0681(05/12/25)-0700(06/1/28)

今日の禁断 津和野

 年賀状の印刷のために、一時お引っ越しをしているプリンター、パソコンを使わなくてもデジカメからダイレクトに写真をプリントできるという機能がついているのは知っていました。ただ、私が愛用しているかなり前のデジカメには、もちろんそんな機能はありませんから、全く縁のないものだと思っていたのですが、実は、私の同居人の若い女性が、そういうカメラを持っていたのですね。去年のクリスマスプレゼントにどこぞの誰かからもらったのだとか。ただ、彼女はデジカメのプリントを家庭用のプリンターでやれると言うことすら知らなかったので、「写真屋に持っていかないとプリントは出来ない」とずっと思っていたのだそうです。確かに、ちょっと前のプリンターでしたらいかにも見劣りのしたプリントしかできなかったのは、私も知っています。そこで、試しにそのカメラをプリンターにUSBで繋いでみたところ、カメラの液晶ディスプレイにプリントの設定などが表示されたので、もうびっくりしていました。あとはカメラを操作するだけで写真屋のプリントと変わらないものが出てくるのですから、もう「すげ〜、すげ〜」の連発です。私も、こういうことは出来るということは知っていたので表向きはは平静を装っていましたが、実際に目の前でそれが行われているところを体験すると、心の中ではやはり「すげ〜」と叫んでいましたよ。この方面の技術の進歩というのは、めざましいものがあるのを、まざまざと見せつけられた思いです。もちろん、単に私が知らなかっただけ、ということなのですが。
 しかし、ここまで出来てしまうと、もはや街の写真屋さんは必要なくなってしまいますね。元々あるサービスを受ける人の数というのは決まっているものなのですから、別の方法で、より簡単に同じサービスが受けられるということになれば、今までのものは当然衰退していくのは明らかなことです。
 それと似たようなものがネットショッピングでしょうか。実は、最近今度の合唱団が関係している本が「12月26日」に発売になる、ということを知って、早めに出ているのではないかと市内の大きな本屋さんを捜し回っていたところなのですよ。駅前の2つの大型書店「M」と「J」に行っても見当たらないので、やはり発売日を過ぎないと店頭には出ないのかなと思いながらも、「もしや」という思いでネット書店を検索したら、その本はすでに「発送可能」状態になっているではありませんか。ネットだから早いのか、仙台は田舎だからお店になかったのかは分かりませんが、これにはびっくり。しかも「2点在庫あり。ご注文はお早めに。」などというコメントも付いていますよ。と言うことは、大分前に買うことが出来るようになっていたのですね。これは、迷わず注文です。こんな田舎では、いつまで待っていても入手できるあてはありませんから。
 こんな風に、今までのサービスは確実に見限られていくのですよ。
aventure number : 0681 date : 2005/12/25


今日の禁断 篠原涼子

 寒い日が続いています。なぜか大雪の予報がことごとく外れてそんなに雪かきに邁進しなくて済むのは良いのですが、いまだに凍ったままの道があるのが大変です。昨日の夜なども、フロントガラスが汚れていたのでウォッシャー液を使ったのが大間違い、「不凍液」などと言っていますが、それはガラスの上でワイパーで平らに広げられるやいなや、見事に凍ってしまったのです。デフロスターを全開にしても、まだエンジンが暖まっていませんから、熔けるのはほんのわずか、殆ど視界が確保できないまましばらく夜道を走ることになってしまったのですから、なんと恐ろしい。しかし、そのあとにはもっと恐ろしいことが待っていました。「ウジエスーパー」で買い物をして駐車場を出る時に、そこから道路につながる坂道が見事に凍っていて、ブレーキが効かない状態になってしまったのですよ。凍っていると分かっていれば、前もってギアをニュートラルに入れるとか出来たのですが、それは全く不意打ちのように起こってしまったのです。車は、少し斜めになって、そのままどんどん滑っていきました。幸い道路に出るちょっと手前で何とか止まることが出来ましたが、もし対向車線に車がいたら、確実にぶつかっていたところでした。実は、その向かい側に来ていたかもしれない車が、坂道の手前で止まっていてくれたから、助かったのですがね。しかし、その車、そこから坂道を登ろうとしたら、完全にタイヤがスリップして進めなくなってしまいました。あきらめて別な道へ行きましたが、私のせいで申し訳ないことに・・・。でも、もしかしたら、そのまま登っていたらそこで滑って、もっとひどいことになっていたかもしれませんから、私のせいで助かったのかも。
 普段でしたらお店の人が融雪剤を撒くのでしょうが、あまりに急激に寒くなったので、そこまで気が付かなかったのでしょう。K子さんも気をつけてね。
 そんな寒い夜は、WOWOWでお芝居でも。井上ひさしの「天保十二年のシェイクスピア」という、1973年に初演されたあの名作を蜷川幸雄が演出したものを、ノーカットで放送してくれるのですから、太っ腹です。何しろ、上演時間は4時間ですからね。最初はリアルタイムで見ていましたが、半分見たところで、あとはビデオ任せと言うことで、やっときのう見終わったところです。原作を読んだことがありますが、それも随分昔のことですから、すっかり内容は忘れていましたね。ただ、この作品の「仕掛け」でもある、シェイクスピアのパロディについては、その頃よりは元ネタに親しんでいますから、より、クリアに理解できたのは嬉しいことでした。しかし、何しろシェイクスピアの33作全部が含まれているというのですから、とても全てを指摘することは出来ませんでしたが。
 もちろん、上演されたステージを見たのは、これが初めて、ご存じのように、この時期の井上戯曲は殆どミュージカル仕立て、実際にそのナンバーも初めて聴いたということになります。もっとも、初演当時は宇野誠一郎あたりが曲を付けていたのでしょうが、今回は宇崎竜童、さすが、キャッチーな仕上がりで、カーテンコールでオープニングのナンバーが繰り返された時には、随分盛り上がっていましたね。また、ミュージカルを観たくなってしまいましたよ。
 それにしても、この頃の井上作品の勢いのあること。最近のものは、テーマが重くなった分、こういう楽しみが減っているのが、ちょっと残念です。
aventure number : 0682 date : 2005/12/27


今日の禁断 ぽち

 今年の「光のページェント」、前に「AUツリー」の点灯式にちょっと嫌われてしまったためか、なかなかちゃんと見る機会がありませんでした。唯一目にしたのが、先週東京へ練習へ行った帰りに車で通った時でした。あの時は駅の駐車場に車を置いてあったので、そのまま乗ってきたのですが、帰り道に買い物を頼まれていたために、たまたま市役所前を通ったということです。そうでなければわざわざ混んでいる道へは入らなかったはずです。案の定、交差点に入る前はものすごい渋滞、こんな道を選んでしまった自分を恨んだものですが、そこを過ぎて目の前に広がった「AUツリー」は、そんなイライラを一瞬にして忘れさせてくれるものでした。その時はまだクリスマス前、向かい側の県庁前でもちょっと渋いライトアップがあって、「今年はひと味違うな」と思いながら走り過ぎたものでした。
 夕べ、やっとゆっくり見てくることが出来ました。ちょっとブレていますが、これが写真です。「青」が基調なのは、昨今のはやり。
 しかし、クリスマスが終わってしまうと、こんなにも寂しくなってしまうものかと、唖然とさせられたのも事実。もちろん、クリスマス専用のライトアップがもう終わっているのは知っていましたが、AUツリーのまわりにひしめくように設置されていた出店やテント張りの休憩所は跡形もなく消え失せてしまっていたのですからね。
 その、東京の練習に行った時に知ったのが、このところ探していた安野光雅の新刊です。あれからネットで注文して、やっと手元に届いたので、早速明日の「おやぢの部屋」で紹介しますから、詳細はそちらの方で。もちろん、その中にある「さる合唱団」というのは、その、東京で練習をしてきた合唱団のことです。結局、「26日発売」と奥付にはあったのですが、実際には15日には店頭に出ていたということも、ネットで分かりました。
 そんな検索をやっていたら、面白いものがヒットしました。それはNHKFMの番組表。その中には、東京に行った次の日、12月18日の「日曜喫茶室」という、もう何十年も続いている番組の中でこの、安野光雅、森ミドリのコンビで作られた「私立蝙蝠中学校校歌」という曲が、その合唱団によって歌われていたことが記されてあったのです。もちろん、その指揮者の名前と合唱団の名前もしっかりクレジットされていました。一体いつの間にこんなことがあったのかと知りたいと思って、その指揮者にメールをしたところ、ついさっき、その彼から直接電話がかかってきてしまいましたよ。彼と安野さん、森さんとの縁、放送用の録音の経緯など、活き活きと語ってくれましたよ。このコンビのもう一つの成果、混声合唱版「津和野の風」の世界初演まで、あと3ヶ月もありません。
aventure number : 0683 date : 2005/12/29


