1101(08/1/26)-1120(3/6)

今日の禁断 森林組合

 80万のキリ番は、きのうの朝10時半頃に出ました。職場のパソコンではHPの更新はしないようにしているのですが、これは家に帰ってから更新していたのではキリ番をとうに過ぎてもマーキーが出ているというみっともないことになってしまうことが分かっていましたので、更新した「index.htm」ファイルだけをUSBに入れて持っていって、それをFTPで送りました。ブログと違って、ちゃんとしたウェブサイトはなかなかメインテナンスが大変です。
 そんなことを始めて、実は今年でもう10年目に突入しています。こちらにあるように、このサイトが発足したのは1998年の5月31日のことですから、その「誕生日」には、さぞかし盛大にお祝いしていただけることでしょう。あ、私の方の誕生日にも、お祝い、ありがとうございました。そんな、重ねた年輪が、このサイトにも知らず知らずのうちに貫禄のようなものを付けているのかもしれませんね。
 年輪といえば、先週、こんな、本物の年輪を見ることが出来ました。

 職場には多くの樹木が生い茂っていますが、入ってすぐのところに大きな松の木が2本並んでそびえ立っていました。しかし、そのうちの1本が、半年ほど前からみるみる枝が枯れてきていたのです。そこで、専門家に見て頂いたところ、これは「松食い虫」の可能性があると診断されてしまいました。今のうちに切っておかないと、他の松の木も被害を受けてしまうかもしれない、と。実は、もう1本の松の木は、市の指定樹木になっているものですから、時たま注射を打ったりして健康管理に努めていたのですが、こちらの方はそんなに手をかけないでいたのが、油断だったのですね。ですから、早急に伐採する段取りを付けて、先々週その作業が行われました。この年輪は、その太い木を運搬しやすいように輪切りにしたものです。
 作業は、クレーンなどを使わないで、1人の人が高い枝の先端まで登っていって、チェーンソーで切り落とす、という大変なものでした。もちろん、切るときには自分が乗っている枝の元を切ったりするようなヘマはやりません。必ず先を切っていきます(当たり前ですが)。その時に、切ろうとする枝にロープを結びつけ、それをうまい具合に上の枝に絡ませて、その先を下にいる人が引っ張って静かに下に降ろす、というような見事なこともやっていました。その作業の定点観測。車の位置が違っているのは、2日間かかったということです。





 これが、上で枝を切っている人です。

 切ってみたら、実際は松食い虫ではなかったそうです。でも、完全に枯れていたのですから、安全のためにも切るのはやむを得ないことでした。そう、もう役に立たないものは、切ってスッキリさせた方が、残った木のためには良いことなのですよ。
aventure number : 1101 date : 2008/1/26


今日の禁断 ベト7

 週末には合唱の練習というのは殆ど習慣になってしまいましたが、何回かの本番が終わって、ひところの忙しさからは解放されるかに見えました。しかし、少しヒマになるかと思っていると、今度は別のものに顔を出さなければいけないようになるのですから、到底落ち着くわけにはいきません。つまり、今まで忙しいということで行っていなかった「仙台フルートの会」に、そろそろ参加してみなければ、という時期になっていたのです。こちらは3月に本番ですから、もう何回も練習はありません。その中のものも、他の予定とかち合って全部は出られませんから、きのうあたりの練習日がもう殆どタイムリミットというわけでした。
 私の担当はアルトフルート、最後にこの会に参加したのは、去年の6月のホテルでのコンサート以来ですから、半年以上楽器にも触っていませんでした。というか、もっぱら最近はピッコロにコンディションを合わせようとしているところでしたから、アルトはちょっと苦手かも。しかし、前の日に試しに吹いてみたら、そんなに違和感はありませんでしたから、まずは一安心です。
 この会の練習は、ハードなことが特徴ですから、それなりの覚悟が要ります。何しろ、オーケストラの弦楽器のパートをフルートでそのまま吹こうというのですからね。アルトの場合はヴィオラやチェロのパート、細かい刻みなどを執拗にやらされますから、ほんと、忍耐勝負です。他にアルトを吹く人はまず来そうにありませんから、きっと1人吹かされることでしょう。かといって、前もって譜面をさらっておこうとしても、楽譜が手元にありませんから、どうしようもありません。行ってその場で殆ど初見で演奏しなければなりませんね。ただ、1回は演奏したことのあるはずの曲ですから、忘れてさえいなければどうにかなるでしょう。
 会場の練習室に10分前に着いたのに、まだ誰も来ていませんでした。しばらく待っていたら、ぼつぼつメンバーがやってきて「お久しぶり」とか行ってくれます。まだ忘れられてはいなかったみたいですね。そのうち、楽譜係の人がやってきましたが、私の顔を見るなりギョッとしたような表情になって、「楽譜、持ってきませんでした」ですって。まさか、きのう来るとは思っていなかったのでしょうね。それでも、あちこち探し回って、シンフォニーの方だけは見つけてくれました。その譜面は、昔私自身が前に使っていたものでした(毎回回収しています)。懐かしい書き込みがそのままになっていましたね。これだったらおそらく初見でも大丈夫でしょう。
 それを最初にやることになったので、後半の楽譜がない曲になったらそのまま帰ろうかな、と思っていたら、いつの間にか楽譜係の人が家まで帰って、私のために楽譜を持ってきてくれたようでした。そこまでされたのでは最後まで付き合う他はありませんね。しかし、この楽譜(ドヴォルジャークのセレナーデ)は、吹いていて殆ど記憶がありません。何となくやったような気はするのですが、こんなに難しい音だったのかな、とか、とても初見では無理。でも、他のパートの人もそんなに吹けてはいなかったようなので、何とかごまかして付いては行けましたが。
 いつもは3時間やるのに、きのうはなぜか2時間しか取ってありませんでした。それでももうクタクタ、このぐらいでも久しぶりのアルトには、やはりハードな体験でした。もうしばらくフルート、ピッコロ、アルトフルート、そして混声合唱と男声合唱の5本立てが続きます。
aventure number : 1102 date : 2008/1/28


今日の禁断 ご出産

 順調に進むかに見えた今回の「かいほうげん」、その制作過程の最後の段階では思いがけない落とし穴が待っていました。その顛末をお聞き下さい。
 前回と同じ20ページ立てになってしまった「かいほうげん」ですから、少しでも余裕を持って仕事を進めるために、前の日から印刷を始めることにしました。その時点ではまだ最初と最後のページは完全に固まってはいなかったのですが、まあ、それはいつものことですからあまり考えないことにして、とりあえず中の方の2枚、4ページ分を印刷、もちろん「折り」も完了させておきます。次の日になったら思いがけない写真が入手できたので、それを挿入するのにかなり時間を取られてしまいました。言ってみれば「縁起物」ですから、出来るだけ映えるようにレイアウトを考えているうちにどんどん時間が過ぎていきます。まあ、でも、いくら時間を取ったとしてもまだまだ余裕はありますから何も焦る必要はありません。満足のいくまでレイアウトを練ります。
 全ての紙面が完成したので、いよいよ残りの印刷が始まりました。片面を印刷している間は何もやることがありませんから、買ったばかりの唐沢なをきの新刊でも読んでいましょう。そして、裏面の印刷が始まったところで、「折り」の開始です。1枚折っている間に次の1枚の印刷が完了するという、理想的なペースで作業は進みます。なんせ大量のプリントですから、たまに「トナーを補給しています」とか言ってプリンターがお休みするときもありますから、そんな時にも唐沢なおきです。
 そんな、何回目かの中断の時にディスプレイを見てみると、なんだか「サービスに連絡してください」というサインが点滅していました。なんでも定着オイルがそろそろなくなるのだそうなのです。これには焦ってしまいました。まだ印刷は半分も終わってはいません。少なくとも、あと500枚、しかも両面ですから、1000回は機械の中に紙を通す必要があるというのに、それまで「定着オイル」(それがどんな働きをするものなのかは皆目分かりませんが)は持つのでしょうか。そこで、慌ててサービスに電話したところ、「申し訳ありません。すぐお伺いするよう手配します。でもサインが出てから1500枚程度は印刷できるはずです」ですって。ひとまず最後まで印刷することは出来そうに思いましたが、その「サイン」がいつ頃から出ていたものなのかは、実は分からないのですよ。たまたま見たから分かっただけで、その前にはディスプレイのその部分は全くノーマーク、もしかして500枚ぐらい前から出ていたとしたら、ちょっとヤバいんではないでしょうか。もし途中で止まったりしたら、サービスが来るのは5時頃になるということなので、それから再開して果たして間に合うのでしょうか。
 そんな、ハラハラしながらの印刷も、無事終わりました。あとはホチキス止めだけです。しかし、この間から続いている5枚止めというのが、このホチキスにかなり無理を強いていたのでしょうか、たびたびステープルがはさまってしまい、その度にドライバーでこじ開ける、という事態になってしまったのです。少し調子よくいっていると思っているといきなりはさまるということの繰り返し、これにはかなり参ってしまいましたよ。もう、次号からは20ページにするのだけはやめることにしましょう。
 そんな修羅場を乗り越えて、「かいほうげん」は無事発行の運びとなりました。しかし、不幸はまだまだ続くのです。駐車場のプリペイドカードがあと100円分しかなくなってしまったので、新しいカードを買っておきました。そこで、練習の帰りに前精算をしようと思って駐車カードを入れ、古いプリペを入れると、案の定「もう○円お入れ下さい」と言われたので、新しいプリペをいれます。そこで、2枚のカードを受け取って、そのままエレベーターに乗ってしまったのですよ。いつもそうしていますから。ところが、気が付いてみると肝心の駐車カードがないではありませんか。2枚あったのはプリペだけ。慌ててもう1度下に降りていったら、そのカードは精算機のスロットをせっせと出たり入ったりして「早く持っていって」と叫んでいましたよ。
aventure number : 1103 date : 2008/1/30


