1081(07/12/17)-1100(08/1/24)

今日の禁断 富士山

 旭ヶ丘に出来た新しい駐車場ビル、なかなか「使える」ところであることはさんざんご紹介してきました。今までの練習の時に、満車で入れないなどということは一度もありませんでしたし、料金もうまくすれば今までよりも安くなるということで、とても助かっているところです。しかし、この広い駐車場が真価を発揮するのは、やはり青年文化センターで催し物があるときなのでしょう。今まではよほど早く来ないことには、まず駐車場に入れることは出来なかったものが、どれほど改善されているのか、それを確かめてみたいと常々思っていました。
 それを確かめる機会は、意外に早く訪れました。「100周年」の時にいろいろお世話になった混声合唱団の定期演奏会がきのうコンサートホールで開かれるというのです。メインプログラムはラインベルガーのミサ、これをあの時合唱の指導をなさった佐々木さんの指揮で演奏するというので、それも楽しみなものでした。開演が3時半で開場が3時、ちょっと手間取って3時ギリギリに駐車場に入ることになってしまいましたが、その時点では2階こそ満車でしたが、3階以上は入れ放題という余裕を見せていました。なんだか小さなお子さんもたくさんいたので、おそらくシアターホールでも別の催し物があるのでしょうが、それでもこんな状態でしたら、開演ギリギリに来たとしても十分駐車できそうです。
 その、「混声」のお客さんは、最初の頃こそあまりいなかったものの、開演時にはほぼ8割程度に埋まっていました。団員が60人以上いますからこのぐらいなら楽勝なのでしょう。まわりの席には、「今度はラターのグローリアをやるんですよ」などと、合唱関係者が座っています。あ、念のため「ラター」というのは「ジョン・ラッター」のことです。
 「100周年」の時にすでにこの合唱団の能力の高さは良く分かっていました。なんせ、パートリーダー級のメンバーが、「第9」のソロの代役を楽々と歌っているのですからね。1回懇親会のようなところで彼らが歌ったブルックナーのモテットの美しかったこと。
 ただ、このように、まるまる1つの演奏会としていろいろな曲を聴いてみると、その「美しさ」が妙に鼻について来るというのは、贅沢なことなのかもしれません。しかし、例えば最初の信長貴富の曲などは、「美しさ」を超えたもっと暖かいものがないことには、作曲者のメッセージはきちんとは伝わらないのではないか、と、切実に感じてしまいました。第2ステージでは、せっかく私服で出てきて、ステージ一杯に広がって歌ったというのに、なんの「芸」もなくただ突っ立っていたのでは、いくら手拍子を強要されても、とても乗ってやろうという気にはなれませんし。
 最後のラインベルガーは、さすがでした。ハーモニーの乱れは全くありませんし安心して聴いていられます。指揮者の佐々木さんの指示通り、全員がきちんと同じベクトルを目指しているのも良く分かります。しかし、これも、最後の「Dona nobis pacem」では、もっと突っ込んだ表現があってもいいのでは、と、思わずにはいられませんでした。ほんと、贅沢な希望ですよね。

 考えてみたら、今週22日には同じ大学の男声合唱団の定期演奏会もあるのでした。実は、私もOBとして賛助出演をしますので、お暇のある方はぜひ。若林で5時からです。「美しさ」では負けますが、「暖かさ」では決してひけをとらない演奏が実現できる・・・はずです。
aventure number : 1081 date : 2007/12/17


今日の禁断 14型

 「かいほうげん」は無事に発行されました。しかも20ページ。しかし、これだけの量だと印刷は大変でしたね。いや、印刷自体はプリンターに任せておけばひとりでにやってくれますからなんということはないのですが、問題はそのあとの「折り」です。もちろん、あれだけきちんと揃えるわけですから、何枚かまとめて、というわけにはいきません。1枚1枚丁寧に折らなければ。120部×5枚ですから今回は600回、ひたすら折ったことになります。
 もう印刷が始まっているというのに、1箇所だけ気がかりな画像がありました。それは、この前書いた末廣さんの出した本。最初はアマゾンあたりに画像があるのでは、と見に行ってもまだ画像はアップされていません。末廣さんの事務所の公式サイトにすら、表紙全体は表示されていません。それでもあちこち探し回って、やっと見つけたのがかなり小さいサイズのものだったので、かなり補正をしてもちょっと精度が物足りませんでした。そこで、これが最後のチャンスと再度アマゾンへ行ってみたら、ありました。まるで、私のためにアップしてくれたようなものですね。さっそくダウンロードして、加工。これで、かなりちゃんとした画像が出来ました(結構JPG特有のノイズはありますが)ので、即差し替えです。しかし、この本、注文しても届くまでに3週間以上もかかるなんて。
 それだけ気合いを入れて作ったというのに、きのうの練習は年末ということもあって出席数は散々でした。風邪をひいている人もいたようですね。いや、実は「三角帽子」のトップを吹く人が「風邪で休ませて下さい」というメールをくれたのがそんな印刷で大わらわの時、まさかこれを吹くことはないだろうと殆どさらっていなかったので、大変なことになってしまいました。限りなく初見に近い状態でトップの席に座ってはみたものの、その汚らしい(手書きです)パート譜を前にして、とても最後まで通して吹ける自信はわいては来ませんでした。まあ、でも、他の人もこの曲を演奏するのは初めてでしょうから、おつきあい願いましょうか。
 結果は、1回目は60%でしょうか。ただ、練習指揮者のKさんはとても分かりやすく振ってくれますし、きちんと数えさえすれば音自体はそんなに難しくはありませんから付いていくことは出来ました。2回目に通したときには、ほぼ80%はいけたでしょうか。残りの20%は、早いところで音をごまかしたり、どうしても譜割りが理解できなくてスルーしてしまったところです。急な代吹きにしては、まずまずでしょうか。
 ところで、練習が始まる前に小さな男の子がベビーカーを押して遊んでいたので、そばに行ったらその子のお母さん、Iさんが楽器を持ってきていました。ついに復帰されたそうです。まだ託児の手配をしていないのでとりあえず「放し飼い」にしておくのだとか。でも、合奏が始まるとやっぱり退屈してお母さんのところへやってきてしまいましたよ。でもこれに懲りず、頑張って下さい。さっき数えてみたら、これでヴァイオリンの人数は23人になりました。あと3人も増えれば、トラなしで本番ができますよ。
aventure number : 1082 date : 2007/12/19


