0961(07/4/29)-0980(6/1)

今日の禁断

 ゴールデン・ウィークは練習で始まりました。何の因果で、連休まで練習があるような団体と関わりを持ってしまったのかは分かりませんが、これはなかなかつらいこと。まずはきのうのフルートの会です。しかし、これは、実は私サイドが練習をせざるを得ないような状況を作ってしまったので、仕方がありません。毎年(ほぼ)恒例の「かやの木コンサート」を、今年もお願いすることになって、そのための練習なのですからね。本番は6月の3日ですが、今回はあいにく屋外ではなく、ホテルの宴会場で演奏することになっていますので、ぶらっと散歩がてら聴いて頂く、ということは出来ないでしょう。残念。
 そして、今日は先週もやった「百周年」の合唱です。先週は「第九」でしたが、もう一曲この演奏会のために委嘱された「祝典曲」という新しい曲の最初の練習です。岡崎光治さんという仙台の作曲家に作って頂いたものなのですが、この方は実は私の合唱団のOBで、個人的にもいろいろ関わりがあります。この前の東京での「コール青葉」のコンサートでも指揮をお願い、私の拍子木をとてもおもしろがってくれました。この曲は3管編成のオーケストラと、ソプラノソロ、オルガン(ポジティーフ)ソロ、そして合唱のために作られたものなのですが、なんでも最後の楽章では客席に金管のバンダも入るという大規模なものです。楽譜はだいぶ前に出来上がっていたそうなのですが、合唱用のボーカルスコアの印刷が終わったのがつい2、3日前、したがって、今日渡された楽譜を初見で歌う、ということになってしまいました。
 例によって受け付け担当のOBとしては、本日の会場、国際センターに早めに到着して、その楽譜をみんなに渡す役目が待っています。と、現役の学生などが、「もう頂いてます」とか言ってます。どうやら、すでに現役の合唱団にはコピーが行き渡っていたようなのですね。
 この会場は、私は中に入るのは初めて、かなり大きな宴会場を2つに仕切ったうちの一つなのですが、かなりの広さがあります。何よりもガラス張りで外に広がっている三の丸の景色がよく見えるのが、開放感を誘います。先週の若林は完全な密室、そこにぎゅうぎゅう詰めになって、しかも暖房が切れないというお役所仕事のためにとても大変な思いをしたのとは対照的です(次回から、またその若林になりますが)。岡崎さんの曲は、とてもイメージのはっきりしたもの、すでに音とりを終わっている現役に助けられて、結構面倒な音程も難なく歌えてしまいます。時折、「この部分ではヴィオラが・・・」とか、「ヴァイオリンのソロで・・・」とか言っていますから、どんなオーケストレーションなのか、知りたくなってしまうのは、オケマンの性でしょうか。正直、オケに交ざって一緒に演奏したくなってしまいましたよ。
 練習が終わったら、この祝典曲だけが演奏される、この施設のホールを見に行きました。コンサートの本番は県民会館ですから問題ないのですが、その次の日にここで行われる祝賀行事での演奏の下見です。もちろん、ここも私は初めて。ほぼ若林や広瀬と同じスケールのステージですから、ここにフルオケと200人の合唱が乗るのはちょっと無理なのでは、という感じ、客席をつぶせばもっとステージが広がるのですが、それは入場者の面で不可能なのだとか。さあ、どうなるのでしょう。
aventure number : 0961 date : 2007/4/29


今日の禁断 リコー

 職場のデスクトップパソコンが、いよいよダメになったので買い換えることにしました。なにしろ9年前に買った「95」のマシンですからね。今時こんなOSを使っている人なんかいませんよね。とりあえず住所録の管理とかが中心ですから、それはだましだまし使えていましたが、文書はもうほとんど使い物にならなくて、自宅から持ち込んだノートパソコンがもっぱら活躍という有り様でした。ちょっと前にプリンターを買い換えたときも、もはやUSBの接続しかなくなっていて、あせってしまったこともありましたし。
 そこで、ヨドバシに行って最近の製品を見てみると、ちょっとすごいことになっているのに気づかされます。富士通とかNECといったメーカーのパソコンには、電話線用のモジュラー端子が付いていないのですよ。私の職場はハイテクに関しては全く奥手というか、ブロードバンドなどとは無縁で過ごしている世界ですから、ダイアルアップが唯一のインターネットツール。ですから、モデムの付いていないパソコンを買ってもしょうがないのです。これはかなりショックでしたね。今の世の中、確かにブロードバンドが大前提の世界になってはいますが、だからといってモデムを削ってしまうなんて。こういうことをするメーカーを本気で信じられなくなってしまいました(あとでカタログを見てみたら、本当に高い機種だけには残っていることが分かりました)。
 しかし、きちんと、もしかしたら要らないものかもしれないけれど、確かに使う人はいるのだということで、きちんとモジュラー端子を付けているメーカーはまだ残っていました。なんか、ほんの少し「良心」のようなものを感じたものです。単に、他のメーカーがあまりにアコギなので相対的に好感を持ったというだけなのでしょうが。結局、そんなメーカーのうちの一つ、日立の製品を買うことにしました。ちょうど「夏物」がでるちょっと前で底値になっていましたしね。
 連休前に買ってきて、その日は箱から出しただけ、連休の谷間の今日、やっとセットアップできることになりました。しかし、1日で軽く終わってしまうと思っていたのに、まだまだ先は長いという、えらいことになっています。その最大の原因は、お察しのことでしょうが新しいOSの問題です。今度買ったパソコンには、その、VISTAという、まるでトヨタの車のような(これって、商標登録してないのでしょうか)名前のOSになっていて、メインのアプリケーションもそれぞれ新バージョンになっています。まず面食らったのがIE7。デフォルトではメニューバーが表示されていないものですから、本当に戸惑ってしまいましたよ。そして、メーラーも使い慣れたOEがどこにも見当たらないと思ったら、「WINDOWSメール」と名前が変わっていたんですね。これは「迷惑メール」というフォルダーが最初からあって、面白いようにそこにスパムが吸い込まれていくのが気持ちのいいものでした。
 そんな中で、前のソフトをインストールしていると「VISTAに対応していません」ということではじかれるものもあったりして、前途は多難です。何よりも、「かいほうげん」を作っている複合コピー機のプリンタドライバがインストールできないのが大問題。さっそくメーカーを呼んで、見てもらうことになっています。
aventure number : 0962 date : 2007/5/1


