3501(21/11/17)-3520(21/12/31)

今日の禁断 ヤマハ


 きのうは、ニューフィルの、演奏会の後の最初の練習でした。これまで半年練習してきた曲をお客さんに聴いていただいて、ひとまずリセットして次の演奏会へ向けての練習を開始する、というスタート地点です。とは言っても、その演奏会の曲目を全部練習するのではなく、後半には「懇談会」がありますから、まずはメインのブラームスだけを全曲やってみようということになっていました。でも、私の今回のシーティングでは、そのブラームスは降り番になっていたので、練習での出番はありませんから、懇談会に間に合う時間に行けば良いのでしたが、何かと雑用があったので、いつも通りに旭ヶ丘に行ってました。
 その雑用の一つは日程表の発行。これは公式サイトで細かく更新しているのでなくても良いようなものなのですが、やはり「紙」で手にする方が便利だというファンがいますから、毎月20枚ほど印刷しています。もちろん、中にはネットにアクセスできないという方もいますから、その人たちには必須ですからね。そのような、痒い所に手が届くようなサービスが、ニューフィルの広報係のやり方です。
 もう一つの雑用は、アクリルのシールド板の設置です。これは、コロナ対策として、去年の7月から、フルートのようにもろに飛沫が飛び散るとされている楽器から、その前に座る弦楽器の人たちを守るためのものです。本来は「アコースティック・シールド」という、打楽器など大きな音のする楽器の前に座る人の耳を守るためのもので、そのために購入していたのですが、実際に使ったことは一度しかありませんでした。それが、コロナになってからは別の用途で大活躍です。
 これが、いつもは楽器倉庫の棚の一番上に置いてありました。
 一応段ボールの箱に入っているので、それを持ち上げてそこに置くのですが、私ぐらいの身長がないと、この棚には届かないのですよ。フルートの他のメンバーは、みんな私より小さいので、必然的に、ここからシールドを降ろし、最後にここに持ち上げる、というのは私の仕事になってきます。
 ですから、きのうも、まずこれを出すために練習が始まる前にここにやってきた、ということですね。でも、これまでは常に私が演奏する曲が毎回あったのですが、今回はメインが降り番になったので、私がいないときでもこれを出せるようにしておかなければいけません。それで、空いていた台車にこのシールド4箱をまとめて、いつも下に置いておけないものか、と、楽器庫を管理している打楽器の人に相談してみました。そうしたら、空になっていたコントラバスのホルダーを棚の上に上げ、その隙間に、台車を入れてくれましたよ。
 本当に、あつらえたようにぴったりと、隙間に入りました。ですから、これからは、これをそのまま運んで誰でも設置することが出来るようになりました。実はこの台車、大昔に私の職場が寄付してくれたものなんですよ。このところ日本ではコロナは収まっているように見えますが、まだまだ用心は必要ですから、役立ててください。
 これをセットしてしまえばあとはヒマですので、懇談会に備えてパノラマ写真のテストをしてみました。
 「12」にしてから初めてパノラマ写真を撮ってみましたが、より使いやすくなっていましたね。一人だけ動いていたので、見事に歪んでますね。懇談会の時は、指揮者の場所から撮ってみました。これは、もちろん「かいほうげん」に使います。
Aventure Number : 3501 date : 2021/11/17


今日の禁断 チャイコフスキー


 この間の「懇談会」の時に録音しておいたデータをもとに、文字起こしをやっていました。録音に使うのは普通のICレコーダーではなく、音楽用のPCMレコーダー、それをヘッドフォンで聴いていますから、実際にその場で聴くのより明瞭に言葉が聴こえてくるはずなのですが、ちょっと遠くにいた人が、小さな声でしゃべったりしていたのは、それを何回繰り返しても結局分からなかった、なんてことが結構ありました。ですから、もしかしたら、ご自分がしゃべったことが間違って文字になっているかもしれません。もちろん、その責任はすべて私にあります。広い心でお許しください。
 録音をしながら薄々感じてはいたのですが、今回は文字数が多くなるなあ、というその予感は当たってしまいました。その結果、せいぜい2ページぐらいで収まるだろうと思っていたのに、まるまる3ページ分の原稿が出来てしまいましたよ。今回は、その他に末廣さんから届いたメッセージがちょうど1ページ分ありますから、全部で4ページ、そうなると、毎号のお決まりの記事を含めると、もうそれだけで今度の号は一杯になってしまいます。まあ、皆さんがたくさん話してくれたおかげで、ちょっと手間はかかりましたが、貴重なコンテンツが出来てしまいました。
 もちろん、ただ文章だけだったら面白くないので、その時に撮ったパノラマ写真もレイアウトされています。ですから、スペシャル・コンテンツの末廣さんの原稿にも、なにかいいものがないか、捜してみました。
 ところが、これまでに撮った写真をチェックしてみても、指揮をしている姿はいくらでもあるのですが、普通に前を向いているものはほとんどありませんでした。さらに、リハーサルの時にはマスクをしていましたから、できればマスクをしなかった本番のものがあればな、と思っても、客席から撮った後姿のものしかないんですよね。
 ただ、その中に、演奏が始まる前と、終わってからの2回だけ、カメラの方に向いて写っているものがありました。最後なんかは花束を持っていますから、おあつらえ向きなのですが、あいにくこれはちょっとピントがぼけているんですよね。しかも、オーケストラ全体がフレームに入ってますから、末廣さんをアップにすると、かなりぼやけたものにしかなりません。その写真は、前にここに載せましたよね。
 ですから、使えそうなのは、演奏が始まる前のこれ1枚しかありませんでした。
 しかし、これにも問題がありました。この赤枠の中を使おうとすると、後ろにいるセカンドの人の顔ももろに入ってしまうんですよね。いや、とても美しい方なので、決して邪魔にはならないのですが、出来れば末廣さんだけの写真が欲しいものですから。だったら、それを消してしまったらいいじゃないかと、この方を消してみました。
 これで、末廣さんの顔しか入っていない写真が出来上がりました。見事に、末廣さんと、セカンドの2列目にいた人の間にいた方がいなくなってますね。不思議でしょ?
 種明かしです。これは、ファーストの2プルトの人を切り抜いて、末廣さんの後ろにいた女性の上に貼り付けたのですよ。もちろん、その際には、末廣さんに重なっている部分を切り取らなければいけませんけどね。
Aventure Number : 3502 date : 2021/11/19


今日の禁断 リンナイ


 我が家の台所のレンジフードは、こういうタイプです。
 実は、これは1回買い替えているいるんですね。前のがだいぶくたびれてきたので、マンションの管理組合で斡旋してくれた業者から買ったのですが、私が適当に選んでしまったら、あとで愚妻にこっぴどく叱られてしまいました。こういうのではなく、最近のフラットな形のが欲しかった、というのですね。そんなこと、一言も言ってなかったのに。
 それも、いつも間にか10年も使い続けていました。中を見ると「お買い換え期限は10年です」と書いてあって、確かに最近は吸い込み方が弱くなっているような気がするので、この際だから、再度新しいものに変えようと思いました。
 そこで、どこから買うか、ということをまず検討しました。これを付けた時の業者は、もうあてにならないので最初から却下、この間浴室のリフォームをお願いした業者は、その時の担当者がもういなくなっているので、それも却下です。それで、一から調べてみると、Yデンキあたりがリフォームには定評がありそうだったので、そこに行ってみることにしました。先週の日曜日に行ってみると、確かに、そこには、ちゃんとしたリフォームコーナーがあって、独自のカタログなんかも作っていました。レンジフードに関しては4社の製品が載ってましたね。これなら、色々相談できそうだと思って話を聞いてみると、なんだか、最近はメーカーの納期がとても遅くなっている、というのですね。どのメーカーでも、最低で2ヶ月はかかる、というのですよ。
 確かに、最近のニュースでは、「半導体不足」のために、さまざまなジャンルで製品を作ることが出来なくなっている、ということを伝えていますが、こんな家電にもしっかりその影響が及んでいたのですね。レンジフードごときにも、しっかり半導体が使われるようになってるんですね。でも、それは新製品の場合ですから、在庫が残っている分には関係ないのでしょうが、担当者に聞いても、「どこのメーカーも、入ってきません」の一点張りなんですよね。
 ちょっとここはがっかりだったので、プランB、以前ストーブを買ったことがあったIスーパーに行ってみました。そこにもやはりリフォームコーナーがあって、メーカーは2社しかありませんが、さっきのYデンキのカタログに載っていたのとおなじものが、キャンペーンの対象商品になってました。写真を見る限り全く同じものに違いないのですが、値段も2万円以上安くなっています。
 この写真なのですが、調べてみると、今のカタログには同じものはありませんでした。どうやら、型落ち品のようですね。それでも全然かまいませんし、逆に型落ちだったら在庫があるはずなので、すぐに入手できるでしょうから、こちらの方が有利です。早速、これを買うことにしました。
 その翌日には、取り付け業者が下見にきてくれて、細かい見積もりを作り、その2日後には、もう来週には工事ができるという連絡が来ましたよ。やはり在庫があったんですね。迅速な対応ですんなり事が運んで、ホッとしています。
 ですから、さっきのYデンキの対応は、なんとも理解できません。全く同じものですから、メーカーに問い合わせれば在庫があることはすぐにわかるはずなのに、そんな簡単なこともやってくれなかったですし、そもそも価格設定が高すぎます。ここはテレビで大々的にCMもやってますが、実態はこんな殿様商売、担当の人も、いかにも他の部署から配属されたような、やる気のない感じでしたし。
Aventure Number : 3503 date : 2021/11/21