今日の禁断 東北放送

 ニューフィルの公式サイトには、「メール」というボタンがあって、そこをクリックするとメールフォームが開いて私のところにメールが届くようになっています。直接メールアドレスをリンクしてあるわけではないので、出す人にはアドレスは分かりません。そんなことをしても、すでに私のアドレスは汚れきっていますから、スパムはどうしようもないのですがね。ただ、VISTAで使っているメールソフトだと「いたずらメール」を最初から仕分けしてくれるのですが、ここから送られたメールがなぜか「いたずらメール」と識別されてしまうのですから、なんにもなりません。
 普段はここには「今度転勤になるので、団員にして下さい」というようなメールが届きます。そんな時にはその楽器のパートリーダーに転送して、しかるべき返事を出してもらっています。弦楽器は大歓迎、管楽器は丁重にお断り、ですね。中にはお断りしたにもかかわらず、何回もメールをよこすようなわがままな人もいますから、要注意です。
 きのうのことです。なにやら、イベント関係の事務所から、こんな文面のメールが届きました。
いつも大変お世話になっております。1/25金仙台国際ホテルで弦カル+1でお願いしたいのですが、時間は12:00〜13:30の予定
 宛先として、仙台フィルの事務局の人の名前があったので、これは「仙台フィル」と「仙台ニューフィル」を間違えて出したものだと分かりました。しかし、不思議な間違いをする人もいるものです。このメールは、まず公式サイトにアクセスしなければいけないのですが、この2つのオケのサイトは全く別物なのですから、すぐ分かると思うのですが。あちらはフラッシュなども使っていかにもプロが作ったようなサイト面、こちらは手作りの良さを残したアマチュアならではのデザインなのですからね。しかも文面に「いつも大変お世話になっております。」と書いてあるぐらいですから、何度もサイトを訪れてこのようなメールを出しているはずなのに。きっと、あまり慌てていて、間違えてしまったのでしょう。何しろ「仙台フィルハーモニー管弦楽団」で検索すると2番目にうちのサイトが出てくるのですからね。
 その文面ですが、最初「弦力」というのが目に入って、これは一体なんだろうと思ってしまいました。「げんりょく」とでも読むのでしょうか。「げんりょくホール」というのがありましたけど、それとは関係ないようですし(いや、それは「でんりょく」でしょう)。そして、「弦力ル」となると、全く意味不明。でも、すぐにこれは「ちから」ではなく、カタカナの「カ」なのではないかと思えてきました。「弦カル」というのは、もしかしたら「弦楽カルテット」の略称なのではないでしょうか。業界用語というのは、ここまで来ているのですね。ひとつ大人になりました。
 一応「お仕事」の依頼のようですから、うちで預かってもしょうがないので、「送付先をお間違えになってます」と教えてあげました。折り返し「大変失礼いたしました。先ほどのメールは削除して下さい」という返事が来ましたが、こんな面白いもの、しっかりネタにしてから、削除させて頂きますよ。ありがとうございました。
aventure number : 1083 date : 2007/12/21


今日の禁断 森のパルク

 きのうは、この間お知らせした、私の後輩の男声合唱団の定期演奏会がありました。そして、やはり前々からぼちぼちお伝えしているように、今回は私もそのステージに現役の大学生と一緒に乗って演奏をしたのですよ。そもそも、私が何十年かぶりに合唱をやり始めるきっかけになったのが、5年前に行われた同じ合唱団の定期演奏会でのOBステージだったのですから、その因縁の再現でしょうか。おかげで今では、すっかり合唱漬けになってしまいましたから。
 今回は、100人以上集まったその時ほどの大人数ではありません。あの時は、それこそ「50年ぶり」の大事業ということでものすごい盛り上がり、その結果、同じメンバーがついに東京でもコンサートを開くということになってしまったのですから。もちろん、それは「コール青葉」の前身になるわけです。それでも、OBだけで50人は集まったでしょうか。仙台だけではなく、東京でも独自に練習をやっていて、それを本番当日に合わせるという、離れ業のようなことになっています。
 その練習は、2時間足らずだったでしょうか。しかし、そんな寄せ集めとは思えないほど、みんなの声はひとつにまとまったものでした。若い声と年齢を加えた声が程良くミックスして、えもいわれぬ重量感のようなものが出ていたのではないでしょうか。私は、今回歌った多田武彦の「富士山」は、今年の「コール青葉」で歌っていましたから、もちろん譜読みにはなんの問題もありませんでした。ただ、あの時には暗譜するつもりでいたのに、直前になって譜面を持つようになってしまったために、ちょっと気合いをそがれてしまって、結局暗譜はしませんでした。ですから、今回はそのリヴェンジということで、ぜひとも暗譜で臨むつもりでいました。1週間前の練習でほぼ出来たような感触がありましたので、あとは「青葉」の時のCDを聴きながら最後の仕上げ、きのうのリハーサルの段階では完璧に暗譜は完了していました。一応楽譜は持って出ることになっていましたが、私は最後まで楽譜を見ないで歌うつもりでした。
 開場の若林文化センターには、中ホールの他に展示ホールというのがあって、そこがOBの控室に割り当てられています。そこからは中ホールのステージ裏まで通じる道があって、そこにステージでの整列順に並んで待機です。現役だけの1ステージが終わって、2ステージ目が我々の出番、現役は我々と同じ衣装になるために、舞台袖で着替えです。ジャケットを黒に変え、ボウタイを蝶ネクタイに早変わり、我々の列の間に入り、そのままステージに入場です。
 客席は、かなり寂しいものでした。せいぜい200人といったところでしょうか。この前の混声合唱団とはかなり違います。これは、おそらく団員数の違いでしょうね。なんせ、14人しかいませんから、これだけ集められれば大健闘でしょうか。だからといって、我々は別に気負いもなく、伸び伸びと演奏できたはずです。もちろん、私は全く楽譜を見ずに、指揮者との一体感だけを心がけていました。やはりこれはかなり気持ちの良いものです。

 今年最後の私の本番、数えてみたら、これが今年13回目のステージでした。その詳細は後日。
 後半のステージは、着替えて客席で演奏を聴きます。おそらく、今聴いているものはついさっきの大人数とはずいぶんサウンドも、趣味も異なる合唱なのでしょう。本当に洗練された響き、それぞれの持ち味を、全部きいたお客さんは堪能したはずです。
 展示ホールでOBだけの軽い打ち上げをやったあと、現役主催のレセプションは一番町で行われます。その途中で、今年の「光のページェント」と「AUツリー」を、初めて見ることが出来ました。

aventure number : 1084 date : 2007/12/23


今日の禁断 シューベルト

 おととい、後輩の男声合唱団の定期演奏会に賛助出演して、今年の私の本番はすべて終了しました。合唱関係がとんでもないスケジュールになっていたため、今まで参加していた演奏会をすべてクリアした上にその演奏会を加えた結果、なんと13回の本番というおそらく私の生涯の中で最も多い出演回数となってしまいました。そんな1年の音楽活動を振り返ってみます。

 ●1月21日(日)男の合唱祭り(仙台市青年文化センターコンサートホール)
演奏曲は2曲だけ。10分にも満たないステージですが、まずは肩慣らし。
 ●3月11日(日)コール青葉コンサート(東京オペラシティコンサートホール)
4ステージ、2時間半というハードなコンサート。拍子木のソロも担当しました。実はギックリ腰をこらえての綱渡り。東京への往復は大変でした。
 ●3月17日(土)安野光雅美術館コンサート(津和野)
島根県の津和野まで行ってきました。1週間前のコンサートの半分をそのまま演奏。
 ●4月15日(日)仙台フルートの会フェスティバル(青年文化センターコンサートホール)
「ジュピター」と、チャイコフスキーの「弦セレ」。本来のヴィオラのパートを担当するアルトフルートの吹き詰めは、まさに苦行でした。殆ど練習に出られなかったので、ほぼ初見で本番。
 ●4月21日(土)仙台ニューフィル定期(イズミティ21)
工藤さんの指揮で「牧神」、「高雅で感傷的なワルツ」、「幻想」。「ワルツ」ではトライアングル・デビューです。「幻想」では久しぶりにピッコロ・モード。
 ●6月3日(日)恵日会総会(フルートの会/ホテル江陽)
職場のコンサートです。名曲半分、愛唱曲のカラオケを半分という構成。
 ●7月29日(日)森ミドリコンサート(トッパンホール)
コール青葉が賛助出演。森さんが作曲した「津和野」の3度目の本番です。その他に、やはり安野さんの歌詞の曲を数曲。
 ●8月26日(日)100周年記念市民コンサート(宮城県民会館)
母校が100周年を迎えるというので、現役、OBが一緒になってのステージです。祝典曲(委嘱初演)と「第九」の、昼夜二回公演。とても疲れました。
 ●8月27日(月)東北大学100周年記念式典(仙台国際センター)
式典の最後にアトラクションとして祝典曲を演奏。正直プライドを傷つけられた演出でした。
 ●10月27日(土)仙台ニューフィル定期(宮城県民会館)
茂木さんの指揮。「スコットランド」でトップ。
 ●11月16日(金)東北大学法学部同窓会(仙台法華クラブ)
OB合唱団による30分のステージ。練習は本番前だけでした。
 ●12月9日(日)角田「第九」(えずこホール)
歌伴、「第九」ともトップ。これで、一年間に合唱とオケで「第九」を制しました。
 ●12月22日(土)男声定期(若林区文化センター)
「富士山」を現役と演奏。完全暗譜。

