0941(07/3/24)-0960(4/28)

今日の禁断 新小岩

 69万のキリ番が出たのはおとといのことだったのですが、「津和野」などで書く機会がありませんでした。いまさら、ですが。
 先々週はオペラシティ、先週は津和野と思い切り「濃い」体験をしてきたというのに、今日も今日とてそれらに勝るとも劣らない体験をしてきました。以前「おやぢの部屋」で、去年のオペラシティのCDを取り上げて、その録音を絶賛(決して身贔屓ということではなく、本当に素晴らしいものでした)したことがありましたが、それを見ていたコンサートの幹部が、私を今年の録音のマスタリングに誘ってくれたのです。「もし、都合がつけば、いらして下さい」みたいな消極的な言い方だったのですが、私としてはこんな機会を逃すはずがありません。夜の6時には終わるということだったので、日帰りで横浜まで行ってきました。

 マスタリングというのは、録音されたテープをCD制作用に形を整える作業です。数々の名CDを出しているJVCのマスタリングセンターが、その会場です。「XRCD」という、アナログ録音を究極のクオリティでCDにしたというものがありますが、それはここで作られました。クラシック部門でそれを担当した杉本さんという方が、じきじきに「コール青葉」のCDのマスターを作ってくれるという、すごいことになっていたのですね。もちろん、オペラシティで録音を担当された、日本有数のレコーディング・エンジニア小貝さんも同席しています。

 これが杉本さんの仕事場です。録音はDSDで行ったので、そこからCD用にPCMに変換する、というのがメインの作業なのですが、肝心のDSDのプレーヤーがここにはないので、別のところから持ってくる予定だったのですが、まだ届いていません。とりあえずDATにダビングしたものを聴いて待機です。GENELECのモニタースピーカーから流れる家庭用のオーディオシステムとは次元の違うナチュラルな音、これを聴いてしまうと我が家のオーディオはなんと貧しい音なのか、と思ってしまいますね。
 そのうち、DSDが届いたので、さっそく接続、そのままのDSDの音を聴いてみたかったのですが、「ピラミックス」というシステムでマスタリングを行うので、残念ながら普通のCDのスペックにしなければいけないそうなのです。しかし、その間に入れるケーブルを変えるだけで、音がガラリと変わってしまいます。ですから、ケーブルをとっかえひっかえしてベストの組み合わせを決めるのが、まず最初の作業となりました。その度に杉本さんはコンソールをまたいで後ろに回り、ケーブルを取り替えます。ケーブルの自重がありすぎるために、間違ってピラミックスの電源が落ちてしまう、などというハプニングもありました。
 やっとケーブルが決まって、ピラミックスのHDにダビング、もちろんその間モニターをしていますから、リアルタイムにコンサートの時間だけ聴いていなければなりません。時たまテープに(DSDのメディアはDVでした)ゴミが付いていたりすると、それがノイズになってしまいますから、それもチェックです。
 一通りダビングが終わってからが、大変な作業が待っています。まずさっきのノイズの除去。詳しくは「企業秘密」ですが、全く分からないように修正ができました。そして、マスタリングには欠かせないトラックナンバーの挿入です。CDにしたときの頭出しに必要な作業です。「天神山」の「ぽんぽこ踊り」の部分だけは、別トラックにして、練習に使えるようにしましたよ(「コール青葉」にだけ通じるギャグ、もちろんウソです)。
aventure number : 0941 date : 2007/3/24


今日の禁断 交流ホール

 練習場のそばの駐車場がとうとう閉鎖されてしまいました。改めて立体駐車場を作るということなので、半年ぐらいしたらまた使えるようにはなるのでしょうが、それまでは暫定的に作られた別の駐車場を使うことになります。ただ、駐車可能台数がかなり少なくなってしまうので、混雑するのは必至です。平日はともかく今日のように日曜日の練習となるとまず待たずに入れるはずはありません。それに加えて青年文化センターでコンサートが開かれたりすれば、もはや駐めるところなどなくなってしまいます。という状況に加えて、今日はなんとサッカーの試合があって少し離れた場所でも駐車場は混雑するという情報も入ってきました。そこまで言われれば、とても車で行く勇気など湧くはずはありません。荷物は少し重いのですが、車は職場に置いて地下鉄で行くことにしました。
 重い荷物の中身は、新しい「かいほうげん」です。本当は先週の火曜日に出す予定でいたのですが、どうやらその日に秋の演奏会の曲目が決定しそうな状況だったので、その結果も盛り込もうと少し伸ばしてみたのです。その読みはピタリと当たり、見事全ての曲目で第1面を飾ることができました。さらに、その時点になっても写真が撮れず殆どあきらめかけていた新入団員の写真も、しっかり収めることができましたよ。さらに、「禁断」を賑わせた「津和野」ネタも、まるでその記事が入ることを予想していたかのように空いていた3ページ分の中に入れることができましたし。
 朝のうちは雨が降っていたので、そんな大荷物をもって地下鉄まで歩くのはいやだなと思っていたのですが、出かける頃には晴れてきたので大助かり。それは実は練習にとっても切実なことで、場所がいつもの練習場のすぐ近くなので人手で表を運んでこようという作戦だったものですから、雨だったら大変だったところでした。ちょうど地下鉄を降りた時には、その作戦の真っ最中、横断歩道をティンパニが渡っていましたっけ。
 今回の演奏会は、2曲目の「ワルツ」が降り番になっていました。ところが、何故か突如この曲にも乗らなければいけなくなってしまいました。というのも、この曲の1曲目にはたくさんの打楽器が使われているために団員だけでは演奏できないのです。かといって、それだけのためにエキストラを呼ぶというのもなんですから、手の空いている団員がかり出されたというわけです。最初は「グロッケンとチェレスタをやって下さい」などと無謀なリクエストだったので、それはなしにしてもらって、結局トライアングルに落ち着きました。
 そこで、その曲が始まる前には打楽器隊に混じって後でトライアングルの練習をしています。そうすると、団員の人たちは面白そうに眺めていますよ。私が本番で打楽器をやるのだというと、「冗談でしょう」と言ってます。うん、私にも冗談としか思えません。もし、演奏会当日打楽器の席に私の姿があったら、それは奇跡だと思って下さい。
 ところで、きのうのマスタリングにはヒレカツ先生も同行していました。そのレポートも出来上がったようで、さっきアップしたところです。
aventure number : 0942 date : 2007/3/25


