1121(08/3/8)-1140(4/15)

今日の禁断 メタセコイア

 さあ、いよいよ明日は東京オペラシティでの「コール青葉」の本番です。すでにチケットは客席を十分に埋めるだけの枚数が売れていますので、例年通り満席間違いなしのことでしょう。
 私にとって3回目となるこのコンサート、その度に何かしらアクシデントに見舞われてきました。1回目は軽い風邪にかかっていたので、喉の調子は最悪、とても「歌った」とは言えないような状態でした。ただ、その分楽譜は全曲を暗譜できていたので、きっちり音楽の中に参加は出来ていたのではないでしょうか。あの時は何と言っても何十年ぶりかの合唱での本番でしたから、終わったら足が痛くなっていましたっけ。オケでは座っていますから、とりあえず足が疲れることはないということを、その時に痛感したものです。
 そして、去年はご存じ、最悪の腰痛に見舞われてしまいました。それはそれで、今となっては懐かしい思い出に変わっているのですが、あの時はとても東京まで行くことすら出来ないのでは、と思ってしまいましたからね。
 今年は、体調以前に練習の仕上がりが3回の中では一番遅れている、というのがちょっと悔しいところです。やはり、最初の頃にはあったはずの一途さのようなものが、次第に失われていくのでしょうか。暗譜こそほぼ完成しましたが、どうも歌の中に入っていけないという曲がいくつか残ってしまっているのですよ。あ、今年のラインナップをお知らせしておきますと、最初が「月下の一群」という、堀口大學がフランスの詩を訳したものに南弘明が曲を付けた、男声合唱曲です。ピアノ伴奏が付くという、男声には珍しいものですが、曲の方もとてもセンスの良い、いわゆる「男声」っぽくないものです。これが、今回は一番歌っていて楽しいもので、私の中では一番自信が持てるものです。
 2曲目は、古典的な無伴奏の男声合唱曲、清水脩の「青い照明」。男声合唱をやっていたのなら、これが一番ハマりそうに思えますが、これがどうも相性が良くありません。そもそも、私はこの曲に使われている詩を作った宮沢賢治があまり好きではないのが、その大きな要因なのかもしれません。
 3曲目は混声合唱の古典、佐藤眞の「蔵王」です。これが今回は最悪。なにしろ音が高すぎて、セカンドテナーとしては声を出す(いえ、出せてない)だけで精一杯、そして、音楽も歌詞も何か嘘っぽい気取ったものですから、どうにも馴染めません。でも、この曲にはプログラム用のライナーノーツを書いたので、それで許してもらいましょう。
 最後のオリジナルステージは、まさに玉石混淆、一番期待していた「Walking in the Air」がちょっとイマイチのアレンジだったので、少しがっかりしているところです。逆に、最初はこんなものをお客さんに聴かせて良いのだろうかと思っていた、なんとメンバーの作詞による小原孝さんのオリジナル曲が、結構良い仕上がりになっているので驚いているところです。楽屋落ちのような歌詞ですが、それがコンサートの場で共感を与えられるかどうかが、勝負どころでしょう。
 これは、今の時点での気持ち、体調も含めて、終わったあとでそれがどう変わるか、それを確かめるために東京までやってきたような気がします。
aventure number : 1121 date : 2008/3/8


今日の禁断 表裏

(表)
 前回の「禁断」にあんなことを書いたので、おそらく今年は特段のアクシデントはないのだろうと思われたことでしょう。いくらなんでも、コンサートのたびに風邪をひいたり腰が痛くなっていたのではたまったものではありません。ところが、今回はその両方が一挙に襲ってきたのですからすごいでしょ?もうこうなると腐れ縁というか、ひとつのジンクスですね。とりあえず、腰の方は去年みたいに寝返りをうてなかったり歩くのに不自由だったりというほどのことはなかったのが、不幸中のさいわいでした。しかし、風邪の方はもろに喉に来てしまいましたから、これは悲惨ですよ。なにしろ、声が出ないのですからね。声が出なくて、どうやって合唱をやろうというのでしょう。
 もう、前の日から薬は飲むは、のど飴はなめるはと、最大限の努力をしたにもかかわらず、喉のコンディションは最悪、これはもうあきらめるしかありません。それでも、発声練習をしていると高いFぐらいまではちゃんと出ていましたから、少しごまかせば何とかなるでしょう。これが合唱の良いところ、20人の人が同じパートを歌いますから、負担は20分の一、ソロフルートの比ではありません。歌えないところは声を出さなければいいのですからね。
 ところで、なぜか、今回のコンサートでは私は最前列で歌うことになっていました。去年は拍子木のソロがあった曲だけは前に出ていましたが、その他は大体3列目ぐらい、これは大事件です。ですから、この立ち位置が決まった時点で、私は暗譜だけはきちんとしようと心に決めました。一応全曲楽譜は持つことになっているのですが、なんせ最前列ですから楽譜にかじりついていたのではみっともないったらありません。楽譜は持ってもそれは一切見ないで、前を向いて歌う(ふりをする)ということだけは、しっかり決めたいと思ったのです。
 当日の朝まで暗譜に挑戦した結果、それはほぼ完璧に成し遂げることが出来ました。客席からは、私はひたすら指揮者の指先と口元だけに注目しているように見えたことでしょう。あるいは、ピアニストがちょっとしたアドリブをやったときには、軽い笑みを浮かべるぐらいの余裕すら見受けられたはずです。
 客席は、最前列まですっかり埋まっていました。平戸間には殆ど空いている席はないように見えたほどです。そういう人たちの反応が、私の位置にはストレートに伝わってきます。第1ステージでは、多少コミカルな歌詞の部分では、的確にリアクションを返してくれるのが良く分かります。第2ステージのストレートさにも、圧倒されていたようです。まさかと思ったのに、指揮者は暗譜で指揮をしていたので、合唱団全員が異様な緊張感をもって歌っていたのも、その原因だったのでしょう。次の「蔵王」で女声が加わると、さらに会場は盛り上がります。そして、最後の小原ステージは、後半になるに従いリラックス、拍手も曲の間に常に入るようになってきました。確かにこのステージは、ピアニストと合唱団、そしてお客さんが一緒になって楽しむものであることを、体をもって体験できました。もちろん、暗譜をしていなければ、それは少し薄まってしまっていたことでしょうね。
 しかし、それだけ入り込んだあとには、強烈な足の痛みが襲ってきました。最前列のプレッシャーが、そんなところにあったのかもしれません。もちろん、多少無理をして声を出した結果、とても人には聴かせられないほどのガラガラ声になっています。それにも懲りず、次回も頑張るのでしょうね。来年は、果たしてどんなアクシデントが待っていることでしょう。

(裏)
 今年は、いつもこのコンサートの録音を担当して下さっているエンジニア、小貝さんの仕事ぶりに密着してみました。

 機材の搬入。

 この方が小貝さん。

 ミキシングコンソール、レコーダーなどがセットされました。

 今度は、マイクのセット。これがメインマイクです。このあと、リモコンでステージ上方につるします。

 そして、小貝さんの「隠し味」、バウンダリーマイクを、ステージ上に設置(上手、下手に1本ずつあります)。

 こちらのケーブルは、ステージの蓋を外して接続。

 上からまた蓋をします。

 これで、セッティングは完了。最後の微調整です。一番上に乗っているパソコンは、幹事長Aさんの私物。というか、いつも練習を録音しているものですが、会場マイクの入力をちゃっかり頂いて同時に録音です。
aventure number : 1122 date : 2008/3/10


