1401(09/9/17)-1420(10/25)

今日の禁断 明瞭

 このサイトを作り始めたときから、なにも指定しない時に表示されるゴシック体は大嫌いでしたから、もっぱらHG丸ゴシックM-PROを使っていました。これはもちろん「かいほうげん」で使っているのと同じフォントですよね。ところが、この前JAOの原稿が届いたときに、一人「メイリオ」というフォントを使っている人がいたのですよ。初めて知るフォントでしたが、それはなかなか素敵なフォントでした。全角と半角が混ざっている文章でも、どちらもきれいに見えるのですね。私は今まで丸ゴシックの半角はちょっとみっともないので、わざわざVerdanaにしていたのですが、これだったらそんな必要もありません。でも、これは基本は角ゴシックなので、そこがちょっと、ですが。
 しかし、よく調べてみると、これはWindowsのVISTAから新しく加わったフォントだそうで、確かにVISTAで使っているフォントはきれいだったことを思い出しました。「クリアタイプ」という新しい方式のフォントなので、ウェブで使うと小さな字でもきれいに見えると言うことですね。そこで、まず「禁断」をこのフォントに変えてみることにしました。今のデザインにしたときに丸ゴシックも試したのですが、ここで使いたかった大きさにすると、このフォントはとたんに汚くなってしまったので、いくらかマシの普通のゴシックにしてありました。これをメイリオに変えたら、まさに画面が一変しました。これでこその読むための文字、これに比べたら、今までのものはとても「文字」とは言えないほどの、ただの点の集まりにしか見えません。
 それに味を占めて、ブログのフォントも変えてみようと思いました。と言っても、普通のブログは「スキン」というあてがいぶちのデザインを、何種類かの中から選ぶだけ、フォントまでを指定することは出来ません。しかし、ある程度なら自分で修正することも可能、そのためには「HTMLとCSSの専門的な知識が必要」なのだそうですが、そんなこと、私にはたやすいことです。ついでにスキンそのものももっと使いやすそうな最新のものに変えてみました。旧フォントと新フォントの違いは、こんな感じ、もちろん下がメイリオです。



 これが、今回の「100万ヒット達成記念事業」の一つです。といっても、その他に何かやるかどうかは、全く未定なのですが。
 ただ、問題は、メイリオはVISTA以降にしか用意されていないフォントなので、いくらこちらできれいに直しても、XP以前のユーザーにはそれが見えない、ということです。しかし、ご安心下さい、正規のXPであれば、簡単にインストールできますよ。それは、CLASSICAさんに教わりました。さっきのフォントの違いの画像も、実はそのパクリなのですが。
aventure number : 1401 date : 2009/9/17


今日の禁断 エロイカ

 ブログ版の「おやぢの部屋2」を、もしこまめにチェックしている人がいるとすれば、その人は刻々その画面が変わっていくので、戸惑っていることでしょうね(いや、実際にそんな人はいるはずはないのですが)。最初はただフォントだけを変えてみようということで、スキンは同じものを使っていました。ただ、ソースコードをいじることによって色々なことが変えられることを実感してみると、今まで不都合に感じていたことも直せないか、と思ってしまいます。一番のネックは、本文の幅でした。今までのスキンは幅が550px、これだと、ものによってはCDの演奏家の名前などが足らなくなって、変なところに改行が付いてしまいます。ですから、これをせめて600pxにしたいと思ったのです。でも、それはちょっと面倒だったので、幅が600ある別のスキンを見つけて、それを採用です(実は、その前にももう一つ候補があったのですが、それはなぜか<B>タグや<BLOCKQUOTE>タグがきかなかったため、不採用になりました)。
 そのスキンは、大きさといいデザインといい、ほとんど理想的なもののように思えました。ところが、なんせお仕着せですから、それと全く同じものを使っている人はいるわけです。フォントだけは違いますがね。それが、実はちょっと以前に訳ありだったブログだったりしますから、そうなるともう一時も同じものを使っているのは苦痛に感じられてしまいます。それからが、私の「スキンいじり」(なんかヒワイ)の日々が始まるのです。まず、一番目立つヘッダーの画像を、自分で作ったものに入れ替えます。今あるのは最終的に落ち着いたものですが、ここに来るまでには何度画像を送り直したことでしょう。いや、実は今のものもほんのちょっとしたところが気になっていますから、そのうちまた変わらないとは限りませんよ。ただ、何回もやっていると手順に慣れてきますから、こんな画像の入れ替えなど、すぐ出来るようになってしまいます。
 その次に色々変えてみたのが、文字の色です。なんとか、サイトの「おやぢ」と同じ体裁をそのまま表示しようとしても、ブログではタイトルにリンクが入っているのでそれだけ別に設定しなければならないのだ、ということに気づくまでに、けっこう時間がかかりましたしね。
 こうして出来上がったオリジナルのスキン、こちらのものと比べてみて下さい。ほとんど原形をとどめないほどに変わってしまっていますよね。とにかく、フォントが変わっているだけでも(とは言っても、Vistaと、メイリオをインストールしたXPでしか、その違いは分かりませんが)なんという違いでしょう。
 でも、不思議なことに、こんなにきれいなフォントなのに、それを採用しているサイトやブログはほとんどありません。私の守備範囲の何十というブログをくまなくチェックしても、CLASSICAさんと、もう一つこんなところしか見つかりませんでした。
 一度このフォントに慣れてしまうと、デフォールトのゴシック体がとても情けないものに見えてしまいます。でも、そんなことにはあまり頓着しない人の方が圧倒的に多いのかもしれませんね。もしかしたら、こんなことに喜んで大はしゃぎしているのは、とても恥ずかしいことなのかもしれません。ちなみに、「どんぶり勘定」さんはOSがWin2000なので、ご自分ではそのきれいさが分からないんですって。
aventure number : 1402 date : 2009/9/19


今日の禁断 斉太郎節

 きのうと今日は、合唱団の合宿でした。もちろん、コンクールの東北大会へ向けての強化練習です。あいにく私としてはお彼岸の真っ最中ということもあって、フルコースの合宿、つまりお泊まりはちょっと無理、日帰りにしてもらって特に自販機関係のメンテを行います。一晩留守にすると、この期間は確実に空になってしまうカラムが出てしまいますから、みすみすお客さんを逃してしまうことになってしまいますからね。
 会場は、七ヶ浜町にある生涯教育センターとかいうところでした。メンバーはずっとここと使っているそうで、お馴染みさんなのですが、私はもちろん行ったことはありませんから、ネットで前もって場所を確認です。初めての道ですが、目印も分かりやすくまず迷うことはなさそうです。ただ、きのうはまず同じ時期にやはり東北大会へ向けて熱い練習を繰り広げている愚妻の合唱団の合宿場へ愚妻と、プラスお仲間を2人朝早く送っていかなければなりませんでした。そこは去年と同じ森郷のキャンプ場、対向車が来るとすれ違えないほど細い山道を通らなければならないような地の果てです。実は、私の合唱団とここを掛け持ちしているメンバーも数人いて、そこにたどり着いたらたまたまその人に「あっちは少し遅れます」とか言われたりして。
 帰ってから一旦職場によって、いよいよ七ヶ浜へ向かいます。最近行った仙台港のあたりで産業道路に入ると、広々とした道路はガラガラ、全く迷うことなく30分前には会場に着いてしまいました。

 小高い丘の上のかなり広い敷地には、その「生涯学習」の他に、なんとサッカーのスタジアムなどのスポーツ施設などもてんこ盛り、なんでも、町内に東北電力の発電所があるので、そこからの税金が使い切れないほど入ってくるのだとか。窓からは海が一望の下(フェリーが見えますか?)手前にはアスレチック風の公園が広がっています。

