3781(23/8/28)-3800(23/10/11)

今日の禁断 エルパーク


 きのうとおとといは、ニューフィルの指揮者練習でした。かなり久しぶり、という感じですね。今回のレパートリーはなかなか手ごわくて、まだ満足に吹けていないところがたくさんあるという、かなりの厳しさです。こんな感じで臨む指揮練なんてと、ものすごく気が重い日が続いていましたね。それだけではなく、1日目はパート内で2人、他の予定があってお休みなので、その代わりも吹かなければいけませんでした。それが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の1番フルートなんですよ。なんせ、第2楽章の頭にどソロがありますからね。しかも、今回は最初からソリストの代わりに練習の時にピアノパートを弾いてくれる方もいらっしゃることになっていますから、いい加減なことは出来ないし。
 ですから、1日目は丸1日出番があるので、遅れるわけは行きません。会場は一番町の141なので、地下鉄を使いますが、最寄りの地下鉄駅までは車を職場において歩かなければいけません。でも、この暑さだと、そこを歩いているだけでもう体力を使い果たしそうなので、出来るだけ日が当たらないルートを考えてみました。その結果、旭ヶ丘の駐車場に車を置いて、すぐに地下鉄に乗る、というコースがベストだと思い、それでいくことにしました。
 そんなコースは使ったことがないので、早めに家を出たら、もう12時半には勾当台公園に着いてしまいましたよ。練習場が開くのが1時ですから、30分も早く着きました。もちろん、私が一番乗りです。ロビーには、すでにピアノが用意されていますね。
 時間になると人も集まり、楽器も運び込まれて、セッティングが始まります。緊張をほぐすために、楽器を吹いてリラックスしようと思っても、なかなか思った通りの音が出ないので、却って焦ったりしているうちに、指揮者の新田さんが入ってきました。
 あとでご自身が「玉手箱を開けた浦島太郎」なんておっしゃっていましたが、それは逆、前回いらしたときよりもさらに若々しくなってましたね。ご指導ぶりもさらに分かりやすくスマートになっていて、何のストレスもなくリハーサルに没頭できます。
 さすがに、コンチェルトでは全曲続けて吹いたのは初めてなので、最後の方は数え間違えて落ちてしまいましたけど、まあ辻褄は合わせられましたから、よしとしましょう。
 その日は久しぶりに指揮者の歓迎会があったのですが、わたしは、やはりまだ時期早々だと思っていたのでパスです。あとで写真が届きましたが、10人ぐらいは集まったようですね。新田さんも楽しまれたようで、良かったです。コロナが始まる前には、20人以上が集まっていましたけどね。
 2日目は、出番は後半だったのと、いくらか曇りがちだったので、職場に車を置いて駅まで歩きました。そして、会場に着いたら早速写真撮影です。
 まだ、ヴァイオリンのエキストラは来ていないので、ちょっとスカスカですね。でも、音はきっちり出していましたよ。金管などはもうフルヴォイスです。
 私の出番のカリンニコフは、終楽章から。何しろ音符の量が多いので、本当に難しいところだけ集中してさらっていたのですが、ここにきてさらに難所があることを発見、これからは、そこを重点的にさらうことにしました。次回の指揮練には、何の迷いもなく吹けるようにしておきますから。
 帰りの地下鉄に乗ったら、なんと、席を譲られてしまいましたよ。これも、生まれて初めての経験です。でも、すぐに降りるのだし、もともと座る気もなかったので、丁重にお断りしました。自分では、まだ譲られるような年ではないと思っていただけに、かなりのショックでしたね。
Aventure Number : 3781 date : 2023/8/28


今日の禁断 ヘルメット


 池袋の西武が、ニュースになっていて、たびたびテレビに登場していますね。なんでも、あしたは「ストライキ」が行われるのだとか。最近では、ハリウッドで俳優や脚本家たちのストライキがあった(まだやってる?)という話を聞いたばかりなので、まだ「ストライキ」というものはあるのだな、と思っていたのですが、日本では、こういうお店のストライキは60何年かぶり、というのですから、殆ど「死語」だったようなものですね。
 ほんと、かつては鉄道などでも平気でスト(ストライキの略語)をやってましたから、まあ、日常的な出来事でした。さらに、そんな公共機関ではなく、「学生」が「スト」をやってましたからね。「バリスト」というやつですね(これこそ死語)。一応言っておくと、これは「バリケード・ストライキ」の略語です。コーヒーとは関係ありません。
 いや、そういう話題ではなく、その時に映し出された現在の池袋の西武の外観が、見たことがないようなものだったのに、ちょっと驚かされた、ということなんですよ。というのも、私がかつて首都圏に住んでいる時には、たびたびここに来てたのですが、その時の西武はこんなおしゃれな建物ではなかったような記憶があるんですね。こんな、半月形の壁面なんて、絶対にありませんでした。いつの間にか、こんな風に改装されていたんですね。
 私が住んでいたのは大宮(現在のさいたま市)でしたが、電車を乗り継いで池袋まで来ていたのは、この西武百貨店がとても魅力的だったからです。なんと言っても、その最上階に美術館があったんですからね。「西武美術館」というやつですね。ここでカンディンスキーとかムンクを見た後、お向かいにあった「アール・ヴィヴァン」というお店に寄る、というのが、決まったコースでした。
 同じころに、渋谷のパルコにも「西武劇場」というのが出来ましたね。そこのこけら落としが「MUSIC TODAY」という現代音楽のイベントでしたが、それにも行ってました。生ジョン・ケージにも会いましたよ。つまり、西武美術館と西武劇場というのは、私にとっては「聖地」だったのですよ。
 そんな、文化、あるいは芸術の発信地だった「西武」の凋落ぶりは、もう目を覆いたくなりますね。これも、根っこは「経済効果」志向の弊害なのでしょう。挙句の果てに、ヨドバシですか。そんな量販店に成り下がってしまう西武の姿なんて、見たくありません。今回のストが、そんな気概の表れだったのなら、いくらかは救われるのですが。
Aventure Number : 3782 date : 2023/8/30


今日の禁断 エクセル


 最近では、CDを買うのは毎月の「5枚まとめると4割引き」というセールの時ぐらいになってしまいました。それでも、5枚も集まることがない月もあったりしますからね。さらに、聴いてみたらこんなものを買う必要は全然なかったようなものの方が多かったりしますから、いやになります。
 ということで、メインで聴くのはサブスク、という流れになるのですね。なんたって、いくらひどい演奏や録音だったとしても、金銭的なデメリットは全くありませんからね。ただ、貴重な時間をつまらないことに費やしてしまったね、という悔恨の情が残るだけです。
 もちろん、それはネットで配信される音源ですから、PC経由で聴くことになります。とは言っても、PC本体のスピーカーで聴くなんてことはあまりにもしょぼすぎますから、きちんとオーディオとして聴けるような配慮は必要です。以前はデスクトップのPCからライン出力でアンプにつないでいたのですが、それだと音がいまいちだったので、最近はHDMIでつないでいます。それで、ほぼ満足できる音になっていますね。
 といった感じの私のリスニング事情ですが、このところ、トラブルが頻発しているので、ちょっとイラついているところでした。それは、音が1秒ちょっと止まってしまう、という現象です。いや、「止まる」のではなく、「なくなる」という方が正確なのですが、一時停止のような状態ではなく、演奏している途中で急に無音になってしまう、ということなんですね。「音が抜ける」というのが正確でしょうか。
 ですから、まず疑ったのはサブスクの発信元です。今までにも数々のトラブルがありましたからね。しかし、この現象は、たとえばラジコで番組を聴いている時にも起きることが分かりました。達郎の「サンデー・ソングブック」などでも、しっかり音が抜けていたのですよ。
 ですから、その次に疑ったのが、ルーターです。それで、一度再起動をかけたら、それ以後はこの現象が起きなくなったので、やはりそれか、と思ったのもつかの間、しばらくしたらまた起きてきました。そして、それ以降、再起動をかけても全く改善はされませんでした。
 だとしたら、あと疑うところは、HDMIケーブル、ということになりますね。確かに、このケーブルはとても繊細なところがあるようで、別のところでやはりPCとアンプをつないだ時には、たまにつながることがある、ぐらいの、なんともじれったい挙動を見せていたので、もうつなぐことをあきらめてしまいましたからね。
 ということで、新しいケーブルを買ってきて、つないでみたら、今のところは全く何の異常もなく使えています。おそらく、これでこの問題は解決した、と思いたいものです。でも、この手のトラブルは、なかなか手ごわいですから、まだ安心はできませんけどね。
 まあ、一応の解決はみたと判断して、懸案だった職場での模様替えを行ってみました。以前、エアコンの工事の時に暫定的に机を並べ直しただけだったのですが、
それをきちんと2台のPCを効率よく使えるように、レイアウトを変えてみました。
 というのも、職場でもそろそろ後継者の育成、などということをやらなければいけなくなってきて、今までは私一人でやってきた仕事を、若い人にも覚えてもらおう、ということで、こんな風に2台のPCを完全に分離しました。手前のデスクトップは、職場のデータだけ、奥のラップトップ(上の写真では、工事中なので別のところに持って行ってありました)は、それ以外のニューフィルの仕事などに使います。
Aventure Number : 3783 date : 2023/9/1


