0381(04/6/22)-0400(04/8/1)

今日の禁断 ハネムーン

 台風一過、抜けるような青空が広がって、朝から生暖かい風が吹いていましたね。こんな日は出来るだけ外に出ないようにして、ひたすら体力を温存です。なにしろ、夕方からはあの、いくら暑くても一定の時期が来ない限り、かたくなに冷房を入れたがらない市民センターでの練習なのですから。
 というように、最悪の事態を考えておくと、いいことがあるものです。エレベーターで4階まで昇った時、ヒンヤリしたものを感じたのは、まさに、そんなあり得ないはずの冷房がしっかり入っていたからなのです。これで、汗に苦しめられることなく演奏できることでしょう。しかし、考えてみればこれだけ暑い日に冷房を入れなかったりしたら、いくらなんでも問題、そんな、血の通ったサービスに目覚めてこその、「市民」センターです。もっとも、冷房が効いていたのはいいのですが、半袖姿ではちょっと寒く感じられるほど、ノースリーブで来てた人などは、カーディガンを羽織っていましたね。
 練習が始まる前に椅子並べが終わった時点で、今日印刷したばかりの日程表を配ります。その時にはまだ殆ど人は来ていませんから、弦楽器の分はほんとの見込みでトップの席に置いていきます。ファーストは8人とか。管楽器まで全部配った時、まだコントラバスの分を配ってなかったことにはたと気がつきました。椅子も譜面台も用意してなかったので、当然のことのように素通り、誰も来ていなかったので、危うく無視されてしまうところでした。
 予想に反して、ファーストは10人ぐらい来てしまいました。嬉しい誤算です。セカンドには新入団員もいたようですし、しばらく外国に行っていたという幸せそうな人たち(期待していたとおり、終わってからベルギーのチョコレートが回ってきました)の顔も見えて、なかなかの活況です。10月にならないと本番の指揮者とは練習できないという辛い状況ですが、練習指揮者の熱意もあって、緊張がとぎれるようなことはなく、着実に練り上げられていくことでしょう。出席してこその、アマオケです。
 その練習指揮者、シンフォニー担当のカズキクンのTシャツの模様が気になって、なかなか演奏に集中できません。積み木を箱に入れた状態をデザインしているのでしょうが、それが何かほかの物をあらわしているように見えて、ついつい目線は指揮棒ではなく胸元へ行ってしまいます。これは、今のうちから意識して「胸元」は見ないような訓練をしておく必要があるのだ、という天啓なのかもしれません。ここで鍛えておけば、来年の指揮者の時には困らないと。
 練習後の私の手元には、さっきのチョコレートの他に、ディズニーリゾートに行ってきたという人のお土産のプーさんのお菓子、そして、なぜか今が旬のサクランボウが1パックありました。私のためにわざわざ山形まで行ってもいできた佐藤錦、ではなくて、アメリカン・チェリーでしたが、その実のような真っ赤な真心は、私の胸に届くのには充分なものがありました。
aventure number : 0381 date : 2004/6/22


今日の禁断 サイおじさん

 「全肯定」にはびっくりしましたね。何か別のものが書いてあるという感触はあったのですが、これはほんと、言われなければ絶対分かりませんでした。そう、あれはご本人から「謎解き」のお知らせがあって、やっと分かったということです。ウルフルズのグッズだそうですね。
 映画も、なかなか手の込んだものがありますから、それこそ謎解きをやってもらわないことには作者の真意が伝わってこないようなものも。最近WOWOWで見た「ストーカー」もそんな映画のひとつです。これも、ぜひ劇場で見たかったのが、すぐ終わってしまって見逃したもの。「フック」や「ミセス・ダウト」のロビン・ウィリアムズが、不気味な犯罪者を演じるというのが、最大のウリでした。
 始まってすぐ、取調室が現れますから、これははやりの時間の遡行なのでしょう。そこで出てくる刑事が、「ER」のベントン先生役でお馴染みだったエリック・ラ・サールでした。ドラマを辞めてからの作品ですから、こちらの方で忙しくなってきていたのでしょうね。ちょっと暖かみのある刑事、あの自意識過剰な外科医よりはずっと好感が持てますね。とか言って、ちょっとでも知っている人が出てくると嬉しくなってしまうなんて、なんて単純なんでしょう。実は、もう一人、父親役で出てきた人は、見るなり「どこかで見たことがある」と思ったのですが、しばらく、どこで見たのかは思い出せませんでした。それこそ、「ER」のノア・ワイリーによく似た感じなのですが・・・と、今まで見たドラマをたどっていったら、やっと「エイリアス」でジェニファー・ガーナーの相手役、CIAのエージェント、ヴォーンを演じていたミシェル・ヴァルタンだったことが分かりましたよ。こんなお馴染みさんが3人も出ていれば、いやでも映画に入り込んでいけますね。
 そもそも、「One Hour Photo」という、主人公の職場である「ミニラボ」がタイトルになっているのですから、「ストーカー」というのはとんでもない邦題。実際、主人公は普通言われるような「ストーカー行為」は、何一つやってはいません。それどころか、夫の浮気現場の写真を息子が撮った写真のプリントの中に混ぜるというのですから、「ストーカー」とは逆の方向を向いた意識なわけで。さらに、いかにもストーカーらしい家宅侵入も、実は妄想だったというオチがあるわけですから。ところが、この、ミエミエの妄想のシーンを、エンディングでの「仕掛け」の伏線ととらえると、この作品の結末が全く逆のものになってしまうのですよ。こういうネタバレはもう書いても構わないのでしょうが、取調室で、押収されたフィルムのプリントを主人公が机の上に並べた時、私は本当に驚いてしまいました。そこには、さっき撮ったばかりの「不倫の現場」は何一つ写っていず、カーテンレールや誰もいない室内しかなかったのですから。つまり、「口に含め」とか言ってツーショットを撮っていたのが妄想だったと。そういえば、その取調室といい、ショッピングセンターの中といい、なんか現実離れした不思議な空間として描かれてはいませんでしたか?
aventure number : 0382 date : 2004/6/24