今日の禁断 岩出山

 このところ、立て続けに新しいコンテンツを作っています。去年の11月に作ってきり、なかなか出来なかったものが、ちょっときっかけがあるとこんな風にどんどん出来てしまうのですから、勢いというのは恐ろしいものです。つまり、これらのものはごく最近の出来事から自然に出来たというものなのですよ。それが、今までのものとは全く毛色の変わった「合唱」がらみというのが、面白いところです。「コール青葉」に参加して2年、やっとそこからコンテンツが作れる程に、私自身のこの団体に対する密度が高まったということなのでしょう。確かに、ニューフィルが津和野で演奏会をやったり、プロのスタジオでCDのマスタリングをするなどということはまずあり得ないでしょうからね。
 ただ、コンテンツの大部分が「ジュラシック・メート」というところからリンクされている、というのがちょっと問題です。そもそもこの「メート」というカテゴリーは、このサイトが半分オーケストラの公式サイトだった頃に団員の投稿や自己紹介を掲載しているところでした。それが完全に公式サイトに移行したあとには、ちょっといたずら半分の○人のリストなどに転用していましたね。それはいくらなんでも品位を疑われるということで、廃止されたあとは、リンクのない空き家状態になっていたところを、こんな形で再利用したということです。「問題」というのは、そこのコンテンツは認証がかかっていて、パスワードが無いとアクセスできないからです。いや、別に大げさなことではないのですが、あまり無制限に誰彼なく覗かれたらちょっといやだな、ぐらいの内容のものを集める予定でいるという感じなのですよ。実は、そのパスワードは、この「禁断」のバックナンバーものと同じ、つまり、お馴染みさんだったら難なくアクセスできるものですので、ご安心ください。とりあえず「無制限」というところに歯止めをかけたい程度のものですから、お申し出いただければまずお教えできるはずですから。
 今日の合奏は、後半が「ワルツ」だったので、1曲目の「トライアングル」の出番が終われば帰れる予定でした。しかし、そんな風に予定が変わったのを知らない人がいて、急遽ワルツも代わりに吹くことになって、結局いつもと同じことになってしまいました。そこで、休憩時間に後半に備えてさらっていると、ファゴットのSさんが「OHバンデス、見ましたよ」と囁いてきました。そうなんですよ。だいぶ前にテレビ局が来て私達が合唱をやっているところを取材したことを書きましたが、その放映が今日あったのです。その連絡は来ていたので、もちろん録画はしていたのですが、Sさんはたまたまおうちでそれを見てしまったというのです。「○○さん、映ってましたね」ですって。
 それを楽しみに家へ帰ってビデオを再生してみると・・・なんと、音は聞こえるのに画面は全くチューニングがあっていない状態で、なにやら動いているのがかすかに分かるというひどいことになっていました。いつもはBSや地デジしか録画していないのに、今回はダビングすることを考えてアナログ放送を録画してしまったのが、敗因でした。マンションのアンテナはこの局のようなUHFをVHFに変換しているので、こんな風になってしまうのですよ。今まで1回も録画したことがなかったので、それが分からなかったというわけ、まあ、合唱団の名前を「東北大学OB合唱団」などと紹介していましたから、保存しておく程のものでもないでしょうし。
aventure number : 0943 date : 2007/3/27


今日の禁断 ギター

 他のネタがあったのですっかり忘れていましたが、ブログのカウンターがいつの間にか5万になっていました。このところ3ヶ月で1万というペースが定着しています。つまり「のだめ」が終わってもそのペースは変わらなかったということになります。「おやぢ」中心という本来のエントリーでこのアクセスというのはなかなか嬉しいものです。

 「5万」と言えば、「5万節」。なんてことがすんなり出てくるというのはよっぽどの「クレージーキャッツ」のファンだけのことになってしまいました。おととし結成50周年を迎えたこの不世出のバンド(そう、彼らはバンドだったのですよ)のフロントマン、植木等が亡くなりました。何と言ってもリアルタイムで彼らの姿を見てきたものとしては、感慨深いものがあります。これで7人いたメンバーのうちの4人が鬼籍に入ってしまいました。あと3人(谷啓、犬塚弘、桜井センリとすぐ名前が出てくるのが悲しいところです)残っているとはいえ、これで名実共にこのバンドが終焉を迎えたことは、誰の目にも明らかでしょう。心からご冥福をお祈りいたします。
 植木等、そしてクレージーキャッツは数多くの映画に出演していました。最近はBSなどで繰り返し放映されていますが、なぜか私が昔見た時の印象が強烈に残っていて、ぜひもう1度見てみたいと思っている作品は、見る機会がありません。それは、北杜夫の原作による「怪盗ジバコ」。

 もちろん、この原作自体がパステルナークの「ドクトル・ジバゴ」のパロディ(「ジバゴ」ではなく「ジバコ」)なのですが、映画の方はまた原作に忠実でなかったような印象がありました。それがなかなか確かめられないでいるのが、ちょっともどかしいところです。「怪盗」対策で集まった総理大臣などが、屎尿処理かなんかで話し合ったあと「お昼ご飯にしましょう」といって出てきたのがカレーライスだったというようなつまらないギャグに、当時はウケてしまったという思い出しかないもので。もう一つ、ラスヴェガスでロケを敢行したというとてつもないスケールの作品も、ぜひ見てみたいと思っているものです。
 クレージーの映画はどれを見ても面白かったのに、同じ頃にやっていたドリフの映画は本当につまらないものでした。というか、初めて見たドリフのものがあんまりつまらなかったので、それ以後は全く見てはいないのですが。クレージーが都会的で洗練されて、言ってみれば「夢」を与えてくれたものに対し、ドリフはとことん貧乏くさく、垢抜けないというというのがその映画の印象だったのです。その印象は、もちろん今でも変わってはいません。いったい「バカ殿」のどこが面白いというのでしょう。
 どうでもいいドリフのことはおいといて、植木等のことでいまだに気になっていることがあります。それは「ハイそれまでョ」というヒット曲について。ご存じのように、この曲は前半にバラード調のゆったりした部分があってそれがいきなりアップテンポに変わるというものなのですが、その4ビートのバラードにハンパな小節があるのです。「おねがい〜、おねがい」のあとが、どう聞いても2拍多いのですよ。こういう音楽でこんな「変拍子」が入るのはとても落ち着かないもの、これは意図して入れたものなのか、ぜひご本人にお聞きしたかったのですが(いや、生きていても無理だったはず)。
aventure number : 0944 date : 2007/3/29


今日の禁断 2000

 以前、津和野に行った時に安野光雅美術館でトランプを「4種類」買ったと書いたことがありましたが、その時に一緒に買っていた人の話を聞いてみると、その人はなんだか私が買ったものの中にはないようなデザインのものを手に入れたような気がしてきました。実は「4種類」といっても、絵札のデザインは2種類しかなくて、それぞれが裏の模様が2種類の色違いになっているというものなのです。その絵札を全部眺めてみても、その人が言っているような面白いものは見つからないのですよ。「イモとおなら」などというものがあるそうなのですが・・・。
 美術館では、グッズを通販で買えるようになっていて、それ用のカタログが置いてありました。それももらってきていたので調べてみると、なんとトランプには「3種類」のデザインがあるのだというのが分かりました。それぞれに色違いがありますから、全部では「6種類」になるのですね。ですから、その人が買っていたのは私が買わなかったもう一つのデザインのものだったのですよ。確かにショップには「4種類」と書いてあったのに。
 そうなると、「イモとおなら」がどんなものなのか、当然知りたくなります。そこで、美術館に注文することにしました。カタログには申込用紙が付いていて、そこにカタログの番号を入れてFAXで送れば、すぐに送ってくれるというのです。代金は同封の振替用紙で郵便局から送るという、お客さんを信用している方法で払えばいいそうです。そこで、月曜日にFAXを送ったところ、木曜日には早くも現物が届きました。迅速な対応ですね。普通のショップではなく、ここは町立の施設ですから、館長名の朱印の入った書類まで一緒に送られてきましたよ。もちろん、手書きで番号や金額の入った振替用紙も同封されています。
 ですから、さっそくこちらも迅速に送金しようと、その振替用紙を持って郵便局へ行きました。そして、お金を添えて窓口にその用紙を出すと、局員は「お急ぎでしたら、ATMでどうぞ」と言ってくれました。なるほど、確かに銀行振り込みなどはATMで出来ますから、番号などを打ち込んで送れるのでしょう。しかし、局員さんは「その用紙で送れます」と言うのです。え? いったい、こんな手書きの用紙で、どうやって、と思いましたが、ATMの前に行ってみると、確かに振替用紙がそのまま入るぐらいの大きなスロットが開いていましたから、そこへ入れてみます。なにやらスキャンしているような感じで用紙がゆっくり入っていくと、ディスプレイにはその画像が出てきました。その番号や金額を確認して、お金を入れればそれでどうやら送金は完了のようでした。レシートには、スキャンした一部がちゃんとプリントされていましたし。
 考えてみれば、手で書いた郵便番号を瞬時に読み取るという作業を日常的に行っている郵便局ですから、こんなことは簡単なのでしょうね。こんなことが出来るって、知ってました?
 届いたトランプには、確かに「イモとおなら」がありました。
aventure number : 0945 date : 2007/3/31