今日の禁断 指環

 私のサイトには一応BBSが設置されているのですが、最近は殆ど書き込みもされないで完全に忘れ去られた状態になっています。かつてひどい「アラシ」にあって、閉鎖したりとかの大騒ぎが、まるで嘘のよう、ネットを巡る環境が大分変わってきた、ということなのでしょうか。10年も続けていればいろいろなことが起きるものです。
 その、閑古鳥が鳴いているBBSに、昨日久しぶりに書き込みがありました。こんなものです。
今夏のバイロイト音楽祭の全演目チケットを確保することができました。
つきましては、下記の実施要項の内容で鑑賞申し込みを受け付けていますので是非ご一読いただき、参加をご検討いただければ幸いです。尚、受付は先着順とさせていただき満席になり次第、終了いたしますので予めご了承下さい。ご参加をご検討いただける場合は詳細を送らせていただきますのでお電話又はEメールでまずはお問い合わせ下さい。
 最初、この書き込みはいたずらではないかと思いました。バイロイト音楽祭といえば、チケットが取りにくいことにかけては他の追随を許さないことでつとに有名です。正規のチケット入手法は主催者に手紙を出すことなのですが、毎年毎年出し続けても、チケットが手に入るのは10年後とも15年後とも言われています。さらに、それぞれのチケットには名前が記入され、不正な経路で入手することは厳に取り締まられるそうです。旅行代理店などにも、そうそう回るようなものでもありません。そんな状況下で「全演目」のチケットが10枚も出回るなんて、とても信じられることではありません。しかも、そんな誰も見ていないような掲示板への投稿ですよ。
 ですから、まずあり得ないでしょうが、もしこれを見て、申し込むためにお金を振り込むような人が出てきてもまずいので、その書き込みは即刻削除させて頂きました。ただ、一応ログだけは残しておいたので、どんな人がよこしたのか、ちょっと調べてみました。ところが、意外なことに、その差出人「学習会」という団体は、しっかり実存していたのです。ちゃんと公式サイトもあって、そこを見ると海外での音楽講習会などへの斡旋などをやっているところのようですね。その中には、確かに「バイロイトで音楽祭を鑑賞」というようなプログラムもあったのです。この書き込み、そのあとには公演の日程や宿泊先、さらに座席番号までと、かなり具体的な要項が続いています。もしかしたら、これは本物かもしれませんね。
 そこで、念のため、この書き込み先にメールを出してみることにしました。そうしたら返事はすぐ届き、それから続けてこちらから出した質問にも、逐一答えてもらうことが出来ました。その結果、この「学習会」には毎年割り当てとしてバイロイトからチケットが届いているそうなのです。例年だとそれは「顧客」に渡ってしまうのですが、今年に限ってキャンセルが10枚出たので、たまたまオペラのあらすじで検索して引っかかった私のサイトなら、オペラ好きが集まるだろうということでBBSに投稿したというのです。
 まあ、そこまで聞いても一抹の疑惑は残りますが、もしかしたらこれはかなりおいしい情報なのかもしれませんね。あのバイロイトが航空券、10泊分の宿泊費、そして7日分のチケット代全て込みで「57万円」というのも、まあリーズナブルなのでは。なんでも、まだ申込みは1人しか居ないそうです。興味がある方はこちらにメールを出されてみてはいかがでしょうか。ただし、これが何らかの詐欺まがいのものであったとしても、私は一切の責任を負うことはないことを、ご承知おき下さい。
aventure number : 1104 date : 2008/2/1


今日の禁断 パイ


 評判の「スウィーニー・トッド」を見てきました。予告編の段階できっと劇場で見ることにしようと、固く心に誓った作品ですが、それだけ気合いを入れて見に行っても、決して裏切られることはない、素晴らしい映画でした。
 ストーリーの断片はいろいろ聞いていましたから、この映画にはすんなり入っていくことが出来ました。かなりどぎつい表現も有るということでしたが、それはこの監督でしたらいかにもあり得ることです。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のどぎつさを知っていれば、それは難なくクリアできることでしょう。
 実際、この映画でのそのどぎつさは群を抜くものでした。はっきり言ってこれは嫌いな人は大勢いるだろうな、というほどの趣味に悪さです。しかし、私はそういうものは大好き、というか、これはそもそもそういうものが話の中核なのですから、なんの苦にもなりません。それどころか、この主人公二人(デップとボナム・カーター)が「材料」の品定めをしているシーンなどは、とてもレベルの高いジョークに思えるほどでした。いや、そもそもこの作品自体が、極めつけのブラック・ユーモアなのではないのでしょうか。愛するものを失った男の復讐劇と見るのは極めて安直なアプローチに過ぎません。そういった、人の情けのようなものを描くかに見せて、その実最高のニヒルなジョークを仕掛けたもの、少なくとのこの映画に関してはそのようなものに見えてしょうがありません。
 つまり、復讐が成就するかに見えて、実際には主人公は死んでしまうのですから(あっ、ネタバレだ!)そもそもそんなハッピーなものではあり得ないのは明らかです。ですから、彼らの哀しみはひとまずどこかに置いておいて、このエンディングのとびっきりのユーモアを、心から楽しもうではありませんか。
 原作のミュージカルは、実は日本でも宮本亜門の演出でつい最近上演されていたほどの有名なものだったのですね。これの作詞、作曲をしたスティーヴン・ソンドハイムという人のことも、今やブロードウェイ随一のミュージカル作曲家であるというのも、今回初めて知りました。しかし、この人の名前は実は「ウェスト・サイド・ストーリー」の作詞家として、私の中にはインプットされているものでした。つまり、彼の詞にあのバーンスタインが曲を付けて、あれだけの大ヒット・ミュージカルが誕生したということになるのです。あのころはまだ20代だったソンドハイム、ここで出会ったバーンスタインの薫陶こそが、今のこの名声のルーツなのでしょうか。
 しかし、それとは全く逆の可能性も有るということを考えてみるのも、面白いことなのかもしれません。つまり、ソンドハイムは作詞だけではなく、作曲面でもあの名曲の誕生に関与していたのではないか、という可能性です。その傍証はいくらでも挙げることは出来るでしょう。最近リリースされた「WSS」のスペシャル・ボックスには、貴重な写真がおさめられた分厚いブックレットが付いていますが、その中にソンドハイムがピアノに座って歌手のリハーサルを行っている写真があるのですよ。ですから、少なくともバーンスタインのアシスタントとしての仕事は行っていたことになります。あるいは、「君が作った曲なんだから、リハーサル、やってみてよ」みたいなことがあったのかも。さらに、バーンスタインの作品はミュージカルに限らず夥しいものが発表されていますが、その中では「WSS」だけが群を抜いて心を打つ名曲が集まっているように、私には感じられるのです。同じミュージカルでも「キャンディード」などは、日本人によるステージを見た限りでは、とても同じ作曲家の作品とは思えないようなつまらない音楽でした。
 「スウィーニー・トッド」には、初めて聴いたものなのに素晴らしい感銘を与えられる曲が盛り沢山でした。それは、「WSS」を初めて見たときに味わったものと同じ種類の感銘、そして、けっして「キャンディード」では味わうことの出来ないものでした。映画の中で何度も聞こえてきた「ジョアンナ」という美しいバラードが、私には「マリア」のように聞こえてなりません。
aventure number : 1105 date : 2008/2/3


