1041(07/10/1)-1060(11/7)

今日の禁断 アイヴィー

 しばらくぶりに、HMVに行ってきました。そこで探そうと思ったのは、メンデルスゾーンの弦楽のための交響曲のCDです。演奏会のプログラム用の原稿の途中で、その曲のことについて書いていたら、実際に聴いてみたくなって、調べてみたらNAXOSから出てることが分かりました。そこで、街に来たついでに寄ってみたわけです。あれば買うし、無ければネットで注文しようと。
 確か、この店には、奥の方にNAXOS専用のコーナーがあったはずです。新譜は大体置いてありますし、かなり大きな棚がありましたから、多分こんな昔のアイテムもあるのではないかと思ったのです。ところが、その場所には別の品物がありました。お店のレイアウトを変えたのではないかとあちこち見て回ったのですが、いくら探しても、あのNAXOSだけで固めたコーナーはありませんでした。これは一体どうしたというのでしょう。お向かいにあるタワーレコードにも行ってみたら、こちらでもやはり棚の位置が変わっていました。品物は他の所にあるにはありましたが、ずいぶん少なくなっていました。そういえば、最近このレーベルの代理店が変わるような話を聞きました。それに伴って、価格が変わったようなことも、耳に入ってきています。
 そこで、ネット販売のサイトを見直してみたら、確かにいつの間にか値段が旧譜も含めてすべて上がっていました。以前は1000円前後だったものが、なんと1400円以上と、実に4割以上の「値上げ」となっていたのですよ。NAXOSと言えば、「1枚1000円」という価格がなによりの魅力だったはずです。とりあえず日本語で軽く曲目を紹介したような帯もしっかり付いて、この値段、中にはここだけでしか手に入らないような珍しいものもありましたから、それが1000円で買えるなんて、逆に申し訳ないような思いをずっとしていたものです。ただ、1000円だからこそ、全く聞いたこともないような怪しげなものでもとりあえず買ってみよう、という気になったというのも事実です。それが1400円になってしまっては、そうそう気楽に手を出すことも出来なくなってしまうかもしれません。
 おそらく、これらのお店でコーナーが無くなってしまったのも、そんな事情が反映された結果なのではないでしょうか。やはり、1400円もしたのでは、わざわざ別にしておく必要もないと判断されてしまったのかもしれませんね。
 この、今までの所から代わったナクソス・ジャパンという代理店は、実はだいぶ前からネットでクラシック専門の音楽配信をやっていたところです。自社のレーベルだけではなく、BISとかCHANDOSといった「大手」マイナーレーベルなども含めて、かなり手広く取り揃えています。ただ、この配信はダウンロードは出来ず、ストリーミングで聴くしかないという、私にとってはあまり意味のないやり方をされています。ですから、ここの会員になってみようという気は全く起こりません。そういうところがパッケージとしてのCDも扱うようになったとたん、この値上げです。今月号の「レコ芸」に、この新しい会社の広告が載っていますが、そこには値上げに関してはなんのコメントもありません。そんなことが、この社会で通用するとでも思っているのでしょうか。
aventure number : 1041 date : 2007/10/1


今日の禁断 クリスマス

 きのうは、そもそもイレギュラーな練習でした。会場を取る段階で、抽選に外れてしまって、いつも使っている旭ヶ丘のホールが借りられなかったのですよ。ネットによる申し込みというこのシステムになってから、今まで1度も外れたことのなかった火曜日が、なぜか取れなかったのです。そんなわけで、会場が青年文化センターの交流ホールとなり、まずは人手で隣の建物までの楽器運搬となりました。
 私はといえば、その日は今度の日曜日の指揮者練習(合唱の人にこう言ったら、私が指揮者になるために練習に行くのだと思われました。「カルチャー・ショック」ってやつですね)に間に合わせるように、日程表を作っていました。この際だからと思って、12月の「第九」に向けての「指揮者練習」の日程も入れようとしたら、その情報が入ってきたのがまさにきのうだったからです。もう一人、歌伴の指揮者が来る予定はまだ分からないということだったので、そこは空白のまま印刷です。そして、裏側にはアクセルホールまでの地図もコピーします。久しぶりの両面印刷の日程表となりました。
 ところが、全部印刷が終わったところで、その歌伴の指揮者の予定が入ってきてしまったではありませんか。せめて片面コピーだったら、試し刷り用紙として使えますが、両面使ってしまっていては何にも使えません。といって、それを捨ててしまうのは、このご時世とても許されるものではありません。要はその部分だけ加えてやれば、無駄にはなりません。しかし、すでにコピー機に2度通した紙は、3回目ともなるとしわになってしまうのは経験から分かっていますから、それは避けたいものです。そこで、周りを全部白くして、指揮者の名前だけ黒く残したファイルを、試しにインクジェットプリンターで印刷してみると、ぴったりはまります。ですから、いっそのこと指揮練の時のお約束で、その行だけ網掛けしてみると、これも全くはみ出さないで行の中に収まりましたよ。これで問題は解決、おそらく言われても分からないほど、まるで最初から印刷したようになったものができあがりました。
 練習が終わって帰ってくると、この前編集したDVDのサンプルが届いていました。早速チェックです。私はあの時に指示したテロップなどがきちんと入っているかというところを注目しているわけですが、脇でのぞき込んでいる愚妻にとっては、自分や知り合いがどんな写り方をしているかが、最大の関心事のようでした。私の場合は、ほぼ真ん中にいたために画面には頻繁に登場します。「第九」の時などはソリストのすぐ後ろですから、アップになるタイミングもかなりあります。歌っていないときまでアップになっていますから、ちょっと恥ずかしいような。しかし、実はもっと恥ずかしいことがありました。その映像は2回公演の後の方、かなり疲れが出ているとみえて、私は大口をあいてあくびをしているのですよ。しかも2回も。いやぁ、今更昼の部に差し替えることも出来ないでしょうし、まあ本人だけしか気づかないだろうと思って慰めることにしましょう。
aventure number : 1042 date : 2007/10/3


今日の禁断 トリミング

 「100周年」のDVDのチェックは、かなり大変なことになってしまいました。いちおう、手順としては、この間オーサリングに立ち会った3人にそれぞれサンプルが送られてきていましたから、各自がそれを見て、気が付いたことを業者に連絡する、ということになっていたのです。その他にも、ジャケットのデザインのサンプルが、これはメールで送られてきていました。ただ、その時点では社長さん宛の連絡しか確保されていず、実際に作業を担当する人には社長さんからさらにその人たちに転送するという、ワンクッションが入ることになってしまいます。そこで、社長さんは、少しでも作業を迅速に行えるように、CD担当、DVD担当、そしてパッケージの印刷担当の3人の方のアドレスを送ってきて、「直接連絡を取って下さい」という指示を出してきたのです。
 確かに、それだと反応がとても早くなったのは事実です。印刷のサンプルなどは、朝突っ込んだことに対して、お昼頃にはもう直ったものが送られてくる、という素早さです。実は、この印刷担当の方は、別に立ち会いもありませんでしたから、まだ実際にはお会いしてはいませんでした。さっきの社長さんのメールで初めて名前を知ったのですが、なんだかその名前に見覚えがあるのですよ。そこで、訂正箇所を書いたメールと一緒に、「○○さんは、昔オーケストラに入ってはいませんでしたか。人違いだったらごめんなさい」と書いておいたのです。そうしたら、サンプルの直しを送ってきた時に、その人に間違いないと言ってきたのですよ。私がニューフィルに入った時に団員だった人でした。こんなところでお目にかかれるなんて(あ、まだお目にかかってはいませんが)。世の中狭いもんですね。
 そんな、知り合いだったということも無いのでしょうが、その仕事ぶりは迅速そのものでした。こちらも調子に乗って、三人三様に気が付いたことを送っているものですから、かなり煩雑な要求になっているはずなのに、淡々と訂正されたファイルを送ってくれていました。ほんと、それは些細なことばかりで、例えば表に入っている全員の演奏写真が、ちょっと曲がっているようだから少し回転させてみてくれ、といったようなことでした。それに対して、別な人は「もっと回転させなければだめ」とか言ってましたからね。さすがに、これではあまりにも先方に失礼だと気が付いて、最後の最後には我々だけで協議して、その結果だけを伝える、という賢いやり方になりましたがね。
 DVDのテロップでも、アンコールで演奏した学生歌の歌詞の字幕を入れたらいいのでは、という私の提案が採用されたまではよかったのですが、肝心のその歌詞についても、簡単には決まりませんでした。なにしろ古い歌ですから、やたらと難しい漢字の読みがあって、それに振るルビをどうするか、ということだけでもなかなか結論が出ないのです。仕事とはいえ、こんなわがままな要求を受け入れなければならないのですから、大変でしょうね。もし「かいほうげん」に「写真が曲がってるから直せ」なんて要求があったりしたら、私は即刻辞めていますがね。
aventure number : 1043 date : 2007/10/5


