0421(04/9/11)-0440(04/10/15)

今日の禁断 オーバーホール

 「おやぢ」が9万カウントを達成した翌日、1号様より一足先に、入院中だった古女房が帰ってきました。21年連れ添った田園婦人は(ちょっと分からないだろうなぁ。DN=デーエヌ=でんえん)、臓器移植や整形手術を施されて、見違えるように若々しくなっていましたよ。担当医に「全身のお化粧、しますか?」と聞かれていたのですが、別に容姿は変わる訳ではないので、それはお願いしませんでした。それだけで2〜3万円の出費ですから、余計な手間(「磨き」と言ってましたね)は必要ないと。しかし、手術の時に入念な手入れが行われていますから、もうそれだけで入院前とは別人のようにきれいになっていました。黒ずんでいたところまでも真っ白になって、いかにも「使い込んだ」という跡が殆ど消えていましたし。
 3ヶ月ぶりのご対面、私にはもうすでに他のパートナーがいることを知っているのかどうなのか、そのあたりの探りも入れつつ、手の中に抱え込みます。少し太ったかな、と思えたのは、ちょっと軽めのしぐね〜ちゃんに、すでに体が慣れてしまったせいなのでしょうか。それでは、実際に事に及んで反応を確かめてみましょうか。すっかり若返った田園婦人、驚くほど積極的にこちらの要求に応えてくれます。入院前はちょっと嫌がったようなことにも、楽々と応じてくれるのですから、やはり手術の効果は絶大だったようですね。これが、知り合ったばかりの頃の本来の姿だったのでしょう。
 しかし、いくら頑張って若返ってみても、やはり、本当は年を取っているのですから、生まれたてのしぐね〜ちゃんの奔放さに勝つのは、ちょっと無理があるようですね。二人並べて代わりばんこに相手をしてみると、改めてしぐね〜ちゃんの勢い、というか、一途な激しさには圧倒されてしまいます。やはり、この荒馬をもう少し乗りこなしながら、更なる魅力を味わいたいという欲望には負けてしまいます。田園婦人には、しぐね〜ちゃんに何かあった時の万全の備えとして、しっかり留守を守ってもらうことにしましょう。
 今回戻ってきたムラマツの(ここからは、普通の話)頭部管を良く見てみると、やはり穴の形は正確な左右対称ではないことに気付きました。左右のアールが微妙に異なっているのですね。これだったら、今使っている2本目のパウエルと大差ありません。と言うことは、あの1本目のかなりひどいゆがみも、実はそれほど気にすることはなかったものなのかもしれませんね。やはりずっと同じものばかり使わないでたまには目先を変えてみるのも、色々な発見があっていいのかもしれません。
 ずっと同じ人を思っている「天花」に、「モギダイスケ」と言う人が出てきたのには驚きましたね。「茂木大輔」ではなく「茂木大介」だったようですが、一瞬保育士がオーボエを吹くのかと思ってしまいました。あと2週間で終わってしまうなんて、なんて残念なのでしょう(しらじらしい)。果たして、このドラマ、仙台のイメージアップにはつながったのでしょうか。「仙台の言葉」という点では、私たちに何の違和感も感じられなかったのは杜けあきというネイティヴ・スピーカーただ一人だったというのは、ちょっと寂しい気がします。
aventure number : 0421 date : 2004/9/11


今日の禁断 マラカス

 もうすっかり初秋の仙台を彩る「お祭り」となった定禅寺ジャズフェス、年々規模が大きくなってきて、今年はなんと666もの団体が参加したそうでね。定禅寺通りの交通規制も、昨日は1日だけだったのが今年は2日とも歩行者天国(死語)、さぞ賑わったことでしょう。というのも、今年は暇が無くて肝心の定禅寺通りにはついに行けず、駅前とか、市役所前にちょこっと行ってみただけという状態でしたから。それでも、エスパルの前では沖縄のグループが「♪花を咲かそうよ〜」みたいなベタな曲をやっていましたから、全国から仙台にアマチュアミュージシャンが集まったということなのでしょう(なぜか、他のところでも沖縄の人をよく見かけました)。去年も書いたような気がしますが、これは個々のバンドが演奏を披露する場であると同時に、町全体が巨大な音響空間として、それ自体が壮大なアートを形成するものになっています。それぞれが思いを込めたひとつの完結された音楽が、全く無作為にあらゆる方向から聞こえてくるだけではなく、車の音や信号機の音といった非音楽的なものすらも取り込んで渾然一体となった世界。こんなもの、とても「作曲家」が作ろうとしても出来るものではありません。ゴスペルを歌っているすぐ前からイカを焼く匂いが漂ってくるのですから、こんなシュールなものはないでしょうね。そんな、まさに「前衛」といっても差し支えない響きの中に身をおけるなんて、仙台市民だけにしか味わえない爽快感ではないでしょうか。これは、「天花」や「某音楽コンクール」の汚名を見事に晴らしてくれるような、まさに掛け値なしに全国に誇れるものです。
 コンクールといえば、フルート関係のさる掲示板に、今年のミュンヘンのコンクールの結果がリンクされていました。全然チェックしていなかったのですが、今年はフルート部門があったのですね。日本人がたくさん参加していたようですが、その中で私が知っていたのは藤井香織さんと高木綾子さん。この二人はCDを何枚も出しているれっきとした「プロ」なわけですが、さらに自らの実力を評価してもらおうという事で、参加したのでしょう。しかし、藤井さんの方は1次予選で落ちてしまっていましたよ。これはちょっと意外。高木さんはセミファイナルまでは進んだようですが、ファイナリストには選ばれなかったようですね。結局1位を獲得したのは、全く知らない名前のイタリアの人でした。
 瀬尾さんはもうコンクールは卒業したのでしょう。新しいCDも、もう少しすると実際に音が聴けそう、そして、12月3日には、生のイベールを聴くことが出来ますよ。実は、「かいほうげん」の発行(火曜日には絶対出すぞ!)にあわせてチラシを折り込もうと思って主催者に「チラシを送って下さい」と電話をしたら、「団体割引のお話しをさせて下さい」ということになってしまいました。具体的なことはまだ聞いてませんが、少しは安くなるでしょうから、この際みんなで一緒に聴きに行きましょう。
aventure number : 0422 date : 2004/9/12


