1301(09/3/3)-1320(4/10)

今日の禁断 烏龍茶

 おととしの今ごろ、東京で合唱の演奏会があるその朝に突然腰に激痛が走って、さんざんな目に遭いながらなんとか演奏会は乗り切った、ということがありましたね。仙台に帰ってきてからすぐ整形外科で診察してもらい、椎間板ヘルニアだという宣告を受けたときは、かなり落ち込んだものでした。しかし、それと上手に付き合っていくうちに、だんだん症状も軽くなっているはずだ、というお医者さんの言葉を信じて、つとめて姿勢に気をつけたり、重い物を持つときの腰の位置を考えたりしながら生活をしていくうちに、確かに完全には治らないものの、そんな症状に慣れてきて、それほど苦痛には感じないようになってきました。
 その1年後、やはり東京の演奏会の前に、同じような腰の痛みに見舞われたのですが、それはそんなにひどいものではなく、別に医者に行かなくても次第に痛みが和らぐようなものになっていました。
 しかし、そんな痛みの周期が今年も巡ってきた時には、ちょっと別の症状が現れてしまいましたよ。1週間ぐらい前から、何となく左足全体がしびれるような感触があったのです。普通に座っている分にはなんの痛みもないのですが、立って歩いたりすると軽く痛みます。それが、どうやら腰の痛みに誘発されているような気がしました。ですから、極力腰に負担がかからないようにはしていたのですが、その足の痛みはだんだん増していって、車に積んであった重たい荷物を運ぼうと歩き出したら、左足に激痛が走って全く歩けない状態になってしまったのですよ。
 これはきちんと医者に行かなければならないと、きのう、前にいった同じ病院へ朝一で行ってみました。症状を話してまずレントゲンを撮ったあとに医者の診断を聞くと、どうやら私はやはり椎間板ヘルニアによって神経が圧迫された結果起こる「座骨神経痛」にかかっていたようなのです。2年前に撮ったレントゲンと比べてみると、その部分が、明らかに前よりも悪い状態になっているというのです。これは、ちょっとショックでした。自分では良くなっていると思っていたのに、かえって悪くなっている、しかも、これは対症療法しかなく、これから先、ずっと痛みに耐えて生きていかなければならないというのですからね。そのあと、さらにMRIを撮ってみて、もっと詳しくみてみよう、ということになり、前の人が終わるのを待って、40分ほどかけて、MRIを撮ってもらいました。そのデータを、やはり2年前と比較してみてみると、お医者さんはしきりに首をかしげています。それによると、レントゲンとは逆で、状態はかなり改善されているというのですね。ですから、今回の神経痛も、そんなにひどいものではなく、おそらく一過性のものだろうというのです。そんな話を聞いただけで、なんだか痛みもすっかりなくなったような気になってしまいました。注射を打ってもらって、渡された薬を飲んでいれば、おそらくもう少ししたら本当に痛みはなくなってしまいそうな予感です。
 しかし、そのあと色々な姿勢で痛みが出る時と出ない時を観察してみると、やはり腰に負担がかかる時には、正直に足にも痛みが出ることが分かりました。例えば、座布団のような軽いものでも、前屈みになって歩くと全然歩けなくなるほど痛くなるのに、楽器や楽譜が入った鞄を肩にかけても、普通に歩けるのですからね。人間の体なんて、本当に微妙なものなのですね。
aventure number : 1301 date : 2009/3/3


今日の禁断 ロフト

 今、私の手元には4つの腕時計があります。というか、もう使わなくなったものを、ただ捨てないでとってあるだけなのですがね。

 左端の時計は、バンドが切れてますね。このバンドの材質は塩ビ、同じ素材で作られた礼服が「塩ビ服」、というのはもちろんウソですが、デザインに惹かれて買ったのは良いのですが、こんな無惨な姿になってしまいました。当然といえば当然なのですが、塩ビ(ポリ塩化ビニル)という樹脂は、繰り返し折り曲げると簡単に切れてしまうという性質を持っているので、実は時計のバンドには適していないというのを、この時知ることになります。でも、こういう可愛い時計には良く塩ビが使われているというのは、そういうことを知らないのか、あるいは、腕につけたりしないで持って歩くような使い方をするべきものだからなのでしょうか。壁に飾っておくとか。私としては、そういう「腕時計」を使う気はないので、それから塩ビ製のベルトを使っている時計は絶対に買うものか、と、固く心に誓いました。
 ですから、その反省の元に次に買ったのが、こんなステンレスのごっつい時計です。これだったら、確かにバンドの消耗を気にすることは全くありません。かなり気に入って、ずいぶん長いこと使っていたのですが、これも電池交換がかなり厄介なことに気づかされます。なんでも、強力に防水してあるので、普通のお店では交換は出来ず、メーカーまで届けなければならないのだそうです。その間1週間ぐらいは時計なしで過ごさなければなりません。お店では、「防水は保証いたしません」という条件でしか、交換は出来ないのでした。まあ、そんな大げさな防水など必要ないので、そこで交換したのですが、その電池がなんだかずいぶん早くなくなってしまいました。このデジタル時計は、1日に1秒ぐらい進む、という欠点もあったので、その時点でもう見限ることにしましたよ。冷たいステンレスにも少し飽きてきましたし。
 とりあえず、新しい時計が必要だったので、その辺のホームセンターで割と良いデザインのアナログ時計を見つけて、「つなぎ」で買っておきました。ベルトは塩ビではありませんし、時間も正確、2000円もしませんでしたし。ただ、買ってから気が付いたのは、一応曜日と日付が付いているのですが、その調整がとっても面倒くさいのですよ。ですから、これではカレンダーとしては使えませんでした。そして、やはり安物は安物、数ヶ月で電池がなくなって停まってしまいましたよ。こんなものの電池を交換したってしょうがありませんから、それからしばらくは時計レス状態で過ごすことになります。携帯があればいいかな、と。
 先々週東京へ行ったときもそんな状態でしたが、やはり時計がないのは不便でした。それで、新幹線で駅に着いてから、合唱の練習場へ行くバスが出るまで時間があったので、駅前の時計屋さんでちゃんとしたやつを買おうと思いました。たくさんの時計が並んでいるお店ですが、それほど迷わないで右端の「スウォッチ」を買いました。ベルトは一応本革ですし、なにより気に入ったのが文字盤のデザイン。

 「12」が「ONE2」とか、「6」が「6ix」になっているのが、いいでしょう?ただ、「3」が反対向きになっているので、一瞬上下反対につけてしまったかな、と思ってしまうのが、難点といえば難点でしょうか。
aventure number : 1302 date : 2009/3/5