今日の禁断 ブラームス

 76万のキリ番は、夕べ出ました。今だったらコンサートのチケットが記念品ですよ。付近を踏んだと思われる方は、ぜひ。
 3連休の真ん中の日は、朝から夕方までニューフィルの指揮者練習です。会場は久しぶりのアクセルホール、朝早くから仙台港へ向けて出発です。10時集合ということだったので、それに間に合うように行ったら、ほぼ定刻に着きました。しかし、ホールの中に入ってみたら、もうすでに椅子も譜面台も、すっかりセッティングが終わっています。いつもは暑くて大変な思いをしていましたが、なんだかひんやりした感じですから、今日は最初から冷房を入れているのでしょう。
 弦にはエキストラの人も入って、ほぼ本番に近いほどの人数が集まっていますから、なんか頼もしい感じ。こんな風に、まるで「ベルリン・フィル」みたいな写真が撮れましたよ。

 「ベルリン・フィル」と言ったのは、実は茂木さん。今日も舌の方はこの前と同じく絶好調、ひたすら褒めまくって私たちを乗せる、というのが彼のやり方なのでしょうか。特に金管楽器には容赦なく過分な賛辞が浴びせられています。ちょっとバランス的に不満だったところを注意して、かなりきれいな響きになった時、親指を上げて「ベルリン・フィル!」と言い切ったのでした。ちょっとハーモニーが狂っていた時などは、「このオーケストラの金管にしては珍しいことですね」とまで言われてしまえば、なんとしても完璧なハーモニーを聴かせてやろう、という気になるじゃないですか。

 もちろん、時には厳しさと表に現すこともありますよ。その餌食が、この前と同じコントラバス。1人弾きこそありませんでしたが、1音1音ゆっくり弾かせながら、「高い」、「OK」と、シビアなところを見せていましたっけ。
 実は、前もって連絡があったのですが、来月福島で行われる「のだめコンサート」のプロモーション用に、福島のテレビ局が茂木さんの指揮の模様を撮影に来ることになっていたのです。実際にやってきたのは、最後のコマのスコットランドをやっている時でした。始まる前に団長が「アップにして欲しい人は申し出て下さい」と言っていましたが、カメラはオケの後ろから殆ど茂木さんの指揮を撮っていたようですから、団員がアップになることはなかったのではないでしょうか。そもそも、出来上がった映像も、ここ仙台では見ることは出来ませんし。

 代吹きもあったので、殆ど1日中吹き詰めだったのですが、不思議と疲れはありませんでした、それどころか、なんか久しぶりに味わうような充実感まで残っていましたよ。茂木さんの指揮は、演奏していて楽しいのは事実。この分だと、ストレスのない気持ちのよいコンサートが実現できるかもしれませんね。
aventure number : 1044 date : 2007/10/7


今日の禁断 花から花へ

 最後の日になって、やっと「せんくら」へ行くことが出来ました。つまり、1日目は合唱の練習、そして2日目はニューフィルで茂木さんとの指揮者練習があったため、最初から予定が組めなかったのですよ。その茂木さんのブログにあるように(ニューフィルのこと、持ち上げすぎ)、「せんくら」のことはご存じのようで、お仲間とすれ違うかもしれない、みたいなことも書いてありましたね。そのお仲間のうちの山下洋輔のコンサートが、コンサートホールで午前、午後と2コマあったので、これだけは早々とチケットを買っておいたのですよ。ですから、もしかしたら会場で山下洋輔を「聴きに来た」茂木さんとばったり出くわす、なんて場面も想定していました。
 午前の部の開演を待っていると、前の方にニューフィルのメンバーが1人座りました。と、その横にいるのも、やはり団員ではありませんか。2人並んでチケットを買ったなんて、この2人はそんな関係?(両方とも男ですが)ちょっと気になったので、そこへ行って話をしてみたら、なんと夕べ「招待状がある」という電話が茂木さんからあって、それで来たんですって。やはり、山下洋輔と連絡を取って、チケットを回してくれたのでしょうか。
 実は、山下さんを生で聴くのは初めて、最初の「ラウンド・ミッドナイト」が始まった時に、そのタッチの凄さにびっくりしてしまいました。このホールは特にピアノに関しては、プレーヤーの技量がもろに出てしまって、ちょっと手を抜くとモヤモヤとしてなんだかわけの分からない音になりがちなのですが、山下さんは全然違います。このホールで、これだけ1つ1つの音がピアノからはっきり聞こえてきたのは、ナミロフスキー以来のことでした。
 1曲ごとに本人のMCが入りますが、開口一番「本日は、サプライズのゲストをお呼びしてあります」と言ったので、もしや、と思いました。招待券が回ってきたと言うことは、茂木さんは「聴きに来る」のではなく、「出に来る」のではないか、と。もう2曲、オリジナル(2曲目は、来年1月に初演予定の「ピアノ協奏曲第3番」の第2楽章)を弾き終わったあと、「N響の首席…」と言ったとたん、その予感は的中、扉を開けて登場したのはオーボエ片手に燕尾服姿の茂木さんその人だったのです。
 「たまたま通りかかったので、来てみました」などと、茂木さんのMCもしゃれています。きちんと楽譜が出来ている曲のデュエットでは、ピアノパートはスイング、オーボエパートはバロックと、なかなか楽しめました。その次が圧巻。フリージャズ時代のレパートリー「グガン」を、オーボエでやったのですよ。いやあ、そのテンションの高さ。これにはやんやの拍手です。
 茂木さんが引っ込んだあと、お約束の「ボレロ」のソロで終わるのかと思ったら、アンコールで茂木さんともう1曲、いやあ、素敵でした。
 昼食を食べて、同じ場所で午後の部です。この時も会場の同じ席に、今度は女性の団員が2人いましたから、やはり茂木さんは出てくるのでしょう。午前と同じ曲だったらいやだな、と思っていたら、山下さんが弾き始めたのは「チュニジアの夜」、MCでも「両方来る人がいると思って、変えてみました」ですって。つまり、両方を聴いて普通のコンサート1回分という感じですね。
 茂木さんは、もちろん出てきました。曲目は全く同じだったのですが、アドリブソロが全然違います。さすが、ですね。MCももちろん違っていて、なんと「きのうは、仙台ニューフィルという伝統のあるアマオケとのリハーサルがありました」と、しっかり宣伝してくれましたよ。実は、会場には「まちりょく」という、半年先までのイベントを紹介した冊子が置いてあったのですが、その中には私が原稿を出した茂木さんの写真入りのページもあったので、それを見た人がこのMCを聴いたら、ニューフィルを聴きに来るのではないでしょうかね(と思ってみただけ)。
 終わったあと、その2人と一緒に茂木さんに会いに行こうということになりました。1人だと恥ずかしいけど、3人なら、というわけで、勝手知ったるVIPルームなどに入ってみたら、ちょうど茂木さんが出てきたところで、いろいろとおしゃべりが出来てしまいました。この出演が決まったのが、なんときのうのことだというのですから、すごいものですね。
 今日の予定はもう1件、イズミティでの菅英三子さんです。地下鉄の改札前では、これも「せんくら」の恒例行事の地下鉄コンサート、こちらにもニューフィルの団員が3人参加していました。

