3481(21/10/1)-3500(21/11/14)

今日の禁断 ホワイトキューブ


 今度の台風は、ほぼ予報通りの動きをしていたようで、仙台あたりは今日は大雨だ、というのがほぼ現実になっていました。これが、明日になるととてもいいお天気になるというのですから、多分それも当たることでしょう。そんな、久しぶりの雨の日に、なんの因果か楽器の運び出しなどということをやっていたのが、ニューフィルです。
 ご存知のように、きのうをもって緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も解除されたので、明日からの指揮者練習は一応何の障害もなく行われることになりました。それは、市内の会場がことごとくふさがっていたので、遠く白石まで行って、初めて使う会場で行われることになっていました。そのための楽器の運び出しだったのですね。実際に練習が始まるのは明日の午後からなので、明日の午前中にやってもよかったのですが、あいにく、土日は楽器を置いてある市民センターがワクチンの接種会場として使われるために、我々は出入りが出来ません。それで、前の日に運び出して、トラックで一泊させる、ということになっていたのでした。
 そういう仕事は、楽器の持ち主の打楽器やコントラバスのパート以外に、「当番」が決まっています。今回は、木管パートがその当番に当たっていたので、私も手伝いに向かいます。それと、同じ時間に楽器倉庫がある小ホールでは、今度の演奏会のチラシやチケットが出来上がってくるはずなので、それをメンバー各自に配布するための「袋詰め」も行われることになっていました。私はその係ではありませんが、いつもだと広報係として各方面にたくさんのチラシを配らなければいけませんから、そのための別の袋詰めのためにお手伝いをしなければいけません。でも、今回はご存知の通りそのような宣伝活動は行わないので、それ以外の「友の会」のためのチケットとチラシをもらってくるだけです。
 そんな仕事もあるので、晩御飯を食べたら、少し早めに着けるように市民センターに向かいます。と、印刷担当の人から、「今日、印刷物を直接市民センターに運んでもらうことになっているのけれど、自分は間に合わないのでその立ち合いをお願いします」なんて電話が入ったりしました。ですから、車は駐車場に入れず、路上に止めておいて、その受取場所に向かったのですが、そこには誰もいませんでした。そこは、楽器をトラックに積む場所で、トラックは来てましたが、まだ誰もいませんでした。でも、すぐに上から楽器を入れたエレベーターが着いて、ぞろぞろと打楽器のメンバーなどが現れましたよ。もうすでに作業を始めていたのですね。その印刷物も、すでに、ホールまで運んであったのでした。
 そんなわけで、かなりごたごたしましたが、けっこうたくさんの人がいたので雨にもかかわらず、積み込みはすぐに終わったようです。
 ここまでそろえば、もう本番モードに突入ですね。あと1カ月、その間に、コロナの感染状況はどうなっているのか、それは誰にも分かりません。なにしろ、これまでに2回、ギリギリになって演奏会を中止することが決まり、あたふたしていたのですから、もう何が起ころうとそれに対処できるだけの心の準備は出来ているはずです。
Aventure Number : 3481 date : 2021/10/1


今日の禁断 ノート


 ニューフィルにとっても私にとっても処女地である白石ホワイトキューブに行ってきました。白石市というのは、宮城県の南端で、福島県に接しているということを、今回地図を見て初めて知りました。この間まで毎年行っていた角田市の西側、内陸部で、蔵王町に接しています。新幹線で東京から来ると、宮城県に入ってすぐの駅が「白石蔵王」、その次が仙台です。ホワイトキューブは、この新幹線の駅のすぐそばです。さらに、仙台からは14分で到着しますから、地下鉄よりも「近い」所にあるのですね。ですから、今回は新幹線を使ってやってきた人もたくさんいたようです。ただ、料金が片道3000円以上かかります。それと、この駅に停まる新幹線は1時間に1本しかありません。
 私としては、出来れば車で行きたいので、とりあえず通り慣れたバイパス経由で行ってみることにしました。ただ、途中の大河原までは行ったことがありますが、そこまでで1時間ぐらいかかっていたので、白石までだったら渋滞も考慮して2時間は見ておかなければいけないでしょう。ということで、きのうは、土曜日の恒例行事のパン屋巡りを早めに済ませて、11時20分に自宅を出ました。でも、予想通り市内はかなりの渋滞、バイパスも、名取までは全然進まない状態でした。大河原の先はまだ通ったことがなかったので、周りの景色を見ながら走ります。白石が近くなると「蔵王」などという文字が多く見られるようになって、それこそ「蔵王エコーライン入り口」なんてのもありましたね。大昔に、そんな道を通った覚えがありますが、そのころはこんなバイパスなんかはありませんでしたね。
 しかし、やはり、遠かったですね。結局2時間かかってホールにたどり着いた時は、もうぐったりでした。
 これがそのホール。手前のガラス張りの部分がホールで、奥の部分が体育館(アリーナ)のようですね。なぜか、ガラスの内側にはブラインドがかかっていたので、近くで見てみようと思ったこんな(↓)ナマズの口みたいなものが何なのかは分かりませんでした。
 ホールは座席が600という、中ホールでした。でも、ステージの奥にはオルガンがあります。
 パイプがむき出しになった斬新なデザインのオルガンですね。真ん中の部分はスウェルになっているようですね。コンソールは覆いがかけられて後ろにありました。ステージも、何とか全員が乗れるぐらいには広かったです。ただ、気になるのは客席。なんだか、背もたれがないように見えますね。
 実は、背もたれは透明なアクリル板で出来ていました。これも斬新。まあ、音響的にもこれだと音を吸いませんからメリットがあるのかも。
 でも、この客席はワンフロアで、かなり傾斜が急で後ろが高くなっています。
 ステージから見るとこんな感じ。ですから、お客さんが全部座っていれば問題はないのでしょうが、後ろの方に一人だけで、ミニスカートをはいた人が座っていたら、もろにその中が見えてしまいますね。設計した人は、そんな危ないことになるとは考えなかったのでしょうか。いや、分かっていてやっていたりして。
 さっきの「ナマズ」は、ホールの客席を出てすぐのところにありました。これはいったいなんなのでしょう。
 どうやら、長い通路があるようですね。その先まで行って、中をのぞいてみました。
 奥の部屋には鍵がかかっていて、その中は、かつてはレストランだったのかもしれないような空間でした。ここは今も使われているのでしょうか。休憩時間にワインを飲む、なんてことが出来るばしょだったりしたら、とてもおしゃれなホールですね。でも、なんか、この建物自体が、全体的にあまりにデザインが先行していて、使う人のことはあまり考えてはいないような気がします。金沢で見た醜悪な現代美術館のことを思い出しました。
 でも、ホールの音響はなかなかいい感じでしたね。ステージの音が気持ちよく跳ね返ってきて、気持ちがよかったです。もしかしたら、最近リニューアルが終わった仙台の、これより少し広いホールよりもずっといい音なのではないか、という気がします。少なくとも、あのホールでオーケストラを聴きたいとは思いませんからね。
 きのうの帰りは、夜中だったので、1時間半で戻ってこれました。そして、今朝もさすがに休日の朝なので道はすいていて、そのぐらいで来れましたね。でも、さすがに、帰りは午後ですから、絶対に渋滞はあるはずなので、高速を使ってみることにしました。このところ、高速を使うことがなかったので、本当に久しぶり、今の車になってからは初めてのことになります。
 何しろ、高速と言えば「あおり」とかで危ないところ、というイメージが強いので、ちょっと怖かったのですが、道はすいていて、ドライバーたちのマナーもきちんとしていて、とても走りやすかったですね。たまに追い越し車線を走ってみると、私の車のe-powerの威力がもろにはっきりします。何しろ加速がとても素早いので、余裕で追い越しが出来てしまうのですよ。普段走る時の倍以上の速度が出ても、音は静かですから、そんなに速度が上がっていることも気づかないほどです。
 結局、1時間もしないで自宅に着いてしまいました。料金は1060円。これだったら、また行ってみてもいいですね。
Aventure Number : 3482 date : 2021/10/3


