0761(06/5/10)-0780(6/8)

今日の禁断 スラー

 きのう練習の時に配った「正誤表」ですが、もう1度スコアを見直してみたところ、重大なミスを発見してしまいました。画像を作る時のトリミングのミスで、パートが抜けてしまったというものです。早速サイトの方は直してありますから、どこが間違っていたか、探してみて下さい。こんなことは、私が言わなければ誰にも分かりませんし、この部分に関係する人は一人だけですから、練習の時に教えてあげればそれで済むことなのですが、もしスコアを持っている人から「違ってるぞ」と言われたりしたら嫌ですから、きちんと書いておきましょう。念のため、もう一つ、敢えてサイトにもペーパーにも掲載しなかった部分があります。確かにヘンレ版のスコアには以前とは違うという「★」マークが付いているのですが、いくら見比べても違っている場所が見つけられなかったので、載せませんでした。
 ミスと言えば、そもそも、きのうの「禁断」からして、変換ミスのオンパレードだったことに気づいた人はいましたか? 夕べ練習から帰ってこまごまとしたことをやっていたらつい遅くなって、なかなか集中してタイプが出来なかったせいなのでしょう。今朝見直してあまりのひどさに呆然としたというわけです。もちろん、もう直してありますがね。でも、さっきのニュースを見ていたら、中学校の教科書にまでミスプリがあるというのですから、このぐらいは許してもらえるのでは。なんたって「ひらがな」が「ひらなが」ですからね。「新しい新車」どころではありません。
 さて、2週連続の「かいほうげん」発行に向けて作業を開始したと思って下さい。版下を作っていくと、用意した写真が少なかったので、ページがスカスカになってしまいました。そこで、もう一度ストックしてあったデジカメの画像を点検し直して印刷用の画像を作ることにしました。そうしたら、すっかり忘れていた演奏会の前の青年文化センターでのピアニストとの初合わせの時の写真がたくさんでてきましたよ。きのうの懇談会の時に話題になった「青年文化のピアノ」とは、このことだったのですね。といわれても?でしょうが、ある人がピアノの調律師の方と話をしていたら、「ここのピアノがこんなにきれいな音だったなんて初めて知った」と言っていた、というのです。確かに、その違いは客席で聴いていた私にも分かりました。「ばっくなんばあ」を見直してみたら、「このどうしようもないホールでも、ナミロフスキーさんのピアノはとても粒立ちがよく聞こえてきます」と書いていましたね。ほんと、あの残響だらけの欠陥ホールであれだけくっきりピアノの音が聞こえてきたことなど、殆どありませんでしたからね。
 ところで、私の知り合いの女性に、仙台国際音楽コンクールの関係者がいます。最近お会いしたので、ちょっと話をしたところ、彼女もナミロフスキーさんのことは知っていて(当然!)「二次会まで一緒に行ったんですってね」と言っていました。なんでも、彼はそういうことが大好きなのだそうで、本当に楽しんで打ち上げに参加していたみたいですよ。何しろ、コンクールの時にも、ファイナルまで暇だったのであちこち観光しまくっていたと言いますからね。その彼女、私と話しているのに「仙台フィルと共演したんですね」などと、ボケてましたが。
aventure number : 0761 date : 2006/5/10


今日の禁断 観覧車

 去年あんなことで殆ど出てこなかった筍、前回は、今年こそはいつものように生えていると言ってしまった手前、その後の経過が気になるものです。せっかく予定していたのに、その場になって掘るものがなかったなんて、最悪ですからね。でも、ご安心下さい。毎日見回っていたところ、順調に可愛い筍が顔を出し始めています。恐らく、普通の年のように生えすぎて処理に困るぐらい出てくることでしょう。これが、今日の竹やぶ、さあ、何本見つけられますか?

 これで、土曜日の筍掘り大会の決行は確実になりました。2年ぶりとなりますね。お天気もまずまずとのこと、初めての方も来てみて下さい。3時から5時ぐらいまでやっているはずですから、都合の良い時にどうぞ。ただ、足元はかなり汚れていますから、サンダルやハイヒールはちょっと無理、ベストは地下足袋でしょう。
 筍は2年ぶりですが、9年ぶりに再会した男女をリアルタイムに描いたという映画がありましたね。イーサン・ホークとジュリー・デルピーが、ブダペストからの汽車(電車?)の中で一目惚れ、そのままウィーンで降りて一晩中街中を歩き回り、次の朝、半年後の再会を約して分かれる、というのが「恋人までの距離(ディスタンス)」。殆どこの2人だけの会話で進行していくという、おしゃれな作品でした。そして、その9年後に同じキャストで作られたのが「ビフォア・サンセット」。ウィーンで別れた2人が、「9年後」にパリで出会うというシチュエーションになっています。WOWOWで、親切なことにこの2作を連続して放送するという嬉しいことをやってくれました。1作目は見ていたので、2作目から見始めます。ところどころに前作のカットバックがでてきたり、これは1作目を見ていなければどうにもならないものだというのが分かります。2人だけのダイアローグというのはもっと徹底しているだけではなく、時間の経過がほぼリアルタイム、「7時半まで」という限られた時間の中で、観客自身も残りの時間を気にし始めるという、殆ど現実の体験のシミュレーションのような体験ができるのが、不思議な緊張感を産んでいます。しかも、エンディングは何とも期待を持たせる終わり方、この分では第3作も「9年後」に作られるかも知れませんね。
 これを見たあと、もう1度前作を見直しました。初めて知ったのですが、原題は「Before Sunrise」だったのですね。もちろん、これが公開された時には続編が出来るなんて予想も出来なかったはずですから、これは仕方がありません。しかし、これだけ密接なタイトルなのですから2作目の方の邦題をもっと気の利いたものには出来なかったのでしょうかね。「恋人までのデカダンス」(意味不明)とか。
 ジュリー・デルピーは9年経っても殆ど変わっていませんでしたが、イーサン・ホークの変わりようといったらどうでしょう。「若者」だったものがしっかり「おじさん」になっていましたね。ユマ・サーマンに逃げられた(?)のも、そんなところが原因なのでしょうか。
aventure number : 0762 date : 2006/5/11


今日の禁断 電車

 昨日までの天気予報では、確か今日は夕方までは雨が降らないはずでした。ですから、この前の「禁断」でも「筍掘りは大丈夫」宣言を出してしまったのです。ところが、今朝目を覚まして外を見てみると、なにやら道路が濡れている様子、目を凝らしてみると、細かい雨が降っているではありませんか。きのう言ったことは全くおぼえていないような傲慢な態度で、「午前中は降水確率が50%でしょう」などと公言できる気象予報士は、きっと「良心」なんかはこれっぽっちも持ち合わせていないのでしょうね。ほんと、未来のことを予想することなど不可能なのに、さもそれが可能であるかのように振る舞っている彼(彼女)らには、人間として生きる資格などありません。
 と、過剰に怒ってみても、雨が降り止むわけでもなし、別に雨天中止と言ったわけでもないので、当てにしないで筍掘りの会場へ向かうことにしましょう。雨は、ギリギリ傘がなくても大丈夫ぐらいの降り方、しかし、長時間あたっていればもちろん濡れてしまいそうですから、用意してあるカッパを着込んで、スコップやバケツなどを用意します。しかし、開始時間の3時になっても、やはり雨のせいでしょうか誰も来る気配はありません。雨に当たらないように車に入って見張っていると、4時頃になってやっと一人、常連のRちゃんがやってきました。1時間遅れで、今年の筍掘り大会のスタートです。
 竹やぶに行ってみると、筍はさらに伸びていますし、今顔を出したばかりの小さなものもあちこちにありました。Rちゃんはたった一人で、丹念にその小さな筍を集めています。とても初夏とは思えない、まるで冬のような寒さ、薄暗い竹やぶの中は、もっと冷え冷えとした空気に包まれています。こんな感じで終わってしまったら、ちょっと悲惨、と思い始めた頃、「こんにちは!」と声をかけて竹やぶに入ってきたお子さんがいました。おととしも来た、Sさんのお子さん、今年も家族4人でやってきてくれました。これで、寂しかった竹やぶの中も、一気ににぎやかになりましたよ。3人のお子さんが、スコップを奪い合うようにして、広い竹やぶの中を走り回っています。
 次にやってきたのは響ちゃん一家。竹やぶデビューの響ちゃんは、黄色い長靴をはいて、歩き回っています。筍にはあまり興味を示さないで、もっぱら近くのお墓に登ったりして遊んでいましたが。
 そして、もはや5時を過ぎた頃に、しできさん一家の登場です。その頃には、めぼしい筍は殆ど掘り尽くされてしまっていましたよ。もちろん、そんなたくさんの獲物ですから、参加者がたっぷり持っていっても、たくさん余っています。
 実は、今日は6時から同じ場所(っても竹やぶの中ではありませんが)で「フルートの会」の練習の予定がありました。せっかくだからと、大型ポリバケツにいっぱい、掘りたての筍を置いておいて、持っていってもらいましょう。それでも余ったものは、もう処分しても良いでしょうし。しかし、練習が終わって帰る時、その、バケツいっぱいの筍は、珍しさのあまり一本残らず持って行かれてしまい、手ぶらで帰った私は、当然筍のお土産があると思っていた愚妻から、手痛い折檻を食らうのでした。
aventure number : 0763 date : 2006/5/13