今日の禁断 グリーン


 「かいほうげん」の制作作業は、順調に進んでいます。つまり、もう、必要な原稿は全て手元に届いているからです。あとは、余裕をもってそれらを編集すれば、完成するはずです。
 というところで、もう一つ、いつもの原稿がまだできていないことに気づきました。それは、「私とニューフィル」という連載コラムです。あらかじめ質問を用意しておいて、それに答えていただくという形で、メンバーの素顔を引き出すという企画になっています。これは、最初に書いた人が次の人を指名するという「いいとも」スタイルで順に書いてもらうというやり方をとってます(もしかして、「いいとも」が分からない人もいる?)。それで、前回の人が、こともあろうに私を指名してくれたのですよね。まあ、いつかはそうなるだろうとは思っていましたが。
 ですから、この原稿は、いくら待っても届くことはなく、私が書かなければいつまで経っても今回の「かいほうげん」は出来上がらない、ということになりますね。
 実は、この企画は、これが「第3シーズン」になっています。つまり、いつかはほぼ全員に順番が回ってくるので、その時はタイトルだけを変えて、ほんの少し設問も違えて、一度リセットしたところで再開させています。私は、その「第1シーズン」で書いていましたが、「第2シーズン」では幸い回ってこなかったので、今度も大丈夫だろうと思っていたんですけどね。
 その1回目の時には、私は思いっきりふざけた回答をしていました。なんたって、「宮城学院女子大学音楽科卒業」ですからね。いや、これは全くのでたらめではなく、私が教わっていたフルートの先生がこの女子大の非常勤講師だったので、最初のうちはその大学でレッスンを受けていましたからね。それと、この記事には顔写真も載せるのですが、その時は私の後姿を撮った写真を使いました。
 ですから、今回はきちんと書こうと思って、どうせなら「編集長」でなければ書けないような、みんなのお手本になるようなものを書こう、と思っていたので、なおさら書き始められなかったんですね。でも、もうそんなことは言ってられませんよね。
 他の記事が全部確定したので、このコーナーは1ページしか使えないことは決まっていました。そうなると、あまり多くのスペースはなくなってしまいます。とりあえず、書きたかったことを全部書いてみると、かなり多くなってしまったので、まずはそれらを削っていきます。あとは、言い方を変えたりして、見た目にもスマートになるように整えます。書いている途中で書式からはみ出すような時には、その書式そのものを変えてしまいます。これは、まさに編集長の特権で、好きなように出来ますから楽しいですね。
 写真も、演奏会の時のものが山ほどありますから、その中からこれぞ、というのを選んで、それを使いましたし。
 あとは、団員の入れ替わりなどを、きちんと載せなければいけません。このところ、新しく入団したり、一旦退団した方がしばらくして再入団したり、というケースが増えています。さらに、コロナの影響がこのところかなり落ち着いているということで、それを理由に休んでいた人たちが少しずつ戻ってきたりもしています。かと思うと、せっかく戻ってきたのに、お子さんが生まれたために、練習に来ることを禁じられたのでまた休団することになった、というような人もいたりしますから、手抜かりがないようにしないといけません。
 私の原稿には、結局オーケストラのことだけではなく、合唱のこともかなり入ってしまいました。そんな、かつての合唱団時代にとてもお世話になり、最近もひょっこりお会いした時に「元気?」などとニコニコ顔で言ってくれていた今井邦男さんが、数日前にお亡くなりになったそうです。言葉もありません。
Aventure Number : 3504 date : 2021/11/24


今日の禁断 フジオー


 先週の日曜日(14日)に注文した新しいレンジフードの取り付け工事が、今日行われました。朝一の9時に来て午前中には終わるということなので、職場には午後から行くことにして、家で待機しています。とりあえず、レンジフードの周りだけは物を置かないようにしてスペースを空けておきました。
 時間ちょうどにやってきたのは、妻夫木聡似の職人さん、下見に来た人と同じ方なので、顔なじみです。現場に入るなり、キッチンにあったゴミ箱などをどかしてほしいと言ってきました。作業中に出入りするので邪魔なのだそうです。結構、大規模な作業になりそうですね。
 まずは、レンジの上にこんな台(下駄)を置いて、作業をしやすいようにしてました。
 最初に、フィルターと前のフードを外します。
 そして、上のカバーを外すと、ダクトが現れます。
 本体のファンが外れました。
 躯体を外し、電源のコンセントも作ります。
 本体を取り付けるために、コンクリートの壁にドリルで穴を開け、ビスを金槌で打ち込みました。こんなこともあろうかと、工事が始まる前にはこちら側のお隣さんにはきちんとご挨拶をしておきましたよ。
 新しいレンジフードの本体が入りました。
 ダクトと電源をつなぎます。
 上のカバーを取り付けて、一応完成ですが、以前より高い場所に設置されたのでコンクリートの地肌がむき出しになってました。
 そこで、職人さんは、そこにこんな板を貼り付けてくれました。実は、ここは実際に外してみないとどうなっているかわからなかったので、こうなっていることに気が付いて、慌ててホームセンターに行って材木を買ってきました。そんなロスタイムがあったので、作業が全部終わったのは午後1時ちょっと前でした。
Aventure Number : 3505 date : 2021/11/26


今日の禁断 ヤマトヤ


 今日、買い物のついでに本屋さんに行ってみたら、ちょっと驚くことがありました。それは、文庫本の中にシュリンク包装がされているものがあったことです。漫画の単行本などは当たり前のようになっていますが、それが文庫本にまで及んでいたとは。しかも、その文庫本の包装は、お店でやったものではなく、出荷の際にすでに包まれていたような感じなんですよね。確かに、本という商品は、商品としてはちょっと変わっていて、だれでも自由に手に取って、その中身を見ることができるようになっています。ですから、誰かがすでに中を開けてしまったものを買ってくるということも普通にありますね。というか、本屋さんというのは長年そういうことをやってきたのですから、私などはそれが当たり前だ、と思っていました。実際、全然知らない人が書いた本でも、最初の何ページかを読んで面白そうだから買ってきた、ということも良くありますからね。
 でも、文庫のシュリンク包装は、そういうこれまでの慣例を真っ向から禁じてしまっているんですよね。確かに、まっさらのものを提供することが、商売としては当たり前のことかもしれませんが、それによって、本から離れていってしまう人がいるかもしれない、などということは考えていなかったのでしょうか。実際、私は、そのシュリンク本は表紙を見るとちょっと面白そうな内容に思えたので、読んでみたいと思ったのですが、こんな風に読まれることを拒否している本なんて、絶対に買ってやるもんか、と思ってしまいましたからね。
 どうせ、今は書籍業界は大不況ですから、いくらでも売れ残りが出てるはずです。ですから、そのシュリンク本と一緒に、読んでも構わないサンプルを1冊用意しておけば、それで済むことなのに、そんなこともしないで、ひたすら立ち読みを拒否する姿勢は、はっきり言って文化の破壊です。
 でも、他のコーナーには、大好きな作家の新刊が普通に平積みになってましたから、買ってきましたよ。
 家に帰ったら、大仕事が待っていました。それは、例の「かいほうげん」の作成です。いや、やらなければならないのは、仮につけておいた写真をちゃんとしたものに差し替える、という仕事だったのですが、それが、うまくいかないんですよ。つまり、いつもはそういう作業は職場で空いた時間に、職場のPCでやっていて、そこでは何の問題もないのですが、同じことを自宅のPCでやると、全然うまくいかないんですよ。
 それは、ワードのバージョンの違いからくるものです。私は、ずっと使い慣れた「.doc」という拡張子のファイルで「かいほうげん」を作ってきましたから、それを、今の「.docx」のファイルでは極力使わないようにしていました。微妙に手順が違っていて面倒くさいので、間違いなく作業効率が落ちると思っていたからです。それを、職場のちょっと古いバージョンのワードは、もちろん.docxがデフォルトですが、.docもしっかりサポートしてくれていて、何のストレスもありませんでした。ところが、自宅の最新のバージョンのワードでは、明らかに.docを見捨てているような姿勢が見られるのですね。それが顕著に表れるのが、画像ファイルの扱いです。もう、画像の選択からして、ワンクリックではできませんし、ちょっと入り組んだレイアウトだと、ほかのファイルが選択されたりしてなかなか目的が果たせません。つまり、職場では1分でできることが、自宅では10分かけても解決しないのですよ。
 いくらなんでもこれでは仕事にならないので、思い余って、この際、ファイルそのものを.docxに直してみようと思い、変換してみました。そうしたら、全く何の問題もなく、今まで通りの手順でサクサクと画像を扱えるようになったではありませんか。しかも、トリミングなど、これまでちょっと疑問に思っていたことも、しっかり納得がいくような形になっていましたよ。まあ、いつもながらの、より使いづらくなったところもあるのですが、これだったら全面的に切り替えても大丈夫でしょう。というか、いずれは職場のPCも新しくするので、その時になって慌てることだけはなくなりました。
Aventure Number : 3506 date : 2021/11/28


