今日の禁断 |
黒澤明 |
きのう居間で「禁断」を書いていたら、書き終わる頃にテレビから「京都賞」のニュースが流れてきました。今年は液晶の原理を発明した人がもらったとか、あれはシャープあたりが開発したものだと思っていましたから、何とかという外国人の名前が紹介されたのは、ちょっと意外でした。ところが、その後、「オーストリアのアーノンクール氏」というアナウンスがあった時には、「意外」を通り越して、本当にびっくりしてしまいましたよ。そう、あのアーノンクールが「京都賞」ですよ。これはガセビアではありません。NHKのサイトに行って、その原稿を入手してきましたから、間違いありません。これです。
「思想・芸術部門」にはオーストリアの音楽家、ニコラウス・アーノンクール氏(75)が選ばれました。アーノンクール氏はバッハやビバルディなどの音楽を当時のピアノやチェロなどを復元して演奏することで知られ、現代の演奏に新たな風を吹き込んでいます。「京都賞」の授賞式はことし11月10日に行われます。
確かに、アーノンクールが受賞したのは本当なのですが、しかし、このプロフィールはすごいですね。「当時のピアノやチェロなどを復元して演奏することで知られ」って、こんなこと、私でも知りませんでしたよ。そもそも「バッハやビバルディ(ママ)当時のピアノ」とはどういうものなのでしょう。
こんないい加減な紹介はどうでも良いのですが、私が驚いたというのは彼が「京都賞」というすごい賞をもらってしまったということ。ご存じでしょうが、今年で21回目となるこの賞は、「先端技術部門」、「基礎化学部門」、「思想・芸術部門」(15回目までは「精神科学・表現芸術部門」と呼ばれていました)の3部門で毎年特別の功績のあった人に贈られるもの、「思想・芸術部門」の最初の受賞者がオリヴィエ・メシアンだと聞けば、そのレベルの高さは明らかでしょう。この部門、今までに音楽関係で受賞したのが、ジョン・ケージ、ヴィトルト・ルトスワフスキ、イアニス・クセナキス、ジェルジ・リゲティという、まさに今世紀を代表する、間違いなく歴史に残る人たちだというのに、ここにアーノンクールですよ。ケージとアーノンクールが同列に扱われるなんて、とても私には耐えられません。「京都賞の権威に泥を塗った音楽家」と、後生の歴史家に言われないように願うばかりです。
そうなってくると、果たして11月に飛行機嫌いで知られるアーノンクールが実際に日本にやってくるかどうかというのが興味深いところです。しかし、賞金は5000万円ですから、何をおいてもホイホイやってくるに決まってますがね。
ちなみに、googleで「アーノンクール」を検索したら、このサイトのトークが一番最初にランクされましたよ。何のかんのと言ってみても、本当は私は彼のファン?そういえば、444,444のキリ番は、サイトの大ファンの1号様が踏んだそう、どのぐらいのファンかと言うと、61回も連続してリロードして、カウンターが上がるのに貢献してくれという、熱烈なものでした。 |
aventure number : 0569 |
date : 2005/6/11 |
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