今日の禁断 いなり寿司

 「コール青葉」の演奏会が、いよいよ来週へと迫ってきました。この合唱団は東京在住のメンバーだけはなく、私のような仙台組や、女声だといわき(福島県ですね、「フラガール」で一躍有名になった地方都市・・・あ、知ってました?)などがそれぞれの場所で練習していて、最後にまとまってコンサートを開く、という形をとっています。ですから、本番が近づくと、指揮者は大変なことになります。それぞれが練習しているところまで出向いていってリハーサルをしなければならないのですからね。土曜日は東京、次の日の日曜日は仙台、そして水曜日はいわきなどといったハードスケジュールをこなさなければならないような毎日が続いています。
 ただ、その指揮者だけでコンサートを行うわけではなく、今回はもう一人、プロの指揮者の方を客演で呼んでありました。その方は男声合唱のステージを一つ振って下さるのですが、なんせお忙しい方なので、東京の練習だけで手一杯、とても田舎の地方都市までやってくることなど出来ません。かろうじて、那須で行った合宿には来ていただけたのですが(それでもスケジュールがタイトだったので、2曲のうちの1曲しか見ていただけませんでした)、仙台といわきが集まる集中練習の時には来ていただけませんでした。ですから、その指揮者のリハーサルを受けるためには、集中練習以外の時に東京の練習に行かなければならないという、大変なことになっていました。前に大宮まで行ったのも、そのためでした。その時は、準集中練習、みたいな扱いだったので、仙台やいわきから行った人もたくさんいましたね。
 しかし、それでも、結局私にとっては、そのステージの合宿でやれなかったもう1曲の方は、本番までその指揮者のリハーサルには1度も立ち会えない、という事態になってしまっていました。いくらなんでもそんな状態で本番を迎えるのはいやなので、きょう、もう1度東京まで行って、その指揮者の最後の練習に参加してきましたよ。
 わざわざ東京(というか、実際は川崎の「ミューザ川崎」)まで行ったのは、もう一つの目的がありました。それは、このところの「腰痛が招いた神経痛」が、本番の支障にはならないかどうかを検証することです。今の時点ではまだ全快はしていませんが、全く歩けなくなってしまった先週よりは楽にはなっていますから、首都圏までの往復に耐えられるか、という試験ですね。しかし、普通に歩くには問題はありませんでしたが、駅の階段の上り下りは結構大変でしたね。それと、コンサートの本番では立ちっぱなしですから、それに耐えられるかどうか、あと1週間の勝負です。オケだったら座ってますから大丈夫なんですけどね。
 練習場に行ったら、ここを見てくれている人からお見舞いを言われてしまいました。さらに、「毎年、コンサートの時には腰が大変だねえ」とMさんには冷やかされるし。
 しかし、そんなことよりも、演奏に関して重大な課題があることがこの指揮者練習で分かってしまいましたよ。他のステージはほぼ暗譜でも歌えるほどになっているのですが、このステージだけは歌い込んでいない分、全く暗譜が出来ないのですよ。他の東京の人たちは、かなり楽譜を離して歌っているのですが、私はとても楽譜なしでは歌えない状態、まさか、私の仕上がりがこれほどまでにひどいものだったとは。やはり、暗譜出来るぐらいに歌えていないと、歌っていても全然面白くありません。腰なんかよりも、こちらをいつもの演奏会レベルまで持っていくことが、この1週間の課題です。
aventure number : 1303 date : 2009/3/7


今日の禁断 受け付け

 前回のタイトル、当事者でなければ絶対分からないでしょうね。帰りの新幹線の中で食べていこうと「グランスタ」のいなり寿司やさんに並んでいたら、ニューフィルの人にばったり会った、という「奇遇」でした。あちらは「ジンガロ」ですって。
 ところで、ニューフィルのメンバー同士が、ご結婚なさることになりました。新郎の方はすでに県外に転勤してだいぶ前に退団していたのですが、新婦はギリギリまでコンサートに出演、ついこの間新郎の元へ旅立っていきました。確か、その時に送別会をやりましたよね。
 きのう、そのお二人の結婚式が仙台で行われたのですが、その二次会にニューフィルの人たちにも来ていただきたいという御案内を受けていたので、行ってみることにしました。なんたって団内結婚ですからね。「かいほうげん」のネタにもなるでしょうし。
 そこで、ハタと、なにを着ていこうかと考えてしまいました。二次会とは言ってもただの飲み会ではありません。結婚式や披露宴に出席した人たちもおそらく参加するのでしょうから、その中で普段着のジーンズにセーターでは、ちょっと失礼ですよね。かといって礼服まで着ていくこともないでしょうから、ダークスーツがまずは無難なところでしょう。しかし、私が持っているそんなスーツといったら、いったいいつ買ったものか、なにしろ「スリーピース」というのが一般的だった時代のものですから、ちょっと古くさいというか。普段着る機会がないもので、なかなか世代交代も進まないのですよ。ですから、この際新しいスーツを買うことにしました。「タカキュー」で3つボタン、サイドベンツという、昔の私だったら見向きもしないようなスーツをお買いあげです。ついでにネクタイとワイシャツ、そして、黒靴もスペアが必要でしょうから買っておきます。
 きのうは「コール青葉」の最後の仙台練習があったので、まずそちらに行きます。二次会は5時からですので、途中で抜け出す予定、当然新しいスーツを着ていきます。なんだか、女声の人たちは驚いたような目で私を見ていましたね。口に出したりはしませんが、一様に奇異の念を抱いていたのでしょう。隣りに座ったテナーの人は、「いつもと違うお身なりで」とか言ってますし。
 二次会は、やはり予想通り、しっかりドレスアップした女性なども来ていましたから、私の服装は正解でした。超セクシーなチャイナドレス、という人もいましたよ。こちらでも、やはり「演奏会以外でのスーツ姿は珍しい」という趣旨の発言を、多く耳にしましたね。会場の中では見事に溶け込んではいても、いつも見ている人にとっては逆に浮いていた、と言う不思議な状態だったのでしょうね。
 ある意味「取材」ですから、カメラを持って色々撮りまくってきましたよ。最後には、お店の人に頼んで、ニューフィル関係者だけの集合写真も私のカメラで撮ってもらいましたし。これは「かいほうげん」に載せますが、こちらは「お見送り」をしてくれていた新郎新婦です。

 しかし、お二人はとても素敵なのに(あ、ちゃんとした写真は、やはり「かいほうげん」で)、その横にある看板が目障りですよね。「岩盤浴」とか。そこで、その部分だけ修正することにしました。それがこれ。

 元になった画像は、横からしか撮れなかったお店の前の写真です。
aventure number : 1304 date : 2009/3/9


今日の禁断 シューベルト

 今回94万のキリ番の申し出を誘うために流したマーキーの頭には、「もう雪は降らないのでしょうか」などという間抜けなコメントを付けてしまいました。キリ番が出たのは午後4時半ごろ、それまでの間は、しんしんと降り積もる雪の中を、このみっともないマーキーは世界中に流れていたのでした。あ、雪が降っていたのは日本の北部の地方だけだったかも。いずれにしても、気まぐれな雪には困ってしまいます。まさに「♪なごり雪も 振る時を知り ふざけすぎた 季節のあとで」を地で行っているような今日の雪でした。
 そんな懐かしい歌の歌詞がすんなり出てきたのは、もちろんこの歌が暗譜の渦中にあるものだからです。ところで、この歌の出だしは「♪汽車を待つ君の横でぼくは」という、かなり時代がかったものであることには、お気づきでしょうか。「汽車」ですよ。「汽車」。いまどきこんな言葉を使ったら間違いなく年寄り扱いされてしまうという単語の筆頭、若い人を相手の会話では、決して使ってはいけない単語が、いきなり出てくる歌だったのですね。「なごり雪」って。
 そんな歌詞を載せたりして、当日配るプログラムも作られるのでしょう。というか、今年は私は曲目解説の原稿を書いただけではなく真ん中の見開きページの絵も選定したという関係でしょうか、いつの間にかそのプログラムの校正スタッフの仲間になってしまっていました。去年もやはり原稿は書いていたのですが、その時は入稿したらあとは全く他人任せだったというのに、なぜか今年は、校正刷りのファイルなどがメールでまわってくるようになっていたのですよ。全部で10人近くのメンバーにまわっていたのでしょうか、なかなか細かいところまで指摘が飛び交って、収拾がつかないのでは、と思うような場面もありましたね。うん、昔からこの団体はこんなことが好きだったのでした。
 いちおう私は「CC」扱いでしたから、オブザーバー的な立場だったのだと理解して、最初のうちは極力口を出さないようにしていたのですが、そのうち目に付くところが出てくると、やはりしゃしゃり出たくなってくるのは仕方のないことです。私が指摘したことについて、他の人が「同感です」などと言ってくると、嬉しくなったりして。
 そんな「もみ合い」が出尽くしたところで、最終稿が出来たのがこの間の日曜のことでした。前もってその日のうちに何かあったら連絡するように、というお達しが出ていたのですが、私は例の二次会があったので、家に帰ってメールを開けたのは9時過ぎでした。そうしたら、その件に関してのメールの山。まだまだ不完全なところがいっぱいあったのですね。そんなことは他の人に任せておこうと思っていたのですが、私の原稿の周辺で、誰も指摘していなかった不具合に気づいたので、タイムリミットギリギリで、それを送ります。しかし、そのメールが、なにしろ返信を繰り返していたものですから少しバグってしまい、文字化けに近い状態になっていました。ですから、幹事長はその指摘に気づかず、他の項目だけを訂正点として送ったようでした。それに気が付いたほかの人のメールでやっと気づいて、もはやすっかり締め切りは過ぎていた月曜の早朝にそれを送っていましたが、果たしてそれは直っているのでしょうか。本番まで、あと4日です。
aventure number : 1305 date : 2009/3/11


