1061(07/11/9)-1080(12/15)

今日の禁断 人力車

 この間京都に行った時には、ついでに劇団四季のミュージカルを観てきました。京都で「ジーザス・クライスト・スーパースター(ジャポネスク・バージョン)」、東京で「ウェストサイド物語」というハードなスケジュールです。別に狙ったわけではないのですが、見事に今観たかったものが各地でかかっていたというわけです。特に「ウェストサイド物語」は、ついでがなくてもぜひ観に行きたかったものですし。
 京都の会場は、京都の駅ビルの中にあります。改札を出て右手にこんなに目立つ看板がかかっています。この下の赤いカーペットをたどっていくと、劇場の入り口にたどり着きます。

 初めて行ったその「京都劇場」は、恐ろしく天井の高い、長方形の内部でした。ちょうど中野サンプラザを小振りにしたような感じです。中野サンプラザといえば、このプロダクションが初演をしたところ、なにか因縁のようなものを感じてしまいました。
 「ジャポネスク・バージョン」を観るのはこれが3度目になるのですが、ユダ役の人は全く知らない名前の人。でも、今まで聴いた他の人とはちょっと違った繊細な感じでなかなか好感が持てました。あとで調べてみたら、この方は韓国の方。最近芸名を日本人っぽく直した人でした。この人なら、前に何回も他の役で聴いていたはずです。
 演出はもうしっかり固まっていて、今さら変更するところもないと思っていたら、ヘロデ王のシーンで全然衣装の違うキャストがでてきたのでちょっとびっくり、東京ではなんとも下品ないでたちだったものが、ちょっと取りすましてお上品なものに変わっていました。この演出の象徴とも言うべきこのキャストなのにどうしたことかと思ったら、これは何と「京都バージョン」だったんですって。これはこれで、得難い体験だったのですが。
 次の日は、「秋」で「ウェストサイド物語」です。最近新しいCDが出た時に、「Somewhere」を役名のない人が歌っていたので(スコアには「a girl」と書いてあるだけ)、いろいろ前のCDを聴いたり、DVDを引っ張り出して映画を見直してみると、この前後が舞台版と映画では全然違っているのが分かりました。ですから、まずはその相違点を実際にステージで確認するというのがチェックポイントになります。その他にも、「America」では女声だけだとか(映画は男声と女声の掛け合い)、「I Feel Pretty」が歌われるシーンが違うとか、本当は昔々に観ていたはずなのに新鮮な発見が沢山ありました。それよりもなによりも、圧倒的なダンスには心底感服です。そして、歌のあまりのひどさにもがっかり。このあたりの詳細は、一緒に行ったヒレカツ先生が久しぶりにこちらで健筆を奮っていますのでご覧になって下さい。そこからリンクして、私は舞台版と映画版の違いをまとめてみました。
aventure number : 1061 date : 2007/11/9


今日の禁断 裕次郎

 まずは、ブログのキリ番のお知らせです。2ヶ月ちょっとで1万でした。

 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を見てきました。前作があれ程の完成度を見せていたのですから、当然その続作は大きなハンデを背負うことになります。しかし、出来上がったものはそんな気負いなど全く見えない前作と同じ世界、淡々と描かれたあの時代には、さらに涙腺を刺激するものがてんこ盛りでした。

 まず、スタッフ、キャストは前作と全く同じというのですから、ちょっとすごいものがあります。中でも、子役が、あれから2年経っていますから、果たしてどうなるのかと思いましたが、ギリギリでセーフ、淳之介くんの声がちょっと変わってきたかな、ぐらい、おそらく、2年後に同じキャストを組むのは無理でしょう。その代わり、新しく登場した「ミカちゃん」がなかなかでした。原作に出てくるミカちゃんのイメージそのものなのですよ。最初はタカビーだったものが、次第にお手伝いなども進んでやるようなお利口な子になったのには、平田満でなくてもウルウルです。
 前作ではオープニングですっかり引き込まれてしまいましたが、今回は全く別のやり方でインパクトを与えてくれました。ネタバレ(もうすでに出してしまいましたが)を避けるために、極力詳細は控えますが、これこそ白組の本領発揮というとんでもないキャラクターが、まず大暴れしてくれました。
 ストーリーは竜之介を中心に進んでいきます。川渕社長が淳之介くんを引き取りたいとやってくるのはある程度予想された展開、その社長がらみで出てくるのが、あのころの国際空港、羽田です。実は私は、この頃実際にこの空港へ行ったことがあるので、懐かしさもひとしおです。そう、あの手すり越しに、父親の乗ったJALを見送ったのですよ。そして、そこにいるのがなんとJALの「DC4」ではありませんか。もちろんCGですが、なんというリアルさでしょう。そのプロペラ機が、実際にアメリカへ向けて飛びだつのですから、すごいものです。もっとも、このDC4は国内線にしか使われなかったそうですから、それに乗って「アメリカへ商談」へ行くというのはおかしいのでは、と突っ込まれそう。
 CGといえば、数寄屋橋の日劇と朝日新聞社もすごいものでした。東京駅も、もちろん昔の姿、そして、今回の主役、日本橋です。橋の上を都電が走っているだけという、今の姿からは想像も出来ない質素なたたずまい、「この上を、高速道路が走るんだぜ」という一平くんの言葉によって、それからこの場所が、そして東京が、いや日本全体が完膚無きまでに変わってしまうことを予言させているというのが、今回込められた最大のメッセージでしょうか。それは、アクマ先生がもう一度狸に化かしてもらおうと焼き鳥をかざして狸を呼び出そうとしている(と書いているだけで、涙目になる私、なんと良くできた設定でしょう)空き地が、いつの間にか建設現場に変わっていたというシーンともリンクしています。今回の「夕日」は、心なしか精彩がありません。それは、この幸せな世界がやがて消え去ってしまう日を暗示しているように見えて、仕方がありません。
 前作同様の号泣ジェットコースター、ティッシュやハンカチのご用意はお忘れなく。
aventure number : 1062 date : 2007/11/11


今日の禁断 粟野

 毎年3月に東京のオペラシティでコンサートを開いている「コール青葉」ですが、来週には恒例の合宿が行われることになっていて、いよいよ練習も佳境に入ってきます。ここのメンバーの連絡用に、会員専用の掲示板があって、そこはいろいろな話題でにぎわっています。そこに、最近面白い投稿がありました。
 メンバーは大半が東北地方出身者ですから、そこでは良く方言のネタが話題になります。そんなスレッドに投稿してきたのが、現在は石巻市になってしまった河南町出身のメンバーです。なんでも、彼の務めている丸の内のオフィスビルの地下に鰻屋さんがあるのだそうですが、そこのマスターがやはり石巻出身だというのです。そこでは、毎週石巻の「ささかま」を取り寄せたりして、宮城県出身者のたまり場のようになっているのだそうです。ですから、気さくにいろいろな話をしているのでしょう、そこでマスターの素性が語られることもあり、バンドを作って演奏しているミュージシャンであるとか、今年の定禅寺ジャズ・フェスティバルにも出演したとか、なかなかユニークな人だということが分かってきます。
 そして、なんと、彼はあの「青葉城恋唄」を作詞した人だという驚くべき事実も判明します。作曲をして歌っていたさとう宗幸さんとも、もちろん親しいのだとか。今度のコンサートにはこの曲も歌う予定なので、格好のネタになるわけです。
 しかし、私にはちょっと納得がいきませんでした。その投稿によると、年齢が50才ちょっとという感じなのですが、この作詞家、星間船一さんという方は、どう考えても70才は超えているはずなのですよ。というのも、この歌がブレイクして紅白などに出たのが今から30年近く前のことなのですが、その時に一緒に出てきた星間さんは、見かけこそ若作りでしたがすでに40才を超えていたのですからね。
 その事を同じスレッドに投稿しても、そのメンバーはめげませんでした。70才に見えないこともない、とか、そんな嘘をつくような人には見えないと、頑張るのです。
 それで、話はうやむやになるのかと思っていたら、とんでもないところから事実が分かることになりました。メンバーにはマスコミ関係者で、当のさとう宗幸さんとも知り合いという人がいて、その人が直接さとうさんに聞いてみたところ、やはりそれは別人だろうというメールが帰ってきたのです。掲示板でそのメールを紹介しているのですが、「本物」の星間さんは、そんなバンドなどをやるような人ではなく、現在は宮城県に住んでいるということ、そして、その嘘が悪用されなければいいとも書いてありました。
 そんなわけで一件落着、やはり私の勘は正しかったことになります。そんなことも知らずに、その鰻屋のマスターは、今でもお客さん相手にホラを吹きまくっているのでしょうね。ちなみにこの鰻屋さんは、日本ビルの地下1階にある「明日香」というお店です。
aventure number : 1063 date : 2007/11/13


