1321(09/4/12)-1340(5/19)

今日の禁断

 今日は、復活祭なのですね。イースターとも呼ばれるこのキリスト教の行事、名前だけは知っていましたが、今まではイマイチ正確なところが分かりませんでした。それが、今回教会でその復活祭へ向けての礼拝として「マタイ受難曲」を演奏したことで、それがどういう意味を持つものなのか少し分かったような気がします。「受難」というのは、キリストが十字架につけられた日、そして、その時までの様子を音楽で表現したものが「受難曲」になるわけですね。しかし、ご存じのようにキリストは十字架上で亡くなった後、3日経つと「復活」します。ですから、大切なのは「受難」なのではなく、そのあとに起こる「復活」なのですよ。この「奇跡」をお祝いするために、キリスト教徒は大々的に礼拝を行うというのです。
 キリストが生まれた日は世界中で有名ですが、そんな風に「復活」した日については、なんだか不思議な特定の仕方をするのだ、ということも今回知りました。それは、「春分のあとの最初の満月の次の日曜日」というものらしいのです。確かに、おとといあたりは満月がきれいでしたね。ですから、「復活祭」は何月何日と決められているものではなく、その年によって全く別の日になる、という、なんとも理解不能なものなのです。今年は4月12日ですが、来年だと4月4日になるというのですから。
 ですから、3日前の4月10日の金曜日が、「聖金曜日」と呼ばれる受難の日になり、そこで「受難曲」が演奏されたことになるのです。これはもちろん昔から決まっていたことで、バッハの時代にも同じこと、つまり、バッハがライプツィヒで受難曲を演奏したのと同じ日(つまり、復活祭の前の金曜日)に、教会で受難曲を演奏した、という、なんだか感動ものの体験をしてしまったのですよ。そんな風に、コンサートホールではなく、教会で礼拝の一部としてこの曲を演奏したというのは、なにか特別なもののように思えてしまいます。それは、別にキリスト教徒ではなくても、確実にバッハとの結びつきが強まっているものだ、という風に感じられます。そう、悔しいけれど、バッハの音楽を産んだのは仏教ではなくてキリスト教の土壌だったのですからね。
 そんな余韻も醒めないうちに、もう一つのニューフィル以外の出番のための練習が、今日ありました。今週は練習や本番が4回もあったことになります。今日のは、「フルートの会」、いつもの練習室ではなく、交流ホールという広々としたところでの、本番でのソリストやエキストラの管楽器が入っての練習です。普通のフルートも、ほとんど本番通りのメンバーが揃っていた中、アルトフルートは私ともう一人だけという、ちょっと寂しい陣容でした。始まる前に急に電話が入って、1人来れなくなったのでした。というか、本番には何人になるのか、私自身にも分からないという頼りなさです。5人から6人という噂なのですけどね。
 最初にモーツァルトのフルート協奏曲が、ソリストの山元さんを初めてお迎えして演奏されました。カデンツァのコピーが指揮者の譜面台に載っていたので見せてもらったら、レイモン・ギオーの手書きのカデンツァでしたよ。山元さんはそれは全部は吹かないで、あとは本番でのお楽しみ、といった感じでしたが、なかなか面白そうなカデンツァでしたね。
 最近は、アルトを長く吹いていても、そんなに右手が痛くはならなくなってきました。長いことやっているうちに、体が楽器に慣れてきたのでしょうか。今回は曲目は多いものの、そんなに難しいところはないので、満足のいく演奏が出来そうです。
aventure number : 1321 date : 2009/4/12


今日の禁断 子守

 95万のキリ番は、きのうの朝一番に出ました。その直後に「取りました」というメールが来たので、早速景品(ニューフィルのDVDですが)を送ってあげました。久しぶりに知り合いだったので、知らせてくれたのでしょう。やはり、全く知らない人だと、キリ番になっても申し出る勇気がないのでしょうか。
 そして、今日はコンチェルトのソリストとの初めての合わせです。会場が長町の楽楽楽ホールなので、少し早めに家を出ます。でも、あまりに早すぎたので、近くのモールに寄ろうと思ったら、駐車場が意外と混んでいて、本屋さんに行くのがやっと、ホールに着いたのは、もう7時近くになってしまいました。すでにピアノも、オケの椅子も全部並べ終わって、フルートのメンバーもちゃんと来てましたから、私は安心して客席で聴いていられます。
 その前に、ピアニストのオフチニコフさんがやってきてピアノの前に座ったので、早速写真を撮りまくります。やはり、チラシ用にもらった写真と本人は、だいぶ感じが違いますね。

 上手の方からのアングルからも撮ろうとカメラを構えていたら、すぐ横にもう橘さんが来ていましたから、遠慮して「お先にどうぞ」と言ったら、「急がないから、どうぞ写真を撮っていて下さい」とやさしくおっしゃってくれましたよ。好感度はさらにアップです。
 まだ、開始時間まで5分ぐらいあったのに、メンバーはかなり集まっていたので、橘さんはすぐにでも始めたそうにしていましたが、とりあえず定時まで待って、いよいよ最初のリハーサルが始まります。

 これは、始まったばかりでまだ少し空席がありますが、しばらくすると弦の人がどんどんやってきて、ステージの上はいっぱいになってしまいました。椅子を80脚出したのですが、それが本当にいっぱい、フルートのCさんは、シンフォニーになったときにピッコロを置く椅子がないので心配そうでした。
 オフチニコフさんのピアノは、とても清潔な感じがしました。ラフマニノフが、よくあるコテコテの「演歌風」ではない、もっとサラッとした感じで仕上がっていて、爽やかさすら見せていたのでは。オケは、今まで一度もピアノを入れての練習をしていなかったので、いったいどうなることかと心配だったのですが、これは大健闘、時折合わないところはあったものの、大きく崩れることは決してなく、最後まで堂々とソロに立ち向かっていましたよ。でも、木管の難しいところはピアノが大きな音で弾いているので全く聞こえてきません。なんだか虚しくなってしまいますが、本番の県民会館ではどうなるのでしょうか。
 橘さんは、英語でピアニストと入念に打ち合わせ、今までやってきたテンポなどをきっちり修正して、さらに磨きをかけようとしていました。結局コンチェルトだけで2時間かかってしまったので、私の出番は残りの20分だけでした。
aventure number : 1322 date : 2009/4/14


今日の禁断 コーヒー

 おとといニューフィルとの初顔合わせを果たしたオフチニコフさんは、今日はサロンコンサートへの出演が予定されていました。以前から広報誌などに案内が載っていて、コンクール事務局へ往復ハガキで申し込むと、抽籤で入場券が送られてくる、というシステムでした。ニューフィルのメンバーには、そんな抽籤ではなく招待券がまわってくるのでは、と思っていたのですが、そんな気配は全くありませんでした。しかし、きのうになって、急に事務局長から「3枚頂いたので、行きませんか?」という電話があったので、喜んで行かせてもらうことにしましたよ。考えてみたら平日の午後ですから、普通の人はなかなか行けないのでしょうね。

 会場は交流ホール。こんな看板が立っていました。開演は3時なのですが、2時半には開場、熱心な人が前の方にすでに席を取っていました。ちょっと遅く来た事務局長から招待券を頂き、中に入ってみたら、上手の一番前の席がずいぶん空いていたので、そこに座ります。出来れば写真を撮りたい、と思いまして。
 お客さんは、交流ホールにいっぱい、200人以上は入っていたでしょうね。プログラムには当然ニューフィルのコンサートのチラシも挟み込んでありますから、それを見てここにいる人が全部やってきてくれたら、うれしいのですがね。
 最初に司会(事務局の人でしょうか)の人が出てきて、「携帯電話の電源はお切り下さい。写真撮影や録音もお断りします」と、楽しみにしていた写真を禁止されてしまいましたよ。でも、せっかく一番前に座ったのですから、演奏前の1枚ぐらいは良いでしょう。

