3321(20/9/25)-3340(20/11/8)

今日の禁断 ストリング


 この前「かいほうげん」を発行したのは、その前の号からほぼ半年経ってからでした。その間にニューフィルは活動を停止していたのですから、事実上発行は不可能でしたからね。でも、活動再開と同時に、その「かいほうげん」の制作も以前と同じようなインターバルで行おうとは思っていました。つまり、毎回の団員にお願いしている自己紹介の原稿を、一応1ヶ月という締め切りで、お願いしてあったんですね。まあ、それはある程度サバを読んでいて、少し早めに設定はしてあるのですが、今回はきっちりそれを守っていただけて、原稿が届きましたから、俄然発行モードに入ってしまいましたよ。うまくいけば、今度の指揮者練習の時、つまり来週の土曜日には発行できるかもしれません。
 実は、この間の指揮者練習の時には、東京からいらした末廣さんと、かなり密接にお話をする機会がありました。突然、ホテルまで送ってほしいと言われたのですよね。それで、練習会場からホテルまでの30分ほどの間、私と末廣さんはかなり「密」な空間にいたことになります。まあ、2週間たっても何事もないようなので、きっと大丈夫だったのでしょうけどね。
 その時に、末廣さんが「note」に執筆していることを広めてほしいというようなことを頼まれたのですよ。それはこちらなんですが、その中のコンテンツを紹介してくれませんか、みたいな感じでしたね。それはもう、末廣さんの書いたものでしたら、以前音楽雑誌に連載されていたものをずっと転載していたこともあるので、次の「かいほうげん」には載せるつもりでいました。それが、今度の指揮者練習までに間に合えば、タイミング的には最高なのですが、どうなりますか。
 それ以外にも、前にも書いた、やはり末廣さんがらみで「絶対にベートーヴェンは書かなかった」ブライトコプフ新版の実例も、準備が出来ています。それとは別件なのですが、やはりブライトコプフ新版だけが採用している楽譜による演奏と、同じ部分のベーレンライター版による演奏の音源も用意が出来ました。どこが違っているか、分かりますか。オーボエのピッチとか、そういう次元の話ではありませんから。
 そういう、いわばこれからコンサートを開くという「前向き」な姿勢の話は最近よく聞くようになりましたが、それに対して、ワクチンの有用性が証明されるまでは一切公演は行わない、という、とりあえず「後ろ向き」ととらえられるような話が、METという世界的なオペラハウスから告げられたのには、ちょっと驚いてしまいました。世の中には、まだ、経済性を犠牲にしても、安全性を優先させるという勇気ある団体はあったのですね。
 ただ、彼らは、単に活動しないというだけではなく、しっかりその先のことまで見据えているというのが、すごいところでした。再開予定の2021年9月以降の公演のラインナップを、きっちりと公表しているのですよ。まあ、オペラの場合は、このぐらい先のことは当然決まっているものなのでしょうが、この時期にそれを具体的に示す、というのがすごいですね。そのシーズンのオープニングでは、METでは初めてとなる、アフリカ系アメリカ人の作曲家の新作が上演されるのだそうですね。
 もちろん、それまでにこの状況が終息しているという保証はなにもありません。もしかしたら、このMETの計画は実現しないかもしれません。でも、現実に「感染が怖いから」練習には参加できないという人達を置き去りにしたまま、やみくもに演奏会に向かって突っ走るよりははるかに勇気のある行動のように思えます。
Aventure Number : 3321 date : 2020/9/25


今日の禁断 ブライトコプフ


 今度のニューフィルの演奏会は、非常に特殊な状況下で行われるものですから、いつもの定期演奏会とはずいぶん勝手が違います。いつもは、なんと言ってもたくさんのお客さんに来てもらうということが最大の課題ですから、いろんなことをやって宣伝に努めていました。でも、今度のは、「できればあんまりたくさんのお客さんには来てもらいたくない」という、非常に消極的な姿勢で行っていますから、そんな宣伝活動などは一切行っていません。そんなんだったら、そもそも演奏会なんかやらない方がいいのではないか、と思うのですが、現実にはどんどんスケジュールだけは進んでいきます。そういう性(さが)なんでしょうね。
 ですから、チラシなんかも、たしか1000枚ぐらいしか印刷していないはずです。それは団員たちに配ってしまったらもうなくなってしまいますから、街中などではまず目につくことはありません。それだけでも、いかに消極的な姿勢かが分かります。ですから、チケットももっぱら団員が個人的に売ったり配ったりということで出回るだけです。正直、私もいつもチケットを送って来てもらっている人たちにいつものようにチケットを送ってもよいものなのかは、ちょっとためらっているところです。全面的に「来てほしい」と思えないのが、辛いところですね。
 演奏会の後の打ち上げもありませんし、なにもかもが異例の演奏会ですが、とりあえず演奏に関しては出来ることは全てやって練習には臨んでいますから、それなりの充足感はあるんですけどね。まあ、ただの自己満足だと言われれば、それまでです。一応、「杜の響き」さんはきちんと宣伝してくれているようですけど。
 「かいほうげん」作りは、この週末で佳境に入ってきました。予定通りとはいきませんでしたが、かなりのページが出来上がったので、おそらく来週中には全部出来上がることでしょう。でも、作っている途中でそれまで作ったファイルを確認してみたら、確かに作ったはずのものがどこを探してもありません。どうやら、「やってしまった」ようなのですね。つまり、最近書式を変えてみたので、すでに出来上がっていたその書式のファイルをひな型として新しいファイルを作ったのですが、その際に「上書き」をしてしまったようなのですよ。これは初心者がよくやる間違いですから、私としては情けないというか残念というか。まあ、元のファイルの画像やテキストはちゃんと残っていたので、無事に復元できましたけどね。
 ただ、どうも全部作っても2ページは足らなくなりそうでした。いっそ4ページ足らなければ12ページで出せばいいことなのですが、こういう半端な足らなさは困ります。ですから、2ページのつもりで作り始めたファイルは、思い切り画像を増やして3ページに水増ししました。あと1ページぐらいは、どこかにネタが転がっているはずです。
 結局、「かいほうげん」も、まさに自己満足の極みなんですね。
Aventure Number : 3322 date : 2020/9/27


今日の禁断 トランペット


 ほんとうに、「かいほうげん」を作っていてページが足らないなと思っていると、どこからともなくコンテンツになりそうなものがやってくる、ということがあるんですね。今回も、Amazonに注文していた本が届いたので読んでみたら、そのまま使えそうなものだったので、さっそくそれで1ページ出来てしまいましたよ。
 ですから、きのうの練習に行った時には、必要な写真だけが撮れればもう私がやることはなくなっていたのですよ。ところが、そこでコンサートのチラシを配っている人がいて、私にも1枚くれたものが、ぜひ載せたい内容だったのですね。でも、もう紙面はぎっしり詰まっていますから、このチラシを掲載する余裕はありません。ですから、ニューフィルの公式サイトのトップページからリンクを張るだけで許してもらおうと思いました。
 実は、このアンサンブルは、今年の5月に職場でのコンサートにお呼びしていました。その話が来た時にはまだコロナもそんなに重大には考えられていませんでしたから、打ち合わせなどもしていたのですが、本番が近づくにつれてとてもコンサートどころではないような世情になってきましたから、それはもう中止にして、来年の5月に延期するという形で納得していただきました。
 その時は、1年も経てば世の中も落ち着くだろうと思っていたのですが、果たしてあと半年で普通にコンサートを開くことができるのかどうか、ちょっと心配になっているところです。このコンサート、基本的には屋外でやることになっていますから、それだったら少し場所を広くとればなんとかなるかもしれません。しかし、先方の希望ではぜひ屋内でやりたいということなんですよね。もちろん、平時だったら、今までにも屋内では何回もやってきましたが、そうなると間違いなく「密」になってしまいますから、ちょっと無理なのでは、と思い始めているのですよ。
 なんせ、畳敷きの部屋にパイプ椅子を並べるだけなのですが、いつも椅子をぎっしり詰めて置いてもまわりに立っている人がいるようなところでやってますからね。もちろん、前売り券などはありませんから、来た方には自由に聴いてもらいます。その人数も100人近くにはなってしまうんですね。
 世の中では、クラシックのコンサートだったらみんなマスクをすれば大丈夫だろうということで、ホールを満席にしてもかまわないのだ、という「お触れ」が出ています。いままで「ソーシャル・ディスタンス」を声高に叫んでいた人たちが、そんなことを言い出すのですから、いったいどうなってしまうのでしょうね。
 とにかく、そういう縁のある方たちのコンサートなので、何とかチラシを載せられないかと思ってよく見てみたら、ずっと気になっていたところがありました。そこは、1ページで収めることもできるのですが、それを少し間隔を広くレイアウトして半ページ増やし、その残りに1人しかいない新入団員の紹介を載せていました。それが、いかにも隙間が多くてマヌケだったのですが、それを手直しすればチラシが1枚ぐらいは入れられることに気づきました。それで、どのページも無駄なく記事や写真が収まったバランスの良い紙面が出来上がりましたよ。
 その新入団員の写真は、きのうの練習の時に撮ろうと思っていました。大体休みなく来ているようですからね。ところが、きのうは前半は「真夏の夜の夢」、後半は「田園」の1、2楽章というメニューだったのですが、そのパートの人たちも1人しか来ていませんでした、そして、後半になったら誰もいなくなってしまったんですよ。確かに、この日の「田園」にはそのパートの出番はありませんでした。
 でも、さいわいSNSでその方の写真を見つけたので、それで急場はしのげます。あとは、印刷さえトラブらなければ、土曜日には発行です。
Aventure Number : 3323 date : 2020/9/30


