3301(20/8/9)-3320(20/9/23)

今日の禁断 プロコフィエフ


 本当だったら、今日はこの中に100人以上の人が入っていたはずなのですが、今年はこんなに間隔だらけのことになっていました。こういうのが、「コロナの世界」なのですよ。誰も逆らうわけにはいきません。
 映画なんかも、もうすでに普通に映画館も営業を始めているようですが、いくら間を空けて座るといっても、あんな完全な密閉空間には行く気にはなりません。今見たいものも、WOWOW待ちですね。そうなる前にやっていたのが「蜜蜂と遠雷」でしたが、あれも時間がなくて行けなかったのを、WOWOWで見ることが出来ました。
 もちろん、原作は読んでいたので、この映画は期待と心配が半々でしたね。出演者は魅力があるので、それなりの期待は出来そうですが、なんせあれだけの原作ですから、映画化にあたっては尺の点からも大幅に内容をカットせざるを得ないでしょうから、その世界は大幅に狭くなってしまいそう、という不安もありました。
 その不安は的中。もう最初から、原作を読んでいなければ何をやっているのかわからないシーンの続出です。最初からそれは分かってはいたものの、これだけみじめなものになっているのには、完全に失望してしまいます。映画としての表現でそれはいくらでも解決できるはずなのに、そういう作業を完全に怠っているのですからね。
 そして、後半になってコンクールの本選のシーンになると、今度は何を考えたのか、原作には全く関係のないエピソードを盛り込んできましたよ。そんなことをやっている暇があれば、もっと前半を丁寧に作ってくれと言いたくなりますね。しかも、そのエピソードというのが、コンクールとか音楽のことを少しでも知っている人なら、絶対にありえないと断言できるようなことなのですから、もうどうしようもありません。いったいどこのコンクールで、意図的にコンテスタントの足を引っ張ろうとする指揮者やオーケストラがいるというのでしょう。ま、オーケストラのレベルが低くて結果的に足を引っ張ることはないとは言えませんが、コンテスタントに合わせて弾くとオーケストラの品格が失われるなどということを明言するような指揮者は絶対に居ませんからね。ですから、その指揮者との絡みは、全て全くありえないことを前提としたドラマなので、もう白々しいったらありません。これは原作、いや、コンクールそのものに対する冒涜に他なりません。
 しかも、その指揮者とオーケストラは、コンクールのリハーサルの場で、ブラームスの「交響曲第1番」のリハーサルを始めるんですよ。もう、目を覆いたくなってしまいましたね。その後のモーツァルトの「レクイエム」も、あれはいったい何だったのかと考える気にもなりませんでしたよ。
 あと、海岸のCGもしょぼかったですね。
 そんなありえない脚本と演出でも、キャストたちはそれぞれに輝いていたのは救いだったでしょうか。明石の同級生でテレビ局のディレクター役の人が誰かに似てる気がしていて、まさかブルゾンちえみではないだろうと思っていたのが、その「まさか」だったのには驚きましたね。でも、片桐はいりのシーンは単に思わせぶりなだけで、何の意味もないものでした。
Aventure Number : 3301 date : 2020/8/9


今日の禁断 カラオケ


 しばらく市内では感染者が出ていませんでしたが、今日はまた1人出たということですね。まだまだ油断はできません。もうすでにお盆に入っているということで、職場にはそれなりの人が訪れているようですが、お墓を見るとこんな感じ。
 いつもだと、花立てにはたくさんの生花が供えられているのですが、今朝見た時にはまだ誰も来ていないお墓が殆どでした。やはり、皆さん帰省は控えているのだということが、よく分かります。
 やはり今のご時世では、遠くへ行くことと、大人数が一緒になって何かをすることはやめようという機運が強くなっているのでしょうね。ですから、例えばアマチュアオーケストラのコンサートや、それを迎えるための練習などには、あんまり大っぴらには出来ないような、ちょっと後ろめたい気持ちが伴います。なんせ、いくら予防策を講じてみても、罹るときは罹ってしまうというのが、このウィルスの怖いところですからね。
 でも、そんな世の中の流れに果敢に挑むかのように、今週の週末にコンサートの本番を予定しているアマチュアオーケストラがいるということを知って、本当に驚いているところです。
 これがそのチラシ。「伯林」というのは、「ベルリン」の漢字表記です。知ってました?「ウィーン」は「維納」ですよね。なんでも、鹿児島の、「ベルリン・フィルのような」オーケストラなのだそうです。チラシでは小さくて見えませんが、そのロゴが
 こういう、「本家」ベルリン・フィルの五角形のマークをもじったもののようです。フィルハーモニーが桜島みたいに噴火しているという、秀逸なアイディアですね。こういうセンスは嫌いではありません。
 これだけのプログラムでコンサートを開くというのですから、これまでにすでに何回も全員揃っての練習を行っているのでしょうね。まさに「緊急事態宣言」が解かれるのと同時ぐらいに練習を開始していたということになるのでしょうから、その勇気には驚かずにはいられません。もちろん、指揮者だって中央からお呼びしているのでしょうから、「県をまたぐ往来」を何度か繰り返していたのでしょうね。
 もし、このコンサートが何事もなく終了した暁には、この団体の熱意と努力に最大の賛辞を送ることには吝かではありません。結果さえ出せれば、「もうコロナは怖くない」ということを実証できるのですからね。彼らは、ある意味、鉱山などで毒ガスを感知する「カナリア」としての役目を、誇りをもって担おうとしているのでしょう。もし、そのことが悲惨な結果を招いたとしても、その名前は末永く人々の心に刻み込まれることでしょう。まるで「可児市の合唱団」のように。
Aventure Number : 3302 date : 2020/8/12