 合宿といえば、「コール青葉」で行っていたものがありましたが、あちらがとてもこなしきれないほどの曲を練習するのに、こちらはコンクールの課題曲と自由曲だけですから、思い切り集中して濃密な練習となります。きのうは、この間のI先生とは別のI'先生にご指導を仰ぎます。同じようなお名前でも、その練習ぶりは対照的、あちらは「ひらめき」を大切にしていたようですが、こちらは緻密なアナリーゼで知的に迫ります。そんなタイプの異なる先生たちのご指導を受けられるのも、この合唱団の魅力の一つです。
 県大会では、私はいかにも練習不足という状態で参加していましたから、今回はきちんと積極的に演奏に寄与出来るようになりたい、というのがテーマです。そのためには暗譜は欠かせません。ですから、合宿の間は努めて楽譜を離すようにして暗譜のためのシミュレーションです。その甲斐あって、今日あたりはどうやら本番で楽譜を離しても大丈夫なのではないか、というぐらいのところまでこぎ着けました。
 練習時間があと1時間となったとき、指揮者が「これからお客さんが来ます」と言って、椅子を並べて客席を作り、本番通りに並ばされました。本当に10人ほどの「お客さん」が来て、そこでミニコンサートです。もちろん、私は全曲暗譜で歌ってみました。終わったらやんやの拍手、なんと、その人たちはきれいに剥いた梨をお土産に持ってきてくれましたよ。
 なかなか楽しい合宿でした。来週のコンクールの本番は、のびのび歌って来れそうです。
aventure number : 1403 date : 2009/9/21


今日の禁断 ケーキ

 末廣さんが出演した「題名のない音楽会」は、掲示板で御案内したようにこの前の日曜日に放送されました。オープニングでまずオーケストラ(東京交響楽団)が演奏したときに、正面のカメラでアップになって、しっかりご紹介です。

 番組はというと、最近のこの番組の凋落ぶりを象徴するような、中身の薄いものでした。常連の青島某という作曲家が、シェフの扮装をして愚にも付かないギャグを飛ばして笑いをとろうとしているのにはいつもながら腹が立ちます。クイズ形式でオーケストラについての「雑学」を解答させるというもの、回答者のうちテレ朝のアナウンサーはまだ許せますが、山崎なんたらという活弁家のキンキン声は耐えられません。○か×の二択問題、「コントラバスは、チェロを大きくしたものだ」などという、いつもながらの引っかけ問題は陳腐の極み。「トランペットのミュートは、日本のお笑いが最初に使った」などというミエミエの問題に2人とも○を出していたのは、明らかなウケ狙いでしょう。
 まあ、別に番組がくだらなくても、全国放送で末廣さんの姿が見られるのですから、いいんです。ほんと、末廣さんの指揮姿はかっこいいですよね。でも、これが収録されたのは4月だとか、どうりでみんな夏服姿です。

 DVDからキャプチャーして、こんな写真をたくさん保存してあります。次号の「かいほうげん」では、これを使って「禁断の袋とじ」でも作ってみましょうかね(本気にしないで下さいね)。
 まあ、末廣さんに関しては演奏会のたびごとに写真を撮りまくっていましたから、なかなか貴重な年代物もたくさん残っています。実は、今度の定期演奏会は第50回という記念にあたっているので、プログラムもそれにちなんだ特集を組むことで話が進んでいます。一番の目玉は、末廣さんによる書き下ろし原稿でしょうが、それに合わせてそんな昔の写真をまとめておいてくれ、と、今日の練習の時に編集担当の人に頼まれてしまいました。昔の「かいほうげん」は、生写真を貼り付けてそのままコピーしていましたから、バックナンバーの原紙をひっくり返せばそんな写真はすぐに見つかることでしょう。
 そう、今日はまだ連休が終わっていないというのに、ニューフィルではしっかり練習があったのですよ。さすがに本来の火曜日は連休の真っ最中なので無理、本当はそんな時には木曜日にやるのですが、こんな連休なので、その日は休館日になってしまい、今週練習をやろうとすると今日しかなかった、ということなのです。誰も来るはずはないと、これが決まったときには言っていた人がいましたが、管楽器はほとんど欠席者はいませんでしたよ。普段はしっかり時間通り来ている人が、大幅に遅刻していたのは、多分今日が練習日だったことを忘れていたのでしょう。いや、私も正直実感が湧きませんでしたから。
 弦だって、コントラバスはなんと6人、すごいものです。
aventure number : 1404 date : 2009/9/23


今日の禁断 兵馬俑


 安野光雅さんの「旅の絵本」が最初に出版されたのは1977年のことでした。「ふしぎなえ」で絵本作家としてデビューした安野さんの、それは一つのエポック・メイキングとしての作品であったことは、デビュー以来のほとんど全ての絵本を目にしていた私には明らかに思えました。エッシャーの「不思議な絵(「だまし絵」という言葉を使うのは、美術史的には正しくないのだそうです)」の持つ二次元の錯覚の世界を絵本の中に導入した見事な作品群(中でも、「あいうえおの本」はその最高峰です)の、ある種昇華された形で、それは目の前にあらわれたのです。ヨーロッパの風景の中を旅する一人の男という設定の中で、安野さんはそれまで絵本の中で開拓してきたさまざまな技法を、さりげなく描き上げていました。その中に隠してあるそんな「秘密」を解き明かすことは、まさに読者にとっての知的な冒険に他なりませんでした。
 先日、町田市で開催された展覧会にたまたま行ったときに、この絵本がなんと小学校の教科書にも取り上げられていることを、初めて知らされました。もっとも、その教科書の現物を見てみると、「このページの中で、誰がなにをしているのか調べてみよう」みたいな、なんとも的外れな設問があったのにはがっかりしてしまいましたがね。安野さんは、そんなつもりでこの絵本を作ったはずはないのに。
 そんな、本質を見ようとしないファンの存在も取り込みつつ、このシリーズはどんどん新しい場所を開拓して、いつの間にか6巻まで刊行されていました。その間も、安野さんのコンセプトは健在で、前作のデンマーク編では、全てのページにアンデルセンの童話にちなんだものが散りばめられている、といった贅沢なものでした。
 それから5年経って、ついに新しい「旅の絵本VII」が出ました。これは、今までのものとはあらゆる面で大きな違いが見られます。まず、本としての「開き方」が違います。今までのものは「左に」開くタイプ、物語は紙面の左から右へ向かって進むという「横書き」の世界でしたが、今回はその逆、「右に」開く縦書きの世界となっています。それは、もちろん今回の場所が縦書きの文化圏、中国であることの反映です。「旅の絵本」史上初めての、右から左へと進む物語、これは新鮮です。
 さらに、ここでは今まで見せてきた「不思議な絵」の世界はほとんど影を潜めています。その代わり取り入れられているのが、安野さんがこの絵本を作る際にお手本にしたという、古代中国の画家による「清明上河図」という絵巻物の「模写」です。そのために安野さんはわざわざ篆刻印を作って、その部分に押しています。その印がなければ分からないほど、その絵巻物と安野さんの世界は見事に溶け合っています。
 ここで安野さんが描き出した中国の旅、そこには確かに今までの作品の中にもふんだんに取り入れられていた安野さん独特のユーモラスな光景は健在です。しかし、最後の黄土に木を植えるというシーンにつながるなにか重々しい描写の中には、明らかに今までとは異なる世界観のようなものが見え隠れしているはずです。それは、安野さんご自身の心境の変化のあらわれなのかもしれませんね。安野さんは、ここで更なるエポックを打ち立てたのです。
 安野さんが「旅の絵本」の日本編を作るときには、どんなものが出来るのか、本当に楽しみです。
aventure number : 1405 date : 2009/9/25