今日の禁断 メモリー


 自宅の私の部屋に、窓用のエアコンを付けたのは8月2日のことでした。それ以来、このエアコンは毎日休むことなく動かされていました。本当に、観測史上最大の暑い夏が、今年は続いていたのですね。そして、それから丸1カ月が経った今日、そのエアコンは初めて「お休み」をもらえることになったのです。朝から久しぶりの雨模様、時には豪雨となってたたきつけるような激しい降り方をするという、しばらく忘れていた雨の日が戻ってきたからです。おそらく、今日はこのまま、窓からの涼しい風を感じていられるはずですから、エアコンが動くことはないでしょう。ご苦労様、としか言いようがありません。
 職場に行っても、全体の大規模なエアコンを新しく入れ替えたばかりでしたから、私の仕事部屋は快適そのものでした。たまに用事があって外に出ようものなら、もうそれだけで熱気のもの凄さにたじろいでしまいましたね。もし、改修工事をやらずに、エアコンが壊れていたりしていたら、どうなっていたのかと思うと、恐ろしくなります。
 昼間は、いくらかは涼しくはなっていましたが、湿度がものすごいので、やはりエアコンは必要でした。そこでやっていたのが、4年に1度の会費等の納入状況の台帳作りです。そんなものは、エクセルに記入していけばいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、なんせ、実際にそういうことをやってしまうとついていけない人がいるものですから、しっかり紙に書いて記録するものが必要になってくるのですね。それで、見開きで4年分の納入状況が分かるようなテーブルを、4年ごとに作っているのですよ。
 その間には、名簿そのものもだいぶ変わって行きます。新しく加わる人もいますし、筆頭者が代替わりして名前が変わったりもしています。ですから、最新の名簿のデータをまず作って、その後に、項目ごとのテーブルをくっつける、という作業を行って、それを罫線のないルーズリーフに印刷して、リングファイルにまとめる、という作業を行っているのですね。細かいところで毎回改良をしていて、今年はなかなか見やすくて使いやすいものに仕上がったのでは、と思っています。なんせ、これは、だいぶ前に税務署の人が税務調査にやってきたときにとても感心していたというのですが、それからさらに完成度は高まっているはずですからね。こんなノウハウも、しっかり後継者に伝えることも必要なことでしょうね。まあ、今回で雛型がしっかり出来上がったので、あとは楽な作業になるはずですけどね。
 同じようなことはニューフィルでもやっています。「かいほうげん」などはまさにその成果でしょうが、こればっかりは私がやってきたことをそのまま次の人に引き継ぐ、というのは、かなり困難でしょうね。まあ、いずれはそんな日も来るのでしょうが、その時にはそんな引継ぎなどは一切やるつもりはありませんよ。私自身が、前の人とは無関係に、好き勝手にやってきてましたからね。
 唐突ですが、今再々放送中の「あまちゃん」は、いよいよラストスパートとなりますが、ここにきて、かつてADだった仲野太賀(当時は「太賀」)が、「助監督」という肩書で登場していましたね。
 ここにこんな「物語」が潜んでいたなんて、初めて気が付きました。
Aventure Number : 3784 date : 2023/9/4


今日の禁断 ローソン


 毎月、今ごろになると、私が常用しているCDの通販サイトが「輸入盤を5枚まとめると4割引き」というセールを始めます。その期間がほんの数日しかないので、それを逃すと次の月まで待つしかありません。もちろん、私は国内盤のCDなどという、値段ばかりが高くて何の役にも立たない「解説」が付いているものは全く買っていませんから、この条件には合致しますからね。そもそも、国内盤は書籍と同じで再販制度に守られていますから、値引きそのものが出来ませんし。
 実際には、聴きたいと思えるようなCDはほぼサブスクで聴けるようになっていますが、普通のCDではないSACDとかBD-Aといった、サラウンドが聴けるディスクは、買わないといけませんから、まあ月5枚ぐらいは集まってしまうんですよね。
 ですから、この日のためにためておいた6枚のうちの、発売日が遅い1枚をのぞいて、カートに入れました。そうすれば、4割引きの値段で自動的に会計してくれることになります。まあ、普通のCDよりちょっと高いものばかりですが、これだとまず1万円前後で買えることになりますね。
 ところが、きのう、そんなことをやったら、なんだかちょっと高いんですよね。輸入盤のCDが値上げされていたのでしょうか。しかし、今日になってそのサイトを見直してみたら、その原因が分かりました。
 そこには、こんなバナーがありました。いつの間にか「40%」ではなく「35%」になってしまっていたのですよ。これを見逃していたのですよ。実質的な「値上げ」ですね。なんということでしょう。
 このサイトでは、この下のグレードで「3枚買うと30%オフ」というのもあるのですが、それももしかしたら今月は「25%オフ」になっているかもしれませんね。こんなことをされたら、もう私などはここでCDを買うのをやめるかもしれませんよ。いくら「値上げ」をしても、それで買う人がいなくなってしまったら、元も子もないのに、目先のことしか考えていないんですね。HMVさんは。
 というか、今回は5枚集まらなかったので、SACDだというだけで、聴くかどうかも分からないようなアイテムも混ぜてあります。おそらく、それが届いてがっかりする可能性の方が大きいでしょうね。つまり、私の場合、最近では本当にフィジカルを買わなければいけない、というもの自体が少なくなっているのです。
 職場にあるCD棚も、一時はもうはみ出して収納できなくなるのではないか、と思っていたのですが、最近ではほとんど中身が増えてはいません。ほんと、サブスクがなければ、今ごろはどうなっていたのかと考えると、ぞっとします。
Aventure Number : 3785 date : 2023/9/6


今日の禁断 リー


 異常気象の影響で、もう日本では季節がめちゃめちゃになっていますね。いつまで経っても暑くて暑くてたまらない夏が終わらなかったものが、強烈すぎる台風の影響で一気に涼しくなったと思っていたら、今日になってまた暑い日が戻ってきた、という感じです。その雨の降り方にしても、全く予測を上まるほどの激しさですから、各地で大きな災害となっていますからね。お隣の県でも、大被害に遭っているようで、お見舞い申し上げます。本県でも、少し前には道路が冠水しただけで全国ニュースになってましたけど、これほどの被害はありませんでしたからね。
 ですから、開催が危ぶまれていた「ジャズフェス」も、今日の朝から予定通りに行われているようでした。私の知り合いもスタッフだったので、やきもきしていたようですが、まずは一安心です。
 そんないいお天気の中で、恒例のパン屋巡りを終わらせた後、私は、職場で穿いているジーンズの膝が破れているのを修理していました。まあ、そのままにしててもファッショナブルでいいのですが、来客などがある時にはちょっと恥ずかしいですし、捨ててしまうのももったいないので、生まれて初めての「篝縫い」に挑戦です。
 まあ、こんな感じ、いちおう、穴は塞げました。
 ところで、ニューフィルの定期演奏会までもう2ヶ月を切ってしまいましたが、そのためのチラシのゲラがやっと出来てきました。
 とてもシンプルなデザインだったので、私はもうこれで即OKという意見を伝えました。ですから、あとは細かいところでちょっとした変更を加えれば、完成するはずです。このチラシも、前回は市内限定でしたが、今回は県内まで範囲を広げて、以前と同じ体制で配布活動ができるはずです。
 というのは、あくまで世間の状況に乗っかっているだけのことで、コロナの流行は、もしかしたら以前より激しくなっているのではないかと思われるほど、私も含めて近くの人々の感染が続いています。ですから、「打ち上げ」を以前と同じように行うことは、全面的に支持したくはありません。少なくとも、私は出席は控えるつもりです。
Aventure Number : 3786 date : 2023/9/9