今日の禁断 トートー


 「大規模修繕」のために丸1年間休館していた旭ヶ丘の青年文化センターが、今月初めに再オープンしました。ここは、コンサートホールなどがあり、交流ホールというところではニューフィルの練習も行っていましたから、なにかと便利になります。何よりも、ここの地下駐車場は、旭ヶ丘近辺ではもっとも料金が安いので、助かります。なんたって、1時間100円ですからね。
 ということで、きのうのニューフィルの練習の時にも、1年ぶりにその駐車場を使うことになりました。まずは、入り口の「空車」の表示が、前よりも明るくなっていたと感じたのは、気のせいでしょうか。中に入ってみると、なんか感じが違います。床の塗装が少し変わったようで、あまりタイヤの音がうるさくなくなってましたね。もっと変わったのが、入り口付近の駐車スペース。
 奥の部分が、一般車から車椅子専用に変わってましたね。その分、収納台数は減ってます。
 そして、画期的なのが、中に入るドアが自動化されたことです。前のドアは、とても重たく、片方にしか開かなかったので、車椅子の人が自分で通ることは出来ませんでしたから、これが普通の姿、ということになるでしょうね。もちろん、健常者でも荷物を抱えて通る時には助かります。
 その先のパフォーマンス広場では、前と同じようにサックスなどを練習している人たちがたくさんいましたね。そこは、特に変わったところはなかったような気がします。
 ところが、その裏のトイレに行ったら、まるで別世界。これまでは、いかにも「便所」という、薄汚れたスペースだったものが、いったいこれはどこのショッピングセンターなのか、と思ってしまえるほどの変わりようです。左にある「手荷物はこちらに」という木製の台だけは、昔のままだったでしょうか。
 便器も増えたようですね。左にもう一つあります。
 そして、個室も2つに増えて、当然洋式、さらに「ウォシュレット」が付いています。完璧ですね。
 というか、やっと当たり前の姿になったな、というだけのことなのでしょう。
 でも、残念なところもありますね。だいぶ前に、外壁のタイルがまだらになっていることを指摘したことがありますが、今回、改修工事の詳細を見てみたら、そのタイルは「劣化していたものを交換した」というのですよね。交換した時に色が全然違っていたことには気が付かなかったのでしょうか。
 あとは、改修前に、ここは絶対に直っているだろうな、と思っていたところが、見事に手つかずでした。それは、駐車場から階段で外に出る時の出口の取っ手。
 どう見ても、内側の取っ手が下に曲がってますよね。こんなの、私にだって直せますよ。
 それと、このホールのサイトを見ていたら、排水管が破損したので、今は使えなくなっているトイレが何ヶ所かあるんですって。唖然としましたね。何のための改修工事だったのでしょう。
 そもそも、30年前にこんな800人しか入らない中途半端なコンサートホールが出来た時から、この施設には裏切られっぱなしでした。ここで、フル編成のオーケストラを聴いて満足したことはありません。(来春は、ここでニューフィルが演奏するんですけどね。)そういえば、新しい音楽ホールの話は、いったいどうなったのでしょう?
Aventure Number : 3483 date : 2021/10/6


今日の禁断 ガルニエ


 今から18年前、2003年にこんな本を読んでいました。
 タイトルは「癒しの楽器 パイプオルガンと政治」(文春新書298)、公共施設にパイプオルガンを導入する際の政治的な駆け引き、さらに、導入後にその楽器がどのように使われているかという実態を生々しく綴ったドキュメンタリーです。
 著者は草野厚さん。現在は慶應義塾大学名誉教授、政治学者として有名な方で、当時はテレビのワイドショーなどにも出演されていました。実は彼は芸大の指揮科を受験したこともあるという(事実、最後の2人まで残ったそうで、その時の合格者が小泉和裕)ほどの音楽好き、というか、音楽のことがよくわかっている人なので、ここでは非常に具体性に富んだ議論を展開してくれています。パイプオルガンを自分で演奏することもあるといいますし。ですから、いわば、「ハコモノ」行政に関する告発本という、どこにでもありそうなものが、彼の楽器に対する愛情のお陰で、ちょっと毛色の変わった仕上がりになっています。なにしろ、草野さんは、実際にホールにあるオルガンを弾かせてもらうことによって、管理者の楽器に対する思惑を探り取るという、彼にしか出来ないような深みのあるルポルタージュを試みているのですから。
 そのおかげで、私のようにちょっと音楽や楽器のことにはうるさい人間に対しても、かなりの説得力を持つ内容となりました。公共の施設に設置されたものの、殆ど使われることなく無駄に遊んでいるオルガンに対して、単に税金の無駄遣いと決め付けるのではなく、もっと開かれたものとして住民が触れられるようになって欲しいという視点には、好感が持てます。
 そこで、なぜか引き合いに出されていたのが白石と中新田という宮城県勢でした。確かに、どちらの自治体にもオルガン付きの公共ホールがありますね。特に、白石の場合、アドバイザーとしてビルダー(オルガン製作者)の選定からホールの設計までにも深くかかわっていた三枝成彰氏が、開館後はコンサートの企画などで多額の利益(年間7000万!)を得ていたという事実は、この方とまんざら無関係ではなかったものとしては興味深いことです。確かに、開館当時は三枝氏は頻繁にこのホールで自ら主催するコンサート(MCとして参加)を行っていたようですね。
 最近、そのホールを実際に使うという機会がありました。そこに入ってみると、まさに三枝氏の趣味でしょうか、普通のコンサートホールではありえないようなとてもユニークな造りになっていました。まず、壁面は全てガラス張り、その時はそこにシャッターが下りていましたが、本来ならそのまま素通しに外が見えるようになっているのでしょう。さらに、座席が透明のアクリル板で出来ています。もちろん、そのままではいかにも座りづらいでしょうから、座布団が敷いてあります。ただ、背もたれも透明なので、お客さんが少ない時はステージからはそのお客さんの足元が丸見えになります(それも三枝氏の目論見?)。おかげで、残響時間だけはとても長い、響きのよいホールにはなっていました。
 ロビーにはこんな球形のオブジェのようなものがありました。まるで現代美術館かと思えるような風景ですが、そこは本来は「ティールーム」として、おそらく開演前や休憩時間に飲み物や軽食を提供する場だったのでしょう。でも、今ではそこが本来の用途で使われているとは思えません。ネットで色々調べたのですが、この中で撮ったと思われる写真は1枚も見つかりませんでしたよ。
 著者がこれを見たら、どのように感じるでしょうね。
久しぶりに再読したら、盛岡での新しいホールのオルガン選定の経緯が述べられた部分で、当時は全くご縁はなかったのに、現在は実際に指導を受けていた、ぐらいの薄〜い縁のある方の名前があることに気づきました。そこでは、その方が委員長を務める選定委員会で、地元のオルガニストの意見は、当時は芸大の助教授だった鈴木雅明氏の独断(彼とは昵懇の東京芸術劇場の欠陥オルガンを作ったビルダーを強引に推薦)の前では全く無力だった様子が、生々しく語られています。
Aventure Number : 3484 date : 2021/10/8


今日の禁断 ツタヤ


 この「禁断あばんちゅうる」は、基本的には2日分しか公開はせず、それを過ぎたらパスワードが必要な「ばっくなんばあ」というページに移行することになっていました。時には過激なことも書いたりするので、それを「隠す」ための措置だったのですが、最近は書いたものは全てブログにそのまま転載しているので、そんな事は全く意味がなくなっています。でも、いまさら手直しするのも面倒くさいので、ずっとそのままになっていました。
 それが、前回の「禁断」のように、多分に「おやぢ化」したようなものが出てくると、それを「おやぢ」のインデックスからリンクした場合に、そこだけパスワードが必要になってしまうので、やっとそのパスワードを外す作業を行うことにしました。まあ、操作自体はサーバーからフォルダーのパスワードを削除するだけなのでいとも簡単なことなのですが。
 ということで、2002年からの「日記」が全て読めるようになりました。まず必要はないでしょうが。
 ところで、きのうスーパーに行ったついでに本屋さんに行ったら、こんな表紙の雑誌に目が留まりました。
 この、マッチ箱のコレクション、最近別のところで見たような気がしました。Facebookのお友達で、こういうコレクションを持ってらっしゃる方がいたのですよ。ですから、もしかしたらその方が載っているのでは、と、立ち読みを始めました。結局、それは別の、さる喫茶店のものだったのですが、この特集では仙台の昔ながらのお店が紹介されていて、その中には本屋さんもありました。そうしたら、そこに、よく知っているお店があったではありませんか。それは、ニューフィルの団員のMさんのお店だったのですよ。
 こんな風に、1ページ全部がそのお店の特集でした。これで、次号の「かいほうげん」のネタが出来ました。
 さっそく1冊お買い上げ、丁寧に読んでみると、この雑誌には、この特集にリンクして、昔の仙台市の写真集の宣伝がありました。「在庫僅少」なんてありますから、急遽今日同じ本屋さんに行ったら1冊だけあったので、買ってきましたよ。
 この表紙は宮城県庁ですね。いやあ、ほとんどはどこかで見たことがある写真ですが、これだけ集められたのはちょっと感動ものです。
 これは、昭和33年の青葉通りです。車が少ないですね。右にあるのが「大映」のマークですが、今の読売ビルの場所には大映系の「仙都劇場」という映画館がありました。
 これは広瀬通だそうです。この頃は、真ん中に中央分離帯があるのではなく、道路の端に、こんな分離帯が所々にある、という構造でした。つまり、路線バスは普段は道路の真ん中を走っているのですが、バス停になると、こちらの車線に入ってくるのですよ。自転車なんかはこの分離帯の縁を走っていましたね。
 実は、私も、高校時代は北山の実家から連坊小路の高校まで、自転車で通っていました。その経路は、この広瀬通やさっきの青葉通りと直交している東二番丁、そこもこんなレーン構成になっていたので、ここを走っていました。
 雨が降るとバスを使いましたが、当時は乗り換えなしで行ける路線がありましたね。北山と子平町(かつては半子町)から始まって薬師堂と南小泉まで、途中で仙台駅を経由して走ってました。
 しかし、こんな写真を見ていると、そのあまりの変わりようには驚きとともに、なにもここまで変えなくても、という「怒り」も湧いてきます。進歩することが幸福につながるというのは、ただの迷信に過ぎないことはもはや常識です。
Aventure Number : 3485 date : 2021/10/10