今日の禁断 エアリ

 「ダイヤモンド・シティ」にやっと行ってきました。オープンしてから1月以上経っているこの「東北最大」のショッピング・モール、こういう施設の一番乗りには目のない我が家の住人ですが、なんせ3月に入ってからの忙しさといったら、週末が全てつぶれるというものでしたから、どう頑張っても行くことはかないませんでした。
 オープンしてからというもの、なにしろ人がたくさん集まって、車で行くと渋滞がひどくて、名取にある現地にたどり着くまでものすごく時間がかかる、という噂が飛び交っていました。確かに、周辺の国道は常に渋滞していることを交通情報は告げていましたね。しかし、そろそろ物珍しさだけのお客さんは減ってきて、普通のちょっとした渋滞、ぐらいになっているのではないか、という気がありましたので、車で出発です。
 確かに、新しい施設にありがちなそれなりの混みようではありましたが、目的地には予想以上に簡単にたどり着くことが出来ました。国道を曲がると、もうすぐそばのところにあるのですね。新しく開通したアクセス鉄道の高架越しに駐車場が見えますが、ガラガラになっています。これだったら、簡単に駐車できることでしょう。
 しかし、前の車の進むように一番最初の入り口を入ってみても、そのあたりの駐車場は見事に満車になっています。なぜか、駐車場の誘導員というのが1人も居ないので、本当に空いていないのかは正確には分からないのですが、後からどんどん車が来ますからマゴマゴしているわけにはいきません。さらに不思議なことに、さっきガラガラだった駐車場に通じているはずの通路が閉鎖されているのですよ。結局、長〜い建物の周りをまるまる1周しなければ、そこにはたどり着くことは出来ませんでした。つまり、その間は完璧に満車だったというわけです(もちろん、誘導員は誰もいませんから走りながら自分の目で確認した限りで、ですが)。
 確かに、今まで行ったことのあるショッピング・モールの中では、そこは最大の規模を持っていました。それよりすごいのは、そんな巨大な建物の中が人でいっぱいになっていたということです。とてつもない集客力ですね。とりあえずお昼ご飯を食べようと思ったのですが、どこも長蛇の列、中でもバイキング関係はものすごいことになっていましたよ。そこは実際に並ばなければならないのですが、名前を書いておけば並ばなくても大丈夫だという、ディズニー・リゾートの「ファスト・パス」みたいなお店に、とりあえず名前だけを書いておいて、どうせ時間がかかるでしょうからインフォメーションでフロアガイドをもらってきて、その辺を探検です。
 そう、まるで去年の12月に初めて行ってきたディズニー・シーのように、地図なしではとても歩き回ることが出来ないほどの、そこは広々とした、殆どテーマパークほどの規模を持っていたのです。一回りしてレストランのエリアに戻ってみると、当て馬の方の和食店はまだまだ待ちそうでした。そして、本命のステーキやさんに行ってみると、私達のすぐ前まで呼ばれていました。危うくセーフ、と思っていたら、そこにいたオジサンが「あんたらのこと、呼んでたよ」と言ってます。確かに、そこに出てきたおねえさんが私達の名前を消して、次の人を呼ぼうとしていましたので、間一髪、「今来ました!」と叫んで、入れてもらえましたよ。もうちょっと遅かったら完全に消されて最後にまわされているところでした。もっとも、そこまでして食べるほどのステーキではありませんでしたが。
 そんな、頼みの綱のフロアガイド、よく見てみたらこんなコピーが書いてありましたよ。

 「いづも」って、これは島根県の宣伝コピーじゃないですか(4月1日記)。
aventure number : 0946 date : 2007/4/1


今日の禁断 似顔絵

 きのうでしたか、車に乗ってラジオを聴いていたら、あまり頭の良くなさそうな女性アナウンサーが今度の選挙の投票について喋っていました。なんでも投票率を上げるキャンペーンか何かで「投票デート」という言葉で投票を誘っているというのです。独身のそのアナウンサーは「わたしもいっしょに『投票デート』に行ける人が欲しいデス」みたいなことを言っていました。そんなことを言ったら、私なんか毎回「投票デート」ですよ。ちなみに、「投票デート」を重ねるうちに恋に落ちたカップルの話をテレビドラマにしたものが「投票ラブストーリー」なんでしょうね。小田和正がテーマ曲歌ってたやつ。
 テレビドラマといえば、新年度になって一斉に新しいドラマが始まりました。といっても、なんだか昔の「天花」を思わせるようないい加減な匂いがぷんぷんする朝の連ドラのことではなく、私の場合はアメリカのドラマに限らせて頂きます。ご存じのように、アメリカのドラマは日本のものとは根本的に作られ方が違っていますから最初はちょっとまごつきますが、それに慣れてしまうとしっかりハマってしまうという怖さを持っています。日本の(そして韓国も)ドラマにはきちんとした結末がありますね。まず結婚することなどあり得ない不釣り合いのカップルが、最後にはめでたくゴールインする、とか、目が見えなくなってもしっかり愛を確かめ合うとかいった、まずは収まるところに収まる、というエンディングが用意されています。
 ところが、アメリカのドラマにはそれがないのですよ。一応キャラクターの設定や状況の設定はあるのですが、キャストたちはその中で数々のエピソードを披露しつつも、それが決して収束することはないのです。というより、あちらでは「ドラマのシーズン」というものが厳然と存在していて視聴率が悪ければ有無をいわさず打ち切り、逆に人気があるうちは延々と続編が作られ続けるという事情があるからなのですがね。そんな状況では、きっちりとしたプロットを作って計画的に制作するなどということは最初から無理なので、必然的にそんな作り方になったのでしょうね。
 ですから、長く続くものは段々ぼろが出てきて、最初の設定が終わりの頃にはガラッと変わってしまうような事態も起こってきます。それを避けるためかどうか分かりませんが、再開された「ER」などは次第にキャストが入れ替わっていますから、あまりそんなことはシビアに考えなくても済むのでしょう。実際、スタート時にいた人は誰一人として残っていませんものね。スーザンだって、しばらくいなくなっていた時期がありましたし。
 同じく再開された「モンク」は、一話完結という形は取っていますが、そのバックグラウンドでは延々と別のストーリーが展開されていて、それは決して解決されることはありません。トゥルーディが殺された真実を視聴者が知ることは、永遠にあり得ないはずです。しかし、今週の放送ではスタンリ・トゥッチ(ハリウッド版の「シャル・ウィー・ダンス」で竹中直人の役を演じていたハゲ)などというすごい人がゲストですからね。
 でも、考えてみればアメリカ風のこんなドラマの方が、結末がしっかり用意されている日本のものよりずっと面白いのはなぜなのでしょう。現実の出来事には、決して結末というものはあり得ません。現実にどっぷりつかってとことんそこに身を委ねるという中に、現代人の姿を見るのでしょうか。もちろん、そんな現実からの逃避としてしっかりとした結末を求めるという嗜好も、一概に否定は出来ませんが。
aventure number : 0947 date : 2007/4/4


今日の禁断 ヒゲ

 新しいコンテンツが出来ましたが、又しても「会員限定」、「メート」からリンクしています。つまり、このあたりは「Chor青葉」がらみで出来たもの、かなり仲間内の意味合いを持つものですから、あえて認証をかけて無制限のアクセスを制限しています。
 ですから、本当は「会員」しかご覧になれないのですが、そのさわりぐらいはここに書いても構わないでしょう。ネタはこの間もちょっと書いた安野光雅のトランプです。基本的なデザインは3種類あって、それぞれが特徴的なものになっています。一番最初に出たのが「2000」というシリーズですが、この絵のタッチ、そしてアイディアはそんなに新しいものとは思えないような気がしてしょうがありません。

 これは「海老で鯛を釣る」ですね。かなり以前に作ってあったものを、この時期に出したのではないかと思っているのですが、どうでしょう。さらにそれを端的にあらわしているのが、裏側の模様です。

 ブドウの実と葉、ツタがモチーフになって唐草模様を形づくっていますが、これを見るとどうしても初期の傑作「もりのえほん」が思い出されてしまいます。森の風景の中にいろいろなものが隠されているという「だまし絵」ですね。そこで、その気になって見てみると見事に別のものが現れてきました。すぐ分かるのはハートですね。

 これが分かれば、スペードは向きを変えれば見えてきます。

 クラブも、どうです? この辺にありませんか?