今日の禁断 葉巻

 この間の結婚式の二次会の時に、会場には大きなテーブルが3つありました。席は別に決まってはいなかったので、そのうちの一番奥のテーブルに、何となくニューフィルのメンバーが集まっていましたね。でも、私の隣が一つ空いていたので、誰が来るのかな、と思っていたら、「ここ、いいですか?」と、全く見ず知らずの人が聞いてきました。女性ならともかく、むさいオトコだったので、断ろうとも思ったのですが、そんな勇気もなく隣りに座っていただくことにしました。でも、その人は新郎の学生時代のオーケストラ仲間で、実は同じテーブルにも知り合いがいっぱいいたのですよ。ですから、もうなんだかニューフィルの人たちと一緒でもなんの違和感もありません。すっかり仲良しになって話に花が咲きます。
 そのうち、だれかが「かいほうげんが・・・」などと話を振ってきました。昔の1面記事は固かった、とか。そうしたら、その隣の人が「かいほうげんって、知ってますよ」と言いだしたのですよ。なぜ、そんな見ず知らずの人までニューフィルの会報のタイトルを知っているのか不思議でしたが、なんでも「インパクトのある名前だから」ということでした。うーん。私の知らないところで、私が作ったものが広がっていたのですね。なんか不思議(念のため、「かいほうげん」というタイトルは私が付けたものではなく、私が担当する前から出来ていました)。
 その「かいほうげん」の最新号を、今作っているところです。もちろん、この二次会の写真が満載となっていますよ。岩盤浴の看板に気が付く人は果たしているでしょうか。
 いつものように、末廣さんの月刊誌へのエッセイも転載していますが、これだけで3ページを稼げるのには、本当に助かっています。最初は「3年間」の連載だと言っていたのが、もう4年目に入っていますから、もしかしたらもうすぐ終わってしまうのかもしれませんね。そうなるともう今の16ページは出来なくなってしまいますから、ぜひともずっと続けて欲しいものです。今回は、本当は最新のものを使いたかったのですが、それ用のイラストがまだ出来上がっていないようなので、先月号のものを使います。いつものようにスキャンして文字を認識するソフトで、テキストを拾います。それだけではまず完全に読み取ることは出来ないので、チェックは必要です。いつだったかも「大使」を「大便」と認識してしまいましたしね。ただ、明らかにまちがいなのに、元のページを見ても同じ字だった、というものもありました。出版社が間違えたのか、そもそも末廣さんが最初から間違えて書いたのでしょうね。「今だに」というのは、ちょっと可愛いので、そのままにしておきましたが、「カストロ誌」というのはいくら何でもですので、きちんと直しましょうね。今回のテーマはプッチーニの「ラ・ボエーム」、そこにキューバの指導者の名前など出てくるはずがありませんからね。正しくは「カストリ誌」というものなのです。知ってます?昔、お酒の「カス」を搾ってとったものに、メチルアルコールなどを混ぜて作った安いお酒のことを「カストリ」と言ったのですよ。強いお酒ですから3合飲むとつぶれてしまいます。それを「3号でつぶれる」とかけて、すぐ廃刊になってしまうような雑誌のことを「カストリ雑誌」と言ったのですね。勉強になったでしょ?ちなみに、「かいほうげん」は今度で192号になりますが、まだつぶれません。
aventure number : 1306 date : 2009/3/13


今日の禁断 ガラス張り

 「コール青葉」の本番が終わって、ついさっき仙台に帰ってきたところです。今回は、まだ足の痛みは残っていたものの、特に歌うことに支障はありませんし、声の方もいつになく調子が良く(つまり、風邪をひいたりしてはいなかったということですが)、私としては今までで最高のコンディションでした。これで、暗譜が完全に出来ていれば完璧だったのですが、やはり半分ぐらいしかできなかったのは、かえすがえすも残念です。それでも、やはり心から充実した体験が味わえた、と思えた瞬間も何度もあり、収穫の多いコンサートでした。
 なぜか、グリーン車にタダで乗れるというサービスを受けられることになっていたものですから、往復ともグリーン車に乗ってみることにしました。いや、正確には、普通車の料金で、グリーン車に乗れる、というだけのことなのですがね。しかし、グリーン車といえば、「汽車」の時代だったら「一等車」ですよ。実は、私は汽車には「二等車」か、ごくたまに「特二」というのにしか乗ったことはなく、ですから、今回生まれて初めてグリーン車というものに乗ることが出来たことになります。座席は一回り大きく、隣の席の間が広く取られているので、普通車のように他人の肩が触れるようなことはありません。しかし、グリーン車の特典はそれだけではなく、なんと、「グリーン・アテンダント」というお姉さんが1人付いていて、専門のサービスをしてくれるのですよ。あ、別にいかがわしいことをしてくれるというのではなく、単におしぼりも配ってまわる、というだけなのですがね。なぜおしぼり、と思っていると、そのあとには飲み物のサービスがありました。

 まあ、この程度のことでにわかセレブの気分が味わえるのですから、なかなか得難い体験でした。
 肝心のコンサートでは、前の日の練習に本番の会場が使えなかったので、川口市民会館というところに行くことになりました。なんでも、もう建ってから50年以上は経っているという古いホールです。ただ、昔はよくここで録音が行われていたので、名前は知っていました。しかし、やはり最近の「音楽ホール」に比べると、一時代前の音響設計、という、なんとも響かないホールでした。このデッドさが、当時の録音の趣味と合っていたのでしょうね。
 ですから、当日のオペラシティは、まったく違う豊かな響きが聞こえてきたので、このホールの素晴らしさを再確認です。しかし、ステージ裏のラウンジが、来るたびに雑然となっているのは、ちょっと悲しい気がします。なんせ、譜面台やバス椅子、チェロ椅子、そして山台などが、まるで倉庫のように置いてあるのですからね。ですから、録音や録画のセッティングなども、まず最初にそこにあるものをどけて場所を確保する、というところから始まるのですから、大変です。今年の小貝さんの機材は、いつものDSDデッキなどですが、コンバーターを新しいものに変えたのだそうです。

 2階の楽屋に行ってみると、喫煙コーナーが透明の仕切で隔離されていました。上が2年前の写真です。これを撮った頃は、実際にはここでは喫煙禁止だったのですが、こんな風に「分煙」を施したのですね。なぜ全面禁煙にしないのでしょうかね。というか、こんなところに閉じこめられてまでタバコが吸いたいと思う人って、いったい・・・。

 客席は3階まで満員、去年よりもお客さんは増えていたのだそうです。暗譜していた曲では、まさに指揮者と合唱団が一体になったグルーヴが体験出来た瞬間があって、あまりのことに涙が出てきて一瞬歌えなくなってしまいましたよ。これがあるから、この合唱団はやめられません。ただ、その同じ曲で、およそプロとは思えないような伴奏を弾いていたピアニストには、心底がっかりしてしまいました。最後のステージでも、正直「もうやめてくれ」と思った瞬間が、いつにも増して多かったような気がします。
aventure number : 1307 date : 2009/3/15