今日の禁断 ニフレック


 また、そろそろ大腸の検査をしなければいけない時期になってきました。初めてこの検査を受けたのは5年前でしたね。市の検査で検便の結果が悪かったので、病院で検査を受けてくれと言われ、初めてこの大腸内視鏡検査を受けました。やはりその時は大量のポリープが見つかって、すべて除去していましたね。ただ、それは後で写真を見せられて分かったことで、その検査の間はずっと眠っていたので、その切除作業を見ることは出来ませんでした。その前には、ものすごく痛いものだと言われていたので、一応安定剤を打ってもらったら、本当に寝ている間に終わってしまったのですね。
 それからは、定期的に検査をして、そこでまた新しいポリープが見つかれば切除する、ということだったのですが、それから2回受けていても、なかなかその現場に立ち会うことができませんでした。というのも、あとで写真を見て、これは絶対生で見ておくべきだと思って、2回目以降はしっかり検査の模様を見るために安定剤を使わないことにしていた(全然痛くありませんでした)のに、結局取らなければいけないほどのポリープは見つからなかったのですね。
 そこで、4回目となる検査の予約に、昨日行ってきました。色々準備があるので、行ってそのまま受ける、という訳にはいかないのですね。出来れば、日曜日にその「準備」をして、月曜日に受けたかったのですが、それだと最も近いのが11月1日でした。いくらなんでも、指揮練と本番前の間はちょっと無理なので、その次の週にすることにしましたよ。今度こそ、その切除の「現場」を見てみたいものです。この間は、画面に卵の黄身のようなものがたくさん見えたので、きいてみたら、それは便でした。とてもまずい薬を飲まされてきれいにしても、このぐらいは残ってしまうのだそうです。
 「黄身」で思い出したのですが、しばらく前からとても気になって仕方がないのが、この「きみ」です。と言っても卵ではなく、歌の歌詞のなかにでてくる「きみ」ですね。我々の世代では、「きみ」と言えば男性が相手に対して使う言葉だと、普通は思われていました。仮に女性が男性にでも女性にでも「きみ」と使ったりすれば、それはかなり勇敢なイメージを持たれてしまったことでしょうね。少なくとも、年上に対しては絶対に使うことはなかったはずです。
 それが、今の歌の世界では、女性が歌う時に男性を呼ぶ言葉は、ほぼ100パーセント「きみ」になっているのではないでしょうか。なにしろ、「君といつまでも」とか「君は天然色」を聴いて育った世代ですから、これには強烈な違和感があります。ほんと、いくらメロディやコード進行が斬新でいいな、と思っても、この「きみ」が出てきた瞬間、その曲は「駄作」の烙印を押され、私のレコメンドからは完全に外されてしまうことになってますから、ご用心。
 いや、たとえば、あいみょんの「君はロックを聴かない」などは、歌い手が男性という設定ですからいいんですけどね(最初は、男が歌っているのだと思ってました)。それは、自分のことを「僕」と言っているからです。
 ところが、中には女性が自分のことを「僕」と言っている歌詞にも、たまにお目にかかれるのですよ。もう最悪ですね。なんたって、日本で一番ヒットしている歌では、きちんと「君」は男性に限ると、タイトルで示しているのですからね。それは、「君が代」という曲です。
Aventure Number : 3486 date : 2021/10/13


今日の禁断 マーラー


 ニューフィルの来年の春の定期演奏会の全部の曲目が決まりました。秋の演奏会だって、本当にやれるのかどうかわからないというのにその先のことなんて、というのは当然の疑問ですが、一応オーケストラのスケジュールとして、今の時期に半年前のレパートリーが決まっていないことには、今後の活動が出来なくなることになってしまうのですよ。もちろん、それは、あくまで「コロナ」のような天変地異が起こらないときに限ってのことなのです。つい最近、そのようにして前もって曲目を予定して、パート譜まで配った時点で、それは白紙撤回、ということになったこともありましたからね。
 ですから、この先何が起こるかわからないけれど、とりあえず先に進むことだけは忘れないようにしよう、という姿勢の現れだ、ということで、温かく見守っていただければ幸いです。
 いずれにしても、その来春の曲目については、いつものように団員の希望を集約して指揮者に諮るというやり方を取っていたのですが、その「集約」のための対面の会議を、このご時世では開くことができませんでした。そこで、メインの曲だけは決めて、そこに、残った希望曲から本当に大雑把にリモート会議でいくらか減らした後、その20曲ほどを指揮者に丸投げして、プログラムを決めていただこう、という方式をとっていました。
 しかし、その返事はなかなか来なかったようです。しばらく経って来たお返事では、しっかりそのほとんどの曲を使った組み合わせが10種類ほど挙げられていました。なかなか、曲を削ることは難しかったのでしょうね。結局、最後はその10組の中から、多数決で1つが選ばれた、ということになりますね。
 そして、その結果を指揮者に送って、使う楽譜などのことが最終的に決まったということで、ついさっきその連絡が入りました。これが、その決定曲目です。
フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」序曲(カルムス版)
ベートーヴェン:交響曲第2番(ベーレンライター版)
ブラームス:交響曲第2番(ブライトコプフ新版)
 ブラームスの場合、以前新田さんと演奏した時にはヘンレ版を使われたので、そのスコアは持っていたのですが、ブライトコプフ新版というのは意外でした。さっそくポケットスコアをAmazonに注文、明後日には入手できます。パート譜はブライトコプフの旧版を使うようですから、早速チェックしておかなければ。ただ、おそらく、これはヘンレ版と全く同じ物のような気がします。それを確かめるためにも、現物を見てみないことには。
 フンパーディンクでは、「カルムス版」というのはそもそもほかの出版社からのリプリント(海賊版とも言う)ですから、これしかないのでは仕方がありませんね。ただ、この曲のタイトルについては、一応正確を期したいと思って、IMSLPにあったオイレンブルク版の表紙を見てみました。
 そうしたら、この作品は「Opera」ではなく「Märchenspiel」、つまり「童話劇」なのですね。もっとも、実際の「オペラ」と言われるものにしても、そのタイトルにただ「オペラ」とあることはあまりなく、「オペラ・ブッファ」とか「オペラ・セリア」あるいは「ジンクシュピール」などとさまざまです。たとえば、今やっている「オランダ人」だと「ロマンティック・オペラ」ですからね。つまり、そういう劇音楽を総称して「オペラ」と言っているのですよ。
 でも、楽譜にこう書いてあるのですから、やっぱり「童話劇」を使いたいですよね。
 そして、我々が演奏するのは、その劇が始まる前に演奏される曲です。普通はCDのタイトルなどでは「『ヘンゼルとグレーテル』序曲」とありますね。というか、ついさっきそのように書いていました。ところが、
 スコアの最初には「Vorspiel」とありますね。「序曲」だったら「Ouvertüre」ですから、これは「前奏曲」のことです。「序曲」と「前奏曲」との違いは何か、という議論もあろうことかと思いますが、一応作曲家がこのように書いているのですから、ここは「前奏曲」にしませんか?
 ということで、ニューフィルの公式サイトにアップされたタイトルは「童話劇『ヘンゼルとグレーテル』前奏曲」になっています。これをチラシやポスターに使うかどうかは、私にはわかりません。まあ、ほかの曲ではしっかり原典版の楽譜を使うのですから、これもそのぐらいのこだわりは欲しいですね。
Aventure Number : 3487 date : 2021/10/15