今日の禁断 ねずみ

 今回の「コール青葉」で、私はプログラムに曲目解説を書いたと言ってきましたね。もうコンサートも終わったことですから、それを公開してみましょう。
 みちのくは山形県と宮城県の県境にそびえる雄大な連峰「蔵王」、そのタイトルには、もしかしたらドイツ後期ロマン派の作曲家リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」に匹敵するほどの世界観が宿っているのかもしれません。あちらはアルプス登山での1日の情景を管弦楽で描写した壮大な作品ですが、こちらの合唱組曲のスパンは1年間、さらに壮大な仕上がりになっています。
 「蔵王」の四季は春に始まります。目にも鮮やかな新緑で山肌が覆われる頃、リンゴをほおばりながら登山に訪れる若者たち。その屈託のなさはまさにアルプス風の音楽から聴き取ることができるでしょう。夏になればそこは多くの花が咲き誇る世界、水辺にひっそりと咲く苔の花のはかなさも、澄みきったハーモニーで歌い上げられます。名勝「どっこ沼」の神秘的な光をたたえた水面のたたずまいは、「まつぼっくりころがれ、沼の中に沈め」というシュールな歌詞によって印象深く表現されています。
 そして、すべてのものを凍らせる冬がやって来ます。雪に覆われた寒村での鄙びた昔話と、雪むすめの伝説。そんなのどかさと幻想趣味も、吹きすさぶ大雪とは隣り合わせに存在している現実があります。激しい嵐が造り出す樹氷林も、不気味さをそそるものでしょう。このあたりの起伏に富んだ楽想の変化は、聴きどころ十分。そして再び春が巡ってきたときのなんという晴れやかさ!
 この曲は1961年に作られ、半世紀近くを経た今日でも全国の合唱団によって歌われている、まさに合唱曲の古典とも言うべき作品です。作詩の尾崎左永子さん、作曲の佐藤眞さんは、ともに関東生まれの方々、彼らが描いた「蔵王」は、あるいは地域性からは少し距離を置いた普遍的な自然の姿なのかもしれません。敢えて「北」にこだわったこのコンサートで、みちのくにゆかりの合唱団と指揮者が生み出す「蔵王」には、もう少しだけのリアリティが込められているはずです。
 というわけ、書いたときはみんなの言葉を真に受けてなかなかのものだと思っていたのですが、これが他の曲の解説と一緒になったプログラムを見たときには、やっぱりちょっとやり過ぎだったな、と正直思ってしまいました。他の人がきちんと曲のことをまともに書いている中で、この気取った文体は明らかに浮いて見えてしまいます。
 もう一つ、私にとっての誤算がありました。実は、この解説を書くにあたって、楽譜の歌詞の間に印刷されてある、おそらく放送初演の時にでも使ったのであろうナレーションの部分をかなり参考にさせて頂きました。多分作詞家が書いたものでしょうから、これほど的確に曲を「解説」しているものもありませんから。普通はその部分をコンサートで朗読するなどということはまずないのですが、なぜか直前になって、そこで森ミドリさんがナレーターとして登場することになってしまったのですよ。普通に読めばまるで別物ですから、多分、だれも気づかなかったとは思いますが、私にしてはこれはとてもみっともないこと、密かに恥ずかしくなってしまったものでした。
aventure number : 1123 date : 2008/3/12


今日の禁断 アウトレット

 半年に一度のチラシ配りの季節が、またやってきました。出来上がったばかりのチラシとポスターを、置いてくれそうなところを回って置いてくる、という作業です。長いこと続けてやっていますから、その相手先はすでにリストアップしてあって、それに沿って何人かで分担して行うということになります。一応私がチーフなので、割り当ても多く、地域もあちこちに散らばっていますから、とても1日では回れませんから何日かに分けて行うことになります。
 とりあえず、今日は午後から時間を取って、行けるだけのところを行ってしまおうと思いました。たった半年前にやったことなのに、いつも行っているところがすっかり変わってしまっているのには、驚かされるところがあります。一番びっくりしたのが宮城県美術館。駐車場に入ろうと思ったら入り口に柵がしてあって入ることが出来ません。もちろん、車は全然ありませんでしたから、ひょっとして休館日?でも、金曜日に休む美術館なんて、聞いたことがありません。そういえば、まわりにある催し物の立て看板も無くなっていましたね。いったいどうしたのか、帰ってから調べてみたら、「空調の工事」とかで、なんと1年間も休んでいるんですって。マンションの大規模修繕だって3ヶ月ぐらいで終わるというのに、ちょっと信じられませんね。
 チラシなどを受け付けてくれる窓口が、たった半年で変わってしまっていたところがありました。なんと2つも。そのうちのひとつが、あのメディアテークです。いままでは2階の図書館の窓口で応対してくれていたのに、それが7階に変わってしまったんですって。そこで、上へ行くエレベーターに乗ろうと思って、それがとても不思議な仕組みになっているのに気づかされます。なんで、エレベーターにまでこんな意味のない「アート」を取り入れなければならないのでしょうか。階の表示のディスプレイが付いた基板が、そのままむき出しになっているのですよ。こんなものはただの未完成品、ここから「芸術」を感じさせようとする建築家の独りよがりほど醜いものはありません。
 同じように独りよがりのとても醜悪なデザインが目を引く県立図書館でも、受付場所が変わっていました。いままでは入ってすぐの事務室だったのが、今日行って連れて行かれたのは、2階の、入り口から一番遠いところにある部署でした。歩いている途中で、素通しになった下の階が見渡せるのですが、そこはAVコーナー。前はDVDを見る人で一杯だったブースには誰も人がいません。これは、前に新聞に書いてあったので知っていたのですが、あそこのAV機材はリースだったものが、そのお金を払うことが出来なくなってしまって、全部返してしまったそうなのですね。ですから、良く見ると全部のブースの中はディスプレイもなにもなく空っぽ、入り口にはなにやら断り書きが書いてあるようでした。なんか、とても間抜けなものを見てしまった思いです。
 そうそう、美術館や博物館に行く途中に川内の記念講堂の前を通ってみたら、建物の外観はそのままになっていましたね。噂通り、外は変えないで中身を完全に入れ替えてしまったというのは、本当だったようです。こけら落としは10月11日ですって。
aventure number : 1124 date : 2008/3/14


今日の禁断 両手


 「のだめ」の第20巻、いつの間にか出ていたんですね。何気なくTSUTAYAに行ってみたら、例によって棚の半分以上がこれ、という尋常でない平積み状態だったので、あせってお買いあげです。
 今回は、仲間たちが出場しているコンクール、ファイナルまで進む人も、予選で落っこちる人もいて、悲喜こもごも、ただその描き方がスポコンもののような勝ち負けのはっきりしたものでない分、あまりその結果にはとらわれないで読んでいくことができます。優勝することだけが目的ではないという、マンガにおけるクラシックのコンクールのあり方というものを、きちんと示した、これは一つの確立されたセオリーでしょうか。これがもし、現実のコンクールでの評価が、必ずしも一般の聴衆の感覚とは合致してはいないということへの皮肉だとしたら、それはそれでこの作品がとんでもない視点を持ち始めたことになるというわけです。あ、そんなものは、すでにのだめがマラドーナ(!)国際ピアノコンクールを受けた時点で分かっていたことでしたね。
 ピアノのファイナルで演奏されていた曲を、のだめが初めて聴いただけでハマってしまうというシーンは、久々の出色した表現で魅せてくれました。これは作者の作戦だったのでしょうが、普通は演奏が始まるとすぐコマの中に字幕が出てその曲が何であるかが分かるようになっているものが、それはなかなか出てきません。実際に曲名が明らかになるのは、のだめがアパートに帰って、そこにいた千秋に自分のセリフとして言う時なのですから、これは手が込んでいます。それまで読者に知らされるのは、その曲の冒頭の演奏シーンと、それで呼び覚まされたであろうのだめの心の中のイメージだけなのです。最初に「むち」の一撃、それに続いてピッコロのソロ、とくれば、この作品の愛読者であれば、それがなんの曲であるかはすぐ分かってしまうという、読者を信頼しきった作者の態度、そこまで、読者は「教育」されていたのですね。そのあとのピアノのグリッサンドも、まるで音が聞こえてくるような気さえしてきましたよ。かえすがえすも残念だったのは、これを読む前にその曲が何であるかを私が知ってしまっていたことなのです。それは、表紙の裏側にでかでかと書かれているのですからね。作者の立てたこの緻密なプロットを、それは、無神経に破壊するものでした。もし、何も知らないでその曲の冒頭の演奏シーンを見たとしても、それが何であるか分かったかどうか(おそらく間違いなく分かったはずですが)、それを確かめることは単行本の編集者によって決してできないカラダになっていたのが、とても悔やまれます。
 お約束のあら探し、ターニャが弾いているピアノは、その前のシーンでは確かにスタインウェイだったのですが、そうだとすると、この絵にはフレームの鉄骨が1本足りません。
 