今日の禁断 アトマックス


 「かいほうげん」の印刷はきのう終わってしまいました。このところ、プリンター(複合コピー機)の調子があまりよくなかったので、何かトラブルがあった時にはサービスの人に来てもらっても大丈夫なだけの余裕をもっていたかったからです。この前の「かいほうげん」を久しぶりに印刷した時には、途中でちょっとした汚れが出ていたのですが、とりあえず備え付けのブラシでドラムの掃除をしたらそれは消えたので、まずは無事に終わりました。そのあと、定期点検ということでサービスの人が営業の人を連れてやってきました。案の定、その営業は「もう9年以上使われてますね」と、暗に買い替えを迫ってきましたね。確かに、今の機械は2010年の11月に買ったものですから、ほとんど10年使っています。その前の機種は6年で交換していましたからね。ただ、今の機種はとにかく故障が少ないんですよ。確かにいろいろ問題は出てきましたが、そのたびに的確に点検や部品交換を行って、全く何の遜色もなく使えるようになっています。前回出た汚れも、いずれそのドラムを交換すれば完全に直るはずです。ただ、もしかしたら今回印刷するときにそのドラムの問題が出てきたりしたら困るので、そういうスケジュールで印刷を始めたのですよ。
 しかし、やってみたら全く何の問題もなく全部印刷できてしまいました。これだったら、あと何年かは使えるはずですね。
 実は、その営業が来た時に、社長にそれとなく買い替えを促してみたのですが、「今は給水ポンプの交換があるので、余裕がない」と言われてました。その工事が、おととい終わったところです。
 ここは、それこそ10年前にニューフィルが練習場に使っていた時に、楽器倉庫になっていたポンプ室です。このポンプはもう20年以上使っているので、最近では水漏れが出ていて、いつ止まってしまうかわからないと言われたことで、交換することになっていました。それで、同じ機種はもうないので、一回り大きなものを設置するために、まず土台を広げる工事を行いました。
 これが新しいポンプ。一回り大きくなっていますね。配管も新しくしたようです。ここから、水道水を外にある貯水槽に送るようになっています。
 ですから、この工事を行っている間は、断水になっていました。丸1日かかって工事が終わり、施工業者さんも帰っていきました。断水も解除されたのですが、外にある水くみ場などは普通に出てくるのに、建物の中の水がほとんど出てきません。まあ、少し高いところにあるので、まだ水圧が上がっていないのだろうと様子を見ていても、一向に変わりません。それで、業者さんに来てもらったら、なんと、スイッチが入っていなかったことが分かりました。
 パネルにあるこのスイッチ、これは3段階になっていて、上か下が押されている時はそれぞれ自動運転と手動運転になるのですが、その間で平らにすると「切」になってしまうのです。最初はこのようになっていたのに、機械の汚れをを吹きとった時に誤って平らにしてしまったようなのですね。ですから、貯水槽には水がたまらずに、いつまで経っても出てこなかったんですよ。まあ、新しいものを使い始める時にはよくあることです。
Aventure Number : 3324 date : 2020/10/2


今日の禁断 イズミティ


 世の中は、コロナ自粛解禁モードに入っているようですね。もう国内どこへ行くことも自由ですし、そんな旅行をすれば逆にお金がもらえてしまうのですから、全く理解が出来ません。そして、ホールの入場制限もあっさりなくなってしまいました。いちおう11月末までとか言ってますが、一度緩めたものをまた締め直すことなんてありえません。
 ということで、ニューフィルが11月に予定している演奏会の会場も、「晴れて」満席になるまでお客さんを入れても構わないことになってしまいましたよ。そんなことを決めた人は、本当にコロナの終息を望んでいるのでしょうかね。ですから、ニューフィルはそれにどのように対応するのか、ということを話し合うことになっていました。私は、断固入場制限を貫くように要望するつもりだったのですが、実際はそんなことは全く議論の対象にはならず、単に、以前は半分しか入れられないので会場使用料も半分しか払う必要はなかったものが、満席にするとそういう特典がなくなってしまうということで、どうせ宣伝もあまりしないので自然に半分しか入らないだろうから、何もしない、ということになってしまいました。まあ、結果的には私が望んだ形ですが、その内容は全然違いますよね。姑息、というか。
 そういうことですから、お客さんが半分を超えないために、どうぞ、演奏会には来ないでください、としか、私には言うことはできません。
 朝ドラなんかも、いつの間にか再開されていましたね。見かけ上は以前と変わらないシーンが撮られていますけど、何か特別な対策をしているのでしょうかね。でも、いまだに志村けんが出てきたりしていますから、結構ストックはあったのかもしれませんね。
 最初こそインパクトがあったので期待していたのですが、結局いつもながらのクオリティの低いドラマになっていたようですね。そうなると、やはり細かいところであら捜しをして楽しむ、といういつもながらの接し方になっていきます。
 私の場合、土曜日にまとめてその週の5回分を見ています。それで、先週の火曜日に放送された回で、面白いものを見つけました。
 吟の家の夕食風景ですね。壁に掛かっているのはカレンダーでしょうが、そこに「1943」という数字が入っています。拡大すると、
 これは、まさにこの時の西暦年代です。しかし、太平洋戦争のさなか、こんな西暦はそれこそ「敵国語」になってしまうのではないでしょうか。いや、それ以前に、この週で豊橋の関内家の人々が、キリスト教徒ということで特高に見張られているというシーンが登場します。西暦はキリスト教の暦ですから、そんな時代にそもそも認められるわけがありません。ですから、そんなものがある家は「非国民」といわれそうですが、それがなんと職業軍人の家にあるなんて。
 これについてネットを検索したら、こんな画像が見つかりました。
 これは、さっきの年代の9年前に実際に作られたカレンダーなのでしょう。その年は「いぬ年」でしたから、西暦年号に犬をあしらったデザインになっていましたね。おそらく、戦争が始まる前はこんな風に堂々と西暦も使われていたのでしょう。もちろん、公式には一番上にある「元号」と「神武紀元」がメインだったはずです。
 おそらく、朝ドラのカレンダーは、これあたりを参考にして、単純に年号だけを増やして、干支をひつじに変えただけなのでしょう。一見、手の込んだマニアックな小道具のように思えますが、実際はどうしようもなく現実離れしていた愚かしいものなのでした。
 そういう人たちが作ったドラマですから、そこで描かれている(はずの)反戦の姿勢も、なにか本気度が感じられません。というか、これまでにあった同様の安直なドラマの焼き直しにすぎません。この程度のものが来年は宮城県を舞台に制作されるのだと思うと、恐ろしくなります。前回だって「天花」ですからね。
Aventure Number : 3325 date : 2020/10/4


今日の禁断 ジョン


 今日のニュースによると、仙台市など宮城県の多くの市のサイトに、攻撃予告のような書きこみがあったそうですね。
 さいわい、その予告時間を過ぎても何の異変もなかったようですが、私はこの「4時33分」というのを見て、これは最初からいたずらだったのだな、と思いましたね。ふつう、この「4、33」という数列を見れば、ケージの「4分33秒」を思い浮かべますからね。なめられたな、という感じですね。
 でも、やはりこういうことがあれば、まずは大事をとって、このような対策をとるでしょうね。というか、実際こういう突発事故に出会ったら、普通は慌てて冷静さを失ってしまいますよね。
 そんなのが、きのうの練習でした。もう終了時間の間際、9時20分ごろに、いきなり練習場の隣にある大駐車場からサイレンのような音とか、なにやら警報のようなものが流されているような声が聴こえてきました。最初のうちは無視していたのですが、どうも本当に火事が起きているような感じだったので、そこで練習を打ち切って、直ちに帰ることにしました。かなりの人がその駐車場に車を置いてましたからね。
 あわてて帰り支度をして駐車場に向かうと、まだ「1階で火事が発生しました。直ちに非難してください」という、録音済みのメッセージが流れていましたが、べつに車がゲートで渋滞していることもなく、普通に出庫出来ました。帰りがけにその火事が発生したあたりを見ても、何の異常もないような感じでしたね。どうやら、感知器の誤作動かなんかで、警報が鳴ってしまったのでしょう。帰ってネットを調べたら、同じころに「災害調査」で消防車が出動していたようですね。
 信号で止まった時に携帯を見たら、地下鉄で帰った他の団員からLINEが届いてました。
 ですから、信号が変わる前に慌てて返信したのですが、これだけだと練習場を出たところで、これから駐車場に向かうところかもしれないと思われそうだったので、次の信号で
 こう付け加えたのですが、これでも今は駐車場にいると思われそうだったので、
 こうしました。
 かなり、パニクっているように見えますね。
 今日になって職場に行ったら、お昼過ぎに火災報知器が鳴り出しました。あわててその場所を確認、現場を見ても何の異常もありません。これもどうやら検知器の誤作動のようですね。普段は、そういうのはしばらくすると地域ランプが消えるのですが、それはなかなか消えないので業者を呼んで調べてもらったら、ちょっとわかりにくいところに設置してあった感知器が、感知状態になっていることが分かりました。それを外したら警報も消えたので、感知器の経年劣化のようでした。なんせ、20年前に設置したものですからね。そんなことが2日続いて起こるなんて、いやな予感。
Aventure Number : 3326 date : 2020/10/7


