今日の禁断 |
メタセコイア |
さあ、いよいよ明日は東京オペラシティでの「コール青葉」の本番です。すでにチケットは客席を十分に埋めるだけの枚数が売れていますので、例年通り満席間違いなしのことでしょう。
私にとって3回目となるこのコンサート、その度に何かしらアクシデントに見舞われてきました。1回目は軽い風邪にかかっていたので、喉の調子は最悪、とても「歌った」とは言えないような状態でした。ただ、その分楽譜は全曲を暗譜できていたので、きっちり音楽の中に参加は出来ていたのではないでしょうか。あの時は何と言っても何十年ぶりかの合唱での本番でしたから、終わったら足が痛くなっていましたっけ。オケでは座っていますから、とりあえず足が疲れることはないということを、その時に痛感したものです。
そして、去年はご存じ、最悪の腰痛に見舞われてしまいました。それはそれで、今となっては懐かしい思い出に変わっているのですが、あの時はとても東京まで行くことすら出来ないのでは、と思ってしまいましたからね。
今年は、体調以前に練習の仕上がりが3回の中では一番遅れている、というのがちょっと悔しいところです。やはり、最初の頃にはあったはずの一途さのようなものが、次第に失われていくのでしょうか。暗譜こそほぼ完成しましたが、どうも歌の中に入っていけないという曲がいくつか残ってしまっているのですよ。あ、今年のラインナップをお知らせしておきますと、最初が「月下の一群」という、堀口大學がフランスの詩を訳したものに南弘明が曲を付けた、男声合唱曲です。ピアノ伴奏が付くという、男声には珍しいものですが、曲の方もとてもセンスの良い、いわゆる「男声」っぽくないものです。これが、今回は一番歌っていて楽しいもので、私の中では一番自信が持てるものです。
2曲目は、古典的な無伴奏の男声合唱曲、清水脩の「青い照明」。男声合唱をやっていたのなら、これが一番ハマりそうに思えますが、これがどうも相性が良くありません。そもそも、私はこの曲に使われている詩を作った宮沢賢治があまり好きではないのが、その大きな要因なのかもしれません。
3曲目は混声合唱の古典、佐藤眞の「蔵王」です。これが今回は最悪。なにしろ音が高すぎて、セカンドテナーとしては声を出す(いえ、出せてない)だけで精一杯、そして、音楽も歌詞も何か嘘っぽい気取ったものですから、どうにも馴染めません。でも、この曲にはプログラム用のライナーノーツを書いたので、それで許してもらいましょう。
最後のオリジナルステージは、まさに玉石混淆、一番期待していた「Walking
in the Air」がちょっとイマイチのアレンジだったので、少しがっかりしているところです。逆に、最初はこんなものをお客さんに聴かせて良いのだろうかと思っていた、なんとメンバーの作詞による小原孝さんのオリジナル曲が、結構良い仕上がりになっているので驚いているところです。楽屋落ちのような歌詞ですが、それがコンサートの場で共感を与えられるかどうかが、勝負どころでしょう。
これは、今の時点での気持ち、体調も含めて、終わったあとでそれがどう変わるか、それを確かめるために東京までやってきたような気がします。 |
aventure number : 1121 |
date : 2008/3/8 |
|