今日の禁断 モロコシ

 きのうと今日、一泊で秋田に行ってきました。秋田なんて、学生時代に合唱団の演奏旅行でいったきり、もちろんその頃は新幹線なんてありませんから、ずいぶん遠くまで行ってきたような記憶があります。ですから、その初めての「秋田新幹線」に乗るのが、一つの楽しみでした。いや、厳密には「東京までの秋田新幹線」には、何度も乗っています。つまり、「東北新幹線」と呼ばれている「はやて」の後ろには、いつでも6両ほどの「秋田新幹線」がくっついていて、「はやて」が満席の時にはこの「こまち」に乗って東京まで行くことも良くあったのです。しかし、今回は「秋田までの秋田新幹線」という、文字通り初体験となります。ちょっと興奮しますね。
 仙台から盛岡までの車窓からは、よくこのあたりを車で走っていたときに見えた景色が反対の立場で見えていました。そして、いよいよそこから東北新幹線に別れを告げて、秋田方面の線路となります。話には聞いていましたが、これは「ミニ新幹線」という中途半端なタイプのもので、盛岡までは正規の新幹線のスペックなのですが、そこから先はなんと在来線と同じものになってしまうのですよ。ですから、まわりの景色はぐっと近くに寄ってきて、刈り取りが始まっている田んぼなどは、すぐ目の前に迫ってきます。しかも、この線路はそれこそ昔秋田に行ったときに乗った田沢湖線そのものですから、単線、途中で車両のすれ違いのために乗り降りのない駅で停車する、などという、およそ「新幹線」とは思えないようなローカルなたたずまいです。
 このけったいな新幹線のとどめは、秋田の一つ前、大曲駅を出るときでした。なんと、そこからは車両全体が後ろ向きに走り出したのですよ。まるで、この間東京で乗った東急世田谷線のようなものですね。いや、これは6両全体の座席が全て後ろを向いているのですから、なんとも異様です。車内の表示では、「座席を回転させても結構です」などと出ていますが、そんなことをしたら後ろにいた見知らぬ人と「ご対面」しなければなりませんしね。この指示は、全ての人が回転させることが前提になっているのでしょう。
 ですから、逆に秋田から来るときには座席がどちらを向いているのかが気になるところですが、さっき乗ってきたその最終の「こまち」では、なんのためらいもなく後ろ向きで秋田を出発、大曲で晴れて前向きに直る、という当たり前の方式、「座席が進行方向の逆を向いてます」とは言っていたものの、決して「座席をお回し下さい」という案内はありませんでした。
 秋田の目的地は、こんなお堀端にある秋田県民会館でした。


 実は、大昔に秋田に来たときにも、この同じホールでコンサートを行っていました。それは当時でもかなり古ぼけたホールだったような気がしていたのですが、今回中に入ってみてびっくり。椅子や内装がいつの間にか大幅にリニューアルされていたのですね。ただ、この壁に貼ってある壁紙が少し浮いて隙間が出来ているあたりが、ちょっとかわいそう。ステージの裏側などは、確かにものすごい歴史を感じられるものでしたし。

 そう、今回も、このホールのステージに立って歌ってきたのですよ。合唱コンクールの東北大会、というやつですね。県大会とは違って、しっかり全曲暗譜、楽譜も持たないで歌ってみました。私的には格段のグレードアップでしたが、やはり県大会とはレベルが違ったのでしょう、かろうじて銀賞の末席を汚した、という、まあ穏当な結末でした。
aventure number : 1406 date : 2009/9/27


今日の禁断 なまはげ

 前回の秋田の話は、新幹線のことだけで終わってしまいましたね。せっかく行ってきたのですから、もう少し細かいレポートを。
 後ろ向きに到着した秋田駅は、なんだかとてもおしゃれな建物になっていました。改札を出てすぐのところに立っていたのが、この竿灯です。まさに秋田の象徴ですね。もう少し先には、なんと「生あきたこまち」があの扮装で立っていて、チラシかなんかを配っていましたよ。

 同じ新幹線で、同じ合唱団の同じパートの人だけが、なんと4人も乗っていたことがその時点で判明、土地勘のありそうな人を先頭にホテルまで歩きます。会場のある千秋公園の前を通ってしばらく行くと、とても道幅の広い通りに出ました。ここがよくテレビに出てくる竿灯の会場なのですね。なんだか、そんな夏祭りのためだけに作ったのではないか、と思えるほど、走っている車が少なかったのが、いかにも秋田。途中で、その日の練習会場が見える、と、その土地勘さんが言うので広〜い道路の反対側を見てみたのですが、そんな「なんとかセンター」みたいな建物は見当たりません。いや、確かにそこにあることはあったのですが、近くに行かなければ分からないような、個人住宅のようなところでした。

 次の日は、午前中はなんの予定もなかったので、コンクールでも見に行こうと、とりあえず県民会館までは歩いて、着替え場所で黒服に着替え、大学の部を聴きます。それが終わって外に出ると、他に2人ほど仲間がやはり出てきたので、3人でタクシーに乗って、その日の練習会場へ向かいます。いくらなんでも歩いては行けないところなので、相乗り、ちょうど3人で割り切れる990円で着きました。

 そこは、○価学会のなんとか会館というところ、前の日とは比べものにならないほど豪華な会場です。畳敷きにグランドピアノ、というのがすごいですね。
 練習が終わるとさっきとは逆のコース、渉外係の人がしっかりタクシーを呼んでくれていたので、今度は4人ずつの相乗りです。さっき乗ったのと同じ人と乗ったら、その人は「さっき来るときは990円で来たよ」などと言っています。運転手さんはそのプレッシャーに負けて、本当はもっとかかったのに、990円でメーターを止めてくれましたよ。秋田市内は一方通行が多い関係で、必ずしも往復同じ運賃にはならないのですね。
 本番まではかなり時間があったので、まわりを散策、すぐ向かいにあったユニークな屋根の形をした建物は美術館。これは確かに記憶にありました。その前には、ちょっとキモい藤田嗣治の胸像がありましたね。


 本番では、県大会と同じく、2人のコンパニオンが付きます。

 演奏も終わり、写真撮影、ホールの横手に写真屋さんが控えていて、終わるなりひな壇に立たされます。

 この人は全体ではなく部分的に撮っていたカメラマン。

 それからすぐ着替えて、これから演奏する団体を聴こうと思ったら、あとは宮城県勢が2つだけでした。

 最後のチームがこちら、うちの団とのかけもちがたくさんいるところで、去年は惜しくも全国大会進出を逃したのですが、こんなかっこいい演奏を聴かせても(県大会よりはるかにこなれて素晴らしい演奏でした)やはり上位3団体の中に入ることは出来ませんでした。これは2階席から撮ったのですが、すぐ脇に審査員の○川達夫さんの銀髪がありましたっけ。こういう方には、この合唱団の良さは理解できないのかも。
 ここに出ていた愚妻を待って、駅に着いたらもう発車間近、夕食の駅弁を買おうと思ったら全て売り切れでした。仕方がないので車内販売に期待。ところが、回ってきたカートにはサンドイッチしかありません。なんでも、すでにデッキにいるうちに弁当は売り切れてしまったのだとか。コンクールに出た人が、みんな買っていったのでしょうね。残念、サンドイッチで我慢です。もっと時間があれば駅ビルで比内鶏の親子丼でも食べたかったのですが、あきらめましょう。きっとタマネギが入ってなかったでしょうし。
aventure number : 1407 date : 2009/9/29


今日の禁断 タキシード

 いよいよ10月に突入、秋本番ですね。同時に、定期演奏会まであと1ヶ月を切った、ということにもなります。弦楽器の人、頑張って下さいね。
 当日配布されるプログラムも、着々と準備が進んでいるようです。「ようです」というのは、私は基本的にはプログラム作成には関わらないことになっているからです。編集から印刷まで、全て他のスタッフが担当しています。「かいほうげん」を作っているから、プログラムも作るのでは、と考えるのは正しいことではありません。
 もちろん、一団員として原稿を提供する、といったような仕事は頼まれることもあります。「曲目解説、誰も引き受けてくれなかったので、なんとか書いてもらえないすか?」というようなパターンですね。
 このスタッフ、基本的に決まったフォーマットを大きく踏み外すようなことはしないのですが(広告も最小限、合唱団などにありがちな半分以上が広告のページといったようなみっともないことはやりません)、今回はなんと言っても「50回」という記念の演奏会ですので、「4ページ増」という大盤振る舞いを用意したようです。そのコンテンツは、もちろん「今までの演奏会の歩み」みたいなものになるのは当然の流れでしょう。そうなってくると、そんなデータに関してはすべて揃っていると思われている私のところに、そんなページを作るように依頼が舞い込むことになります。「今までの全部の演奏会を、2ページ分にまとめてけさいん」って。いやあ、「50回」と言っていますが、実は定期以外にも冠コンサートが何回か入っていますから、それを加えて、曲目まで網羅したデータを揃えたら、とてもA4の2ページなんかには収まりきるはずはありません。でも、フォントを思い切り小さくしたり、曲のタイトルを出来るだけ切りつめたりと細かいワザを駆使した結果、それはなんとか2ページきっかりに収めることができました。
 しかし、頼まれたのはそれだけではありません。あと2ページのために、なんと、末廣さんに、このプログラムのための原稿を依頼したというのですよ。そして、それにふさわしいような末廣さんの昔の写真を揃えてくれ、と言われたことは1404で書きましたよね。それも、そんなことを出来るのは私しかいませんから、生写真からデジカメデータまでひっくり返して、適当なものを探してみます。14枚ぐらいは送ったでしょうか。どんな原稿が来るのか分かりませんが、これだけあれば2ページぐらい簡単に埋められるでしょう。
 そんなに簡単に来るわけがないと思っていたのに、末廣さんの原稿はすぐ届きました。しかも2種類も。だいぶ前に別の記念に、と頼んだときに来たのがこれだったので、そんな感じかな、と思っていた予想に反して、意外とマジメな内容だったのにはちょっと驚きましたが。でも、これは団員にとってはぜひ演奏会の前に読んでおきたいものでしょう。多分、次の指揮者練習の時に発行できるはずの新しい「かいほうげん」に転載出来ると思いますので、楽しみにしていて下さい。
 末廣さんと言えば、ネットでこんなフィギュアを見つけました。
aventure number : 1408 date : 2009/10/1