今日の禁断 ウアテクスト


 前回の「禁断」で、ブラームスの交響曲第2番は「ブライトコプフ新版」を使うということだったので、Amazonにそのスタディスコアを注文した、と書きました。それがもう届きましたよ。
 さっそく、かつて2006年に新田さんとこの曲を演奏した時に作ったこちらのチェックポイントをチェックです。つまり、その時に使った
 このヘンレ版との比較です。こちらは2001年に出版されています。
 その前に、今回購入したブライトコプフ版の厚さが、ずいぶん薄いのが気になります。たった74ページしかありません。それに比べてヘンレ版は216ページもあります。3倍ですね。これは、ヘンレ版はスコアのサイズが小さいのに合わせて、楽譜は全ページ1段組で、とても音符が大きくて見やすいのですが、ブライトコプフ版では、同じサイズのところに、なんと全ページ2段組になって収められているからなのです。これは、ちょっと前のベートーヴェンの交響曲でも同じようなことをやっていましたね。つまり、大判の指揮者用スコアを、そのまま縮小して印刷しているので、そのような小さな音符になってしまっているのです。そうなると、1ページあたりの小節数もほぼ1.5倍になりますから、ページ数は1/3になるのです。
 ところが、その中身は、前回は「『ブライトコプフ新版』は『ヘンレ版』と同じ物」、と書いていたのですが、実際にチェックしてみると全然違います。というか、この「新版」は、今までどこでも見られた「旧版」と同じなのではないか、と思われるのですよ。実際、これの校訂者はハンス・ガル、それに対してヘンレ版の校訂者はロベルト・パスカルとミヒャエル・シュトゥルックという人なのですよ。実は、ハンス・ガルさんは、その「旧版」である、1920年代に作られたブラームス旧全集の校訂者だったのです。
 右下に「Urtext(原典版)」という表記があるのですが、それは100年近く前の原典版、とても21世紀に通用するものではありませんでした。
 確かに、「ブライトコプフ新版」というものは存在します。これはスタディスコアではなく、指揮者用スコアです。
 こちらは、かなり大きく「Urtext」の文字が見えますね。そしてページを開くと、
 タイトルの脇に見える校訂者の名前は、先ほどのヘンレ版の校訂者ではありませんか。
 さらに、ページの下には、
 ですって。
 つまり、このスコアは、ヘンレで作られたスタディスコアを、楽譜のテキストはそのままで2段組にして、大きなサイズの指揮者用のスコアにしたものなのですよ。これが出版されたのは2008年ですから、新田さんとニューフィルが演奏した2006年にはまだなかったのですね。
 実態はどのような取引が行われたのかはよくわかりませんが、これがブライトコプフのサイトにある「公式見解」です。これに沿って、スタディスコアはヘンレから出版、指揮者用スコアとパート譜はブライトコプフから出版という「棲み分け」が行われているのです。当然、この全集によるスタディスコアは、ブライトコプフには存在しません。あるのは、旧全集の「縮刷版」だけなのです。
 ブライトコプフでは、これと全く同じ出版方式が、ブラームスだけではなく、ベートーヴェンでもとられています。ただ、ベートーヴェンの場合には、ブライトコプフには、それとは別にかつてのペータース版のテキストを流用した「ブライトコプフ新版」がありますから、そちらは全てのマテリアルが揃っています(だから、スタディスコアの音符はものすごく小さくなっています)。ですから、ベートーヴェンに関しては指揮者用のスコアでは「ブライトコプフ新版によるブライトコプフ版」と、「ヘンレ版によるブライトコプフ版」があるのです。すっごくややこしいですね。
Aventure Number : 3488 date : 2021/10/17


今日の禁断 アスタリスク


 ブラームスの交響曲第2番の楽譜についての続きです。前回の「禁断」のあと、指揮者に連絡を取っていただいたら、即座に「ヘンレ版でお願いします」という返事が来たというので、私は焦ってしまいました。そんなにすぐは返事は来ないはずだから、「正誤表」の発行は来週あたりだろうと踏んでいたのですが、それをあと1日で仕上げなければいけなくなってしまいましたよ。
 まあ、こんなこともあろうかと、私は指揮者の楽譜がヘンレ版だと推測できた時点で、作業を始めていました。つまり、15年前に使った「正誤表」をそのまま手直しして使おうと、そのファイルを探し出してあったのですね。ところが、その当時の「かいほうげん」も一緒に見直してみたら、それは4ページ見開きの「号外」として出ていたのですが、その後にさらに相違点が見つかったので、その「正誤表」の「正誤表」を、号外の次の「かいほうげん」に載せていたのですね。だったら、それをそのまま使うわけにはいきません。
 しかも、その最初のものは、ヘンレ版のスコアには、それまでのブライトコプフ旧版と異なっているテキストには親切に「*」のマークが付けられていたので、それをまず載せて、そのあと、もう1度双方を私が見直して、さらに見つけた違いを載せる、ということをやっていました。ですから、そもそもスコアの順番どおりではなかったのですね。
 ということで、まずは、その配列を入れ替える、ということから作業を始めなければいけませんでした。実際には、印刷用のワードファイルではなく、それをWebにアップしたこちらからテキストを拾いましたから、それほど手間はかかりませんでしたけどね。
 ただ、今になってその昔のものを見直してみると、楽譜の画像があまりにもいい加減でした。たぶん、当時はあまり時間がなかったので適当なことをやっていたのでしょうが、スコアからスキャンしたものをそのまま切り取っただけ、という、かなりみっともないものでした。今の私としては、こんなものは私のスタンダードには到底達していないものばかりですから、この際、全部作り直すことにしました。さいわい、もとになったスキャンの画像は全部そろっていたので、それを使って、きれいに「清書」しましたよ。たとえば、
 こういう、2ページにわたってスキャンしたことがバレバレのものは、
 このようにつなげました。
 それと、今回入手したハンス・ガル校訂とされているブライトコプフ旧版のスタディスコアでこのリストの確認をしてみたら、以前音友版の昔のスコアをつかって参照していて、ヘンレ版と違っていた部分が、ハンス・ガル版では違っていなかった、というところが数か所見つかってしまいました。つまり、音友版を作るときにすでにハンス・ガル版を間違って写していたのですね。ですから、今の音友版では、そこは違っていないはずなので、それらは外しました。
 そんなことをやっていたので、結局全部の作業を終えて印刷をしたのはきのうになってからでした。それを、きのうパート譜と一緒に配ったのですが、団長はそれを「昔新田さんが使ったときのものを引っ張り出してもらいました」と、さも私が以前のものをそのまま印刷したかのように説明していましたね。まあ、見てもらえばそうでないことはすぐにわかるはずですから、いいんですけどね。もし、どなたか、これからヘンレ版でブラ2を演奏されるようなことがあれば、こちらを参考にしてみてください。
 ちなみに、ヘンレ版のスタディスコアは、ブライトコプフ旧版より1000円ぐらい高いですね。
Aventure Number : 3489 date : 2021/10/20


今日の禁断 ブレーキ


 きのうのニュースで、「宮城県が4位になりました」というのがありました。さらに、「昨年は最下位でした」というコメントも続きます。なんか、すごいですね、全国の都道府県の中の最下位ということは47位、それがいきなり4位になるなんて、普通はあり得ません。合唱コンクールだったら、県大会で敗退していた団体が、いきなり全国大会に進んで金賞を取った、ぐらいのことなのですからね。
 それは何かというと、JAF(日本自動車連盟)が毎年調査を行ってその結果を公表している「信号機のない横断歩道における車の一時停止率」という統計で、都道府県別のランキングがあるのですが、そこで宮城県は昨年の5.7%から今年は51.4%になった結果、順位が47位から4位に上昇した、ということなのです。まあ、順位もすごいですが、数値がほぼ9倍というのも、相当なものですね。
 そのサイトから、全国のパーセンテージの比較です。
 50%以上の県は5つしかありませんが、3位の山梨県は51.9%、5位の石川県は50.7&と僅差ですから、宮城県はほぼ3位といえなくもないですね。
 ついでに、去年のグラフ。
 これを見ると、全体的に今年は去年より上がっているようですね。実際、全国平均は21.3%から30.6%に上がっています。そして、ここと見比べると、宮城県だけ伸びが突出していますね。逆に、去年4位だった新潟県は大幅に落ち込んでいます。そして、ここでは宮城県を含めて3つの県が10%を下回っていたのですが、今年は最低の岡山県でも10.3%になっています。
 まあ、確かに、毎日運転していると、実感として横断歩道の前で止まる車は目に見えて多くなっていることが分かります。もちろん、私はだいぶ前から意識して止まるようにしていたのですが、そんな私でもまだ渡る気配がないような人が立っていると止まらないでしまうところで、後ろから来た車が止まっていたりして、ちょっとそれはやりすぎだろう、と思ったりすることも度々ですからね。でも、交通安全に関しては、そのぐらいの注意深さは必要でしょうね。
 というか、そもそもこれは法令で「止まらなければいけない」と定められていますし、ドライバーだったら免許更新の時の講習会でそのことを叩き込まれるはずなのですから、本当は全ての県で100%を達成しなければいけないことなのですよ。こうなったら、宮城県は100%を目指して頑張ってもらいたいものですね。
 ただ、自動車の場合は、そういう場所で「やってはいけない」ことを知ることができますが、自転車に乗っている人はそういう機会がないので、平気でその「やってはいけない」ことをやってます。その最たるものが「逆走」です。かつては、歩道のない道路では路側帯も歩道とみなされて、自転車はそこをどちらの方向にも走れたのですが、最近は法令が変わって、路側帯でも自転車は左端を走ることが義務付けられています。これは当然のことですよね。狭い道では、車も路側帯の中を走ることもありますから、そこを自転車が向かい側から走ってきたらぶつかるに決まってます。この間も、実際に他の車が自転車にぶつかりそうになった現場を目撃したことがあります。でも、その時に自転車に乗っていた人は、逆に車をにらみつけていましたから、自分が「やってはいけない」ことをやっているという自覚が全くなかったのでしょうね。それを教わっていないのですから、当たり前の話です。
 もう一つ怖いのは、やはり義務付けられている、自転車が横断歩道を渡る際の一時停止が、完璧に守られていないということです。つまり、左折する車は、横断歩道で一時停止をするのは当たり前ですが、そこに全くスピードを落とさずに突っ込んでくる自転車の多いこと。私は、そういう時に一時停止をしている自転車を見たことがありません。これも、彼らがそれを知らないからです。怖いですね。
Aventure Number : 3490 date : 2021/10/22