今日の禁断 ウアテクスト


 ニューフィルでベートーヴェンの「田園」を練習しているというのは、最近よく書いてます。まあ、実際にコンサートで演奏できるかどうかは微妙ですが、ダメモトでコンサートを目指そうというわけでした。
 そうなると、一応お客さんに配るパンフレット、あるいはプログラムの話が出てきます。私としては、せっかくベーレンライター版を使うのだから、プログラムでの曲目の欄で各楽章のサブタイトルをきちんと「正しい」ものにしてみたいと思いました。それは、私の仕事ではないので、プログラム担当のKさんにそんな提案をしてみたら、「いっそ、曲目解説も書いてくださいよ」と言われてしまいました。藪蛇でした。
 でも、そういうことであれば、もう解説は私の好きなように書いてください、と言われたようなものですね。やってやろうじゃないですか。もしコンサートが実現できた暁には、こってりとマニアックな「田園」の解説がプログラムに載ることになりますので、覚悟をしていてください。
 まあ、うすうすお気づきでしょうが、そんなこともあろうかと、だいぶ前からここではその「ベーレンライター版」に関してのエッセイっぽいものを書いてきてました。そして、それをコピペして、次回の「かいほうげん」のネタにしようと、すでにその原稿も出来上がっています。ですから、もうプログラム原稿なんて、出来上がったも同然なんですよ。あとは9月末ぐらいまでそれを寝かせておけばいいだけです。それで、その前にコンサートが中止にでもなったとしても、いちおう「かいほうげん」にはその原稿が残りますからね。
 と、どんな事態にも対応できるヴァーサタイルな原稿が出来上がって一安心していたら、ちょっとした「事件」が起きました。指揮者の新田さんのFacebookを覗いていたら、なんか見慣れた楽譜がアップされていました。それは、「田園」の第4楽章と第5楽章の間のフルートのブリッジではありませんか。スコアをお読みになっていたんですね。そこでのコメントで「遠くにDonnerのおでましか?」とありました。この曲で「Donner」と言えば、ベーレンライター版で初めて印刷楽譜に使われるようになった第4楽章のタイトルの中の単語ですよね。ですから「ベーレンライター版ですか?」と聞いてみたら、そのお返事が「いいえ、ヘンレ版です」ですって。
 これには、虚を突かれた思いでした。確かに、すでに前世紀から始まっていたにもかかわらず、1番と2番しか出版できずにそのプロジェクトは頓挫したと思っていたヘンレ版の原典版の出版が、最近再開されたことは知っていましたが、その「田園」でもベーレンライター版と同じタイトルが採用されていたのですね。
 私も持っているヘンレ版の1番と2番は1995年に刊行されています。それが再開されたのは2013年のこと、その年に3番から6番までが刊行されています。さらに残りの7番から9番までは2020年に刊行されて全曲が完成し、今では全9曲のボックスまで出ているのだそうです。
 ヘンレのサイトでは、そのスコアの一部が見られるようになっていますが、そこで楽章のタイトルを確認したら、確かに「新しい」ものになっていましたね。危ないところでした。この情報がなければ、まちがった解説になってしまうところでしたよ。
 不思議なことに、ヘンレから出ているのは全集として5冊にまとまった大判のスコアと、各曲のスタディスコアだけ、各曲の大判スコアとパート譜はブライトコプフ&ヘルテルから出ているのですよ。ということは、この楽譜出版社からは、ベートーヴェンの交響曲の原典版が2種類出版されているということになりますね。
 実際は、「田園」ではこちらが2001年に出版されたペーター・ハウシルト校訂の「ブライトコプフ新版」。
 そして、こちらが2013年(この分冊は2015年)に出版された、イェンス・ドゥフナー校訂の「ブライトコプフ/ヘンレ版」です。
 デザインは全く一緒、
 赤丸の中だけこんな風に変わっているだけです。でも、中身は微妙に異なっています。他の交響曲もみな一緒。なんでこんな分かりにくいことをやっているのでしょうね。ちょっと前までは、「ブライトコプフ旧版」もしっかり販売されていましたね。
 こことヘンレから出版されているこの「新全集」は、校訂作業はボンのベートーヴェン・ハウスにあるアルヒーフで行われています。今回のドゥフナーもその研究員です。かつては、この「田園」の校訂作業に日本人の児島新さんがかかわっていました。もしかしたら、彼が校訂したものが1980年代に出版される可能性もあったのですが、その直前に新しい資料が発見されたため、ベーレンライターに先を越されてしまったのですね。それが、今ではこんな形で世に出ているのですから、感無量です。昔、こんなのも作ってましたからね。
Aventure Number : 3303 date : 2020/8/14


今日の禁断 ブラームス


 今日本番だったさるアマチュアオーケストラの演奏会は、どうやら無事に開会されたようですね。SNSで配信された写真によると、こんな感じで、客席の1/3だけが座れるようになっていたみたいです。
 ここは2000人近く収容できるホールですが、2階席には入れないで、1階席だけで1500人座れるところの1/3ですから、ちょうど日本全国で通用する最高収容人員の規格の「500人」になるという勘定ですね(追記:これは勘違いでした。現在は「5000人か50%のどちらか少ない方」でしたね)。
 ここにいったいどのぐらいのお客さんがいらっしゃったのか、知りたいものです。まあ、これを見ただけでも必要な感染対策は行っているようですから、よもやここからクラスターが発生、などということはないでしょう。と、思いたいものです。
 翻って、仙台では、さる合唱団から最近の状況についての連絡が届きました。合唱はなんせ声を出して歌うのが仕事ですから、オーケストラ以上にその練習に関してはハードルが高いのでしょうが、7月からしっかりと対策を施した練習を再開したそうです。メンバーはマスク着用で前後左右に十分な距離をもって座り、指揮者と伴奏者は塩ビシートで囲むというスタイルのようですね。
 そして、演奏会も、当初6月に定期演奏会を開く予定でしたがこれは当然キャンセルとなり、それを来年の1月に延期していたのですが、それもやめにして、もっと先の6月に開催予定ということになったのだそうです。やはり、1月に開催というのは無理のようですね。他の合唱団でも、例えば東北大学の混声合唱団が今年の12月に開催予定だった定期演奏会を中止にすることを決定したのだそうです。その時期には、例年だと角田の「第9」の演奏会も会ったのですが、これはもうだいぶ前の時点でやはり中止を決定していましたね。
 1月の演奏会を延期した合唱団の場合は、会場についても問題があったようですね。そこは、うちでも使う予定の萩ホールなのですが、その合唱団の方は「何か問題があれば、たとえ演奏会の前日でもホール側の意向でイベントの開催を中止に出来る」ホールという風に受け取っていましたね。そんな、いくらなんでも多くの人に門戸を開放しているホールとしては高飛車に過ぎるような態度では、危なくて使うことが出来ないと考える人たちは多いでしょうね。
 そのあたりの事情に関しては、私もはっきりしたことは分かりません。最近、「ガイドライン」のひな型のようなものが出来たというのでそれを見たことがありますが、実際にそれが厳密に運用されるようになるものなのかも、分かりません。少なくとも、最初のバージョンを見た限りでは、「体よく使用を断る」ために、難癖を並べ立てたもののようにしか思えませんでしたけどね。なにしろ、「使用後はトイレの掃除をしろ」という項目まであるようですからね。
 ですから、その合唱団はもう萩ホールは見限って、6月には別のまっとうなホールを予約したのだそうです。
Aventure Number : 3304 date : 2020/8/16