今日の禁断 21エモン

 さもなんでも知っているかのように振る舞っている「禁断」ですが、たまにあまり得意ではない分野のことで間違ったことを書いたりしてしまうことがあります。例えば0373。基本的に、クラシックのレーベルでしたら名前を聞いただけでその素性は分かるものなのですが、ポップス、しかも国内盤のレーベルなどは殆ど馴染みがありません。あそこに書いた「ゼティマ」というのも、ディストリビューターがソニーとなっていましたから、販売経路を持たない弱小レーベルだと思ってしまったのです。あのアーティストが「いかにも」でしたし。ところが、このレーベルは、実は「モー娘。」関係のアイドルを一手に扱っている超大手だったのですよ。何げなく見ていたテレビのテーマ曲のクレジットに「松浦亜弥(ゼティマ)」とあったので、あわてて調べて、それが分かったというわけ。つまり、ここは「ハロー!プロジェクト」などを抱えているプロダクションが立ち上げたレーベル、レコード会社とは全く関係のないところから出てきたものですから、なおさらチェックが出来なかったのでしょう。
 ここのサイトのアーティストを見てみると、そんなつんくファミリーに混じって、杉田二郎とか布施明、堀内孝雄みたいな大御所もいたりして、興味は尽きません。そんな中に、あの「谷村有美」の名前も。この人を初めて見たのは、教育テレビの「趣味講座」か何かでした。ラテンフュージョンの松岡直也と、そのバンドのメンバー(高橋ゲタオとか、元オルケスタ・デ・ラ・ルスのカルロス・菅野とか)が、それぞれの楽器の受講者を相手にレッスンをするという番組だったと思いますが、そこでアシスタントをしていたのが彼女だったのです。というか、確か、最初の2、3回は、いかにもアシスタント然とした、音楽のことなど何も知らないおねーちゃんがやっていたのですが、あまりにアホなやりとりにガッカリしていたところに、急にこの人が登場したという、かなり劇的な展開があったのです。そして、彼女は松岡さんたちもタジタジになるほどの明晰な受け答えで、その音楽的なひらめきのセンスの良さを、アピールしていたのでした。
 しばらくして、シンガー・ソングライターとしてデビュー、曲は確かに素晴らしいのに、シンガーとしてはヘンな癖があって、私にはイマイチでしたが、FMのレギュラー番組を持ったりして、まずは一流どころのアーティストとして認知されてはいたのでしょう。しかし、何か精神的なトラブルがあったのか、音楽活動を休止、それからしばらくしてまた復帰はしたそうですが、もうその頃は私の耳に届くようなランクのアーティストではなくなっていたようです。
 それが、です。今朝の朝日新聞の「土曜版」を読んでいたら、久しぶりの彼女の名前が紙上にあったではありませんか。そこでは、アップル・コンピューターの日本法人の社長から、ハンバーガーのマクドナルドの社長に「転職」した原田永幸さんという方が2面に渡って紹介されていたのですが、そこに「妻でミュージシャンの谷村有美さん」とあったのです。原田さんは55歳、谷村さんは・・・何歳でしょう。まだ30代のはずですが。意外、というか、うらやましい、というか。
aventure number : 0383 date : 2004/6/26


今日の禁断 エクセル

 今、「かいほうげん」用に、「これまでの団員の延べ人数」というのを調べています。今のニューフィルには90人ほどの団員がいるわけですが、そのメンバーはご存じのようにしょっちゅう入れ替わっています。そこで、ニューフィルが出来てから今まで、団員として在籍した人が実際には何人いたかということに、ちょっと興味がわいてきました。そこで、演奏会のプログラムに載っている名簿を参考に、その人数を調べてみようと思ったのです。私が入団したのは第9回の定期演奏会の時。それ以後のプログラムは揃っていますが、その前のものは手元にないので、事務局のお手を煩わせて、FAXで送って頂きました。さすがは事務局、そういう資料は、すぐ取り出せるようになっているのですね。電話でお願いしてからほんの数分で送られてきたのには感激です。
 そんなデータを元に、人数を数え始めたのですが、やっているうちに単純な増減だけでは処理できないことに気がつきました。最もサンプル数の多いヴァイオリンパートについてやってみたところ、しばらく休んでいた人が突然参加していたりして、単純な数字だけではその動向が分からないのですね。そこで、いっそのこと、全ての団員の挙動を一覧表にしてしまおうという、無謀なことを始めてしまいましたよ。かなり手間のかかる作業ですが、やり始めると団員の動きが手に取るように現れてくるのが分かって、やめられなくなってしまいます。ヴァイオリンだけで全部で130人以上になるのに、その中で最初からずっといる人は2人だけとか。
 とは言っても、こんなことをいつまでもやっていたのでは練習に遅れてしまいます。ちょうど20回定期の分まで終わった時点で、今日の作業は終了、また暇をみて、コツコツ仕上げることにしましょう。と、少し遅めに旭ヶ丘に着いてみれば、私はまだ4人目でした。6時半にもなればかなりの人が集まっていたというのは、だいぶ昔のこと、今では、7時の音出しの時でも人はまばらという状態が当たり前、ちょっと寂しい気がします。早く来れば、冷房がガンガン効いていてとても涼しいのに。というか、ちょっと冷えすぎのような気がするぐらい。なぜか後半には冷房が止められてしまったので、最初からいた人にはちょうど良い感じになりましたが。しかし、その頃駆け込んで来た人にとっては、ここはただの蒸し暑い部屋にすぎません。せっかくの快適なエアコンの恩恵に預かることは、残念ながら出来なかったようですね。
 家へ帰ったら、去年の今頃は共演の準備に余念のなかったフルートの瀬尾さんからのメールが届いていました。すっかりご無沙汰をしてしまって、半月ほど前に東京であったコンサートにも行けなかったのですが、相変わらずのご活躍のようです。8月に札幌交響楽団とモーツァルトのト長調の協奏曲を演奏するそうなのですが、その時の指揮者が末廣誠さんですって!なんか不思議な気がしませんか?
aventure number : 0384 date : 2004/6/29


今日の禁断 ヘリコプター

 前回お知らせした瀬尾/末廣/札響のコンサートですが、あの時点で札響のサイトを見ても予定が載っていなかったので、詳細は分かりませんでした。それからあちこち探して見付けたのがこれです。北海道電力と北海道放送が共催しているファミリーコンサートのシリーズ、8月は旭川でということなのでしょう。ここで最後に演奏されるのが、シューベルトの交響曲「第7番」、あの有名な「未完成」です。かなり前からシューベルトが作った交響曲は全部で「8曲」だと言うことで、この「未完成」を「7番」、そして最後に作られた「大きい方」の「ハ長調交響曲」を「8番」と呼ぼうというオーセンティックな動きがあったにもかかわらず、「未完成=8番」というのはなかなか覆されることはありませんでした。いまだに、我が国で最も権威のあるレコード紹介誌「レコード芸術」では、この表記にこだわり続けているのですから。もっとも、これはクラシックファンの気質を考えれば、ある程度仕方のないことなのかもしれません。シューベルト以上に実体とは隔たりのあるモーツァルトの交響曲を、それこそ学術的に正しい(それすら、確定はしていませんが)表記に改めようなどとしたら、大混乱に陥ってしまうのは必至です。なにしろ、ケッヘル番号ですら、正確な年代に基づいて修正した「K6」などを使おうものなら、変わり者扱いされてしまうのがおち、昔から慣れ親しんだ「K1」にとことんこだわり続けるのがファン気質の世界なのです。そういえば、ニューフィルの今度の演奏会、私は「ドヴォルジャーク」という「正しい」発音により近い表記を使っていますし、おそらくポスターやチラシもそのようになるのでしょうが(と、言い切っていいのかな?)、これも「ドヴォルザーク」という既成概念の壁には厚いものがあります。
 そんな中での「7番」、札響はいつからこのように表記しているのかは存じませんが、がんばって欲しいものです。
 その「未完成」(まあ、これが無難)、最近はなかなかコンサートで聴く機会はありませんが、WOWOWで見たあの「マイノリティ・リポート」ですごく効果的に使われていたのには、ちょっと鳥肌が立ってしまいましたよ。50年後のコンピューターではインターフェースとしてのキーボードなどは不要、指をかざすだけで画像を呼び出したりデータを解析したり出来るようになっていますが(これって、もしかしたらテルミンのような先祖返り?)、そこで流れているのが「未完成」、普遍性のあるクラシックだからこそ、50年後に使われてもなんの違和感も感じないのでしょう。この映画は予想していたのより、はるかに楽しめる秀作でした。中でも、終始スキンヘッドだったアガサ役のサマンサ・モートンが、最後にブロンドの髪に包まれた姿の美しかったこと。逆のシチュエーションを展開する「ヘヴン」でのケイト・ブランシェットが、終盤で見せた坊主頭の醜かったこと。それだけのことで、このアルヴォ・ペルトのBGMが美しい作品の価値が、私にとっては思い切り低下してしまったものです。
aventure number : 0385 date : 2004/7/1