 菅さんは、プッチーニとヴェルディのオペラアリアというプログラムです。こちらも完全に圧倒されてしまいました。こんなすごい人と、この間は同じステージに立っていたなんて。
aventure number : 1045 date : 2007/10/8


今日の禁断 欠伸

 おととい「せんくら」で青年文化センターに行った時、休憩の合間にセブンにでも行こうかと市民センター側の出口から外に出たとたん、こんな大きな垂れ幕が目に入りました。

 3月末から始まっていた立体駐車場の工事が、予定通り完成、23日から使えるようになるのですね。嬉しいことに、料金は1時間100円と、以前と変わっていません。それこそ「プリペードカード」でも買えば、かなりお得になるでしょうね(普通は「プリペイド」といいますよね)。しかも、23日から3日間はなんと無料で使えるとか、この日は練習がありますから、さっそくその恩恵に与れることになります。これだけ大きな建物ですから、おそらく青年文化でコンサートがあっても十分対応できるのではないでしょうか。
 ただ、この駐車場の1階には、スーパーが入るそうです。そこへ行くお客さんが車で殺到したら、果たしてどうなることでしょう。でも、もともとは地元の人が歩いていけるところにスーパーが欲しいということでここに誘致されたはずですので、車を使う人などはいないのかもしれません。もちろん、遠くからわざわざやってくるほどのスーパーでもないでしょうし。なんにしても、楽しみなことです。
 ところで、例の100周年のDVDはさらにチェックが進んで、第2弾のサンプルが届きました。先方はこれを決定版にしたかったようなのですが、やはりまだ指示が行き届いていなかったところを見つけてしまい、もう1回直しが必要になっています。でも、前回特にお願いして、学生歌に歌詞の字幕を付けてもらうことにしたという点は、完璧に出来上がっていました。DVD担当の方には感謝です。それと、パッケージの印刷担当の、例の知り合いの方も、ほんとうにこまごまとした直しにきちんと答えて下さって、こちらも感謝のしようもありません。いつか、この方たちとニューフィルのコンサートのDVDでも作ってみたいものですね。しかし、今回はカメラを5台使って撮影、CDもDVDも工場でプレスするという贅沢なことをやりましたから、指揮者のギャラを軽く超えるぐらいの経費がかかっています。ちょっと実現は難しいかも。
 細かいところをチェックするために、何回も見直しているうちに、やはり、この前も書いた私自身の失態がかなり目に付くようになってしまいました。いえ、演奏上のミスならまだ救いがあるのですが、演奏以外での出来事ですから、ひたすら見ている人には気づかれないように祈るばかりです。
aventure number : 1046 date : 2007/10/10


今日の禁断 子門真人

 とうとう風邪をひいてしまいました。火曜日あたりから喉の奥がヒリヒリしてきたので、「のどぬ〜る」を塗ってしのいでいたのですが、それが気管の方に降りてきて、木曜日の練習の時には咳が止まらないようになってしまいました。フルートを吹いていると、ブレスで息を吸うたびに喉が刺激されて、咳が出そうになります。ですから、少し吹いたらしっかり咳き込んで痰を出してやらないといけません。こんな状態ではとても練習にはならないのでよっぽど休もうと思ったのですが、その日は終わってから技術委員会が予定されていて、私が鍵を開けなければ会場に入れません。まあ、熱もないことですし、頑張って行ってみましょう。
 指揮者練習の谷間の、今回は管楽器と打楽器が一緒になった分奏です。曲順にやるというので、私は前半は休みのはず、別の部屋で居眠りでもしていようかと思っていたのですが、始まる前になって、実は1人休みになってしまうという話を聞いていたことを思い出しました。そうなると、結局全部吹かなければなりません。これはかなり辛いことです。
 喉がひどい分、力が抜けたのか、音自体は割と楽に出ていました。しかし、やはりしばらくすると痰が絡んできますから、咳をしないわけにはいきません。吹いては咳という繰り返し、まわりにいた人には迷惑だったことでしょう。普通咳が出る時にはマスクをするというのがマナーなのでしょうが、そうすると楽器が吹けなくなってしまいますからね。いや、実際風邪をひいて休んだという人が2人もいたのですから、無理して出てくることもなかったのかも。
 何とか分奏を終えて、今度は技術委員会です。夜ともなると山の上は冷え込みます。いちおう長袖のトレーナーに長袖シャツという格好だったのですが、ちょっと飲み物を買いに外に行ったら、なんだか寒気がしてきました。そのうちに体がブルブル震えてきて、歯の根が合わなくなるようになってきましたよ。こういうのを「悪寒」というのでしょうね。お墓のそばで「おかん」ではシャレになりません。熱が出てきたのかもしれませんね。
 ですから、その日は帰ってすぐ、薬を飲んで暖かくしてなにもしないで寝てしまいました。お気づきでしょうが、1日だけ更新が途切れてしまったのは、そういうわけだったのです。
 きのう1日はゴロゴロして過ごして、何とか今日になって咳は収まってきました。つまり、かなり長い時間咳をしないでも過ごしていられる、というところまで回復していました。そこで、夕方からの指揮者練習のために、またまたアクセルホールへ向かいます。
 この間は冷房が効きすぎて寒いほど、しかし、最近の寒さですからまさか冷房はないと思ったら、確かになにもしてませんでした。しかし、今度は照明の熱でどんどん暑くなってきます。茂木さんは長袖のトレーナーで現れましたが、しきりに暑がっていました。もちろん、我々も大変、大汗をかいての練習となってしまいましたよ。
 後半には、ついに冷房の登場となりました。ところが、茂木さんは今度は半袖のTシャツ姿ですから、見事に裏切られてしまいました。それでも、今回はかなり丁寧に、スコットランドの1楽章と2楽章をやって下さいました。パート譜が、新しい楽譜と違っているので、細かい訂正などにも時間が取られました。そんな中での安らぎはつい出てしまうおやじギャグ。「タイ」の終わった部分が「タイあけ」ということになるのですが、それで「タイあけくん」ですって。即座には理解できなかったのか、あるいは全く無視されてしまったのか、誰もリアクションを示さなかったというのが、悲しいところです。
aventure number : 1047 date : 2007/10/13


