0901(07/1/13)-0920(2/17)

今日の禁断 宇都宮

 今日は、日帰りで川崎まで行ってきました。道中の新幹線の車窓から、遠くの方に何だか「東京タワー」のようなものが見えたのでびっくり、今何かと人気のこの「タワー」を、観光資源として作っていたのでしょうか。いや、本当はちゃんとした通信用のアンテナなのでしょうが、あまりにもよく似ているのでつい勘ぐってしまいました。

 川崎に行ったのは、合唱の練習の為です。3月のコンサートに向けての男声だけの特訓が行われるということで、たまたまこちらでは練習のない日だったのをいいことに、行ってくることにしました。なにしろ、「コンポジション」などは、人数の少ない仙台ではなかなかちゃんとした音になりませんからね。それに、本番での指揮者も来るということですから、是非とも行かなければ、という気になります。もう一つ、会場が最近できた「ミューザ川崎」だというのも、魅力でした。ここのコンサートホールは、オルガンも付いたワインヤード型の立派な、本当の意味での「コンサートホール」ですから、中には入れないでしょうがその外観だけでも見ておきたかったのです。
 川崎の駅に着くと、駅の構内にすでに「ミューザ川崎」という案内板がぶら下がっています。そちらへ歩いていくと目の前にすぐ建物の姿が広がっています。

 駅からそこまではこのようなペデストリアンデッキでつながっています。写真でお分かりでしょうが、そこには屋根のようなものも付けられていて、多少の雨ぐらいだったら傘をささないで歩いていけるようになっています。最高のアクセスですね。

 これがコンサートホールの入り口。さっきの建物の正面から入って、すぐエスカレーターに乗ればここに出ます。そして、このホールのすぐ向かいが、今日の練習会場になっているのですよ。いやあ、なんという恵まれた施設なのでしょう。なんでも、これは市が「音楽のまち」をアピールするために作ったものだとか、こういうものを実際に見てしまうと、私が住んでいる街などはそのような文化をアピールする気などさらさら無いということに、今さらながら気付かされます。いくら国際コンクールを開催したところで、それが出来るホール一つ作れないようでは、「文化」など無いに等しいのですからね。
 そして、これが練習会場です。

 ちょっとした発表会などにも使えるような空間、ピアノもセミコンですがスタインウェイが置いてありました。音響的な設計もきちんとされているようで、歌っていてもとても美しい響きが感じられますよ。何だか少しうまくなった気分になります。これも、デッドそのもののどこかの練習室とは大違いです。そんな恵まれた場所で朝から夕方まで、みっちりオトコだけの練習をやってきました。やはり大人数で歌うのは気持ちのいいものですし、行ってみたらこの間の合宿には来ていなかった人の姿もあって一安心です。何だか今年は去年より参加人数が少ないという話だったのでちょっと心配していたのですが、そんなことは全くなく、熱意は去年と全然変わっていないことを再確認できました。これが、わざわざ行ってきた事の最大の収穫です。
aventure number : 0901 date : 2007/1/13


今日の禁断 熱海

 おとといの川崎での練習は、開始時間が10時ということでした。ですから、一番早い8時15分の「はやて」でも東京着が9時51分ですから、ちょっと間に合いません。それより早く東京に着くのは、仙台発7時21分の「やまびこ」、1時間近く早起きしなければなりません。これでも東京着が9時28分ですので、川崎まで25分かかる京浜東北線だとギリギリです。そこで、もっと早く、17分でつくはずの東海道線の時刻を調べてみたら、9時33分東京発というのがありました。これだったら川崎着が9時50分ですから、ゆうゆう間に合います。しかし、これに乗るためには新幹線のホームから東海道線のホームまで行くのに5分しか時間がありません。果たして、あのだだっ広い東京駅で、そんなことが可能なのでしょうか。でも、駅構内の案内図を調べてみたら、ホームは新幹線の改札に一番近い8番線、急いで歩いて、迷ったりしなければ出来ないこともありません。
 新幹線が東京駅に着く少し前に、すぐ降りることが出来るようにまずドアのすぐ前のポジションを確保します。車内放送でどちらのドアが開くのか知らせてから行ったのでは遅いので、「勘」で左側のドアを選びます。しばらくして右側のドアの前にも人が立ち始めましたから、「右のドアが開きます」などと言われたら万事休すなのですが、無事「左」であることを確認、しかもそのドアはエスカレーターにも一番近いところで停まったので、殆ど一番乗りで改札を出られました。あとはゆっくり歩いても目指す東海道線はすぐ目の前、発車2分前には、空いている車両を探して楽々座ることが出来ましたよ。
 車内はそんなに混んではいないので、殆どの人が座っていました。と、向かい側の席にいる、ちょっと「ウォーリー」に似ている男が目に入ります。あんな眼鏡をかけて、顔の長い、まさにあの絵本から抜け出したような若者が、足下に置いた鞄の中から大きな煎餅の入った袋を取り出しました。あ、「大きな」のは袋、その中に、普通の大きさの煎餅が1枚ずつ個包になっています。ウォーリーは、その個包を一つ手に取ると、封を開けないで外側から煎餅を4つに割り、おもむろにシールを開いてひとかけらずつ食べていくのです。その一連の動作が全く無駄のない、流れるようなものだったため、ついつい見とれてしまいます。その繰り返しで、ウォーリーはまたたく間に4枚の煎餅を食べてしまいました。おそらく、これが朝ご飯なのでしょうね。そのあとに取り出したのが、野菜ジュースの紙パックです。斜めに小さなストローが付いているやつ。私あたりは、そのストローをまずパックからはがして中のストローを取り出しますが、ウォーリーは違います。ストローの袋の下を開いて、袋はパックに付けたまま中のストローを取り出したのです。そのストローを伸ばし、穴にさして中のジュースを飲んだあとは、紙パックを解体して平らにし、元あった鞄の中にしまいます。
 そんな食事が全て終わると同時に、ウォーリーはシートから立ち上がりました。電車はそろそろ川崎駅に着くころ、彼は扉の前で立っています。その直後に車内アナウンスが川崎到着を告げて、降りる客が扉の前に集まった時には、彼は最初にホームへ降りられる体制をしっかり固めていましたよ。そして電車が止まった時、その扉はなんと階段のすぐ前だったのです。ウォーリーは誰よりも早く改札へ向かって歩き出しました。
 そんな彼の全ての動きの中にある種の快感を覚えたのは、私の中にもそんなものを目指す気持ちがあったからなのでしょう。
aventure number : 0902 date : 2007/1/15