今日の禁断 ジャゾット


 今年の夏のテレビドラマは、私にとってはちょっと不作でしたね。「最高の教師」とか「CODE」とか、始まってすぐに見放してしまったものは数知れず、あとに残ったものも、最後近くになっていきなりどんでん返しが始まったりして、収拾がつかなくなってしまっていますね。
 そんな中で、「転職の魔王様」と、「こっち向いてよ向井くん」と「この素晴らしき世界」は、誰でも納得がいくような脚本で、何とか面目を保っていたようです。あとは、「何曜日に生まれたの」も、秀逸でしたね。これは、最初のうちは音楽がすべてドビュッシーのピアノ曲というところで、意表を突かれましたし。ただ、音楽で言えば、「この素晴らしき世界」でテーマ曲を歌っている小田和正は、オープニングで彼の声が聴こえてきたときには、絶句してしまいましたね。彼のファンである私でも、ちょっとついていけない、あまりにも時代に乗り遅れているセンスが、哀れでしたね。曲そのものはいいのですが、もはやこういう場所では使い物にはならないことが痛感されました。
 「ハヤブサ消防団」が、今シーズンは一番期待していたものでしたが、だんだん話が変わってきて、ありえない展開、ちょっとこういうのは付いていけません。もっとひどいのが「VIVANT」です。いくらなんでもそれはないだろうという進行は、もうエンタテインメントの限界を超えて、不快感が募るばかりです。昨日などは視聴率の巻き返しを狙ったのが、なりふり構わない特番、そこまでしてダメな脚本にしがみついているのは、醜悪でしかありません。「トリリオンゲーム」も似たようなものですが、主役の2人の魅力に、ついつい見続けていますけど。
 そんなのに混ざって、かつての「ミステリと言う勿れ」の再放送と、「新作」が放送されたのは、うれしかったですね。こういう高品質のドラマは、何回見ても飽きません。そこで気が付いたのは、BGMとしていわゆる「バロック音楽」が使われていることでした。バッハやヴィヴァルディの超有名曲と一緒に、あの「アルビノーニのアダージョ」が聴こえてきたのには笑えましたね。この曲、まだその正体が明らかになっていないころでも、なんかえらく現代的な感じがするなあ、と思っていたのですが、今聴けばそれはもう20世紀に作られとしか考えられない曲だということがはっきりわかりますね。
 ところで、前回のチラシですが、まだ決定稿が出来ていないので、印刷はだいぶ先になるだろうと思っていたら、なんと、明日には印刷したものが届くという情報が伝わってきました。ですから、私としては、ゆっくりやろうと思っていた配布先と担当者の一覧表の作成を、あわててやってましたね。その中で、担当者がもういなくなっているという場所があったので、それらを列挙して「誰か、行ける人はいませんか?」と団内の掲示板で呼びかけてみました。そうしたら、投稿した直後に「やらせてください」という投稿がありましたよ。それで、私が行かなくても、以前の通り持って行ってもらえるようになりました。ありがたいですね。
Aventure Number : 3787 date : 2023/9/11


今日の禁断 エレクトロン


 普通は2ヶ月前には出来ているはずのニューフィルのチラシやポスターですが、今回はちょっと出足が遅れているようでした。その結果、そんな印刷物が出来てきたのは、2ヶ月前を大幅に過ぎてしまったきのうのことでした。ですから、いつものように練習日以外に係の人が集まって袋詰めをする、という仕事を、きのうの練習日に敢行するというイレギュラーなことになってしまったのです。つまり、予定としてまずシンフォニーの第1楽章を1時間やった後にコンチェルトを1時間半、ということになっていたので、チケット係のチーフが降り番の後半に、管楽器の降り番の人を集めて、その作業を行ったんですね。
 私も、その中に入っていましたし、いつも、広報係としてその仕事をやっていたので、当然加わります。その前に、まだ印刷物が届いていないうちにホールに着いていて、会場の設営などを、たまたま早く来たコントラバスの人と一緒に進めておきました。机を並べただけですけどね。そして、練習が始まるのは7時なのですが、6時半にはチラシとポスターが届いたので、私は練習の前に、ポスターの用意をしたりしていました。多い人では10ヶ所以上に届けたりしますから、ポスターを丸めたものを10本持って行くのは大変なので、それをまとめて一つにしたのを作ったのですね。そして、いつも用意しているチラシ配りの担当者のリストを、その人が来たときに配ったりしていました。
 ですから、練習が始まった時にはもう汗びっしょり、そういう時には楽器がフィットしないので、最悪のコンディションでしたね。
 まあ、それが終わったところで、いよいよ袋詰めが始まります。いつものメンバーとはガラリと変わった「新人さん」が揃っていたのですが、やり方を教え合ったりして、なんかとても楽しい雰囲気で作業が進んでいきましたね。私はもっぱらポスターを丸める作業に専念です。それと同時に、プレイガイドに持って行くチケットとか、友の会への発送分なども用意します。
 そして、コンチェルトの練習が終わるよりもだいぶ早くに、すべての作業が終わりました。完璧です。終わる前に私は帰りましたが、みんなはここからチラシとポスターを持って行ったのでしょうね。
 今日は、私の担当のチラシ配りに行ってきました。と言っても、今回私が担当するのは3ヶ所だけ、そのうちの1ヶ所は旭ヶ丘市民センターなので、きのうの帰りに渡してきましたから、あとは「Tズ」と「南中山市民センター」しか残っていません。もう楽勝ですね。南中山に行った時には、近くにあの観音様があったので、最新のそのお姿を撮ってきました。
 確か、このピンクの部分は、いずれお顔の部分と同じ白い色になるということです。このままでもいいような気がしますけどね。ケーブルはたくさん下がっていましたが、作業者の姿は見えませんでした。
 そして、最後に、チケットを置きに県民会館に向かいます。この会場を使う時だけ、私がその仕事の担当になっているんですよね。ただ、コロナ中はここでやってもチケットは置かなかったので、それこそ「4年半ぶり」にその準備をすることになってしまいました。書類の作り方なども、すっかり忘れていましたね。
 ところが、そこに行ってみると、中は真っ暗、表に「本日休館」という立札があるではありませんか。なんか、昔は木曜日が休みだったような気がしたのですが、これは想定外でした。ですから、ここでチケットが入手できるのは、明日以降になります。
Aventure Number : 3788 date : 2023/9/13