今日の禁断 すぐやる課

 休みの日の朝10時から、仙台港で練習が始まるというのは、私にとってはかなり大変なことです。いえ、朝起きるのは別になんともないのですよ。そうではなく、出かけるまでにいつも通りの家事をきちんとこなさなければならないから。遅くても9時には出発しようと思っていても、洗濯物を干したりしていれば、なかなか思い通りにはなりません。結局、会場のアクセルホールに着いたのは、音出し15分前、ちょっとウォームアップが足らないな、という感じでした。だいぶよくはなったとは言っても、相変わらず咳は止まりませんし、それに加えてなんと口の中には口内炎が(この言い方、ずいぶん安直ですね。口の中に出来る炎症ですって)3箇所も出来ていて、コンディションとしては決してベストとは言えない状態でした。しかし、茂木さんのリハーサルでは、余計なストレスを感じることは決してないだろう、という安心感のようなものがありますから、力を抜いて吹けるというのが有り難いこと。土曜日の続きの3、4楽章をしっかり練習です。
 前日の「タイあけくん」に続いてチェックしなければならないのが、茂木さんのおやじギャグ。最後の音を長く伸ばさなければならないので、弦楽器の人に「弓をすぐ返して下さい」と言っています。「すぐ返す。仙台市役所、すぐ返す課」。分かります?例によって、殆ど反応が見られなかったので、すべったのは明らかな状態だった、と見たのですが、どうでしょう。
 午後からも代吹きがあるので、お昼ご飯は外で食べてみました。ここでは日曜になるとフリーマーケットがあるようなので、賑やかなア・カペラなどを流しています。お天気は良いものの、ちょっと風が冷たいかな。あとでそのフリマを見て回ってみたら、ちょっと面白そうな昔の事典があったので、よっぽど手にとって見てみようと思ったのですが、そういう勇気は出ませんでした。なんか、足元を見られて吹っ掛けられそうで。
 午後はブラームスを3時頃までやる予定だったのですが、2時には終わってしまいました。実は、この時間には別の場所で他の予定があったのですが、こんなに早く終わるとは思っていなかったので、欠席と連絡してありました。でも、この時間だったら急いでいけば最後までには間に合います。そこで、急遽「これから行きます」と電話をして、行くことにしました。
 駐車場へ行ってみると、茂木さんが1人で手足を伸ばしていました。中があんまり暑いので(冷房は入っていませんでした)涼んでいたのだそうです。その時「トラック・バックありがとうございました」などと言われてしまいましたよ。そういえば、この前山下洋輔のあとにお会いした時の「禁断」をブログに転載して、それを茂木さんのブログにTBしたのでした。この次はおやじギャグのリストでもブログにアップしましょうか。
 それから向かった先は、川内の国際センター。「100周年」のDVDが一応出来たので、それをみんなに見てもらおうという会です。合唱団だけだと思っていたら、オーケストラの人も来ていたのでちょっとびっくり。よく見たら、指揮者までいらっしゃっていたので、さらにびっくりです。んでもって「第9」の演奏が終わった時には、会場から拍手が出たのには、重ねてびっくり。みんな、DVDの仕上がりには満足していたようなので、一安心です。
aventure number : 1048 date : 2007/10/15


今日の禁断 愛媛県みかん工業

 最近、昔のフランスEMIのCDを「おやぢの部屋」で取り上げることにしたので、「フランスEMI」とは一体何だったのか確認してみるために、ネットで検索をしてみました。案の定、この項目についてはあの「ウィキペディア」がアップされていましたので、一応目を通してみます。最近何かと問題の多いこの百科事典サイトですが、もちろんそんなことは昔から分かっていたことです。そもそも、そこに記載されている内容などは間違いだらけであることは、私の良く知っている項目などをのぞいてみれば一見してばれてしまいます。ですから、ここを見る時にはどの程度頑張っているかチェックするだけ、決してそのデータを鵜呑みにすることはありません。何かの参考資料とする時にも、必ず他のもので裏を取るのはもはや常識、ここに書かれていることをそのまま使うなんて危険なことは、とても出来ません。
 そんなスタンスで、「EMI」という項目を眺めていると、なんだかどこかで読んだことのあるような言い回しがあちこちに出てきます。というか、ここに書いてあることなどはすでに私がページを作っていたので、知っていることばかりだったのですよ。細かく見てみると、このウィキペディアは、私のページをほぼすべてにわたって「引用」しているのですね。もちろん、私が作った時にも参考資料を見ましたし(それは「参考文献」としてきちんと提示しています)、年代や法人名などは既知のものですから私のオリジナルではあり得ませんが、文章の構成とか言い回しまでがこれほど似ていると、私のページをそのまま掲載したと思うしかないのですよ。履歴を調べると、このウィキペディアが最初にアップされたのが2004年ですから、2000年にアップした私のページはすでにネット上にありましたし。
 だいぶ昔のことですが、全く同じようなケースで「ミッチ・ミラー」をパクられたことがありましたね。あの時は先方に連絡して、結局削除に追い込んでしまったという、ちょっと後味の悪い結末でした。担当ライターを処分したとか。私としては出典さえ明示してもらえれば、それで良かったのですが。ですから、今回は別になんのアクションも起こすつもりはありません。そもそもこの百科事典、他のページでは「この項目は、他の著作を引用した可能性があります」とか言いながら、しっかり掲載を続けているようなところなのですから、基本的にこういうことには無頓着なのでしょうし。
 そうなのです。人のサイトから明らかな引用をしておきながら、全く反省の色を見せようとしない、そんなものが信用できると思えますか?あ、でも、今回はパクった元が私のサイトですから、その部分だけは間違いはありませんから。
aventure number : 1049 date : 2007/10/17


今日の禁断 勲章

 末廣誠さんが仙台フィルを指揮するコンサートがあるので行ってきました。ただのコンサートではなく、なんでも仙台市とフランスのレンヌ市が姉妹都市になってから何十周年だかの記念行事の一環ということ、会場にはレンヌ市長やら、明日からのイベントに参加する人たちが招待されていました。さらに、演奏の間には私の大好きな板橋恵子さんのMCも入るという構成、半分「記念式典」のようなものなのですから、チケットがたったの1000円というのも納得です。
 もちろん、お目当ては末廣さんの指揮姿。いつもは指揮をされているところしか経験していませんから、これは貴重なもの、だいぶ前に東京で都民響のコンサートを聴いて以来のことです。もう一つ、曲目にも惹かれるものがありました。末廣さんの趣味でしょうか、ロパルツの曲が入っているのですよ。私がロパルツという名前を知ったのは、末廣さんがその作曲家の「レクイエム」を東京のアマオケで演奏した、という情報からでした。その時末廣さんに聞いてみたら「良い曲だよ」と言っていたので、1種類しか出ていないCDを探しまくり、最近やっとその曲を聴くことが出来ました。その勢いで交響曲も全曲買い込んであります。実は、まだちゃんとは聴いていないのですがね。
 「ブルターニュをめぐる伝説の世界」というタイトルのコンサートは、まずドビュッシーの「沈める寺」をアンリ・ビュッセルがオーケストラに編曲したという珍しいものから始まりました。出だしの木管がかなり危なげだったので一抹の不安がよぎりますが、美しい弦の響きに助けられて、何ごともなかったかのように過ぎていきます。今日の会場はイズミティ。ただ、ステージがオケピットの部分まで前に出てきていますから、そのせいなのでしょうか、あるいは仙台フィルの常任指揮者がフランス人に代わったせいなのか、その弦楽器がとてもきれいに聞こえてくるのです。金管なども、さんざん青年文化センターで聴かされたモヤモヤとした音ではない、スカッとしたものに聞こえます。
 そして、お目当て、ロパルツの「コロノスのオイディプス」組曲という、もちろん初めて聴く曲です。始まる前に、板橋さんと一緒に末廣さんもMCに参加、「とにかく地味〜な曲です」と解説してくれます。「でも、それがすごく良いんですよね」という言葉通り、とても静かだけれど、深いところで心に訴えるものを持った曲でした。なにより、確信を持って指揮をしている末廣さんの姿が素敵です。
 休憩後は、ドビュッシーの「牧神」です。ついこの間実際に演奏したばかり、戸田さんのフルートは相変わらず豊かな響きです。末廣さんの指揮だったら、難しいリズムも苦にはならなかったかも。ラヴェルの「マ・メール・ロワ」の「妖精の国」を挟んで、またまた期待の「トリスタン」です。これも、来年春のコンサートの曲目に決まったもの、CDではさんざん聴いていますが、実は生で聴くのはこれが初めてなのですよ。出だしのチェロのクレッシェンドから、これは大変な曲だと思わせられるものでした。フルートも最初の音はかなりビビりそう。本当にこんな曲が出来るのか、不安になってしまいます。後半の「愛の死」では、末廣さんはとてつもないテンションで燃え上がっていました。まさに感動的。
 付け足しのようなジョン・ウィリアムスの「インディ・ジョーンズ」のあと、アンコールでまたロパルツの小品が演奏されました。このフルートソロも素敵です。交響曲のCD、ぜひじっくり聴き直してみたいと思っているところです。
 次の日の一番町は、フランス一色。
aventure number : 1050 date : 2007/10/19