今日の禁断 たこ焼き

 「かいほうげん」は、まさに綱渡りの発行でした。今回の目玉、JAO大阪フェスティバルのレポートは、3ページか4ページ分になるということは確実だったので、画像のスペースを合わせて4ページを確保しておきました。おそらくテキストがびっしりでしょうから、ページ割りをうまく考えればモノクロ印刷で済む所が多くなって、印刷時間も余りかからないだろうという期待もありました。ところが、肝心の原稿がいつまで経っても届きません。パソコンが壊れたとか、胃潰瘍で入院したとか、突発的な事故があって原稿を送れなくなっていることも考えられますので、最悪の事態を想定して、差し替え用のページも作っておきましょう。JAOの画像はふんだんにありますので、それだけで2ページ、あとの2ページは下野さんの「ヒレカツ」を使えば大丈夫です。ただ、そうなって来ると、ページ割りがかなり不自然なものになってしまいます。というのも、一番内側のページは、まず動くことはないということでもうすでに印刷が終わっていました(そのぐらいのペースでやらないと、火曜日には間に合いません)。ですから、最初から入れる予定だった別の「ヒレカツ」はもう後半に固定されていますので、「下野ヒレカツ」は必然的に前半に入って、「おやぢ」で分断されてしまうのです(現物を見ていない人には、何のことだか、でしょう。とりあえず、今日の分は「ひよこの禁断」ですから、団員を対象に書いていますので)。さらに、カラーのページも増えますので、印刷時間もギリギリになってしまいそう、出来れば、この「プランB」は避けたいものでした。
 あと1日待ってダメなら諦めようと言う絶妙のタイミングで、首を長くして待っていた原稿が届きました。それは、内容といい、字数といい、全く申し分のないものでした。そのまま用意していた空白のページにテキストを流し込んで、最初にプログラムの画像を挿入すれば、もう一瞬にして4ページが埋まってしまうという、まさに理想的な原稿だったのですから。
 めでたく印刷も、そして製本も完了したのは、今日のお昼前でした。そこでメールをチェックしたら、1ページ目の曲目について、「手直しして欲しい」というメール。夕べ「こんなんでどうですか?」と送ってあったものの返事、普通だと直せるタイミングなのですが、こんなに早く終わってしまっては、どうしようもありません。これは、私のフライングということで、一言みんなの前で謝罪しなければいけないでしょう。それよりも、最後のページのミスプリの方が、私には大きな痛手です。これは昨日のうちに事務局長から指摘を受けていたものなのですが、他を直しているうちにすっかり忘れてしまって、チェックもしなかったという、痛恨のミスでした。
 同じページにある響太郎君の画像も、ちょっと色が納得いかないものでした。例によってかなりばらつきの出るプリンターですので、中にはかなり青っぽい写真になってしまったのもあるはずです。本当は、見るからに健康そうな肌色なんですけどね。晴れて今日から復帰した響太郎ママには、良い色のやつが渡っているといいのですが。
aventure number : 0423 date : 2004/9/14


今日の禁断 くす玉

 「仙台に新球団が!」というニュースが飛び交っていますね。一躍全国から注目を集めることになってしまった仙台市、「天花」で被ったマイナスイメージを、果たしてどこまで回復できることでしょうか。しかし、このドラマがいったいどのように辻褄を合わせて終結するのかを調べていたら、あちこちで私同様この投げやりなドラマを糾弾している声を見かけました。それとは別に、遠くからわざわざロケ地を訪ねてきた人が、タクシーで「イグネに行ってください」と言っても、運転手は「それ、どこっしゃ?」と、全然分からなかったというような書き込みも。それはそうでしょう。仙台で生まれ育った私でさえ、「イグネ」なんて言葉、知りませんでしたもの。
 あ、「天花」という文字を見るとつい自制心を失ってしまいますが、野球の話ですよね。あの盛り上がりかたを見ると、間違いなく実現しそうな勢い、「仙台バッファローズ」の誕生は時間の問題でしょう(ちがうって)。球団名はともかく、当面は老朽化した宮城球場を改修して使うということですが、そのうちには新しいドームを作る構想もあるとか、そちらもすごい話です。そのドームの名前も、今から考えておきましょう。やはりご当地の名産を折り込むのが常道、「笹かま・ドーム」、「牛タン・ドーム」などは必ずや候補の上位を占めることでしょう。しかし、「名産」と言えば、もっとすごいのがありましたね。あの「仙台国際音楽コンクール」略して「仙コン」。なにしろ、世界中の人が知っているということになっているのですから、これほど世界へ向けてアピールできるネーミングもないでしょう(失礼しましたっ)。
 話は唐突に(といっても、私の中ではきちんとつながりをもって)、退院の日取りが決まった1号様の掲示板に移ります。0420で書いた「同じ人が別人を装って書き込んだのでは」という疑いは、さるサイトのお陰で見事に晴らすことができました。そこは、掲示板の文面を入力すると、その書き込み主のキャラクターが表示されるという、ひところ流行った「動物占い」みたいなサイトなのですが、それぞれの書き込みを入れてみると、見事に全くの別の人だということが判明したという訳です。参考までにその結果をお見せしましょうか。
 ・「ファン」さん
  性別:女 年齢:20代 職業:学生 性格:さっぱり系

 ・「荒れているとは思いません」と書いていた人
  性別:男 年齢:40代 職業:公務員 性格:粘着系

 ついでに、私の場合だと
  性別:男 年齢:30代 職業:サービス業 性格:あっさり系

 ねっ。当たってるでしょ?
aventure number : 0424 date : 2004/9/16


今日の禁断 ワーナー

 この間帰ってきた村松のDN(田園婦人、でしたっけ)、表面はかなりきれいに汚れが拭き取られていましたが、特に磨かなくても良いと言ってあったので、サビみたいに黒ずんだ汚れは残ったままでした。なんせ20年分の汚れが蓄積しているものですから、まあ、これはちょっとやそっとでは落ちないものなのでしょう。そのために3万円などという手間賃も設定されているのでしょうから。
 ところで、最近とある掲示板で、フルートの黒ずんだ汚れを落とすのには「消しゴム」が有効だ、というような書き込みを見付けました。何でも、銀の食器を手入れする時には専門家は消しゴムを使っているとか、同じ素材のフルートにもそれが応用できるのでは、ということです。しぐね〜ちゃんは、いくら毎日相手をしているとは言え、まだそんなに黒ずむほど使い込んではいませんから、試してみることは出来ませんが、こちらのDNだったらどのぐらいの効果があるか、はっきり分かるはずです。やってみましょうか。もちろん、これだけの汚れが簡単に落ちるなんて思っていませんでしたから、そんなに期待はしていませんでした。ところが、普通のプラスティック消しゴムをその黒いところに当てて少しこすったところ、なんだか色が薄くなってきたような気がしてきました。そこで、ネジをはずしてキーをどかし、しっかり気合いを入れて消しゴムをかけてみましたよ。そうしたら、なんと、見事にその積年の汚れが消えてしまったではありませんか。こんなに威力があったなんて。私の過去の過ちも、こんな風に簡単に消せてしまえればいいのですが。
 しかし、絶対に消すことの出来ない汚点というものは確実に存在しています。その一つが、例のコピーコントロールCD。今でこそ、クラシックではこの愚かなフォーマットを採用しているメーカーは1社しかなくなってしまいましたが、ここに至るまでにいったいどれほどのCCCDが市場に出回ったことか。もちろん、それを通常盤に交換してくれるような動きは全く見ることは出来ません。ただ、遅きに失したきらいはありますが、その最後の1社、エイベックスがついに部分的とは言え、この方式をやめるという表明は、確かに歓迎すべき事には違いありません。というのも、このレーベル、ごく最近鳴り物入りでクラシック界に「新規参入」してきたのですが、このCCCDがネックになって、いまいち売り上げが芳しくなかったとというのが、公然の秘密だったのです。なにしろ、このメーカーはCCCDにかけては先駆的な役割を担ってきた経緯がありますから、面子にかけてもこれを守り通すという使命感のようなものがあったのでしょう。しかし、消費者のCCCDに対する嫌悪感は想像を超えるものがあり、そのことにやっと気がついたということなのでしょう。(i-Podなどのハードディスクプレーヤーに取り込めないという現実的な問題もあったでしょうし)
 ご存じのように、エイベックスのアーティストは、クラシックを見限ってしまったさるレーベルから移籍してきた人が大半を占めています。せっかく新天地を見付けたというのに、こんな、たかがCCCDだというためだけで、ファンからそっぽを向かれてしまうというような事態は、なんとも不本意なものだったことでしょう。その障害が取り除けたのだ、と、今回の措置を理解しても良いのでしょうか。
aventure number : 0425 date : 2004/9/18