今日の禁断 ヘンゼル


 きのうのニューフィルの練習で、無事新しい「かいほうげん」を渡すことが出来ました。印刷したのがきのうの午前中だったのですが、その前に1か所、かなり大きな記事を挿入してました。それは、先日お亡くなりになった今井邦男さんの訃報です。考えてみたら、今井さんは、ニューフィルが最初に「第9」を演奏した時の合唱指揮者でしたから、しっかり縁がある方だったのですよ。それは1987年の第10回定期演奏会、私が入団して2度目の演奏会でした。まだ入ったばかりだったので、詳しくは分かりませんが、合唱団はわざわざこの演奏会のために公募で集められていたようですね。そして、その寄せ集め合唱団の練習を行ったのが、今井さんだったのですよ。その時に今井さんとお話したことがあって、私が「合唱の調子はどうですか?」と聞いたら、「聴けばわかるでしょう。ひどいものですよ」と、吐き捨てるようにおっしゃっていましたね(「今だから言える」という世界です)。まあ、私は初めてのピッコロ・ソロに四苦八苦でしたし、本吹きが前日練習でも欠席していたので代わりに1番のパート(もちろんこれも初めて)を吹いたりで、とても合唱を聴く余裕なんかありませんでしたね。その時は、1番の席でピッコロも吹きましたし。
 ということで、ぜひ今井さんのことはご紹介したかったので、何とか隙間を作って押し込みました。写真は、お通夜に行かれた方が祭壇の写真をFacebookにアップしていたので、それを使わせていただきました。
 ところが、今朝になって、その新しい「かいほうげん」を見直していたら、そこで「『第9』を演奏した時の練習指揮者」なんて書いてましたね。「合唱指揮者」と書いたつもりだったのですが・・・。
 練習そのものは、前半がブラームス、後半がフンパーディンクという順序でした。今回はブラームスは降り番なので、ゆっくり行ってても良かったのですが、一応何かあった時にと、普通に行ってました。そうしたら、やはり2番の人が少し遅れるということで、まずはその代吹きです。そうしたら、「練習指揮者」は、まず2楽章から4楽章まで通してしまいましたよ。1番のパートは何度も吹いたことがありますが2番は初めてだったので、焦りましたね。ちょうど最後まで行ったところで、本吹きと交代、まだしばらく時間があるので、お隣のパフォーマンス広場まで行って、本来のフンパーディンクのおさらいです。パートはピッコロ、これは、以前別のところでやった時に(私は降り番)、高音のCをピアニシモで下がらずに出すのに、名人が苦労していましたから、そこだけを練習です。もちろん普通の指では無理なので、ロビン・チャップマンのメソッドにあったとてもいい替え指を使います。特殊な指使いなので、それを間違えずにできるように、指に覚えさせます。
 時間になったので、市民センターに戻り、初めてのフンパーディンクが始まります。そのCは、まずは何事もなく出すことは出来ましたが、途中で4拍子から2拍子に変わったところから、カウントを間違えて落ちてしまい、手元にスコアもなかったので、全く復帰できず、結局、最後のCしか出せませんでした。悲惨。
 そこで練習指揮者が、休憩を兼ねて雑談を始めたのですが、「エンゲルベルト・フンパーディンクをネットで調べると、ポップス歌手しか出てきません。知ってる人いますか?」と言うので、もちろん私は手を挙げたのですが、私以外は誰もいませんでした。ありえませんね。まさか、あのフンパーディンクを知らない人がいるなんて。でも、これで、次回の「かいほうげん」のネタが出来ました。
 もう一度通したときには、スコアを脇に置いておいたので、ちゃんと最後まで吹けました。でも、結構手ごわいですね。
Aventure Number : 3507 date : 2021/12/1


今日の禁断 スウィーニートッド


 きのうの朝には、雪が舞ってましたね。そういえば、もう12月に入っていたのでした。ほんとに、連日コロナに追いまくられているうちに、もう今年も終わってしまいそうです。とは言っても、このところのコロナ感染者の数は、劇的に減ってしまっているのがとても不気味です。そして、それが日本国内だけの現象だというのも、やはりとても気になります。噂では、さらに悪質なウィルスが外国では流行しているようで、それが日本に入ってきたらひとたまりもないのでは、と、小心者の私などは思ってしまいます。まあ、ただ小心だというだけではなく、家族が基礎疾患持ちだ、ということで、人一倍こういうことには敏感ですから、つい私も感化されてしまうんですけどね。なんせ、映画館にすら行かせてもらえないのですから、ちょっと辛いところはありますが。
 ただ、最近は、ちゃんとした映画でも最初に映画館で上映するのではなく、まずネット配信、というものが結構出てきたようですね。ネットフリックスとか、でしょうか。さらには、ディズニーあたりでも、そんな配給を始めたみたいですね。ビートルズの「ゲット・バック」なども、今のところはネットでしか見られないのでしょうね。そういうのは、確かに今の状況を考えると、ウィルス感染のリスクは全くありませんから大歓迎なのでしょうが、将来的には、もはや映画館に行く人はいなくなってしまうという、自らの首を絞める結果に陥ってしまうのではないでしょうかね。結局、基本的に再生芸術である映画は、別に映画館で「ライブ」で見る必要などなくなってしまうのかもしれませんね。
 確かに、映画館というのは、映画を大勢の人たちに一度に見てもらうための施設ですから、何百人ものお客さんが見るためには巨大なスクリーンが必要です。でも、私などは、何もあんなに大きな画面で、一人の顔をアップで見ることもないな、という気にはなりますね。同じように、音も、全員にきちんと聴かせるためにかなりの音圧になっていますが、それだってあまりに大きすぎるという気はします。ほどほどの音で、大きすぎない画面で、隣に誰もいないようなところで見たいと思っている人だったら、もはや映画館に行く必要もなくなってしまうのではないでしょうかね。その配信だって、画像のクオリティは映画館並み、音声だって、きちんとサラウンドで「お茶の間」にまで届くのでしょうからね。
 でも、もうすぐ公開の予定だったのが来年の2月に延期になってしまった、スピルバーグの「ウェストサイド・ストーリー」だけは、ぜひとも映画館で見てみたいものだ、とは思っています。そのころだったらコロナもおさまっているかもしれませんしね。なんたって、あれのオリジナルを、仙台の「東北劇場」の大スクリーンで見た時の衝撃は忘れられませんから、それから半世紀以上経ってリメークされたときにも、同じスタイルで見てみたいものです。
 その原作、というか、映画の元になったミュージカルに関わったスティーヴン・ソンドハイムが亡くなりましたね。というか、彼の死亡記事で最初に見たものに、「『ウェストサイド・ストーリー』を作曲」と書いてあったものですから。もちろん、このミュージカルを「作曲」したのはレナード・バーンスタインであるということは紛れもない事実なのでしょうが、公式には「作詞」にしか関わっていなかったソンドハイムが「作曲」したのだと思ってそんな記事を書いた人もいるのだな、と思うと、なんだかうれしくなってしまいました。この世界、たとえば、先ほどのビートルズにしても、作った曲のクレジットと実際に作った人は全く同じではない、という事例はいくらでもあります。このミュージカルの場合も、クレジット上は全ての曲をバーンスタインが作ったことになっていますが、ソンドハイムもクレジット上の作詞だけでなく、作曲にもしっかり関わっていたことは間違いないのでは、と私は思っています(もう何度ここに書いたことでしょう)。
Aventure Number : 3508 date : 2021/12/3