今日の禁断 県民会館

 今年の大晦日は、今期最高の積雪となりました。とは言っても、たかだか13センチ、裏日本(死語)の豪雪に比べればままごとのような雪です。それでも、中山の坂の途中で信号待ちで停まったら、一瞬車輪が空転して進まなくなったという程度のヤバさは持ち合わせているものではありましたが。
 今年1年がいつになく早く過ぎ去ったのは、単に私が年を取ったというだけのことなのでしょうか。マジで時間が経つのがこんなに早く感じたのは、私の今までの体験の中にはなかったこと、時の流れを忘れさせるほどの出来事が、数多く起こっていたことの証でしょう。
 一つは、パソコンにも寿命があるということを知らされたことでしょうか。大切に使ってさえいれば、いつまでも私の相手をしてくれると信じ切っていた愛機に、突然裏切られてしまったのは、なによりも辛いことでした。機械を取り替えてしまえば済むことだと言うような気持ちにはなれないというのは、例えば半年に1度は新しいパソコンを買っているような人には到底分からないことに違いありません。確かに、買い換えた新しいマシンには今までになかった素晴らしい機能が数多く備わってはいるものの、失われたものも多かったのです。6年間にわたってそのマシンで培われてきた私の歴史、それは、データを新しいマシンに移してそれで済むというようなものではありませんでした。傍目には全く同じものに見えてはいるものの、いつまで経ってもよそよそしさがつきまとっているのは、どういう訳なのでしょう。何か起こるたびに前のパソコンと比べてしまう日々、それを、何とか今の環境になじませるために翻弄させられれば、時間などあっという間に過ぎてしまいます。
 それが一段落着いた頃に始まったのが、何十年かぶりの合唱への挑戦です。この辺のことは何度となくここに書きましたが、そもそも、私にしてみれば「まさか」の世界、もはや2度と歌うことはあるまいと思っていましたから、最初の頃はまさに不安のかたまりでした。最初の練習に臨む前には、まず楽譜を手に入れてしっかり音を取っていくことにかなりの時間をかけたものです。このところの音楽生活からの、それは全くかけ離れたスキルが要求されるものであることは、すぐ気付くことになります。何しろ、楽器ではどんなおかしな吹き方をしても半音と違う音を出すことはまずあり得ないのに、私の歌と来たら半音はおろか3度ぐらいは平気で変わってくるのですからね。
 練習が始まってしばらくしてから合宿があったのですが、そこに居合わせたかつての仲間に「声、昔と変わりましたね」と言われたのが、ちょっと嬉しかったことです。歌こそ歌ってはいませんでしたが、歌と同じ息を使って演奏をしていたのは事実ですから、呼吸法などが昔とは変わっていたのでしょうね。この成果が形となるまでは、やはり時間は早く経っていくことでしょう。
 そんな感じで、来年もバラエティあふれる年になるはずです。何しろ、9月には劇団四季が、今度は「コーラス・ライン」を持ってきてくれるというのですからね。
aventure number : 0684 date : 2005/12/31


今日の禁断 ネトレプコ

 「禁断」では、あけましておめでとうございます。今年はどんな年になるのでしょうか。去年のように密度の高い経験に、また巡り会えるのでしょうか。正直、あまり濃いイベントはもう勘弁して欲しいというところはありますが。
 そんなことを言っても、今年に入って2日目にして、すでにかなり濃い境遇が私を待っていたのですから、どうなることやら。きのうは「元朝詣り」、たまには手近なところで済ませないで、メジャーどころでお詣りをしたい、と言いだしたのは愚妻でした。確かに、青葉神社あたりは混んで入るといってもたかが知れていますから、車で参殿のすぐそばまで行けてしまうという便利さがありましたが、この町にはもっともっと人が集まる、と言うことはそれだけ御利益も大きいに違いない神社があるのですから、一度ぐらいそんなところへ行ってみるのも良いのではないのでしょうか。しかし、その「大崎八幡宮」へ向かって走り出したとたん、その御利益を得るには途方もない苦難が伴うことを身をもって知ることになるのです。なんと、三条町の福祉大学の正門前の通りで、車は全く動かなくなってしまったのです。まさか、これが八幡宮の駐車場まで続く渋滞だとは思いませんから、そのうち動き出すだろうと思っても、一向に動く気配はありません。そのうち、見切りを付けてUターンしていくドロップアウト組が出てきたので、とてもこのルートは無理だと判断、確かそばの小学校が臨時駐車場になっていたはずだったので、私もUターンしてそちらへ向かいました。
 確かに、その道は最初のうちは何ごともなくスイスイ流れていたのですが、その小学校の手前になると、やはり一歩も進まなくなってしまったのです。車をおいて神社へ向かえたのは、家を出てから2時間は経っていた頃でしょうか。もちろん、それからも参殿の前で延々と並ばされたのは、言うまでもありません。
 そして今日は「初売り」です。実は、私には、是非今日中に手に入れたいものがあったので、それを買うためにヨドバシへ向かったところ、ここでも前の日と同じ「一歩も進まない」という目に遭ってしまったのですよ。ほんと、こんなにたくさんの人が押しかけて、お目当てのものが売り切れてしまったらどうしようと、心配になったしまったほどです。しかし、目指すDVDレコーダーは、無事山積みになっていました。大分前から欲しかったものなのですが、デジタルチューナーが付いたものが以前はシャープのものしかなかったので、様子を見ていたところ。それが、最近では地上デジタル化に合わせて、他のメーカーのものにも搭載されるようになったので、もう買っていいだろうと思ったのです。その引き金になったのは、今日のBSハイビジョンでの、去年のザルツブルク音楽祭の「椿姫」のオンエア。このCDについては前に「おやぢ」にも書いたのですが、その時には「映像は出ないだろう」などというガセネタに惑わされてしまいまいした。まさか、ここでやってくれるとは。ですから、これだけは意地でも録画して、そんなデマを飛ばした人を見返してやりたかったのですよ。今までもハイビジョンが見れなくて悔しい思いをさんざんしてきたものが、やっと負い目を感じなくても良くなりました。
 とは言っても、初めての機材を、放送が始まるまでにセッティング出来るかどうかは不安でした。限られた時間内に、果たして私は、BSハイビジョンが見られるように、そしてそれを録画出来るようにはなるのでしょうか。
aventure number : 0685 date : 2006/1/2