今日の禁断 ラヂオの時間

 いやぁ、パソコンのセットアップは遅々として進みません。つい面白そうなことに手が伸びてしまいますから、仕事に必要なことが後回しになってしまいます。まず、最近のDVDドライブの進歩ぶりを確かめようとしたのがいけません。どんな種類のDVDでも再生できるというものなのですが、本体に入っているのはCPRMには対応していません。そこで、それを修正するためのバージョンアップしたソフトが添付のCDに入っているというので、そのインストールをやってみようと思いました。1枚のペラペラの紙に、そのインストールのやり方が書いてあるというのが、いかにもメーカーでも慌てて付け加えたものであることを物語っています。
 そこに書いてある通りにCDからインストールを実行したのですが、なんかやたら進み方が遅いのが気になります。数時間もかかってやっと「99%」まで進んだところで、今度は全く停まってしまいましたよ。キャンセルしようと思っても全く受け付けません。途方に暮れた私は、コールセンターに電話をかけることになります。当然、電話はものすごく混んでいるでしょうから、すぐ繋がるとは思ってはいませんでしたが、「10分繋がらないときには、誠に失礼ですが自動的に電話を切らせて頂きます」という録音がしつこく流れているのには、本当に「失礼な」と思うしかありません。幸い9分ちょっとでつながり、この件を聞いてみたところ、なんだか話が食い違っているようなのです。私のところにある紙ではなく、別のことを書いた紙が入っているというのです。それによると、まず今入っているものをアンインストールしないことには、インストールは出来ないと、それには書いてあるのだとか。おそらく、前のものから少ししてメーカーが間違いに気づいて新しいものと差し替えたのでしょうね。なんでも6つのソフトをアンインストールしなければならないのだとか、そんなこと、実際に書いてなければ絶対に分かりません。
 言われた通りにもう1度試してみると、確かに前よりは早くインストールは進みましたが、やはり「99%」で止まってしまいましたよ。どうしようもないのでひとまず「タスク・マネージャー」でインストーラを終了して、試しにDVDを入れてみたら、見事にソフトが立ち上がりました。どうやら、インストールはうまくいったみたいです。そこで、試しにCPRMのディスクを入れてみたら、なにやらネット接続を要求してきました。確かに説明書きには「ネットからCPRM再生キーを取得」みたいなことが書いてあったので、慌ててダイアルアップでつなぐと、なにやら処理を行っていたあと、いきなりそのCPRMディスクが再生されたではありませんか。これはちょっと感激ものでした。
 そんなわけで、依然プリンタドライバは手つかず、連休明けを待つことになります。
 さっきのCPRMディスクは、デジタル放送を録画したものだったのですが、そんなデジタルライフになくてはならなかった「BSファン」という月刊誌が、先月で休刊(実質的な廃刊)になっていたことを、今月号を買おうとしてもどこにもないので、初めて気が付きました。同じ出版社で昔「FMファン」というのがあって、これも愛読していたのですが、それも廃刊になりましたよね。なんか因縁めいています。
aventure number : 0963 date : 2007/5/2


今日の禁断 ショット

 いま仙台では「コーラスワークショップ」というものが開かれています。青年文化センターを会場にして、3日間にわたって合唱の講習会などが行われるものです。毎年いろいろなところで開催されるのが、今年は仙台の番だったというわけです。このために合唱界の大物、作曲者や指揮者が大挙して仙台にやってきています。参加者はいろいろなテーマごとにレクチャーを聴いたり、実際に歌ったりするというものです。
 いくら合唱を始めたからといって、そこに参加するほどの熱意はありませんから、せめて雰囲気でも味わおうと、そのイベントの中にあるコンサートに行ってきました。それは、コンクールで全国大会に行っている常連の高校が東北各県からやってきて、それぞれがお得意の曲を披露するというものです。東北地方の高校の合唱のレベルはかなり高いということですから、これは楽しみです。
 会場のコンサートホールはほぼ満席、これだけを目当てにやってきた人がたくさんいたようです。最初は空調は入っていなかったのですがこれだけ入れば温度はどんどん上がってきて、後半には冷房が入るほどでした。
 最初に歌った岩手県の不来方(こずかた)高校を聴いただけで、このコンサートがとてつもなく楽しめるものであることがすぐ分かりました。一応混声ですが、男声はかなり少なめ、しかし、女声だけで始まった「さとうきび畑」の、なんとピュアな響きだったことでしょう。ほとんどヒーリングに近い肌合いで淡々と進んでいきますが、このまま女声だけで終わってしまうのかと思っていると、最後近くで男声が入ってきました。それは、それまでの女声とピッタリ溶け合う、とことんソフトなもの、まさに「天上の響き」でしたよ。次の曲はガラリと変わって、高校生が演奏会で良くやる振りを付けて歌うナンバー、きちんと歌える下地がある上でこういうことをやるのですから、これは本当に楽しいものでした。それだけではありません。曲の途中で指揮者が、会場に聴きにきていた講師たちにステージに上がって一緒に歌うように促しているのです。楽譜も用意して。そこで、こんな風にとんでもない男声合唱団が歌い出すことになりました。松下耕とか鈴木輝昭といった今をときめく人気作曲家がメンバーなのですから。合唱連盟会長の浅井さんも歌っていますよ。

 一番印象に残ったのは、秋田北高の女声合唱でした。最初は15人ぐらいの少人数が指揮者も立てないで(合図を送る人はいましたが)アグネスティヒという人のミサ曲を歌ったのですが、その声はとても伸びやかで確かな主張を持っているものでした。クラスターが頻出するアンサンブルも、全く乱れはありません。例えばフランスの○○サンテュスあたりよりは遙かに上質な音楽が、この高校生たちから感じることができたといえば、その凄さが分かるはずです。
 一番最後には、出場者全員のステージです。

 こんな400人以上の大人数であるにもかかわらず、女声パートは全く濁りのない響きだったのは、驚くべきことです。本当に高いレベルというのは、こういうことなのでしょうね。ただ、男声は人数も少なく、ちょっと情けないものでした。出演した7つの高校のうち混声は2校だけ、かつての「福島女子高」が共学化した「橘高」では、男子が女声パートを歌っていましたし。高いレベルというのは、あくまで「女声」の世界でのことのようです。
 ホールのロビーでは、合唱の楽譜やCDのショップがオープンしていました。これだけのアイテムが揃っているところなど、仙台には他にはありません。嬉しくなって、武満徹の「うた」の楽譜を買ってしまいました。
aventure number : 0964 date : 2007/5/4


今日の禁断 筍掘り

 ゴールデン・ウィークには映画館に映画を見に行くものだというのは、日本人の常識です。ていうか、そもそも「GW」というのは映画業界の人が作った言葉ですからね。チョコレート業界が「バレンタイン・デー」を作ったように。そんなわけで、もう終わりかけている「ラブソングができるまで」を見てきました。

 80年代に大ヒットをとばしたグループのメンバーだった男ヒュー・グラントが、今では落ちぶれて「懐メロ」路線の営業専門の歌手になっているという設定。オープニングが、いかにも「80年代」という感じのビデオクリップで始まるというので、まずツボを刺激されてしまいます。このクリップがまさにあのころのもののパロディで、演奏だけでなくドラマ仕立てになっているあたりが妙なリアリティを持っています。もちろん、曲ももろ「80年代」。そんな彼が、小さい頃彼の歌を聴いて励まされたというアイドル歌手から新曲を依頼されます。と言っても、ある種のコンペだったのですが、彼は久しぶりに張り切って曲を作り始めます。ただ、彼はメロディは作れても詞は書けませんから、別の作詞家との共同作業になります。そんな相棒がすぐ出てくるのがちょっと、ですが、そこにたまたま代理で植物の世話に来たドリュー・バリモアが何気なく歌詞をつぶやいたのを聞いて、彼女とチームを組むことになる、というのが物語の始まりとなります。
 落ちぶれている割りには、管理人付きの立派なアパートに住み、部屋にはグランドピアノや、デモテープ作りのためのDTMシステム一式が完備しているというのが、ちょっとすごいところ、これは昔の曲の印税のお陰なのでしょうか。とにかく、このチームは色々あった末に曲を作り上げてしまいます。それをきちんとデモテープ(CDですが)にする課程が、なかなか興味深いものでしたよ。ヒューが一人でキーボードからベース、ギターと重ねていって、最後にボーカルをドリューと2人で入れるところまで、おそらく最近のソングライターが実際に取っているはずのやり方が紹介されています。ここでは「楽譜」が使われることはなく、曲のそれぞれのパーツはデータとしてパソコンに打ち込まれていきます。
 完成したCDをアイドル歌手に聞かせると、「こんな曲が欲しかった」と一発でOKとなって、まずは一安心となるのですが、それを実際にレコーディングするためにもろヒップホップのアレンジに変えてしまったことで、ドリューが激怒します。そのシーンでの「流行に媚びて、曲の命を殺してしまっている」という彼女の訴えは、今の音楽シーンに対する制作者からの抵抗のメッセージのように聞こえます。ですから、最後のコンサートのシーンで、彼女の訴えを聞き入れたアイドル歌手がオリジナルの形で歌うときには、言いようのない熱いものがこみ上げてくることになるのです。
 そのコンサートは、マジソン・スクエア・ガーデンというものすごいところで撮影されていました。これは実際に劇場の大画面と大音響で体験してこそ初めて感動に繋がるものでしょう。字幕は相変わらずいい加減ですが、あきらめて英語を聞いていると、あちこち小技が効いていて楽しめます。最初の作詞家と曲を作っているときに、作詞家が「minor third chord」と言っているのを字幕では「短三度」などと難しく訳していましたが、これは別に「マイナーコード」で構わないのですがね。実際、そう言われてピアノで弾き始めたのは、それまでのメージャーコードではなく、マイナーコードでしたから。そんな突っ込みも含めて、最初から最後までとても楽しめた、私にとって久々のヒット作でした。もうそろそろ終わってしまいますから、ぜひお早めに。
 一部の人には連絡しましたが、タイトルの催しをあした6日午後3時頃から始めます。案内のない人でも、お暇なら来てみて下さいな。雨が降りそうなのでカッパが要るかも。
aventure number : 0965 date : 2007/5/5