今日の禁断 東二番丁

 きのうの筍掘りは、みんなが来れる日を選んでいたらちょっとシーズン的には遅めになってしまいました。私の自宅用には、実はもっと前に掘っておいたものがありまして、すでに味わっていたのですね。ですから、きのうも持って帰ることはないと思っていたのに・・・・。その、前に掘った筍をあく抜きする時には、一騒動ありました。ご存じのように、普通は筍は下ごしらえをしないとおいしくありません。そのために、米ぬかと一緒に柔らかくなるまで煮るというのが、手順、これは最近の私の仕事になっています。その時も筍の根っこなど余分なところを切って、皮を付けたままゆでようと、米ぬかを探してみました。確か、去年やった時にお米やさんに行ってもらってきたものがまだたくさん残っていたはずです。ちょっと探してみたら、それはすぐ見つかりました。これだけあれば、5、6年は使えそうなぐらい残っています。しかし、袋を縛っていた輪ゴムを外して中を見てみると、何だか様子が変です。サラサラした粉状のものであるべきものが、妙にねばねばした感じ、一面がクモの糸のようなものに覆われているように見えます。ちょっと動かして、中の方を見てみると・・・なんと、そこには蛾の成虫が潜んでいるではありませんか。びっくりした私は、生きているのか、死んでいるのかを確かめる間もなく、すぐ袋の口を元のようにふさいで、そのままゴミ箱に捨ててしまいましたよ。世の中に「虫がわく」という言葉がありますが、それを実際に体験したのは、このときが初めてでした。まさに「わく」という、何もないところから蛾が現れた、という感じですからね。もちろん、何もなかったわけではなく、もらった米ぬかの中に潜んでいた卵が、いつの間にか孵って、そのまま袋の中で生活していたのでしょう。生まれてはみたものの、まわりは出口の全くない袋の中だったなんて、蛾もあせったことでしょう。彼(彼女)の一生とは、いったい何だったのでしょう。
 そんなわけで、去年の米ぬかは使えなくなってしまいましたが、その日はもう夜遅くで、お米やさんは閉まっています。そこで、夜の12時までやっているウジエスーパーに行って、筍売り場のそばに置いてある小さな袋に1回分だけ入っている米ぬかを、もらってきました。本当は筍を買わないともらえないのでしょうが、レジのSさんは、何も言わないで袋に入れてくれましたよ。おかげで、無事あく抜きを済ませることが出来ました。
 今日は、きのうとはうってかわって、腹が立つほどの良い天気。天気予報は完全に土日の天気を入れ替えて「予想」してくれましたね。でも今日は「ハーフマラソン」の本番だそうですから、まあいいんじゃないですか。街に行ってみると、そのイベントの真っ最中、あちこちで交通規制がしかれているようでした。実際、私の車の反対側の車線をまさに選手たちが走っていったところでした。でも、走り方を見てみると、別に内股でもなく、普通の男っぽい走り方でしたね。化粧もしてないし。だって、「ハーフマラソン」って、ニューハーフの人たちがやるマラソンのことなんでしょう? えっ、そうじゃないんですか?
aventure number : 0764 date : 2006/5/14


今日の禁断 男声

 そして、「かいほうげん」は何ごともなく発行されました。これだけ数多く出していると、もはや完全に先の作業が読めるようになっていますから、余裕です。今回も、全ての印刷と製本を今日1日でやってしまうという段取りになってしまいました。しかし、プリンターが確実に仕事をしてくれるので、決して予定が狂うことがないのは、前の機械で苦労しっぱなしだったことを考えると夢のようです。ほんとに、今の機械は故障知らず、ちょっと無理をしてハガキの両面印刷をやった時に紙詰まりを起こしてしまった、というのが、唯一のトラブルらしいトラブルだったでしょうか。それにしても、紙詰まりの復旧処置もびっくりするほど簡単になっていますから、何もあせることはありませんでしたよ。
 もちろん、毎回同じことばかりやっていたのでは飽きられてしまいますから、何かしら新機軸を打ち出すことを怠っていてはいけません。そこで、今回は、サイトと連動してのアクションを提案してみました。きっかけはこのほど退団して田舎に引っ越してしまわれる方の転居先を、みんなにどう知らせるか、ということでした。以前はそれこそ住所でも電話番号でも無制限に掲載していたのですが、社会の流れというのでしょうか、そういうものを悪用する人が確実にいるはずだという「性悪説」が声高に叫ばれるようになると、そんな無制限の個人情報の垂れ流しは許されなくなってきます。ですから、今ではその様なものは「かいほうげん」には一切載せないようになっています。何しろ、団員名簿さえ数年前から発行をやめているぐらいですから。そこで思いついたのが、パスワードがなければアクセスできないホームページです。これは、この「禁断」のバックナンバーや、公式サイトでも団員の紹介などのコンテンツにはすでに導入している手法です。これをもっと手軽に掲示板にしてみようと、考えたのです。このアイディアは、実は団長からも前から打診されていたこと、この際ですから、早速やってみることにしました。
 そういうものの作り方については、すでに実績もありますから、ノウハウは知り尽くしています。掲示板自体は簡単に出来上がりました。そこで、公式サイトのリンクを少し手直しして、今までの掲示板と今度作ったパスワードの必要な掲示板の2種類への入り口を設置して、いつでも使えるようにしました。パスワードは、「かいほうげん」と一緒に団員のみんなに渡せば、すぐアクセスできるようになります。それがおとといのことでした。
 そんな、掲示板の入り口なんて、普段はそんなに見ている人はいないだろうと思っていましたから、きのう、「パスワードが必要になったんですか?」というメールが届いた時には、驚いてしまいました。そして、今日になって練習場に行ったら、みんなが口々に「パスワードは、いつ教えてもらえるんですか?」と私に聞いてくるではありませんか。いやあ、私の予想以上に、掲示板を訪れている人はたくさんいたのですね。しかし、これだけ関心が高いのが分かったのは、嬉しいことでした。今のところ、その転居先と、すぐ練習で必要になるデータがダウンロード出来るような書き込みをしておきましたから、どうか役立てて下さいね。
aventure number : 0765 date : 2006/5/16