今日の禁断 大原麗子

 デジタルチューナー付きのDVDレコーダーを買ったは良いのですが、果たして私の家でBSデジタル放送や、地上デジタル放送が問題なく受信されるかどうか、という点に関しては、全く予測の付かない状態でした。実は、地上デジタル放送の開始に合わせて、私のマンションでは共同アンテナの交換を行ったばかり、それによって、今まで使っていた機材では少なからぬ問題が発生していたのです。数台のチューナーやテレビに接続する必要があったので、信号のロスをなくすためにブースターを間に入れていたのですが、新しいアンテナに変えたところ、BS(その頃はアナログ)では電源を入れない方が感度が良くなったのです。ただ、そうすると地上波(もちろんアナログ)が見えなくなってしまいます。つまり、BSと地上波を見るごとにブースターのスイッチを切ったり入れたりしなければいけなくなってしまったのですよ。今まではBSとVHFしか入っていなかったところに、地上デジタル用のUHFを加えたのがその原因なのでしょうが、新しいチューナーに、この環境が受け入れられるのか、実際に接続してみなければ本当のところは分からなかったのです。
 とりあえず、今までは「分配器」しか使っていなかったものを、BSと地デジをきちんと分けるために「分波器」は用意しておきました。それでセッティングしてみたところ、一応BSデジタルは映るようになったので一安心、地デジで、何ヶ所か受信できないところがありましたが、当座は見ないところなのでまずは無視です(あとでブースターを外したら、問題はなくなりました)。そうこうしているうちに、7時半になってしまいました。まずはBS2で「寅さん」です。いやぁ、同じBSでも今までのアナログに比べたら、格段の美しさです。これを見てしまったらもはやアナログなど見る気がしなくなるほど。
 そして、9時半からは、お目当て、BSハイビジョンでの「椿姫」です。まあ、「ハイビジョン」とは言っても、モニターはNTSCのCRTですから、画質は先ほどの「寅さん」と同じですが、もちろんなんの危なげもないしっかりとした画質、売っているDVDよりも確実にグレードの高いもののように見えました。何とも先鋭的な演出、これはわざわざデジタルチューナーを用意して見た価値のあるものでした。やはりオペラは、特にこういう演出が売り物の場合は映像で見ないことにはなんの意味もないと言うことがよく分かります。
 録画は大成功、ハイビジョンスペックでハードディスクに記録されたその画像は、放送時と全く変わらないものでした。ところが、そのあと、DVDにダビングしようとした時、思ってもみなかった問題が発覚したのです。BSデジタルや地上デジタルで放送されたものには、それを「1回きり」しか録画できないようにする信号が入っている、というのです。つまり、ハードディスクに「1回」録画したものは、他のメディアにダビングすることは出来ないということになるのですね。そう、ここにも「著作権」が顔を出してきましたよ。オリジナルと全く変わらないものが複製できるというデジタルならではの特性が、立場が変われば不当な利益を得るものとなってしまうのですね。CPRMとかいうこの「技術」がある限り、「ダビング」ということは全く不可能になってしまっているのです。
 そういうことであれば、最初からDVDに録画するしかないではないか、と思ったら、なんと「DVD−R」ではそれは不可能、「DVD−RAM」でなければ出来ないんですって。深いです。
aventure number : 0686 date : 2006/1/3


今日の禁断 NHK

 52万のキリ番、出たのはきのうの夜8時頃でしょうか。今のところお申し出はありませんが、お心当たりの方はぜひ。このところのアクセスの推移は、400/日程度がコンスタントに続いています。まあ、このぐらいがちょうど良いのかもしれませんね。実は、アクセス解析でリンク元を調べてみたら、なんとあの「2ちゃんねる」からリンクされていたことが分かって、ちょっとびっくりしているところなのですから。もっとも、その書き込みは3年以上前のものなのですがね。別に悪意のあるものではなく、どちらかというとこのサイトをまともに評価しているものだったので、まずは一安心なのですが。「無名のカリスマ・リスナーに光を当てよう」みたいなスレッドで、「検索して見つけたサイトの大元をたどるとここに行き着くことが多い。」とか「『おやぢ』に注目。よくもまぁ、こんなに沢山聴いた上にマメにコメントしてる。関心します。」とか、スレッド自体は例によって個人攻撃だらけの醜いものなのですが、なぜかうちに対するコメントは好意的。サイトの怖いところは、こんな大昔のスレッドがいまだにきちんと存在していると言うことでしょうか。
 それはさておき、前回の「禁断」で、とんでもないボケをかましてしまい、早速常連さんから突っ込みを入れられてしまいました。CPRMがかかっているデジタル放送を録画したものは「ダビング」が出来ない、と書いたのですが、それは正確ではないというのです。その時には、手元にはDVD−Rしかなかったので、それで試したら「ダビングできません」という警告が出てしまい、そういうものだと思ってしまったのです。実は、DVD−RAMでは「ダビング」は出来たのです。しかし、問題はそれが「コピー」ではなく「ムーブ」だということ。つまり、パソコンでのファイルの扱いと同じこと、「コピペ」ではなく、「移動」しかできないわけで、データは別の場所に移動した結果、元のところにはなくなってしまうのですね。つまり、HDDに録画したものをDVD−RAMにダビングすると、HDDからはデータが消えてしまう、ということだったのです。
 そんなわけで、DVDレコーダーを一台手に入れただけで、一つ一つ新しい知識が増えていくことになります。というか、CPRMもそうですが、このような「不法コピー」技術の進歩というのは目に余る…ではなく目を見張るものがありますね。録画以前の段階で、放送を受信する時にまず必要なのが「B−CASカード」。放送局が、個人が持っている全ての受像器を管理できるという優れものです。このシステムがあれば、有料放送への加入など超簡単、現に私も、今まで加入していたWOWOWを電話1本でアナログからデジタルに即座に切り替えられたのですから。しかし、このシステムの真価が発揮されるのは5年後、全ての放送がデジタル化された時には、受信料不払いなどという「反社会的」な行動は、この世から一掃されることでしょう(あ、もちろんこれは皮肉ですよ)。
aventure number : 0687 date : 2006/1/5


今日の禁断 シングル8

 私の同居人(若い方)が、夕べちょっと「熱っぽい」とか言っていたのですが、今朝起きたら「38度以上ある」と言いだしたので、もしや、ということで急遽病院に送っていくことになりました。いつも診てもらっている行きつけのところがお休みだったので、近頃別の同居人がお世話になった、開業記念日には患者全員に「草餅」を配るというユニークなクリニックに行ってみることにしました。やはり、そういう季節なのでしょう、かなり待たされて診察してもらった結果、見事にインフルエンザのA型に感染していることが分かりました。去年、12月の初めに予防接種をしていたのですが、罹る時には罹るのですね。もっとも、看護婦さん(死語)の話では、予防接種をしていたから、そんなにひどくはならなかったのだとか。確かに、本人も以前罹ったインフルエンザとは比べものにならないほど楽だと言ってましたしね。
 そこで処方してもらった「タミフル」の効果は絶大、夕食の頃には熱は36度台に下がってしまいましたよ。早めに飲めば間違いなく効くというのは、本当だったのですね。
 さあ、そんなウィルスだらけの同居人のそばにいて、私は大丈夫なのでしょうか。1週間ぐらいしたら、私もタミフルのお世話にならなくなっていたりして。まあ、とりあえず今のところは元気満々ですから、録り溜めた番組でも見ることにしましょうか。
 予想していたことではありますが、デジタルチューナーの導入の効果も、また絶大なものがありました。今までは番組表を眺めるたびに、受信できっこないハイビジョンの音楽番組に腹を立てていたもの、今頃、このオペラやこのオーケストラを見ている人がいるのだと思うと、限りなくストレスが募ったものでした。ですから、最近では、ハイビジョンの欄は出来るだけ見ないようにしていたぐらいです。それが、今年の1月2日からは、「無料の」番組は全部見られるようになったのですからね。もう、ハイビジョンはおろか、衛星デジタルの他の局までチェックできるようになったのですから、すごいものです。もう少し早く買っていれば、BS朝日でベルリン・フィルが見れたのに、とかね。
 そこで、デジタルハイビジョンでしか放送されていない「デューク・エイセス」をチェックした、というわけです。このネタは後日に回すとして、別な話を。今でこそ「ハイビジョン」といえば「デジタル」とほぼ同義語のように思われていますが、かつては「アナログ」のハイビジョンというのもあったのですよ。というか、今でもBSアナログの9チャンネルがそれなのですがね。これは「MUSE」という圧縮技術を使って信号を送っていたそうなのですが、かつてはそれをNTSCで見るために「M−Nコンバータ」というものが発売されていました。確か20万円以上したはずですが、もちろんこんな高いものを買ってまでハイビジョンを普通の画面で見ようとする人は誰もいなかったため、値段が下がることはありませんでした。でも、少ないとは言っても実際にこれを買った人はいたわけですから、10万円ちょっとでデジタルのハイビジョンでもなんでも受信できて、それがHDに録画できる今の時代には、それこそ腹が煮えかえる思いに違いありません。
 そんな愚かな商品開発にうつつを抜かすのが家電業界なのでしょうか。そのハイビジョンまで収録できるメディアについての2つの陣営の泥仕合には、それを買う人への視点がまるで欠けているのは明らかです。考えてもみて下さい。何十万円だかかけて買ったレコーダーも、それを使って焼いた貴重なディスクも、5年か6年たったら「VHD」や「ベータ」、もっと言えば「DAT」のように、なんの役にも立たないガラクタになってしまうと分かっているものを、買おうという気になんてなりますか?
aventure number : 0688 date : 2006/1/7


