0741(06/4/6)-0760(5/9)

今日の禁断 オックス

 ちょっと前まで、「懐メロ」と言えば、「リンゴの歌」とか「青い山脈」といった、それこそ昔懐かしい「歌謡曲」のことを指していました。しかし、つい最近、「フォーク」や「GS」がすでに「懐メロ」になってしまっていることに、はたと気づきました。考えてみれば、これらのジャンルの曲が隆盛を極めたのは1970年代、もはや30年以上も前の音楽になっているのですから、「懐かしむ」対象になってもおかしくはありません。しかし、「懐かしむ」という事は、すでにムーヴメントとしての命は終わっていると宣言されたようなもの、それはちょっと寂しい気がしませんか?
 「フォーク」に関しては、ずいぶん前からテレビで番組が作られていたような気がします。その先駆けは、多分、10年ぐらい前にWOWOWで放送されていたものではなかったでしょうか。坂崎幸之助(「ジ・アルフィー」)となぎら健壱が案内役になって、「フォーク」を現代の目でとらえようという、かなりマニアックなものでした。それを支えていたのが、「フォーク」を心から愛し、どんな曲でもたちどころに完コピの成果を披露できるという坂崎のスキルでしょう。実際、彼のマニアックな探求心と、そのギターのセンスは(歌はイマイチですが)何にも代えがたいものとして、彼をして完璧な「語り部」たらしめていたのです。
 後に、例えばNHKBSなどで放送される特集番組も、基本的な構成はこのWOWOWのものが下敷きになっていたのでしょう。一つの方法論が確立していた分、どんな事をやっても元ネタがすぐ分かってしまうというところが、悲しいものでしたが。ただ、結果として坂崎やなぎらの「フォークは過去のものではない」というテーゼは貫かれる事となり、「懐かしさ」の中にも、確かな現代性も持ち得たのではないでしょうか。ごく最近、そのNHKでやっていた番組の中で、オフコース、赤い鳥、ふきのとうのそれぞれのメンバーがかつての「フォーク」をカバーしていたものなどは、十分に今でも鑑賞に堪えうるもの、決して「懐メロ」などという範疇には入らないエネルギーを持っているもののように私には思えました。
 「GS」の場合は、もっと状況は悲惨です。これもごく最近NHKで特集番組が放送されたばかり、そもそもこのジャンル自体が多くのものは「大人」が仕掛けたアイドル指向のものなのですから、賞味期限が短いのは当然の事です。それを今さら復活させようとしても、それは完璧に「懐メロ」に貶められてしまうのも、また当然の事なのでしょう。この番組、始まる前にはある種の期待感がありました。当時の「匂い」が少しでも感じられるのではないかと。しかし、録画されたものを見始めてしばらく経って、こんな番組を見た事を心底後悔する事になるのです。そこにいたのは、煌びやかなミリタリールックに身を包んだ老人という、もっとも醜いものでした。グループのメンバーも全員が揃う事はなく、「ザ・タイガース」などは加橋かつみ一人だけという悲しさです。「ザ・カーナビーツ」のアイ高野が、意味もなくドラムのスティックを振り回して、50男には全く似つかわしくない幼稚な高音で「お前の、すべって〜!」などと叫んでいるのは、完璧に勘違いの世界でした。こんな事をやるために、お前は今まで生きてきたのか、と。
 次の日の新聞に高野さんの訃報を見つけた時には、本当に驚きました。彼の一生は幸せなものだった、と思いたいものです。「懐メロ」だっていいじゃないですか。ところで、赤松愛って今頃……。
aventure number : 0741 date : 2006/4/6


今日の禁断 バリ

 56万のキリ番は昨日の夕方に出ましたが、今日は末廣さんとの指揮者練習の1日目です。会場が久しぶりの若林文化センター、どのぐらい久しぶりなのか調べてみたら、何と、2年前、2004年の2月11日というのが、ここを使って練習した最後の日だった事が分かりました。岩村さん、ですね。私としては、それ以降も何かの演奏会で来た事がありますし、なによりも最近は半年ごとに「ポスター貼り」でおじゃましていますから、馴染みの場所、新しく、近道として使える道路が出来ていたのも知っていました。もちろん、広報係としては、公式サイトからリンクしている会場の地図も、今回使用するにあたってその新しい道路をきちんと書き加えたニューバージョンに差し替えてありました(知らなかったでしょう?)。今までは三百人町からウルスラ学院のところを曲がって、文化センターまで少し戻る事になる道だったのですが、そのかなり手前、三角公園のところから行ける道を通れば、道路は広いのに車は少ないし、信号もないのでかなり早く着けるはずなのですよ。
 と、私などは少しでも便利なところが見つかれば喜んでそこを通るものなのですが、休憩時間に他の人に聞いてみたら、一度おぼえた道以外は絶対通らない、という人も案外いるという事が分かりました。でも、一度通ってみて下さいよ。あんな面倒な道、とても通る気なんかなくなりますから。
 いずれにしても、今日の練習は最初が降り番のピアノコンチェルトだったので、別に時間は気にせずのんびり出発したのですが、ほんの5分ぐらい開始時間を過ぎたところで着いてしまいました。楽屋口を歩いていくと、ステージで第1楽章が始まった音が聞こえます。そのまま客席に行って、座ってみてみると、他に聞いている人は1人ぐらいしか居ませんでした。という事は、ステージからはかなり目立ってしまう、という事になります。つまり、居眠りなどをしていたら、しっかり見られてしまうと。今日のピアノの代奏の方は、大学院生、余裕で弾いている感じでした。オケの方はこの間よりも大分まとまっている感じがします。このところ多めに時間を取って練習した成果なのでしょうか。などと考えながら聞いていたら、時間は2時過ぎ、毎日、一日の中で最高に眠たくなる時間になってきましたよ。案の定、2楽章になって管楽器の出番がなくなった頃から、猛烈な睡魔が襲ってきました。3楽章の頭の元気の良いテーマが聞こえて来てやっと我に返ったようですから、2楽章の間中寝ていたみたいですね。でも、あとで聞いてみたら誰もそんな事は言っていなかったので、一安心。
 ブルックナーでは、いつもながらの要点を押さえた指摘をされながらの練習です。ほんの一言何かを言われただけで音程は良くなるし、俄然表情は付いてくるし、ほんとに実りのある練習という感じです。とりあえず「この前に言いましたね」みたいなコメントはなかったので、こちらも一安心でしょうか。そして、予定より1時間半も早く終わってしまうのですから、嬉しい反面少し物足りなさも残るという贅沢な気分を味わう事になってしまいました。
 何でも、1週間パリに行ってきた、というコがいて、お土産のチョコレートなどを頂きました。いいですね、ヨーロッパ。「写真も撮ってきたんですヨ」というので見せてもらうと、なんかオリエンタルな衣装を着ています。ん、これはもしかして・・・。
aventure number : 0742 date : 2006/4/8