今日の禁断 フォーレ

 「のだめカンタービレ」が連載されているのは「Kiss」という雑誌なのですが、今発売になっている号には、その「のだめ」が掲載されていません。これは、二ノ宮先生が体調を崩して「落ちて」しまったため。ご本人がサイトの日記に書き込んでおられたので、きっと本当のことなのでしょう。まあ、そのような事故はこの世界では日常的に起こりうるものですから、別に驚きません。どうせ単行本になってからしか読まないのですから、1回ぐらい落ちたところで、影響はありませんし。それよりも、週刊誌などで毎回毎回きちんと原稿を仕上げているマンガ家の方が、私にとっては信じられない思い。「たった」1週間でよくあれだけのものを書いているものだと、常々思っています。しかし、そんなことを長い間続けていれば、必ずどこかには綻びが出てくるものです。「ビッグコミックオリジナル」(これは隔週ですが)に「黄昏流星群」を連載中の弘兼憲史あたりは、最近とみに創作力が枯渇しているのがありありと分かってしまうほどのクオリティの低さです。ただ休まないだけで質の低い、というか、殆ど読むことに嫌悪感すら覚える作品を垂れ流されるよりは、多少の滞りがあってもしっかり気持ちが入っていけるものを読んでみたいと思うのが、読者として自然な感情だと思うのですが、弘兼さんのような「休むことは悪」と信じている世代の人は、なかなかそこまで踏み切れないのでしょうか。「史上最悪」とまで言われた脚本を垂れ流している竹山洋(だれ、それ?と思ったでしょう。「天花」をここまでみっともないドラマにしてしまった張本人は、そういう名前なのですよ。)も、おそらくそのあたりの世代、もはや能力はすっかり使い果たしてしまったのに、仕事を断ろうともせず、物笑いの種にしかならない脚本を日々書き続ける神経には、何か共通するものが見られます。それにしても、南光台から根白石まで、自転車通勤ですか・・・ハァ。
 「のだめ」でしたね。その単行本の最新号、第10巻は先週発売になっていたのですが、いろいろ「事件」が多くて、なかなか取り上げることが出来ませんでした。音大を卒業(のだめは中退ですって)した二人は、そろってフランスに留学、千秋が指揮者コンクールを受けるというのが、今回の大きな流れです。二ノ宮先生は実際にパリまで取材に行って、町並みやオペラハウスなどをスケッチしてきたのでしょう。いかにもその場にいた人でなければ書くことの出来ないような、細部にこだわった描写が心を打ちます。教会の前に、さりげなく置いてある日曜日のバッハの受難曲のコンサートの看板なども、めざとく取り入れ、千秋に「絶対来よう」と言わせることも忘れません。しかし、もうこんなことは書くまいとは思ったのですが、一度見付けてしまったものは公表せずにはおけないいつもの性分、仕方がありません。その看板のチラシ、指揮者の名前なんか読み過ごしてしまえばいいものを、「Paul Kurentz」などという、あり得ないスペルを見せられてしまうとつい舌なめずりが。これは正しくは「Paul Kuentz」、かなりマイナーですが、モーツァルトやバッハの宗教曲をたくさん録音している指揮者です。
aventure number : 0426 date : 2004/9/20


今日の禁断 ダァ・ポォンテ

 最近よく仙台にも来てくれる外国のオペラハウスの引っ越し公演、今回は「バーデン市立劇場」とか言うところです。聞いたこともない名前ですが、チェコあたりからやってくるプロダクションのレベルの高さを身をもって体験している私としては、知名度などは問題ではありません。なんと言われようが、「本場の」人がオペラをやる、という一点で、足を運びたくなるのです。そして、それは殆どの場合、裏切られることはありませんでした。演目の「コジ」も、生で見るのは初めてですし。
 会場のイズミティ、ロビーに入ると「プログラムはこちらにありますので、ご自由にお持ち下さい」と叫んでいます。プログラムはいつも資料として買っていますが、こんな風に「タダ」で配っているのには初めてお目にかかりました。しかし、その分厚いプログラム、なんか様子がヘンです。まず、配役やキャストの日本語表記が普通ではありません。「フェランド」が「フェァルァンドォ」、「ドン・アルフォンソ」が「ドォン・アルフォンソォ」という感じで、やたらと小文字の母音が使われています。なにしろ、その「アルフォンソォ」を演じている「Rössler」という人が、「ロェッスレェァル」などと書かれているのですから。そして、いかにも主観の勝った、自分だけで満足しているような物語の解説のあとに、80ページに渡って、なにやら支離滅裂な楽譜が印刷されています。これが全く意味不明、ページごとに書式が変わったり、いきなり段数が変わったり、とても実用にはならないような代物なのです。そして、最後には「マンガ版コジ・ファン・トゥッテ」などというおぞましいものが。この不思議なプログラムの謎は、最後のページで解けました。そこにあったのは、まるまる1ページを費やした写真入りの「著者紹介」、確かに、表紙には「著者 杉本長史」と印刷されていたとおり、これはれっきとした「著書」だったのですよ。その杉本という人は、このプロダクションを日本に招聘したいわば裏方、そのような人が、仮にきちんとした文章を書いていたとしても、これだけ目立とうとしているのはものすごく目障りなものです。それが、殆どあちらの世界に行ってしまっているとしか思えないようなこの悪文と訳の分からないコンテンツ、こういうものをタダで配って、いったい杉本氏は何を目論んでいるのでしょう。
 そんなプログラムだけなら、屑籠に放り投げてしまえば済むことですが、その「著者」が字幕スーパーまで手がけているとなると、そうもいきません。なにしろ、序曲にまで「解説」が付くのですから。「フルートが出てきます」ぐらいは「聴いてりゃわかる!」と突っ込めますが、「ここは和音が転回形」って、いったい何を考えているのでしょう。訳語もそんなテンションで、ひたすら自己中心的なもの、古くさい漢字は出てくるは、送りがなは間違っているは、そして、もちろん「フェァルァンドォ」ですから、腹が立つことと言ったら。ほんと、ステージの字幕に腹を立てたなんて、初めてのことですよ。
 演奏は、多少の傷があったものの、充分に満足のいくもの、特に演出の素晴らしさは国内製作のオペラの比ではありませんでした。せっかく良いものを日本に紹介してくれている招聘元の「オペラ・オペレッタ クラシック ウィーン シリーズ」(このネーミングも、かなりイッてます)ですが、代表自らの手で泥を塗っているという意識は、全くないのでしょうね。まるで、「天花」のDVDボックスを堂々と発売しているNHKのように。
aventure number : 0427 date : 2004/9/22