今日の禁断 石ノ森章太郎

 夕べの深夜、BSでやっていた宮崎国際音楽祭のオーケストラ・コンサート、すごかったですね。番組の紹介ではいかにも寄せ集めといった感じの名前だったので、きっとどこかの音大あたりのオケがやっていると思って、全く期待していなかったのですが、実際に映像を見てみてびっくりです。コンマスの徳永二男は、この音楽祭のプロデューサーですから分かりますが、チェロのトップが古川展生とか、あちこちで見たことのある顔がゴロゴロしています。しかも、フルートのトップは高木綾子、ものすごい面子ですよ。指揮が、今回からこの音楽祭のアーティスティック・ディレクターとなったというシャルル・デュトワですから、それなりのメンバーを揃える必要があったということなのでしょうか。そして、実際の音が流れてくると、そのレベルの高さにも本当に驚かされてしまいます。デュトワと、彼が最近まで音楽監督を務めていたさる常設のオーケストラとの演奏は数限りなくBSで見てきましたが、いつも、何か、例えばモントリオールあたりとの演奏とはかなり隔たりのある物足りなさを感じていたものです。どこかはじけきれない素っ気なさのようなものが常につきまとっていたのです。しかし、この宮崎のオーケストラのみずみずしさといったらどうでしょう。デュトワの意のままに、あちこちのパートから、真に音楽に満ちた「歌」がとめどもなく流れてくるのですから。1曲目の「マ・メール・ロワ」と2曲目の「海」では、高木綾子のフルートの音色も素敵でした。もっとも、後半の「シェエラザード」では、トップがなぜか斎藤和志に代わったため、この男性フルーティストがいかに華のないキャラクターの持ち主であるかが、改めて認識されてしまったわけですが。
 ところで、宮崎を始め全国では、来週参議院議員選挙が行われますね。壊滅的な投票率を何とか立て直そうと、各地では投票を呼びかけるポスターなどを作っていますが、この街ではご当地出身のマンガ家にちなんだ「仮面ライダー」が、そのキャンペーン・キャラクターになっています。もちろん、「なっている」というのはあくまで言葉のアヤ、「仮面ライダー」とその敵役などというのはマンガや映画の中だけの架空の存在であるのは、言うまでもありません。と、昨日までは思っていました。しかし、今日、中山ジャスコでその考えは見事に覆されてしまったのです。正面玄関脇の駐車場には、何か邪悪な妖気のようなものが漂っていました。見ると、車の陰に何か黒い物陰が。あたりを威嚇するような、見るからに恐ろしい仕草で獲物を探しています。突然、その二つの物陰は、「トー」とか「ヒョー」といった意味不明の叫び声を上げて、そばにいたなんの罪もない子供に襲いかかったのです。と、そこに現れたのが、あの仮面ライダー1号です。目にも止まらぬ立ち回りでその悪者たちを倒しただけではなく、そこにいた人々一人一人に固い握手をしてくれたのですよ。すごいですね。想像上の人物だと思っていた人に、実際に会えてしまえましたよ。この大事件、さすがはNHKです、どこから聞きつけたのかその模様の一部始終をテレビカメラに収めていました。これは当然全国ニュースで放映されましたよ。しかも、その仮面ライダーご本人の後には、その事件を目撃していた私の姿がしっかり映っていたとは。
aventure number : 0386 date : 2004/7/3


今日の禁断 メルヴィン・タン

 夕べやっていた、たけしの「超歴史サイエンスSP モーツァルトの奇跡」という番組はいかがでしたか?なぜ今頃モーツァルト、という気がしますが、考えてみたらあの「アマデウス」という映画が作られたのは、もはやかなり昔になってしまっているのですね。最近では、音楽ファンでもこの映画のことを知らない人がいるようですから、そろそろこの辺できちんとモーツァルトの「凄さ」を再認識しよう、ということなのでしょうか。恥ずかしいことですが、私自身はあの「アマデウス」を見た時には、まさに目から鱗が落ちたような思いがしたものです。特に、瀕死の状態でレクイエムをサリエリに口述筆記をさせるというあの場面には、マジで感動してしまったのですから、知らないと言うことはいかに恐ろしいことか。そう、あの映画を見て、全てのことが真実であると思いこんでしまった少年も、今となっては、何が本当で何がまちがいか見極めることが出来るようになっています。ですから、基本的にこの映画が持っていたモーツァルト観から一歩も出ていないこの番組が、数多くのまちがいを犯していることはごく当たり前のことになります。そもそもこのようなバラエティ番組できちんとしたことをやるわけがない、という偏見に満ちた先入観を取り払ったとしても、この旧態依然としたモーツァルトの持ち上げようは、とても私には付いていけないものでした。「モーツァルトは奇跡的な天才」という、西洋音楽史の根幹をなすテーゼが覆されるまでには、あとどのぐらい時間が必要なのでしょう。
 映画になかった新機軸としては、「高周波」とか「f分の一ゆらぎ」といった科学的な側面からモーツァルトの秘密を解明しようとしたあたりでしょうか。ただ、そのどちらのタームも、言葉のみが一人歩きしていて実体が殆ど分からないという、こういう視聴者をバカにしきったバラエティにありがちな高慢さに終始していたのは、いつものことながら腹が立ちます。
 とどめは、「250年前の音が、今ここに蘇る」などという、現代の「古楽器」業界の隆盛ぶりを全く無視した(というか、構成上無視したフリをした)大げさな煽りようです。こんなことが許されてしまうのは、いかに一般のクラシック・ファンがそのあたりの情報に疎いかということの証にもなるわけです。これはひとえに、ヒーリングものばかりを売り込むことに躍起になって、肝心のことをユーザーに教えてこなかったレコード業界の怠慢といえるでしょう。
 おそらく今日あたり、クラシック専用フロアを持つ大型CD店では、この番組を見てぜひその効能にありつきたいという人でごった返したことでしょう。この機会ですから、いっそのことモーツァルトの全作品を揃えておこうと、ボックスセットなどを買い求める人もいるかもしれません。それよりも、「古楽器」で演奏したピアノ協奏曲でも並べておけば、これは飛ぶように売れるのではないでしょうか。この番組で「古楽器」を知った人は、まさかそのようなものがCDで簡単に手に入るなどとは夢にも思わないでしょうから。
aventure number : 0387 date : 2004/7/4