 そんな「禁断」の写真です。このコンサートは、演奏する曲についてオフチニコフさんが色々ご自身でおしゃべりをする、という構成のようでした。ニューフィルの練習の時には英語を話されていましたが、こういう時にはロシア語になります。一番向こうにいる金髪の女性が、そのための通訳です。しかし、この方は、とても美しい人なのですが日本語はとても「通訳」出来るほど堪能ではないようで、せっかくロシア語を訳して喋ってくれても、ほとんど意味が分からない言葉になっていました。ロシア語はたくさん喋っているのに、それが「日本語」になるとたった一言、とかね(そういう映画がありましたね。「ロスト・イン・トランスレーション」)。
 プログラムは、前半にベートーヴェンの31番のソナタと、チャイコフスキーの「四季」から4曲、休憩を挟んで後半にラフマニノフのプレリュードを6曲、というものでした。最初のベートーヴェンは暗譜だったのに、譜面台が立ててあったので私の席からは顔が見えないようになっていました。次のチャイコフスキーでは楽譜を見ていたので、そのために立てておいたのでしょう。でも、このステージは譜面台のせいでもないのでしょうが、ちょっとどうかな、という演奏でした。しかし、後半のラフマニノフは素敵でしたね。これは最初から譜面台は下ろしていたので顔もしっかり見えます。何と言っても、いかにも手慣れたもの、という感じで堂々と弾かれていましたね。
 楽楽楽ホールで聴いたときには、ピアノの音がなんか乾いて潤いのない感じでした。しかし、今日のピアノはまったく違って、艶やかな音が出ていました。こちらはヤマハ、しかも自動演奏付きなのに、スタインウェイよりも良い音に聞こえたのは、なぜなのでしょう。
 終わってから、司会の人がコンチェルトの演奏会の告知をしてくれました。しかし、会場だけは言ったものの「ニューフィル」の名前は出してはくれませんでした。しかも「あさって」なんてびっくりするようなことまで。
aventure number : 1323 date : 2009/4/16


今日の禁断 誕生日

 あしたの本番を控えての、最後の指揮者練習が午後から予定されていたほの暖かい土曜日のお昼時、食事の用意でもしようかと思っていると、1通の携帯メールが届きました。その差出人の名前を見て、一瞬胸騒ぎが走ります。それは、同じフルートパートで今回はコンチェルトのトップを吹いている人からのメールだったのです。別に深い間柄ではありませんから、「今度一緒にお茶でもいかが?」などというような甘いメールであるはずがありません。メールが届くときは、決まって練習に遅れます、とか、練習を休みますといったような事務連絡でした。ということは、今日のコンチェルトの練習(もちろん、ソリストも来ています)に出られなくなったので、代吹きを頼みたい、という連絡なのでしょうか。いやあ、この間こそは代わりに吹きましたが、こんなせっぱ詰まっての代吹きなんて、もう私の中ではシンフォニー以外は吹かないモードになってしまっていますから、焦ってしまいます。
 おそるおそるメールを開けてみると、それは「楽器運びを手伝いたいけれど、時間を教えて欲しい」というものでした。なあんだ。とりあえず一安心です。
 今日の会場は若林区文化センターのホール。着いたときにはもうステージは出来上がっていて、ピアノも設置済み、ソリストのオフチニコフさんもすでに楽屋に入っていました。最初の練習の時に気になっていた、一緒にいた女性は、彼の奥さんなんですってね。おとといのサロンコンサートの時に紹介されていました。この前は座ってご主人の演奏を見ているだけでしたが、今日はビデオカメラを持ってきて、一生懸命撮っていましたね。三脚を持ってきていなかったので手で構えていましたが、一休みしてカメラを外したときに、「腕が痛くなった」みたいな素振りをしていましたよ。今日の練習は、橘さんも色々な要求を出していたみたいで、かなり緊迫したものでしたから、カメラを置くヒマもなかったのでしょう。
 この間とは別なホールですから、もちろんピアノも別な楽器です。客席で聴いていて、これはこの間のスタインウェイよりもずいぶん良い音のように聞こえました。高音がとても滑らか。これが、本来のスタインウェイの音なのでしょうか、楽楽楽の楽器は、状態が悪かったのでしょうか。と思って、終わってからピアノを見たら、なんとそれはヤマハだったではありませんか。この間のサロンコンサートに続いて、私の耳にはスタインウェイよりもヤマハの方がずっと良い音に聞こえたということになりますね。あしたの本番は県民会館のスタインウェイでしょうから、それはいったいどのように聞こえることでしょうね。

 今日もコンチェルトは2時間以上、みっちりリハーサルを行いました。それが終わって、今度はシンフォニーです。今日こそは時間がありますからたっぷり細かいところをやれるだろう、と思っていたら、まず最初に全曲を通してやってみる、ということでした。確かに、今まではそんな時間はありませんでしたから、これは大切なこと、ほんとにペース配分を考えないことにはこの曲を全部吹きおおせることは出来ませんからね。
 確かに、1時間かかる曲を最後まで集中力を切らさずに吹ききる、というのはとても大変なことがよく分かりました。演奏のペース配分、というよりは、集中力の持ち方の配分、みたいなものを考えて、ある程度リラックス出来るポイントを用意しておくといいのかもしれませんね。なによりも、余裕を持って演奏に望むことが一番大切なことなのかもしれません。いやなことは考えないようにして、あしたに備えることにしましょう。
aventure number : 1324 date : 2009/4/18


今日の禁断 花束

 きのうの「禁断」のタイトルは「誕生日」でしたが、それが今日の本番へのつながりとなるキーワードです。というのも、オフチニコフさんは、今日がまさに誕生日だというのですね。それで、きのうのリハーサルの時に、コンチェルトが終わったあとでゲネプロの時にサプライズで「ハッピー・バースデイ」を演奏しよう、という話が出ました。さも、コンチェルトの最初から始めるようなフリをして、いきなりみんなで「ハッピー・バースデイ」をやる、というのです。「C始まりで練習してきて下さい」ということで、ユニゾンでやる予定だったのでしょうね。
 しかし、今日会場の県民会館に行ってみると、弦パートの譜面台になんだかパート譜のようなものが乗っています。なんでも、チェロのGちゃんが弦合奏用にアレンジして譜面を書いてきたそうなのですね。なかなか気合いが入っています。なぜか、「Happy Birthday」などと英語でタイトルまで入っていますので、それがピアニストに見えないように裏返しにしておかなければなりませんね。いや、彼はロシア語しか読めないのだから、そんな心配は要らないのだ、などと言っている人もいましたが。
 いよいよ、ゲネプロの開始、橘さんはおもむろに「コンチェルトを始めましょう」とスタートの合図、と、いきなり始まったその歌に、ピアニストは驚くやら苦笑するやら。

 聴いていると、弦パートだけではなく、打楽器もずいぶん色んな技を繰り出して賑やかにやっていましたね。グロッケンを入れたり、ティンパニのロールで盛り上げたり。聞いてみたら、「各自自主的に編曲した」ということでしたよ。
 そのゲネプロは、もちろんコンチェルトは全曲通しましたが、まさかと思ったシンフォニーまでも、やはり楽章ごとに全曲通してからの返し、と、きのう同様ハードなものでした。でも、お陰で本番へ向けてのシミュレーションは完璧です。結果はどうあれ、ですが。
 開演30分前が開場の時間。入り口の真後ろにある楽屋口に行ってみると、ここまで列が出来ていました。これは相当なものですよ。

