0721(06/3/5)-0740(4/4)

今日の禁断 アンコール

 と言うわけで、1週間後に合唱の演奏会の本番を控えての、仙台での最後の練習となりました。演奏会では男声と混声のステージがあるのですが、練習の前半はまず男声だけで行い、そのあと女声が混じって混声の練習をする、というのが、毎回のパターンです。男声の練習では、いつもセカンドのメンバーが少なくて大変だったとこぼしていたのですが、ここに来て、本来東京の練習に参加する人が、ひょっこり顔を出したりしてくれたりするので、大分充実した陣容になりました。とは言っても、パートのメンバーは3人なのですがね。でも2人の時の5割増し、これは大変なことですよ。セカンドが増えた分、なぜか他のパートが減ってしまって、トップ、セカンド、バリトンがすべて3人という、非常によいバランスになったのも、嬉しいことです(ベースだけ10人以上という大所帯ですが、このパートが多い分には問題はありません)。
 後半のステージにやる、三木稔の「阿波」という曲から始めたのですが、今までちょっともたもたした感じがあったものが、一皮むけたようなフットワークの良さを見せていたのには、ちょっとびっくりしました。あまり細かいことにこだわらないで、流れにまかせているような軽やかな指揮ぶりのせいなのか、今さらじたばたしても始まらないと開き直ったせいなのかは分かりませんが、これだったら十分に本番として通用する演奏に仕上がっていたのは、嬉しいことです。
 もう一つの男声、多田武彦の「雪明かりの路」という曲は、技術的には「阿波」よりはるかに取り組みやすいものだったので、大分前から仕上がりの気配は見せていました。ただ、細かいところでの最後の磨きがいまひとつということで、より良いものにするための最後の苦しみが求められることでしょう。
 そして、恒例、佐藤淳一さんのボイトレを挟んでの、混声の練習です。これも2曲あって、有名な高田三郎の「心の四季」は、指揮者の思いがメンバー全員にきちんと伝わって、それが観客に伝わるだけの力をもてるかというのが、最大のポイントになっています。もう1曲が、オリジナルのステージ、小原孝さんと森ミドリさんの共演で、ポップスや「世界初演」の曲が演奏されるというものです。これに関しては、実は私はプログラム用のライナーを頼まれてしまいました。それを依頼された時の条件が、「300字で、このステージのコンセプトをまとめろ」というようなものだったのですが、そんな器用なことが私に出来るはずもなく、いつもながらのちょっと技巧に走ったまとめ方で何とか書き上げたのが、これです。「男声メンバー」というのが私。これを見て、何を演奏するか、分かりますか?
 ところで、この演奏会を後援している東北放送が、昨日東京で行われた練習にクルーを送り込んで、取材をしていったそうなのです。あちらの方が人数が多いので、そう言うことになったのでしょう。私はそこにはいなかったので映っているはずはないのですが、その模様が、東北放送の「イブニングニュースTBC(18:16〜18:55)」の中で放送されることになっています。放送日が「明日かあさって」ということ、興味がある方は、ご覧になってみて下さい(もちろん、宮城県内でしか見られませんが)。
aventure number : 0721 date : 2006/3/5


今日の禁断 教授

 ニューフィルの定期が間近に迫ってきたことは、先週あたりからチラシやチケットの見本が飛び交っていたのからも分かります。そうなってくると、そろそろいつもの「企画書」が必要になってきます。ですから、昨日あたりまでに、ほぼ完成品に近いものを用意して、チケットの印刷が完了したらすぐ作れるようにはしておきました。ただ、実際に「ブツ」が出来上がってくる予定がはっきりしないことには、なかなか最後の仕上げまでには取りかかれないというのは、怠け者の性です。そこで、その辺の見通しを聞いておこうと事務局に電話をしたら、「もう出来上がって、今日の練習にみんなに配ります」というお返事、もう事態はそこまで進んでいたのですね。それから慌てて企画書を作り上げ、明日には発送できるように準備を進めてしまいましたよ。ほんと、こういうことは、何かきっかけがないことには、なかなかやろうという気にはならないもので。
 飛び交っていたのは、印刷見本だけではありません。前回書いた合唱団の放送の件では、収録が終わった時点では「月曜日か火曜日」という事しか分からずに、この演奏会に関する様々なサイト(その中には、私が作った仙台練習のためのサイトもあります)でも、そのどちらの日かは特定できないまま、不確かな情報だけが飛び交っていたのです。結局、昨日の放送の分ではやらなかったので、その時点で自動的に「今日」だと言うことにはなったのですが、今朝の新聞の番組欄に「杜の都の青春を、演奏会で再び」という見出しが出たことで、それは確実なものになりました。この時間はもちろん家にはいませんから、DVDレコーダーをセットして出勤です。
 ニューフィルの練習が始まる頃、「そろそろ放送されているのかなあ」などと思いながらも、雑念を払って演奏に集中です。そして、休憩になった時に、後ろの方から「○○さん、映ってませんでしたね」という声が聞こえました。それは、少し遅れてきたしできさん。何でも、車の中でたまたまテレビを見ていたらやっていたのだとか。「ずいぶん年を取っていた人が多かったですね。○○さんなんか、最年少じゃないですか?」と、かなり正直な指摘です。確かに、見た目はそんな感じなのでしょうが、でも、もっと若い人もいるんですがね。
 家へ帰って、早速録画をチェックです。そうしたら、なんと、番組の一番最初のヘッドラインで、すでにその一部が流れているではありませんか。結構、大きく取り上げてくれたようですね。実際のものは、番組の終わり近く、かなり早送りをして、やっと見つかりました。練習の模様だけではなく、今までの流れとか、今回の演奏会で初めて演奏する曲の作者安野さんや森さんのことまで紹介するという、かなりきちんとした取材でした。しかし、確かに、映像で見る限りでは、年を取った人ばかりのように見えますね。でも、二人いる指揮者はどちらも私の後輩、でも、貫禄というのでしょうか、とてもそんな風には見えないような風格があるのでしょう。そのうちの一人がインタビューを受けていましたが、おそらく「感慨」と言っていたのに字幕では「考え」となっていました。これだとかなりニュアンスが変わってしまいます。
 最後に仙台のスタジオから、演奏会の案内をしていましたね。しかし、これを見て聴きに行きたいと思っても、もはやチケットは完売です。なにしろ、「開演間際に来たのでは、空席を探すのは難しいので、早めに入場するように呼びかけて下さい」という告知が飛び交っているほどですから。
aventure number : 0722 date : 2006/3/7


