1161(08/5/27)-1180(7/4)

今日の禁断 ペンギン

 先週は、私の母親の誕生日でした。もう80歳になったのですが、まだまだ元気、毎日仕事に精出しています。そんなキリ番になったからといって、ことさら大げさなお祝い事をやるわけでもなく、普通の誕生日としてお祝いをしてあげました。毎年、プレゼントには邪魔にならないような小さな置物などを探して贈っていたのですが、今年はちょっと趣向を変えて、本を贈ることにしました。母はニューフィルの演奏会には欠かさず来てくれますから(「友の会」の会員でもあります)、馴染みのある末廣さんが書いた本が出たばかりなので、それを贈ったのです。
 母は、ことのほか、この贈り物を喜んでくれました。なによりも、末廣さんの飾らない文章にすっかりハマってしまったよう、ちょっと気に入ったフレーズがあると、私のところに持ってきて「これが良いのよね〜」と言ってくれます。もちろん、末廣さんお得意のユーモアに満ちた語り口もしっかり気に入ってくれました。なによりも、末廣さんが大好きだと、その本の中でも紹介している故・桂枝雀師匠は、母も大好きな噺家です。実際に生で見たこともありますから、それを読んで、嬉しくないわけがありませんよね。本当に気に入ってくれたようで、私もすごく嬉しくなっているところです。こういうのを「親孝行」と言うのでしょうか。
 母が末廣さんの指揮にまた接することが出来るのは、少し先のことになりますが、今は新田さんの指揮の演奏会へ向けての練習が始まったばかりです。その新田さんのたっての希望で実現した「アンタール」、今日はその2回目の合奏です。この前の時はなにしろ初めてづくしでしたから、とりあえず音になっていればよかったようなものですが、今回もまあ軽く通す程度になってしまうでしょう。
 その前に、まずチャイコフスキーをやったあと(これは、だいぶ形が整って来つつあります)初めてのボロディンをやってみます。ところが、今日はこの曲のトップを吹く人が仕事の都合で欠席なので、私が代吹きということになってしまいました。今はどうなのか分かりませんが、かつては音楽の教科書に鑑賞課題として必ず載っていた曲ですから、非常に「有名」です。ただ、これを演奏するとなると結構大変。なにしろ最初からファースト・ヴァイオリンのソリによるフラジオで始まるのですからね。スコアの指定だと、最初は2人、それから次第に4人、6人、8人となって、そのあとはトゥッティということになります。しかし、今日集まったファーストだと「6人」ぐらいのところですでに「トゥッティ」になってしまうのですからちょっと、かわいそうですね。そして、フルートにとって最大の難所が、一番最後に来ます。薄い弦楽器に乗って、まさに1人でテーマを吹いて、最後は消え入るようにCisの音を伸ばすという、かなり危険なソロです。前の方はともかく、最後がうまくいくわけはありません。
 そして、いよいよ「アンタール」。課題だったピッコロは、かなり明るい見通しが立つようになりました。ただ、なにしろまだきちんと3人で吹いたことがないので、まず、そこをクリアしないことには。
aventure number : 1161 date : 2008/5/27


今日の禁断 ひげ


 久しぶりに、フルーティストの瀬尾さんのコンサートが仙台であったので、行ってきました。と言っても、ソロのリサイタルではなく、瀬尾さんがパリで結成したアンサンブル「アンサンブル・フランセ」のコンサートです。メンバーは瀬尾さんと同世代の「仲間」たち、ピアノはお馴染みのローラン・ワグシャルですから、まさに気心の知れたメンバーということになります。なんでもチェロのメンバーが体調を崩したそうでキャンセル、しかし、代わりの人もやはり同じ仲間だそうですから、アンサンブルには支障がないはずです。
 フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、そしてピアノという編成は、ちょっと珍しいものです。フルートがなければそれこそ「タッシ」のように、メシアンの四重奏を演奏する編成になるわけですが、この形のオリジナル曲などは、ちょっと思いつきません。従って、プログラムの最初と最後の曲は、瀬尾さん自身が編曲したものです。そして、唯一、こんな変わった編成の曲、と言っても、やはり編曲ものには違いありませんが、シェーンベルクの「室内交響曲第1番」をウェーベルンが編曲したものも加わっています。その他にクラリネットとピアノだけでドビュッシーの「ラプソディ第1番」、ピアノトリオでラヴェルの曲が演奏されました。
 と言うことは、瀬尾さんは全てアンサンブルの中のメンバー、ソロは1曲もありません。それでも、最初の「牧神」の編曲は、フルート・ソロが大活躍する曲ですから、存分に楽しめます。瀬尾さんのフルートはもちろんですが、クラリネットの人もすごく上手。「ラプソディ」は絶品でした。そして、ピアノが、いつもこのホール(あ、会場はあの青年文化センターのコンサートホールです)で聴きなれている楽器とは思えないほど、柔らかい音色を出していたのにも驚かされました。
 初めて生で聴いたラヴェルとシェーンベルクは、それぞれに魅力のある曲でした。特にラヴェルの第3楽章は、とても美しいものでした。ソロを弾いたチェロの深みのある音色が、印象的です。シェーンベルクは、曲自体はつまらないものですが、メンバーの緊張感がその欠点をしっかり補っていましたね。
 最後の「ラプソディ・イン・ブルー」は、ちょっとコメントしづらいものがあります。この曲をこの編成で演奏するには、かなり「捨てる」要素が出てくるはず、それをうまく処理すればオリジナルとはまた違った魅力が期待できるのですが、そのあたりがどうもうまくいっていないような気がしてなりません。リハーサルも十分に出来なかったのでしょうか、ヴァイオリンだけが不必要に煽り立てるために、全体の目指しているものがさっぱり見えてきません。
 アンコールは、ガーシュウィンの最後をもう1度演奏するという文字通りの「アンコール」、やはり、このヴァイオリンだと白けてしまいます。瀬尾さんはアンサンブルのコンサートとして完結させたかったのでしょうね。このあとおまけで「シランクス」でも吹いてくれれば、少しは物足りなさも解消できたのかもしれませんが。
aventure number : 1162 date : 2008/5/29


今日の禁断 まだむ

 今日、5月31日はなんの日でしょうか。少し前にここに書いたので、察しのよい方はピンと来るかもしれませんが、実はこの日はこの「ジュラシック・ページ」の誕生日なのですよ。トップページのカウンターの開始の日にちと微妙に違っていますが、それは最初の頃プロバイダーを変えたりして、多少の混乱があったからなのです。こちらに書いたように、初めてこのサイトが「全世界に向けて」公開されたのが、1998年の5月31日だったのです。ということは、サイトが出来て今日で丸10年ということになりますね。ついに10年経ってしまいましたか。
 10年前といえば、まだOSはWIN95の時代でしたね。もちろんブロード・バンドもまだまだ普及していなくて、ダイヤルアップで接続していた時代でした。単に面倒くさいだけなのですが、このサイトでは作ったファイルは殆どそのままの形で残してあります。ですから、そんな10年前に作ったものを見直してみると、例えば画像などは転送しやすいように出来るだけサイズを小さくするなど、「時代」を感じさせるものになっていますね。もちろん、それはそのままこのサイトの「歴史」となるわけですから、今となっては貴重なものには違いありません。
 ただ、中にはいくらなんでも今のレベルには達していないと思えるものもありますから、それは削除するものもあります。だいぶ前にそんな判断の下に削除してしまったものは、今の「おやぢの部屋」の前身のシリーズです。確か全部で12ぐらいあったファイルですが、とてもいまの「おやぢ」を書いているのと同じ人とは思えないような稚拙な文章で、書いた本人が恥ずかしくなるようなものでしたから、これを削除するのにはなんのためらいもありませんでした。もちろん、削除したからと言って、それに対してなんの反応もありませんでしたから、そもそも誰も見ていなかったのでしょうしね。
 それとは対照的に、いつまで経っても色あせない、「自慢の」ファイルもあります。ブルックナーの「4番」の話などは、よくこんなものを作るだけの気力があったものだと、感心してしまうほどです。こういうものを残しておけば、いつかまたこれぐらいのものを作ってみようという励みにもなるというものです。ほんと、最近は昔ほどの丁寧なものが作れなくなっているような気がします。
 しかし、今では個人サイト自体が、前ほどの完成度が見られなくなっているのではないでしょうかね。きちんと1から作り上げるサイトではなく、誰でも簡単に作れてしまうブログの隆盛が、その大きな要因なのでしょう。私の場合は、ブログはあくまでサイトの予備、というスタンスをずっと守っていますから、毎日毎日、飽きもせずサイトを更新するという作業をひたすら続けています。もはや、それは完全に日課となってしまいました。これが重荷と感じられるようになったら、その時はサイトを閉じるとき、それはいったい何年先のことでしょうか。
aventure number : 1163 date : 2008/5/31