今日の禁断 かぶりつき

 今年の「せんくら」は、なぜか平日のきのうからの3日間という日程です。いつもはもう1週間あとの3連休にやっていたのに、なぜ?という感じですが、おそらくその時期には「よさこい」という全国から暴走族が集まるお祭りがあるので、とてもそんなときにお上品なクラシックのコンサートなんて、あぶなくてやっていられないわ、ということだったのでしょうね(本当か?)。
 年々内容が薄くなっていく「せんくら」、年を追うごとに足を運ぶコンサートは少なくなっていって、ついに今年は行きたいと思ったのは原田節さんのオンド・マルトノのコンサートだけしかなくなってしまいました。それが、きのうメディア・テークで行われました。
 この会場でコンサートといえば、定禅寺通りジャズフェスティバルでのオープンステージしか知りませんでしたから、そんな、まわりに無関係な人たちがうようよいるような場所で、この繊細な楽器を聴かなければならないとは、と思っていたのですが、行ってみるとそこは天井までしっかり隔壁が立てられていて、完全に密閉した空間になっていましたよ。こんなことが出来るなんて、初めて知りました。そこで、初めて実物を目にしたオンド・マルトノです。

 まさか、とは思ったのですが、まだお客さんもほとんど入っていないうちにステージの前に行ってこの写真を撮ったところ、係員が「会場内での写真は禁止されております!」と、まるで今撮ったメモリーを消去しろ、みたいな剣幕で迫ってきましたよ。なにをバカなことを言っているのでしょうか。去年だってつのだ☆ひろ、ではなくつのだたかしのコンサートでは、始まる前には珍しい楽器を写真に撮っている人がたくさんいたというのに。演奏中ならいざ知らず、ただ置いてある楽器を撮っただけで悪者呼ばわりをするのは、なにか、コンサートというものを根本的にはき違えているとしか思えません。
 そんなお粗末な光景は、もう一つありました。私のすぐ後ろの席にすでにおばちゃんが座っているところへ、さっきの係員が「ちょっと座席番号を確認させて下さい」とやってきました。確かに同じ席のチケットを持った人が来てたのですが、よく見るとそれは別のコンサートのチケットだったのですよ。これはまず、モギリでなんの確認もしなかったのと、その係員がまずチケットを確認しなかったという、二重のお粗末さです。
 そんな嫌な思いをさせられたにもかかわらず、そのおばちゃんたち(団体)は元気よくおしゃべりをしていました。どうやら、この楽器のことは完璧に知らない人たちのようでした。「おんどまるとのって、なんだべねえ」とか「どんな音がすんのっしゃ」という話が聞こえてきます。すると、そのとなりに座っていた男(赤の他人)が、やおらおばちゃんたちに向かって話しかけてきました。「あれは、鍵盤は付いているけど、それは使わないで、アンテナのようなものに手を近づけたり離したりして音を出す楽器なのですよ」・・・あのねえ、それはテルミンのことじゃないですか。なにも知らないと思って、おばちゃんたちにいい加減なことを教えないで下さいよ。こういう人、よくいますよね(確かに、オンド・マルトノのプロトタイプはテルミンのコピーでしたから、あながち嘘ではないのですが、ここにある楽器とそれは全く別物です)。
 そんな場違いな人たちの前に現れた原田さんは、ペインティングされたデニムのジャケットという奇抜なファッション、いいですねぇ(これはサイン会での写真)。

 まずミヨーやメシアンのオリジナル曲を演奏する間に、軽いトークで、楽器のことなどをおしゃべりしてくれます。おおよそのことは知っていたのですが、特にスピーカーに関する話はとても面白いものでした。共鳴弦が張ってあったり、なんと銅鑼に共鳴させて金属音(まるで、スチール・ドラムみたいな音でした)を出すスピーカーだったり、確かにこれは現代の電子楽器とは全くコンセプトの異なる、アコースティックな楽器であることがよく分かります。面白いのは、仙台と原田さんとのつながり。あの「独眼竜政宗」のテーマ曲の中でオンド・マルトノを弾いていたのは原田さん、初めて仙台に来た原田さんは、その縁を確かめるために、しっかり松島や瑞鳳殿にまで行ってきたそうなのです。
 最後に原田さん自身の作品が演奏されました。この楽器の一つの属性である「リラクゼーション」に焦点をあてた、ほとんど自然音の模倣(それは、その前に演奏されたメシアンの曲に頻繁に現れた鳥の声の模倣にも通じるものなのでしょう)による音楽は、この楽器の今まで知らなかった側面を感じさせてくれました。櫻澤弘子さんのピアノも、とても素敵でした。
 平日とあって、お客さんはまばらでしたが、仙台で生のオンド・マルトノが初めて音を出した瞬間に立ち会えた興奮は、今も残っています。
 終わったら、お客さんはステージに殺到して、携帯でバシャバシャ写真を撮っていましたよ。さっきの係員には、もはやそれを制止する力はありません。
aventure number : 1409 date : 2009/10/3


今日の禁断 マンゴー

 新しく入った合唱団は、コンクールが終わったら次のサイクルへ入るようになっているみたいです。つまり、今まではコンクールと、その前の定期演奏会へ向けてずっと練習してきたところで、一区切り。それから先のことは全くなにも決まっていないようなのです。ですから、この時点で新たに次の演奏会の企画や、なにを演奏するのか、そして1年先のコンクールではなにを歌うのか、などといったことを決めていくようなのですね。それを決めるために、きのうは練習はやらないで「反省会」ということで、話し合いがもたれました。
 いつも練習しているところへ行ってみると、なにやら机をみんなが向かい合って座るようにセットして、その上には飲み物やお菓子などがたくさん並べてありましたよ。話し合いの間に飲んだり食べたり出来るような配慮なのでしょうね。これを見て、ずいぶん前に同じような光景をニューフィルで見ていたことを思い出しました。そう、私が入った頃は、ニューフィルでも定期演奏会の後の「懇談会」では、こんな風にお茶やお菓子を用意していたものでした。それがいつ頃からか、今のように練習の時と同じ椅子の並び方で、指揮者の位置に司会者が座って味気ない「話し合い」というよりは、単なる「感想を述べ合う会」になってしまっていたのですね。もちろん、飲み物などが用意されることもありません。
 まあ、そんなことなどうでもいいのですが、こちらの合唱団では、予想通り出席者全員に意見を述べさせる、という形式がとられていましたよ。なぜ予想通りかというと、この前1ステージだけ出演した定期演奏会が終わってからの打ち上げでは、なんと全員にマイクが回ってきて、それぞれが漏れなく感想を述べる、ということが行われていたからです。この合唱団は、こういうことが好きなんだな、と、その時思いました。もっとも、最後の方になってくると座は乱れてきて誰も聞いている人はいない、という寂しい状態にはなりますが。ですから、私も今回は喋らされることを前提に、前もってMCを考えておきましたよ。それは主にコンクールにたいする批判になるはずでした。ご存じのように、私はコンクールに対してはかなり懐疑的、今回もいわば実地にそれを体験してみてから堂々と批判しようというスタンスで参加していますからね。
 座った位置の関係で、私が話すのは半分よりあとぐらいのところでした。しかし、その前の人たちは本当によく喋ります。それは、やはり合唱が好きでたまらないというのがとてもよく分かるものでした。そんな中で、私同様コンクールを批判する人もあり、逆にコンクールが大好き、という立場から熱い思いを語る人もあり、それはなかなか興味深いものでした。さらに、私が入ってから2ヶ月間の間に疑問に感じたことなども、ほとんどの人から指摘されていましたし、それに対しての役員さん(かな)の受け答えも、十分に納得のいくものでした。本当はちゃんとやりたかったが、なかなかうまくいかなかったという、当初は高い志があったことがきちんと伝わってきます。
 ですから、私の番になったときには、もはや批判も反論も必要のない状態になってしまっていたので、自分でも予想していなかったようなごく穏やかな内容の話になっていました。うん、この合唱団だったら、気兼ねなく伸び伸びとやっていける、そんな気がマジでしてきましたよ。
 つまり、それはニューフィルが「気兼ねなく伸び伸び」というところからは、いつの間にかずいぶん遠いところへ来てしまっているな、と、最近とみに感じるようになっていたせいなのでしょうか。懇談会で机を囲んでお菓子をつまみながら気軽に話をしていた時代が、ちょっと懐かしく思えてしまいます。
aventure number : 1410 date : 2009/10/5