今日の禁断 ヨドバシ

 DVDレコーダーを初売りで買ってから、はや半年近くが経とうとしています。予想していた通り、このツールは私にとってなくてはならないものとなりました。まず、地上デジタルを含めたデジタルチューナーが付いているため、今まで指をくわえて番組表を眺めて悔しい思いをしていた音楽番組が、全て見られるようになったことで、そういう辛い思いをこらえなければならないストレスから解放された、というのが、画期的なことです。そもそも、これを買おうと思った動機というのが、お正月にBS−hiで放送されたネトレプコの「椿姫」だったのですからね(結局、これはあっさりDVDで発売されてしまいましたね。「権利の問題があるから、DVDは出ない」と言っていたのは、完全なガセネタでした。もうそんなことを信じないだけの賢さは持てるようになっていますが)。もちろん、とりあえず見られる環境にある、ということが私にとっては大事なこと、それを実際に見るかどうか、というのは、そんなに重要なことではありません。
 録画の仕方も、すでに使っている人はお分かりの通り、テープを使っていた頃に比べたら格段の使いやすさです。私の場合、普通の2時間テープで収まるものよりは、オペラなどを録画する機会が多いものですから、今までは大変でした。標準モードで録ろうとすると、途中でテープを交換しなければなりません。ところが、オペラなどは大概深夜に放送になりますから、それもなかなか出来ません。そこで、昔はビデオデッキを2台用意して、幕間の時間を調べて、それに合うようにタイマーをセットしてて録画していたものです。そうやって苦労して録りためたものも、ビデオデッキが壊れてしまったりして、結局トラッキングが合わなくなってまともな映像と音では見られなくなってしまうのですから、こんな悲惨なことはありません。デッキが1台だけになってしまってからは3倍速で録らざるを得ませんから、殆ど見る気も起こらなくなるほどでした。
 ですから、テープの心配など全くしないで、いくら長いオペラでも好きなだけちゃんとした画質で録画できるのは、本当に重宝します。録るだけ録っておいて、あとでDVDにダビングすればいいのですからね。映画だったら殆ど1枚に収まりますし、ちょっと長めでもエンドロールをカットすれば、まず収まります(私の機種だと、2時間7分までは、問題なく入ります)。そして、オペラでは、きちんと休憩タイムが取ってありますから、そこで「分割」して、2枚とか3枚のDVDに落とせばいいのですからね。
 そうして、いつ見ることになるのか分からないDVDの山が、うずたかく積まれていくことになるのです。ただ、このDVDにしても、例のコピー防止のためのCPRMがかかっていますから、へたをすれば他の機械では見られなくなることも起こりかねない、というおそろしいこともささやかれています。聞くところによると、同じメーカーの製品でも、世代が違うと互換性がなくなってしまうのだとか。「コピーされたくない」というだけで導入してしまったそんな未熟な技術が、老後の楽しみにせっせと取りためたDVDをなんの役にも立たない板きれに変えてしまうようなことがあるのだとすれば、とても許されることではありません。
aventure number : 0766 date : 2006/5/18


今日の禁断 松戸

 久しぶりの本格的な雨、「天気予想」では、この雨は夜中まで、時には激しく降る、ということでした。夜の時間帯に行かなければならないところがあったので、ちょっと憂鬱、傘をさして雨の中を歩くのは苦手です。でも、そこに行こうと駐車場に車を置いて地下鉄の駅に向かって歩き出す頃には、何だか雨が少なくなってきたみたい、小さな折りたたみの傘はバッグの中に入れてあるので、思い切って大きな傘は車に置いておきます。地下鉄の改札には「今日のプロ野球は雨のため中止」という看板がありましたから、もしかしたらこれからまた降ってくるのかも知れませんが、その時はその時です。
 向かったのは、Sさんの送別会の会場です。そこは、かつて「ライト・クォーター・アヴェニュー」というカフェバーだったところ、朝の5時ぐらいまでやっていたので、よく演奏会の3次会あたりにはみんなで押しかけた馴染みの場所です。そこが、今では「簾」という、和風ダイニングに変わっているということです。もちろん、私は変わってから行くのは初めて。会場はほぼ貸し切り状態、なんでも30人以上が集まる予定だとか、久しぶりの大人数のパーティーとなりました。テーブルの上には、ちゃんと「ニューフィル様」と書いた献立表なども置いてありますよ。
 例によって私はソフトドリンク狙いですから、その献立表の裏側にあるドリンクリストをチェック、そうしたら「柚子はちみつレモネード」などという面白そうなものがありましたから、早速注文です。これがなかなか、気に入って何杯もお代わりをしてしまいます。というより、店員さんがみんな気の利く人ばかりで、私の飲み物もおぼえてくれて、「レモネード、お代わりよろしいですか?」なんて聞いてくれるのですから。
 Sさんがニューフィルに入られたのは、私が入った次の演奏会の時でした。ですから、もう15年以上のおつきあいになります。仙台に来る前は東フィルあたりで弾いていたというバリバリのプロでしたから、私のようなドアマチュアにとってはまさに雲の上の人でした。恐らく、最初の数年はそれこそおっかなくてろくに話もできなかったのではないでしょうか。でも、何回か打ち上げで接しているうちに、素顔が見えるようになってきて、段々普通に話も出来るようになっていきましたね。そのうちに、個人的な話までするようになり、けっこう深刻な問題で長電話、などということもたびたびというような間柄にまでなってしまいましたよ。事実、かなりシビアに悩んでいたことをSさんに相談した時には、どれほど力強く応えてくれたことでしょう。
 明日は、朝早く起きて東京へ行かなければならないので、二次会にはご遠慮させて頂きました。その時、当然のようにSさんと握手したのですが、ひょっとしたら15年以上付き合ってきて、これが最初の握手だったのかも知れません。そして、もしかしたら最後の握手・・・。何だか、寂しくてたまりません。地下鉄に向かう時には雨が上がっていたのが、せめてもの救いでしょうか。
aventure number : 0767 date : 2006/5/19


今日の禁断 劇団四季

 今、6000円で東日本の殆どどこにでも「日帰り」ならJR各線乗り放題というキャンペーンが行われています。しかも、指定券が4枚まで付けられるというまさにお買い得の商品です。手近なところでは、東京まで座席指定の新幹線で往復しても、普通は2万円かかるところが6000円なのですから、これを使わないという手はありません。あ、念のため、この特典は「会員」のみのもの、しかも、その「会員」になるためには、非常に厳しい審査を通らなければならないのですから、例えばニューフィルの団員の殆どの人はその資格審査ではねられてしまうはずですよ。
 これをやっているのが、このところの11日間、その間に土日は1回しか入っていないので、せっかくの特典を使ってみようと、東京に行っていきました。とりあえず「オペラ座の怪人」のチケットは押さえておきましたが、別に細かい予定は決めず、出たとこ勝負、朝の10時半から夜の8時まで東京の中を遊び回る、といういい加減なものです。
 まず、東京駅からそのまま新橋まで行って、勝手知ったる汐留です。開店前だというのに、いつ行っても長蛇の列が出来ている「都路里」という甘味処の前には、もう人がたくさん並んでいます。しかし、このぐらいだったら何とかすぐ座れそうな感じだったので、せっかくのチャンスだから入ってみることにしましょう。ところが、その人気スポット、京都のお茶屋さんが経営しているものですから、メニューは「抹茶」づくし、私の大嫌いな「甘い抹茶」が、必ず入っているという、恐ろしいところだったのです。それでも何とか、「抹茶アイス」と、ちゃんとした「抹茶」のどちらかを選べるものがあったので、それを頼みました。さつまいもや栗が入ったぜんざいに、苦い抹茶、この取り合わせは絶品でした。抹茶アイスなんて気持ちの悪いものを食べる人の気が知れません。
 それはとりあえずおやつ、お昼ご飯は同じ所にある「つな八」です。といっても、このお店は「粋(すい)」と言って、普段はバカ高い所のようなのですが、ランチだけはリーズナブルなお値段、何とか手が届きます。でも、ランチであろうがなかろうが、サービスの格調の高さは崩さないと見えて、カウンターの前ではきれいな女将が付きっきりで世話を焼いてくれます。天つゆに入れる大根おろしが、きれいな団子の形をしていたので、つい「シャーベットみたい」とつぶやくと、「あら、そうですの、オホホ」と上品に笑われたりして。正直肩が凝ってしょうがなかったのですが、天ぷらはさすがでした。
 ミュージカルが終わって外に出ると、真っ青な青空が広がって、とてもすがすがしい初夏の陽気でした。ところが、向かいの日本テレビに入って「エンタ」のグッズなどを見終わって外に出ようとしたら、なんと、まるで大嵐のように雨と風が怒り狂っているではありませんか。これでは駅に通じる地下道へ戻ることも出来ませんから、ジンジャーエール1杯420円などというベラボーなカフェで雨宿りです。
 そのあと向かったのは舞浜。今まで行ったことのなかった「東京ディズニーシー」を見てきましたよ。と言っても、時間もなかったのでリゾートの中を走っているモノレールで、敷地内を2周しただけですけどね。でも、乗っている途中でさっきの嵐もおさまり、見事な虹を見ることが出来ました。ちょうどそれは海の中から立ちのぼっているように見える、壮大なものでした。たった200円で堪能できた、今日の中で最高の体験でしたよ。
aventure number : 0768 date : 2006/5/20