今日の禁断 DSD

 この間、「プリントゴッコ」のことを書いたと思ったら、それから何日も経たないうちに「ついに発売終了」という知らせが飛び込んできました。まるでこの日を予言したかのような、先日のエントリーとなりました。
 そうなってくると、心配になるのが消耗部品の入手です。すでに、私が必要なB5のマスターは注文しなければ手に入らないようになっていますが、ランプやインクは「当面は販売する」という方針だそうなので、しばらくはお店で買うことも出来るのでしょう。それがいつまでか、というのが問題です。まあ、店頭からそういうものが姿を消すのも、時間の問題という気はします。
 実は、今まで日常的に使ってきた他のものも、そんな境遇にある、ということを実感させられる「事件」がありました。それは、MDプレーヤー。最近はもっと小型で済むICレコーダーやi-Podなどのプレーヤーが全盛ですから、うすうす気づいてはいたのですが、必要に迫られて録音の出来るMDプレーヤーを買いにいったところ、その売り場は色んなレコーダーの売り場のほんの一角になっていたのです。カセットテープの方がまだ品数が豊富に思えるほど、展示されている機種も少なくなっていました。良く見ると、メーカーはソニーしかありません。店員さんに聞いてみると、ビクターとかシャープとかパナソニックといった他のメーカーは、もうこの業界から撤退してしまったそうなのです。ここまで来ると、もうこのフォーマットはプリントゴッコ同様、先の展望は開けていないと思うしかないのでしょうね。
 ただ、そのソニーの製品を良く見てみると、私が今使っているものとは微妙に違ったモードがあるようです。USBのスロットも付いていて、パソコンとデータのやりとりも出来るようですし、カタログを見てみると「ハイ・MD」とか言って、同じサイズのディスクにCDと同じクオリティの録音が出来るものがいつの間にか出来ていたようなのですね。確かに、これだと普通のモードで使えば録音時間もずっと長くなりますから、「画期的」なものには違いありません。しかし、MD自体がこんな辺境に押し込められるような状態の中にあるときに、いくらこんなものを出してもあまり意味がないような気がしますがね。「B5のプリントゴッコ」みたいなものでしょうか。
 そんな、先の見込みのないものをなぜ買うのか、と言われそうですが、なんたって使うのが愚妻ですから、ICレコーダーはちょっと敷居が高いのですよ。今までずっとカセットテープを使って練習の録音などをしていたのですが、機械がもうすっかりダメになって(3回ぐらい修理に出しました)、それの後継としては、具体的に「カセット」という出し入れの出来るものがあった方が良いのだと。事実、MDにしても、録音したものを「どうやって巻き戻すの?」と言っているぐらいですから、せめて録音メディアぐらい目に見えるものではないと。
aventure number : 1164 date : 2008/6/2


今日の禁断 金メダル

 気づいた方はいなかったかもしれませんが、トップページの「コラム」が、いつもは月末までには新しい月のものに更新されるのに、今月に限って2日にやっと更新という醜態を演じてしまいました。このところなにかとチェックしなければいけないことが多くなっていて、ついうっかり忘れてしまったのですよ。それだけではなく、きのうはなんと練習に行くときに楽譜を持っていくのを忘れてしまっていたのですから、これはかなり重傷です。夕方に1人風邪をひいてしまったので休ませて欲しいという連絡があったものですから、その人の担当の「アンタール」の1番をさらっておこうと、少し早めに練習場へ行ってみました。そして、いざ吹こうと思ってバッグを開けてみたら、パート譜が入っていなかったのですね。スコアはしっかり入れていたというのに。予備の譜面もなかったので、仕方なく取りに帰ることにしました。音出しまで20分以上ありますから、ギリギリで往復できるでしょう。きのうは分奏でしたらから、人が揃うのも遅れるでしょうし。
 夕方で道が少し混んでいて、戻ってきたのは7時を5分ほど過ぎていました。楽々セーフだな、と思って中に入ると、なんと、もうみんな座って待っているではありませんか。空いているのは1番フルートの席だけ、こんな時に限って、みんな早いんだから。
 なんでそんなに連日のポカが多いのかというと、6月はじめに2つの行事を抱えていて、それの準備で頭がいっぱいだったせいです。今度の日曜日には恒例の「かやの木コンサート」、まだ楽譜も揃っていなくて、私が山積みになった楽譜の中から必要なものを探し出したりしなければなりませんでした。そして、その2日前の6日、金曜日には、「ヴォーカル・スペクトラム」のコンサートがあります。今のところは直接の仕事はないのですが、当日のシミュレーションなどをしていると、色々不安なところが出てきたりします。
 なによりも、チケットが全然売れていないのが悩みの種、しかし、関係者の努力が実って、やっとプロモーションをひとつ実現できることになりました。実は彼らは今日仙台入りをしています。そこで、彼らを連れてマスコミ関係に働きかけようとしたのですが、なかなかうまくいきませんでした。しかし、先輩関係の伝手で、今日放送の「OH!バンデス」に生出演が決まったのですよ。

 これが今日の4時半頃に放送された映像です。コンサートの紹介を、ホストのさとう宗幸さんが、しっかりやって下さいました。そして、彼らの持ち歌「South Rampart St. Parade」を全曲歌わせてくれたのです。これを聴いた宗さんは「これは凄い!ぜひ、生で味わってけさいん」と、しっかりPRしてくれましたよ。今のぞいたら、コンサートのホームページのアクセスが凄いことになっていました。確かに、テレビの威力は大きかったようです。
 ただ、これがすぐ集客につながる保証はなにもないわけで、この際ですから今これをお読みの方も、ぜひいらして下さいな。もちろん、無料ご招待、受け付けにチケットを用意しておきますので、こちらのメールフォームからお申し出下さい。絶対に後悔はさせませんよ。
aventure number : 1165 date : 2008/6/4


今日の禁断 電力ホール

 いよいよ、「ヴォーカル・スペクトラム」の本番です。ミヤギテレビでのプロモーションが効いたのでしょうか、その後も公式サイトのアクセスは上がる一方でした。それでチケット予約があったか、というと、そういうわけではなかったのですが。
 会場に一番乗りをした私は、まず、ホール内でのPAや照明の仕込みを見学です。前に打ち合わせした人などにも声をかけて、必要なものを用意してもらいます。まあ、椅子とか机といったたぐいですね。みんなが来る前に、机の配置とか、前売り券の売り場の設営です。そのうち、みんなも集まってきて、だいぶ会場がそれらしくなったあたりに、アーティストの登場です。