 そして、開演直前のホール内。

 前に茂木さんの時にも同じアングルで撮った写真がありましたが、それと同じか、もっと入っているような印象です。そこの2階席のバルコニーに座って、コンチェルトを聴きます。ピアノはやはりスタインウェイでしたが、これは、さすがにヤマハをしのぐ素晴らしい音でしたね。低音が全く別物です。そんなオフチニコフさんの演奏も満員の聴衆を引きつける素晴らしいものでしたが、オケが本当に「大人」の音と、音楽だったのにはとても嬉しくなりました。ほんと、これだったらどこに出しても恥ずかしくない演奏です。きっとお客さんも満足したことでしょう。終わったあとで、ソロのアンコールもありました。この間のサロンコンサートで弾いたラフマニノフのプレリュードです。
 もう、このまんまシンフォニーも客席で聴いていたいものだ、と、本気で思ってしまうぐらい、なんだか充実したひとときでしたね。もちろん、そんなことが出来るわけもなく、楽器を用意して今度はステージへ行くことになるのですが。
 しかし、あんなすごいコンチェルトを聴いたあとですから、逆にもうおまけみたいな気持ちで、割と楽に吹くことは出来ましたね。もちろん「本番は魔物@しできさん」ですから、思いもかけない事故もあったりして、まだまだ修行の足り無さを実感することになるのですが。
 打ち上げで発表された入場者数は1210人でした。これは久しぶりの大入り袋。
aventure number : 1325 date : 2009/4/19


今日の禁断 プレリュード

 いつも仕事の速いしできさん、今回もやってくれました。夕べ、もう休もうかな、と携帯をチェックしたら、そこに「郵便受けに入れておきました」というメールが入っているではありませんか。9時ちょっと過ぎに来たメールだったんですね。その時間は確か「プライベート・プラクティス」の録画を見ていましたね。「グレイズ・アナトミー」のスピン・オフ、主人公の恋敵だった産婦人科の医者が、新たな出発をしようとLAのコミュニティ・クリニックに参加する、という設定で始まったばかりのドラマです。未だに出演者の名前がきっちり入っていないものですから、話から落ちないようにしっかり見ていたら、携帯(バイブ)の音にも気づきませんでしたよ。
 今朝になってその郵便受けを見てみたら、DVDとCDが両方とも出来上がっていました。掲示板には「郵送希望の方には全部発送しました」という書き込みもありましたが、どんだけの仕事量をこなすと、そんなことが出来てしまうのでしょう。
 そんなわけで、ほんの2日前のことがもう映像として見られるようになったので、いそいそとDVDのケースを開けてみると、そこにはDVDが2枚も入っていましたよ。1枚は「Back Stage」ですって。確かに、おとといのコンサートは正味の演奏時間が2時間を超えていましたから、それだけでふつうのDVDはいっぱいになってしまいます。毎回のお楽しみのバックステージや打ち上げの映像はどうなってしまうのだろう、と心配していたのですが、こういう形で解決したのですね。1枚丸ごとオフステージのDVDですって。
 最初に入っていたのは、例のサプライズです。あの時は、「その瞬間」を撮ろうと、出番でもないのに3番フルートの席に座ってカメラを構えていたのですが、その時に上手、つまりピアニストの正面からTさんがビデオカメラを構えていたのが見えました。それを見るのが楽しみだったのですよ。期待通り、そこにはピアニストが、最初何ごとが起こったのか不審気だったのが、次には笑いだし、とうとう顔を覆って突っ伏してしまう様子がつぶさに写っていましたよ。聴き直してみると、金管あたりも絶妙のカウンターを入れていましたね。

 もう一つ楽しみ、というか、どんな風に写っているのか興味があったのは、コンチェルトのステージを客席で聴いて、舞台袖にいたときに、Tさんからカメラを引き継いだKパパが撮っていたインタビューです。出番が終わった人に感想を聞いたあとで、私には「客席で聴いてて、どうでした?」と振って来ましたから、「ずっと聴いていたかった」とか答えていたんですよね。それは、確かにアップの顔と一緒に写っていましたよ。顔はともかく、自分で聴いてもなにを言っているのだか分からないような不明瞭なしゃべり方にはうんざりしますね。
 前もって、ジャケットなんかは印刷しておいたのでしょうね。ですからコンチェルトのあとのアンコールは書いてありませんでしたが、きちんとトラックが別になって入っていますから、ご安心を。
aventure number : 1326 date : 2009/4/21


今日の禁断 地デジ

 ニューフィルのオフィシャル・サイトを運営しているものとしての毎回お約束の仕事が、やっと終わりました。今回の演奏会のページが完成した、というわけです。このところ、この作業はある意味ルーティン化していますから、1ページ目は今までの「コンサートの案内」のページをそのまま使えば済むので、本番の写真を1枚付けて、その日のうちにはアップしておきましたよ。しかし、そのあとの2ページ目は、写真さえ揃えば出来てしまうようにはなっているのですが、やはり何かと慌ただしくて、すぐには作れませんでした。でも、なにしろ生ものですので、本番の余韻が薄れないうちに、と思って出来る限り早くはやったつもりです。
 今回は何かとネタが多かったので、作業自体は楽しいものでした。お客さんが沢山入ったという「事件」も、だれかが「楽屋口まで並んでいるよ」と言っているのを聞いて、まさにそんな「瞬間」をとらえることが出来ましたし。ただ、ホール内が満席になったのは、客席からの写真では一応分かるのですが、実は休憩時間にステージから撮っていたものもあったのです。楽譜の確認のためにステージに行ったついでに撮ってみたのですが、それが見事にブレてしまっていて、使い物にはなりませんでした。でも、せっかく撮ったので、こちらでお披露目です。何となく3階席までいっぱいなのが分かるでしょう?。

 打ち上げの時の写真は、当日の主役、橘さんにスポットを当ててみました。あれだけの豊かな表情と、あれだけの声があれば、他の分野でも大活躍出来そうな気がしますね。それこそ「劇団四季」の「キャッツ」などは、ノーメークで演じられるのではないでしょうか。タガーとか。
 その「キャッツ」、もうすぐ五反田のキャッツ・シアターでのロングランが終わるというので、もうだいぶ前からチケットはソールド・アウトになっていましたね。それでも、マニアの愚妻は先週は病をおして行ってきましたし、追加になった来週にも、もう1度行ってくるそうです。何と言っても、これが最後ですからね。
 と思っていたら、なんと、秋には今度は横浜でロングランが始まるというのですね。やはり五反田のようにシアターを作ってしまうというのです。今度はいったいどんな劇場になるのでしょうね。「S回転」をもっと増やして欲しいような気がしませんか?目玉だった「ジェリクル・ギャラリー」は、どうなのでしょうね。イマイチ人気がなかったようなのは、やはり視覚的に問題があったからなのかもしれませんね。私も1回ここで見たことがありますが、あのタイヤが宙に浮かぶシーンなどは、もろに後ろのリフトが見えてしまって興ざめでしたからね。しかし、そんなニュースがNHKの全国版で流れたりするのですから、これはもはや単なる芸能ネタの範疇を超えた社会現象に近いものになっているのでしょうね。「草g容疑者」みたいに。
aventure number : 1327 date : 2009/4/23


今日の禁断 HMV

 最長16日間という「超大型連休」の初日に、「アラバキ・ロック・フェスティバル」が開催されました。色んな野外フェスがありますが、その中でも普通のシーズンに先駆けてこんな時期にやるのは、アーティストを押さえやすくするためなのでしょうか。ただ、今年はあいにくの大雨、いくら「雨天決行」とは言っても、真夏ならともかく、こんな季節の雨では大変ですね。と言っても、別にそんな雨の中を私が行ってきたわけではなく、ごく親しい間柄の女の子が行っているというので、ちょっと心配しているところです。