今日の禁断 オペラハウス


 月に2回しかないという珍しい休業日に見事当たってしまって無駄足を踏んでしまった私ですが、そのリベンジを果たすべく、次の日のきのう、チケットを置いてもらう手続きをしに、秋の定期演奏会の会場へ向かったのでした。
 なんせ4年のブランクがありますが、チケットを扱う受付は変わっていませんでした。というか、まだしっかりパーティションが設置されていましたね。
 でも、スタッフはおそらく殆どが入れ替わっていたのでしょう、最初に対応してくれた若い女性、というか、ねえちゃんは、こういう仕事自体があまりなじみがないように、私には見えました。まずは、必要な申請書を書くために、その用紙を下さい、と言うと、「前もって、お電話とか頂いてましたでしょうか?」などと聞いてきましたよ。今まで何回も何回もここにきてチケットを置いていただいたのですが、そんな質問をされたのは全く初めてのことでした。しばらく来なかったら、そんな風に制度が変わってしまったのでしょうか。それで、「以前は、そんなことは聞かれませんでしたよ」と言うと、渋々、「申請書をお持ちですか?」などと、聞いてきましたよ。そんなもの、あるわけがないので、ここでもらおうと思っていたのに、なんということでしょう。さらにねえちゃんは、「こんな風に作ってきてください」と、用紙のサンプルを見せてくれましたが、それは私が何回も何回もここでもらって記入していた用紙そのものではありませんか。それと同じものを自分で作って用意して来い、というのですよ。
 ですから、「これを頂くわけにはいかないのですか」と聞いたのですが、それは出来ないのだと。でも、私はそれにもめげず、「現物があるんだったらプリントアウトしてくれませんか」と食い下がると、ちょっとイラついてパソコンに向かっていました。
 その用紙が出来たタイミングで、なぜか今度は「チケット担当者です」という自己紹介ともに、別のおばちゃんが登場です。これまでのやり取りを見て、このねえちゃんには荷が重いのかと思ったのでしょうか。とりあえず、その用紙に記入してください、ということになりました。ですから、私は、「何か、制度が変わったのですか?」と聞いてみたのですが、おばちゃんは「私は2年前からここなので、分かりません」ですって。ということは、さっきのねえちゃんの無駄な自信が伴った態度は、いったいどこから来ているのでしょう。不思議です。
 その用紙には、チケットを販売する日時を指定する欄があります。今までだと、その最初の日は記入したその日にしてました。もう、すぐに売ってもらいたいじゃないですか。ところが、そのおばちゃんは、「いったん審査するので、日にちは確定できません」などと言ってます。またか、と思いましたね。そんなことは今までに言われたことは誓ってありませんでしたよ。いい加減にしてください。そもそも、もう会場は使うことが決まっているのに、何を「審査」するというのでしょう。ですから、「だったら、書かなくてもいいんですね?」と聞くと、「いえ、書いていただかなければ」ですって。なんという空虚なやり取りをやっているのか、と思ってしまいましたよ。結局その日を書きましたが、おばちゃんは「そうですね」と言うだけでした。
 いつもだったら10分ぐらいですべての手続きが終わっていたのに、今回はその倍以上時間がかかってしまいましたよ。いったい、今回対応していた2人は、この仕事に就くにあたってどんな教育を受けていたのでしょうね。まるでシロートでしかない対応には、もう笑うしかありません。
 この施設、この間使った時(その時は、コロナ中だったので、チケットは預けませんでした)にはレコーダーのレベルを勝手に動かされて、録音がダメになってしまいましたし、今回のこのアホな対応ですから、もはや公共施設としての体をなしてはいないのではないでしょうか。まあ、そもそもの親玉が、あんな自信過剰の勘違い野郎なんですから、仕方がないと言えば仕方がないのかも。
 そういえば、新しい劇場の計画は、その後どうなっているのでしょう?
Aventure Number : 3789 date : 2023/9/15


今日の禁断 チョココロネ


 今日までは3連休でしたが、来週の週末はお彼岸ですし、その翌週もニューフィルの指揮者練習ということで、週末の恒例行事のパン屋さん巡りが出来なくなってしまいます。ということで、その間の補充に、と、おととい行ったばかりのブーランジェリー マルシェまで行ってきました。
 その途中の、東勝山の3車線の通りの真ん中の車線を4号線方向に走っていると、左車線で停車していた宮交バスが、いきなり私の車の前に割り込んできましたよ。
 その後部には、こんなラッピングがされているんですから、笑えますね。というか、シュール。
 そんなシュールな演出が幅を利かせているのが、バイロイトです。毎年、BSでそのうちの演目を1つ、全曲放送してくれていますが、どれを見てもあまりにひねり過ぎの演出には、戸惑ってしまいます。というか、なんでこんなバカなことをやってるの、と言いたくなってしまいますね。
 今年は「パルジファル」でした。そんなバイロイトですから、特にキャストについて前もって調べるなんてことは全くやってなかったのですが、前説が始まったら、なんとクンドリー役がエリーナ・ガランチャだというではありませんか。なんでも、これがバイロイト・デビューなのだそうですが、そもそも彼女がワーグナーを歌っているところなど、見たことがありませんよ。あ、もちろん、映像で、ですけどね。このロールだけは、大いに期待できそうです。
 ただ、指揮者がパブロ・エラス・カサドだというので、なんでこんな人が、と思ってしまいましたね。映像では、オーケストラ・ピットの中を最初に映しているのですが、椅子にどっぷりと座って、半そで姿で指揮をする姿からしてなんだかだらしないんですよね。とは言っても、おそらくここのオーケストラだったらどんなダメな指揮者が来ても、それなりの水準できっちりワーグナーの音楽を作り上げることが出来るのでしょう。実際、そのオーケストラの響きは、とても素晴らしいものでした(あと、合唱も)。そして、ちょっと驚いたのですが、この4時間を超える作品を、全然退屈することなく、最後まで楽しむことが出来たのですよ。とにかく音楽がきれいに流れていて、ワーグナー特有のアクの強さはほとんど感じることなく、まるでヒーリング・ミュージックのノリで聴き通せてしまったのですね。なにか、無能な指揮者だからこそ、結果的にこんな自然体の音楽が出来上がってしまったのではないか、という気がしてしまいました。
 ソリストは、やはりガランチャの歌は圧倒的でしたね。確かに、高音などでちょっと苦しいな、というようなところはありましたが、的確な表現力と、そして際立って美しいルックスの前には、そんなものは気にならなくなってしまいます。あとは、言ってみれば脇役ですが、クリングゾール役のジョーダン・シャハナンという人が、とても素晴らしい声でしたね。肝心のパルジファル役のアンドレアス・シャーガーは、ヘルデンには聴こえませんでした。ですから、カーテンコールでは、本来ならこの人が最後に出てくるはずなのに、ガランチャが最後でしたからね。
 そして、キャストの後に出てきた演出家たちに対する盛大なブーイングは、もう「バイロイト名物」として定着した感がありますね。なんでも、今年は「指環」のチケットが余ってしまったのだそうですね。というか、もはやバイロイトは多くのオペラハウスの中の一つ、ぐらいに成り下がってしまっているのでは、という気がします。私も、かつては1度でいいからバイロイトには行きたいな、と思っていましたが、最近のように、こんなお粗末な演出ばかり見せられるのだったら、もはやわざわざ行ってみようという気には全然なりませんけどね。
Aventure Number : 3790 date : 2023/9/18


今日の禁断 アンサンブル


 今日からはお彼岸だということで、きのう愚妻は「さいち」のおはぎを藤崎で見つけて買ってきました。
 こういうのを2パック、全部で4個ですね。ご存知のように、このおはぎの大きさは半端じゃないので、1個食べればもう十分です。ですから、1パックだけ食べて、残りは翌日食べようととっておきました。ただ、冷蔵庫に入れてしまうと固くなるので、そのまま、キッチンに置いておきましたね。
 今日になって、晩ご飯の後にそれを食べようと思って、まずは、パックの隙間についていたあんこをこそげて食べてみました。もう、それだけでも残してしまうのはもったいないですからね。ただ、その時になんか変なにおいがするのを感じました。まあ、台所の残飯のにおいかな、と思って、本体を一口かじったら、なんだか、酸っぱい味がするんですよね。いや、これは腐っている味ですよ。さっきのにおいも、腐敗臭だったのです。あわてて口の中のものを捨てて、うがいをしました。暑いところに1日置いてたので、しっかり腐ってしまっていたのですね。
 今まで、何回もこのおはぎを、同じように常温で置いておいて次の日に食べてたりしていたのですが、別にこんな風に味が変わっていたことはありませんでした。それだけ、今年の暑さが異常だったということなのでしょうか。あるいは、もう買って来たときから、すでに腐りかかっていたとか。思い起こすと、昨日食べた時も、なんかいつもより味が濃いような気がしたような。まあ、「腐る直前がいちばん美味い」なんて言いますけどね。
 まあ、そんな暑さも、何とか峠は越えたようですね。来週の週末の指揮者練習の時には、かなり涼しくなっているのではないでしょうか。
 その日に合わせて、新しい「かいほうげん」を出す予定で、現在進行中です。というか、そういう予定に合わせて、いろんな方に原稿をお願いしてあったものが、ここにきてどっさり届いたものですから、嬉々としてそれらのレイアウトや、画像の作成をやってました。いや、本当に締め切りまでに届くのか、ちょっと不安でしたが、この調子だったら予定には楽々間に合いそうですね。ご協力、ありがとうございました。
 それと、すでにもうみんなに配られている演奏会のチラシなのですが、その中にちょっとした間違いがあったということで、今日になって公式サイトの画像と、そこからリンクしているPDFを新しいものに差し替えてあります。いや、別に曲目などには何の変更もないのですが、プレイガイドに関して、ちょっと不親切なところがあったので直した、というだけなんですけどね。
 ただ、そこまでしても、まだ間違いは残ってしまっていました。それは、私が印刷の直前に見つけて連絡したのですが、それは結局チラシには反映されず、今回の訂正でもスルーされていました。大したことではないのですが、出来れば正確を期してほしかったですね。
 それは、裏面のプロフィールの中にあります。
Aventure Number : 3791 date : 2023/9/20