今日の禁断 サントリー

 指揮者練習2日目は、午前中は弦楽器だけというスケジュールです。最初の予定では弦と管がそれぞれ1時間ずつという事でしたが、なぜか弦だけになってしまったので、管はお昼ご飯を食べてから悠々と練習場へ向かう事になります。というか、普段の休日でしたらスーパーに買い物に行ったりしなければなりませんから、この時間をフルに使ってスーパー巡りです。お目当ては2リットル入りのウーロン茶が3本で500円という特価品、しかし、ウジエスーパーに行ってみると、それは1本しかありません。売れてしまったのでしょうか。これだけが目的で来たようなものですから、これは何としても納得のいく説明が必要です。そこで、サービスカウンターに行って「もうないんですか?」と聞いてみると、そこにいたのはこのお店で、私が一番可愛いと思っているSさん。彼女は、本当に申し訳なさそうに「お昼過ぎには入荷しますので、またいらして下さい」と、伝票を書いてくれましたよ。うん、こんな気持ちの良い対応だったら、もう1度足を運んでも全くOKです。
 午後の部は1時からの予定なので、少し早めに12時半ごろ着いたら、弦の人は誰もいません。外で食事をしているのでしょうか。末廣さんに絞られたので、もう嫌になって帰ってしまったとか。開始予定の1時まであと5分という時になっても、誰も集まっていないというのも、ちょっと変です。やはり、何か、異常事態が発生してのでしょうか。
 しかし、そのうちぼつぼつ現れた人たちに聞いてみると、どうやら開始は1時15分になったのだとか、確かに、1時を過ぎたらみんな集まってきたので、一安心です。特に変な雰囲気はありませんでしたから、弦の分奏もいつも通り和やかに終わったのでしょう。
 確か昨日「全曲通しますよ」と言っていたので、ある程度覚悟はしていたのですが、いきなり第1楽章の頭から始めたので、ちょっとびっくり、このまま最後まで通してしまうのでしょうか。それはあまりにも・・・と思っていたら、1楽章を全部通しただけでひとまず停めて、細かいところを注意し始めたので、少しは安心です。今日も和やかに練習は進んでいきます。時折末廣さんならではの面白い話も出てきて、楽しくなるような時も。今日最もウケたのは、「沢ガニが金ダライの中でザワザワしている様子」という比喩でしょうか。あまり美しくないトレモロを、このように言ったのですが、あまりに的確、というか、突拍子もない喩えだったものだから、みんな大爆笑です。しかし「金ダライ」とは。あと、今回の末廣さんの言葉で目立つのが「似ている」という言い方。「ブルックナーに『似ている』」と言われてしまったら、もう返す言葉がありませんね。何としても「本物」になってやろうと、頑張る気が起こって来るというものです。ただ、「弦楽器が全員揃うのはいつですか?」と言われた時には、一瞬ヒヤッとしたものです。これあたりが、今回の唯一の苦言でしょうか。
 結局、練習はそのまま休憩なしで最後まで楽章ごとに通して軽くチェックというパターンで、時間は終了予定の1時間前、「もっとやりたいですか?」という末廣さんの言葉で、終わりとなりました。
 帰る頃には、午前中に行ったスーパーの事などすっかり忘れていました。家へ帰ってからそれに気が付いて、また渋々出かけます。しかし、さっきのSさんは笑顔でウーロン茶を渡してくれたので、そんな手間も何の気にもなりませんでしたよ。
aventure number : 0743 date : 2006/4/9


今日の禁断 レオナルド

 確か、仙台の桜の開花予想は昨日だったはず、でも、私のまわりでは「開花」という印象が与えられるものはなにもありません。冷たい雨が降り続く中、いつもなら真っ先にピンクのつぼみを見せてくれる青葉神社の下の桜も、寒さに震えているようです。
 夕方になって、練習に向かおうと思ったらまわりがかなり霧っぽくなっています。本物の霧ではありませんから、目の前が見えなくなる程ではないのですが、こうなると、新しい新車のフォグランプを試してみたくなります。今まで乗ってきた車にはフォグランプがついているものはありませんでしたが、これは標準装備、つまり、私にとっては、フォグランプのスイッチを入れるというのは、生まれて初めての経験という事になりますね。これだけ生きてきて、まだ「生まれて初めて」のことが残っていたなんて、ちょっとわくわくしませんか?
 例によって、最近の車の照明関係のスイッチは全部1本のバーにまとまっていますから、一見便利なようで慣れないと不便、つまり、バーの真ん中辺だけを回すという不思議な事をやらなければいけませんから、「使い勝手」という点では全くの欠陥商品です。やはり、フォグランプのスイッチぐらいはダッシュボードに付けておいて欲しいな、と思ってしまいます。結局、車の場合、別な人が運転する事も考えて、敢えて他と違う事をしないで、どこかが新しい事を始めたら、全国、あるいは全世界でそれに追随するというようになっているのでしょうね。常に新しいものに接する事ができる人はいいでしょうが、私のように10年間他の車を知らないで生きてきたものにとっては、これは非常に迷惑な話です。何度も登場しているサイドブレーキも、未だに納得のいかない事ばかり、どうしても、解除する時に「踏み込む」というのに、体が付いていきません。これに慣れた頃に車を買い換えたら、その頃にはまたサイドブレーキが復活してたりして。もっとも、坂道発進に関しては、昔からサイドブレーキは全く使わず、左足でブレーキペダルを踏んでいましたから、何の影響もありませんがね。
 そんな霧雨の中、前半はコンチェルトで降り番と分かっていましたから、その時間に読もうと思っていた本を買うために、桜ヶ丘まで寄り道です。読みたかった本がハードカバーから文庫本になったので、読んでみようと思ったもの、もっとも、上下2巻だったものが、3巻になっていましたから、そんなに安くはないのかも知れませんが、持ち運びだけは便利になったと。昨日上巻だけ試しに買ってみたら、案の定続きが読みたくなってしまって、残りを買ったというわけです。
 今週は最後の自主練習、末廣さんに言われた事を思い出して、最後の確認です。しかし、正直言って、弦がこれほどまでにきちんと出来るようになるとは、思っていませんでした。最初の頃の練習を聞いていれば、今日の合奏の音など、殆ど奇跡です。何しろ、ユニゾンがきちんとユニゾンに聞こえるのですからね。あとは、本番前に人数が増えてどうなるか、楽しみです。
aventure number : 0744 date : 2006/4/11


今日の禁断 角川文庫

 前回振っておいた全3巻の文庫本、読み終わりました。あまりにもベタで恥ずかしいのですが、その本は「ダ・ヴィンチ・コード」、ほんと、こんな、どこの本屋さんに行っても一番目立つところにディスプレイされている本を読むなんて、私の信条には反するのですが、ハードカバーが出た時から、そのいかにも知的な「謎」に満ちているような騒がれ方には興味があったものですから。それと、近々映画化されたものが公開されるというのも、読んでみようと思ったきっかけです。
 ダン・ブラウンの筆致は、まるで映画のような場面転換の小気味よさを持ったものでした。それは、カット割りまで想像できるような、殆どそのまま映画の台本になってしまえる程のスピード感を持っています。最初の様々な無関係に見えるシーンが現れるところなどは、まさにハリウッド映画の常套手段、そして、その手法は物語の最後まで続く事になるのです。正直、この小説のテイストは、私が期待していたものとは全く異なるものでした。知的な謎解きは随所に登場するのですが、それは私が想像していたのとは全然違う次元での謎解きでした。つまり、「ダ・ヴィンチ・コード」というタイトルから想像される、ダ・ヴィンチ自身が作品の中に仕組んだ謎を解明する(それは、別の扱いで登場はしますが)、というのではなく、そこにあるのはあくまで登場人物が新たに仕組んだ「謎」であり、ダ・ヴィンチというのは単なる彩りに過ぎないものだったのです。その「謎」にしても、「ミステリー」ほどの知的なものではなく、殆ど「パズル」の域を出ない幼稚な仕掛け、しかも、その「解答」にしても、言われなければ分からないというひとりよがりの世界、それを、いかにもその人でなければ解けないような顔をして解明していく姿は、まさにハリウッドのご都合主義そのものではありませんか。
 恐らく、読んでいる人たちは、そんなわざとらしい謎解きよりは、登場人物達の、まさに火花を散らすような逃亡劇に興奮をおぼえるのではないでしょうか。もちろん、そのあまりにもできすぎたお膳立ての周到さには、辟易するとしても、これが映画になった時のアクションシーンを思い浮かべながら読み進むときのドキドキ感には、なかなかのものがありました。
 そして、最後近くで登場するどんでん返し、それで終わりだと思っていたらそのあとにはもっとすごいどんでん返し、さすがにこれにはびっくりしてしまいました。というより、これは、まさに今のハリウッドのプロットそのものではないですか。今のアメリカ映画の脚本家達は、いかにして見ているもの欺くかという点に、最も執心しているように思われます。それは次第に手の込んだものになってきて、最近ではただどんでん返しを見せたいためだけにストーリーを組み立てるという、本末転倒のような状況に陥ってはいませんか? そして、それはこのような文学(というのはちょっとためらわれますが)の世界にも蔓延しつつある、という事なのでしょうか。この場合、確かにインパクトはすごいものがありました。しかし、そこまでして、という思いは残ります。こんな持って回った言い方、映画と同じで「ネタバレ」にならないように配慮した結果ですのであしからず。これをバラされては、この本の最大の価値(それ以外にはないのか、と言われそう)がなくなってしまいますから。
 後半、舞台がロンドンに移った時に、テンプル教会などという懐かしい場所が出てきたのには嬉しくなりました。別に、そこに行った事があるというわけではないのですが、ちょっと前にこの場所で行われたジョン・タヴナーの「テンプルのヴェール」という長大な曲のライブ録音を聴いたばかり、その時はこの教会については何も知らなかったのですが、これを読んで「へぇ〜」となったという。実際、映画ではこの曲が挿入されるという噂ですし。
 主演のトム・ハンクスとジャン・レノが来日するなど、映画の方も公開が近づいて盛り上がっています。ただ、警部役のジャン・レノが、会見で「信じていたものに裏切られた」と言っていたのが気になります。原作のベズ・ファーシュはそんな柔な設定ではありません。となると、映画ではさらなる驚きが期待できるというのでしょうか。
aventure number : 0745 date : 2006/4/13