 それぞれのコンサートでの詳細な記事は、「禁断」のバックナンバーでご覧いただけます(要パスワード)。
 もちろん、それぞれの演奏会に臨むには、半年や一年前からの練習が欠かせません。特に合唱関係で、週末は殆どスケジュールがつまっていたというハードなものでした。そんな超多忙な生活、しかし、そんな時でも忙しいからと言って必要な連絡まで怠ってしまうというような、ある意味人間として許されない行動は、決して取ることはありませんでした。それを1年間貫けたのが、私の「誇り」です。
aventure number : 1085 date : 2007/12/25


今日の禁断 スノーマン

 「ジュラシック・ページ」のひとつの目玉が、ブルックナーの交響曲第4番の版についてのコンテンツでした。実は、この内容そのものは私がサイトを立ち上げる前からすでに出来上がっていたものでした。1996年にこの曲を演奏することになったので、それに関する蘊蓄をニューフィルの会報である「かいほうげん」に掲載したものが、その2年後に発足することになるこのサイトのコンテンツの元になっています。
 その時に行ったのは、主に初稿と、ハース版、ノヴァーク版との間の相違点を検証するということでした。その時にハース版として手元にあったのがドーヴァー版だったのですが、それは4番と7番が1冊にまとまっているものでした。その時に発表したのは4番についてだけだったのですが、7番についても、ノヴァーク版のスコアは持っていたので、ついでに異なっている部分などをチェックしておきました。
 それから12年近く経って、たまたま「おやぢの部屋」で7番のCDのレビューを書く機会がありました。そこで版の問題についてちょっと考えさせられることがあったもので、その12年前のメモを元にもう一度しっかり版の違いを確認してみました。そして出来上がったのが、この新しいコンテンツです。まさに、このサイトの原点に立ち返ったような内容に仕上がっているのではないでしょうか。ほんと、こんな重箱の隅を突っついているようなことをやっていて、どこが面白いのでしょうね。でも、こんなことが好きでたまらない人もいるのですから楽しいものです。ここを見て、お手持ちのCDではどうなっているのか、ご一報下さればサイトに掲載させて頂きますよ。
 話変わって、前回のエントリーによると私の本番の半数以上を占めていたという合唱についてです。毎年のことですが、その中での最大のイベント、3月に行われるオペラシティでのコンサートのチケットとチラシが出来上がってきました。

 なんせ、200人近い大所帯ですから、チケットは早くも厳しい争奪戦が繰り広げられているようです。ただ、仙台に回ってきた分に関してはいくらか余裕がありそうなので(去年はかなりの枚数を東京に返しました)東京近郊にお住まいの方でご希望があればお申し出下さい。
 今回最も楽しみにしているのは、武満徹の「小さな空」。あの色彩的なハーモニーの中に実際に身を置ける合唱団に参加できる喜びを、噛みしめられたら、と思います。
aventure number : 1086 date : 2007/12/27


今日の禁断 フライドポテト

 いよいよ年末ですね。きのうはニューフィルの忘年会、と言っても、団全体の忘年会というのはこのところやらないようになっているので、最近はパートごとにこぢんまりとやることが多いようです。しかし、木管では誰もやろうという人がいませんでしたから、今年はなしかな、と思っていたところに、突然ヴィオラパートから「混ざりませんか?」というお誘いを受けてしまいました。どうやら、他にも管楽器から参加する人もいるそうなので、有り難くご一緒させて頂くことにしました。
 会場は、広瀬通に面したビルの3階、街は年末の雑踏、そのビルのエレベーターの前には、やはり忘年会目当てでしょうか、多くの人でごった返しています。とても1回では乗り切れないと思い、すぐ横に階段があるのを見つけて、そこを登っていくことにしました。3階ですから、そんなに大変ではないでしょうし。しかし、まず2階まで行ったところで、そこのお店の中に入るはずのドアには「お店にお越しのお客様は、エレベーターをご利用下さい」と書いてあるではありませんか。もしかしたら・・・・。と思いつつ、3階まで上ると、そのドアには、張り紙こそないものの、しっかりと鍵がかかっているではありませんか。仕方がないので、また階段を1階まで下りて、その頃にはだいぶ空いていたエレベーターに乗りました。
 一応仕切のある個室で、集まった人は11人でしょうか。ヴィオラの人だけではなく、コントラバスとかホルン、トランペットの人もいましたね。それからもう一人、全く見たことのない人も。でも、ヴィオラの人たちはこの人のことはよく知っているようでした。どうやら、山形のアマオケのヴィオラの団員のようで、いろいろなところでエキストラとして活躍されている方のようでした。今度の定期演奏会にうちのエキストラに来てもらおうと、ご招待したようですね。でも、なんだかその人はそんな話にはひたすら丁寧にご辞退しまくっているように見えましたが。
 ヴィオラの人とは、普段でも割と親しくしている人が多いものですから、そんな中にいて違和感は全くありませんでした。ただ、いろいろな噂では、お酒が入ってくると大荒れになるパートだ、ということですから、果たしてこのまま、理性的な会話が継続できるのか、一抹の不安はありました。
 2時間経ったところで、しっかりそのお店は追い出されてしまいます。その時に「エレベーターが混んでいますので」ということで、その個室の壁を開けたところが、さっき登ってきた階段の先のドアだったのですから、結局その階段を1往復半したことになりますね。
 結局、そのまま全員二次会に、しかし、私がいたせいでもないのでしょうが、ヴィオラパートの豹変ぶりには、ついに出会うことは出来ませんでした。この次に期待です。でも、このパート全員の粘りが功を奏して、めでたくエキストラは引き受けてもらえることになりました。良かったですね。
 あ、その人や、ニューフィルの団員がエキストラで乗る福島のアマオケが、2月にブルックナーの7番をやるそうですよ。この前7番のコンテンツを作ったばかりですが、もちろんそんなことは全然知りませんでした。これも何かの縁でしょうから、ぜひ福島まで聴きに行くつもりです。
aventure number : 1087 date : 2007/12/29