aventure number : 1125 date : 2008/3/16


今日の禁断 ロックウェル

 最近、サイトのトップページにこんなバナーが出るようになったのにお気づきでしょうか。

 これは、アメリカの「バーバーショップ・ハーモニー」のグループ、「ヴォーカル・スペクトラム」の仙台公演のプロモーションのためのサイトへのリンクなのです。「バーバーショップ」と聞いて、懐かしいと思われる方はおそらくそんなに多くはないことでしょう。日本でもひところ、男声4人によるカルテットが沢山あった頃がありました。その生き残りが、例えば「ダーク・ダックス」であり、「デューク・エイセス」なわけですが、彼らが活動をはじめた当初のスタイルが、この「バーバーショップ」だったわけです。言ってみれば、「ア・カペラ」のルーツと言えるようなものなのですね。
 残念ながら、日本ではこの「元祖ア・カペラ」のスタイルは殆ど消滅しています。と言うか、もはやそんな言葉さえ死語となっているようですね。しかし、発祥の地アメリカでは、今でも毎年何万人というファンが集まって「バーバーショップ・フェスティバル」みたいなものを開催しているそうなのですよ。その中ではコンテストも行われていて、それを目指して世界中からバーバーショップのグループが集まってきます。そして、そんなグループの頂点に立った「チャンピオン」が、この「ヴォーカル・スペクトラム」なのです。つまり、世界最高のバーバーショップ・ハーモニーを、仙台で生で聴くことの出来る機会が、やがて訪れる、と言うことを告知しているのが、そのプロモーション・サイトなのですよ。
 なぜ、私のサイトにそんなもののバナーが掲げられているかというと、そのコンサートを主催しているのが、私の関係者なのです。同じ大学の合唱団のかなり先輩に、日本でこの「バーバーショップ・ハーモニー」の協会を立ち上げて、普及に努めているKさんという方がいて、そのKさんがこのグループを日本に呼んでツアーを行うことになったのです。そして、仙台ではマネージメントをその合唱団のOBたちが引き受けることになって、私がその宣伝サイトを作らされた、ということなのです。
 サイトを作ったのは私ですが、そのコンテンツの殆どの部分は、そのKさんが書いたもの、これだけですでに「バーバーショップ」に関する非常に貴重な文献となっていますよ。コーラスのお好きな方、ぜひご覧になってみて下さい。そして、お近くの方は、ぜひ6月6日に電力ホールにいらして頂いて、実際にこの素晴らしいハーモニーを体験して頂きたいものです。
 ここで、皆さんにちょっとお願いです。もし皆さんの中にご自分のサイトをお持ちの方がいらっしゃいましたら、このバナーをその中に貼り付けてはいただけないでしょうか。そして、そのバナーにこちら(http://vocalspectrum.aramaki.client.jp/)までのリンクを張って頂きたいのです。正直、知名度に関してはイマイチのこのグループ、どうやって宣伝しようか思いあぐねているところがあります。コンサート当日までのほんの3ヶ月の間だけで結構ですので、どうかよろしくお願いします。あ、もちろん、相応のお礼はさせて頂きますよ。
aventure number : 1126 date : 2008/3/18


今日の禁断 骨折

 お彼岸の中日、竹藪を覗いてみたらフキノトウがたくさん咲いていましたよ。もう春、ですね。

 そんなのんきなことを言っていられるだけ、良かったのだと思っています。なんせ、きのうは愚妻が交通事故に遭ってしまうというとんでもないことが起こっていたのですからね。
 仕事帰りに本屋にでも寄っていこうかと車を走らせていると、いきなり携帯が震えました。出てみると、「今、○○町でバスの中にいる。事故に遭ってこれから救急車で運ばれるので来て欲しい」という、せっぱ詰まった口調が聞こえてきました。その場所はすぐそば、そのまま「現場」に行ってみると、確かに路線バスが路肩に乗り上げて停まっています。すぐ向かいのマンションの入り口に車を置かせてもらって、そのバスに駆け寄ってみると、愚妻がグッタリとして一番前の座席に座っていました。顔は真っ青、まるでその時のことは思い出したくないような感じでしたが、なんとかその事故の模様をとぎれとぎれに語ります。なんでも、つい居眠りをしていたらバスが急ブレーキをかけたので、座席から放り出されてしまい、そのまま運転席の後ろに体をぶつけられたというのです。そのそばで、運転手がしきりに交通局の営業所と連絡を取ったり、私に対してひたすら謝ったりと、完全にパニクっていました。
 そのうちに、警察もやってきました。一通りのことを聴かれて、これからすぐ病院に行って診断書をもらってきて欲しいというようなことを言っています。なんで被害者が、そんなことをしなければいけないのか、よっぽどその警官に詰め寄りたい衝動を抑えて、冷静さを装う私。いったい人の体をなんだと思っているのでしょう。とりあえず、運転手が責任者が来るまで待っていてくれと言うので待っていると、営業所の副所長だかがやってきて、一緒に病院まで行くことになりました。保険の話などがあるというのですね。一応車に乗ることは出来そうなので、いつも行っている整形外科に向かいます。営業所の車もあとを付いてきます。
 病院で待っている間も、その営業所の人は平謝り、「お客さんには全く落ち度はありません。全て、私どもの責任です」と繰り返します。まあ、それが誠意というものなのでしょうね。「事故」なんですから、それは仕方がありません。
 レントゲンを撮ったりして、診察、応急処置のあと診断書が出たので、それをもって今度は警察です。なんでも、被害者本人から、一応事情を聴く必要があるというのです。たかが書類のために、なんでそこまでしなければならないのでしょう。愚妻は歩くのもやっとという状態なのに。結局、家へ帰り着いたのは9時過ぎ、そうそう、愚妻は夕食用に「ひな野」のお弁当を買ってきてそれを手に持っていたのですが、せっかくのちらし寿司が、ひっくり返ったときに乗せてあった具がバラバラになってしまっていましたよ。私はなにも悪いことはしていないというのに、なんというひどい仕打ちだったのでしょう。
aventure number : 1127 date : 2008/3/20


今日の禁断 ミスド

 今回の定期演奏会の指揮者、保科さんの練習が今日と明日行われます。実はこれはもう2度目の練習、最初は2週間前に行われたのですが、その時には私は東京のオペラシティで合唱の本番でしたから、今回が初めての体験となるわけです。
 会場は仙台港のアクセルホール、いつもギリギリに着いて焦って音出しとかしているので、少し余裕を持って行ってみたら、なんと一番乗りでしたよ。打楽器などを運ぶトラックも、まだ着いていませんでした。ですから、楽屋の鍵を預かったり、ちょっと遠くの倉庫にある椅子を運んだりと、久しぶりに裏方の仕事をやってしまいましたよ。50脚も積んである椅子の台車の一番上から椅子を降ろしたりして、腰の方は大丈夫だったのでしょうか。そんな仕事のついでに、係員からワイヤレスマイクを預かってしまいましたよ。保科さんはあまり大きな声を出せないので、前もって準備して欲しいという要望が出されていたそうですね。