今日の禁断 マルミガヤ

 昨日のテレビ、年のことばかり書いてしまいましたが肝心の練習の様子はどうだったのでしょうか。見ていて感心したのは、殆どの人が楽譜を離して歌っていた、という事でした。つまり、ほぼ全ての人が暗譜を完了させていたことが見て取れたのです。そもそもこの演奏会の練習が始まった時には、「全曲暗譜で臨む」というのが、最低の参加資格だったはず、長いブランクを抱える私としては、それを果たして満たすことが出来るのかが、最も心配だったのを、今でも思い出します。ですから、こうして楽譜を見ないで歌っている姿を見ると、みんな頑張っていたのだなと思ってしまいます。というのも、この間の最後の仙台練習の時には、実は楽譜を離している人は殆どいなかったのですよ。特に、最後のオリジナルステージの時などは、これは自慢になるので本当はあまり言いたくはないのですが、全ての曲を暗譜で歌っていたのは男声では私一人だったのではないでしょうか。ですから、このまま本番を迎えたのでは、暗譜をして楽譜を持たない人の方が目立ってしまうのではないかという危惧を抱いてしまったのです。東京がこれなら安心です。きっと、当初の見込み通り、楽譜を持っている人がみっともないと思えるようなステージになることでしょう(すっごい意地悪)。いやあ、勢いの問題ですよ。たとえいくらか不安なところがあったとしても、一人じゃないんですから、何とかなります。ラフマニノフのピアノコンチェルトで、譜面を見ていてさえ落ちてしまって、大恥をかいてしまうというようなことは、合唱の場合にはあり得ませんからね。
 勢いといえば、今日の風の勢いはものすごいものでしたね。何でも最大風速が30メートルを超えたのだとか。ちょっと外に出ると、立っていられないほどの強さで吹いていたという感じ。あまりに勢いが強いので、とうとう職場にある天然記念物の樹木が、とんでもないことになってしまいました。20メートルの高さを誇る大木が、「折れて」しまったのですよ。こういう書き方をすると、さも、その木がそれこそ10メートルぐらいのところでまっぷたつに「折れて」しまった様子を想像しませんでした? そんなことになっていたら大事なのですが、折れたのは幹ではなく枝でしたから、まずは安心して下さい。




 ただ、折れたのはかなり高いところの枝。その枝も、こんな風に柵の中に引きずり込むのが大変だった、5メートルぐらいの大きなもの。ですから、もし折れて落ちた時に下に人でもいたら、大変なことになっていたことでしょう。そう言えば、今度の演奏会のテーマは「風」、枝を折ってしまうほどではなくても、何かしらのインパクトを与えるためにも、暗譜は欠かせません。
 そして、チケットプレゼントも始まりましたよ。
aventure number : 0723 date : 2006/3/8


今日の禁断 ポジティフ

 今週は、週末に東京でのゲネプロと本番を控えているので、いつもだったら渡されてすぐやっていたポスターやチラシの配布が出来ません。それで、今日の午後一杯を使って街中のお店などに置いて回ることにしました。最初に行ったのが、広瀬文化センター。どうせ土曜日にここで練習をやるのですから、私が行けなくても誰かにお願いしておけば良かったのですが、この前の練習の時には全くそんなことには頭が回りませんでした。自分が出ないとなると、どこでやるのかなどということには全く無関心になってしまうものなのですね。というより、あの時には他にやることが沢山あって、全然思い出しもしなかったということです。結果的には練習より前に置いて来れたので、土曜日に行った時にはしっかりチラシが置いてあって、「さすが、広報係はできる」と、みんなに思われることでしょう。
 愛子からは西道路を通ってくれば、すぐ仲ノ瀬橋に出てしまいます。そこから大橋に回って、まず博物館、この前来た時には車が停められないほど混んでいましたが、今は特に何もやっていないので、車は入れ放題、それよりも入り口のスモークガラスがあんまり暗くて中が見えず、今日は休館日かも、と焦ってしまったほどです。もちろん、中に入れば感じの良いお姉さんが、喜んで私のプレゼントを受け取ってくれましたよ(それはちがう)。そしてまた仲ノ瀬橋方向へ戻って美術館。今は佐藤忠良の絵本展をやっているので、いつもチラシをお願いする売店には色んな絵本が置いてありましたね。それにしても、この施設もずいぶん老朽化してきたものですね。ただ古くなったという感じではなく、管理に心がこもっていないというか、自分たちが使うものだから大切にしようという気持ちが全く見られないような「いやな」汚れ方が目立ってきたなと思うのは、私だけでしょうか。
 そこから、また仲ノ瀬橋の上を渡って(さっきは下をくぐりました)、定禅寺通りのメディアテークへ。ここも、斬新なデザインで話題を呼んだ建物なのですが、これが長い時間を経過すれば、奇抜な分だけ「時代遅れ」になるのが早いのは目に見えています。というか、すでにもう私などには「古い」と思われるようなところも見えていますし。そのあと車を駐車場に入れて、街中のレコード屋さん巡り、「えっち」ではクラシック担当の店員さんがいなかったので、空振りでした。
 さらに、東二番丁を南下、荒町から若林市民センターへ向かいます。その帰りは、連坊小路へ出て新しい広い道路を通れば、すぐ宮城野文化センター(パルシティ)に着いてしまいます。
 車に乗っている間は例のCDを聴き詰め、演奏会の全ての曲目を一通りと半分ぐらい聴いたところで、今日の配達業務はおしまいです。危なっかしかったのはほんの2、3ヵ所、あとは言葉もメロディもまさに「自動的」に出てきてしまっていましたよ。これで、本番までの目標は完全にクリアです。それでは、行ってきます。
 あ、そんな忙しい日々の間にも、しっかり新しいコンテンツを作ることも忘れてはいませんよ。忙しいと逆に作ろうという気になるのかも知れませんね。しかし、この前に作ってからもう3ヶ月も経っていたんですね。
aventure number : 0724 date : 2006/3/10


今日の禁断 軍手

 「コール青葉」の本番が今終わって、帰ってきたところです。やはり参加して良かった、としみじみと思えるような、素晴らしい体験でした。
 昨日の総練習(これは、なんと新小岩で行いました。)が終わって、仙台からの人とか関係者は、代々木にある宿泊施設に泊まっていました。出演者の半分ぐらいはここに泊まったはずです。それで、今朝は、オペラシティまで、ある人は歩き、ある人はタクシーを使ってたどり着くことになります。私はもちろん楽なタクシー、仲間4人と相乗りで、地下にある楽屋口のすぐ前の車止めまで直通、ほんの5分ほどで着いてしまいました。少し早めに行ったらかなり集まっていて、開けてもらうのを待っています。この時点で、まず意気込みが違います。
 そこから3階のステージには、エレベーターでなければ行けません。降りたところが舞台裏、こんな、今までここを使った団体のステッカーがベタベタ貼ってあるロッカーがありました。
 まず、山台作りから、仕事が始まります。こんな新しいホールなのに、「迫り」ではなく、人手で山台を組むのですね。係員の指示に従って、台を置いていくのですが、これがものすごい重さでした。外見は県民会館のものと変わりはないのですが、あちらが2人で楽々運べたものが、4人かかってもやっと持ち上がるほどの重さ、こんなところで妙に感心をしてしまいます。指揮台もセット、その上に登ってみて、「オペラシティの指揮台に立った」と言っている私です。これが、舞台から見たコンサートホールの客席、これだけは、実際に舞台に立たない限り見られない光景です。
 ホールの音は、予想通り素晴らしいものでした。どこぞの「コンサートホール」のようにただ残響が付いているというのではなく、自分たちの声にしっかり美しい響きがくっついて、戻って来るという感じです。
 今回は、録音や録画にも気合いが入っています。ゲストの小原孝さんの関係ということで、プロのクルーがしっかり入っています。その機材がステージ裏に置いてあったのですが、それはなんと「DSD」、SACDのスペックで録音できるものではありませんか。そんなのを珍しそうに見ていたら、チーフエンジニアの人が、今録ったばかりのリハーサルの模様をヘッドフォンで聴かせてくれましたよ。本番の録音が楽しみです。
 本番はもちろん全曲暗譜、何だか流れで「楽譜を持っても構わない」みたいなことになっていましたが、私は断固暗譜を貫いた結果、もしかしたら楽譜を持っていなかったのは私一人、みたいな、逆にみっともないことになっていたのかも知れません。それはともかく、何十年ぶりかの合唱の演奏会、感慨は尽きぬものがありました。実は、第1ステージの終わりごろには、嗚咽が迫ってきて声が出なくなったことも。もちろん、アンコールの「虹に続く道」は、2年前に客席で聴いてもウルウルしてしまったのですから、それを自分で歌って、冷静でいられるわけがありません。顔中、汗と涙でしょっぱくなっていたはずです。
aventure number : 0725 date : 2006/3/12