今日の禁断 モルダウ


 最初は、「萩ホールが使えなくなったら演奏会を中止する」と言って練習を始めたはずのニューフィルですが、その萩ホールがもしかしたら使えなくなりそうだとなった時には、速攻で別のホールを確保して何事もなかったように練習を続けています。なんだかなあ、と思うのですが、もう反発する気にもなりません。
 ですから、プログラム用の解説もてっきりなくなるのかなと思っていたのに、「規模を縮小」して作るというので、「田園は800字で」ということで書かされることになってしまいました。そんな文字数ではきちんとした解説などはかけないので、思いっきりマニアックな原稿を作ってやりましたよ。
 ベートーヴェンの「交響曲第6番(田園)」は、彼の交響曲の中では少し毛色が変わっています。「第9」以外の他の交響曲を「絶対音楽」だとすれば、この「田園」は「標題音楽」、あるいは「描写音楽」と言ってもいいのかもしれません。
 それは、このプログラムの曲目リストにもあるように、曲全体とそれぞれの楽章に具体的なコメントが付けられているからです。
 実は、ベートーヴェン以前にも、同じようなことをやっていた作曲家はいました。たとえば、「田園」が生まれる25年ほど前にドイツのユスティン・ハインリヒ・クネヒトという作曲家が作った「自然の音楽による描写、あるいは大交響曲」というタイトルの「交響曲」は、
美しい田舎では小川が流れ人々は楽しい生活をしている。そこに嵐がやってきて風と雨が襲いかかる。やがて嵐は収まり、空は晴れて神への感謝の歌が鳴り響く
 といったストーリーが5つの楽章に割り当てられていて、完璧にそれに沿った音楽が作られているという、まぎれもない「描写音楽」です。そして、先ほどの曲目リストの楽章のコメントをご覧になれば、それはこれとほぼ同じものであることが分かるはずです。実際、ベートーヴェンはこの曲を知っていたことはほぼ確実だとされています。
 しかし、彼が行おうとしたのは、単なるクネヒトの「パクリ」ではありませんでした。彼はクネヒトと酷似したテキストを使って、「自然を前に感動した人間の気持ち」を、より完成度の高い音楽として表現しようとしていたのではないでしょうか。その思いが、先ほどのリストの曲全体のタイトルの中の「音による描写よりも感情の表現」というコメントにあらわれているのです。
 ところで、これらのコメントをご覧になって、これまで目にしていたものと少し違っているのでは、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。第1楽章などは「田舎に着いた時の愉快な気分」だったような、とか。それは、従来の楽譜では作曲家が書き込んだ言葉を出版社が勝手に変えてしまっていたからです。そういう事実が最近の研究で明らかになり、やっと正しい表記が日の目を見たのです。
 でも、これを送ったら、ボツにされてしまいました。「字数は多くていいので、みんながわかるように書いてけさいん」ですって。ですから、普通に書くことにしましたよ。これが「改訂稿」です。
 ベートーヴェンの「交響曲第6番(田園)」は、彼の交響曲の中では少し毛色が変わっています。同じ時期に作られた「交響曲第5番(いわゆる「運命」)」のようにテンションの高さで一気に押しまくるのではなく、もっと優しく包み込むような慈愛のまなざしにあふれています。ベートーヴェンは日頃から自然を愛し、近郊の田舎で過ごすことが好きでした。そのような体験がこの作品には反映されているのでしょう。
 さらに、最近の研究では、ベートーヴェンは作曲にあたって「田園」が生まれる25年ほど前にドイツのユスティン・ハインリヒ・クネヒトという作曲家が作った「自然の音楽による描写、あるいは大交響曲」という作品を参考にしたのだとも言われています。そこでは、
美しい田舎では小川が流れ人々は楽しい生活をしている。そこに嵐がやってきて風と雨が襲いかかる。やがて嵐は収まり、空は晴れて神への感謝の歌が鳴り響く
 と要約されるストーリーが5つの楽章に割り当てられているのです。これは「田園」の各楽章のタイトルとほぼ同じですね。
 しかし、彼は単にクネヒトと酷似したテキストを使って自然描写を行ったのではなく、描写的なモティーフを用いながらもソナタ形式というフォルムの中にそれらを取り込んで、あくまで堅固な「交響曲」としてこれを完成させたのです。
 第1楽章は、弦楽器の他には木管楽器とホルンだけという楽器編成で、終始穏やかなサウンドに支配されています。冒頭のヴァイオリンによるテーマが盛り上がる時には、フルートが鳥のさえずりを模倣して爽やかさを演出しています。
 第2楽章もやはり同じ楽器編成。弱音器が付けられてさらに穏やかさを増した弦楽器が、細かい音符で小川のせせらぎを描写する中で、ファースト・ヴァイオリンは小鳥のように歌い、様々な管楽器たちが自然を謳歌します。最後には本当にナイチンゲール、ウズラ、カッコウの声が、それぞれフルート、オーボエ、クラリネットによって模倣されます。
 第3楽章は田舎のダンスです。オーボエ、クラリネット、ホルンのソロ・バトルが場を盛り上げ、途中でちょっと重めのステップに変わったりします。
 と、ダンスが最高潮に達した瞬間、第4楽章に切れ目なく変わって不気味な静寂でその場が凍りつきます。すると、いきなり嵐の襲来です。金管楽器とピッコロ、さらにティンパニが加わって雷鳴がとどろき、この世のものとは思えない壮絶なサウンドが響き渡ります。一度収まったと思った嵐は、またやってきます。
 しかし、それもすっかり止んで、フルートが虹の架け橋を駆け登っていくと、そこには第5楽章の晴れわたった風景が広がります。幾度となく繰り返される羊飼いの歌は、自然と、その創造主である神を讃えます。
 これはめでたく採用となりました。まあ、これが日の目を見ることはないかもしれないと、今でも思っていますから、そんな時のための記録として、ここに残しておきました。もう一つ、「真夏の夜の夢」も書いてます。それも載せましょう。
 メンデルスゾーンが早熟な天才だったことはよく知られています。さらに、彼の家庭環境もたいへん恵まれていて、裕福なインテリだった父親の家には、多くの文化人が集まってきました。そんな中で、17歳のメンデルスゾーン少年はシェイクスピアの「真夏の夜の夢」と出会い、その印象をソナタ形式の序曲として作曲します。さらにそれから16年後に、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世からの依頼によって、その序曲に続く12曲から成る劇音楽を作ります。その音楽は、ポツダムの新宮殿で上演された戯曲とともに初演されました。
 今回は、その中から序曲、夜想曲、結婚行進曲の3曲を演奏します。
 序曲では、最初に管楽器によって演奏される4つの和音がおまじないとなって、私たちを妖精の世界へと導いてくれます。その後に出てくる弦楽器の細かい音符のパッセージは、いたずら好きな妖精たちでしょうか。少し経つと、魔法でロバに変えられた人物をあらわす高い音から低い音に降りてくるロバのいななきのようなモティーフも聴こえてきます。
 夜想曲は、劇中の恋人たちがまどろむ姿を描いたソフトな音楽、ホルンが目いっぱい甘〜く歌います。
 そして、ご存知の結婚行進曲です。有名なファンファーレに挟まれた真ん中の部分の美しいメロディにもご注目!
 このほかに、スメタナの「シャールカ」を演奏します。もし、何事もなく開催されるようなことがあれば、しっかりマスクで武装して聴きに来てみてください。イズミティで11月3日2時半開演です。当日券もありますから。