今日の禁断 ハウシルト


 山下達郎は、ラジオで、仙台でのライブのために東京から少なからぬ人が移動することには抵抗があると感じる人が多いと言っていました。全く同感です。さらに、その時に、振替を予定していたライブの会場が、ガイドラインに従ってライブを開こうとするとそれは実現が不可能なので、結局中止にしたとも言っていました。そうなんですよね。この「ガイドライン」という奴は、侮れません。
 ですから、ニューフィルでは、もしコンサートを開けることになっても、かなりの面倒くさい思いをしなければいけません。その結果、いつもは12ページぐらいのプログラムを作っていたのが、たったの4ページ、つまりA3の用紙1枚を折っただけというショボいものになってしまいそうです。そうなると、当然曲目解説などを入れるスペースはありませんから、私が原稿を書く必要もなくなったことになります。まあいいんです。どうせ「かいほうげん」のネタにはなったのですから(全部で6ページになりました)。
 と思っていたら、そのことをFacebookで知った新田さんから最新の情報が寄せられたので、早速その資料を取り寄せてみました。
 これが、2015年に出版されたヘンレ版のスタディスコアです。当然、この間ご紹介したブライトコプフから出ているフルスコアと同じ印刷面だと思ったら、微妙に違っていましたね。最初のページは、このスコアだと、
 このようになっています。それが、この間のブライトコプフ/ヘンレ版だと、
 タイトルの配列が違ってます。というか、違えてあるのでしょう。いずれも、まず曲全体のタイトルとして、
Pastoral-Symphonie oder Erinnerung an das Landleben. Mehr Ausdruck der Empfindung als Malerei
(田園交響曲、あるいは田舎の生活の思い出、音画より感情の表現)
 という、ベーレンライター版で初めて印刷譜の中に取り入れられた文言が加えられ、楽章のタイトルがそれまでのものと変わっています。ただ、その下の譜面は全く同じものです。
 そのベーレンライター版では、全体のタイトルはこのような楽譜の最初ではなく、前のページに印刷されていました。
 と、タイトルに関してはベーレンライター版の思想を盛り込んだ形のヘンレ版ですが、ここではさらなる「原典版」ならではのこだわりがありました。それは、ベーレンライター版でも、そして、ブライトコプフ新版でも取り入れていた「練習記号」、「A」とか「B」といった、練習の時に都合の良いアルファベットが、なくなっているのです。確かに、最近の作曲家は自分でこれを入れることもありますが、ベートーヴェンの時代には出版社が「勝手に」入れていたのですから、「作曲家が自分の意思で書いたものを再現する」という原典版の思想にはなじみませんね。ベーレンライターのデル・マーは、この件に関しては言い訳をしていたような気がします。
 当然ですが、ブライトコプフ新版には、そのような配慮は全くありません。
 そして、この3者の楽譜は、細かいところで多くの相違点があります。「原典版」とはそういうものなのです。
 このヘンレ版はアカデミアから買ったのですが、送られてきた案内によると、そのアカデミアだけが販売を許されている、「日本語訳解説付きベーレンライター版」というものがあるのだそうですね。ベートーヴェンの交響曲だと3、5、9番がすでに発売されていて、近々7番が出るのだそうです。6番が出てたりしたら、今までやってきたことは何だったのかと落ち込んでいたところでした。
Aventure Number : 3305 date : 2020/8/19


今日の禁断 パーテーション


 今週も、火曜日にはニューフィルの練習がありました。いつものように弦楽器でも譜面台は1人1本ずつ用意してマスクを着け、奏者の間は出来るだけ間隔を広くとります。管楽器は、さらに広い感覚をとりますし、特にフルートの場合は前方に吐息が多く発散しますから、目の前にアクリルの遮音版を置きます。この遮音版はすごく頑丈な造りで、たたんであるものを使えるように開く時にはかなりの力が必要ですから、それを2本分やるともう冷房が入っているホールでも汗をかいてしまうほどです。
 練習時間も、これまでより実質的に45分少なくなりました。それだけでもその日の練習には全然足りないのに、休憩時間を20分以上取って、そこで技術委員会を開きます。まあ、貴重な時間を使うのですから、極力議論は避けて、前もって用意しておいたものに対して賛同を得る、ということしかできません。今週の場合だと、11月の演奏会の会場の萩ホールから求められていたガイドラインに対する回答の検討ですが、すでに団長たちで書き込んであるものの内容を承認する、という形でした。
 もちろん、私はこのガイドラインをそのまま守ったのでは、演奏会を開くことはできないと思っていたので、そこはどのように対応するのか興味はあったのですが、それを書いた人は自信満々なようだったので、あまりツッコミはしませんでした。私が一番まずいと思ったのは、ガイドラインにあったこんな「定員表」です。
 前にも書きましたが、この演奏会でのオーケストラの編成では、すでに60人を超えていますから、これはクリアできないな、と思っていたのですが、今回の回答ではそこが「65〜70名」となっていました。数字的にはもうアウトですよね。ただ、その辺はしっかり図面を用意して、奏者の間の距離がしっかり保たれていることが分かれば大丈夫なのだそうです。ですから、私としては、その「図面」にあった、備え付けの山台では管楽器の前後の奏者の距離が不足しているのでは、と言うにとどめました。
 それよりも、一番私が知りたかったのは、例の「9月問題」です。団員の中には、家族が東京に行ってくることがあり、その同居人としてはニューフィルの感染防止対策では練習に出ることは禁止されているので、それを忠実に守っている人もいます。
 ですから、9月の指揮者練習に、東京にずっと住んでいた指揮者が来てその日に練習に参加するというのは、この文言からは誰が考えても許されることではありませんよね。でも、そのことについて何かアクションを起こすという手応えは全くありませんでした。
 そこで、私は「指揮者にPCR検査を受けてもらってはどうか」と言ってみましたよ。そうしたら、「PCR検査というのは、あくまでそのときの感染の有無が分かるだけで、実際に仙台に来たときにどうなのかは分からない」ですって。そんなことは私だって知ってますよ。そうではなく、そのような「感染対策」をとることは考えていないのか、という意味での質問だったんですけどね。一事が万事、こんなレベルの言い逃れしか聞くことは出来ないのですよ。
 この日は、職場などの都合で練習に参加できない人の「コロナ休団」についても取り決めがまとまりました。うちの場合、通常の休団では団費を納めなければいけませんが、これが適応されると休んでいる間の団費は請求されません。ですから、そのような指示を出したのでしょうね。でも、そのような対応に不快感を示す団員だっているかもしれません。現に、ある団員がニューフィルに対する揶揄の言葉をネットに書き込んでいるのを目にしましたからね。正直、私は外部からはそのように思われても仕方がないような態度をニューフィルはとっているのだな、と納得してしまいましたよ。とても悔しく、そして情けない気持ちでいっぱいです。
 危機感を持っていない人たちは、萩ホールがきちんとガイドラインを守って、「ステージ上の人数が多すぎるので、使用は認めない」と言わなければ目が覚めないのでしょう。そうなってほしいものです。
Aventure Number : 3306 date : 2020/8/21


今日の禁断 ベルリンフィル


 ゆうべ、いつものように私のサイトを更新して、それを、やはりいつものようにブログにコピーしようと思いました。そうしたら、私が使っているExciteというブログの投稿欄へのリンクが消えています。ただ、ログインへのリンクはあるので勝手にログアウトされたかな(よくあります)と思ってログインしようとすると、IDやパスワードは間違っていないのに、ログインできず、さっきの画面に戻ってしまいます。そういう時には、キャッシュを削除すれば元の戻るというネットの指示に従ってキャッシュを削除したら、今度はブログそのものにアクセスできなくなってしまいました。
 ということは、Exciteの方に何かトラブルがあったことになりますね。それで、仕方がないのでブログの更新はあきらめて、一晩様子を見ることにしました。
 しかし、今朝になってもその状況は全く変わりません。そもそも、Exciteブログのトップページにすらアクセスできないのですからね。ただ、なぜか、そこの「ヘルプセンター」のようなところにはアクセスできますし、何かトラブルが起こっているというような告知はいくら探しても見当たりません。
 そんなことをしていると、突然ブログにつながりました。本当に突然でしたね。ほぼ12時間つながらなかったことになります。いったい何があったのでしょう。でも、ここを使っている他のブログを見てみると、その時間帯にもしっかりアップされているのですよね。私だけアクセスできなくて、その原因は全く分からない、という、非常に不思議な現象でした。もちろん、そのブログをFacebookに貼り付けているので、Facebookの更新もできませんでした。
 ブログがつながらなかったことごときで、なにか世の中から取り残されたような気持になってしまうのですから、いやになります。たかがブログ、たかがネットですから、そんなものに惑わされるのはいやですね。
 とは言っても、ネットでは必要だと思われるような情報が得られることも確かです。コロナ関係では、ドイツの医療機関ではドイツのプロ、オーケストラも加わって詳細なガイドラインが作られていましたが、それが最近改訂されたのだそうですね。そこでは、奏者間で必要な距離が、弦楽器では1.5mから1mに、管楽器では2mから1.5mに「緩和」されたのだそうです。さらに、管楽器の前に立てるアクリル板も「必要ない」ことになりました。でも、これはあくまでプロ・オーケストラの場合ですから、アマチュアの場合はそんな「危険な」まねはしないで下さいね。
 合唱の場合は、そんな甘ったるいことは言ってられないようです。福島県で、合唱の練習からクラスターが発生したということが大々的に報道されてしまったので、7月初めから練習を再開していたかつて私も所属していた合唱団は、今週の練習を中止することを決定したのだそうです。他の県のことだから関係ないよ、と言っているようなアマチュアオーケストラとはえらい違いですね。もちろん、このぐらいの反応を見せる方が今の時期にはふさわしいことは分かり切っています。
 さらに、普通の合唱団だったら、このように指揮者の前にパーテーションを設置するのも当たり前の練習風景です。福島ではこれをやっていても感染者が出た、ということで、みんなが危機感を抱いているのですよ。
Aventure Number : 3307 date : 2020/8/23