今日の禁断 オリンピック


 最近、「マリトッツォ」って、あまり見かけないようになってませんか?私が毎週必ず行っている2軒のパン屋さんでは、両方とも、ちょっと前までは大々的にこの「パン」をディスプレイしていたのですが、おととい行った時にはどちらのお店にも全く見当たりませんでした。
 この、パンにクリームを挟んだだけという芸のないスイーツは、ひところはものすごい勢いでケーキ屋さんやパン屋さんの店頭をにぎわしていましたね。というか、本当はしっかりとしたレシピがあるのでしょうが、どうも、どこのお店でもほかのところで出しているので、自分のところでも適当に作れば売れるだろう、ぐらいの軽い気持ちで作っているのがミエミエなんですよね。私もいくつか食べてはみましたが、この、無駄に量の多いクリームが邪魔でしょうがありませんでした。ですから、これはもう早晩廃れるだろうな、と思っていましたよ。どうやら、その予想は当たってしまったようですね。というか、いくらブームはいずれ去るものだとしても、これではあまりにも短すぎませんか。あのしょうもないタピオカだって、もうちょっともっていたはずなのに。
 感染症だって、言ってみれば「ブーム」なんですから、いずれは廃れます。コロナも、とりあえず大ブームは去ったような昨今ですね。となると、ブームの常で、その渦中ではあれだけ盛り上がっていたものが、今ではすっかり騒がれなくなっているような気がするのは、単なる錯覚でしょうか。そのブームを思い切り盛り上げた「政治家」や「イベント」も、今となってはもはや糾弾の対象ではなくなっているのは、まさにブームのブームたる所以です。
 たまたま、そんな時期に行われることになったのが、今回の県知事と衆議院議員の選挙です。本当に、「ブーム」が去った今となっては、もはや当時の関係者の「悪行」も記憶からは薄れているでしょうから、いつも通りの出来レースで終わってしまうのでしょうね。
 私は、投票日にはニューフィルの指揮者練習が朝からあるので、期日前投票に行ってきました。駅前のアエルの5階が会場だというので、いつものヨドバシの広い駐車場に車を駐めようと思ったら、そこはいつの間にか工事が始まっていて、閉鎖されていました。
 これは、ちょっと前に撮られたネットでの写真ですが、この頃はまだ一部は駐車場が残っていたものが、今日は全部使えなくなっていましたよ。仕方がないので、お店の隣の駐車ビルに駐めました。なんでも、この敷地一杯にヨドバシの高層ビルが建つのだそうですね。その中にはコンサートホールもできるようなことを、大昔に聞いたことがあったのですが、もちろんそれはガセだったのでしょうね。
 そこから歩いてアエルに行って、無事投票を済ませました。終わって出てくると、「仙台放送ですが、出口調査をお願いできませんか?」と、女性の記者さんが詰め寄ってきたのですが、あいにく急いでいたのでパスです。あんな風にして出口調査をやってるんですね。その結果が結構当たっているので、きっとみんなは正直に答えているのでしょうね。私は常々機会があれば、思いっきりうそっぱりの答えをしてやろうと思っていましたから、時間がなかったのがとても残念です。
Aventure Number : 3491 date : 2021/10/24


今日の禁断 ゴディヴァ


 何回か書いている銀行ネタ、今回銀行で待っている間に流れていたのは、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」の第2楽章でした。これは、まず、絶対にパユはないな、というしっかり中身の詰まった音でしたが、かといってゴールウェイほどの歌心はないので、誰なのだと思ったら、
 シュルツでした。納得です。オケはウィーン・フィルでしょうね。しかし、ここに来るたびにBGMではフルートの曲が鳴っていてそれが毎回別のフルーティストだというのですから、すごいと思いませんか?
 もちろん、町内会の送金のために来たのですが、ついでに、手持ちの小銭も少なくなっていたので両替をしようと思って、「両替機」の前に行ってみました。そうしたら、スタートボタンを押すと「手数料は200円です」という表示が出ましたよ。びっくりしましたね。別のお店でこの機械を使ったのはもうだいぶ昔のことですが、その時は手数料なんか取られませんでしたよ。あとでサイトで確かめたら、窓口だと20枚までは無料なんですって。それもおかしいですよね。送金手数料などは窓口よりATMの方が安いのですから、両替だって同じことでしょうに。いずれにしても、そんな理不尽なお金は払いたくありませんから、普通にお店で買い物をしたときにお釣りをもらって両替することにしましたよ。本当に、銀行に来ると毎回不愉快な思いをするのですから、いやになります。
 それはきのうのこと、今日になったら、ちょっとうれしいことがありました。職場でちょっと眠気がさしたのでうとうとしていたら、急に携帯に電話がかかってきました。見ると、それはだいぶ前に退団したニューフィルの団員でした。出てみると、今ここに来ているので会えませんか、ということでした。それで外に出てみると、その人が立ってました。もう何年ぶりでしょう。この近くにお住まいなので、ちょっと来てみた、というのですが、実は仙台を離れてご実家にもどることになった、というので、そのご挨拶にいらっしゃったのだそうです。それで、クッキーなどをいただいて、少し雑談をしてお別れしました。それだけです。べつにお別れのハグもしてません。でも、わざわざ来てくれるなんて、うれしかったですね。
 実は、きのうの練習の時に、この人と親しかった人に、「○ちゃん、ご実家に帰るんだって」と聞いたばかりだったんですよね。懐かしい名前だな、と思った翌日に、ご本人に会えるなんて。この方は、ニューフィルで毎年行っている「たけのこ掘りたいかい?」の第1回目からの常連さんでした。そのころは4、5人しか参加者はいませんでしたが、今では、コロナ禍の前だと40人近く集まるようにまでなってましたからね。感無量です。
 なんでも、もう楽器はやってないのだそうです。ちょっと寂しいですが、また新天地で元気にお過ごしくださいね。
Aventure Number : 3492 date : 2021/10/27


