今日の禁断 |
篠原涼子 |
寒い日が続いています。なぜか大雪の予報がことごとく外れてそんなに雪かきに邁進しなくて済むのは良いのですが、いまだに凍ったままの道があるのが大変です。昨日の夜なども、フロントガラスが汚れていたのでウォッシャー液を使ったのが大間違い、「不凍液」などと言っていますが、それはガラスの上でワイパーで平らに広げられるやいなや、見事に凍ってしまったのです。デフロスターを全開にしても、まだエンジンが暖まっていませんから、熔けるのはほんのわずか、殆ど視界が確保できないまましばらく夜道を走ることになってしまったのですから、なんと恐ろしい。しかし、そのあとにはもっと恐ろしいことが待っていました。「ウジエスーパー」で買い物をして駐車場を出る時に、そこから道路につながる坂道が見事に凍っていて、ブレーキが効かない状態になってしまったのですよ。凍っていると分かっていれば、前もってギアをニュートラルに入れるとか出来たのですが、それは全く不意打ちのように起こってしまったのです。車は、少し斜めになって、そのままどんどん滑っていきました。幸い道路に出るちょっと手前で何とか止まることが出来ましたが、もし対向車線に車がいたら、確実にぶつかっていたところでした。実は、その向かい側に来ていたかもしれない車が、坂道の手前で止まっていてくれたから、助かったのですがね。しかし、その車、そこから坂道を登ろうとしたら、完全にタイヤがスリップして進めなくなってしまいました。あきらめて別な道へ行きましたが、私のせいで申し訳ないことに・・・。でも、もしかしたら、そのまま登っていたらそこで滑って、もっとひどいことになっていたかもしれませんから、私のせいで助かったのかも。
普段でしたらお店の人が融雪剤を撒くのでしょうが、あまりに急激に寒くなったので、そこまで気が付かなかったのでしょう。K子さんも気をつけてね。
そんな寒い夜は、WOWOWでお芝居でも。井上ひさしの「天保十二年のシェイクスピア」という、1973年に初演されたあの名作を蜷川幸雄が演出したものを、ノーカットで放送してくれるのですから、太っ腹です。何しろ、上演時間は4時間ですからね。最初はリアルタイムで見ていましたが、半分見たところで、あとはビデオ任せと言うことで、やっときのう見終わったところです。原作を読んだことがありますが、それも随分昔のことですから、すっかり内容は忘れていましたね。ただ、この作品の「仕掛け」でもある、シェイクスピアのパロディについては、その頃よりは元ネタに親しんでいますから、より、クリアに理解できたのは嬉しいことでした。しかし、何しろシェイクスピアの33作全部が含まれているというのですから、とても全てを指摘することは出来ませんでしたが。
もちろん、上演されたステージを見たのは、これが初めて、ご存じのように、この時期の井上戯曲は殆どミュージカル仕立て、実際にそのナンバーも初めて聴いたということになります。もっとも、初演当時は宇野誠一郎あたりが曲を付けていたのでしょうが、今回は宇崎竜童、さすが、キャッチーな仕上がりで、カーテンコールでオープニングのナンバーが繰り返された時には、随分盛り上がっていましたね。また、ミュージカルを観たくなってしまいましたよ。
それにしても、この頃の井上作品の勢いのあること。最近のものは、テーマが重くなった分、こういう楽しみが減っているのが、ちょっと残念です。 |
aventure number : 0682 |
date : 2005/12/27 |
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