今日の禁断 金魚


 「歓喜の歌」をWOWOWで見ました。ちょっと粋な計らいで、原作と並べて放送するという企画です。ご存じでしょうが、この映画の「原作」は立川志の輔の新作落語です。彼が毎年ホールで行っている独演会は毎回チケットが入手出来ないほどの人気なのだそうですが、それの何年か前の出し物が、この「歓喜の歌」だったのですね。二つのお母さんコーラス(志の輔は未だに「ママさんコーラス」という今ではどこでも使われることのない名称にこだわっていますが)のコンサートをダブルブッキングしてしまった「文化会館」の物語、とてもあり得ない設定ですが、それを一級の人情噺に仕立て上げた志の輔の「原作」は、確かになかなか感動的なものでした。
 映画では、この「原作」の骨組みにかなりの肉を付け加えていました。噺では抽象的な存在であった二つの「合唱団」を、きちんと実体のある物として描くのが、まずその第一歩。実は、この映画が公開されていた頃に「コール青葉」の練習で新大久保にある辻音のスタジオに行ったことがあるのですが、そこにポスターが貼ってあったのにはちょっと驚きました。一応「合唱」がらみで宣伝に一役買っているのかな、と、その時は思っていたのですが、実際はこの辻音が、かなりのところまで関与していたのですね。「合唱指導」とか。
 確かに、その「合唱」の出来は、かなりのものでした。おそらく、クレジットにあった何とかという本物の合唱団がきちんと演奏していたからなのでしょうね。少なくとも、「この演奏会に向けて、一生懸命練習をしてきた合唱団」という感じは良く出ていました。こういう最低限の「仕込み」さえきちんとやってもらえれば、後はどんなでたらめをやっても大概のことは許せます。どこにもオーケストラと、そして男声の姿は見えないのに、聞こえてきた「第9」はオリジナル(いや、とんでもないカットがありましたが)の編成だった、なんてのは、笑って済ませられることです。正直、「ダニー・ボーイ」などは鳥肌が立つほどの素晴らしさでしたよ。
 そしてストーリーも、多くの脇役を登場させてキャラクターの設定をより現実的なものにしようとしています。ただ、原作でもそうでしたが、あのダメ主任がなぜこんなにも簡単に改心出来てしまったのか、それはもちろん「餃子」のおかげなのでしょうが、今ひとつ説得力に欠けるのが気になります。それでも噺の方でしたら、志の輔がまさにここをクライマックスに熱く演じているのでそれなりに納得は出来るのですが、映画ではなまじこの主任のキャラクターがリアルだったために、そこまでの境地にはならなかったというか。ほんと、この主任の設定はちょっとくどすぎましたね。あんな、ロシア人のホステスに簡単に入れあげてしまうような人が、どうしてここまで一途な使命感を発揮出来るのか、ちょっと乱暴すぎるプロットではありました。
 というより、彼を演じた小林薫を見ていると、絶対に「第9」を「指揮」している姿しか浮かんでこないのが、困ったものです。似てるでしょ?末廣さんに。
aventure number : 1308 date : 2009/3/17


今日の禁断 地球儀

 「コール青葉」のコンサートが終わって、軽い脱力感に襲われているところです。1500人のお客さんの前で2時間半のコンサート、これはやはり凄いものなのだった、という感慨が胸をよぎります。演奏に関してはこの間書いた通りですが、それ以外にも、私がプログラムに書いた曲目解説が、確かな手応えを与えてくれました。こんなんです。
 はるか昔、紀元前10世紀に作られたとされる「詩篇」、そのヘブライ語による150篇の祈りの歌たちは後にラテン語に訳され、キリスト教の礼拝でも大切な役割を果たします。さらにそれは15世紀頃のルネサンス期に誕生したポリフォニーの洗礼を受けることにより、礼拝という意味を超えた芸術作品としての道を歩み始め、今に至るまで、合唱音楽の地下水脈として絶えることのない流れを保ってきたのです。「深き淵より」という歌い出しの「詩篇130」などは、時代や国境を越えた多くの作品が知られています。
 そんな、いわば時空を超えた「旅」の途中で詩篇が巡り会ったのが、19世紀ロマン派の作曲家フランツ・シューベルトです。彼は、6曲のミサ曲を始めとする数多くの宗教曲を作っていますが、この詩篇からも2篇を選んで合唱曲を作曲しました。そのうちの「詩篇23」は本来の編成は女声4部とピアノ伴奏、宗教曲というよりは、むしろ世俗的な、仲間うちの音楽会のような場で演奏されていた曲です。それは後に男声4部とピアノ伴奏の形に作り直され、男声合唱の根元的な魅力である古典的なハーモニーの美しさを存分に味わえるレパートリーとなっています。もちろん、私たちがこれを歌うことは、現在ではさまざまな技法に翻弄されている合唱音楽の原点へと立ち返る「旅」にもなるはずです。
 この曲の歌詞は、詩篇の中でも特に神の慈愛が強く感じられるものです。どんな時でもわれわれが迷うことのないように導いてくれる神、それはあたかも人生という「旅」に死に至る時までもやさしく付き添ってくれるガイドのような姿を思い起こさせてくれます。そんな印象を与えられるのは、ドイツ語の訳詞では神(Gott)に対する呼びかけとして、「Sie」という目上に対するものではなく、「Du」という親しみを込めた言い方が使われているからなのかもしれません。私たちにとって初めてのドイツ語の歌詞への挑戦、これは、幾つになっても未知のものを探し求めてやまない少年のような心を持った私たち自身のもうひとつの「旅」でもあるのです。
 もちろん、私一流のハッタリ満載の文章なのですが、なぜか今回はプログラムの他の曲の解説から「浮いている」という感じにはなりませんでした。もしかしたら去年の私の原稿に、他の人も影響を受けてたりして。
 まあ、それは思いこみですが、打ち上げの時にわざわざ私のところにやってきて、「あの解説は本当に素晴らしい」と言ってくれた人がいたのには、本当に嬉しくなりました。なにしろ、毎日必ず1本の原稿を書く、というのが、サイト作りの原点ですから、それがいつの間にか良い練習になっていたのでしょうね。
 しかし、おとといからはニューフィルの練習に集中するために切り替えが必要でした。いつものようにまだほとんど他の人が来ていないときに、なんと「び」様がやってきて、こんなお土産を置いてってくれました。クリップ入れ、必要な分だけ「北極」にくっつけておける、という優れものです。これがもう一つと、三色ボールペンが山ほどあります。こんど机の上に置いておきますので、欲しい方は持っていって下さいね。
aventure number : 1309 date : 2009/3/19


今日の禁断 レコライ

 やっと週末の合唱の練習がなくなったので、4月末に控えている「仙台フルートの会」の練習に行ってきました。この間行ってから、確か2回続けて欠席していたはずです。実は、ニューフィルのフルートパートの人もここには参加しているので、この間の練習の時に、私が行かなかったときの練習の模様を聞かせてもらいました。メンバーが集まらなかったとか、指揮者がだいぶ遅れてやってきたとか、あまり盛り上がらない様子だったようですね。でも、今日は、その人は休んでいました。ですから、「フルートの会」ではすれ違い。その代わり、アルトのパートには、もう一人来ていたので、晴れて2人となって、少しは楽になりましたよ。この前に早引けしたあとにやった「エグモント」は、家へ帰ってみたらアルトではなく普通の楽器の楽譜だったのでどうなることかと思っていましたが、今日はちゃんとした楽譜が用意されていました。ここの楽譜係の人は、いつもきちんとやってくれるので、すごく助かります。でも、ヴィオラの楽譜をそのまま使ったのはまだ直っていなかったので、その人にも読み方のメモを見せてあげて、読みかえです。
 一応全曲やってみましたが、結構大変なパートもあって、指揮者は少しお冠、あと1ヶ月で果たしてものになるのでしょうか。「コール青葉」ではありませんが、曲目が多すぎて消化不良、という状態だけは避けないと、本末転倒になってしまいます。
 練習会場は青年文化センターの地下、そこにはコンクールの事務局もあるのですが、帰りにエレベーターの横にあった掲示板を見てみたら、そこにはコンクールのポスターと一緒に、今度のニューフィルの演奏会のポスターが貼ってありました。

 なんたって、コンクール入賞者の晴れの舞台ですから、こんな風に全面的に宣伝を行ってくれるのですね。実は、私の担当のポスター配りも、ずっと週末に出掛けることが出来なかったので、街中のお店などにはまだ行けてません。そろそろ、こちらも再開しなければ。でも、その代わり、ニューヨークのタイムズスクエアには、しっかり巨大ポスターを貼ってきましたよ。