今日の禁断 DENON

 私にとってCDプレーヤーは殆ど日常必需品、これがないことには生活できないと言っても過言ではありません。その、10年以上使ってきたCDプレーヤーが、最近ちょっとヤバくなってきていました。ピックアップがそろそろ寿命なのか、頻繁にドロップアウトを起こすようになっていたのです。気持ちよく聴いていると、突然音楽が止まってしまうという、あの現象ですよね。ただ、これはある程度ウォームアップを行うと、かなり改善出来てはいました。音を出さないでCDを回していると、時々「カリカリ」とか言って止まっていることが分かります。ひどいときにはそのまま「NO DISC」という表示になってしまうこともあります。しかし、もう1度入れ直してスタートすれば、また再開、そんなことを30分ぐらいやっていると、何ごともなく使えるようになりました。もう一つ、プレスのCDではなんともないのが、CD−Rの場合、ノイズが入ることもありました。最初のうちは、これはダビングの際のエラーだと思って、捨ててしまったこともありましたが、同じものをもう1度かけるとなんともないこともあったので、プレーヤーの方に問題があると分かったのです。
 そうやって、だましだまし使っているうちに、症状は悪化する一方、ついに、どんなことをしても止まったまま動かなくなるようになってしまいましたよ。パソコンからアンプにつないでいますから、最悪それで音を出すことは出来るのですが、これはただ音が出ているというだけ、とても今のプレーヤーから得られるクオリティは確保できません。私のように、CDを通して演奏家の息吹までも感じ取ろうとしている人にとっては、なんとも物足りない音なのですよ。
 そこで、この際新しいプレーヤー、それも、SACDもかけられるものを買うことにしました。以前から目を付けていたものがあったので、ヨドバシへ向かいます。そこで、現物を見たところ、このメーカーのプレーヤーには、ステレオ出力しか付いていません。SACDの売り物であるマルチチャンネルには対応していないのです。私の場合、サラウンドは全く考えていませんからこれで十分なのですが、やはりせっかくのものが使えないのはちょっと残念、しかし、お店の、ちょっと音にうるさそうな店員さんの言うことには、今のマルチチャンネルはかなりひどいもののようです。問題は、2チャンネルで録音してあったものをマルチに直したもの、本来なかったものを加えるのですから、どうしても不自然になってしまいます。ここは、敢えてピュア・オーディオにこだわってマルチチャンネルなどはなから相手にしていないこのメーカーの心意気を信じて、予定通り購入です。
 今まで、ハイブリッドCDはたくさん買ってきましたから、ソースには事欠きません。とっかえひっかえ、それらのものを、CDレイヤーとSACDレイヤーとを切り替えて聴きまくってみました。その結果分かったことは、SACDに使われているDSDという録音フォーマットの、とてつもない性能です。単に数字を見ただけでも、サンプリング周波数はおよそ50倍、つまり、50倍滑らかな波形を再生できると言うことなのです。周波数特性も、CDが20KHz止まりだったものが100KHzまで延びています。それだけではなく、さらに波形を滑らかにする工夫もあるのだとか。その結果、音を聴いたときの滑らか感と、倍音の含まれ方がまるで違うのですよ。CDでもそれなりに頑張って一生懸命出してはいるのですが、同じものをSACDは完璧余裕で再生してくれるのですからね。
 この音を聴いてしまうと、今までのCDの音のなんと平板なことか。DSD−SACDというフォーマットは、間違いなくアナログ録音を超えたものであることが実感できます。しかし、現実にはこれを積極的に取り入れようという動きはメーカーにはほとんどありません。そもそも、SACDでは音の良さではなく、サラウンドのメリットばかりが強調されていますしね。
aventure number : 1064 date : 2007/11/15


今日の禁断 法華クラブ

 私の大学の合唱団のOBというのは、私のように「コール青葉」といったようなちゃんとした合唱団に所属している人もいますが、そうではなく、この間の「100周年」のように、何かあるときにだけ集まるというような人もたくさんいます。最近はコール青葉の活躍などが各方面で知られるようになってきましたから、大学関係者としても何かと注目をしているみたいです。そこで、例えば東京の同窓会の集まりなどに「ちょっと歌ってくれよ」みたいなノリで良く声がかかるようになっているそうです。
 それの仙台版でしょうか、こちらは合唱団OBの人が関係している学部の同窓会総会の席で、やはりアトラクションとして合唱団になにか歌って欲しいというオファーがありました。その本番がきのうあったので、私も行ってきました。
 集まったメンバーは、普段こういう機会があると顔を出す人を中心に、15人ぐらいでしょうか。なかなか事前に練習する機会もありませんでしたから、当日集まって、殆どぶっつけでやるということで、楽譜だけは前もって送られてきていました。もちろん、その曲はみんな学生時代にさんざん歌ったレパートリーですから、殆ど暗譜でも歌えるほどのものです。本番の前に少しは練習の時間も取れそうですから、それで大丈夫でしょう。
 会場は、本町にある古いけれど割と立派なホテル、服装は自由で構わないということでしたが、なんせ同窓会の総会ですから、ゲストはまずスーツ姿でやってくるはずです。そこでジーンズにセーターではいくら「自由」といってもちょっと失礼かな、としおらしいことを考え、一応スーツにネクタイ姿で行くことにしました。夕方の時間帯なので、職場から直接行くことになりますから、職場にもスーツ姿ということになります。幸い、このところ急に寒くなったので、上にコートを羽織っていれば、それは分かりませんから要らぬ詮索を受けることはないでしょう。
 ホテルに行ってみると、案の定、メンバーはみんなスーツ姿でした。どうやら、この仲間のドレスコードでは「自由=スーツ」ということなのでしょうね。でも、少し遅れてきた人が、本当に普段着のセーター姿だったので、ちょっとかわいそう、この中では確実に目立ってしまうことでしょうね。やはり、きちんと服装は指示されないことには。
 レストランを借り切って、そこで30分ほど練習が出来ることになりました。そこで一通り通してみたのですが、恐ろしく響かないところだったので、全くハモった感じがありません。みんななんだかかなり「やばい」という雰囲気になってしまいました。愛唱歌とはいっても、結構細かいところで楽譜が違っていたりして、不安は募ります。