今日の禁断 ヒンデミット

 確か、まだ梅雨は明けてはいなかったはずなのに、30度は軽く超えたと思えるような蒸し暑い一日、もうすっかり夏本番なのでしょう。といっても、私はほどよく冷房の効いた室内で、来週発行予定の「かいほうげん」の作成に余念がありません。パート練習などの関係でいつもより間隔が空いてしまいましたが、今回ははっきり言って目玉がありません。強いて言えば、7月の後半に行われる下野さんの仙台フィル定期デビューでしょうか。この演奏会、先日も下野さんから「是非いらしてください」という、メール(アンケート)を頂いていたものの、それをニューフィルの皆さんにお伝えする機会が、これ以上「かいほうげん」の発行が遅れるとなくなってしまうのですよ。最近プレイガイドでチケットを買ったのですが、もう1ヶ月を切るというのに、売れ行きは芳しくはないように見受けられました。確かに下野さんは若手のホープ、この演奏会のプログラムもとことんこだわりが見られる意欲的なものなのですが、やはり一般の聴衆、特に仙台のお客さんにとってみては、まだまだ未知数、「是非とも聴きに行きたい」というものではないのかもしれません。下手をしたら、ニューフィルの中でも、今度来る客演指揮者があの仙台フィルの定期を指揮するなどと言うことを知らない人がいるのかもしれません。ですから、「かいほうげん」による告知は、それだけ重要になってくるもの、ネタがないからと言ってこれ以上発行を遅らすわけにはいかないのです。
 そこで、この前もちょっと書いた、「団員の遷移」というものを何とか形にしようとがんばっているところです。ヴァイオリンについてはやっと終わったところ、想像通り、かなり大変な仕事でした。しかし、これでやり方をマスターしてしまえば、あとはそんなに面倒なことではありません。実際、ヴィオラについてはほんの2時間で全ての作業が完了してしまいましたよ。ですから、印刷のスケジュールをにらみながら、どこまで仕事を進めることが出来るかが、今回の最大のポイントになってきます。
 と、まず、何とか見通しが立ったところで(立ってない!)、今日の練習はパルシティ、冬場は暖房が効きすぎて大変だったところですが、夏の冷房に関してはどうだったのか、1年前のことはさっぱりと忘れてしまっています。結局、暖房同様、冷房も思い切りかけまくっているために、いくら外が暑いといって半袖シャツ1枚ではとても耐えられないと言うことを、体をもって思い知ることになるのです。今度からは何か防寒用のものを持ってこよう、と心に決めるのでした。
 去年の場合、7月の半ば(調べてみたら12、13日)にはもうすでに指揮者の森口さんが来ていたのですね。附属小学校でのその初顔合わせで、私たちがさまざまな感想を抱いたことが懐かしく思い出されます。下野さんはまるでプロオケのような、間近のリハーサルだけでの集中決戦、ですから、今のうちはそれなりの密度の濃い練習をやってはみても、何か緊張感に欠けてしまうのは仕方のないことなのでしょう。
aventure number : 0388 date : 2004/7/6


今日の禁断 コープマン

 今回の31万のキリ番は、早朝や真夜中ではなく、午後7時頃に達成されたようですね。職場から帰る時に「あと20」ぐらいだったのですが、それから買い物などをして家へ帰ってチェックしてみたら、見事「310,002」になっていましたよ。自分で取ってもしょうがないのですがね。そうしたら、しばらくして常連さんからメールが届きました。「309,994を取りました」という文面です。もちろんこれは許容範囲、早速プレゼントのリストを送ってあげました。しばらくキリ番の申し出がありませんでしたから、プレゼントは段々豪華になっていて、SACDプレーヤー、DVDレコーダー、BRILLIANTのモーツァルト全集の中からひとつ選ぶという・・・済みません、つい、私が欲しいもののリストを公開してしまいました。本当は佐渡裕のタオルか、小錦のマウスパッドなのですが。
 ところで、モーツァルトといえば、先日のたけしの番組の影響は実際にものすごいものがあったようですね。各方面からの情報をまとめてみると、各地のCDショップのクラシック売り場は、ちょっとしたパニック状態になっているそうです。もちろん、普段はそんなところには足を運ばないような人が「モーツァルトを下さい」とやってくるから。中でも、番組で紹介していたような「薬用効果」を求める人が多いのだそうです。「ニガリ」の次はやっぱ「モーツァルト」で決まりですね。今は販売店の店頭での「奪い合い」になっていますが、そのうちにメーカーも便乗して(というか、すでにそういうものはゴマンと出ているにもかかわらず)「f分の一ゆらぎのモーツァルト」みたいなものをどんどん出してくるのでしょうね。
 ただ、今回の新機軸として、「古楽器」というものを前面に押し出していましたので、そちらのアプローチが加わって少し毛色の変わったものになることはあるのかもしれません。その際には、「ここでしか実現できなかった非常に貴重な楽器による演奏」であることを強調することは、決して忘れてはなりません。「古楽器」が、今では珍しくも何ともないものなのだと言うことが分かれば効能は半減してしまうのですから、それはあくまで隠し通すのが「思いやり」というものです。
 しかし、こういうことがあると、つくづくテレビの影響とは大きいものだと思わされてしまいます。というか、今までの頭の固いクラシック・ファンがかたくなに拒否反応を示し続けてきた「古楽器」であっても、もともと「モダン」についてもそんなに関心がなかった視聴者にとっては、なんの抵抗もありません。それよりも「モーツァルトの時代と同じ音」という「効能」が付けば、迷わずこちらの方を選択してしまうはずです。あの番組で作り上げられた「モーツァルト=古楽器」という概念、もしかしたら、本当にトレンドになってしまうかもしれませんよ。お勧めは、さっきのBRILLIANTから出ているヤープ・テル・リンデンによる新録音の交響曲全集。なんせ、5000円ちょっとで「古楽器」による交響曲が全て揃ってしまうのですから。
aventure number : 0389 date : 2004/7/8


今日の禁断 高嶋みどり

 いやぁ、なんという暑さでしょう。しかし、今朝はなんせ雷の音で目を覚ましてしまいましたから、ちょっと油断をしてしまいました。その雷はどんどん近づいてきて、すぐそばに落ちたようなものすごい音がしたかと思うと、いきなり大雨が降ってきましたよ。ですから、今日は一日中こんな天気だと思っていたら、なんのことはない、日中はカンカン照りの猛暑だったのですから。と、それはまさに予想外の展開だったのですが、それ以後の行動では、見事に読みが当たることになるのです。
 今夜の私の予定は、愚妻の合唱団の定期演奏会、会場は青年文化センターのコンサートホールです。平日にもかかわらず、30分前に入場したら、もう通路側の席は全部ふさがっていました。このペースではおそらく立ち見も出ることでしょう。実際、休憩の時には後の通路は鈴なり状態でした。それよりも、会場の冷房がめいっぱい効いているのには、閉口させられました。これがさっきの「読み」、おそらくこんな日は冷房が効きすぎになるだろうと、しっかりシャツを1枚持ってきていたのですよ。しかし、この会場の「暑さからお客さんを守ろう」という使命感は、よっぽど気合いの入ったものであるとみえて、そんな、1枚余計に着たぐらいではとてもその情熱を受け止めるには力不足。「適度」とか「いい加減」という言葉を知らない人間の押しつけがましさを見た思い、最後のステージが終わる前に帰ってしまったお客さんが非常に多かったのは、この過剰サービスのせいかもしれません。
 我慢できずに退席してしまった人にとって不幸だったのは、この最後のステージ、以前東京の合唱団の演奏で聴いたことのあった「四季三昧」という難曲の演奏がとても素晴らしかったことです。場所によってはパートが12ぐらいに別れてそれぞれ別のことをやっているというものすごいこの曲を、彼女たちは見事に暗譜で歌いきっていたのです。もちろん、この曲だけではなく、歌ったものは全て暗譜、普段楽譜を見てしか演奏をすることのない私たちにとっては、奇跡のような世界ですよ。その「四季三昧」、ご想像通り、春夏秋冬の4つの部分から成っているのですが、「秋」になるとメンバーの配置が変わって、今まで山台の上に乗っていた人がステージの前へ出てきます。すると、なんと言うことでしょう、思い切り声が響いてきたではありませんか。実は、この演奏会が始まってからずっと、なんか声が出ていないような感じがしていました。というより、確かに歌ってはいるのですが、それが全く客席に伝わってこないという感じ。それが、ちょっと並び方が変わっただけで、これだけ違ってしまうのですから、このホールの欠陥がまたひとつ明らかになったというわけです。
 しかしなあ。前にこの合唱団をこのホールで聴いた時は、そんなことは全く感じなかったのですがねぇ。でも、あの時はオペラシティという、こことは比べものにならないほどの良い音のホールで、それこそ「世界最高」の合唱団を聴いた直後でしたから、そんなことを気にする以前の状態ではあったのですが。
aventure number : 0390 date : 2004/7/9