 程なくして、団長に案内されて保科さんが到着しました。帽子などをかぶっていましたから、なんだか、その辺のおじさんが紛れ込んできたみたいな感じ。でも、指揮台の前に立つと、とても70才過ぎとは思えないような素敵なシャツ姿でした。それと、このバックル。「Z」って字がデザインされているなんて、なんかキザ。早速用意のマイクを付けてはじめようとしますが、ちょっとレベルが高すぎてハウリングを起こしてしまいました。マイクを外して、「これで聞こえますか」という声がきちんと聞こえてきたので、結局生声でやることになりました。確かに、力はありませんが割とはっきりとした声、ただ、その声が普段より1オクターブ高いファルセットなので、なんか怪しい感じがして。たまにちょっと聞きづらいこともありました。「隣人の踊り」が「人参の踊り」に聞こえたりして。
 こういう年齢の指揮者の方と共演したことは殆どありませんから、なんだかずいぶん勝手が違うような気がしてしまいます。それと、基本的なことを教えるのが好きな方のようで、ハーモニーの原理などから説き起こして、そのために各パートがどんな吹き方をしなければいけないか、といったようなことをかなり丁寧に説明してくれます。確かに、そういう科学的な説明のあとで演奏してみると、なんだかきれいなハーモニーになったような気がしてくるから不思議です。
 指揮の姿も、とても分かりやすいような気がします。特に「三角帽子」のような複雑なリズムの曲では、拍子の変わり目やテンポの変化など、指揮さえきちんと見ていればなんの問題もなく演奏できるのでは、という感じです。特に、かなり格調高い、言ってみれば「巨匠」然とした音楽を作られる方のようで、そのための独特の「タメ」がなかなか気持ちの良いものでした。この指揮に合わせて、ちょっと今までなかったような「深み」のある演奏をすることが、今回の演奏会の見せ場になるのではないでしょうか。「ニューフィルは、ずいぶんオトナの演奏をするようになったね」なんて言われたりするかもしれませんね。
 話している時間が長いのと、あまり細かいことを繰り返してやらされるということがなかったので、殆ど疲れることはありませんでした。でも、やっぱり少しはストレスを感じるぐらいの方が、練習をやったという気になるものだ、と、気づいたりするのですがね。
aventure number : 1128 date : 2008/3/22


今日の禁断 オーマンディ

 今年も、先日の合唱のコンサートのCDのマスタリングに立ち会ってきました。場所は同じ、横浜にある日本ビクターのマスタリング・センターです。その前に、新宿にあるムラマツに行って、楽器を置いてきましょう。これも1年ぶり、楽器の調整をお願いするためです。今年は、ピッコロも一緒に持っていきました。当然、その場でやっともらえるわけではないので、出来上がったものは宅急便で送ってもらうことにします。楽々次の練習には間に合います。
 そこは11時前には終わったので、それから横浜(というか、新子安)まで行くのに、去年の湘南新宿ラインではなく(そんなに早いわけでもありませんでした)、地下鉄で東京駅まで戻って、そこからまっすぐ京浜東北線で行くことにしました。ただ、マスタリングは午後1時からという約束だったのですが、最近はよく「人身事故」などで電車が止まることがありますから、まず新子安まで行っておいて、そこでお昼を食べたりして時間をつぶすことにしましょう。
 新子安に着いたのは、12時ちょっと前でした。駅前にマックぐらいあると思っていたのに、そのまわりは道路ばかりでなにもありません。ダメモトで駅の裏側に行ってみると、そこには新しいビルがあって、食事をするところが沢山ありました。探してみるものですね。
 かなりゆっくりご飯を食べて、ビクターに向かいます。受付でIDをもらって、目指す現場は勝手知ったる場所ですから、一人で行ってみます。まだかなり早い時間だったので、他のメンバーは誰も来ていないようですが、どこからともなく合唱の音が聞こえるので、そこへ行ってみると、去年と同じ杉本さんのスタジオには、もうバランス・エンジニアの小貝さんは着いていて、すでに音決めが終わってしまっていました。早く着いたので始めていたのだそうです。こんなに早く始まるのだったら、変に時間をつぶさないでまっすぐ来ていればよかったですね。杉本マジックの要、ケーブルの選択などは、今回は見られませんでした。

 それからしばらくして他のメンバー、指揮者と幹事長が揃ったときには、もうマスタリングの作業は始まっていました。最初にセットしてしまえば、あとはDSDで録ったものをCDのフォーマットに移し替えるだけですから、なにもすることはありません。小貝さんは、「去年と男声の音色が変わりましたね」と言っています。確かに、モニターから聞こえてくる声には、柔らかさと若々しさが感じられます。新しく若い人が入ったので、そのせいで音が変わったのかもしれませんね。歌っているときには殆ど分かりませんでしたが、こうして素晴らしい録音になったものを聞いてみると、この合唱団はかなりレベルが高かったことが分かります。こんなところで歌えるのが誇りに思えるほどのものでした。ほんと、ちょっとした音程の不安定さがなければ、これは商品としても十分に通用するほどのクオリティを持っていると感じられますよ。外国の合唱団のCDで、もっとひどいのはいくらでもありますから。もちろん、録音面が、ですが。
 いらない拍手をカットしたり、トラックナンバーを付けたりして、マスタリングは完了しました。サンプルとして頂けるCD−Rを焼いている時間に、杉本さんは最近出たXRCDなどを聞かせてくれました。これは感激ものですよ。何と言っても、マスタリングを行ったご本人が、その作業で使ったシステムでXRCDを再生するところを聴くことが出来るのですからね。そのうち、CDが焼き上がったので頭出しなどをちょっと聴いてみると、さっきまで聴いていたマスターの音とはやはり全然違います。それがCDフォーマットの限界なのでしょうね。そんなことが、実際に音として味わえたのですから、これは本当に得難い経験でした。
 杉本さんは、XRCDには絶対の自信をお持ちのようでした。同じ音源をSACDとXRCDとで比較すると、XRCDの方が断然音がよかったと私が言うと、「当たり前でしょう」とこともなげに返されてしまいましたよ。そんな「神様」杉本さんが焼いてくれたサンプルCD、彼の直筆の品番が入って、まるで宝物のようです。
aventure number : 1129 date : 2008/3/24


今日の禁断 シアトル

 毎週土曜日は、BSのハイビジョンとWOWOWとの間で同じ時間に見たい番組が重なることがあるので大変です。ハイビジョンの方はいつもではありませんが、時々オペラなどをやったりしていますからね。WOWOWはもちろんドラマ、特に「グレイズ・アナトミー」は見逃せません。最初は「ER」の焼き直しのような感じでしたが、出演者のテンポの速いセリフ廻しがだんだん気持ちよくなっていくうちに、話の方もどんどん深みを増してきて、時には涙を流すこともあるぐらいです。脇役の2人が、映画の方でも活躍している人で、今年のオスカー授賞式では、なんとその2人がプレゼンテーターを務めていたというのですから、すごいものです。特にキャサリン・ハイグルはまさに成長株、彼女の主演作がこれから日本でも上映されるでしょうから、どんどん人気も上がっていくことでしょう。ほんと、彼女のプレゼン、初々しかったですよね。
 ただ、ドラマの場合は必ず再放送がありますので、ハイビジョンの方にどうしても見ておきたいものがある場合は、そちらに譲ることも可能です。再放送の日に間違いなく留守録をセットすることを忘れなければ、ですが。この前の土曜日が、そんな日でした。ハイビジョンで、なんとバーンスタインの「キャンディード」をやるというのですよ。この作品、一度宮本亜門の演出で日本人が上演したものを(テレビで)見たことがありますが、特にキャンディード役の人がひどいキャストだったものですから、あまり印象がよくありません。というより、何かと疑惑の主であるバーンスタインの作品ですから、まともなキャストで見られるよい機会だと思いました。ただ、番組案内には出演者の情報は全くなかったのですが、そこは「勘」で、とりあえず録画だけはしておこうと。
 次の日は東京に行っていたので、月曜日に見てみると、その詳細が分かりました。まず、時間が2時間ちょっととかなり短めです。日本版は3時間はあったような。実際に始まってみると、それはニューヨーク・フィルによる、コンサート形式の上演だということが分かりました。エヴリー・フィッシャー・ホールのステージにオケが乗って、そのまわりに歌手や合唱がいて、そこを動き回りながら歌うというものです。指揮は、マリン・オールソップ(NHKの表記は「アルソップ」)でした。つまり、これはミュージカルというよりはオペラに近い上演形態、ただ、歌手は全員ピンマイクを付けているというのが、やはりミュージカルの名残でしょうか。
 キャストには、なんとトーマス・アレンなどという本物のオペラ歌手なども混じっています。他の人もしっかりクラシックの発声を身につけた人ばかり、タイトル・ロールはあの日本人とは比べものにならない充実した歌を聴かせてくれていました。そして、ヒロイン役(日本ではオペラ歌手の幸田浩子さんがやってました)は完全に役になりきったハイテンションの歌と演技を披露していました。ですから、音楽的な完成度は日本版の比ではありません。
 しかし、作品自体はやはり本当につまらないものでした。どうひいき目に見ても、これは失敗作でしょう。なによりも、ストーリーがいかにも頭でっかち、しっかり元ネタがあるのですが、それを変に砕いているためになんとも楽しさがわいてこないのです。というか、出演者たちの感情に全く同感することが出来ないのですよ。音楽も、聴きなれた序曲のモチーフの曲はなんとか楽しめますが、他の曲はとてもすぐ口ずさめるような種類の音楽ではありません。最後の、本当に盛り上がるはずの曲も、何度聴いてもつまらない曲だとしか思えませんし。そう、どう考えても、これが「ウェストサイド・ストーリー」と同じ作者によるものだとは、私には思えないのですが、どうでしょう。
aventure number : 1130 date : 2008/3/26