Aventure Number : 3327 date : 2020/10/9


今日の禁断 アクオス


 我が家では2台のテレビが活躍しています。私の部屋には10年前から32インチの液晶テレビが、AVシステムのモニターとして使われています。もう1台は、リビングにあるテレビです。これは主に愚妻が見てますね。ちょっと小さめの27インチぐらいです。ただ、これがしばらく前から、画面に縦のラインが入るようになりました。それはどんどん増殖していって、こんな風になっていました。
 メーカーはソニーですが、ひどいもんですね。これだともう文字などが見えなくなっています。
 ですから、もうこれ以上は我慢が出来ないので、新しいのを買うことにしました。
 ただ、こんな感じでストーブはこれ以上は動かせないので、そんなに大きな画面のものは置けません。せいぜい私の部屋と同じ32インチぐらいまででしょうね。
 ただ、実際にお店に見に行くと、もうそこでは100インチもあろうかというテレビが大々的に展示されていますから、32インチなんてもう小さすぎるように感じられてしまいます。愚妻は「せめて40インチが欲しい」と言い出しましたね。でも、それはあくまでお店で見たからで、自宅では大きすぎるよ、と諭し、32インチを買ってきました。
 下の台を少し動かして、その上に置いたら、きれいに収まりましたね。やはりこのぐらいでちょうどいいのに、愚妻はもっと大きい方がよかったとぶーたれていました。まあ、そのうち慣れるでしょう。
 ただ、今回はシャープですが、ソニーに比べると明らかに視野が狭くなってましたねちょっと斜めからみると、画面が白っぽくなってしまうんですよ。確かに、お店の人もそんなことを言ってましたし、最初はソニーを買うつもりだったのが、それは在庫がなくて、入荷の見通しもないということで、すぐ手に入るシャープにしたのが敗因でしたね。ま、これもそういうものだと割り切れば大丈夫でしょうけど。なによりも、周りのフレームの幅がとても狭くなっていたのがスマートで気持ちいいですね。
 これを買ったのは駅前のヨドバシ。やはり、駅周辺はできることなら避けて通りたい思っていてずっと来てませんでしたから、ほんとうにこの近辺は久しぶりでした。気が付いたら、別の売り場にはシェープアップ用品なども売っていたんですね。ただ、そこで売られていたフィットネスバイクやルームランナーなどは、全て「注文不可」になってましたね。「コロナ」で急激に需要が増えて、製造が追いつかないのだそうです。別に、私はそんなものは必要ありませんが。
 でも、最近iPhoneのケースがかなりくたびれてきたので、ここで新しいのを買いました。
 それぞれ表と裏、左が新品です。前のはもう裏面のソフト塩ビレザーがボロボロになってました。新品は裏側は固いのですが、中とまわりは堅めのゴムになっていますから、衝撃には強いでしょうね。ただ、もはや私の機種はかなり古くなっていたので、売り場は隅の方に少ししかありませんでした。しかも、これは次の世代の製品との共用デザインなので、カメラの穴が無駄に大きくなっています。そろそろ本体も買い替え時でしょうか。
Aventure Number : 3328 date : 2020/10/11


今日の禁断 カラヤン


 わが社の社長はとても音楽が好き。でも、別に私のようにマニアックではなく、もっぱら好きな曲を楽しむ、というスタンスです。それで、たまに私にいろんなことを聞いてきます。例えば、ある曲のメロディを歌いながら、「これ、なんていう曲?」という具合です。社長は昔は合唱をやっていましたから、それはかなり原曲に忠実に歌われていたので、ほとんどのものは私には瞬時に分かりました。たぶん、今まで私が分からなかった曲はなかったのではないでしょうか。
 そんな感じで、先日は「この間映画のバックで流れていたこの曲は、なんて曲?」と聞いてきました。その「チャ〜ラ〜ララ〜ララ〜ラ〜」というメロディは(分かるわけないか)かなり有名な「アルビノーニのアダージョ」だったのです。
 私は得意になって(というか、「そんな曲も知らないの」という思いをむきだしにして)「これは、ヴィヴァルディと同じ時代のバロック時代の作曲家、アルビノーニの『アダージョ』という曲だよ」と教えてあげました。ついでに、Youtubeでこの曲を探し出して聴かせてあげました。
 聴きながら「うん、これで間違いない」と社長は言ってます。でも、「これ、なんかバロックという感じがしないな」なんて言ってもいますね。いや、これは、低音の動きなんかはまさにバロックそのものでしょう。そんなマニアックなことをいっても、シロートの社長は分からないでしょうけどね。
 そのうち、Youtubeの画面を見て、そこに「ジャゾット/アルビノーニのアダージョ」とあるのに気付き、「この『ジャゾット』って誰?」と聞いてきました。これは私も知らなかったのですが、確かこれはオリジナルを弦楽合奏に編曲したものだということは知っていたので、「それは編曲者だよ」と言ってやりました。
 ただ、その時にその「オリジナル」も聴かせてやろうと探してみたのですが、どこにもありません。まあ、でも社長は納得していました。
 ところが、やはり気になったので調べたら、この曲はアルビノーニの作品ではないのだ、ということが分かりました。いや、それはかなり前に分かっていたことなのだそうですが、あいにく知識の偏りが甚だしくて、こういうような「名曲」にはあまり関心がなかった私は、そんなことも知らなかったことに気づいてしまったのですよ。そもそもこの曲は、さっきのジャゾットさんによる完全な「でっち上げ」だったのですね。知ってましたよね。となると、さっきの社長の「バロックらしくない」という感想も、非常にまっとうだったことが分かります。いやあ、恥ずかしいですね。
 確かに、手元にあった1970年頃のカタログを見てみると、普通に「アルビノーニ作曲」とありますが、1980年代に入ると「アルビノーニ作曲(ジャゾット編曲)」となり、最近では「ジャゾット作曲(伝アルビノーニ)」と変わっています。もはや、「アルビノーニのアダージョ」と言った時点でとても恥ずかしい時代になっていたのですね。とはいっても、まだこれで「頑張っている」人たちはいるのでしょうけど。
 同じような曲で、「カッチーニの『アヴェ・マリア』」というのがありますね。これはもうとっくの昔にウラディミール・ヴァヴィロフの作品だということがバレていますし、だれが聴いてもカッチーニの時代の作品ではないことが分かるという贋作の風上にも置けない駄作ですが、しっかり「カッチーニ」が定着してしまっていますね。
 そうなると、新垣隆が作った「HIROSHIMA」、いや「連祷」は・・・。
Aventure Number : 3329 date : 2020/10/14


今日の禁断 ミドリン


 今週は、病院通いで終わってしまったような気がします。いや、別にどこかが悪いということではなく、年に一度の特定健診を受けるシーズンだからなんですけどね。いろんなスケジュールを検討した結果、今週しか行く時間はないということで、それを水曜日に受けることにしたのです。いつものようにまずは朝一でかかりつけの内科に行って、その後眼科というスケジュールで行くことにしました。
 この眼科が問題。私の場合、健診に必要な眼底写真だけでなく、もっと精密な定期検査も一緒にやってもらっているのですが、私が行っている所はいつも患者さんがたくさんいてかなり待たされます。まあ3時間は覚悟しなければいけません。ですから、私がその眼科に着いたころには、待合室は患者さんでいっぱいで、座るところもないようになっています。
 ところが、今回行ってみるとずいぶん空いています。これだったら早く終わるかな、と、眼底写真の用紙と一緒に、去年の検査の時の渡された「来年もいらしてください」と書かれたカードを受付に出しました。ところが、いつもはそれですんなり受け付けてくれるものが、「予約されてませんよね」と言われて、少し待たされました。その間に、待っていた別の人に対して、受付の人が「予約されていないので、今日は診察は出来ませんから、予約をとってまた来てください」なんて言ってますよ。ということは、私も1年前のものではなく、直近の予約が必要なのでしょう。確かに、その日はもう一杯で、次の日には空いた時間があるので、その時に来てくれ、ということになってしまいましたよ。
 帰ってからその眼科のサイトを見てみたら、ちゃんと「予約制になりました」とありましたね。やはり、コロナのせいなのでしょう。前もってこれを見ていなかったのが敗因です。まあ、でもすぐ予約が取れたので、いいんですけどね。
 そして、きのう、指定されたのは11時半でしたが、ちょっと早めに行ってみました。そうしたら、もうすぐさま「散瞳」の薬を点けられましたね。これを点けてから1時間後に検査ということですから、お昼ご飯は遅くなってしまいますね。
 結局、終わったのは1時ごろだったので、かなりおなかも空いていました。そういえば、この近辺に最近新しいとんかつ屋さんができたようだったのを思い出したので、そこに行ってみることにしました。
 以前はこんなお店でした。この辺のストリートビューは、まだ前のお店のままでした。
 それが、今はこうなってます。
 なかなか渋い店構えに変わりましたね。これだったら、なんだかおいしいものが食べられそう。
 内部は、白を基調にした清楚なお店でした。テーブルもカウンターもしっかりパーテーションで区切られていて、コロナ対策は万全です(「櫻家」にはこれがないんですよね)。なんか、無口な若い男の人がカウンターの中で揚げていて、もう一人、奥さんらしき人が店内でサービスをしています。なかなかいい雰囲気です。
 ロース定食が980円だったので、それを頼みました。出てきたのは、かなりの厚さ。メニューにはこれより高い「厚切り」というのがあるのですが、これでも十分厚切りですね。ボリューム的には十分でした。まず、キャベツがシャキシャキに冷えていて、おいしかったですね。ロースカツは、予想してたのよりかなり美味しかったです。というか、櫻家を知らなければこれでもう十分だと思えるほどの味にはなっていました。肉も柔らかですしね。ただ、やはりあちらに比べると、肉そのものが物足りません。潤いに欠ける、というか。
 あと、写真の右上に壺がありますが、そこにはソースとは別に勧められたサルサソースのようなものが入っています。それも少し試してみたのですが。正直言って私にとっては完全なミスマッチ。普通のソースの方がずっとおいしいですね。
 メニューにはカツカレーもありました。このカツが入っているのだったら、きっとおいしいはず、これはぜひ食べてみたいですね。
Aventure Number : 3330 date : 2020/10/16