今日の禁断 チューバ

 79万のキリ番はけさ真夜中に出ました。ゆうゆう年内に達成されたことになりますね。
 そんなわけで、今年最後の「禁断」です。今年1年「ジュラシック・ページ」をご愛顧頂きありがとうございました。アクセスが特に増えるということもありませんが、その分殆ど減らないで変わらないペースを維持しているということは、しっかり常連の皆さんが居着いているという証し、ご期待に応えられるように日々精進を重ねていきたいと思っているところです。しかし、何かと忙しさに紛れて、なかなか新しいコンテンツが出来ないのは、どうかお許し下さい。その分、密度の高い「おやぢ」と「禁断」をそれぞれほぼ1日おきに更新しておりますから。
 ただ、そんな中で出来たコンテンツには、とことん手をかけることになります。先日の「ブル7」にしても、アップしたものを何度も何度も見直しているうちにいろいろ気になるところが出てきたものですから、何度となく手を入れてあります(というか、最初のものはちょっとしたミスがありましたし)。そして、きのうのことですが、なんとMIDIまで作ってしまいましたよ。かつては、ちょっとしたものにもすぐMIDIを付けて、楽譜だけでなく実際の音で伝えられるような工夫を施していたものですが、このところMIDIに関してはとんとご無沙汰だったことにお気づきだったでしょうか。実は、今回のMIDIはなんと5年ぶりに作ったというものなのですよ。と言うのも、最初にMIDIを作るために買ってきたソフトはWIN95のためのものだったのですが、これがその後の98やXPとあまり相性が良くなかったのです。95のマシンも不調になってからというものは、もはや作り方も忘れてしまうほど遠のいてしまっていました。
 しかし、今回のブルックナーでは、ぜひともMIDIで違いを聴いてもらいたい譜面がありましたので、ふと思い立って、フリーソフトを探してみることにしました。手頃なものがあったのでダウンロードしたのですが、それがなんとも素っ気ないソフトで、マニュアルを見ても肝心のことが書いてありません。しかし、そこは私のことですから、30分もいじり回しているうちに仕組みが分かってきました。あとはもう簡単、たかが2小節のフレーズなど造作もないことです。しかし、実際に音を出してみると、なんだか変です。あるはずのない奇妙な5度のような音が聞こえるのです。これは移調楽器のパートですから、きちんと実音に直したはずなのに・・・。と思って良く見たら、それは上の2声はinB♭なのに、下の2声はinFじゃないですか。それを全部inB♭で入れたのでは、おかしいのは当たり前です。
 5年などではきかない、おそらく10年以上やっていなかったことにも挑戦してみました。それは白菜漬けです。なぜかたくさん白菜を頂いたので、いっそ漬けてしまおうと、仕舞い込んであった木の樽を出してきます。もう乾燥してガタガタ、まずは水を張って隙間をなくすことから始めます。手順などはすっかり忘れていますから、ネットのレシピが役立ちます。しかし、昔は確か「2度漬け」したはずなのに、どのレシピもそんなことはしていません。最近は手抜きが多いのでしょうか。それでもやっとちゃんとしたレシピを見つけ、無事漬け終わりました。とってもおいしく出来上がりましたよ。
 では、良いお年を。
aventure number : 1088 date : 2007/12/31


今日の禁断 星野真里

 あけましておめでとうございます。今年最初の「禁断」ということで、昨年から恒例(?)となった年賀状公開です。

 毎年毎年、相も変わらずのお正月ですが、今年は年末に作った自家製の白菜漬けが、ちょっと新鮮な味を付け加えてくれました。でも、かつてはおせち料理もきちんと作っていたのですがね。その中でも「栗きんとん」は私の担当、ゆでたさつまいもを裏ごししてとろとろになるまで練り上げるという、根気の要る仕事です。しかし、最近ではそんな面倒くさいことをする時間もなくなり、あえなく優先順位の最下位に貶められ、いつしか作ることはなくなってしまいました。ですから、毎年年末に出来合いのものを買ってくるということになります。
 いつもはスーパーのパック品などで済ましてしまいますが、今年はなぜかブランド品、しっかり紙の箱に入っています。その箱の上を見ると、こんな文字が印刷されていますよ。

 そこには、「栗金団」という漢字に、「くりきんとん」というルビが振ってあるではありませんか。へ〜。きんとんって、こんな漢字だったんですね。普通に読めば「きんだん」、なんか、他人とは思えません。
 年末年始といえば、テレビは特別番組一色に変わります。今年はなぜかクラシック関係の番組が殆どなくなっていると思われるのは、私の錯覚でしょうか。今までは民放BSでも外国のオーケストラの映像などが見られたのに、今年は全然見当たりませんし(あ、BSフジでのコバケンは除外とさせて頂きます)。特に、BSハイは悲惨そのもの、これは、いずれNHKの1波がなくなって、BS2に吸収されてしまう布石なのでしょうか。
 そんなものですから、ウィーン・フィルの「ニューイヤーコンサート」も、最初に地上波で生放送が流れるというシフトになってからは、今ひとつ真剣に見る気が失せてきてしまっています。なんせ、休憩時間に出てくるゲストとの場つなぎが悲しくなるほどお粗末なのですからね。今年のゲストはなんと黒柳徹子と堀内修、年頭からこんな人たちの与太話を聴くなんてとても耐えられませんから、他のことをしながら完全に横目で見るというスタンスです。しかし、演奏の方はちょっとすごいものじゃなかったでしょうかね。プレートルはとてもウィンナ・ワルツにはあるまじきしっかりとした「表現」を施しているではありませんか。何年か前にアーノンクールが同じようなことをやって顰蹙を買いましたが、プレートルの場合はなんだか本物のように聞こえてきます。あしたBSでやったものを、一旦日本での映像をすべてカットした上で、じっくり聴き直してみようと思っているところです。

 年末にたまたま民放でやっていたドラマで、観月ありさと一緒に出演していた女優さんの顔になんか見覚えがあったので調べてみたら、WOWOWで少し前にやった「結婚詐欺師」というドラマに出ていた人でした。これも正月編成できのう再放送をやっていたので、しっかり見直してしまいましたよ。実はこの人、もう忘れたでしょうが仙台を舞台にした「天花」というしょうもないドラマにも「しずか」という役で出ていたのですね。
aventure number : 1089 date : 2008/1/2


今日の禁断 水族館

 1年以上の間をおいて、ドラマ版「のだめ」の登場です。2時間20分枠で2日連続ということですから、内容的にも充実したものが期待できることでしょう。例によって、民放のドラマですからCMにはイライラさせられるはずです。そこで、リアルタイムで見たいのはやまやまですが、敢えてスタートを20分遅らせて、ハードディスクでの時間差鑑賞ということになります。CMだけで20分はあると踏んで、ドラマの正味の尺は」2時間、これだと、CMをとばしとばし見ていれば、終わりはほぼ同じ時間になるはずです。
 いやあ、ほんとに仕方のないこととは言え、地上波民放のCMの無神経さ、いや、そもそもそういう状況でドラマを作っているという放送局の無神経さには今さらながら嫌気がさします。もはや彼らの常識とすらなった特に後半での細切れなCMの挿入、こういうものには慣れていない私としては、つくづくハードディスクレコーダーのありがたさを噛みしめることになります。なんで、今指揮をしていた人が出演しているお茶漬けのCMが、そこで流れなければならないのでしょうか。
 ドラマの方は、なんともすごいことになっていましたね。ほぼ全編海外ロケ、コンクールでは現地のオケ(プラハ放送交響楽団)を使っての収録ですからね。でも、そのオケのメンバーまでにもきちんと芝居をさせてしまうのですから、実はそちらの方にとても感心してしまいました。そもそも、前のドラマの冒頭でヴィエラ先生役のマカルにしっかり演技をさせたというところで、そういうノウハウは出来上がっていたのでしょう。そのマカルはもはやすっかりドラマのキャストと化していましたね。エンドロールでマカルの前後のなんだかチェコ人っぽい名前の人がクレジットされていましたが、おそらくあのあたりがコンマスとか、ホルンの首席、あるいは2番フルートだったのでしょう。「ジリ」なんとかとありましたが、おそらくチェコ読みで「イルジー」でしょうから。
 そのコンクールの本選では、なんとスメタナホールを使っての収録でしたね。素晴らしいのは、その演奏の模様を録音するためのマイクなどは、全く立てずに、あたかも本当のコンクールのような雰囲気を出していたことです。ただ、実際はそれだけ有名なコンクールでしたら必ず録音は行うはずですから、かえってなにもない方が不自然に見えてしまいますがね。その代わり、前もって録音したものにきちんと合わせて演奏するためのモニタースピーカーが見えてしまったことの方が、残念でした。まさか見つける人はいないと思ったのかもしれませんが、ここまでやるのならもっと上手に隠して欲しかったものです。
 それと、原作でもちょっと不思議だったのですが、こういう指揮者コンクールで予選の段階から燕尾服を着るというのはどうなのでしょう。以前篠崎靖男さんが入賞されたフィンランドの指揮者コンクールのレポートを見ると、ファイナル以外に燕尾を着ることはないようなのですがね。
 しかし、サン・サーンスって、あんなにくらいイメージの曲なのでしょうかね。ともかく、今回は千秋のコンクールでしたから、あしたはのだめの話が中心になるのでしょうね。楽しみです。
aventure number : 1090 date : 2008/1/4