今日の禁断 CM


 WOWOWは、映画ばかりではなく、演劇にも手をかけている局です。この間などは井上ひさしの新作をやってくれましたし、その前は「薮原検校」などという、渋い名作も舞台の中継をしてくれました。しかし、何と言っても最も多くの舞台を見せてくれているのは三谷幸喜でしょうね。いつだかは、なんと「生中継」までしていましたからね。実は、朝日新聞には、毎週土曜日に彼のエッセイが連載されています。そこではもちろん、最新の仕事のことなどを公開してくれるわけですから、そこで色々取り上げていた裏話などを読んだ、ほんのすぐあとに、その実際の舞台を見ることが出来るという、これは「朝日」と「WOWOW」の両方の契約者のみの特権です。
 そんな、最新の作品「おそれを知らぬ川上音二郎一座」が、放送されました。日比谷の芸術座がリニューアルオープンして、名前も「シアター・クリエ」と変わった劇場のこけら落としとして、去年の末に上演されたものです。朝日のエッセイでは出演者たちの1人1人が、稽古や本番でどんなことをやっていたか、詳しく述べられていましたから、楽しみです。特に、主演のユースケ・サンタマリアなどは、かなり大きな失敗をやったようなことが書かれていましたし。
 その作品は、なかなかバラエティに富んで楽しいものでした。中でも後半に出てくる劇中劇では、まず客席に現れたキャストが、「これはアメリカで上演されているのだから、お客さんもアメリカ人になりきってくれ」みたいなことを言っているのがおかしいですね。バルコニーの人に向かって、「後ろの袋にカツラが入っているから、それをかぶるように」とかね。ですから、そこで見ているものは、まっとうな劇中劇を期待することになります。ところが、その中で微妙に本筋のプロットが混ざってきますから、その交錯感がたまりません。三谷は、こういうシチュエーションを作るのは、本当に上手ですね。
 しかし、ユースケ・サンタマリアは、やはり完全なミスキャストでした。多くのセリフを憶えて喋るだけで精一杯、それは殆ど棒読みに近く、感情を込めることなど殆ど不可能です。笑わせるためのツボがあちこちに用意されているのですが、そういうところで丁寧に合間を測るというようなことがまったくできていないようなのですよ。
 そんな役者のミスに影響されたのでもないのでしょうが、放送スタッフもエンドロールでとんでもないミスをやらかしてしまいました。

 「2008年12月」ですって。未来の話になってしまいますね。
 まあ、こんな初歩的なミスは、色んなところにありますよね。CDの曲目なども探してみればいくらでも見つかります。ですから、見つかる前にこんなものを付けてよこすのは、考えてみれば良心的なことなのかもしれませんね。
aventure number : 1131 date : 2008/3/28


今日の禁断 竹内まりや

 久しぶりに、なんの予定も入っていない週末となりました。こんな時間を取れるときなどないと思って、ちょっと手間のかかることをやってしまおうと思いました。このサイトの名物「おやぢの部屋」の索引を、少し見易くしようと思ったのです。もしかしたらご存じないかもしれませんが、「おやぢの部屋」には、全てのアイテムをリストアップした「もくぢ」というものがきちんと用意されています。そう、どの「おやぢ」でもよいのですが、一番上に「もくぢ」というバナーがありますので、そこをクリックすれば、作曲家名とレーベル名ごとに分類された目次が開きます。作曲家だと、アルファベット順にいくつかのファイル(ページ)に分かれていますので、まず左のフレームからその範囲を選ぶと、右側にその分の作曲家のCDなどのタイトルが現れるという仕組みになっています。ですから、目指す作曲家は、そこをさらにスクロールしていって見つけるということになります。
 しかし、なにしろ2日に1本というペースで新しいアイテムをアップし続けていますから、ひとつのページには30人以上、中には60人にも及ぶ作曲家が含まれるようになってしまいました。例えばモーツァルトやクセナキスのように、ページの下の方のある人は、たどり着くまでが大変です。そこで、ページごとに作曲家の一覧表を作ろうと思ったのです。開いてすぐ見えるところに全部の名前があれば、そこをクリックするだけで目指すところへ行けますからね。
 こんなことは簡単にできてしまうと思っていたのですが、作業はかなり大変でした。まず、それぞれの作曲家のタイトルの前にアンカーを打ち込まなければなりません。それが終わったところで、作曲家名を書き込んで、そこからいちいちアンカーへのリンクを付けるという、気の遠くなるような作業でした。いえ、実はこんなに項目が増える前にそういうことをやってみようと考えていたこともあったのですよ。いつかはやらなければ、と思っていたのですが、それが延び延びになって、結局こんなに大変になるまで放っておいた、ということです。最初からやるようにしていれば、なんてことはない手間だったのでしょうがね。なんでもそんなものです。
 大変だったのは、作曲家の名前のタイピングでした。長い音楽生活の中で、大概の作曲家の名前のスペルぐらいはなにもなくても書けるようになったと思っていました。確かに、BeethovenやMozartだったら目をつぶっても打てますよ。でも、私が「おやぢ」で扱ってきた作曲家ときたら、とてもそんなすぐに憶えられるような簡単なものではなかったのです。「マンチュヤルヴィ」とか「ローリドセン」なんて、絶対にスペルなんて出てきませんよ。ですから、最初のうちは下の方にあるややこしいスペルを憶えておいて、それを上に書き込むという面倒くさいことをやっていたのですが、1度では憶えられなくて、もう1回戻ったりとか、無駄なことをやっていました。もう1個ウィンドウを開いておけばよかったと気づいたのは、作業が半分終わったときでしたからね。
 そんなわけで、この目次はだいぶ使いやすくなったはずです。これだったら、いくら増えても大丈夫でしょう。って、さっき数えたら、作曲家の数は全部で303人。いったい、どこまで増えることでしょう。正直、どんな音楽だったのか思い出せない人が大半だったりしますから。
aventure number : 1132 date : 2008/3/30


今日の禁断 A.F.