今日の禁断 北仙台

 ニューフィルでは月1回ほどパートに分けての練習をやっていますが、もちろんそれぞれに会場を確保しなければなりません。今まではそれはそれはそんなに難しくなく取ることが出来たのですが、最近になってにわかに困難な状態になってしまったということです。その最大の原因は会場の不足。会場そのものがなくなったのではなく、今まで貸してもらえたところが使えなくなってしまう、という事が起こっているのです。お馴染みのところでは、東口の宮城野区中央市民センター、通称「パルシティ」が、そんな理不尽なことを始めています。ここにはちゃんとした防音を施した「音楽室」が2つあるのですが、その内の「第1」の方が、楽器演奏の団体には貸し出さない事になってしまったそうなのです。合唱だったら構わないと。ここは隣に会議室があるので、「騒音」が迷惑なのでしょうか。そんないい加減な防音設備だったのですね。こういう時に「市民」センターが取るべき態度は、音を出す団体を閉め出すのではなく、大きな音を出しても外に聞こえないように防音工事をやり直す事なのではないかと思うのですが、どうでしょう。
 そんな厳しい状況の中でやっと確保したパート練習の会場だったのですが、今日になってさらにもう1ヵ所「使えません」というところが出てきたというのです。それは南光台市民センター。申込みをした時は問題なかったものが、時間延長の連絡をしたら、即断られたということです。確かに民家がすぐ近くまで迫っている場所ですから、「騒音」には敏感なのは分かりますが(「警察を呼ぶ」と言われたこともあるそうな)、それだったら最初から貸すな、と言いたくなりますね。おかげで、会場係のKさんはまたまた奔走して、今まで使ったことのない場所を確保してくれました。そんな事情ですから、慣れないところに行くこともあるでしょうが、大目に見て下さいね。そういえば、きのうの金管パートの富沢市民センターはどうだったのでしょう。
 ですから、真夜中にどんな大きな音を出しても苦情は全く来ないし、冷暖房完備、駐車場もたくさんあって地下鉄駅にも近いという木管パートの会場などは、まさに理想的な場所と言うことになりますね。快く使わせて下さっている住職さんには感謝です。
 もちろん、きのうもそこでの練習です。「暖房完備」とは言いましたが、なにしろ天井の高いだだっ広い空間ですから、エアコンをつけてもなかなか暖まりません。それを見越して、始まる3時間前に電源を入れたのですが、みんなが集まった頃になってもまだ部屋は暖まりません。「コートを着たまま吹きます」なんて言う人もいたぐらいですから。私もピッコロがすぐ冷えてしまうのが良く分かります。クラリネットなども管を持ち替える時にはすっかり冷え切ってピッチが思い切り下がってしまっていましたし。
 それでも、「幻想」を注意深くさらっているうちに部屋も、そして体も温まって来ます。5楽章のエスクラとピッコロのユニゾンあたりになると、音の方で緊張が高まるのに伴って体の方は汗ばむほどになってきましたよ。終わって廊下に出たら、身を切るような寒さ、部屋の中を暖めていたのはエアコンと、そして我々の「熱意」だったのでしょう。
aventure number : 0903 date : 2007/1/17


今日の禁断 札響

 おととい、ですか、NHKの「クローズアップ現代」というお堅い番組で、「クラシック」の話題を取り上げていました。企業や自治体の補助が削減されて存続の危機に立たされているプロのオーケストラについての話なのですが、そのオープニングでいつもの滑舌の極めて悪い女性キャスターが「今、空前のクラシックブームとなっています」と断言したのには、びっくりしてしまいました。まあ「ブーム」だなあ、ぐらいの感触はあったのですが、実はこれは「空前の」ものだったのですね。こういう言葉で表現される現象は、なんかとてつもないスケールのものを連想してしまいます。果たして、今の「ブーム」は、そんなに大規模なものなのでしょうか。確かに「のだめ」の効果は絶大のものがあり、それに関連したイベントやグッズはとんでもない経済効果をもたらしたに違いありません。しかし、「クラシック音楽」そのものを好きな人が爆発的に増えたなどということは、そういう現場の片隅に席を置いている者としては、とても実感など出来ないのです。確かに「クラシック」っぽい音楽が前よりも多く聴かれるようになったかな、という気がしないでもありませんが、それらは微妙に「クラシック」とは異なるものに思えて仕方がありません。
 非常に鼻持ちならない言い方かもしれませんが、「クラシック」というのはマイナーな故にその存在が主張できるものだと思っています。ちょっとはやっているから聴いてみよう、などという軽い気持ちで接することが出来るほど敷居の低いものではありません。逆にメジャーになり、敷居を下げた時には、それはもう「クラシック」ではなくなってしまうのです。ですから、そもそも「クラシック」には「ブーム」などあり得ない、と思うのですが、どうでしょう。
 まあ、別にいいんです。「空前」のあとには必ず「絶後」という言葉が続きます。つまり、このブームは今がピーク、そのあとはもはやこれ以上のものは決して現れないということがその言葉の中には秘められているのですから。ほんとはまわりからはそっとしておいて欲しいクラシック・ファンは、今の、土足で人の部屋に上がり込むような状況には苦々しい思いでいるに違いありません。出来れば早くこの「ブーム」が去って、元の穏やかな世界が戻ってくるのを願うのみです。
 そもそもその番組の趣旨は、そんな「ブーム」にもかかわらず、経営の思わしくないオーケストラが増えている、というものなのですから、その時点でそんなものは「ブーム」でもなんでもないという矛盾をはらんだロジックなわけです。プロの音楽家が卑屈になって「敷居を下げる」ようなことをしなくても、コンサートホールを訪れるクラシックファンがどんどん増えてこそ、本当の「ブーム」なのではないでしょうか。そして、そんなものは決して今の日本にやってくるはずはないのです。
 その、存亡の危機に立たされたオーケストラの記事が掲載された新聞が、画面に映りました。その見出しは「どうなる、ニューフィル」。県から補助金を削減されたプロのオーケストラが千葉県にあって、その名前が「ニューフィル千葉」なんですって。
aventure number : 0904 date : 2007/1/19


今日の禁断 エピス

 今年が暖冬だということは、もはや隠しようもないことになっていると、各方面で報じられていますね。フランスでは海水浴をしているとか、モスクワで屋外スケートリンクが氷が出来ないために閉鎖されているのだとか。そんなグローバルな話題ではなくても、ごく身近のホームセンターの店先をのぞいてみただけで、それは良く分かります。

 いつぞやの大雪の時には全く空っぽになってしまった雪かき用グッズ売り場はこの通り、スコップにしてもプッシャーにしても品揃えは豊富、まさに「売るほど」置いてありましたよ。ほんと、今年はこんなもの、果たして使う機会などあるのでしょうか。
 それでも、私の誕生日と同様、季節はきちんと巡ってきます。この時期になると毎年開催されるのが、「男の合唱まつり」、もはやどっぷり合唱に関わることを余儀なくされた私は、今年も会場に足を運ぶことになるのです。というよりも、この合唱団、なぜかテナー系、特にセカンドテナーは慢性的な人手不足、私一人が欠けただけで合唱の体をなさなくなってしまうという状態なわけでして、もうすっかりあてにされているのですよ。大して声も出ないのに。
 いつもの通り、各団体に練習の会場が用意されているのですが、それがなんと練習室4、ここはつい昨日「フルートの会」の練習で来たばっかりのところです。ほんの12時間しか経っていないというのに全く別の用途で使うことになろうとは。
 それが終わってしばらく休憩のあと、会場のコンサートホールへ行ってみると、いつになく観客が多いような感触がありました。「観客」とは言っても殆どは出演者なのですから、今年はその人数が多いのかもしれません。いつもの通り、各団体の代表がステージ上に集まって演奏の順番を抽選で決めます。

 全ての抽選が終わって、その結果がバルコニーの手すりに貼り出されます。私の出番は13番目ですね。

 演奏が始まるとどんどんお客さんも増えてきて、後や横の通路には立ち見の人が目に付くようになりました。去年はこんな事はなかったような気がしますから、確実に入場者は増えているようです。出演者は10人前後の小規模なものが殆ど、ところが、3番目になると、ステージいっぱいに50人ほどの大人数が並ぶということになりました。これは、私の大学とは別の大学のOBの、東京近郊に住んでいる人が大挙してこの日のために押し寄せた、というものだったのです。それこそ「コール青葉」に刺激されたのでしょうか、あちらのOBも気合いが入っています。会場がいっぱいだったのは、このデレゲーションのせいだったのでしょう。アメリカ人と見られる指揮者のもと、黒人霊歌を迫力たっぷりに歌っていました。

 そして、私たちの出番がこれ。各パートの幅を同じにした結果、テナー系は1列なのにベース系は2列という、ちょっと普段は見られないような並び方になってしまいました。でも、聴いていた人の話では、そんなにバランスは気にならなかったようで、なかなか洗練された響きが出ていたということでしたから、一安心です。今年は、服装も礼服などでびっしり決めているところが増えてきたようで、こんな風に普段着でステージに上るのはあまりありませんでした。来年はせめてネクタイぐらいは締めさせられるかもしれませんね。ただ、私が聴いた中で最も素晴らしい演奏をしていた団体は、これよりもっとラフな格好でした。見かけよりも、音楽です。
aventure number : 0905 date : 2007/1/21