 こんなラフな格好で、まるでリゾート気分、なんでも、軽くリハーサルをやったら、またホテルに戻って着替えをするのだそうです。私も、楽屋まで案内したり「すぐリハーサルを始めますか?」などと英語で喋ったりしてみました。リハーサルは、主にPAのチェックです。最初にミキサーが設定したレベルではあまりにも大きすぎるので、大幅にフェーダーを下げさせられていました。ちょっとエンジニアは不満そうでしたが、「生音を大切にしたい」という主張は動かせません。メンバーの中には、「周波数の中間部だけを少し下げて」などという具体的な注文を出す人もいます。そんな感じで、リハーサルはあっという間に終わってしまいました。本番は聴けそうになかったので、これを期待していたのですが、ちょっと拍子抜け。
 本番での私の役割は、ステマネのサブです。つまり、ステマネ自体はこの話の主催者兼マネージャーのKさんが行うのですが、彼はMCも行うので、何かあったときにというために、私が待機していたのです。
 「何か」は、始まってすぐに起こりました。進行プランには全くなかったところで、いきなりKさんがステージに登場してしまったのです。慌てて私は、「MCのライトを入れて下さい」と指示を出さなければなりませんでした。そんな感じで、綿密に練られていたはずの進行表には全くお構いなしにステージが進行しますから、殆ど綱渡りのような状態が、実はコンサートが終わるまで続くことになるのです。それはそれで、なかなか楽しい体験ではありましたがね。しかし、このホールのスタッフは、臨機応変に、見事に「事故」に対応してくれていましたよ。
 何しろ、舞台袖で彼らの歌が聴けるのですから、それも得難い経験でした。

 一番心配したお客さんの入り具合ですが、休憩の時にステージから見るとこんな感じでした。

 後で聞いたら、ほぼ半分のお客さんが入っていたそうです。この大きなホールでそれだけとは、大健闘ですね。会場にはニューフィルの人も来てくれていました。本当に楽しんでもらえたみたい、CDも買ってくれたり、終わってからのサイン会にも付き合ってくれて、本当に感謝です。
 そして、打ち上げでは、こんな近くで彼らの歌を聴けたのですから、これは「役得」ですね。
aventure number : 1166 date : 2008/6/6


今日の禁断 お墓

 おとといの「ヴォーカル・スペクトラム」のコンサートの時には、私たちスタッフには「ネクタイを締めてくること」というお達しが下っていたそうです。別に正式に伝わっていたのではなく、「なんだかそんなことを言っていたよ」程度のお達しではあったのですが、一応私も日頃締め慣れないネクタイを締めていったのですよ。ただ、あちこち飛び回らなければならないことは予想されていましたので(実際、そうなりました)極力身軽な、だいぶ前に甲府での結婚式の時に買った夏用のジャケットを着ていきました。こんなもの、もはや着ることもないと、買ったときには思っていたのですが、よもやこんなところで役に立とうとは。もちろん、靴はいつものコンヴァースではなく、コンサートの本番で履いている黒い革靴です。
 その靴が、なんだか歩いているとペタペタ言っているのですよ。何か踏んづけたのかと思ってみてみると、靴底が剥がれかけています。なんとか騙して使おうと思っていても、その皮が凄く邪魔、もう剥がしてしまった方が楽だと思って、取ってしまいました。でも、さすがにそのままではヘンなので、少し時間が空いたときに近所の「ミスター・ミニット」に行って、きちんと貼ってもらいました。ところが、です。打ち上げが終わって地下鉄まで歩こうとお店を出ると、そこでまた底が(そこが)剥がれてしまったではありませんか。何と言うことでしょう。
 今日は、恒例の「かやの木コンサート」です。いつもの通り、私が朝から夕方まで、色んな仕事を同時にこなさなければならないという、おそらく一年中でいちばん良く働く日になります。そこでも、「仙台フルートの会」のメンバーとして演奏しますから、靴は革靴でないと困ります。そこで、引っ張り出してきたのが、その甲府に履いていった別の、ちょっとおしゃれな革靴です。2年ぶりのおつとめですね。
 会場は、すでにテントなどはきのうのうちに設営が終わっていますから、まずはPAのセッティングと、椅子並べです。心配された雨もまず降りそうもありませんが、逆にこれでは暑すぎ、ちょっと動いただけで大汗をかいてしまいました。メンバーも揃ってリハーサルになりましたが、テントの中はまるで蒸し風呂ですね。ただ、暑さだけでなく、なんだか足元が少し変な感じなのが気になります。見てみると、靴の外側の縁取りが剥がれて、ヒラヒラしています。歩くときになんだか踏んづけそうで、ちょっといやな感じです。でも、この程度だったら、別に差し支えないでしょう。底が剥がれているわけでもありませんし。と思って裏を見てみると、なんと、この靴も立派に底がダメになってしまっているではありませんか。私が持っている革靴が全部壊れてしまったなんて、やっぱり普段あんまりかまってやらないから、すねられてしまったのでしょうか。

 コンサートの本番は、いくらか爽やかな風も吹いてきて、気持ちよく演奏できました。いつもながらの住職の前説には、皆さん笑いをこらえるのに大変だったことでしょう。でも、中にはジーン(寺院)と来た人もいたのだとか。
aventure number : 1167 date : 2008/6/8


今日の禁断 橘さん

 大きな行事を2つ連続して経験した後の練習は、やっと私本来のフィールドに戻れた安心感があります。普通にそこに行くだけで、自分の役割が果たせる、という場なのでしょうね。おそらく「禁断」を見ていてくれたのでしょう、私に会うなり「ご苦労様でした」と言ってくれた人もいましたし。ただ、最近はもっぱら「アンタール」ばっかりさらっていたものですから、久しぶりに吹いたチャイコの第1楽章などは、思い出すまでにちょっと時間がかかりました。
 逆に、私がニューフィルの人を、別なフィールドへ誘い込んでいたことも分かりました。私がチケットを売った数少ないメンバーには、コンサートの会場で会って、「ほんとに素晴らしかった」とか、「また来るときには、ぜひ実行委員会に参加させて下さい」などと嬉しい言葉を寄せてくれものでした。その時に、翌日に行われるセミナーにも行ってみたいようなことも言っていたのですよ。まあ、その時は、また間近で彼らの演奏を聴けるから、それも良いなとは思ったものの、なんせ合唱団の人を相手にしたセミナーですから、ホルン吹きがそんなところへ行くわけはないと思っていました。しかし、今日聞いてみると、実際に行ってきて、なんとしっかりレッスンも受けてきたと言うではありませんか。つまり、このセミナーというのは、単に前で代表の人が歌ってそれを聴いているという「公開レッスン」ではなく、そこにいる聴講者全員に楽譜を渡して、実際にバーバーショップ・ハーモニーを体験してもらう、というものだったのですね。私は、その次の日の「かやの木コンサート」の準備で行けなかったのですが、そういうものだったら、少し無理をしても行ってみて、そういう畑違いの人がコーラスに挑戦する姿を見てみたかったものです。
 このコンサート、予想以上に好評だったのは嬉しいことですが、まだまだ残務整理があるようですね。特に、みんな慣れないことだったので、おそらく財政的には「儲かる」というわけにはいかないことでしょう。それをどうするのか、というのがちょっと頭の痛いところですが、私としてはそれにはあまり関わらないフリをして、もっぱら総括的な報告の意味で、主催者の母体であるOB会のサイトの更新をすることにしましょう。たくさん撮った写真を選ぶのが、結構大変な仕事になることでしょう。
 そういう仕事というのは重なって来ることが多いもの、今日の練習のあとで色々決まったこともあったので、来週には「かいほうげん」も発行することになりました。まだ三分の一はまったく手を付けていませんから、こちらもかなりタイトになってくることでしょう。まあ、これはいつものことですから、おそらく予定通りに発行にこぎ着けることは出来るはずです。
 あ、もう一つ「宿題」がありました。
aventure number : 1168 date : 2008/6/10