 先日の「おやぢの部屋」には、今度出版された楽譜が紹介されていましたね。日曜日に街のカワイに行ってみたら、ちゃんと棚に並んでいました。私たちが委嘱して、なにもないところから作り上げた曲たち。それを長い時間かけて練習して、オペラシティいっぱいの聴衆の前で初演しただけではなく、それから何度も何度もステージを重ねて慈しむように作り上げた作品が、楽譜というかたちになってこうして実際に販売されているというのは、感慨深いものです。
 組曲の中の「津和野の風」というのは、もはや私たちの合唱団にはなくてはならない曲になってしまいました。去年合宿をやったときにも、だれも譜面などを見なくても、みんなでごく自然に歌えるようにまでなっていたのですからね。私も、この歌を歌うと、今までに歌ってきた色々な情景が浮かんできて、ついウルウルとなってしまいます。津和野の小学校の校庭で、城跡へ向かって歌ったのも、忘れられません。
 ずいぶん前のことになるので、もうすっかり忘れかけていたのですが、自分たちが歌ったものが楽譜になって出版されたのは、実はこれが初めてではありません。その昔、私が大学生の頃男声合唱団と掛け持ちで参加していたのが一般の混声合唱団だったのですが、そこはもともとは放送局専属の合唱団ということもあって、しょっちゅうラジオのための録音の仕事がありました。それだけではなく、その頃は「芸術祭参加作品」ということで新しい合唱曲を放送局が委嘱して、それを放送するということが年に1回ありました。その録音に、私は3回ほど参加しましたが、それらの曲も全部後に出版されることになったのですよ。田中利光の「青猪の歌」、広瀬量平の「吾妻山麓(だったかな?)」、そして片岡良和の「鹿踊りのはじまり」です。それぞれ、裏表紙には「○○合唱団によって初演」と書いてありますから、なんだか嬉しくなったものです。もっとも、今ではもはやどれも絶版になっているようですがね。
 そういえば、「コール青葉」が、そういう名前になる前に一度同じオペラシティでコンサートをやったことがありました。その時に演奏した曲も、これは初演の前にすでに楽譜が出版されていました。作曲した人と出版社との力関係でそうなったのかもしれませんが、ですからその曲は、まだ初演されていないうちから印刷楽譜を使って練習をした、という、これもなかなか得難い経験だったのでしょう。「でしょう」というのは、この曲に関しては私は楽譜はもらったものの練習も本番も参加はしていませんでした。ですから、この楽譜については、つい最近のことであってもなんの感慨もないということになります。
 「津和野」の楽譜に関しては、さらに忘れられないような、とっておきのおまけが付きました。津和野初演のあとの打ち上げで、興に乗ったメンバーが狸囃子の部分を踊り出したというのは「おやぢ」に書いてありますが、その場に同席していた作曲家の森さんが、その踊りの振りを、ぜひ楽譜に載せたいと言い出したのです。さいわい、その時の模様はしっかりホームビデオに収録されていましたので、それを元に振り付けの図を作ったようですよ。模範演技のDVDを作って、それも楽譜に付けようか、なんて話も出ているそうです。楽しみですね。
aventure number : 1133 date : 2008/4/1


今日の禁断 B-POP

 4月になって、新しい年度がスタートです。そんなわけでちょっと銀行に用事があって駅前まで行ってきました。久しぶりに歩いてみると、色々なところが新しくなって、ちょっとびっくり。駅前のランドマークだった2つのビルが、相次いで立て替えとなったのが、一番目立つところでしょう。
 ひとつはかつては「第一ビル」といっていた雑居ビルが、なんと「パルコ」になってしまいました。パルコというと、もっとカラフルなイメージがあったのですが、これはグッと渋いモノトーン、これだったら景観的にもなかなかのものなのではないでしょうか。

 そして、もう一つは、「仙台東宝」が入っていたビルです。下半分がオフィスビル、上がホテルという構成になったのでしょうか。もちろん、映画館などは入ってはいません。

 テレビやラジオの番組もこの時期は大幅に変わりますね。楽しみにしていた「モンク」がまた始まったのは嬉しいことです。NHKではもう1本、グレン・クローズ主演の弁護士ものが新しく始まりました。第1回目はなんともスリリングな展開で、しっかり見ていないと置いて行かれそうな感じでしたが、なかなか面白そう、楽しみです。
 いつも車に乗っているときに聴いているラジオも、色々変わったみたいですね。西村雅彦がやっていたとことん嘘っぽいラジオドラマもやっと終わって、もう少し爽やかなドラマが始まったよう、これは別にどうでもいいことですが。そして、この時間の帯番組のキャスターも一部変わっていました。しかし、これはちょっと期待はずれ。本当にやめて欲しかったキャスターが居座って、割と感じのよかった人が変わってしまったのですからね。その最悪のキャスター(DJというべきでしょうか)は野口あきこという人なのですが、何年か前に初めてこの番組に出てきたときに、そのしゃべり方にはもう二度と聞きたくなくなるようないや〜な感じがあったのですよ。なぜそう感じたのか、その時には具体的には分からなかったのですが、とにかく感覚的に受け入れられないものがあったのですね。
 車に乗ればいやでもこの人の声が聞こえてきますから(なぜか、あちこちに登場している売れっ子なんですね)、そうなると、なぜこんな不快感が起こるのか冷静に分析してみようと思ってしまいます。その結果、この人は話のリズム感が極端に悪いのではないか、と思うようになりました。別に引っかかるわけではありませんし、喋り自体は流暢なのですが、彼女の持っているリズム感が、到底私には受け入れることが出来ないものだったのです。つまり、予想もつかないようなところで妙な「タメ」を入れるものですから、そこで自然なリズムが崩れてしまっていたのですね。
 もう一つ、DJとしてはとても恥ずかしいことを平然とやっているのにも驚かされます。よくゲストが来て自分の新譜などを紹介するのですが、その時「最後に○○さんに紹介してもらいましょう」と、タイトルをそのアーティストに言ってもらうという場面があります。ですから、その時にはその人が「僕の新曲△△、聴いて下さい!」と言ったらすぐその曲をかけると思うでしょう?どんなDJでも、これは必ずやっているセオリーですからね。ところが、野口あきこの場合は曲が始まる前に「ゲストは○○さんでした」と必ず一言入れてしまうのですよ。これはかなりみっともないことです。こんな初歩的な間違い、彼女に教えてあげようという人は誰もいないのでしょうか。それとも、わざとやらせてみんなであざ笑っているのだとか。
aventure number : 1134 date : 2008/4/3


今日の禁断 ハーネル

 強風で花粉が舞い、花粉症の人にはさぞ辛いことだろう、という1日でした。私の場合は、一応1年のうちの何日かは本当にひどく、くしゃみはとまらないわ、目は痒いわ、挙げ句の果てに体全体がだるくなるわ、という症状が出ることはあります。しかし、それをしのげば、まずそんなにひどい思いをすることはないようになってきました。なにもしないでほっとけば、こういうものは自然に治ってくるものなのでしょうか。
 そんなお天気の日に、昼間っから男だけが集まる宴会に行ってきました。大学の合唱団のOB会の総会、それは男声合唱団でしたから、当然出席者は男だけ、ということになります。こういうところは本当はあんまり好きではないのですが、一応この会の幹事をやっているので、出ないわけにはいきません。それに、前に回ってきた会の進行表によると、私はホームページについて説明をしなければならないように書いてありましたので、そんな、前に立ってみんなの前で話をする、などという場面も体験しなければいけないようです。これもすごく苦手なこと、ちょっと憂鬱です。
 会場は、そういう宴会専門の施設で、テーブルのまわりに座るパーティー形式でした。真ん中にプロジェクターが用意されていて、DVDを見ることが出来るようになっています。実は、この総会は定期的なものなのですが、今回は以前から話題に出ているコーラスグループ「ヴォーカル・スペクトラム」の宣伝が大きな目的になっているものですから、彼らが演奏しているものを出席者に見てもらおうということで用意されました。
 出席者は20人ちょっとと、あまり多くありませんでした。そんな中で、私と同期の、卒業以来一度も会ったことがなかった人が来てたりして、なかなか盛り上がります。いやあ、学生時代の性格というのは、こんなに大人になっても殆ど変わらないというのは面白いものだと、再確認です。もう一人、やはり同期の人は、この前の総会で会っていたのですが、そのあと、意外なところでニューフィルの団員とのつながりがあったことが分かり、それでやはり盛り上がります。まあ、そんなこんなの縁を確かめる、というのが、こういう会の良いところなのでしょうね。
 私の出番となってホームページのことを喋り始めると、やはり慣れていないことなので最初のうちはかなり固くなっているのが分かります。しかし、ひとしきり緊張がほぐれると、今度はやたら話がくどくなるというのも、これは私の地なのでしょうね。どうでもいいようなことを細かく説明し出すと、次第に歯止めがきかなくなってくるのですね。こんな話を聞くのは、私だったらいやですね。
 最後は、用意された楽譜を見ながら、みんなで合唱です。実は、これが楽しみで集まったようなところもありますから、これはみんな盛り上がります。そこで気がついたのが、私の声も何度かの本番を経験してなんだか現役の合唱団員のようにきちんとコントロール出来るまでに回復しつつあるのではないか、ということです。最初はかなりひどい声で臨んだコール青葉ですが、このところのシビアな要求に応えられるような努力が、実を結んだということでしょうか。
aventure number : 1135 date : 2008/4/5