今日の禁断 木声会

 きのうは私の誕生日だというのは、ご存じの通りです(いや、きのうの「禁断」に書いた、というだけのことですが)。たまたま日曜日だったので、例の合唱のコンサートが終わると関係者で焼き肉屋へ行きました。もちろん、焼き肉を食べるため、セットがあったので、サラダバーとかドリンクバーも頼みます。バーナーと格闘しながらほぼ肉を食べ終わった頃、関係者の一人がサラダを取りに行った帰りに、「誕生日の人へのプレゼント」という張り紙があるということを言い出しました。ワインだかデザートだかがもらえるというのです。私は別にそんなものはどうでも良かったのですが、別の欲張りの関係者が「ぜひもらうべきだ」と言い張ります。そこで店員さんを呼んで手元にあった保険証かなにかを見せて、今日が誕生日であることを主張すると、別に疑われることもなく(もちろん、本当のことですから)、しばらくするとこんな「シャーベット」を運んできましたよ。

 丸ごと1個のリンゴをくりぬいて、その中にリンゴシャーベットを詰めたもの。その上のイチゴもキンキンに凍っています。そして、花火ですよ。確か、何年か前にこの同じお店で営業していたイタリアンでもこんな風にデザートをもらったことがありましたね。全く関係のないお店なのですが、同じようなサービスをしているのがおかしくて。もう焼き肉でいい加減おなかがいっぱいでしたから、このボリュームは毒です。まわりに置いてある「アイスの実」までは、とても食べ切れませんでした。
 きのうに続いて、今日も同じ会場に合唱の演奏を聴きに行ってきました。前から一度は聴いてみたいと思っていた女声合唱団です。今回は有名な指揮者の栗山さんと、作曲家の寺嶋さんがゲストに来るというので、それも楽しみでした。そのお二人、こういう合唱団には付き物の「お色直し」の時間稼ぎにステージへ出てきて、ちょっとしたトークをして下さいました。今をときめく人気合唱作曲家の寺嶋さんの生の声を聴けるなんて、ちょっと感激です。

 この合唱団、良くある「お母さん合唱団」とはひと味違う、確固たるポリシーを持って活動している団体なのだな、という感じがヒシヒシと伝わってくるものでした。指揮者もゲストの栗山さんの他に常に横山さんという方を東京から招いているようですし。この横山さん、体型があの下野さんそっくり、ああいう重心の低い指揮ぶりで、腕を体に平行に振り回すという仕草もよく似ていましたね。もう何度も聴いているお馴染みの女声合唱団とはまったく違った音色、ちょっときつめの発声から来るのでしょうか、そこには強い主張が込められているように感じられます。今までの選曲を見ると、邦人作品を中心にしっかりとしたものが並んでいます。ノイコムのミサ曲などというのもありましたね。今日の演目も、きっちりしたものが中心、ちょっと軽めを意識したのでしょうかドレスではなくTシャツに着替えたステージでも、内容はコンクールの課題曲ですから、気楽に聴けるものではありませんでしたし。そう、中身があまりに立派すぎて、ちょっと疲れてしまった、というのが、正直な感想です。
aventure number : 0906 date : 2007/1/22


今日の禁断 産休

 今年最初の「かいほうげん」は、なかなか大変な思いをして産み出されました。なかでも最大の難関は、総会の議事録。この日には東京(川崎)での合唱の練習にぜひ行っておきたかったので、大事な大事な総会でしたが欠席させて頂きました。もちろん、私はその総会の模様を団員に伝える係ですから、出席はしなくても議事録は作らなくてはならないという、大変なことを成し遂げなければなりません。そこで、MDプレーヤーを出席する人に預けて録音してもらおうと思ったのです。幸い、快く引き受けてくれた人がいたので、その方に操作方法などを説明して、川崎へ向かったのでしたね。
 帰って次の日、さっそくMDを受け取って聴いてみます。きちんと録音されていたので一安心。実はお願いする時に念のため発言している人の名前を「囁いて」もらうようにリクエストしていたのですよ。遠くに座っている人の声もはっきり聞き取れるぐらい感度の良いマイクですから、そのそばで小さく囁けば、その声はしっかり入るはずですからね。しかし、全く居合わせていなかったところの録音を聴き取るというのは、意外に難しいものだということが、ここで初めて分かることになってしまいました。同じ条件で録音してあるはずなのに、最初の団長のあいさつからして殆ど聴き取れないのです。やはり、その場で実際に聴いている時の体験というのは、必要なものだったのですね。ですから、やはり「囁き」は役に立ちました。総会に出席するような人の声は簡単に聞き分けられると思っていたのですが、これも実際にやってみたらなかなか分からないものでした。
 たまに囁いてくれていないものもあって、そんな時は話の内容などで推測してテキストを起こし、何とか議事録は仕上がりました。それをチェックのために団長などに送ったところ、「発言者が違っています」という返事が来ました。声の感じといい、話の内容といい打楽器のHさんに間違いないと思っていたものが、コントラバスのOさんだ、というのです。もう一度聴き直してみたのですが、そう言われたにもかかわらず私にはOさんの声には聞こえませんでした。人間の耳なんてあてにならないものです。
 もう一つ、不可解な「事故」がありました。おそらく現物を見てすぐ分かったはずですが、タイトルの文字が一つ抜けていたのです。最初にサンプルを印刷した時にはなんの問題もなかったので、ラインで印刷した時にもここはチェックはしませんでした。全部の印刷が終わり、ホチキス止めの段階になってこのことに気付いた時には青くなってしまいました。念のためその版下を見直しても、ディスプレイ上ではその文字はちゃんと現れていますし、「印刷プレビュー」でも全く問題はないのです。しかし、もう一度印刷してみると、やはり「お」だけが消えています。「やぢの部屋」って、一体何なのでしょう。
 そんな「かいほうげん」の配達など、きのうの合奏の休憩時間は大忙しでした。さらに、団費を1年分まとめて払うと割安になるというサービスが今月いっぱいなので、会計係の人のまわりは黒山の人だかり、ドイツからのお客さんがみえていたのですが、どんな風に思ったことでしょう。弦楽器の出席がいつになく良かったので、きっと満足してもらえたと思うのですが。
aventure number : 0907 date : 2007/1/24


今日の禁断 男声

 今、このサイトには2つのサーバが混在しています。もちろんメインはASAHI-NETなのですが、もう一つDTIというのも使っているのです。ただ、普通に見ている分にはまずASAHI-NETつまりwww.ne.jpで始まるURLにしかアクセスしないはず、というのも、DTIの方はこの「禁断」のバックナンバーのように、パスワードでアクセス制限をかけているページに使っているからなのです。こういうパスワードを設定できるプロバイダがここしか見つからなかったので、とりあえず一番安くて、HP容量も一番少ないコースに契約したのでした。バックナンバーだけだったら、たかがしれているだろうと。
 それはだいぶ前のこと、最近では「禁断」でも、ブロードバンドでなんの抵抗もなく簡単に表示できるようになったのをいいことに、大きなサイズの画像を使うようになってきました。ここにある2日分の「禁断」は、作ると同時にバックナンバーにもコピーします。そのために画像をそれぞれのサーバにアップロードして、ソースだけをコピーすればそのまま丸ごとコピーできるようにしています。ですから、こちらの方の画像は使い終わったら全く無駄になるわけですから、削除してしまえばいいことになります。ただ、それをいちいちやるのも面倒くさいので、しばらくほおって置いたのですが、ある日ASAHI-NETのHPの使用量を見てみたらなんと70M近くになっているではありませんか。料金を変えずに使えるのは100Mまでなのでちょっとあせってしまい、いらない画像を全部削除したところ、それは62Mまでに落とすことが出来ました。つまり、ちょっとの間にそのぐらいの画像を使っていたということになりますね。
 そこで気になるのは、DTIの方です。これだけの「禁断」の画像をアップしているのですから、もしかしたらもうそろそろ契約の上限まで来ているのではないかと思ったのです。現に、前にmp3のファイルを送ろうとしたら受け付けられなかったこともありましたし。
 そこで、DTIのサイトに行って、確認してみようと思いました。そもそも、何Mまで使えるのかもはっきりとは覚えていませんでしたからね。まず、ユーザー用のページに入るためにログインが必要だったので、IDとパスワードを入力します。しかし、何回やっても「正しいパスワードを入力して下さい」となってしまい、一向にログインできないのですよ。このパスワードはftpにも使っているもの、毎日何の問題もなくアップできているのですから、それが間違っているはずはないのですが。念のためもう一度契約した時の書類などを読み返してみたら、何と、最近他の会社と合併だか業務提携をして、その時に新しいパスワードが送られてきた手紙が出てきました。この時点で、インターネット用のものと別なパスワードに変わっていたのですね。そんなものは使うことがなかったので、すっかり忘れてましたよ。それを入れてやってやっと使用量が分かりました。何と、もうすでに32Mも使っていたのですね。そして、上限が50M、これではすぐパンクしてしまいます。と思って契約内容を調べてみたら、100Mまでは料金を変えずに変更できるという規定を見つけ、さっそくその手続きを行いました。これで、まだしばらくはそのまま使えることでしょう。
 と言うことは、もうすでにこのサイトのために100M近く使っているということになりますね。すごいものです。HPを始めた時に最初に契約したところが5Mしか使えなかったなんて、今ではとても信じられません。
 67万のキリ番までもう少し、明日になるでしょうね。
aventure number : 0908 date : 2007/1/26