今日の禁断 ホウレンソウ


 何のかんのと言って、もう来週の水曜日(休日)にはニューフィルの本番になってしまいましたよ。おそらく、このまま何事もなく開催できることでしょう。半年間練習してきた成果がやっと皆さんに聴いていただける、ということになりますね。ただ、今回に限っては、途中で緊急事態宣言が出て練習会場が使えなくなったので、その間はお休みしていた時間がありますから、ちょっと練習時間が足らなかったかな、という感じはありますね。
 さらに、指揮者練習も、最初は適度な間隔をおいて行うという日程だったものが、指揮者の都合で1週間ずらさなければいけなくなってしまった結果、後半にまとまって指揮者練習という、ちょっと変な日程になっていました。そして、今回はいつもの土日ではなく、祝日の水曜日が本番になっていたので、土日に指揮者練習をやって、次の水曜日に本番という、これもなかなかないような日程になっています。もちろん、本番の前の日の火曜日には前日練習がありますから、指揮者練習の後1日開けただけで、前日、当日というスケジュールになってしまいました。つまり、明日から5日間は、もろに「本番モード」が続く、ということになります。果たして、その間ずっとテンションを保っていることは出来るのでしょうか。
 実は、もう、私などは今日から本番モードに入っています。というのも、明日の指揮者練習のための楽器の運び出しは、当日は楽器倉庫のある市民センターでワクチン接種が行われるので出来ません。ですから、それを今日の夕方に前倒しして行い、しかも、練習会場は市民センターのお隣の青年文化センターですから、そこまで「人力」運ぶ、という「人海戦術」を取ることになっていたのです。ですから、この間の練習の時には、できるだけたくさんの人の協力がお願いされていましたね。
 もちろん、私は、フルートパートで使っている飛沫防止のためのアクリル板が、しっかり運搬できているかチェックしなければいけませんし、もう一つ心配なことがあったので、これに参加するつもりでした。ですから、さっき、旭ヶ丘まで行ってその作業を手伝ってきましたよ。
 その心配事というのは、パート譜が入っているケースに、ちゃんとフルートのパート譜が入っているか、というチェックでした。というのも、そこには各パートのパート譜がそれぞれ袋に入れられて収納されているのですが、今は使わない楽譜まで一緒に入っているので、もはや収まり切れないほどパンパンに膨れ上がっているのですね。実際、先週は、フルートの袋を出してそこにコピーし終わった今度のパート譜を入れたら、もう中には入らずに上に乗せたままにしておいたので、それがもしかしたらどこかに行ってしまう可能性もあったのですよね。でも、それは、今日行ったら無理やり押し込まれていましたから、まずは一安心です。
 ただ、思っていたより「人力」は足らなかったので、私はまずアクリル板4箱をキャスターに乗せて運んだ後、バス椅子を2個両手に持って歩いていったら、もうそこで力尽きてしまって、収納場所の会議室で楽器の見張りを口実に休んでいましたよ。それでも、30分ぐらいで全作業は完了しましたね。
 私は、駐車場を使ったので何度かこの建物には来ていたのですが、ここが改装後初めて人もいて、「あんだけ時間をかけて工事をしたのに、どこが変わったのでしょうね」と言ってましたね。私は、「トイレしか変わってないですよ」と言ってあげましたよ。
 明日は、その会議室と同じフロアの交流ホールで練習です。それは午後からなので、午前中にはいつものパン屋さんに行くつもりで、すぐに売り切れるパンを電話で予約しておきました。その時に、この頃気に入っているキッシュを予約したら、焼きあがるのが12時過ぎになると言われました。
 これはネットにあった写真で、あまりおいしそうではありませんが、私が食べたのはベーコンとジャガイモが入って本当においしいやつです。なんでも、日によって中身が変わるそうなので、明日ベーコン入りになるかどうかも分からないのだそうです。いずれにしても、それを買って食べてからしか行けませんから、練習には滑り込みになるかもしれませんね。
Aventure Number : 3493 date : 2021/10/29


今日の禁断 ハミングバード


 「本番モード」の前半、指揮者練習が終わりました。きのうと今日の2日間、フルに6時間ずつという、久しぶりにヘビーなスケジュールでした。きのうは、パン屋さんでお目当てのキッシュが12時にならないと焼きあがらないということで、それだとちょっと練習に間に合わないかな、と思っていたのですが、ダメもとで11時頃に行ったらもう出来ていたので、問題は解決です。
 これを半分だけ切って食べた後、会場に向かいます。そこは、丸1年、改修工事のために閉館されていた青年文化センターの交流ホールです。とりあえず、再開してから駐車場だけは使っていたのですが、本格的な施設を使うのはこれが初めてです。
 中の様子はこんな感じで、以前とほとんど変わらないようでした。ただ、床面で、ステージとして使われる部分だけは、色が変わっていましたね。本当はこの部分は「迫(せり)」になっていて、使う時は高くなるのですが、それがだいぶ前から使えなくなっていて、全然ステージとしての機能が生かせなかったのだそうです。そこだけは、きちんと直したようですね。
 ただ、こんなお粗末なことにもなっていました。
 そもそも、再開した時にここのトイレは故障していたのですが、それはすぐに直ったというお知らせは、WEBにありました。そして、きのうは使えていたはずなのに、今日になったらこんな貼り紙があったのですよ。どんだけいい加減な工事だったのでしょうね。
 ですから、ここのトイレには入っていませんが、1階にある別のトイレに行ったら、
 ウォシュレットが、パフォーマンス広場のトイレのように、スイッチ類が便座についているのではなく、リモコンが壁についているというワンランク上のタイプになっていました。ですから、ここは、水も自動で流れるようになってました。
 あとは、きのう楽器を運ぶ時に外から見たレストランの内部が、なんでも業者がかわったそうで、大幅にレイアウトも内装も変わっていたようですね。でも、愚妻によるとこの業者のお店はおいしくないようなので、実際にここで食べることはないでしょうね。ちょっと足を延ばしてT'sまで行けば、数段おいしいパスタが食べられますからね。
 末廣さんは、白石の時と同様、とてもエネルギッシュに、時間をいっぱいに使って濃厚な練習を行ってくださいました。長いお付き合いですから、「忌憚のない」注文がどんどん出されます。真剣にニューフィルの演奏に磨きを入れてくれようとしているのが分かりますから、それはまさに愛の鞭、きっとその成果は、今度の定期では無理でも、もう1年先(来年の秋も末廣さんに決まりました)ぐらいには、実となっていることでしょう。
 なんたって、朝ドラによれば、そのころはコロナは終息しているのだそうですからね。震災からコロナまで、なんとも重苦しいテーマのドラマでした。せめて、あのラストシーンでは、マスクぐらいは着けていてほしかったですね。
Aventure Number : 3494 date : 2021/10/31


今日の禁断 アクリル


 そして、本番でした。9時に集合ということなので、少し早めに会場のイズミティに着いたら、まだ中には入れなくて、結構な数の団員がロビーにたむろしていましたね。1年前も、こんな感じだったでしょうか。やはり本番はなにかとテンションが上がるのでしょうから、スタート時から結構盛り上がっています。
 もうセッティングはきのうのうちに出来上がっているので、9時半にはGPが始まります。そんな合間を見て、私はまずは楽屋に荷物を置いた後、やはりきのうのうちに設置しておいた録音機材の確認です。
 去年いろいろ面倒を見てくれたスタッフさんははいなかったようですが、別の人が、こんな風に録音スペースを用意してくれましたよ。ケーブルのセッティングまでやってくれて、ちょっと調子が狂ってしまいますが、これだったら録音で失敗することはないでしょう。とりあえずGPを録音してみて、休憩時間にここに座ってレベルの確認です。
 そのGPの間に、降り番の人が座席のすべてに、一人置きで座るような表示を付けて回っていました。1500ある座席の半数にこれを設置するのですから、かなり大変な仕事ですが、完全にこんな市松模様が出来ていました。お客さんが入った時も、皆さんきっちりとその間の席に座っていたので、なんだかとてもたくさん人が入っているように見えましたね。あの、○リンピックのメイン会場みたいな、無観客でも人がいるような錯覚ですね。実際は何人入ったのかは、まだ連絡が来てません。
 考えてみれば、末廣さんは我々の前では常にマスクを着けていましたね。それが、本番になったら初めてマスクを外して「素顔」になって現れたので、なんか、別の人のような感じになっていました。口元がとても威厳があるように見えたんですよね。なんか「巨匠」みたいな顔でした。
 今回は全乗りだったので本番の写真は撮ることができないということで、しっかり「助手」を2人お願いして、前半と後半を撮ってもらってました。まだ全部はチェックしてませんが、最後に客席を向いている写真もあったので、それを見ていただければわかるでしょう。私のカメラはバッテリーの消耗が早いので、あまりたくさん撮るとバッテリーを交換しなければいけません。それで、予備のバッテリーをフル充電して、さっきの録音デスクに用意しておきました。案の定、前半で半分近くになっていたので、そこでバッテリーを交換して、最後まできちんと撮ってもらうことが出来ましたよ。
 それの公開は、もう少し時間が必要ですが、録音の方はもうすでにアップしてあります。いつものように、ハイレゾ(24bit/96kHz)で録音したものを、曲(楽章)ごとに分けてURLを掲示板に載せました。あいにく、パスワードがないとここには入れないので、団員限定となります。期間も限定ですから、ダウンロードはお早めに。
 その録音は、まあ、かなりリアルに録れていたので、色々疵が気になりますが、音はかなりグレードが高いです。ただ、去年は低音がなんだかブーストしていたので、マイクのセッティングのせいかな、と思ったのですが、今回もやはり低音がちょっと変な風に膨らんでいるのが気になります。去年のスタッフさんは、「マイクの位置も変えてみますか?」なんて言ってくれたのですけどね。
 そんないろんな仕事があって走り回っていると、必ず足がつる、というのが私の癖でした。去年もそれが起きて、本番中も足が痛くて大変でしたが、最近ラジオで「つま先立ちをするといい」と言っている人がいたので、ちょっとつりそうな気配があった時にそれをやってみたら、今回は何事も起こりませんでした。どうやら、効果があったみたいですね。ですから、演奏が終わったら着替えもそこそこに、いつも使っているシールド板を片付けに行きました。畳み方にコツがあるので、他の人がやると、箱に入らないんですよね。
 今回は、久しぶりにいつも練習の時に出している音がそのまま本番でも出せたような気がします。やっとスタート地点に立てたな、という感じです。
Aventure Number : 3495 date : 2021/11/3