 そしてダイヤは視野を広げると見えてきます。

 「2001」になると、絵の感じがガラリと変わります。内容もかなり分かりやすいものに変わっています。

 そして2006年にリリースされた「アンデルセン」になると、今までのようなだまし絵やストーリーに代わって、新たな境地を見せてくれるようになります。それは、デザイン的にはごく普通のトランプのものと限りなく近いものになっているのですが、上と下で1箇所だけ違う場所を設けているのです。

 これは鼻の形が違っているだけ、マークによって、それぞれ違っている場所が共通しています。
 コンテンツの方では、全部の絵札が紹介されていますよ。
aventure number : 0948 date : 2007/4/6


今日の禁断 七転八倒

 私にとって3月が合唱の月だったとすれば、4月は本来のフルート関係の月となるのでしょう。ニューフィルの本番がいよいよ再来週に迫ってきて指揮者練習も佳境、その間を縫って来週が本番となる「仙台フルートの会」の練習も重なります。
 きのうが、そんなすさまじいばかりの練習の嵐でした。まずは午後の2時から、若林のホールで2日間続くことになる工藤さんとの集中練習です。このホールはこの間の広瀬文化センターとよく似た形をしています。客席700ぐらいの中ホール、ステージが狭いので、反響板を全部下ろしてしまうとオケが乗り切らず、横はむき出しのまま、というのも一緒です。

 これは広瀬の写真。なんだか上野の東京文化会館みたいで素敵ですね。工藤さんの指定で「対向型」の配置になっていますから、木管の右手に大きなコントラバスが迫っています。ですから、こんな狭いところでは、人が入ってしまうとちょっとやそっとでは出入りが出来ません。きのうは最初のうちは少し涼しかったホールの中が、暖房を入れたせいで次第に暖かくなってきて、途中で1枚脱いでしまうほどでした。
 本番のエキストラの人も殆ど集まっていたのでしょうか、ヴァイオリンあたりはかなり充実した音になっていたのが嬉しいところです。本当は普段の合奏でも最低このぐらいの人数がいて欲しいのですが、まあ今は端境期でしょうから、何とか乗り切るしかありませんね。そのうち又、トラなしで16型という時代が必ず来るはずですから。
 実は私自身も、言ってみれば「エキストラ」ですからね(プログラムに名前を載せるようなことを言っていましたが、どうなるのでしょう)、少しは演奏に貢献しているのだと思われたいものです。本職の打楽器のメンバーは何かとアドバイスをしてくれていますから、きっと本番までにはそれが形となって現れて欲しいものです。
 そんな、熱気あふれる指揮者練習のあとは、旭ヶ丘で行われているフルートの会に合流です。練習室に着いたらちょうど休憩になったところ、アルトフルートも私を含めて3人来ていますから、こちらも本番モードですね。さっきの工藤さんは少し早めに終わってくれたのですが、こちらの指揮者はそんな甘いことはやってくれません。一応9時までが練習時間になっているのですが、あと20分というところでメインの「ジュピター」を全部通すということになってしまいました。アルトのメンバーのうちの一人は、用事で途中で帰ってしまいましたから、残るは2人、そのもう一人の人も、おしまい頃には疲れてきたのか休み休み吹いているようになりましたから、結局いつものように私一人で頑張らなければならなくなってしまいました。終わったのは9時10分。もうヘトヘトです。
 今日は今日で、ちょっとした勘違いでフルートのメンバーが一人時間に間に合わなくなってしまいました。もう一人は最初から来れなかったので、後半の2曲は2人とも代吹きという事態、しかも「ワルツ」ではなんせ私は打楽器のトラですから、狭い中を打楽器の席とフルートの席を行ったり来たり、「五臓六腑」とはこういうことを言うのですね(「八面六臂」だっけ?)。
aventure number : 0949 date : 2007/4/8


今日の禁断 タイムズ

 桜が咲き始めても結構寒い日が続いていますが、さすがにもう雪が降ることはないだろうと、タイヤを交換することにしました。本当は3月の1年点検の時に一緒にやってもらおうという予定だったのですが、あのころはまだ雪が降りそうな気配があったので(実際、そのあと降りましたね)やめておきました。と言うよりは、あのころはまだ腰が痛かったのでタイヤを車に積むことすら出来なかったのですよ。医者に脅かされて以来用心をしていますから、どうやら普通に力仕事も出来るだろうと判断、タイヤ交換の挙行となりました。
 今のスタットレスタイヤは、買った時に付けてもらったものですから、新しい新車になってから、自分でタイヤをいじるのは初めてのことになります。物置からタイヤを出してきていざ作業を始めようとしたら、ジャッキのありかが分かりません。あちこち探して、やっとトランクの底を開けて見つかりました。しかし、留め金のようなもので固定されているのが、スペアタイヤが邪魔になって外れません。これは、ジャッキはパンクしてスペアタイヤに交換する時だけに使うもの、ということなのでしょうか。それ以外の冬タイヤの交換などは業者に任せろ、と。確かに、今では自分で交換する人は少ないのかもしれませんね。でも、私はきちんとトルクレンチでナットを締めるのが好き。いい汗をかきました。帰る途中にセルフのスタンドによって空気圧をチェック、そのまま旭ヶ丘へ向かいます。
 もはや定期演奏会も目前、あとは普通の平日の合奏を2回残すだけとなりました。いつもですと、そのうちの1回ぐらいは団員だけの合奏になっていたのですが、今回は全て工藤さんの指揮という、追い込みにはもってこいの体制になっています。このまま緊張感を維持して本番が迎えられればいいのですが。
 そうなってくると、問題は駐車場です。ただでさえ集まりが悪いというのに、駐車場が満車で遅れてしまったりしたら目も当てられません。しかも、今日は青年文化センターが休館日で、あそこの駐車場が使えませんから、新しくできたコインパーキングは間違いなく車が殺到してしまうことでしょう。
 と思って、いつもより早めに旭ヶ丘に着いてみると、もはや今までの駐車場にはしっかりフェンスが張り巡らされていて、本格的に工事が始まっていました。前には放置してあった車が数台そのままになっていたのですが、それも持ち主が現れたのか、強引に廃車にしたのか、姿はなくなって、すっかり更地になったようです。そして、向かい側の駐車場はと言うと、予想に反してガラガラでした。まずはラッキー、ですが、こんなことが毎週続くとは考えられません。くれぐれもご用心を。
 少しコンビニで時間をつぶして、いつも着く頃に行ってみると、なんと、もうすっかり椅子が並べられていましたよ。椅子はおろか、人も2人ぐらいしかいない「いつも」とはえらい違いです。本当はこれが「いつも」の姿であるべきなのですがね。時間内に全曲を一通り通すという、まさに「本番モード」です。そうなってくると、フルートよりも打楽器の方が緊張を強いられることが分かってきます。ほんと、こんな仕事を平然とこなしている打楽器のメンバーには、尊敬の念がわいてしまいます。
aventure number : 0950 date : 2007/4/10