 ところで、この「アラバキ」というのは、漢字では「荒吐」と書くそうなのですが、この宣伝スポットがラジオで流れていると、私にはどうしても「アラマキ」としか聞こえません。ちょっと鼻にかかった声だな、とかね。つまり、私はそういう地名のところに住んでいるものですからそうとしか聞こえなかったのですよ。ですから、ご近所でフェスをやるのかな、と本気で思っていましたよ。ただ、そんな場所はこのあたりには見当たらないのでいったいどこでやるのかな、とは思っていましたがね。「アラマキ公園」という桜の名所はありますが、ちょっと何万人もの人を集めるには狭すぎますし、なんたって住宅地の真ん中ですからロックなんか出来るわけがありません。「アラマキ」が「アラバキ」だと知ったのは、おととしぐらいのことなんですね。釜房湖畔のキャンプ場が会場なんですって。
 フェスもキャンプも縁のないインドア人間ですから、連休ともなればたまっていたCDを聴いたりするぐらいでしょうか。お店に買いに行くのも面倒くさいほどですから、ほとんどネット通販で買っていますし。確かに、これほどの品揃えが多いお店なんて、仙台にはありませんからね。そんなご愛用の通販サイトが、おとといいきなりデザインをリニューアルしたものですから、ちょっと焦ってしまいました。お気に入りのリンクも微妙に違っていたので、以前と同じ作業をしようと思ってもなかなかその入り口が見つからないのですよ。まあ、しばらくしてやっと普段通りのことが出来るようにはなりましたが、そうなるまでの時間がいかにも無駄、という感じでした。ほとんど毎日使っているものですから、あまり急激に使い勝手が変わってしまうと困ってしまいます。
 もちろん、サイトが新しくなったからと言って、品物の注文が分かりやすくなったわけではありません。つまり、輸入盤の場合、おおよその入荷の時期は示されるのですが、その通りに入荷する、ということはまずないのですよ。まとめて買うと送料がタダになったり、CDそのものも割引になるというサービスがあるものですから、何枚かまとめて注文しても、原則としてそれが全部揃わないと送ってこないので、早く入荷したものも待ちぼうけを喰らったりします。最近は代理店によってその入荷状況が少しは読めるようになったので、なんとかすぐ全部が揃うように見当を付けて注文しているのですが、それでもなかなか。
 NAXOSというのは、そんな、確実に入荷の時期が読めるレーベルでした。今までは発売予定日にはきっちり物が届いていました。ところが、3月末に出る予定だった物を2枚注文したところ、なぜかそれから1ヶ月以上経ってもまだ入荷する気配がありません。そのうちの1枚は、早々と「レコ芸」にレビューが載っていたので、そういうライターさんにはとっくの昔にサンプルを送っていたのでしょうが、肝心の、お金を出して買おうと思っているお客さんに対して、物が供給出来ないなんて、なんか本末転倒のような気がしませんか?
aventure number : 1328 date : 2009/4/25


今日の禁断 片平

 「アラバキ」も無事終了したようですね。雨の中、ご苦労様でした。親しい女の子は泥だらけになって帰ってきましたっけ。
 そのネタがらみで前回写真を掲載しましたが、もちろんこれは私が現地まで行って撮ってきたものではなく、公式サイトにあった写真を拝借して貼り付けさせていただきました。一応出所を明示しているので許容範囲かな、というアバウトな判断です。厳密に追求されれば、この程度の措置ではいけないことなのかもしれませんが。同じようなことは、最近の「おやぢの部屋」でも行っています。お気づきでしょうが、レビューの一番最後に(間違った言い方)「CD Artwork © なんたら」という表示を付けて、ジャケの画像の権利を明示しようとしています。これは、某レコードショップのサイトで行っているものをそのまま真似したのですが、なにもないよりはマシだと思って。
 サイトの管理者は、このぐらいの気を使うのは常識ですが、今朝の「ウォッチン!みやぎ」を見ていたら、そんなことには無頓着な人がいることを発見してしまいました。この番組では、視聴者からの写真の投稿を受け付けていて、コメントと一緒にパネルに貼って見せているのですが、その中に「アラバキに行ってきました」というのがあったので画面を見てみたら、その写真は私が使った写真と同じもののように見えました。まず構図がそっくり、そして、決定的なのは左下にある子どもを抱っこしている女の人。肩からかけているおぶいひもがそっくりなんですよね。この写真を撮った本人が投稿した、という可能性もなくはないのですが、その人はスタッフですから「行ってきました」とは言わないと思うのですよ。ただ、貼ってあった写真はサービス版の大きさですが、サイトの写真はこれが原寸(314×235pix)、プリントするにはちょっと小さすぎるのが気にはなりますが。
 暦通りの連休しかない私は、短い連休の2日目のきのうは、実は練習のダブルブッキングとなっていました。あさってが本番の「フルートの会」と、6月が本番の合唱団です。これは当然本番前を優先しようと、最初から合唱は休むつもりだったのですが、こちらも月1回しか練習がないので出来れば出ておきたいな、と最近では思うようになっていました。そこで考えたのが、「両方とも出席する」という強引な道です。「ゴーイン・マイウェイ」ですね。スタートは両方とも6時なのですが、「フルート」の方は1時間遅くまでやっていますから、合唱を途中で抜け出せば、「フルート」の後半には間に合うはずだ、という計算です。そのために不可欠なのが車での移動、合唱の会場は駐車場が少ないので、5時前には行って車を停めないと。
 合唱に出たのは大正解。色々連絡事項があって、休んでいたら分からないところでした。しかし、最初に長い曲をやったので、休憩になったのはもう7時半をすぎていました。それから旭ヶ丘まで移動、練習室に入ったら、なんだかもうほとんどの曲が終わってしまったような感じでした。管楽器などがエキストラで入る曲はもうなくなっていて、あとはフルートだけの曲が2曲だけ、それだけやったら「少し早いですけど、終わりにします」ですって。結局こちらには30分もいないことになってしまいました。
aventure number : 1329 date : 2009/4/27


今日の禁断 北山

 演奏会が終わって、最初に行われた練習がきのうでした。つまり、次の演奏会へ向けてのスタート台、となるわけですね。そこでは、恒例の「初見演奏」が行われます。いや、「初見」とは言っても別にその場で見たことのない楽譜を渡して弾いてもらう、といった厳格なものではなくて、楽譜はだいぶ前に配布済み、各自が自宅で個人練習してきた成果を、初めて合奏の場で披露する、ということなのです。
 だったら、簡単に出来るじゃないか、とお思いでしょう。確かにベートーヴェンとか、よく演奏されるもので、実際に前に演奏したことのある団員もたくさんいる、といったような曲でしたら、それは容易なことです。最初の合奏の時から、ほとんど本番同様の完成度の演奏が出来てしまう、といったようなことが、ニューフィルの場合では可能(?)になってきます。いや、例えば前回のラフマニノフのように、ほとんど初めての人ばかり、という曲でさえ、その「初見」はかなりの成熟度で(つまり、止まらないで最後まで通るという程度の)達成出来たはずです。
 しかし、今度「50回記念定期」ということで選ばれたマーラーの交響曲第9番に限っては、とてもそんなことが出来るような状態ではありませんでした。なにしろ、最初の数小節でもう入りが分からなくなってしまったパートが出てきて、そこで止めざるを得なくなってしまったのですから、前途はまさに多難です。私も、普通はスコアで頭の拍などを確認したあとはパート譜だけを見て小節を数えていればまず間違いなく入れていたのですが、この曲に限ってはもう最後までスコアを見ていないと、完璧に落ちてしまいます。いや、スコアを見ていたにもかかわらずかなり早めに入ってしまったところもありましたね。
 そんなわけで、とにかく最後までたどり着いたときには、身も心もボロボロになってしまったような気がしたものです。それだけ大変な曲だということを再確認、半年先を目指して、ひたすら練習あるのみです。
 この日は、ヴァイオリンになんだか若い人が2人ほど見学に来ていました。そのうちの1人は、去年、合唱の伴奏をしてもらったので、顔は覚えていた、東北大オケのコンマスをやっていた人なのではなかったでしょうか。いったい、こんな初練習を、どんな思いで見ていたのでしょう。でも、どうやら入団希望のようですから、ちょっと嬉しいですね。こんな人たちに加わってもらったら、さらに弦パートは充実すること間違いなしです。
 次の練習までの間には連休が入ってしまいますが、掲示板にも書いた通り、その連休中の5月4日に筍掘り大会を行うことになりました。ただ竹やぶの中で筍をスコップで掘る、というそれだけのことですが、一度やってやみつきになった常連さんが、今年も参加するはずです。筍なんて掘ったことがないというあなた、顔を出してみてはいかがでしょうか。もちろん参加費はありません。それどころか、掘りたての筍がお土産に付きますよ。
aventure number : 1330 date : 2009/4/29