今日の禁断 スマップ

 おとといの「コジ」、つい主催者の異常さに圧倒されてしまって、肝心の演奏のことをあまり書くことが出来ませんでした。普通はそのあたりはヒレカツ先生に懇切丁寧にやって頂けることになっているのですが、さすがにあの字幕には我慢ならなかったのか、途中で帰られてしまいました。ほんと、普通の感覚であの字幕について行ける人などいませんよ。
 音楽的なことは置いといて、私が感心したのは演出。当たり前のことですが、合唱の一人一人に至るまで全く無駄な動きが無かったのには驚きました。というか、こんなことはオペラを上演する上での最低条件、それすらクリアできていないプロダクションが、特に国内で横行しているのは、非常に情けないことです。そして、今回の演出では、そのようなきちんとした下地の上に、しっかり演出家の意図が反映されていました。一例は、最初の合唱。出征するフェランドとグリエルモを群衆が見送る場面ですが、これはもちろんドン・アルフォンゾの仕掛けなわけですから、いわば「サクラ」が歌っている訳です。そのことをはっきり伝えるために、演出家は合唱団員の一人一人に「楽譜」を渡していたのです。これで、いかにもその場で集められた人たちだということがはっきり分かります。そして、最後の場面が秀逸。一度は婚約者を裏切って(もちろんそうとは知らずに)お互いの婚約者同士と関係を持ってしまったフィオルディリージとドラベルラという姉妹が、最後には元の鞘に収まるというのが普通の筋なのですが、ここでは(実は正直言うとどちらがどちらか分からなくなってしまってあまり自信はないのですが)一旦そうなるかに見せかけて、すぐパートナーを入れ替えてしまったのです。つまり、実際に関係を持った同志が一緒に並んでハッピーエンド、という演出のように、私には見えました。
 考えてみれば、いかに婚約者といえども、肌を触れたことのない(はずの)相手よりは、実際に「お試し」して確かめた相手の方が良いに決まってますから、この終わり方は理にかなったもの、ヘンなモラルを振りかざすよりずっと自然です。そこで、他の演出家はここをどのように描いているかを調べるために、他の映像を見てみることにしました。私のところには、たまたま4種類もの「コジ」の映像がありましたので、早速調べてみましたよ。その結果、
・1983年ザルツブルク/ミヒャエル・ハンペ:婚約者同士が横並び。なんの工夫もないおきまりのハッピーエンド。
・1988年ウィーン国立(映画):ジャン・ピエール・ポネル:4人はバラバラの位置に座って、それぞれ苦悩の仕草。これはリアリティがあります。ちなみに、先ほどの「楽譜」ネタは、どうやらこの演出がヒントになっているみたい。
・1992年シャトレ座/ジョン・エリオット・ガーディナー:一応まっとうなハッピーエンドに見えて、フェランドとフィオルディリージがこっそり手をつないでいるという「含み」つき。
・2000年チューリッヒ/ユルゲン・フリム:4人が座っている周りだけに雪が降り積もるという意味深なエンディング。
 やはり、ハンペのような脳天気な演出は、もはや時代遅れ、仙台でも最先端のものが見れたということになりますね(多分)。
aventure number : 0428 date : 2004/9/24


今日の禁断 雀踊り

 カウンターが34万になったのが今日のお昼過ぎ、正確に26日で1万ということです。385カウント/日、出足は好調でしたが、後半は少しペースが落ちてしまいました。早速お一人キリ番の申告もありましたが、今回は何人の申し出があることでしょう。
 ところで、私がこの「禁断」に思いつきで書いたことが現実のものになってしまうというケースは、今までに何度も体験してきました。「先見の明」というか、「時代を先取りした視野」というものが、私には備わっているに違いありません(なんて)。最近も、次々にそんなことが起こるので、怖いくらい。その一つは「冬ソナ」です。以前「必ずまた再放送されるに違いない。その時には吹き替えではなく字幕になっているはず。」と書いたことが、本当に実現してしまうとは。しかも韓国で放送したものと同じノーカットの完全版というのですから、すごいものです。もう一つは新しい球団の話。情勢は流動的で、どうなるかなどということは今の時点では何も分かりませんが、全くの冗談で書いた「仙台バッファローズ」だって、数多くの選択肢の中には含まれているというのですからね。ですから、ここでもう一度書いておけば、その実現の可能性が高くなると(しかし、既存球団の親会社と密接な関係にあるという「楽天」には、正直あまり来て欲しくないという、矛盾した思いも)。
 そして、これは残念なことですが、放映スタート当時からここに書いてきた危惧も、また現実のものになってしまいましたね。ネットで検索してみても、「天花」に関しては否定的な意見ばかり、間違いなく史上最低の朝ドラという評価は、確固たるものになっています。たまたま、そんな最悪の巡り合わせの時にその舞台が仙台だったというのですから、不運というより他はありませんね。「たかがドラマ」なのですから、別にその出来が悪くても見なければそれで済みそうなものなのですが、信じられないことに、前にも書いたように、これを積極的に「地域振興」に役立てようとしていた人たちが実際にいるのですから、話は深刻です。仙台のイメージアップ、あわよくば経済効果も狙おうと一生懸命応援していたのに、始まってみればあんな正視に耐えない駄作、その仙台がいい笑いものの種になってしまったのですから、はらわたが煮えくりかえっていることでしょう。仙台市長が会長を務める「『天花』を応援する市民の会」というのがあるそうですが、そこの公式サイトの掲示板が、そんな思いを伝えていて笑えます。そういう趣旨のサイトの掲示板ですから、もちろん表立った悪口などは無いのですが、あちこちで控えめな不満の声が見え隠れ、仙台七夕の頃には「『天花』がちゃんとしたドラマになるように、お星様にお願いしました」などという「正直」な書き込みも。
 根白石の農家の内部が、ロケではなくセットだと知った時には、本当にびっくりしました。ものすごい手間のかかったそのセットに携わった人たちも、この脚本には失望したことでしょう。そう、今回の失敗の最大の原因は竹山洋の脚本、その意味では藤澤恵麻も被害者といえるでしょう。実は、この主役のコ、私はそんなに嫌いではありませんでした。
aventure number : 0429 date : 2004/9/26


今日の禁断 キリ番

 夕方ともなれば肌寒さすらも感じられるようになって、急激な寒暖の変化には戸惑うばかりです。ですから、ニューフィルの練習会場の旭ヶ丘も、もはや冷房など入れなくても充分涼しいはず、でした。しかし、椅子を並べたりしていると軽く汗ばむぐらいの心地よさはあります。閉め切って練習を始めたら、もしかしたらかなり暑くなってしまうかも。そんな状況を察して、急遽冷房を入れてくれるように電話を掛けるような動きも現れました。今日は、チェロのソリスト、原田さんがみえる日なのですから、そのぐらいの配慮は必要でしょう。
 最初のうちは弦楽器あたりは人がまばらだったのに、いつの間にか管楽器の前がぎっしり詰まっていました。さすが、ソリストが来ると、意気込みが違います。隣の響太郎ママが「原田さんって、顔小さいですね」と話しかけてきたので、写真なんかを見た一般論だと思って適当に相づちを打っていたら、なんと、もうすでにご本人が部屋に入ってきていましたよ。うん、確かに顔は小さい。それと、実際に間近で見るその顔は、マンガかアニメの主人公に非常によく似ています。いったいそれがなんだったのか、幸い2番吹きで割とヒマな私は、練習の間中考え続けることになるのです。「あの目が〜」とか言いながら。
 オケだけの練習もなく、いきなり原田さんとの合奏が始まります。前にホールで聴いた時の印象そのまま、威圧するところの全くない、明るく、良く歌うチェロが部屋いっぱいに鳴り響きます。大きなフレーズを感じることが出来るその歌に乗って演奏する我々は、その瞬間にとても得難い体験をしていることを、体で感じることが出来てしまいます。音楽的な歌わせ方というのは、こういうものなのだ、ということが、まざまざと伝わってくるようなチェロ。こういう生きた音楽に触れる機会は、実は普段は殆どない我々にとって、これほど貴重なものはありません。
 楽章を通したあとは、細かいところでテンポ感や間の取り方の修正、原田さんは「ぼくもまだちゃんと弾けてないのですが」とか言いながら、納得のいくまで繰り返します。実は、今日の練習で原田さんの合わせが決まった時、「チェロコンだけで時間が持つかな」と心配していた人がいたのですが、どうしてどうして、こんな具合にていねいな作業を積み重ねていったら、終わった時にはまだまだ時間が欲しかったような感じになっていました。
 脇に置いてある譜面などあまり見ないで、いつもアンサンブルに関わっている楽器の方を向きながら、時には何かを要求するように、時には「しょうがないなあ」と言いたそうに苦笑するその目が、とても魅力的ですね。あ、やっと思い出しました。似てると思ったのは、「アラジン」とか「トレジャー・アイランド」といった、最近のディズニーアニメのキャラクターでした。
 「禁断」のファンだった○号が、転勤になって、今日が最後の練習になってしまいました。それが、こんな密度の濃いものだったのですから、きっと大満足だったことでしょう。そういえば、1号様も元気な姿を見せてくれましたね。
aventure number : 0430 date : 2004/9/28