今日の禁断 米ぬか

 連休中はまるで夏のように暖かい良いお天気が続いたというのに、一番最後の日が朝から曇り模様、しかも午後からは雨も降って来るという予報だなんて。いや、別に普通の休日でしたらお天気などはどうでも良いのですが、よりによって筍掘り大会が予定されている日にこんなお天気とは。確か、去年もあまりお天気は良くなかったはず、そういうジンクスなのでしょう。
 予報通り、開始予定時間の3時近くになって、雨は本格的に降り出しました。傘がなければ確実に濡れてしまうような降り方、私はとりあえずカッパを羽織ります。竹やぶの中でしたらそんなに雨は入ってこないでしょうから、靴はいつも履いているスニーカーで大丈夫でしょう。
 毎年、時間通りに来る人はいないので、スコップやバケツを用意していると、駐車場に新しい車が停まっているのが見えました。近づいてみると、それはコンマスのNさん。今まで来たい来たいと言っていたのに、いつも都合が付かなくて来れなかった人、ついに念願が叶ったのですね。晴れて(いや、雨が降っていましたが)竹やぶデビューです。さっそく掘って頂こうと、そのあたりの筍にチャレンジしますが、まわりの根っこがかなり固くなっていて、なかなか掘り出すことはできません。長年やっている私も、かなり手こずります。初心者のNさんには、ちょっと無理なのかもしれません。
 しばらくすると、このところの毎年の参加者、Sさん一家が大挙してやってきました。なんと、今年はマイスコップを持参、気合いが入っています。もちろん、雨に備えてしっかり長靴やカッパで装備していたのは言うまでもありません。ここのジュニアたちはもうすっかりコツを飲み込んでいますから、竹やぶに入るやいなや筍にアタック、見る間に掘り起こしてしまいます。それを見ていたNさんの落ち込んだこと。
 少し遅れてやってきたしできさん一家が現れた頃には、もうほとんどの筍は掘り尽くされて、なくなっていました。それでもあいこちゃんとかずまさくんは生い茂った蕗の葉の下に顔を出していたのを探し出して、見事に立派な筍を手中に。

 開始から1時間ほどで筍もなくなったし、雨脚もだいぶ激しくなってきたので、これでおしまいということになりました。今年も大きなポリバケツに2杯以上の収穫、それぞれに袋に入れて持ち帰ります。もちろん、私も去年の失敗を繰り返さないように、しっかり自宅へ持ち帰ることも忘れてはいません。
 それにしても、竹やぶの中でもしっかり濡れてしまうほど、雨は本格的に降っていました。気が付いたら私のスニーカーはずぶ濡れ、しかも、それは水が中までしみてしまうタイプのものでしたから、靴下までぐっしょり濡れてしまいましたよ。雨の中、皆さん本当にご苦労さまでした。
aventure number : 0966 date : 2007/5/6


今日の禁断 イマジオ

 新しいVISTAのデスクトップは、どうやら順調に仕事のアシスタントとしての働きを始めてくれているように見えます。普通の文書作成や、名簿管理といったベーシックな仕事には、まず過不足なく以前のXPから乗り換えることは出来ました。しかし、たとえば「かいほうげん」を作ったりするような「昼休み」の仕事には、ちょっと問題があることが、使い込むに従って明らかになってきます。その最大の問題が、「かいほうげん」にはなくてはならないプリンタの問題です。この間、プリンタドライバがインストールできないという事を書いたはずです。リコーというメーカーの複合型コピー機についてきたCDロムはそもそもは「98」に適合したものだったのですが、それはXPでは何の問題もなく使えました。しかし、VISTAでそれを使おうとすると「このプログラムはWIN95以上の環境でなければ使えません」という警告が出て、それ以上先に進まないのです。VISTAというのは「95以前」のOSということになるのですね。ところが、VISAにはありとあらゆるメーカーのプリンタドライバがあらかじめ「同梱」されていて、USBケーブルを接続すると自動的にインストールされるようになっているのです。ですから、別にCDなどがなくても大丈夫、何の問題もなく印刷はできるようになります。もう1台使っているキャノンのインクジェットプリンタは、それだけのことで以前とまったく変わらないドライバがインストールできてしまいました。
 ところが、このリコーの場合、新しくなったドライバは、今まで使い慣れたものとは全く様子が変わっていました。普通の事務用の文書でしたら問題にはならないのですが、「かいほうげん」の場合はプリンタの最高の機能を駆使して作っています。その主な機能は、2ページ分を1枚に印刷する「集約」と、印刷品質の細かいモード分けですが、そのいずれもが、全く操作できないようになっていたのです。これではとても使えないので、もっときちんとしたものが用意されていないかとリコーのダウンロードサイトを見てみたら、確かにこの機種のVISTA用のドライバとして公開されているものが見つかりました。さっそくダウンロード(ダイアルアップでは無理なので、自宅でUSBのフラッシュメモリーにコピーします)したものをインストールしてみると、これはもっと限定された機能しかないちゃちなドライバでした。
 たまりかねてメーカーに電話したところ、担当営業が青くなってサービスと一緒に飛んできました。驚いたことに、こういう現状をその二人は全く認識していなかったのですね。「こんなのは初めてのケースです」などと言っています。とにかく、いろいろ「詳細設定」などといじっているうちに2ページを1枚に収めることはできることはわかりました。しかし、それだと本当はA3で印刷されなければいけないのに、縮小されてA4になって出てくるのです。サービスの人の話だと、リコーではVISTA用には前と同じドライバはまだ用意されていないのだそうです。つまり、VISTAに変えたユーザーは、思い切り機能の限定されてしまった欠陥ドライバ以外は使う事が出来ないのだと。リコーがそんなメーカーだったなんて、ちょっとがっかりですね。
 その二人が帰った後、ちょっといじってみたら「集約」は何とか原寸でできるようになりました。でも、なんだかバグがあるみたいで画像の一部がなくなったりしています。それよりも、写真の品質がとてもひどいもので、これではとても「かいほうげん」には使えません。印刷のときだけは、XPのノートパソコンを持ち込んでやるしかないみたいですね。VISTAに対応できなかったリコーのおかげで。
aventure number : 0967 date : 2007/5/8