今日の禁断 川面

 今日は、こんなところに行ってきました。

 えらい達筆で逆に分かりづらいかも知れませんが、これは「男の合唱まつりinみやぎ」という催し、県内外の「男声」合唱団が集まって演奏を披露するというお祭りです。もちろん、私は去年まではこんな世界とは全く無縁に暮らしていましたが、今回ばかりはそうもいきません。今練習している合唱団に参加していると、殆ど自動的にここに出演するという仕組みになっているものですから、しっかり合唱人の仲間入りです。
 本番は12時半からなのですが、その前に各団体にリハーサルの時間が割り振られています。そのためにお昼前には会場の青年文化センターに入ることになります。まさか、合唱をやるためにここに来ることになろうとは。そのリハーサルも、練習室4という使い慣れたところですが、ここで歌を歌うというのも新鮮な体験です。与えられた20分ではとても足らなかったので、そのままパフォーマンス広場に移動、チューバやバリトンサックスが練習しているすぐそばで歌うなどというのもなんか不思議な感じです。
 この催し、今回が7回目だそうで、運営もなかなかスムーズに行っているようですね。参加団体が全部で30あったのですが、その演奏の順番は前もって決められているのではなく、演奏会の直前に抽選で決める、というのも、なかなか面白いアイディア。参加団体の代表がステージに上がってそれぞれの名札を持って番号を引き(上)、その結果にしたがったその名札をバルコニーに並べていく(下)、というやり方です。

 その結果、私達の出番は22番目、歌う前に殆どの団体を聴くことが出来ます。もう一つ、ユニークな運営は、各団体に5分という制限時間があるのですが、それをオーバーした場合にはペナルティとして一升瓶1本を献上しなければならない、というルールです。ですから、これを逆手にとって(酒手にとって)前もって一升瓶をステージに持ち込んで、堂々と長めの演奏を披露する、という猛者も出てくるわけです。この罰金は、終わってからの打ち上げで使われるのですから、なんの痛痒もないわけで。
 演奏が始まってみると、「男声」といってもそのスタイルにはさまざまなものがあることがよく分かります。ミサ曲を歌ったあとに童謡とか、しっかりカラオケを用意してPAを入れて歌っていたところもありましたし。そんな中で、最近は「女声」が入っている男声合唱というものも、徐々に浸透しているということも教えられました。それも、カウンターテナーのパートではなく(そういう団体もありましたが)、正規の男声テナー(そんな言葉、ありましたっけ)のパートを女声が歌う、というものです。今回私が一番印象に残った「パチンコ」という団体が、そういう編成で多田武彦を歌っていたのですから、そこでの女声は男声パートしかないということになりますからね。ここともう一つ、「エビス」というのが、若々しい声と柔軟な音楽性で、確かな主張を伝えてくれていました。ただ、「主張」という点では、たった7人しかいないのにコンサートホール全体を豊かな響きで満たしてしまった「ヒコイチ」のインパクトには圧倒されてしまいましたが。
 私達といえば、全員暗譜(のはず)、最初の音取りもなく演奏をはじめたというスマートさは、ちょっと自慢できるのでは。
aventure number : 0689 date : 2006/1/9


今日の禁断 スウェーデン

 この間書き残したことに再挑戦です。ハイビジョンが見れるようになったので、嬉しくなって録画したものの中に、「デューク・エイセス」のコンサートがありました。そのタイトルを見て一瞬固まってしまったのは、これが「50周年記念コンサート」だというものだったからです。50年・・・、このコーラスグループは、私が生まれる前から活動していたのですね。20歳で始めたとしても、今は70歳。そんな年になって、まともなコーラスなど出来るのでしょうか。というのも、同じ時期に誕生した「ダーク・ダックス」とか「ボニー・ジャックス」などといった男声カルテットが(「ダーク」の場合、「トリオ」になってしまいましたが)今では見る影もなくボロボロになってしまっていることを知っていたからです。もっとも、それらのグループが頑なに生え抜きのメンバーにこだわり、決してメンバーチェンジはおろか、脱落者が出ても補充することすらしてこなかったのとは対照的に、「デューク」の場合は適宜メンバーが入れ替わっていた、という違いはありますが。それにしても、やはり初期からのメンバーはとっくに70歳を超えているのですから、多少の衰えはしょうがないという気持ちで、その録画を見始めたのです。
 しかし、彼らのハーモニーは、昔から聴き親しんできたものと、全く変わらないものでした。もちろん、今のメンバーの1期前、谷口さんというトップテナーが健在の頃の最盛期に比べれば、ちょっと甘めの今のトップテナーに違和感がないわけではありませんが、バリトンの谷さんを中心とした「堅め」のハーモニーは、完璧に響き渡っていたのです。これは、殆ど奇跡に近いことなのではないでしょうか。なによりも、これからもどんどん新しいレパートリーにも挑戦していくという姿勢が、素晴らしいではありませんか。あまりに素晴らしかったので、彼らの代表作「にほんのうた」がこの50周年に合わせて再発されたものを買ってしまいましたよ。これは、近々「おやぢ」になるはず。
 もう一つ、まだ見れなかった頃にハイビジョンだけで放送されて悔しい思いをした「オルフェイ・ドレンガー」が、BSで見られるようになったので、これも早速録画しました。「世界最高の男声合唱団」といううたい文句の通り、「男声」の可能性が最大限に発揮された素晴らしいものでした。特に、アンコールで歌われた武満徹編曲の「さくら」は、「これが男声?」という信じられないほど色彩的なハーモニーを聴かせてくれて、これも別の意味での「奇跡」を体験した放送でした。なんと、この合唱団は20年ぶりの来日だったとか、それが分かっていれば聴きにいったものを。
 そんな、合唱モードで始まったお正月ですが、いよいよ明日はニューフィルの弾き初めです。ブルックナーに頭を切り換えなければ、と思っていたところ、響パパから「ウィキペディアのブルックナーでリンクされてましたよ」という情報を頂きました。確かに、この「ネット辞書」の「外部リンク」には、このサイトへのリンクだけが紹介されていたのですから、ちょっと嬉しくなってしまいました。
aventure number : 0690 date : 2006/1/11