今日の禁断 サティ


 きのうはニューフィルの練習日。合唱の場合は隣県で合唱団のクラスターが発生したのであれば、まずは練習を休むところですが、あいにく鹿児島県でオーケストラのクラスターという情報は今のところ入っていないので、フツーに練習が行われました。まあ、イレギュラーだと思われるのは、近づいてきた指揮練の時の歓迎会と、演奏会の後の打ち上げはやらないということが決まったことぐらいでしょうか。いや、わざわざそんなことを決めなくても、それは至極当たり前のことだと前から分かっていたはずなんですけどね。逆にそんなことをやったりしたら、私はニューフィルを見限りますよ。
 それで、いつも練習前に晩御飯を食べることにしているのですが、とらの子の中華も飽きたので、たまにはとんかつでも食べたいな、と思いました。ただ、そういう時にいつも行っている櫻家が、なぜかマスターの体調不良ということでずっと御休みなんですね。それで、本屋さんにも行きたかったのでちょっと足を伸ばしてイオンのさぼてんに行ってみることにしました。
 本当に久しぶりにこのお店に来たのですが、メニューが大幅に変わっていましたね。その中で、これにはちょっと惹かれました。
 なんか、すごくいい肉をつかっているみたい、これだったら櫻家にも負けない味が期待できますよ。結構ボリュームもありそうですし。
 ここは、注文するとすぐに、よく冷えたキャベツの千切りを持ってきます。もちろん食べ放題。これは、櫻家ではできないことですから、お代わりをしてたっぷり味わいます。
 でも、肝心のとんかつは、ひどいものでした。まず、肉そのものがとても筋が多くて見た目が汚らしいんですよね。この写真とは似て非なるものです。いったい、どこのクズ肉を持ってきたのかな、という感じ。こんなんで生ハムなんて作れるわけがありませんよ。ロースなのに脂身もありません。もちろん食感は最悪、硬くてかみ切ることが出来ません。そんなひどい肉を、もうガッチリ揚げてあるのですから、どうしようもありません。そもそもそんなものはなかったのでしょうが、肉自体の旨味が全くなくなっています。櫻家の代わりが務まると考えた私がバカでした。
 こればっかりは実際に食べてみるまでは分かりませんね。
 電子ピアノの場合は、そんな間違いは起こらないはずだと思って、ヤマハの一番安い製品がさらに安くなっていたので、買ってみてもいいな、と思いました。P-45という、どこのサイトを見ても5万円以上はする楽器が、Amazonで3万円台で買えるようになっていたのですよ。ところが、いざ注文しようとしたら「一時的に在庫がなくなりました」ということで、5万円でなければ買えないマーケットプレイスへの案内の画面に変わっていました。それでは意味がないので、あきらめようと思ったら、なんかの拍子でその元のページが出てきたので、ダメモトで予約を入れておきました。そうしたら、3日後ぐらいに「発送しました」という連絡があったんですよね。そのあとはまたこの値段では買えなくなっているので、たまたま入荷があったのでしょうか。中国から。
 職場で暇な時に弾くために買ったので、スピーカーは全く使う気はありませんでした。確かに、その音はいくらなんでも、という感じでした。でも、それをヘッドフォンで聴いたら、まるで別物。しっかりグランドピアノの音がしてましたよ。キーボードのタッチも生ピアノみたいですし、これですっかり満足してしまいました。ペダルも1つだけあれば十分です。ピッチも、ワンタッチで442に変えられるんですね。まあ、アンサンブルに使う気はないのであまり意味はありませんが。
 とりあえず「ジムノペディ」を何十年かぶりに弾いてみると、あまりのヘタさに愕然。
Aventure Number : 3308 date : 2020/8/26


今日の禁断 ソケット


 先週のニューフィルの練習の時には、新しい「かいほうげん」も配りました。その前に出したのが4月7日。もちろんこの頃はすでに活動休止になっていましたから、その日にネットでPDFを公開しただけで、リアルかいほうげんは練習が再開した時に配りましたね。ですから、見た目はそれが出てすぐにまた新しいのが出た、という感じなのですが、実際はその間はほぼ5か月間のブランクがあったのですよ。これまでは、最大でも2ヶ月の間隔で出してきていましたから、これはまさに「緊急事態」ならではのことでした。
 まあ、練習は休んでいても世の中は動いていますから、今回もネタに困ることはありませんでした。というより、記事が多くなり過ぎたので、毎回載せている「おやぢの部屋」をカットしなければいけないほどでした。まあ、実際はあのコーナーはそういうバッファー(緩衝材)としての役割を持たせたもので、こんな風に他のコーナーだけでいっぱいになったらなくす、あるいは、どうしても穴埋めが必要な時にはページを増やすという風に使うことを想定していたんですね。あれはサイトの方でいくらでも作っていますから、そういう時には役に立ちます。ただ、実際にそういうことをしたのは今回が初めてでしたけどね。
 逆に、「かいほうげん」に載せた、今回はベーレンライター版の序文のネタと、クネヒトの「田園交響曲」のネタは、そのままPDFにして、サイトのコンテンツにしてあります。そもそも、このサイトは「かいほうげん」のネタをコンテンツにするところから始めたものですから、いわば原点に返った姿、ですね。もちろん、その後でニューフィルの公式サイトも作ったので、そちらの方でも「かいほうげん」そのものを見られるようにもしています。
 そんな風に、この「ジュラシック」のサイトとニューフィルのサイトとは密接にリンクしています。正直、作っている私でも、どこまでが「ジュラシック」なのか分からなくなる時があったりしますから、困ったものです。
 そういうウェブサイトでは、最近では軒並み「SSL化」が進んでいます。今までの「http」というプロトコルではセキュリティの面でかなり無防備なところがあるために、簡単に「なりすまし」や「フィッシング」の被害に遭ってしまうそうなのです。それを防ぐために、暗号化を進めて外部からの侵入を防ぐようにするのが「SSL」なわけで、その結果プロトコルは「htpps」と、最後に「s(=secure)」が一文字増えることになります。
 見渡してみると、今では大きな企業とかのサイトでは、全て「https」に変わっているのではないでしょうか。もちろん、もっと下の階層のサイトでも、このSSL化は進んでいますし、個人で作っているサイトでも同じことになっています。ですから、「ジュラシック」や「仙台ニューフィル」も、本当はSSL化をしないといけないのでしょうね。
 そこで、そのためにはどんなことが必要なのか調べてみました。そうしたら、まず、「ドメイン」を取得するのが必須条件だということが分かりました。実は、だいぶ昔にニューフィルのためにドメインを取ったことがあったのですが、結局管理の面で問題があって、すぐにやめてしまったという経緯があります。それと、全体でhttpsにしたとしても、それぞれのページの中にhttpのリンクなどが入っていると、それはhttpsとはみなされないために、そういう個所をすべてチェックしなけれがいけません。そうなると、もう私の手には負えませんね。
 音楽関係の個人サイトで「クラシカ」という歴史のあるサイトがあるのですが、そこのマスターも、同じことで悩んでいたようです(→こちら)。まあ、日進月歩のネットの世界で、20年前と同じことが通用するわけがないのでしょうが、困ったものです。
Aventure Number : 3309 date : 2020/8/28