今日の禁断 パルジファル

 昨日の「ダ・ヴィンチ・コード」は、言ってみれば「聖杯」を探し出す物語でした。それは、もはやモンサルヴァート城でアンフォルタス王によって守られているのではなく、そもそも「杯」自体が実体のあるものではないとする最新の「へぇ〜」がくっついて来るという、なかなか楽しめるお話ではありました。そんな様々な蘊蓄を散りばめつつ、登場人物はアナグラムやクロスワードに全ての叡智を傾けて、「聖杯」のありかを知ろうと奮闘するのです。パリからロンドンへ向かった一行は、そこからはるばるスコットランドまで足を運びますが、目的のものは実はそんなところにはなかったというのが、オチです。こうなると、メーテルランクの「青い鳥」ですね。
 私がそんな本の胡散臭さに気づき始めた頃、私のまわりではいとも不思議な事が起こっていました。昼休み、職場で少し練習をしようと鞄を開けたところ(それは、その前の日には開けられることなく放置されていました)そこにあるべきものが入ってはいなかったのです。その鞄はかなり大きなもので、幾つものファスナーによって開く事の出来る多くのポケットから成っています。その内の一つ、いつでも楽譜を入れておくために使っているポケットを開けたところ、どんな時でも間違いなくそこに入っているはずのパート譜のファイルが、全く見当たらなかったのです。私は冷静に、ほかのポケットを点検しました。ダブルケースに収められたムラマツDNと、リッププレートに手が加えられたヤマハのピッコロは、いつもの場所にジャン・カヴァレロに包まれて横たわっていました。しかし、いくら探してみても、パート譜のファイルと、そして、ノヴァーク版のリプリントである音楽之友社のブルックナーのポケットスコアだけは、忽然と姿を消していました。まるで、何者かに持ち去られたかのように。
 その時、あたかも神の啓示のごとく、私の頭の中には次のような脈絡のない7つの数字が浮かびあがりました。

 2 7 1 4 7 2 9

 これはまさしく「フィボナッチ数列」・・・なわけはありませんね。しかし、私の叡智は、これが電話番号に極めて近い形を取っている事を見逃しませんでした。心が命ずるままにテンキーを押し、受話器からの反応を待ちます。
「はい、旭ヶ丘市民センターです」
「あ、恐れ入ります。仙台ニューフィルの団員なのですが・・・・」
「はい、はい。お忘れ物ですね? 届いてますよ」
「ファイルとポケットスコアなんですが・・・」
「ええ、確かにお預かりしています」

 ロバート・ラングドンは、目的のものにたどり着くまで1週間以上かかりましたが、私が探し求めていたものは、それからほんの10数分後には、私の手元にありました。こんな風にゴムバンドで束ねられて。
aventure number : 0746 date : 2006/4/14


今日の禁断 ティーバック

 週末は「ミュージカル」三昧の生活を送りました。と言っても、五反田まで出かけていって「キャッツ」を見たなどという贅沢なことではありません。テレビと映画で、ですよ。
 テレビで、と言うか、例によって録画しておいたDVDで見たのが、ドイツで作られたミュージカル。なんか、「ドイツ」と「ミュージカル」というのがミスマッチですよね。これは、2000年に作られたバイエルンのルートヴィヒ二世が主人公のミュージカル、あのノイシュヴァンシュタイン城のすぐそばに専用の劇場を含む、一種のテーマパーク(つまり、ルートヴィヒ二世ワールド)を作って、そこで上演されるために作られたものなのだそうです。これのメイキングも一緒になったその番組では、一人の演出家が脚本を書いて、それを作り上げ、上演を迎えるまでのドキュメンタリーと、その「世界初演」の模様のハイライトが放送されていました。曲を作ったのがフランツ・フンメルという現代の作曲家(確かピアノ協奏曲のCDが出ていますね)なのですが、何ともロマンティックなその音楽にはちょっとひいてしまいます。聴いた感じはまさにレハールあたりの「オペレッタ」、そう、「ミュージカル」というのはまさに現代に於けるオペレッタなのですから、それは言ってみれば当たり前の事なのかも知れませんが、あまりにも古色蒼然とした佇まいには、抵抗を感じてしまいます。その中で、効果をねらっての事でしょうが、「ポルカ」風の音楽がたびたび登場します。それがいかにもヘタ。悲しくなる程お粗末な伴奏と、踊り、とてもショービジネスとは言えない、単なる観光客向けのアトラクションとしか思えなかったのが残念でした。
 利府の映画館で観たものは、そんな「ドイツのミュージカル」をとことんおもしろおかしく料理した、こちらは一級品のミュージカル映画です。ハリウッドとブロードウェイの才能の手にかかると、ここまで楽しく心から笑えるものが作れるだと言う見本のようなものです。「プロデューサーズ」というその映画、その成立にはなかなか複雑な経緯があったようです。元々は普通のセリフだけの映画だったものを、その脚本も書いていた監督のメル・ブルックス自身が曲を作って、ブロードウェイの舞台で上演するミュージカルに仕立ててしまいました。それを、舞台では演出と振り付けを担当した人が監督をしてミュージカル映画にした、というものなのです。その中で、劇中劇として登場するのが、ヒットラーをネタにしたかなりアブないミュージカル、そこでの「ドイツ」をコケにするやり方が途方もなく痛快で思い切り笑えました。ソーセージを頭に乗せたハイレグとかね。
 ミュージカル・ナンバーが全てブルックスの作った物だというのも、驚きでした。確か彼は「プロの」作曲家ではなかったはず、しかし、それらの曲は実にキャッチーで、良くできたものばかりです。2つの曲を同時に進行させるという、かなり高度なものもありましたし。この映画、エンドロールが終わってもまだ出演者の紹介などが続いているのですが、その最後の最後でブルックス自身が登場したのには度肝を抜かれてしまいました。
 「ルートヴィヒ」の方は、とても信じられない事ですが、3年程ロングランを続けたそうですね。しかし、さすがにそれ以上は無理だったらしく、今では脚本も曲も全く別の、それこそディズニーあたりのスタッフによってリニューアルされた別バージョンが上演されているそうです。
aventure number : 0747 date : 2006/4/16