今日の禁断 ファウスト

 連休で1週間お休みだった合奏が再開しました。筍掘りだとか言って遊びほうけている間に、フルートの腕の方は落ちてくる一方、一体どうなることでしょう。それを挽回しようと、連休明けにはまた昼休みには過酷な個人練習が始まります。これを毎日こなさないことには、とてもニューフィルの水準についていくことはできません。2楽章あたりの難しいところは繰り返し繰り返しさらって、目をつぶってでも吹けるぐらいに仕上げておきましょう(あくまでそうなったらいいな、という希望です)。
 ところが、きのうはその貴重な昼休みを、例のリコーとの対応でつぶされてしまいました。練習しないで合奏に臨むなんて、ちょっと不安。
 前半はスコッチ、やはりしばらくぶりのフル合奏はかなりの疲労を伴うものでした。1楽章がこんなに長かったなんて、この間の初合わせでは感じなかったことですよ。いくら吹いても吹いても、まだパート譜は何ページも残っているという不安感、メンデルスゾーンは侮れません。ひょっとしたらブラームスあたりよりも大変かも。正直、この間ブラ2をやったときよりも疲れます。初めての曲というのもあるのでしょうが。
 問題の2楽章は、最初は正規のテンポで通したのですが、あちこちボロだらけ、とてもサマにはなりません。2回目は少しゆっくりやったら、今度はいくらか見通しが良くなって、まともなアンサンブルができるようになりました。今の段階だとこの方が楽しいですね。普通の早さだとジェットコースターみたいで。
 ところで、スコッチをやっている間に、次の曲の出番のHちゃんからメールが入りました。休みの時に開けてみたら、仕事が入って欠席するという連絡でした。このパート、「悲劇的序曲」のピッコロなのですが、出番が3回しかありません。それもほんの数音ずつだけ。あとはひたすら休みの小節を数えているという、逆の意味で大変なパートです。ですから、それだけのためにわざわざ来るのもちょっとな、と思っていた矢先ですから、まあいいか、という感じ。そこで、後半は代わりに私がピッコロを吹くということになったのですよ。ほんの少しの出番ですから、そこをはずしてしまったのではシャレになりません。これはある意味、この間やった打楽器のような感覚ですね。特に大きくテンポが変わったりとか変な拍子が入るということはなかったので、無事吹き終えることができました。「幻想」でみっちりピッコロを練習した実績でしょうか、音も難なく出すことができましたし。
 しかし、本当に休んでいる間は退屈でした。2度目の通しが始まったとき、またHちゃんから、次の合奏で使う楽譜(きのう、渡されました)を送ってくれないかというメールが届いたので、休みが長いのをいいことに返事を書いていたら、いつの間にかピッコロの出番が終わってしまっていましたよ。
aventure number : 0968 date : 2007/5/9


今日の禁断 ダム

 ちょっと前に、とても5月とは思えない暑い日になったことがありました。その時のニュースで、なんでも気温が33度にもなったという、その日の日本で一番暑かった場所が紹介されていました。その場所の名前が「浜松 佐久間」というのです。静岡県の佐久間町というのは、かつて私が住んでいたところですから、よく知っています。確かに暑い町で、毎年必ずこんな風に一番気温の高くなった場所として紹介されていましたね。しかし、今回のこの表記はどう受け止めればいいのでしょうか。そもそも、これは「浜松」と「佐久間」を離して、つまり、同じ最高気温を示した場所が2ヵ所あったと考えるべきなのでしょうか。あるいは「浜松佐久間」という、全く新しい地名だとか。そもそも、鰻と楽器で有名な「浜松」が、そんなに暑くなるなんて、聞いたことはありません。「浜松市」は、「佐久間町」からははるか遠くにありますし。
 そこで、調べてみたところ、なんと、いつの間にか「佐久間町」は「浜松市」に合併されていたのですよ。ですから、今の浜松市は海岸から山の中まで、ものすごく広いところになっていました。なんでもそれだけ大きくなってとうとう「政令指定都市」になってしまったのだとか。ですから、佐久間町のあたりの天竜川沿いの広大な山の中が「天竜区」というだだっ広い区になっていました。去年までは「佐久間町」でよかったものが、今年は、だから「浜松 佐久間」だったのですね。なんだか、おいしいところだけを持って行ってしまったお金持ち、みたいな感じがしませんか?
 そんな田舎の山の中で少年時代を過ごした私が、今では大都市のアマチュアオーケストラで会報を作ったりしているのですから、人の一生などは全く予測不可能です。その会報を作るのに欠かせないパソコンが、OSが変わったというただそれだけの理由で、前と同じ品質を保証できなくなってしまったことは、この前に書きました。メーカーの技術者が来てあれこれやってみてもダメだったのですから、事態は深刻でした。ところが、どんなことをしてもインストールが出来なかった本来のプリンタドライバが、ちょっと強引な裏技を使ってみたら見事に入ってしまったのですよ。途中でインストールが止まってしまったのであきらめていたのですが、コントロールパネルを見てみると確かに入っています。そのポートをUSBに変えてやったら、見事に以前と全く変わらない仕事が出来るようになったではありませんか。ある意味、私のスキルはメーカーを超えています・・・なんちゃって、実はダメモトでやってみたら偶然にうまくいったというだけの話なのですが。
 ほんとに、ぶっ壊したくなるような新しいパソコンでしたが、そんなちょっとしたことで俄然愛着がわいてきて、「かいほうげん」のファイルはどんどん出来るようになってしまいましたよ。お陰で、新しい「Word 2007」の、ちょっと変わった使い勝手も、結構馴染むようになってきました。でもなあ、「段落」に「ぶら下がり」などを付ける機能は、どこを探しても分かりません。だれか教えて!
aventure number : 0969 date : 2007/5/11


今日の禁断 ファフナー

 WOWOWで「ニーベルングの指環」というのをやっていました。一瞬ワーグナーの「リング」をこの局で放送するのかと思ってしまいましたが、それはあり得ないと良く案内を見直してみたら、ワーグナーの台本の元になった北欧神話をドラマにしたものだ、ということです。もちろん「ドラマ」というのはある意味便宜的な言い方、中身は「映画」と全く変わりません。前後編合わせて3時間という堂々たるものです。
 これは2004年に作られたものです。それだけの時間があればプロットだけならワーグナーのものをそのまま取り込むことも可能だったのかもしれませんが、ここではあえて後半「ジークフリート」と「黄昏」の部分をていねいに扱っています。しかも、オペラでは大活躍する神様たちが、ここでは全く現れないという、思い切ったことをやっていますから、完璧に「神話」ではなく、人間のドラマになっています。
 その人物の設定も微妙に変わっているのが、やはりドラマ的、最も原作の「神話」など読んだこともありませんから、どちらがよりオリジナルに近いかは知るよしもありませんがね。中でも一番変わっていたのがブリュンヒルデ。神様の娘ではなく、アイスランドの女王という設定です。ただ、一応「神から守られている」という印のベルトをしているあたりが、神様を示唆しているのでしょう。
 一方のジークフリートも、どこかの王国の生き残り。幼少の頃両親が殺されたため、川に流されていたのを、鍛冶屋に拾われて育てられ、りりしい若者になったという、そこだけはオペラと同じでした。しかし、その鍛冶屋がミーメのようなぐうたらではなく、オビワン・ケノービのような人格者だというのは、ちょっと出来すぎでしょうか。ですから、ジークフリートは養父に反抗することもなく、まっすぐ育つことになり見事に竜退治を成し遂げます。
 ブリュンヒルデとの出会いは、隕石が落ちてきた現場、ここでは神様は星の上に住んでいるということになっていますから、隕石がそれを象徴しているのでしょう。そこに落ちていた金属を、ジークフリートが鍛えてノートゥンク(別の名前になっていましたが)にするわけですね。そこで2人は運命的な出会いとなり、ブリュンヒルデは遠く離れても一生ジークフリートを愛することを誓うのですね。これもドラマ的、現実にはそんなことはまずあり得ません。
 それから先は、「黄昏」のプロットで進んでいきます。グンター、ハーゲン、グートルーネ(これも別の名前)も、きちんとそれぞれの役柄を演じています。それ以外の、たとえばグンターの弟やその恋人なども登場して、この辺のシチュエーションに深みを持たせています。このあたりは、それぞれの思惑が自然に描かれていて、オペラのような唐突な不自然さはなくなっていますから、お話としては段違いの面白さを見せていますよ。ですから、「夢の中」という設定で炎の中に眠っているブリュンヒルデにジークフリートが会いにいくというシーンは、逆に浮いてしまっていましたね。
 何よりも、ブリュンヒルデ役のクリスタナ・ローケンが素敵でした。男勝りの凛々しさの上に美しさがあるのですから、とても輝いていました。
 音楽は「K-19」のクラウス・バデルト、おそらくワーグナーの和声をかなり意識している、相変わらず重厚なスタイルでした。
aventure number : 0970 date : 2007/5/13