今日の禁断 コスモ

 職場にコピー機があるので、外でお金を払ってコピーをするということはまずありません。たまにコンビニに行った時など、コピー機がおいてあるのを見てみると、ずいぶん機能が豊富になったような気がします。液晶ディスプレイがあって、そこをタッチして操作するようになっているのですね。なんでも、写真のプリントもこのコピー機で出来るとか、どんなんでしょう。
 そんな多機能のコピーの中に「ネットプリント」というものがあることを、最近知ることが出来ました。きっかけはChor青葉の掲示板です。この間行って演奏してきた津和野の模様が、毎日新聞の夕刊に載っているという情報が書き込まれたのですよ。演奏会の直後には、地方紙とか同じ中央紙でも地方版には記事が掲載されていて、それはすでに同じ掲示板で出回っていたのですが、今回は中央紙の東京版ですからね。なんでも、演奏会の模様と安野さんのインタビューが1面全部にわたって掲載されているというのです。あいにく、仙台では夕刊は発行されていませんから、図書館に行ってバックナンバーを見てみても、どこにもそんな記事はありませんでした。しばらくして掲示板にはその新聞をスキャンしたものが掲載されました。もちろん、それをダウンロードしてプリントアウトすればいいのですが、それを投稿した人は「ついでに」ということで、「セブンイレブンのネットプリントというシステムにも画像を登録しておきました」と書き込んでいました。これは、セブンのどこの店でも、そこにあるコピー機でしかるべき操作を行えば、そこからその新聞記事の画像がA3用紙にプリントされる、というものらしいのですよ。
 そこで、一体どんなものなのか、実地に体験してみることにしました。近くのセブンに行ってコピー機のディスプレイを見てみると、確かに「ネットプリント」というボタンがあります。そこを触ると、まず親切に「操作の流れ」を説明してくれる画面が現れました。お店で店員さんに聞いたりするのは何よりもみっともないことだと思っていますから、これはありがたいものです(実は、近くにセルフの洗車機があるのですが、これも使い方が分からなくてマゴマゴしているのを見られるのがいやで、まだ使ったことがありません)。あとは指示に従って指定されたパスワードを入力してお金を投入(白黒だと30円)、「プリント」ボタンに触ればOKです。コピー機からは上質紙にコピーされた1面分の新聞記事が出てきましたよ。なんか、一つ大人になった気分です。
 ちょっと前までセブンでバイトしていた親しい女の子に聞いてみたら、そんなものは知らないと言っていました。このサービスが始まったのはどうやらごく最近のことなのですね。
 この記事、我々の演奏の紹介と共に、安野さんの故郷に寄せる奥深い話が載っています。興味のある方は「ネットプリント」で取り出して読んでみてください。パスワードは「RMTLUQHP」です。ちなみに、有効期限は20日頃までです。
aventure number : 0951 date : 2007/4/12


今日の禁断 ヴィーナス

 この間、若林で練習があった時に、昼休みに同じ館内の図書館へ行ってみました。音楽関係の棚を眺めていると、クラシックのところにジョン・ウィリアムスの映画音楽の本が置いてあります。職員が中身が良く分からないので適当に入れてしまったのでしょう。逆に映画音楽の本を探しに来た人は、この本が見つけられなくなってしまうかもしれませんね。私は、前々から彼についてはきちんと知りたいことが沢山あったので、とりあえず近くの椅子に腰掛けて立ち読みです。昼休みと言ってもそんなに時間はありませんから、斜め読みです。
 その本は、ジョン・ウィリアムスの全ての映画音楽について述べているという、かなりマニアックなものでした。最初の頃の作品などは知らないことばかりで、なかなか興味がありました。というか、その頃のものは殆ど知識の外だったのですがね。そこで、意外な映画が彼の音楽だということが分かります。それは、1966年に公開された「おしゃれ泥棒」という作品です。そもそも、そんな昔からウィリアムスが仕事をしていたなんて初めて知ったわけでして。これは映画館(仙台東宝)で何回となく見た覚えのあるお気に入り、もちろんその頃はその映画が誰だったかなんて、全く興味がありませんでしたが。
 機会があったらもう1回見てみて、音楽を良く聴いてみたいな、と思っていた矢先、なんという偶然でしょう、BSで放送されるというではありませんか。さっそく録画をして、さっき見終わったところです。
 音楽は、今のジョン・ウィリアムスを知っている人だったら、これを聴いて彼の作品だとはとても思わないだろうというものでした。さっきの本によると、彼は「スター・ウォーズ」を境にガラリと作風が変わったといいます。確かにそれが納得できるものでしたよ。それは、まるでヘンリー・マンシーニのようなタッチを持っているもの、実際、「子象の行進」と良く似た音楽も出てきましたしね。実は、クレジットも「ジョニー・ウィリアムス」、本当は別の人だったりして。
 久しぶりに見た「おしゃれ泥棒」は、全く色あせたところのない素晴らしい映画でした。何と言っても、脚本のハッピーさは今のハリウッドには絶対にないものです。贋作の彫刻の保険のために鑑定を受けざるを得なくなった男の娘(オードリー・ヘップバーン)が、自宅に入った泥棒(ピーター・オトゥール)と協力してその彫刻を「盗み出す」というのがそもそもぶっ飛んだ設定ですが、その泥棒は実は犯罪研究家だった、というオチも付いている気の利いたものです。
 そして、とことん楽しめるのがヘップバーンとオトゥールのおしゃれな会話です。クローゼットの中で「もう1度説明して」とヘップバーンがキスをねだるところなど、良くもここまで、と思うほど。確かに、今ではこんなクサいセリフを喋らせる映画なんてありませんからね。ヘップバーンが「私、泥棒したの初めてよ」と言ったのに対して「僕も」と答えた時のオトゥールの悪戯っぽい目つきといったら。
 そんな、粋でスマートだったオトゥールも、今では見る影もない醜い老人に変わってしまっています。この人の場合、とうとう美しく年をとるチャンスを逃してしまったのかもしれません。
aventure number : 0952 date : 2007/4/14


今日の禁断 ムラマツ

 今日は「仙台フルートフェスティバル」という催し物が、青年文化センターで行われたので、それに参加してきました。毎年1回行われているこの催し、今回が20回、もうそんなになるんですね。最初の頃は「フェスティバル」という名前の通り、フルートのアンサンブルの演奏や、ゲストのフルーティストのミニリサイタル、そして、フルートメーカーの人たちによるクリニックなどと、盛り沢山の内容でした。実は私もかつては運営のチーフをやらされたことがあったのですが、ゲストとの交渉、参加団体の交渉、そしてメーカーさんとの交渉などと、かなりヘビーな仕事だったことを思い出します。
 最近では、もっぱら「仙台フルートの会」という常設のアンサンブルが単独でコンサートを開くという形に定着したようです。これはこれで、オーケストラのヴァイオリンとヴィオラのパートをフルートとアルトフルートに置き換えて演奏するというユニークな形がなかなかの好評を博して、毎回会場はファンで満員に・・・なればいいのですが、なかなか。
 そんなコンサートに参加するために、朝の9時からリハーサルに向かいます。いつもの楽屋口へ行く前に、チラシや広報誌が置いてあるコーナーを覗いてみると、こんなフリーペーパーがたくさんおいてありました。

 実は、2月頃にニューフィルの事務局宛に、市民文化事業団から「活動内容を紹介する小冊子が発行されるので、その原稿を送って欲しい」という通達があったのですよ。どんなものが出来るのか全く分からなかったのですが、言われるままに私が広報係ということで定期演奏会の案内を作って(「かいほうげん」の使い回しですが)送ってありました。それが3月の末に発行ということだったのですが、一向に現物が出る気配がなかったのでその話は立ち消えになったのかと思っていたところ、やっと今頃お目にかかれたというわけです。
 タイトルもこんなしゃれた(というか、逆に分かりづらくなっていますが)ものではなかったような気がするのですが、内容は想像以上に充実したものでした。つまり、これはこれから9月頃までの仙台のイベントがしっかり収録されたカタログのようなものに仕上がっていたのです。これ1冊あれば、アマチュアの(プロもありますが)イベントが殆どチェックできるのではないか、と思われるほどのコンテンツでした。私のように、それぞれの団体の担当者がそれなりに知恵を絞ってアピールしているのが、なかなか効果的なのでしょう。ちなみに、うちのページはこれ。

