今日の禁断 |
数寄屋橋 |
きのう、ちょっと東京まで遊びに行ってきました。12000円で3日間JR乗り放題、指定券も6回まで取れるという期間限定パスの、今回の売り出しがもう終わってしまうというので、無駄にしないために行ってこようと思っただけなのですがね。
とりあえず、「大盛況」という噂の「ダリ回顧展」にでも行くことにしましょうか。しかし、ネットを見ると「20万人突破!」とか「ご観覧は平日がお薦め」などと煽っていますから、かなりの混雑を覚悟しなければならないはずです。上野駅の公園口などは、おそらくこれを目指して駅を降りる客でごった返しているでしょうし。
ところが、その、昔文化会館へ行くときによく使った改札口は、別に特別な混雑もしていなくて、いとも平穏な様子でした。公園の中を歩いているとダリ展の帰りでしょうか、グッズの入った袋を持った人に出会ったりしますが、別に人であふれているという様子もありませんでした。目指す上野の森美術館のチケットブースの前も、列を整理するための柵が設けてありますが実際にその中には誰もいなくて、全然並ばないでチケットが買えてしまったのにはちょっと拍子抜け。逆に、本来ならその辺で整理におおわらわのはずのアルバイトが、いかにも手持ちぶさたでしたね。
でも、中に入ってみると、さすがにダリ、ゆったり絵を眺める、という気分にはなれないだけの、それなりの人垣は集まっていました。つまり、自分の意志ではなく、ある程度の流れの中で他の人とくっつき会いながら順路に従って見ていかなければならない、という程度の混み方ではあったわけです。ですから、さっきのチケットブースの前に長蛇の列が出来ているときには、一体ここはどんなことになっているのか、ちょっと恐ろしいような気がします。
「生ダリ」を見たのは初めてでしたが、やはり画集を見ていただけでは分からないような細かいところに、つい目が行ってしまいます。画面のほんの片隅に隠れている小さな人物などに、ちょっと愛着がわいたりします。それと、彼の「シュール」の裏付けである微細なテクニックも、存分に味わうことが出来ました。他の人が書いた帆船の絵の上に人物を書き足した、という作品では、その書き足した部分が全く分からないような絶妙な筆さばきに圧倒されます。今だったらフォトショップなどで簡単に出来てしまう、いわばアイコラのようなものを手でやっていたのですからね。
一通り見終わって、ちょっと有楽町の駅前で買い物をしていたら、道路の向かい側の工事現場で、こんな標語を見つけました。例によって型通り「5、7、5」の川柳調の「作品」、和むものがあります。
と、すぐ隣にもやはり同じようなものがありました。
しかし、これはなんだかちょっとリズムが川柳とは違っています。よくよく読んでみたら、これは「7、7、7、5」、つまり「都々逸」だったのですね。さすが、東京(どこが)。 |
aventure number : 0881 |
date : 2006/12/9 |
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