今日の禁断 アン


 もう10月も真ん中を過ぎてしまって、来週は週末に指揮者練習、そして、次の週末の後の火曜日に演奏会の本番を迎えます。そうなると、なんかあわただしくなってくるので、そうなる前にやりかけのことを少しづつ片づけてみようと思いました。そこで手を付けたのが、「かいほうげん」のアーカイヴ作りです。これまでに、ニューフィルのほとんどすべての演奏会の音源は、すでにネットにアップしてあって、いつでも聴けるようになっていますから、そのノリで、これまでに発行した「かいほうげん」をできればすべて同じようネットで閲覧できるようにしたいとは、前から思っていたんですよね。
 実際は、最近のものはすでに作ると同時にPDF化してアップするようにしているので、その期間のものは出来ています。現時点での最新号は275号ですが、202号からのものは、もうそうなっているのですよ。ですから、それ以前のものの電子化を目指そうということです。
 手順としてはとても簡単、出来上がったファイルをPDFに変換してサーバーに送り、そこにリンクを張る、というだけのことです。ですから、その201号以前のものも、それですぐにできてしまうのでは、と思っていました。しかし、私が「かいほうげん」を作るときのスタイルはどんどん変わってきていましたから、もう、そんな10年も昔の作り方なんかはすっかり忘れてしまっていましたね。つまり、その頃には、まだ1回分の「かいほうげん」の全てのページを1つのファイルにまとめたものは作ってはいなかったのですよ。印刷するときには、2ページ分だけを片面に印刷するようなファイルしか作っていませんでした。今のような16ページ分のファイルを作るようになったのは、206号から、これは2011年の6月に発行していますから、震災後初めて作ったものですね。やはり、そういうことがあって再スタートを切った時に、それまでのやり方を見直していたのですね。
 ですから、電子化の作業も、ここまでは快調に進んでいたのでしょうね。そして、その前の205号以前のものは、まずその大きなファイルを作るところから始めなければいけなかったので、202号までやったところでいやになってしまったのでしょう。
 私の場合、「かいほうげん」を作るときには、まずその時に作れるものだけを2ページか3ページ分少しづつ作っておいて、最終的にそれを集約して一つにまとめる、という作業をしています。ですから、いずれはどこかでファイルをつなげなければいけないのですが、その際にネックになっているのが、Wordのしょうもない欠陥です。今のところ、これに一番慣れているので、いまさら他のアプリを使うのは嫌だから使っているだけなのですが、これは、あるファイルを別のところにコピーしても、決して同じものにはならない、という、なんともありえないようなことが平気で起こってしまうのですよ。一番顕著なのは行内文字数ですね。きちんとレイアウトしたものをコピーすると、必ず行内文字数が減ってしまって、レイアウトがガタガタになってしまいます。あとは書式なども、コピーしただけで「字下げ」や「ぶらさげ」になってしまうことがあります。
 ですから、それを避けるために、最近ではテキストボックスを使うようにしています。そうすれば、ほぼ、そのようなひどい目には遭わなくなりました。しかし、今日やろうとした201号以前では、そんなことはやっていませんでしたから、もうもろにそんなボロボロのコピーになってしまいます。もうその修正だけでえらい手間がかかってしまいますね。これがもっと前の段階、ワープロを使っていた頃になれば、もう現物をスキャンするしかありませんから、手順としてはかえって楽になるんですけどね。
 そんな、四苦八苦しながら、ほぼ1日かかって、201号から191号まで作ることが出来ました。いったいいつになったら完成するのでしょうね。それは、こちらから見ることが出来ます。もちろん、団員用のIDとパスワードが必要です。
 作っている途中で、突然リンク・エラーが出てしまいました。確かに転送したはずのファイルが、いくらURLを入れても表示されないのですよ。そのURLは、その前に作ったものの号数の数字を変えるだけで、他は全然いじっていないはずなのに、なぜなんだろうと悩んでしまいました。サーバーで何か事故でもあったのかとさえ思ってしまいましたよ。でも、原因は単純なことでした。ファイル名を「nr_***.pdf」とすべきところが「nr.***.pdf」となっていたんですね。こんな事に気づくまでに、15分ぐらいかかっていたのですから、お粗末です。
 でも、これを作りながら10年以上前のものを見直していると、いろんなことがすでに懐かしくなってきますね。写真にしても、196号の表紙の佐々木先生の若いこと。そして、その佐々木先生と同世代の知り合いが、その頃団員だった、なんてことも今頃分かったりしますから、面白いですね(191号)。
Aventure Number : 3331 date : 2020/10/18


今日の禁断 フィッシング


 きのうの「おやぢ」で、メシアンの「トゥランガリーラ交響曲」のスコアを買ったと言ってましたね。その顛末をもう少し詳しく書いてみます。まあ、このスコアはずっと昔から欲しかったのですが、なんせ高いものですから、なかなか買う決心がつきませんでした。そこに、きのう書いたような事情から必要になったので、この際、それにかこつけて買ってしまおうと思ったのですね。どうやら、またこの前の10万円に続いて、お国から給付金がもらえるようですからね。
 それに関しては「總務省」さんからは、こんなに親切なご案内が届いたのですから、せっかくなのでお任せすることにしましたよ(ジョークですからね。いや、そもそも総務省が「代行」ってのがおかしいですよね)。
 ちなみに、これは、今朝自宅の前の川に降り立った鷺の写真です。
 できればすぐにも欲しかったので、ちょっと割高ですが国内で手に入るところを探してみました。まずAmazonでは扱ってはいるのですが、今は欠品中で価格さえも書いてありませんでした。それでは、ということで、おそらく取り寄せになるでしょうが、一応アカデミアを検索です。そうしたら、なんと「在庫あり」になってましたよ。これもなにかの縁だと思い、即注文です。それは土曜日のことだったので、普通はお休みですから発送は休み明けかな、と思っていたら、なんと日曜日には届いてしまいましたよ。
 できればすぐにも欲しかったので、ちょっと割高ですが国内で手に入るところを探してみました。まずAmazonでは扱ってはいるのですが、今は欠品中で価格さえも書いてありませんでした。それでは、ということで、おそらく取り寄せになるでしょうが、一応アカデミアを検索です。そうしたら、なんと「在庫あり」になってましたよ。これもなにかの縁だと思い、即注文です。それは土曜日のことだったので、普通はお休みですから発送は休み明けかな、と思っていたら、なんと日曜日には届いてしまいましたよ。
 もう、電話帳みたいに厚ぼったいスコアでした。スタディスコアですから、実際の演奏には使えないでしょうね。指揮台の上でページが広がりませんからね。指揮者の人だったら、もっと大きなスコアが必要でしょう。高いでしょうね。
 さっき、そのアカデミアのサイトを見てみたら、
 「残りわずか」に変わっていましたね。まあ、結構なお値段ですが、これからいろいろと役立つことが出てくることでしょう。それは、もちろん「聴く」ためで、「演奏する」という意味ではありませんから。楽器編成は、意外と小さくて、木管は3管なんですね。多いのは打楽器。それと、そのほかに「鍵盤楽器」としてジュ・ドゥ・タンブル(キーボード・グロッケン)、チェレスタ、ビブラフォンが入ります。でも、これだったらこの間ニューフィルでも使いましたから、出来なくはないですが、まあ楽器があったってまず無理でしょうけどね。肝心なのはピアノとオンド・マルトノのソロ、そして弦楽器は16.16.14.12.10の指定ですからね。そして、スコアを見てつくづく思ったのですが、リズムの難しさは「春の祭典」をはるかに超えています。これも、聴いているとそんなに難しそうではないのに、実際に演奏するのはとても大変そう、まあ、ニューフィルには一生かかってもできるわけはないな、と痛感しましたよ。
 もう一つ、これを買おうと思ったのは、この曲の録音をすべて聴いているという人のサイトを見たからです。まあ、私もほとんどのCDは持ってますが、その人はかなりレアなものも揃えているようでした。ただ、「持っている」のではなく「聴いている」と書いたのは、必ずしもCDを持っているわけではなく、サブスクで「聴いた」ものも含めているのですね。まあ、そういうのは「コレクション」とはちょっと違うような気がしますから。
 そして、その人は、そうやって揃えたものをいちいち点数をつけて紹介しているんですね。ただ、そのコメントが何だか見当はずれなような気がしたら、その人はどうやらスコアを見たりすることはあまりないようなのですね。それだと、まあ、自分の経験だけで好き嫌いを言うことはできるでしょうが、客観的な評価は出来ないなあ、そうはなりたくはないなあ、せめてスコアぐらいは持っていようよ、と思ったのでした。
 そんな奴に限って、ピリオド楽器による「マタイ」を全否定したりするのですから、かわいそうになってきます。
Aventure Number : 3332 date : 2020/10/21