今日の禁断 クルーゾー

 数日前は、あのカラヤンの100回目の誕生日だったそうですね。偉大な指揮者に「ハッピー・バースデー」と世界中からのメッセージが寄せられたことでしょう。それにしても、100歳とは、やはり指揮者というのは長寿ですね・・・というわけはもちろんなく、もうすでにこの世にはいない人に対して誕生日を祝うという、不思議なことをやっていたということです。
 生前はあれ程の影響力を各方面に及ぼしていたカラヤンですが、亡くなってしまっては何も出来るはずもありません。あれ程の人気を誇ったカール・ベームにしても、亡くなってしまったら誰ももはや振り返ろうともしないで、すっかり忘れ去られてしまいましたからね。と思っていたのですが、カラヤンに限っては、そう簡単に忘れられてしまうことはなかったようです。CDは相変わらず売れ続けていますし、この「100歳」に合わせてのリイシューはただごとではないような状態になっています。彼が最も多くの録音を行ったドイツ・グラモフォンでは、全てのものをボックスにした何百枚かのセットを出すとか、そもそも1枚だけで20万円もするCDを作るなんて、完全に常軌を逸していますね。
 ですから、その誕生日に合わせてBSなどでも特別の番組を組んでいましたね。なんでも8時間だかぶっ通しでカラヤンの映像を流したのだとか。殆どは前に見たことがあるものなのでしょうが、参考のためにとりあえず録画だけでもしてみようとは思ったのですが、あいにく別の局でどうしても録っておきたいものがあったので、それはやめにしました。
 ところが、そんな大騒ぎをしていないその「別の局」で、なんともひっそりと朝の時間帯にカラヤンの映像を放送するというのに、他の番組の予約をしていて気がつきました。かつてはベルリン・フィルの定期演奏会なども放送していたこの局も、今となってはクラシックからは完全撤退したというのに、こんな唐突にカラヤンをやるなんて、いったいどんなものか興味がわくじゃないですか。
 そこで、これはきちんと録画して見てみたら、なんとそれは2008年に作られたという最新のドキュメンタリーだったではありませんか。タイトルが「Herbert von Karajan Maestro for the Screen」というもの、彼が映像作品に対して異常な関心を持っていたことはよく知られていますが、それを歴史を追って関係者の証言で綴る、というものです。インタビューを受けている人が、今までクレジットなどで名前だけは知っていたけど、実際に顔を見るのは初めて、という、いわば本来は舞台裏の人なのがすごいところです。それは、バーンスタインの映像を数多く作ったハンフリー・バートンとか、ソニー・クラシカルを立ち上げたギュンター・プリースト、それからドイツ・グラモフォンのチーフ・エンジニア、ギュンター・ヘルマンスなど、そうそうたるメンバーです。
 その中で語られる、実際に映像を作った現場のスタッフとカラヤンとの確執などは、ドラマを見ているような迫力がありましたよ。その監督が最初に作った映像と、それが気に入らなかったのでその素材を元に、カラヤンが自分で編集した映像を並べて紹介する、などという貴重なシーンもありました。もちろん、カラヤン版では自分の姿しか写っていないものに改竄されていましたよね。
 おそらく、もともとはドイツの放送局で放送されたものなのでしょうが、こういうものはいずれDVDになって発売されることが多いものです。要チェックですよ。
aventure number : 1136 date : 2008/4/7


今日の禁断 初夜

 初体験という言葉、どうやら今では「しょたいけん」ではなく「はつたいけん」と呼ぶようになっているのですね。テレビやラジオで語られている言葉が「今の」日本語であるという前提に立てば、「はつたいけん」はもう間違いなく日本語として定着してしまっています。私などがうっかり「しょたいけん」などと言おうものなら、「そんな日本語、あるの〜?」というバカにしたような反応が返ってくるのがオチなのですね。
 まあ、言葉などというものは日々変わっていくものですから、そういうこともあるのでしょう。「正しい・間違っている」という議論は、言葉に関してはあまり意味のあるものではないような気がします。かつては「正し」かったものも、多くの人が「間違った」使い方をしていれば、そちらの方がいつしか「正しい」ものに変わっていくのですよ。そして、「多くの人」といったときには、テレビ、ラジオといった「音声によるマスコミ」の果たす役割が極めて大きくなっていくことでしょう。
 ですから、言葉が変わりうるものだとは重々認めてはいても、それが社会の中で長い時間かけて変わっていったものではなく、単にテレビなどで多くの人が口にしているというだけで半ば強制的に変えられていく、という状況には、ちょっと抵抗を感じてしまうわけです。
 そんな恐ろしい事態の予兆というものを、最近ラジオを聴いて感じてしまいました。その時のアナウンサーは、「初対面の人」を「はつたいめんのひと」と言っていたのです。おそらく、「それでいいんじゃない?」という人はもうすでにいらっしゃるかもしれませんね。「はつたいけん」がすでに日本語として認知されてしまった今の社会にあっては、それもありかな、という気もします。しかし、これはまだもう少し「しょたいめん」のまま残しておいて欲しいな、というのが、正直なところですね。これがあんまり進んでしまうと、「世界初演」が「せかいはつえん」になってしまいますからね。それは、いくらなんでもいやでしょう?もっとも「世界初録音」は「はつろくおん」なんですけどね。
 同じように「間違った」使い方が今では殆ど「正しく」なってしまったのが「まさか」という言葉です。「まさか、そんなわけはないでしょう?」・・・という風に普通は使いますよね。あるいは「使っていましたよね」でしょうか。最近では、「まさか、そうなんですか?」という感じで使われています。こちらの方はまだ私の方が馴染んでいないので、ちょっと外国語のように自然にはでてきませんから、これは「例文」としてはちょっとおかしいのかもしれませんが。いずれにしろ、「まさか」のあとは、必ず「否定形」で締める、というのが、体に染みついた使い方です。「まさか〜ない」ですね。それが、最近のテレビのドラマなどでは確実になくなっているのです。「まさか」と喋り始めたので、最後は「ないだろうな」というセリフを自動的に期待していると、それが来ないときのもどかしさったら。特に、日本のドラマだけではなく、外国のドラマを吹き替えた時にもこの言い方がしょっちゅう出てくるようになっているのですから、これは確実に市民権を持ち始めていることになりますね。まさか、すでに「それって、まさか本当のことなの?」という言い方に違和感を持たない人が多数を占める社会になってしまっているのではないでしょうね。
aventure number : 1137 date : 2008/4/9


今日の禁断 DVD

 もうこちらでも桜が満開になったそうです。明日、あさってはさぞや花見の名所は混み合うことでしょう。私の職場も、いってみればそんな「名所」のひとつになるのでしょうが、標高が高いせいもあって、まだ満開には今ひとつ、といった感じです。でも、来週になればそこら中でさまざまな色の桜が、賑やかに咲き誇ることでしょう。
 その桜の色について、実際に見て頂こうと定点観測をしたのは確かおととしのことだったでしょうか。でも、その時には空の色によって桜の色が全然違って見えることを計算しなかったものですから、いまいち「花の色の変化」については分かりにくいものになってしまいました。
 その反省を踏まえて、今年はもっと花に近づいて写真を撮ろうと思いました。今度のサンプルは、私がいつもいる部屋のすぐ前にあるしだれ桜です。窓を開けてすぐ目の前ですから、同じ構図で撮ることが出来ますし、花のアップも可能です。3月28日に撮り始めたものがこれですが、