今日の禁断 ゼロ

 職場に置いてある自販機が、「ホット」が使えないようになってしまったことは、だいぶ前に書きました。結局修理することも不可能なため、新しいものと交換することになったのですが、それがようやくきのう届きました。ずいぶん時間がかかってしまったものです。まあ、しばらく「ホット」を使うことはないので、鷹揚に構えていたのでしょうか。実際には春とは言っても「ホット」が欲しくなるような日はあったのですがね。ただ、新しい機械といっても新品を買ってくれるわけではなく、あちこち探し回って使わなくなった中古品を回してくれる、というシステムのようですから、手頃な「出物」を見つけるまでに時間がかかったのでしょう。なんでも、最近は厚さが70センチぐらいのものが主流になっているそうなのですが、うちの場合は設置場所のスペースが60センチしかないので、さらに選択肢も少なかったのでしょう。
 当日は営業の人が1人と、専門の運搬の人が2人で機械を運んできました(あ、もちろんトラックに積んで)。荷台への上げ下ろしにリフトを使った他は、すべて人力、台車に乗せたり、段差に板や角材を敷いて運びやすくするなどして、手際よく運んでいきます。2人の呼吸がぴったり合っていて、見ていて気持ちよくなるほどでした。親方が細かい手順を考え出して、それを弟子に伝えます。弟子は、必要なものを即座にトラックから運んできて、設置する、といった具合、まさに阿吽の呼吸というやつで、古い機械を撤去し、新しい機械を据え付けるまで、30分ぐらいで終わってしまいました。





 その前に、最初の機械の中に入っているコーラやお茶を取り出すのが、営業の人の仕事です。大きな箱を用意して、カラムの中から手際よく中身を抜いていきます。そして、今度は新しいものの中にそれを詰め直します。表にあるダミー缶も、そのまま付け直し、カラムとダミーを一致させるように設定すれば、作業は終了です。その時になって、その営業の人は「1種類、どこかへ行ってしまいました」と言い出しました。間違いなく入れ替えたはずなのに、一つのカラムが空っぽなのですよ。私は一連の作業を見ていましたが、他のカラムに入れてしまったというのはちょっと考えにくいので、「まだ、前の機械の中にあるのでしょう?」と言ってみました。それはもうトラックの荷台にしっかり固定されてしまっていますから、開けて調べてみるわけにはいきませんが、それしか考えられません。
 今日になって、「確かに、機械の中に残っていました」という連絡がありました。やっぱり、そうだったのですね。あした、持ってくるんですって。 
aventure number : 1169 date : 2008/6/12


今日の禁断 ヘリコプター

 久しぶりの、なんの予定もない休日、映画でも見に行こうかと思って、いつも通りに家事を片づけていました。仏壇にはお線香を上げ、テレビをつけっぱなしにして、ベランダに洗濯物を干し終わったとき、「ピロン・ピロン」という音がして、そのテレビの画面の上に上に「もうすぐ地震による強い揺れがあります」みたいなテロップが点滅していました。最近始まった「緊急地震速報」というやつでしょうか。と、それから2、3秒して、その「揺れ」が本当に来ましたよ。確かに、前もって地震が来ることを「予言」してくれたのですね。その揺れは、久しぶりに大きなもので、仏壇がゆらゆら揺れています。いつかのように香炉の灰をぶちまけてしまったのでは大変ですから、まずそれをしっかり押さえます。かなり長い間揺れていたように感じられました。その間に別の部屋では何かが落ちてくるような音がしていますが、手がふさがっているのでそれを見に行くわけにもいきません。
 やっと揺れが収まったので見てみると、他の部屋は上にあったものが散乱してもの凄いことになっていました。ただ、いつぞやのようにビデオテープの山が崩れ落ちる、ということはなかったので、あの時ほどの揺れではなかったのでしょう。
 しかし、その時見ていた民放のテレビでは、この地震のことはテロップで知らせるだけ、番組は何ごともなかったように続けられています。NHKが即座に地震情報に差し替えられていたのとはおおきなちがいです。東京のキー局は、そんな危機感を持てなかったのでしょうね。とりあえずその情報だと、新幹線や地下鉄などは止まっていますが、道路は異常はないようなので、予定通り映画を見に利府へ向かいます。ただ、家を出てエレベーターに乗ろうとすると、「点検のため」止まっていたので、7階から下まで階段を下りなければなりませんでした。
 いつも通る利府街道は、なんだかかなり渋滞しているのは、やはり地震の影響なのでしょうか。しかし、MOVIXについてみると、駐車場がガラガラに空いているのが気になります。車を降りると映画館の前にいた警備員が近づいてきましたよ。なんだかいやな予感。すると彼は、「地震の影響でスプリンクラーが作動したために、映写機が水をかぶってしまい、映画の上映は中止しています」と言い出しました。「再開の目処は立っていません」ですって。だから、駐車場には車がなかったのですね。そんな被害があったとは。それにしても、地震で映画館が休館になったなんて、なんとも珍しいことですね。その現場に居合わせた(と言えるのかどうか)などというのも、得難い体験なのでは。
 仕方がないので、そこからきっちり50分かけて(その間に、モーツァルトのレクイエムを全曲聴けました)長町のMOVIXに行って、お目当ての「ザ・マジックアワー」を見てきました。こういう映画を、まわりのお客さんと一緒に大笑いしながら見るというのは、やはり良いものですね。

 地震のこともすっかり忘れて家へ帰ってテレビをつけてみたら、被害はかなり大きなものだったのですね。笑っている場合ではありませんでした。
aventure number : 1170 date : 2008/6/14


今日の禁断 テオルボ

 85万のキリ番は、昨日の深夜に出ました。
 それにしても、いつも思うのは、こういう地震の被害というものは時間が経つにつれて明らかになっていくというものですね。直後のテレビなどでは当初はそんなに大きな被害がなかったようなことを言っていましたから。それもあって、のんびり映画なども見に行く気になったようなものです。
 知り合いに栗原市に住んでいる人がいて、その人の家の中がメチャメチャになってしまった、などという情報も、1日経つうちには入ってきます。あの温泉旅館にも、実際に泊まってことがある人などもいたりして。いずれにしても、被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。同時に、これは決して他人事ではないことも、自覚しているところです。
 地震に前後して、2つの合唱団のコンサートに行ってきました。「前」に行ったのは、さる女子高のOGの合唱団。さる男子校のOB合唱団が賛助出演するのですが、そのどちらにも知り合いがいて(出来て)行くことになりました。初めて行ったので、そんなにお客さんは来ないだろうと多寡をくくってゆっくり行ってみると、なんと、会場のコンサートホールは立ち見も出るほどの大盛況でした。こんないっぱいのお客さんの前で歌えるなんて、まるで「コール青葉」みたいですね。女声の方は、平均年齢はかなり高いようですが、のびのびとまとまりのある声で歌っていました。しかも、4ステージ全ての曲を暗譜で歌っていたのですから、すごいですね。男声は、いかにも「バンカラ」というその男子校の校風そのものの、おおらかな演奏でしたし。
 ただ、そんなステージ前までぎっしり座っても、まだ立っている人がいるという中で、客席のど真ん中の席を2列分まるまるつぶして、写真を撮っている人がいたのには、呆れてしまったというか。