 そして、「フェスティバル」です。今回は参加者がかなり多くなって、とても充実した編成になっていました。なにしろチェロが6人も来てくれましたし、アルトは本番ではなんと7人ですから、私のようにあまり練習に来れなくて怪しいところがあっても、安心して霞んでいられます。いや、そうしたいのはやまやまだったのですが、なぜかトップの席に座らされてしまったので無理をしてでも真剣に吹かなければなりませんでしたよ。お陰で、前半の終わり頃には譜面をめくるのも大変なほど、腕が疲れ切ってしまいました。後半も何とか気力を振り絞って実力以上の力を出しましたから、もう腕は棒のよう、この演奏会はいつもながらの「拷問」になってしまいました。
 演奏中に客席で大声を上げたり、走り回って(信じられません)いる子供を野放しにしていた無神経な母親のせいで、緊張を維持するための余計な神経を使わなければならなかったのには、腹が立ちます。
aventure number : 0953 date : 2007/4/15


今日の禁断 石川

 ご好評を頂いたチケットプレゼントも、そろそろ終了とさせて頂きます。代わって70万のキリ番のマーキーが出ていますので、よろしく。
 前回の「まちりょく」(しかし、なんというネーミングでしょう)、つくづく眺めてみると、私が出した原稿と微妙に違っているのが分かってきました。まず写真がえらく汚くなっていますし、ロゴマークなどはほとんどドットが分かるほどの荒いものになっています。そして、確かに入れたはずの電話番号と公式サイトのURLが消えています。そこではたと思いついたことがあったので、送ったファイルを点検してみると、その原因が分かりました。そもそもの原稿はWordで作ったのですが、ちょっと変わったフォントを使ったので、そのチェックのためにPDFも一緒に送ってあったのです。こちらはあくまで参考に、原稿はWordの方でと断ったはずなのですが、ここに載っているのはまさにそのPDFそのものでした。変換する時に1行ぐらいずれてしまうことがあるのをチェックしなかったために、最後の行がなくなっていたのですが、そもそも「参考」ですからそんなに注意はしていませんでしたよ。次回からは間違えようのない様に手書きで送ってやりましょう。
 ただ、「まちりょく」(このタイトルが定着するとはとても思えません)自体はなかなか画期的な企画です。苦労してチラシを集めてまわらなくても、半年分のイベントがほぼ把握できてしまうのですからね。おかげで、私が作っている他のサイトで、最近になってやっと軌道に乗ってきた合唱団のOBのサイトが、この情報で格段に活気づくようになりました。
 この冊子の前半には、「各界の著名人」がそれぞれ自分の推薦するイベントを挙げているコーナーがあります。そこに、一度だけニューフィルを指揮されたことのある作曲家/指揮者/評論家の方が、今回のフランス物プログラムを大いに持ち上げてくれています。それが集客に結びつくとは到底思えませんが、こんな形で期待してくれているのは嬉しいものです。
 その演奏会もいよいよ今週というところまで来ました。今日は旭ヶ丘で指揮者練習、先週はいつも通りに行ったらもう椅子が並んでいたので、少し早めに(駐車場のこともありますし)行ったら、殆ど一番乗りでしたよ。それから椅子並べや机のセッティングなどをしてゴタゴタしていると、もう定時の7時、チューニングが終わればすぐ工藤さんの登場です。先週同様、全曲を一通り通しながら、どうしても確認したいところを止めてもう一度、というやり方です。非常に手際の良い進行で、しっかり全曲をまとめてしまうのですから、すごいものです。もちろん、時間をかけて直したいところもあるのでしょうが、そこはあえて深入りせず、各自しっかり合わせておくように、というお達しです。
 ワルツでは例によって打楽器奏者に変身する私ですが、今日はいつも打楽器パートのトレーナーとして来て下さっている仙台フィルのMさんがチェックにみえてました。私にまでちょっとしたアドヴァイスをしてくれたりして、もうすっかり「なりきり」です。かといって、今後もやる気は全くありませんが。
aventure number : 0954 date : 2007/4/17


今日の禁断 椎間板

 東京あたりではもう桜は散ってしまったのでしょうが、仙台では今が満開です。このところ真冬並みの寒さが続いていたこともあって、いまいち花見という感じではなかったのですが、やっと暖かさが戻って来ましたからこれからが本番といったところでしょうか。
 実は、私の職場は知る人ぞ知る桜の名所、そろそろカメラを抱えた人が境内に見かけられるようになりました。もちろん、その気になればシートを敷いてお花見をすることだって出来ますよ。去年は、その中でも一番遅く花を咲かせるしだれ桜を毎日写真にとってこんなコンテンツを作ってみました。その時分かったのは、桜の花の色というのはバックの空の色によってかなり違って見える、ということでした。単純に色の変化だけを調べようと思ったのですが、どうもいまいちはっきりしませんでしたね。毎日が青空だったらいいのですが、そうもいきませんし。
 しだれ桜というのは咲くのが遅いものですが、同じしだれ桜といってもかなりの個体差があります。このロケーションは、そんないろいろな時期に咲くものが揃っていますから、同じ日にいろいろな段階の咲き方のしだれ桜が同時に楽しめることになります。そこで、今年は趣向を変えて、同じ時間に撮った桜の開き具合を比較して、その花の色を比べてみようと思いました。



 一番上は、さっきのものと同じ、一番遅い桜です。まだ開いたばかり、これからが楽しみです。ホント、これが満開になるとすごいですよ。その次が、5分咲きぐらいの、まだ植えて間もない小振りの桜です。これは私が毎日いる部屋のすぐ前にある木なので、いつも間近で楽しめます。そして一番下が、もう開ききった2本の桜。手前と向こう側の色が微妙に違うところにご注目ください。
 桜が終わると今度は筍の季節です。桜が早めに開花したので、もしかして、と思って竹やぶへ行ってみましたが、全く出そうな気配はありませんでした。それよりも、最近は全く手を入れていなかったので荒れ放題、切った竹や、自然に枯れて倒れた竹で、足の踏み場もなくなっていました。そこで、久しぶりに竹やぶのお掃除です。愛用の鉈を持っていって、倒れている竹の枝を払い、出口近くに集めます。竹もそのままでは長すぎるので半分にして、まとめておきましょう。
 始める前は風も吹いていてちょっと肌寒い感じでしたが、終わる頃にはほんのり汗をかくくらいに体が温まっていました。自然の中で体を動かすって、いいですね。最近は注意していますから腰の方も落ち着いています。このぐらいのことが自然に出来る今の状態を忘れないようにしておけば、無理をすることもなくなることでしょう。ほんと、腰が痛くて何も出来ない時には何もかもいやになってしまいますからね。今夜中には70万。
aventure number : 0955 date : 2007/4/19