今日の禁断 木管


 きのうは、久しぶりのちゃんとしたオーケストラのコンサートに行ってきました。この場合の「ちゃんとした」というのは、ファースト・ヴァイオリンが16人という、いわゆる「16型」という大きな編成で演奏しているオーケストラということです。その上に、例えばCDなどが「おやぢの部屋」で紹介されたことがある、なども大きなポイントになるでしょうね。最近はなぜかこの手のオケが仙台に来ることはめったになくなってしまいました。ですから、きのうのノリントン指揮のシュトゥットガルト放送交響楽団などというものは、まさに待ちに待ったものだったのです。こんなメジャーなオケですから、売り切れは必至、発売日の朝にプレイガイドに行って、一番安い席を買っておきました。もちろん、安い席というのは、必ずしも悪い席とは限りません。それどころか、私のようなきちんとオーケストラの響きを全体として聴きたいと思っているものにとっては、大体は後ろの方に設けてある安い席の方が前の方の「高い」席よりずっと良いのですよ。特に、きのうの会場のイズミティは、ニューフィルでも何度も使っていますから、リハーサルの時にホール内のいろいろな場所で聞こえ方を比べることが容易に出来ていたところなのです。その結果、このホールは真ん中の通路よりの前で聴くと後ろの管楽器が聞こえてこなくなってしまうことが分かっています。ですから、きちんとしたバランスで聴こうと思ったら、出来るだけ後ろに座る必要があるのです。
 私の買った席は、一番安い席の一番前の列です。もちろん真ん中なわけはなく、上手寄りのブロック、入り口のすぐ上になります。しかし、このホールの椅子の間が狭いのには、毎回閉口します。特に冬場はコートなどを持っている人が多いから大変、私の席は通路から3番目なのですが、その入り口をそんな大荷物を持った人が占めていたものですから、なおさら大変。しかも、その人は、私の席に堂々と荷物を置いていたのですからいやになります。
 とにかく席に座って開演を待っていると、なんだか客の入りが芳しくありません。そのうちに気がつくと、もう開演だというのに私の前の席は、中央通路まで誰も座っていないという状態だったのですよ。前に邪魔者がいないので、見やすいのは有り難いのですが、この、今最も注目を集めている指揮者とオーケストラのコンサートにこんなに人が集まらないなんて、ちょっと信じられない思いでした。この会場でやったニューフィルのコンサートの方が、よっぽどお客さんが入っていました。
 しかし、集客ではノリントンに勝った、などと喜んでいてはいられません。本当にめったにないとても価値のあるコンサートなのにこんなにお客さんが少ないなんて、いったい仙台市のクラシックファンは何をやっているのでしょう。こんな意識の低い人たちしかいないのであれば、コンサートホールなどなくて当たり前、とは思いたくなってしまいます。
 もちろん、コンサートはとても興奮に満ちた素晴らしいものでした。詳細はこちらでどうぞ。
aventure number : 1106 date : 2008/2/5


今日の禁断 びよら

 今週のニューフィルは、パート練習でした。弦楽器の人たちの顔を見ることが出来ないのはとても寂しいのですが、来週はなんとバレンタイン・デーが練習日、なにか期待が出来る予感。
 木管の会場は、いつもの会館です。めったに使うことのない場所ですから部屋の中は冷え切っています。この間練習が終わってからここで運営委員会をやったのですが、前もってタイマーでエアコンを入れていたにもかかわらず、みんなが集まったときにもまだ部屋は暖まってはいなくて、結局最後まで寒いままだった、というぐらい、寒く、暖まりにくい部屋です。何しろ天井が高いものですし、まわりが壁ではなく障子と襖ですから、すきま風も入りますしね。
 ですから、今回の練習の時には、午後の3時頃からエアコンを作動させておきました。何しろ、そのスイッチを入れに行ったときは、まるで冷蔵庫の中のような寒さでしたからね。おそらく、そんなに期待は出来ないでしょうが、まあ、最大限の努力はしてみましょう。
 練習が始まる7時頃になったら、かなり暖かくはなっていました。これだったら、まず普通に練習が出来ることでしょう。そこで、椅子を運ぼうと思って廊下にある収納庫からパイプ椅子を出してみたら、とっても冷たくなっていましたね。しばらく部屋の中において暖めておかないと、座ることが出来ないほどです。実は、この日にはトレーナーの方が来ることになっていました。それで、指揮台の代わりのテーブルも用意しておかなければ行けなかったのを思い出し、納戸から運んできてセットすると、テーブル面には結露が現れましたよ。それだけの温度差になっていたのですね。
 そのトレーナーの方は、この前の定期の時にもお願いした、仙台フィルのファゴット奏者の水野さん。でも、その時には私は降り番だったので、実際に指導は受けてはいませんでしたから、今回が初対面です。この方はジュニア・オケの指導もされていますが、メンバーの中にはジュニア・オケ出身の人もいるので、その人たちはよく知っているようでした。
 特に楽譜のチェックなども含めて、細かい表情の付け方などが確認されていきます。音程の取り方なども、いかにも現場で役に立ちそうなことがどんどん指摘されています。「ここのオーボエはどうしても高くなりがちだけど、本当は第3音だから低く吹かなければだめです」といった具合です。あいにく、その1番オーボエを含め、他の人も風邪をひいて欠席したということで、それは代理の人が伝えることになるのでしょう。この前までフルートでも風邪、というかインフルエンザで来れなかった人がいましたが、うがい、手洗いは忘れずに、ですね。ともかく、なかなか収穫の多いパート練習でしたよ。
 その前の週に「かいほうげん」、を配ったのですが、果たして写真に手が加えられていることに気がついた人はいたのでしょうか。新入団員の人が欠席して写真を撮れなかったので、その人の他に4人の人が写っているスナップ写真を借りたのですが、それをそのままトリミングしたのではなく、足らない部分を他の人から借りてきて移植し、完璧な上半身の写真に仕上げています。絶対分からないでしょう?
aventure number : 1107 date : 2008/2/7


今日の禁断 北杜

 前回に引き続き、写真の修整のネタです。

 これは、さる中学校の校舎の写真、最近の写真が欲しいと思って身近にいる人の卒業アルバムからスキャンしたのですが、上のように校歌の歌詞とか校旗などが挿入されていたので、それらを消してみました。前回とは逆の作業になるわけですね。このぐらいの大きさにすれば、殆ど「消えている」ように見えるのではないでしょうか。
 こんな面倒くさいことをやったのは、この中学校の同窓会というところから、「ホームページを作ってくれ」という依頼があったからなのですよ。実は私もこの中学校の同窓生ではあるのですが、別に同窓会に出るなどということはありません。しかし、近所に同じクラスだった人が住んでいて、その人は役員か何かをやっています。何かの折りに、私がホームページの制作に関してはなかなかの腕を持っているということを聞きつけて、私のところに頼みに来たというわけなのです。どんなところで評判になっていたのか、興味があるところですね。
 しかし、なぜか、その頼みに来た人というのが、パソコンやインターネットは全くできない人だったために、そもそもホームページがどんなものであるかがまるで分からないようなのです。ですから、どんな風に作ったらよいのかというイメージが全くわかないので、全てお任せするというのですよ。そうはいわれても、ある程度の内容は必要ですから、資料を持ってくるように頼んだら、その人が持ってきたのは同窓会総会の時の宴会の写真とか、集合写真の入ったアルバムだけだったのです。こんなんで、どうやってホームページを作れというのでしょう。
 とりあえず、何かと忙しかったのでその件はほったらかしておいたのですが、多少ヒマになったので何とかとっかかりをつかもうと手を付けてみたのが、さっきの写真です。私の卒業アルバムにある昔の校舎と、今の新しい校舎をまず載せるのが、セオリーでしょうから。
 そして、その写真にあった校歌の歌詞を消しているうちに思いついたのが、その校歌をコンテンツにするというアイディアでした。いかにも私らしい発想でしょう?なんたって、全てお任せというのですから、もう好きにやらせてもらいましょう。この校歌、実は福井文彦という、かつては合唱の指揮者としても大活躍していた作曲家の方の作品で、校歌らしからぬ軽快な曲調でなかなか気に入っているものでした。ユニークなのは、普通の4拍子の曲だったものが、途中で1小節だけ3拍子になるという不思議な変拍子を持っていることでした。実は私は、運動会の時にこの校歌の指揮を全校生徒を前にしてやらされた、という体験があるのですが、その時にこの変拍子を音楽の先生にみっちりたたき込まれたので、印象に残っているのですがね。
 ただ、私の手元には、ただのメロディ譜はあったのですが、ピアノ伴奏の入った譜面はありませんでした。そこで、その中学校に電話してみたところ、なんと先生がわざわざコピーを持ってきてくれましたよ。その楽譜はおそらく福井文彦の自筆稿でしょうね。さっそくイントロの部分をMIDIで作って鳴らしてみたら、見事に懐かしいあの校歌が蘇ってきました。おそらく、同窓生はみんなこの懐かしさを共有できることでしょう。といっても、ホームページが出来上がるのはいつのことになるのやら。
aventure number : 1108 date : 2008/2/9