 しかも、大きな三脚を立てて、後ろの人などには全くお構いなしに堂々と立ち上がり、撮っているのですよ。その場所だと指揮者の陰になって写らない人が出てくるので、三脚ごとカメラを左右に移動して、満遍なくメンバーを撮るために、座席に人を座らせないで上に紙かなんかを置いているのでしょう。それだけではありません。本当に信じられないことなのですが、この人は演奏中にストロボを焚いて撮影しているのですよ。今まで数多くのコンサートに行ったことがありますが、どんなお粗末な団体でも、演奏している間にストロボをパカパカ焚いて写真を撮っているところなど、見たこともありません。もちろん、この男の行動と、フラッシュの明かりに気を取られて、演奏に集中できなかったのはいうまでもありません。こんな非常識な男がまだ世の中にはいたのですね。
 そして、「後」に行ったのは、名門の合唱団によるバッハの「ヨハネ受難曲」です。だいぶ前に「マタイ」をコンサートホールでやって、入りきれない人が出てしまったことを踏まえてでしょうか、今回は県民会館、しかも全席指定です。9割は入っていたでしょうね。

 実は、合唱よりも、高山さんというアルトの方の歌を聴くのが、行った目的でした。正直、彼女が歌った「Es ist vollbracht」は、このコンサートの中の白眉でした。それと、プレトークでの川端先生の稿についてのお話も、大変参考になるものでした。
aventure number : 1171 date : 2008/6/16


今日の禁断 ホルン

 先週書いた「宿題」は、無事提出を終えました。それと同時に手がけていたのが、「ヴォーカル・スペクトラム」のページの作成です。一応これはOB会の公式行事だったわけで、いわば「報告書」として掲載してみたものなのです。責任者に原稿をいただいて、写真をたくさん使ってこのコンサートの詳細を紹介する、といった感じですね。ですから、本当は演奏しているアーティストの写真がまずしっかりないことにはさまにならないのですが、裏方で色々動き回っているうちに、とうとう客席からの写真は取り損ねてしまっていました。もう一人、場内でビデオを回していたスタッフがいたのですが、その人はスティル写真にまでは手が回らなかったようでしたし。
 しかし、打ち上げなどでは、その人は大活躍、私が撮ったものより断然生きのよい写真がいっぱいあったので、そちらを使わせてもらいます。そして、なによりも、前々日にテレビ局に行って生出演した時には、何しろ私は同行していませんでしたから、彼の写真が唯一のものでした。楽屋にさとう宗幸がやってきた写真まで、ちゃんと撮っていましたね。
 そして、コンサートの次の日のセミナーにも私は行けなかったので、その人の写真にお任せです。見てみたら、ニューフィルのRちゃんがしっかり写っていましたね。そんなこんなで、使った写真は全部で35枚にもなっていましたよ。ただ、このページは、OB会のメンバーしか入れないので、実際に見て頂くわけにはいきませんが。
 そして、さらに同時進行で、「かいほうげん」の制作です。どうしても1ページだけは埋まらなかったので、筍掘りの写真を使って一ネタ、まあ、「準公式行事」だから、良いでしょう。これを見て、来年は参加したいと思った方、ぜひご一報を。そんな風に版下は月曜日までには順調に出来上がったので、次の日の印刷に備えてコピー用紙を点検です。そろそろなくなっているかもしれないと思っていたら、見事に、あと200枚しかなくて、注文しなければいけない状態、さいわい前の日に発注すれば次の日の午前中に届けてもらえるはずなので、5時近くになっていましたが、FAXを送ります。でも、もし届かなかったらまずいので、仙台の営業所に発送予定を聞いてみようと電話したら、なんと、そのFAXは東京のもので、そこから指示が来るので、そちらに聞いてくれ、ということでした。かえって面倒くさいことになってしまっているのですね。仕方がないので、その「東京」に電話すると、「あしたの午後に配達が確定しています」ですって。前の日と言っても、4時前でないと午前中は無理なのだそうです。「そこをなんとか」とか言ってみると、割とあっさり「では、仙台に連絡しておきます」とか言われてしまって、確かに次の日のまさに「朝一番」で届いてしまいました。もし電話をしないでただ待っていたら、きのうの「かいほうげん」の発行はなかったかもしれませんね。
 ところで、岩手・宮城内陸地震の影響は、思いもかけないところまで広がっていました。この前の「かやの木コンサート」の時に、知り合いの人が一生懸命ビデオを撮っていたのは分かっていましたが、その人がNHKのローカルニュース「てれまさむね」のMYビデオというコーナーにそれを投稿したら、めでたく採用になったのです。そして、先週の金曜日にそれの放送が「今週か来週」行われるという連絡がありました。その日は結局放送されなかったので、次の週かな、と思っていたら、こんなことになってしまって、とてもそんな素人ビデオを取り上げているような余裕はないような状態になってしまいましたよね。こういうのも、やはり「地震の被害」になるのでしょうか。
aventure number : 1172 date : 2008/6/18


今日の禁断 川内

 ふう、やっと終わった。今まで、またまた新しいサイトを作っていたところなのですよ。本当に、これでいったいいくつ作ったことになるのやら。
 今回のものも、合唱団のOBがらみのサイトです。なんせ、私は一応「幹事」ということになっていますが、なによりも「すぐホームページを作ってくれる便利な人」ということでヘッドハンティングを受けた、といういきさつがあるものですから、頼まれれば作らないわけにはいきません。もちろん、私もこれだけやってくれば、今さら後へは引けませんし。というか、その都度なにか新しいアイディアが生まれてくれば、それを本来のこのサイトに生かすことだって出来るわけですから。
 とりあえず、今回は前に作ったものをそのまま使い回すことを考えていました。ただ、そこに掲示板もリンクすることを思いついた時に、一つのアイディアがひらめきました。確か、前には掲示板に合わせてサイトの色を決めていたのですが、その時にはグレイの色の掲示板だったので、大体の感じで色を決めていました。RGBだと、同じ値を入れていけば「灰色」になりますから、その加減で大体近い色が出来るのです。
 この掲示板、ニューフィルで使っているものと同じで、3色用意されています。ニューフィルのはオレンジですよね。ですから、今度はもう一つの色のブルーを使ってみることにしました。そして、その色をそのままサイトに使うために、しっかりフォトショップでRGBを検知してから、その値を入れて色を付けました。なにを今さら、という感じですが、1年前にはそんなことも思いつかなかったのですよ。また少し賢くなりました。
 なんのサイトを作ったのかというと、今度改修された、昔の記念講堂の、こけら落とし式典でのコンサートの御案内です。外側はそのまま残して、内部をシューボックスタイプの本格的なコンサートホールにする、という、「100周年記念」行事の一環だったものなのですが、もうすぐ工事も終わり、秋にはお披露目となったのですね。その「コンサート」が行われるのが、10月11日ということで、これはもろに新田さんの指揮者練習とバッティングをしていました。ですから、いくらなんでも練習を休んでまで、と思っていたのですが、このコンサートがなんと午前中に行われることになったのですよ。「式典」との兼ね合いだそうで、そうなれば、ニューフィルの方は午後でしょうから、うまくすれば両方に出ることは可能になってきます。
 つまり、「出る」というのは「聴く」のではなく「歌う」ということになるのですが、去年の「100周年コンサート」の時の曲をそのまま使うということで、またまたOBたちが結集することになるようなのですね。その、練習日程の案内などのサイトなのです。
 それを見ると、9月にはもう新装なったホール(名前はまだ決まっていません)で練習が出来るようですね。一足先に、どんな音なのか、確かめることが出来るかもしれません。
aventure number : 1173 date : 2008/6/20