今日の禁断 パチンコ

 また台風が上陸、今回も甚大な被害が各地に及んだそうで、言葉もありません。今回の三重県の土砂崩れなどを見るにつけ、自然の前では、人間の力などなんとちっぽけなものだろうという感慨が新たになります。その台風が通り過ぎた夕方には、東の空にくっきりと見事な虹がかかっていました。夕焼けの中の虹、こんなものすごいものなど、とても人間の力で作ることは出来ないでしょう。
 ですから、ライブドアと楽天のどちらが新球団を作ることが出来るのか、なんてことは、ほんとにちっぽけなことに思えてしまいます。もっと言えば、自分の意を及ぼすためにダミーを派遣した人や、それをすっぱ抜かれて大慌てでもみ消しをはかる人の行動など、もっともっとちっぽけ、ゴミみたいなものです。
 それはさておいて、仙台では具体的にドーム球場を作ろうという動きが起こっているみたいですね。しかし、ちょっと待ってください。この街にはすでに客席からグラウンドまですべて屋根で覆われた、ということは「ドーム球場」と言っても全く異存のない施設がすでに存在していたのではありませんか?イズミティからちょっと西よりにある、まるで肉まんのような外観を持つ「シェルコム仙台」がそれです。建築中の現場の前を何度か通ったことがありますが、鉄骨が組上がった時にはなんと巨大なものが出来るのだ、と思ったものです。ただ、実際に出来上がってみると、その施設はいかにもちゃちな印象は免れませんでした。そう、これは確かに「球場」ではあってもプロ野球の公式戦などには到底使えないような広さしかない、なんとも中途半端な施設だったのです。せっかく作るのだから、もっとちゃんとしたものにしておけば、今頃は大いばりで全国にその存在を誇れたものが、先が見えないというか、とりあえず作っておけば何とかなるだろうという情けない当事者の思惑のせいで、とんだところで恥をかいてしまうことになりました。
 と、ここまで書いてくれば、賢明な皆様でしたら次に何が出てくるかは想像が付くことでしょう。そう、同じように中途半端な施設を作ってしまったために、いまだに「コンサートホール」では肩身の狭い思いをさせられている、私たち音楽愛好家の話です。その「中途半端な施設」というのは、もちろん青年文化センターのこと、野球で言えば「公式戦」に当たる海外著名オーケストラの演奏会がここで開かれると言うことはまずありません。今回宮城球場を改修するのに必要な金額が取りざたされていますが、そのぐらいのお金があればまっとうなコンサートホールが1軒ぐらい、すぐ建ってしまうと思うのですが。
 こうなったら、関東地方を中心に「コンサートホール」を建てまくっている企業に、「新規参入」して頂いて、仙台進出を考えてもらうしかないでしょう。「コンサートホール仙台」という立派な施設が、すぐ出来てしまいますよ。もっとも、ここでオーケストラの演奏を聴くのは、かなり大変なような気はしますがね。
aventure number : 0431 date : 2004/9/30


今日の禁断 NHK

 何げなくテレビを見ていたら、「みんなの童謡」みたいなタイトルの番組をやっていました。「みんなのうた」というのが昔ありましたが(今もある?)、それと同じようにオーケストラの伴奏で児童合唱がしっかりとした合唱を聴かせるというものです。今日やっていたのは、あの名曲、「証城寺の狸囃子」でした。20小節しかない曲が2コーラスですから、普通はほんの2〜3分で終わってしまうのですが、そこは長いイントロを付けたり、途中で転調して同じことを繰り返したりして、しっかり5分の長さに仕上がっていました。
 実は、ご存じでしょうが、私は「童謡オタク」、殆どの、いわゆる「童謡」は即座に歌詞とメロディーが出てきます(多少誇張が入ってますが)。ですから、この「証城寺」も、合唱が歌い始めるとすぐ次の歌詞が出てきて、いっしょに歌うことが出来ました。ところが、2番になったら、歌われていた歌詞が覚えていたものとは違っています。1番の「おい等(ら)の友達ァ ぽんぽこぽんのぽん」という部分、2番では「おい等(ら)は浮かれて ぽんぽこぽんのぽん」と変わっているはずなのに、1番と同じ「友達ァ」だったのです。念のため、「文献」を調べてみたら、やはり私の記憶通りでした。作詞の野口雨情は1945年に、作曲の中山晋平も1952年にそれぞれ亡くなっていますので、50年以上経った今ではすでにPD(パブリック・ドメイン)になっているはず、「正しい」歌詞をネットで掲載してもなんの問題もないでしょう。
(1番)
証、証、証城寺 証城寺の庭は
ツ、ツ、月夜だ みんな出て来い来い来い
おい等(ら)の友達ァ ぽんぽこぽんのぽん

負けるな負けるな 和尚さんに負けるな
来い、来い来い 来い来い来い
みんな出て 来い来い来い

(2番)
証、証、証城寺 証城寺の萩は
ツ、ツ、月夜に 花盛り
おい等(ら)は浮かれて ぽんぽこぽんのぽん

※サビの繰り返し
 ねっ。このテレビ局(確か、日本で一番大きな放送局)では、堂々と間違った歌詞を全国に向けて発信していたのですよ。「天花」でだいぶ信用を失墜させたとは言え、いまだにこの局がやっていることはすべて正しいと思いこんでいる人は沢山いるはずです。そんな人がこれを聴いて、「昔歌った歌詞とは違うけれど、最近はこれで良いのかな」などと思うようになったら、ちょっとイヤですね。
 ところで、この歌、中山晋平は歌詞のイントネーションに合わせて、1番と2番でメロディーを変えて作っています。1行目の最後、「庭は」の部分、1番では「レ・ミ・ソ」というメロディーですが、2番になると「萩は」に合わせて「レ・ラ・ソ」となっています。これが、昔からの謎。「萩」のイントネーションは「ギ」(太字が高い音)、「萩の月」は「ギノツキ」です。それに合わせたのなら、なぜ「ハ」としかならないような5度の跳躍を、この歌詞に当てはめたのでしょう。
aventure number : 0432 date : 2004/10/2