今日の禁断 ハース版

 この3連休は、なかなかハードなスケジュールでした。まず、土日は3月の合唱のコンサートのために、東京まで練習に行ってくるという、毎年の追い込みの恒例行事です。ところが、東京練習とは言っても会場の都合で、今回は土曜日には「千葉県」での練習になってしまいました。浦安市文化センターという、まだ一度も行ったことのないところです。ディズニーリゾートまでは何度となく行ったことはありますが、その先に行くのはこれが初めてのこととなります。
 ところが、このホールが非常に交通の便の悪いところにあったのでした。地下鉄の東西線の浦安駅と、JR京葉線の新浦安駅のちょうど中間地点、それぞれの駅からはバスで行ってくれ、という案内だったのです。でも、どうせ駅前にはタクシーがいるでしょうから、それでサッと行ってみようと地下鉄の方に乗りました。浦安駅で降りると、同じ時間に仲間がたくさん乗っていたので、みんなでタクシー、1人200円で着いてしまいましたよ。
 ホールでの練習が終わってから、その浦安駅前の居酒屋で打ち上げが行われることになっていました。ですから、そこまでバスで行ってくれという幹事のお達しで、みんなでちょっと離れたバス停まで歩きます。このあたりにはタクシーなんかあんまり通っていませんし。その頃には雨が降り出していたので、ちょっと大変。傘をさしながら雨の中、バスを待ちますが、「10分おきに来ますよ」という幹事の言葉とは裏腹に、30分ほど待っても全く来る気配がありません。その頃には、打ち上げに向かう人がバス停に押し寄せ、とても1台では乗り切れないほどの人数にふくれあがっていましたよ。
 それからしばらく経って、やっとバスがやってきました。殆ど人は乗っていなかったのですが、我々が乗り込むとまさに超ラッシュ状態、身動きも出来ないほどに詰め込んで、何とか発車です。こんなバスに乗ったことなんて、何十年ぶりのことでしょう。
 お店に着いたら、もうタクシーなどで行った人がすでに盛り上がっていました。バス組は端の方の席にバラバラに座って、それでも最後にはあちこち回って色んな人と話が出来ました。その中でも、最近新しくこの合唱団のメンバーになった人は大収穫。この前の練習の時から、なんだか声のよい若い人がトップテナーにいると思っていたのですが、その人がここに入るようになった経緯を、聞いてみると、去年のコンサートを聴きにきて、素晴らしい演奏だったのでぜひ参加したくなった、というのです。そのKくんというのは、現役の時は指揮者、かなりシビアな耳を持っている人がそう感じたというのですから、我々の力もまんざらでは無いということになりますね。
 次の日曜日には、男声だけの、これは都内での練習です。もちろんKくんも出席していました。指揮者が彼と、もう一人やはり同じ年代の若いトップテナーを並んで最前列に座らせると、パート全体がすごく輝かしい声になったのが分かります。そんなちょっとした刺激で、他のパートもなんだかやる気が出てきた感じ、指揮者が細かいところを何度も何度も繰り返して磨き上げていくに従って、合唱団自体のテンションもどんどん上がっていきます。その時、今まで感じたことのなかったような、指揮者も合唱団も完全に一体化した状態を感じることが出来たのです。ハーモニーは完璧、力強くそれでいて細かいニュアンスまで表現できているという、理想的な状態が、確かにそこで実現していたのですよ。歌い終わって、指揮者も我々もしばし放心状態になっていたのは、大げさではなく本当の話、こんなすごい合唱団で歌えるなんて、本当に幸せだとその時確かに感じました。
 もう1日の様子は、次のローテーションで。
aventure number : 1109 date : 2008/2/11


今日の禁断 三条中

 そして、連休3日目の祝日は(この日は月曜日ですが、決して「ハッピー・マンデー」ではないのがミソ)福島まで行ってきました。いつも東京へ行くときの新幹線は指定席ばっかり乗っています。というか、早く着くやつは全席指定ですから、必然的に指定席を買わざるを得ません。でも、福島だったら自由席で楽々座っていけることでしょう。時間も確定していませんから、列車も選べないと。
 仙台駅で飛び乗ったのは、「MAXやまびこ」でした。これは2階建ての車両ですが、さっき駅で見たら2階の指定席は全部売り切れていました(1階はガラガラ)。しかし、自由席は2階でも空いています。どこでも座り放題、とりあえずその辺に座ってみると、なんだかいつも乗っている新幹線の座席とは違うような気がしてきました。その違和感の原因は、腕置きがないこと。ベンチシートってやつですね。3席分の座席に、境目が全くないのですよ。まるで地下鉄なんかの座席のように、ギリギリ3人分の幅しかないので、腕置きなんか付けていられないのでしょう。もちろん、リクライニングなんかは出来ません。ん?3人?そういえば、東京へ向かって右側は2人がけのはずなのに、そこも3人がけになっていますよ。左側も3人がけ、ということは、1列に6人座るようになっているのですね。へ〜、MAXというのは、こういうシーティングになっていたのですか。確か、だいぶ昔に乗ったときには1列5人だったはずですから、最近こんな風に変わったのでしょうね。
 しかし、福島駅で降りるときに隣の指定席をのぞいてみたら、そこはやっぱり5人がけだったではありませんか。もちろん、1人1人別々にリクライニングも出来ますよ。ということは、指定席と自由席とでは座席が違っているのですね。初めて知りました。これは、普通の1階建ての車両でも同じなのでしょうか。今度、確かめてみることにしましょう。
 福島に行ったのは、地元のアマオケが演奏するブルックナーの7番を聴くためでした。会場が福島市音楽堂、実は、私はここのステージに立ったことがあるのですよ。あ、もちろん、ただ立っていただけではなく、しっかり弦楽合奏をバックにフルートを吹いたのですがね。オルガンも付いているという音楽専用ホール、その頃から、ぜひここでオーケストラの演奏を聴いてみたいと思っていたのでした。なんと言っても、その響きの良さは定評があって、ピアノのレコーディングなどにも使われているということですからね。
 1000人収容のホールは、開演時には満席になっていました。序曲代わりの「ハイバリ」のあと、いよいよ、生まれて初めて聴く「生」ブル7です。ヴァイオリンのトレモロに乗って、チェロ、ヴィオラと続くテーマが聞こえてきたときには、これは本物のブルックナーだと思いました。2楽章にはちゃんとワーグナー・チューバも揃っています。アマチュアならではの詰めの甘さを聴かないふりさえすれば、これは十分にブルックナーの響きを味わうことの出来るものでしたよ。ただ、このホールの音響は、そんなに素晴らしいと言えるほどのものではありませんでした。なによりも、金管のトゥッティになるとなんとも抜けの悪い音になってしまうのは、あの悪名高い青年文化センターを思わせられるものでした。