今日の禁断 ペンギン

 VISTAを使っての最初の「かいほうげん」が、無事印刷を終えることが出来ました。ドライバさえきちんとインストールできれば、あとは今までの操作と何ら変わることはありませんから、予定していた時間できっちり終わらせられましたよ。もう一山何かあるかと用心していたのですが、何事もありませんでした。これで、ひとまず新しいPCの問題は解決したことになります。何かとよけいなことに構わなければいけなくて、CDを聴く暇もありませんでしたから、「おやぢ」用のアイテムが山積みになっています。やっとこれを片づけることが出来るようになりそうです。
 今回の買い換えに合わせて、スキャナーも新しくしました。9年前に買ったSCSI(スカジー)などという、面倒くさい接続が必要な時代の製品だったのですが、「かいほうげん」やサイトに必要な画像はすべてこれを使ってスキャンしていました。特に不具合などはなかったのですが、VISTAでは当然USBしか使えませんから一番安い、単品の(つまり、プリンターなどがついた複合機ではない)スキャナーを買いました。昔買ったものの3分の1ほどの値段ですが、逆に性能はアップしているのでしょうね。
 実際に使ってみると、この9年間の進歩というのはめざましいものであったことがはっきり分かります。同じジャケットをそれぞれスキャンして比べてみれば、よく分かるはずです。

 ここまで、画質がアップしていたほかに、今までのスキャナーにはちょっとした欠陥があったことが分かりました。ジャケットなどはなかなかまっすぐには置けないものですから、画像が斜めになっていることがあります。PHOTOSHOPでは、画像を切り抜く時に枠を回転させて、まっすぐなものに出来る機能がありますが、それを当ててみると、真四角なはずのジャケットが少し歪んでいるのです。つまり、スキャンする時に縦と横が若干比率が変わっていたのですね。もちろん、新しいスキャナーではそんなことはなく、角はピッタリ直角になっていました。
 もう一つ、おまけで付いてきたOCRのソフトが、格段の進歩を見せていました。昔のOCRも何度か使ってみてはいたのですが、あまりにも読み取りが不正確で、それを直すぐらいなら直接タイプした方がよっぽど楽だと思えるようなお粗末なものでしたから、そんなものだと思って続けて使うことはありませんでした。ですから、今度のものもそんなに期待はしていなかったのですが、試しに末廣さんの原稿を読ませてみたら、ほぼ完璧にテキストを拾ってくれたではありませんか。これだったらなんの問題もなく使えます。ここまで進歩しているのが分かっていれば、もっと早く使っていたものを。というのも、この末廣さんの雑誌連載も、今月号で終わってしまうというので、それを「かいほうげん」に移すことももうなくなってしまうからなのですよ。いや、実はまだ載せていない原稿がかなりありますから、もう少しは持ちますがね。こうなったら、残りの原稿でしっかりOCRを使い倒してやりましょう。 
aventure number : 0971 date : 2007/5/15


今日の禁断 エロイカ

 アニメ版の「のだめ」は、毎週火曜日の深夜に放送されていますから、もちろんリアルタイムで見ることはありません。録画しておいてあとで見る、というのが、いつものパターン、最初に見た時にその限界を見せつけられてしまいましたから、例えば放送日の次の日にあせって見る、ということはまずありません。ということで、きのうになってやっと2回分のアニメを見ることになりました。
 これを見るぐらいなら、原作を読んだ方がまだイメージがわくだろう、という作られ方は健在でした。その上に、この国のアニメにしっかりつきまとっているある種の「お約束」がもろに見えてくるようになると、他に見るものがいっぱいあるのにこんなものに関わっているのがとてつもなく無駄なことのように思えてきます。
 そんな無意味な時間のようだったものが、ある一つのカットから俄然自発的な興味が出てくるのですから、面白いものです。原作同様、やはり、このアニメにも、突っ込みどころ満載のとびきりのお楽しみがありました。それはこのカット、シュトレーゼマンがSオケの指揮者を降りてしまうので、代わりに千秋に振ってくれと渡されたスコアの映像です。

 この場面、原作ではこんなにアップにはなっていなかったのと、それほど考えていないいい加減な表紙だったので、別になんの問題もありませんでした。しかし、アニメの担当者は、しっかりここに「スコア」らしい設定を書き込んでくれていました。しかし、いかに丁寧に書き込んだところでこんなに間違いが多くてはなんにもなりません。お分かりですか。このシンフォニーのドイツ語のタイトルで、日本語の「変ホ長調」に対応する部分が「Es-ur」となっていますね。もちろんこれは「Es-Dur」の間違い、「D」が抜けてしまってます。もっとすごいのは、上の方に書いてある「Piano Library」という文字です。ピアノで弾くための曲集などに、よくこういうタイトルが付いているものですが、ここで千秋が指揮棒と共に渡されたのはピアノの楽譜であるはずは決してありません。もう少し先にはこの楽譜の中を開いて見せてくれるところも登場しますが、もちろんこれは指揮者用のフルスコアなのですよ。なんとか「楽譜」らしい体裁の表紙にしようと思って、その辺にあったピアノ用の楽譜のデザインをそのまま転生してしまったのでしょうね。そのアニメーターの方は、英語を読む能力がなかったのか、読めたとしてもそれが音楽的にどんな意味を持っているのかを理解できなかったのでしょう。まあ、それはテキストを模様ととらえる視覚人間の感性なのかもしれませんが。
 実は、楽譜に対する無知さ加減は、もっと前に見た回ですでに分かっていました。例の「ベト7」を指揮した時にその指揮者用のスコアが出てきたのですが、それがベーレンライター版だというところまでは良かったのですが、それが大判であるにも関わらず、デザインや色は小さいポケットスコアのものだったのです。ドラマ版の時には、しっかり小豆色の大判のスコアを使っていましたよね。アニメではそこまでの考証はされてはいないのでしょう。
 そして、真夜中に71万のキリ番が出ました。
aventure number : 0972 date : 2007/5/17


