今日の禁断 |
謹賀信念 |
最近の週末は殆ど何かの行事が入っていて、ゆっくり映画などを見に行く時間もありませんでした。この前「ALWAYS」に行ったのが去年の11月ですから、丸2ヶ月以上映画館にご無沙汰だった事になります。この間にも見たいものは沢山あったのですが、どんどん終わっていってしまいました。しかし、確か、去年のお正月に公開されていた「オペラ座の怪人」が、今年の2月にはもうWOWOWで放送されるのですから、1年待てば自宅のDVDに録画できるようになってしまうという、ものすごいサイクルで公開→DVD発売→放送が進むようになってきました。ちょっと前までは2年ぐらいかかったものですが、こうなってくるとわざわざ劇場まで足を運ぶ必要もなくなってくるような感じですね。もちろん、本当に素晴らしい作品であれば、劇場ならではの包み込むような映像と音声によって、テレビでは味わえない迫力と、そして「感動」を存分に得る事ができるというのは、紛れもない真実なわけです。
今日、久しぶりの利府で見てきた「THE 有頂天ホテル」も、そんな、わざわざ見に行った甲斐のある映画でした。もちろん、三谷幸喜の脚本はいつもながらの隙のなさを見せています。というか、この人のストーリーの作り方に馴染むにつれて、「伏線」がもろに見えてくる、という意味でなのですがね。香取慎吾のドアボーイが、客に言った言葉が、見事に伊東四朗の総支配人の身の上に起こるなどというのが、その一例、もちろん、それだからこそ安心して絡みつくようなストーリーに身を任せられる事になるわけです。ほんと、これだけの登場人物と、それぞれに関わるエピソードをこれほど見事に最後まで世話を見てくれたのには、感心してしまいます。
そんな、幾重にも交錯したエピソードを通じて見えてきたものは、「男の弱さ」でしょうか。言い換えれば「女の強さ」。冷静沈着だと思われていた役所広司の副支配人は、別れた妻が現れた途端に見栄っ張りのだらしない姿をさらし出す事になるわけですが、それに向かうあう原田美枝子の元妻のなんと逞しい事でしょう。その図式は、佐藤浩市の国会議員と、彼を巡る2人の女性の場合にも当てはまるはずです。彼が自殺するのではないかという事は、コールガールの篠原涼子には最初から分かっていた事ですし、元愛人の松たか子には、全ての行動パターンが読まれてしまっていたのですからね。ワンマン社長の津川雅彦が、愛人の麻生久美子に「これからは、ずっと一緒にいるからね」と言われた時の嬉しそうな顔と言ったらどうでしょう。何と言っても、最初から最後まで「弱さ」を見せ続けていたのが、「マン・オブ・ザ・イヤー」の角野卓造ですからね。
キャストはまさに三谷ワールドのオンパレード、もっとも、「新選組!」の近藤勇と芹沢鴨が抱き合っている姿は、ちょっと異様でしたが。それと、とんでもないメークで最後まで誰だか分からなかった人もいて、あとでキャストを見て「やられた!」と思ったものです。オダギリジョーは何となく分かりましたが、まさか、唐沢寿明だったとは。 |
aventure number : 0701 |
date : 2006/1/29 |
|