今日の禁断 阿波

 たった今、カウンターが55万になりました。それはともかく、昨日の演奏会の余韻は、まだ体の中に残っています。一番強く残っているのが喉のあたり、しばらく合唱の現場から遠のいていたために、ペース配分などが全く分からない中、ひたすら全力で歌った結果、私の声帯は見るも(聴くも)無惨な有り様になってしまいました。今日電話してきた知り合い2人は、そんな私の声にびっくり。でも、明日になれば元通りになるはずですから、そんな「魅力的なバリトン」を味わえたのは、今日話をした人だけです。
 しかし、これは、思い起こすだに、凄い演奏会でした。演奏自体はさておいて、その多彩なゲストのことです。まずご紹介したいのは、録音関係の機材(って、ゲストですか?)。この写真、ミラーボールのように見えるのがメインマイクです。ショップスのKFM 6という、球形マイク、私は初めて目にしたマイクです。
 そして、ステージの床の上にさりげなく置かれていたのが、この「BLM(バウンダリー・レイヤー・マイク)」。これは、写真だけでは知っていた半球状の指向性を持つ、やはりショップスのBLM 3gと言う特殊なマイク、もちろん実物を拝見するのは初めてです。
 チェレスタで参加してくださったのが、「津和野の風」の作曲者、森ミドリさんです。もう一つの安野さんとの共作「津和野の子守歌」という女声合唱を、この楽器(ミュステル)で伴奏してくださいました。実はこの楽器ももはや製造はされていないというヴィンテージもの、機能本位の「ヤマハ」などとはひと味違う鄙びた音色を奏でてくれていましたね。
 その「津和野」の安野さんも、打ち上げの時間には四国へ旅立つということで、ゲネプロのあとに御挨拶です。こんな間近で接したのも初めて、可愛らしいおじいちゃんという感じでした。本番の時もステージに呼び出されたのですが、客席からステージに登る階段がなかったので、森さんと指揮者が二人がかりで抱え上げてましたっけ。
 ピアノの小原さんは、帽子がポイント。これはゲネプロの時の黒い帽子、本番ではそれをかぶらないで粋なヘアスタイルを披露、アンコールの時には白い帽子で登場して湧かせてくれました。彼の伴奏は毎回異なったバージョンになるのですが、本番のものはそのどれにも増してアイディア豊かなものでした。
 そして、サプライズ・ゲストが、打ち上げで突然紹介された作曲家のMさん。もちろん、この日に演奏された男声合唱の古典ともいうべき名曲を作ったその人です。曲が作られたいきさつなど、興味深い話を聞かせて頂きましたが、私達の演奏に関してはなぜか辛口、と言うより、場の空気を読めないただの頑固者のようにしか感じられなかったのが、非常に残念でした。
aventure number : 0726 date : 2006/3/13


今日の禁断 イズミティ

 昨日とおとといの「禁断」を一つにまとめて、「おやぢ2」のブログに載せてみました。多少あちらの趣旨には外れますが、たまにはこんなのも良いでしょう。これからも、折に触れて、この「相互乗り入れ」をやってみることにしようと思っています。つまり、「禁断」のバックナンバーに認証をかけたということが両刃の刃になっていて、今回のようなぜひみんなに見てもらいたいものもすぐ見られなくなってしまう、というネックがあったものを、少しでも解消したい、という事です。しかし、今さらですが、せっかく行ったのですからもっとたくさんの写真を撮っておけば良かったと後悔しているところです。ステージ裏とか楽屋など、「出演」しなければ絶対見ることの出来ない貴重なところが沢山あったのに。一番悔やまれるのは、ステージの一つ上の階にある楽屋に行ってみなかったことです。そこにはなんでも広々とした「アーティストロビー」みたいなものがあるのだそうです。まあ、しかし、これが最後ではないような気もしますので、又来れることもあるのかな。
 そんな、今回の新鮮な体験、歌うことに関してはまだまだだったものを、せめて暗譜でカバーしようという当初の目標は無事に達成できたのは良いのですが、やはり、おそれていたことが現実になっていたようです。愚妻の友人が客席から見ていて、男声合唱の時に真ん中で一人だけ楽譜を持たないで歌っている人がいた、というメールをよこしたそうなのです。2曲あった男声の曲のうちの、難しい方では、ゲネプロの段階では何人か楽譜を離して歌っている人がいたので、何人かは楽譜を持たないのかな、と思っていたら、本番の時には私以外の全員がしっかり楽譜を用意していたではありませんか。いつの間にか、全員揃って持つことになっていたのだとか。それを知っても、私の楽譜は、すぐには取りに行けないところにあったのです。つまり、これだけの人数ですから楽屋などはとても足らなくて、隣にある何十階だかのオフィスビルの18階にあるレストランを借り切って、楽屋代わりにしていたものですから、荷物は全部そこに置いてあったのですよ。そこに行くためには、一旦エレベーターで地下に下りたあと、エスカレーターで2階まで上り、そこからさらに高速エレベーターで18階まで行くという、とてつもない行程が待っているのです。ですから、とても5分や10分で取りにいって来れるものではなかったのです(とか言って、実は「確信犯」だったのかも)。私の立った場所は5列の中の3列目、セカンドの一番バリトン寄りですから、まさにど真ん中という事になります。ですから、その人が言っていた人は間違いなく私だと言うことになりますね。
 しかし、お祭りは終わりました。いつまでも懐かしさを反芻している余裕はありません。現にまだ配り終わっていないポスターとチラシがあるではありませんか。という事で、今日は北部を重点的に回って、パルシティでの管分奏に出かける前に、駅前のシルバーセンターに寄っていく、という、効率の良い仕事が出来ました。あとは、長町の市民センターがちょっと方向が別なので大変だな、と思っていたところ、ホルンのRちゃんが「行ってもいいですよ」ですって。これで、ポスター貼りもほぼ完了です。
aventure number : 0727 date : 2006/3/14