今日の禁断 ミュンシュ

 BSデジタルの民放で、何か音楽番組がないかと探していたら、BSフジで「日本フィルシンフォニーコンサート」というのが見つかりました。番組表によれば、毎週木曜日の午後1時から2時間の放送ということです。へぇ〜、フジテレビでもオーケストラを使ったコンサートなんか作っていたんだ、とちょっとびっくりしてしまいましたが、すぐに、それは勘違いであることに気づきました。今のフジテレビは、「日本フィル」とはなんの関係もないはず、その番組は、かつて「日本フィル」がフジテレビの専属のオーケストラだった頃のものだったのですよ。
 紛らわしい書き方をしましたが、現在の「日本フィル」は、かつての「日本フィル」とはちょっと違った団体です。正確には、かつての「日本フィル」が2つの団体に分裂した、その片方のものなのです。もう片方は「新日本フィル」。なぜ分裂したかというと、フジテレビが、それまで持っていたオーケストラの団員に対して、突然全員解雇の通告を出したからなのです。それに対して、団員は「あくまでフジテレビと闘って雇用を勝ち取ろう」という組と、「もうフジテレビの世話にはならないで、自分たちで新しいオケを作ろう」という組に分かれてしまいました。後者は、主に首席奏者などの、腕に自信のある人達、当時常任指揮者(だったかな)だった小澤征爾も、そちらに付きました。それが「新日本フィル」ですね。そして、残った人達はそのまま「日本フィル」を名乗る、ということになったのです。
 この番組は、そんな大昔の、フジテレビが自分のオーケストラの演奏会を収録して作ったものです。「日フィルコンサート」とかいうタイトルで、毎週放送していたような記憶があります。そのアーカイヴを、ずっと放送しているのでしょうね。さっきちょっと録画したものをチェックしてみたら、山本直純のクリスマスコンサート(会場は武道館!)をやってましたっけ。確か、ストコフスキーやマルケヴィッチが指揮をした映像もあるはず、もうやってしまったかも知れませんが、これから何が出てくるか、楽しみです。
 さて、ニューフィルの方は今年初めての練習です。ただ、今年の風邪の猛威はやはり影響を及ぼしていて、マスクをして参加している団員を多く見かけます。それよりも、フルートパートでも一人インフルエンザでお休みしてしまったのですから、大変です。もっとも、ブルックナーの木管は少なくて済みますから、音が抜けるようなことは全くありませんが。
 去年まではさんざんだったそのブルックナーも、何度かやっているうちに大分輪郭が見えてきたような気がしますね。最初にやった第2楽章は、3連符と2連符の兼ね合いがうまく付きさえすれば、何とかなりそうな気配、それよりも、ヴァイオリンの3連符のピチカートが終わって、アルコで歌い出すところがまるでマーラーのように聞こえたのは、新しい発見でした。1楽章だって、テンポの変わり目のカウントさえきちんと取れさえすれば、すんなり通る日もそんなに遠いことではないでしょう。
aventure number : 0691 date : 2006/1/12


今日の禁断 五寸

 きのうまでの寒さとはうってかわって、今日は「雨」が降るという予報でした。雪ではなく雨なのですから、かなり気温も上がるというのでしょう。これで、凍り付いていた道路もやっと溶けてくれるはずです。しかし、今日14日は「どんと祭」の日ではありませんか。この日に雨が降るなんて、なんと珍しい。
 午後からニューフィルの定期総会があるという事で、車に正月飾りを積んで、出発です。青葉神社のすぐ隣の駐車場に車を置いて、石段を登り、ゴミ、ではなくて、飾り物が積み上げられているところへ持っていきます。火入れは4時という事ですから、まだまだ先の事なのですが、もううず高く山になっていました。せっかくここまで来たのでお詣りをして、「松川ダルマ」を買って、車に置いておきます。そして、地下鉄まで歩いて、会場の県民会館というコースです。
 地下鉄の駅を降りて地上に出ると、どこからか鐘の音が聞こえます。消防車でもいるのかと思って見回しても何も見えません。しばらくその音の主を捜してみたら、それは「裸詣り」の人だったのです。下帯一つにわらじ履き、上半身裸の男がこんな街中を堂々と歩き回っているのは、ある意味異様な光景ですね。ということは、この定禅寺通りから大崎八幡宮まで、歩いていくのでしょうね。
 県民会館の会議室で総会が始まっても、外からはひっきりなしに鐘の音が聞こえます。この模様は、いつものようにMDで録音していますから、あとで聴き直した時には、この鐘の音がしっかり入っているのでしょうね。
 総会が終われば、場所を移して新年会です。今年の会場は「ミア・アンジェラ」、よく愚妻と一緒にランチを食べに行くところですから、「お馴染み」の店なのですが、その2階に行ったのは初めて。さりげなくメッシュの仕切があったりして、なかなかおしゃれな感じ、最近のニューフィルの幹事さんの趣味の良さが反映されています。料理は、ランチの印象と同じ、パスタはイマイチでしたが、肉がなかなかでした。
 しかし、このところ、こういう集まりに人が少ない、というのは、ちょっと寂しい感じがしませんか?今日も参加者はたったの14名、大半は管楽器で、弦はたったの2人、それもヴァイオリンだけという、非常に偏った陣容でした。まあ、でも少ないなりに親密な話に花が咲いて、それなりに楽しめましたが。ここで、ちょっと前から悩んでいた事が見事に解決された、という局面がありました。去年のJAOのフェスティバルに行ってきたIさんが、現地で「○○さん(私の事)はお元気ですか?」と挨拶されたというのですが、私はその方に全く心当たりがなかったのです。Iさんは名前もうろ覚えだったので、一体誰なのか見当が付かなくて、ずっと悩み続けていたのです。それが、その話になった時に改めてその状況とかを聞いてみて、やっと一人心当たりのある男を思い出しました。それで「ヴィオラのMさん?」と聞いてみたら、確かにそんなような名前だったとか。うん、彼なら確かに知っています。何しろ、私が家庭教師をやっていた時の教え子なのですから。
 新年会はそこだけで終わりにして、また青葉神社に寄ってみました。雨でもしっかり燃えていたたき火にあたって、今年も無病息災を願う私でした。「無病」はともかく、「息災」に関してはなんの御利益もなかった昨年でしたが、今年はどうなる事でしょう。
aventure number : 0692 date : 2006/1/14


今日の禁断 ドラ

 「不思議をひもとくと、そこには必ず感動が待っています」というフレーズが冒頭を飾っている、NHKの番組がありますね。今日のテーマは「あり」ですって。そんなおやぢはどうでもいいのですが、このアナウンスを聞くたびに、「んなばかな」と思ってしまうのは、私だけでしょうか。だって、「必ず」感動が待っているのですよ。この番組を見た人は「必ず」感動する、と、断言しているのですよ。このMCを作った人が「感動」という概念をどのように受け止めているのかは私には知るよしもありませんが、私の場合、この言葉はかなり大きな意味が込められたものとして受け止めているのは事実です。つまり、その体験によって、それ以降のものの見方、ひいては生き方さえ変わってしまうほどのものにこそ「感動」という言葉を使いたいと思っているのですよ。そんなものが1週間に1回、きちんと私の前に訪れるなんて、とても信じられないのですが、どうでしょう。ちなみに、私にとっての最大の「感動」は、「チュンサン」と「ミニョン」が同一人物だと分かった事です・・・なんてね。
 そんな「感動」を、「必ず」与えたからこそ「のだめ」は突出したベストセラーとなりました。新刊がそろそろ発売される事は知っていましたから、昨日ちょっと大きめの本屋さんに行ったところ、その間違いなく出ているはずの「14巻」が、どこを探しても目に入らないのですよ。13巻までは棚に並んでいるというのに、平積みになっている場所にはないのです。そんな訳はないと思って、隅から隅まで探し回ったところ、やっとありました。何故見つからなかったのかは、その瞬間納得できました。それは平積みの3列目ぐらいに置いてあったのですが、そこだけ極端にへこんでいたため、まわりの「山」に遮られて見えなかったのですね。つまり、その山だけがよく売れていた、という事になるのです。この勢いはしばらくとどまる事はないのかも知れません。何しろ、ヤマハの楽譜売り場では、お店を入ったすぐ目に付くところに全巻そろえてディスプレイされているぐらいなのですからね。
 もはや長期連載は避けられないものとなってしまったこの作品が陥ったのは、多すぎる登場人物という問題です。どんなものにせよ、スタート時のキャラクターだけではどうしてもストーリーに限界が出てしまいますから、それを解決するためには登場人物を増やして話にふくらみを持たせる必要が出て来るというのは、長期連載を余儀なくされた人気マンガの宿命です。あの「サザエさん」でも、最後期には全く関係のない人がストーリーを展開させて、主人公であるサザエさんは通行人として登場するだけ、といった日がずいぶんあったものです。
 そんなわけですから、今回の「のだめ」でも、「こんな人いたっけ?」状態に、あちこちで陥ってしまったわけでして。単に、私の記憶力が悪いというだけの事なのかも知れませんがね。というか、二ノ宮さんはキャラクターの書き分けがそんなに上手な方ではないようで、どの顔を見ても同じに見えてしまうのですよ。
 しかし、それをカバーするのが、茂木大輔さん@リアル千秋も指摘している、音楽を演奏しているシーンでのリアリティなのだそうです。それを信じるならば、ラヴェルの「ボレロ」には、チェレスタ用のパート譜というのは存在していないのですね。マルレ・オケにトラのトラ(本来のトラはのだめ)で乗ったソン・ルイが弾くチェレスタの譜面台にあるのは、どう見てもフルスコア。
aventure number : 0693 date : 2006/1/16