今日の禁断 白髪

 このところずっと続けて手直しをやっていた「100周年」のDVDですが、スーパーの入れるタイミングとか、最後にエンドロールとして出演者全員の名前を流す時の名前の間違い(漢字のちがいとか)などを丹念にチェックして、これでやっと完成品が出来た、と思っていた時に、とんでもないことが起こってしまいました。そのDVDは昼の部と夜の部の2回公演のうちの夜の部を収録することになっていて、もちろん今まで編集してきたのはすべて夜の部の素材だったのですが、合唱団のメンバーで夜の部には出演していない人がいたのですよ。その人は、コール青葉のメンバーでもある人で、この前津和野に行った時も同じペンションに泊まって、すっかり親しくなってしまった大先輩なのですが、この「100周年」の本番の直前に入院なさっていたそうで、大事を取って夜の部に出るのは遠慮されていたのです。確かに、あの過酷な本番を思えば(いえ、もちろん「本番」というのは、ステージに出る前のなんとも無神経な扱いも含まれます)、それは極めて妥当な選択だったはずです。
 特に、その方とは「第9」ではすぐ横に並んで歌っていましたから、もちろん夜には出演していないことは知っていました。でも、演奏を比較して指揮者のお二人が揃って「夜の方が出来がよい」とおっしゃったことで夜の部をDVDにすることが決まったのですし、その方がDVDを注文したかどうかも分からなかったので、そんなに気にはしていませんでした。ところが、最後のサンプルが出来上がった頃に、ボスのところにその方から電話があって、なんでも近いうちにアメリカに行くことになっているので、出来たらその前にDVDが手に入らないか、と問い合わせてきたというのです。もちろんボスは彼が出演していなかったなんて知りませんから、出来たばかりのサンプルをそのまま送ってあげると答えたそうなのです。そうなってくると、一応「それには、○○さんは入っていないんですよ」と言っておかないと、まずいですよね。
 そこで、真面目なボスは悩んでしまいました。とりあえずそのDVDには彼は入っていないことを伝えると、彼は「しょうがないね」と言ってくれたそうなのですが、やはり何とかしてあげたいと思ってしまったのですよ。そこで、いろいろ考えてみた結果、その人のシーンを昼の部の映像から取ってきて差し替えようということになりました。業者に聞いたらそれは技術的には可能だということ、もちろん、いくらかの追加料金は請求されますが、それは問題ではありませんから。
 そして、実際に昼の部をインサートしたサンプルがきのう届きました。カットを入れ替えるだけですから、なんの違和感もなく、そこにはいるはずのないその方が、しっかり映っているのが確認できましたよ。全部で9カット差し替えたそうなのですが、それは全部分かりました。それは前もってそのつもりで見ていたから分かったことで、なにも知らない人が見たら絶対にそれが昼の部のカットだなんて、分かるはずはありません。我々スタッフと、そのご本人にしか、その事は分からないことでしょう。
 実は、密かに期待していることがありました。前に書いた私の「不祥事」の部分が、もしかしたら別の映像に置き換わっているのでは、と思ったのです。しかし、そんな淡い期待は見事に裏切られてしまいました。そもそも、編集したのは「歌っている」シーンですから、「歌っていない」時の映像が変わるわけはなかったのですね。残念。
aventure number : 1051 date : 2007/10/21


今日の禁断 ビッグ

 今日は、旭ヶ丘周辺は大変なにぎわいでした。以前市民センターの駐車場だったところに、新しく立体駐車場が出来て、そのオープンが今日だったのですよ。実は、オープンしたのは駐車場だけではなく、1階部分にはスーパーが入り、そこも同じ日の朝9時に開店ということだったのです。もちろん、以前から大々的に垂れ幕などもありましたから、駐車場が今日から使えることになるのも、そして、今日から3日間は駐車料金が無料であることも私には分かっています。ですから、当然今日の練習のためにはこの駐車場を使うことは前から決めていました。というか、今まで使っていた暫定的なコイン駐車場は、新しい駐車場がオープンになるのと同時に使えなくなる、ということも知っていましたから、必然的にこちらを使うしかないことになっていたのですがね。
 新しい駐車場の入り口は、昔ここが平面の駐車場だった頃の入り口とは正反対側、青年文化センターに面した通りにあります。ここはバスも通る交通量の多い道路ですから、駐車場に出入りする車、特に右折で入る車のために、たくさんの警備員がいて交通整理をしています。そのすぐ脇がスーパーの入り口、そこのお客さんも車道を通りますから、その整理も大変。
 「無料」だというのにゲートは閉まっていて、カードを取らないと入れないようになっていたので、一瞬不安がよぎりますが、おそらく出る時にはカードを入れるだけでお金を入れなくても通れるようになっているのだろうと思いこむことにします。入ってすぐの2階のスペースはかなり車が入るようになっていました。結構広いところだったんですね。スーパーのお客さんが使っているのでしょう、あまり空いているところはありませんが、こちらもきちんと案内がいますから、すんなり入れました。
 市民センターのホールに行ってみると、真っ正面に駐車場が見えます。今までも見えていたはずなのですが、今日はちゃんと照明が入っているのでよく見えます。4階部分あたりは殆ど車がいないよう、やはり、いくらスーパーがあったとしても、そんなに車が殺到するようなことはないのでしょう。
 もう本番までは指揮者は来ないので、練習の方は、団内指揮者です。正直信じられないようなこと、というか、ある意味予想通りのことが起こっていたので、果たして演奏モードに入れるかどうかが心配だったのですが、吹いてみたらそれは逆の作用をもたらしたよう。もう開き直って自分の最高の音を出すように気持ちが向いていたのは、非常に嬉しいことでした。このテンションを本番まで持ち続けられれば、きっと良い演奏が出来ることでしょう。
 駐車場への人の入り口は2つあって、それぞれにエレベーターと階段が付いています。市民センターのすぐ前にそのうちの1つがありますから、みんなはいっせいにそこへ向かいました。案の定、エレベーターには、大きな楽器を持った人だと数人しか乗れません。結局、歩いた方が先に付いてしまいました。外に出る時にも、ゲートの前に人がいて、カードを入れてくれます。やはり、お金を払う必要はありませんでした。この次にここを使う時には、もう警備員もいなくなっていることでしょうね。あ、ただじゃなくなっても、駐車料金は前と同じ1時間100円です。
aventure number : 1052 date : 2007/10/23


今日の禁断 プラモデル

 朝夕はめっきり寒くなってきましたね。これからは暖房なども必要になってくる頃です。12月の本番に向けて、月2回ほどの練習を現役の大学生と一緒に続けている男声合唱団のOBですが、今まで練習していた練習場では、冬はとても寒く大変だということで、11月からは市民センターを借りるようになり、その場所の連絡が入りました。それによると、2回ある練習は、それぞれ荒町市民センターと、中央市民センターで行われるのだということでした。しかし、荒町は分かりますが、「中央市民センター」というのはちょっと問題です。ご存じないかもしれませんが、仙台市には「中央市民センター」という名前の市民センターが、全部で5つあるのですよ。つまり、5つの区にそれぞれ1箇所ずつ、普通は頭に区の名前を付けて「青葉区中央市民センター」とか「泉区中央市民センター」と呼ばれています。ニューフィルでもパート練習などでよく使いますよね。その他に、「パルシティ」と言っているのが、正式名称は「宮城野区中央市民センター」、「楽楽楽ホール」が入っている建物にあるのが「太白区中央市民センター」なんですよ。知らなかったでしょう。
 ですから、この連絡でただ「中央市民センター」と言われても、一体どこなのかは分からないのです。ただ、会場として「第1音楽室」とあったので、これは「宮城野区」ではないかと思いました。「第1」と言うことは「第2」以降もあるということ、2つ以上の音楽室を持っている中央市民センターは、宮城野区以外にはありませんからね。
 ということで、さらにきちんと伝えてもらうために、先方に「宮城野区中央市民センターですね」と聞いてみたところ、返ってきた答えは「青葉区です」というものでした。やっぱり聞いておいて良かったですね。「第1音楽室」というのも、何かの勘違いだったのでしょう。
 しかし、しばらくして「あれは、宮城野区の間違いでした。『パルシティ』は青葉区だと思っていました」と言ってきましたよ。やはり私の勘は正しかったことになります。しかし、なんともわかりにくいことになっているものです。こんな風に間違えてしまう人は、他にもいっぱいいるのではないかと思ってしまいます。使う人のことを全く考えていないいい加減なネーミングは、本当に迷惑なことですね。
 しばらくは「中央市民センター」を使うことはない本番間近のニューフィルですが、火曜日の河北新報の夕刊に、しっかり記事が載っていましたね。でかでかと茂木さんのカラー写真があって、かなり大きなスペースを取って紹介してくれています。その文章を読んでみると、いかにも記者が取材に来て書いたような感じになっていますが、もちろんそんなことはありません。この文章は、私が以前送っておいた「企画書」を、そのままパクったものなのですよ。いや、もちろんこの前の「ウィキペディア」とは全く事情は異なり、そもそもパクってもらうために送るのが企画書なのですが。もちろん、写真もその時に同封してあります。微妙に文章をアレンジしているのが、面白いですね。そんなことが分かるのは、企画書を書いた本人だけなのですが。
 「幅広い経験に裏付けられた茂木さんの音楽性」というのは、私のフレーズ、その「経験」のとてつもない幅広さを身にしみて感じている今日この頃です。
aventure number : 1053 date : 2007/10/25