今日の禁断 ニッサン

 春は別れの季節、7年、ではなく、10年付き合ったパートナーと別れなければならない時が、とうとう来てしまいました。相手が別のオトコに走ったから、では、決してありません。ただ単に、寄る年波には勝てなかった、という事だけなのですが。しかも、そのパートナーとは、女性ではなく、どちらかといえば男性っぽいブルーメタリックの、パルサーくんなのでした。
 そんなに毎日長距離を走っているわけではないので、まだまだ十分走れるのですが、別の部分、例えば窓ガラスが開いたまま閉まらなくなったりとか、ミラーが動かなくなったりとか、マフラーがぼろぼろだとか、やはり、ここまで乗れば本望だろう、というところまで来たので、買い換えることにしたのです。今日やってきた新しいパートナー、ちょっと恥ずかしがり屋なので、とりあえずチャーミングポイントだけご紹介。
 しかし、10年も経てば車の技術も大きく進歩します。いや、基本的な性能はもうすでに完成の域に達しているので、例えばハンドルが自転車みたいなものから丸いものに変わった(オート三輪か、お前は)とか、赤い矢印が左右に突き出していた方向指示器が電灯を点滅させるウィンカーに変わった(ふ、古すぎ)といったような画期的な変化はもはやありません。しかし、もっと地味なところで、驚くほどのことが行われていたのは事実です。その最大のものが、サイドブレーキです。今までシートの左側、シフトレバーの横にあった、手で引いて操作するブレーキがなくなってしまったのです。その代わりに付いているのが、昔クラッチがあった場所にある足踏みブレーキです。確かに、オートマチックだと左足がヒマですから、それで操作すれば、座席まわりはスッキリしますね。ですから、マニュアル車の場合にだけサイドブレーキが残っているのでしょうね。
 もう一つ、実はこれが買い換えた時の一番の楽しみだったのですが、それは「インテリジェント・キー」というものです。名前のように、知能を持ったキー、今までだとドアを開けたりエンジンをかけたりする時には必ず必要だった「キー」が、全く要らなくなってしまうという優れものです。ドアには小さな押しボタンが付いていて、それを、運転する人が押すと、ロックが解除されます。エンジンキーも、運転する人がステアリングの脇にあるツマミを押して回すだけ、キーを差し込む必要は全くありません。つまり、運転する人を検知する「知能」を持ったキーなのですよ。
 このキーを作るために、私は前もってDNAを採取されていました。そのデータがすでに「キー」に登録されているのです。そして、私が運転しようとすると、ボタンやツマミに触れている私の皮膚のDNAをスキャンして、それを登録されているものと照合し、マッチする場合に限ってさっきのような操作ができる、という仕組みです。凄いですね。
 そうそう、実はもっと凄い仕掛けが付いていました。夜になって雨が降ってきたのですが、レバーを操作するとフロントガラスを自動的に拭いてくれるようになっているんですよ。今までは出来なかった雨の日の運転が、これで簡単に・・・さあ、どの辺からウソになっていたのでしょうか。
aventure number : 0728 date : 2006/3/16


今日の禁断 卒業式

 今日は、お彼岸の入りです。いつもですと早めに職場に行っているのでこんな日にどのぐらい道が混むかというのを体験することはないのですが、なぜか別の用事があってお昼少し前に同居人を街まで送って行かなくてはならなくなり、初めてその凄さを体験することになってしまいました。当初の目論見では、送っていったあとに一旦家へ帰って、私が着替えてからもう一度街まで迎えに行く、という事が出来るはずでした。ところが、走り始めて北山あたりに入ったら、もう一歩も動かなくなってしまいました。この辺は名だたる寺町、そこへ向かうお墓参りの車で、道路は埋め尽くされていたのです。
 こんな状態では、とても家まで往復など出来そうもないので、街で待っていて、そのまま家に帰り、ギリギリの時間でその次の予定地に向かうことになるのです。食事の時間も取れませんから、通り道のコンビニでサンドイッチを買って、車の中でほおばります。
 その予定も、滞りなく終わり、晴れて職場へ向かい一仕事、そのあと、6時からのコンサートの予定があったので、5時半にはそこを出ます。その会場には、普通だったら20分あれば間違いなく着くのですが、渋滞はこの時間になっても続いていて、結局10分遅れの到着になってしまいました。ほんと、こんなに移動に苦労したのなんて、久しぶりです。
 そのコンサートは、この前の演奏会の時の仲間から誘われたものです。ニューフィルとも共演したことのある「マスカット」という小編成のコーラス。前回も聴いたのですが、今回はずいぶんきれいに、しっとりとしたハーモニーが生まれていました。最後に演奏したのが、ヴィラ・ロボスのミサ曲なのですが、最近ブラジルの演奏家のちょっとショッキングなCDを体験したものですから、そのリズムにちょっとした共通点を見出して、なかなか興味のあるものでした。会場は教会。響きもなかなかのものでしたし。そこで、すぐ後ろに座っていた人達の会話に、聴くともなく耳を傾けていると、「私達もコーラスやってみたいねぇ」と、少し年配の、かつてコーラスをやっていた人達のようでした。「この人たちは若いからマスカットだけど、私達はレーズンね」などと、うぶな私などは顔を赤らめるような話をしていましたよ。
 そこには、この間一緒に歌った人達もたくさん来ていたので、終わったらみんなでちょっとそこまで、という流れになって、名掛丁の居酒屋までおつきあいです。そう、あの演奏会から、もう1週間も経ってしまったのですね。その時の指揮者もいたのですが、やはりまだまだ余韻に浸っていたいと言っていましたね。演奏会の話とか、様々な感想、その中で、森さんのブログも話題に上りました。こんなのを読んでしまうと、又来年も歌いたくなってしまうではありませんか。
 そうだ、実は昨日久しぶりに生のオーケストラを「聴いて」来ました。ヒレカツ先生も行かれたようですね。
aventure number : 0729 date : 2006/3/18


今日の禁断 CVT

 演奏会まであと一月ちょっと、企画書は送ったし、ポスターやチラシは配り終わったし、あとはチケットを売りさばくことだけが私達に残された仕事になってきます(もちろん、良い演奏をするために最善を尽くす、というのは、当たり前、敢えて挙げることもないでしょう)。トップページで行っているチケットプレゼントにも、ぼちぼち応募者が殺到(?)しています。常連のIさんからも、そのうち申し込みがあることでしょう。先日行ってきたロンドン交響楽団のコンサートの時も、しっかりチラシが渡されましたし、もう少しすれば朝日ウィルや河北アルファといったフリーペーパーに記事が出るはずですから、広報関係に手抜かりはありません。そうそう、前回はもう一杯だった地下鉄のイベントボードへのポスター掲示も、今回はぬかりなく4月12日から演奏会当日までしっかり確保できたそうですよ。全ての地下鉄駅があのブルーのポスターで埋め尽くされる日も、もうすぐです。
 そんな季節、公式サイトのアンケート経由で、「どこでチケットを手に入れたらいいのでしょうか」という、かなりせっぱ詰まった様子のメールが届きました。「今からでも、買えるのでしょうか?」というのですから、本当に欲しくてたまらないのでしょうね。もちろん、プレイガイドで手に入ることや、当日券もちゃんと用意されていることを教えてあげましたが、こんな風に「ぜひ聴きに行きたい」と思っている人は、確実にいるのですね。今回のプログラムはなかなか生で聴くことは出来ないブルックナーの5番、私も生でこの曲を聴いたことはありませんから、出来たら客席で聴きたいぐらいですし。もう1曲のコンチェルトも、ここ仙台では人気がありそうなナミさまがソリストですから、彼目当てに聴きに来る人だって多いはずです。この間のオペラシティではありませんが、チケットがあまりに多く出過ぎたので、途中で配布を制限するような事態になれば良いのですが(本当ですよ。毎年、あのコンサートのチケットは各方面で奪い合いです)。
 ちょっと心配なのは、このニューフィルのコンサートを別の団体の演奏だと勘違いしている人がいないか、という事です。その東京の演奏会に一緒に出た人に、この間会った時にチケットをあげたのですが、「○○さんって、『仙台フィル』のメンバーだったんですか?」と言われてしまいましたからね。アマチュアがブルックナーを演奏するなんて、思いもつかないのかも知れませんね。普通の人の認識なんて、そんなものかも知れません。正直、そのアマチュアオーケストラのメンバーである私でさえ、本当に演奏できるのか分からないほどなのですからね。
 新しい新車には、なかなか慣れません。特にサイドブレーキは、いまだに左手が何もないところにさまようという事を、発進するたびに繰り返していますし。この間冗談で言ったワイパーも、雨の日によく見たら、左右の大きさが違っているのですね。
aventure number : 0730 date : 2006/3/20