今日の禁断 ゲルギエフ


 「きのうの『おやぢ』」シリーズ第2弾です。
 あのCDはフランスのレーベルで輸入盤でしたが、そのブックレットには、テキストがフランス語、英語、日本語の3種類で掲載されていました。なんせメインアーティストが日本人ですから(日本語の部分は彼女が翻訳)ね。そんなこともあって、これは「国内盤」としても発売されていました。まあ、何をもって輸入盤と国内盤とを区別するのかというのは、正直よく分かりません。本当は、製作から販売まで国内で行ったものが「国内盤」なのでしょうが、このように純然たる「輸入盤」に、日本語の「帯」を付けて、品番を国内盤の仕様にすれば、それは「国内盤」になってしまうようですね。
 そうなると、輸入品は販売するときには定価が決まっていませんから自由に価格を設定できますし、値引きもできますが、国内盤では「再販品」となるので、定価を変えることが出来なくなります。これは書籍などと一緒で、文化的な意義があると認められれば販売するときに、しっかり価格が保証される制度です。
 ただ、それはありがたいような迷惑のような制度で、メーカーにとっては必ずしもメリットにはならないでしょうね。実際、そういう制度に守られた国内盤の価格設定は、あまりに高すぎます。ですから、私は同じものであれば迷わず輸入盤を買いますね。消費者にとっての国内盤の唯一のメリットはライナーが日本語で読める、ということでしょうが、日本語で書かれたライナーノーツのほとんどは、全く役に立たない情緒的な感想文ですから、何の価値もありません。それがあるからと言って国内盤を買う人は、少なくともある程度の誇りを持っている人にはいないはずです。
 だったらなぜ国内盤を出すのか、と言えば、その理由はただ一つ、「『レコード芸術』でとりあげてもらえるから」です。この雑誌には、輸入盤のレビューのコーナーもありますが、それは必ずしもメーカーや輸入代理店の思惑が反映されたものではありません。でも、国内盤にさえしておけば、自動的にそれが「レコード評」という形での宣伝媒体に変わるのですからね。その際に、それこそ「接待を含む飲食」などをセットにして、その見返りに「推薦盤」などというお墨付きを頂ければ、これはもう売り上げに大きく貢献してくれます。なんたって、この雑誌は日本では唯一のレコードの批評をメインにした雑誌なのですからね。いまだにその権威を認めている愚かな人(ほとんどは業界人)は、間違いなく存在しています。
 そして、めでたくこのアルバムは最新号で「特選盤」を頂きました。というわけで、このアルバムの販売元では、さっそくウェブサイトで「レコード芸術11月号特選盤」という一言を誇らしげに付け加えていましたね。この雑誌は、このようにして、メーカー・代理店にとってはなくてはならないものとなっています。そんなものを、お金を出して買いたいと思いますか?
 その評にどんなことが書かれていたかは、全く関心がありませんが、私が昨日書いたような第2楽章のリピートに関して突っ込んでいた人なんかは絶対にいないことだけは分かります。
 その件に関して、もう少し掘り下げてみました。まず、IMSLPに自筆稿がアップされていたので見てみたのですが、正直言ってこれから楽譜の姿を想像することは、私には出来ませんでした。もはや「古文書」のようなものでしょうから、これを読み解くにはかなりのスキルが必要なのでは。ただ、問題のトリオの後はなにもなく、そのまま第3楽章に続いていました。我々が見慣れているスコアでは、トリオの後に繰り返されるスケルツォも全部きっちり書いてあるのであまり気にしなかったのですが、ベートーヴェンはそんな面倒くさいこと自分でやるわけはありません。トリオまで書いた後は「スケルツォの頭に戻る」みたいなコメントを入れていただけなのでしょう。
 実際は、あそこで使われていたカルクブレンナーの編曲の楽譜は、かなりレアなもののようで、IMSLPで見ることはできませんでした。でも、リストの編曲したものならあったので、それを見てみると、
 確かに、トリオの最後に「Da Capo tutto」と書いてありますね。それで頭に戻ると、トリオの前にコーダマークがあるので、そこからこのコーダまで飛べば、今出ているオーケストラのスコアと同じことになります。
 ところが、同じIMSLPにあったオーケストラのスコアでも、最初にショットで印刷されたもの、つまり「初版」の楽譜を見てみると、
 このようにトリオの後には何も書かれてはいません。まあ、おそらく実際はパート譜などではきちんと書いてあったので、今のように演奏していたのでしょうね。
 ただ、カルクブレンナーの手元にはこの初版のスコアしかなかったとすると、彼の編曲でもこれと同じ構成になってしまった可能性がありますよね。ぜひ現物を見てみたいものです。
 ただ、可能性という面では、やはり「編集ミス」というのも捨てがたいですね。このアルバムでは、録音が数日間にわたっていたことになっていますから、間違いなく編集は行われています。そこで、エンジニアが間違えて後半のスケルツォを抜かしてしまうことは十分にあり得ます。というか、そんなお粗末なミスがそのままになっているCDには、超メジャーレーベルのものも含めてもう何度もお目にかかっていますからね。
Aventure Number : 3333 date : 2020/10/23


今日の禁断 アラビアータ


 昨日と今日は末廣さんとの最後の指揮練でした。今回は私が代吹きすることはなかったので、出番は「田園」だけ。きのうは初めて全曲を通しましたが、やはり途中で緊張がなくなって、派手にソロを間違えてしまいましたね。その時の演奏は録音しておいたので、ピッチなどを点検してみましたが、吹いている時に低いなと思ったところはしっかり低く聴こえていましたから、やはり自分の耳に従えば修正できることが分かりました。ただ、あらゆる技を動員してもどうしても修正できないということがあるということも分かりました。そこまでのスキルを、ぜひ本番までには習得できるようにしたいものです。あと1週間しかありませんが。
 今日は、午前中で私の出番は終わり。でも、この日はパウエルが東京から来てフルートの試奏会と楽器の無料点検をしてくれるというので、予約を入れていました。ただ、その時間が夕方だったので、結構ヒマになってしまい、パウエルの会場の宮城野文化センターの駐車場に車を置いて(ここだと100円/時)電車で駅前に行って、時間をつぶしていました。
 まずは、仙台にはあまりないフレッシュネスバーガーで昼食です。他の店では出していない「ベーコンオムレツバーガー」がここなら食べられるはずなので、久しぶりに行ってみました。ところが、なんということでしょう、それがもう取り扱いをやめていたのだそうですよ。フレッシュネスのサイトではちゃんと載っているんですけどね。こんな風にして、どんどん私の好きだったものが食べられなくなっていくんですね。
 あとは、エスパルの本屋さんに行って、この間の記事を見てみようと「レコ芸」を立ち読みしてみました。あの「第9」は編曲ものなので、「交響曲」ではなく「独奏曲」のカテゴリーに入っていましたね。そこでは確かに、2人の方が「推薦」していた結果、このCDは「特選盤」となっていました。でも、その「批評」を読んでみると、代理店(キングインターナショナル)がショップに流した情報をそのまま書き写しているだけなのですから、がっかりしますよね。それで、どちらの人もピアノについてはちゃんと褒めているのですが、合唱のことに関しては論評を避けているんですよ。
 実は、このCDの元になったナントのコンサートを実際に聴いた人の情報というのが、なぜか私が知るところとなってしまいました。その人によると、もう合唱はめちゃめちゃだったそうですね。なんでも、フランス語で歌うと分かったのが本番の3日前だったそうですから、ひどいものです。もう散々な本番だったので、それがCDになると知った時には笑ってしまったのだそうですよ。さらに、3楽章までのピアノのソロは、別の機会に録音したのでは、とも言ってました。ことごとく私が聴いて感じたことを裏付けていますね。なんだか怖いぐらい。
 つまり、あのCDはその程度のものだったのですよ。それを、「レコ芸」では「特選盤」にしてしまっていたのです。やはり、それがこの雑誌の真の姿だったのですね。いや、そんなことはとっくの昔に気が付いていましたが、それを裏付ける「エビデンス」が、また一つ増えた、ということです。この雑誌で「特選盤」になったCDを買ってはいけません。もちろん、その集大成である「レコードアカデミー大賞」受賞盤など、もってのほかです。
 パウエルでは、私はキーの足のフェルトの修理と、足部管のEsキーのタンポの不調を直してもらいたかったのですが、フェルトはコルクに交換して、タンポも新しいものに替えてくれていました。こんな時期に仙台まで来ることにはいろいろ悩むことがあったのだそうですが、スワブにはアルコールを吹き付けたりして、しっかり対策を講じていましたね。そのおかげで、私の楽器は本番の前に最高のコンディションになりました。
 それが終わって、晩御飯は途中の「T's」に行ってみました。ディナータイムなのに店内がガラガラでしたね。ここには演奏会のチラシもいつも置かせてもらっているので、ついでに持ち合わせを置いてきました。これが、今回唯一、プレイガイド以外での公共の場で見ることのできるチラシです。
 ここも久しぶりだったのですが、パスタがこんなにアルデンテだったかな、と思いましたね。もしかして、テイクアウトばっかり作っていたので、ゆで加減が変わってしまったのだとか。
Aventure Number : 3334 date : 2020/10/25