今日の禁断 セブン


 相変わらず、「かいほうげん」作りの毎日です。最後に残ったのが、この間の指揮者練習の時の写真集です。まあ、これは全てFacebookにアップされていますから、それらの中から選んで載せればすぐに出来上がるはずです。ただ、私としてはそれではあまりに安直すぎて、ちょっと抵抗がありました。
 それで、その写真をつくづく見直してみると、この写真にちょっと問題があることに気づきました。
 いや、もうすでに全世界に向けて公開されている写真なので別にフィルターをかける必要なんかないんですが、一応お約束として。
 これは、1日目の夜に行われた先生を囲んでの懇親会の写真です。で、ここでは10人の顔が写っているんですが、本当はもう一人参加していたんですよ。その人が、早めに帰ってしまったので、全員の集合写真を撮った時には、写っていなかったんですね。でも、その人は、他の部分的に撮った写真には入っていました。ですから、せっかくですので、その人もこの中に取り込むことにしました。それがどんなものになったのかは、土曜日のお楽しみ。
 写真と言えば、最近こんなところの写真を撮りました。
 ここは、その2日前にはこんなお店でした。バス通りと小学校への道の交差点にあるコンビニです。
 それが、一夜にして、看板が取り払われ、お店の中身も無くなってしまったのです。
 それらは、ここからすぐのところ、かつて77銀行だった建物を取り壊した跡地に、新しく作られたお店に移動していました。いや、さすがに看板は新しくしたのでしょうが。
 駐車場が、倍以上の広さになってましたね。確かに、前のお店では、車がいっぱいで停められないことがたびたびありましたから、それは解消されています。ここは、きのうが開店日でした。朝にこの前を通ったら、沢山の風船や生花スタンドが並んでましたね。今日行ってみたら、店内には福袋が山積みになってました。3000円分の商品が2000円で買えるというのですが、要らないものの方が多いので、買う気にはなれませんでした。
 本当は、きのうの生花をもらおうと思っていたのですが、もうすっかりなくなってましたね。
Aventure Number : 3792 date : 2023/9/22


今日の禁断 ケチャ


 なにしろお彼岸なので、土日でも職場に出かけていました。まあ、フルタイムではなく、少し早めに退社はするんですが、きのうは4時過ぎに車に乗ってましたね。そうすると、ラジオは地元の民放FM局にセットされていますから、その時間だと、まあ、この局のキー局から放送されている数あるつまらない番組の中でも最高につまらないリリー・フランキーの番組がかかっていたので、あわててNHK-FMに切り替えました。
 そして、今朝も、そのまま車を発進させると、自動的にNHK-FMの番組が流れていましたね。そうしたら、カーラジオでは絶対に聴こえてこないような音楽が聴こえてきました。さすが、NHKですね。どうやら、それはクラシックのオーケストラ曲のように聴こえますが、普通の「クラシック」ではなく、全く私が聴いたことのない曲でした。おそらく、ジャンル的にはかつては「現代音楽」と言われていたようなところに入るような、「美しくない」音楽でしたね。
 そうなると、それが誰の曲なのか気になります。ただ、スマホで検索すれば、おそらくすぐに分かるのでしょうが、ここは是非自分の力でそれを解明してみよう、という気になりました。おそらく、時間的には職場に着くころにはこの番組が終わって、曲目なども説明されるようなタイミングでしたから、それまでの間に答えを出してみようと思ったのです。
 そこで、しっかりその曲の作られ方を観察してみました。まず、まともな和声などとは無縁の、ハーモニーというよりはクラスターのような響きがメインのように思えました。とは言っても、クセナキスあたりとは全く違います。というか、クセナキスやペンデレツキだったらすぐ分かりますから、作ったのはそういう人ではありません。
 ただ、しばらくすると、そんな音楽の中に、なにかきちんとした秩序があるように思えてきました。よくよく聴いてみると、しっかりとメロディまで現れます。ということは、わりと最近作られたものなのでは、と思いました。
 そこで浮かんだのが、西村朗(あきら)という、最近亡くなったばかりの大御所作曲家の名前です。私は、この方の音楽はほぼ、全く聴いたことはありません。というか、現役の日本の作曲家の作品にはほとんど興味がありませんからね。ただ、少し前の朝日新聞に、さる「音楽評論家」が、ちょっと前に亡くなった坂本龍一とこの人を一緒くたにした追悼文を載せていた中で、「西村はカオスだけど、坂本はクール」と言っていたことで、そんな音楽なのか、と思っていました。それが、今聴こえているものと、確かに合致するのですよね。適度に「カオス」を演出していかにもな前衛感を出す中で、どうしても捨てきれないメローな部分も残す、みたいな、ちょっと姑息な音楽ですね。もしかしたら追悼番組かもしれませんし。
 そして、曲は終わり、MCが入ります。確かに、これは、西村朗の作品でした。ちょっと前にN響(!)のために作られた「華開世界」という曲なのだそうです。だからなんなんだ、というか、今どきご苦労さん、という気がしますけどね。その番組は「現代の音楽」。まだやってたんですね。昔は、こんな時間帯ではなかったのでは。
 ところで、もうすぐ終わる朝ドラは、なかなかおもしろかったですね。史実をかなりねじ曲げてはいましたが、そのメッセージ自体はしっかり伝わってきました。ですが、こちらの音楽は、あまりにもひどかったですね。それだけは、我慢が出来ませんでしたよ。要は、音楽が出しゃばりすぎているのですよ。作品としては、バッハからドビュッシーまで、幅広い音楽を「参考にして」いて、それ自体はなかなかの手際の良さなのですが、それだけに、つい音楽に耳が行ってしまって、それがそのシーンとは全く異なる世界を表現していることに気づかされてしまうのですね。私としては、ドラマや映画の音楽は、なにか聴こえるな、という気はするけれど、音楽自体は聴こえてこなくて、でも、そのシーンがなにか立体的になったな、と感じられるものが好きですね。というか、そういうものを目指してほしいと思っています。そういう意味で、この作曲家(もしかしたら選曲スタッフ)は大いなる勘違いをしています。
Aventure Number : 3793 date : 2023/9/24