今日の禁断 DGK

 昨日の「おやぢ2」で取り上げた大木正夫、実は、私にとっては個人的に少なからぬ想い出があるものでした。といっても、あの「交響曲第5番」を実際に演奏したことがある、などというだいそれたものではありませんがね。
 あのNAXOSの日本人作曲家シリーズ、総合プロデュースをしている片山杜秀さんが毎回詳細なライナーノーツを寄せられています。その作曲家の殆ど全生涯がそれだけで把握できるほどの、相当な分量の資料(今回は10ページに及んでいます)ですから、文献としてこれ以上のものはないほどのものなのです。そこで、「HIROSHIMA」以降の作品としてあげられていた物の中に、「男声合唱組曲《わだつみのうた》」というのがあるではありませんか。これは、戦没学徒の詩を集めた「きけわだつみのこえ」という、東京大学出版会から発行(後に、光文社のカッパブックスとして再刊、現在は岩波文庫から「新版」が刊行)された詩集からとられた田辺利宏さんの4つの詩に曲を付けたものに前奏と後奏を加え、6曲から成る組曲にまとめた作品です。そもそもは京都大学男声合唱団が大木正夫に委嘱して作られた物なのです。もちろん、初演は京都で行われましたが、その直後の再演を、実は私達、この間東京で演奏会を開いた合唱団の母体となった大学の男声合唱団が行ったのです。その時には、無伴奏の形で演奏されました。
 それからほんの2、3年後、この曲をもう1度演奏会で取り上げようということになりました。それまでは楽譜は出版されてはいなかったのですが、これに合わせて(かどうか、その前後関係はあまりはっきりしていませんが)出版されたのが、この楽譜です。「出版」とは言っても、その版下は専門家が作った物ではなく、大木正夫本人が手書きで作った物です(その頃は「フィナーレ」なんてありませんものね)。出版に合わせて、無伴奏だったものにピアノ伴奏を加えるという改訂が行われています。これは、無伴奏で演奏された時の「音取り」が、非常に音楽の流れを損なうものだとの作曲者の判断に基づくものだそうです。
 タイトルにもあるように、この曲は「重複男声合唱」、つまり、4声の男声合唱が二つ、計8声部のために作られています。それぞれの合唱団は一方はオスティナート風の決まったパターンを演奏、それに乗ってもう一方の合唱団がテキストを、殆ど朗読のように、淡々と語る(もちろん、音程はあります)という形を取っています。私にとっては、今まで経験したことのないような不思議な音楽の世界でした。ただ、4曲目の「水汲み」という曲だけは、他の重々しい雰囲気とはガラリと異なる、まるで天上の世界のような透き通った明るさに支配されていたのが印象的でした。
 ただ、もちろん、その当時の演奏のアプローチとしては、「音楽」よりは、言葉としての「メッセージ」に、より重きを置いていたのは確かなはずです。当時の多くの学生に見られた、ある種の使命感、社会的なレジスタンスの意味だけで、この曲を歌っていたのは確かなことだったのだと思います。そして、その様な姿勢に、私自身はかなりの抵抗がありました。
 ですから、昨日の「HIROSHIMA」でも、その様な「訴え」だけが前面に押し出されたものを予想していました。しかし、そこに書いたように、そこからは、実に豊かな音楽的なメッセージを受け取ることができてしまったのです。単にある時代だけに通用する安っぽい「叫び」ではなく、50年以上を経ても色あせない普遍的な「美しさ」がそこにはあったのです。この「わだつみ」も、今の時代に演奏したものを聴けば、かつて私が演奏した時とは全く異なる「感慨」が生まれるのではないか、そんな気がしてなりません。
aventure number : 0731 date : 2006/3/22


今日の禁断 マイヤー

 少し前、一部の人々の間では大騒ぎだった映画「ベルリン・フィルと子どもたち」(Rhythm Is It!)をWOWOWで見ました。同じ頃に公開された「ディープ・ブルー」とごっちゃになっていて、記録映画だとか曲はオリジナルだとか、様々な情報が入り乱れていたような記憶がありますが、こちらはラトルが「春の祭典」を使って「子どもたち」にダンスを踊らせるという教育プログラムの模様を記録したドキュメンタリーでした。
 いつもながらの邦題のみっともなさは、ここでも露呈されています。確かに、ここに集められたダンサーは「子ども」もいますが、殆どは中学生、20歳の人もいたりしますから、「子どもたち」というのはあまりにも「教育的」な観客を想定した幼稚な訳としか思えません。インタビューを受けている「子ども」たちの受け答えは、どう見ても「おとな」のものでした。
 それはともかく、多くの問題を抱えた「子ども」が、一つの目標に向かって集団行動を取った結果、確かな内面的な変化が彼(彼女)の中に起こってくる課程を、まるで最初から台本があったかのように描いているさまは、見事としか言いようがありません。サンプルとしてたびたびアップで紹介される「子ども」たちは、見事にその役割を演じてくれています。こういうことを実現させるのが、優れたドキュメンタリー作家という事なのでしょうね。
 当然のことながら、このプロジェクトの成功は、振り付け師のロイストン・マルドゥーム一人の手によるものだという視点によって、ラトルとベルリン・フィルの役割りはいったい何だったのか、という物足りなさは残ります。それは、これが「音楽映画」ではなかったことの、証でしょう。ただ、マニアックな興味を満たしてくれるカットは随所にありました。フルートパートはブラウがトップのローテーションだったため、多くの人が期待したであろう「パユさま」の姿はありません。そして、4番フルートを吹いていたのは、ウィーン・フィルの団員のギュンター・フォーグルマイヤーだったとか、オーボエのトップが、普段は1番を吹くことはまずないクリストフ・ハルトマンだったという、珍しいシーティングが楽しめます。たかが30分足らずのことなのですから、本番を全部見せて欲しいと願っても、これはそういう映画ではないのですから、あきらめましょう。
 ベルリン・フィルではなくニューフィルでも、練習会場の隣の小ホールで、なにやら撮影を行っていましたよ。これについての詳細は後日。指揮者練習をさぼってしまった上に、先週は分奏だったので、弦の人達の顔を見るのは久しぶり、なんかホッとする感じです。ブルックナーも、いつの間にかずいぶんうまくなったな、というのが正直な感想。やはり、末廣さんに見てもらって、大分変わったのでしょう。なんか、音自体も芯が出てきたようにも聞こえましたが、そう思って良いんでしょうね?
 新しい新車もニューフィルデビュー、帰りの駐車場では思った通り、みんなの注目を浴びてしまいましたよ。
aventure number : 0732 date : 2006/3/23


