今日の禁断 |
デ・ニース |
ぐずついた天気が続いていますが、ひところのような「猛暑」がここではすっかり息を潜めたので、夜なんか楽ですねえ。ぐっすり眠れます。ただ、お天気が悪いので行楽には適していないでしょうね。愚妻は前々からの予定だったので、私を置いて女友達と旅行に行ってしまいましたが、これでは楽しめたのかどうか。
と言うことは、私は丸2日間一人で暮らすことになります。そこで、こんなはっきりしないお天気の日本を抜け出して、イギリスにでも行ってみましょうか。目的は、今開催中のグラインドボーン音楽祭、ロンドンのヴィクトリア駅から列車に乗って、1時間半ほどの田園地帯の中にある小さなオペラハウスが、その会場です。
今日の演目は、ヘンデルの「ジューリオ・チェーザレ」、なんのことはない、英語読みだと「ジュリアス・シーザー」なのですがね。オリジナル楽器による演奏ですから、ピットには見慣れない楽器が入っています。指揮者のすぐ向かいには、ものすごくネックの長い弦楽器がありますね。これは「テオルボ」というリュートの仲間、通奏低音を弾く楽器です。チェンバロが指揮者のすぐ横、指揮者と同じ方向を向いて奏者が座っていますから、指揮者とのコンタクトがうまく取れるのでしょうね。
ステージの方は、そういう演出なのでしょうか、エジプトらしい風情はあることはありますが、一体いつの時代なのかよく分からないような衣装にはとまどってしまいます。それよりも、男の格好で女の声を出したりしていますから、この役は男なのか女なのか分からないのは大問題。明らかに男のひげ面なのに、声は女、しかもスカートをはいていたりしますからね。次の場では男の格好をしてますから、多分男、だと思うと、今度はブラを付けたり、とか。
1幕が終わったので、お昼ご飯を食べることにしました。ここではみんなバスケットを持ってきていて、広〜い芝生の中でご馳走を食べるのが習わしなのでしょうが、私はそこまで用意はしていなかったので、モスバーガーでチリドッグとオニポテセットを食べましょう。ドリンクはもちろんジンジャー、モスチキンも付けます・・・えっ!?
気を取り直して、2幕と3幕に挑戦、もちろんイタリア語で歌われていますが、きちんと英語の字幕がステージの脇にあるので、なんの不自由もありません。演出のクセもだいぶ分かってくると、どんどん面白くなってくるから不思議。次から次へと魅力的なナンバーが登場して、これは本当に200年以上前のバロックのオペラなのだろうかと思えるほど、これだったら、ミュージカルとほとんど変わらないノリではないですか。エジプト王なんて、まるで「ジーザス・クライスト・スーパースター」に出てくるヘロデ王みたいなキャラではありませんか。カーテンコールで、オーケストラがシンフォニアを演奏し始めた時などは、それこそ「キャッツ」みたいに手拍子をしたくなってしまいましたよ。
まさかね。イギリスだって。パスポートも持っていないのに。4時間もかかるオペラのDVD、こんな時でないと見れないので、食事以外は外に出ないで集中して見ていたのですよ。これは、来週の「おやぢ」になるはずです。 |
aventure number : 0802 |
date : 2006/7/16 |
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