今日の禁断 点目

 今日の定期演奏会、最初は車で行く予定でした、きのうゲネプロをやった時に停めた駐車場が1時間100円という安さだったので、これだったら打ち上げまで置いておいても1000円ぐらいしかかからないだろうと思ったのです。打ち上げの会場も、駐車場のすぐそばですし。
 実は、今日はもう一つ予定が入っていました。それはこの前の東京での合唱の演奏会の反省会。もちろん、ニューフィルの本番ともろにぶつかっていますから出席は出来ないのですが、愚妻は出るので、国際センターまで送っていきます。そこまで行って、イズミティまでまっすぐ車を走らせていると、なぜか不安がよぎります。時間的には楽々到着するはずなのですが、その時間に駐車場が空いているという保証は何一つないのですよ。きのうは平日でしたが、何と言っても土曜日の昼間ですから、買い物客などでごった返していれば、車を入れるだけで時間を食ってしまい、ゲネプロに間に合わないかもしれません。そこで、急遽プランBに変更、車を置いて地下鉄で行くことにしました。
 地下鉄を降りて、長い地下道を通ってイズミティの前に出たら、どうやら駐車場は満車のようなので、まずは自分の判断の正しさを確認することになりました。でも、お昼ご飯の時に2階のロビーから見下ろしたら、結構空いていたので、もしかしたらそんなに待たないで停められたのかもしれませんがね。
 今回の演奏会、そもそも私にとっての不安材料がありました。それはピッコロ。今まで何度か本番でピッコロを吹く機会はあったのですが、ことごとく満足のいかない出来でした。そこで、最大の課題として、重点的にピッコロのスキルアップを図ることにしたのです。とりあえずは楽器を整備して、問題のないコンディションを作ります。あとはひたすら練習。そうしたら、ある時いきなり息の出し方に何かつかむものが見つかりました。これが会得できると高音がとても楽に出るようになります。どうやら、普通のピッコロ奏者にかなり近いものが出せるような気分になれた、というのが、最大の収穫だったでしょうか。ほんと、本番でなんの不安もなくピッコロが吹けたなんて、初めての体験です。チケットをあげた1号様が、終わるやいなやメールをくれたのですが、その中で「ピッコロがガンガン聞こえました」と書いてあったのが、とても嬉しいことでした。
 そして、もう一つの懸案事項が、これは練習が始まってしばらくしてから降りかかってくることになりました。なんと、本番でトライアングルを演奏しなければならなくなってしまったのですよ。正直、本番で音をはずさないで弾くことなどまず出来ないと思っていました。ピアニシモでやさしく叩かなければいけないところが、緊張して叩きそこねてしまうのですよ。本番前に何とかまともに叩ける確率を上げようと一心不乱に練習していると、他の人には「顔が怖いです」などと言われる始末です。
 ただ、もう終わってしまったから言えるのは、これは確かに得難い体験でした。管楽器とは全く異なる神経が要求されると言うことが良く分かりましたし、何よりもニューフィルの打楽器チームが、こんな大変なことを実にさりげなくこなしていることを目の当たりに出来たということが、大収穫でした。私がビビって出し損なっていることを、彼らはいとも楽々と、やってしまうのですからね。譜面を別の人に渡したり、楽器すらも他の人が使えるように配慮するというような細かな「技」も見せて頂きました。これも、おそらくなんかの形で実を結ぶことがあるのでしょう。
 そんなこんなを打ち上げで話していたら、そろそろ地下鉄の最終の時間です。12時近くまでやっていると思って駅に行ってみると、駅員さんが「今最終が行ったところです」ですって。仕方がないので、タクシーで車を置いたところまで行きましたよ。どうやら、私の判断は間違っていたようです。
aventure number : 0956 date : 2007/4/21


今日の禁断 東北大学

 ニューフィルの演奏会は無事終わったのですが、次に日には合唱の練習が待っているというハードスケジュールです。お酒は飲まない(飲めない)私ですが、打ち上げでソフトドリンク飲み放題に挑戦しているだけでも、大声で話したりしているとつい喉を痛めてしまい、いつも翌日はガラガラ声になっているものでした。きのうも、間違いなくそんなペースで話をしていましたから(本物のおやぢ同士で盛り上がっていました)そんなコンディションで合唱なんて、ちょっと辛いなと思っていました。夕べあたりからすでに喉の奥がひりひりし始めていましたから、へたをすれば本格的に風邪をひいてしまうかもしれません。
 そんな最悪の条件でも、とりあえず役員のお手伝いみたいなものをやっていますから、行かないわけにはいきません。声を出さないで歌う振りをしていてもいいわけですから。
 会場の若林は、勝手知ったるところです。時間前に着くと、練習用の展示ホール(この間ニューフィルで来た時には、「リニューアル・フェア」かなんかをやっていました)の前にはすでにそれらしい人が集まっています。さっそく中に入って椅子並べと、受け付け用のセッティングです。200人近くの参加者ですから、受付は大変、お金を受け取って領収証を渡したり、出席者に名札を持っていってもらったり、殆どパニック状態でした。
 この合唱団は、8月に行われる100周年記念コンサートのために集められたものです。本来は大学の在学生が歌うものなのですが、それだけではとても人数が足らないので、我々OBもお手伝い、そして、マネージメントもお手伝いという訳なのです。ですから、年齢層と言ったらものすごい広がりがありますよ。殆ど親子のような人たちが一緒になって歌うのですから、なかなか大変です。
 2曲あるうちの、今日は「第9」の練習です。実は、角田の「第9の会」の会長さんも、一緒に歌うことになっています。受付でお会いしたら、きのうのニューフィルにもいらっしゃっていたようで、慌ただしくてお話までは出来ませんでしたが、「きのうは良かったよ」みたいなサインが、目と目で交わされていました。彼も私のトライアングルを見て目が点になっていたのでしょう。
 指導をされるのが、佐々木正利さん。仙台では有名な方ですが、実はこの方の実物を拝見するのは今回が初めてでした。とても素敵なテナーの声で、何よりもドイツ語の発音が決まっています。普通の日本人が歌う「第9」の発音は、かなりいい加減ですが、佐々木さんのこの本場物で仕込まれれば、ひと味違ったものになるのではないでしょうか。いや、すでに彼の指導を日常的に受けている人たちも参加していますが、その人たちはかなりそれに近いものを歌っていますから、実現は可能です。
 実際に「第9」を「歌う」のはもう何十年かぶりなのですが、オケでは毎年演奏していますし、その時の合唱もいやというほど聴いていますから、ほとんど初見に近い状態でもほぼ完璧に歌うことが出来ました。それよりも、あれ程心配だった声が、意外なほど出たのには驚いてしまいましたよ。「コール青葉」を2年続けているうちに、喉の方も少しは鍛えられてきたのかもしれません。
aventure number : 0957 date : 2007/4/22


今日の禁断 パスワード

 土曜日の演奏会のDVDが、もう届きました。しできさんがわざわざ自宅まで届けてくれたのですよ。実は、いつもなら公式サイトに打ち上げの様子まで含めたコンテンツが出来ていなければならないのですが、まだ表紙のページしかアップしていません。というのも、打ち上げの時のハイライト、指揮者の御挨拶の写真がないからなのです。「工藤先生、御挨拶をお願いします」と言ったときにカメラを構えて、撮ろうかな、と思ったら、もう「お話」は済んでしまっていたのですね。それで、肝心の工藤さんが喋っている画像が手元にはありませんでした。でも、ビデオは回していたはずですから、それが手に入ったらキャプチャーして使おうと思っていました。今回も最後の「おまけ」のトラックには、その打ち上げの様子が入っていました。そして、工藤さんの正面からの映像もかろうじてあったので、それを使えばあしたあたりにはコンテンツが出来ていることでしょう。
 もちろん、打ち上げだけではなく肝心の演奏もしっかり見て、聴いたのですが、なんか、久しく感じなかった完成度のある演奏だったのではないか、という感想を持ちました。アマチュア特有のいい加減なところのない、実にきちんとした演奏なのですよ。これで、「色気」のようなものが加わったら、ちょっとすごいものになっていたことでしょうね。それは、又今後の課題ということでしょう。
 そして、今日も次の演奏会へ向けての最初の合奏というわけです。演奏会直後だというのに、今日を逃すと連休に入ってしまうので、その頃にはもう記憶も薄れてしまう、ということでこんな日です。つまり、後半には恒例の懇談会で、みんなの反省点を聞く、という催しが予定されているのです。
 ホールに行ってみると、いつもの早くからきているメンバーの顔がありました。しかし、なぜかオーボエのIさんがチェロを弾いています。そう、今回から彼はオーボエからチェロに移籍したのですよ。その代わり、ということで、オーボエパートには2人もの新入団員がやってきました。ガラリとメンバーが替わってしまうことになりますね。まあ、これも一つの刺激になることでしょう。今回の序曲も「刺激的」ですし。
 まず、今回のメイン、「スコットランド」の初見合奏です。一応さらってみたのですが、2楽章あたりは木管がかなり大変だな、という気がしていました。しかし、まさか普通のテンポではやらないだろうという甘い期待を裏切って、練習指揮者は頭から普通のテンポで通します。1楽章は何とか付いていけましたが、やはり2楽章はとても無理でした。あちこちでボロが出始めて、私も一瞬落ちかけたりすることも。もちろん、この楽章でたびたび出てくる木管のきれいなアンサンブルも形になることはありませんでした。最初はこんなもんでしょう。全曲を1回通して、それで初合奏は終わりました。
 懇談会はいつもの通り、さまざまな感想が出ましたが、それは又MDから起こして、次回の「かいほうげん」の記事にしなければ。それが連休の私の仕事です。
aventure number : 0958 date : 2007/4/24