今日の禁断 ストラップ

 きのう行ってきたのは「オペラ座の怪人」でしたね。劇団四季が仙台で初めてロングランを行い、その時に私などはこの劇団のミュージカルに初めて接したという、記念すべき作品です。その時はもちろんカラオケでしたが、そのあと東京の四季劇場「海」でこけら落としの「マンマ・ミーア!」に続く2番目の演目としてロングランが始まった時には、きちんと生オケが入るようになっていました。それを見に行ったのが去年のこと、それをまた見たくなって、行くことにしたのです。
 今回は去年とはキャストがほぼ全員変わっていました。なによりも、ファントムが、高井さんから村さんになっている、というのが、ちょっと不安材料。これは、両方とも仙台では聴いていましたし、そのあと別の作品でもさんざん2人の歌を聴いてきましたが、ファントムに関しては高井さんの方が格段に優れている、というのが、私の評価だったからです。
 今回は間近になってからチケットを取ったので、あまり良い席は残っていなくて、2階席の後ろの方、左寄りのブロックの真ん中辺でした。ただ、もうすぐ開演時間だというのに、私が座った同じ列は、私の左隣に一人いるだけで、その先は全て空席になっています。去年来た時にはほぼ満席だったはず、ちょっと物足りない客の入りです。
 そんな、ちょっと気合いの足らないお客さんのせいでしょうか、ステージの上もなんかテンションが低いような気がしてなりませんでした。最初の、まるで「アイーダ」(あ、これはもちろんヴェルディのもの。四季だからといってエルトン・ジョンではありませんよ)のような「オペラ」の場面でも、今まであれほど、隙のないアンサンブルだと思っていたものが、時折緊張が途切れて、変な「間」が出来てしまう時がたびたび見受けられるのです。ただ、クリスティーヌの、私にとっては初めてのキャスト西さんの歌が聞こえてくると、そんな感じもいっぺんに吹き飛んでしまいましたよ。伸びのある自然な声、映画版のエミー・ロッサムなどよりははるかに好きな声です。
 村さんのファントムも、相変わらずの変な「コブシ」はそのままですが、仙台で聴いた時よりはかなり変わってきたな、という印象がありました。新しく入ってきた高井さんの影響なのでしょうか、例えば最初の大きなソロ(というか、クリスティーヌとのデュエット)「The Phantom of the Opera」などは、「村ブシ」が殆ど目立たない、真摯なものに聞こえてきましたよ。やはりプロですから、高井さんと同じレベルにならなければ、というような危機感があってのことなのでしょうか。そうは言っても、やはりキャラクター的に、この人はちょっと辛いものがあるのは紛れもない事実、「キャッツ」でのガスやグロールタイガーのイメージが、どうしてもついて回ってしまいます。何しろ、高井さんはこの演目ではデュトさまなのですからね。
 演奏中の拍手など殆どなく、盛り上がりに欠けたままカーテンコールになりました。もちろん、スタンディングなどは起こりようもありません。去年来た時には、新幹線の都合があったので、ここで帰ってしまったのですよね。ですから、その先は知らなかったのですが、カーテンコールの最後に生オケの指揮者がお辞儀をして、キャストが全員去り、会場が明るくなったところで、その生オケが第1幕のエンディングを演奏し始めたのです。ここのピットはまるでバイロイトのようにステージの下に潜っていますから、客席からは殆どプレーヤーの姿は見えません。ですから、このときとばかりにピットに近づいて中をのぞき込む人たちで、最前列の前はいっぱいになってしまいました。これが分かっていれば、カーテンコールの間に1階席に降りていって、ピットの前の場所を確保しておいたのに・・・。今度来る時は、ぜひ1階席のチケットを取ることにしましょう。
aventure number : 0769 date : 2006/5/21


今日の禁断 カラオケ

 演奏会が終わって練習が始まると、続々入団希望者がやってくるようになりました。今日も始まる前にロビーの椅子に座っている見かけない人がいたので気になっていたのですが、その人は打楽器の入団希望者、早速「ロメジュリ」でグラン・カッサを叩いていましたね。もう一人、トロンボーンにも見かけない人がいたので代吹きかと思っていたら、この方も入団希望者、金管もさらに充実の兆しです。逆に、こんなに入れてしまってだいじょうぶ? と心配になるほどです。というか、その分弦楽器がもっと増えて欲しい、というのが正直なところでしょうか。最初にやったその「ロメジュリ」も、管楽器は代奏なしでフルメンバーが揃っていましたが、弦はちょっと寂しいな、という、いつもの出席状況でしたからね。
 この曲は、私は降り番、後ろに座って聴いていましたが、かなり大変な曲のようですね。不規則に合いの手が入る所も、必ず誰かがフライングで飛び出したりしていましたが、これは慣れればすぐ揃うはずですから、大丈夫でしょうが。いつも思うことですが、こういう変なリズムの譜面というのは、楽器をやっている人はすぐできるようになるのですが、合唱の人はなかなかできないみたいですね。この間の合唱の時に痛感したのですが、「なんでこんなこと」と思えてしまったのは、私がオケをやっていて、合唱とは別の訓練を日頃強いられていたせいなのでしょう。もちろん、楽譜は読めても声が出ないのであれば、なんの役にも立ちませんがね(来年は合唱の演奏会はどうなるのか、まだ決まっていません)。
 そんな熱気ムンムンの中で練習をやっていると、ホール内の温度もどんどん上がっていくようです。後半のブラームスが始まる頃には、長袖のTシャツでは暑いくらいになっていましたね。しかも、4楽章という大変なところをやったものですから、久しぶりに唇のコントロールがきかなくなるほどバテてしまいました。でも、そんな中でもきちんとまわりの音が聴けるようになっているのは、私にとっては進歩でしょうか。
 弦楽器は終わりごろには大分増えていましたが、それでもヴァイオリンあたりは半分ぐらいしかいなかったようでしたね。いつも必ず早く来るYさんがなかなか来ないので、心配してたら、終わりごろになって大きなマスクをして現れました。風邪でもひいたのでしょうか。なんか、インフルエンザがまたはやっているそう、変な天気が続きますから、体調も悪くなってしまうのでしょう。お大事に。
 予報が当たらないのは、そんな変な天気のせいなのでしょうか。今日だって、夜遅くには大雨と言っていたのが、逆に夜に晴れて来るという外れ方ですからね。そんな風に、「週末は雨」という予報が、見事に外れてくれることを、切に望むものです。今度の日曜日は、みんなが楽しみにしている「かやの木コンサート」の本番ですからね。
aventure number : 0770 date : 2006/5/23