今日の禁断 ウアテクスト


 定期演奏会が終わると、広報係の私としては色々雑用が生じてきます。まずは、ネット関係でのご挨拶と、公式サイトのトップページの更新ですね。それまではそこには演奏会のチラシがアップされていたものを、演奏中の写真に変えなければいけません。そのために、今回は2人の「助手」にとても頑張っていただきました(全部の写真のアップは、まだ時間がかかります)。
 ただ、そこには、演奏会の「成果」として、お客さんに何人入ってもらえたかという数字が必要になっています。普通ですと、それは演奏会が終わった時点で私にわかるようになっているので、すぐにアップできるのすが、今回のように、もしコロナ感染者が出た時のためにと、チケットに個人情報と座席番号を記入していただいて回収する、という手順になっていると、すぐには集計が出来ないので、少し時間が経たないと入場者数の細かい内訳は教えてもらうわけにはいきません。
 前回もそんなシステムだったのですが、その時は担当者からメールが届いていました。ですから、今回もメールで連絡があると思って待っていたのですが、その日のうちには何の連絡もありませんでした。次の日になっても何もなかったので、こちらから連絡したら、「もう掲示板に載ってますよ」ですって。確かに、当日の夜中にそのデータが書き込まれていましたね。まあ、チェックしなかった私がうかつだったのですが、その前に録音データをアップした時にはそんなものはありませんでしたから、ひたすらメールを待っていたのでした。
 ですから、公式サイトの更新は、翌日になってしまいました。すみません。でも、同じ状況で開催した去年よりお客さんの数は増えていたので、よかったですね。私がチケットを送った人も聴きに来られたようで、とても感動したというお手紙が届きました。チケット代まで入ってましたね。額面通りの金額だったのですが「これの10倍以上のお礼の気持ち」なのだそうです。ありがたいですね。
 こんな風に一つの演奏会が終わると、もう次の演奏会に向けての準備が始まります。私は、次回はベートーヴェンの2番でトップを吹くので、それの予習です。楽譜はしっかりベーレンライター版という指定なので、パート譜もきちんと同じものになっています。と、さっそく、見慣れないところが出てきました。第1楽章の終わり近くに出てくる、フルートのソロの部分です。
 これは、これまで使われていたブライトコプフ旧版だと、
 このように、トリルから後打音までにスラーがかけられていますね。
 これに関しては、去年演奏した同じベートーヴェンの交響曲第6番でもやはりベーレンライター版を使っていたので、「こういう、スラーが付くのが当たり前になっている部分には、ベートーヴェンは決してスラーを書き込まなかった」という、校訂者、ジョナサン・デル・マーの前書きを読んでいました。ですから、2番の前書きも読んでみたら、全く同じことが書いてありましたね。しかも、まさにこの部分がその実例として挙げられていました。ですから、ここにはもちろんスラーを付けて演奏するのが正解、当然、これと同じ書き方をされているヴァイオリンのパートも、スラーを付けることになります。
 実は、この曲のスコアの自筆稿は、なくなっているのだそうですね。ですから、それに一番近い資料として、初版のスコアとパート譜が、校訂上の第1次資料となっています。そこでは、
 このように確かにスラーはありませんね。「原典版」というのは、そういうものなのですよ。あくまで、ベートーヴェン自身が書いたものを再現しようとしたものなのですから、こんな風に当時の人ならだれでもわかることはわざわざ書かなかった部分まで、忠実に再現されているのですね。
 ただ、同じような音型でも、第4楽章では、
 このように、しっかりスラーが書かれていますね。ですから、ひょっとしたら、さっきの部分も、本気でスラーを付けなかったのかもしれません。というか、それを真に受けて、その形で録音している人が実際にいるのですよ。
 それを聴けるのは、オスモ・ヴァンスカとミネソタ交響楽団のBIS盤です。ただ、手元にあったベーレンライター版を使って演奏しているであろう録音をすべてチェックしてみたのですが、ここにスラーを付けていないのは、このヴァンスカ以外にはいませんでしたね。ノリントンなどは、トリルを2度上の音から始めさせていますし。
Aventure Number : 3496 date : 2021/11/5


今日の禁断 ニフレック


 今日は、1日お休みにして、検査に行ってきました。このところ1年おきに行っている、下部消化管の内視鏡検査です。「下部」ということは、その反対の「上部」消化管というのもあることになりますね。つまり、ヒトの消化管は、上から入れて下から出すという、1本の管で出来ているのですが、「上部」はその上、つまり「入り口」に近いところ、ですね。具体的には食道と胃、十二指腸あたりまででしょうか。ですから、「下部」はそれより下の小腸以降ということになるのでしょうが、あいにく、小腸みたいな入り組んだところには内視鏡を入れることは出来ないので(別の方法で検査することは出来ますが)、もっと先の大腸の検査ということになりますね。
 つまり、「上部」では、「入り口」である口から内視鏡を入れるのですが、「下部」では「出口」である肛門から内視鏡を入れる、ということになるのですね。実際は、その方がずっと楽なのですが、やはりこういうところから入れる、ということには抵抗が多いので、あまり検査したくないという人が多いようですね。
 さらに、もう一つネックがあって、「上部」では前の日の夜から何も食べなければ消化管の中は空っぽになりますから、そこにカメラを入れて撮影できますが、大腸の場合はそうはいきません。その場所には、常に食品を消化して残ったものがたまっているのですね。ですから、それを除くためには、単に絶食をするだけではなく、それを除去するために「洗浄」を行わなければいけないのですよ。多量の水を飲めば、洗えるのでは、とは思いますが、あいにく水は途中で吸収されてしまうので、大腸の中には残りません。ですから、吸収されない特別な液体を飲んで、それを出さなければいけないことになります。それがものすごくまずいんですよ。普通の味覚の持ち主であれば吐き出したくなるような味なのですが、我慢しなければいけません。そして、その後は5分おきにトイレに行ってそれを「出す」必要があるのですね。
 まあ、そんな難関を、このところ2年に1回乗り越えて、この検査を行っているというわけです。実は、その検査の前の日にも、普通とはちょっと違う食べ物を3回食べなければいけないので、それを日曜日にやって、検査は月曜日、というのが、いつものスケジュールです。ですから、今日も休みを取って、その「洗浄」と「検査」を行ってました。
 いや、内視鏡検査自体は、本当に楽なんですよ。今日も15分ぐらいで終わってしまいました。その結果、小さなポリープはあったものの、まだ何もする必要がないということで、また2年後に来ることになりました。
 そんな、「洗浄」の時間は、出し切った後は結構ヒマになるので、その時間を使ってニューフィルのこの間の演奏会の音源を、公式サイトの「歴史」のページからリンクさせる、という仕事をやってました。PCのドライバーがちょっとおかしいのか、CDからキャプチャー出来なかったので、別のところにアップしてあったハイレゾのデータをダウンロードして、それをMP3に変換し、こちらからリンクさせました(といっても、パスワードがないと開きません)。
 それと、きのうのうちに、演奏会の写真を276枚、アップしてあります。こちらは、いつものように日程表の一番下の、末廣さんの写真からリンクされてます。こちらは、公式サイトのパスワードのほかに、「suehiro/izumi」でも開きますから、興味のある方はご覧になってみてください。もちろん、打ち上げの写真はありません。
 これで、私の、演奏会に関する仕事は全部終わりました。こんなに早く終わったのは初めてです。
Aventure Number : 3497 date : 2021/11/8