今日の禁断 ツイート


 総理大臣が辞任しましたね。なんでも、史上最長の在任期間をクリアした4日後に辞めることを発表したのですから、ドラマティックですね。もう持病が悪化して体はぼろ雑巾のようになっているというのに、なんとしてもこの記録だけは打ち立てたいという気持ちだけで、頑張っていたんでしょうね。まさに涙ぐましい美談ですが、そんなに無理をしなくたっていいのにな、という気はします。なんたって体が一番大事なのですから、こんなところで意地を張っていたら、治るものも治りませんよ。
 いや、そんなことよりも、いやしくも、まさに「国民の命」を預かっている人が、そんな自分の記録達成のためだけにポストにしがみついていたというのは、あまりにもひどい話だ、と思ってしまいますね。
 でも、それよりももっとこだわっていたはずの「憲法改正」については、結局その思いを遂げることは出来なかったのですから、ざまあみろですね。「断腸の思い」とか言ってたようですが、もしかしたら、病気が悪化して本当に腸を切り取ってしまわなければならなくなってしまうかもしれないのですから、これは笑えませんね。こういうのを本当の「失言」というのでしょうね。ある意味、こういう病気で戦っている人に対して、やさしくない言い方ですよ。それにくらべれば、のりぴーの発言なんて、可愛いもんじゃないですか。もちろん、彼女が言っていることは全くの正論ですからね。
 まあ、とりあえず、これまでの総理大臣よりはきれいなしゃべり方をする人が次の総理になるのでしょうから、それは歓迎すべきことです。本当に、今までの総理の活舌の悪さには我慢が出来ませんでしたからね。そもそもきちんとした日本語をしゃべることが出来ない人が国のリーダーを務めていた、ということがものすごく恥ずかしいことだったのでは、と思います。
 でも、今回の騒ぎでこの総理の昔の映像などが流れていますが、それを聴いてみるとそんなにひどいしゃべり方ではないんですね。あんなみっともないしゃべり方になってしまったのは、最近のことだったということになりますね。いったい何があったというのでしょうね。もしかしたら、そういう病気だったのかもしれませんね。
 いずれにしても、次の総理は体が健康で頭がいかれていない人になってもらいたいものです。でも、それを決める痔眠党の動きには笑えますね。まずはなんとかさんに「一任」してるというのですから、相変わらずの密室ぶりです。今は「密」は最もいけないことだったんじゃないですか?もう、そこには国民に向けての視線なんて、微塵も感じられませんね。結局、これからもこんな国民のことなんか全然考えない人たちが国を動かしていくのですから、どうにもなりません。これに立ち向かってくれるはずののりぴーたちは、指をくわえて見ているだけですから。
Aventure Number : 3310 date : 2020/8/30


今日の禁断 シンゾー


 ついに9月になってしまいましたね。最近は本当に時が経つのが速く感じられてしまいます。ついこの間お正月だったと思っていたら、もう9月ですからね。ですから、このサイトでも月が変わるごとに更新しているコラムのことを、すっかり忘れていましたよ。そのことに気が付いたのが、きのうの通常の更新が終わろうかという頃でしたから、それから慌てて「ジュラシック」のロゴを作って、何とかきのうのうちにはコラムの更新を終えました。まあ、そんなわけで、正直あまり出来は良くないのですが、もう何も考えなくてもすんなり浮かんできたものをそのまま使ってしまいましたよ。
 実は、そんなことをやっている間に、とんでもないことが起ころうとしていました。私がこのサイトの一部にも使っているレンタルサーバーが、一歩間違ったら使えなくなっているところだったのですよ。ここの料金は年払いにしているので、毎年9月1日がその更新日になっています。ですから、8月31日までに料金を払わないと「止められて」しまうのですよ。それを避けるために「自動更新」というのを設定していたのですが、きのう練習から帰ってきて、まずお風呂に入ってからそこをチェックしてみたら、それが機能していなくて「未納」の状態になっていました。考えてみたら、そこで使っていたクレジットカードは、いつも使っているJCBが使えなかったので、別のVISAにしてありました。ところが、それは「大人の休日倶楽部」のために作ったカードだったのですが、最近はほとんど使う機会もなくなってしまったので、去年解約してしまいました。ですから、そのカードも使えなくなっていたのですね。
 ですから、当然その支払いは出来なかったので、自動更新もされずに未納のままになっていたのですね。でも、さいわいそれですぐに「止めて」しまうということはしなかったようですね。そのあたりは、どのぐらいの猶予があるのかはどこにも示されていないので、まずは即刻新しいカードで支払いをしなければいけません。でも、やっぱりJCBではだめでした。そうなると、私の使えるカードではセルフ給油の時に使うガソリンスタンドのカードしかありません。たしかあれもVISAだったはず。ただ、それは給油の時にしか使わないので、車の中に置いてあります。仕方がないので、パジャマのままで下の駐車場まで行って取ってきましたよ。
 それを使ったら、やっと支払いが出来ました。まずは一安心、これがなかったら、まあ私のサイトは画像が見られなくなるだけでしたが、ニューフィルの公式サイトは丸ごとここを使っているので、完全に見られなくなっていたところでした。
 ところで、今度の演奏会の会場に予定している萩ホールには、ガイドラインについてのアンケートを送ってありますが、今のところまだその回答、というか使用許可のようなものは届いてはいないようです。これについてはここでも何度か「ステージ上の人数制限をクリアすることが出来ないはず」ということを書いてきましたが、最近になって、それを裏付ける図面がホールのサイトで公開されるようになっていました。実は、これはニューフィルにも届いていたはずなのですが、我々下々のところまでは共有できてなくて、ここで初めて見ることが出来ました。
 ガイドラインで述べられていたステージ上の人数は「54人」まででした。この図面では、おそらく合唱の場合の配置で、実際に54人を並べているようですが、昨日、やはりこの図面を見ていたオーボエのMさんから言われたのでもう一度見直してみたら、その「54人」の人数というのはそういうことではなく、ステージの面積を、1人に必要な面積で割ったものが「54人」になっている、と言うことのようなのですね。つまり、この図面は前からサイトにはあるステージの図面の上にいろいろ書き込んだものなのですが、この中の紫色のラインは最初からありました。それは、1間(1.8m)四方のマス目です。ですから、このマス目の真ん中に人が立てば、周りの人との距離が1.5mほどは取れるということですね。それで、このマス目は8×6で48個あります。さらに、前の3列では、それぞれ左右の外側に1つずつ増やすことが出来ますから、+6でちょうど「54個」になるのですよ。ですから、どんなに並べ方を工夫したとしても、この人数以上はステージには乗れない、というかなり厳密な規定なのではないでしょうか。どうなる、ニューフィル。
Aventure Number : 3311 date : 2020/9/2