今日の禁断 善光寺

 今日はこんな所と、
こんな所へ、
行ってきました。
 この前東京に行った時に使った「会員限定パス」が、今回は明日で終了となってしまうので、その前にもう一度使おうと、わざわざ休みを取って行ってきたのです。どうせ今週の週末は「かやの木コンサート」で出勤ですから、たまには代休も良いでしょう。
 行き先はなんの意味もなく、ただ「行きたかったから」という消極的なものです。とりあえず乗ったことのない長野新幹線を使って長野まで行ってみる、あとは、このパスを最大限に活用するために軽井沢あたりで途中下車をしてみる、というだけのことです。
 4枚まで指定券は買えるので(もちろん、それは6000円の中に含まれます)一応東北新幹線と長野新幹線の行き帰りの指定は取っておきました。その時に問題になったのが、乗り換えです。大宮で乗り換えることになるのですが、一番早い乗り継ぎだと、4分しか余裕がありませんでした。大宮の新幹線乗り場なんて降りたことがありませんから乗り換えに一体どのぐらい時間がかかるか分かりませんし、4分しかないのでは、ちょっとでも遅れたりしたらアウト、現に、5、6分の遅れはしょっちゅう経験しているので、これはやめて、その次の40分待たなければならないものの指定券を取っておきました。
 案の定、仙台発の「はやて/こまち」は、「到着列車の待ち合わせ」だとかで、5分遅れの発車になってしまいました。やはり、あぶない橋を渡らなくて良かった、と思っていたら、なんと大宮にはきちんと定時に着いてしまいましたよ。このぐらいの遅れは簡単に取り戻せるものなのですね。大宮駅に降りてみると、長野新幹線の乗り場はすぐ隣り、1分足らずでホームに行けましたから、すぐ入ってきた「あさま」の自由席に飛び乗ってしまいましたよ。最初から、予定外の行動でした。
 帰りに寄った軽井沢でのアイマックスも、全くの予定外、アウトレットモールがあるというので行ってみたら、そこには日本に何館かしかないアイマックスシアターがあったので、「アトム」のアイマックスオリジナルの作品を堪能してきましたよ。私にとってアイマックスは2度目、前に品川で見た「ポーラー・エクスプレス」の時もそうでしたが、なぜかお客さんが少ないのが気になります。というか、今日の場合は私が客席に入ったら他に誰もいなかったのですからね。300人ぐらい入るシアターを、私一人で借り切って見ることになるなんてすごい、と思っていたら、アベックが一組入ってきたのでそうはなりませんでしたが、それにしてもこの広いシアターにたった3人の客とは。
 これは3Dではありませんでしたが、大スクリーンの迫力はやはりすごいものでした。まさに体ごと宇宙空間の中に包み込まれる感じでした。アイマックスというのはスクリーンが縦方向に大きく広がっているものです。テレビのモニターでも最近は横に広げてその「大きさ」を誇示しようとするものが主流になっていますが、これを見てしまうと、果たして「横」に広げるだけが「ワイド」なのか、疑問に感じてしまいます。今電気屋の店頭にあふれている「ワイド」テレビに何か違和感があるのは、そんな感覚のせいなのかも知れません。もしかしたら、「ハイビジョン」などというのは、間違った規格なのかも知れませんよ。
 たった40分で1200円というのはちょっと法外ですが、ストーリーもなかなかしっかりしていて、十分楽しめましたよ。音楽も、アコースティックな感じが良いなと思っていたら、吉松隆のスコアだったんですね。彼が「日本のジョン・ウィリアムス」と呼ばれる日ももうすぐです。
aventure number : 0771 date : 2006/5/24


今日の禁断 篠田

 普通のホームページには、大体「リンク」のページがあるものです。もちろん、このサイトにも、それはあります。アマチュアオーケストラとか、クラシックの個人サイトといった、このサイトと共通の趣味を持つサイトとの間の架け橋、といった感じで、それはかなりの数になっています。しかし、最近はその「リンク」のありようが微妙に変化を見せていることを感じないわけにはいかなくなっています。それは、言うまでもなく「ブログ」の隆盛に関係してのことです。最近のアクセス解析で「リンク元」として引っかかってくるのが、かなりの数そのブログからのものになっています。原則としてリンクされたサイトにはこちらからもリンクするという「相互リンク」をポリシーとして掲げてはいるのですが、この、ブログからのリンクに関してはちょっと扱いが微妙。というのも、ブログ同士のリンクは「RSS」など便利なツールがありますが、ブログとサイトの間でリンクをするというのは、意外と面倒なものなのです。いや、作業自体は何と言うことはないのですが、フットワークというか、タイミングというか、特にサイトからブログに対しては「リンク集」という形で固定してリンクする、というのが非常に間抜けになってしまうのですね。この辺の機微、分かりますか? 恐らく、実際にサイトを作っていないと、なかなか分かりづらいとは思うのですが、私としてはそういう感覚がある、ということです。
 ですから、基本的に「相互リンク」はサイトに対してだけということになっています。ブログでは「RSS」という形で、リンクとはちょっと違ったつながりを保っていることですし。そんなわけで、サイトの「リンク集」の顔ぶれは、実は開設当時からあまり変わってはいません。ほんのたまに、別のサイトから「リンクさせてください」という申し出があるので、追加している、というのが現状(ブログの場合、リンクの許諾はおろか、事後承諾を求める連絡すら、まずありません。そういうものなのでしょう)。
 何ヶ月かぶりで訪れたそういう申し出は、今時珍しい「リンク集」がメインのサイトでした。音楽関係のサイトを、丹念にカテゴリー別に分類したもの、その中の「総合」から、JPをリンクしたというものです。かなり褒めてくれたメールも嬉しかったので、図に乗った私は、「CD」というカテゴリーからも、「おやぢ」にリンクして欲しいとお願いしてしまいました。そこには、今サイトで見られるCDのレビューなどが殆ど網羅されています。わたしの「おやぢ」が、それらと同等のものと認められるかという、一つの「賭け」でもありました。
 末席にでも入れてもらえれば、と思っていたのですが、出来たものを見てみると、何と、一番最初に「おやぢ」は掲載されていましたよ。コメントも「多くのCD盤の演奏について、背景やその録音にまつわる話と共に講評」という過分なものでした。実は、「おやぢ」に関しては、「余計なものが多すぎる」という非難が、原稿にも協力してくれたこともあるというごく身内の人から寄せられていたものですから、ちょっと落ち込んでいたところ。私のスタイルをきちんと評価してくれたこのコメントには、すっかり嬉しくなってしまいましたよ。
aventure number : 0772 date : 2006/5/26


今日の禁断 ルーヴル

 カウンターはいつの間にか58万になっていましたが、「ダ・ヴィンチ・コード」の原作は、何でもハードカバーと文庫本を合わせて1,000万部を売り上げたそうですね。ちょっと気になるのは、例えば文庫本の場合だと3冊になっているのですが、これは全部買った人を「1部」と数えるのでしょうか。それとも、3冊だから「3部」なのでしょうか。すごく気になります。それと、「上」だけ買ってあとは読むのをやめた人はどのぐらいの割合なのでしょう。まさか、「中」だけ買って読む人なんていないでしょうが、それぞれ「何部」売れているのかも、気になります。まあ、いずれにしても、とてつもない数の人が読んでいる、というのは事実なのでしょう。私のまわりでも4人までは確実に読破しているようですし。
 そして、いよいよ先週映画が公開されました。何かと忙しくて行く暇がないうちに、1号様に先を越されてしまったのは癪でしょうがありません。早速「見ましたよ」なんてメールをくれるものですから、意地でも見に行こうと思って、買い物と練習というタイトなスケジュールの合間を縫って、ついに見にいくことになってしまいました。
 これだけ話題の作品ですから、さぞ混んでいるだろうと思っていたら、意外にガラガラなのにはちょっと拍子抜けでした。しかし、内容の方は大きな失望もない代わりに、ことさら驚かされることもなかったというものです。まさに、原作を読んだ時に予想した通り、原作の良い点と悪い点が、そのまま忠実に映画になっていた、というところでしょうか。というより、これは原作を読んだ人が、その情景を実際にスクリーンで体験するといった程度の意味しかないもの、読んでいない人にとってはこれほど不親切な、ということは、映画自体では完結していない作品もないということになります。最初に出てくる「パズル」にしても、絶対必要な説明が省かれてしまっていますから、それだけで納得できる人など、まずいないはずです。「ビューティフル・マインド」であれだけスリリングな謎解きを描いてくれたロン・ハワードが、こんな間抜けなプロットしか作れなかったのは、ひとえに原作の間抜けさのせいなのでしょう。あるいは、これだけ見て混乱してしまった人に原作を買わせる、という魂胆だったのでしょうか。
 ジャン・レノが演じた警部の設定を原作よりはるかに深みのあるものにしたりしていますし、「ロスリン」での「謎解き」も、原作をはるかに超えるまさに映画ならではの盛り上がりなのですから、その気になればもっと納得のいくものだって作れたに違いありません。しかし、いくら頑張っても、結局、ダメな原作からはダメな映画しか作れない、ということなのでしょう。ですから、私が一番映像として見てみたかった「導師」にしても、あの程度のものにしかならなかったのでしょうね。
 キリスト教関係者が、この映画の上映にいちゃもんをつけたというのが大々的に報じられていますが、それは単なる宣伝用の誇大な情報なのでしょう。この映画は、他人に宗教的な影響を与える力など全く持たない、ただの娯楽大作なのですから。
 ペルトっぽいサウンドをふんだんに散りばめたハンス・ジマーの音楽は、なかなかのものでしたが。
aventure number : 0773 date : 2006/5/27