今日の禁断 ベーレンライター

 きのうは木管のパート練習。時間になってもトップが来ていないパートがあったので、揃うまではもう一つの曲、モーツァルトをやる人が別の部屋で練習することになりました。この曲にはフルートとクラリネットがないので、その人たちはその間各自練習です。実は、練習が始まる前に、演奏会のプログラムの印刷担当のKさんが、わざわざゲラを置きに来てくれました。この前写真やら資料を送ったばかりなのに、もう出来上がったのですね。ですから、私はその時間には校正に精を出します。私の担当の4ページは、見事に埋まっていました。写真も14枚のうち13枚を使っていましたし。その写真を、演奏会の記録の間に挟み込む、というのが、Kさんのレイアウトでした。写真を送るときにはそれは想定していなかったので、コメントは「第○回定期の時の末廣さん」みたいな書き方をして送ってあったのですが、こうなれば少し書き直さなければ行けませんね。
 そんなことをやっているうちに時間は過ぎ、最後の30分ぐらいでやっと木管が全員揃っての合奏が出来ました。ほんのさわりだけでしたが、たまにはこんなユルい練習も良いものです。
 ところで、ブログ版「おやぢ」のスキンがまた変わりました。一旦決まるかに見えた前のヘッダーのデザインでしたが、やはり長く見ているとだんだん飽きてくるのですね。当初はなかなか素敵に見えたのに、長時間の鑑賞には堪えられなかった、ということですね。というか、あそこでモチーフとして使っていた楽譜(なんだか分かったでしょ?)が、私にとってはあまり意味を持たないものになってしまった、というのが、やはりいやになった最大の理由かもしれません。深くは語りませんが。
 そうなってくると、すぐにも直したくなってしまうところですが、それに変わる素材がなかなか見つからなかったので、取りかかれないでいました。ところが、きのうブルックナーの「おやぢ」をアップした時に、そういえばブルックナーの影絵がどっかにあったな、というのを思い出して、それを使ってみようと思ったのです。ただ、実際に探し出してみると、なんだかイマイチ、もうちょっと「絵」になりそうなのがあったのでは、という気がしていたのですがねぇ。確かに、あの太っちょの横顔なんて、あまり美しくありませんね。しかし、それは、思いがけないところから、まさにぴったりのものが見つかりました。参考にした本の最初に載っていたもので、確かにブルックナーがテーマの影絵ではあったのですが、その他のモチーフの方がうってつけだったのです。今度のは、もう少し長く使えそう。これがその原画です。しかし、なんという壮大な絵なのでしょうね。これは、ブルックナーの秘めた願望のあらわれなのでしょうか。
aventure number : 1411 date : 2009/10/7


今日の禁断 リンデン

 昨日の台風は、全国的に大きな被害を出したようですね。首都圏などでは電車が全部止まってしまったとかで、テレビに映し出された乗客たちは完全にパニくっていましたね。
 こちらの地方でも、午前中は雨やら風はかなり強いものがありました。朝職場に着くと、まず中庭の点検です。だいぶ前のことですが、やはりこのくらいの大雨が降ったときに、池にたまった水が流れる先がなくなって、そのまま床下浸水になってしまったということがありますからね。それに懲りて、その直後にポンプを2箇所に設置、あふれる水をきっちり外に流すような対策が施されていました。しかし、それから7年、ついぞそんな大雨は降ることがなく、そのポンプも使われることがなくなっていたため、いざ使おうと思っても果たしてきちんと動いてくれるかどうか、とても心配です。というより、そのスイッチがどこにあったのか、もうすっかり忘れてしまっていましたし。いや、正確には、そのスイッチがある配電盤の前は、ニューフィルの人にはお馴染みのように、パイプ椅子の置き場になっていますから、急に開けようと思っても、まずその椅子を全部どかさないことには扉が開かないのですよね。
 しかし、いざ作動させてみると、その威力はすごいものでした。あれだけ雨が降っていたというのに、ほんの数時間動かしただけで、危うく池の水が干上がってしまうほど、水がなくなってしまったのですからね。もう、慌ててスイッチを切りましたよ。
 そんな日にはさいわい試合がなかった楽天イーグルス、いよいよこれで勝てば2位が確定する、という試合が今日行われました。その模様が、なんとNHKで生放送されるというのですから、すごいものです。しかも、地デジだと別のチャンネルで試合開始からノーカットで放送ですって。
 試合の方は、林田のヒットで逆転、見事にあと2試合を残して球団史上初の2位が確定しました。その勢いで、クライマックス・シリーズのファースト・ステージもここ仙台で行われることになったわけで、しばらくは楽天フィーバーが続くことでしょう。あと何回、○○決定セールが行われることでしょう。
 そんなセールの会場や、あるいは今日の生中継の球場では、公式応援歌のようなものが頻繁に流れています。全く時代におもねることのない、いったいいつの歌なんだと思えるほどのオーソドックスな「応援歌」ですが、これが良いんですね。頭を空っぽにしてひたすら「応援」に専念出来るような素朴さがたまりません。同じ応援歌でも、時たまラジオで聴く○ズシックの曲は最悪、彼が普段作っている「音楽もどき」と同じように、不快感が募るばかりで、それを聴いている自分が許せなくなるほどの稚拙な曲です。
 ただ、この公式応援歌も、肝心の所で引っかかってしまいます。それは、「楽天イーグルス」という最も重要な呼びかけの部分の譜割りです。「イーグルス」というのは曲がりなりにも英語ですから、音節的には「イー・グルス」となるはず、つまり「イー(四分音符)+グルス(四分音符)」という歌い方がもっともしっくり来るものだ、と、普通の人だったら感じるはずです。しかし、この歌では「イー(付点八分音符)+グ(十六分音符)+ルス(四分音符)」という、なんとも野暮ったい歌い方になっているのですよね。もっと言えば、「らくてん」の「く」は無声音になって欲しいのに、「らくぅてん」という、なんだか大阪人のような気持ち悪い母音が入っていますしね。
 なんにしても、おめでとうございました。
aventure number : 1412 date : 2009/10/9


今日の禁断

 コンクールにも出場するような「普通の」合唱団に入って、しばらくそこの活動に専念しているかに見えましたが、実は、今までの縁で大学の合唱団のOB(いわゆる「コール青葉」とは、微妙に異なる団体です)の方の行事にも参加しなければいけません。それの本番が、実は今日だったのですよ。その大学のお祭りのようなもので、そこで大学の音楽関係のサークルが一堂に会してコンサートを行う、というものです。「音楽」といっても、クラシック関係のオーケストラと合唱団だけですがね。きのうも、そのためのリハーサルが、会場の萩ホールで行われていました。演奏はともかく、全部で200人近くの合唱の並び方や出入りを管理するだけでも大仕事、ステマネ的には本番にならないと分からないようなところが山積でした。
 なんせ「お祭り」ですから、会場は1日中使われています。それで、このコンサートの本番は日曜日だというのに6時から、そのために3時集合というのが、当初の予定でした。しかし、会場の川内というのは車で行くと意外と近くて、このままだと30分も早く着いてしまいそうになってしまいました。そこで、そのすぐそばの、仙台の観光地といえばここしかないという「青葉城址」までちょっとドライブしてみようと思い立ちました。なんせ、萩ホールというのはこのお城の二の丸なのですから、ちょっと行けば昔本丸があったところにいけるはずですからね。
 ところが、隅櫓からくねくね曲がった山道に入ったとたん、車がばったり動かなくなってしまいました。前の方にはあきらめて引き返す車も出てくるほど。さすが、連休中の観光地、すごいものですね。半分ほど上ったところで後ろを見ると、まさに「数珠繋ぎ」です。