今日の禁断 チャイコフスキー

 知り合いの知り合いが松本に住んでいますから、なぜか我が家に今年の「サイトウキネン・フェスティバル」のチラシなどが送られてきました。一度、松本まで聴きにいらしたらどうですか、ということなのでしょう。このフェスティバルのチケットがあちこちで奪い合いになっているという噂は良く聞きますので、そう簡単に取れるものではないとは思いつつも、こんな風に目の前に発売日とか申込みの電話番号などが書いてあるチラシがあったりすると一応行ってみたいような気になってくるじゃないですか。
 実は、今日がそのチケットが一斉に発売される日、ダメモトで今年の目玉「スペードの女王」でも買ってみようかと、チラシに書いてある電話番号をプッシュしてみるのでした。チケットの電話予約に関しては、「劇団四季」でさんざんやっていますから、受付時間の直後にはまず電話はかからないことはよく知っています。何度も何度も告げられる「しばらく経ってからお掛け直しください」というメッセージに背いて、切るなりリダイヤルを繰り返すということをやっていると、まあ10分か15分もすれば繋がるものです。その頃には、一番よい席はなくなってしまってはいますが、まずその日のチケットが取れないということはありませんでした。
 しかし、「サイトウキネン」の場合は、「劇団四季」とはちょっと様子が違います。チケットぴあとローソンチケットのそれぞれに4本か5本の回線が用意されているのですが、それらをくまなく、家中の電話を総動員してかけまくっても一向につながる気配がありません。30分ほど、そんな無益なことをやっていた時、突然愚妻の携帯がぴあの「音声案内」の回線に繋がりました。実は、ぴあの音声案内というのは初めての体験、ちょっとビビってしまいます。ただ「四季」ではいつも音声案内ですから、手順は同じことでしょう。言われるままに番号を押して、最後に「#」を押せばいいんですよね(この記号、ぴあでも「シャープ」と言っていましたが、シャープというのは「♯」、これはほんとうは「ナンバーサイン」という名前なのですがね)。
 ただ、この電話は別に「サイトウキネン」専用のものではなく、ぴあ全体の予約を扱っているものでしたから、まず「地区」から聞かれます。松本は「関東甲信越」と。その後、公演の「Pコード」を要求されました。ところが、チラシにはどこを見てもそんなものは書いてありません(本当はあったのを、あせっていたから見落としたのかも)。そうしたら、電話口では「合図のあと、音声を発して下さい」と言っているではありませんか。一瞬なんのことか分かりませんでしたが、Pコードが分からなければ、口で欲しいチケットの名前を言ってみろ、と言うことだろうと思って、電話口で馬鹿みたいにはっきりした口調で「サイトウ・キネン・フェスティバル・マツモト」などと大声を出す私でした。
 そうしたら、なんと先方は(って、バーチャル・オペレーターですが)それをそのままオウム返しに復唱したではありませんか。これでPコード問題は解決です。それから先は席種とか枚数とか、どんどん手続きが進んでいきます。「S席2枚」と申し込むと、「しばらくお待ちください」と言って一旦引っ込みましたから(あ、あくまでバーチャル)、これで無事に取れたと思ったら、戻ってきたバーチャル彼女は「あいにくその席種はご用意できません」ですって。席種を言った時点で売り切れは分かっていたはずなのに、こんな風にちょっと気を持たせるなんて、なかなか「人間味」のあるシステムですね。結局、他の席種もその時にはすでにソールド・アウトだったのですけどね。と言うわけで、チケット争奪戦はあえなく惨敗となりました。
aventure number : 0973 date : 2007/5/19


今日の禁断 ガーシュイン

 きのうの「サイトウキネン」のチケットは、電話やネットではなくお店で買うことも出来ました。もちろん、それは開催地の松本など長野県内の数ヵ所に限定されています。実は今6000円でJR東日本乗り放題、指定券も4枚まで買えるというチケットが会員限定で販売されています。ですから、それを使って松本まで行って現地で買えば、確実に手に入るのでは、などと考えてみたこともありました。しかし、そんなことをしても結局無駄だったことを、ネットであちこち覗いてみて知ることになるのです。

 これは、長野県のテレビ局のローカルニュースですが、「恒例のテント村がお目見えしました」という内容、なんでも発売の2日前の朝から、チケットを買うために徹夜で並ぶ人がテントを張りだしたというものです。これでは、その日に、あるいは用心して前の日に行ったとしても、とても買うことなんか出来なかったことでしょう。しかし、毎年こんな感じでチケットを買う人が並んだり、それがニュースになってしまうなんて、かなり羨ましい話です。そういう街にこそ「楽都」という呼び名がふさわしいのかもしれません。
 まともな音楽ホール一つないくせに、いけしゃあしゃあと「楽都」面をしている仙台市でも、今日からは「仙台国際音楽コンクール」が始まりましたしね。もちろん、このチケットを求めて徹夜で行列が出来たなどという話は聞いたことがありませんが。ところで、このコンクール、アニメ版「のだめ」のスポンサーだって、知ってました?あ、もちろん「仙台放送」でだけですけどね。ただ、ちょっと気になるのはこのアニメは全23話、4月から始まりましたから9月まで放送されるのでしょうが、その頃にはもうコンクールは終わっています。一体どうなるのでしょうね。
 もしかしたら、その頃には10月に開催される、クラシックの一大イベント「せんくら」の宣伝に変わっているかもしれませんね。主催者は同じですから。去年から始まった仙台版「ラ・フォル・ジュルネ」(と書いてから、本家に比べてのそのあまりのしょぼさに愕然としているところです)、今年もなかなか盛り沢山の内容・・・にはなっていなくて、私が行きたいと思えるようなものは山下洋輔ぐらいしかありません。多分、これだったら行列、とまではいかなくても、すぐに売り切れそうな気はします。しかし、こと「せんくら」に関しては、「サイトウキネン」のような悲惨なことにはならないでしょう。こちらはしっかり先行販売で入手できるようになっていますから。山下洋輔のステージは全部で3回ですが、全部を買っても3000円、今から楽しみです。
 と思って、10月の予定をチェックしてみたら、なんと、一番聞きたかった「ラプソディ・イン・ブルー」の日が、もろに指揮者練習とぶつかってしまっているではありませんか。しかも会場は仙台港の「アクセルホール」、これではどう頑張ってもイズミティまでは聴きに行くことは出来ません。茂木さん。練習休みにして、聴きに行きましょうよ。
aventure number : 0974 date : 2007/5/20


今日の禁断 川内

 私が出た大学は、今年創立100周年を迎えるということで、大いに盛り上がっています。今練習している合唱も、その一環、「市民コンサート」ということでアピールしようということです。そんなイヴェントの案内などを含めつつ、実はそのための寄付金があまり集まっていないよ、と暗に催促するのが目的で会報のようなものが卒業生のところに届きました。そこに載っていたのは、現在改築中の記念講堂の完成予想図です。老朽化していたので、一度はホールとしての命を終わらせるような計画もあったものの、最終的には今の外観をそのままに、内部をリニューアルして新しい音楽専用ホールにするということになったものですね。だいぶ前に一度その内部のイラストをご紹介したことがありますが、今回発表されたものはそれとはだいぶ違っています。

 こんな感じで、まわりをバルコニーで囲まれたシューボックスタイプのホールだというのが分かります。これで見る限りバルコニーは2層になっているようですね。もちろん、オルガンはありません。前の記念講堂はかなり間口が広いものでしたが、それをかなり狭くしたのでしょうか、収容人員も1200とだいぶ少なくなっているようです。まあ、あと半年もすれば完成するそうですから、どんなものが出来上がるか楽しみです。我々OB合唱団も完成記念のコンサートを開くことを計画しているようですし。
 でも、このぐらいの広さだったら、ニューフィルの定期などにはちょうどよいサイズかもしれませんね。ただ、交通手段が今の県民会館やイズミティに比べると決定的に劣っているのがネックでしょうか。打ち上げだって、すぐそば、あるいていけるようなところにはそんなお店はありませんし。
 というような話は、まだまだ先のことでしょう。とりあえず今は秋の演奏会へ向けての肩慣らしといった感じ、最近の合奏では弦楽器の出席者が極端に少なくなっているのも、そんな切迫したものがないせいなのでしょうか。今日のメニューはブラームスとメンデルスゾーンの後半なのですが、ブラームスの1番がお休みなので、例によって私が代吹きです。この間はピッコロでしたから、この曲も全パート制覇も夢ではありません。一応前もって連絡があったので、今日のうちにヤバそうなところをさらう余裕がありましたから、そんなに足を引っ張るようなことにはなりませんでした。しかし、やはり初めて合奏の中で吹くパートは何かとおっかないものですから、ヒヤヒヤするところはいっぱいありました。特に、緊張していると加線が分からなくなって、3度下を吹いたりすることがありますから、まだまだですね。
 そこでたっぷり神経を使ったあとに、スコットランドですから、4楽章になったらかなりバテて来たのが、自分でもよく分かります。力を抜いて楽に吹けるようになるには、まだ時間がかかりそうな気がします。
aventure number : 0975 date : 2007/5/22