 メンバー表を見たら、弦楽器は半分近くがエキストラでした。どこも大変なようですね。
 前々回書いた校歌のMIDIが出来ました。こんなんです。知っている人がいたりして。
aventure number : 1110 date : 2008/2/13


今日の禁断 フレーズ

 前にちょっと書いた中学校の同窓会のサイトは、とっかかりが出来て作業が始まってしまうと、どんどんアイディアが湧いてきて、またたく間に全体の構想が出来てしまいました。そうなってしまえばあとは簡単なこと、そのガイドに従ってひたすらコンテンツを作っていくだけですから、殆ど完成してしまいましたよ。当初はポイントが絞れないで、総会の写真だけではどうにもならないと思っていたものが、他の部分が固まると、その総会自体がきちんと写真としての意味を持ってくるのですから、面白いものです。まずは、どこにもひけをとらないほどのサイトが出来たという充足感があります。これで、私が作ったサイトはいったいいくつになったことでしょう。
 もちろん、これはまだ私の中だけで完結しているものですから、これから依頼先に見てもらって、ダメ出しをしてもらわなければいけませんが、もしそこで何か要望があったときにも、またまた新しいことが出来ることになるのですから、それも逆に楽しみなことです。
 サイトが出来たといっても、それはまだ私のパソコンの中だけの話です。ウェブサイトとして機能するためには、もちろんそれをネット上に送らなければいけません。つまり、サーバーにアップロードしなければいけないわけです。最近では、そういうものはプロバイダーではなく、フリーのレンタルサーバーを使うようにしています。ニューフィルの公式サイトとして使っているところが、なかなか手頃なので、この間中の「百周年」とか、「コール青葉」の連絡サイトなどは、以前私のマンションの管理組合用に作ったアカウントに、そのまま分からないようにリンクさせていますから、なんの設定も変えずに新しいサイトのファイルを送ることが出来るようになっています。
 今回も、そこからリンクするようにトップページをセットして、とりあえずファイルを送ってみることにしました。ファイル数は63、2MB近くという、結構大きなものになっていましたよ。最初にJPを作ったときだって、こんなにありませんでしたからね。それだけのものが、ほんの2日ほどの間に作れてしまったのですから、私のスキルも上がったものです。
 パソコン内でブラウザを開いて確認していても、実際にアップしてみないと分からないことが色々あるのは、これまでの経験で分かっていました。いちばんの違いは、このサーバーはページの下に広告が入るために、うまくデザインをしないとそれが邪魔になってしまうことです。それが、トップページにもろに現れてしまいました。3つのフレームから成っているうちの、上のタイトル専用のものはきちんと幅を考えてフレームに見えないようにしてあったのですが、そこに見事にスクロールバーが出てしまっているではありませんか。広告が入った分、幅が広くなってしまったのですね。そういう、フレームの中のタイトルやメニューには広告を入れなくする方法があったので(ファイル名の最後に「menu」を入れる)、さっそくそこを更新です。その他も細々したレイアウトなどの問題を解決して、まずは隙のないサイトが出来たはずです。といっても、まだ公開するわけにはいきませんから、私1人しか見ることは出来ません。
 先週の「予感」は現実のものとなりました。バレンタインデーが練習日だったきのう、私のもとにはこれだけのプレゼントが。
aventure number : 1111 date : 2008/2/15


今日の禁断 ルッソ

 先週の週末は、久しぶりに昼間の予定はありませんでした。今週末からは怒濤の連続練習、そして東京での本番が待っていますから、これは束の間のフリータイムとなります。そこで、少し早めではありますが髪をカットしてこようと思いました。まだそんなにうるさく感じるほどではないのですが、ここを逃すとニューフィルのコンサートの時にはちょっと伸びすぎ、直前に切ってなんだか馴染まない頭で演奏するのだけは避けたいので、もはやその日しか選ぶことは出来なくなっていたのです。
 この前行ったときから、お馴染みの美容師さんが別のお店の店長さんになってしまったので、旭ヶ丘にあるそのお店に行っています。その時には別に予約も必要なく、いつでもお店にいるということだったので、電話もしないで行ってみました。お店に入ったところで中を見渡したら、店長さんがいません。もしかして、また別のお店(チェーン店です)に行ってしまったのか、あるいは辞めてしまわれたのか、ちょっと不安になります。でも、受付で聞くとちゃんと来ているそうで、ちょっと待っていたら奥の方から出てきたので、一安心です。
 その人は、もうすっかり私の名前も覚えていてくれています。そして、「○○さん、実はきのう葉書をお出ししたんですよ〜。あんまり来てくれないから、寂しくってぇ〜」・・・後半はちょっと脚色していますが、大体そんな意味のことを話しかけてきました。いえ、なんでもその葉書を持ってくれば20%オフになったのに、ということだったのですがね。もちろん、お得意さんですから葉書が着いたことにして割引はきくようにしてくれますって。
 いつものように一通りカットが終わったところで、「襟足を整えますね」と、店長さんは電気カミソリを取りだして首筋を剃っていきます。その時、ふと思い出したのが、この前見た「スウィーニー・トッド」の映画です。ここは美容院ですからカミソリを使うことはないのですが、床屋さんだとこの時にカミソリを手に持った理髪師は、客の頸動脈をスパッと切ってしまうのでした。その時に飛び散るすさまじい量の鮮血・・・。この時ほど、美容院に来ていて良かった思ったことはありません。ですから、普通に床屋さんへ行っている人は、あの映画を見たあとは食欲がなくなるだけではなく、髪を切りに行くのも恐ろしくなるのではないでしょうかね。
 そんなことを考えたものですから、その時店長さんにその映画を見たかどうか聞いてみました。でも、映画のことも知らなかったみたい。興味深そうに話は聞いていましたが。それが終わって、もう1度髪を洗うために、若い他の美容師さんがシャンプー台へ連れて行ってくれました。その時、その若い彼女は、さっきの私と店長さんとの話を聞いていたようで「ジョニー・デップが出てる映画ですね?」と話しかけてきましたよ。なんだか、それですっかりうち解けて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 店長さんが出したその「葉書」は、次の日に届きました。こういうものは他のお客さんみんなに出しているのでしょうが、前に行ったときから3ヶ月経って、髪の調子を気遣う優しい心根が感じられるものでした。というより、そこにはぜひとも客を失いたくない願望のようなものも潜んでいたのです。そういえば、そのお店は前ほどは繁盛していないようでした。うん、細腕でお店を支えている店長さんのためにも、これからもずっと行ってやろうじゃないですか。
aventure number : 1112 date : 2008/2/17


今日の禁断 朝日

 2、3日前の新聞に、こんな広告が載っていました。

 ちょっとマイナーなオーケストラが、日本で名曲コンサートを行う、というものなのですが、ちょっと普通の広告とは違って、「のだめ」などという言葉が飛び交っていますね。そう、このオーケストラはお正月にやった「のだめ」のドラマに出演していた、あのオーケストラなのですよ。あのドラマの中で演奏していた曲を、生で、その同じオーケストラが演奏するものを聴いてみようということなのでしょうね。それで指揮者がヴィエラ先生役のマーツァルだったりしたらちょっとすごいのですが、あいにくヴァーレクという、以前他のオケを指揮したものを聴いた人によるとかなりダメな指揮者だそうで、ちょっと残念です。
 その代わり、と言ってはなんですが、この広告には切り込みで3人の顔写真が入っていますね。これがなんと、あのドラマの時に、そのマーツァルのようにしっかり「演技」をしていたオケの団員ではありませんか。コンマスとホルンの首席、そして2番フルート奏者です。あのドラマを見たあとの「禁断」で、この3人は本物の団員だと書いたのですが(もう一人、ファゴットにいたのは、完全な役者ですが)それは間違ってはいなかったのですね。実は、あまり芝居がうまいので、一抹の不安はあったのですがあたっていてよかった、よかった。
 でも、こんな風に「ドラマに出演していた団員も演奏します」みたいなことを宣伝して、一体何になるというのでしょうね。よく考えてみると、これはかなりおかしいことなのではないのでしょうか。このオーケストラが行うコンサートは、別に茂木さんが出てきておしゃべりをするような「のだめコンサート」ではないはず、いくらドラマで芝居をしていた団員がいたところで、彼らはそのコンサートでドラマの中のセリフを喋ったりはしないはずでしょうから(さらに、あのセリフは吹き替えでしたし)。
 お客さんにしても、こういう広告を見てチケットを買う気になった人というのは、いったい何しにコンサートへ行くことになるのでしょう。この3人のテレビで顔を知った団員が実際に演奏しているところを見て、それで満足するというのでしょうか。それだと、殆ど、芸能人を見に行く感覚ですね。大体、プロの音楽家が、そういう目的で来るお客さんを相手にするということに、抵抗を感じることはないのでしょうかね。
 実は、このツアーではどうやら彼らは仙台にもやってくるようなのです。まだ正式な告知は出ていないようなので、曲目などは分からないのですが、そこに仙台在住のピアニストと声楽家2人が出演することになっているのだそうです。この広告でも、ブーニンはコンチェルトだけではなく1人でソナタも弾くようですが、いったい仙台ではその3人はどんなことをやることになっているのでしょうか。いずれにしてもこのツアー、クラシックのコンサートの殻を破ったものであることは確かなようです。だからそれがどうしたんだ、という程度のどうでもいいような破り方ではありますが。
aventure number : 1113 date : 2008/2/19