今日の禁断 フルート

 この間、久しぶりに街に行ってみたら、広瀬通と一番町の交差点にある、かつては東映の映画館だったビルが、なんだか前と違っているように見えました。その違和感の原因は、正面に貼ってあった大きな広告が変わったことだと気づきました。前にあったのは、こんなスッキリしたものではなかったような気がします。

 あとで調べてみたら、ここには「NOVA」の看板があったことが分かりました。こういうときにストリート・ビューは役に立ちます。

 前にはなかったライトアップのために照明なども付いていますから、ずいぶんグレード・アップしたのですね。ただ、これはそんなお金がかかっているにしては、全く「広告」らしくはありません。商品名や会社名などはなにも書いてありません。それどころか、どうやらこれはパズルのようではないですか。この中には全部で216人の人がいるのですが、その中の1人だけが反対を向いている、というのでしょうね。交差点で信号を待っている間にそれがどれなのかを探してみて下さい、という感じでしょうか。なかなかセンスの良い「看板」ですね。おそらく、これはかつてのテナントが撤退したので、新しい広告主を捜しているところなのでしょうね。それが決まるまでの間の「場つなぎ」なのでしょうが、こんな楽しいパズルだったら、いつまでも買い手が付かないで、その間にまた別のパズルが始まったりしたら、楽しみが増えていいと思うのですが、どうでしょう。というか、次の広告主は、これに慣れてしまったお客さんを相手にするのですから、よほどセンスの良いデザインで迫ってくれないと、バカにされてしまいますよね。全く、今見ると「NOVA」の看板のダサイこと。
 大きくしておきますので、「反対」を探してみて下さい。分かった方は、ご一報下されば、この間の演奏会のDVDを差し上げます、なんちゃって。

 そんな、前の定期が終わってマーラーの9番の練習が始まってみると、楽譜に問題があったことが分かって、ニューフィル内はまるで「新型インフルエンザ」みたいなパニック状態に陥っています。しかし、報道の中でいきなり「フェイズ4」などという馴染みのある言葉が出てきたのにはびっくりしました。いえ、全く別の分野での用語で、インフルエンザとは全く関係ない、レコーディングの技術に関するものなのですがね。もちろん「ふぇいずよん」と発音したのではダメ、「ふぇいずふぉー」と言えば、昔からのクラシックマニアだったら、ストコフスキーなどが連想されるはずですね。
 そんなことではなく、パート譜に使っているKALMUS版はどうやら初版のリプリントだったらしく、新しい全集版とはずいぶん違っているそうなのです。チェロパートだと100箇所以上違っていたのだとか。ですから、各自全集版準拠のスコアを見て、パート譜を訂正して欲しいということなのです。しかも、その全集版でさえ、ミスプリがあるのだとか。そこで、そのミスプリだけは、早速英語サイトのものを日本語に直して日程表からアップしてあります。あ、このサイトからも、「作曲家」→「マーラー」でリンクしてますから。
 ただ、このミスプリの正誤表自体が間違っていたのには笑えます。そこと、私が調べているうちに発見した、その正誤表には載っていなかった訂正箇所が、それには反映されていますよ。
aventure number : 1331 date : 2009/5/1


今日の禁断 フリマ

 暦通りの連休の2日目、まずは髪を切りに美容院に。切った直後の頭ではステージに立ちたくない、というつまらない操(とはいわないか)を立てたために、演奏会の嵐が一段落するまで待っていたら、この前切ったときからもう4ヶ月以上が経っていました。こうなってくると、逆に切った前と後の落差が激しくなってしまうので、いつもの店長さんには「少し長めにお願いします」と言うことになります。いつもはお客さんがたくさんいて3、4人が掛け持ちになる売れっ子店長さんですが、連休のせいなのか、お客さんは広い店内に私1人、なんだか緊張してしまいますね。終わったあと店長さんは、「少し痩せたんじゃないですか?」ですって。うん、なんだか自分でもそんな風に感じていたところですから、プロ(?)の目にもそう見えていたのなら、嬉しいですね。
 そのあとは、久しぶりに定義山に行ってみることにしました。ゴールデンウィークの恒例行事のような気がしていたのですが、「ばっくなんばあ」をチェックしてみたら、実はまだ2回しか行ったことがなかったのですね。最初に行ったのが2003年、その次は2006年、ですから、ちょうど3年ごとの周期で行っていて、今年がまさにその周期での3回目となっていたのですね。全くそんなことは考えていなかったのですが、人間の行動なんて意識していないところで面白いことをやっているものなのですね。
 今回のルートは、この前行ったときの帰り道でやっと分かった、もっとも走りやすい道です。48号線を山形方面へ向かい、熊ヶ根で右折する、という経路ですね。しかし、西道路から入ったそのその48号線は、広瀬文化センターを過ぎて1車線になったあたりからものすごい渋滞となっていました。白沢あたりでは、ほとんど停止状態、たまにほんの少しだけ動く、みたいなことの繰り返しです。
 でも、熊ヶ根から横道へ入って定義へ向かう車は殆どなく、そこからは快適なドライブが堪能出来ました。窓を開けると気持ちのよい新緑の香りが吹き込んできます。満々と水をたたえた大倉ダムのダム湖、しかし、その湖畔の桜の花はもうすっかり葉桜になってしまっていました。今年は桜の開花が早かったのでしょうね。
 ここへ来た最大の目的は、揚げたての分厚い三角油揚げを食べることです。そのお店は、いつもと変わらず大変な人だかり、同じ手順で揚げているところを見ることが出来ます。

 しかし、残念なことに、その三角油揚げは、かつては1枚110円だったものが、120円に値上げされていました。まあ、でも、このご時世で6年以上前からの値段が10円上がっただけというのは、大健闘なのかもしれませんね。お店の向かいの空き地には、これを目当てに来た人が、みんなしてこんな風にかぶりついていましたよ。

 これが、その現物、ちょっとかじってしまいましたが。真ん中にあるのはちょっとあぶった豆腐に味噌を付けた田楽です。こちらも美味でした。

 お寺の前で線香を買って、それを大きな香炉に供えます。煙を浴びて御利益を授かる、ということなのでしょうが、そのせいで、帰りの車中には線香の香りが充満していました。
aventure number : 1332 date : 2009/5/3