今日の禁断 ロッテ


 以前、9月6日の「禁断」でこんな写真を載せてました。私の職場に上っていく道の角にあった民家の持ち主がお亡くなりになったので、そこを引き取って更地にしたところですね。ここはしばらくこんな風に仕切りがあったので、ちょっと邪魔だったのですが、今では、
 こんな風に、きちんと舗装して道路として開放されたので、すれ違いもできるようになってとても便利になりましたね。こうなると、夜にニューフィルのパート練習があるときなども走りやすくなるのでしょうね。あいにく、今のように連日コロナの感染者が多数出ている状況では、ここを使わせてもらえるようになるのはまだまだ先のことでしょうけどね。具体的には「感染者が0の日が1週間以上続いたら」というのが条件のようですから。
 早くそんな日が来てほしいですね。
 それでも、世の中はどんどん動いていきます。毎年ちょっとだけ変わったパッケージになっている冬季限定チョコシリーズ、ラミーとバッカスが、今年は大幅にモデルチェンジを行っていたようです。まず、見た目が少し大きなサイズになっています。そして、ふたの開け方が変わっていました。ですから、バッカスなんかは最初は反対側を開けてしまって、その中の袋に切れ目が付いていないことに腹を立てたりしましたね。デザイン通りに開ければ、そこに切れ目があったのに。
 そして、中身もずいぶん変わりました。ラミーは長い棒だったのが、ずんぐりの長方形になってましたしね。そして、味もかなり変わっています。最初の印象では、「お酒が強くなった」でしょうか。わたしは、ご存知のように下戸ですから、逆に敏感なのかもしれませんが、明らかにこれまでより度数が上がっているような気がします。そして、それに合わせてチョコの味も少し濃くなっているのではないでしょうか。今年は、これで楽しめそうです。
 あ、私はお酒は飲めませんが、こういうのは大好きで、なぜか酔っぱらこともありません。
Aventure Number : 3335 date : 2020/10/28


今日の禁断 ツッパリ


 伊藤健太郎が逮捕されたというのには、本当に驚きましたね。まあ、別に大麻や覚醒剤ではなかったので一安心ですが、ひき逃げというのはやっぱりまずいでしょうね。もう、それで、メディアは大騒ぎです。最近こんな本を読んでいたので、メディアがどういうスタンスで「事件」を追っているかは熟知していましたから、またやってるな、と思いましたね。
 残念なのは、こういうことがあると、当事者が出ていた映画やドラマまでが「抹殺」されてしまうということです。以前、WOWOWに降りてくるまで見るのを待っていようと思っていた「マチネの終わりに」が、待った甲斐があってやっとWOWOWで放送されることになって楽しみにしていたのに、その出演者の中に大麻かなんかで捕まったアホな役者がいたために、別の映画に差し替えられてしまいましたからね。そんなことを言ったら、自殺をした俳優が出ている映画やドラマだって本当は見せてはいけないものになってしまうはずですよ。でも、仙台でロケをやったというそんな俳優が出ている映画は、もうすぐWOWOWで見られます。
 ですから、健太郎が出ていた「今日から俺も!!」だって、本当は映画館で見たかったのにコロナでちょっと行くのをためらったので、WOWOWに期待していたのですが、これもきっとお蔵入りになってしまいそうなのがとても残念です。前にも書きましたが、このドラマは本当に面白かったですからね。再放送があったので、全部BDに焼いてありますから。
 そのWOWOWでは、さっきの本がドラマになっていましたね。そうしたら、これが原作に大幅に改変を加えた脚本になっていたので、びっくりしてしまいました。まあ、こういうのは、尺の関係もあるのでどこかをカットするとかというのはあるのですが、ここまで、登場人物の設定からプロットまで変えてしまうというのは、あまり見たことがありません。そもそも、予告編で女性キャスターがもう一人出ていたので不思議に思っていたのですが、そんな生易しいものではありませんでした。ただ、ここまで見た限りでは、このドラマ版の方が原作よりも数段面白くなっているのがうれしいですね。ある意味、型にはまってしまった原作者のプロットをバラバラにして、それよりも見ごたえのあるものに再構築した、という気がしますから。もしかしたら、「真犯人」まで変わっていたりして。
Aventure Number : 3336 date : 2020/10/30


今日の禁断 アルインコ


 今週は、週末には練習もなかったので、ゆったりと過ごすことが出来ました。愚妻が、運動不足を解消するために家庭用のフィットネスバイクが欲しいと前から言っていたので、そのリサーチを兼ねて電気屋とかホームセンター巡りをしてみました。たぶん、こんなのを買うことになるのでしょう。
 ついでに、この間買った新しいテレビが、あまりに音が悪いので、別付のアンプ付きスピーカーを買ってきました。BOSEの新製品です。
 そもそも、今回買ったシャープのテレビは、本体の音が悪いことは知っていました。私の部屋のテレビはそのシャープなのですが、普段はテレビのスピーカーは使わず、BDレコーダーからのHDMI出力でサラウンドのシステムで聴いています。ですから、たまに録画が2つ重なっている時にもう1本見たいような場合にだけ、テレビのスピーカーで聴くと、それはもうひどい音でした。ただ、そのころ使っていた居間のソニーのテレビは、それとは全然違ったいい音がしていましたね。
 そのソニーから、今のシャープに買い替えたのですから、もうそれは我慢が出来ないほどひどい音でした。いちおうトーンコントロールが付いているので調整してみても、どうにもなりません。でも、音声出力はヘッドフォンだけで、AUXとかオプティカルなどはついていませんでした。ただ、取説を読んでみるとヘッドフォン出力からアンプ付きスピーカーにつなげるとあったので、そういう製品を探してみたのですよ。そこで見つけたのが、BOSEの「TV Speaker」です。デモで、24型のテレビからイヤフォン端子で接続していたので、それを外してテレビの音とBOSEのスピーカーの音を聴き比べてみたら信じられないほどの違い。こんなサイズでよくこんな低音が、とびっくりしてしまいました。
 迷わずそれを買ってきて、テレビにつないでみたら、やっとまともな音で聴けるようになりました。というか、低音などは私の部屋のシステムよりビンビン聴こえてきますから、うるさすぎるぐらいです。一応ベースのレベルが下げられるようにはなっているので、それで少しは収まりましたが、普通のテレビの音で慣れてしまった人にはなじめないかもしれませんね。
 ということで、あさってはニューフィルの「オータムコンサート」ですよ。開催が決まってから幾多の障害を乗り越え(正確には、「そのたびに大した議論もなく最も安直な選択肢をとり」)とうとうコンサートが実現しようとしています。まあ、誰かが言ったように、おそれくこれはコロナ禍の中で仙台のアマオケとしては初めてのフル・コンサートという誠に意義深いイベントとなることでしょう。
 ですから、今日は明日の前日リハーサルのための大型楽器の搬出のお手伝いに行ってきました。普通はその日の練習開始前に行うのですが、あいにく今回は楽器倉庫が含まれる小ホールが別の団体に使われていたので、今日になってしまいました。そして、4階から、市民センターに1台しかないエレベーターを使って1階まで楽器を下ろして、それをトラックに積む、という作業ですね。
 その前に、車でお隣の青年文化センター(日立システムズホール仙台)の前を通ったら、建物全体が周りを全面パネルでおおわれていましたよ。
 とか、
 こんな感じ。これは地下鉄の上を走っている道路に面した部分ですが、もうこれが切れ目なく続いています。このホールはこれまでにも何度か改修工事をやっていましたが、こんな大規模に仕切ってやっていたことはなかったような気がするんですけど。おそらく、外壁も大幅に改修が行われるのでしょうね。なんたって、工期は丸一年もあるのですから。まあ、使う(使わせていただく)立場としては、トイレをきっちり今どきのスタンダードに直してほしいと切に思います。サントリーホールやミューザ川崎のようなトイレになればいいなあ、と思っているのですが。少なくとも、「和風トイレ」だけは廃止してもらいたいと思います。
 今どき、こんなトイレを使う人なんかいるのでしょうか。
Aventure Number : 3337 date : 2020/11/1