今日の禁断 シュトレーゼマン

 朝からじっとりとした雨模様、演奏会が始まる頃になっても全くやむ様子はありません。本番前のリハーサルが、全曲を通すのではなく、ほんの8割程度の内容を通しただけで終わってしまったために、お弁当を食べてもまだまだ時間を持て余していたメンバーたちは、お客さんの入りのことをひたすら心配していました。普通だったら、こんな悪いお天気の時にわざわざ聴きに来る人はいないはずです。チケットだって、そんなに高いものではありませんし、しかも定価で買っている人は殆どいませんから。唯一の頼りは、今日の指揮者、茂木さんの力による「のだめ効果」です。確かに、チケットを売る時の反応が指揮者のせいでかなり良かったという話をあちことで聞きましたので、これはかなり期待しても良いはずです。
 寒い中をお待たせするのもかわいそうだということで、10分繰り上げての開場となりました。ステージ脇から見ていると、何となく出足はいつもより良いような気がします。とりあえず前半は降り番なので、ステージ衣装のまま客席で聴くことにします。どうやら2階のバルコニー席の一番前のボックスが、人があまりいないようなのでそこに座っても目立たないでしょう。
 開演近くになると、そこから見た分にはかなりお客さんが入っているようでした。

 写真を撮ったりしながら、演奏を聴きます。1曲目のブラームスは、なかなか渋い音。弦楽器がとても美しく聞こえます。ただ、音程などはとても素晴らしく、しっかり表情も出ているのですが、この場所で聴くとなんか「芯」がないような感じがします。核になる音が聞こえてこないという、ちょっともどかしい思いです。しかし、曲の流れはとても自然、このあたりが何度も何度も通しを繰り返した茂木さんの練習の成果でしょうか。
 2曲目の「ファウスト」になると、さっきの弦の音が今度はいかにもフワフワとしたフランス風のものに聞こえてきます。これも、歌い方などはとても自然、実は茂木さんは、この曲に関しては細かい指示は殆ど出してはいなかったはず、ここまで自主的な音楽性を、いつの間にかニューフィルの中から引きだしていたのですね。
 こんな、ちょっとすごい演奏を聴いてしまうと、私の出番のスコットランドでは、かなりプレッシャーを感じてしまいます。あれだけの力のあるオケの中で、私は果たしてその責任を果たすことなど出来るのでしょうか。そのせいでもないのでしょうが、とにかくステージが暑かったために、第1楽章などはちょっとコンディションがつかめないままに終わってしまった感があります。しかし、2楽章以降は、少なくとも音に関しては練習の時と同じだけのものが出ていたはず、それこそ、茂木さんに「これ以上、なにも言うことはありません」と言わしめたものですね。もちろん、それは話半分としても、ある程度満足のいく演奏は出来たはずです。
 たまたまカメラを持っていたので、終わった時の客席を今度はステージから撮ってみました。この感じだと優に1000人は超える入場者数ですね。実際に発表された数は「922人」、ちょっと少なめでしたが、お天気を考えれば「のだめ効果」は十分にあったのではないでしょうか。次回にもう少しコメントを。
aventure number : 1054 date : 2007/10/27


今日の禁断 せんくら

 きのうの「禁断」で使った写真、引き延ばしてみると思いがけない人の顔が写っているのが分かりました。左は、二階席に座っていたお馴染みのご常連というか、元団員、そして右側の人は、最前列に座って終わるやいなや「ブラボー」と声をかけてくれた方です。その声は、なんかどこかで聞いたことがあるような気がします。これが噂の「ブラボーおじさん」なのでしょうか。

 今回の定期演奏会は、いつもとは全く異なるタイプの指揮者との共演となりました。最大の相違点は、私たちを最初から最後まで「優秀なオーケストラ」として扱ってくれた、ということです。何と言っても我々はアマチュアですから、どんな指揮者が来たとしても必ず欠点が露呈してしまいます。そこを、彼らは程度の差こそあれ、きっちりと「直す」ことに、最大の力を注ぐように見えます。ある人は、言うだけ言って、とても直らないと悟ると明らかにハードルを下げた指示にシフト、またある人は、いとも露わに「不愉快だ!」という言葉で不快感を表明、その度に私たちは言いようのない寂しさにうちひしがれたものでした。
 しかし、茂木さんは、なにしろ参考にということで最近の定期演奏会のCDを送った時点で「これはプロの演奏です」と言いきったほど、正直今まで受けたことのないほどの賞賛の言葉で、私たちを包み込んでくれたのです。あろう事か、ブログという公の場でも私たちを褒めまくって下さいました。「スコッチの冒頭を振って数分で、このオケが非常に訓練された、理解力と演奏技術を兼ね備えたとてもよいオケであることがわかる」といった具合です。
 リハーサルの間、茂木さんの私たちに対する信頼感はどんどん増していくことが良く分かります。「素晴らしい!」、「もうなにも言うことはありません」、「まるで、ベルリン・フィルです」。もちろん、それが過大な褒め言葉であることは、私たちには良く分かっています。しかし、そのように言われることによって、確実に私たちの中から余計な緊張がなくなり、伸び伸びとした自発的な音楽が育っていくのが、目に見えて分かってくるのです。特に弦楽器など、いつの間にあんなに上手になっていたのだろうと思うほど、素晴らしいものを聴かせてくれるようになっていました。音色だって、とてもアマチュアとは思えないような輝かしいものが聞こえてくる瞬間だって、確かにありました。
 これが、「茂木マジック」だったのでしょう。褒めまくることによって、潜在的に持っていた能力を最大限、あるいはそれ以上に高めるすべを、茂木さんは多岐にわたる才能のひとつとして備えていたのです。それは、まるでオーラのように、「この人と一緒だったら、安心して良いものが作れる」という暗示のようなものが、メンバー1人1人に伝わっていったのかもしれません。実際に彼のコミュニケーション能力の高さは、個人レベルにまで及んで、有無を言わせぬ力で信頼感を獲得しているのでしょう。私も、さすがにメアド交換まではしませんでしたが、本番前に楽屋の前でたまたま茂木さんに会った時、「あそこのフェルマータ、大丈夫ね?」と一言言われただけで、リハーサルではちょっと不安だった1楽章導入部の最後の高音Eのソロの伸ばしが、本番ではとても楽に吹けましたし。
 しかも、打ち上げの席上では、私たちの力を信頼していなければとても出来ないようなオファーを披露して下さいました。実現するかどうかは分かりませんが、そこまで言われれば私たちの能力が本物なのかもしれないと思ってしまいますよね。
 多分、茂木さんという人は、フランツ・フォン・シュトレーゼマンのような、不思議な魅力を持った方なのかもしれません。私たちには知り得ないようなネガティブな面が多々あろうとも、見事にプレーヤーをその気にさせてしまう、それはまさに「魔法」だったのです。
aventure number : 1055 date : 2007/10/28