今日の禁断 荒川

 練習が終わって家でメールを開けてみたら、「そろそろ」と思っていたファイルが添付されたメールが届いていました。実は、この間の土日に、例の合唱団の合同練習が東京であったのですよ。土曜日はご存じの通りニューフィルの総会と新年会でしたから行けなかったのですが、日曜日にはしっかり行って、朝から晩までみっちり練習をやってきたのです。本番を2ヶ月後に控えて、それはかなり内容の濃い練習になりました。私が行った日は男声だけだったのですが、今までは形になっていなかった一つの「意志」のようなものが、しっかり見えてきたような、とても有意義な練習だったのです。そして、そういう練習の時の指揮者の指示を、事細かにメモをしている人がいて、そのメモを、近い学年の人達の間のMLで流していたのですが、それを、せっかくだから全部の団員に見せようという事になって、仙台の連絡用のHPを作っている関係で、私がそれをwebに載せるという役目を仰せつかってしまったのです。ですから、今回届いたのは、その最新版のメモ、ニューフィルで言えば「末廣語録」のようなものの最新版だったのです。そんな濃い練習でしたから、その「語録」も内容が盛り沢山、とても今からでは手が付けられないので、明日、暇を見て更新する事になるはずです。
 そんな風に、この合唱団は、メンバーの気合いがものすごいエネルギーを生んで、とてつもない推進力を持っています。みんなそれぞれに問題意識を持って、しかし、あくまで演奏会を成功させようという方向で惜しみない力を注いでいるのがよく分かります。私も、そんな活動の一翼を担えるなんて、本当に参加して良かったと思っているところなのですよ。もちろん、この男声は元々同じ仲間だったのですから、その結束力は年季が入っていると言う事もありますがね。素晴らしいのは、そこに加わっている女声です。そんな男声の熱意をしっかり受け止めて、やはり演奏会の成功のためには力を惜しまない、という態度を示してくれるのには、頭が下がります。女性ならではの、例えばステージ衣装などでの思惑なども色々あるはずなのですが、そんな事はおくびにも出さずに一致団結している姿は、感動的ですらあります。
 演奏会は全曲暗譜という事で、この練習の時にもしっかり楽譜を外して歌っている人が見かけられました。私も一応それなりの準備をしていったので、試しに外してみたら、殆ど歌えたのでまず一安心。しかし、さらに突っ込んで細かいところまで憶えるには、決定的に時間が足りません。そこで、今日のニューフィルの練習では、前半のコンチェルトで降り番(フルートは1本しかありません)だったのをいい事に、合唱の楽譜を持ち込んでせっせと暗譜に精を出したという事になりました。ホールの外の椅子に座って、大ホールのベートーヴェンと、小ホールのスケールの個人練習の音を聴きながら、「阿波」や「雪明かり」の音を憶えようとするのは、結構大変でしたがね。
 こんな、一つの演奏会に寄せるメンバーの熱い思い、ちょっと最近のニューフィルでは、私はしばらく味わっていなかったもの、なんか、とても新鮮なものに感じられてしまいます。
aventure number : 0694 date : 2006/1/17


今日の禁断 はやて

 寒い日が、また戻ってきましたね。毎朝の温度は常に氷点下、布団からはい出すのが辛い日々が続いています。こんな季節の悩みは、部屋の中の結露です。いくら寒いとは言っても部屋の中では普通に生活できるぐらいの温度は確保できていますから、外の温度が低ければ当然ガラス窓には結露が発生してしまいます。特に気密性の高いマンションではこれが深刻、あるリフォーム会社の人の話では、「結露の問題が解決できれば、ノーベル賞がもらえる」ということなんだとか。ですから、毎年私の家は大変です。北側のガラス窓は「結露」などという生やさしいものではなく、まさに「びしょ濡れ」いくら雑巾で拭いても、すぐ水がたまってきます。そんな窓にはレールの部分に雑巾を置いておいて、毎朝乾いたものに取り替える、というのが、私の家事の一つでした。
 ところが、今年は全くそんな事をしなくても良いようになってしまいました。窓のサッシは水滴が付く事はなく、下に置いた雑巾は何日経っても乾いたままという、まるで夢のような状態が続いているのです。今年の方がずっと寒いはずなのに、去年の今頃とは全く異なるこの窓の様子、一体何があったというのでしょう。その秘密は、換気扇です。実は、去年マンションの人達と話をする機会があったのですが、そこで私が結露の事を言ったところ、「一日中換気扇を回しておくと良いよ」という人がいたのです。浴槽の換気扇を回しっぱなしにしておくと、結露が全くなくなった、と言うのですよ。その時は半信半疑だったのですが、ダメモトで始めてみたところ、この画期的な効果が上がったというわけ、これが分かっていれば、もっと前からやっておけば良かったと、強く思っているところです。あなたの家でも是非お試し下さい。
 そんな風に、世の中にはまだまだ知らない事がいっぱいあるものです。最近よく東京に行ったりしていますが、その時に使っている新幹線のチケットもなかなか奥が深いものがある事に気づいてきたところです。いつも行くのは週末なので、「土日きっぷ」というのを買っています。これは、18000円で指定された土日の2日間JR乗り放題という優れものです。自由席なら何回でも乗れますし、指定席も4回までは使う事が出来ます。ですから、東京まで指定席で2往復する事も出来るわけです。ですから、この間の土日、東京で練習があった時には、土曜日の混声の練習の時には愚妻だけが行って、次の日には私だけが行ってくる、という事が出来てしまったのです。普通にチケットを買えば4万円以上かかるものが18000円、しかも、今はキャンペーン期間中でそれが9000円で手に入るというのですから、たまりません。4500円で東京まで指定席で往復できたという「お得」なチケットなわけです。
 さらに、このきっぷは普通の指定席同様「乗車変更」が出来るのですよ。実は、12月の練習の時には一緒に行く予定だったものが、急に風邪をひいてしまって一人が行けなくなってしまい、払い戻す事になったのですが、ネットを調べてみたら別の週に振り返る事ができるらしいということが分かり、今回使ったものに変えてもらったのです。当然手数料は要りませんでした。ところが、このことは現場の人でも知らない事だったのですね。仙台駅のみどりの窓口に行って「別の日に変えて下さい」と言うと、その窓口の人は「ちょっと待って下さい」と言って、資料を見たり他の人に聞いたりして、やっと手続きをしてくれたのですからね。この人は、私によって新しい知識を得た事になりますね。私の換気扇のように。
aventure number : 0695 date : 2006/1/19