 なんてね。これも、今回の「かいほうげん」のネタでした。全部出来上がってチェックしてみると、最後のページがなんだか隙間が多くてバランスが悪いので、そこになにかないかな、と思って作ってみたものです。もうお分かりでしょうが、これは前に書いた「岩盤浴」の看板をイタリアンレストランのものに変えたのと同じ手法、それをさりげなく気づかせるためのサインの役目を持たせているのだ、と、勝手に位置づけているのですが。
aventure number : 1310 date : 2009/3/21


今日の禁断 麻丘めぐみ

 NHKのBSでやっている「名曲探偵アマデウス」という番組、なかなか面白いですね。とは言っても、私の場合、最初にこの番組が始まったときには全く期待はしていませんでした。というか、経験上、この手のもので面白かったためしがありませんから「絶対に見るものか」というぐらいの決意すら持っていたものです。
 そうなんですよ。こういう、クラシックを扱ったバラエティでは何度失望感を味わわされたことか。いや、バラエティではなく、純粋に演奏を見せるだけの番組でも、その前に出てきて「解説」をしたり「対談」をしたりする内容がことごとく「なんか違うな」という気持ちにさせられるものばかりですので、そういうものはまず録画して、その部分だけは飛ばしてみる、ということをしているぐらいですからね。ついこの間「生放送」をしていたコンセルトヘボウのコンサートもそんな感じ、番組表には詳しい時間が書いてなかったので、とりあえず最初から最後まで録画しておいたのですが、それを再生しようと思って時間を見たら、全部で3時間以上もありました。コンサート自体は2時間もなかったのになぜ?と思ったら、残りは全てそんなどうでもいいような話だったのですからね。ほんと、○本さんの話は全てどこかで聞いたことのあるものばかりですし、□田先生は完璧に老害を披露しているだけのことですから。
 ただ、そのなかで、現地で事前に取材している部分だけは面白いものでした。コンセルトヘボウを改修するときの話で、音響学者がこのホールの特性について話していたのですが、「美しい音のするコンサートホールは、視覚と両立させるのは不可能」だと言っていました。つまり、床に傾斜があるとそこに座った人間に音が吸収されてしまって響きが悪くなってしまうのだそうです。確かに、この間行ったばかりのオペラシティでも、床の段差は少ないものでした。
 ですから、日本の、特にNHKの作ったクラシック関係の番組のお粗末さは身にしみて感じていたところ、しかし、なんかのはずみでまさに「怖いもの見たさ」のような心境で、「動物の謝肉祭」の回を見てみたら、それが想像以上に良かったのですよ。つまり、音楽に関しての「解説」が、まさに正攻法で進められているのです。なまじ、「初心者のためにやさしく」などということは全く考えず、かなり専門的なことまでしっかり織り込んで、ほんと、ヘタをしたら現役の音大生でも知らないようなことまできっちり盛り込まれているのですからね。
 基本は、かなり高度なアナリーゼ、しっかり楽譜を見せながら、「空虚5度」とか「遠隔転調」とか言う言葉を、平気で使いながら解説しているのですから、これはちょっとすごいな、と思ってしまいました。バッハの「無伴奏チェロ組曲」の回などは、「スパッラ」まで登場してましたからね。私は、動く「スパッラ」を見るのはその時が初めてでした。
 そんな高度な解説と一緒にやっているのが、とことん下らないドラマもどきというのが、逆に勝因になっています。こじつけもここまで行けば、それだけで立派な芸になっていて、ひたすら笑うことが出来ますからね。ただ、一番最後にそれまでの「おさらい」みたいな感じで、その日にやったお勉強をもう一度曲に乗せて繰り返すのはちょっと邪魔。その部分だけはいつもカットしています。
 初めの頃の「フィンランディア」の回で、なんと新田ユリさんが出演されていたのですね。もちろん、捜査を依頼に来た過保護な母親を演じていたわけではなく、きちんと指揮者として登場したのでしょうが、ヘンな意地を張らないで初回から見ておけば、と後悔しているところです。
 しかし、「天出臼夫」とは・・・・。
aventure number : 1311 date : 2009/3/23


今日の禁断 桜餅

 きのうは橘さんとの2回目の練習でした。というより、平日の練習日しか確保出来なかったために、これから本番まで毎週指揮者練習が続くというハードな道のりの第1歩となる日でした。ですから、練習時間も、いつもより15分早く6時45分から始めて、少しでもカバー出来るようにシフトです。
 私が駐車場に車を入れたのは、5時49分。やはり、いつもより15分程度早めでした。もちろん、前もって「スーパービッグ」で買い物をして、駐車券の100円割引を貰っておくことも忘れません。
 練習場では、すでに橘さん用の着替えスペースは準備済み、椅子並べなども早めに始まります。ヴァイオリンなどにはエキストラの人なども来ますから、その分も多く並べていると、譜面台がなんだかギリギリしかないようでしたね。つまり、フルメンバーが集まるとそのぐらいの人数になってしまうのですね。まだメンバーはほとんど席に着いていないうちに橘さんは現れて、自ら譜面台の調整などを行っています。そう、そんな感じで、ごく自然にいつの間にか指揮台に立っている、というのが、橘さんのスタイル、時間になるとおもむろに入ってきてあたりに緊張感を走らせる、といったような、例えば、う〜ん、末廣さん、いや、最近は違うか、では、誰も知らないでしょうが國分さんみたいなタイプの方ではないようです。
 前回もそうでしたが、橘さんは短い鉛筆を持って指揮をされています。前は指揮棒を忘れたのかな、と思ったのですが、今回もそうだったので、本番でもこの鉛筆なのでしょうか。あるいは指揮棒を持たないのか、そんなことを想像する楽しみも湧いてきます。
 ヴァイオリンはいつもより人数が多いので、とても充実した音が聞こえてきました。もちろんヴィオラも、ほとんどフルメンバー、3楽章の頭のソロを、何度も何度も磨かれているうちに、見違えるように素敵になっていきますから聞いていて嬉しくなりますね。その楽章の最後の部分を、よりメリハリのある聴かせ方をさせるために、丁寧に橘さんのやり方を仕込まれます。パートごとに細かい表情を付けていくのですが、その部分、もうセカンドヴァイオリンは弾くところが終わっていました。そういうことを伝えるために橘さんは「もう、セカンドは終わってます」とおっしゃいました。それを聞いたセカンドは、一斉に「え〜っ!」ですって。確かに、別の意味に取れなくもありませんね。いや、そこまで考えた、これは橘さんのジョークだったのでしょうね。
 やはり時間は少なくて、4楽章などはかなり切りつめての練習となってしまいました。それが終わってすでに9時半は過ぎていたのですが、そこで「アンコールを1回通させて下さい」ということになりました。短い曲なのですが、フルートパートはとても大変なところがあります。先週1回ゆっくり通しても出来なかったところなのですが、それを本番のテンポでやったらとても付いていけませんでしたよ。どうごまかすかが、課題です。
 楽器を片づけたり、並べておいた「かいほうげん」や日程表をしまって、慌てて駐車場まで走ります。精算したのが9時48分、あと1分遅かったら、100円余計にとられるところでした。
aventure number : 1312 date : 2009/3/25