今日の禁断 雀踊り

 先月、ホテルの宴会場を借り切って行われた檀家さんの会合では、京都にある大本山の管長さんがお見えになって、法話をなさって行かれました。その時に出たのが「天花」の話。主人公の「婚約者」が、松島の瑞巌寺という、そこに居合わせた人々にはまんざらではない縁のあるお寺で修行しているという設定、実際に、この会合の少し前には瑞巌寺でロケが行われていました。実は、私の知り合いが今まさにこの瑞巌寺で修行中、その本物の修行僧たちが、撮影の時にはかり出されていたのです。ですから、その管長さんの法話の中でもこのドラマが取り上げられるのは当然の成り行き、さらに、その後の宴会の席でも、別の和尚さんが、「7月には、瑞巌寺と、そこの修行僧がテレビに出ますので、楽しみですね」と、大いに檀家さんたちに期待を持たせていたのでした。
 そして、その模様が昨日ON AIRになったのは、この、一日一度は感動的な場面が出てきて、涙を誘わずにはいられないというドラマを、毎日欠かさずご覧になっている皆さんは先刻ご承知のことでしょう。あの、「冬ソナ」の名場面に勝るとも劣らない美しい参道の並木の前で繰り広げられた天花と竜之介のあまりに悲しい再会のシーン、あなたは泣けましたか?足早に托鉢へと向かう修行僧たちの中に竜之介の姿を探す天花の姿は、あたかもローマから帰ってきた巡礼の群れの中にタンホイザーを求めるエリーザベトそのものではなかったでしょうか。暮れなずむ松島をバックに、悲しげに仙台へと戻る仙石線の姿の、なんと美しかったことでしょう。もちろん、相変わらずデタラメな脚本には、これらのシーンを唐突なものと感じさせることのないほどの緻密さも賢さも備わっていなかったのは、言うまでもありません。
 この瑞巌寺、平安時代初期に天台宗の「延福寺」として作られたお寺ですが、一時は廃寺の憂き目にあっています。もちろん、悪徳霊園造成業者に騙されたわけではありません(こういうギャグが通じない人もいるだろうなぁ)。それを現在の「瑞巌寺」という臨済宗のお寺にリニューアルしたのが、他ならぬ伊達政宗というわけです。その政宗が築いた仙台城の石垣、だいぶ前に修復工事が終わっていたとは聞いていたのですが、今日やっと見に行くことが出来ました。そうなったのは、大橋の少し下流にある「銀のテラス」というレストランでランチを食べたため。広瀬川を見下ろせるそのアダルトなお店でツブ貝のマリネや豚肉のハーブ煮をお腹いっぱい食べたあと、せっかくここまで来たのだから、と、天守台へ向かう道へ入ったのでした。曲がりくねった山道をたどって行き着いた先に、その石垣はありました。正直、それは予想以上の眺めでした。出来上がったばかりと言っても、積み上げられた石材は昔のまま、つまり、政宗が最初に造ったそのままの石垣が、そこにそびえ立っていたのです。一旦崩した石垣を再び元通りに組み上げる、その、気の遠くなるような手間のかかる仕事を成し遂げたこの自治体の、底知れぬ力を感じた思いです。それほどの力を持ちながら、まともなコンサートホールひとつ建てられないのは、謎としか言いようがありませんが。
aventure number : 0391 date : 2004/7/11


今日の禁断 「秋」

 「かいほうげん」は、例によって印刷間際に重要なお知らせが入ってきました。下野さんのリハーサルの詳細です。やはり、かなり忙しい方ということで、最終的には必要最小限の回数となってしまいました。このあたりが、難しいところですね。ただ、私の個人的な事情からは、土日が2日間取ってあったものがどちらか1日になったというのは、大変ありがたいものでした。というのも、前にも書きましたが、この演奏会の1週間前の土曜日から火曜日までの4日間、劇団四季の「ジーザス・クライスト・スーパースター」の公演があるのですよ。前の予定ではニューフィルの練習が入っていないのは月曜日だけ、これではいかにも辛いので、もう1日確保できて良かったというわけです。キャストが変わらないとも限りませんし。もっとも、この全国公演は今東京でやっているのと同じ「イスラエル・バージョン」という、オリジナルの設定の演出です。それはそれで良いのですが、実は昔から、四季が1973年に初演した時の、伝説的な「ジャポネスク・バージョン」(あ、もちろん当時はそんな言い方はまだありませんでしたが)をぜひ見てみたいものだ、と、思っていました。今回、そういう希望が多かったとみえて、急遽東京で8月にそれをやるということになったということを聞き、早速チケットを入手しましたよ。「マンマ・ミーア!」と一緒の日帰りダブル・ヘッダー、ちょっと辛そうですが、楽しみです。
 さて、「かいほうげん」ですが。今回の「目玉」、これだけで半分の紙面を使ってしまったという「メンバーの推移」はどんなもんでしょうか。プログラムのメンバー表を見ながら一人一人チェックしていく作業は、なかなか感慨深いものがありました。もちろん、最初の頃のメンバーの中には全く知らない人がいますから、それは殆ど「記号」として扱えるのですが、そんなのほんのわずか、殆どの人は顔が思い出せますから、懐かしさがこみ上げてきます。データを見直して、こんなに前からニューフィルにいた人だったのを初めて知ったりして。ただ、中には確実に一緒に演奏していたはずなのに、全く思い出せない人もいましたね。特に女性。これは、いかに私が女性に対して無関心だったかという証になるわけですが。いずれにしても、それぞれのメンバーの入団から退団までの軌跡をたどるというのは、場合によってはかなり感傷的な思い出も伴ってきますから、実は結構重たい作業ではありました。
 その退団された方々も、団を離れるには、さまざまな理由があったのだろうということが、それぞれ詳細に思い出されます。こんな広報みたいな仕事をしていますから、色々な情報が耳に入ってくるものですが、中にはかなり複雑な事情があった人も。そんな人たちが今どうしているのかは気になるところですが、案外素知らぬ顔でコンタクトを取ろうとしているのかもしれませんね。ちょっと屈折した感情の吐露、こんなのも、ネット社会のひとつのコミュニケーションのあり方なのかもしれません。それさえ分かれば、どんな罵詈雑言もいとおしく思えてしまうから不思議です。
aventure number : 0392 date : 2004/7/13