今日の禁断 抹茶クーヘン

 定期演奏会は今度の日曜日、というわけで今日の練習はソリストのナミロフスキーさんを初めてお迎えして、青年文化のコンサートホールで行われます。先週の練習の時に、「楽器は人力で運びます」というようなことを言っていたので、ちょうど運び終わった頃に着けばいいかな、ぐらいの感じで出かけようと思っていました。いつものペースで、6時少し過ぎにホールの入り口に着いたところ、ちょうどそこに打楽器の人がティンパニを運んできたところでした。「人手がないので、1台路上に置いてきました」などと叫んでいるので外を見てみたら、確かに置き去りにされたティンパニが見えます。仕方がないので、それを中に入れるのを手伝って、そのままホールの中からステージの上まで、持って行ってしまいましたよ。実は、終わってからの後かたづけは出来ない予定だったので、これで埋め合わせになるでしょう。
 椅子を並べ終わった頃、ナミロフスキーさんが、コンクールの関係者でしょうか、3人ぐらいのスタッフに伴われて入ってきました。写真だけでしか見たことがなかったのですが、実物はかなりの大男、なかなかのイケメンです。ピアノに座って指ならしをしている間も、あちこちを眺め回してちょっとお茶目な印象を与えていました。そのうち末廣さんもやってきて、握手したり、英語で挨拶をしたり、いかにも「国際的」という雰囲気が漂いますね。
 写真を撮ろうと思ったので、コンチェルトが始まっても空いた席に座っていました。あいにく、そこからでは前の人が邪魔になってうまく撮れません。立ち上がってカメラを構えるのは、いかにも邪魔になりそうな雰囲気だったので、1楽章の間は何もしないで座っていました。ナミロフスキーさんは、出だしのソロからとても柔らかな音色で弾いていました。すごかったのはカデンツァ、繊細でいながらダイナミック、あとからあとからどんどんファンタジーが湧いてくるといった感じでした。
 そのまま続けて2楽章になったので、そっと立ち上がって客席に行きます。このどうしようもないホールでも、ナミロフスキーさんのピアノはとても粒立ちがよく聞こえてきます。そして、3楽章。あのテーマを、まさに羽が生えたような軽やかなものにしてくれていました。
 全曲終わったところで、末廣さんとなにやらディスカッションです。
 そのあと、部分的に「流れ」を確認しているのでしょうか、もう1度合わせてみると、さっきとはまったく違った一体感のようなものが出てくるのですから、すごいものです。
 考えてみれば、ニューフィルが外国の方と共演するのはこれが初めてのことだったのですね。「記念すべき」夜だったわけです。
 練習が終わって、片づけもしないでロビーに飛び出し、待っていた今休団中の人も交えてのパート会議です。つまり、今度の定期のパートを決めるというだけのことなのですが、いつの間にかまわりを珍しそうに寄ってきた人たちに囲まれて、やりにくいったら。この次からは、邪魔をされないところを考えましょう。
 あ、一つニュースです。今度の二次会の会場は「び」というお店なんですって。
aventure number : 0748 date : 2006/4/18


今日の禁断 バルタン星人

 春の嵐、とでもいうのでしょうか、お昼過ぎに最近になかったような大雨が降り出しました。しかし、そんな雨に構っているわけにはいきません。今日は「レコ芸」の発売日、夕方は本屋さんに寄っている時間がないので、今のうちに行ってこなければならないのです。まさにバケツをひっくり返したような大雨の中、桜ヶ丘の本屋さんへ向かいます。ワイパーも全開、一番早いモードでなければ間に合いません、これも「初体験」ですよね。途中で道路工事中のところがあるのですが、排水に問題があるのか、泥水がまるで海のように道路を覆っていました。殆ど「床下浸水」ぐらいの勢いで、水がどんどん溢れて怖いぐらいです。
 本屋について音楽雑誌のコーナーに行ってみると、目指す「レコ芸」がどこにも見当たりません。「音友」はあるというのに。こんな大雨ですから、配送が遅れているのでしょうか。何回も何回も見直しても、そのあたりにはないのだ、と結論を出して立ち去ろうとすると、いかにも目立たない風に平積みになっている「それ」が、やっと目に入りました。見つかってしまうと、確かにそれは「レコ芸」なのですが、その、あまりの「擬態」の見事さに、全く気づきませんでしたよ。何という地味な表紙。というか今月号のデザインが、先月のものとよく似ていたので気が付かなかったのでは、という気がします。並べてみると・・・
 ねっ。殆ど区別が付かないでしょう?
 「おやぢ」で取り上げたアイテムが「先生」達にはどんな評価を受けているのかが、例によっての最初のチェック項目。たとえば大木正夫などは、一人の「先生」は「推薦」にしているのに、もう一人の「先生」は殆ど無視に等しいコメント、などというのが面白いところです。同じものはわたしも聴いているのですから、そのあたりから「先生」方の好みや感性がはっきり分かってしまう、という、密かな楽しみです。
 ところで、ブログ版の「おや2」が、きのうの夜に2万カウントを達成しました。
 1万になったのが、確か去年の11月5日、それまでに8ヶ月かかったと、当時のバックナンバーでは述べています。ですから、それからの1万は5ヶ月半で達成、確実にアクセスが増えているのが分かりますね。しかも、このレポートを見てみると「101」などというすごい数字がでているのがお分かりでしょう。もちろん、これは史上最高、恐らく偶然が重なった瞬間的なものなのでしょうから、これをもって有頂天になるのはちょっと早計ですが、実際にこういう数字があった、というのはすごいことです。これとは別に、サイトの方でも毎日100前後のアクセスがあるのですから、合計すれば1日200アクセス、このコーナーはずいぶん成長したものです。
 これは、言ってみれば、毎回考えている「おやぢギャグ」が200人に支持されている、ということになるのでしょうか。「ゾルタン星人」なんて、自分では傑作だと思っているのですが。
aventure number : 0749 date : 2006/4/20


今日の禁断 オペラシティ

 仙台の桜は今が見頃、ちょうど、様々な色合いの桜が一緒に咲いていて、見事な眺めを楽しませてくれています。満開のソメイヨシノは白い色、咲き始めのしだれ桜は濃いピンク色といった具合。その色の混ざり具合が毎日毎日変わるのを見ているのも、楽しいものです。ところで、そんな風に、桜の花の色は咲き始めから散るまでに色を変えるということを、知っていましたか?
 今日は、先月東京で行われた合唱のコンサートの「反省会」というのが予定されていました。あの時のビデオを見たりして、あの感動を反芻しようという催しです。しかし、私は同じ時間に明日の本番に備えての練習が愛子でありますから、出席は出来ません。泣く泣く、練習の前に愚妻だけを、会場の国際センターに送ります。川内にあるその会場に送り届けたあと大橋を渡って左折、さらに左折して西道路へ入るというのが、考えていたルートです。しかし、なぜか大橋方面がものすごい渋滞です。その訳は、西公園に近づいて分かりました。このお天気の良い休日は、絶好のお花見日和、その、市内有数のお花見のスポットは、人がごった返していました。つまり、公園に行こうとする人が横断歩道を渡るために、左折する車は殆ど進むことが出来なくなっていたのです。
 でも、そこさえすぎればあとはガラガラの道、愛子には難なく開始前に着くことが出来ましたよ。そこで、今度は余計な残響のないホールで、ナミロフスキーさんの繊細なピアノを存分に味わうことが出来ました。なぜこんなに柔らかく繊細な音色なのかは、座っているところから足元を見ていたら分かりました。彼は、左足のペダルを頻繁に使って、音色の変化にはとても気を使っているように見えたのです。コンチェルトというと力まかせにガンガン弾きまくるという印象が強いのですが、ここまで神経を使って音色を変えているのには、ちょっと驚いてしまいました。多分、これは、明日の県民会館でも、満員の聴衆を魅了することでしょう。
 1時間半の予定を取っていたコンチェルトですが、45分ぐらいで終わってしまいました。でも、次のシンフォニーの開始時間はすでにみんなに連絡してありますから、いまさら早めるわけにはいきません。もし、練習が早く終わったらさっきの反省会のあとの飲み会ぐらいには間に合うかも知れないという望みもなくなり、1時間以上の休みをブラブラ過ごすことになってしまいました。
 結局、ブルックナーも早めには終わったのですが、そのあと集金とか、そして、木管の音程の悪いところの自主練習などがあって、会場を出たのは7時近くでした。しかし、それからも、私にはまだ仕事が残っています。すでに会場は取れていたのに練習予定が決まっていなかった演奏会後の日程が、ようやく技術委員会で承認されたので、それを休み前に、つまり明日にはみんなに渡さなければならないので、それを印刷するために、プリンターがある職場まで行かなければならなかったのですよ。
 首尾良く日程表も刷り上がり、駅前に着いたのが8時、確かそろそろお開きの時間のはず、と思いながら、「蔵の庄」へ行ってみると、懐かしい面々が盛り上がっていましたよ。東京からも事務局長が来ていて、CDのマスタリングを、JVCのマスタリングセンターでやってきた話などをしてくれました。私にも声をかけようと思っていたとか、うん、今度はぜひ、立ち会ってみたいものです。明日が本番でなければ、そのあとの二次会にも付き合ったのですが、後ろ髪を引かれる思いで帰宅、この「禁断」を書いているというわけです。なんともヴァラエティに富んだ1日でした。
aventure number : 0750 date : 2006/4/22