今日の禁断 ゴースト


 最近では、色々なところでコンサートが開かれるようになってきましたね。それぞれが、その業界、あるいはホール独自のガイドラインに従って、どうしたら新型コロナ感染を引き起こさずにすむかと知恵を絞っての開催なのでしょう。幸いなことに、クラシック関係ではこれまでにホールでのコンサートから感染が引き起こされたという事例は発生していないようですが、それがこのまま続いてやがては今のような規制が緩和されるのか、あるいは、ちょっと油断をして感染者を出してしまったために、また振出しに戻ってしまうのかは、誰にもわかりません。
 なんたって、一番いいのは、何をやっても感染の心配がなくなるまで、コンサートはやらない、という潔い姿勢なのではないでしょうか。
 例えば、「潰瘍性大腸炎」に罹ったのであれば、まずは入院して絶食、栄養は点滴やカテーテルで補給する、といった治療を行うのではないでしょうか。それなのに、普通通りに飲み食いをしてたりすれば、決して治ることはないでしょうね。ですから、その病気のために職を辞したのならば、まずは入院して万全の治療を受けるのは当たり前のはずです。でも、実際は入院もせずにカメラの前を歩きまわっているのですから、その人はそんな病気などではなく、病気をでっち上げて、つまり仮病を使って、「都合よく」辞めたのでしょうね。なんたって、病人にさえなってしまえば、それまでの悪事を追求されることはありませんからね。だったら、せめて入院でもして病人の「フリ」ぐらいはしてほしいものです。
 それにまんまと騙されて涙を流したのが、Yという「自称」歌手です。恥ずかしいですね。
 ちょっと話がそれました。休むというのが最も効果的な治療だ、という話でしたね。ただ、プロの場合はコンサートはまさに「経済活動」そのものですから、それがなければ干上がってしまいます。なんとしてでも、方策を考えるでしょうね。でも、アマチュアにはそんな必要は全くありませんからね。
 とは言っても、なかなかそこまでは踏み切れないのが、「勤勉」な日本人なのでしょうか。何もしないでいることが罪であるかのように非難されるという「風習」は、こんな時にもなくなることはありません。その結果、プロがやっていることの見よう見まねで、コンサートをやろうとする動きが当然のことのように起こっているのでしょうね。そんなことをやっても、誰も褒めてはくれないのだ、という意識を、持っていたいものです。
 ということで、プロの音楽家が集まって毎年10月に開かれていた「せんくら」というクラシックコンサートのイベントは、中止になってしまったのですが、とりあえずなにかはしなければ、ということで、2日間だけ1つのホールを使っての連続コンサートが開催されるようになりました。もちろん、そこでは入場者数をホールの座席の半分にしたり、必ずマスクを着用させたりと、ガイドラインがフル装備になっています。
 そのチケットの一般発売が今日から始まりました。それが、今日だけでもう半分近くのコンサートが完売しているんですね。まあ、人数が半減しているのですから、当然のことなのでしょう。私も、一つ行きたいのがあったので、売り切れる前に慌てて買ってきましたよ。
 このコンサートには、私の知り合いがステージに立つことになっています。ま、「譜めくり」ですけどね。
Aventure Number : 3312 date : 2020/9/4


今日の禁断 ドリル


 以前は私の職場でニューフィルのパート練習を行っていました。それだけではなく、毎年夏に行っている団内の「アンサンブル大会」のための練習、などというものも、私の場合はフルート4本のアンサンブルと、フルートと3つの弦楽器のアンサンブルの二つで練習をしましたね。それは中止になってしまったので、今回は必要なくなりましたけどね。
 いまでは、コロナ禍のため、ここは外部への貸し出しは行っていません。というより、本来の役割はご法事などでの会食なのですが、この騒ぎが始まってからはそういう内部の行事にも一度も使われてはいませんでした。やはり、どんなことをやっても感染者が出ることは避けられないということはもう当たり前の話になっていますから、もしここを使ったことでの感染などが出た時には、取り返しが付かないことになってしまう、という意識が強いのですよね。
 そういう意識が根底にあるという職場は、たくさんあるようですね。最近、ニューフィルでは、そういう職場に勤めているために練習に参加できないメンバーに対して、その期間の団費を免除する制度が始まって、そのための申請書などが私の目にも触れるようになったのですが、その休団理由の欄には「何かあった時には、職場の名前が出てしまって迷惑をかけるので、練習に出るわけにはいかない」というようなことが書いてありましたね。ですから、そういう人がいる限りは、本当は練習なんかはやらない方がいいのに、とは思いませんか?
 まあ、そんなわけで、しばらくは私の職場での練習というのは行われることはないでしょうね。ですから、いつになるかは分かりませんが、この次にここに来るようなことがあった時には、そこに入るための道がガラッと変わっていることに驚くかもしれません。
 車でそこに行くには、まずは焼き肉屋と八百屋の間の一方通行の道に入って、その後は仙山線のガードをくぐらないで線路に平行に走り、最初の角を左に上がる必要があります。その角にはブロック塀に囲まれた民家があったので、ちょっと見通しも悪いし、大きな車だと曲がるのが大変でした。
 そこが、なぜか取り壊しされることになったようなのです。せっかくなので、その工事の写真を毎日撮ってみました。
 始まって2日目には、もう屋根がなくなっていました。後は重機で壊しまくります。
 壁が少し残っているだけ。
 建物は完全になくなりました。
 周りのシートも取り除きます。
 ブロック塀もなくなりました。
 これで、ほぼ更地になりましたね。このあと、ここはどうなるのでしょう。道路が広がるといいですね。
Aventure Number : 3313 date : 2020/9/6