今日の禁断 ハメ撮り

 最近のスパムメールの攻勢はすごいものがありますね。私などは、最初のうちはフィルターを設定するなど抵抗を試みてみましたが、何をやっても1日何十通という明らかに無作為に送信したと思われるメールが届くものですから、もう面倒くさくなって来るにまかせています。スパムを削除するのが、毎朝の日課、とにかく心当たりのない発送元のものは見境なく削除、必要なメールを間違って消すことがあるかもしれませんが、無駄な文面を見せられるよりはマシです。
 ただ、いかにも読んでみたくなるようなタイトルなどだと、中にはつい開いてしまう人もいるかもしれません。そんな、好奇心旺盛な知り合いの女性が真っ青になって(って、顔は見えませんが)、「こんなメールが誰も知らないはずのアドレスに届きました。どうしましょう」と、メールを転送してくれました。タイトルが、「モデル募集の掲示板に書き込みしてくれましたよね?」、そして本文。
ありがとうございます。サヤです。えっとまず、時間は大体1時間ほどですね。撮影は私の自宅スタジオで2人きりで行います。私自身、モデルさんを使った撮影は始めてなので、不手際はあると思いますがヨロシクおねがいします。一応撮影はリアリティを出すために、本当の○○をしようと思っています。顔と陰部以外は撮影okって事でいいんですよね?撮った写真は、個人的な展示会に出品するくらいで、雑誌に載ったりはしないので安心してくださいね。本当の○○をする以上、私の顔と体型を知っておいてもらったほうがいいと思うんで、写真もおくります。報酬のほうですが2万円でよろしいですか?もし希望があれば聞かせてください。。詳しい撮影日が決まったらまた、メールします。よろしくお願いします。
 一見して、これは相手に男性を想定した文面であることが分かります。女ことばといい、「私の顔と体型」の写真を送るのだと(男だったらやだな)言ったり、間違いなく「女性」を装っているのですから、それが女性のところへ来たという時点でまず疑うべきなのですが、冷静さを欠いてそこまで考えが及ばなかった知り合いは、本気でうろたえてしまったようでした。
 こういうものは、無作為に送りつけるものですから、もしかしたら同じものを受け取ってネタにしている人がいるかもしれないと思って、「サヤ」、「モデル」、「陰部」のキーワードでグーグルで検索してみたら、ビンゴ!、ありました、ありました。全く同じ文面のメールが、やはりあちこちに送られていたのですね。ただ、これを見ると、一月ほど前のメールでは「報酬」が「4万円」となっています。もしかしたら、本当にモデルになって撮影した人がたくさんいて、とてもギャラが払えなくなったので「2万円」に値下げしたのかもしれないですね。
 こういう低次元のスパムは、こんな風にネタにするなどして徹底的に笑い飛ばすに限ります。間違っても返信のメールを出したりしないことが肝心です。ちなみに、同じことが言えるのがやはり低次元な掲示板の「アラシ」。
aventure number : 0393 date : 2004/7/15


今日の禁断 音楽堂

 前回の検索結果、あの時には23件だったものが、今日になってもう一度検索してみたら、なんと29件に増えていましたよ。しかも、一番上に表示されたのがこの「禁断」なのですから、恥ずかしいったらありません。確かに、各々のキーワードが2つずつ含まれていますから、上位に来るのは当たり前なのですが。その検索、たまたまNHKを見ていたらしょうもないクイズ番組をやっていたのですが、その中で回答者が答えた言葉をグーグルで検索して、その検索結果が多い方が勝ち、というゲームをやっていました。こんな風に使われるほど、グーグルは一般的なものになっていたのですね。
 ところで、仙台で「キャッツ」のロングランが終わってから、どれほどの時間が経ったことでしょう。上演中は街中が「キャッツ」一色に彩られ、あれほど盛り上がったというのに、終わってみればもはやその痕跡すらも残っていないというのは寂しいものがあります。それでも、その後で行われた音楽コンクールのようなものに比べればまだ良いのかも知れませんが。あちらも、一切の日程が終了して、商店街からあのみっともない「楽都」の垂れ幕がなくなると同時に、人々の記憶の中からは完全に消え去ってしまったのです(もともと最初から何もなかったものは消え去りようがないので、そんな感傷に浸っているのはごくわずかの人でしょうが)。あ、「コンクール」というとつい熱くなって横道にそれてしまいましたが、「キャッツ」の話です。あの時点では次にどこでロングランが始まるか、ということは全く明らかにされていませんでした。「今度は東京」ぐらいの不確かな情報が、「噂」として流れていたぐらいのものです。それがいよいよ、現実的な予定として大々的に発表されました。「四季」のサイトでは、14日に行われたその製作発表の模様が詳しく報じられていますが、なによりも会員には毎月送られてくる会報の「増刊号」として、この「東京キャッツ」の概要が知らされましたから、我が家はちょっとしたパニック状態です。それというのも、この公演のために新たに五反田に建設されるという「キャッツ劇場」の座席配置が、とてもユニークだったからです。こちらで分かるとおり、この劇場の座席はステージから扇状に広がっています。しかも、その「要」の角度が220°といいますから、まさにステージを取り囲んだ状態になっています。1200人収容のこの劇場、しかし、最後列の座席までは15列しかありません。これは、県民会館の中央通路よりまだ前、全ての座席が、恐ろしくステージに近づいていることになります。しかも、最前列の4列分は、仙台で言ったら開幕前にタイヤやら車のトランクやらが置いてあった部分、ですから、そこに座ったお客さんは、まさにステージの「中」にいるようなものなのですからね。
 11月11日に幕を開けるというこの公演、9月のチケット争奪戦のものすごさが、今から想像できてしまいます。おそらく、会員だけで完売してしまうのでしょうね。ところで、仙台の四季劇場の話はどうなってしまったのでしょう。なにしろ我々には忘れようとしても忘れられない「前例」がありますから、「白紙撤回」になっても決して驚きませんけど。
aventure number : 0394 date : 2004/7/17


今日の禁断 HTML

 いつもこの画面の右側にあるスクロールバーが、ちょっと変わったでしょう?スクロールバーの形などはOSによって決まってしまっていて、変えられないものだとずっと思っていたのですが、最近、こういう輪郭だけのカッコいいやつをよく見かけるので、何か特別のことをやればこれは可能なのだとも考えるようになっていました。そして、いつかは私のサイトにも使ってみたいと。もちろん、そのためには、かなりの知識が必要になるのでしょうから、もっともっと勉強が必要になることでしょう。ところが、こういうスクロールバーを使っているサイトでソースを見てみたところ、それはあっけないほど簡単なものだったのです。スタイルシートでスクロールバーの色々な属性の色を指定してやるだけ、ですから、このようにテーブルの罫線と同じ色にして、「お揃い」にすることも出来るわけです。なかなかオシャレでしょう?ちなみに、ここ関係のソースはこんな感じ。
<STYLE TYPE="text/css">
<!--
body
{
scrollbar-face-color: #ffffff;
scrollbar-highlight-color: #009999;
scrollbar-shadow-color: #009999;
scrollbar-3dlight-color: #ffffff;
scrollbar-arrow-color: #009999;
scrollbar-track-color: #ffffff;
scrollbar-darkshadow-color: #ffffff;
}
-->
</STYLE>
コロンのあとが色の指定です。「#ffffff」は「白」(「黒」は「#000000」)、そして「#009999」というのが、この外枠に使っている渋いモスグリーンの色になります。つまり、白とモスグリーンをそれぞれの部分に指定してやると、こういうスクロールバーが出来上がることになるのです。
 その上に、私はもう一工夫を施しました。「水平線」の色も、これと同じものに揃えたのです。というか、水平線に色が付けられるなんて知らなかったのですが、こんな風に
<HR size="3" color="#009999" noshade>
適当に「color=」をくっつけてみたら、見事に色が付いたのには、正直びっくりしてしまいましたよ。
 ま、こんな風に、日々進歩しているJPなのです。
aventure number : 0395 date : 2004/7/19