 もちろん、お城の中に入るつもりはなく、途中で工学部の方へ抜けてそのまま降りてくるつもりでしたから、渋滞もそんなには気になりません。その道は、間違いなく空いているはずですから、そこを曲がりさえすれば数分で萩ホールへは着けるはずです。しかし、イライラしますね。観光地。
 結局、会場に着いたのは2分ぐらい遅くなっただけで、なんの支障もありませんでした。あとは着替えをして軽いリハーサルのあと、本番です。
 予想されたように、ステマネに関しては色々な情報が飛び交ってちょっと混乱させられるところもありましたが、おおむね予定通りには運んだのでしょうね。でも、なんせ色々な形態で演奏しなければいけませんから、その都度の並び替えが大変、男声合唱のステージでは、ついに出遅れた人がいて、最後までよそのパートの中で一人だけ歌うということになってしまいました。
 それでも、その単独ステージの「月光とピエロ」は、なかなか手応えのあるものでした。昨日同じステージでリハーサルをやったときは、なにか響きが馴染めない感じがあったのですが、お客さんが入ったところでは、なんとも言えない響きに包まれて、気持ちよく歌えました。このホール、もしかしたら人がたくさん入ったときの方が良い響きになるのかもしれませんね。いや、このぐらいだったから良かったのかも。満席だったらまた違っていたのかもしれません。

 でも、このコンサート自体はなんとも「薄い」ものにしか思えませんでした。なんでも来年もこれを開催するのだとか。ちょっとそれは勘弁して欲しいものです。
aventure number : 1413 date : 2009/10/11


今日の禁断 逢い引き

 おとといのコンサート、日曜日なのに6時開演でしたから、終わるのは8時の予定でした。ですから、それに続いて、毎週、普通はまず予定が入ることはないはずの日曜日の夜に練習をやっている私の合唱団に行くつもりでした。川内から片平までは10分足らずで行ってしまいますから、最後の1時間ぐらいは参加できるのでは、という皮算用です。しかし、そんなに都合良く事が運ぶわけもなく、コンサートが終わったのはすでに8時をかなりすぎていました。しかし、それから慌てて着替えをして車に飛び乗り、なんとか終わりの方には滑り込むことが出来ましたよ。
 ぜひ参加したかったのは、その日は選曲のための話し合いがあったからです。コンクールが終わって次の年の活動に入るときの流れを実際に体験しておきたかったのですよ。どんな感じで曲が決まるのか、などですね。前もってアンケートが回っていましたから、まずはそれに各々が希望曲を書き込んでいたものを基礎データにして、さらに候補曲を絞り、最後は出席者による多数決で決める、という方法をとっているようでした。もちろん、私も何曲か希望曲を書いておきました。
 私が着いたときには、そんな候補曲がリストアップされて、それの音源を聴いているところでした。だいたいなんでも揃うぐらいのコレクションを持っている人がいて、その人が用意したCDがその音源です。私もさるマニアックな曲の音源を預けてあったのですが、それは候補曲にはならなかったようですね。でも、他の2曲ぐらいはありました。そのうちの1曲が、多田武彦の「雨」という有名曲。ただし、私が出した希望は「初版で」というものでした。この作曲家、ブルックナーみたいに自作を改訂するのが好きなようで、版によって音が違っているなどということが良くあります。しかし「雨」の場合は、なんと6曲からなる組曲のうちの1曲をまるまる別のものに差し替えてしまったというのですから、すごいものです。ブルックナーの交響曲第4番の第3楽章みたいなものですね。
 ただ、その改訂の経緯がちょっとなんだかなあ、というものでした。最初にあった「十一月にふる雨」という曲は、昔の「寮歌」みたいな趣をたたえた、ちょっとレトロっぽい曲調ですが、なかなかの哀愁を帯びたキャッチーなものです。しかし、歌詞の中の「○人の家もぬれにけり」というフレーズが差別用語になるということで、おそらく自主的にこの曲を抹消、代わりに「雨 雨」という、はっきり言ってつまらない曲に差し替えてしまったのです。そんな理不尽な措置の末に出来上がった新版ではなく、元の初版を歌いたい、というのが私の希望でした。
 その意をくんでか、さっきの音源にもその「十一月〜」がしっかり用意してありました。しかし、いざCDをかけようとすると音がでません。やはりそんないわく付きの曲は公にしてはいけないものなのでしょうか。でも、となりに座っていた大学を出たばかりのよーちゃんは、この曲を口ずさんでいましたよ。楽譜からはなくなっていても、この世代の人たちにまでしっかり歌われているということは、まさに名曲としてしっかり男声合唱人の中に浸透しているのでしょうね。
 選曲は、何度かの挙手による投票を重ねて、最後に2曲に絞られました。そのうちの一曲が「雨」、決選投票の結果、それはたった1票差で「当選」してしまったのです。つまり、私が遅れても参加したから、これに決まったことになりますね。来た甲斐がありました。
 でも、「初版」でやるかどうかは、まだ分かりません。
aventure number : 1414 date : 2009/10/13


今日の禁断 オークション

 BS-hiで放送中の「刑事コロンボ」は、制作順ではなくあとで作られたものの方を先に放送していましたね。画面がワイドのやつ。ですから、その殆どは初めて見るものでした。ただ、コロンボは白髪でよぼよぼになっているし、プロットも凝りすぎていてそれほど面白いものでもありませんでした。やっぱり、昔やっていたものの方が良かったなぁ、早く放送しないかなぁ、とずっと思っていたのですが、やっと最近になってスタンダードサイズの、かつてNHKで放送されていたシリーズが見られるようになりました。ところが、そのシリーズになったとたん、日本語吹き替えのクオリティがとんでもなく下がっていたのにはちょっと驚いてしまいましたよ。とんだところで、昔の吹き替えの技術の低さに気づかされたことになります。なんというか、しゃべっている声に全くリアリティがないのですよね。ただ早口で台本を読んでいるという感じ、それはもちろん初代コロンボ吹き替えの小池朝雄にも言えることで、あの当時「名調子」などと各所で褒めちぎっていたのはなんだったのか、と思ってしまいます。たぶん、あの頃は、他のドラマの吹き替えはもっとひどかったのでしょうね。最近のとても上手になった吹き替えばかり聞いていたからなのでしょう、あの時代の幼稚な吹き替えがとても耳障りです。
 ですから、今私が、外国映画ではまず字幕版しか見ないというのも、この時代のひどい吹き替えがトラウマになっているからだということに、気づきました。確かに、吹き替えしかなかったので仕方なく見た3D版アイマックスの「ポーラー・エクスプレス」(3Dには字幕はつけられないのだそうです)では、そんなに違和感はありませんでしたね。歌はひどかったですが。
 そんなひどい吹き替えにもかかわらず、今回放送された「別れのワイン」は、やはり名作でした。もう何回目になるのか分からないぐらい、今まで再放送を見ていたような気がしますが、その度に無駄のない話の運び方に感心させられます。例えば、最後の方のレストランのシーンで、コロンボが持ち出した犯人のワインを飲んだあとに、犯人はワインが加熱されていると激怒してそのレストランから立ち去ってしまうのですが、その後に残された支配人とソムリエの演技のおかしさは、本筋には全く関係のないものなのですが、余裕のサービスカットのようで、まさに絶品でした。
 今回注目したのは、犯人の秘書の恐ろしさです。この人が自宅でくつろいでいるときの、ブロンドの髪を下ろした姿はとても美しいもの、それが、仕事の時にはガラリと変わって禁欲的なアップにしているのが、まず恐ろしい気がします。そして、犯人に結婚を迫る、あの背筋も凍るような視線。
 そんな見所はとてもたくさんある作品なのですが、何回見てもよく分からないのが、ワイン貯蔵庫のエアコンの仕掛けです。犯人は気絶した弟を殺そうとして、エアコンのスイッチを切ったのでしょうが、そんなもんで果たして人が死んだりするのでしょうか。あのワイン庫の扉は、どう見てもそんな機密性の高いものではありませんし、そもそも、大事なワインのための空調を1週間も切っておくなど、この犯人の信念からいってもあり得ないと思うのですがね。
 そんなインチキなところを含めての、これは私の好きな作品です。「ジュラシック・パーク」だって、そうでしょう?
aventure number : 1415 date : 2009/10/15