今日の禁断

 今回の定期演奏会は、会場の都合で日曜日のマチネになってしまいました。ですから、いつもの土曜の夜とは、かなり勝手が違うことばかりです。まず、朝はいつもより早く起きて準備をしなければなりません。それでも、当初の予定よりは遅い出発になってしまいました。その上に、なぜか、勘違いをしてしまって、地下鉄の降り場を間違えてしまい、重たい荷物を抱えてかなり長い道のりを歩くことになってしまったものですから、県民会館に着いた時にはもう山台組みは終わっていました。しかし、譜面台の組み立てなどの仕事はまだ残っていたので、かろうじてセーフ、でしょうか。
 ゲネプロの最初は降り番のコンチェルトですが、それを知っている人が私にデジカメを預けて「撮って下さい」とお願いされてしまいましたよ。しかも2人に。リクエストがなかなか厳しくて、ソリストと指揮者と、自分たちが入っているアングルが欲しいというのです。そこで、かなり度胸を決めて、演奏中のステージの上を歩き回って、ポイントを探し、そこで、私のも含めて3台のデジカメで撮影です。3台ともメーカーが違うので、微妙に操作方法が違っていても、機械に詳しい私にはそんなことは何の苦にもなりません。おかげで、おとなしく客席で撮っていたのではゲット出来なかったような貴重な写真を撮ることが出来ました。これはいずれサイトの方に。
 コンチェルトはカデンツァをカットして全曲通しで終わってしまいました。そして、シンフォニーです。大方の予想では「通しはしないだろう」ということだったですし、冒頭に末廣さんが「通したいですか?」と、否定的な質問をしたので、よもや、と思ったのですが、結局全曲を通してしまいましたよ。金管の人には辛かったかも知れませんね。
 そこで、お昼ご飯です。これもいつもとは違うスケジュールですから、食べ終わったあとかなり時間が出来てしまったので、ちょっと街まで買い物に出かける程の余裕もありました。考えることは同じと見えて、帰り道にはニューフィルのメンバー2人に出会ってしまいましたよ。途中で広瀬通を渡る時に、ちょっとすごいものを見ることが出来ました。交差点の前に大きなバスが止まっていて、そこからいきなりノーブラ、Tバックの若い女の子が10名ほど降りてきて、交差点の前に立ちはだかり、信号待ちの人の前でなにやらプラカードのようなものを振り回したと思ったら、目にもとまらぬ勢いで、そのままバスの中に戻ってしまったのです。あれは一体何だったのでしょうか(妄想も少し入っています)。
 本番のコンチェルトは、この前ロンドン交響楽団を聴いたのと同じ席で聴いてみました。あの時ののっぺらぼうなピアニストに比べて、ナミロフスキーさんは何と表情豊かなことでしょう。こんな、全てのフレーズが心の中にどんどんしみこんでくるような体験は、あの時は決して味わえないものでした。正直、この演奏を客席で聴けただけで、今日は満足した程です。
 ブルックナーの方は、やはり大変なエネルギーを必要とするものだというのは、本番になって分かりました。やはり、このあまり馴染みが有るとは思えない曲を前にして、お客さんはとまどっているような感じが伝わってきます。楽章の途中で帰ってしまう人がいたのが、ちょっと残念でした。果たして、どんな受け取られ方をしたのか、ぜひ知りたいものです。
 打ち上げの席で、末廣さんは「この曲を演奏したのはこれが初めて」などと、驚くことを告白されていました。指揮者に初めての体験をさせるということを、私達の熱意は可能にしてしまっていたのですね。それよりも、いつになくベタ褒めの末廣さんの姿が、印象的でした。確実に何かが変わったのでしょうね。
 末廣さんも、そして、ナミロフスキーさんも、二次会までしっかり付き合って下さいました。ナミロフスキーさんは、もっぱらフレッシュなレディーズがお相手、かなり盛り上がっていましたね。この二次会の会場は、8時から始めてなんと12時までフリードリンクが続くという太っ腹なところです。地下鉄の最終に間に合うように帰っても、たっぷり楽しむことが出来ました。コース料理で出てきた鶏の唐揚げが絶品でしたよ。
 そうそう、途中でしできさんが現れて、ついさっき終わったばかりの演奏会のDVDを3枚届けてくれました。何よりのプレゼントです。
aventure number : 0751 date : 2006/4/23


今日の禁断 墓地

 定期演奏会、お疲れ様でした。身近の人の感想を聞いたところ、「眠くなった」というものから、「最後まで緊張して聴いていた」というものまでさまざまでした。私は、きのう早々と手に入れたDVD(あとの2枚はさっちゃんと響パパに渡しました。メールが届かないみたいなので、公私混同でこちらから)を見終わったところです。パソコンからヘッドフォンで聴いていると、フォルテのあとにちょっとしたノイズが乗っているのが気になりましたが、スピーカーで聴く分には問題にはならないでしょう。それよりも、そこから聞こえてきたブルックナーが、信じられない程「ブルックナー」してたものですから、そんなことは全く気になりませんでしたよ。練習の時にさんざん言われていた「ブルックナーに似たもの」などではけっしてない、どこに出しても恥ずかしくないブルックナーが私達の手で生み出されていたという実感が、確かに感じられました。もちろん、金管がでかすぎるとか、細かいミスを数え上げればきりがありませんが、そこはいい意味でのアマチュアの特権として許してもらえる範囲内のものでしょうし。
 画面はいつもの通り、1階席の後ろから1台のカメラで撮ったものです。そこで、当然のことですが指揮者の陰になって見えなくなってしまう人が出てしまいます。その最大の被害者が、1番クラリネット。完璧に末廣さんに重なって、吹いている人は殆ど見えません。見てからがっかりしないで下さいね。この前の時は1番オーボエがそんな風になっていましたね。弦の人でも、運が悪いと並んでいる人に隠れて顔が見えなくなっている人がいますから、これもがっかりしないように。Yさん。
 とりあえず、いつものことですが、公式サイトに演奏会のページをアップしました。昨日書いた3台のカメラを使って撮った写真も載ってます。残念だったのは、肝心のナミロフスキーさんがスピーチをしている瞬間が撮れなかったことです。打ち上げの時には、挨拶した人は全員撮っていました。「しばしご歓談」ということで油断をしていたらいきなり彼が英語で喋り始め、それを通訳の人が訳していました。慌ててカメラを構えたのですが、彼の話はそれっきり、もう一言ぐらい喋ってくれることを期待したのですが、結局マイクの前の彼の姿を撮ることは出来ませんでした。これは、きのうのDVDにはさすがに入っていなかった「お楽しみ映像」の方に期待することにしましょう。うまくすれば、そこからキャプチャーしてアップできるかも知れませんし。
 ところで、これは今日になってやっと咲き始めた奥手のしだれ桜の写真です。この前「桜は色が変わる」と書いたのを、実際に確かめてみようと、しばらく定点観測してみようと思っています。
aventure number : 0752 date : 2006/4/24