今日の禁断 夏至祭

 前回のスクロールバーの話ですが、職場にあった古いマシン(WIN95)で見たところ、何も変わっていなかったので、一瞬あせってしまいました。この現象、OSよりは、ブラウザのバージョンに関係があったようで、よく調べてみたらあのスタイルシートが反映されるのはIE5.5以上、そのマシンはIE5.0だったので、変わらなかったのですね。ネスケではどうなのでしょう。もし分かる方は、教えて下さい。
 さて、今週は月曜が休みだったので、なんだか曜日の感覚がおかしくなっています。しかも、火曜日がいつもの市民センターが使えないので、木曜日が練習日、これも何か変な感じですね。先週は火曜日にやったのですが、1週間以上間が空いてしまうと、なんだかすごく前のような気がします。確か、あの時は終わってから場所を変えての技術委員会があって、帰りが遅くなったのでしたね。その日の「禁断」は、それを見越して、実は練習に行く前に書き上げてました。帰ってからは、それに手を加えないでそのままアップ、さも、今書いたばかりのような顔をしていたものでした。ですから、当然技術委員会の内容にも触れてはいません。というか、誰か掲示板にでも書き込むかな、と思って、あえて取り上げなかったのですが、その気配もないので、ここで発表してしまいますね。
 技術委員会の前には、各パートからの希望曲を集計して、資料が用意されます。今回も脈絡のない曲目が何十曲と挙げられていて、さぞかし絞り込むのが大変だろうと、始まる前は思っていました。しかし、中に1曲、殆ど全てのパートから満遍なく支持を集めていた曲があったのです。それは、シベリウスの2番。指揮者の新田さんのプロフィールは、前回の「かいほうげん」でご紹介してありますから、「北欧ものが得意」というのがイメージとして固まっていたのでしょうね。もちろん、漠然と「北欧」と言っても、実はニューフィルがメインに選ぶような曲は自ずと限られてきます。間違ってもレイフスの「ヘクラ」などという奇妙な曲がメインになるはずもなく、最も知名度の高いシベリウスの、その中でも圧倒的にポピュラリティの高い「2番」に希望が集中したのです。ですから、その場の空気はもはやこれ以外の曲はあり得ない、ということになり、晴れて、メインレパとして確定したのでした。これからさらに中曲と序曲を選定、その上で新田さんの意向を伺うということになるのでしょう。なにしろ初めての方ですから、その段階でこちらの希望がそのまま受け入れられるのか、別の案が浮上するのか、というのは全く予想がつきませんが。
 ところで、この曲は、ニューフィルにとっては2回目になるわけですが、前回演奏した時の指揮者が、奇しくも今回の指揮者と同じ姓を持つ方だったなんて、なんか不思議な気がしませんか。ちなみに、あの時のカップリングはニコライの「ウィンザーの陽気な女房」序曲と、ハイドンの「時計」でしたけどね。 
aventure number : 0396 date : 2004/7/22


今日の禁断 ボヘミアン

 旧聞に属しますが(といっても、ほんの数日前のことなのですが)カルロス・クライバーが亡くなりましたね。モーツァルト・ブームが下火になっていたところに、このカリスマ指揮者の訃報、CD業界はさぞかし活況を呈していることでしょう。実は、何を隠そう、この私は、あの伝説的とも言える1974年の「バラの騎士」の日本公演をこの目で見ているのですよ。いまだに、あの時の「銀のバラ」のテーマは耳の底に残っています。バイエルン歌劇場の引っ越し公演、この時は同時にサヴァリッシュ指揮の「ヴァルキューレ」とか、ライトナー指揮の「フィガロ」も見に行っていたはずですが、もしかしたら記憶違いかもしれません。そんな超豪華な演目を3本も見に行ったなんて、いったいどんなお金持ちかと思われるかもしれませんが、当時はオペラのチケットは今みたいなベラボーな価格ではなく、ごく普通のコンサートの感覚で買えるようなものでした。それがいつのまにか、「実際に外国に行くことを考えたらそんなに高いものではない」みたいな詭弁を弄さなければ納得できないほどの値段になってしまっているのは、困ったものです。
 しかし、そんな「一流」どころに混じって、軽快なフットワークで自由気ままな放浪者のように全国を回ってくれるプロダクションが、定期的にこの仙台にまでやってくるのは、ありがたいものです。殆どが全く無名の歌手と、決してうまいとは言えないオーケストラ、しかし、中には侮れない才能が発見できることもあって、充分に楽しめるものです。そして、たとえ音楽的なレベルは低くても、日常的にオペラの現場にいる人たちは、それだけでかけがえのないものを届けてくれています。そんな、充分に鑑賞に堪えるであろうマイナーなオペラハウスの仙台公演が、この秋には目白押し、とりあえず「コジ」と「魔笛」というモーツァルト2演目のチケットを買ってしまいました。その12月の「魔笛」、あいにくニューフィルの練習日とかち合ってしまいましたが、たまには休んでもいいでしょう?
 その頃には、もう今練習している曲目の演奏会は終わっていますが、その時の指揮者、下野さんの仙台フィル定期演奏会デビュー、しっかり行ってきましたよ。心配された客の入りも、まずはそこそこ、この前に聴きに来たこのオーケストラの定期の時よりはよっぽど入っていたのではないでしょうか。そこで下野さんが見せてくれた颯爽とした指揮ぶり、オケが多少モタモタしていてもサクサクと自分の音楽を作ってられる姿には感動しました。こんな素晴らしい指揮者が、あと少しするとニューフィルを実際に振って下さるのですから、ちょっと信じられない思い。というより、あの指揮について行くにはこちらにもかなりの下地が出来上がっていないことには、下野さんを選んだ意味がなくなってしまいますよね。あと2ヶ月以上あるのですから、がんばりましょうね。しばらく元気のなかったヒレカツ先生も久しぶりに健筆をしたためられたことですし。
aventure number : 0397 date : 2004/7/24