今日の禁断 ラスプーチン

 きのうの「証城寺」、もちろん日本の童謡として有名な曲なのですが、オリジナルではなく「カバー」としても知られてたというのは、今となってはそんなに有名な話ではなくなっているのでしょうか。1950年代でしょうか、この曲のカバーがなんと2種類も存在していたというのですから、ちょっとすごいでしょう?しかも、そのうちの1曲はアメリカのアーティストによる、いってみれば「逆カバー」、今で言えばあゆの曲をマドンナがカバーするようなものなのですから。それは、アーサー・キットEartha Kittという黒人女性シンガーの「Sho-Jo-Ji」という曲。サブタイトルが「The Hungry Racoon」つまり、「腹ぺこアライグマ」、「狸」は英語で「Racoon-Dog」ですから、そんな関係でアライグマになったのでしょうか。最初のフレーズが確か"Sho-Jo-Ji is a racoon"というものですから、「ショージョージ」というのは、その腹を空かせたアライグマの名前なのでしょう。うろ覚えですが、サビの「負けるな、負けるな」という部分の歌詞が「マケルナ、マカロニ」とかいう感じ、やはり食べ物に関連したものになっているのでしょう。聞きおぼえついでに、そのサビの直前の歌詞が「オールウェイズ ハングリー ベリー ハングリー ランパルランパンパン」というように聞こえていました。後年ジャン・ピエール・ランパルというフルーティストの名前を初めて耳にした時、なぜかこの曲のこの部分のことを思い出したものです。
 キットという人は、いったいどんな動機があって、こんな時代に日本の曲をカバーしたのでしょう。そういえば、この人には「ウスクダラUska Dara」というヒット曲もありますね。私には「ウスクダラ ビデリッケン アウドダビリアン ムール」という風に聞こえていた、訳の分からないエスニックな歌。こういう非西欧の文化に、彼女は特別な興味を抱いていたのでしょうか。SP時代のサラ・ブライトマンといったところなのでしょう。
 「証城寺」のもう一つのカバーは、敗戦直後NHKのラジオでやっていたという「カムカム英語」。平川唯一という人が、この曲に"Come come everybody, how do you do and how are you"という歌詞をつけて歌っていた、というものです。"how are you"のメロディーは「レ、ミ、ソ」だったのでしょうね。こここそ「レ、ラ、ソ」が合いそうな気がするのですが。もちろん、私はこんな放送をリアルタイムで聴いていたわけはありませんから、現物のメロディーなど知るよしもありません。誰かご存じでしたら、ご教授下さい。先ほどの「ショージョージ」の歌詞も、フルコーラス分かる方がいれば、ぜひ知りたいものです。なぜ「マカロニ」なのか、きちんと知っておくことが、「狸囃子」を仕掛けたものに今ほど求められる時はありません。
 ちなみに、「狸囃子」は、英語では「The Racoon-Dog Band」なんですってね。
aventure number : 0433 date : 2004/10/3


今日の禁断 フルーツ

 先日の「禁断」で取り上げた「コシ・ファン・トゥッテ」の演出についての話ですが、あれからもう1本映像が手に入りました。これもなかなか面白い演出、そこで、それを加えて「まちがい音楽用語辞典」に一つコンテンツを作ってしまいましたよ。最近、この手のちゃんとした更新がなかなか出来ないでいたので、久しぶりという感じです。これで、次回の「かいほうげん」も中身に困ることはないでしょう。ただ、ご覧になって頂ければ分かりますが、多少調子に乗ってかなりきわどい用語の氾濫になっていますから、ペーパーにする時には少し手直しが必要になってくるでしょう。ネットのほうこそ、配慮が必要?・・・いえいえ、もはや私の「地」はばれているのですから、今さら取り繕っても何にもなりません。「あるがまま」が一番ストレスが少なくて済むはずです。
 さて、冷たい雨が降り続く中、いよいよ、指揮者がいらっしゃる前の最後の練習です。その前に、セブンで恒例の「杏仁豆腐」を買いましょう。中には、スプーンを入れ忘れる店員さんがいるので、一応袋を確かめて・・・と、外からさわってみると、確かに何か長いものが入っていますが、ちょっと様子がヘンです。中を見てみると、それはスプーンではなくストローでした。店員さんも無意識でストローを入れてしまって、全然気が付かなかったみたいですね。そのままホールまで持って行ってたら大変な目に遭うところでした。いったいどうやって、杏仁豆腐をストローで食べろと言うのでしょう。それはさておき、エレベーターで上がっていくと、ホールにチェロのケースを持った人が座っていました。さらに、ヴァイオリンでも、新しい人が団員に紹介されていましたよ。そして、コントラバスでも、たびたびエキストラで来ていた人が、晴れて新入団員としてやってきていましたし。先週北海道に転勤になっていなくなってしまった15号も、早速穴が埋まって安心していることでしょう。
 前半は「スラブ」、今日も響ママが元気に出席してきたので、私は久しぶりの降り番です。隣の小ホールで少しさらってみましたが、誰もいなくなってしまったので大ホールに戻ってみると、かなりの暑さになっています。確かに、この寒さですから冷房など考えても見なかったのですが、これだけ多くの人が閉め切ったところに押し込められれば、当然気温も上がることでしょう。指揮者などは、ほんと、大汗を拭き拭きでしたね。
 後半は、まずアンコールの練習です。「スラブ」の最後にやっても良かったのですが、メンバーが違ってくるので、シンフォニーの面子が揃った時にやったということです(何をやるかは、おおよそ察しが付いたことでしょう)。これも結構時間を取ったので、結局シンフォニーはきちんと出来たのは2楽章だけでした。これで、来週の月曜日に下野さんを迎えての練習となるわけです。さあ、いったいどうなることでしょう。
aventure number : 0434 date : 2004/10/5


今日の禁断 忍者

 アクセス解析で、リンク元などをチェックするのは、毎朝の日課です。殆どは常連さんですが、月に2、3度は全く新しいところからリンクされていることがあるので、確実にアクセスの広がりを感じることが出来ます。もちろん、リンクしたからといって、すべてのサイトから連絡があるわけではありませんから、こういう「逆探知」で全く知らないところを発見するのも、楽しみの一つです。そう、サイトを公開している限り、不特定の相手からリンクされることを防ぐことは出来ないのですから、ヒステリックに「リンクフリーではありません!」などと叫ぶより、この方がはるかに現実的な対応です。なにより、相手は気に入ったからリンクしているのでしょうからね。そんな中、昨日発見した「新顔」では、トップページと「おやじの部屋」の両方にリンクが張ってあって、「おやぢ」のことを「ほぼ2日に1度更新しているのは離れ業」などとコメントしていました。確かに、これだけの頻度でCDのレビューをアップし続けているサイトなど他にはないでしょうね。
 そのサイトを、トップページまでたどっていったら、そこに素敵な時計の画像が貼り付けてありました。ちゃんと秒針まで付いたアナログの掛け時計なのですが、その秒針が本物の時計と同じように動いているのです。早速私もマネをして、その時計を提供しているサイトからタグをもらって、トップページに貼り付けましたので、見てみてください。なかなかかっこいいでしょう。
 ところで、トップページにはもう1箇所画像が変わったものがあります。それは、公式サイトへリンクするためのバナーです。今までは、「sendainewphil.com」という独自ドメインを取得して、それをURLにしていたのですが、もちろんそのドメインを維持するのにはそれなりの経費がかかっていました。ところが、最近はフリーのサイトで、独自ドメインに限りなく近いURLを取得することが簡単になっていることを、1号様が引っ越ししたサイトで知ることが出来ました。そこで作ったのが「http://sendainewphil.client.jp」というアドレスです。実は、先週のうちに必要なファイルはコピーして転送をし終わっていました。問題なく使えることが分かったので、昨日、今までのページからこちらにジャンプできるように設定を行ったところです。「このサイトは移転しました。5秒経つと、自動的にジャンプします」という、1度は使ってみたかったかっこいいフレーズも使ってみましたよ。これも、タグを1行入れるだけで、簡単に出来てしまうのですね。同時に、前のドメインでリンクしていた他のサイトにも、その旨を通知しました。これで、なんの混乱もなく新しいアドレスに移行できるはず、だと思います。
 ドメインを取った時も、経費を抑えるためサーバーは借りないで、JPが入っているサーバーに間借りしていた公式サイトに転送するという形を取っていました。今回、携帯サイト用に作っていた「禁断」をフリーサーバーに移して、こちらを削除したら、なんと、それだけで3Mバイトも容量が増えてしまいました。テキストだけで3Mなんて、良く書いたものです。
aventure number : 0435 date : 2004/10/7