今日の禁断 シナジー


 もう、東京になんか何年行ってないでしょうね。コロナ以前は、コンサートなどを聴きに結構日帰りで行ってたものですが、もちろんコロナ中はそんなことは出来ませんでした。結局、それ以来、規制が緩和されても、もう行く気にはならなくなっていましたね。
 ただ、4月にあったこのコンサートは、行ってみたいな、と思っていました。
 もうこの頃は、まさに「規制解除前夜」でしたから、気持ち的には行けたのですが、あいにく、ニューフィルの本番の日と重なっていたので、物理的にダメでしたね。でも、その時に、NHKが録画していたようだ、というような情報があったので、それは期待していました。
 そして、この前の日曜日に、BSでそれが放送されていました。しかも、このコンサートをフルサイズで放送してくれたのですよ。なんと贅沢な。
 そこでは、まずライヒ本人が出てきました。もちろん、日本には来ていなかったので、NYあたりで撮られた映像です。もう80歳を過ぎて、いかにも好々爺という感じで、昔の写真で見られるようなストイックな感じは全くありませんでしたね。
 そのライブで演奏されたのはまずは、21世紀になってから作られた「ダブル・セクステット」と、これが日本初演となった「トラベラーズ・プレーヤー」です。ライヒという人は、一応「ミニマルの始祖」のような位置づけをされていますが、彼の作風はそんな「ミニマル」だったものから、どんどん遠ざかってきたように思っていました。正直、初期の「ミニマル」ほどの魅力が感じられないんですよね。この2曲もそんな感じ、特に「トラベラーズ」では、普通の「コーラス」が入っていたりしますから、もうこんなのはライヒじゃない、と思ってしまいますね。
 ですから、お目当ては1970年代の「Music for 18 Musicians」でした。これは、数々の音源で聴いていましたが、まだ映像では見たことがありません、しかも、それがライブなのですから、とても興味がありました。当日は、ものすごいカメラアングルを使って、期待以上のものを見ることが出来ました。こんな、ステージの真上からのカメラなんてのもありましたしね。
 これは、おそらく楽譜にこの楽器の配置が指定されているのでしょう。上にあるチラシとほぼ同じ並び方になっていますね。ただ、こちらの方が、ピアノだけを固めてありますね。奥行きのあるオペラシティのステージを、フルに使ったのでしょうか。それにしても、このマリンバのでかいこと。
 これは、もう一瞬も目が離せない映像でした。そして、しばらくすると、言いようのない陶酔感のようなものに誘われる瞬間がありました。これは、まさにそのような音楽だったのですね。まさにライヒの真髄を感じられるものです。というか、おそらく当時の「カルチャー」にはとてもマッチしていたはずで、それが今でも通用していた、ということなのでしょう。これは、間違いなく「名曲」です。
 ところが、そんな音楽を奏でている人々が、おそらくとても神経を集中させなければできないようなことを、いともリラックスしながら演奏しているんですね。これには、ちょっと驚きました。ピアニストは、周りを見回しながら弾いていますし、ヴォーカルも、となりの人と笑いながら歌っていたりしています(それにしても、彼女たちも年を取りましたね)。これは、半世紀近く前に作られた音楽に、かなり余裕をもって接している振る舞いなのでしょう。
 セクションごとに楽器を持ち替えるのも、思っていた以上に大規模に行われていたのですね。それだけでも、一つのパフォーマンスになってました。それも、長い歴史の中で育まれていていたものなのでしょう。
 何より驚いたのは、演奏が終わった時に、客席の人が殆ど立ち上がって拍手を送っていたことです。「スタンディング・オベーション」ですよね。最近は、日本のコンサートでも、クラシックでこれをやるようになったのでしょうか。あるいは、ライヒの場合は、ちょっと客層が違っていたからなのでしょうか。
Aventure Number : 3794 date : 2023/9/27


今日の禁断 マルホン


 今週は、職場でなにかとイレギュラーなことがあって、時間が経つのは早かったような気がします。まずは、水曜日には、前日もらってきたニューフィルのチラシとポスターの発送作業です。最近出来た施設が2ヶ所ばかりあったことを思い出して、そこにも送ることにしてあったんですね。
 そして、そのハイライトが、木曜日にあったケーブルテレビの業者との打ち合わせでした。その会社がこれまでの同軸ケーブルから光ケーブルに取り換えるという工事を行っていて、職場のエリアでも実際にその工事のスケジュールが決まり、各戸にスタッフが訪問して、説明を行う、というアポイントが先週あったのですね。その時には1時間ぐらいで済むようなことを言っていたそうです。私は、別にテレビは使っていないので関係はないのですが、その工事によってWIFIの設置もできるようになる、というので、私にも立ち会ってほしいと言われてました。つまり、社長はPCとかインターネットに関しては全く関心がないものですから、職場でWIFIが使えるようになるなんて全く想定していなかったので、私が使うPCではモバイルルーターでネットにつないでいたのですね。そこに、この話ですから、乗らないわけにはいきません。若い副社長はもちろん、そういうものも駆使していますから、2人してこのWIFI化に乗り気になっていました。社長は、「全然わからないから、任せるから」と言ってましたしね。
 当日は、10時半にやってくる予定でした。そうしたら、10時過ぎに愚妻から、お迎え要請の電話がありました。予定にはなかったのでちょっと焦りましたが、まあ、11時前には帰ってこれるだろうから、ギリギリ最後の方には間に合うだろうと、そちらをまず片づけます。そして、あわてて職場に戻ると、なんか、テレビのある部屋で、その会社の人と、今回の工事にあたっての変更事項の説明が実地に行われている最中でした。まずはテレビの話だったので、間に合いましたね。どうやら、光に替えると、それまでは必要だった専用チューナーが要らなくなって、直接テレビのアンテナ端子につなぐだけでOKになるようですね。そのあたりのことを細かく説明しているのですが、社長にはいまいち理解できないようでした。まあ、そこは私がフォローです。
 そして、WIFIの話になりました。「1Gと10Gのどちらにしますか?」なんて聞いてきましたが、もちろん答えるのは私です。そして、ルーターなどの話になった時に、その人は「メッシュWIFI」という言葉を使ってきました。これには、私もちょっと理解が出来ませんでした。名前だけは何となく聞いたことがあるような気はするのですが、それがどんなものなのか、という知識は私にはありませんでした。
 説明を聞けば、それが、新しいWIFIの方式であることが分かりました。職場のように広いエリアをカバーするためには、以前は中継機を入れてたりしていたのですが、それをもっと高性能にして、カバーできるエリアを広げるというものなのだそうです。最終的に、その親機と子機を用意してもらうことになりました。
 そんなことが終わると、あとは書類作りです。お店だとすべてPCで出来てしまうものが、いちいちカーボン紙への手書きですから、大変ですね。途中で、その記入したものを写真にとって、会社の人と確認、などというアナログなこともやってましたね。そこでかなりの時間を使ったので、結局全部終わるまでに3時間もかかってしまいましたよ。
 工事の細かい日程も決まりました。1日で終わるのだそうです。そうなると、私のネット環境も大幅に快適になるんでしょうね。楽しみです。というか、個人で契約しているモバイルルーターを解約できますから、そのメリットは大きいですね。メッシュWIFIの構築がうまくいきますように。
 そして昨日が、7回目のコロナワクチンの接種です。いつもの病院ですが、待っている間に予約を入れるために来た時が、「10月31日にならないと空きがありません」と言われてましたね。
 そんなことに時間をとられても、「かいほうげん」作りは粛々とやってました。もう昨日には完パケは出来てはいたのですが、それを家に持ち帰って見直してみると、まだどんどん直したいところが出てきて、新しい写真を追加してたりしてました。それでも、今日の午前中には、印刷も製本も完成しましたよ。
Aventure Number : 3795 date : 2023/9/29