 会場の用意も整ったようなので、入場です。見ると、そこは立食パーティーのセッティングでした。てっきりディナーショーのようにみんな座ったところで歌うものだと思っていましたから、これはちょっと意外でした。それより意外だったのは、出席者がかなり少ないことです。広いホールの中にお客さんはせいぜい70人、それが全員立ったままですから、なんとも寂しい感じ。彼らにしても、テーブルの上には料理の山、それを横目に演奏を聴くだけというのも、つらいものがあるでしょうね。
 歌い出してみると、かなり残響のある会場のようで、反響が返ってきますから、割と楽に歌えました。しかし、最後までなんとも乗り切れない雰囲気は続いていたようです。全曲歌い終わっても拍手はまばら、一応アンコールを2曲用意していたのですが、それは歌うことはなく、そのまま退席してきましたよ。一応謝礼を頂いたようなので、それを持ってみんなはビールでも飲みに行って憂さを晴らしたのでしょうが、私はそのまま帰ってきたので、そのあとのことは知るよしもありません。
aventure number : 1065 date : 2007/11/17


今日の禁断 モラゲス

 今年は冬の訪れが遅いのかも、などと言っていたら、夕べから急に寒くなってなんだか細かい雪のようなものが舞っていました。今朝起きてみたらなんとあたりは真っ白、道路は黒くなっていたので車で走るのには支障はなさそうですが、車はこの通り、すっかり雪に覆われていました。

 夕べ、時間があったのでたまったビデオを見てしまおうと選んだのが、つい最近放送されたパリ管です。曲目が「火の鳥」とかラヴェルとか面白そうでしたし。ところが、演奏よりもなによりも、まずその団員の服装にびっくりしてしまいました。遠目には燕尾ではなかったので、マチネーでタキシードかな、と思ったら、ボウタイみたいのをしてます。しかし、襟のあたりはなんだか詰め襟みたいになっています。

 どうやら、これはパリ管の制服のようですね。サイトなどで最近の写真を見てみてもきちんと燕尾を着ていますから、これは最近着るようになったものなのでしょうか。うん、さすがはフランスのオーケストラです。とは言っても、実はこのオーケストラ、創設(というか、改組)されたときにすでに「制服」を作っていたのですよね。アンドレ・マルローの肝いりで、「パリ音楽院管弦楽団」を母体にして新しいオーケストラが出来たときに、ピエール・カルダンがそれまでのオケとはひと味違う味を出そうとデザインしたものでした。しかし、実際にはこの制服はそれまでの燕尾と大して変わったところはなく、ネクタイやカマーバンドにちょっと凝ってみた、ぐらいの違いしかなかったような気がしますがね。
 いつの間にか、このカルダン・スーツは着ないようになっていたのでしょうか。最近ではごく普通の白いネクタイの燕尾という、どこのオケでも採用している「制服」に変わっていたようです。確かに、オーケストラの団員というのは(もちろん男性だけですが)どこでも同じ服装をしていますが、これにはエキストラで行き来するのに都合が良いという事情もあるようですね。ウィーン・フィルの団員がベルリン・フィルにトラで乗る(そういうことは良くあります)時に、同じ制服でしたら自分の服をそのまま使えますから。
 パリ管がこんな、かなりユニークなデザインの制服を決めたのには、どんな事情があったのかは分かりませんが、まずはかなりの英断であったことは間違いないでしょう。とりあえず、似合う人はいいかもしれませんが、こういうものを着ると必ずしも風貌と一致しない人が出てくるのは覚悟しなければいけません。


 打楽器の人などは、なんだか牧師さんのように見えません?桜井センリが「寅さん」にこんな格好で牧師さんの役で出てきたことがありましたよね。ホルンの向かって左の人などは、完璧に顔が衣装に負けていますし。
 この映像には、もう一つおまけがありました。「マ・メール・ロワ」で楽譜通りキーボード・グロッケンシュピールを使っていたのです。これをテレビで見たのは初めてのことでした。

 演奏は、最後の「ボレロ」で、指揮のエッシェンバッハが直立不動で指揮をしていたのが、印象的でした。人をアゴで使っていた、という感じでしょうか。
aventure number : 1066 date : 2007/11/19


今日の禁断 大根味

 旭ヶ丘に新しくオープンしたスーパー「ビッグ」は、火曜日の6時頃になるとニューフィルの団員たちでごった返します。練習会場である旭ヶ丘市民センターを訪れるために車で来た団員は、例外なくこのスーパーの指定駐車場であるパーキング・ビルに車を駐めるのですが、スーパーで買い物をしさえすれば1時間分の駐車料金が無料になるという情報が広まるにつれて、その恩恵にあずかろうとこのスーパーで買い物をする団員が、練習が始まるこの時間になると殺到する、ということになったのです。
 いえ、そんな大げさなものではありませんが、私の場合は普通にウジエスーパーなどで買っている日常品をここで買えばいいだけの話ですから(なんたって、主夫ですから)、ここに来るのはもはや習慣になっています。そして、そこでは必ずニューフルの団員に出会ってしまう、ということ、みんな考えることは同じなのですね。きのうも、駐車場のエレベーターの前で「姫」に出会って、そのまま一緒にスーパーへ行くことになってしまいました。彼女はまだここには入ったことはなかったそうで、入り口に入るなり「わあ!安い」とか叫んで、なんだか山のように買い物をしていましたよ。
 そんなわけで、きのうは角田「第九」に向けての歌伴の練習です。このところ私がこのステージに乗ることはなかったので、久しぶりになります。渡された楽譜は2パート一緒に書いてあって、かなり小さな音符、初見では間違えそうな細かいものなので、なんだか不安です。それに、編曲者が楽器のことをあまり知らないのか、とんでもない音を使っていますから、ちょっと面食らってしまいます。ハイDで長く伸ばせ、とか。前半は練習指揮者が、そんな不安を解消するように軽く流していきますが、金管には凝っている割りにはあまり効果がないような処理がしてあって、そこでつまずいたりしています。
 そのうちに、角田からの指揮者と、それと一緒に合唱団の方でしょうか、女性が3人ほどやってきました。この編曲では途中でナレーションが入るのですが、おそらくそのためのナレーターの方でしょうか、いかにもそういうことが似合いそうなおねえさんが、その中にいましたよ。
 休憩の間に、なにやらお菓子のようなものが回っていました。あとで聞いたら、それは角田からのお土産だったのだそうです。クッキーとかチョコレートとか、おいしそうでしたが演奏前なので、パスです。
 角田の合唱の先生(実は、私の先輩)による合奏が始まると、時々先生は合唱のパートを歌いながら指揮をなさっていました。「エーデルワイス」とか。確か、テナーだったはず。まともに聴くのは初めてでしたが、なかなかきれいな声ですね。通していくうちにボロが出るところもありましたが、本番までにはみんなきちんとさらってくることでしょう。
 実は、「第九」に出るのはフルートパートは2人だけ、あとの2人は都合が悪くて欠席なのですが、この日には次の定期の楽譜などをもらいにやってきていました。そのうちの1人H子ちゃんは、「『ウェスタン』の楽譜、もう来てますか?」と私に聞くのです。そんな曲あったっけ、グローフェやコープランドは今回は演奏しないはずなのに。でも、ちょっと思い当たるものがあったので、まさかとは思いつつ「それって、『トリスタン』のこと?」と聞いてみたら、「あっ、そうそう、『ウェスタン』じゃなくて『トリスタン』でした」ですって。これからこの曲を聴いたり演奏するときには、頭の中にカウボーイの姿が浮かんできそう。
 終わったときに、「角田からのおみやげです〜」と、さっきのとは別の紙袋に入った大量の「のど飴」が配られました。みんながすこしずつ持っていってもまだ一杯残っています。オーケストラのメンバーになぜ「のど飴」が配られるのか、いまいちよく分からないところがありますが。
aventure number : 1067 date : 2007/11/21