今日の禁断 オペレッタ


 ニューフィルでの今回のプログラム、「ヘンゼルとグレーテル」にちなんだトークは、いずれは「かいほうげん」に書こうと思っていたのですが、先週の練習の時に、「てっきり、今受け取った『かいほうげん』に載っているのだと思っていた」なんて、さる人から言われてしまいましたよ。私の行動パターンはすっかり読まれています。
 ですから、次回にはしっかり載せるつもりで、そろそろ下準備を始めようと思い、まずは手元にある映像をチェックしてみました。BSなどで録画したオペラは、すべて作曲家のA to Zで保存してありますから、探し出すのは造作ありません。そうしたら、なんと3種類もの映像が見つかりました。2008年のMETとコヴェントガーデン、そして2016年のウィーン・シュターツオーパーです。
 時間があったので、それらを全部見てみました。いや、最初から最後まで通したのはMETだけで、他はポイントをチェックしただけですけど。それにしても、この作品は演出家にとってはやりがいがあるようで、もうこの3者は全然違う演出プランでしたね。特に、第2幕の後半、ヘンゼルとグレーテルが寝ている間のシーンは、まさに演出家の腕の見せ所、といった感じで、それぞれに楽しめました。それと、配役でも、2人をお菓子の家で騙して食べてしまおうとする魔女役に、女声ではなく男声を起用する場合もあるようですね。今回はMETがそれをやってました。フィリップ・ラングリッジというベテランのテノールですが、コミカルでスケールの大きな演技がとても受けていたようですね。このオペラではありえないことですが、彼の「アリア」の部分が終わると、盛大な拍手が沸いて、そこで演奏が止まっていましたね。
 そう、このオペラ、時には「メルヘン・オペラ」と言われることもあるので、なんだかそれこそお子様向けのような印象がありますが、音楽的には、まさにワーグナーの後継者としてのフンパーディンクの面目躍如といった、結構ハードな作られ方になっています。そんな表れの一つが、「無限旋律」です。ワーグナーの場合、後期の作品では特に「アリア」のようなものが独立して歌われることはなく、そのような盛り上がった部分が終わってもきちんと終止をせずに、何事もなかったように連続して音楽は続いていきます。つまり、旋律が無限に続いているという作り方ですね。フンパーディンクもこれを継承していて、音楽は幕の最初から最後まで止まることはないはずですから、普通は拍手は出来ないのですよ。実際、他の2つの映像では、そのまま続けていましたからね。
 その魔女ですが、コヴェントガーデンではあのアニャ・シリヤが演じていました。かつてヴィーラント・ワーグナーの愛人だった人で、1960年代のバイロイトでセンセーションを起こしていましたね。そんな彼女もこの時はもはや68歳だったはず。まさに「老婆」にふさわしいキャスティングですが、声はしっかりしてましたね。
 グリムの原作では、その魔女はかまどの中で焼け死ぬ、というエンディングだったはずですが、このオペラでは、そのようにして焼けてしまった魔女の体をちぎって、魔女にとらえられていた子供たちと一緒にそれを食べてしまう、というかなり残酷なシーンが、METとコヴェントガーデンの演出にはありましたね。ですから、演出的にはウィーンのものが最も幻想的(そもそも、全体が劇中劇)で楽しめましたね。ですから、グリムとオペラとの違いの詳細も、ぜひ載せたいですね。
 指揮はティーレマン、そんな演出なのに、ワーグナー感をことさら強調した演奏だったような。それで、序曲のことですが、最後近くになぜかピッコロのソロが出てきます。これは普通はまず聴こえない低音から始まるので、MET(ユロフスキ)とコヴェントガーデン(コリン・デイヴィス)ではほとんど聴こえないのですが、ウィーンではばっちり聴こえていました。ピットの中のショットで、ピッコロを吹いていたのはギュンター・フェダセルのように見えました。彼だったら、そのように吹くことができるでしょうね。私も、このぐらい吹けたらいいのですが。
Aventure Number : 3509 date : 2021/12/5


今日の禁断 マグカップ


 もう12月に入って1週間以上経つというのに、何かニューフィル関係で忘れていることがあるような気がしていました。そんな気持ちの中で、きのうは、代役で木管分奏に参加です。その日は私は降り番のブラームスだけをやることになっていたので、久しぶりに堂々と休めるな、と思っていたら、前日に2番担当の人から都合が悪くて来れなくなったという連絡が入って、急遽私が代わりにシフトに入ることになったのです。考えてみたら、これまでも同じように降り番なので参加しなくても良い時はあったはずなのですが、私には休んだ記憶が全くありません。結局、何のかんのと言っても私は毎回休まずに練習に参加するようになってしまうようですね。
 きのうは、新装なった青年文化センターの練習室1での分奏でした。入ってすぐ、床がきれいになっていることに気づきました。前は確か黄色っぽい床で、それがあちこち黒ずんでいいたような記憶がありますが、明るい色の塩ビタイルに変わってましたね。それと、椅子も、折り畳み式のものから、新しいスタッキングチェアになってました。でも、壁や天井はそのままでしたね。ただ、照明だけはLEDに変えたようで、明るすぎるぐらい明るくなってましたね。
 その後、今日になったら、そのモヤモヤに気づきました。今月はまだ練習の日程表を更新していなかったんですね。毎月2日には、申し込んでいた練習場の抽選の結果が出て、2カ月先の予定が分かるので、そのタイミングで更新していたのですが、最近は職場でなんとも煩雑なことに追いまくられているものですから、すっかりそれを忘れていたのですね。あわてて、日程表を更新しました。どうやら、今月は希望していたものがすんなり全部当選していたようです。
 今日も、ニューフィルがらみで、こんなところに行ってきました。
 差しさわりがあるので、ちょっと加工してありますが、こんな立派な看板が出ている、弦楽器の工房です。
 ニューフィルの団員で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどの弦楽器を作っている人がいます。ここが彼の仕事場。現在はヴィオラを制作中だそうで、作りかけのヴィオラが置いてありました。
 その向かい側の壁です。楽器の型があるようですね。
 彼は、ニューフィルではヴァイオリンを演奏していますが、そこにヴィオラ、チェロ、そして私を加えたフルート四重奏団が結成されていて、毎年「アンサンブル大会」で練習の成果を披露してきました。ただ、去年と今年はそれがなかったので、演奏する機会はありませんでした。
 それが、最近、コロナもおさまってきたので、関係者のサークルからの演奏依頼があったのだそうです。ただ、その日は私はちょっと都合が悪かったので、今回は私のパートをヴァイオリンにして、別の人に代わっていただくことにしました。その初練習が今日、ここであったのですよ。この仕事場の隣に、天井の高い広々としたホールがあって、そこでアンサンブルができるようになっているのですね。そこに、私は出番はないのですが、レパートリーが以前私が参加して演奏していた曲なので、立ち会ってほしいと言われ、来ることになっていたのでした。
 結局、演奏のアドヴァイスから、曲目の選択までちょっとお手伝いをして、帰ってきました。2年近くのブランクを感じさせない演奏でしたね。年の功でしょうか。彼が淹れてくれたコーヒーが、とてもおいしかったです。
Aventure Number : 3510 date : 2021/12/8


今日の禁断 ニューヨーク


 先日のオペラ「ヘンゼルとグレーテル」に関するトークの覚書の続編です。原作であるグリム童話と、それを元にしてフンパーディンクの妹のアーデルハイト・ヴェッテが書いた台本との間には様々な違いがあります。それを列挙してみます。まだ、それほど詳しくは調べていないので、いずれ内容は変わることがあるでしょう。
  1. 父親の職業
    グリム:木こり
    オペラ:ほうき職人

  2. 母親
    グリム:継母
    オペラ:実母(?)

