時に、ネットを検索したら私のサイトがあったのでびっくりした、と言っていましたが、それとはかなり次元の異なる話ですからね。
 実は、パリンカにも「宗音」の団員がいます。最近演奏会のチラシが出来たので、その人は「今度はレヴィン版だよ」と言いながら、私にチラシをくれたのですが、今度会ったら、「実は、私が決めたんだよ(←あながち嘘ではない・・・かな?)」とでも言ってやりましょうか。
aventure number : 1599 date : 2010/10/12


今日の禁断 蔵王

 いま、仙台ではまた「劇団四季」がロングランをやってます。おかげで、秋のニューフィルの定期は県民会館が使えず、春に続いて萩ホールになっています。駐車場は狭いのですが、いっぱいになると前庭にも誘導してくれますから、車で来ても大丈夫、それと、おそらく帰りには路線バスがホールの前で待っているでしょうから、交通の便の悪さも、少しはカバーできることでしょう。もうあと1ヶ月を切ってしまいました。ぜひいらしてみてください。ここを見ている方で「行ってみたいな」と思われる方は、メールフォームでお申し出頂ければ、チケットをお送りしますよ。ぜひ、送付先明記の上ご連絡を。

 いや、「劇団四季」の話でしたけど、今回持ってきた演目はなんと「マンマ・ミーア」でした。最初にその噂を聞いた時には、本当にこれで地方まわりを出来るのかな、と思ってしまいましたよ。というのも、最初にこれを見たのが汐留の「海」だったのですが、そこでは最新のステージ機構を駆使した、とても手間のかかったセットが使われていたのです。床下のメカで、自動的に動くんですね。今まで仙台に来た他の演目は、多少しょぼいところはあっても基本的には東京と同じものを使ったセットが用意されていました。しかし、こればっかりは、同じものを使うのはこの県民会館では絶対無理だ、と思われるものでした。逆に、このホールで東京と同じものを見せてくれたら、「劇団四季」の情熱を褒めてやりたいな、という思いでいたのです。
 なにはともあれ、実際に行ってみなければ。と、ホールに足を運ぶ私でした。テレビではスポットCMもやってますしね。客席からステージを見ると、海の模様の緞帳が降りています。隣に座ったデブのおばちゃんが、一緒に来た人と「緞帳、新しく変わったんだっちゃね。前は、ほれ、松島なんかのだったっちゃ」などと話しています。いや、あのホール付属の緞帳は、確かに「ウェストサイドストーリー」のオープニングでそのまま使っていましたが、とんでもない違和感があったものでしたね。というか、こんなのがあるんだったら、「ウェストサイド」の時もちゃんとしたニューヨークが感じられるものを持ってきてくれればよかったのに。その両脇にはPAのスピーカーがセットされていますが、この間来た達郎の時に比べたら、3分の1ぐらいの大きさしかありません。音が出てみると、確かにその音圧は達郎のあの圧倒的な音に比べたらやはり3分の1ぐらいしかありませんでしたね。もちろん、こちらはカラオケですが、それでABBAの曲では、なんとももの足りません。ただ、ヴォーカルが入ってくると、それがごく自然な音だったので、それとのバランスでこのぐらいの設定だったのでしょうか。確かに、達郎の時はヴォーカルはうるさすぎ、それ以上にサックスが、耳をふさぎたくなるような乱暴な音でしたがね。
 そして、問題のセットですが、なんと、人が出てきて動かしていましたよ。なんと情けない。しかも、「海」版では床の中にもライトが仕込んであって、さまざまな光を楽しませてくれていたのですが、もちろんこちらではそんなことなど出来るはずなどありません。極めつけは、最後に主人公が旅立つシーン。確かスモークの中を、一段高くなった道の中を歩いていくはずだったものが、普通に床の上を歩いて行くのですからね。「マンマ・ミーア」と言えば、あのセットが売り物なのですから、それがこんなお粗末なものではほとんど「詐欺」ではないでしょうか。それでもお客さんは、前の公演地で配られた光の棒をかざしながら大きな声援を送っているのですから、かわいそうになってしまいます。
aventure number : 1600 date : 2010/10/14

10/10/16-11/22