今日の禁断 岐阜

 この間の「パズル」には、早速ご解答のメールが寄せられました。プレゼントを送るための住所も書いてありましたが、なんか聞いたこともないような山の中、そんなところでもネットはつながるんですね。ちょっと感激。もうそのエントリーはパスワード圏内に入ってしまったので、一般の方はこれで締め切りです(入れる方は、ご遠慮なく)。その一見さんには、DVDは職場に置いてあるので、連休明けに送ることになるのですが、果たしてクロネコのメール便がそこに届くのか、一抹の不安がよぎります。
 きのうは、連休中の恒例行事「筍掘り大会」が開催されました。天気予報によると、連休前半はお天気がよいものの、後半は不安定になる、というもので、この日も「午後からは雨」と言われていました。しかし、そんな予報は、この行事を1年前から楽しみにしていたわれわれの前では、なんの意味も持ちません。晴れ間こそ少ないものの、雨が降って来る気配などは全くないという、絶好の筍掘り日和になりましたよ。
 この前の「禁断」とか、公式掲示板などでも告知をして、今まで来たことがなかった人にも、という思いはあったのですが、やはりなかなかハードルが高いのか、今年来てくれたのは毎年来ているメインのご家族だけでした。連休中は何かとスケジュールが重なっているようで、他のコンサートのエキストラで来られない、などという人もいましたっけ。もっとも、K子さんのように、当日は都合が悪いので、早々と1日ごろに1人で来て掘って行かれた人もいましたけど(いや、掘ったのは私)。
 毎年来ている男の子などは、もう最初から筍掘りなどは眼中にありません。竹やぶに着くなり「ザリガニ採ってもいいですか?」ですって。そう、竹やぶに面している池でのザリガニ釣りが、何よりの楽しみだったのですよ。糸や、えさにする煮干しなどもしっかり持ってきていましたから。

 釣れたと思ったら、ほとんど幼虫のような小さなものばかりだったので、まだ大きくなっていないのだと思っていたら、色々ポイントを変えたり、網を使ったりと(網まで持ってきてました)挑戦した甲斐あって、最後にはこんなおおきなのを釣り上げていましたよ。

 肝心の筍は、雨が少なかったせいなのか、ちょっと少なめ、それでも、やはり持ち帰れないほどの収穫はあって、みなそれぞれにお土産を車に積み込んでのご帰宅です。
 これが、今年のメンバー。お子さんは1年ごとに大きくなっていくので、そのうちもう来るのがいやになってしまうかもしれませんね。

 毎回写真を撮っていたので、それを並べてみました。ほんと、お子さんの成長は、筍よりも早いですね。
(2004年)
(2006年)
(2007年)
(2008年)
 ちなみに、2005年には筍が出なかったので、筍掘りは中止でした。
aventure number : 1333 date : 2009/5/5


今日の禁断 紀伊國屋

 暦通りといいながらも、5日間連続して休むというのはほとんどお正月とは変わらないぐらい「長い」連休でした。ですから、お正月と同じように、「おやぢ」などはある程度書きためておかなければ穴が空いてしまいます。しかし、結局はギリギリしか書くことは出来ず、「あと1本あれば」という状態。そんな時には、CDではなくビデオか書籍で逃げるのがいつものパターンです。そこで目を付けたのが、だいぶ前にBSで放送されたものが最近になってDVDで発売されている、というアイテムです。これだと、ある程度中身は分かっていますからそんなにまとまった時間がなくても書くことが出来ます。そんなのを探してみると、一つ、絶好のものがありました。ただ、それは放送をDVDに焼いてはおいたものの、まだ1度も見たことがありませんでした。なにしろ、新作の現代オペラですから、一応全編見ないことにはボロが出てしまいますし。しかし、結局そんな時間は取ることが出来ないまま連休は終わってしまいましたよ。これはそのうち、ということで今回は見送りです。
 そうなってくると、本、ですか。実は、連休の初日には愚妻の練習が富沢でありました。そこへの送り迎えの道中には、つい最近トイレが全国的に有名になったスーパーがあって、そこのテナントに大きな本屋さんが入っています。ここは、音楽関係の本が充実していて、たまに行ってみると新しいものが並んでいたりしますから、なかなか重宝しているところ、その日も、出たばかりのちょっと興味を惹かれるものがあったので、とりあえず買って帰りました。
 結局それは、きのうの「おやぢ」のネタになったのですが、その主人公が活躍していた時代には思い出があるものですから、ちょっと懐かしくなったりして。つまり、あの「カバー・ポップス」全盛の時代に、ほんの少しだけ東京の赤坂近辺に住んでいたことがあったのですが、なぜか、すぐそばにあったTBSのスタジオに潜り込んで、「パント・ポップショー」のリハーサルを見学したことがあったのですよ。フジテレビの「ザ・ヒットパレード」ほどは人気はなかったかもしれませんが、あの頃のアイドルたち、「ダニー飯田とパラダイスキング」あたりがレギュラーだった番組ですね。歌は全て口パクだったことを、今でもしっかりおぼえています。
 もう一つ、まとまった休みを使ってやりたかったことがありました。それは、サイトの手直しです。このサイトは、もともとはニューフィルの公式サイトに非常に近い性格を持ったものでしたが、しばらく前にちゃんとした公式サイトを作って、こちらはあくまでも私の個人サイトとして好き勝手なことをしようということにしてありました。ただ、実際は、コンテンツはこちらにかなり残っていて、それをあちらからリンクしている、という状態は続いていました。しかし、毎日更新しているうちにじわじわとディスク残量が減っていって、そろそろ「あと10M」ぐらいのところまで来てしまっていました。実際は料金を追加すればいくらでも使えるのですが、やはり無駄な出費は抑えたいので、そんなコンテンツを丸ごと公式サイトのサーバーへ引っ越しさせようと思いました。それだけで、おそらく30Mぐらいは稼げるはずですから。
 これは、結局連休中には手が付けられず、ついさっき準備段階でファイルのコピーを送ったところです。あとはリンクさえ直せばうまくいくはずですが、どうなることでしょう。あ、これは使う人には全く関係なく更新が行われるはずですから、今までと何ら変更はない、はずです。
aventure number : 1334 date : 2009/5/7


今日の禁断 FTP

 サイトの引っ越しは、予想通りそう簡単にいくものではありませんでした。ニューフィルの公式サイト用のコンテンツは一応別のフォルダに入れてあるので、そのフォルダごと、画像などもきっちり相対パスが崩れないように階層をそのままにして送ってあったので、あとはメニューからのリンクを直せばそれで完成するはずでした。しかし、実態は、そんな甘いものではありませんでした。なにしろずいぶん前に構築したサイトですから、そのリンク先が必ずしもそのフォルダの中にはなくて、もう1階層上の中にあったりしていたのですよ。そんなのをいちいち拾い出して、そのファイルだけ送る、みたいなことが必要なところが結構ありました。
 おとといやったのはそこまで、まあ、多少不備なところも出てくるかもしれないけれど、そんなに大きなミスはないだろうと思っていました。ところが、きのう念のため全体のチェックをやってみたら、なんと「団員のデータ」あたりのリンクがごっそり抜けていました。これも、全然関係ないだろうと思っていたフォルダの中に、間をつなぐファイルが入っていたのですね。ですから、丸1日ぐらいはここからのリンクがつながらなくなっていたことになります。しかし、今のところなんのクレームも届いていませんから、ここにアクセスした人はいなかったのでしょうね。多分、これでつながっていないところはなくなっているはずです。もし、なにか不具合があったときには、教えて下さいね。
 結局、今回移したファイルのサイズは、全部で15MBほどになりました。音声や映像のファイルなどはありませんから、これは相当の量になるはずです。なにしろ、最初に私がサイトを開いたところでは、5MBが上限だったのですから、早々に乗り換えて大正解でした。いや、いまどきそんなサーバなんてないでしょうがね。
 というわけで、公式サイトは心身共に、いや、名実共に「ジュラシック」とは別のサイトになりました。実は、リンクはともかく、コンテンツが今の陣容になったとき、正確には2002年10月2日という大昔に、「ジュラシック」の定義を、それまでの「かいほうげんのサイト」から「音楽の話題満載のサイト」に変えているのですよね。その時点で、もう「公式」からは縁を切ったつもりでいたのですが、未だに、例えばこの「禁断」も公式のレポートだと思っている人もいるようなので、この機会に改めて声を大にして確認させて下さい。「禁断」は、私が勝手気ままに書いている雑文で、場合によっては効果を優先させるために事実とは異なることが書かれてもいます。そんな限りなくフィクションに近いものが「公式」であるはずがありません。どうか、単なるエンタテインメントとして気楽にお相手下さい。
aventure number : 1335 date : 2009/5/9