今日の禁断 百貨店

 おとといの定期演奏会の余韻は、まだ残っています。指揮者の茂木さん自身が、ブログにかなり長文のエントリーを寄せて、例によってニューフィルのことを褒めまくっています。まあ、これはこれで「大変名誉なこと」ということでありがたく頂戴しておくことにしませんか。
 そう言えば、プログラムに原稿を頼まれた、ということを前に書いたきり、まだ紹介していませんでしたね。演奏会に来れば読めるものなのですが、遠方の方にはこちらからどうぞ。ただし、私の予想を裏切って、茂木さんは楽章の間を休んでしまいましたから、それはちょっと残念。
 もうすでにきのうのエントリーでリンクを張ってありますからご覧になったかもしれませんが、きのうは割とヒマだったので公式サイトの方のページも作ってあります。打ち上げの写真などは茂木さんのオンパレード、ファンにはたまらないことでしょう。
 え〜、きのうは「ヒマ」と書きましたが、実は朝早く愚妻をイズミティまで送っていく、という仕事が入っていました。本来なら私も出演してもおかしくないような合唱のコンサートの本番がきのうだったのです。昔からお世話になっているO先生の、まさに合唱人生の集大成といった趣のコンサート、そのために全国から(あとで分かったのですが、ニューヨークからも)かつてO先生の許で歌った人たちが集まるという、ちょっとすごいコンサートです。言ってみれば「コール青葉」の仙台版といったところでしょうか。出演したいのはやまやまでしたが、なにしろ「茂木定期」が直前、練習日もことごとく重なっていましたから、涙をのんであきらめざるを得ませんでした。
 ですから、本番を聴きに行くのがせめてもの償い、と思い、チケットは買ってありました。愚妻を送って帰ってきてから、家事をこなし、お昼ご飯を食べて、あとはコンサートまでなにもすることがありませんから、さっきの公式サイトを作ったり、たまっていたビデオを見たりして、時間をつぶします。確か、7時開演のはずですから、まだまだ時間はありますし。
 早めの晩ご飯を食べて6時になったので、出かけることにします。渋滞を見ておかないと、焦ってしまうこともあり得ますから。車のキーと一緒に置いてあった携帯をチェックしてみると、なんだかずいぶんたくさんの着信がありますし、留守電も入っています。それを聴いてみると、愚妻が「今どこにいるの!」とか騒いでいます。まだ始まっていないのに一体何なのでしょう。と、確認のためチケットを見てみると、「開演3時」とありました。え〜っ!!てことは、もうコンサートは終わってしまって、それで荷物を持ち帰るように電話をよこした・・・。
 なんか、目の前が真っ白になってしまいました。なんでこんなミスを犯してしまったのでしょう。そもそも日曜日に7時開演なんて、ありえませんよね。おそらく、この前同じ会場であった末廣さんのコンサートが7時開演だったので、それが刷り込まれていたのではないでしょうか。
 慌てて、もう始まっている打ち上げの会場へ車を走らせます。この前ニューフィルでも使った「Welcome to the Moon」ですね。そこにいたのはなんとも懐かしい面々でした。まさか「聴いてない」とは言えませんから、曖昧に「お疲れ様」とか言って、O先生などとも固い握手です。あまり長居をするとボロが出るので、愚妻の荷物を受け取ったら逃げるように家へ帰ってきましたとさ。
aventure number : 1056 date : 2007/10/29


今日の禁断 プッチーニ

 今週は、演奏会の直後ですから、火曜日の練習はお休みです。来週からは、今度は角田の第9へ向けての練習が始まります。その時に、今回の演奏会の反省などを語り合う「懇談会」がありますから、それをいつも通り原稿に起こせば、新しい「かいほうげん」が出来上がることになります。つまり、もう、その分のページを残して、他の部分は殆ど出来上がっているということになりますね。いつもながら、周到な仕事ぶり、こんな人がコンサートの開始時間を間違えるなんて、とても考えられません。
 とりあえず、懇談会と定期演奏会を合わせて4ページを確保しておきました。懇談会の内容によっては3ページ近くになってしまうことを考えての、バッファーの役目を、定期演奏会の記事に持たせた、という構成です。こちらは写真がたくさんありますからどんなサイズでもOK。
 そのためには、いつもの末廣さんの連載エッセイを、本来は3ページだったものを2ページに減らさなければなりませんでした。まあ、これは画像などを入れなければ、ほんの少し削るだけで可能です。というか、もう作ってあるのですが。前にも書いたように、新しいOCRを使い始めてから、こういう印刷物のテキストを拾うのはとても楽になりました。とは言っても、これは万能ではありません。以前、新聞記事を切り抜いて読ませようとしたのですが、全く使い物になりませんでした。その原因は、どうやらノイズの多さだったみたいですね。新聞の印刷面は、普通に読む分には何ともありませんが、これを画像として読み取ると、裏側の字が透けていて、それがノイズになってしまうのですよ。ですから、そのままだと、まずまともな文章は出てきません。きちんと画像ソフトで裏側の字を消してやらないとダメなのでしょう。
 末廣さんのような雑誌の紙面ですと、殆どきれいに読み取ることが出来ます。しかし、機械はバカですから、文字でないイラストなどもまるで文字であるかのように判断しようとしますから、テキストを見るといきなり全く脈絡のない意味不明のフレーズが現れてびっくりすることがあります。元の画像を見ると、ペンギンの目だったりするのですが。
 そんな、認識結果の中から意味のないものを取り除いて、原稿用のテキストが完成します。それを、「かいほうげん」用の書式に流し込んで、ひとまず紙面が出来上がります。そのあとはそれを「校正」します。ディスプレイではなく、実際に印刷されたものでないと、なかなか間違いが見つけられないことがありますから、これは非常に重要な作業になってきます。案の定、さっきまでは気づかなかったようなおかしな字や、余計な空白がごそごそ見つかってきます。「働興」ってなにかと思ったら、「慟哭」でした。なんか、一生懸命難しい言葉に挑んでいるけなげさのようなものまで、感じられては来ませんか?
 今回のエッセーは、「蝶々夫人」についてのものでした。このオペラの中には日本の曲のメロディがたくさん出てきますが、その事について末廣さんは「在イタリアの日本大使夫人」から作曲家が教わったことを述べていました。そこで、OCRくんは、とんでもない間違いをしでかしてくれたのですよ。「使」という字の代わりに、非常に良く似た「便」という字を認識してしまったのです。そうなると、「日本大○夫人」。あんまり面白いので、ここだけは直さないでおこうか、迷っているところです。
aventure number : 1057 date : 2007/10/31


今日の禁断

 77万のキリ番がもうすぐ出ます。この次は777,777でしょうか。景品はこの間の定期演奏会のDVDかも。今度のはどうやらケースがロングサイズ、つまり売っているDVDみたいになるようですから、いよいよ立派なものになるはずですよ。
 熱心なリピーターの方はお気づきでしょうが、おとといはこのサイトの更新がありませんでした。実は、さきおとといから3日間、京都などに旅行に行っていたのです。行く日と帰ってきた日は更新できましたが、パソコンを持っていかなかったので真ん中の日はネットにアクセスできませんでした。パソコンを貸してくれるホテルもあるので、ブログだったら更新できるのですが、サイトはなかなか難しいでしょうね。FTPとかもインストールしなければいけませんし。
 と言うわけで、京都です。