今日の禁断 ユーロビジョン


 もう、11月も三分の一が経ってしまったんですね。何しろ、月の始めが演奏会でしたし、おとといは大腸の検査でした。そして、今日は歯医者のメインテナンスと、近くの内科で、いつもの薬をもらってくるついでにインフルエンザの予防接種も受けてきました。いつもはあまりお客さんがいない内科ですが、今日はその接種の人で、かなり混んでましたね。そんな具合で、何かとあわただしく過ごしていたら、もうそんなになっていました。
 演奏会の時は、打ち上げもなかったので、4時過ぎにはもう帰ることが出来ました。ただ、その時間だと、イズミティから自宅までの道はお休みの日はとても混むんですね。ただ、ちょうどFMで、休日の特集で、竹内まりやが出演する3時間の特番をやっていたので、それを聴きながらでしたから、渋滞もそんなに気になりませんでした。
 私が聴き始めたのは途中からだったので、きのう改めてラジコできちんと聴いてみました。どうやら、その番組では「レコード」のことがテーマになっていたようで、そこではまりやさんが初めて自分のお金で買ったレコードについて語っていましたね。それは、中尾ミエが歌っていた「夢見るシャンソン人形」のシングル盤でした。それは、1965年にリリースされたものでしたね。
 この頃の日本のポップス界は、外国のヒット曲をそのまま歌詞を日本語に直して日本人の歌手が歌うという「カバー・ポップス」の時代でした。この曲も、オリジナルはフランス・ギャルが歌っていたもので、彼女のシングルももちろん国内盤で出ていましたが、ほとんど同時に何種類かのカバーがどっとリリースされていたようです。その中の一つが、その中尾ミエのバージョンでした。
 私は、当時はフランス・ギャルのバージョンしか聴いていなかったので、これはちょっと新鮮、アレンジも変わっていてなかなか興味深いものでした。録音も、ベースラインがはっきり聴こえてきて、コード進行がよく分かります。と、ギャル盤では気が付かなかった、とても斬新なコードが使われていることに気づきました。
 分かりやすく、in Cで楽譜を作ってみました。そうすると、基本の調はAmですが、5小節目のコードが「Bb(ビーフラット)」になってますね。これは「ナポリ」ではありませんか。WIKIでは、「ナポリ」の定義として「主音の短2度上の音を根音とする長三和音のこと」と言ってますから、まさにAmではこのBbが「ナポリ」になるわけです。普通はここにはDmあたりが入るのでしょうが、これによって俄然粋なコード進行に変わってますね。
 とても懐かしくなったので、いろいろ調べてみたら、オリジナルの歌詞は日本語の訳詞とは全然別物だったことが分かりました。作詞も作曲もセルジュ・ゲンズブールですが、彼の歌詞はかなりネガティブなもので、日本語のカバーでの岩谷時子のようなハッピーなものではありませんでした。ちょっと裏切られた気分。
Aventure Number : 3498 date : 2021/11/10


今日の禁断 クレーン


 おとといのインフルエンザの予防接種は、3ヶ月に1回行っている腎機能検査の採血の時についでにやってもらったものです。その「本体」の方の検査結果が出ているはずなので、今日の朝、また行ってきました。最近は、もうかなり高めの値で落ち着いていて、お医者さんは「まあ、変化がないので、大丈夫でしょう」などと言ってくれてはいるのですが、やはりその値自体は結構ヤバいものですから、どうか、これ以上は上がらないでくれ、という思いで、いつも検査を受けています。
 今日も、まあ、いつもと同じようなことを言われるのだろうと思って行ってみたら、お医者さんはニコニコして、「ずいぶん数値が下がりましたね」と言ってくれました。たしかに、前回より0.1ポイント以上下がっているのですから、私にとっては劇的な数値です。ただ、問題は、私にはそんなに下がった原因がまるで分らないことです。お医者さんは「最近、何か変えてみましたか?」などと聞いてくるのですが、何の心当たりもないのですね。まあ、しいて言えば、少し歩くことが多くなったぐらいでしょうか。確かに、最近は職場で石段を上ったり下りたりしながらの仕事を少しやっているので、その影響かな、とか。あるいは、最近の演奏会では、もう男性の控室(舞台上手のずっと置く)から、レコーディング用のブース(?)(舞台下手)まで何度も、時には駆け足で行ったり来たりしましたから、それがよかったのかもしれませんね。
 あとは、食事も、最近は外食がめっきり少なくなりましたから、それも影響があるかもしれませんね。いずれにしても、これがそのまま続いてほしいものです。
 そんな日常の中で、そろそろ「かいほうげん」の準備も始めなければいけません。演奏会が終わった時点で、やめたり休んだりする人や、新しく入ってくる人が結構いたので、それをまずきちんと伝えなければいけませんね。なんせ、今日になって、さるパートで仕事の都合で退団した人が再入団する、という連絡が入ったばかりですからね。ただ、そこで、名字の後に(旧姓)と書いてあったのが気になります。ということは、新しい姓に変わった、ということですから、そのお相手と言えば、Hさんでしょうかね。そうでないのだったら、もっと気になりますし。
 そして、それと同時進行で、職場で毎年作っている「お手紙」も作らなければいけません。いや、こちらはもうすでに、ほとんどのところが完成していますから、あとま細かいところの仕上げだけなんですけどね。
 その中で、今年やったことを紹介するのに、敷地の大きな松の木の伐採の写真を載せました。ただ、正確に「ビフォー」と「アフター」を比べられるアングルの写真がなかったので、改めて「アフター」だけを撮ってみたら、


 「ビフォー」は3月だったので、紅葉は枯れ木だったのですが、そこが真っ赤になっていて、全然比較できないようになってしまってました。これが1週間前だったのですが、きのうになったら、
 ほとんど紅葉が散っていて、ちゃんと「ビフォー」と比較できるようになりましたよ。もちろん、こちらの写真を使います。
Aventure Number : 3499 date : 2021/11/12


今日の禁断 ペンデレツキ


 うちのマンションは、テレビの信号などは、当初は共同アンテナから各戸に分配するという方式でしたが、今ではCATVと契約して、そこから地上波の信号をもらうようになっています。べつに、CATVに加入しなくても、地上波だけは見ることは出来ます、そして、BSは、そこにマンションに立っているBSアンテナからの信号を一緒に入れています。
 そんな状況なので、CATVの会社は、何年かに1回、ブースターなどのメインテナンスと同時に、各戸の電波状態を調べるというサービスを行っています(ついでに、「4Kが見られますよ」と、加入を勧めます)。それが、今日の予定だったので、その調査のために部屋の中にあるアンテナ端子を、計測のために手が届くようにしておかなければいけませんでした。特に、私の部屋では、端子の前にレコード棚を置いてしまったので、大変です。配線をしたらあとはもう使うことはないだろうと思ったのですが、やはり、新しい機器を入れたりするとどうしてもそこにアクセスしなければいけなくなるので、棚の後ろの板に穴を開けざるを得ませんでした。ま、普通はその前にLPを入れてるんですけどね。そして、自宅にはレコードプレーヤーはないので、今ではその前にはBDの収納箱が置かれています。
 それで、今朝、そこを見せるためにその箱をどかしてみると、そのレコード棚の中に、きのうの「おやぢ」で取り上げたエリック・エリクソンのLPボックスがあったではありませんか。これです。
 つまり、「おやぢ」を書いた時点では、このボックスがここにあったことをすっかり忘れていたのですね。いや、もう処分してしまったと思っていたのかもしれません。それで、記憶を頼りにあれを書いたのですが、その現物が図らずも見つかってしまったので、改めてそれを調べてみました。そうしたら、枚数はたったの3枚でした。そして、CDと比べてみると、微妙に曲の配列とか、入っている曲が違っています。どうやら、これは日本独自のコンピレーションだったようですね。タイトルも違ってますし。ネットで調べてみると、オリジナルのボックスは4枚組で、1971年にリリースされているのですが、日本盤にはそれ以降に録音されたものも入ってますからね。
 そしてブックレットがとても分厚くて、そこには、そうそうたる音楽評論家の人たちの手になる「現代の合唱音楽」みたいなものがびっしり書かれていたのです。つまり、音源はすでに外国のEMIで作られたものですが、それを新たに、「20世紀の合唱音楽」という日本独自のコンセプトで選曲し直し、ライナーノーツを書いて、「日本製」であることを強調して、「芸術祭参加作品」に仕立ててあったのですね。なんか、半世紀前の日本のレコード会社の「やる気」みたいなものを、まざまざと感じてしまいましたよ。それは、新たな「文化」を作り上げようとする気概だったのでしょうね。ですから、その「おやぢ」も、めったにないことですが今日になって大幅に文章を直してしまいました。データだけはきちんとしておきたいですからね。
 しかし、現在のレコード会社では、もはやわざわざそんな手間をかけてCDを作っているところはないでしょうね。せいぜい間違いだらけの「帯」を作るぐらいのことでしょう。なんせ、クラシック音楽自体が「文化」から「商品」に変わってしまっているのですから、「良いものを作る」のではなく、「売れるものをでっち上げる」という姿勢しか持てないはずです。その結果、たとえば「レコードアカデミー大賞」などは、その母体である出版社の雑誌に多くの広告を出し、担当者を接待で散々もてなした会社の商品が受賞することになっているのですよ。
Aventure Number : 3500 date : 2021/11/14

(21/11/17-21/12/31)