今日の禁断 写真集

 昨日は、練習のあとに技術委員会が予定されていたので、帰りが遅くなるのは分かっていました。そこで、「禁断」は大半を前もって書いておき、残りのほんの少しだけ、その日の練習のハイライトを付け加えて1本仕上げる、というのが、こういう場合のやり方です。お気づきのように、この「禁断」は、通常のブログのようにその日の出来事に応じて長さが変わるという事がありません。濃い体験があった日も、ことさらどうという事がなかった日にも、頑なに1回分は1000字前後という「枠」を設けて書いているのです。それが一体どうした、と言われれば返す言葉はありませんが、まあ、ある種几帳面な性格がそうさせているという事なのでしょう。というか、きちんとフォーマットを決めておくと、それだけで非常に書きやすい、と言うところはあります。
 そんなわけで、昨日あった面白いことがこの「枠」から外れてしまったので、こうして次の日に書き直す、という間抜けなことにもなってしまうわけですが。
 昨日の練習、最初は降り番だったので少し遅めに行ってみても、やはりまだ殆ど誰も来ていないという状態の中、隣の倉庫にしまってある譜面台などを出そうとそこに行ってみると、なにやらものものしい照明のセットが組んであって、Yさんのファゴットを写真に撮っているところでした。「入っても良いですよ」とは言われても、ちょっと邪魔を出来ないような雰囲気、でも、そこにはヴァイオリンのTちゃんがいて、あれこれ仕切っています。どうやら、団員の楽器を借りて、プロの人が撮影しているみたいなのですね。「フルートはいいの?」と聞いたら、「他の人に頼んでありま〜す」というので、私のムラマツは出番がないと、その辺で音出しを始めました。
 しばらく練習していたら、Tさんがおずおず近づいてくる気配、「やっぱり、貸して頂けますか?」。なんでも、別の人の金より、私の銀の方がいいみたいなのです。これが、1週間前でしたら、そんな晴れがましいことは断固お断りしていたことでしょう。というのも、私の楽器はちょっとした過ちで、目も当てられない姿になっていました。掃除をしていたら手を滑らせてしまい、頭部管を譜面台の上に落としてしまって、とても目立つところにへこみ傷が付いてしまっていたのですよ。それが、先週ムラマツの修理の人が仙台に来た時に持って行ってもらったものが、晴れてきれいに直って戻ってきたばかりだったのです。たった5000円で、全く新品同様に直ってしまうのですから、凄いものです。
 生まれたままの姿で、おずおずとカメラの前に立つムラマツ、カメラマンの求めるやらしいポーズもなんなくこなしています。長年付き合っていますが、そんな大胆なところがあったなんて。
aventure number : 0733 date : 2006/3/24


今日の禁断 ブロス

 東京のコンサートも、お彼岸も終わって、やっと普通の週末がやってきました。久しぶりに利府にでも行ってきましょうか。というわけで、朝早く利府方面へ向かう私です。しかし、これは別に映画を見に行くわけではないというのが、ちょっと、なのですがね。実は、愚妻の実家での法事が行われるという案内があったのですが、私は午後からはニューフィルの指揮者練習があるためにパス、愚妻だけを、中間地点の利府にある親戚の家に送り届け、それから先はその親戚の車で送ってもらう、という段取りだったのです。一体どこが「普通の週末」なのでしょう。
 そこへ行くために、私は朝食も食べていませんでした。そのまま一旦家へ帰って朝ご飯、それから直ちに、今日発売される「魔笛」のチケットを買うために、プレイガイドへ向かいます。高い席ならいつでも買えるのですが、いつも狙うのは一番安い席、下手すると発売初日に売り切れることもあるので、開店と同時にゲットです。この「魔笛」、コンヴィチュニーのような奇抜な演出は全く期待できないごくオーソドックスなもののはずですが、仙台出身の菅英三子さんが客演するというのが目玉です。彼女のオペラのステージなんて、初めて見ることになりますが、これだけは名前も知らないチェコの歌手よりはずっと期待できるはずです。いいんです、わざわざ東京まで行ってMETとか新国とかを見なくても。あれは、別の世界の人たちの行くものだと、あきらめましょう。そういえば、同じ日に発売になったチケットで、リムスキー・コルサコフの「モーツァルトとサリエリ」などという珍しいオペラもありました。これも面白そう、というか、仙台でこんなものを見られるなんて、ちょっと凄いことですよ。
 それから、ちょっとした買い物があったので中山ジャスコへ行って、昼食もそこで済ませます。まだ時間は早かったのですが、そのまま旭ヶ丘へ向かいましょう。今日はピアノの代奏の人が札幌から来るというので、ぜひ聴いてみたいですし。
 ところが、旭ヶ丘の駐車場は今まで経験したことのないような混みようでした。車はタクシー乗り場まで並んでいますし、何しろ出る車が殆どありません。結局、入れたのは音出し5分前、1時間以上待ったことになります。
 ホールへ行ってみると、入り口で末廣さんにバッタリ。そこで、まずこのところの「かいほうげん」に連載している末廣さんの雑誌掲載原稿の転載をきちんと了承して頂けるよう、お願いしてみました。って、もう7本も無断転載しておいて、事後承諾もいいところなのですが、快くお許しを頂いて、まずは一安心です。これで、晴れて「かいほうげん」もお渡しできることになりました。実は、今回の「かいほうげん」は、きのうの時点で紙面を大幅に差し替えたという、まさにアクロバットみたいなことをやっているのですが、それでも間に合うのですから凄いものです。
 札幌から来たピアニストは、中学1年生の男の子と女の子、前にグリークを共演した黒河さんのお弟子さんですが、コンチェルトをオケと一緒に弾けてしまうんですから、これも凄いものです。オケの方が恥ずかしくなるような場面もあって、お互いに良い勉強が出来たな、という感じです。
aventure number : 0734 date : 2006/3/25


今日の禁断 ロメジュリ

 末廣さんとの指揮者練習、2日目です。会場は旭ヶ丘から仙台港のアクセルホールへ変わります。いくら休日だと言っても、こちらは広々とした駐車場がありますから、満車で待たされることはないでしょう。そもそも、こんな辺鄙な場所にわざわざ出かけようなどという人なんか、いるわけがありませんから。この前、初めてここに行った時には、街から出かけたものですから、産業道路経由で行ったものでした。今回は自宅からですから、45号線の方が近そう、初めてのルートに挑戦です。問題は仙台港方面に曲がるところでしたが、この間帰りに通っていたので、工事中の陸橋が目印になって、すぐ分かりました。1回でも来たことがあると、ずいぶん近くに感じるものです。実際、ほんの30分足らずで着いてしまいましたし。
 着いたのは、定刻を10分ほど過ぎていました。しかし、今日はまず弦の分奏から始まるので、まだまだ余裕はあります。薄暗いホールでは、すでに弦楽器の人達が絞られていました。管の人は1人ぐらい、後ろに座って聴いていたでしょうか。まず、私の仕事は、最後のポスター貼りです。この「ポスター貼り」というのは、いわば慣用句、実際に貼るのではなく、係員に渡して「貼ってもらう」というのが、正しい言い方です。しかし、まさか本当に自分の手で貼ることになろうとは。ここに来る時まで取っておいた、ポスターとチラシを持って事務室へ行ったら、「そこにボードがあるんで、勝手に貼って下さい」と言われてしまったのですよ。確かに、2階の階段を上がったあたり、スタジオがたくさん並んだ場所の出口付近に、ベニヤ板を張った「インフォメーション・ボード」というものがありました。その脇にはチラシを入れるホルダーもあります。「画鋲もありますから」という話通り、ボードの横には画鋲がたくさん置いてありました。うちのポスターを貼るほどのスペースがなかったので、「勝手に」貼ってあるロックのコンサートや、ダンス教室の案内を動かしてスペースを作り、目立つところに貼ってきましたよ。もちろん、チラシも置いておきます。
 そのうち、弦の分奏が終わって、管の番になります。細かいところを注意されると思っていたら、昨日あたりからの流れと同じで、本質的な演奏上の表現に関するもの、かなりレベル的には高いものでした。細かいところは自分たちでやっておけ、という事なのでしょう。
 昼食の時間は、ロビーで食事をしながら技術委員会、という予定だったのですが、そのロビーではなにやらボサノババンドの演奏などがあって、それ目当てのお客さんがたくさんいたので、それは取りやめ、各自食事が終わってから、ホールの中で委員会、という事になりました。秋の定期の前プロの検討、チャイコフスキーの曲が決まった、と言ってもいいのでしょうね。
 午後の練習では、なんの予告もなくいきなりブルックナー全曲を通してしまいましたよ。この時期にこんなことをやるなんて、ちょっと異例、みんなびっくり、というか、終わりごろにはへとへとになっていたようですね。確かに、この曲は体力勝負、ペース配分を考えるためには、これも必要なことだったのでしょうね。正直、フルートパート、特に2番フルートあたりは辛くも何ともないのですが、弦楽器は本当に大変だったみたいですね。30分以上も早く終わったというのに、もう口もきけないほどぐったりしている人を、確かに私は目撃しました。
aventure number : 0735 date : 2006/3/26