  3. 二人が森へ行くきっかけ
    グリム:継母が提案した口減らしのため。両親が一緒に連れて行って、二人だけを置き去りにする。1回目は失敗。2回目で成功。
    オペラ:二人がミルクが入った壺を割ってしまったので、食べるものがなくなり、母親に森にイチゴを取りに行かされる。その後、食料をたくさん持って帰ってきた父親がそのことを聞いて、慌てて二人で森に探しに行く。

  4. 森の中の出来事
    グリム:3日間森の中をさまよう。
    オペラ:イチゴ取りの間に道に迷ってしまう。その日の夜に妖精が現れ、眠りに落ちると、その間にまわりで不思議なことが起こるが、二人は気づかない。

  5. 魔女が死んだあと
    グリム:魔女の家にあった宝石などを持って、家に帰る。継母はすでに死んでいる。
    オペラ:魔法が解けたため、ジンジャーブレッドに変えられていたたくさんの子供たちが元の人間に戻り、自由になる。そこに、ヘンゼルとグレーテルの両親が迎えに来る。


 これは、2005年に兵庫芸術文化センターで上演された時の映像ですが、お菓子の家の後ろに手をつないで立っているのが、ジンジャーブレッドに変えられた子供たちですね。
 ま、こんな感じでしょうか。これ以外の所はほぼ同じです。原作はかなり凄惨な話で、魔女だけではなく継母も悪役ですが、オペラではハッピーエンドになっていますね。
 そういうことで、クリスマスの季節などによく上演されるようになっているのでしょう。前回挙げた3つの録画の中で、METの場合は、特別に親子連れを招待していたようでした。そして、歌詞もドイツ語から英語に直したものが使われていました。今回ニューフィルが使うKALMUSの楽譜では、表情記号が英語に変えられているのも、もしかしたらそのあたりと関係しているのではないでしょうか。
Aventure Number : 3511 date : 2021/12/10


今日の禁断 シチズン


 きのうのお昼前、買い物の途中で腕時計を見たらもう12時20分になっていました。まだお昼は過ぎていないはずなのにいつの間に、と思ったら、秒針が動いていません。朝の12過ぎに止まってしまっていたんですね。電池切れでしょう。
 今使っているこの時計は、ちょうど6年前に買ったものだということが、調べてみたらわかりました。さらに、そのちょうど1年後に電池交換をしているんですね。その頃は、電池が切れて止まる前に電池を交換しようとしていたのでしょう。そんな、用心深い私が、5年間も交換を怠っていたなんて。普通は3年ぐらいしかもたないと言いますから、結構長持ちしたことにはなりますが、まさかそんなに経っていたなんて思いませんでした。
 ですから、これはもう、その程度の関心しか持てなくなってしまっているので、新しいのを買った方がいいよ、というサインなのではないかと思い、ヨドバシに行ってみることにしました。これを買ったのはロフトなんですけど、今では時計売り場が縮小されているようなので、今回はパスです。
 ただ、この間ヨドバシに行った時には、大きな駐車場は工事が始まっていてもう使えなくなっていたので、おそらく小さな駐車場だけでは車を停めるまで時間がかかると思い、地下鉄で行くことにしました。せっかくの「9割引き乗車券」があるのに、なかなか使う機会がありませんからね。これは、一応最大限の1万2千円チャージしておいたので、12万円分の地下鉄に乗れることになります。ですから、今回駅まで往復してもまだ11万円以上残っています。これがなくなるのと、私が死ぬのとでは、どちらが早いでしょう。
 それで、仙台駅で地下鉄を降りて、久しぶりなので「JR仙台駅」という案内に導かれてエスカレーターを上っていったら、いつの間にかエスパルの1階に着いていました。そこからもう1段上がって、東口に向かって歩いていくと、
 昔の駐車場の工事がだいぶ進んでいましたね。
 さらに、
 ヨドバシに向かうエスカレーターの横に、もう1本新しいエスカレーターを作る工事が始まっていました。これもやはり、ビルの中に突っ込んでいくのでしょうか。
 その、ビルの方から見ると、こんな感じ。これから先はどういうことになるのか、興味がありますね。生きている間に見届けたいものです。しかし、ちょっと見ない間に、世の中はガラリと変わってしまっているのですね。
 ですから、時計も新しいのに変えたかったのですが、なんかこれだ、というのがありませんでした。ですから、電池だけ交換して、あと5年の間に、他のところを見て回って新しいのを見つけることにしました。
Aventure Number : 3512 date : 2021/12/12


今日の禁断 ゴルトベルク


 このところ、コロナ感染者の数が目に見えて減っていますね。もう、県内で一人もいないという日がフツーになっていて、もはやコロナは終息したのでは、と思えるほどです。とは言っても、外国ではそれとは正反対の様相を見せていますからまだまだ用心は必要、新種のウィルスまで出ていますからね。ですから、私はその新しいウィルスが出たと発表された時点で、新たな「波」が来ることを考えました。そして、予定されていたアンサンブルのコンサートの予定を、即座にキャンセルしたのですね。でも、それから半月ぐらい経っても、それほど感染が広がる様子は見せてはいませんから、これは少し判断を早まったかな、と思い始めているところです。
 実は、東京にいる合唱団仲間が、毎年秋に行っているピアノのリサイタルを、今年はやはり中止にして、来年に延期していました。でも、このところの感染現象は、もしかしたら「梅雨の晴れ間」のようなもので、今のうちだったらリサイタルを開けそうだと、急遽1月に行うことに決めたのだそうです。これを逃すと、また大々的な感染が始まってしまうかもしれませんからね。
 私としては、1月ではもう新たな感染が始まっているのではないか、という気がするのですが、こればかりは全く予想が出来ませんから、いったいどうなるのか、見守りたいと思っています。なんせ「ファクターX」とか言って、専門の学者でも匙を投げているぐらいですからね。
 ですから、今はニューフィル以外の予定は極力避けているところです。そこで、来年発行予定の新しい「かいほうげん」のためのトークの下書きを作り始めています。これまでは、フンパーディンクとグリムとの違いなどを調べてきたのですが、一番調べたかったのは、前奏曲の中に出てくるテーマが、オペラの中ではどんなシーンで登場するか、ということでした。確かに、手元の映像を何度も見直していると、そのテーマがしっかり使われていることが分かります。
 ところが、一応序曲のアナリーゼなどを調べてみると、全部で4つのテーマがあることは分るのですが、そのうちの3つまではしっかりオペラの中で聴き取ることができるのに、残りの1つが、何回聴いても分からないのですよ。それは、序曲で最初にホルンとファゴットで出てくるコラール風の有名なテーマが終わった後に、突然テンポが変わった所で出てきます。
 このテーマには名前があって、「魔法を解く時の呪文」というのですね。最初に見た資料では、それは、ジンジャーブレッドにされていた子供たちが元の姿に戻るときに使われているというのですが、そこで実際に聴こえてくるのは、序曲ではもっと先、3番目のゆったりとしたテーマのあとに出てくる、この4つ目の快活なテーマだけなんですよね。
 これはさっきのテーマとは全然違います。だとしたら、それはいったいどこで出てくるのでしょう。
 そのテーマの名前が「呪文」となっているのが気になります。確かに、オペラの中では魔女が「Hokus pokus」という呪文を唱えているシーンがありましたね。それと関係あるのでしょうか。
 そのあたりで検索をかけていると、山本まり子さんという方の研究論文が引っ掛かりました。この楽譜はそこからの引用なのですが、これは、魔女が「魔法をかける」時の呪文のテーマなのだそうです。音が階段状に上昇していますね。そしてもう一つ、「魔法を解く」時の呪文は、このテーマを上下ひっくり返したテーマになっているというのです。
 それがこれです。ここでは、逆に音が下降していますね。
 どうです。これはまさにさっきの2番目のテーマですね。確かに、この「呪文」は、魔女が最初にヘンゼルとグレーテルを金縛りをかけた時にまず上の呪文で魔法をかけ、それを解く時に下のテーマが使われていましたね。さらに、それを覚えていたグレーテルがヘンゼルにかけられている魔法を解くために使い、そして、エンディングで目が見えなくなっている子供たちの目を開かせるために、ヘンゼルが使っているのですよ。つまり3回も登場していたのです。
 なにしろ、この呪文のテーマは、序曲の中のものとはオーケストレーションが全然違いますから、全く気が付きませんでしたよ。つまり、これもワーグナー流の「ライト・モティーフ」というものになるのですね。前に書いた「無限旋律」とともに、フンパーディンクはしっかりワーグナーの技法を受け継いでいたのですね。
Aventure Number : 3513 date : 2021/12/15