今日の禁断 タイプライター

 ついさっき、81万のキリ番となりました。

 きのうWOWOWで見たのが、「善き人のためのソナタ」というドイツ映画です。この邦題だけだとなんだか音楽映画のようですが、オリジナルのタイトルは「Das Leben der Anderen」、「他の人の生活」という意味で、全く音楽とは関係がなくなってきます。これは、まだ東ドイツという国家体制があった頃のお話、「シュタージ」という、体制を支えるための監視機構の一員であったヴィースラー大尉という人が主人公です。彼は、反体制思想の持ち主である疑いのある劇作家ドラエモン、ではなくてドライマンを監視するために、その家に盗聴器を仕掛け、1日中盗聴するという任務を負わされます。そこで、「他人の生活」をつぶさに味わうことになるのですね。
 この映画は、そんな、今まで殆ど知られることのなかった旧東ドイツの監視社会というものを初めて明らかにしたものとして大きな話題を呼んだそうです。確かに、その実態は驚くべきものでした。私たちにとっては、あのころはとりあえずドイツは西と東に分断していたのだな、ぐらいの認識しかなかったのですが、ここまで徹底した監視体制のもとに、反社会分子の抹殺が図られていたというのは、ちょっと信じがたいものがあります。この国に対しては、音楽を通じて馴染みがあったもので、有名な指揮者やオーケストラ、そして国営のレーベルなどが、とても上質な音楽を提供してくれていました。それに携わっていた人たちは、こんな体制の中で活動を強いられていたのですね。
 物語としては、ヴィースラーが盗聴を続けていくうちに、次第にドライマンの「生活」に共感を覚えるようになっていく、というのがメインのプロットになっています。それは思想的な自由さだけではなく、ドライマンとその恋人の女優ジーラントとの愛情の現場(つまり、えっち)を盗み聴きしていく中での、愛情に対する憧憬も含まれているのでしょう。それに関して、ヴィースラーが自宅に娼婦を呼ぶ(デリヘル、でしょうか)シーンが、悲しいほどに胸を打ちます。
 そして、決定的なファクターが、ドライマンが自殺することになる演出家から誕生日のプレゼントにもらったピアノ曲の楽譜です。その曲のタイトルが「善き人のためのソナタ」。自殺の報を受けてドライマンがピアノでその曲を弾いているのを聴いたヴィースラーは、まさに感動にうちふるえるのですね。そして、彼の取る反体制的な行動を全て黙殺することを決心するのです。ただ、この映画の中で最も重要なこの曲の扱いが、ちょっといい加減なのが、私あたりには気になってしまいます。ペータース版のその出版譜がアップになるのですが、そこには作曲者の名前は書かれてはいなくて、なぜか「ピアノ曲集」のようなサブタイトルが付いているのですよ。これはちょっとおかしな設定です。もちろん、その曲が1度聴いただけで感動を呼び起こすというのは、映画ならではのお約束でしょう。
 そんなどうでも良いことは無視するとして、結局「壁」崩壊後にドライマンはヴィスラーによって救われていたことを知ることになります。そして、「善き人のためのソナタ」という本を、彼に対する献辞を添えて出版します。
 その時には細々と新聞配達をしながら生活をしているヴィースラーが、偶然本屋でこの本を見つけ、それを買おうとレジに行ったところ、店員が「贈り物ですか?」と聞きます。それに対するヴィースラーの答えがすごくしゃれています。
「いや、この本は私のためのものです」
aventure number : 1113 date : 2008/2/21


今日の禁断 イギリス

 ニューフィルの公式サイトには今度の定期演奏会のポスターの画像が公開され、いよいよ本番へ向けての秒読みの段階となってきました。この画像は、これが本邦初公開、実際に印刷されたものが出回るまでにはあと1週間ぐらいかかるはずですから、これはそこだけで見ることが出来る大変貴重なものとなっています。
 こんな風に、演奏会の宣伝などにはポスターやチラシが用いられることになるのですが、去年あたりから、仙台の文化活動への支援をしている機関、市民文化事業団が、「まちりょく」という小冊子を発行して、半年分のイベントの広報活動に一役買ってくれるようになりました。「支援活動」というものが、単に助成金を出してくれるだけではなく、こんな風に宣伝にまでお手伝いをしてくれるというのですから、至れり尽くせりですね。私たちは、なんと文化的に恵まれた環境で活動できていることでしょう。ですから、ニューフィルでは今まで2回、その「まちりょく」のために私がデザインした原稿を送って、掲載してもらっていました。「かいほうげん」で使ったものにちょっと手を加えて作った原稿ですが、自分のデザインしたものがきちんと印刷されて多くの人の目にとまるのは、なんとも気持ちの良いものです。
 いつも演奏会の2ヶ月ぐらい前に用紙が回ってきて、入稿するようになっていたので、今度の演奏会でも、そろそろ作らなければならないかな、と思って待っていました。ところが、もうその「まちりょく」の発行時期になるというのに、一向に連絡が入りません。そこで、事務局に聞いてみたところ、今までこの事業団にずっと助成金の申請を行ってきたのに、最近は全くもらえなくなってしまっていたので、今回は申請しなかったというのです。そういう情勢は私も知っていましたから、この「まちりょく」というのは、そんなお金による支援に変わるものだと思っていました。支援できないのだから、せめて宣伝のお手伝いぐらいはしてくれているのだ、と。ですから、別に申請などしなくても、今まで掲載していたところはそれなりの案内が来るのでは、と考えても、おかしくはないでしょう?
 しかし、事務局が事業団に聞いてみたところ、あくまで申請を出さなければ掲載はされないのだ、と言われたのだそうです。しかし、事業団からは「定期演奏会のようなものには、助成金は出せない」ときっぱりと言われているというのですから、そんな、通りもしないことが分かっているところに、わざわざ面倒くさい書類を送る気になんか、なりませんよね。ですから、せめて広報の支援ぐらいのことは、別の方法で叶えてくれる、という方策を考えることは、事業団の人は思いつかなかったのでしょうかね。
 そんなわけで、血も涙もないお役所のために、せっかく用意していた原稿が日の目を見ないことになってしまいました。せめて、こんなところででも公開すれば、少しは効果があるのかもしれません。
aventure number : 1114 date : 2008/2/23