今日の禁断 大砲

 またまた台風が上陸、今度は首都圏が直撃を受けたようで、かなりの被害が報じられています。東京のような大都市ほど、自然の災害に弱いところもありません。見かけの華やかな生活は、大災害と紙一重のところで成り立っていることが、こういう時に分かってしまいます。
 その台風が、そのまま東北地方を縦断という「予報」だったので、夕方から出掛けるのはちょっと恐ろしい気がしていました。公式掲示板で、「仙台オペラ協会」の「フィガロ」の招待券があることを知って、早速手配してもらったのは良いのですが、外は久しぶりの大雨、風も強くなってきましたから、気が気ではありません。いつも車を置いておく市役所前の地下駐車場が、大雨のせいで水浸しになってしまったら、車はどうなってしまうのでしょう。その市役所前、確か今日は「よさこい」かなんかの予定だったのでしょうが、ステージだけ設営してあって、機材も人影もありませんでした。台風のせいで中止になったのでしょうか。
 県民会館の招待席は、周りに誰もいない素敵な席でした。というか、ホール全体もかなり空席が目立ちます。やはり、台風のせいなのか、そもそもチケットがあまり売れていなかったのか、それは私には分かりません。ただ、今回の「フィガロ」は、ダリオ・ポニッシという有名なタレントが演出するというので、かなり評判にはなっていたはずなのですが。そのポニッシの演出、序曲が始まるといきなり馬の足音などが聞こえてきたりして、なかなか気合いが入っています。しかも、その序曲の途中から、モーツァルトの扮装をしたポニッシ自身が登場、なにやら狂言まわしのようなことをやっていましたね。演出家が自分で出演するのは、オットー・シェンクあたりのアイディアでしょうか。
 もちろん、お目当ては末廣さんの指揮であるのは、言うまでもありません。かなり前の席に座れましたし、他人の頭で邪魔をされることが殆どありませんでしたから、ピットの中の末廣さんの姿はよく見えます。小気味よいテンポで、いつものように暗譜で、すべての出演者のキュー出しを的確に行っている格好は、なんと言ってもかっこよすぎ。前に書いた末廣さんのトーク付きのお披露目の時もやっていた第2幕のフィナーレが、音楽も演出もこなれていて、安心して見ていられました。仙台フィルの柔らかい響きも、先日の「コシ」の時の寄せ集めオケでは到底聴くことの出来ないものでしたし。
 なによりも、レシタティーヴォ・セッコまで含めて、すべてイタリア語で歌っている(しかも暗譜)というだけで、「県民オペラ」としては驚異的なものがあります。しかし、ポニッシの、意表をつく部分はあるにしても基本線ではオーソドックスな演出を見るに付け、オペラ演出を巡る問題の根の深さには考えさせられてしまいます。200年以上前に宮廷などで上演されていたものを、この現代のコンサートホールで上演することの意味に、最近の演出家はやっと気付いてきたところです。それを日本人が上演することの意味を明らかにさせてくれるほどの才能は、果たして現れることはあるのでしょうか。
 ホールを出たら、雨はすっかり小やみになっていました。どうやら台風が進路を変えたため、直撃は免れたみたいです。
aventure number : 0436 date : 2004/10/9


今日の禁断 赤湯

 夫婦で映画を見に行くと、一人1000円で見られるというキャンペーンが、全国の映画館で繰り広げられているそうです。どちらかが50歳以上であれば適用されるというもので、免許証などを見せなければいけませんが、別に住民票などは要らないので、本当の夫婦でなくても大丈夫、というのがミソです。これを餌に、若い女の子を映画に誘おうとするおやぢが、ですから、今日行った利府のMOVIXにはゴロゴロいましたよ。来年の6月まで、映画館の周りには異常に年の離れた「夫婦」が数多く出没することでしょう。
 そんなサービスにはとんと縁のない(年齢的にも、相手的にも)私ですが、前から見たかった「スウィングガール」を見てきました。落ちこぼれの女子高生がビッグバンドを作ってしまうという「ありえない」お話しなのですが、同じ矢口史靖監督の「ウォーターボーイズ」同様、本当にあった実話に基づいている、というのがすごいところです。だから、現実味があって面白い、という見方を完璧に裏切って、とことんフィクションでしかあり得ないようなプロットを作り上げたのが、映画としての成功の原因でしょう。ほんと、たった1週間で楽器が吹けるようになったり、主役級以外のメンバーがまたたく間にブランド品を売り払って楽器を揃えてバンドに参加して、その場で演奏を始めるなんて、こんな都合の良いシチュエーションなど、普通はあり得ません。それが分かり切っていてすっかり騙されてしまうのが、映画の魅力、悔しいけれど、私は殆ど号泣のしっぱなしでしたよ。
 舞台は山形、夏から冬にかけての季節の移ろいがとても素敵でした。そして言葉。おそらく、山形の人が聞いても全く違和感のないディクションだったはずです。この間まで毎日やっていた「仙台」を舞台にしたドラマとは、えらい違いです。そのドラマにも出演していた竹中直人が、その時には無茶な脚本に当惑しているのがバレバレなオーバーアクションだったものが、ここでは良い味を出していたのが印象的でした。何かの音楽雑誌で、この映画に絡めて「真空管アンプ」のインタビューを受けていたので、そんなマニアックな役どころだと思っていたら、あれ、でしたからね。もちろん、半分は当たっていたわけで、JBLが鎮座した防音室はすごかったですね。なぜか、防音扉はあるのに窓はガラス窓1枚というのが、笑えますが。
 ところで、エンドロールを見ていたら、私の知り合いがスタッフで参加しているのが分かって、びっくりしてしまいました。「サックスソロディレクション」という肩書き、サックスを吹く主人公のコーチなのでしょう。サッカくんというその人は、私の中学時代の同級生で、中学の時から確かサックスを吹いて、ジャズが趣味という変わり者でした。そのままプロになってしまって、だいぶ前には布施明のバックバンドのメンバーだったこともあったそうです。こんなところで名前を見付けるなんて、感慨もひとしお。というもの、中学時代の私は、自分で言うのもなんですが「超」優等生、試験は、いつも学年で1番でしたが、いつも2番だったのが、このサッカくんだったのです。たまに彼が1番を取ることもあって、そんな時は悔しくて眠れませんでした(どこまで本当なんだか)。
aventure number : 0437 date : 2004/10/10


今日の禁断 サイン

 3連休最後の日は、いよいよ下野さんとの指揮者練習です。練習が始まるのは午後からなので、午前中はカウンターのチェック、11時ちょっと過ぎに、めでたく345678が出たようですね。それを確認したら、キリ番告知のマーキーを消して、早めのお昼ごはんを食べたあと、会場の広瀬文化センターへ向かいます。
 ちょうど1時に到着したのですが、まだ鍵が開いていないようで、しばらくロビーでたむろです。そのうち、インぺクがやってきたので、楽屋口から入場、楽器を積んだトラックもそろそろ着くはずですので、まず椅子を並べることにしましょう。折角ですから、MDも用意して、録音の準備です。ところが、椅子が並び終わってもまだトラックが到着しません。搬入口に人がいっぱい待機しているのですが、みんな手持ちぶさた、いったいなぜ着かないのか、誰も本当のことが分からない様子です。練習開始の2時になっても、トラックが来る気配はありません。仕方がないので、譜面台だけでもホールに備え付けのものを借りることになりました。2階の倉庫に置いてあるので、団員総出で階段に並んで、「バケツリレー」の要領で手渡しです。
 そんなわけで、準備が整って下野さんが登場したのは2時15分でした。ジーパンに黒いTシャツ姿、深々と頭を下げて、なんだかかすれた声で「7年ぶりですね」、風邪でもひいたのでしょうか。その時、まだMDのスイッチを入れていないのに気が付いて、あわてて客席まで降りていってMDをセット、席に戻ってきた時には、息が上がっていました。打楽器がないので、練習は2楽章から始まります。しばらくはそのかすれた声、いきなり「前来た時のほうが、うまかったみたい」と、シビアな感想が出てきたりします。始まりでもたついたので、少しごきげんが悪いのでしょうか。しかし、そのうち、声も昔のような張りのある声になってくると、段々冗談っぽいものも聞かれるようになってきました。あの、人なつっこい下野さんは健在でした。ただ、その中身は7年前とは大きく変わっているように感じられます。今日さかんに口にしていたのが、和声による音楽の組み立て、ドミナントからトニカになるので、テンポはこうだとか、同じ和音が続くからこういう表現だとか、確かこんなことは今までニューフィルに来た指揮者からは、一度も聞いたことのないようなアプローチでした。もちろん、下野さん自身も前にいらっしゃった時には、こんなことはおっしゃってはいなかったような気がします。「西洋音楽の基本は和声」みたいな境地に、この何年かの間に到達されたのでしょうね。こういう、まさに「目から鱗」の発想を、しっかりたたき込んで欲しいと思っても、これからの練習予定を見てみると、あまりに時間が少なすぎるのが本当に残念です。しかし、下野さんは、時間がないからといって適当なところで妥協してしまうような指揮者(かつての指揮者の中には、確かにそういう人もいました)ではありません。限られた時間中で最大限の効果を上げるためには、「今度の楽しみ」にきっちり応える必要があるのでしょうね。それが、シャツを3枚も着替えるほどの大汗を流して、みっちり音楽を作ろうとしている下野さんに対する礼儀なのかもしれません。
aventure number : 0438 date : 2004/10/11