今日の禁断 さくら

 最近に週末は、合唱の練習が多くなっています。本番まであと一月ちょっとですから、熱も入ってくる頃、今日は東京から本番の指揮者が来ての練習です。この仙台での練習、そもそも今年は会場の問題などもあって練習そのものが具体的な形にならないという不安定なものでした。しかし、多くの障害を乗り越えて、去年ほどの陣容ではないものの、一応体制は整って曲がりなりにも練習は始まり、今となっては人数こそ少なくなってはいますが、レベル的には殆ど去年と変わらないほどに充実したものになっています。なによりも、お互いが和気藹々とやっていられるのがとても気持ちのいいものです。
 いつも使っている練習室は、混声の練習になるとほぼ部屋いっぱい、ぎゅうぎゅう詰めの状態で歌わなければならないほど、このぐらいの人数が集まれば、どこに出しても恥ずかしくありません。今年の混声のレパートリーは、2曲ともオリジナル、とは言ってもそんなに難しい曲ではありませんから、割と早めに仕上がるはずでした。ところが、意外なところに落とし穴が。日本のポップスを合唱用に編曲したものが何曲かあるのですが、その譜割りがちょっと厄介なのですよ。普通にカラオケで歌う分には何と言うことのないリズムなのですが、それを譜面に起こしてみるとシンコペーションだらけのとんでもないものになってしまっていました。ですから、それを大勢の人が一緒に歌う時には、よっぽどリズムをキチンと歌わないと全く揃わなくなってしまうのです。こういうのは、私より年上の人にはかなり難しいことで、譜面だけを見てその通りに歌うのはかなり大変なことになってきます。ですから、もうこういうものは「口づて」で覚えるのが一番、と言うわけで指揮者は悪戦苦闘してリズムを教え込むことになります。その甲斐あってか、何回かやっているうちに見事に全員がピッタリ同じリズムで歌える瞬間が現れます。これはもう感激ものです。ぜひ本番もこんな瞬間をお客さんに味わってもらいたいものですが、そのためにはもっともっと練習する必要があるのでしょうね。お互いがんばろう、と言うのが、今日の練習の合い言葉でした。
 来週はこのメンバーが東京に交ざっての合同練習になります。土曜日は男声だけ、日曜日は混声というスケジュールです。朝から夕方までずっと練習ですが、せっかく東京まで行くので土曜の夜はCD屋さんに行くつもり、実は、この前東京に行った時に店頭で見つけた珍しいCD、ちょっと高かったのでネットで買おうと思って注文したのですが、一向に入って来ません。もしまだ残っていることがあれば買ってこようと。
 指揮者の話によると、本番のメンバーは全部で168人になったそうなのです。これは、去年よりほんの少し少ないだけ、仙台が少なくなった分がこうなったのでしょう。驚いたことに、男声と女声の人数が全く同じだというのです。これだけ沢山の男声のいる混声合唱団は、なかなかいませんよ。予想通り、チケットはほぼ完売したそうですし。
aventure number : 0909 date : 2007/1/28


今日の禁断


 私がかつて通っていた大学が、今年創立百周年を迎えるのだそうです。言ってみれば「開校記念日」のような行事が夏頃に控えているということで、なかなか盛り上がっているようです。それこそ小学校あたりの開校記念日でしたら、その地域の中だけでこぢんまりとやっているようなものなのでしょうが、なんせこの大学は人数も多く卒業生も幅広く散らばっていますから、大々的なセレモニーが行われることになりました。もう一つには、最近の大学事情が、昔のように国立大学だから優秀な学生が黙っていても集まるという時代ではなくなっているという風に変わってきていることもあるのでしょう。現に、かつてはこの大学の学生は「トンペイ(=東北)」と呼ばれて市民から尊敬のまなざしで見られていたものですが、最近では「いかトン」といわれる侮蔑の言葉でバカにされているのだ、と、若い女性に聞いたことがあります。これは「いかにもトンペイ」の略語だとか、どうやらオタクっぽい人や、垢抜けないスタイルの人をこのように言うのがおおはやりなのだそうです。
 そんな風説を払拭しようというわけでもないのでしょうが、この百周年を機会にこの大学をもっとみんなに知ってもらおう、みたいな動きはかなり活発になっているような気がします。何でもそのために、新しいロゴを作ったのだとか。うーん、どこが新しいのか、という気はしますが、このあたりが「いかトン」の限界なのでしょうか。そして、一番驚いたのが、バスの車両にこのダサいロゴがでかでかと書いてあった、ということです。スクールバスではありません。れっきとした市営バスに、「広告」としてディスプレイされていたのですよ。そこまで卑屈になっていたのか、と唖然としたものです。
 その記念式典は8月に国際センターで行われるのですが、それに先だって市民に向けてのコンサートというものが開かれます。式典の前の日に県民会館で昼夜2回公演という大規模なものです。それこそ2000人規模のコンサートホールがあれば1回で済むのでしょうがね。そこで演奏されるのが、在仙の作曲家にこのために委嘱された「大学祝典序曲」と、ベートーヴェンの「第9」です。そして、それを演奏するのがこの大学のオーケストラと、大学にかつてはあった3つの合唱団の団員です。「かつてはあった」というのは微妙な言い方ですが、今は「男声」と「混声」しか残っていなくて、「女声」はだいぶ前になくなってしまっているのですよ。このステージのために200人の合唱が必要ということなのですが、もちろん現役の学生だけでは全然足りませんから、OB、OGにも声がかかることになります。そこで、昔の「女声合唱団」のメンバーも参加する、というわけです。そういうことですから、最近「男声合唱団」のOBとして活動を始めている私あたりにも出演のお達しが来てしまいます。何と言っても「祝典序曲」を作るというのが、「男声」OBのO先生ですし、そもそもこのコンサートや祝典の実行委員長というのが、やはり「男声」OBなのですから、もしかしたらコンサートに関しては我々が一番盛り上がっているのかもしれませんね。あ、「序曲」とは言っても、もちろん合唱が入ります。
aventure number : 0910 date : 2007/1/29