それが今日はここまで開いてきました。

 今度は、塀の色がバックなので、花の色はお天気に左右されずにしっかり撮れるはずです。この花が開くに従って、色のピンクから白に変わっていくというのを、もう少ししたらまとめてお見せできることでしょう。
 そんなお花見日和の週末ですが、明日はニューフィルの最後の指揮者練習でまた仙台港のアクセルホールです。確か、道路の中央分離帯に桜の木が植えてあったような気がしましたので、もしかしたらそれが咲いているかもしれません。そういえば、このホールを使い出してからもうだいぶ経ちますが、桜が咲く時期にここで練習をしたことは一度もなかったことを、今までの日程表を見直してみて発見しました。桜のシーズンの初めての仙台港、いったいどんな様子なのか、楽しみです。
 ただ、あさってになると、今度は確実に満開の桜を見ることが出来るはずです。その日の予定は3月に東京で行われたコール青葉のコンサートの反省会。その会場が川内の国際センターなのですから、その行き帰りには必ず仙台で最も有名なお花見のスポット、西公園の脇を通ることになります。今年は、天文台が移転してその跡地も少し桜を移植したようなことをきいていますが、いったいどんな感じなのでしょう。別に、桜の木がなくても、そこに集まってくる人はいるのでしょうがね。
 ただ、その日は、反省会のあとの飲み会にのんびり付き合っていることは出来そうにありません。その次の週には、もはや「フルートの会」の本番が迫っているのですよ。ですから、その夜は最後の練習に出かけなければなりません。そんなことよりも、そのまた次の週はニューフィルの本番じゃないですか。明日の練習で本番向けにテンションを高めることが出来るのか、ちょっと心配です。
aventure number : 1138 date : 2008/4/11


今日の禁断 気象庁

 お花見日和の週末は、練習と、練習のようなもので明け暮れてしまいました。まず、土曜日のニューフィルは、仙台港まで行く間の国道沿いに、桜のスポットがあるのでそれを眺めながらのドライブです。まず榴ヶ岡公園のそば、そして、かなりのサプライズだったのが、苦竹の自衛隊前の桜です。正門の前にかなり大きな木があって、それが満開、そして、キャンパス(とは言わないか)の中も、いっぱい咲いてました。ただ、仙台港のそばの道路の真ん中に植えてあったのは、どうやらケヤキだったようですね。ですから、今は葉っぱもない全くの枯れ木の状態でしたよ。でも、近くのキリンビールの工場の中には、少し桜の木があったような。
 練習の方は、もはやこれが本番前の最後の指揮者との合わせということで、あまり細かいところはやらずに大まかに全体を通す、といった感じでした。しかし、ドボ8の頭で、いきなり私のピッコロがつかまってしまいましたよ。「大きすぎる」というのですね。そこで、思いっきり小さく吹いてみたのですが、それでもまだ大きいと言われてしまいました。ですから、3回目はもう本当に聞こえるか聞こえないぐらいに小さく吹きましたよ。これだったら、文句はないでしょう。本当にこんなんで良いのかなあ、という不安はありますがね。「この間と別の人ですが、本吹きですか?」などと言われてしまったのは、ちょっと悔しい感じです。確かに、前回は東京に行っていたので、代わりの人を頼んでいたのでしたっけ。やはり、指揮者練習ぐらいはたとえ2番であろうときちんと出るというのが、団員としての責任なのでは、と痛切に感じてしまったところです。
 後半にやった「三角帽子」は、最後の曲しか出番がないという変な編成ですので、休みの間はずっとスコアを見ながら聴いていました。指揮者が使っているのと同じスコア(ドーヴァー版)なのですが、見ていると彼はスコアのページを全然めくっていないのです。かなり複雑なリズムと、不規則なパートの入りなどを、全くスコアを見ないで指示を出しているのですね。こんなところで感心したりするのは逆に失礼なことなのかもしれませんが、ちょっと「すごいな」と思ってしまいましたよ。これだったら、本番も大きな流れで感動的な音楽を一緒に作り上げることが出来るかもしれませんね。
 そして、日曜日は3月の「コール青葉」のコンサートのDVD鑑賞会です。少し早めに会場に行ったら、もう幹事の人たちが準備を終えていて、すでに本番のリハーサルの映像を流していました。あれから1ヶ月以上経っていましたが、あの時ステージに乗った人たちがまた再会を果たして、今年もまた頑張りましょう、という気持ちになったことでしょう。実は東京ではもうきのうから正規の練習が始まっているということを、東京からきた指揮者も話していましたし、7月頃にはまた小さなコンサートも予定されているということで、またまた刺激に満ちたシーズンが始まることになります。なにしろ、東京の練習スケジュールは、すでに本番までしっかり出来上がっているのですからね。ですから、さっきのオケでの決意を実行するためには、本番の日が指揮者練習にぶつかったりしないのが絶対条件になってきます。2年続けて重なってしまったのですから、来年はきっと別の日になってくれることでしょう。
aventure number : 1139 date : 2008/4/13


今日の禁断 ステンレス

 いつも、県の南部の遠いところまでポスターやチラシを配りに行ってくれるのは、元団員の「び」さまです。お仕事の関係でそちらの方を回ることが多いので、ついでにお願いし始めてから、もうずいぶん経ちます。お陰で、古川(とはもう言わなくて、「大崎」ですか)とか、河南(とも言わなくて、「石巻」ですね)あたりまでも、くまなくニューフィルの演奏会のPRが行き届いていることになるのです。
 今回もお願いしたら快く引き受けて下さったのですが、なかなかスケジュールが合わなくて、チラシを渡すことが出来ないでいました。きのうなどは、せっかく「これから行ってもいいですか?」という電話をもらったのに、他のことに熱中していて気がつかず、返事のメールを出したのはそれから4、5時間してからのことでした。その頃にはもう遠くへ行ってしまったようで、いくらなんでもそれから来てもらうわけにはいきません。
 タイミングが悪いことは続くもので、けさもやはり朝忙しくて携帯に気づかなかったときにメールが入っていました。それに返事を出したのも1時間ぐらい経ってから、もうすっかりすれ違いの生活で、嫌気がさしてしまったことでしょうね。でも、やさしい「び」さまはそれにめげず、練習の時に取りに来てくれることになりました。ただ、もう合奏が始まっている時間にしか来れないので、外に置いておいてくれ、というご指示でした。ですから、大きく「『び』さまへ」と書いた袋にチラシとポスター、そして演奏会のチケットを入れて、ホールの外の椅子の上に置いておきました。
 実は、今日のフルートパートはちょっと大変なことになっていて、ドボ8の1番を吹く響ママが急に来れなくなったためにだれか代わりを吹かなければならなかったのですよ。私は2番ですが、後半が出番の他の2人が早い時間に来るという保証はなかったので、万一に備えて1番もさらっておかなければなりません。そうしたら、都合のよいことにその2人がちゃんとやってきたので、それぞれドボ8の前半と後半を交代でやってもらうことにしました。本吹きがいないというので、ソロの部分などはとばされてしまいましたから、これで十分な役割を果たしてくれました。
 そんな風に合奏に熱中していると、携帯が震えました。今ブツを回収した、というのです。「なかなか良い響きがしてましたよ」、と、外から聴いた感想も付け加えてくれていました。休憩時間になってその椅子のところを見てみたら、確かにさっきの袋はなくなっていましたが、それが置いてあった場所に見慣れない箱が置いてありました。それは、「び」さまの会社の景品で、ペン立て、こっちがお願いしたのに逆にお土産をもらってしまいましたよ。これで、今回のチラシ配りも、滞りなく終了しました。皆さん、ご苦労様でした。
 あ、チケットプレゼントはまだやってますよ。
aventure number : 1140 date : 2008/4/15

08/04/17/-5/25