今日の禁断 ディズニー

 ニューフィルでは、演奏会の会場の予約は1年前に行っています。公共のホールは1年前に受付を開始することになっていますから、それに合わせて申込みをします。しかし、来年の秋の会場を取るにあたっては担当者は大変な苦労をすることになってしまいました。まず、常に第1希望として押さえておきたい県民会館が、この時期にロングラン公演の貸し切りとなってしまっていて、一般の人が借りることが出来ないようになっていたのです。こういうパターンはおそらく「劇団四季」あたりでしょう。今広島で「美女と野獣」のロングランを一般のホールを使ってやっているはずですから、その次は仙台、というわけなのでしょう。ミュージカルの専用劇場建設の動きが具体化して来ているというのに、それには間に合わなかったのですね。いくらここの会員だからといって、このようにアマチュアの会場を独占されてしまうと、ちょっと迷惑に感じてしまいます。もっとも、さっさとミュージカルの劇場を作ってくれれば、と残念がるよりは、なぜまともなコンサートホールが造られないのか、という方面に憤る方が本筋のような気はしますが。
 とにかく、そんなわけで現実にはここが使えないということになると、、市内の他のホールをあたるしかないことになるのですが、その対象の市民会館も、イズミティも、揃いも揃ってつかえないようになっていたそうなのです。なんともひどい話ですね。偶然が重なってしまったのでしょうが、この時期、この規模の催し物を考えていた団体は途方に暮れていることでしょう。
 そこで考えられるのは、近郊のホール、名取とか多賀城をあたることでした。幸い多賀城が空いていたので、とりあえずはそこに決定、いろいろ不便な点は、みんなでカバーしていこうということで落ち着きました。
 ところが、ここに決まったことによって、ちょっと困ったことが起きてしまいました。国際音楽コンクールの事務局から、この前のナミロフスキーのようにアマオケと入賞者を共演させるという企画のオファーを受けていたのが、仙台市内ではない多賀城に会場が決まったことにより、そのオファーが取り消されてしまったそうなのです。仙台市による企画なのだから、他の市で行う行事を支援することは出来ないということなのでしょうか。我々としては、仙台のアマオケが、殆ど仙台の聴衆を集めて行うコンサートだから、問題はないだろうと思っていたのですが、やはりお役所としては「市民」を納得させることは出来ないとでも思ったのでしょうかね。ちょっと、というか、かなり残念な判断でした。
 その代わり、と言うのもなんですが、逆にコンクール事務局と同じ部署が運営をしている別の催し物で、こちらの方から相手のお願いを断るという一件もありました。この前の茂木さんが、来年の「せんくら」で、ぜひうちと一緒に出演したいというお話があったのだそうですが、それがその多賀城定期の1週間前だということで、とても引き受ける余裕はなかったからです。なんか、因縁めいた話ですね。これに関しては、ちょっとした裏話もあるのですが、それは別の機会に。
aventure number : 1068 date : 2007/11/23


今日の禁断 アヒル
 もうこのところ、恒例行事となっている合唱団の合宿に行ってきました。これが3回目になるでしょうか。もうすっかり体の中に馴染む催しになりつつあります。いつものように、東京の人も仙台の人も、それぞれ新幹線で那須塩原まで到着、東京からはまっすぐ来れるのに、仙台からだとちょうどよい時間に着く各駅停車はないために、郡山で乗り換えです。実は私は、係の人が車で来ることになったので、急遽出席を取る係になっていたのですが、その時点で仙台組は殆ど揃っているのが分かりました。1人だけまだ見かけていない人がいましたが、駅に行けば見つかることでしょう。列車が着いてしばらく待合室で座っていたら、合宿会場の送迎バスがやってきたのが見えたので、さっそく乗り込むことにしました。しかし、この時になっても、やはり1人だけ確認できない人がいました。他のパートの担当者は、きちんと点呼を取ってチェックをしていますから、念のため他のバスの中に入っていって「Wさんいませんかぁ〜」と大声を出したら、なんと、すでにそこに座っていましたよ。いつの間に乗り込んだんだか。これで一安心、私の仕事は終わりです。
 ところが、バスが走り出すと、その路線沿いになんだか人が走っているようになりました。どうやら、ちょうど市民マラソンが始まったところに出くわしてしまったようです。1車線ほど狭くなって、そこがランナーの専用車線になっていました。別に、普通に走っている分にはなんでもないのですが、ある交差点でバスは左折しなければならないところを、マラソンは直進するというところがありました。こうなると、どうしようもありません。走る人が途切れるまで、左折することは出来ないのですよ。かなりの大人数、しかも最後の方のノロノロ走っている集団にぶつかったようで、もう一生左折など出来ないのではないか、というほどの「渋滞」になっていましたね。
 それでも何とか時間までには到着、そこからはいつもの通りの分刻みの練習が始まります。ほんとに、正直トイレに行く時間もないほどの、それは過密なスケジュールでした。もちろん、それは久しぶりに味わう充実した瞬間の連続でした。なにしろ、人数が仙台でやっているのとは桁違い、しっかり「合唱」が出来るだけで、何にも代えがたい時間が過ぎていきます。今回のコンサートのテーマは「空」で、武満徹の「小さな空」も練習しているのですが、それがしっかりあの武満の響きで歌われている中にいる、というのはまさに感動ものです。サビの「いたずらが過ぎて」という部分、本当に涙が出てくるほどの素晴らしさでした。と、自分たちで感動していられるほどだったら、きっとお客さんを感動させられることも出来ることでしょう。
 今回からは、学生時代にいちばん気のあった奴が、初めて参加しています。何十年経っても、そいつの歌い方のクセは全く一緒、パート練習(同じパートです)で私がなにか注意すると、そいつが返してくるセンスも昔とちっとも変わっていません。もろ、学生時代にタイムスリップしたような不思議な気持ちになれました。
 いつもは、2日目に場所を変えてホールに行くのですが、今回はそこが取れなかったので、少し昼休みがありました。その間に、この場所の写真を撮ってみました。

 「シャトー・エスポワール」という名前、「希望の城」ですね。丘の上にぽつんと建っています。

 石畳には、ご当地の名産「那須の余一」です。

 広大な敷地内の芝生には、たくさんの石の彫刻が展示されています。

 いちばんウケたのがこれ。手つきがいやらしいですね。

 なにやら重いテーマの作品です。銃弾を受けて倒れたのでしょうか。

 この看板には、彫刻以上に強いメッセージが感じられます。どこへ行っても、ペットを飼う人の身勝手な行動は良識ある人々の顰蹙を買うものです。
aventure number : 1069 date : 2007/11/25