今日の禁断 デニム

 この前書いた「せんくら」の先行発売、私はちょっとうっかりしていました。例えば「劇団四季」あたりだと、一般発売の1週間前から会員に対しての先行販売が始まります。それが普通のやり方だと思っていましたから、「せんくら」の場合一般発売が6月末なので、まだまだ先の話だと思っていたのですよ。ところが、今朝になって愚妻が「きのうから始まってるよ!」と言うではありませんか。確かに、案内を見るときのうからと書いてありました。この部分は実際に読んだはずなのですが、先入観とは恐ろしいもの、「1週間前」という考えしかありませんでしたから、そんな日付は全く頭に入っていませんでした。こんな早い「先行」というのもあるんですね。
 出遅れてしまったと思いつつ、電話をかけてみることをしました。案内にあった電話番号にかけると、もう受付が始まっている時間なのになかなか通じません。何回かけてもお話し中なのです。「せんくら」にそんなに申し込む人がいるのでしょうか。2日目なのにこんなにアクセスがあるなんて、なかなか隅に置けません。と思いつつ、その番号を見てみると、なんだか見覚えがあります。これは、ひょっとしたらこの間かけまくった「チケットぴあ」の番号ではないでしょうか。そう、そのうち電話が繋がったと思ったら、録音で「こちらはチケットぴあです云々」というアナウンスが流れてきましたよ。それでも結局はお話中なのですが、やはり、これは全国からかかってくる番号でしたから、そう簡単に繋がるわけはありませんね。
 こんな無意味なことを続けているのは我慢できないので、お店に行って買うことにしました。その方が席も選べますし、少なくともいつ繋がるか分からないのにイライラすることだけはなくなりますから。藤崎に行ってみると、用紙に書き込むテーブルで、おばちゃんがなにやらものすごい勢いでたくさんの用紙に書き込んでいます。それを持って窓口に行ったので、私も一応3種類の演目を書いて、その後に続きます。そのおばちゃんも、やはり「せんくら」目当てでした。なんと、10種類ものコンサートを、それぞれ1枚ずつ買おうというのですよ。えらい人の後になってしまいました。一つ一つ、座席を指定しているものですから、もう面倒くさいのなんのって。ぴあの端末は1台しかありませんから、私の後にもどんどん人が並んでしまいましたよ。ほんと、こういうのは3種類以内とかに制限してもらいたいものです。私が3種類だったので、そう思っただけですがね。
 やっと順番が回って、お目当ての山下達郎、ではなく山下洋輔(達郎だったらこんな簡単に買えるわけがありません)のチケットは難なく入手できました。でも、真ん中あたりはかなり売れていたようですから、やはりきのう買った人はだいぶいたのでしょうね。
 山下達郎がプロデュースした竹内まりやの新しいアルバムは、ネットで注文しておいたらきちんと発売日の昨日配達されてきました。さんざん聴いて「おやぢ」にもアップしましたが「終楽章」という曲の最初のフレーズ「あどけのない」というのが、気になってしょうがありません。普通は「あどけない」ですよね。それと同じ意味で使っているようなのですが、普通はこういう言い方はないのでは。ためしに検索してみると、見事にこの歌の歌詞だけが集まりました。ユーミンあたりが勝手に新しい言葉を作ってしまうことはよくあるようですが、まりやにだけはそんなことはして欲しくありませんでした。
aventure number : 0976 date : 2007/5/24


今日の禁断 協奏曲

 今開催されている仙台国際音楽コンクール、それほど関心はないのですが、一応ピアノ部門のファイナルとガラコンサートのチケットは確保してありました。なかなか予定が重なっていて、そのぐらいしか行ける日がありませんでしたから。今やっているのはヴァイオリン部門ですから、まだまだ先の話です。ところが、「禁断」によく登場する、最近親密になったコンクール事務局の女性が、「ヴァイオリンのセミファイナル、当日券があるので、いらっしゃいませんか?」と言ってきたのですよ。確か、前回のコンクールでは当日券なんか出なかったように記憶していますから、サイトで確認してみると、確かにヴァイオリンのセミファイナルだけ、当日券が50枚以上残っている表示になっていました。それ以外の日は完売しているようですが。
 そこで、今日の予定をチェックしてみると、夕方からフルートの会の練習が入っていますが、彼女は「2時から5時までですから」と言っていましたから、終わってから行っても間に合う時間です。さらに、そのサイトを見て初めて気がついたのですが、曲目的にはファイナルよりもセミファイナルの方がずっと面白いのですね。ほとんど生で聴く機会のないようなバルトークとかストラヴィンスキーが演奏曲目ですから、こちらの方がずっと魅力的です。これは、行くしかありません。
 彼女は「当日券は1時から発売ですよ」と言っていたので、おそらくその前に並ぶ人がいるだろうと、12時頃にコンサートホールに行ってみましたが、そのあたりは人気もなく、明かりも点いていません。仕方がないのでそのまわりをうろうろしていると、次第に軽食コーナーなどに業者が集まってきたり、ホールにもボランティアらしき人がやってきて、ロビーで打ち合わせなども始まりました。当日券売り場も明るくなって、カウンターの上の座席表なども見えるようになったので覗いてみると、多分当日分だと思われる色の付いている席は、100枚以上あるようですね。こんなに早く来ることはなかったのに。でも、1時になると6人ぐらいの人が私の後に並んでいましたね。一番乗りの私は、招待席のすぐ前のど真ん中の席を買うことが出来ました。
 プログラムをもらって初めて分かったのですが、セミファイナルの課題曲は全部で4曲。しかし、ベルクを弾く人はいませんから、残りの3曲全部を聴けるのは、今日だけだったのですね。他の日は、プロコフィエフ3曲にバルトーク1曲などという、とんでもない曲目でした。今日はまずバルトーク、そしてプロコフィエフで、休憩後にストラヴィンスキーを続けて2人の人が弾くという、私にしては理想的なプログラムですよ。
 伴奏の仙台フィルは、曲ごとに管楽器のトップを変えていたようで、このプログラムのお陰でほぼ全員の組み合わせを聴くことが出来ました。フルートだったらバルトークとプロコフィエフが戸田さん、ストラヴィンスキーが芦澤さんという感じ、普通の演奏会ではこんなことはまずあり得ませんから、なんか得をした感じです。
 4人の出場者は、もうすっかり完成された演奏家、という感じでしたね。こんな難しい曲をオケをバックに暗譜で弾く、というだけで、甲乙付けがたいものがあります。ほんと、テクニック的にはみんなすごい人ばかりでした。最初にバルトークを弾いた日本人の方(16歳!)が、演奏が終わったあと、こんなにたくさんのお客さんの前で、オケと一緒に演奏できて本当に嬉しかった、という表情をしていたのが、すごく印象に残りました。
 さっきの彼女の話だと、あさってのセミファイナルは、もっと売れ残っているそうです。お暇でしたら、ぜひ。
aventure number : 0977 date : 2007/5/26