今日の禁断 ヘイリー

 今回の「禁断」は、とうとうブログが先というパターンになってしまいました。ネタがネタなものですから、サイトのローテーションを待っていたらおくれを取ってしまうと今日の午前中にまずブログにエントリーです。その結果、いかにもブログっぽいおまけが付いてしまいましたよ。
 「おとといの『のだめ』第1話の最後のあたりで聞こえてきた『私のお父さん』、なんか声の感じがサラ・ブライトマンに良く似ていると思っていたら、やはり彼女だったのですね。彼女がこのアリアを歌った現物は聴いたことはないのですが、CLASSICAさんの情報ですから間違いないでしょう。」
 というのが、最初の書き出しだったのですが、程なくしてそのCLASSICAのマスターiioさんからコメントが入ってしまったのです。その経緯、そしてその箇所の訂正は、ブログの現物でどうぞ。
 というわけで、第2話です。原作とは微妙に設定や順序が違っていて戸惑いますが、基本的に「ドラマ的」な展開を重視した結果なのでしょう。「上海デビュー」が「東京デビュー」となっていましたが、実はあそこは「東京」ではなく「川崎」でしたね。ホールの入り口の映像がでてきた時点で分かりました。と言っても、私が行ったことがあるのはそこまで(その向かいのリハーサル室で練習をしました)、実際にホールの中に入ったことはありませんが。
 もう一つ、どうでもいい突っ込みは、のだめの教会での初リサイタルのシーン、いくらなんでもあのピアノはないでしょう。あんな、お城を1軒持っているような人が用意した楽器がコンパクトグランドだなんて。原作ではしっかりフルコンが使われていましたし、フレームの感じからおそらくスタインウェイ、ヤマハではなかったような(これは、諸般の事情で仕方がありませんが)。教会と言えば、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は「ミサ曲」ではありません。
 実は、だいぶ前から「ヴィエラ」とか「シュトレーゼマン」という人の名前は、アルファベットではどのように表記されるのか気になっていました。なんせ第2巻の巻頭にある紹介では「Sebasutiano Viera」と「Franz Fon Shutorezeman」ですからね。なぜかFranzだけがちゃんとしたスペルなのが笑えます(最近の巻では日本語しか書いてありません)。そこで、例の「英語版」と「バイリンガル版」を見ることになります。その結果、ミルヒの場合はめでたく「Franz von Stresemann」だと分かりましたが、問題はヴィエラ先生。

 左が原作、右の上が「バイリンガル」、右の下が「英語」です。微妙に異なっていますね。おそらく、日本で監修した「バイリンガル」の方が正しい表記なのでしょうね。それが証明されるのが、第2話で千秋が携帯番号のメモを渡されるシーン。そこにはしっかりジャンの字で「Sebastiano Vieira」と書かれていましたからね。ところが、です。第1話の最初に出てくるその先生の指揮するコンサートでホールの前に掲げられていたポスターを見ると、そこには「Sebastiano Viella」とありますよ。いいのかなあ、こんなんで。
aventure number : 1091 date : 2008/1/6


今日の禁断 イゾルデ

 「のだめ」を見てその感想を「禁断」に書いたりしていたら、それがそのままサイトのコンテンツになりそうな気がしてきたので、そのまま使い回してみました。実はきのうすでにアップしてあったのですが、こちらが新しいコンテンツです。しかし、ついこの間ブルックナーのページを作ったばかりだというのに、最近になく量産体制に入っていますね。少し身軽になったお陰なのでしょうか。いえいえ、そんなことに時間をかけていたツケはしっかり回ってきて、「おやぢ」の原稿が殆どなくなってしまっていますから、痛し痒しです。そうは言っても、この勢いはまだまだ続きそう、もう一つのネタも構想はほぼ出来上がっています。というか、そもそもそちらの方を先に作ろうと思っていろいろ調べていたら、今回のネタに使えそうなものも見つかってしまったという、ラッキーな巡り合わせだったのですけどね。これも「のだめ」のお陰です。
 ですから、ブログの方もこれに関連したエントリーのお陰で、アクセスが急増、予想よりだいぶ早くに9万を達成してしまいました。今までは1万行くのに2ヶ月以上かかっていたものが、今回はついに2ヶ月を切ってしまったのですから。

 まだ松の内だというのに、ニューフィルの練習は始まります。今日は「トリスタン」の初合わせです。私のパートはピッコロ持ち替えの3番フルート、ソロもないし楽、というよりかなりヒマなパートです。
 最初のチェロのユニゾンから、木管が入って例の「トリスタン和音」が出てくるあたりで、すでに自分がワーグナーの響きの中にいる、という実感がわいてきて、なんだか言いようのない熱いものを感じることが出来ました。この曲は録音はさんざん聴いていますが、実際に生の演奏を体験したのはほんのちょっと前、末廣さんのコンサートででした。それが、ついに自分のオーケストラでこの曲を演奏できることになったのですから、感慨はひとしおです。ワーグナーはいろいろやってはきましたが、この曲は特別、小さいときから憧れてきた響きの中に、実際に身を置ける時がくるなんて、とても信じられません。
 ですから、最初の音出しでまだまだ、というか、全然完成にはほど遠い状態であろうが、そんなことは全く問題ではなくなってきます。私の席のすぐ後ろはバス・クラリネット。ワーグナーが偏愛したというこの楽器がいかに重要な働きをもっているか、まさにつぶさに味わうことが出来るのも、幸せなことでした。
 でも、私のパートは本当に退屈でした。1箇所だけ、「愛の死」の最後の方でピッコロが甲高い音を出すのが唯一の見せ場でしょうか。
aventure number : 1092 date : 2008/1/8


今日の禁断 蔵王

 この間のニューフィルの定期演奏会のプログラムには、「スコットランド」の解説を書いていましたね。そんなことは続くもので、東京での合唱団のコンサートのプログラムにも、曲目解説の原稿依頼が来てしまいましたよ。依頼のメールが来たのは年末のこと、なんでも、「ぜひ私に書いて欲しい」という意見が大多数を占めたので、お願いしたい、ということでした。何を根拠にそんなことを言っていたのか、私には分かりませんが、そういうことなら引き受けざるを得ませんから、「いいですよ」と返事を出しました。ニューフィルの時の、「2人の人に断られたので、しょうがなく私にお願いした」というのとは、かなり状況が違いますからね。
 でも、逆にそんな投げやりな依頼の方が、好き勝手に書けるので書きやすいかな、という面はあります。ただ、実際に書く段になったらなかなか手ごわいことが分かってくるわけですが。それに比べたら、今回のものは最初からかなりのプレッシャーがあるものでした。そんな依頼の仕方だと「良くできて当たり前」のような感じに思えてしまうじゃないですか。しかも、指定された曲が非常に有名な合唱組曲、はっきり言ってポイントの絞りづらい、とても書きにくいものだったのですよ。正直、こういうベタな合唱曲というのは、歌うのも苦手、ましてそれについて書くなんて、まわりにはもっともっとよく知っている人がいることが分かっているだけに、非常に難しいのです。
 ですから、やはりここは開き直っていつもの調子で書くしかないと思ったとたん、なんだかスラスラと筆が進んで、その日のうちに殆ど出来上がってしまいました。締め切りにはまだまだ余裕がありますから、しばらく寝かせて推敲を重ねましょう。
 そして、もうこれ以上手を加えても何も変わらないという状態になったので、おととい、完成品として送りました。送ったあとは、編集担当の人が手を入れるなりなんなり、勝手にやってくれ、という感じでした。ところが、その編集担当者は、その原稿を合唱団の役員全員に転送してしまったではありませんか。なんでも、毎回そうやって全員のチェックを受けているのだとか。そんなこと、聞いてませんでしたよ!いやあ、こんな恥ずかしいことはありません。出来上がって印刷されたものを見てもらうのは一向に構わないのですが、こんな、まだ密室の中で扱われるものだと思っていたものが、そんな多くの人の目に触れてしまうなんて。ほんと、ニューフィルでこんなことをやったら、確実に書いてくれる人がいなくなりますね。
 それに対して、役員の人たちはコメントを全員に返信してきますから、こちらはまさにまな板の上の鯉、ですね。さいわい、「こんな原稿では、せっかくの演奏会にふさわしくない」という意見はひとつもなく、割と気に入ってもらえたようなので、一安心です。中でも「演奏を聴いてみたくなるような原稿」と言ってもらえたのが、大変嬉しいものでした。そう感じてもらえれば、ライター冥利に尽きるというものです。
 あ、その解説を読みたい方は、ぜひ3月のコンサートにいらして下さい。
aventure number : 1093 date : 2008/1/10