今日の禁断 ぼくんち

 「ダ・ヴィンチ・コード」のあとに読み始めたのが、清水義範の「はじめてわかる国語」です。この人の作品は大好きで、文庫本になったものは全て読破しています(という言い方は変)。これは、「理科」、「社会」、「算数」と続いて連載された(という言い方も変)シリーズの最新刊の文庫本、いつもながらのお気楽に見えて深い含蓄が含まれている(という言い方だって変)いかにも彼らしい仕上がりです。もう一つの楽しみが、西原理恵子の、全く内容に関係のないマイペースの挿絵、というか、マンガです。「理科」のころは可愛い女の子の姿をしていたサイバラが、なぜか「おばちゃん」の格好になってしまっているのは、時代の流れなのでしょうか。
 「国語」を扱うのであれば、これはもう清水義範の最も得意とする分野です。今までの学科で時折見られた付け焼き刃のような印象は全く感じられない(という言い方なども変)、確信に満ちた信念(という言い方はいよいよ変)があふれています。その中で、最近私がおぼろげに感じていたことを鮮やかに言い当ててくれて、スッキリと溜飲をおろした(という言い方は絶対変)ものがあります。それは、パソコンの漢字変換をそのまま鵜呑みにして(という言い方はちょっと変)使う、ということです。例えば「きのう」などは、これを読むまでは「昨日」という漢字を、何のためらいもなく使っていました。というか、確かに違和感を感じる(という言い方は断然変)ところはあったのですが、せっかく変換してくれたのだからそのまま使ってしまおう、と、殆ど無意識に使っていたというのが正解でしょうか。でも「昨日」には「さくじつ」という読み方もあるのですから、よく考えれば、これほど私の文体(という程大げさなものではありませんが)にそぐわない言い方も有りません。私が文章を書く時に「さくじつ」というような時代小説みたいな言い方は絶対しないことは私は分かりますから「昨日」は「きのう」以外には読めないのですが、他の人にはそんなことなんか分かりっこありませんから、「さくじつ」と読む人だっているはずですよね。そうなってくると、その時点で私が文章に込めた思いは間違って伝わってしまったことになります。ですから、清水さんの「ワープロの漢字変換にはあまり頼らない方がよい」という主張には、無条件で同意してしまうのです。ですから、もしこれから「昨日」と書いてあるのを見つけたら、その場で即座に(という言い方は少し変)注意して下さいね。もう一つ、「ひどい」を「酷い」と書くのも、他の人がそう書いているので無意識に何も考えないで(しつこいようですが、これも変)使っていましたが、私には「酷い」などという漢字を使う習慣はなかったことに気づかされました。この言い方、何だか「醜い」ものに見えてしまいます。というか、こんな字を使い続けていると、自分が軽蔑されそうな気がします。
 そんな、まちがいが横行しているのは書籍に限りません。ブラームスの楽譜だってまちがいだらけだということで、それらをきちんと本来の形に直した「原典版」を、今回使うということが、新田さんから知らされました。そこで、早速楽譜を取り寄せ、今の楽譜と違っている部分をまとめたページをこちらに作ってしまいました。とりあえず、ここだけはチェックしておきましょう。

今日の桜
aventure number : 0753 date : 2006/4/26


今日の禁断 オリンパス

 健康診断のような感じで、定期的に胃カメラの検査をしています。ずっと毎年やっていたのですが、この前行った時に「2年に1回でいいですよ」と言われたもので、今回は2年ぶりの検査となりました。長いようで短いようで、実は長いのがこの「2年」というやつ、実は、半年程前にそろそろ2年経っただろうと思って病院に聞いてみたら、もう半年先だと言われて、ちょっとがっかり、というか、テンションが下がってしまったものでした。これを受けるのは結構覚悟がいるものですから、渋々決心していざ申し込もうとしたら「あと半年」ですから、がっかりしたのもお分かりでしょう?
 そして、待ちに待った(?)検査の日がやってきたのは、3月の末のことでした。しかし、この頃は体調が最悪、その月の初めにあった合唱の演奏会での疲れと緊張感が一斉に解放されたせいでしょうか、喉を中心とした風邪をひいてしまい、一向に治る気配がなかったのです。胃カメラを飲む場合、喉の調子はかなり重要なファクターになってきます。出来れば何の問題もない絶好調の時に受けたいものですから、しばらく待ってみることにしました。しかし、そのあとにはニューフィルの定期ですから、それも終わらないとなかなかその気にはなれません。結局、1ヶ月遅れの今日になって、やっと受けることが出来たというわけなのですよ。
 いつも行っている病院は私にしては勝手知ったるところですから、別に今さら緊張することもなくなりましたが、しばらく行ってないとスタッフが大分変わっています。看護婦さん(死語)も、全然見たこともない若い人がいっぱいいましたね。そのうちの一人が、胃カメラの前処理とかアシスタントを務めます。型通り、注意事項などを言ったり、喉の麻酔薬などを用意してくれます。私は何度も受けていて、すっかり手順は分かっているのですが、ここはおとなしく指示に従いましょう。ただ、今回は麻酔をかけている(つまり、水飴のような薬を喉の奥に入れてアホみたいに上を向いているのですが)時間を計るのに、ちゃんとタイマーをセットしてくれて、「あと何分ですからね」などと言ってくれます。実は、私にとって、実際に胃カメラを入れるのよりはこの麻酔をかけるプロセスが一番神経を使います。一度、うまく麻酔がかからなくて、検査の間じゅう喉をファイバースコープでこすられる痛さがもろに感じられてしまい、ひどい思いをしたことがありましたから、何としても長い時間喉の奥に溜めておくように、全神経を集中しなければならないのです。ですから、その時間の長いこと。「あと3分半ですよ」と言われて、優に1分以上経ったと思った頃、「あと3分です」などと言われてしまって、それだけでかなり落ち込んでしまいましたよ。
 しかし、それがうまくいきさえすれば、あとは何の心配もありません。もうカレ(先生)のなすがまま、身をまかせているだけで、その行為(検査)はあっという間に終わってしまいます。さっきの看護婦さんは、しきりに「力を抜いて下さいね」とか「もうすぐ終わりますよ」とか、さも心配している風に声をかけてくれますが、そんな気遣いは私にとっては全く無用です。
 彼女は全ての行為が終わった時、私に向かって真剣なまなざしで「なんてお上手なんでしょう」と、悦びの声を漏らしてましたっけ。

今日の桜
aventure number : 0754 date : 2006/4/28


今日の禁断 風花

 最近、FMでさるアーティストのコンサートのインフォメーションがひっきりなしに流れています。そのポスターはこの間演奏会をやったホールのロビーにも貼ってあったので、そのコンサートのことは知っていました。かつて「安全地帯」というバンドで多くのヒットを放ったあとソロとなったその人は「玉置浩二」、私は、この人の名前を「たまきこうじ」だとばっかり思っていました。しかし、その民放FMの局アナ、イシガキさんは「たまきひろし」と発音していたのです。えっ、もしかしたら、私の知らない間に改名をしたのでしょうか。「藤岡弘、」みたいに、ほんの少し今までの芸名を変えるというのはゲンをかつぐ芸能界ではよくあることですから、玉置浩二も「ひろし」に変えたのかも知れません。しかし、念のため彼の公式サイトに行ってみたら、というか、行く前にURLを見たらすでに「tamakikoji.jp」でしたから、私の記憶にはまちがいはなかったのです。間違っていたのはイシガキさんの方。生のMCではなく、録音したものですから、誰も気づかないまま「たまきひろし」のコンサートの宣伝を繰り返しやっていたことになります。しかし、ちょっと待って下さい。これはもしかしたら「玉置宏」の読み違いなのかも知れませんね。イシガキさんぐらいの年齢でしたら、これが「たまおきひろし」という芸人だなんて、絶対知らないでしょうから。そうか、ついにあの玉置(たまおき)さんが、仙台でもコンサートを開くのですか・・・なわけは・・・。
 イシガキさんがどんな処遇を受けるのか気にはなりますが、世の中は大型連休の前半でした。今年のゴールデン・ウィークは、映画に関しては私にとってはいつになく不作、ぜひ見たいと思えるものなど1本もありません。もう少ししたら、例の「ハレンチ・コード(永井豪原作)」、ではなく「ダ・ヴィンチ・コード」が始まりますから、それなりに楽しみなのですが、それはまだ先の話、とりあえず前に見た「プロデューサーズ」をもう1度見ることにしましょう。ただ、もう1日2回のローテーションになっているので、利府は初回が5時、これではあまりに遅すぎるので、3時からのがある長町に行くことにしました。こっちの方面に行くのであれば、しばらく行ってなかった柳生の花屋さんの中にあるレストランに行くことが出来ますから、まずはそちらへ向かいます。ほんとにしばらくぶりなので、道も思い出しながらです。確か「ダイシン」の前を曲がったはず。「なくなっていたらどうしよう」などと冗談めかして言っていても、そのホームセンターはちゃんと営業していたので、一安心です。そこから少し入ったところが目指す花屋さん、オレンジの屋根瓦が目に入りました。しかし、そこの前まで行ってみると、何か様子が違います。何と、その花屋さんがすっかりなくなっていたのです。変な冗談が本当になってしまいましたよ。敷地一帯に花の苗が置いてあったものが、きれいさっぱりなくなっていたのです。ただ、レストランだけはまだやっているようでした。しかし、名前が別のものに変わっています。入り口に置いてあるメニューを見ても、その中身はかなり変わっているようです。せっかくここまで来たのですから、入って食べてはみましたが、それは、以前感激した料理とは全くの別物でした。なまじ椅子やテーブルといった外見が昔のままなので、その違いはなおさら際立って感じられてしまいます。世の流れとは、悲しいものです。