今日の禁断 ロース


 この間は、とてもまずいとんかつを食べてしまったという一件を書きましたが、それというもの、贔屓のお店の「櫻家」がこのところ元気がないからです。いや、比喩としての「元気がない」ではなく、実際に店長さんが体調を悪くされているようなのですよね。ここはその店長さんが一人で料理を作っていますから、彼がいないことにはお店を開けることはできません。
 実際、これまでは例えば腰痛などが理由で急にお休みになったということが何度かありました。それでも、まあ数日すればまたお店を開けていたようなので、そんなに心配はしませんでしたが、今回はちょっと深刻でしたね。このお店の前は車でよく通るので、お休みでない時にはこんな幟を立てているので分かります。
 ところが、最近は、ばったりこの幟が見られなくなっていたのですよ。それで、ある日入り口の前まで行ってみたら、そこには「店主体調不良のため、しばらくの間お休みします」という案内が入り口のドアに貼ってありました。「しばらくの間」というのが気になりますよね。時期が時期だけに、もしかしたらコロナ?と思ってしまいますよ。でも、私が最後にここで食べてからもう2週間以上経っていますがなんでもないので、それはないだろうとは思いましたけどね。
 それからしばらくしても、お店を開けている気配はありませんでした。そこで、もう1回入り口を見てみると、前の貼り紙とはちょっと変わっていて「9月半ばから、再開します」と書いてありました。どうやら、先の見通しが立ったようですね。
 実は、この前の道は朝に通ることがあります。そのころには、そんな時間帯に走っていると、店長さんが外に出て玄関の掃除なんかをしているのを見かけたりしますから、もう元気になったのだな、と思っていました。そうしたら、数日前から、この幟が立っているではありませんか。まだ9月の始めですが、少し予定を早めて再開したのでしょうか。
 ところが、夕方もここを通るので見てみたら、その幟は撤去されていました。お店の中も電気がついていない様でしたから、もしかしたらお昼の時間だけの営業だったのでしょうか。
 昨日も、そんな感じでした。朝通った時には幟が立っていたので、貼り紙はどうなっているのか確かめてみましたよ。そうしたら、貼り紙はもうなくなっていました。ということは、もう完全に復活したということでしょうか。開店時間も、しっかり昼の部と夜の部の両方書いてありますし。
 その夜の部の開店時間が5時半だったので、それなら、練習に行く前にここで食べていこうと思いました。この間の〇ぼてんのリベンジですよね。でも、私が行った時には、もう幟はなくなっていました。そして、入り口には「夜の部は店主体調不良のため持ち帰りだけとさせていただきます」という、また別の貼り紙です。やっぱり、まだ本調子ではなかったのですね。
 仕方がないので、晩御飯はとらの子で食べて、それから旭ヶ丘に行く前にもそこを通るので見てみたら、駐車場に車が2台止まっていました。テイクアウトのお客さんが、しっかりやってきていたのですね。
 本格的な再開を、待ってますよ。
Aventure Number : 3314 date : 2020/9/9


今日の禁断 スイッチ


 前回の「櫻家」と同じ、私の数少ないお馴染みのお店に、「杉本」というのがありました。鶏料理専門のお店ですね。ただ、以前も書いたように、定食の定番だったとりわさで食中毒を起こしてしまってからは、それをメニューにすることは出来なくなっていて、代わりに棒棒鶏のようなものになっていましたね。それでお客さんが減ったのかどうかは分かりませんが、その後に起こったコロナ禍によって、商売は確実に危なくなっていたようで、「しばらくお休みします」という張り紙を出して休業してしまいました。
 あれだけの打撃があったのですから、もう再開は無理だろうと思っていても、いつかは再開してくれないものか、と祈っていたのですが、今日ネットを見ていたら、こんな写真が見つかってしまいました。
 「仙台つーしん」というサイトの「開店・閉店」というカテゴリーの中の、7月29日の書きこみでした。とうとう閉店してしまったんですね。これでもう、あのフワフワの竜田揚げは、決して味わうことは出来なくなってしまいました。本当に残念です。
 そんなことは、ネットがつなっがっていてこそ知ることができるわけですね。私の家のネット環境は、そんなに悪くはないと思っていました。メゾネットのマンションなので、1階にモデムとルーターを置いて、それをかなり離れた1階の私の部屋と2階の部屋とで受けてます。ところが、最近2階でオンラインゲームを使うようになったら、WIFIが全然物足りないことに気づいてしまいました。ルーターのそばまで行かないと、十分に機能しないんですよね。
 そこで、ルーターを2階に移動させてみてはどうか、と思いました。2階にも電話線は来ていますからね。ところが、その2階のモジュラー端子に電話機をつなげてみると、配線が来てないんですよ。そういえば、光を入れたときに、工事の人に「2階は使わない」と言ったので、ケーブルを外していたような。
 となると、NTTに工事をしてもらわなければいけません。問い合わせの電話で事情を説明すると、やはり2階に新しく配線を行い、そこにモデムをつなげなければいけないのだそうです。1階と2階で2つモデムを使えないかと聞くと、「2回線分料金がかかります」というので、それはあきらめました。
 そして、工事の人がやってきたのが今週の火曜日でした。家で待機していると、2人の若い作業員がやってきました。でも、二人ともなんだかガーガーうるさい音を立てています。よく見ると、扇風機が中に入ったジャケットを着てました。初めて見ましたよ。確かに、こんな暑いときに配線工事などをやったら私などは汗だくになってしまいますから、これは便利でしょうね。
 もう、すぐに2階にモデムとルーターは移動できました。とりあえず下で確かめてみると、今までと変わらない様だったので、まずは一安心。実は、これをやったことで、逆に1階のネット環境が悪化したらまずいな、と思っていましたからね。工事の人は、「何か不具合があったら連絡をください」と言っていたのですが、その後声を潜めて、「実際は、1階と2階の間のケーブルをつないだだけなので、そのまま下でつなぐこともできますよ」なんて耳打ちしてくれました。それだけのことだったんですね。だったら、私でも出来た工事でした。
 ただ、改めて1階の私の部屋で実際にネットにつないでみると、微妙に今までよりつながりにくくなっていたことに気が付きました。ドアのそばだとちゃんとつながるのに、ちょっと奥まった定位置だと、すぐ切れてしまうんですね。ですから、部屋の配置を変えて、ドアのそばで作業できるようにしようかとも思ったのですが、それよりは、まずルーターの位置を変えてみようと思いました。そこで、3mのモジュラーケーブルを買ってきて、窓際にあったルーターとモデムを部屋の入口まで持ってきました。でも、それではほとんど改善しません。
 ですから次の日、今度は10mのケーブルを買ってきて、思いっきり階段の踊り場までルーターたちを移動させました。それは効果てきめん、やっと前と同じように使えるようになりましたよ。もちろん、2階でのゲームも何の問題もありません。
 そんな作業のたびに大汗をかいて、シャツを替えてました。でも、そろそろ涼しくなってくるみたいですね。
Aventure Number : 3315 date : 2020/9/11