今日の禁断 団費

 篠崎靖男さんと共演したのは、いったい何年前になるのでしょう。ちょうどリハーサルをしている時に、フィンランドでの指揮者コンクールで入賞されたと思ったら、その時の審査委員長サロネンの推薦で、ロス・フィルのアシスタント・コンダクターに就任したのでしたね。しかも、そのロス・フィルでは、定期演奏会に客演予定のハンス・フォンクが急病のため、急遽代役でその定期を指揮するという、まるでかつてのバーンスタインのようなシンデレラ・ボーイを演じることになってしまうわけです(当のフォンクは、その後まもなく亡くなってしまいました)。
 その篠崎さん、最近ではロンドンを本拠地にして世界中で活躍されていますが、毎年欠かさず私宛、と言うか、ニューフィル宛に年賀メールを送ってきて下さいます。今年は身内にご不幸があったということで、年賀ではなくクリスマス前に届きました。

 昨年の年賀メールにあったように、篠崎さんは現在フィンランドの「キュミ・シンフォニエッタ」というオーケストラの芸術監督をなさっています。そのコンサートのポスターの前での写真ですね。これに返事を出したら、個人的に返信が来たのにも、いつもながら感激です。フィンランドでのコンサートの帰り、ロンドンへ向かう機上でのメールだということです。その中で「いつの日か、再び音楽をご一緒できればと願っております」と、今でもニューフィルのことを気にかけて下さっているのが素晴らしいことですね。実際、大学のオケなどは今でも指揮されているようなので、本当に機会があればまたぜひご一緒したいものです。同じメールで、私が吹いたブラームスの4番の第4楽章のソロを「とても印象深く覚えております」とおっしゃって下さっているのは、もはや私にとっては生きる支えです。
 そんな、かけがえのないニューフィルの、今日は団員総会でした。確か、去年は「コール青葉」の練習があったので休んでしまったのですよね。やはり、年に一度の大切な総会ですから、きちんと出ておかないと。普通は1時間足らずで終わるものが、今回はちょっと面倒くさい議案もあったので2時間ほどかかってしまいました。でも、そのあとに控えている新年会(実は、こちらの方がメインだったりして)が始まるまで無駄に時間をつぶす必要もなくなって、かえって都合が良かったりします。
 ちょっと怪しげなビルの中にあるそのお店は、ちょっと小振りのダイニング、全くの貸し切り状態で、ゆったり座りながら料理や飲み物を楽しめます。そこで、いつものように飲めない私がソフトドリンクを物色してみると・・・

 なんと、いまだかつてなかったような、ノンアルコール類の充実ぶりではありませんか。すっかり嬉しくなって、となりに座ったやはり飲めないしできさんと一緒に全種類制覇に挑戦です。

 これが「シャーリー・テンプル」。ジンジャー(神社)で割っているのにテンプル(寺院)なんですね、などという話で盛り上がります。しかし、このノンアルコール・カクテル、なんだか適当にその辺にあったものを混ぜただけ、という、正直甘ったるすぎて付いていけないものでした。「トマトミルク」は最悪でしたし。
aventure number : 1094 date : 2008/1/12


今日の禁断 市立病院

 きのうは朝の5時に起きて、東京まで行ってきました。まだ薄暗く、小雪が降りしきる中、寒さをこらえながら車を運転していると、他に走っている車など殆どありませんから、なんだかわびしくなってきますね。そんな早起きしたのは、「コール青葉」の練習が、10時から下丸子にある大田区民プラザで行われるからです。そこに行くには東京駅から京浜東北線で蒲田まで行き、そこで東急電鉄に乗り換えなければならないためです。何年か前に、愚妻の道案内で行ったきり、どのぐらい時間がかかるものかもすっかり忘れていますから、始発から何番目かの新幹線に乗らないと不安だったのですよ。
 車中では、ひたすら楽譜を読んでいました。なんせ、いつも楽譜を見るのは練習の時だけですから、じっくり音を確かめたことなど殆どないという状態、ここは東京まで行くのですから、最低限恥をかかない程度に音を取っておかなければいけません。
 午前中はパートごとの音の確認、それから30分で食事を終えて(外で食べたらギリギリでした)午後からはいよいよ小原さんのピアノとの初合わせです。今回は4ステージのうちの3ステージまでが小原さんとの共演、大変です。中でも、最後のステージは、まさに合唱と小原さんとで一緒に作り上げていくものですから、初回から「対決」という感じ、指揮者とピアニストが真っ向からぶつかり合っていましたね。

 帰ってきた次の日は、仙台は「どんと祭」でした。街に行ってみると、お昼過ぎから「裸詣り」の一行が、商店街を練り歩いています。目に入ったのは、殆どが女性という一団。裸詣りですから、女性も裸だと嬉しいのですが、あいにくこんな半纏のようなものを着ていますので、よこしまな気持ちがわいてくることはありません。

 手に手に鐘を持っていますから、それを全員で鳴らすととても打楽器とは思えないふわっとした音が聞こえてきます。そんな音が町中に鳴り響くのがいかにも「お祭り」という感じがしていいものですね。この人たちはそのままここからは北西の方角にある大崎八幡宮まで練り歩くのでしょうね。おそらく、一番町をまっすぐ北上、定禅寺通りに突き当たったら西に向かって西公園まで行き、そこからさらに北上、大学病院前で西に曲がって八幡町、というコースなのでしょうね。あるいは、西公園まで行かないで、国分町から北に向かうとか。
 市役所前の駐車場に車を置いてあったので、そこへ向かっていると、後ろから「愛○会」という、多分某政治家を応援する団体の裸詣りがやってきました。先頭の羽織袴姿(この人だけは裸ではありません)が、やけに横柄な態度で、信号待ちをしている私の横で「そこをどけ」みたいな顔をしています。意地でもどいてやるもんですか。しかし、この信号は道の東側、神社へ向かうのなら西側の方が近いのに、と、ちょっと「?」がよぎります。信号が変わると同時に、一行は我が物顔で横断歩道を渡っていきました。そしてそのまま、市民広場を横切って市役所の方へ歩いていきます。その先には、なんとチャーターバスが止まっているではありませんか。てことは、連中はバスに乗って神社のそばまで行くのですね。きっと、バスの中はガンガンに暖房が効いていることでしょう。
aventure number : 1095 date : 2008/1/14


