今日の禁断 |
新小岩 |
69万のキリ番が出たのはおとといのことだったのですが、「津和野」などで書く機会がありませんでした。いまさら、ですが。
先々週はオペラシティ、先週は津和野と思い切り「濃い」体験をしてきたというのに、今日も今日とてそれらに勝るとも劣らない体験をしてきました。以前「おやぢの部屋」で、去年のオペラシティのCDを取り上げて、その録音を絶賛(決して身贔屓ということではなく、本当に素晴らしいものでした)したことがありましたが、それを見ていたコンサートの幹部が、私を今年の録音のマスタリングに誘ってくれたのです。「もし、都合がつけば、いらして下さい」みたいな消極的な言い方だったのですが、私としてはこんな機会を逃すはずがありません。夜の6時には終わるということだったので、日帰りで横浜まで行ってきました。
マスタリングというのは、録音されたテープをCD制作用に形を整える作業です。数々の名CDを出しているJVCのマスタリングセンターが、その会場です。「XRCD」という、アナログ録音を究極のクオリティでCDにしたというものがありますが、それはここで作られました。クラシック部門でそれを担当した杉本さんという方が、じきじきに「コール青葉」のCDのマスターを作ってくれるという、すごいことになっていたのですね。もちろん、オペラシティで録音を担当された、日本有数のレコーディング・エンジニア小貝さんも同席しています。
これが杉本さんの仕事場です。録音はDSDで行ったので、そこからCD用にPCMに変換する、というのがメインの作業なのですが、肝心のDSDのプレーヤーがここにはないので、別のところから持ってくる予定だったのですが、まだ届いていません。とりあえずDATにダビングしたものを聴いて待機です。GENELECのモニタースピーカーから流れる家庭用のオーディオシステムとは次元の違うナチュラルな音、これを聴いてしまうと我が家のオーディオはなんと貧しい音なのか、と思ってしまいますね。
そのうち、DSDが届いたので、さっそく接続、そのままのDSDの音を聴いてみたかったのですが、「ピラミックス」というシステムでマスタリングを行うので、残念ながら普通のCDのスペックにしなければいけないそうなのです。しかし、その間に入れるケーブルを変えるだけで、音がガラリと変わってしまいます。ですから、ケーブルをとっかえひっかえしてベストの組み合わせを決めるのが、まず最初の作業となりました。その度に杉本さんはコンソールをまたいで後ろに回り、ケーブルを取り替えます。ケーブルの自重がありすぎるために、間違ってピラミックスの電源が落ちてしまう、などというハプニングもありました。
やっとケーブルが決まって、ピラミックスのHDにダビング、もちろんその間モニターをしていますから、リアルタイムにコンサートの時間だけ聴いていなければなりません。時たまテープに(DSDのメディアはDVでした)ゴミが付いていたりすると、それがノイズになってしまいますから、それもチェックです。
一通りダビングが終わってからが、大変な作業が待っています。まずさっきのノイズの除去。詳しくは「企業秘密」ですが、全く分からないように修正ができました。そして、マスタリングには欠かせないトラックナンバーの挿入です。CDにしたときの頭出しに必要な作業です。「天神山」の「ぽんぽこ踊り」の部分だけは、別トラックにして、練習に使えるようにしましたよ(「コール青葉」にだけ通じるギャグ、もちろんウソです)。 |
aventure number : 0941 |
date : 2007/3/24 |
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