今日の禁断 JASRAC

 この前の合宿の時には、ちょっとした事件がありました。新幹線の駅から会場はかなり離れているので、送迎のバスが用意されています。それに乗っての帰り道、駅で降りたらだれかが、「鍵を落とした人はいませんか?」都大声を出しています。なんでも、バスの座席の上に落とされていたのだそうです。とりあえず自分の鍵はちゃんとポケットに入っているのを確認して、それを見てみると、なんだか小さな鍵がたくさん付いたキーホルダーでした。家や車の鍵ではないようなので、なくして急に困るものでもないようです。東京方面へ向かう新幹線は発車時間が迫っていましたから、もう確認している時間がないため、その鍵は仙台方面組に託されてしまいました。しかし、まだその辺にいる人に聞いてみても、持ち主はいないようでしたので、一応私が預かって、合唱団の仲間内の掲示板に書き込むことにしました。分かりやすいように、写真も掲載しましょう。
 全員が掲示板を見ているわけではないので、書き込んでも反応はないかもしれないと思いつつ、家へ帰ってその鍵を写真に撮り、掲示板にアップしたのが9時のことでした。そうしたら、1時間半後には、「それは、私の鍵です」という書き込みがあったのです。こんなにすぐ落とし主が現れるなんて、インターネットの力はすごいものですね。
 次の日の日曜日には、合宿から仙台の実家に帰った東京の人が、来月行われる現役の合唱団との合同演奏の練習に加わりました。ちょうど日程が続いていたので、最初からそのつもりの人もいましたし、帰りの新幹線の中で時間と場所を教えてあげたら、急遽参加した人もいました。コール青葉の行事の次の日に、そのつながりでメンバーが仙台のOB回の行事に参加するというのは、ちょっとほほえましい光景です。
 という、連休中の合唱モードから、今度はニューフィルモードに切り替えて、「第9」の練習です。今日は指揮者は来ないので、団内でのチェック。フルートパートは、やはり2人ではちょっと大変なので、一度転勤で退団したCさんにトラをお願いすることにして、今日がその初日です。3人が揃うと、これは前に末廣さんの指揮で「第9」をやったときと同じメンバーになっていました。なんか、懐かしい感じです。
 懐かしいといえば、練習場には小さなお子さんを連れたお母さんが2人ほどやってきています。よく見てみると、どちらももとヴァイオリンの団員のSさんとIさんではありませんか。お産ということで退団していたのですが、だいぶお子さんも大きくなったので、復帰しようと様子を見に来たのでしょうか。こんな風に、昔のメンバーが、また機会が出来て参加できるようになるのは嬉しいことですね。
 もう一つ懐かしい話。チェロの、というか元オーボエのIさんが、連休に山梨あたりの音楽祭のオケで吹いてきたそうなのですが、その時に一緒に演奏したクラリネットの人が、昔ニューフィルにいたTさんだった、というのです。この人は、ニューフィルの創設メンバー、私が入団したときに吹いていましたが、だいぶ前に転勤で京都あたりに行ってしまいました。もう、とびきりの懐かしさです。そうそう、もう一人創設メンバーのヴァイオリンのSさんも、今回の「第9」には加わっていましたね。
aventure number : 1070 date : 2007/11/27


今日の禁断 クリスマス


 コール青葉の今回のレパートリーには、「Walking in the Air」という曲が入っています。「北の空から」というコンセプトが決まった段階でメンバーから希望をとったことがあったのですが、その時にある人がケルティック・ウーマンが歌っているこのタイトルの曲をリクエストしたのです。その人は、そのバージョンしか知らなかったようなのですが、私には、これは昔からよく知っている曲にしか思えませんでした。彼の言うその曲の特徴などを聞いてみても、それに間違いないように思えました。結局、私が持っている音源を送って、まさにその曲だと分かったので、私も強力に推薦、見事演奏曲に選ばれたというわけなのです。
 この曲は、実はレイモンド・ブリッグスという人の作った「The Snowman」という有名な絵本をアニメ化したときの挿入歌でした。私がこの絵本、そしてアニメに出会ったのは、もうずいぶん前のことになります。仙台に「横田や」という、有名な絵本専門店があります。本店は北山の輪王寺の向かい、昔は味噌屋さんだったところをそのままお店にしたという、素敵なところです(店主の横田さんが、この味噌屋さんの息子さん)。確か、「ねずみくん」という名前の支店が、泉中央にあったはずです。
 その横田さんは、もともとはサラリーマンだった人ですが、絵本好きが昂じて、自分でお店を始めたという、マニアックな方でしたから、そのお店の絵本も、マニア心をくすぐるものがたくさんありました。いえ、最近はとんと足が遠のきましたが、今でもそのポリシーは貫いているはずです。
 そのお店が、別の場所を借りて大々的な絵本の即売会を行ったときに、このアニメ版「The Snowman」のビデオと、楽譜が山積みになっているコーナーがありました。そこで手に入れたのが、サントラの一部をフルートとピアノのためにアレンジした楽譜でした。もちろん「Walking in the Air」も入っていました。今でも悔やまれるのは、サントラのフルスコアもそこにあったのに買わなかったことです。そう、その頃はビデオデッキもなかったので、ビデオを買うことはありませんでした。
 そのアニメを見たのは、ですから映画館ででした。ブリッグスのもう一つの有名なアニメ、「風が吹くときWhen the Wind Blows」という核戦争をテーマにしたものとの二本立てでした。その時に初めて見たアニメ版「The Snowman」の素晴らしさは、今でも忘れられません。特に、今まで楽譜で親しんできたこの曲が実際にボーイソプラノの声で聞こえてきたときには、その感動的なシーンと相まって、涙をこらえることは出来ませんでした。
 ちなみに、アニメ全体の音楽も作っている、この曲の作曲者ハワード・ブレイクは1938年生まれ、映画音楽の世界では有名なイギリスの作曲家ですが、元々はクラシック畑の人で、クラシックの作品もたくさん作っています。私が聴いたことがあるのは、ケネス・スミスというイギリスのフルーティスト(フィルハーモニア管弦楽団の首席奏者)のソロアルバムの中にある「エレジー」という7分ほどの小品です。フランス印象派の流れをくむとても繊細な曲、ケックランあたりとよく似たテイストを持っています。
 実は、このスミスさんは、別のアルバムで「Walking in the Air」を手がけているのです。私が買った楽譜とは別の、彼の独自のアレンジで、これが絶品です。この人は高音がとてもきれいなフルーティストなのですが、2コーラス目でメロディがオクターブ高くなったときの美しさといったら。上のリンクからは、サンプル音源が聴けます。途中までですが。
aventure number : 1071 date : 2007/11/29


今日の禁断 ダイエット

 88万のキリ番が出たのは、今日の午前中のことでした。
 とうとう、12月になってしまいました。本当にこのところの日にちの進むのが早いこと。と言うことは、今日からテレビの番組も12月になるということなのですが、毎朝の日課であるその日の番組の予約を始めたときに、何かが足らないことに気づきました。そう、番組の予約には欠かせない「TV-fan」をまだ買ってなかったのですよ。これまで、毎月この雑誌(以前は「BS-fan」)を買ってきて、番組が始まるのに間に合わなかったなんて、かつてなかったことですけど。
 先月号まではちゃんと買ってあったので、月の最後に放送された「BSマンガ夜話」は、見逃すことはありませんでした。単発で思い出したように放送されるこの番組、私は今までの分はほぼ全部を見てきたのですが、このところしばらく新しいものが放送されてなかったので、ちょっと心配になっていたところでした。「アニメ夜話」みたいな、私にとっては本当にどうでもいいようなものはしっかりやっていたので、もしかしたらなんの告知もなく打ち切りになったのでは、と、ちょっと寂しい思いをしていました。しかし、今回、なんと2年9ヶ月ぶりに「復活」したというのですよ。もちろん、レギュラーの3人はそのまま、雑誌を買った月初めから、ずうっと楽しみにしていました。しかも、今回のラインナップの最後には「のだめカンタービレ」が入っているではありませんか。これはもう、DVDで永久保存に決まってます(前のシリーズまでは、HDDレコーダーは持ってませんでした)。
 なんせ、深夜の時間帯ですから、実際に見たのは次の日でした。最初に司会の大月隆寛さんが、えらくほっそりしているように見えました。これは、おそらくレギュラーの岡田斗司夫さんに影響を受けた結果なのでしょうか。そうなのですよ。このところ各所で大評判、本まで出してしまった岡田さんは、まるで別人のように「変貌」していたのです。実は、もっと前に「クローズアップ現代」に出演したときに初めて「その後」の岡田さんを見てびっくりしてはいたのですが、その時のいかにも急に痩せましたという感じからもさらにバージョンアップ、きざな眼鏡までかけて、ヘアスタイルもさっぱりとしたものに変わっていました。恐ろしいもので、ここまで外見が変わってしまうと、語る内容も変わってしまったように思えてしまいます。デブであるが故に許された「オタク」ぶりが、ここまでスマートになってくると本人でも違和感を伴ってしまうのかもしれません。
 今回の「のだめ」の夜話、いちばん生き生きしていたのは夏目房之介さんだったのかもしれません。なにしろ、髪にパーマをかけて登場、すっかりミルヒになりきっていたのですからね。いしかわさんでさえいつもながらの辛口の(「絵が下手」とか)コメントの中にも、この作品に関してはベタ褒め、結局、突っ込みは「6本指」しかありませんでした(17巻146ページ)。