今日の禁断 ブルーレイ

 ついに、次世代映像ディスクの規格が一本化したようですね。まずは被害を最小限にとどめたということで一安心と言うべきなのでしょうか。この規格争いの話が出るたびに引き合いに出されるのがVHSとベータという、ビデオテープの規格ということになるのですが、確かにあの時よりは短期間に決着が付いたという感じはします。しかし、いつも書いているように、なぜ商品として市場に出る前に一本化出来なかったのか、という疑問、というよりも怒りがわき上がってくるのは抑えられません。どんな理由があるにせよ、これから先全く何の価値もなくなってしまう商品を買わせてしまったという責任は、おそらくメーカーの当事者が考えているよりははるかに重いものであるはずです。結果的にはゴミ同然のものを何十万円という価格で売りつけたわけですから、そこらにある栄養食品や健康商品まがいのように、殆ど「詐欺」と言っても構わないのではないでしょうか。
 その点、今の規格であるDVDが出てきたときには、私の記憶ではそんな混乱はなかったような気がするのですが、どうでしょうか。と言うより、DVDの場合にはその前にあったLD(レーザーディスク)との競合規格として登場したのですよね。同時に発表されたのではなく、何年かのタイムラグがあって出てきたので、今回のような「戦争」のようなイメージはないのですが、これも本質は同じことなのでしょうね。まあ、LDの場合はマニアックな骨董品として、それなりの流通はなされているようですがね。そういえば、LDプレーヤーというのは、今でも生産されているのでしょうか。
 ただ、LDの場合には、VHDという似たようなビデオ・ディスクとの競合があった、というのは、おそらく殆どの人が忘れてしまっていることでしょう。VHSではなくVHD、なんだか複雑なピックアップがついた、ものものしいものだったような気がします。もちろん、私はそのあたりの商品には懐疑的でしたから、VHDや、そしてLDさえも手を染めることはありませんでした。今にして思えば、それは大正解だったと言えるでしょう。
 ですから、今回のBDとHD DVDの戦いも、正直全く関心はありませんでした。と言うより、今の私の愛用しているディスプレイは25インチのブラウン管ですから、ハイビジョン規格になったところでそれを実際に見ることは出来ませんからね。しかし、たまに今のDVDの規格、つまりNTSCでは不満を感じることがないわけではありません。それは、映画のエンドロールを見るときです。大画面を想定した今のエンドロールは、とっても小さなフォントになっていますから、NTSCの解像度では、それを読むことは不可能に近いのです。そんな時、これがハイビジョンだったら、きちんと読めるのにな、と悔しい思いをすることがありますね。
 いずれにしても、何年かすればハイビジョンが見られるディスプレイも買うことになるのでしょうから、その時には晴れて普及に拍車がかかって安くなったBDレコーダーを導入することになるのでしょう。
 しかし、映像業界では、ハイビジョンの次の、もっと高品質の画像のフォーマットの開発が始まっているそうです。こんだけ大騒ぎして一本化したBDも、もしかしたらその生命は極めて短いものに終わるのかもしれませんね。
aventure number : 1115 date : 2008/2/25


今日の禁断 スペクトラム

 この前から、私の出身中学校の同窓会のホームページのことを書いていましたが、そのURLを役員の人に知らせた時点で、思わぬ問題が起こってしまいました。その人のパソコンでは、そのホームページにアクセスできないというのです。それが1人だけではなく、2人から同じような申し出があったものですから、すっかり訳が分からなくなってしまいました。もちろん私のパソコンでは間違いなくアクセスできましたから、よもやそんな事態が起ころうとは夢にも思っていなかったのですよ。
 そもそも、そのホームページを置いてあるサーバーは、ニューフィルの公式サイトなどでも使っているところです。最初の頃こそ、画像が出なかったりというトラブルが相次いだものですが、今ではすっかりこの業界の大手に成長したようで、まず信頼を置いてもそんなに裏切られることは無いだろうというところまでにはなっています。もちろん、こんな無料レンタルサーバーの常で一時的なトラブルなどはありますが、それもそんな重大なものではなくなっていますし。ですから、今ではここに、その中学校のものも含めて4つのホームページがアップされています。ニューフィルのサイト同様、それらのものについては、今までそんな「アクセスできない」などという事態には陥ったことがありませんでした。この間の「100周年」でも、大活躍していましたし(ここは、もうすっかり更新されない『死んだ』サイトですが、今でも毎日何人かのアクセスがあります)。
 ですから、その同じ所にあるものがそんな風にアクセス不能になることなど、あり得ないのですよね。いずれにしても、私のパソコンで見えなくならないことには、手の打ちようがないのです。訳の分からないまま放っておいたところ、今日になって前に「見られない」と言っていた人の1人が、「見えるようになりました」と連絡してきました。結局何が原因だったのかは依然分からないのですが、これで問題は解決した、と勝手に解釈して、さっさと前へ進むことにしましょう。
 と言うのも、実は、もう1個ホームページを作らなければいけないことになってしまっているからなのです。作ること自体は慣れた作業ですが、それをアップしたときに問題が起こってしまってはなんにもなりません。ですから、この「同窓会」サイトのトラブルの原因をしっかり確かめたかったのですがね。お暇な方は、こちらに行ってみて、もしアクセスできないようなことがあれば、ご連絡頂ければさいわいです。
 それで、そのもう一つのサイトというのが、アメリカのバーバーショップ・カルテットのコンサートの宣伝サイトなのです。シャンプー、カット、顔剃り、マッサージを、それぞれの人が受け持つ4人組の床屋さん、ではありません。これは、男声カルテットのそもそもの発祥時のスタイルのコーラスグループのことなのです。言ってみれば元祖「ア・カペラ」。それの公演のお手伝いが回ってきて、私がホームページを作ることになってしまいました。6月6日の電力ホール、ぜひいらしてみて下さい。
aventure number : 1116 date : 2008/2/27


今日の禁断 ペンデレツキ

 前回、中学校の同窓会のサイトへのリンクをつけたところ、そのサイトへのアクセスが急増しました。さすが、「禁断」への常連の底力ですね。というか、こんなところから確かな手応えを感じることが出来るわけでして。
 この週末は、やらなければならないことが山積みでした。最大のものは来週発行予定の「かいほうげん」作りです。少し早めなのですが、さっさと連絡事項などを公開しておかないとタイミングを逸してしまうという関係です。団員が参加している他の団体のコンサートの告知など、あと1週間遅いとなんの意味もなくなってしまうものがあるものですから。さいわい、コンテンツは十分にあるはずでした。サイトにアップしてまだ使っていないものがまるまる2点残っているので、それをそのまま使ってしまえばページは簡単に埋まってしまうはずです。しかし、それとは別に、今練習している「ドボ8」がらみでちょっとしたネタを思いついたので、出来ればそれをまず載せてみたいと思ったのが、まちがいでした。内容は殆ど頭の中に出来ているので、あとはそれを原稿に書き起こすだけで、すぐにでも出来そうな気がしてしまったのです。しかし、そういうものに限ってなかなか筆が進みません。ちょっと書いては手を休め、あとはまたそのうちに、ということの繰り返し、なかなか集中して書いてしまおうという気になれないのですね。
 そんな時に限って、他にやることが出てきたりします。優先順位としてはそれらは遙かに下位にあるもので、それこそこちらの原稿が出来てからゆっくりやれば良いものばかりなのですが、なぜか、そちらに手が伸びてしまうのですね。その一つが、前回もちょっと触れたコーラスグループのコンサートの案内サイトです。来週になってからやっても十分間に合うものなのに、ちょこっとタイトルの文字などを作ってみたら、もういけません。その文字を生かすためのページのデザインなどをシミュレートしてみたり、壁紙を作ってみたりしているうちにみるみるのめり込んでしまい、ついに原稿などは後回しにして、サイトを作り上げてしまいましたよ。トップページに使った写真の加工に、かなり手間をかけています。
 今日になってはたと思い出したのは、今月はもう最後になってしまうということでした。つまり、今日中に今度は毎月のコラムを作らなければなりません。今や、それが最も高いプライオリティになっています。あしたまでにコラムがアップすることはあるのでしょうか。
 その他にも、「ながら」のつもりでちょっと聴いてみた新しいCDがちょっとすごかったので、これもすぐにでも「おやぢ」にしたくなってしまいます。これもあしたまで間に合うように原稿を書いていたりすると、「かいほうげん」はいったいどうなってしまうのでしょう。なにしろあしたとあさってはオペラシティの本番へ向けての最後の練習です。パソコンに向かっている時間などないというのに。 
aventure number : 1117 date : 2008/2/29