今日の禁断 ハーモニカ


 自分には音楽を感じる力がある、それを表現する手段を見つけて、その音楽を伝えさえすれば、一度も会ったこともない両親を捜すことが出来る。そんな気持ちを持った少年(「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア)が、セントラルパークでギターの超テクを披露しているカットが何度も出てくる予告編をテレビ番組で見て以来、これは絶対劇場に見に行くんだ、と決めていました。その頃はまだ日本での公開予定も決まっておらず、当然邦題もまだ付いていなかったので、「August Rush」という原題で頭の中の引き出しにしまっておきました。
 その映画が「奇跡のシンフォニー」などという、その予告編からは想像できないような邦題が付いて公開されることになったので、危うく見逃すところでした。どう考えても、「シンフォニー」とは縁のないストリート系のミュージシャンの話だと思っていたからです。映画館に行ってポスターを見たら、まさにその映画だったので、やっと邦題と結びついたというわけです。さいわい他の予定がなかったので、初日に見に行けました。
 確かに、そんな邦題をつけたくなるような、ただギターを弾くだけではないとんでもない話でしたね。なにしろ、ちょっと楽譜の書き方を教わっただけで教会のオルガンを弾けるようになって、それを見てびっくりした牧師さんが、なんとジュリアード音楽院に入れてくれるのですからね。そこでちょこっとハーモニーを教わったら、少年はオーケストラの作品を書き上げてしまいます。それが「シンフォニー」なのでしょうね。それだけではなく、その曲がニューヨーク・フィル(実際に出演)によってセントラルパークの野外ステージで演奏されるのですから、とんでもない才能と、そして強運の持ち主なわけです。
 ですから、そこまで来るともはや突っ込むのはやめて、素直にそのあり得ない物語にのめり込んでしまおうという気になってしまいます。そんなに簡単にこんな他愛のない仕掛けに酔ってしまう自分には、ちょっと情けなくなってしまいますが、そうさせるだけの「力」がこの映画にはあるということは、認めないわけにはいきません。
 その少年の両親は、実はロック・ミュージシャンと、クラシックのチェリスト、このチェリストが、昔なじみの「フェリシティ」役のケリー・ラッセルなものですから、まずすんなり入っていけます。父親役のジョナサン・リース・マイヤーズも、最近色々な映画で気になっていた人でしたし。この2人に、バッハのシンフォニア(なぜか、チェロ協奏曲バージョン)と、ロックのライブステージとをオーバーラップさせて「共演」させるという映画的な手法が、まずキャッチーです。そして、その夜に2人は結ばれ、翌日には分かれるというシチュエーション、その時すでに2人の愛の結晶は宿っていたというのが、ミソです。
 一度も会ったこともなく、生きているのかも定かではないのにお互いにその存在を感じあえる、というあたりの描き方がとてもていねい、少年は孤児院に来てからの、母親は出産してからの(実際は「死産」と告げられています)時間を、それぞれ「なん日」まできちんと数えていた、というあたりで同じ塩基配列のDNAを感じさせる手法は見事です。
 ただ、ロビン・ウィリアムズの扱いがイマイチだったでしょうか。あれではただの悪徳マネージャー、彼にはもっと根元的な役割があったことを、きちんと見せて欲しかったところです。例えば、彼がかつて弾いていたギブソンは、後に父と息子が出会う時の重要なファクターとなるのですからね。
aventure number : 1174 date : 2008/6/22


今日の禁断 若林

 このところ、週末に合唱団のコンサートに行くことが多くなっています。「一女OG+茶畑」、「GWH」に続いて行ってきたのが、さる男声合唱団です。「コール青葉」のメンバーが参加している、というのもありますが、そんな義理だけではなく、ここの指揮者はかなり難しい曲をあっさりとやってのけるので、なかなか刺激的なプログラムを楽しめるというのがありました。「男の合唱まつり」などで散発的な演奏は聴いたことがありましたが、コンサートを全部聴くのは初めて、楽しみです。

 この合唱団の特徴は、「男声」なのに「女性」が入っていることですね。彼女らは「女声」ではなく、あくまでも「男声」のパートを歌っているのです。ですから、トップテナーは男声だけのものに比べると、かなり柔らかい味があります。最初にやった名曲「柳川」で、そんな暖かい音色が存分に楽しめました。
 次のステージは三善晃の作品で、ピアノ伴奏が付きます。この伴奏の人も、テクニックがしっかりしている上になかなかよいセンスの持ち主で、気持ちよく聴けます。真っ白なドレスが、眩しいほど。と、次の草野心平の「蛙」の詩に曲を付けたものばかりのステージになったら、なんと彼女は緑色のドレスに着替えてきましたよ。かなりの早業ですね。その後、無伴奏のモテットのステージで、曲順が替わっているので不審に思っていたら、最後に指揮者が「この合唱団に縁のある作曲家の本間雅夫さんが、お亡くなりになりました」というコメントを述べられていました。それで、最後に現代曲になるように配列を変えたのでしょう。そう、そんな人が作った難曲を、初演していたのがこの合唱団でした。
 最後のステージは、井上陽水のナンバーを合唱曲にアレンジしたもの(楽譜もでているそうです)です。この時のピアニストは、なんと、ワインレッドのドレスですよ。ということは、曲の内容に合わせてドレスの色を選んでいたのでしょうね。あとでプログラムを見ていたら、白いドレスの時の歌の歌詞に「白いバラ」というのがありましたっけ。単なる「お色直し」ではない、きちんとしたコンセプトを持ったドレスの選択だった、と思ってみると、このピアニストのセンスがさらに際立って感じられてしまいます。演奏も、全く合唱を邪魔しないで、きっちり溶け合った、なかなか見ることの出来ない素敵なものでした。
 そんな、よその合唱団のことばっかりで、自分のところはどうなんだ、と思われるかもしれませんが、実は「コール青葉」も、7月末にコンサートを控えています。演奏するところが、上野にある旧奏楽堂という、殆ど文化財のような扱いになっている建物なのですよ。あまり広いところではないので、もしかしたら人数制限があって、東京のメンバーだけで足りてしまっているかな、と思って連絡してみたら、「まだテナーとソプラノは少なめですので、どうぞ御参加を」という返事が来たので、出る方向で検討することにしました。歌うのは「津和野」ですが、もう忘れてしまっているので、2回ぐらい東京に行って練習に加わらなければなりません。チケットはもう完売だそうです。
aventure number : 1175 date : 2008/6/24