今日の禁断 打楽器

 「のだめ」のブームがすでに去っているのは、アニメ版の放映が仙台でも始まっていることを私が全く気が付かなかったことでも分かります。東京で放送が始まったときには何とかして見たいものだと八方手を尽くした(いえ、別に何もしないで、だれかビデオを送ってくれないかとただ待っていただけなのですが)時のようなテンションは、もはや戻ってはきません。たまたまオケの人と話をしていたとき、「夜中に『のだめ』のアニメやってますね」と、当然私が知っているかのように聞いてきたので、それで初めて知ったということですから、なんて間抜けな。どうやら4月の第1週から始まっていたようなのですね。そこで、さっそくおとといの深夜のその第4回目を録画して見てみました。
 一応地デジの方で見たのですが、しっかりハイビジョン仕様になっていましたね。アニメの場合はフィルムを使っているのでしょうから、これはそんなに難しいことではないのでしょう。そして、その「アニメ」は、まさに「アニメ」でした。まずはオープニング・テーマ、実写版のあのインパクトなど望むべくもない、ありきたりのつまらないオリジナル曲、ただタイアップだけのために流しているという、ほんとにどうでも良い曲です。ここでがっかりするのは、今のアニメを知らない人なのでしょうから、とりあえず我慢して先に進みましょう。もちろん、間のBGMもごく普通のBGM、「クラシック」などは全くかかりません。これも「アニメ」の掟なのでしょう。
 しばらくして峰くんがヴァイオリンを弾いているシーンが出てきました。いくらなんでもここではきちんとヴァイオリンの音がするだろうと思っていると、これは期待通りスケールかなんかが聞こえてきました。ところが、肝心の峰くんはヴァイオリンを構えただけで、全く動こうとはしません。どうやら、これもアニメの掟なのでしょう。
 アニメ、アニメと言ってきましたが、もちろんそれはごく狭い世界でしか通用しないある一つのアニメのジャンルだと思いたいものです。ピクサーが作れば、ヴァイオリンを弾いているときには確実にヴァイオリニストの細かい動きを再現しているでしょうし、手書きでもジブリあたりだったらもう少しそれらしい動きを入れるはずです。このような、ほとんど紙芝居と変わらない、静止画にセリフや音が入ったものは、本当は「アニメ」と言ってはいけないのではないか、と思うのですが、こんな手抜きのメディアを一つの表現としてありがたがっている情けない人たちが実際に存在する、というのも、現実です。
 ですから、もうあきらめて「紙芝居」に徹して鑑賞することにすれば、これはなかなか原作に忠実な作られ方をしているのが分かります。今回はシュトレーゼマンが初登場するエピソード、原作を読んだのは大昔で細かいところなどほとんど忘れていたのですが、あとで読みかえしてみたらみんなしっかり書いてあったので、驚いてしまったぐらいです。例えば、ビエラ先生と最初におもちゃ屋で会ったときのエピソードも、確かに原作にありました。となると、ビエラがシュトレーゼマンのことを「行く先々のオケでセクハラや不倫をしている」と言っているのも原作のセリフ、もしかして、二ノ宮先生のまわりに実際にそんな人がいたのかもしれませんね。
 マーラーの8番が聞こえてきたように、原作に出てくる「音」だったらきちんと入るのかもしれません。真澄ちゃんの「ジョリヴェ」がもし聞こえてきたら、ひどい手抜きも少しは許せるかも。
aventure number : 0959 date : 2007/4/26


今日の禁断 丸光

 この前「おやぢ」で取り上げた仙台の昔のCMソングを集めたCDのことを知ったのは、ちょっと前のテレビのニュースでした。その時のコメントや作られた経緯などを知って、これは絶対欲しいっ!と思ってしまいましたよ。というか、こんなCDがいつかは出るだろうと思っていたのです。何と言ってもこういう懐古趣味は一大ブームになっていますからね。ただ、そのニュースではどのような形で販売するのかは何も言っていなかったので、もちろんネットで情報を集めます。そこで、4月25日から仙台市内の5つの大きな本屋さんで発売するということが分かりました。それだけではなく、発売は限定1000枚ということも分かりました。1枚3500円(税抜き)と結構高価なので、そんなには売れないと思ったのでしょうか、しかし、私にはなぜこれっぽっちしかプレスしないのだろうと疑問に思えてしょうがありませんでした。こういうものをほしがる人はたくさんいるはずですし、そういう人たちはいくら高くたって絶対買うものです。あのグリコのおまけみたいなものですよね。
 とにかく、早めに入手しないことには必ずなくなってしまうと確信した私は、発売日に書店に行って買うことにしました。サイトなどを見ると宝文堂が一番最初に書いてありますから、多分ここが扱いが一番多いと思い、前の晩から徹夜で店の前に並びます。そのうち、段々人が集まってきて、開店する9時半には、その列は中央通りを貫通して仙台駅まで延びていたといいます。もちろん、私は一番最初に並んでいましたから、弟に頼まれたものと一緒に2枚、無事にゲットできましたが、おそらく後の方の人がレジにたどり着いた頃には、そのお店の割り当て分は全てなくなっていたに違いありません・・・というのは、ウソで〜す。私が宝文堂についたのは10時ちょっと前、そのCDは入り口右側の壁にズラリと面陳されていましたが、最初に買ったのはおそらく私だったはず。正直、これだけあれば、そしてこんなペースで買う人が訪れるのであれば、全部売れるのに1週間ぐらいはかかるのではないかと思ったほどです。しかし、実際には次の日の夕方には5つの本屋さんの店頭からは、すべてCDはなくなっていたそうです。やはり、私の予想は的中しました。
 これだけ売れるのなら、すぐに再プレスするのではないか、というのも、私の予想でした。しかし、なぜか追加生産は一切しないということなのだそうです。なんと商売っけのないことでしょう。これを作った人たちのコメントを聞いていると、ぜひ多くの人にこのCDを聴いて欲しいということだったのですが、それだったらなぜもっと作らないのか、私にはその理由が分かりません。
 いずれにしても、金輪際作らないのであれば私はとんでもなくレアなものを入手したことになるのですね。まあ、それはそれで晴れがましいことではあるのですが。しかし、私はこんな貴重なものを自分だけで楽しむような陰湿な趣味は持ってはいませんから、この喜びを他の人と共有する労をとることに吝かではありません(と、別のところで書いたら、さっそく「おねだり」が舞い込みました)。
aventure number : 0960 date : 2007/4/28

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