今日の桜
aventure number : 0755 date : 2006/4/30


今日の禁断 英国音楽

 明日からはゴールデン・ウィークの後半、「5連休」が始まりますね。あなたはヨーロッパでしょうか。沖縄でしょうか。私は、明日からスタートする「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の様子でも味わってみましょうか。なんて、去年思い切り話題をさらった音楽祭、というか、仙台で言えば「定禅寺ジャズフェスティバル」のクラシック版といった「お祭り」に、足を運んでみたいのはやまやまですが、それはなかなか。そこで、ほんの雰囲気でも楽しみたいということでネットでの現地レポートに期待することになります。この音楽祭の公式サイトに、「明日の朝からそのレポートをアップするので覗いてみて下さい」というコメントが、そのレポートの発信人、山尾さんから私のブログに届きました。これは、この音楽祭とのタイアップで発売されたCDボックスのレビューなのですが、この解説を担当しているのが山尾さん、彼もブログを持っていますから、目ざとくこれを見つけて、コメントと、そしてトラックバックを寄せてくれたのです。実際に制作に携わった人から直々にコメントが来るなんて、ちょっとすごいと思いません? こう言うのが、ネットの敷居の低さなのでしょうね。
 普通の「おやぢ」だと、そのCDをきちんと聴き込んでレビューを仕上げるのですが、これに関しては実は殆ど聴いてはいません。曲目と演奏家を見ただけで殆ど内容が分かってしまったので、少し「手抜き」をしてしまいました。内緒ですが。
 そんな連休が始まる前に、実はちょっと気がかりなことがありました。それが解決しないうちはおちおち遊びにも行ってられない程の、私にとっては大問題でした。2年前、私のマンションの管理組合の理事というのを頼まれたことがありました。月1回の理事会に出るだけでいいというので引き受けたのですが、そこでたまたま私が防火管理者の資格を持っていたために(今まで隠していましたが、フォークリフトの運転も出来るんですよ)何と「防災担当」という、およそ私にとっては相性の悪い役職に就かされてしまったのです。これになると、毎年の防災訓練の責任者として、訓練の仕込みから、当日のMCまでやらなければなりません。想像できます? 私がハンドマイクを持って「ただいまより、防災訓練を開催いたします」なんて言っている姿を。結局2回やってはみましたが、とてもこれ以上は無理だということで、この間の理事会で「来期は辞めさせて下さい」と申し出たら、やはり他の人も私には向かないと常々思っていたのでしょう、すんなり辞任を認めてもらえました。ただ、それには条件があって、後任者に引き受けてもらえるように、私が説得しなければならなかったのです。つまり、後任が決まらないことには、私は辞められないと。そこで、2人ばかり当てがあったので早速電話攻撃です。しかし、一人にはけんもほろろに断られてしまいました。もう一人も、「ちょっと考えさせて下さい」と言ったきり、返事はなかなかありません。こうなると、結論は連休明けまで持ち越しか、と暗澹たる気持ちになっていた時、たまたまゴミを捨てに行った時にその方にバッタリ出会って、「引き受けさせて頂きます」という、何とも嬉しい返事を頂きました。これで、当面の私の悩みはすっかりなくなりました。あ、もう一つ残っていたな。

今日の桜
aventure number : 0756 date : 2006/5/2


今日の禁断

 連休なので、また定義山に行ってみたいと思いました。この前行った時に食べた油揚げの味が忘れられなかったからです。最初にそこへ行ったのは、調べてみたら(こういう時、「禁断ばっくなんばあ/要パスワード」は便利です)3年も前だったのですね。おととしぐらいだと思っていたのに、月日の経つのは早いものです。3年も経っていれば、どんな道を通って行ったかなんて、すっかり忘れてしまっています。地図を頼りに、一番近い道を選んで、まず48号線から北に折れて、並行して大倉ダムまで通じている県道に出てみました。ただ、いくら走っても見覚えのあるところには出ないので、もしかしたらこれは初めて通る道なのかも知れません。その道が、しばらく行くと、「大型車はすれ違えませんから、通らないで下さい」などと言う看板のある、かなり細い山道にかかってしまいましたから、これは確かに通ったことにない道なのが分かります。などとのんきなことを言ってられない程、それは狭く、曲がりくねってちょっとおそろしい道でした。ところどころ大きな石などが転がっていますから、横の崖が崩れてくるかも知れませんし。幸い対向車は来ない様子なので走っていられますが、もし向こうから車が来たら・・・。なんて怖がっていると、ついに対向車が、3、4台もまとまってやってきましたよ。幸い、ちょっと幅がありそうなところがあったので、そこですれ違ってもらおうと停まっていると、向かいの車は十分な余裕があるのに来ようとしません。ひたすら、私がもう少し狭い、その車の止まっている横を抜けるのを待っているみたい。そんな下手くそに構っていられませんから、そいつを睨みつけるように運転技術の粋を極めたすれ違いを披露してあげましたよ。
 どうやらそこは枝道だったようで、大倉ダムが近づくともっと広い道に出ましたから、帰りはここを通って帰ろうと、心に決めるのでした。あとは1度行ったことのあるダム周辺ですから、何の疑いもなくダムの堰堤の上の道路に行こうとしました。しかし、そこは本当に車1台分の幅しかありません。向かいからどんどん車が来てるみたいなので、展望台になっている駐車スペースでやり過ごそうとしたら、どうやらこの道は一方通行、私は反対方向に突っ込んでしまったみたいなのです。後ろを見ると、私が行ったからと、何の疑いも持たないで付いてきた車が2台ほどありましたよ。何と恥ずかしい。みんなに頭を下げながらそこでUターンして、ダム湖沿いの道を、定義山に向かったのでした。
 無事たどり着いた油揚げやさんでは、値段も110円と全く変わっていなかった揚げたての三角油揚げの3年ぶりの味を堪能しました。このあたりは桜が満開、さっき通ったのとは反対側のダムサイドは、まさに桜のトンネルのようで、素敵でした。水は満々とたたえられていますし、さっき通った展望台から覗いてみたら、水を放水していましたよ。新しい新車で初めて走った山道も、快適そのものでした。
 仙台の桜も、奥手のこれ(↓)は今が満開。この定点観測も大分まとまってきたので、これ専用のページを作ってあります。もっと大きな画像も見られますので、どうぞ。
 あ、57万は、きのうの夜中に出ました。