今日の禁断 リイシュー

 ちょっと前のことになりますが、ブログで「おやぢの部屋2」を始めてから、1年が経ちました。その間に書いた「おやぢ」は、160本以上、ほぼ、2日に1本ぐらいのペースで書いて来れたことになります。正直、これを始めた時は「1」と同じペースで書けるかどうかは全く分からなかったのですが、特にスランプというのもなく1年間コンスタントにやれたという事は、これからもきちんと続けていける見通しが立ったという事になります。そう、浮き沈みのない安定した仕事、というのが、一番大事なことなのです。この調子で、これからも続けられるだけ続けていきましょう。それと同時に、この1年、殆ど「おやぢ」にかかりきりでろくにコンテンツも作れないでいたものが、なんと、3月に入ったらまるで憑きが落ちたように3本も出来てしまったのには、自分でも驚いています。やっと、まわりにかき回されないで、落ち着いてサイト運営が出来るような1年前の気持ちに、戻ることが出来たみたいです。
 その、3本目のコンテンツ、先ほどアップしたところですから、ご覧になってみて下さい。まあ、言ってみれば「おやぢ」の副産物なのですが、こうしてまとまってみると、また別の味わいが出てくるようです。実は、大分前から資料を集めて、構想を練っている段階のものもあるのですが、あまりに膨大な量でちょっと手をつけかねています。何とか「モーツァルト・イヤー」のうちにはものにしたいとは思っているのですが。
 さて、指揮者練習が終わってすぐ又、いつもの練習です。今日は青年文化センターではなんの予定もないはずなのに駐車場が一杯だったのは、なぜなのでしょう。結構私が作った「満車予報」を当てにしている人もいるようなので、これはぜひ原因究明が必要です。練習では、この前の時の指示の確認とか、指揮者からだけではなく、団員からもビシビシ指摘が飛び交っていました。特に「語録」などを作らなくても、きちんと押さえておく習慣は、かなり浸透したようですね。
 練習の途中で、ホールの中でも聞こえるほどの強い雨音で、雨が降ってきました。「今夜は大荒れ」という予報は見事に当たったようです。傘なんか持ってこなかったので帰りは濡れて車まで行かなければならないのか、と覚悟していたら、練習が終わった時にはすっかり雨は上がっていましたよ。しかし、新しい新車に乗り込むやいなや、又降り出してきたのですから、なんてラッキー。
aventure number : 0736 date : 2006/3/28


今日の禁断 トランペット

 安藤まどかさんという方は、31歳の人妻だそうですね。一面識もないこの女性から、しばらく前から頻繁にメールが届くようになりました。なんでも、おつきあいをしてあげれば40万円までは用意出来るのだとか、こんなおいしい話が舞い込むなんて、ネットとはなんて素晴らしいところなのでしょう。ただ、その方が指定した場所などがちょっと分かりづらいものですから、せっかくのお話なのですがお返事は差し上げないでいました。そうしたら、もう毎日毎日、何通もメールが来るようになりました。よっぽど私に会いたいのでしょうね。見出しだけでも「あなたとでなければ駄目なんです」とか、「今ダンナがいないので、会って下さい」とか、かなり具体的、一体どこで私のことを知ったというのでしょう。
 なんて、いかにも私がモテモテのオトコのように書いてしまいましたが、この安藤さんは、別に私だけにメールを送っていたわけではなかったのですね。そう、よくあるスパムの手口、いかにもそれらしいメールで釣ってサイトに誘い込もうというものなのですよ。おそらく同じメールを受け取っている方もたくさんいらっしゃることでしょう。言ってみれば、ネット上の「有名人」というところなのでしょうね。しかし、このメールはただ読んでいる分には突っ込みどころ満載で面白いの何のって。これをネタにあちこちにブログが出来ているほどですから、(こんなのが一例)ネット社会への貢献といったらハンパではありません。ほんと、これを繋げれば一つの小説が出来上がってしまいますよ。「電車男」の次は、「人妻、安藤まどか」で決まりですね。これでドラマや映画が出来たら、私、絶対見ます。
 それが出来るまでのつなぎに、HDで「コラテラル」でも見ることにしましょう。このあとの「レイ」でブレイクしたジェイミー・フォックスがぱっとしないタクシーの運転手、トム・クルーズがやり手の殺し屋という設定の、アクション映画です。この邦題は、最近はやりの英語をそのままカタカナに変えただけという安直なもの、これだけで作品の内容を知ることは殆ど出来ないはずです。私も、こんな単語には初めてお目にかかりました。一応字幕で親切に「巻き添え」という言葉にこのルビが振ってあるので、映画を見ている人にはそこで謎が解ける、という仕組みです。一見クールなトム・クルーズが、とてつもなくコミカルに見えてしまう、というのが、この映画を退屈しないで見続けられた一つの原因でしょう。いくら残酷なことをやっていても、それがなぜか許せるというところが、一つの「担保」(これが本来の意味)となって、安心して見ることが出来るのです。
 ジャズ・クラブでのやりとりがとってもスマート、フォックスもこれで騙されたのですが、私もすっかり騙されて、本当にびっくりしてしまいましたから。こういう思いがけない「仕掛け」が、私は大好き、このシーンだけでも十分元が取れた思いです。
aventure number : 0737 date : 2006/3/30


今日の禁断 エイプリル・フール

 「ワンセグ」というのが今日から始まったそうですね。これは一体何だ、と思うのは私を始めとした多くの一般人に違いありません。「ハイレグ」とか、「セクハラ」といった単語と、何か共通するような言葉の響きを持っていますから、きっと又、やらしいことが始まったのでしょうね。
 といったような曖昧なことでは、JPのマスターとしては恥ずかしいので、ここはきちんと調べてみることにしましょう。「ワンセグ」とは、それこそ「セクハラ」と同じように、本来の言葉を縮めた言い方、元の言葉は「one segment」です。「segment」とは「部分」という意味ですから、「一つの部分」という事になりますね。つまり、これは、人の体の一つの部分にだけ異常に関心を示す変質者のことを指し示す言葉なのです。それが「始まる」というのは、その様な人を社会的な異端者とはみなさず、ある種感受性の鋭い特別なセンスの持ち主として、温かく見守ってあげようね、ということを謳った「ワンセグ法」という法案が国会で成立したからなのですね。今日のテレビのニュースでは、どこの局でもこの話題を取り上げていました。かなり派手なセレモニーも行われたとか、今まで肩身の狭い思いをしてきた人達にも、これで明るい光が差すことでしょう。
 そんな世の中の動きとはなんの関係もなく、昨日WOWOWで矢野顕子のライブを放送していましたね。ライブとは言っても、その会場というのが、東京ステーションホテルの中の一室、お客さんも100倍以上の応募者から抽選で選ばれたたった150人だけというものです。このホテル、ご存じのように、東京駅の丸の内口にあるものですが、ここ全体が今回大規模な修復工事の対象になるという事で、このホテルも一時休業(確か、年末にやっていた「ミレナリオ」も、このためにしばらく休止しますね)、そこで、その古い建物を偲んで、という事でこの場所に決まったそうなのです。
 矢野顕子といえば、私はデビュー直後から聴いていたほどのファンでした。最初の頃のアルバムは全て(LPで)持っています。もちろん、独特のコード進行を持ったオリジナル曲はすごいものなのですが(「行け柳田」が大好き)、実は、カバー曲でこそ彼女の魅力が最大限に発揮できているのではないかと感じていました。「青い山脈」とか。しかし、レコード会社が変わる頃、つまり、坂本龍一と結婚したあたりから、彼女の音楽が俄然つまらなくなってしまいます。私には殆ど共感できない、別の世界へ行ってしまったのですね。それからはアルバムを聴くこともなく、なんの関心も持たずに過ごしていたものですから、これは久しぶりの「アッコ」体験となりました。まず、その外見にはびっくり、この人は歳を重ねるごとに若くなっているようですね。デビュー当時はまるで「おばさん」のようだったのが、今では逆に、まるで少女のような雰囲気さえ持っているのですからね。
 ライブの方は、ピアノの弾き語り、そのヤマハのグランドは、実に柔らかい音を出していました。そして彼女の歌は、殆ど別の曲と言って良いほど、原曲の趣が大きく変わっているのに気づかされます。彼女にとっては、自分の曲さえただの素材、演奏する時には自由にその姿を変えてしまうことに、最大の喜びを感じているのでは、と思えるほど。こんな彼女を見てしまったら、また、昔のようなファンに戻れそうです。
aventure number : 0738 date : 2006/4/1