今日の禁断 TOTO

 さる友人が、お正月の初売りで42型の液晶テレビを買ったのだそうです。それで見たのが「のだめ」ヨーロッパ編。それで初めて「のだめ」を知ったというのですから、今どき、ですね。そこで、こんなに面白いのだからと、前の連続ドラマも見たくなり、自他共に認める「のだめ」マニアの私に目を付けました。「録画してますか」と聞いてきたので、「もちろん、DVDになってます」と教えてあげました。ただ、私の場合地デジで見ていたのでこのDVDにはCPRMがかかっています。この略語、たしかContent Protection for Recordable Mediaというものだったと思いますが、要するに不正コピーを防止する仕組み、これに対応したプレーヤーでないと再生できないようになっています。さらに、コピーできるのは1回だけ、それに伴って元のデータはなくなってしまうという、厳しいものです。まあデジタルでコピーしたときには全く同じものが出来るということになっていますから、むやみにコピーされたらたまらないという猿知恵なのでしょうね。ともかく、友人のプレーヤーがそれに対応しているかどうかはしっかり確認しなければなりません。以前、普通のDVDプレーヤーしか持っていない人に貸してあげたら、「かからなくて、悲しかった」といわれてしまったこともありましたし。さいわい、友人はテレビと一緒に最新のHDDレコーダーを購入したということで、まずは大丈夫のはず。
 すぐにでも見たいような感じだったので、北中山の自宅まで届けてあげました。すぐに見てみたようで、「ちゃんとかかります」というメールが返ってきましたよ。
 ところが、です。毎晩毎晩楽しみにそのDVDを見て、大いに「のだめ」を楽しんでいたところ、6話目になったら全くディスクが認識されなくなったというのです。そんなわけはないと思いつつも、ちょっと思い当たることもあったので、とりあえずそのディスクを送り返してもらいました。おそらくファイナライズをしていなかったために、他のプレーヤーではかからないのだろうと思ったのです。たまに忘れることがありますから。
 しかし、そのディスクを私のプレーヤーに入れてみると、やはり全く認識されません。なんということでしょう。おそらく生ディスクが不良だったのでしょうね。なんでも、CPRMのディスクには1枚1枚コードが振ってあるのだとか、そんな精密なものですから、それは十分にあり得ます。ということは、もはやここにコピーしたドラマは、なくなってしまったということになりますよ。なんと恐ろしい。コピーした結果、その先が不良品だったためにかけがえのない映像が消えてしまうということが、現実に起こっているのですよ。ブルーレイとかの技術競争も結構ですが、こういう基本的な性能を確実なものにしてからやって欲しいものだった、と切に願うところです。
 唐突ですが、「ウォッシュレット」は十分に家庭でも使用できるほどに性能も価格も安定してきたと判断し、我が家でも導入しました。最近ではスーパーなどでも完備してますしね。ただ、どんなメーカーの便器にも装着できるように、配管のパイプは長めになっています。ですから工事の人はこんな風に曲げていきました。これって、「テルミン」に似てません?
aventure number : 1096 date : 2008/1/16


今日の禁断 のだめ

 今、新しいコンテンツをアップしたところです。ほんの10日ほど前に作ったばかりだというのに、この早さは一体何なのでしょう。実は、今回のネタはだいぶ前に考え始めていたものが、なかなか筆が進まないでいたところに別のネタが降ってわいたために、後回しになってしまったというものです。最近は、こういう同時進行のケースがずいぶん多くなっています。そのせいで、きのうあたりには「おやぢ」の原稿が1日で3本も出来上がってしまいましたよ。
 今回のネタは、「トリスタン」。この前書いたように、ついにニューフィルでも「前奏曲と愛の死」を演奏することになったので、その記念、というか、そもそもは「かいほうげん」でメンバーのみんなのために分かりやすいあらすじを書く、というのが、ことの発端でした。しかし、聴きなれたオペラなので、あらすじなんて簡単に書けてしまえそうだったのが、いざ書き始めてみるとなかなかうまくいきません。ガイドブックを参考にしても、どうもその文章自体が何を言っているのかさっぱり分からないところがあって、結局は自分で台本を読んだ上で細かいところをチェックしなければ、本当のところは良く分からないのだと言うことが分かりました。あ、もちろん「台本」とは言っても、ワーグナーが書いたドイツ語のものではなく、きちんと日本語に訳した「対訳」ですから、ご安心下さい。そこで、今さらながら、つい最近お亡くなりになった渡辺護さんの偉大さを再認識することになるのです。
 ただ、そこまで調べても、結局納得のいかないプロットも出てきてしまいました。ワーグナーの台本だけでは、いまいち主人公二人の行動の動機がはっきりしないのですよね。これは、この前に、全く異なるストーリーの映画版「トリスタン」を見てしまったせいなのかもしれません。
 「かいほうげん」に載せるときには、いつも一工夫して、登場人物をマンガのキャラクターに置き換えていました。ヴェーヌスが藤原先生なんて、かなりシュールでしょ?それをサイトにアップするときにも、そのままやっていて、かなりの好評を得ていたのですが、ある時から、こんなご時世ですからちょっとヤバそうなことは避けようと、それらを全て削除してあります。著作権や肖像権などと、文句を付けられたくはありませんからね。とは言っても、今回はとりあえず面白かったのでそのまま掲載してあります。ある時期が来たら、自主的に削除するつもりですが、忘れていてそのままになっているかもしれません。まあ、それはそれでいいのではないかと、最近では鷹揚に構えているのですが。ほんと、ブログや動画サイトなどは、まさに無法地帯ですからね。
 実は、もう一つ「同時進行」しているものがありました。それはこの前の総会の議事録のMD起こしです。他にいろいろ面白くてすぐにやりたいことが出てくるので、こういう地味な仕事はつい後回しになって、遅々として進みません。
aventure number : 1097 date : 2008/1/18


今日の禁断 八文字屋

 このところの年中行事となった「男の合唱まつり」が、今年もいつもの会場で開催されました。いつもと同じ青年文化センターなのですが、去年とはひとつだけ違っていることがあります。それは、再三ここに登場している駐車場。大きな駐車場が隣接して建設されたため、今までのような不便なことが、おそらくは解消されることでしょう。つまり、車で会場に行くためには、かなり早めにセンターの駐車場に入れないことには、もう停められなくなってしまうというものです。もちろん、一度入れた車を出したりしてしまうと、もう二度と入れることは出来ません。10時頃に入れたっきり、ほんの20分ほどのリハーサルがあるだけで、あとは本番が始まる12時まで、このセンターの中で時間をつぶさなければいけなかったのです。しかし、今回は、おそらく車を出してどこかに行ってきたとしても、たとえ開演間近であっても、必ず駐車場には入れられるはずだ、という確信のようなものがありました。
 リハーサルは10時10分から、「楽屋3」ということでした。これは、コンサートホールの楽屋のこと、こんなところでリハーサルなど出来るのでしょうか。不審に思いながらも、このセンターの駐車場の前を、楽々「空車」という表示があるにもかかわらず素通りをします。そして、いつも入れているスーパーの上の駐車場に直行です(余談ですが、このスーパーは「スーパービッグ」という名前です。考えてみたらものすごいネーミングですね)。もちろん、ガラガラだったのですぐにとめられました。そこからホールの裏側へいこうと思ったら、バッタリ会ったのが元ニューフィルの同じパートのKくんでした。そう、彼は高校の先生で、最近は合唱部の指導もしているのですね。確か、おととしも一緒になりました。
 確かに、「楽屋」にはメンバーが集まっていました。この鏡だらけの部屋でリハーサル、結構良い響きがするものですね。写真を撮ってみたら、私自身も写っていました。