 この駅ビルは出来てから10年経つのだそうです。私が最後に京都に行った時には、まだ市電が走ったりしていましたから、もちろんこんな駅ではありませんでした。なんともインパクトのある建物で、ちょっとした感動でした。駅の両サイドに伊勢丹とホテル+劇場という構成、それらが完全に一体化している巨大な作品という感じですね。たまたまネットで取ったホテルがその駅ビルの中のホテルでしたから、内側からもこの建物の子細がつぶさに観察できましたが、もう想像を絶するような景観にはびっくりのし通しでした。このホテルのフロントやスタッフが、「京都弁」で通しているのにも、ちょっと感動しました。そうなんですよ。ホテルだからと言って標準語を喋る必要はなにもないわけで、特に観光目的でしたら、ぜひともご当地の言葉も味わいたいもの、「デスティネーション・キャンペーン」で大騒ぎしている宮城県でも、「方言」で応対するぐらいの勇気はないものでしょうか。

 京都まで行ったのは、ただの観光ではなく、ある意味研修旅行的な意味もありました。結果的には、VIPである宗務総長にアポなしでお会いすることが出来ました。さらに、この時期を選んだのは、国宝である東福寺の三門の中が、何年かぶりに一般に公開されるという事情からです。
 普段は中に入ることは許されない、この桃山時代に作られたという建造物は、とても急な階段を登って中に入れるようになっています。あいにく、内部を写真を撮ることはもちろんのこと、登り切ったところからまわりの景色を撮ることさえも禁止されています。そこには多くの仏像が展示されており、天井にはかつては極彩色だった天女などが描かれていますが、それらをはっきり見せるための照明すらもありません。曇りがちのお天気の中、薄暗いその空間は、まさに神秘的なたたずまいを見せていました。

 このお寺の伽藍は京都では最も広いものです。なんせ境内には川が流れているのですからね。その谷にかかる橋が「通天橋」、紅葉の名所として、非常に有名なところです。あいにくまだまだ紅葉にはほど遠い色合いでしたが、谷中に茂っているこの楓などが色づく様を想像するだけで、圧倒されてしまいます。もちろん、その時期にはこんなにのんびり見学することも出来ないでしょうし。
aventure number : 1058 date : 2007/11/3


今日の禁断 エアコン

 「エア・ギター」というのは、もはや一般名詞としての地位を確立しています。とは言っても、私がこの言葉を知ったのはそれほど前のことではありませんが。あちこちのブログなどに見かけるようになった時には、正直イメージはわきませんでした。空気で膨らませた、風船のようなギターかな、とかね。そのうちに、これは実際にギターを弾かないで、格好だけを真似るだけだと分かるようになってきました。しかし、その時点でも、楽器だけは持っても、アンプには通さないで音を出さずに演奏するものだと思っていましたから、まだまだ正しいイメージにはほど遠かったわけです。
 いずれにしても、今では殆ど「演芸」のノリで多くのファンを集めているようですね。「世界大会」などと言う、まさに「国際コンクール」で日本人が優勝したというような、誇らしいニュースも伝わってきましたし。
 そんな、ある種のブームに乗ったのか、最近では「エア・コンダクター」という言葉も見かけるようになってきました。まあ、クラシック・ファンであれば一度は経験したことのある「指揮のものまね」を「芸」として昇華させたものととらえることが出来るのでしょう。
 実は、これに関してはだいぶ前に仙台のDJ「本間ちゃん」が、ラジオでコメントしていたことがありました。殆ど冗談といった口調で「『エア・ギター』っつーのがあんだこって、『エア・コンダクター』もいいんでねが?」といった感じ、まあ、あんまりまともなものですから、本当にそんなものはあるわけがない、という口調でしたね。
 しかし、そんな冗談が、実際にコンクールという形で実現しようとしているのですから、すごいものですね。しかし、募集要項にもある「優勝しても有名指揮者への弟子入りや、指揮の仕事はございません」というコメントは、もちろん完璧にシャレには違いないのですが、もしかしたらくそ真面目なクラシック・ファンへ向けてのマジな「注意」と受け取れることだって出来てしまうというところが、笑えます。
 ところで、先週の定期演奏会のDVDが、いつものようなとても早い仕事ぶりで一部では入手できるようになっています。さっそく見てみると、やはり指揮者の茂木さんのキャラクターが、しっかり現れていることが良く分かります。最初に入場してくる時なども、いかにもやる気満々という華々しさがありました。在りし日の山本直純のような雰囲気が、そこはかとなく漂っていうように見えたのは、気のせいでしょうか。
 このDVDには、余白に演奏以外のバックステージや打ち上げの模様が収録されています。そこに、開演直前の茂木さんの姿が写っているのですが、ウォーミング・アップでしょうか、誰もいない空間へ向かって真剣に指揮をしている姿は、まさに「エア・コンダクター」そのものではありませんか。
aventure number : 1059 date : 2007/11/5


今日の禁断 リファイン

 定期演奏会も終わり、普段の練習が戻ってきました。とは言っても、まずは12月の「第9」へ向けてということになるのですが。その前に、楽しみなのは新しくできた駐車場です。今までは台数など何かと制約の多かったものが、おそらくどんな時にでも間違いなく車を駐められるようになったのですから、ひとつストレスが減ったような感じです。それと、この前に初めて駐めたときには料金が無料だったので気づかなかったのですが、ここに併設されているスーパーの専用駐車場ということなので、お買い物をした方には無料になるサービスがあるのではないか、というのも楽しみでした。実は、朝家を出る時に、愚妻からしっかりそのスーパーでの買い物を頼まれていましたので、まずは楽器は車に置いて先に買い物をするためにスーパーへと向かいます。
 確かに、入り口には「お買いあげのお客様は1時間無料」と書いてあり、特に何円以上という条件もないので、おそらくなにかを買うだけで1時間分、つまり100円は出してもらえるということなのでしょう。私の買い物は1000円近くになったので、堂々とサービスカウンターで駐車券の上書きをしてもらいます。あとで別な人に聞いたら、お茶を1本買っただけでもちゃんとサービスを受けられたということですから、これからは毎週ここで買い物をすることになりそうです。
 ホールへ行ってみると、すでに数人のメンバーが集まっていました。その中にいたのが、いつも早く来るオーボエの若手Kくんです。私が入っていくなり、まじまじと私の顔を見つめているのです。何かに驚いたように、若さゆえでしょうか、なんの遠慮もなく不審げな眼差しを私に向けていたのです。それは、おそらく私が髪を切ってきたからでしょう。大人の団員でしたら決してそんなあからさまな興味は示さず、心の中で驚くだけなのでしょうから、彼のある意味素直な反応は小気味よいほどでした。そう、演奏会までは肩ほどまであった私の髪は、今はごく普通のショートカットになっていたのですからね。
 いつも演奏会の直前にカットをすると、短すぎていやなので、美容院に行くタイミングには苦労しています。今回は合唱の本番があったり、土日に練習が入っていたりしていたので、ついつい伸びすぎてしまったところでニューフィルの本番になってしまいました。それともう一つ、行くのをためらっていた理由があります。今までずっと行っていたのは自宅のすぐそばにある美容院だったのですが、そこでずっと私の担当だった店長さんが、同じチェーン店の別な店の店長さんになってしまったのですよ。ただ、しばらくは前の店にも出ているので、来る前に予約を入れて欲しいと言われていたのです。今までは気が向いた日に行けばやってもらえたものを、予定も分からないのにいちいち予約なんて、と思っているうちに、延び延びになってしまいました。そして、いよいよ意を決して予約の電話を入れたら、その人はもう新しい店にしかいないと言われてしまいましたよ。別に特別なことをやってもらっているわけではないのですが、長年のお馴染みだと細かいことを言わなくても気に入ったように切ってくれるので、今さら他の人に頼むのも面倒ですから、そんなに遠くはないその新しいお店で、日曜日に切ってもらったばかりだったのです。
 その日の練習の最後には、恒例の懇談会で、演奏会の感想などが述べられました。誰の口からも、出てきたのは茂木さん賞賛の声、さすが皆さん大人、Kくんのような正直な態度は、おくびにも出しませんでしたね。
aventure number : 1060 date : 2007/11/7

07/11/9/-12/15