今日の禁断 リアップ
 演奏会の直前には髪を切らないようにしていました。基本的に長い髪の方が似合うと思っているものですから、切ってすぐの間抜けな顔を1000人以上の聴衆の前にさらすのは、ちょっといや、写真もしっかり残りますし。ただ、今度の定期演奏会のために早めに切ってしまうと、その前にあった東京の合唱の演奏会で「切ってすぐ」状態になってしまうという事で、今回はちょっとタイミング的に難しいものがありました。東京はまずそれで良かったのですが、このままニューフィルの定期まで伸ばしていたのでは、あまりにもみっともない、それこそヒッピーみたいになってしまいます。そこで、妥協案として、髪は今日切る、しかし、いつものように伸びた分だけ切ってしまうのではなく、「切って1ヶ月ぐらい」の長さにしてもらうようにしました。そこはもうずっと通っているところですから、いつもの店長さんはすぐ納得してくれて、私の希望通りのカットにしてくれましたよ。カットしながら、「この辺、ずいぶん髪が多いですねえ」と、誰かさんが聞いたら羨ましくなるようなことを言ってましたっけ。
 確かに、この間の演奏会の写真を見てみると(勝手に使いました。Mさん許して!)、私と大して年が離れていない人でも、「少ない」人は多くなっていますしね。実は、私の前の人も、その向かって左側の人も、私より若いんですから。あ、私がどれか分からなければ何のことだか、ですよね。ヒント、この写真に写っているのは殆どがベース系の人達なのです。
 カットのあとは車で買い物です。新しい新車には、もちろんCDとMDとラジオが聴けるコンポが付いています。スーパーに入る前に、そこからはユーミンの番組が流れていました。いつの間にかこんな時間帯になっていたのですね。そして、買い物を終えてまた車に乗り込むと、なにやらユーミンともう一人の男の人とのデュエットが始まっていました。その男は、いかにも素人っぽいへたくそな歌い方、音程は悪いし、なによりも声に全く伸びがありません。ところが、その歌が終わって間奏の部分で、なにやら植木等っぽいナレーションが聞こえてきました。最後に「お呼びでない」などと言っていましたから、これはまさに植木等本人ではありませんか。という事は、さっき歌っていたのも植木等? しかし、いくら年を取ったからって、もっと上手だったはず。ラジオの場合、曲の最後で曲紹介をやることはまずありませんから、結局正体は分からずじまい、あれは一体何だったのか、と言う思いが募ります。
 そこで、早速調べてみたら、そういう法案が国会で成立・・・ではなく、これは近々発売になるユーミンとクレージーキャッツのコラボレーション曲だったのです。
 ナレーションは確かに植木等でしたが、歌っていたのはなんと谷啓、昔はもっとうまかったのに・・・。それはともかく、このマキシシングルはなかなか凝った体裁ですね。つまり、今年はクレージーキャッツが結成されて50年(実は、まだ解散はしていなかったと)という記念の年なのだそうです。ですから、このジャケットも、まさに50年前のレコードジャケットそのものですよね。タイトルの仕掛けも分かるでしょう? もっとすごいのは、ここでは「クレージー」が全員ユーミンと「共演」していること。もはや故人となったハナ肇、安田伸、石橋エータローは、生前のテイクをサンプリングして使っているんですって。このシングルも含まれる2枚組のベスト盤も、マスト、ですね。
aventure number : 0739 date : 2006/4/2


今日の禁断 グラズノフ

 最近は、CDなどをお店で買うのではなく、ネットからダウンロードする、という流通のされ方がかなり広まっていますね。圧縮技術が進歩して、殆どCDと比べても遜色のないような音のものが、手軽にネット上でやりとりできるようになったのが、その大きな要因でしょう。そんな、今では一般的になったダウンロード(なんたって、「恋のダウンロード」ですからね)を、自分のサイトでやってみようと思い立ったのは、ちょっとした必要に迫られて、普通のCDにはなっていない曲をみんなに「配信」しなければならなくなったからです。次の定期の曲目を決める課程で、指揮者の方から指定された曲の中に、ちょっと珍しい曲があったのですが、たまたま私の手元にあった、知り合いからもらったプライヴェートCDの中にその曲が入っていたのです。それを、どこかスタジオでも借りて、みんなで聴けばいいのでしょうが、なかなか時間も場所も取れませんから、いっそのことそれをネットに置いて、各自にダウンロードをしてもらえるようにする、という事を考えたのです(ちょっと、微妙な言い方)。
 作業的には、CDをmp3に変換して、FTPで送信、サイトにリンクを設ける、という手順です。まず、mp3に圧縮したのですが、それでも40MB程のサイズになってしまいました。そうなると、送り先に問題が出てきます。今私が使っているのは、2つのプロバイダと1つのフリーサーバ、メインに使っているところは100MBまでは無料で使えるのですが、それを超えると超過料金を払わなければなりません。このJPだけですでに60MB程度を使っていますから、そこへ送るとかなり厳しい状態、出来れば、他のところへ送りたいものです。しかし、いざ送ってみると、エラーが出て送信が出来ません、考えてみたら、一番安い契約だったので、そもそも40MBなどというファイルは受け付けられなかったのですよ。仕方がないので、メインのプロバイダに送ったら、ディスク使用量が「93MB」ですって。あぶないところでした。
 それからリンクを作って、自分でダウンロードをやってみたら大成功、送ったのと同じものがしっかり保存できましたよ。そこで、必要な人にメールを送って、このファイルの存在を知らせます。心配なのは、他の人がやった時、果たしてうまくいくか、です。
 しかし、まず最初に技術委員長から「うまくいきました。ありがとう」というメールが来ました。そして、今日練習に行ったら、「ちゃんと聴けましたよ」といってくれる人が続々、私の処女「配信」は、しっかりみんなの役に立っていたようでした。それを元にした技術委員会も、しっかり実のある話し合いになっていたようです。結論は持ち越しですが。
 後半にやったピアノ協奏曲では、久しぶりの代吹きをやってみました。今回の定期の練習では、私のパートを代わってもらったことはありましたが、他人のパートを吹くというのはこれが初めてです。いかに、いつもみんなきちんと出席しているか、という事のあらわれですね。もちろん1番のパートですから、それも久しぶり、やはり、この方が性に合っています。
aventure number : 0740 date : 2006/4/4

06/4/6-5/9