今日の禁断 エコー


 年末になって、地上波テレビのドラマも次々と最終回を迎えるようになってますね。今クールは、ちょっと私にとっては不作でした。そんな中で、まあ、一番見ごたえがあったのは「和田家の男たち」でしょうかね。まず、設定がきちんと「コロナ中」になっていたところにリアリティがありました。他のドラマのように、現在ではありえないマスクなしの生活をでっち上げるのではなく、きちんと現実に向き合っていたのには好感が持てましたね。逆に、それによってレースのマスクがこんなに色っぽいものかと気づかされましたから。まあ、そんな些末なことではなく、ドラマ自体がしっかりしていたのがうれしかったですね。
 「ラジエーションハウスU」も、前回から引き続いて安心して見てられました。思った通りに、最後には悪役が善人になるというお約束の展開でしたが。
 あと、1回目を見逃してしまった「群青領域」も、まだ終わってはいませんがそこそこ楽しめました。とは言っても、クラシックのピアニストがロックバンドで受ける、という設定には、ちょっとついていけませんね。
 「婚姻届に印を捺しただけですが」は、一番期待していたのですが、まずは清野菜名があまりにひどいヘアスタイルとメークだったことには、完全に失望してしまいました。「今日から俺は!」でのかわいい彼女はどこへ行ってしまったのでしょう。話の展開も、ちょっと許容範囲を超えていましたし。
 そして最悪だったのが「SUPER RICH」です。あまりのいい加減さに、途中でもう見るのはやめようと思ったぐらい、ひどい脚本でしたね。セリフも、小学校の学芸会レベルのお粗末さですし、本気で作っているとは思えないほどの手抜きの設定です。「あの人、誰だっけ」という人が突然出てきて泣いたりしているのは、悲惨でしたね。
 WOWOWの「グレイズ・アナトミー」も、最初のシーズンから見続けているので、ほとんど惰性で見ていましたが、こちらはコロナになって逆にリアルさを追求し始めたら、もう完全にダメになってました。それでも我慢して見ていたのですが、今はもう録画したきりになってます。まあ、これが最後のシーズンだそうですから、いつか、他に何も見るものがなくなったら見るかもしれませんね。
 ところで、季節柄、こんなCMがしょちゅう流れてますね。広瀬香美がいつもながらのハイテンションの歌を歌っているのを、妻夫木聡たちが見ている、という設定なのですが、この歌、最初に聴いた時には広瀬のオリジナルだと思っていました。いかにも彼女らしい無駄に張り切った曲調が、むなしい感動を誘います。
 でも、2回目に聴いた時には、この中の三連符のフレーズが、ちょっと異質に思えてきました。というか、これはもしかしたら、という気になって、次に聴いてみたら、これがベートーヴェンの7番だと初めて気づきました。それを愚妻に言ったら、こともなげに「うん、あの曲でしょ?」と言ってましたね。そんな簡単に分かってしまっていたとは。
Aventure Number : 3514 date : 2021/12/17


今日の禁断 ヘップバーン


 前回のCMの話では、ベートーヴェンの7番を宝くじのCMで広瀬香美が歌っていた、と書いていましたが、それをFacebookに貼り付けたら「あのCMでは、シリーズで7番を使ってました」というコメントをいただいてしまいました。そこで、あれのもっと前のCMをチェックしてみたら、確かに妻夫木たちがあのメロディを歌っていましたね。そのCMは確かに見ていたのですが、そこには全く気が付きませんでした。さすがはプロ(なんの?)。つまり、広瀬の歌にはしっかりと「伏線」が用意されていたのですよ。最近のCMは、下手なドラマなどよりよっぽど丁寧に作られていますから、油断はできません。
 もちろん、たいていのドラマはきちんと作られていますから、この間の「SUPER RICH」などはあくまで例外だと思いたいものです。前クールの「コントが始まる」も、そういう意味ではしっかり作られていましたね。それぞれのキャラクターが有機的に絡み合っていて、どれをとっても無駄なものがありませんでした。そこで、有村架純の妹役を演じていた古川琴音が、WOWOWで今やっている有村が主演の「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」に、3人目の前科者として登場したのには驚きましたね。いや、笑っちゃいましたよ。前は、有村を精神的にも金銭的にも支えた妹役だったのが、今回は男によって風俗に売られた薬中ですからね。こんな風に、同じ人が見事に役を演じ分けているのを楽しむのが、大好きです。これこそが、ドラマの醍醐味ですよね。
 なぜか、全く同じ時期にNHKでも「保護司」が主人公のドラマをやっているんですね。こちらはなんと浅丘ルリ子が元受刑者、すごい存在感ですね。
 別に罪を犯したわけではないのに、公演中のミュージカルの主役の人が急に出られなくなったので、1回はダブルキャストのもう一人の人が出演して乗り切ったのに、次の日からは公演そのものが中止になってしまったのだそうです。これはちょっと理解できない措置ですね。ダブルキャストというのは、そういうアクシデントがあっても中止にならないように未然にバックアップを用意しておくというシステムなのですから、そのまま続けて上演すればいいのではないか、と思うのですが、間違ってますか? ひょっとしたら、もう一人ぐらい「シャドー」がいて、その人が主役を演じて話題をかっさらう、なんていう話も、この世界ではありえますからね。オペラなんかでも、それでスターになった人がたくさんいますから。それが、ショービジネスというものなのではないでしょうか。
 それを、公演中止という最悪の選択肢をとったというのは、いくら考えても納得できません。もしかしたら、心情的に上演できない、ということなのでしょうか。でも、そんなことで中止にするなんて、そもそも「ビジネス」としては失格です。というか、中止になったら、チケットの払い戻しとか、膨大な損失が出るのでしょうが、それはいったいだれが払うというのでしょう。まさか、アクシデントを起こした人の身内ではないでしょうね。それこそ、覚醒剤で捕まって迷惑をかけた、という次元の話ではなく、いくらでも「替え」はあるのですから、中止にして逆にお客さんに「迷惑をかける」必要は全くないはずなのに。
Aventure Number : 3515 date : 2021/12/19


今日の禁断 ファゴット


 この前の、主役のアクシデントで公演を中止にしたというミュージカルは、結局2日分中止にしただけで、それ以降はずっともう一人の主役だけで予定通りのスケジュールで公演を続けることに決定したのだそうですね。まあ、それが普通のことでしょうね。ただ、ここでは、ダブルキャストになっていたのが主演のイライザだけではなく、ヒギンズとフレディにも適用されていて、その3人が丸ごと交代して公演が行われるというシステムになっていたそうなのです。「Kチーム」と「Aチーム」という呼び方で、しっかりどちらのチームがどの日に出演するか、ということが前から決まっていたようですね。ですから、これ以降はすべて「Aチーム」のキャストが出演することになる、というのですね。
 つまり、「Kチーム」に入っていたヒギンズとフレディの役者さんは、「K」がいなくなったらもうお役御免、つまり「クビ」になってしまったのですよ。劇団四季あたりは、ダブルキャストどころかトリプルキャスト以上もあってバックアップ体制はさらに徹底していますが、それは個々のキャストに関することで、今回のような「連帯責任」になることはあり得ません。というか、この「チーム」の意味は何なのでしょう。メインのキャストなので、3人の間には特別な連帯感があって、一人でも欠けたらミュージカルが成り立たなくなってしまう、というようなことなのでしょうか。そうだとしたら、それはプロとは言えませんよね。
 先日の意味のない中止とか、こんなへんなキャスティングとか、このカンパニーはどこかショービジネスに対する感覚がずれているような気がしませんか?
 ニューフィルはプロではありませんが、たとえば管楽器のメンバーの誰かが突然出られなくなったとしても、他の人がきっちりと代役をこなせられるような体制が出来ているはずです。私も、いつ代わりに吹かされてもいいように常にほかのパートをさらっていますからね。プロとは違って、他の用事でどうしても間に合わないとか来られないということは必ずありますから、これは必要なことです。
 きのうは、今年最後のニューフィルの練習でした。そうしたら、会場の空調が故障しているということで、全く暖房がかかっていませんでした。ちょっと前だったら、これだけの人数が入っていれば、その体温だけで結構気温も上がるものなのですが、きのうはそんな効果は全くありませんでした。まあ、私の出番は最初の序曲だけだったので何とか我慢出来ましたが、その後もずっと寒い思いで練習していたのでしょうね。
 その序曲、ピアニシモで高音の「C」を出す、というミッションは、なんとか達成できるようにはなりました。やはり替え指の効果は絶大で、ピッチの点で気を使うことはありませんでした。ただ、そのために息圧が必要になるのか、曲の最後のロングトーンが途中でヤバくなってしまい、最後まで続きませんでした。これは、きのうの練習指揮者が、このエンディングで異様にテンポを落としたせいなのでしょう。でも、もし本番の指揮者がこれ以上のことをやったりしたら大変なので、そこはもう徹底的に鍛え直しているところです。
 今年の練習も終わったので、毎年恒例の、1年間の団員の異動をまとめた資料を作りました。本当はもう出来ていたのですが、きのうになって新たに退団者と、新入団員をそれぞれ一人ずつ加えなければいけなくなりました。その結果の陣容は、こちらを見てください。これで、人数的には管楽器は十分に揃ってきましたし、弦楽器もヴィオラ以下はもうアマチュアとしては完璧な人数です。ですから、あとはヴァイオリンがもう少し入ってくれれば、言うことはないのですがね。
Aventure Number : 3516 date : 2021/12/22