 そのあと、「スーパービッグ」でお昼ご飯を買って車を出したら、駐車料は無料。本屋さんに行って帰ってきても、予想通り楽々とめることが出来ました。
 本番の前に、演奏順を決める抽選会です。今年の出場グループは全部で37、年々増えていてお客さんもこのホールでは入りきらないほどになっていました。その中で、ひいた順番は26番でしたから、かなりの団体を聴くことが出来ますね。と思ったら、2番目をひいたグループとのトレードが成立したとかで、順番が入れ替わり、我々が2番目に歌うことになってしまいました。それを知らないで、家へお昼ご飯を食べに帰って、とうとう本番に間に合わなかった人がいたそうです。

 その本番は、去年に比べると、ずいぶん人数が増えています。この間一緒に演奏した現役の学生も3人混ざっていますし。
 2曲目の頭で、ちょっと焦ってフライングをした人がいたので(実は私も)、もう1度やり直すというハプニングもありましたが、まずまずの出来ではなかったでしょうか。あとは、もうゆっくりと半分ぐらいまでよその演奏を聴いてきました。本当に素晴らしいと思えるものは確かにありましたが、「あんな風にだけはなりたくない」というような、ちょっと聴いていてつらくなるようなものが殆ど、本人達は楽しんでやっているのですから、それはそれでいいのでしょうがね。「他山の石」でしたっけ。
aventure number : 1098 date : 2008/1/20


今日の禁断 見学

 懸案だった総会議事録が、やっと出来上がりました。一度弾みがつくと難なく出来てしまうものなのですが、そこにたどり着くまでが難儀というか、億劫というか。というか、録音していたときには確か1時間半ぐらいかかっていたと思っていたので、その長さにちょっとおそれをなしてしまっていたのですよ。実際に聴き直してみると、後半はかなり雑談っぽくなってきて、そんなにタイプをしなくても構わないようなないようだったので、そのあたりはただ聞き流すだけで済んでしまったというわけです。ですから、原稿に起こしてみても時間が長かった割りには正味2ページ半と、そんなに長いものにはならなかったのです。
 これさえ出来てしまえば、あとはいつものペースが戻ってきますから、「おやぢ」のための原稿を気兼ねなく書くことが出来るようになります。だいぶ前に手に入れていたものがあって、もう聴くのはやめようかと思っていたものが、実際聴いてみるとなかなか突っ込みどころがあってたちどころに原稿が仕上がってしまうのは、そんな快調なペースを取り戻せた証しでしょうか。
 その調子に乗って、「かいほうげん」も作り始めてみることにしました。実は今回はネタが多すぎて、逆に困っているところです。そのせいで、とうとう、毎号連載していた「お茶ペン」を入れるスペースがなくなってしまいましたよ。もし、今週中にJAOのレポートがだれかから届くようなことがあれば、この前みたいに20ページにして、入れることは出来るのですが。つまり、このところのサイトのコンテンツが沢山あって、それがとても1回では収まりきれないほどだという、嬉しい悲鳴です。
 ですから、写真さえ今日中に手に入れられれば、なんの問題もなく来週は発行できるという段取りになってしまいました。つまり、その被写体の人たちがちゃんと練習に出てきてくれるかどうかというのが、鍵を握ることになってくるのです。
 さいわい、「素顔の団員」の担当の人は、早々とやってきてましたから、合奏が始まったときに写真を撮れました。「三角帽子」のフルートパートは、3回目にしてやっと本吹きの人が来てくれたので、やっと私は本来のパートに解放され、ヒマになったので、そんなことも出来るようになりました。この曲、ずっと2管で2番がピッコロ持ち替えなのですが、なぜか最後の部分だけが3管になるという、吹く人のことを全く考えていないオーケストレーションになっているものですから、その3番を吹く私はとても不思議な待遇に耐えなければならなくなってきます。
 そんなことをしながら、もう一人、「新入団員」がやってくるのを待っているのですが、なかなか現れません。同じパートの人に聞いてみても、来るかどうか分からないというのです。結局、最後まで顔を見せなかったので、仕方がありません、昔、最初に入団したときの(今回は再入団)写真がどこかにあるはずですからそれを使うことにしましょうか。でも、ありえないかもしれませんが、もしかしたらだれか最近のその人の写真を持っているかもしれないので、一応聞いてみたら、なんと、楽器ケースにその人と一緒の写真が入っているではありませんか。これだったら全く問題なく使えます。こんなにうまく物事が運ぶなんて、やっぱり煩わしいものから解放されたせいなのでしょうか。
 あ、それから、またまたヴァイオリンあたりに新入団員がやってきそうな気配、どうやら、ひところの危機は脱したようですね。
aventure number : 1099 date : 2008/1/22


今日の禁断 スミス

 最近はお休みの日には殆ど合唱の練習が入るようになってしまいましたから、このところ映画館で映画を見ることがめっきり少なくなっています。いちばん最近がこの間の「続三丁目」だという具合ですからね。そのうち、せっかく貯めたポイントも無効になってしまうかもしれません。
 その代わり、録画してあった映画を見ることになるのですが、どうも最近は「外れ」ばかり、半分ぐらい見たところで、これ以上見るのはとても耐えられない駄作だったということに気づき、削除してしまうというのが何本あったことでしょう。そうなると、そこまで見ていた1時間は、なんと無駄な時間だったのかということになります。
 昨日見てみた「ニュー・ワールド」も、おそらくそうなる運命にあったのかもしれません。前半はなんとも退屈な展開で、何度これ以上見るのはやめようと思ったことでしょう。しかし、それをしなかったのは、ひとえにその音楽のせいでした。最初のタイトルで「音楽:ジェームズ・ホーナー」とあったので、「タイタニック」みたいなものかな、と見始めたところ、いきなりなんだか馴染みのある音楽が聞こえてきました。ホルンが上向のアルペジオを重ねていくという、確かに今まで何度となく聴いたことのあるものです。まさか、とは思いましたが、これはワーグナーの「リング」の出だしの音楽ではありませんか。つまり「ラインの黄金」の前奏曲とそっくりの音楽。あのホーナーともあろう人が、こんなバレバレのパクリをやっているなんて。
 と思ったら、それはしっかり、ラインの乙女たちの歌の直前で終わりました。ですから、これはホーナーの作ったものではなく、別の音楽を「使用」したということになるのでしょう。おそらく、エンドロールではしっかりその音源が紹介されることでしょう。もう1曲、モーツァルトのピアノ協奏曲もそのまま使われていましたから、ホーナーの仕事は結局そんなに多くはなかったことになります。「ライン」は全部で3回は登場しますから、まさにメイン・テーマ、まるで「2001年」の「ツァラ」みたいな使われ方ですね。
 ただ、この音楽の本来の使われ方が体の芯まで染みついている私としては、これが流れ始めるとこの次には半裸の水の精が現れるのでは、と期待してしまいます。確かに最初のシーンでは、ポカホンタスが川の中で泳いでいましたから見当外れではないのですが、その他のところではちょっと違和感が。
 お話は、ディズニーのアニメにもなったそのポカホンタスの物語。開拓に訪れたイギリス人と、アメリカ先住民の娘とのラブ・ストーリーがメインですが、もちろんそれを取り巻く史実も丹念に描かれています。しかし、西部劇ではありませんがその視点はあくまで侵略者サイドのもの。今のアメリカという国がこんな人たちの苦労から始まったのだ、という美談臭が鼻についてしょうがありませんでした。
 エンドロールには確かに使われた曲のリストがありました。しかし、ハイビジョンではない悲しさ、その文字は殆ど読むことは出来ませんでした。なんか、オランダの名もないオケのよう、指揮者の名前すら書いてなかったような。
aventure number : 1100 date : 2008/1/24

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