今日の禁断 打楽器

 新しい「まちりょく」をもらってきました。いえ、私が行ったのではなく、青年文化センターで練習があった愚妻がもらってきてくれたのですがね。半年分のコンサートやイベントのそれぞれの主催者が作った原稿をそのまま載せる、という、なかなかユニークな広報サービス誌です。もちろんタダ。もっとも、それに載せてもらうまでにはそれなりの複雑な申請が必要なのでした。私が作ったその原稿は、2月11日の「禁断」に載せてありますが、印刷されたものはそれと全く同じものでした。それが当たり前のことのように思うかもしれませんが、何年か前に最初に出したときには、WORDで作ったその原稿のフォントなどの参考のためにPDFも一緒に送ったところ、その当時は画像などがあまりきれいに変換出来なかったそのちょっとみっともないPDFをそのまま使われてしまって、がっかりしたことがありましたからね。今回は、写真もとてもきれいに印刷出来ていて、大満足です。
 そんな、印刷屋のスキルと同時に、原稿を出す各団体のセンスというか、力の入れ方もずいぶんレベルが高くなったように感じられます。おそらく、他のところのと見比べて、もっとかっこいいものを次には作るんだ、と固く決心した人が多かったのでしょうね。
 それと同じタイミングで、前に企画書を送っておいたフリーペーパーなどでのチケットプレゼントの告知などが目に付くようになってきました。「河北WEEKLY」などは、2ページ見開きのプレゼントのページに、かなり大きなスペースを取って紹介してくれていましたね。写真も橘さんとオフチニコフさんの両方使ってくれましたし、紹介文も、私が書いた企画書の文章のフレーズを上手に使って、簡潔にまとめてありましたっけ。多分、明日発売の「りらく」にも、プレゼントの案内が出ることでしょう。
 それと、さっきの「まちりょく」が置いてあったところと同じ場所にあった、仙台市市民文化事業団のフリーペーパーでも、先月号に続いて案内が載っていましたね。こちらは「協力事業」ですから、大々的に紹介してくれるわけです。それにしても、同じものが2ヶ月連続で載っている、というのはちょっとすごいことなのではないでしょうか。
 その「アルセン」(だったかな?)という広報誌の巻頭に、なんだか見慣れたイケメンの写真がありました。どこで見たのかすぐには思い出せなかったのですが、やがてそれは「劇団四季」のパンフレットにあったものだと分かりました。そう、それはこの間まで仙台でロングラン公演をやっていた「美女と野獣」に出演されていた赤間清人さんだったのですよ。その時のパンフと、その前、京都で見た「ジーザス」のパンフに、この同じ写真が載っていたのでした。仙台の演劇シーンで活躍をしていた(その当時を知る人が、ニューフィルのHさん)赤間さんは、「劇団四季」に入団して、まさに「故郷に錦」を飾ったことになるのですが、そんな奢った感じなどまるでない、謙虚な文章が素敵です。あ、そう言えば、「まちりょく」には、彼の師匠、というか元ニューフィル団員のIさんの文章も載っていましたね。
aventure number : 1313 date : 2009/3/27


今日の禁断 グレイ

 利府高校、勝っちゃいましたね。何はともあれ、おめでとうございました。いえ、試合自体はとても素晴らしいものでいくら喜んでも良いのですが、なんとも複雑な事情もありまして。つまり、ニューフルのメンバーの1人が利府高校の関係者なものですから、応援のために甲子園に行っているのですよ。ここで勝ってしまったものですから、帰ってくることが出来ません。次の試合はあさってですので、その日に行われる指揮者練習にはでられないことになってしまいました。正直、まさかここまで勝つとは思っていなかったので、楽観視していたのですが、ちょっと気の毒なことになってしまいました。
 そんな高校野球の放送を、私は車のラジオで聴いていました(ワンセグ携帯なんて、持ってません)。しかも、片平市民センターの駐車場の中で。今日は、6月にあるさる男声合唱団の演奏会で歌う「富士山」の2回目の練習の日だったのです。先月は東京へ行っていて駅からバスで直行したのですが、今日は車で行ってみようと思いました。しかし、なにしろこの市民センターは駐車場が狭いものですから車で行っても駐められるという保証はありません。それで、ヒマだったものですから、2時間ぐらい前に行って、車を置こうと思ったのですよ。その間にラジオを聴いていたわけです。それだけではなく、なんとフルートを持っていって、車の中で練習をしてみました。これは、私にとっては初めての経験、だいぶ前にそうやって練習しているという人の話を聞いていたことがあったので、それを実地に試してみたのです。当然ですが、国産車の運転席に座っていたのでは楽器がドアに当たってしまうので吹くことは出来ません。そこで、助手席に移って楽器を構えることになります。これは、なんの問題もありませんでした。伸び伸びと、普通に構えることが出来ました。楽譜をダッシュボードに乗せて、音を出してみます。しかし、それはかなり厳しい音でした。まわりを堅いガラスで囲まれているものですから、自分の音が直接耳に入ってくるのですね。息音もかなり混じった、それはとても汚い音でした。正直、こんな音を聴かされたらいやだろうな、という音、自分で吹いていてとても疲れてしまいます。もう、こういうところで練習することはないでしょうね。駐車場の方は1時間前でもまだ充分空いていることが分かりましたので、この次からはもう少しゆっくり来ることにしましょう。
 この市民センターには、だいぶ前にチラシとポスターをお願いしてありました。ですから、実際にどんな風に置いてあるのか、まず入り口を入って確かめてみます。しかし、1階のロビーにはポスターはおろかチラシも全然見当たりません。やはり、普段ニューフィルがここを使うことはないので無視されてしまったのかな、と、練習会場のある3階まで行ってみると、そこにしっかりポスターが貼ってあったので、一安心です。チラシもそのそばにありましたし。
 シアトル・グレース病院のベイリー先生に良く似た指揮者(その顔がどこかで見たことがあるなあ、と思って色々考えていたら、そんな外科の先生だったことに気づきました)は、そんな鮮やかなメスさばきのように、キレの良い運動神経で音楽を作り上げていく方のようでした。これは、今まで合唱では体験したことのない、オケの指揮者的なやり方、どんな仕上がりになるか、楽しみです。
aventure number : 1314 date : 2009/3/29


今日の禁断 準決勝

 ニューフィルの平日の指揮者練習、今日は青年文化センターのコンサートホールが会場です。最近はよくここで合唱などのコンサートを聴いたりしていますが、オケの練習をここでするのは、久しぶり。ステージに乗って木管の席に座ると、客席が正面に見えますが、こんなに狭いホールだったのか、という気がしてしまいます。やはり、練習はともかく、ここでオーケストラを聴くのはかなり辛いことがよく分かります。
 今日のメニューは大半がコンチェルトの練習となっています。ところが、そのステージでトップを吹く人がやんごとなき事情で休まざるを得なくなってしまったために(まだ甲子園にいます)、私がそのパートを代わりに吹くことになってしまいました。シンフォニーと違って、コンチェルトの場合フルートの出番があまりなく、たまに出てくるとものすごい早さで瞬間的に超絶技巧を披露しなければならなかったりします。ですから、ある程度いつもの練習で他のパートとのからみを感じていないと、なかなかうまく演奏するのは難しいものです。
 私は、多分全体の合奏でこのパートを吹くのは初めて、それが指揮者練習だというのですから、そのプレッシャーたるや、ハンパではありませんでした。代吹きが決定的になったのがおとといのことだったので、それから必死になってさらいましたよ。1人で吹いている分にはほぼ完璧に吹けるようにはなったのですが、合奏、しかも初めての場合は絶対にうまくいかないことは、今までの経験で分かっていますから、始まる前は、まさに暗澹たる気分でした。
 なにしろ、コンチェルトは休みの小節を数えるのが仕事みたいなものですから、ひたすら頭の中でカウントです。橘さんは、1楽章から丁寧に細かいところまで指示を出していきますから、なかなか吹くところは出てきません。いざ吹こうと思っても、もう体中が固くなっているようで、かなり悲惨な音しか出ないようになっていましたね。前もって代わりに吹くことを言ってあったのですが、だからといって私のパートをいい加減にやるのではなく、本吹きのように繰り返しやらされますから、大変です。でも、1楽章が終わる頃にはかなり固さもとれてきたのでしょう、ピアノのカデンツァの途中で出てくるソロが、1人でやっていたときには絶対ノンブレスでは出来なかったものが、少し早めにテンポだったこともあってすんなり一息で吹けてしまいましたよ。それで、少しは落ち着いたでしょうかね。
 それでも、休みなしに3楽章まで行って、終わったときには体中の力が抜けてしまったような感じでした。椅子から立ち上がることも出来ないほど緊張していたんですね。
 それに比べたら、そのあとにやったシンフォニーは、ほんと、楽なものでした。やはり、アマチュアは場数が勝負、数多く実地に練習しないことには決して伸び伸びとした演奏など出来ないことが良く分かりました。それは、合唱などでも同じことなのでしょうね。この間のオペラシティでは、本番の指揮者で練習する機会が少なかった私には、やはりなにかよそよそしい感じが残っていましたっけ。それはおそらく来年も改善されることはないのでしょう。完璧を期したい私としては、ちょっとそういう演奏会に参加するのはためらわれます。
aventure number : 1315 date : 2009/3/31