今日の禁断 ぽち

 この週末は、ニューフィル以外の練習がびっしりつまっていました。まずきのうは、来週の東京での「コール青葉」の本番へ向けての最後の仙台勢だけでの練習です。なにしろ曲数が多いものですから、1曲1曲確認していくだけでも、1時から6時までという練習時間はすぐ経ってしまいます。私は、今年も全曲暗譜を目指しているのですが、ここに来てそれはかなり達成度の怪しいものであることに気づかざるを得ないようになっています。とりあえず自信を持って暗譜できた、と言えるのは最初のピアノ伴奏付きの男声のステージだけ、もう一つの無伴奏の男声ときたら、未だに音が取れていないところすらあるという悲惨な状態、これが1週間で暗譜までこぎ着けられるとしたら、まさに奇跡です。
 混声の方は、組曲の方はまずなんとかなりそうな見通しは立ちました。しかし、最後のオリジナルステージは、ちょっと暗譜は絶望的です。そもそも、編曲のものばっかりなのですが、それぞれ変なクセがあって、覚えるのには非常に苦労を伴います。全く同じプランなのに、1回目と2回目で微妙の音が違っているとか、無意味なところに神経を使わなければなりませんから、大変。それと、歌詞が付いていないハミングなどの部分も、すごく覚えづらいものですし。
 というようなところを、極力楽譜を見ないようにしてどれだけ覚えているか確かめながら練習してみたのですが、なかなか、でしたね。
 それが終わると、そのまま今度はフルートの会の練習へ向かいます。こちらは本番はまだ先ですが、何回か他の予定で行けない日があるので、ぜひ行っておかないことには本番で辛い思いをしなければならなくなってしまいます。その練習が、3時間。結局きのうは8時間ぶっ通しの練習ということになってしまいました。まあ、フルートと合唱では使う部分が違いますから何とかなるのですが、それはまんべんなく体全体を使ったということですから、やはりダメージはかなり大きかったことになりますね。
 そして今日は、東京から本番の指揮者がやってきての合唱の練習です。実は、きのうは東京で練習があったので、彼も2日続けての練習ということになります。しかし、そんな疲れも見せず、精力的に細かいダメ押しを何度も何度も繰り返し、結局時間が足らなくなって全部の曲を仕上げることは出来ないほどでした。最後の方になったら、もう歌っている方は完全に集中力がなくなってきているのが分かるのですが、指揮者は全くテンションを落とすことなく頑張っています。別にプロの指揮者でもなんでもないのですが、この熱意を継続できる能力が、毎年のコンサートで多くのメンバーを引っ張っている原動力なのでしょうね。いや、数々のプロの指揮者に接してきた経験に照らしても、彼ほどの集中力を維持できる人はなかなかいないような気がします。そんな彼に答えるためにも、極力暗譜をして全神経を歌うことだけに集中できるように、したいものです。
 そんなわけで、来週は合唱モードの中で「かいほうげん」を作ったり、企画書を発送したり、もしかしたらチラシやポスターを配ったりしなければならないかもしれません。どうなりますか。
aventure number : 1118 date : 2008/3/2


今日の禁断 赤井沢

 早いもので、ついこの間「かいほうげん」を作ったと思ったら、もう新しいものが発行となりました。お約束通り(いえ、別にだれに対してというわけではありませんが)まだサイトにはアップしていないコンテンツをなんとか作り上げて、掲載することが出来ました。おめでとうございます。ただ、実際はやはり時間が足らなくて、今回はとりあえずニューフィルの中で通用する話だけでまとめてあります。最初の構想ではもう一ネタ扱って、もう少し広い世界の話にまでもっていくつもりでしたから、そちらがきちんと出来上がったところでサイトにはお目見えということになるでしょう。
 そんなわけで、今回も全く何のトラブルもなく、予定していたものが全て形になった、ということに、外見上はなりました。しかし、やはり見落としているものはあって、その新しいコンテンツの中に、大きなまちがいを見つけてしまいましたよ。それは、印刷が全部終わってから見つけたもの、もちろんもう直すことなんか出来ませんから、さっき団員専用掲示板の方へ「正誤表」を書き込んでおきましたので、それを見て直しておいて下さい。なぜそんなまちがいをしてしまったかというと、2種類の楽譜の間で小節番号が違っていたからなのです。繰り返しの時の数え方によって、3小節ほどずれていたんですね。
 版下作りも印刷も、順調そのものだったのに、ホチキス止めになって、やはり前回と同じようなトラブルに巻き込まれてしまいました。前回はページ数が多かったので、負担が大きかったのかと思っていたのですが、どうやらそういうことではなく、機械自体が少し調子が悪くなっていたのですね。もうかなり長いこと使っていますから、いい加減ガタが来てしまったのかも。なにしろ、3回に1回はステープルがはさまってしまって、その度にピンセットでこじ開けて直してやらなければいけないのですから、ちょっといやになります。こんなことをしていたのでは、時間が足らなくなってしまいます。そこで、もうこんな機械には愛想を尽かす時期が来たのだと判断、近所の文房具屋さんで新しい機械を買ってきましたよ。そうしたら、これがものすごく気持ちよく使えるのですね。全然力を入れなくても、面白いように綴じることが出来るではありませんか。今までのはかなりの力を入れないと途中で止まったりしていましたからなんという違い、というより、こんな機械を長いこと使っていたなんて、ものすごく損をしていたような気持ちになってしまいました。別に最近特に使いづらくなったというのではなく、買ったときからそれが当たり前だと思っていましたから。
 同じメーカーのものだと思っていたのですが、良く見たら今日買ったのはマックス、前のは○クヨでした。やはり、これ一筋のメーカーの方が、細かいところに技術が込められているのでしょうか。
 あんまり気持ちよく綴じられるので、すっかり嬉しくなって、残りの分はとても軽やかに作業が進みました。そして、それが終わったときには、ある種の達成感のようなものがありました。これで仕事は完了したのだと本気で思いこんでしまっていたのです。ところが、家へ帰ってきたら、肝心なことをやり残していたことをはたと思い出しました。「かいほうげん」に折り込もうと、100枚ぐらいもらってきてあった「フルートの会」のチラシを入れるのを、すっかり忘れていたのですよ。あ〜あ。
aventure number : 1119 date : 2008/3/4


今日の禁断 桜田淳子

 ブログのカウンターが、ついに10万となりました。

 最初のエントリーが2005年の3月でしたから、3年で10万を達成したことになります。これが多いのか少ないのか、私には分かりませんが、しっかり常連さんがついてくれているという実感はあります。これからもマイペースでやっていくだけですがね。
 ところで、1987年といいますから、21年も前のことになりますが、その年の「大河ドラマ」だった「独眼竜政宗」が、今、なんとWOWOWで放送されています。

 何と言ってもかつての仙台藩の藩主が主人公のドラマですから、あの頃はこのあたりでは大いに盛り上がっていたことを思い出します。おそらく、仙台市内の全ての家庭の茶の間では、日曜日になるとこのドラマにチャンネルが合わせられるという光景があったことでしょう。当然、学校や職場でも話題の中心は「政宗」、テレビを見ていないと話について行けない人もいたのではないでしょうか。この頃は、実は私がニューフィルに入ったばかりの頃でしたから、そこでも飲み会の席での話題になっていたことを思い出しました。私の職場は、この殿様には何かと関わりのあるところですので、そんな蘊蓄を語って、少し誇らしげな思いをしたこともありましたし。そういえば、その時にNHKからもらった、3代の政宗が一堂に会した写真を使った大判のポスターは、まだ部屋の中に貼ってありますよ。
 ご当地だから、こんなに大騒ぎしているのだろうとその頃は思っていたのですが、実は全国的に見てもこれは評判が高かったのだというのを知ったのはごく最近のことです。なんでも、大河ドラマの中では歴代1位の視聴率を誇っているんですってね。つまり、政宗というのはドラマの主人公としては一番の人気を持っていたキャラクターだということにはなりませんか。ちょっと嬉しくなってしまいます。
 毎週聴いていたというヘヴィー・ローテーションのために馴染んでいたのかもしれませんが、池辺晋一郎のテーマ曲も、なかなか名曲に思えていたものでした。何と言ってもオープニングに出てくるオンド・マルトノのグリッサンドが衝撃的でしたね。最初のフレーズのしっぽを、いかにも劇伴風の処理で意表をつくという手法も、当時は斬新に感じられました。もっとも、これは何度も聴いていると鼻についてくるものですが。
 そのWOWOWの放送、とても見ている暇はないのでとりあえずDVDにダビングしてみようと思って気づいたのですが、1本分が40分ちょっとしかないのですね。これは、NHKで放送したときには確かに入っていたはずの「おまけ」がカットされているせいなのでしょう。ドラマが始まる前にちょっとしたエピソードを紹介していたコーナーがあったのですが、それはどうやら他局が放送してはいけないものだったのですね。
aventure number : 1120 date : 2008/3/6

08/3/8/-08/4/15