 1人、音大出のタレントKOKIAが、予想通りの「これは本当のことですよ」みたいなつまらないコメントで白けてさせていましたね。ちょっとその世界を知っているつもりになっていて、実はなにも知らないというのが、これほど恥ずかしいことだったとは。
aventure number : 1072 date : 2007/12/1


今日の禁断 サン・サーンス

 SACDプレーヤーを手に入れてからというもの、私のリスニング・タイムは充実の一途をたどっています。SACDが「音がよい」と言うことは、とりもなおさず自然で余裕のある音だということがだんだん分かってきたのです。つまり、長く聴いていても疲れるということがないのですよ。それと、聴くときのレベルをそんなに上げなくても、それぞれの楽器の音がきちんと立って届いてきます。解像度がそれだけ良いということなのでしょう。それに伴って、余計なノイズをあまり気にしなくても良くなりました。私の普段聴いている部屋は、ごく普通の造りですから、外の音は遮断することが出来ません。その上に、例えばパソコンのファンの音とか、エアコンの音などがすごく邪魔に感じられていました。ですから、ちゃんと聴きたいときには暑いのを我慢してエアコンを切って聴いたりしていたものでした。しかし、SACDはそんな必要が殆どないのです。多少のノイズなどはかいくぐって、再生音がきっちり届くのでしょうね。
 そんなSACD、まず聴いてきたのは最初からDSDで録音されたものばかりでした。しかし、このフォーマットは、アナログで録音されたものをデジタルに変換したときには、CDで採用されているPCMよりもはるかに威力を発揮するはずです。そこで、試しに昔のアナログ録音をDSDでSACDに変換したものを聴いてみることにしました。音源は2004年にリリースされた、1959年に録音されたミュンシュの「オルガン」です(写真右)。実は、これに関しては1999年に「XRCD」でマスタリングされたCD(写真左)も手元にありましたので、その聴き比べもついでにやってみることにしました。

 SACDの良さには心底惚れ込んでいたところでしたから、いくらXRCDとはいっても所詮はCD、とても太刀打ち出来ないだろうと、聴く前から殆ど結果は分かっているつもりでいました。ところが、実際に聴き比べると、その違いは歴然、XRCDの方が数段素晴らしい音だったのですから、こんなに驚いたこともありません。まず、弦楽器の「雰囲気」がまるで違います。SACDには、なにか高域が強調されたような薄っぺらさがあるのですが、XRCDはもっと渋く、本当に自然な感じです。そして、いろいろな場所を聴き比べていくうちに、決定的な違いのあるところが見つかりました。それは、第2部の後半、殆ど「第4楽章」と見なされている部分の最初のところです。壮大なハ長調のオルガンのアコードに続いて、弦楽器の掛け合いというパターンが2回(2回目はト長調)繰り返されたあと、もう1度ハ長調のオルガンに続いて4手ピアノによる細かい音型に乗って、弦楽器だけでテーマが演奏されますが、そのヴァイオリンの高音が、おそらく元の録音でもちょっと失敗していると思われるほどの薄っぺらい音になっているのです。SACDはその薄っぺらさがそのまま聞こえてきますが、XRCDでは、そこになんとも言えないほんのりした色気が加わっているのですよ。その結果、フレージングまでが違って聞こえてくるほど、存在感のある音になっているのです。
 どちらのものも、オリジナルのマスターテープからAD変換を行っているということなのですが、これほどの違い、しかも、スペック的にははるかに優れているはずのSACDが、これほど無惨な結果に終わっているのは、いったいどうしたことでしょう。それはおそらく、作業を行う際の神経の使い方の違いなのでしょう。XRCDを制作した杉本さんの仕事ぶりは、今年の3月に間近に接することが出来ましたが、そのこだわりの強さには驚かされました。ケーブル1本を選ぶにしても、納得のいくものを得るために何度も何度も取り替えては聴き比べるということを、執拗に繰り返しておられました。マスターテープの音を再現するためには、あらゆる努力を惜しまないという、それはとてつもない熱意の表れだったのでしょう。
 杉本さんは、最近はSACDのマスタリングも行っているそうです。このミュンシュ盤が、彼の手でSACDになったら、いったいどんなものが出来上がるのか、ぜひ聴いてみたい気がします。
aventure number : 1073 date : 2007/12/3


今日の禁断 セブン

 新しい靴を買いました。コンバースです。今までずっとトレッキングみたいなのばかり履いてきたので、なんか新鮮です。

 さっそくきのうの練習に履いていったところ、目ざとく「おニューの靴ですね」と声をかけてくれる人がいました。「素敵な色ですね」とか。そう、正直私も、靴屋さんに行くまでは、コンバースにこんなに種類があるなんて知りませんでした。定番は白とか黒なのですが、ブルーやピンク、そして花柄や迷彩まで揃っているのですからね。さすがに花柄は恥ずかしいので、おとなしめのこの色にしましたが、実際に履いてみるとラバーの白がとても目立ちます。少し汚れたぐらいの方が良いのですが、このきれいなままにしておきたいような気もして、なかなか複雑、でも、雨や雪の日に履いていくことはないだろうとは思います。
 今までのものよりかなり軽いので、なんだか頼りないような感じもします。それよりも、底が薄くなったので、今までの靴に合わせて裾をカットしたジーンズだと、踏んづけてしまいそうになるのがちょっと心配、でも、それもそのうち慣れることでしょう。
 ところで、キリ番が出たのは土曜日のことでしたが、久しぶりに「踏みました」という反応がありました。このところ申し出がなかったので、プレゼントはいくらでもありますから、2回分のDVDを送ってあげることにしました。その送り方を、今までは郵便を使っていたのですが今度はメール便を使ってみようと思いました。実は、メール便のことをちゃんと知ったのはごく最近のことなのです。例の「100周年」のDVDを発送するときに業者のオフィスで作業を行ったのですが、その時に用意してくれたのがメール便のシールでした。なんでも、厚さが1pまでならA4が入る封筒の大きさでも80円で送れるそうなのです。郵便だと確実に120円を超えますし、重さによってはそれ以上かかることもあります。メール便の場合は1sまでその値段ですから、格段の安さです。ただ、今回送ったDVDはCDと合わせて3枚組、厚さが14oのケースですから80円では送れませんが、それでも「2pまで」ということで160円で済みました。
 今回送ろうとしたDVDは、この間の定期のものは初めてロングケースになって思い切り薄いものでしたから問題はないのですが、その前のものが普通のCDケースと同じですから、厚さが1センチを超えてしまっています。この2つのケースを、台紙の上に平らに貼って、A4の封筒に入れたものの重さを測ってみると200グラムを超えていました。これだと郵便では240円ですが、160円で送れることが出来ますから、やはりメール便の方がお得です。
 と、胸算用をしてコンビニに行ってその封筒を差し出したところ、バイトのおねえさんは厚さを測ることもせず、「80円です」と言ってくれましたよ。なんと、郵便の三分の一で送れてしまったではありませんか。他のコンビニではどうなのでしょう。
aventure number : 1074 date : 2007/12/5