今日の桜
aventure number : 0757 date : 2006/5/4


今日の禁断 子供の日

 5月5日は「ころもの日」ですから、ぜひ揚げ物を食べたいものだと、毎年思っています。天ぷらは、お気に入りの「つな八」がエスパルからなくなってしまいましたし、市役所前のちょっとリッチなお店もやっぱりいつの間にかなくなりましたから、今のところ「行きつけ」はありません。とんかつは何と言っても「櫻家」ですが、ここは最近行ったばかり、結局、何の脈絡もない「びっくりドンキー」になってしまいました。もちろん、ハンバーグには「ころも」はありませんよね。しかし、それよりも大事なポイントがあったため、行くことにしたのです。それは、連休中だけやっているタンブラーのプレゼント。全部で4色あるガラスのコップが、ご来店の方お一人につき1コずつもらえるというものなのです。
 南吉成のそのお店の前には、うずたかくコップの箱が積み重ねられていて、店員さんが盛んに呼び込みをしていました。私達が入ろうとすると2コ入りの袋を渡してくれます。もちろん、私達はそのために来たのですが、まだ中にはいるかどうかも分からない人にも、この手で誘い込むのでしょうね。てっきり、食事が終わった時点でもらえると思っていましたから、この積極的な商売にはびっくりしました。出来れば4色そろえたいので、明日はお茶だけ飲みに寄ろうねと、固く誓うのでした。
 ところで、今日はNHK−FMで、この間の合唱の演奏会で共演した小原さんの番組が放送されるという告知が、仲間内に出回っていました。「ひきがたりフォーユー」という、毎日彼がやっている番組の拡大版で、何とお昼から深夜の1時まで13時間ぶっ通しの生放送だというのです。その中で、演奏会のアンコールでやった彼のオリジナル曲の、我々の演奏の録音が使われるかも知れない、という情報が流れていたのです。「リクエストがあれば」というような噂もあったので、出演者の中には、本気でリクエストを出していた人もいたかもしれませんね。それをチェックするために、車の中でもいつも聴くことはないNHKにラジオを合わせて、それを聴きながら利府へ向かうのでした。でも、流れとしては「逢えてよかったね」というその曲は、使われるとしても番組の一番最後、つまり1時近くにならないと聴けないでしょうね。誰か聴いていたら、教えて下さい。
 見てきた映画は、「かもめ食堂」。何ともほんのりとした、構えずに見られる映画でした。設定とか伏線といったものが全く用意されていないで、時間だけが過ぎていく中で、淡々と物語が進むという手法、プロットでがんじがらめになってしまったものを見慣れた目には、非常に新鮮に映ります。「食堂」で出される料理が、すごくおいしそうでした。主演の小林聡美をちゃんと見たのは、これが初めて。ちょっと不思議な存在感を示していましたね。愚妻が「この人、二谷英明の奥さんよ」というので、そんな年の差カップルだったのだな、と納得したら、「二谷英明」ではなく「三谷幸喜」の勘違いでした。それなら分かります。
 この映画は全編ヘルシンキでのロケ、もっと都会だと思っていたのに、ちょっと薄汚い港が近くにあったりして、なかなか素敵なところですね。こんなところだったら行ってみたい気がします。ウィーンみたいな手垢に汚れた観光地などには絶対行きたくないと思いますが。

今日の桜
aventure number : 0758 date : 2006/5/5


今日の禁断 ロリータ

 大型連休も今日でおしまい、東京の「熱狂」も終わってしまいました。おととい会場から6時間だかぶっ通しで生放送(ということは、NHKはBSとFMで同じ時間帯に別個の長時間の生放送をやっていたのですね。何というヴァイタリティ)をやっていたものを、最近とみに残量の少なくなったハードディスクを気にしながら超長時間モード(フレームを落として時間を稼ぐのですね)で録画しておいたものを見てみたのですが、リアルタイムで見ないことには何の意味もない番組だとすぐ分かり、早々に消去してしまいました。来年はスメタナとかドヴォルジャークだそうですね。今年のような盛り上がりは期待は出来ないでしょう。
 「大した映画はない」と言ってた割には、きのう、おとといと利府に通っていたのですから、私にとっての「ゴールデン・ウィーク」は健在です。きのうというのは、全くノーマークの「下妻物語」。昔の名画を1週間だけ500円で見られるという、ここのスペシャル企画です。テレビで見てそのハチャメチャなプロットに圧倒され、土屋アンナの魅力にハマってしまったという私にとってのある意味人生観さえも変わったかも知れない映画を、大画面で堪能してきました。そして、さらに中島哲也がこだわった「色」が、オリジナルの形で味わえた、というのがありますね。これを見てしまうと、やはりテレビのモニターは偽物に思えてしまいます。細かいところで初めて気づいたことも沢山ありました。いちごのバイクは原チャリだったなんて、確かにセリフにはありましたが、テレビでは全く気づきませんでしたよ。大画面だからこそそのチープさがより際立って見えてきました。
 そんな風に遊び回ってばかりいたわけでは、決してありません。連休中にやっておこうと家に持ち込んでいた仕事も、今日になってやっと手を付けることが出来て、先ほど片づいたところです。この間アップした新ネタの追加、という形になるのですが、ブラームスの2番のヘンレ版と今までのものを、今度はしっかり見比べて、違っているところをリストアップしたというものです。前に作った物は、すでに楽譜に印が付いていてすぐ分かるものだったのですが、それだけで終わるはずはない、という私の勘は見事に当たって、同じぐらいの分量の「訂正箇所」が見つかってしまいましたよ。詳細はこちらを見て下さい。ただ、一通りざっと見ただけなので、恐らくまだまだ見落としている箇所は沢山あるはずです。今後も見つけた方はご一報下さい。とは言っても、どうやらこのポケットスコアは、国内の楽譜やさんでは品切れになっているようなのですね。つまり、私が買ったのが最後の1冊だったりして。
 とりあえず、印刷したものも「かいほうげん」のコンテンツとして2回目の練習に間に合うように作る予定にしています。しかし、サイトを作った限りでは、かなりのページ数が必要な気配、場合によっては別刷りで出してしまうか、あるいは「20ページ」になるのか、これから版下を作ってみての判断になることでしょう。連休明けは職場でもたまった仕事がありますし、忙しくなりそうです。
 気になる筍ですが、今年も何だか微妙な状況。今後の連絡をお待ち下さい。

今日の桜
aventure number : 0759 date : 2006/5/7


今日の禁断 号外

 きのう1日かけてヘンレ版の変更点を文書にしてみたところ、どうやら4ページでギリギリ収まりました。そこで、今度の「かいほうげん」の内容を調べてみると、こんな大量のページが入ると確実にパンクしてしまうという、嬉しいことが分かり、この分だけ「Extra Issue」として、今日発行する事にしてしまいました。あとは、タイトルを付けたりして、それなりの体裁にすれば、印刷はすぐ終わってしまいますから、楽々練習までには間に合います。やはり、最初の練習からきちんと訂正箇所が分かっていた方が良いですからね。結局私以外にこのスコアを入手できた人はいなかったようで、こんなものを作るのも私の使命、みたいな感じでしょうか。椅子が並んだ頃を見計らって配り始めると、「きちんと印刷されて!」とびっくりしている人がいました。元々はJPのコンテンツとして譜例の画像なども用意してあったものですから、それをそのまま使い回せば簡単に出来てしまいます。思っているほど手間をかけているわけではありませんが、こんなに喜んでもらえると本当に嬉しくなってしまいます。
 定期演奏会が終わって、2週間休んだあとの練習ですから、例によって、メニューはメインプログラムのブラームスを1回通して、そのあとは懇談会というものです。久しぶりのメインのトップですが、前に同じ曲をやった時よりは細かいところで大分目配りが出来るようになっている気がします。アンサンブルの中で融け合えるよう、まわりに細心の注意を払えるようになるのが、今回の課題でしょう。
 見慣れない顔があちこちに、と思っていたら、今日は大量の入団希望者が来ていたようですね。トロンボーンの人は打ち上げの時に話をしましたが、弦の人は初めて、ヴィオラとチェロはさらに充実ですね。ヴァイオリンも、そろそろ入ってくれないと。
 懇談会では、いつものような反省が各パートから出されました。かなりシビアな意見も吐かれ、人の見方は多様であることが如実に分かります。予定通り、この内容でしたら2ページ分はたっぷりありそうですから、いつものような「かいほうげん」が、来週には発行できることでしょう。その前に、MD起こしという手間のかかる仕事が残っていますが。
 そして、一部の人にはお話ししたのですが、どうやら今年の筍が、大幅に遅れはしたものの、かなり順調に生え始めてきたようなので、今週の土曜日、13日に筍掘り大会を開催することにしてみました。ずっとここに載せてきた桜も、そろそろ葉桜、例年ですとそのあとに筍、というスケジュールでしたから、順送りで1週間程度遅くなっているのでしょうね。いつものように午後3時頃から5時過ぎまでやっているはずです。別に連絡もいりませんから、都合が付いて興味のある方はぜひいらしてみて下さい。まだ来たことがなかった1号様とか、いかがですか?
aventure number : 0760 date : 2006/5/9

06/5/10-6/8