今日の禁断 仙台二高

 いくら天気予報が当たらないからと言って、「絶対に雨が降る」と確信を持って言っている日に屋外のコンサートを敢行するというのは、かなり勇気のいることに違いありません。もちろん、私も含めた「かやの木コンサート」実行委員会のスタッフには、そんなリスクをおそれない人など誰一人としていませんから、テント屋さんが設営に来る前の日、つまりおとといには、早々と屋外での挙行を断念して、テントやPAの機材はキャンセルすることが決定されました。果たして、仙台フルートの会のメンバーによるフルートオーケストラ、本堂の中で演奏することなど、可能なのでしょうか。実行委員長とその現場を検討した結果、それは問題ないことが判明したので、早速掲示板やメールでメンバーには連絡です。響ママなどは、「本堂デビューですね」と、嬉しそうでした。
 「予報」では、昨日の夜には大雨になっているはずでした。しかし、いかにも嵐の前のような気味悪い風は吹いてはいたものの、雨となると全然降ってきません。せっかくキャンセルまでしたというのに、ここで予報が外れたりしたら、一体どうしてくれるのですか。
 祈るような気持ちで今朝外を見てみたら、見事に雨が降っていたのには喜んでしまいました。「晴れて欲しい」と祈ることはあっても、こんなへそ曲がりな祈り方をする人なんて、あまりいないでしょうけどね。とにかく、これできのう本堂でリハーサルをしたことが無駄にならないで済んだわけです。実際にメンバーに集まってもらって演奏してみたのですが、特に窮屈なこともなく、普段通りに演奏できたようでしたし、やはり室内の方が音もまとまって聞こえることが分かりましたし。
 その雨は、確かにちょっとすごいものでしたよ。「何で今日に限って」と思えるほどの、バケツをひっくり返したような土砂降りでした。おかげで、このコンサートの母体である会合にも、例年の三分の二程度のお客さんしか来ませんでした。もっとも、それは本堂のキャパから言って好都合なこと、適度な数のお客さんによって、丁度良いバランスのコンサートが実現することになりました。
 場所がいつもと変わったことによって、実行委員会としてはアーティストの移動に神経を使うことになりました。晴れていればお客さんは一度別な場所に行ってしまうので、その間にスタンバイできるのですが、今日の場合は移動はなし、出演者たちを待機させておくスペースが確かに本堂の裏にあるのですが、一度そこに入ってしまうと出入りは出来ませんから、1時間以上そこに押し込めておくことは不可能です。そこで、お客さんの目にも余りつかず、それほど待ち時間もないという絶妙のタイミングで、別のところで待っているメンバーをその「楽屋」へ誘導するというのが、今日の最大のポイントとなったのです。まるで迷路のような部屋をあちこち動かされて、大変だったでしょうね。
 コンサートの本番は、後半でお客さんと一緒に歌う、というコーナーが設けられました。実行委員長の提案で実現したもの、歌詞カードは前もって渡しておいて、演奏者はカラオケに徹する、という、今までやったことのなかったものです。全部で6曲あるそのカラオケのアレンジが全部出来上がったのがきのうのこと、最も苦労したというその最後の曲「上を向いて歩こう」はやはり大好評、アンコールにもう一度やることになってしまいました。それまでノリノリのピチカートを聞かせていたベースのJさんが、その時には何とアフタービートを叩き始めて、演奏者もお客さんも絶好調、とても楽しい幕切れとなりました。
 実行委員長(実は住職)は、「坊主が頭を刈るからボーカル」などというおやぢを連発するだけではなく、「花」や「荒城の月」ではしっかりハーモニーのパートを歌っていたことに気づきましたか? 彼も、学生時代は合唱部でした。
aventure number : 0774 date : 2006/5/28


今日の禁断 粗大ゴミ

 斎藤さんの予報は「今日は夕立が来る」でしたね。スーパーコンピューターでも予想できないことを予想した、と得意になっていましたが、果たしてその結果は? 私はちょっと室内にいたのでよく分かりませんでしたが、夕方外に出ても地面が濡れているような様子はありませんでしたから、「夕立」と言うほどの大量の雨は降りはしなかったのではないでしょうか。やはり、おとといのような強烈な降りでないと、「夕立」とは言えないのでしょう。
 実は、その前の日、つまり土曜日に、久しぶりに竹やぶを覗いてみました。この前殆どの筍を掘り尽くしてしまったあと、もう生えてくる気配がなかったので、もう出てくることはないだろうと思って2週間近く見にも行ってなかったのですが、なんということでしょう、一体どこから現れたのだと思えるほど、竹やぶ中はまたまた新しい筍で埋め尽くされているではありませんか。もうすでに伸びすぎてとても掘れない状態にまで育ったものもありましたので、それはもうあきらめて、まだ伸びきってないものだけをひたすら掘り続けました。一人でやるのは大変だなと、今さらながら気づかされます。いまだに体の節々が痛いのは、そのせいでしょう。
 そんな、痛みをこらえての練習です。今日の練習、日程表を出す時点では管楽器と弦楽器の分奏ということになっていたのですが。先週の練習の時にやはり金管と木管が分かれて方が効率がよいだろう、ということになり、急遽会場を一つ追加してのパート練習となりました。こんな時には、会場係の手を煩わせることなく自由に使える場所が常に確保されているというのはありがたいことです。
 例によって、私はそこに最も近いところで仕事ですから、一番早く着いて鍵を開けたり、電気をつけたりすることになります。しばらくここを使っていないような気がしていましたが、確かにブルックナーをやった時には、ここで木管だけの練習をしたのは1回ぐらいしかなかったのでは無いでしょうか。そんな反省も踏まえて、「木管だけ」の練習が、このあと最低もう2回は用意されています。この会場もどんどん使われて、役に立ってもらえれば、なによりです。
 最近の木管は、殆ど休む人がいないというのが、すごいところです。ちょっと前だとパート練習をやっても人が欠けてしまって殆ど練習にならないようなことが多かったものですが、その点に関してはもはや完全に「大人の」感覚が通用するようになっているようです。今日も、前半と後半の曲目を決めてありましたから、それぞれの担当の人がきちんと集まって、ほぼ「本番面子」が揃っていましたよ。
 もちろん、2、3の不備が出てくるのは、アマチュアの宿命ですから、しょうがないことです。実は私は前半は降り番だったのですが、そこのピッコロ担当が今日はお休み、自動的に私がピッコロを吹かなければならないことになって、何年ぶりかの(大げさですが、もしかしたらそのぐらい吹いてなかったかも)ピッコロです。たまには吹かないと、楽器も、そして腕もなまってしまいますから、これはなかなか楽しい体験でしたよ。
aventure number : 0775 date : 2006/5/30