今日の禁断 ボロディン

 今は仕事的にはちょうど空白の時期。もう少しすると本格的な「修羅場」に入りますが、今のうちはそれほどやることがないので、空いた時間を使って「おやぢ」の原稿を書いていたら、とうとう在庫が5本にもなってしまいました。最近は「今日中に書かないと、更新が出来なくなる」といったようなせっぱ詰まった状況に何度も陥っていたので、これは久しぶりの快挙です。もちろん、だからといって油断をするとまたもとの借金生活に戻ってしまいますから、安心していてはいけません。
 その「おやぢ」ですが、最近あるレーベルを扱ったエントリーの文末に「こちらで聴けますよ」みたいなリンクが入っているようになったのには、お気づきでしょうか。音楽関係のブログなどではかなり話題に登っているものなのですが、こういうサイトがあるのですよ。これは、クラシックの曲をストリーミング配信しているサイトです。ダウンロードではなくその場で聴くことしかできないのと、名前の通りNAXOSのものしかないのだと思って、最初はそんなに関心はなかったのですが、色々なブログの情報を見てみると、どうやらレーベルは他にもかなりのものが含まれているようなのですね。さすがにメジャーは入ってはいませんが、BISやCHANDOSといった堂々たるマイナーレーベルの音源なども入っていて、なんでも総曲数は30万曲だとか。これだったら使えそう。聴くのも、「歩合制」ではなく、月額いくらか(CD1枚分にも満たない額)を払えば聴き放題というのですから、ものは試しに会員になってしまいましたよ。
 ブログでも、ここで聴けるタイトルにリンクを張っているものがたくさん見られるようになっています。ですから、私もマネをして、「おやぢ」で聴いたもので、ここでも聴けるものにはリンクするようになったというわけです。会員にならなくても、曲の最初の30秒だけだったら、無料で聴けますからね。地上波の野球中継みたいに、時間が来たら無惨にも「これでおしまいです」となるのがいやだと思った人は、スカパーに入るみたいに会員になれ、ということなのでしょうね。
 音質も、環境によって「CDなみ」、「CDに匹敵」、「FMなみ」の3段階から選べます。ですから、職場のように未だにダイヤルアップのパソコンでも「FMなみ」だったらちゃんと聴けますよ。それで、今まではなかなかCDが見つからなかった、今度の定期の曲目の「中央アジアの草原にて」を聴いてみました。もちろん、リンクはこちらです。こういう小曲は最近はなかなか聴く機会がなくなっていたので、久しぶりに聴いたような気がします。
 というのも、この曲は、かつては中学校あたりの音楽鑑賞教材に指定されていたため、必ず学校で聴かされる、という超ヘビーローテーションの曲だったわけです。また、曲の構成もなんとも単純で分かりやすいものですから、おそらく全国の人が知っている曲になっていたのではないでしょうかね。ところが、この間、この曲の練習が終わった時にフルートのトップ(最後に長いソロが出てきます)の人が、「聴いたことがなかったので、ソロで失敗しちゃった」などと言っていましたよ。どうやら、今ではもやは鑑賞教材は別の曲に変わってしまっていたので、こんな有名な曲を知らない人もいるようになっているのですね。これはちょっとびっくりでした。ある意味、「トリスタン」を「ウェスタン」と言う人(あ、それは別の人でしたが)がいたのより、ショックだったかも。
aventure number : 1176 date : 2008/6/26


今日の禁断 椿姫

 プラハ放送交響楽団のコンサートに行ってきました。なんせ、全国紙の広告で「のだめ」に出演したメンバーの写真入りの広告を出した、というぐらいのところですから、普通のコンサートであるとは思ってはいませんでした。東京ではブーニンがソリストですが、コンチェルトだけではなくソナタも弾く、というものなのですから。もちろん、オーケストラのコンサートでありながら、ブーニンが「悲愴」を演奏している間はオーケストラのメンバーはステージにはいないのでしょうね。そんなツアーですから、仙台でやる時の案内に歌手が2人とピアニストという3人のソリストの名前があった時には、ピアノ伴奏で歌手2人がオペラアリアを歌う、というステージを想像してしまいましたよ。
 色々な思惑を秘めながら、開演15分前に「東京エレクトロンホール」に行ってみると、入り口の前は長蛇の列、ちょっと珍しい光景です。ホール内は、まさに満員、こういうコンサートはかえって人気があるのでしょうか。日本ツアーのプログラムを売っていたので買ってみたら、スケジュールは2週間で14箇所のコンサート、北は北海道から南は九州まで全国くまなく廻るという、ものすごいものでした。プログラムもまさに名曲集、シューベルトの交響曲「第8番」未完成という、かなり懐かしい曲目、つまり、もう普通には使われていない曲名も、まさに名曲集ならでは。スメタナの「モルダウ」だって、こう呼ばないと知らない人がいるかも、という配慮なのでしょうね。「ヴルタヴァ」などと言っているような人は聴きに来なくてもいいよ、ということなのでしょう。
 面白いのは、東京でのコンサートのゲスト。「のだめ」で片平役をつとめた石井正則(アリキリ)が、「トークゲスト」なんですって。まさに、コンサートの正体を見た思いですね。その時の曲目は「ベト7」ですし。
 そんな情報満載のプログラムですが、パラッと見ただけでも3箇所はミスプリントが見つかりました。ブーニンがソナタとコンチェルトをやるはずの札幌の曲目では、ブーニンの名前が落ちてますし、仙台の曲目では作曲者が入れ替わっていました。それと、メンバー表での首席指揮者のスペルが間違っています。ちょっと珍しいですね。しかも、ブーニンはまさにこの曲目のアルバムが出たばかりということで、大きな広告がでていますから、ただでは済まなかったことでしょう。
 仙台の曲目は、「ピアノ伴奏」というのは私の思い違いでした。ピアニストはコンチェルト(と言えるかどうか、ラフマニノフのパガニーニ・ラプソディ)、歌手はオケをバックにオペラ・アリアを歌うという構成でした。そして、前プロが「モルダウ」、メインが「運命」という、すごいプログラムですよ。
 「モルダウ」で2番を吹いた人が、「のだめ」に出ていたフルーティストだと思って一生懸命応援していたのですが、家へ帰ってDVDを見直してみたら、髪はあんなに赤くなく、どちらかというと金髪でしたから、別な人だったのでしょうね。オケは、アンサンブルは確かなのですが、指揮者(ヤン・クチェラという人)のせいでしょうか、なんか平凡な、正直退屈するような演奏でした。「乾杯の歌」があんなにモタモタしたテンポでは、歌手の人がかわいそう。
aventure number : 1177 date : 2008/6/28