今日の禁断 ミルヒ

 すだこさんから掲示板に案内のあった茂木さんの番組、聴きました。番組が始まる前にニュースがあって、そのあとすぐ茂木さんがでてくるのかと思ったら、「宮城県地方の、地震情報をお伝えします」というアナウンスが入って、3分ぐらいどこどこで震度1とかやってました。つまり、この間は東京からの放送が中断されていたことになっていて、それが終わったらいきなり「第9」のバリトンソロの前が聞こえてきたので、なんか間抜け。ここだけ聞いた人は、「今日のゲスト」が誰だか分からずじまいということになっていましたよ。かわいそうに。宮城県地方には茂木さんの知り合いなんかいないと思われてしまったのでしょうね。
 お話は、この間中私たちにはさんざん耳になじんでいた、あの茂木さんの立て板に水を流すようなワンマン・トークでした。学術的にもかなり貴重な話を、茂木さんならではのちょっと斜に構えたスタンスで語るというのは、もはやあちこちの「のだめコンサート」でしっかり身に付いたノウハウなのでしょう。おそらく、この「第9」の話にしても、しっかりネタとして練り上げられているものなのでしょうから、お話にはなんの淀みもありません。
 この「第9」の話の骨子は、ベートーヴェンが、1、2、3楽章とそれなりに面白いけど、決定的な魅力には欠ける音楽を「わざと」書いて、それらをすべて否定した上で、もっともっと素晴らしいものを第4楽章で作り上げた、というものでした。その第4楽章のスケールたるや、宇宙にまで目を向けた壮大なものだ、というのです。まさに、これこそはベートーヴェンにしかなし得なかった人類史上最大の音楽作品なのだ、と。
 まあ、それはそれでいいでしょう。茂木さんが熱心にこの音楽の偉大さを語るのを聞いていると、それは正しいことに違いないような気になってきます。いくら、あの「歓喜のテーマ」がとてつもなく陳腐なものに感じられて、そのテーマが合唱まで加わって華々しく歌われるのがただのドンチャン騒ぎにしか聞こえないとしても、それは自分の感受性が貧しいのだと納得させられてしまうほどの、迫力のあるトークでした。
 ということで、あしたからえずこホールで行われる「角田第9」のリハーサルと本番を控えて、なにか新たにこの曲に対する厳粛な気持ちを持たされてしまうような、貴重な番組でした。きっと、いつもの年とは違った意気込みをもって臨めることでしょう。
 茂木さんのこの曲のアナリーゼも、とても奥深いものがありました。これは、この間の合奏でやはりさんざん見せつけられたものですが、彼が指揮者としてのスキルを十分すぎるほど身につけていることが、改めて実感されました。せっかくの「せんくら」へのお誘い、受けていれば、もっともっと多くの薫陶を受けることが出来たはずですね。
 と、ついついこんな風に不必要な持ち上げ方をしてしまうのが、昔からの常連さんに「最近、丸くなった」といわれてしまう理由なのでしょうか。
aventure number : 1075 date : 2007/12/7


今日の禁断 アンコール

 角田市の皆さんが毎年行っている「第9」のコンサートは、今年もお隣の町大河原の「えずこホール」で開催されました。本当は角田市でやればいいのでしょうが、あいにくここにはコンサートの出来るホールはありません。最初のうちは体育館でやっていたのですが、あまりにも音楽を楽しむ環境からはかけ離れているため、やむなくちょっと遠くのこちらのホールを使うようになったものです。あの体育館の寒さ(「寒気の歌」ですね)に比べれば格段の快適さ、もちろん、音響も申し分ありませんから、ニューフィルでは毎年楽しみに参加させて頂いています。
 会場の前に立つと、もう「ベートーヴェン」そのものにホールまでが変わっているのが分かります。毎年多くのスタッフがこの日のために一生懸命準備を重ねてきた成果です。

 今回初めて渡されたオケ団員用のIDカードです。・・・って、毛糸の紐が付いた手作りというのが、暖かみが。

 もう一つ、今回の新機軸は、「こども合唱団」のおそろいのバンダナです。最初に彼らがこのスタイルで一斉に入場してきたときには、「おっ」という感じでした。ところで、団員の中にもサンタの帽子をかぶっている人も写っていますが、本番でもこの衣装でしたよ。これは、前プロ、「サウンド・オブ・ミュージック」と、クリスマス・ナンバーのメドレーのリハーサルです。

 合唱の前に立っているのが、ナレーターのおねえさん。マイクも着けないでホール全体に響く声を出していたので、ただ者ではないと思っていたら、ソロも歌っていましたから、専門の歌い手さんだったのでしょう。気持ちよく、本番の衣装でカメラの前に立ってくれました。

 本番は、立ち見も出るほどの盛況でした。ステージには合唱団が先に入場したのですが、「こども合唱団」の小さな子が「おっ、会場が一杯だ」などと大人びた口調で話しながら歩いていったのが、笑えました。「会場」なんて言葉を平気で使う子は、将来が楽しみです。
 これは、そのステージの最後で「会場」のお客さんと一緒に「きよしこの夜」を歌っている様子です。例によって、カメラ持参でステージに立った私は、4小節の休みの間に撮ってみました。

 後半の「第9」では、前の方に座ったおじいさんが、第3楽章の途中でメガネを外してなんだか涙を拭いているような仕草をしているのが目に入りました(この楽章はヒマなものですから、客席がよく見えます)。そのあとも、その人はじっと目をつぶって聴いていたり、なにか思い入れがあるのではないかと思えたのですが、本当はどうだったのでしょう。そういう人がいるかと思えば、泣きわめく小さなお子さんをなだめもせず放っておく親もいたりして、こちらはかなりこちらの集中力が欠けてしまうお客様でした。まあ、合唱団の身内なのでしょうから、仕方ないのかもしれませんが。
 その合唱は、いつになく男声が充実しているように聞こえました。実は、合唱の中に「100周年」の時にスカウトされた私の合唱団の先輩が入っていましたので、そのせいだったのかもしれません。
aventure number : 1077 date : 2007/12/9


今日の禁断 東北大

 角田の「第9」も終わって、いよいよ定期演奏会へ向けての練習が始まりました。言ってみれば、次回の曲目の初練習、さぞかしみんなも期待にあふれて集まってくるだろうと思って旭ヶ丘へ行ってみると、もう6時半になるというのにまだ2人しか来ていませんでした。やはり、演奏会の次の次の日に練習なんて、誰も来るわけがありません。
 と、その時は思ったのですが、音出しが始まった時点で、なんと管楽器は全員本番のメンバーが揃っていたのですから、すごいものです。弦楽器の方も、いつの間にかずいぶんたくさん集まっているような気がします。しばらく顔を見せていなかった方がいたり、全く初めて顔を見る、新入団員のような人もいますよ。なんだか、先行きが少し明るくなったような気がしますね。
 その弦楽器、ドヴォルジャークの8番を初めて通したのですが、まるで何回も弾いたことのあるような余裕のある音が聞こえてきたのが、ちょっとした驚きでした。というか、昔々、同じ曲をニューフィルでやったときとはまるで雲泥の差、あのころは数ヶ月しないと出てこなかったような音が、今初めての合奏ですでに出てきているのですから、それだけメンバーのレベルが向上したということになるのでしょうか。
 もっとも、この曲はやったことのある人が多いので、それほど苦労しなくても弾けてしまうということなのでしょうかね。来週は「三角帽子」ですから、その時にどれほどの演奏が出来るのか、ちょっと楽しみです。
 私はといえば、この曲の2番を吹くのは初めて。楽譜を見たのも初めてですが、そのパート譜がすぐ見て分かるほどの間違いだらけなのに、ちょっと驚いてしまいました。変なところにリピートが書いてあったり、小節線が抜けていたり、記号が抜けていたり・・・。
 4楽章になると、かなり休みが続く場所があったので、席を立ってカメラを片手に前の方へ行って、チェロの人の写真を撮ってみました。そうなのですよ。今年中にもう1回「かいほうげん」を出そうと思っていたのですが、原稿がなかなか届かないので半分あきらめていたところに、「何とか出来ました」というような申し出が数件あったものですから、そのための準備です。これは、「素顔の団員」の人の写真、もちろん、新しく承認された新入団員もいますから、その人の写真も撮って、材料だけは揃えておきましょう。実は、今は手元には原稿らしきものはなにもありませんから、これは全くの皮算用、そんな状態で来週までに発行にこぎ着けることが出来るのか、まあ、出来たらもうけもの、ぐらいに思っておいて下さい。
 このネタとして、毎回転載している末廣さんのエッセイが単行本になったものを取り上げたかったのですが、Amazonに注文してみたら届くのは来年になってしまうというのです。出たばっかりの本だというのに、そんなこともあるのですね。とりあえず画像だけでもと探し回ったのですが、こんな小さなものしかありませんでした。これでは、印刷にはちょっと・・・。
aventure number : 1078 date : 2007/12/11