今日の禁断 アリー

 ニューフィルの公式掲示板、パスワードが必要な「団員用」は、それなりに使われているようで、なかなか利用価値があることが分かりました。これからもご愛顧下さい(もちろん、パスワードを知っている団員限定ですが)。そうではないもう一つの「一般用」の掲示板では、最近面白い書き込みがありました。何でも一関あたりに住んでらっしゃる方が、「演奏会の開始時間が午後3時になるのを歓迎します」と書き込んでいたのです。確かに、この間の定期演奏会は日曜日ということもあって「午後3時」に開演となったのですが、その方は「土曜日の午後3時」などと書いています。土曜日だったらいつも6時半開演というのは変更する予定はないのですが、この方はそれも3時開演にして欲しいというのでしょうか。ただ、他の部分を読んでみると「年に5回は聴いてます」とかありますよ。どうやら、「仙台フィル」と間違えてうちの掲示板に投稿したようですね。早速仙台フィルのサイトで確認してみたら、確かに来年度から土曜日の演奏会が「3時開演」になることに決定したという告知がありましたよ。
 あちらのサイトからこちらの掲示板に来るのはかなり難しいはずですが、一体どういう経路でたどり着いたのか、興味のあるところです。実は前にもやはり間違えて仙台フィルだと思って書き込んだ人がいたので、何かあるのかも知れませんね。その時には「間違ってますよ」と教えてあげたら恐縮して返事をくれましたので、この人の場合も同じように教えようと思ってメールを出そうと思ったら、「さっきのは間違えたので、削除して下さい」と、再度の書き込みがありました。やはり、なにか変だと思ったのでしょうね。
 そういう「勘違い」はよくあることですが、「勘違い」を装っておかしなことをやる人が後を絶たないのは、ちょっと気になります。実は、前々からこういうことをやる人が絶対いるぞ、と確信を持っていたことがありました。それは、今や「イナバウアーのテーマ」としてすっかりお馴染みになってしまった「Nessun dorma」なのですが、この曲、実際に演奏したことのある私達には先刻ご承知の通り、ちょっと変わった拍子を持っています。変拍子とまではいかないのですが、あの「♪Ma il mio mistero è chiuso in me」という一番盛り上がる部分は、ずっと4拍子だったものが、最後の「me」のところで突然2拍子に変わるのですね。そのあとは何ごともなかったかのようにまた4拍子に戻るのですから、ここはちょっと「字余り」のような感じを受けてしまうところです。ですから、普通のロックのきっちりしたビートに慣れている人にとっては、ここは「2拍足らない」と感じられてしまうはずですから、なんか、そういうBGM的な使い方をする時にはここを4拍にしてアレンジする人が、必ず現れるのではないか、と思っていたのです。
 その私の予想は、見事に当たりました。きのう、私が書斎でビデオを見ていると、はるか遠くのリビングからドラマの音楽が聞こえてきました。「プリマダム」だったのでしょうが、その音楽は紛れもない、4拍子が延々と続く間の抜けた「Nessun dorma」だったのです。
 そんな、この曲をすっかり有名にした立役者の荒川静香は、プロ入り宣言をしたと思ったら、何と「俳優」としてドラマに出ているのですね。あのハリウッドの大スター、ルーシー・リューによく似た顔立ちは、何とインパクトがあることでしょう。
aventure number : 0776 date : 2006/6/1


今日の禁断 カナダ

 夕べ、WOWOWですごい番組をやっていました。鶴瓶の「スジナシ」というもの、番組欄に「イッセー尾形」とか「生瀬勝久」とかあって、「ゲストと台本のないステージ」という紹介があったので、なんだか面白そうだなとチェックしてみたものです。そもそも「スジナシ」というのは、名古屋のCBC(中日放送)ローカルで8年前から続いている番組なのだそうです。台本も打ち合わせも何もないところから、ホストの鶴瓶とゲストが芝居を始めるというもの、お互い相手がどのようにしたいのか一切分かりませんから、その芝居は全く先の予測がつかなくなってしまいます。そんな、ある意味「冒険」とも言えるような番組が、当地名古屋ではものすごい人気なのだそうです。他の地方へのネットは一切ないにもかかわらず、その人気は人気を呼んで、ついにはDVDまで発売されているそうなのです。WOWOWでやっていたのは、その番組そのものではなく、それをそのまま劇場でお客さんの前でやった公演の録画でした。その劇場というのが、新宿の紀伊國屋ホール、つまり、この番組が普通では見られてはいない場所での、ひょっとしたら初めて見るかも知れないお客さんの前でのライブの模様なのです。
 その公演は3日間行われ、それぞれ別のゲストが出演していました。きのうやっていたのは、その最後の日のものがメイン、広末涼子が出演していた時のものでした。最初にまず、「合図があるまでは、決して笑ったり拍手をしたりしないで下さい」という注意があります。うん、ひとまず、台本なしで芝居をやっているところを、緊張を持って見守れと言うことなのですね。広末涼子が神社で鶴瓶を待っている、というところから「物語」は始まるのですが、何だか百戦錬磨の鶴瓶が押され気味で進んでいくのが面白い感じ、でも、お互い、腹のさぐり合いをしているようで、正直盛り上がりには欠ける展開ではあります。これだけ見たのでは、別にそんなに面白いわけでもありません。
 しかし、舞台監督が「OKです!」と言って、その「お芝居」が終わった途端、全ての緊張が解けたようになってしまった広末涼子の表情は見物でした。そして、本当に面白いのは、実はそれからだったのです。しばらくして、ステージの上には、モニターを前に並んで座っている2人がいました。そこで、もう一度さっきの「お芝居」を見ながら、それぞれが「このときは実はこういうことを考えていた」というのを言い合うのですよ。そもそも、お互いの設定から、鶴瓶は「親子」だと思っていたのに、広末は「恋人」のつもりでいたというところから、すれ違い、そんな本心を打ち明けながら、その時の「演技」を再生しているのですから、面白いの何のって。しかし、広末涼子という人は、なかなかいい演技のセンスがあるのですね。実際に涙を流したり、ものすごくおっかない顔になってみたり、ちょっと一皮むけたような彼女、何だか応援したくなってしまいました。
 鶴瓶は、「今日のゲストは最高。でも、1日目と2日目はひどかった」と言っていました。その、前の日の分も、少しだけ紹介されていました。確かに、イッセー尾形と生瀬勝久というアクの強いキャラクターは、最初からこの企画の仕掛けを逆手にとってめちゃめちゃにしてやろうという魂胆がミエミエ、それはそれで面白いのですが、広末の一見無邪気に見えて、実は残酷だったりする演技は、そんな練り上げられたものよりもずっと「面白い」ものでした。
aventure number : 0777 date : 2006/6/3