今日の禁断 サイゼリア

 今日の練習、予定ではフルートパートで出席するのは私一人ということになっていました。あっチャンは人からにお礼を言われるような(Thank you !)事情があってしばらくお休み、まっすーは仕事の都合で今日は出られないことが、だいぶ前から決まっていたのです。今日は一人で黙々と吹かなければならない、練習場へ向かう私の足は、重苦しかったのも当然でしょう。しかし、エレベーターに乗ったとたんかかってきた電話によって、そんな暗い思いは一掃されてしまいました。それはあっチャンからの電話、「いま、ちほさんがうちに来てま〜す。せっかくだから、一緒に練習見に行きますね。」。そう、ご主人の転勤で横浜に引っ越してしまったもとフルートのちほさんが、夏休みで帰ってきているのですって。もちろんご主人も一緒、ご主人の方はしっかり楽器も持って最初から練習に参加するつもりだったそうですが、ちほさんは丸腰(あ、楽器を持たないって意味ですよ・・って、註釈を入れると却って誤解を招きそう)、そこで、あっチャンの楽器を貸してあげることにしたそうです。
 しばらくして、ちほさんたちが現れました。確かに久しぶりですが、別になんの違和感もなく、普通の団員と同じように見えてしまいます。フルートの席に座っても、やはり自然とそこに溶け込んでいるのですから、面白いもの、長いこと座っていた場所の印象というのは、少しぐらい居ない時期があっても消えないものなのですね。実は、今日はクラリネットパートにもしばらくぶりのあやちゃんが参加、そして、その後ろの列にちほさんのご主人、というわけで、いきなり混ざっても全く違和感が感じられない人たちが縦一列に並んでいましたよ。
 最初にやった「スラヴ」は、私もちほさんも代吹きということになるのですが、今日の指揮者、オニのカマさんは(ウニじゃないですよ)そんなことはお構いなし、とことん難しい要求を突きつけてきます。他の指揮者だとそんな細かいことはあまりやらないでサラッと行くのに、よりによって私が代吹きの時にカマさんの順番が廻ってくるなんて。1番なんか、最初の部分だけ何度繰り返したでしょう。何も言わずに通り過ぎる場所など殆どありません。ただ、2番のフルート2本で交替でオクターブを吹く場所は、そんな数少ない「何も言われなかった」場所のひとつ。私とちほさんの絶妙のアンサンブルは、カマさんの眼鏡にもかなったのでしょう(?)。しかし、疲れました。
 シンフォニーは、「禁断で、クライバーが亡くなったのを知りました」と言っていた、流行遅れのカズキくんの指揮、こちらは別の意味でシビアな要求がありますが、あまり止めない分、体力的にははるかに楽、初見のちほさんも楽しめたのではないでしょうか。「シグネチャー、音が通りますね」などとパートナーも褒められて、私ももちろんいい気持ち、全く思いがけなく、楽しい一時が過ごせた夏の夜でした。
aventure number : 0398 date : 2004/7/27


今日の禁断 WDR

 ご存じでしょうが、「おやぢの部屋」のカウンターが8万を超えました。スタートした時からカウントしていたわけではなく、ごく最近設置したものですから、この数字自体にはあまり意味はないのですが、やはり確実に上がっていくのは嬉しいものです。そして、「おやぢ」の場合は確か初めてのことだと思うのですが、晴れてキリ番をゲットされた方が、名乗りを上げてくれました。というか、この方はキリ番ねらいで十数回リロードを繰り返したそうです。そのぐらいの熱意を持って「おやぢ」を見てくださっているのですから、その程度の反則は、もちろん大目に見てあげましょう。ただ、問題は記念品。なにしろ、かなりマニアックな内容を誇る「おやじ」ですから、そこの常連さんともなれば変なものを差し上げてはバカにされてしまいます。事実、この方は大変なモツレクファン。モツ鍋じゃないですよ、モツレク(本当は「神たそ」と同じようにこんな略し方はいやなのですが)。しかも、改訂稿の珍しいCDなどもしっかりチェックされているという、筋金入りのマニア。用意していた「マツケンサンバ」のグッズなどでは、確実に笑われてしまうことでしょう。ここはひとつ、SACDプレーヤーかDVDレコーダー・・・。
 そんな苦労もありますが、こんな折に触れて「おやぢ」を読んでくださっている方からの生の声が伝わってくるのは嬉しいものです。カウンターによれば毎日毎日100人近くの方が訪れてくださっていることになるわけですが、直接の反応が届くということはなかなかありません。なにしろ、「マニアック」とは言っても、単に執筆者の趣味の偏りを反映しただけの、殆どパーソナルなレポートですから、とうてい「CD購入の際の参考」などにはなり得ないものです。それよりも、幾分辛口のレビューの切り口を楽しんで頂きたい、というのが本音です。便りのないのはよい便りといいますから、このスタンスは変えないでやっていくつもりです。CDが商品として市場に出たとたん、それは批評の波にさらされる運命にあります。今までの音楽体験の全てを動員して、それに対峙するのが「おやぢ」執筆者の努め、その結果がたとえ辛辣なものであろうとも致し方がないものだと、あきらめて頂きましょう。
 こんな自由気ままなことが出来るのも、全くのフリーの立場で書けるから。かつて販促誌に原稿を書いていた時には、そうはいきませんでした。当時の「おやぢ」の中にもその使い回しがありますが、今読んでみると恥ずかしくなるような表現があちこちに見られて、いっそ削除したくなるほど。しかし、これも一時期の記録として残しておく必要はあるのでしょう。そういえば、1月ほど前から、それまでは毎日のようにあったそこの編集部からのアクセスが、ばったり途絶えてしまったのは、いったいどうしてなのでしょう。もちろん、読んで不快感を覚えるような人には、読んでもらいたくない、というのも本音です。
aventure number : 0399 date : 2004/7/29


今日の禁断 夜間保育

 さて、8月になりました。ご当地が舞台の連続ドラマ「天花」も、三分の二を終えて、いよいよ感動のクライマックスへと、最後の盛り上がりを見せることになります。ここへ来て突然天花と竜之介が実は兄弟だったという衝撃の事実が明らかになり、誰しもこの純愛の行方に一抹の不安を抱くという展開・・・そ、それは同じ局でやっている別のドラマでしたね。「天花」の方は、仙台とか婚約者はいったいどうなったのか、というぐらい、熱心に東京の保育園でがんばっているようですから、ご安心下さい。
 地元の期待を一身に受けたこのドラマ、なぜか、最近は視聴率のベスト20のランキングにもとんと顔を出さないようになってしまっています。これは、最悪「時計代わりに見る」という視聴者すらいなくなってしまったというこのなのでしょうか。実は我が家でも、近頃は毎朝同じ時間に見るという、連ドラのあるべき鑑賞スタイルからは遠のいてしまっているのが現状。というより、普段の日は別の局のワイドショーがかかっていれば、わざわざチャンネルと変える、ということはまずなくなってしまいました。ですから、私はもっぱら毎週土曜日の「1週間分まとめて1時間半」というBSで、その週の分をチェックするという習慣が付いてしまっています。こうしてまとめて見てみると、このドラマが1週間できちんと完結しているのがよく分かります。特に、この1、2週の構成は見事、というか、このサイズの物語を作るのでしたら、この脚本家の本来の資質が遺憾なく発揮されてくるのでしょう。あまりに良くできたプロットでしたから、先週などは国生さゆりの子供が最後には必ず「ひとりだち」を披露してくれるだろうという予想が見事に当たって、怖いぐらいでした。
 今週のドラマも、導入といい結末といい、決して予想を裏切ることのないしっかりしたものでした。取材に来た新聞記者がかつての恩師(美術の先生、ですか)だったなどという都合の良さは、ドラマの根幹の逞しさに比べれば、ほんの些細なものに過ぎません。なによりも、この中には単に1週間で完結させるという今までのパターンだけではなく、将来の天花の進むべき道がそれとなく示されるという、重要な伏線までが盛り込まれているのですから。そして、その逞しさは、保育園の日常すらも変えてしまうことを厭いません。今週の目玉「子育て相談会」が開催される日には、平日(お父さんの会社では、しっかり社員が出勤しています)にもかかわらず、一切の保育を断ってそのイベントのために会場が提供されるのですから。ここにお子さんを預けている親御さんが、いかに寛大な人たちばかりであるかがうかがえるではありませんか。でも、実はそんな無理なことはしていないで、もしかしたらこれは保育が終わってからの時間帯に行われたのかもしれませんね。これから仕事に行くといって無理矢理子供を置いていった若者は、夜に出勤だと。そういえば、副園長さんも「私、もう帰るわね」といって、帰ってしまいますし。それにしては、保育室の外の様子が真昼のような明るさだったのは・・・・。
aventure number : 0400 date : 2004/8/1

04/8/3-04/9/9