今日の禁断 トリンプ

 前から念願だったICレコーダーを、ついに手に入れました。いや、実はだいぶ前から候補機種というのはほぼ決まっていたのですがね。それはソニーのPCM-D50というやつです。実際に「コール青葉」の指揮者が使っていたので聞いてみたら、なかなか音も良いし使いやすい、ということでしたので、これなら良いかな、と思ったのです。なによりも、96kHz/24bitという高スペックが備わっているというのが最大の魅力です。実は、これは同じソニーのPCM-D1という機種の後継機、それは20万円台だったものが、このD50では同じスペックで5万円台になったというのですから、これはもう買うしかない、と思っていました。しかし、ネックはその大きさ。こういうハイレゾリューションPCM対応の機種は、どのメーカーでもちょっと大きめで、ポケットに入れて持ち歩くにはちょっと辛いな、という感じなのです。ただ、同じ高音質録音の用途のものでケンウッドのMDR-A7というのは、それこそデジカメぐらいの大きさですから、使いやすさとしては最高です。ただ、これは48kHz/16bitまでのスペックしかありませんから、ソニーに比べると見劣ってしまいます。その分、安いのですがね。
 しかし、つい最近、ソニーからD50のさらなる後継機、M10というのが出ました。スペックは変わらずに、サイズが一回り小さくなって、前の機種でちょっと目立っていたマイクもスッキリ収納されています。なによりも値段が2万円台、初代の10分の1ですからね、これはもう買うなというのが無理な話です。

 買って最初にやったのは、自分のフルートを録音することでした。それを、解像度を変えて聴き比べてみたのです。それは歴然たるものがありました。96kHzと48kHzでは、明らかに音の立体感が違っているのが、私の耳で確認できたのですから、なんか感動的。いつも一番そばで聴いている音ですから、それが録音されたときどのぐらい違って聞こえるかは、敏感に分かってしまうのでしょうね。
 感動的といえば、きのうと今日の楽天の試合は、まさに感動的でした。きのうはテレビにかじりつき、そして、今日は買い物に付き合わなければいけなかったので、ちょうど試合の後半は藤崎の前の街頭テレビで観戦です。そうしたら、その模様を取材に来たテレビ局のカメラが、4台もありましたよ。「優勝」の瞬間のテレビのまわりの人の様子をしっかりカメラに収めようというのでしょうね。


 そして、これが、「その」瞬間です。

 もちろん、この瞬間をねらって各社のカメラが我々を写していたのは、言うまでもありません。さっきの写真でも分かるように、私はたまたまカメラの正面に立っていました。まさか、とは思ったのですが、ついさっき放送されたNHKの9時前のローカルニュースをみたところ、まるで楽天ファンみたいな赤いシャツを着た私の姿が、ど真ん中に映っていましたっけ。
 日本一になるかもしれないと、全国から注目されている野球チームのある街に住んでいることの凄さを、いま、ひしひしと噛みしめているところです。
aventure number : 1416 date : 2009/10/17


今日の禁断 袋とじ

 新しいシーズンが始まった合唱団、きのうの練習でははやくも来年6月の定期演奏会で歌うための曲の楽譜が渡されました。例の「雨」も、私の希望通り初版での演奏ということになっていて、その譜面が配られます。もちろん、そんな楽譜はもはや公式には出版されていないはずですから、当然のことながらコピー譜になるわけです。なんかご禁制の曲を歌うみたい、ちょっとドキドキしますね。
 私の場合、オーケストラのパート譜などは、使いやすいように無地のルーズリーフに両面コピーして使っています。これだとがさばりませんし、他のパートも全部バインダーの中に収めておけますから、急に代吹きなどになっても慌てる必要はありません。ですから、それを合唱の譜面でもやってみようと思いました。この前のコンクールの時にそれをやってみて使い勝手の良さを確認、今回もらった楽譜も、その形でコピーです。オケの譜面は縮小しないとA4には収まらないのでちょっとしたテクニックが必要なのですが、合唱は間違いなく等倍で出来ますから、楽なものです。
 そんなコピーは、もちろん職場の複合機で行います。というか、手近にそういうコピー機があるから、そんな使い方が出来るのですがね。ところが、楽譜のような白黒だとなんの問題もないのですが、カラーではちょっと問題が起こっていました。おそらくドラムの交換が必要なのでしょう、ベタの部分にうっすらとスジが入っているのですよ。近々「かいほうげん」を印刷する予定がありますので、ここは余裕を持ってドラム交換を行っておくことにしましょう。
 サービスを呼ぶと、すぐにやってきて、予想通りドラムを交換しましたが、赤いスジは消えたものの、ほんのわずか青いスジが残っています。どうやら、もう1本ドラムを交換しなければいけなかったのですね。それは持ってきていなかったので、即バイク便で届けてもらって、すっかりきれいになりました。
 その時に、ずっと気がかりだったドライバのことを聞いてみました。2年半前にパソコンを換えたときに複合機付属のCD−Rに入っていたXP用のドライバが、Vistaにはインストール出来なかったのですよね。ネットでダウンロードしてみても、今まで使っていたのとは似ても似つかないお粗末なものしかありませんでした。サービスまで呼んで色々やってみたのに結局解決しなかったので、ごまかしてインストールした正規ドライバをずっとだましだまし使っていたのです。ですから、ちょっと高度なことをやろうとするとエラーが出たりしていました。今日のサービスの話だと、どうやら、最近はちゃんとしたドライバがネットにあるはずだ、ということだったので、メーカーのサイトに行ってみたら、2年半前とは全く別物、ちゃんとしたドライバが即座にインストール出来てしまいましたよ。聞いてみるもんですね。というか、もっと早く聞いていれば・・・。
aventure number : 1417 date : 2009/10/19


今日の禁断 札幌

 定期演奏会まで、あと10日を切ってしまったニューフィルです。今週末に集中練習があって、それからはずっと末廣さんの指揮、したがってきのうは最後の団内練習ということになります。ずっと先の話だと思っていたのに、早いものですね。なんでも、わざわざホテルまでとって遠くから聴きに来るという末廣さんのファン(というか、追っかけ)もいらっしゃるのだとか、盛り上がりますね。なんたってマーラーの9番ですからね。なかなか生では聴くことの出来ない曲でしょうし、「これを聴いたあとは、人生観が変わる(末廣さん)」というほどのすごい曲ですから、わざわざ聴きに来るだけのことはあるのでしょう。ぜひ楽しんでいって欲しいものです。
 そんな期待は地元の新聞社も持っていたのでしょう、最も購読者の多い○北新報が、「練習の模様を取材させて下さい」と言ってきました。本当は末廣さんの練習の時の方が良かったのでしょうが、先方が指定してきたのが、きのうだったのです。一応前半はモーツァルトだったので、そんなスカスカのところを写真に撮ってもしょうがありませんから、後半のマーラーの時間に合わせて来てくれるように、というような連絡が行っていたのでしょうね、その記者の方がやってきたのは、まさにモーツァルトが終わろうとしていたときでした。練習場に入ってきたとたん、間違いなく新聞記者だと分かるような雰囲気をムンムン出している人でした。髪はモジャモジャ、クビからカメラをぶら下げてメガネをかけているというのですからね。まず、休憩時間中に、ロビーで団長がインタビューを受けます。
 それが終わって、いよいよマーラーの始まり、さっきまでとは違って、ホールの中はびっしりと団員が座って、いかにも「大曲」という趣です。そこを写真に撮るのが記者の方のお仕事、しっかり色んなアングルから撮っていましたね。