今日の禁断 タカキュー

 この週末には、結婚式を控えています。といっても、私のものではありませんから、ご安心下さい(と言われて「安心」する人って・・・)。愚妻の近親者が、山梨で土曜日に結婚式を挙げるというので、金曜日から行ってくることになっています。もちろん、当日出発したのでは間に合わないということもありますが、前の日に両家のご親戚が一堂に会しての「食事会」とやらが予定されているものですから、それに出るために金曜出発となりました。
 そこで、その「食事会」で何を着るか、ということで、一つの問題が勃発することになります。別に「式」ではないので普段着で行くつもりでいたのですが、私の普段着といえばジーンズですから、そこに強烈な拒否反応が起こってしまったのです。「いくらなんでも、ジーンズではねぇ」という言葉には、私は逆らうすべもありません。結局、その時だけのために抵抗感の少ない「フツーの」服を用意しなければならないことになってしまいましたよ。そこで、郊外の大型店のテナントあたりで、「紳士服」を物色するという、私にとっては久しぶりのお買い物となったのです。世の中はまさに「クールビズ」のまっただ中、まさか、そんなお役人のお仕着せのファッションの中に自分が身を置こうとは、思っても見ませんでした。さらに、この時期は「父の日」の直前です。売り場にはこれ見よがしに「おとうさん」向けのアイテムがディスプレイされています。そんなものを物色している母と娘などという、私にとっては全く現実味に欠けている世界を体験しつつの、ショッピングです。
 私は完璧に主体性を放棄して、ひたすら愚妻の好みにまかせます。そのうちに私もちょっとそそられそうなサマージャケットが見つかったので、ゴチャゴチャ言う前にそれで決まり、あとは、それに合いそうなパンツとサマーセーターを、これは私の好みで揃えて、何とか世間的な期待と私の趣味との間で折り合いをつけたものがワンセット出来上がりました。これを着て練習に行ったりすることは、おそらくないでしょうがね。
 それが片づいて、街の中心部に行ってみると、まるで秋の「ジャズ・フェス」のように、あちこちで屋外ライブが行われていました。「とっておきの音楽祭」という、最近この時期に毎年開催されている、障害者も参加するという形のイベントです。たまたま入った141の中では、フルートソロをやっていました。なかなかほほえましい演奏、MCの時に手話通訳が入ったりしているのが「とっておき」ならではですね。最後の「イパネマの娘」を聴き終わったら、待ち合わせ場所に行かねばならなかったことを思い出して、藤崎まで向かいます。その途中では、ストリートっぽいボーカルや、毛布(?)に身をくるんだケーナなどの中南米バンドなど、さまざまなグループで盛り上がっていましたね。そして、藤崎の前に来たら、何と男声合唱が聞こえてきたではありませんか。そのハイテンションの立派な声には確かに聴き覚えがありました。近くで見てみると、それは確かに、あの「オトコの合唱祭」でひときわ目立っていた「国鉄」の合唱団でした。こんな所でも活躍していたのですね。
 もしかしたら、こんな「音楽の街」に刺激されて開催されるのでは、と勘違いされるかも知れませんが、10月に予定されている「仙台クラシックフェスティバル」は、東京で、というか、元々はフランスで行われていた「ラ・フォル・ジュルネ」の完璧なパクリでしょう。市民の盛り上がりを土台にするどころか、その市民を貴重な演奏会場から閉め出すという「犠牲」の上に成り立っているこのイベントの実情は、「クラシックを身近なものに」というありがたい呼び声の前には、殆ど人目にさらされることはありません。そもそも「せんくら」などという、本来かなりその概念が浸透してから使われるべき略称を最初から用いているあたりに、「神々の黄昏」を「かみたそ」などと略すのと同程度の高慢な胡散臭さを感じるべきなのでは。
aventure number : 0778 date : 2006/6/4


今日の禁断 音楽教室

 風邪がはやっているそうですね。私のまわりにも調子の悪い人がいたりします。そんな流行をいち早く取り入れたのが、フルートのHさん、今日の練習は降り番のチャイコフスキーだから、のんびり「おやぢ」の原稿でも書いていようと思っていたら、携帯メールが届きました。パート全員によこしたもので、風邪をひいてしまったので、練習を休むという連絡なのです。「代吹きをお願いします」と名指しで(というか、手が空いているのは私しかいませんが)書いてありますから、その時点で私は一度も吹いたことのない「ロメオとジュリエット」の1番パートを吹かなければならないことが決定してしまいました。先週はピッコロでしたし、楽をしようと思ってもなかなかそうはいかないものです。
 今までの練習では他の人が吹いているのを「結構大変だなあ」と思いながら聴いていたものですが、それを自分で吹かなければならなくなるのは、かなりのプレッシャーがかかるものです。これだけ長くオケをやっていても、初めて吹く曲というのは極度に緊張するものです。まず普段出している音の半分以下のクオリティしか保証できないのは分かっていますから、プレッシャーはさらに募ります。しかも、まず、最初には木管だけのアンサンブルで、高い音を弱い音で吹かなければならないところがありますから、これはもう始まる前から逃げ出したい気持ちになってしまいますよ。案の定、1回目の通しでは息は持たないし、音程は決まらないし、支えがなくなって音がフラフラするしという、最悪のコンディションでした。それでも、普通の吹くところになれば、ペースがつかめてきます。そして、例のとても変なリズムで全員揃ってパルスを入れなければならないところにやってきました。ここだけは絶対はみ出したりしないように予習はしておいたので、まずは無難にクリア、と思っていたら、2小節休んだあとで1拍休んだあとに入るべきところで、見事に一人だけ1拍目を吹いてしまうという醜態を演じてしまいました。何とみっともない。
 後半のブラームスはもちろん出番ですから、今日は最初から最後まで休みなく吹いていたことになります。そろそろ梅雨に入ろうかという陽気ですから、閉め切ったホールの中はどんどん暑くなって、大変でした。隣のオーボエ吹きはしょっちゅう汗をハンカチで拭っています。6月に入ればエアコンが入るのではないかと思って、あえて長袖を着てきてしまった私も、座っている椅子のあたりがかなり湿ってきたのを感じていたところです。また、そんな駆け引きが始まる季節です。
 練習が終わると、嬉しいプレゼントがありました。この前、私の楽器を借りて写真に撮っていた人が、それを使ったパンフレットの現物を持ってきてくれたのです。こんなんです。

3つに折りたたんである、しゃれたデザインです。

1回広げるとこう。
右端にあるのが、私の楽器です。
ちょっと見づらいので、大きくすると。

確かに私のムラマツです。
下が上ですが。
aventure number : 0779 date : 2006/6/6


今日の禁断 ジョージ

 新聞の死亡記事が気になるようになったのはいつ頃からなのでしょう。私の場合は、特に音楽関係者、昔から好きだったミュージシャンが亡くなったという記事が、年とともに段々増えてきているような気がします。今日の新聞で見つけたのが、ビリー・プレストンの死亡記事でした。ソロアルバムなどもたくさん出している人ですが、何と言ってもあの「ザ・ビートルズ」の最後の時期にサポートメンバーとして参加したことで、一躍有名になりました。というか、今では殆どその「5人目のビートル」としてしか、一般には知られてはいないのではないでしょうか。
 有名な「レット・イット・ビー」では、間奏で聞こえてくるオルガンが彼のプレイですし、同名のアルバムに収録されている「屋上ライブ」では、エレクトリック・ピアノ(フェンダーローズ)を弾いているのが、やはり同名の映画で見ることが出来ました。この映画、DVDが出るとか出ないとか噂が飛び交っていますが、本当のところはどうなのでしょうか。演奏やレコーディングの様子よりは、ジョンにべったり張り付いている小野洋子のうざったさが印象的だったこの映画、おそらくDVDになればカットされた映像なども「特典」で付いてくるでしょうから、ぜひ早く出して欲しいものです。
 ただ、プレストンの映像としては、前にこちらでご紹介した「バングラデシュ・コンサート」で、たっぷり見ることは出来ますね。確かWOWOWでもうすぐ放送されるはずですから、チェックしてみて下さい。ハモンドのB3を弾きながらのソウルフルな歌は、ビートルズとのセッションでは聴けなかったものです。
 そのWOWOWでちょっと前にやっていたのが、2人の「生き残り」のうちの一人、サー・ポール・マッカートニーのスタジオライブです。彼らが実際にかつて使っていたEMIのアビー・ロード第2スタジオを使って、懐かしい機材などを見せながら想い出に浸るのかと思いきや、彼はそんな昔を引きずっているような人ではありませんでした。何しろ、3人目の奥さんとも最近離婚したぐらいですから、新しい物好きというか、古いものは見捨てるというか。ですから、このライブの最後で見せたパフォーマンスは、なかなか見ごたえのあるものでした。それは、ハードディスク・レコーディングを使った多重録音の実演です。まず、ポールが自らドラムを叩いてリズムをキープ、それをブルースコードのループにして次々に楽器を重ねていくということを、そこにいるお客さんの目の前で実際に行っていくのです。最後にボーカルを入れるところで、ちょっとした「お遊び」があったりして、楽しめました。ただ、やっているうちにいつの間にかワンサイクル増えていたのは、どういうわけなのでしょう。これも近々再放送されますから、確認してみて下さいな。
aventure number : 0780 date : 2006/6/8

06/6/9-7/12