今日の禁断 男山

 先週末は、ちょっと憂鬱な気分でした。日曜日、つまりきのうには月1回のペースで行われている合唱の練習があるのですが、それが終わったあとに「懇親会」が行われていることになっていたのですよ。前回の練習の時に申込みがあったので、まあ、みんな行くのだから一応エントリーしておこうか、という軽い気持ちで出席することにしておきました。
 しかし、その日が近づくにつれて、だんだん気が重くなってきたのですよ。その理由は2つ。まず、私はお酒が全く飲めないという体質なので、「懇親会」とは言っても実態は「飲み会」ですから、お酒を飲まないと浮き上がってしまうし、あまり面白くありません。まあ、でもこれは最近は「ソフトドリンク全種目制覇」とかいってそれなりに楽しめるようにはなっていますから、それほどの問題ではありません。本当に問題なのは2番目。なにしろ、私は極端な人見知りですから、知らない人の間ではなにも話せなくなってしまいます。さすがにニューフィルには20年以上いますので、知っている人の方が多くてかろうじて話の輪に加わることが出来ますが、今行っている合唱団と来たら、まわりはほとんど知らない人ばかりなのですからね。
 練習が始まる前に、わずかに知っている大学合唱団OBの人に聞いてみたら、その人は出ないと言うではありませんか。せめて、その人にくっついて場を濁そうと思っていたのに、いったいどうしたらいいのでしょう。ますます憂鬱度は増すばかり。
 会場は、歩いていけるところ、みんなぞろぞろ歩き始めましたが、別に話し相手もいません。と、後ろの方から近づいてきたこの合唱団の本来の団員の人が、「○○さんは、他になんの合唱団に入っているんですか?」などと聞いてきました。その人とは1度も話をしたことはなかったのですが、そういえば練習の時に隣になって、なんか二言三言話してはいましたね。何となく、気が楽になってきます。
 居酒屋を借り切った会場は、小さなブロックが集まっているので、誰もいなかった端のブロックに1人で居たら、幹事さんがやってきて、「隣が空いているので、こっちへ来て下さい」と、強制的に他人の中に押し込めようとします。そこには、さっきの人もいましたし、なぜか、隣にいたのが学生時代に別の大学の合唱団にいた同じ学年の人、少しでも知っている人だったら人見知りはないので、そこで話が盛り上がります。「学生時代から、髪型変わってませんね」とかね。
 向かいに座っていた人が、車で来たのでお酒は飲まず、ソフトドリンクを注文していました。そのお店ではオレンジジュース、グレープフルーツジュース、烏龍茶が「全種目」、見ていると、その人はそれをまとめて注文していたので、私も同じものを注文、テーブルの上はこんな風になってしまいました。

 座が盛り上がるとともに、なんせ男声合唱団ですから、みんなで歌うことが始まります。こういうときには暗譜で歌える曲がいっぱいあるのですが、しっかり楽譜まで用意していてくれましたから、安心。「ウ・ボイ」などは、昔歌ったのと歌詞もメロディも違っていたので大助かりです。

 始まるまでの憂鬱さなどはウソのように、楽しい時が過ぎていきました。終わってみれば、なかなか心に残る宴会になっていたなんて、不思議なものです。
aventure number : 1336 date : 2009/5/11


今日の禁断 パスワード


 日本語でタイトルを書くのをはばかれるドラマ「SATC」の映画版が、早くもWOWOWで放送されました。何と言っても、これに備えて6年分、94本のドラマを全て見終わったばかりですので、見逃すわけがありません。
 しかし、最近のこの手の映画だとまず1時間半ぐらいの尺のものが、2時間を超える「大作」だったのには、ちょっと驚きました。でも、考えてみればドラマ版はそれこそ何十時間もかかるわけですから、これでも短かかったのかもしれませんね。確かに、4人分のエピソードを丹念に描いていたら、これだけの時間は必要なのかもしれません。いや、それだけではなく、このドラマ、そして映画に必要なのは、本筋に関係のないファッションのカットですから、長いのも当たり前。言ってみれば、アクション映画での戦闘シーンやカーチェイスのようなものなのでしょう。
 出演者は、ドラマでのレギュラー陣が全て出ていた、というのが嬉しいところですね。だれか1人が欠けたり、代役が出てたりしていたら、ぶちこわしになっていたところでした。キャリーの友達のハゲとか、シャーロットの友達のチビといったゲイ仲間もしっかり出演していましたからね。実は私、この2人が大好きだったのでした。
 反対に、映画だけに出ていたのが「ドリームガールズ」でブレイクした新人ジェニファー・ハドソン、この人もその映画ですっかりファンになってしまっていましたから、これも嬉しいところ。しかも、キャリーの秘書ですからなかなか重要な役どころ、最後になって明らかになる「秘密」の仕掛け人にもなるのですからね。もっとも、この「仕掛け」は、私にはすぐに分かってしまいましたがね。
 ドラマでの雰囲気をそのままに、プロットもかなり行き当たりばったりなものでした。つまり、そもそもこの物語にはロジカルな筋立てなどは必要ないのだ、ということを再確認です。キャリーは、ミスター・ビッグに結婚式をドタキャンされた原因が、ミランダが彼に言ったことだと知って激怒するわけですが、それは単なるきっかけに過ぎなかったことは、キャリーはその時には分かっていたはず、親友と絶交するほどの怒りにつながるはずはないと思うのですが、どうでしょう。いや、それは、それほどの怒りでも、親友だからこそ時間が経てば修復出来る、という、このドラマの哲学の単なるお膳立てだったのかもしれませんがね。それよりも、サマンサがスミスと別れることになった経緯の方が、まだ現実味があるのでは。ほんのちょっとしたことで、大切だと信じていたものが突然つまらなく思えるのはよくあることです。
 それにしても、キャリーはなんと年を取ってしまったことでしょう。ドラマではかろうじて「可愛さ」が保たれていましたが、この映画ではもはやそれは歴然としています。特に、ノーメークに近い状態でいたときの老けようといったら。それを隠すためのドラマより格段に念入りのメーク、それがとてもつらく思えてしまいます。ただ一人、サマンサだけは実年齢よりはるかに若く見えたのは、なぜなのでしょう。
 続編の制作が具体化しているそうですが、それはちょっと危険だな、とは思いませんか?
aventure number : 1337 date : 2009/5/13


今日の禁断 宅急便

 96万のキリ番は、今日の夕方5時頃に出ました。そろそろ「100万」などという数字が現実的になってきましたね。
 そのキリ番の御案内のマーキーの頭に付けていたのが、「まだ筍は生えています」というフレーズでした。この前筍掘り大会を開催して、出ている筍は残らず掘り尽くしたと思っていたのに、そのあともまだまだ性懲りもなく生えてくるのですよ。確かに、今年の収穫量はいつもより少なめだったので、まだ残ってはいるのだな、とは思っていたのですが、これほど出て来るとはまさに予想外でした。そうなってくると、やはり伸びすぎたものは掘り起こして処分しなければなりませんから、毎日せっせと掘りましたよ。本当はこの間のニューフィルの練習の時にも持っていこうと思っていたのですが、「生の筍をもらっても困るだけよ」という愚妻の言葉には勝てません。きちんとあく抜きをしたものをもらわないと、かえって迷惑なのだ、と言われては、持っていくのをあきらめざるを得ませんでした。
 毎年、こんな風に筍と付き合っていると、筍のことについてはずいぶん詳しくなりました。筍というのはずんぐりした形のものが一番おいしいのですが、それは実はシーズンの初めごろのものなのですよ。この頃のものは、節の間が殆どなくて、まるで重なるようになっています。しかしシーズンも後半になってくると、生え始めの小さなものでも、すでに節の間が長くなって細長い形になっているのです。最初の頃のほんとに柔らかくておいしい筍を食べてしまうと、こういう時期のものは明らかにトウが立ってきているな、というのがありありと分かります。
 でも、スーパーなどで売っている生の筍を見ていると、ほとんどがそんな私に言わせればもはや「竹」になりかけているようなものばかりなのですね。しかも、掘ってから1週間ぐらい経っているのでは、という、切り口が乾ききったものなども平気で売っているのですからね。
 そんな、筍に恵まれている環境だとは知らない知り合いから、「実家で採れた」と、なんと3本も筍を送って頂きました。わざわざ箱に入れて、しかも根っこの部分に湿気を与えるために、ラップでくるんで濡れた新聞紙まで付けてありました。しかし、あいにくその部分は、親切があだになってほとんどカビに近い状態になっていましたね。でも、せっかく頂いたのですから、とりあえずあく抜きだけはしておきましょうか。
 これは、私の仕事です。ぬかと唐辛子を入れて、皮を付けたままの筍に少し切れ目を入れて、大きな鍋で水からゆでます。1時間ぐらいゆでて、くしを通して軽く通るようになったらおしまい、あとはそのまま冷まして、皮を剥くだけです。しかし、この「実家」の筍は、1時間経ってもくしが通らないほど固いままでした。結局2時間ゆでても、いつもの筍のように柔らかくなることはありません。一応水につけて冷蔵庫に入っていますが、いったいどんな味がするのでしょうか。
aventure number : 1338 date : 2009/5/15