今日の禁断 チキン


 クリスマス、ですね。今日の「チコちゃん」を見ていたら、クリスマスが始まったのはキリストの誕生日を祝うためではなかったそうですね。昔からあったお祭りにただ便乗しただけのことなのだとか。まあ、そもそも、日本でクリスマスをやっている時には、キリストの誕生日だったことなんか考えもしない人がほとんどでしょうけどね。
 ですから、私は、クリスマスが何であるかなどを突っ込んで考えることもなく、予約してあった夕食のピザとサンドウィッチ、それとケーキを受け取りに帰宅前に車を走らせるのでした。
 まさに、クリスマス・イブですから、パン屋さんもケーキ屋さんもずいぶん混雑していて、車なんかも停めれれないだろうと思っていたのですが、最初に行った長命ヶ丘の「パンセ」では、お店にはお客さんは1人しかいませんでした。あまりの空き具合にびっくりしてしまいましたよ。まあ、「ケンタ」なんかだったら、そうではないのでしょうけどね。
 でも、中山の「シャトレーゼ」は違ってました。駐車場は満車で、何台もの車が道路で待ってますし、警備員まで出てましたね。ですから、私は前から考えていたように、お向かいの「しまむら」の駐車場(こちらはガラガラでした)に車を置いて、歩いて道路を渡ってケーキを受け取ってきましたよ。
 これは帰り道、いくらか車は減ってましたが、まだ入れない車はありましたね。というか、ここに停めたとしても、ここから右折して戻るときが結構難しいので、やはり向かいに入れたのは正解でした。
 こんなケーキ。イチゴはたっぷりで、シンプルな味でしたね。
 車で走っている間に、ラジオで山下達郎の「クリスマスイブ」がかかっていました。日本人が作ったクリスマスソングで、これほど知られている曲はないのではないでしょうか。なんたって、パッヘルベルの「カノン」を堂々とパクった上で、極上のサウンドを作り上げたのですから、素晴らしいです。逆に、この曲のおかげでクリスマスとは縁もゆかりもなかったパッヘルベルの方が、しっかりクリスマスの定番になっているのですから、草葉の陰で感謝しているかもしれませんね。
 ただ、歌詞を聴いてみると、これはそんなハッピーな曲では決してないことも分かります。来るはずもない元カノをただ待っている、というシチュエーションですからね。この間、達郎のラジオで、これの英語版を流していました。その英語の詞はアラン・オデーという人が書いたのですが、それを聴いてみると達郎の詞の単なる英訳ではなく、微妙に雰囲気が変えられているのに気づきました。それで、改めてその歌詞を読んでみたら、こちらの方が気持ちの表現がもっと繊細なような気がしました。日本語は「きっと君は来ない」ですが、英語だと「来てほしいと祈っているけど、今年のクリスマスイブはこれまでとは違うんだ」みたいな感じですね。
 こんな、ハッピーではないクリスマスソングというのは、他にも結構ありますね。ジョージ・マイケル(ワム!)の「Last Christmas」なんかは、去年のクリスマスに彼女に裏切られたことからまだ立ち直れない男の歌ですね。
 こういうのに比べたら、竹内まりやの「クリスマスが今年もやってくる」なんてのは、あまりにハッピーすぎてアホか、と思ってしまいませんか。この曲のイントロが、ガーシュウィンの「ポーギーとベス」の中の「I Got Plenty of Nothing」そっくりというのも、ちょっと気になりますし。
Aventure Number : 3517 date : 2021/12/24


今日の禁断 キラキラ


 「いつか見るだろう」と思って、見もせずに放っておいた録画番組が溜まってきました。もう年も変わるという今こそが、その「いつか」なのだと思い、それらをチェックしてみることにしました。そういうのは、ほとんどがクラシックのコンサートの録画なんですよね。その中でも、オペラはすぐにBDに移しておきますから溜まることはないのですが、コンサートはよっぽどのことがない限り一度見たらもう消してしまいます。ただ、それを見極めるためには、実際に見てみる必要がありますからね。
 まず見てみたのが、ハイティンクとウィーン・フィルのブルックナーの「交響曲第7番」。録画してあったのは8月31日のザルツブルク音楽祭でのコンサートでしたが、その後、9月6日に、それと全く同じプログラム(前曲はエマニュエル・アックスのピアノでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番)がルツェルン音楽祭でも演奏されていて、それがまさに「引退直前」のコンサートだったので、「直前の直前」ということになりますね。
 これは、実はその少し前、6月15日に別のオーケストラと演奏したライブ録音のSACDで聴いていたのですが、第2楽章がその時には感じられなかったようなものすごい演奏でした。なにか、本当に「心を一つにして」演奏していることがストレートに感じられて、もしかしたらこの曲がそのように演奏されたものを初めて聴いたような気になって、とても特別なものに思えてしまいました。ですから、これはそのままBDで残しておこうと決めました。
 その時にちょっと気になったのですが、フルートのトップを吹いていた人は、
 この人なんですが、これはシルヴィア・カレッドゥですよね。この年のニューイヤーコンサートでもやはりこのポジションで吹いていたのに、その直後の団員投票でクビが決定した、という方ではなかったでしょうか。そういう人でも、エキストラとして使ってもらえるのかもしれませんね(そのあたりの事情をご存知の方は、ご一報ください)。でも、彼女は今年の3月に、フランス国立管弦楽団の首席奏者に就任できたそうですね。
 その後チェックしたのは、2020年のルツェルン音楽祭。ブロムシュテットとアルゲリッチでベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と、交響曲第2番、第3番が演奏されています。これは商品にもなってましたね。これは、アルゲリッチのピアノがとても雑だったのでそこはまず飛ばして、今私がニューフィルで練習している「2番」をきっちり見て見ました。もちろん、そこでの1番フルートの演奏を聴くためです。オーケストラはルツェルン祝祭管弦楽団ですから、それは私の大っ嫌いなジャック・ゾーンでした。何が嫌いって、その演奏している時の仕草がほんとに醜いのですよ。要は、体の動きが必要以上に大きいのですね。そして、それが演奏の邪魔をしています。たとえば、第1楽章の序奏でのトリルの時には、トリルに合わせて頭を上下に動かしたりしているのですから、もう見てられません。本当に、こんなフルーティストにだけはなりたくないと、改めて思い知らされました。ですから、これはもう削除してあります。
 そうやって、だいぶHDDが軽くなったので、最近のものもすぐに見れるようになりました。それで、今年のプロムスのラストナイトを見ているところです。こちらは、まだコロナの最中ということで、ステージはこんな感じでした。
 弦楽器は、一人一本の譜面台を使って、距離をとってますから、こんなに広々としたところで演奏しています。合唱は、ステージ上手のバルコニーに少人数で陣取ってますね。これでバーバーの「アダージョ」と、その合唱版の「アニュス・デイ」を同時に演奏していましたね。
 ところが、客席は、
 満席でした。しかも、マスクをしている人はほとんどいません。こんなことをやっていたから、今でも感染者が減らないのでしょう。
 同じころ見たのが、小田和正の「クリスマスの約束」です。これを初めて見たのは2013年でした。その頃は
 会場の幕張アンフィシアターでは、ステージ裏にまでお客さんを入れてましたね。それが今年は同じ会場で、
 客席は満席ですが、ステージ裏にはお客さんはいません。そこには、バックバンドが、距離を置いて座ってますね。
 お客さんも全員マスクをしてます。本当にこれでいいのかなあ、という気はしますが、イギリスよりはましなんでしょうね。
 小田さんは、いつのと変わらない伸びやかな声を聴かせてくれました。この年でこれだけのクオリティを保っていられることには常々勇気を与えてもらっています。いや、フルートだったら、声よりも寿命が長いかも。
Aventure Number : 3518 date : 2021/12/26