今日の禁断 口内炎

 今度の秋の演奏会の指揮者が、やっと決まったそうです。その人の名は、茂木大輔さん、「N響の首席オーボエ奏者」と言うよりは、「エッセイスト」、あるいは「『のだめカンタービレ』のブレーン」としての顔の方がよく知られている方です。何と言っても、最近以前の単行本を再編集して文庫本が発行されたのですが、3ヶ月連続リリース(本の場合はそうは言わないか)などと言うものすごい勝ち気の商戦、そのどれもが本屋さんの店頭で面陳されているというのですから、これはまさに「流行作家」の扱いです。そしてもちろん「のだめ」での大幅な露出、とある「のだめ本」には、えらい気取ったポーズをとった写真が載っていましたね。こうなると殆ど「芸能人」の扱いです。その茂木さんがニューフィルを指揮して下さることを「内諾」してくれたというのですから、これはちょっとすごいことですよ。ドラマは終わったし、アニメもここでは放送されていないとはいっても、秋ぐらいまでは「のだめブーム」は続いていることでしょうから。
 いえいえ、そんなことを言ってはいけません。さっきのエッセイを読めば分かるとおり、茂木さんの音楽に対する態度は真摯そのもの、ドイツで、そしてN響での極めて高いレベルの体験は、きっとニューフィルから新たな魅力を引き出してくれることでしょう。今から楽しみです。もっとも、「ブラ1」はやったばかりですから、まずあり得ませんが、そうなると「ドボ8」でしょうか。「間違いさがしバージョン」ですね。
 きのうの練習は、初めてフルートが3本揃った「牧神」からでした。私は本来は3番フルート、1回目は2番の代吹き、2回目は1番の代吹き、そして3回目にしてやっと自分のパートです。本当に出番の少ないパートで、その分他の人のことが良く分かります。やはりこの曲の譜割りは異常ですね。初見できちんと吹ける人などいないはずです。だから、木管に絡むホルンあたりもかなりアバウト、来週はホルンを交えての分奏ですから、そこできちんと整理されることでしょう。
 後半の「幻想」は、今まで時間がなくてあっさりしかやっていなかった5楽章をみっちりやりました。これはずっとピッコロですから、もう最初っから緊張しっぱなし、最後の方にはもう完全にへたばっていましたよ。なんせ、弦のコル・レーニョのあたりから何回も何回も繰り返させられるのですからね。正直、もうやめて欲しいと思うぐらいバテバテになってしまいました。
aventure number : 0911 date : 2007/1/31


今日の禁断 パステル画

 やっと雪が降りました。朝起きてみるとしんしんと降り積もる雪、こんな光景はもう今シーズンは見ることが出来ないかもしれないと思っていましたから、なんだか嬉しくなってしまいましたよ。車に積もった雪を払うのも久しぶりです。新しい新車にとってはこれが初めての積もった雪の上での走行、スタットレスタイヤも履き替えて2ヶ月も経って、やっと本格的なデビューです。家を出てすぐに山越えの坂道があるのですが、そこは車が渋滞しています。もしかしたら、上りきれない車がいて立ち往生しているのでしょうか。しかし、一度完全に停まってから発進しても、タイヤがスリップする感触は全くありません。これだったらこの坂道も大丈夫のはず。実はさっきの渋滞は横道に右折する車が停まっていたため、それが行ってしまったら何ごともなく流れ出しましたし。
 もちろん、もっと大変な坂が職場の前には待ちかまえています。そこをクリアしないことには、タイヤの真価は分からないのです。祈るような気持ちでそこへ行ってみると、もはや雪かきの手が入っていてアスファルトの地肌が見えていました。これだったら何の不安もありません。一気に登れてしまいましたよ。
 職場の駐車場もきれいに雪かきがされていました。近所の人が朝早くやってくれたそうです。これでは私の仕事も殆どなくなってしまいます。せっかくですから坂道の途中にあったちょっと不安なところを、きちんとかいておきましょう。
 しかし、お昼過ぎには日が差してきて、雪は殆ど溶けてしまいました。帰る頃にはすっかり道も乾いていましたよ。これが「暖冬」ということなのですね。
 このところ、幾つ目になるか分からない「公式サイト」を作っていました。この間書いた「100周年記念コンサート」に関するサイト、現役の学生がみんな作るのを嫌がってしまったため、私のところにまわってきたものです。メインは合唱やオケの練習予定、当初から合唱だけに関してはやらされるのではないかという予感があったのですが、オケの分まで一括して引き受けることになってしまいました。もう慣れたもので、この間作ったOB会のテーブルをそのまま使い回し、というか、もともとそのOB会のサイトにはめ込むつもりで作っていますから、作業自体は半日で終わってしまいました。問題はトップページのデザインです。全体はモノクロームの質素なものですからそんなに派手にするつもりはなかったのですが、やはり「顔」ですから、それなりのインパクトは必要になってきます。
 一応、「第9」を歌うというコンサートですから、それをイメージしてみようと、ニューフィルがこのコンサートと同じ県民会館でやった「第9」(末廣さんでしたね)の写真をもとに、ちょっと加工を施してこんな画像を作ってみました。ちょっとアートっぽくて、素敵でしょ。

 ただ、この時の合唱は100人ちょっと、いかにも少ない感じがしてしまいます。なにしろこのコンサートには200人の合唱が並ぶことになっていますからね。そこで、気は心ということで、不自然に見えない程度に合唱を増やしてみました。これだったら200人には・・・見えないか。
aventure number : 0912 date : 2007/2/2


今日の禁断 山野楽器

 しばらくサイトでは「連日更新」ということが続いていたのですが、ついにきのうそれが途切れてしまいました。どんなことがあっても更新しない日はなかったというのに、全く残念なことです。でも、もう9年もサイトを続けてきて、いい加減いやになってしまった、というわけではありませんのでご安心下さい。確かに、「もうやめたいな〜」と思いたくなるようないやなことはいくらでもあります。でも、そんなことにいちいち関わっていること自体が無駄なような気がしますから。
 ですから、更新できなかったのはあくまでも「事故」が起きてしまったというやむを得ない事情があったからなので、ご安心下さい。あ、「事故」なんて言うと、かえって不安になってしまいますね。まあ、その件についてはおいおい。
 週末は東京での合唱の練習でした。本番に出演する人が全国から集まって、初めて一緒に合わせるという大事な練習です。土曜日は新大久保の古いビルの中にあるスタジオで、男声だけ、本番には80人以上集まる予定ですが、今回は60人くらいでしょうか。そんなに広くないスタジオはぎゅうぎゅう詰めでした。もうすでに暗譜を完了していて、楽譜を見ないで歌っている人も見かけられるという、仙台での練習ではちょっと見られない光景もあって、なかなか刺激になりました。もちろん私も本番までにはきっちり暗譜する予定でいますし、もう一つ、どんなことがあっても暗譜しなければいけない、という状況も降りかかってきてしまったこともあって、ある曲だけは暗譜せざるを得なくなってしまいましたし。
 その日は終わってから近くの池袋まで行って地下鉄の有楽町線に乗り換え、銀座のCD店に行きました。そこではこの前来た時見つけて、少しでも安く買おうとネットで注文したらいつまで経っても入ってこなかったものが、そのまま置いてあったので即購入です。
 日曜日は、青砥に最近出来た新しいホールで女声も参加しての練習です。「モーツァルトホール」と言うぐらいあって、その前にはモーツァルトが立っていましたよ。

 シューボックスタイプの、オーチャードホールそっくりのホール、ステージは合唱団員でいっぱいになりました。

 そして、「事故」は起こりました。仙台へ帰ろうと東京駅へ行ったら、新幹線の改札の前が人であふれています。ご存じの通り、強風で東北新幹線が止まってしまったのです。構内では「復旧の見通しは立っていません。ご旅行は取りやめて頂くようにお願いします」という理不尽なアナウンスが繰りかえさせるばかり、そのあたりだけではなく、地下2階のコインロッカーのあたりまで人でごった返したいますよ。これではいくら待って運行が再開したとしてもどんな状態で列車に乗せられるのか分かったものではありません。最悪、中に閉じこめられたままになったりして。ですから、もうここはあきらめて、前の日に泊まったビジネスホテルにもう一泊することにしました。
 今朝になったら、何ごともなかったように新幹線は走っています。2番目の「はやて」に乗ったら、9時過ぎにはもう仙台に着いていましたよ。実はもっとすごいことがあったのですが、それはまた後日。
aventure number : 0913 date : 2007/2/5