 おそらく、来週あたりにはこの模様が新聞に出ることでしょう。それでお客さんがたくさん集まってくれることを期待しましょう。確かにマーラーの9番はなかなか聴けない曲ですので、マニアの人にとってはぜひとも聴きたくなるようなプログラムではあるのですが、正直、普通の愛好家にとっては、馴染みがないかもしれません。なんたって1回聴けば人生観が変わるのですからね。
 そして、いよいよクライマックス・シリーズの第2ステージ初戦、やはり注目はパリーグのようで、BSでも地デジでも生中継をやっていましたね。最近気づいたのですが、こういう野球中継はどの曲も同じ映像なのですね。ですから、BSと地デジを交互に比べてみると、地デジの方がはるかにきれいなことが分かります。
 しかし・・・、9回まで4点差で勝っていたのに満塁ホームランを打たれてサヨナラ負けなんて・・・悪夢です。
aventure number : 1418 date : 2009/10/21


今日の禁断 ピッコロ

 久しぶりに、仙台フィルの定期演奏会に行ってきました。なんといってもヴェルディの「レクイエム」を演奏するのですから、何をおいても聴きに行きますよ。実は、この曲を生で聴くのはこれが初めて、楽しみです。
 実際は、一番楽しみだったのは合唱でした。半年以上も前から市内の4つの合唱団がこのために集まって練習を重ねていたことを知っていましたから。その合唱団というのが、毎年コンクールで常に上位を占めて、全国大会で金賞などという輝かしい経歴と、もちろんそれに見合うだけの実力を持っているところばかりなのですからね(1つだけコンクールには参加していないところもありますが、そこも実力は折り紙付き)。
 その合唱は、本当に素晴らしいものでした。それだけ長期間練習していたことで、4つの合唱団の寄せ集めという感じは全くなくなっていて、完全に一つの合唱団としてのまとまりを見せていましたね。声は滑らかで表現も自由自在、合唱が出てくるところは、本当に音楽に浸りきることが出来ました。
 ところが、ソリストがソプラノを除いてよくもこれだけひどい人を集めたものだと思うほどの、ひどさ。テノールはコンディションが悪かったのでしょうが、あんな声で歌っているのではプロとは言えません。バスはなんという音程の悪さなのでしょう。それでいて突拍子もないような「見栄」を切ったりしますから、もう最悪。この人が歌い出すと音楽全体の緊張感が全くなくなってしまいます。メゾの人も音程の悪さは我慢の限界を超えています。
 ですから、最後にソロがまわってくるソプラノの人のお陰で、やっと聴いていて心地よい音楽が始まったような気がするほどでした。ほんと、ソプラノソロと無伴奏の合唱だけで歌われるところは、まさに至福の思いでした。
 こうなってくると、最大の功労者は合唱だったのではないかという気になってきます。オーケストラ?なんだか、威勢の良いところではすごい迫力でしたが、繊細な部分では完全にこのものすごい合唱の足を引っ張っていたのではないでしょうか。冒頭の「Kyrie eleison」や、最後の「Libera me」など、この合唱団の力をもってすれば、もっと緊張感のあるピアニシモを出すことも可能だったはずです。それが出来なかったのは、オケにそれに見合うだけの力量が備わっていなかったからではないでしょうか。「Offertorio」でのチェロのパートソロのひどさが、それを物語っています。仙台フィルって、いつからこんなにヘタになってしまったのでしょう。
 このホールも、その欠陥をもろにさらしていました。ステージが狭いものですから、合唱やソリストはこんなことになっています。

 ソリストがこんなところにいたのでは、オケと合わせることなど不可能です。もういたるところでズレまくっていましたね。そして合唱は、なんと半分は階段に立たされていましたよ。この曲では、ソリストが歌っている間に合唱が座って休めるところがたくさんあるのに、実際に座ったのは「Lacrimosa」のあとだけ、ステージの上はちゃんとベンチがありましたが、階段の人はその階段に座らなければならず、それはかなりみっともないものでした。それを避けるために、敢えて1回しか座らさなかったのかな、と勘ぐられるほどです。あるいは、もしかしたら、こういう大きな曲をやるときにはこんなみっともないことになってしまうホールでしか定期演奏会が出来ないことのデモンストレーションのために、山下さんはこの曲を取り上げたのかもしれませんね。他のオケのように、合唱団がすんなり立ったり座ったり出来るホールを、早く造ってくれ、と。
aventure number : 1419 date : 2009/10/23


今日の禁断 PCM

 きのうと今日は、末廣さんを迎えての集中練習でした。これは、この間買ったレコーダーのテストにはもってこいの機会です。最高の音質でオケの音を録音してみようと、内蔵の4GBのメモリーに加えて、16GBのSDカードも用意して、準備を整えます。なんせ、96kHz/24bitで録音すると、たった2時間で4GBのメモリーを使い切ってしまいますから、練習を全部録音するためには、このぐらいの容量が必要なのですね。まず、1度は最高の音質で録っておいて、それをサンプルとして取っておきたいじゃないですか。
 まず、きのうのアクセルホールでは、少し早めに着いたら、ちょうど休憩になっていて、その後モーツァルトを全曲通すのだということでした。そこで、さっそく指揮者の後ろに椅子を置いて、その上にレコーダーを設置、全曲録音します。全曲の通し(結局、あちこち気になるところを止めていたので通りませんでしたが)が終わったところで、レコーダーのディスプレイを見てみたら、なんだかバッテリーが殆どなくなっているようでした。右端の上の四角、ほとんど真っ白でしょ?

 単3を2本使って20時間以上持つとマニュアルには書いてありましたが、ほんの1時間も録音していないのに、こんなになくなってしまうなんて。まあ、買ってから色々テストをして使うことは使いましたが、そんなには使っていないと思っていたのですがね。とりあえず、それ以上は録音は出来ないので、また次の日にバッテリーを交換して、再挑戦です。
 そして、今日は岩沼が会場でした。練習が始まる前に、フルートパートで遅れる人がいるので、その代役などの件を末廣さんに伝えようと、楽屋に行ってみました。そんな連絡事項を聞きながら頷いていた末廣さんは、やおら「きのうの『袋とじ』はウケましたよ」と言ってきましたよ。きのうは新しい「かいほうげん」の発行日、末廣さんの分も指揮台に置いておいたのですよ。ニューフィルの人はご存じでしょうが、今回の目玉は記念演奏会にちなんでの当日会場で配るプログラムのコンテンツの先出しでした。それには末廣さん書き下ろしのエッセイ(?)の他に、今までの写真なども紹介しています。それは白黒なので、そのもとの写真をカラーで「かいほうげん」に載せました。でも、それだけでは面白くないので、そのページを「袋とじ」にしたのですよ。そう、オトナ向けの雑誌などに良くある、ちょっと人目をはばかるような写真を、そのままでは見ることが出来ないように細工した装丁ですね。いや、これは別にそんなことをする必要など全くない写真なのですが、敢えてちょっとした悪戯心で「袋とじ」をやってみました。実際にやってみたらものすごく手間がかかることが分かり、もう二度とやる気はありませんが、とにかくその「悪戯」が、もろ末廣さんのツボにはまったのですから、嬉しくなってしまいました。というか、末廣さんだったらこんな冗談にも付き合ってくれると思っていたのですがね。それで、「もう1部あったら、欲しいんですが」というので、もちろんまだ開いていないやつを差し上げました。
 録音の方は、新しい電池を買って交換してみました。ところが、それでもバッテリーの表示は変わりません。しかし、よくよく見たら、バッテリーの残量表示だと思っていたのは、メモリーカードのマークだったのですね。実は、メモリーカードで録音したのはきのうが初めて、内蔵メモリーの場合はなんの表示もないので(こんな風に)、

カードのマークが、残り少なくなったバッテリーのように見えてしまったのですね。ですから、古い電池をまたもとに戻してそれから練習を全部録音しても、全然バッテリー表示は変わりませんでした。やはり、実際に使ってみないことには分からないことは多いものです。
aventure number : 1420 date : 2009/10/25

09/10/27-12/2