今日の禁断 カツ丼

 東京へ行く新幹線といえば、普通は南へ向かって走るもののはず。しかし、今日の仙台発7時21分の上り特急「やまびこ42号」は、まるで北へ向かって走っているかのような錯覚を、乗客全員に与えていたはずです(あ、「北へ向かうから上りでしょ?」なんてボケないで下さいね)。車窓から見る景色は、仙台を出る頃は穏やかなものでした。遠くにそびえる蔵王連峰や、吾妻連峰は、晴れ渡った日の光を浴びて真っ白な輝きを誇示しているというのに、東京が近づくにつれて空にはどんよりとした、まるで北国のような雲が立ちこめるようになってきたのですからね。それだけではありません。なんと、仙台でも福島でも降ってはいなかった雪が、栃木県を過ぎたあたりから降り始めてきたのですよ。埼玉県に入ると、あたりは一面の雪の原と化しています。そう、今日私は、仙台から南にある「雪国」へ向かって旅をしていたのです。
 9センチの積雪を記録したという東京の、代々木公園の中にある「国立オリンピック記念青少年総合センター」というところで、男声だけの強化練習があるというので、先週に引き続いて上京(「上り」とはこういう時に使うのですよ)した私は、1年に何度とはない出番を披露しているスノースコップを横目に、この、かつては東京オリンピックの選手村だったスポットにそびえ立つ巨大な建物群に、殆ど圧倒されてしまうところでした。前もってネットでその建物の配置と概要を把握しておかなかった限り、「カルチャー棟」という建物の地下にある「リハーサル室」にたどり着く事など、不可能だったに違いありません。
 その、今回の練習のために借りた高い天井をもつ広々とした空間には、すでに椅子が並べられて、先週の練習の直後にロンドンに発って、つい昨日日本に帰ってきたという指揮者が、はるばるやってきた私の事を出迎えてくれました。私としては、本番を迎えるにはやはり本番のバランスとテンションをもつ環境での練習でなければあまり意味がない、というか、東京の練習に参加しない事には、完璧に取り残されてしまうという危機感を抱くようになってきていますから、出来る限りこちらに来ようと思っているだけのこと。出来れば「東京」のメンバーとして認知してもらいたいほどなのですが。
 今日のメニューは、まずパート練習からです。セカンドは、同じ棟の3階にある練習室へ移動します。ピアノも置いてあるかなり広い部屋、ちょっとしたアンサンブルだったら十分入る程のものです。現に、隣の部屋ではサックスのアンサンブルが練習していましたし。つまり、この施設は、どこぞの「青年文化センター」を、格段に巨大な規模にした、というものだったのですね。そういえば、名称もよく似てますね。そして、ここではそんな「文化系」だけではなく、「体育系」の施設も同居している、という壮大さです。
 その規模の大きさは、昼食の時に嫌でも知らされる事になります。「センター棟」という建物の中にある巨大な食堂は、座る場所がないほどの人でごった返していましたし、食券を販売する機械は、押し寄せる人の波に耐えかねて、早々とその仕事を放棄したというぐらい。例によって周到な事務局が前もって入手してくれた食券(1枚500円!)がなければ、私達は和・洋・中華に麺類の中から自由に主食を選べて、ご飯やサラダやデザートは食べ放題、飲み物はホットもコールドも飲み放題という贅沢な食事を堪能することは、到底出来なかったはずです。
aventure number : 0696 date : 2006/1/21


今日の禁断 杏仁豆腐

 今行っている合唱団にも何人か参加している、名門合唱団の演奏会がありました。何しろバッハの「ロ短調ミサ」ですから、これは聴きに行かないわけがありません。とか言って、ちょっと前に別の合唱団がデュリュフレのレクイエムをやったというのに、迂闊にもその予定を見落としてしまって、残念な思いをしたばかりなのですがね。今回は、しっかり面と向かって「チケット買って下さいよ」というようなアクションがあったので、見落とす事もなかったという事です。
 駐車場に車を入れようと思ったら早めに行かなければならないのは、この旭ヶ丘のホールの場合の鉄則です。予想通り、ホールの駐車場は10台近くの空き待ちが列をなしていたので、これも定石に従って市民センターの駐車場へ向かいます。そこは運良くすぐ空きが出て入れました。開場まで少し時間があったので、すぐそばのセブンに行ってみたら、しばらく見かけなかった「はごろも」が昔と同じように並んでいましたよ。他の店では徐々に復活してきたこの品出し、私が一番最初に好きだったものがなくなってしまって悲しい思いをしたこの店で元通りに戻ったのは、とても意義深いもののように思われます。この「はごろも」を追いやってしまっていた新しいゼリー類は、跡形もなく姿を消しています。やはり、昔からのお馴染みは、新参者に取って代わられる事はなかったのですね。良かった、良かった。
 開演30分前になったのでホールに行ってみたら、もうすでにお客さんが入り始めていました。ステージでは、まだポジティーフの調律中、オルガンを実際に調律しているところなど初めて見ましたよ。休憩の時にもやっていましたから、かなり微妙な楽器なのでしょうね。良い演奏を提供するために最大限の力を尽くす、というのは、プロ、アマを問わず最も大切なことなのでしょう。
 開演間近になって、客席はほぼ満席、後ろの方には立っている人もいましたから、なかなかの盛況だったわけです。そのお客さんを前にしての演奏も、なかなかのものでした。オーケストラは東京から招いたこういうものを専門に演奏している団体、弦楽器がなかなかしっかりしていました。ただ、管楽器が時折コントロールされないような動きを見せていたのが、この団体の普段の活動の実体をさらけ出していた事になるのでしょうか。ですから、ちょっと「荒馬」の気のあるこのオケを、この合唱団の常任指揮者が的確に操るのは、ちょっと難しかったかも知れません。
 その指揮者、本来はテノールのソリストですから、この「ロ短調」でもソロの部分は自分で歌うという、まるでペーター・シュライアーのような趣で楽しませてくれました。この曲では合唱とソロが同時に演奏する事はないのですから、こういう形もアリ、ですね。
 ここで、少し微妙な発言をお許し下さい。先ほども書いたように、この演奏会を作り上げる上では、合唱団、ソリスト、オーケストラのメンバーはもとより、オルガンの調律師に至るまで、最高のコンディションを作り上げて、自分が出来る最高のものをお客さんの前に提示しようとしています。そして、それを聴きに来る私達も、そんな人達の力を全身で受け止め、その人たちが殆ど命がけで伝えようとしているバッハの音楽を感じ取ろうとしているはずです。少なくとも、私の場合は、そう。ですから、その、演奏家と聴衆の思いの妨げになるものは極力排してもらいたいと願うのは当然の事です。開演前に「携帯電話の電源はお切り下さい」としつこく繰り返すのも、その様な願いのあらわれなのでしょう。しかし、今日のコンサートでは、ある一つの試みのため、その様な願望が叶えられる事はありませんでした。私自身は、それは非常に残念な事だったと思っています。
aventure number : 0697 date : 2006/1/22