今日の禁断 かあさん煮

 公式サイトに、先日の「角田第9」のページが出来ました。そういえば、あちらのサイトにブログがあって、そこで寿一さんが「今年のオケはいい音出してます」とか書いてましたね。
 「第9」が終わって、仙台の冬の名物、「光のページェント」もいよいよきのうから始まれば、街は一気に年末モードへ突入です。テレビで見ている分にはなんというきれいな光景、ぜひ生で見てみたいものだとは思いつつ、毎年じっくり見る機会はなかなか無くなっています。なんたって、寒いですからね。まあ、車で通りかかったときに横目で眺める、というあたりが、最近の「ページェント」への接し方でしょうか。
 近頃見つけたのは、定禅寺通りと国分町の角という、絶好のロケーションの二階にある「嘔吐屋」・・・ではなく「大戸屋」です。前は確か高級な和食ダイニングだったものが、いつの間にかこの庶民派定食屋に変わっていたものです。何度か行ってみると、ここはまさにページェントを見るには最高の場所であることが分かります。なんせ、定禅寺通りと国分町に面してすべてガラス張り、そこが、外を眺められるカウンターになっているのですからね。ごく普通のお店ですから、普段だったらどこに座っても構わないようになっていますが、この時期は果たしてどんな措置を講じているのか、気になるところです。窓際のカウンターは予約制なのか、特別料金が設定されているのか、だれか、知りませんか?
 テレビの中継をメディアテークの前でやっている局がありましたが、それを見ると、この建物全体に豆電球が付けられているように見えてしまいました。これは、この全面ガラス張りの外壁に、道路の電球が反射していたのですね。昼間見ると醜悪この上ないこの建物も、こんな風になるとちょっとロマンティック、期間と時間限定の美しさを備えることになります。
 その建物から少し行ったところにあるのが、わがニューフィルのホームグラウンド、宮城県民会館です。いつだったか、「キャッツ」のロングランをやっているときに、ここの2階のロビーから、ページェントを見ることが出来ました。
 ところが、このホール、もう少しすると呼び名が変わってしまうことが決まったそうなのです。企業などに命名権を売りつけるという「ネーミング・ライツ」の販売先が決定した結果、その企業の名前を冒頭に掲げて「東京エレクトロンホール宮城」という、ちょっと居心地の悪い名前で呼ばなければいけないようになってしまったのだそうなのですよ。どこが居心地が悪いかというと、頭に「東京」という地名が入っているところです。普通、ホールなどは一番最初にそれが存在している地名が入っていますよね。「東京文化会館」とか「東京オペラシティ」といった具合、ですから、いくら申しわけ程度に最後に「宮城」と付いていても、このホールの名前を聞いた人は、東京にあるホールなのではないか、と思いかねませんよ。「フルスタ」(今は「サンスタ」ですか)、とか「ユアスタ」というように、地名を連想させない名前が付く分には一向に構わないのですが、このホールの名前を買ったただ一つの企業名に「東京」という文字が入っていたのが、かえすがえすも不幸なことでした。
 もっといやなのは、「『東京』という文字が頭に付くと、とたんにダサくなる」という、有名な法則です。「ビートルズ」はかっこいいバンド名なのに、「東京ビートルズ」と言ったとたん、なんだか田舎のドサまわりの楽団に成り下がってしまうような印象が、ありませんか?(そういうバンドが、実際にあったのですが)
aventure number : 1079 date : 2007/12/13


今日の禁断 先輩

 「かいほうげん」なんて、1週間あればなにもないところからでも出来てしまうものなのですね。なんて、大きなことを言っていますが、これもひとえに皆様方からきちんと必要なものを提出して頂くことが出来たお陰です。ほんと、こんなにうまく物事が進んだなんて、近来なかったことですよ。
 まず、原稿は前から今年中には出すと言っていた2人の方には、きちんと催促をしておきました。最悪1人からでも出して頂ければ何とかなるかな、と。確かに、お一人の方はちょっと微妙な感じでしたから。しかし、蓋を開けてみれば、3日後には両方からしっかり長文の原稿が届いたではありませんか。写真などのスペースを取ると、合わせてなんと8ページ分の素材です。こうなってくると、なにもしなくてもすでに用意できるはずのものを加えると、いつものサイズの16ページでは収まらなくなりそう。これこそ「嬉しい悲鳴」という奴ですね。印刷の関係で、増やすとすれば20ページ、そうすると1ページ分ぐらい足らないかな、という感じです。
 しかし、その1ページ分も、あまりあてにしていなかった画像が信じられないほど迅速に届いてしまったので、なんの問題もなく埋まってしまいました。これで、史上4度目の20ページ版「かいほうげん」が出来上がるのは確実なこととなりました。
 ただ、心配だったのは一番最初のページ、いつもだと次の演奏会の情報など、重要なことを連絡するためのページなのですが、今回は特別な連絡事項などは全くないので、一体どうして体裁を付けようかと困っていたのです。このままだとタイトルだけで、あとは真っ白とか。実は、角田の演奏会の新聞記事などが出ればそれを掲載しようと密かに考えていたのですが、それも待てど暮らせど載りません。もう今年はボツになったのかな、とあきらめた矢先、なんと1週間近くも経ってきのうの朝刊に載ったというではありませんか。ほんと、こんなにうまくすべてのページが埋まっていくなんて。
 その角田の演奏会については、ふんだんに写真を使って2ページ分のコンテンツがあります。この演奏会に行った頃は、まさかこんなに原稿が来るとは思っていませんでしたから、とにかく写真だけはたくさん撮っておいてページを埋めようとは思っていました。ただ、今回は私は全乗りだったので、ステージの写真を撮ることが出来ません。そこで、トラで来て頂いた元団員の方にカメラを預けて、適当に撮ってくれるようにお願いをしたのです。すでに公式サイトに使った写真では私も写っていたのは(いや、本人でなければまず気づきませんが)、そういうわけだったのです。その時は急いでいたので、良く見てはいなかったのですが、きのうになってきちんと全部を調べてみると、なんだか同じ場所から3枚続けて、場所をずらして取っている写真があることに気づきました。広角なんて付いていないカメラですから、全部のメンバーを収めようと、こういう撮り方をしていたのですね。そこで、その3枚を貼り合わせてみたところ、

どうです。見事につながって、立派なパノラマ写真が出来てしまいましたよ。つなぎ目、分かります?ご存じないでしょうが、合唱団の山田さんの顔が、左右に分かれていますね。
aventure number : 1080 date : 2007/12/15

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