今日の禁断 モノスタトス

 きのうと今日は、仙台の初夏の風物詩「青葉祭り」が行われています。何度も書いているように、単なる客寄せのためでしかないお祭りなのですが、一応きのうは「宵祭り」、今日は「本祭り」などと仰々しい呼び方をされているようですね。そして、その「本祭り」の最大のイベントが、企業の名前をでかでかと貼り付けた山車を何台も連ねてメインストリートを練り歩く、その名も「時代絵巻巡行」というパレードです。そんな名前が付いていたなんて初めて知りましたが、いったい「七十七銀行」や「萩の月」のどの辺が「時代」だというのでしょうね。
 しかし、今日は朝から雨模様、そのお陰で、この「時代なんたら」が中止になってしまったというのですから、なんとかわいそうなことでしょう。確かに、あの山車は豪華な漆塗りでしょうから、雨に当たってしまっては傷んでしまいますからね。でも、私の記憶では、これがまるまる中止になったなんて、初めてのような気がしますが、どうなのでしょうか。いつもは一番前の山車には、伊達家の当主泰宗(やすむね)さんが伊達政宗になりきって座っているのでしょうが、今回ばかりは「雨だから、休むね」と言ったに違いありません。
 そんな雨の中、私は泉パークタウンの東の端にある小学校へ向かう、その住宅地の中の色濃い緑の並木道をドライブしていました。最近は合唱関係で色々お手伝いを引き受けたりしているのですが、なんと「オペラに出てくれませんか?」というあり得ないようなお願いが届いたのですよ。いえ、別に私個人に、ということではなく、あくまで私のいた合唱団のOB全体に向けてのお願いだったのですが、20人ぐらい欲しがっていたのに5、6人しか応えていなかったようなので、とりあえず見学に、ということで練習に参加してみようと思ったのですよ。演目はモーツァルトの「魔笛」、大好きなオペラですし、合唱パートは聞き覚えがありますから一度は歌ってみたいとは思っていたものの、実際にステージに乗るなどという大それたことは考えてはいません。ここで男声合唱が担当するのは「僧侶」と「奴隷」。「僧侶」の方は威厳を付けて立っているだけで良いのでしょうが、「奴隷」になると、グロッケンに合わせて踊ったりしなければなりませんしね。
 その最初の合唱練習が、その小学校の音楽室で行われる、ということだったので、行ってみたというわけです。そこにいたのは、いつもこういうオペラには参加しているさる合唱団のメンバーがほとんどのようでした。ところが、なぜかテナーは私を含めて全部で3人しかいませんでしたよ。あとの人は、いつも一緒に歌っている人と、もう一人、ニューフィルにもいたことのある、やはり知り合いです。こうなったら、歌わないわけにはいきません。全くの初見、音は難しくないものの、なんせドイツ語ですから、すぐには歌詞が付きません。でも、何回かやっているうちに慣れてきて、そのうち指揮者に発音のまちがいを指摘するほどになっているのですから、もう余裕でしょうか。
 しかし、本番はもちろん暗譜、それに所作が加わりますから、かなり練習しなければ行けないのでしょうね。本番近くには、末廣さんの指揮者練習などともぶつかる日もあって、なかなかスケジュールはタイトです。果たして、私ごときが「魔笛」のステージに立つことはあるのでしょうか。
aventure number : 1339 date : 2009/5/17


今日の禁断 ブライトクランク

 きのうの「おやぢ」は、なかなか手応えのあるアイテムでした。単にあのSACDが「偽物」だったことを検証しただけではなく、そのまわりの色々な事柄のうちのなにが真実でなにが「嘘」なのか、ということがずいぶんはっきりしてきたように、私には感じられました。一番いけないのは、通販サイトなどに登場する、代理店の担当者が作ったコメントですね。そのCDを制作した人にもっとも近い位置にある人が書いたものなのだから、いい加減なことなど書くわけがない、と、おそらくこれを読む人は盲目的に信じているのかもしれませんね。たとえば、今回、このSACDのレビューを書いているブログなどをたくさん拝見させて頂きましたが、ほとんどの人がこのコメントの丸写しによって、そのブログを完成させているのですね。そんな危険なことは、とても私には出来ません。大体、「駐露フランス大使館員が、自分の装置で隠し録りをした」なんてことは、1度でもこの録音を聴いていれば書くことなど出来るわけがありませんよ。
 なにしろ、代理店が発売する新譜の数は夥しいものですから、それらをいちいち全部聴いているわけなどありませんからね。おそらく、1本を30分ぐらいで仕上げるという「雑」な仕事の成果が、あのコメントなのでしょうから、そんなところに真実など潜んでいるはずはないのですよ。レーベルがよこした資料があれば、それを丸写しするだけ、そこに作為が込められていたとしても、それを確かめるすべはありません。というか、そもそもそういうことをやっているレーベルに、「問い合わせ」をしたとしても本当のことを言うわけなど、あるわけがないじゃないですか。
 このアイテムの目玉は、「ステレオ録音」ということだったのですが、そもそも、これが「偽物」だと分かったきっかけは、その「ステレオ」で聴いたときに弦楽器の配置がおかしかったことに気づいたことでした。いっそ、モノで出しておけば、ばれることはなかったかもしれませんがね。皮肉なものです。
 DGで録音するときに、なぜ指揮者の意向に背いて対向型をとらなかったのかという点については、おそらく何らかの証言が世に出ているのでしょうね。あいにく私はそんなものを読んだことがないので、勝手に想像するだけなのですが、おそらくステレオ初期の時代では、左からは高音、右からは低音が聞こえてくる、というのが一つの「規格」だったのではないでしょうか。つまり、その程度の分かりやすさが、当時の「定位」の基準だったのですよ。幸い、ステレオが開発されたアメリカでは、オーケストラはそんな風に並ぶのが「一般的」でしたから、それが世界的な基準になっていたのではないでしょうか。そこに、へたに対向型のオーケストラなどを録音したりしたら、聞いている人からクレームが付けられるのでは、と、本気で考えていたのかもしれませんよ。
 当時は、モノラルの録音を人工的にステレオにした「疑似ステレオ」というものがありました。これは、バンドパス・フィルターを使って、左側に高音、右側に低音を集めて、ステレオらしい音場を作ったものです。そのような定位がステレオだという暗黙の了解があったからこそ、これは成り立ったものなのでしょうね。
aventure number : 1340 date : 2009/5/19

09/5/21-6/28