今日の禁断 イズミティ

 久しぶりに夕焼けがきれいでしたね。台風が通過してからというもの、雨はそんなに降らないもののカラッとした秋晴れにはとんと縁がなかった生活でした。明日はよい天気になって欲しいものです。日食もあるといいますし。
 ところで、先日瀬尾さんのコンサートのチケットについてお知らせしましたが、注文状況はあまり芳しくありません。確かに、かなり先のことですし、なによりも瀬尾さんだけのコンサートではない、というあたりがネックになっているのでしょうか。しかし、瀬尾さんの吹くイベールは、間違いなく一聴の価値があるものですから、これはぜひ聴きに行くべきではないか、と、かなりの自信を持ってお勧めできます。というのは、来週発売予定の瀬尾さんのアルバムを、実は、もう聴いてしまっているからなのです。発売前の製品をどうして聴けるのかと不審に思われるかもしれませんが、そこは、魚心あれば水心、減るものではなし、よいではないか、よいではないか、グルグルグル、あれ〜お殿様!・・・の世界です(ちょっとちがうような)。いえ、昔のライター時代の伝手をたどれば、何とかサンプル盤を入手することは可能なのですよ。
 「超絶技巧フルート協奏曲集」というタイトル、ガロワの指揮によるシンフォニア・フィンランディアのバックという、仙台でのコンサートと全く同じメンバーでイベール、ニールセン、そしてロドリーゴの「パストラル協奏曲」が収録されています。そのイベールが、まさに爽快そのもの、去年のハチャトゥリアンで見せてくれたまさに「超絶技巧」をふんだんに折り込んで、とてつもない難曲なのに全く難しさを感じさせない、というものすごいことをやっています。そして、注目すべきはバックのオーケストラのあまりの雄弁さ。普通、こういうソロが派手に立ち回る曲では、オケはそんなに小細工をしないで淡々と演奏しているものなのですが、ガロワは違います。まるで弟子の瀬尾さんに挑戦しているかのように、あちこちで思い切り歌い込んでくるのです。ソロとオケが一体となって、とてつもなく熱い世界を作り上げている、といった感じです。これを生で聴いたら、おそらくもっともっと熱い、そう、最近同じ曲を出したあのカリスマフルーティストのような冷ややかさとは対極にある密度の高い演奏が味わえるのではないでしょうか。
 もう一つのコンサートの楽しみは、指揮者としてのガロワの魅力です。仙台では「ジュピター」を演奏しますが、これも、とても一筋縄でいくようなものになるとは到底思えません。彼の最新のモーツァルトのフルート協奏曲のCDを聴けば分かることですが、最近のガロワはとことん刺激的な、ということは聴いていて鳥肌が立つほど面白い演奏を繰り広げています。純指揮者として、生でどんな音楽を見せるのか、これも、実際に行って聴いてみなければ分からないことですよ。よい席はお早めに。ぜひ、割引がきく私まで、早急にお申し込み下さい。
 さっきのCD、カップリングのロドリーゴが、また、ものすごい演奏ですよ。ある意味、ゴールウェイを越えているかもしれません。
aventure number : 0439 date : 2004/10/13


今日の禁断 <BR>

 公式サイトの新しいアドレスへの移行はスムーズにいっているでしょうか。と言っても、普段使う分には、自動的に新しいサイトにジャンプできるようになっていますから、全く不都合は感じられないはずです。問題は、名刺とか封筒に印刷してしまったアドレスです。しかし、あの印刷されたアドレスというのは「サイトやってます」という、言ってみれば「赤い羽根」みたいな記号のようなもの(ほんと、最近は町内会などでまとめて募金をさせられますが、「羽根」なんてもらえませんから)、おそらく今ではいちいちアドレスを一字一字打ち込むというような面倒くさいことをやっている人はあまりいなくなっているでしょうから、これも問題にはならないはずです。確かに、最近は検索システムが充実していますから、1文字間違えただけでもアクセスできなくなってしまう暗号のようなものを打ち込むよりは、日本語で検索した方がよっぽど手軽で確実な結果が得られます。今のところ、グーグルではこのアドレスに直接リンクできる結果は上位には現れていませんが、そのうちきちんと出てくるはずですよ。
 ところで、この新しいレンタルサーバー、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、1号様が移転したのと同じところなのです。というか、そのご新居にあった広告をたどっていったら、かなり自由度の高いアドレスを作れることが分かって、それならと私も公式サイトの移転先に選んだということです。ここが無料のホームページのサービスを始めたのはごく最近ということで、技術的には最新のものが取り入れられていました。アドレスを自由に作れるというのもその一つですが、その他にもIDはメールアドレスをそのまま使えるとか、ファイル転送用のFTPサーバアドレスはURL、つまりサイトのアドレスと同じものだとか、細かい配慮があってとても使いやすいものです。そして、こういう無料ホームページを借りる時に最も問題になる広告が、非常に目立たないというのが、最大の利点でした。昔からある大手だと、一番上にでかでかと500ピクセルぐらいの幅のバナーが点滅していたりしますから、これはほんと、うざったいもの。ひどいものになると、ページをジャンプするたびに新しい広告のウィンドウが開いたりするところもありますし。ですから、ページの一番下にほんの1行分だけテキストのリンクが付くだけというこの広告は、ほんとに気にならないほどのものでした。
 ところが、実際に作ってみて分かったのですが、ページの中身が少ない時には、「一番下」ではなく、その中身の最後にこの広告が付いてしまうのですね。ですから、画面の真ん中に広告が見えてしまうような場合もあって、これはちょっと邪魔になってしまいます。そこで、ためしに「中身」として「改行」を入れてみました。これは画面には現れませんから、その改行の数だけ空白になって、見事に広告が下がり、ついには画面の外にはみ出してしまいましたよ。
 この無料ホームページは、一人で何個でも借りることが出来ます。この使い勝手の良さに味を占めて、実はもう一つ、密かにサイトを立ち上げてしまいました。これは、私が住んでいるマンションの管理組合の広報ツール、中身については全く関与しないもので、デザインと管理だけが私の役目ですから、気楽なものです。そのうち、グーグルにも引っかかってくることでしょう。
aventure number : 0440 date : 2004/10/15

04/10/17-04/11/21