今日の禁断 チキテキ


 きのうと今日は、今度の定期演奏会のための2回目の指揮者練習でした。今回は1日目と2日目が別の会場という、イレギュラーなことになっています。最近は、市内のホールなどは使う団体が多くなってなかなか借りることができません。ですから、今回のように大河原町と、仙台市の広瀬地区という、遠く離れたところでの2日間となったのでした。
 きのうは、その大河原のえずこホールです。一時は、ニューフィルが年末の「角田第九」のために毎年お邪魔していたホールですね。とは言っても、その時はコンサートと前日のリハーサルの時だけだったので、今回のような練習のために使うのは初めてのことでした。
 なんせ久しぶりなので、行くときに近道の農道を通ったら、曲がるところを間違えて、何回かUターンしてしまいました。道は全然変わってなかったのですけどね。1時前には着きたいと思っていたのですが少し遅くなってしまいました。
 「第九」の時は、そのままでは合唱団とオーケストラがステージには乗らないので、確か客席の前の部分をつぶして舞台を作っていたはずですが、今回は反響版を使っていなかったので、かなりステージを広く使えていました。でも、そうなると音響的に問題が出てきたようで、新田さんは、リハーサルが始まるや否や、「後ろのパートの音が全く聴こえてこない!」とおっしゃっていましたね。
 それでも、しばらくするとそんな中でもしっかりオケの中から問題のある所を拾い出して、細かいところまで指示を出されていましたね。前回に言われたこともありますし、さらに突っ込んで今回初めて言われたこともありました。とにかく、とても限られた時間だけでは、伝えきれないほどの指示があったことでしょう。それらは翌日に持ち越し、ということで、私が乗っていたカリンニコフは終わりました。
 この日の新田さんです。
 5時ごろには私の出番は終わったので、帰り道にどこかでご飯を食べていく予定でしたが、外に出てみるとホールの向かい側に「フォルテ」という商業施設がありました。確か、シネコンも入っていたはずなので、ここでご飯を食べるのもいいかも、と思って歩いて行ってみました。ところが、一応中の照明は点いているのですが、人の流れというのが全くありません。見ると、センターにあるエスカレーターも止まったままです。その周りには、買い物客らしき人は全くいませんでした。なんか、ほぼ「廃墟」と化しているような感じです。以前はもっと活気があったような気がしたのですけどね。一応、壁にフロアマップがあったので見てみると、確かに飲食店はあるようですが、それがラーメン店みたいなものしかないようでした。とても満足に食事ができるような施設ではなくなっていたのですね。結局、当初の予定通り、通り道のガスト名取田高店で食べてきました。土曜日なのにガラガラでしたね。
 そして、今日は広瀬文化センター、私の出番は午後からでした。こちらは、確か新田さんも以前来られたことがあったはず、愛子駅で写真を撮られたりしてましたね。カリンニコフの練習は4楽章がメイン。かなり突っ込んだところまで、絞られました。
 私と言えば、毎回仕上がるまでには時間がかかるという厄介なプレーヤーですが、1回目の指揮練の時よりは、確実に自信をもって吹ける部分が多くなっているような気がします。本来なら、もっと早い段階で出来ていなければいけないはずのものなのでしょうが、これがアマチュアの性だと開き直って、本番までに(私にとっての)満足のいく演奏ができるように励みたいと思っています。
 今回、新田さんの承認のもと、ちょっとハードルを上げてしまった所がありますから、それもぜひマスターしたいですね。この日のTシャツは、以前も見せていただいたTレックスでした。
 お顔が隠れてしまって、ごめんなさい。
Aventure Number : 3796 date : 2023/10/1


今日の禁断 ビューマスター


 朝ドラは新しいのが始まりましたね。前作が良かったので、これを見てがっかりするのは嫌なので、今回は絶対に見るものか、と決めてかかっています。というか、どこをとっても面白そうなところがありませんからね。
 ただ、リビングではこの時間は自動的にNHKがかかっているので、その時間にそこにいれば、いやでも目に入ってしまいます。その前に、まず聴こえてきた新しいテーマ曲に、かなりの違和感がありました。それこそ「ブギウギ」風のアレンジでノリの良いビッグバンドをバックに出演者たちが歌っているのですが、それがコーラスになった時に、なんかとてつもなくダサいんですよね。このバックに合わせるコーラスだったら、それこそ「フォー・フレッシュメン」や「マンハッタン・トランスファー」のような粋なテンション・コードのハーモニーがぜひ聴こえてほしいのに、ここで歌われていたのは、ほとんどユニゾンか、たまにハモってもただの「三和音」でしかないんですからね。これを聴いただけで、このドラマのスタッフがいかにいい加減な仕事をしてるかが分かってしまいいますよ。たとえば「サーカス」あたりに歌わせるとか、もっとましなやり方があったはずなのに。
 ということで、やはり前作の素晴らしさが図らずもクローズアップされたところで、最後に出てきた「博士号」について、ちょっと語らせてください。
 たとえば「お茶の水博士」とか、とても物知りで立派な人のことを「博士」と言っている、という世界はひとまず置いておいて、普通「博士」になるためには、大学の「博士課程」を修了しなければいけません。そこに行く前に、まず普通の4年間でなれる「学士」の次の段階の「修士」になる必要がありますね。逆に、それだけの過程を踏めば、それなりの能力のある人であれば、だれでも「博士」にはなれます。ただ、なったかと言って、直ちに大学教授になれるなどという甘いものではありません。つまり、「博士(ドクター)」になってもなんのポストも得られない「オーバードクター」あるいは「ポストドクター」が、今の世の中にはたくさんいるのですよ。
 ですから、朝ドラの主人公のように、たとえ大学を出ていなくても、立派な経歴を持っている人がその仕事を認められて「博士」と呼ばれるようになることの方が、なんだか「博士」という言葉に適しているように思います。
 実は、私の父親は、理学部の学生で、そのまま大学に残ってやがては「博士」になることを目指していました。ただ、企業からの誘いがあって、その道はあきらめ、いちサラリーマンとなったのです。ただ、研究者としての夢を捨てることはなく、私が子供の頃は、毎日書斎(といっても、ただの4畳半)にこもって、勉強していましたね。部屋には学会誌がびっしり並んでいて、そこらへんに鉱石のサンプルが置いてありました。机の上には、なにやらカラフルに彩色された地図のようなものもありましたね。
 そんな父が40歳になろうという頃に、さる商社のプロジェクトで今のマレーシア、当時はマラヤ連邦に地質調査のために単身赴任になりました。メインは山奥の地質調査でしたが、クアラルンプールのような都会で買ったものを、良く送ってくれていましたね。まだ日本にはなかった「レゴ」なども手にすることが出来ました。こんな立体メガネも、まだなかったはずです。
 ただ、帰国した時には、肝臓の病気がかなり悪化していて即入院となりました。都内の病院に入院したのですが、治療は長引くということで、静岡県にいた家族全員が、東京の会社の寮で暮らすことになりました。母親はほぼ病院で付き添っていたので、兄弟3人だけの暮らし、もちろん、学校も転校してました。
 そんな時に、父の大学時代の同級生で、その頃は大学でかなりのポストになっていた人を中心にして、父を「博士」にしようというプロジェクトが始まったのです。父が手掛けて未完成だった論文を、みんなが手分けして完成させ、それを提出して、めでたく「博士号」を授与されることになったのですね。
 そのころは、自らの死期を感じ始めていた父ですが、冗談半分に「俺が死ぬから、こんなのがもらえたんだろう」などと言ってましたね。ほどなくして、父は他界しました。それは、私が中野区立第十一中学校に入学して2ヶ月後のことでした。
 と、「博士」にまつわる思い出でした。
Aventure Number : 3797 date : 2023/10/4


今日の禁断 アーカイヴ


 きのう、Facebookを見ていたら、NHK交響楽団からの書き込みで、「下野竜也氏、NHK交響楽団の正指揮者に」という記事が目につきました。それは、N響の公式サイトへのリンクでした。その現物はこちらです。それを見た時には、一瞬、「下野さんも、ついにN響の首席指揮者か!」と思ってしまいましたね。ついに、そこまでなってしまったのだな、という感慨ですが、よく考えてみたら、首席指揮者にはもう別の人がなっていましたね。正直、その方は私にとってはほとんどなんの魅力も感じられない指揮者なので、その存在感自体が希薄だったために、なおさらそんな勘違いをしてしまったのでしょう。でも「正指揮者」と言ったら、岩城宏之とか外山雄三といった、まさに日本の指揮界の超大物が就任していたポストですから、やはりすごいこと、国内で活躍しているこの世代の指揮者としては、間違いなくトップに躍り出た、と言えるのではないでしょうか。
 そんなすごい方に、かつてニューフィルは指揮をしていただいたことがありました。確か、末廣さんに「誰か良い指揮者はいないでしょうか?」と聞いた時に、同郷の大学の後輩として紹介していただいたのが、きっかけでした。そして、1997年の春の演奏会で指揮をしていただくことに決まりました。その時のプログラムが、「田園」、「どろぼうかささぎ」、「火の鳥」という「鳥シリーズ」、この順序で演奏するという、ちょっと変わったスタイルでした。
 その時に、下野さんが「田園」のスコアとして持ってこられたのが、その頃出版されたばかりのペーター・ハウシルトが校訂を行ったペータース版でした。ちょうど同じころ、私もこの楽譜についても調べていたので、色々お話をしてましたね。「2楽章で、ヴィオラとクラリネットが半音高いところがありますね?」と聞いたら、即座に「ホルンもそうですね」と言われてしまいました。移調楽器だったので、気が付かなかったんですよ。
 下野さんとの練習は本当に楽しくて、もうノリノリで本番を迎えられました。その後の打ち上げでも、下野さんのテンションはすごかったですね。先輩の末廣さんの物まねまで登場して。その時に、「たった今、大阪フィルの指揮研究員になることが決まりました」という報告もされましたね。それに続いて「朝比奈さんはあまり好きじゃないんですけど」なんて言ってましたけど。
 それからの下野さんの躍進ぶりは目覚ましいものがあって、ついにブザンソンでの優勝まで勝ち取ってしまいましたね。もう、ニューフィルなんかは手が届かないようなところまで行ってしまったな、と思っていた矢先、2003年に岩沼で仙台フィルとのコンサートがあったので聴きに行って、その時に楽屋で写真を撮らせていただきました。
 ついでに、「もう、ニューフィルなんかは振ってもらえないでしょうね?」と聞いてみたら、意外にも「スケジュールが開けば、大丈夫ですよ」なんておっしゃっていたので、話は進み、2004年の演奏会でも指揮をしてもらえることになりました。
 ただ、やはり、スケジュール的にはかなりハードだったようで、なかなか思い通りの練習が出来なかったようだったのは、ちょっと残念でした。でも、こんな大指揮者と2回もご一緒出来たのですから、それはもう今となってはかけがえのない財産です。下野さんの今後の一層のご活躍を期待しています。
 さっきのN響のリンクを、ニューフィルのFacebookからもリンクしたので、それを見たかつての団員で、今は関西在住のオーボエのKさんから、「下野さんとの演奏を聴いてみたいので、音源のパスワードを教えてください」という連絡がありました。そう、ニューフィルの公式サイトでは、創設時からの全ての演奏会の音源を聴くことができるんですよ。
Aventure Number : 3798 date : 2023/10/9