今日の禁断 ドント

 今年は4月1日は「禁断」のないローテーションだったので、毎年恒例(でもないですが)のエイプリル・フールネタはありません。甲子園で利府高校が優勝とかね。
 そんな感じで、新年度が始まって、色々なことが新しくなりました。バスの時刻表なども変わっているそうですね。私はほとんどバスは使わないので別にどうでもいいのですが、愚妻あたりは新しい時刻表がないと何かと不便。そこで、いつも時刻表のサイトをプリントアウトして使っています。いえ、実際に作業をするのは私なのですが、何かと注文がうるさくて、特にサイトの文字は小さいので、印刷するときには字を大きくしてくれとやかましく頼まれます。ですから、いつも大きな文字を選択して、それで印刷するようにしていました。
 今年も、それと同じ手順で、印刷を始めました。ブラウザのメニューから「表示」→「文字のサイズ」ですよね。ところが、これで画面の表示では大きな字になるのですが、それを印刷してもなぜか全然大きくなっていないのですよ。パソコンもプリンターも去年と全く同じだというのに。仕方がないので、それを拡大コピーして使うしかありませんね。
 ただ、時刻表の改正に伴って、もしかしたらサイトの制作者がなにかを変更していたために、こんなことが起こったのかもしれないと思い、そこにメールを出してみました。別に返事は期待してはいませんが、そんなこともあると知らせてやるつもりでした。ところが、そのメールにはすぐ返事が来ましたよ。なかなか親切なサイトですね。それによると、サイトの作り方は全く今までと変わってはいない、というのです。その人のところではきちんと文字の大きさを変えて印刷出来るのを確認した、とありました。OS(XP)やブラウザ(IE6)もきちんと書いてきて、それ以外の環境ではどうなるかは分かりませんが、ということでした。それを見てみると、ブラウザが違っています。そういえば、私のパソコンは最近IE6からIE7に変えたのでした。去年印刷したときには、確かにIE6でした。
 そこで、ネットを色々調べてみたら、ありましたね。例えばこんな感じ。マイクロソフト自身が、これはブラウザの欠陥だと認めているのですね(このリンクは、さっきの時刻表のサイトの人が教えてくれました)。つまり、IE7では、IE6のように文字の大きさを変えて印刷することは出来ないのですよ。
 しかし、もっと探してみると、簡単にそれが出来る方法が見つかりました。メニューから「ファイル」→「印刷プレビュー」でプレビューウィンドウを開いて、そこで拡大設定をすればいいのです。画像まで大きくなってしまいますが、時刻表ではそんなに問題にはなりませんから、これでやっと愚妻の望む時刻表を印刷することが出来ました。タブが使えて便利なのでIE7にしたのですが、こんな落とし穴があったのですね。
 もちろん、PDFなどはそんなことは関係なく作ったものがそのまま印刷されるはずです。ニューフィルの練習日程のページからリンクして、今度のマーラーの9番の中に書いてあるドイツ語の表記を訳したものをアップしてあります。ご参考までに。
aventure number : 1316 date : 2009/4/2


今日の禁断 東一番丁

 このサイトを始めたときよりもっと昔の話なのですが、東北大の北門のそばにあるさる教会で合奏団が組織されたときに、フルートを頼まれて吹いてきたことがありました。そこでは何回か礼拝の時や、さらには普通のコンサートとして出演していたのですが、いつの間にか縁がなくなってしまっていました。
 ところが、つい最近、その時の人とは別の人脈、つまり大学のOBの合唱団がらみで、「バッハの『マタイ受難曲』をやるので、フルートを吹いて欲しい」というお願いを受けました。聖金曜日の礼拝で抜粋を演奏したいので手伝って欲しいというのです。「マタイ」ならぜひやってみたいので、即引き受けることにしましたよ。なんだか、合唱団関係はいつもの知り合いが出ているようですからね。
 フルート以外の合奏のメンバーは、別のルートで手配してある、ということだったので、ちょこっと行って吹いてくるだけだな、と思っていたのですが、結局なんのかんのとあって、私がヴァイオリンとヴィオラの人をそれぞれ2人ずつ紹介してしまうことになってしまいました。あてにしていたメンバーが出られなくなったので、何とかならないか、と泣きつかれたのでは、やむを得ません。幸い、ニューフィルのメンバーが快く引き受けてくれましたよ。ギャラも出ないというのに。
 しばらくぶりに行ったその教会は、建物がすっかり新しくなっていました。駐車場も広々としたものが整備されていて、楽々車で行けましたし。中も、こんなに広かったかな、と思うほどすっかり変わっていましたね。そして、礼拝堂も、こんな斬新なデザインの素敵な空間でした。でも、オルガンだけは昔からあった馴染みのものでした。

 最初は合奏だけのリハーサル、なんせ楽器が足らない物ですから、私がオーボエのパートまで吹かなければなりません。でも、その、本来ならオーボエ・ダモーレ2本のオブリガートのアリアが、フルートで吹いてもなかなか良い感じなのでした。これは、本番でも楽しみです。でも、今回は「マタイ」の最初の合唱と最後の合唱という、ともに長大な曲をやるというのですから、それは大変なものでした。実際に吹いてみて分かったのですが、、フルートパートは曲の間全く休むことが出来ないのですからね。ほんの数小節でも休みがあれば、その間にアンブッシャーを回復出来るのですが、それが出来ないのがちょっと辛いところです。しかも、今日は2番フルートの人が来なかったので、1人で頑張っていたらもう完全にバテてしまいましたよ。本番はもっと楽に吹けたら、と思っています。
 ニューフィルの人たちは、休み時間の間にもボウイングの打ち合わせなど熱心にやっていました。もちろん、演奏も合奏全体をリードしてくれていましたから、なんか、誇りに思えてしまいます。定期演奏会も近いというのに、引き受けてくれて感謝です。