今日の禁断 ソニー


 きのうはニューフィルの「オータムコンサート」、普段は使わない言葉ですが、いつもの「定期演奏会」にしてしまうと何かと具合が悪いということで、こんな名前になっています。そもそもは、「コロナ」のための様々な制約下では果たして実現できるかどうか分からないことから、「開催できれば儲けもの」的なノリで始めたことでした。
 しかし、当日になってみれば、これはもう「定期演奏会」とは何ら変わらないクオリティのものを作り出さなければ、という機運が盛り上がるのは当然のことです。私も、演奏ではできる限りのことはやっていましたし、それ以外の録音と撮影の仕事のための準備に余念がありませんでした。今回の会場はイズミティ、萩ホールからのスライドです。こと「録音」に関しては、萩ホールにはちょっと問題がありました。イズミティを使ったのは5年前、「レニングラード」を演奏した時ですが、その時は全く問題なく録音が出来たので、その点は安心できるはずです。
 まずは、ホールのスタッフと録音の打ち合わせです。私が使うレコーダー用のケーブルはまだ用意はされていませんでしたが、前もっての打ち合わせでお願いしてあったことを確認して、ケーブルを探しているようでした。私はそこにレコーダーを置いて、他の仕事をしてから戻ってみると、結線は出来上がっていました。そのスタッフさんは私のD100を見ながら「いいレコーダーですね」とか言ってます。CD900STと一緒にして、「これはプロですね」とか。確かに、このホールには全く同じヘッドフォンがありましたね。ミラーレスと合わせて、同じメーカーの三点セット。
 それから、そのスタッフさんとは録音のこととか、もっと大きな県内のホール状況などについてなかなか興味ある会話を楽しみました。さらに、もっと興味がある情報も。私が、「ほかのホールで録音のトラブルがあったことがありました」と言うと、そばにいた別のスタッフさんが、「それ、萩ホールですか」なんて、話に交じってきましたよ。なんでも「ニューフィルが萩ホールで録音した時にひどい目に遭った」という情報が、この業界ではかなり広まっているようなんですね。そんな情報、私のブログでしか流れてないじゃないですか。怖いですね。なんでも、「ニューフィルさんが今度萩ホールを使う時には、丁寧に謝罪しなければ」という噂があるそうですから。まあ、自覚しているのなら、もしかしたら次々回は期待できるかも(来年の秋はそこを使う予定)。いずれにしても、そんなスタッフさんに助けられて、録音はとてもうまくいきました。
 GPは私が乗り番の曲から始まったのですが、客席では降り番の人たちが座席に「ここには座らないでください」という札をかけているところでした。
 それは、ちゃんとホールで用意してくれていました。さすがに全部に付けるのが大変だったので、通路に近いところだけで、あとは場内アナウンスで「間を空けてお座りください」と案内してましたね。
 開場前から、ロビーではもうお客さんの列が出来ていました。足元にはちゃんとスーパーのレジみたいな、間隔を空けるシールが貼ってあります。実は、まだ列ができる前から、入り口付近には何人かの年配の方が座っていました。やはり、本当にこういうことを楽しみにしている、という人たちなのでしょう。やはり純粋に、こういう人たちに心のこもった生の音楽を聴いてもらいたいな、と思いましたね。
 開演5分前のホール内です。私にとっては予想を大きく超えるお客さんでした。ありがたいですね。ステージから見た時には、前寄りのブロックは見えないので、かなり入っているように見えましたね。実際の人数は400人ちょっとでした。
 私は「田園」の1番でした。演奏が終わって、この曲だと立たせられるのはまずクラリネットだろうと思っていたら、末廣さんは最初に私を指名して立たせてくれました。
 なんて書いてたら、もうBDとCDが出来上がって、届いてました。これも、Hさんにとって演奏会のルーティンです。私も、きのうのうちに公式サイトや公式Facebookは更新しました。あとは写真集ですね。
Aventure Number : 3338 date : 2020/11/4


今日の禁断 ペットボトル


 おととい届いたニューフィルのコンサートのBDは、さっそく見せていただきました。いつもだと、カメラのマイクで音を拾っているので客席のノイズなども一緒に録音されているのですが、今回はきっちり私がレコーダー用にもらった吊りマイクからのライン音源と同じものを入れていたので、とてもきれいな音でした。というか、私の録音で聴いたのと同じ特性、ちょっと低音がブースト気味の音でしたね。これは、マイクの設置ポジションのせいでしょう。先日のスタッフさんは、冗談交じりに「今度録音するときは、吊りマイクも調整されてはいかがですか?」なんて言ってましたが、私にはそこまでのスキルも経験もありませんから。
 そのBDでは、演奏以外のバックステージも楽しみです。その中からいくつかキャプチャーしてみました。

私も写ってました。アクリルの遮音板を運んでいるところです。

管楽器の席の前には、このような「ペットシート」を敷いて、楽器にたまる水分を吸い込ませます。
最初、名前だけ聴いて「PETシート」だと思い、そんな固いもの敷いてどうするのかな、と思ってしまいました。

座席に離れて座るような案内を設置している団員です。

トイレの前には、消毒液が用意されていました。このテープで、

足元に間隔をとって立つような案内を貼り付けています。

プログラムは受付の横に置いて、各自が持っていくようにしています。

これが、私の「三点セット」。レコーダー、ヘッドフォン、カメラです。

本番前のステージ裏。

本番が終わった後。弦楽器の人たちは、ケースごと楽器をここに持ってきます。

フルートの前に立てたアクリル板をたたんでいる打楽器の人たちです。

苦戦してますね。ちょっとしたコツがあるんです。お世話様でした。

Aventure Number : 3339 date : 2020/11/6


今日の禁断 サイクリング


 今回のコンサートでの私の仕事、録音に関しては、ハイレゾの音源がその日のうちにネットにアップしてありました。これは、単に曲ごとにトリミングしたデータをアップするだけですから、簡単に終わってしまいます。ただ、もう一つの仕事、写真に関しては、いろいろ手間がかかるのですぐにというわけにはいきません。それでも、写真そのものは私のカメラで撮ったものだけだったので、ぼつぼつと整理をしておいて、今日の午後、一気にサイトにアップするミッションを開始しました。作業は思いのほかはかどり、3時半ごろには完了したので、公式サイトからリンクを張って、それを掲示板で明らかにして、全作業の終了です。
 いつものように、そのページにはアクセスカウンターを付けてあるのですが、さっき見たらもう20人のアクセスがありました。結構反応が速かったですね。こちらから行けますので、見てみてください。パスワードは必要ですが。
 この間から検討していたフィットネスバイクは、結局ネットで買うことにしました。ヨドバシでは「入荷の見込みがない」ということだったのに、こちらは3日ぐらいで届いてしまいましたよ。ただ、それは組み立てなければいけないものでした。
 こんな箱に入って届きました。意外と小ぶり。
 パーツが、整然と梱包されています。いつも思うのですが、こういう風に無駄なく箱に納めるように考える人は天才ではないでしょうか。
 これだけのパーツが入っています。特徴的なのは、組み立てに必要なボルトやナットが、すでに仮止め状態になっていることです。ですから、必要なネジ類を探す必要は全くなく、そこに付いているものをいったん外して締め直すだけで済んでしまいます。これはとても便利、一度も迷うことなく、順調に組み立て作業が進みましたよ。
 まずは足を付けます。前足にはキャスターが付いているので間違えないようにします。
 サドルを付けました。
 サドルの横にも手すりを付けます。
 前のハンドル、というか、手すり。
 そこに、操作盤を乗せれば出来上がりです。
 サドルに座ってペダルを動かしてみると、全く音がしません。振動もなし。これだったら、真夜中に使ったって誰の迷惑にもなりませんよ。試しに10分間連続してこいで見たら、結構な運動量で汗をかくぐらいでした。愚妻のために買ったのですが、私が使う機会も増えそうな予感です。
Aventure Number : 3340 date : 2020/11/8

20/11/11-20/12/25