今日の禁断 インバル

 きのう、新聞のテレビ欄を見てみたら、いつもNHK教育で「N響アワー」をやっている時間に東京都響の演奏が放送されることになっていました。今月は日曜日が1回多いので、そういう「地方オケ」が紹介されるのでしょう。曲目がマーラーの8番だったので録画しておきたかったのですが、HDDで予約しようと思ったら「録画が重複しています」というメッセージが出てしまいました。その時間にBSで他のものをすでに予約していたのですね。1時間番組ですし、インタビューなども入っているみたいでどうせ全曲は放送できるわけはないので、今回はマーラーは録画をあきらめることにしました。いずれBSあたりできちんと全曲やってくれるでしょうし。
 それは、私の書斎の話ですが、居間の普通のテレビではその番組をやっていました。音が悪くてちゃんと聴くのには物足りないので、とりあえず画面だけ、と思って見始めたら、なんだかバスのソリストに見覚えがあります。というか、最初の引きのカットで、すでにその人が成田眞さんであることが分かりました。彼が出るのだったら、きちんと録画しておくのだった。成田さんというのは、「コール青葉」のボイス・トレーナーの中のお一人です。この合唱団には、全てのパートにボイトレの先生が付いていて、全部で4人いるという贅沢な布陣、これを受けるためにわざわざ東京まで行っても良いぐらいのものです。皆さんとても気さくな人ばかりで、練習のあとや打ち上げにはよく顔を出されますから、みんなとは仲良し。そんな身近な人が、こんなすごいソロをやっているなんて。そういえば、成田さんはサイトウキネンで松本のオペラにもお出になっていたそうですね。
 最初に録画を予約してあったのは、今年の「トニー賞」の授賞式です。似たようなものに「エミー賞」というのがありますが、未だにその区別が付きません。きのうも、見始めてこれはドラマではなくミュージカルの賞だったことに気が付いたぐらいですから。アカデミー賞の授賞式は毎年見ているのでお馴染みでしたが、これもなかなか豪華な演出、受賞イベントのおまけのパフォーマンスが、とても見応えのあるものでした。なにしろ、オープニングが「ライオン・キング」なのですからね。
 司会が、ウーピー・ゴールドバーグ、喋りだけではなく、彼女もパフォーマンスの一役を演じていました。それが名作ミュージカルのパロディなのですから思わず大笑いです。「オペラ座の怪人」の、あの地下のセット(しっかり本物と同じに作られています)でファントムがあのアリアを歌っているのが、ちょっと違うな、と思っていたら、ボートに乗っていたのがウーピー、いきなり起きあがって「♪トニー」と歌い出すんですから。メアリー・ポピンズになって空から降りてきたり。
 そこで、最新のミュージカルの1シーンがパフォーマンスとして演じられるのですが、一つ気になったのが今年作品賞を受賞した「イン・ザ・ハイツ」という作品です。なんと、音楽が「ヒップ・ホップ」だったのですからね。つまり、歌われるナンバーがラップなのですよ。確かに、ミュージカルの音楽には色んなジャンルのものが使われてきていますが、これだけはちょっと許せないな、という感じ。それが作品賞ですから、これもちょっと、です。まあ、少なくとも「劇団四季」で上演されることはないでしょうが。
aventure number : 1178 date : 2008/6/30


今日の禁断 ペータース

 きのうの「おやぢ」では、にデュリュフレのレクイエムを取り上げましたね。なんせ、この曲に関しては全てのものを集めたい、と思っていますから、新譜が出れば直ちに聴いてみる、というのが私の習慣になっています。しかし、これに関しては全くノーマーク、たまたまよく行くブログで見かけて、初めてその存在を知ったというCDだったのですから。もちろん、これは是が非でも入手しなければなりません。
 そこで、早速、その聞いたこともないレーベルのサイトへ行ってみました。たしかに、そのCDはそこで購入出来るようにはなっていましたが、申込みのフォームが全てフランス語だったのに(当たり前ですがね)ちょっとひるんでしまいます。まあ、大体は他の通販サイトと同じ項目なのでしょうが、昼間は自宅には殆どいないので「請求先」と「発送先」を間違えると大変なことになってしまいますので、一応辞書を片手に確認です。最後のクレジットカードの確認で、見たことのないものを記入するような要求があったのですが、そこに「画像参照」みたいなリンクがあったので、勘で開けてみたら、それはカードの裏側に記入されている番号だと、すぐ分かり、めでたく注文は完了です。送料がちょっと高いな、とも思ったのですが、他に選びようがないのでそのままです。それはどうやら航空便だったようで、なんと、注文して1週間も経たないのにCDが届いてしまいましたよ。フランスから。
 これには、ちょっと驚いてしまいました。最近は海外に直接注文することは殆どなくなっているので、私の「海外購入」のイメージは、数年前のままなのですよ。なにしろ、その頃ときたら堂々たるレーベルでありながら、クレジットカードが使えないところがあったりしたのですからね。仕方がないので外国為替を作って送ったりと、たかがCD1枚買うのにとんでもない手間がかかったものでした。
 もちろん、1週間で品物が届くなんてこともあり得ません。あんまり届くのが遅いので、「手違いがあったのではないだろうか」と英語でFAXを送ったら、しばらくしてやっと届いた時には、相手が代替品を送ってしまったあと、結局同じものが2つ手に入ってしまった、などというのんびりしていたこともありましたっけ。
 通販といえば、この間聴いた合唱団の余波で(いや、演奏が素晴らしかったというわけではなく、単に楽譜の問題なのですが)、「ヨハネ受難曲」の「第4稿」のスコアなども、買ってしまいました。そんなものが出ていたのですね。だから、この間のビラーも、この稿で演奏していたのでしょう。それと、その合唱団のポスターに写っていた、彼らがコンクールの課題曲で演奏したリゲティの「ルクス・エテルナ」も、ついでに買ってしまいましたよ。これはちょっとした収穫でした。あの曲がこんな楽譜だったなんて。これだったら、アマチュアでもちょっと頑張れば歌えないこともありません(やはり、無理かな)。
aventure number : 1179 date : 2008/7/2


今日の禁断 キムタク

 「ダビング10」が、やっと実用化(と言うのかな)されたそうですね。今まではダビングできたのは1回だけ、というか、その際に元のデータはなくなってしまうので、正確には「ムーブ」ということしか出来なかったものが、「9回」まではダビング出来るようになった、ということです。10回目は今まで通りの「ムーブ」になってしまうのですね。なんとも画期的な「発明」なのでしょうが、別に技術的には何度でもダビングできる方がずっと簡単なはずですから、なんだかとても無駄なことに技術を使っているな、という気はします。そもそも、「デジタル放送の複製は認めない」というのが大前提だったような気がするのですが。
 しかし、やはり1度ダビングすると元の録画が消えてしまう、というのは、ちょっとおっかないものでした。私も現実に、ダビングがうまくいかなくて、部分的にノイズが入ってしまったDVDが出来たとしても、それはもはや修復は不可能なのだ、ということを身を以て体験してしまったりすると、その怒りをどこへ向けてよいのだか、困ってしまっていたところでしたからね。
 ただ、これは、ある程度新しい機種でしかファームウェアの更新は出来ないんですってね。具体的には2006年後半に発売されたもの以降。私が今使っているのはおととしの初売りの時に買ったものですから、あいにくこの恩恵にあずかることは出来ません。まあ、いずれブルーレイでも買うことになるのでしょうから、いいんですけどね。でも、ブルーレイをきちんと見るためには、テレビも買わなきゃならないし、それはいったいいつのことになるのでしょうね。

 そんな、ハードに煩わされるよりも、よい番組を見ることの方が大切なのは、言うまでもありません。なにとは言いませんが、こんなものを大画面で見ても仕方がないだろう、というような番組が、多すぎませんか?
 でも、「ダメージ」はなかなか見応えがありましたね。これは、NHKBSで放送されていたアメリカのドラマです。弁護士事務所を舞台に、大企業の社長が絡んだ裁判を描いたものですが、なにしろ編集が凝りに凝っているために、付いていくのがとても大変でした。ただ、その複雑な時系列を出来る限り理解させるために、画面のタッチを極端に変えていた、というのはなかなかよいアイディアでした。もちろん、そこまでの配慮があったとしても、やはり完全にプロットを理解するのは至難の技でしたね。最初のうちは出演者の名前もよく分かりませんでしたから。
 ですから、はたして制作者の意図が完璧に伝わっていたか、というところでは疑問を抱かざるを得ませんが、まずはそれなりのスリルと、解決したことへの安堵感は味わうことは出来ました。そして、これだけ緻密に構成されて結末を迎えたにもかかわらず、なおかつ第2シーズンへの伏線を残しているというのが、すごいところです。そうなんですよ。1シーズン、13話で完結させるだけの力を持ちつつ、それを次のシーズンへつなげられるという脚本の質の高さが、ここでもまたもや明らかになっています。「Change」の投げやりな脚本に失望させられては、その思いは募るばかりです。
aventure number : 1180 date : 2008/7/4

08/07/6/-8/13