今日の禁断 下着

 きのうは、いつもの週末の恒例、合唱の練習日でした。それは午後に若林で行われたのですが、そこに愚妻の別の予定が入ったものですから、まさに分刻みのスケジュールとなってしまいました。
 毎年、多賀城で宮城県の「合唱祭」というのが行われています。もちろん私はそんなものには無関係(「コール青葉」も「100周年」も合唱連盟には加盟していません)なのですが、愚妻はしっかりここに出演しなければなりません。しかも、予定では午前中と夕方の2回出番があるのだそうです。ですから、まず朝は多賀城まで送っていき、お昼過ぎに街中で拾って若林の練習、それを途中で抜け出して、また多賀城まで送るということになります。
 ただ往復しただけでは面白くないので、この際ですから今まで走ったことのない道を開拓しようと思いました。朝多賀城に行く途中に45号線が原ノ町あたりで、今までずっと工事中だったものがなんだか通れるようになっていたみたいだったので、まずそこを走ってみましょう。私の勘としては、この道は仙台駅の東口を通って、連坊小路まで行っているはず、それは間違ってはいなくて、東口の大通りの前を超えると、何回も走ったことのある道に出ましたよ。ということは、若林から多賀城へ行く時に逆にここを通れば、近道になるということ、うん、いい道を見つけました。
 その時点でまだ9時過ぎ、せっかくの自由時間だというのに、こんな時間に開いているお店はありません。そこで、ちょっと遠くまで行って、時間をつぶしましょう。実は、今までジャスコだけで売っていた、私にとってはかけがえのないある商品が、最近どの店からもなくなってしまっていたのですよ。仙台市内の全てのお店に行ってみたのに、その、長年愛用していたものはどこにもないようになっていました。そこで、サイトでそのメーカーのサイトを見てみたら、ジャスコ以外にも西友で扱っていることが分かったので、そこがキーテナントの長町モールに行ってみようと思っていた矢先でした。行き先はモールに決まりました。あそこだったら10時前でも映画館には入れますし。
 9時半にモール内のMOVIXに着いたら、結構の人だかり、どうやら「スパイダーマン3」狙いのようですね。これは私は先週利府で見たのですが、そんなに入っていませんでしたよ。ロビーで予告編などを見ていたら、ピクサーの新作アニメが面白そうでしたね。ネズミがシェフになるというお話。こういうのをみると、やはり「のだめ」みたいなものは「アニメ」と呼んではいけないような気になってしまいます。10時ちょうどには、エスカレーターが動き出して店の中に入れるようになったので、目的の「BROS」というブランドのものを探してみたら、見事、見つかりました。しかも2割引、その上、ライバルメーカーの「HOM」というブランドの、同じようなデザインのものも発見、それも一緒に買ってきました。
 2度目に多賀城に行った帰りには、45号線と交差している仙台港へ行く道の立体交差が開通していたので、どこにつながっているのか行ってみました。途中「新田(しんでん)」というところを通って、利府街道まで通じていましたね。これも使えます。余談ですが、新田には「パルテノン新田」というマンションがあるんですってね。
aventure number : 0978 date : 2007/5/28


今日の禁断 聖なる橋

 きのうは練習日だったのですが、私は降り番でしたのでお休みでした。普通の合奏でしたら、私の出番であるシンフォニーをやらないということはまずないのですが、きのうの場合は管楽器と打楽器の分奏でしたから、こういうことも起こります。最初は全曲を一通りやる、ということでその気になっていたら、結局時間がないのでシンフォニーはやめになったということを風の噂で聞いて、あちこち確認を取り、晴れてお休みとなりました。ただ、こういう場合、直前になって出席できない人がいて「代吹きお願いしま〜す」というメールや電話が届くこともあるので、ギリギリまで油断は出来ません。実際、きのうのお昼頃にメンバーから電話がかかってきた時には、愚妻に「練習がないから、早く帰る」と言ってありましたから、一瞬焦ってしまいましたよ。しかし、それは「会場はいつものところでいいんですよね」という確認の電話でしたから、一安心。
 練習に行かないとなると、時間が余ってしまいますから、「おやぢ」の原稿をゆっくり仕上げることにしましょう。実は、だいぶ前に買ってあったCDを聴いてみたら、なんともネタの多いものだったので、しっかりライナーを読み込んだり、ネットで資料を調べたりして、いつになく丁寧に書いていたところだったのですよ。
 それは、キングズ・シンガーズの新しい録音なのですが、かなり曰くありげなジャケットです。そして、そこに書いてある作曲家の名前に、なんだか聞いたこともないような人が並んでいるので、ちょっとひるんでしまっていたのです。そういう時にはネットで調べるのが最初の手順ですが、なぜかその名前で検索しても、出てくるのはそのCD関連のサイトだけ、その作曲家についての説明など、どこを探しても見当たりません。そうなると、頼るのはCDのブックレットです。その英語のライナーを読んでいくと、おぼろげながらにイメージがわいてきます。なんでも、そのアリ・ウフキという作曲家は、元々はポーランドの教会音楽家(もちろん、キリスト教)だったものが、オスマン帝国に拉致されて、奴隷として後宮に売られてしまったのだそうです。そこで、イスラム教に改宗、名前も変えて、今度はイスラム教の音楽家として生きていくことになったのだそうです。そこで彼は「詩篇」のテキストをトルコ語に翻訳、昔からあった賛美歌のメロディをトルコ風にアレンジして、「トルコ版詩篇」というものを作り上げたということが、そこには書かれていました。
 確かに、音を聴いてみるとその通り、キングズ・シンガーズがその元のメロディを西洋風に歌ったあと、この「トルコ版」が「サルバンド」というグループによって演奏されるという仕組みです。これはなかなか面白い試み、そして、こんな経歴の作曲家を知ったことを喜んだものです。
 しかし、そこではたと気づきました。もしかしたら、「アリ・ウフキ」などという人は存在してはいなかったのではないか。全てはこのCDの制作者のでっち上げ、いかにもそれらしい人物の物語を作り上げて、それらしい音楽を演奏させていたのではないか、と。この人が、ネットの検索ではこのCD関係のものしか引っかからないというのが、何よりの証拠です。そうなると、それはそれで、また格好のネタになると思いました。その方がずっと面白いですし。
 しかし、日本語ではなく英語で検索したら、これはしっかり信頼の置けるサイトがいくらでも見つかりましたよ。確かに、こんなとんでもない生涯を送った人がいたんですね。それにしても、こんな風に英語でしか検索できないものはよくあります。日本のネット社会は、まだまだ未成熟なのでしょう。
aventure number : 0979 date : 2007/5/30


今日の禁断 花の舞

 今週は私は練習がなかったのですが、その代わりと言ってはなんですが、ニューフィル関係の行事はしっかり入っていました。といっても実は飲み会なのですがね。最近木管のメンバーがずいぶん変わったので、新しく入った人の歓迎会をやろうということになったのです。
 会場はメールで地図が回っていましたが、見当としては名掛丁の一番駅寄り、ほとんどアエルのすぐ前のような感じでした。しばらく駅前には行ってなかったので、新しくできた電気屋さんでも覗いてから行くことにしましょう。
 かつて「十字屋」があったビルが、今では「ヤマダ電機」になっていることは知っていました。だいぶ宣伝もしてましたしね。地下鉄で降りて、そのビルの地下に行ってみると、確かに全然変わっていて、薬屋やスーパーが入っていました。電気屋は2階から上なのだそうです。私が欲しかったのはオーディオ用のケーブルです。職場の新しいパソコンは、DVDをヘッドフォンで聴くと、なんだか高域がきつくてすごく疲れる音になっています。それは元々のソフトの癖なのか、あるいは無理をしてインストールしたための障害なのかは分かりませんが、ちょっとこのままではきちんとした音を楽しむことが出来ないようになっていました。よく見てみたら、ヘッドフォン端子だけではなく、ちゃんとライン出力まで付いているのが分かったので、それをアンプにつないで、イコライザーをかけて補正しようと思ったのです。ミニジャックとメスのピンジャックというケーブルを使えば、パソコンのすぐそばまで引いてあるMIDI音源用のピンジャックとつなげることが出来るのです。それは3階にありました。でっかいテレビが幾つも並んでいる間を通り抜けた一角に、ケーブル類がまとまっていたので、すぐ手に入れることが出来ました。しかし、このお店は、他のところにあるお店と同じで、なんか活気がありませんね。駅の反対側にあるヨドバシなどに比べたら、お客さんも少ないし、店員さんもなんだかやる気がなさそう。ケーブルはありましたが、オーディオ製品の品揃えも全然寂しいものでしたし。
 それから、アエルの中の丸善によって時間を調整、開始時間の7時ちょうどに店に着くように行ってみたのですが、想像していた場所にはそのお店はありません。実際にあったのは、そこからかなり一番町側に寄ったところでした。
 部屋に案内されてみると、なんだか2部屋に分かれて別のテーブルに座るようになっていました。見ると、木管だけではなくホルンの人などもいますよ。遅れてきた人が揃ったあたりで、新しく入った人のために、全員が自己紹介です。今回の入団者は、なんとまだ18歳の人が2人います。古い人が「26年ニューフィルにいます」などと言っていると、「まだ生まれていません」という声が。そのぐらいの年の差がついてしまっているのですね。
aventure number : 0980 date : 2007/6/1

07/6/3/-7/11