今日の禁断 ちゃんちゃんこ

 おとといの東京練習の日は、今回世界初演する合唱組曲を作曲された森ミドリさんの誕生日と偶然重なっていました。その事を知っていた指揮者は、そのお祝いへ向けての仕込みに入ります。森さんが会場へやってくるのは最後の時間帯なので、その前に段取りをみんなと念入りに打ち合わせました。その日はピアノでコンサートに参加される小原孝さんとも初めての合わせですので、小原さんとも打ち合わせです。
 ピアニストを交えての練習が始まると、何というのでしょう、一本緊張の糸が張りつめるようになった感じがあたりに漂います。いつもながらの独特のグルーヴを持った小原さんのピアノに乗せられて、合唱が今まで出したことのないようなまとまりを持ち始めているのが、歌っていても分かるようになるのです。別に、今までやってきて出来なかったところが完璧にクリアできたというわけではないのですが、明らかにワンランク上の仕上がりになっていました。1曲歌い終わったら、指揮者が「こんな体験ができるなんて、今まで練習をやってきて本当に良かった」としんみりと口にした言葉が今でも耳に残っています。そう、こんな、その時でないと味わえないような何とも言えないものを体験したいために、私たちは音楽をやっているのでしょうね。それを一度知ってしまうと、もはやそこからは抜け出せないカラダになってしまうというわけです。
 しばらくして森さんが客席に入ってきたので、さっそくサプライズ・パーティーが始まります。指揮者がテンポの設定など、客席に向かって「これでいいですか?」みたいなことを言っていたのですが、その内に「ちょっとステージまで来て下さい」と、森さんのことを呼び寄せます。ステージに上がった瞬間、小原さんがピアノを弾き始めて、全員で「Happy Birthday」の、まさに「大合唱」となりました。なんせ本職ですから、見事にハモっていましたよ。あいにくピアノの陰に隠れて森さんのリアクションはよく見えなかったのですが、きっとびっくりしたか、ある程度予想はされていてびっくりする振りをなさっていたことでしょう。これが何回目のお誕生日なのかは私の口からは言えませんが、プレゼントは「赤い」マフラーでした。

 この日、東京でのコンサートの次の週に津和野で行われるコンサートのポスターがみんなに公開されました。それをデジカメで撮っていたら、マネージメントのチーフが「データ送ってあげますよ」と言って、送ってくれたのがこれです。

 その日の帰りの話の続きです。実は私の妹もこのコンサートに参加することになって、今回も一緒に東京へ行っていました。帰りも青砥から一緒に京成線に乗ってきて、上野で分かれました。私は東京で買い物をしたかったもので。そして、あの騒ぎとなるわけですが、その時妹から電話が入って、「新幹線が止まっているので、今東京にいるけど、どうしよう」というのです。そこで、ホテルの手配などもあるのでこちらから電話をしたら、一向につながりません。仕方がないので、無駄でしょうがその辺を歩き回って探してみようと思いました。最初にいた中央改札にはいないようなので(そんなことは分かりませんが)、南改札へも行ってみました。ものすごい人混みですから、もちろん見つかるわけがありません。と、後から「お兄ちゃん」と呼びかける声がするではありませんか。そこに、妹が立っていたのですよ。ちょっとすごいと思いません。こんな事ってあるんですね。携帯は電池切れだったんですって。
aventure number : 0914 date : 2007/2/6


今日の禁断 朝市

 おとといは、木管はホルンと一緒の分奏でした。会場はもちろんお寺の会館です。いくら暖冬だからといっても、夜ともなると津々と冷え込んできますし、そもそも昼間に使っていない時には暖まりようがありませんから、その建物はまさに芯から冷え切っているという感じです。一応3時間ぐらい前から暖房を入れてはいたのですが、エアコンではほとんど部屋の中は暖まりません。これからは、補助としてストーブを持ち込んで暖めるようにした方が良いかもしれませんね。でも、本堂で使っている大型の石油ストーブは、確かにものすごい温風ですぐに部屋を暖めてくれますが、バーナーやファンがすごい音を出しますから、ちょっとうるさくて練習の邪魔になるかもしれませんね。だから、もっと小さなファンヒーターで、ちまちまと暖めるしかないのかもしれません。
 練習の曲目は「牧神」と「ワルツ」でした。前半の「牧神」が終われば私は降り番ですから、もう帰れます。しかし、終わったあとで電気を消したり鍵をかけたりしなければいけませんから、帰ったままでは済まされません。一旦家へ帰って晩ご飯を食べてから、もう一度戻って後かたづけということになりました。まあ、夜中に出歩くのは慣れていますから、別に苦にはなりません。ほんと、真夜中に電話をよこして「地下鉄まで迎えに来てね」と言うような女性と同居していますからね、そんなのは日常のことです。
 この会館はニューフィル以外にも音楽関係の団体で使ってもらうこともあります。実は、今やっている合唱団でも、もしかしたら使うことになっていたかもしれません。この間東京で合同練習を行っていよいよ本番までのカウントダウンが始まったのですが、そういう一緒の練習はあと1回しかありません。去年はその前にこちらに東京の指揮者がやってきて練習をする機会があったのですが、今年はスケジュールが東京と全く重なってしまったため、それが出来なくなっていました。そこで、急遽こちらの練習日を変更できないか、という問い合わせがあったのです。会場をとったりするのは他の人の役目なのですが、なかなかとりにくいという事情はよく知っていますから、「もし他になければ、ここもありますよ」と付け加えつつ、各方面と連絡を取ります。ただ、ニューフィルなどは使うのが夜ですから全く問題はないのですが(真夜中に法事をする人はいませんから)、合唱の練習はだいたい午後の時間帯、そうなると、ちょっとまずいことになってしまいます。普通の法事でしたらお昼過ぎにはまず終わってしまうものなのですが、問題はお葬式。こればっかりは、例えば1週間前に予定が分かるという性質のものではありませんし、なによりも優先しなければならないものですから、急に午後が使えなくなってしまうこともあるのですよ。
 ちょっと前までは、マジでそういう心配をしなければなりませんでした。お葬式といえばお寺でやるものと決まっていましたからね。しかし、最近ではその辺の事情が大きく変わっています。葬儀業界が競うようにして葬祭会館を市内に建てまくったのです。その結果、お寺でのお葬式というものは極端に少なくなりました。私の勤務先の場合、年に数回といったところでしょうか。ですから、練習とバッティングする確立は非常に低いもので、そんなに心配することもないのでしょうが、こればっかりは・・・。
 結局、他の会場が空いていたので、そこを使うことにして一件落着、あの会館に合唱が響き渡ることは、当分はありません。
aventure number : 0915 date : 2007/2/8