今日の禁断 ナハトムジーク


 先日、カレッドゥがクビになったはずのウィーン・フィルで演奏している写真を載せたブログで「そのあたりの事情をご存知の方は、ご一報ください」と書いたら、早速次の日にコメントが寄せられました。実際に外国のクラシック音楽のサイトに記載された記事のリンクを教えてくださったのです。それによると、ウィーン・フィルは、カレッドゥをやめさせた後に入団させる予定だったハンブルクのエルプ・フィルの首席奏者のリュック・マンゴルツが、この夏の音楽祭の時期にまだウィーン・フィルに参加することが出来なかったために、急遽カレッドゥを代役にすることにしたのだそうです。その記事は、「彼女は、彼女を落選させた人たちと演奏を続けることに、快く同意した」と、皮肉を込めて結ばれていました。正直、私は彼女のソロを聴いて何か委縮していたような印象を受けましたが、それは単に先入観のせいではなかったはずです。というか、他の首席、アウアーやシュッツはなぜ出られなかったのでしょう。あるいは、2番奏者が吹く、という選択肢はなかったのでしょうか。
 実は、以前私はこのコメントを下さった方のブログで、カレッドゥがクビになったことを知って、それを私のブログに書いたのですが、まさかそのご本人がそれを読んでいたなんて、思ってもみませんでした。
 なんでも、私が参加しているエキサイトブログでは、現時点で音楽関係のブログが4615あるのだそうです。そこで私は、常にほぼ20位台をキープしていますから、上位0.5%の中に入っていることになります。それだけのインフルエンスがあるということなのでしょうか。手は抜けませんね。
 時節柄、「第9」の噂もあちこちから聴こえてきます。なんせ、合唱がコロナの元凶だ、みたいな言い方をされていましたから、オーケストラもなかなか合唱が入る曲は演奏することを避けていたようですが、やはり年末には、ということで、今年はいろいろ工夫して「第9」も演奏できるようになっています。仙台近郊では、仙台フィルが、合唱をおもいきり絞って、上手な人だけを集めて少人数で参加させていましたね。しかも、写真を見るとそれがオーケストラよりも前で歌うという配置になっていました。もちろんマスクは欠かせませんが、ここでは「東混マスク」のような、褌みたいなマスクを着けていたようですね。
 なんせ、この曲が初演されたときには合唱がオーケストラの前にいた、と言われていますから、こういう配置には何の問題もありません。どんな形でも、「第9」が演奏できるようになったのは、一つの進歩でしょう。
 もう一つ、やはり仙台フィルが演奏していた、こちらは合唱団が主体のコンサートも岩沼でありました。これは、そのコンサートがすべてYouTubeで配信されているというので、見させていただきましたよ。まずは、序曲「レオノーレ」が岩村さんの指揮で演奏されていました。その後、「第9」が始まる前には普通ステージに合唱が出てくるものなのですが、そもそもオーケストラの後ろにはそんな山台のスペースはありませんでしたね。一隊合唱団はいつ、どのようにして出てくるのか、とても気になります。
 そうしたら、第2楽章が終わったところで、なんと、合唱団は客席に入ってきました。そういえば、このホールのステージ前のブロックには、誰も座っていませんでしたね。そこは、合唱団が入るスペースだったのです。そこで、メンバーは普通に座って、第3楽章を聴いています。
 それが、終楽章のバリトン・ソロが始まると、彼らはやおら立ち上がって、そのまま後ろ、つまりお客さんに向かって回れ右をしました。そこが、今回の合唱の立ち位置だったのですね。ですから、その前には合唱のための副指揮者もいます。メンバーは全員暗譜で歌っています。
 演奏が終わると、岩村さんはステージから降りてきて、合唱の前まで行って拍手をしていましたね。
 合唱は50人ほどでしょうか。普通にオーケストラの後ろでは聴こえないようなところもあったかもしれませんが、この場所でしたら、お客さんはきっちり合唱を聴くことができたでしょうね。
 ただ、それを録画した時に、スタッフが合唱の前にマイクを立ててしまったのですね。そのミキシングが、おそらく素人だったのでうまくいかなかったのでしょう、特定の人の声だけが、思い切り大きく入ってしまっていました。ちょっとかわいそうでしたね。
 岩村さんは、楽譜はブライトコプフ新版(つまり、ペーター・ハウシルトのペータース版)を使って演奏していたようです。ですから、マーチの前の「vor Gott!」というフェルマータのところで、合唱はクレッシェンドしているのに、オーケストラは逆にディミヌエンドをかけるという、末廣さんに言わせれば「許しがたい!」校訂になっています。なんせ、オーケストラと合唱に正反対のことをやらせているのですからね。そこのカットでは、岩村さんの姿が使われていましたが、ディミヌエンドを続けるオーケストラの前で思い切りクライマックスを作り上げる指示(もちろん、それは客席の副指揮者への指示)を出していましたね。確か、篠崎さんもこの楽譜をお使いになっていたはずですが、この部分はどのような指揮をなさっていたのでしょうね。
 まだまだコロナは油断できませんから、しばらくは「第9」を演奏するにあたっての模索は続くのでしょうね。というか、これから確実にまた感染拡大は起こることになるのですから、何も焦って無理なことをやらなくてもいいのではないか、という気はしますけどね。ニューフィルだって、コロナが完全に終息するのを見極めるまでは、マーラーは封印するはずですから。
Aventure Number : 3519 date : 2021/12/29


今日の禁断 オミクロン


 今年も、コロナが収まることはありませんでしたね。いや、最近はこの近辺ではあたかもコロナ禍が終わってしまったかのような様相を見せていますが、それはあくまで局地的なもので、外国ではまだまだ猛威を振るっているのですから、いずれまた国内でも感染が広がることは間違いありません。
 そんな状況でしたから、結局私にとっての演奏会の本番は、11月のニューフィルの定期演奏会1回だけでした。ということで、今年は、ニューフィルに入ってからではもっとも本番が少ない年となりました。去年は、2月ごろまでは普通に演奏会はやれていましたからね。
 今年も、春の演奏会はなんとかできるのではないか、という感じで、まずは順調に練習が進んでいましたね。それが、間近になって、まずは地震で予定していた演奏会場が使えなくなりました。その時期に新たに会場を探すのは無理なので、普通だったらそこで中止になっていたのに、たまたまその1週間前に大きなホールを指揮者練習のために取ってあったので、スライドして開催できることになりました。ただ、もうすでにチケットやチラシの印刷は終わっていましたから、その対応が大変でしたね。それぞれ、修正用のシールを手作業で貼り付けて配布していましたね。
 ところが、その後でコロナ感染が増えてきたために、結局どこの会場も使うことが出来なくなってしまい、結局中止せざるを得なくなってしまったのですね。シール貼りをしたチケットやチラシは、全て紙屑となってしまいました。
 不思議だったのは、そうなることは分っていたはずなのに、予定通り演奏会を開催できると思っていた人がかなりの人数いた、ということですね。さいわい、最終的に団の方針を決める総会で、かろうじて中止を決めることが出来ましたが、もしかしたら、そこで演奏会を敢行しようという結論が出ていたかもしれなかったという、微妙なところでした。もし、開催の方向に決まって、その直後に会場が使えないと分かったとしたら、その人たちのショックは大きかったでしょうね。
 秋の演奏会までには、やはり練習を中止せざるを得ないこともありましたが、何とか予定通りに開催することが出来ました。そして、その後は職場の都合で休団を余儀なくされていた人たちもぼちぼち戻ってきて、何とかいつも通りの練習ができるようになっています。しかし、最初に書いたような、まるで「蛇の生殺し」のような状況が続いていますから、この先はどうなるのかは誰にも分かりません。もしかしたら、来年は1回も演奏会を開けない、なんてことにもなりかねませんね。ですから、今のうちに何とかやっておこうと、こんな「第9」まで現れましたね。もちろん「無観客」です。
 来年も、先が見えない1年になりそうですが、皆様どうか、対策をおこたらず、無事でお過ごしくださいね。あと2時間ほどで年が変わりますので、新年のごあいさつも。
 私は「年男」になります。
Aventure Number : 3520 date : 2021/12/31

(22/1/2-22/2/15)