今日の禁断 サンヨー

 もう何度目になるのでしょう、運転免許の更新に行ってきました。行くたびに不思議に思うのが、免許センターのまわりにある「代書屋」です。更新の手続きというのは、古い免許証を持って行きさえすれば窓口でおねえさん(だったらいいな〜、という願望を込めてみました)が代わりに記入してくれるぐらいですから、私は何もしなくても手続きが出来てしまうものです。そんなシステムがきっちり出来上がっているというのに、そんな手続き代行の仕事などが、果たして成り立つものなのでしょうか。そんな事を知らない、初めて更新する人が間違って入っていくのをひたすら待っている、という商売なのでしょうかね。でも、そうやって作ってもらった書類でも、果たして受け付けてもらえるのでしょうか。免許証をコピーしたり、かなり複雑な事をやっているみたいなのに、「業者」はそれに対応できるようなものを持っているのでしょうか。現に、免許センターの中には「業者には『公認』などしていません」というような張り紙もありましたから、その辺はかなりヤバような気がして、なりません。
 更新時の講習というのも、かなり不思議なものですよね。まず、そこに集まった人達の見事なまでの関連性のなさといったらどうでしょう。くそ真面目な公務員風の人の隣には、ニッカボッカに身を固めたヤンキーが座っている、という具合、年齢層もバラバラですから、これほどまとまりのない集団もない事でしょう。そんな人達が、同じ部屋の中で同じ話を聞いているというのは、妙な非現実感を味わえるものです。
 そういえば、この前来た時には無かったような、DVDプレーヤー付きのプロジェクターなどというものが設置してありました。ですから、かつてのOHPなどはもう使われてはいなくて、しっかりパソコンが繋がれていましたよ。初老の、家へ帰ったら晩酌だけが楽しみ、といった感じのおやぢがそれを操作しているのですから、そこからもやはり妙な非現実感が漂ってくる事になります。何しろ、そのおやぢときたら、自分の話のつまらなさを棚に上げて、居眠りしている人に向かって「寝ている人には本当は免許証は上げられないんだよ」などとほざいているのですからね。
 夕方からは、久しぶりのパルシティでの木管パート練習です。ブルックナーの中での木管の位置、というのが、こういうところでははっきりしてしまうわけですね。なんかとりとめのない、「美味しい」ところの少ない譜面ですから、そこだけを取り出して練習してもあまり意味のないような感じです。もっぱらおおざっぱに流しただけで終わってしまいましたが、一度でも指揮者が来れば、またポイントが分かってくるのかもしれません。
 そういえば、もう少しで末廣さんがやってくる事になっているのですね。それまでに果たして彼を納得させられるだけのものに仕上がっているのでしょうか。ちょっと怖い気がします。
aventure number : 0698 date : 2006/1/24


今日の禁断 エスツェット

 「レコ芸」の2月号では、「リーダーズ・チョイス」という特集で、読者から寄せられたアンケートを大々的に紹介しています。他人のコレクションを見せられたって別になんの面白い事もないのですが、その中でこの雑誌に対する苦言などを紹介しているというのが、ちょっと興味のあるところでしょうか。そこで目に付いたのが、「最近はネットでCD評をやっている人がたくさんいるが、レコ芸の評論よりも緻密なものがたくさんある」という意見です。この中には、私のサイトも含まれているのでしょうかね。「緻密」という点では負けてないつもりですから、きっとこの人の「お気に入り」に入っているに違いない、と勝手に想像しています。それはともかく、そのあとの「専門家の評論の意味も変質せざるを得ない」というのにはたしかに頷かされるものがあります。もっとも、この雑誌のCD評がなんの意味も持っていないのは昔からの事、言ってみれば、あのなんの役にも立たないレビューが一つのアイデンティティだったわけですから、これからも変わる可能性はあるとは思えませんがね。というか、こういうものを一つの反面教師として私あたりはやってきたという面もありますから、それが「まとも」になってしまったのでは全然面白くなくなってしまうわけでして。
 私のサイト運営、そんな「おやぢ」ばかりにかかり切りになっているわけでは、決してありません。このところ集中的にやっていたのが、ゴールウェイのリストのリニューアルです。とは言っても、私が作ったCDリストの方ではなく、Kさんという根っからのマニアが作った「in Orchestra」という、マニアックこの上ないリストの方ですが。ゴールウェイが、ソロではなく、オーケストラのメンバーとして録音した音源を集めたという気の遠くなるようなもの、その存在を知って、「ぜひ私のサイトで公開させて下さい」とお願いして、データを送ってもらって私が形にしたというものです。それは大分前の事でしたから、例えばテーブルのデザインにしても、今のものに合わせて直したいな、と思い始めていたところだったのです。そんな折、久しく連絡のなかったKさんから、「新しいデータが増えたので、この際全面的にアップデートしたい」というメールとともに、前のものとは微妙に異なるデータが送られてきました。変わった部分だけ直そうとしても、前のものと見比べてそこを探すのがかえって大変、そこで、この際ですから全部新しく作り替えるという方向で、作業を進める事にしたのです。
 エクセルをそのままHPBにコピーすると、普通のテーブルが出来上がります。もちろんそれをそのまま使うなどという事は、このサイトでは許されませんから、別のタグを付け足さなければなりません。そのあたりの手順を確保するのに丸1日かかってしまいましたよ。何しろページのサイズが大きいので、HTMLソースを開くだけでかなりの時間を食ってしまうのです。たまにタグを1行ぐらい少なくコピーしたりすれば、それでやり直しですからね。次の日になってやっと順調に進める事が出来るようになったとはいうものの、データ自体が膨大な量ですから、結局全部終わるまでには丸3日かかる事になってしまいました。もう一つやっかいなのが、ウムラウトとかアクサンの扱い。エクセルからコピーすると、そこだけ文字化けしているので、いちいち手作業で直さなければなりません。大体直したつもりですが、まだ残っているはず、見つけた方には粗品を進呈しましょうか。
 あ、キリ番ももうすぐですね。
aventure number : 0699 date : 2006/1/26


今日の禁断 ウィーン

 きのう、1月27日はヘル・モーツァルトの誕生日、しかも、250回目のそれだという事で、その騒ぎようったら、ちょっと常軌を逸した程だと感じるのは、私だけでしょうか。まず、朝っぱらから、テレビ朝日系のワイドショーのオープニングで「40番」が流れてきたのには、びっくりしてしまいました。ちょっと昔の懐かしいヒット曲を流すコーナー、この番組を作っている人の趣味でしょうか、いつもは「フォークソング」とか「ニューミュージック」といった言い方をされる曲がかかっている中で、いきなり「ト短調」ですから、何ごとかと思ってしまいましたよ。これは、そういう事がなによりも大好きな日本だけの出来事だと思ったら、なんと、外国でも同じような騒ぎ方をしているのだと分かって、そちらの方にもびっくりしてしまいましたよ。もっとも、ヘル・モーツァルトは外国の人なのですから、それは当たり前なのかも知れませんがね。しかし、ニュースでモーツァルト・グッズを店いっぱいに並べたお土産屋さんが街中に溢れる外国の観光地が紹介されているのを見ると、なんか悲しい気持ちになってしまうのはなぜなのでしょう。なんでも、今年1年はこのイベントで荒稼ぎをもくろんでいるのだとか、完璧に観光資源と化したヘル・モーツァルト、草葉の陰で何を思っているのでしょうか。
 もっとも、そんな事を言えば、こういう外国の街はそもそも「クラシック音楽」自体が観光資源なわけですから、例えば日本のような外国からわざわざオペラやコンサートを見に来る人達はしっかり「観光客」として扱っているに違いありません。私達は「本場」のヨーロッパまで行って「本物の」音楽を味わったつもりでいても、現地の人にしてみれば単なる「カモ」以外の何者でもないのですからね。とか言って悪態を付いているのは、単に行けない事をひがんでいるだけなのだ、というのが実は正解だったりしますが。なによりも、それをおもしろがってきのうの「おやぢ」ではちょっとした細工なども施したりしたところ、ネタになりさえすれば、大概の事には目をつぶれるものです。
 そんな、観光業者やレコード会社がでっち上げている騒動は見ないふりをして、もっと地道に音楽を楽しもうと向かったのが、さる幼稚園のホール、もちろん、合唱の練習です。考えてみたら、今年に入ってからは、全ての週末に練習が入っていた事になりますね。そして、このスケジュールは本番の日まで毎週続く事になっていたのに今気が付いたところ、一足先に合唱の方では「追い込み」に入ってしまっていましたよ。今まで2週続けて東京で大人数の中で、良い気持ちになって歌えていたものも、こちらで元の「セカンド2人」状態に戻ってしまうと(今日は、東京から1人参加して「3人」でしたが)、途端に無理な歌い方になってしまうのがよく分かります。頑張って声を出そうとするからバテるのも激しく、終わる頃にはもう殆ど意識がなくなるちょっと前といった感じの疲労感が襲ってきたものです。
 へとへとになって家へ帰ってパソコンを開けてみたら、予想通りカウンターが53万を軽く超えていました。キリ番のお申し出はお早めに。
aventure number : 0700 date : 2006/1/28

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