 本番は来週10日の金曜日、7時からです。誰でも聴けますよ。牧師さんのお説教付き。
aventure number : 1317 date : 2009/4/4


今日の禁断 本間

 先週末は、山下達郎が仙台にいたのですね。3日、4日と「宮城県民会館」でコンサートがあったことは、チケットを取り損なったものとしては出来れば思い出したくなかったことなのですが、ラジオで地元のFM局などを聴いていると、定禅寺通りに面したスタジオで生放送しているキャスターが、外を歩いている人に向かって「達郎さんに行くのすか?」などという声をかけたりしていますから、いやでも思い出してしまいます。なんという無神経なキャスターなのでしょう。などと怒り狂うのはおかど違いなのは重々承知で、そんな悪態を付きたくもなってしまいます。
 今日あたりは、別の番組で「行ってきました」などというメールを読んでいたりしますから腹が立つこと。達郎は毎週日曜日の彼の番組では、「ネタバレになるので」と言うことで、ライブの模様はほとんど話してはいません。どうやら、そんな箝口令は聴きに行った人に対してもかなり徹底されていたようですね。ラジオへのメールでも、「書きたいけれど書けない」みたいなことを言っていましたし。ですから、個人ブログなどでもそのあたりは気を使っているのがうかがえます。逆に、そんな、行った人だけが共有している「秘密」がある、というのも、行けなかった人にとっては腹立ちの種、やはり、ファンクラブにでも入らないことには、チケットを入手するのは不可能なのでしょうか?サトーさん。
 土曜日の夜は、教会で「マタイ」を練習した後、「フルートの会」へ行って、それが終わってから愚妻を迎えに片平の市民センターへ行くことになっていました。その途中で定禅寺通を横切ったら、大きなトラックが何台も駐車してありました。もしかしたらコンサートの機材を積み込む車だったのかもしれませんね。しかし、それよりもちょっと気がかりなことがありました。愚妻が、出がけに道で転んだときに、胸を地面に埋めてある境界表示のコンクリートの柱に打ち付けた、というのです。「歌うと痛い」とか言ってましたから、骨を折ったのかも。
 そういえば、去年の今ごろもやはり「骨折」騒動がありましたね。あの時は、別に骨は大丈夫だったのですが、「最初は骨折したのではないかと思った」という意味のタイトルを付けたら、本当に骨折したと勘違いした人もいて、多大なご迷惑をかけてしまいました。そんな引っかけ(いえ、そんなつもりは全くありませんでしたよ)のせいでしょうか、今回はしっかり肋骨にひびが入ってしまっていました。最初に行った休日当番医では「1本にひび」と言われたのですが、今日になって近所の行きつけのところでもう1度見てもらったら、「2〜3本骨折」だというのです。「ひび」というのは「骨折」と同じことなんですって。
 胸なのでギプスというわけにも行かず、バンドのようなものを巻いて固定するだけ、1ヶ月ぐらいは合唱をやってはいけないと言われたそうです。普通に動く分にはなんともないようなのですが、家事は・・・・私がやりましょう!
aventure number : 1318 date : 2009/4/6


今日の禁断 境界杭

 もうすっかり春ですね。通り道の桜もつぼみが開いたり、中にはほとんど開花しているものもありました。そこで、ごく近所の桜の名所(どうやら、ここは本当に「名所」になっているみたいですね。ここのそばに住んでいる人がタクシーに乗って道を告げたら、「ああ、あの桜の名所の東○○だすペ」と言われたそうですから)に、今年の咲き具合を見に行ってみました。
 毎年書いているような気がしますが、ここの桜は木によって開花の時期が微妙に異なっています。ですから、写真のように、一番すごい花を咲かせるしだれ桜には、まだつぼみも出ていません。しかし、その脇から見える他の木では、もう花が見えますね。それぞれ、もっと近くで撮ってみたので、比べてみて下さい。そんな風にそれぞれの木が織りなす開花のタイミングによって、日々全体の風景が変わっていく、というのが、もしかしたらここが「名所」だと言われる所以なのかもしれませんね。

 桜が咲けば、気になるのは筍です。今年は、去年の筍掘り大会以来、竹やぶには行ってみたこともありませんでした。いつかみたいに行ってみたら草ぼうぼうでえらいことになっていた、なんてのは勘弁して欲しいと思いつつのぞいてみたら、いつになくきれいになっていたので一安心です。去年あれだけ丁寧に掘り尽くしたお陰でしょうか、竹もそんなに増えていないようでした。まず、これだったら小さなお子さんが来てもあぶないことはないでしょう。
 しかし、良く見ると、ところどころに立ち枯れになっている竹が見当たります。中には完全に枯れて、根っこから倒れているのもありました。これはもう片づけてしまうしかないので、愛用のチェンソーを持ってきて伐採、さらに小さく切って燃やしてしまいましょう。10本分ぐらい燃やしたでしょうか、なにしろすっかり乾いていますからよく燃えますよ。こんな風に、完全に灰にしてしまって土に戻す、というのが、もっとも理にかなった「エコ」というものだと思うのですが、どうもそう簡単にいかないのが、いまの「えせエコ」なのでしょうね。レジ袋を廃止するだけで「エコ」に貢献した気になっているのが、実は一番あぶなかったりします。そもそも「地球救おう」などという考えが傲慢過ぎやしませんか。人間なんて、地球を救えるほど強くも賢くもないのですからね。「地球に救われる」という考えを持ってこその「エコ」だと思うのですが。
 おっと、柄にもないことを(末廣風)。まるで初夏のように暖かい中で体を動かしたら、とてもさっぱりした汗をかきました。気が付いたら、足の痛みも、もう殆ど気にならないほどになっていましたね。でも、愚妻の方はまだしばらく痛みは続くのでしょう。さっき見せてもらったら、ぶつけたところにくっきりコンクリートの四角い形のあざが出来ていましたっけ。でも、それが消えるのも時間の問題です。
aventure number : 1319 date : 2009/4/8


今日の禁断 ビス

 いよいよ「マタイ」の本番でした、しかし、なにぶんかなり切りつめた人数の合唱とオケ、練習も2回しかないという超省エネタイプのコンサートでしたから、正直どんなものが出来上がるかは不安でした。しかも、最初と最後の大コーラスをやるというのですからね。
 リハーサルの時には、客席になんだか見たことのある顔の人が座っていました。昔、ズーズー弁を売り物にしていたアナウンサーのような気がします。なんか、芸能界からは足を洗って確か政界に進出したはず、こんな人も、この教会の信者さんだったのですね。それで、やはり信者さんの2番フルートの人に「○野東が来てますね?」と聞いてみたら、その人は「私、○野東の娘なんです」ですって。何と言うことでしょう。お父様のことを呼びつけにしてしまったなんて、大失敗です。慌てて取り繕おうと、「今、なにをなさっているんでしたっけ?」と聞いてみました。確か、もう国会議員ではなかったような気がしたもので。そうしたら、「参議院の比例区で当選しました」・・・・。もう取り返しがつきません。
 本番前に晩ご飯が出るというので、おにぎり(2個限定)をご馳走になっていると、○野さんも一緒に食べています。そこで、ニューフィルの人たちに「○野さんだね」と言ってみたのですが、「だれそれ?」という返事、うーん、名前を知っているだけ、まだ私の方が失礼ではなかったかも。でも、本当に知らないんですね。昔はあれ程人気があったというのに。そう、今だと本間ちゃんみたいなキャラだったんですよね。落語もやってたし。

 そのうち、お客さんもどんどんやってきます。合唱関係の知り合いの顔も見えます。中には、私は合唱で歌うのだと思っている人もいましたね。開演の5分ぐらい前になったので、礼拝堂の中でみんなが座っているところで、祭壇にセットされたステージに向かいます。スタンバイしたのが早すぎたのか、なんとも気まずい沈黙が礼拝堂の中に漂っています。われわれは目のやり場がなくて、下を向いたまま、時たま顔を上げて知り合いと目があったりすると慌てて目を背ける、みたいなことがずいぶん長い時間あったような気がしました。
 やっと、指揮者がオルガンを弾き始めてコンサート、いや、礼拝が始まって、ホッとしたのも束の間、いざ演奏が始まってみると、お客さんが入ったために音が全然響かなくなっていてかなりあせってしまいました。汗は出てくるし口のまわりはもうズルズル、息は持たないし高音がかなりヤバくなってしまいましたね。かといって、休みがないので拭き取ることも出来ません。
 次のコラールでは持ち直しましたが、いよいよ一番大変な2本のフルート(本当はオーボエ・ダモーレ)のオブリガートが付いたアリアです。実は、リハーサルの時に延ばしている音符が分からなくなってしまい、何拍か早く終わってしまったという「事故」があったものですから、それだけはないようにと気をつけていたのですが、やっぱり本番でも同じことをやってしまいましたよ。でも、2番の人が冷静だったので、すぐに合流出来ましたがね(こういうことは伝染するみたいです。Iさん、ごめんなさい)。
 演奏(というか、礼拝)は、あっという間に終わってしまいました。正味1時間ぐらいでしょうか。実は、今日はH子ちゃんの送別会がある日。この本番があったので欠席でしたが、この時間だったらまだやっているので、最後のご対面と、写真を撮ることぐらいは出来るでしょう。行ってみたら、「マタイって、3時間ぐらいかかるのにもう終わったの?」と言われてしまいましたよ。

 こんな、いつだかと良く似た顔ぶれでした。でも、この写真を撮ったのは誰?
aventure number : 1320 date : 2009/4/10

09/4/12-5/19