今日の禁断 銀兵衛

 合唱のコンサートまであと一月、このところの週末にはずっと合唱の練習の予定が入っています。もちろん、今日も午後から4時間の予定はありました。しかし今日は、今度の定期演奏会の指揮者の工藤さんが、初めて来る日です。時間帯はもろに午後、仕方がありませんから、今までずっと休むことなく行ってきた合唱はお休みして、こちら行くように各方面に調整です。会場もちょっと遠い愛子ですから、それなりの準備も必要ですし。
 そんな、すっかり半日どっぷりの指揮者練習モードに入っていた時、今朝になって「指揮者が来れなくなった」という連絡が入ってしまったのです。以前から、あまり体調はよろしくないという話は聞いていましたが、まさかこんなタイミングでキャンセルとは。私のところに連絡が来た時点では、もうどうするかと言うことは決定していて、会場や楽器運搬の手配を無駄にしないために練習指揮者による合奏をするということになっていました。ただ、時間は少し短めに切り上げると言うことです。そうなると、後半の曲だけ出番がある人に連絡をしなければなりませんから、木管でその連絡網を作って欲しいということでした。そこで、必要な人に電話をしたりメールをしたりと、慌ただしい時間が過ぎていきます。というか、なんか拍子抜けの感じがしてしまって、一気にテンションが下がってしまったのが良く分かります。そうなってくると、最初の予定ではずっといなければならなかったものも、途中で抜け出して合唱の方へ行くことだっで出来るような気になってきました。合奏のメニューは前半が「幻想」で、これはサボれませんが、後半は「ワルツ」と「牧神」、ここでの出番は「牧神」の3番だけですから、ほんの数小節しかありません。指揮者が来ないのであればそれだけのために残っている必要はあまり感じられませんから、「幻想」が終わったところで帰ってくれば2時間ほど合唱に行けるはずです。当然、指揮者との飲み会もないでしょうし。
 パート内で相談してみたら、それはあっさり認められました。というわけで、1日のうちにオケと合唱の両方をこなすというスケジュールが出来上がってしまいました。ついに、ここまでなってしまったのですね。
 指揮者が来なくても、広瀬文化センターのステージには、ぎっしりのメンバーが集まりました。やはりホールの音はいつもの会場とはぜんぜん違いますから、自分の音もしっかり返ってきますし、なによりもヴァイオリンがとても艶やかに聞こえます。これだけでもここで合奏をやった甲斐があったというものです。2時間やったところで次の曲になりましたから私はそのまま木町通り市民センターへ向かいます。西道路がガラガラだったので、20分ほどで着いてしまいましたから、こちらも楽勝です。そろそろ暗譜を始めなくてはいけないので、実際に楽譜をはずして歌ってみたりと、おかげさまでなかなか収穫のある練習が出来ました。終わってからは、この間の東京からの帰り道の話で盛り上がっていたようです。在来線で帰ってきた人もいたそうですが、とんでもない時間がかかったとか。やはり、一泊したのがベストだったということでしょう。
aventure number : 0916 date : 2007/2/10


今日の禁断 びゅうプラザ

 きのうお昼ご飯を買いに、さるコンビニに行った時のことです。あまりおなかも空いていないので、サンドイッチを買うことにしました。レタスとか卵がはさまっているやつ。それを持ってレジに行ったところ、店員のおねえさんは「暖めますか?」と聞いてきたのです。いやぁ、パスタとかお弁当を買えば、確かにそういう風には聞いてはきますよね。中には暖める必要がないという人もいますから。でも、サンドイッチですよ。いくらマニュアルに有るからといって、そこまで聞くのはちょっと行き過ぎですよ。その調子だと、アイスを買った客にも「暖めますか?」と聞くのかもしれませんね。
 このお店は店員さんはアルバイトでしょうからやむを得ないところもあるのでしょうが、もっとしっかり教育を受けたはずの接客業の人でも、自分が何のために客に接しているのか自覚できていないことがあることを、実はつい最近身をもって体験したばかりです。それは、さる旅行代理店での話。今度津和野へ行くことになったので、そこまでの列車を手配しようと思ったのです。ただ、あちらはJR東日本とは別ですから、こちらできく割引とか、往復割引の扱いとかがどうなるのか良く分かりませんから、全部お任せで一番お得な方法にしてもらうことにしたのですよ。一応お薦めの列車は連絡を受けていたので、その一覧表も見せます。そのカウンターにいた、眼鏡をかけてちょっと神経質そうな女性は、時刻表などを調べた上で、実際のチケットを買うのはまだ先になるので、シミュレーションをしたりして、最適の方法を探し出しているようでした。ようやくひと揃いのダミーのチケットが出来上がり、それを並べて確認してみると、帰りの列車の時間が違っています。よく見ると、こちらから出した日程が間違っていました。それを指摘すると、彼女はなにやら自分だけに分かるような汚い字で直しています。それでまずOKということになって、後日現物のチケットが発行になった時に引き替えるための控えをくれたのですが、それには列車の詳細などが全然書かれていません。さっきの対応に不安なものを感じたものですから、「確定した予定を書いたものはないんですか」と言ったところ、彼女はにわかに攻撃的な態度になって「チケットが発行されていないのですから、確定したものなどありませんっ!」と言い放ったのですよ。そんなことは分かっています。これから発行されるであろうチケットのきちんとしたリストを手元に欲しかっただけなのに、なにを取り乱しているのでしょう。「お時間がかかりますが、よろしいでしょうか?」と、あくまで丁寧さを装ってはいますが、そんな余計な仕事はやりたくないのはミエミエです。案の定、それは手書きで日程を書き写すだけのこと、それだけのことを、さも大変なことのようにため息をつきつきやっているものですから、こちらも辛くなってしまいます。出来上がったものを受け取り、そうそうに立ち去ろうと思ったら、彼女は「最初からきちんとスケジュールを言って下されば、こちらもきちんと対応できましたのに」と、信じられないようなことを口走ります。そんなことは、一番最初に言ったはずです。あの攻撃的な態度は、なにを勘違いしたのか、こちらのせいだと言い出すのですよ。それはまさに青天の霹靂、そんな逆上するほど理不尽なことを、私はしでかしてしまったのでしょうか。
 その時は、もうそういった接客業の人とだけではなく、全ての人とのコミュニケーションを否定されてしまったような気持ちになってしまいましたよ。次の日、いつも行っているセルフのガソリンスタンドで給油をしたら、なにやらおまけのスロットが「777」になって、リッター3円の値引きが付いてしまいました。まるで、前の日のいやな体験をその機械が慰めてくれたように、私には感じられました。ほんと、機械は決してあの女性のような気まぐれなキレかたはしませんから。
aventure number : 0917 date : 2007/2/12


今日の禁断 不滅

 「のだめカンタービレ」の最新刊、17巻の発売日はきのうでしたから、さっそく買ってきました。平積みなどという生やさしいものではなく、専用のワゴンを出して、そこにこれだけを山積みという、ものすごい露出、いまだ人気は決して衰えていないことがうかがえます。なにしろここではアニメは見れませんから(ビデオを送ってくれるような人もいませんし・・・)、ドラマが終わってしまったらそれでブームが去ってしまったような気になっていたところでしたが、決してそんなことはなかったのですね。

 今回の表紙はチューバです。楽器のアングルが裏側からということで、なかなか複雑な構造が見て取れます。ただ、なにか、いつもオケの中で見ている楽器との違和感がつきまといます。そのわけは、中を開いてすぐ、4ページ目で明らかになりました。マルレ・オケでの千秋の常任就任コンサートでのメインプロ、ニールセンの交響曲第4番が始まった瞬間にアップで登場したのはまさにチューバ奏者、その楽器のベルは、奏者の顔の左側にありました。チューバと言えば、こういう構え方をするのが良く見慣れているスタイルなのですが、表紙でのだめが構えている楽器だと、ベルが顔の右側に来てしまうのですね。そういえば、ピストンも上に付いていますね。なんか、ブラスバンドでこんな楽器を使っているような気がしないでもありません。そこで、調べてみたら、チューバには楽器によって2通りの構え方があることが分かりました。のだめの楽器は「トップアクション」と言って、右手を楽器の後から通して、ピストンを上から押さえるタイプ、これだとベルが顔の右に来ます。もう一つのタイプが「フロントアクション」というもの。これは右手を楽器の前に出して、ピストンを前後に動かすというものです。ピストンではなくロータリー式の楽器でも、同じ構え方になります。いやぁ、「のだめ」のおかげで一つ知識が増えました。
 このマルレ・オケ、オーディションで入ってきたファゴット奏者が「バソン」を吹いている人。オケの中でもしっかり「バソン」を貫きます。そのために1番がファゴット、2番がバソンという情景が、しっかり描かれています。ほんの豆粒ほどのトゥッティのシーン(14ページ)でも、その2番の楽器が「バソン」であることがはっきり分かります。ほんと、こんなマニアックなことをやっているマンガなんて、絶対今まではなかったはずです。その人の影響で、昔はバソンを吹いていた1番奏者もバソンに持ち替え、次の演奏会では2人並んでバソンになるというシーンが見られます。いよいよ「フランス風」の音を目指すことになるのですね。
 ところが、7ページに登場するクラリネット奏者は、そんな風潮に逆らうかのように「ドイツ風」のエーラー管を使っているのがアップで紹介されています。これは一体どうしたことなのでしょう。
 次の演奏会のメインはベートーヴェンの4番、これに呼応するように、タイトルページにはそのスコアが印刷されています。序奏の最後の部分でしょうね。スコアの一番上の段、フルートの部分を見てみるとそこには1つのパートしか書かれてはいませんよね。そう、この曲の木管はフルートだけ1本、他は2本という変わった編成なのですよ。ところが、95ページを見ると、フルート奏者は2人います。ファゴット奏者は2人しかいませんから「倍管」はあり得ません。ここは千秋が「真っ白」になってしまう瞬間、これは多分目の錯覚なのでしょう。
 このオケの客演指揮者が「アーロン・ネビル」ですって。もうちょっと誰も知らないマシな名前はなかったのでしょうか。
aventure number : 0918 date : 2007/2/14