今日の禁断 バックパック


 私が住んでいるマンションで大規模修繕が行われたのは、去年のちょうど今頃でした。その時に、2台あったエレベーターもすべて新しいものに入れ替えました。ですから、その性能も格段にアップしていましたね。ボタンを押し間違えても、ダブルクリックをすれば解除できる、などという「最新機能」もしっかり装備されていましたからね。そして、何よりも「新しい」と思ったのが、回数表示などを行うディスプレイが、全面モニターになっていたことでした。そこでは、エレベーターの中の映像がリアルタイムに表示されたりしますけど、それが気象情報とか、その日のニュースなどが表示されることもあるので、しっかり外部とアクセスしていることが分かります。
 そして、Facebookにはすでにアップしてありますが、こんな表示も出たりします。
 まあ、扉が閉まりかけている時に乗ろうとしても、扉に触るとまた開くのだから安心してくださいね、ということを伝えようとしているのですが、そこでそれを「反転」という言葉で表現しているところに、すごい違和感がありませんか? ふつう、「反転」というと、なにかをひっくり返すとか裏返すとか意味になるはずですからね。ですから、このエレベーターでは、閉まりそうになるところに人が来るとその扉が「ひっくり返る」ことになりませんか? なんか、とてもダイナミックなエレベーターですね。
 と、普通の人は感じるのではないでしょうか。ところが、たとえば国土交通省のサイトに行ってみると、エレベーターの仕組みとして、こんな図が見つかります。
 つまり、国が使う用語として、閉まろうとしている戸が開くことを「反転する」と言っているのですよ。お上がこんな言い方をしていれば、それを作っているメーカーはそれに従わざるを得ませんから、ネットで調べると、エレベーターに関してはみんなが堂々と「反転する」と言っているのですよね。まあ、言ってみれば「専門用語」ということになるのでしょうが、「反転」という言葉自体は既に別の意味でしっかり存在しているのですから、こんな風に使われてしまえば、笑われてしまうのは当たり前ですね。
 そんな風に、「偉い人から言われたことに従う」という姿勢は、日本人にとってはごく自然なことなのかもしれませんね。たとえば、バスや地下鉄に乗るときに、リュックサックを背負っている人は、それを前に持ってくることによって、他人に迷惑をかけないようにせよ、という「お達し」がどこからか出てきたと見えて、もうほとんどに人がリュックサックという、「背中に背負うバッグ」という意味の物体を「前に」「背負っている」という、矛盾したことを、嬉々として受け入れているのですね。
 それは、確かにとても親切な行為です。他人に対する思いやりが感じられますね。でも、最近、普通に道路を歩いている人でも、前にリュックを「背負って」いる人を頻繁に見かけるのですよ。私には、そういう人たちは、ただ単に言われたことにしたがっているだけの愚かな人間にしか見えません。これと同じことを、日立ビルシステムさんはおこなっているのですよ。
Aventure Number : 3799 date : 2023/10/8


今日の禁断 エレイソン


 今日は、職場のあたりでは紙類収集の日だったので、納戸にしまってあった雑誌を処分してみました。それは、私が昔から定期購読していた音楽雑誌、例の「レコード芸術」とか、「音楽の友」、そして、「音楽現代」などのバックナンバーです。もちろん、その3誌を全部買っていたのではなく、時代によって買っていた雑誌が違っていた、ということなんですけどね。何しろ、物を捨てられない性分でしたので、こんなものまでを後生大事に取ってありました。もうこのぐらいになると「資料」としての価値も出てきて、実際に、当時の音楽事情を知るために何度かひっくり返してそんな記事を読んでいたこともありますが、最近ではそういうケースがほとんどなくなりました。みんなネットで知ることができますからね。
 それよりも切実なのは、かなり広い納戸でも、そんなものを貯めこんでいると、確実に収納スペースが少なくなってしまいます。そういう状態が目に見えて広がっていたので、もう潮時だと思って、出してみました。
 意外と重たくて、量も思ったより多かったので、半分ぐらい出したところで一旦仕事を中断、残りは次の収集日に出すことにしましたよ。昔の「レコ芸」などは、今の、いや、この間までの2倍ぐらいの厚さがありましたから、重たかったですね。
 でも、後悔のような気持ちは全く起きませんでした。というか、雑誌はやはり雑誌でしかないので、最初から取っておく必要なんかなかったな、という気持ちですね。ですから、どうせそうなってしまうので、今では定期的に買っている雑誌はテレビの番組案内だけです。それだって、使い終われば即捨ててますからね。
 雑誌に限らず、単行本は文庫になったものはかなり処分してました。ただ、何人かの作家のものだけは、一応全アイテム揃えるようにしています。かつては井上ひさしと清水義範(この人はジュヴナイルまで)を全巻集めましたが、もはや取っていおいても仕方がないと分かって、処分しました。今は、東野圭吾は全巻集め終わりましたし、近藤史恵もほぼ集めました。そして、最近集め始めたのが、原田マハです。
 この人は、なんたって美術に関してはプロですから、その系列のものは本当に深いところで信じられるものがありますね。あるいは、それを武器にしてとんでもないフィクションを作ったりもしてますから、楽しめます。
 きのう読み終えたのが、「まぐだら屋のマリア」です。
 こんなタイトルですから、てっきり宗教的な題材が扱われているのかと思ったら、全然そうではありませんでした。そんな風に見事に期待を裏切るのが、たまりません。そもそも、この文庫版の表紙に使われているのは、ロセッティが1850年に描いた「受胎告知」なんですからね。こちらは「聖母マリア」ですが、「マグダラのマリア」は同じ「マリア」でも別人ですよね。母と愛人?
 本の中では「まぐだら」というのは「まぐろ」と「たら」が合体した魚なんだそうです。そんな名前の定食屋の主人が「マリア」なんですよ。
 ただ、他のキャストは、「紫紋(シモン)」、「悠太(ユダ)」、「丸弧(マルコ)」、「与羽(ヨハネ)」と、聖書に登場する人物になってますね。もちろん、原文には漢字の名前と平仮名のルビしか書かれていませんから、たとえば「ユダ」などは、かなり読み進んでから気が付きました。ルビは「ゆうた」でしたからね。
 もう一人、苗字だけわかる人がいて、「桐江(キリエ)」なんですって。これはちょっとカテゴリーが違っていて、人名ではなく、ミサの最初の言葉ですね。
 そんなキャラクターの名前には、ですから、なんの意味もありません。ただ、そのような宗教的な「仕掛け」によって、作品自体が何かとても崇高なもののようになっているような気にはさせられますね。ですから、現実のかなり凄惨なストーリーが、最後には見事に昇華していることを感じられるのでしょう。
Aventure Number : 3800 date : 2023/10/11

23/10/13-23/11/24