今日の禁断 漆塗り

 きのうの合奏のスケジュールはワルツのあと幻想、前半は私は降り番ですから、とりあえず最初に行って椅子並べや、テーブル(「かいほうげん」のバックナンバーや日程表を置いておきます)のセッティングが終わったら、車に戻って合唱の練習でもしていようと思いました。この間の葛飾の立派なホールでの練習の様子がすでにCDになって届いているので、それを聴きながらのバーチャル練習でもしようと思ったのです。まだまだ暗譜しきれてないところが残っていますからね。
 しかし、お昼頃、ワルツの2番担当の人から「勘違いしていて、お仕事入れてしまいました〜」という連絡が入ってしまったので、そんな計画はおじゃんになってしまいました。木曜日の練習だとそういうこともあります。
 ワルツの合奏としては初めてになる練習指揮者の指揮で、始まった合奏、この指揮者のやり方で、かなりねちっこい指摘が続きます。そのせいか、今までなかったような密度の濃い練習となって、時間はどんどん経過していきます。休憩もとらないでやっていたので、さすがに疲れたのでしょう、最後の曲の前に少し休むことになりました。後半の幻想に備えて待機している人は、もう出番だと思ったのでしょうが、まだ残っているということで引き続きスタンバイです。
 それから最後の曲も、細かいところのチェックが執拗に続きます。いつの間にか時間は9時をまわっていましたよ。たまりかねた誰かが「後半だけの人もいるので、早く終わって下さい」と声をかけた時、指揮者はハッとしたような表情になりました。どうやら時間を勘違いしていたようなのですね。まだ、あと1時間は残っていると。「どおりで、いつまでも終わらないと思った」というのは、我々のいうべきセリフです。結局幻想の時間は15分ほど、2楽章の一部をちょっと合わせただけでもう決められた時間が終わってしまいましたよ。私はずっと吹いていたので、関係ありませんが。というか、もっぱら弦に対するダメ出しがメインでしたから、楽なものでしたが。
 ただ、私にとってはそれからがまた大変です。合奏が終わったあとの時間で、技術委員会が開かれることになっていたのです。議題は秋の定期演奏会の曲目の選定、毎回時間のかかる面倒くさい話し合いが続くことになっていますから、これは考えるだけでも憂鬱になってしまいます。
 きのうはいかにも「冬」らしく、雪が降っていました。一時やんでいたものが、帰る頃にはまた降り出してきたものですから、ちょっと心配。なにしろ技術委員会の会場はお寺の会館で、そこへ行くまでにはかなり急な坂道を登らなければなりませんから。しかし、なにしろこの暖冬、いくら夜遅くなっても道が凍り付くなどというほどの根性はありませんから、雪でうっすら覆われた坂道も難なくクリア、無事到着です。
 その会場では、入ってくるみんなのリアクションを観察するのが楽しみでした。実は、このお寺では、最近ご法事用に椅子と机を購入したのです。今までご法事といえば畳に座ってお膳を囲む、というのが定番だったのですが、洋風の生活に慣れたり、お年を召して正座が困難な人が増えたりということで、昨今は椅子にテーブルというスタイルが好まれています。その様な要望に応えて購入したものを、使ってもらわない手はありません。今までの無骨なパイプ椅子やスチール机に代わって登場したこの重厚な家具は、みんなを驚かせるのに十分なものがありました。そんな快適な環境のせいでもないのでしょうが、話し合いは1時間ほどで終わってしまいました。
aventure number : 0919 date : 2007/2/16


今日の禁断 ミヤギテレビ

 朝から練習ずくめで、もうクタクタです。最初の予定は、この間「男の合唱まつり」に出たメンバーでの、11時からのテレビの収録です。何でも、かつての岩出山の藩士たちが、幕末に賊軍として北海道に追いやられた、という史実を歌った歌があるのだそうですが、それをテレビ局が取り上げることになって、この合唱団が歌う様子を収録しにやってきたのです。色々な都合があって、スタジオではなく、普段練習しているところで録ろうということになったのだそうです。
 11時ちょっと前に、その会場の幼稚園に行ってみると、確かにテレビ局の車が停まっていますから、その話は本当だったのだと思い直しました。中に入ってみると、スタッフが5、6人、すでにカメラやマイクのセッティングをしていましたよ。とりあえず、練習をしているところを録りたいようなので、普通のモードで指揮者のO先生が練習を始めます。我々も椅子に座って歌います。そのまわりを、カメラと照明とマイクがセットになって、色々なアングルから撮影しています。

 もちろん、私の方をカメラが向いているような気配を感じても、決してそちらの方を向いて笑みを浮かべる、などということは、やりたくてしょうがないのですがグッと我慢です。あくまで真面目に練習をしている、という振りをしなければ、不自然な絵になってしまいますものね。そんな感じで、かなりの時間をかけてその曲が仕上がった頃、ディレクターのような人が、「本番を録りたいので、後ろに立って下さい」と言い出しました。椅子などはどかして、きちんと演奏会スタイルで歌っているところを録りたいのだそうです。幼稚園のホールですから、ちょっとしたひな壇のようなものがありましたから、それを並べて後ろの列の人はそこに登ります。窓のカーテンも閉めて、照明もきちんとあてます。横の方に荷物などが置いてあったので、カメラに入りそうなものはどけさせられました。そんな中で、ちょっとリハーサルをやっている間にカメラやマイクのテストをやっているようです。準備が完了したようなので、いよいよ本番。ちょっと緊張しますね。前列の向かって右から3人目の方は、角田の会長さんですね。

 指揮者が「1回で決めましょう」などと言って、本番のテイクです。一瞬歌詞を間違えそうになってしまいましたが、まずは何ごともなく完成品が出来上がったようです。指揮者もガッツポーズで、これでおしまい、と思ったら、そのディレクターは「カメラの角度を変えて、もう1度お願いします」などと言いました。実は、そちらのテイクの方が緊張がなくなっていいものが録れたような気がするのですが、どうでしょうか。
 それが終わると、もう1時近くになっていました。2時からは、いつもの合唱団の練習がありますから、お昼を食べてそちらへ向かいます。そこではいつもの通り、4時間みっちりと練習です。終わる頃には、眠くてたまらなくなってきましたが、相変わらずテナーは少人数ですから手を抜くことは出来ません。睡魔と闘いながら、必死に暗譜の訓練です。
 そして、それからまたまた、今度は「フルートの会」の練習ですよ。こちらは長時間演奏していると腕が完全に麻痺してしまうというアルトフルートと格闘です。しかも、譜面はほとんど初見、とても眠いなんて言ってられない、過酷な試練です。それが終わったのが9時、と言うことは、10時間連続して練習をしていたことになります。クタクタになるのも当然でしょう。
aventure number : 0920 date : 2007/2/17

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