今日の禁断 スケルツォ


 仙台市内では、コロナの感染者が異様に多い日が続いていますが、ニューフィルの練習はそんなのを横目で見て進められています。そして、ついに東京からの指揮者をお迎えしての指揮者練習が始まりました。
 末廣さんがマスクを着けていたのでまずは一安心。もし、何もしていなければ、フルート用のアクリル遮音版をまわりに立てようかというぐらいのことを私は考えていたのですが、とりあえずそんな必要はなさそうでした。
 オーケストラは、ステージの上ですから、いつもよりメンバーの距離は近めですが、弦楽器はそれぞれ譜面台を使っていますし、マスクも着けています。
 使わなかったアクリル板は、本来のフルートの前に。
 こんな状況ですが、末廣さんの練習はいつもと変わらない熱のこもった、そしてとても丁寧なものでした。こんな、「田園」の自筆稿のファクシミリという高価なものまで持ってきてくれていました。これの現物を見るのは私は初めて、IMSLPでも一応見れるのですが、あちらはとてもサイズが小さいので、文字なんか読むことはできませんからね。
 その「田園」が始まる前に、末廣さんの決意表明というか、どんな姿勢でこの曲に臨むのか、といったことが熱く語られました。あくまで、「ベートーヴェンが書いた通りの演奏を目指す」というのが、基本的な方針です。そのために選ばれたのがベーレンライター版でした。同じ原典版でも、ブライトコプフ新版ではダメなのだそうです。そのあたりの話は私にとってはとても興味深いものでした。なぜブライトコプフがダメなのか、ということで例に出した「第9」のフェルマータの話など、私はとてもよく分かりましたが、他の人はどうだったのでしょうね。これは、次回の「かいほうげん」のネタになるかもしれませんよ。「ベートーヴェンはあんなことは絶対しません」とおっしゃっていた部分の音声ファイル付きで。
 2日目には、第2楽章あたりはさらにこってりと繰り返し練習しましたが、結局全曲はやれませんでしたね。確か、次の指揮者練習の時には、2日目は少し早めに切り上げる予定になっていましたから、時間配分はどうなるのでしょう。実際、普段の練習でも以前より時間が減っているので、なかなか細かいところが仕上げられていません。そんなこともあって、以前から弦楽器の人たちから要求が多かった曲目の見直しについて、やっと前向きの結論が出たのはうれしいことです。ただ、「普段とは違う演奏会」という概念のとらえ方が人によって全然違っているという状況は、依然として残ります。練習には真摯に取り組みつつ、どんな演奏会にすべきかという議論はしっかり続けていく事が出来るような風通しの良いオーケストラでありたいですね。
 今日は私の出番は午前中だけだったので、帰りに待望の「櫻家」に行くことが出来ました。何か月かぶりの上ロース定食はいつものとろけるようなジューシーな口当たり、店長さんの腕は健在でした。しかも、以前ちょっと気になっていた、コロモがすぐはがれてしまうという、とても些細な欠点も改善されていましたね。でも、夜の部が持ち帰りのみというのは、まだ続くそうです。
 家に帰ったら、生姜がたくさんあったので、ジンジャーシロップを作ってみました。ただ、ネットのレシピで作ったので、これを炭酸水で割ったジンジャーエールは、かなりの「甘口」でしたね。次回は「辛口」に挑戦です。
Aventure Number : 3316 date : 2020/9/13


今日の禁断 オントモ


 音楽ライターのオヤマダアツシさんがお亡くなりになりましたね。かつては「山尾敦史」というペンネームだった方で、だいぶ前にこういうペンネームに「改名」されていました。なにがあったというのでしょう。イギリス音楽を紹介した本にはいろいろ教えられました。私は一面識もありませんでしたが、友人の友人だった、というぐらいの薄〜いつながりはありました。あとは、だいぶ前に彼のブログにトラックバック(死語!)したことがありましたね。それと、なんでも本名が「晶」だというので、親近感を抱いてましたかね。まだお若いのに(といっても60歳)残念です。
 オヤマダさんは、山尾さんだったころ仙台にもいらしてました。あの川内萩ホールが出来た時、ホールで行われたプレス向けのプレゼンに来ていたそうです。私もそこに行ってたんですけど。
 その萩ホール、出来てからもう12年になろうとしていますが、その間の仙台の他のホール状況にはほとんど変化はありませんでした。新しくできたのは「パトナ」という小ホールぐらいでしょうか。ですから、萩ホールは、見事に公立のホールの間隙を縫って利用者を獲得するようになっていました。わがニューフィルでも、最近ではほぼホームグラウンドのようになっていましたからね。
 しかし、今回のコロナ禍では、思いがけないところでその弱点が露呈することになってしまいました。このホールは一応大学の付属施設ですので、その管理は大学内の取り決めに則って行われています。そして、どこの大学でもこのコロナに関しては非常に慎重な姿勢を貫いていましたから、ホールを使うにあたっての制約もかなりシビアなものとなっていました。要するに、会場を予約していても、そこを使う前に状況が悪化したら、即刻使用を断ることができる、という取り決めが交わされているのですよ。
 もちろん、コロナが猛威を振るっていて、あの「緊急事態宣言」などというものが発令されていた頃には、どこのホールにも同じような対応が迫られていて、その結果夥しい数のイベント、コンサートが中止に追いやられていました。しかし、今では、必ずしもコロナの脅威が収まったわけではありませんが、こと、イベントに関しては。ホールを使うこと自体は制限を設けたうえで許されるようになっています。いや、もう少しすると、その制限さえも取り払われるかもしれないという状況です。
 そんな中にあって、この萩ホールの対応は、確かに状況を冷静に見極めた、ある意味正しいものだと思います。世の中、まだまだ以前と同じコンサートを開くのは無理があります。何でもかんでも経済活動優先で進むのは間違っている、という姿勢をとっているのは、さすが最高学府たる矜持です。
 ただ、そこを使ってコンサートを開こうとしているものとしては、本番の1ヶ月前でも使用を断ることができる、というのはあまりにも理不尽です。実際に、そうなりかねないので、ここを見限って別の会場を予約したという合唱団を知ってます。
 ですから、11月に本番を控えていたニューフィルとしても、そのあたりはきちんとした回答を望んでいたのですが、どうもその指揮系統が混乱しているようで、確実なことが何もわからないというひどい状態になっていたのだそうです。挙句の果てに「別の会場をお探しになってはいかがですか?」などと言われたのだそうです。かなりヤバいですね。
 正直、私はそれでもかまわないと思ってましたけどね。そこまでのことが迫られるほど状況が逼迫している中でコンサートをやっても意味がない、と。しかし、なんと「別の会場」が同じ日に空いていたのですよ。そうなったら、もうやめられませんね。あとは、関係者に感染者が出ないことを祈るだけです。
 チラシももう出来ていたのですが、直すしかありません。曲目も、この間の指揮者練習の時に協議して、少し変わりましたし。
Aventure Number : 3317 date : 2020/9/16


今日の禁断 イズミティ


 ニューフィルの演奏会は、とりあえず演奏会場も曲目も決まって、具体的に動き始めたようです。その第1弾がチラシやチケットの印刷でした。一応少し前にはそのデザインなども決まっていて、細かいところの補正が行われていたのですが、その段階で本番の会場が変わってしまったので、最後の決定校は印刷所任せで、そのまま印刷、今日の夕方予定されていた団員用のチケットの袋詰め作業に間に合わせたのでした。ですから、誰も最終的なデザインは見たことがないところに、そのチラシなどが納品されるという異例の事態だったのですよ。
 ですから、まず私としてはその最終校のデータを使って、公式サイトなどにアップしたかったので、数日前から係の人にお願いしていました。それが、今日になってやっと届きました。ところが、初校では黄色いバックだったものが、真っ白なバックに変わっています。おそらく、今回は一色刷りだったので、用紙の色は考えないでデザインだけを送ってきたのでしょう。ですから、これをそのままアップしても、実際のものとは色が違っている可能性が大です。
 仕方がないので、その、今日納品される現物をもらうために、旭ヶ丘まで行ってきましたよ。やっぱり、バックは黄色になっていましたね。
 前回載せたのと、微妙に色が変わっていますね。いや、これも、現物とは少し違っているのですけどね。こちらからは、裏面と一緒になったPDFが見られます。色々大変ですよ。
 今回は、そもそも最初に使うはずだったホールの定員の半数しかお客さんは入れられないということで、いつもと違ってチケットに枚数制限を設けています。結局、もっと大きなホールに変わってしまいましたし、それこそ、明日あたりからはホールの定員の100%の収容が可能になったりするようですから、そんな必要はなかったのでしょうが、いくらなんでもホイホイそんなのに乗ることは出来ないので、制限を解くことはありません。というか、実際問題としてチケットもギリギリしか印刷してません。
 ということで、今回は私が中心にやっていた各所へのチラシの配布(ポスターも作っていません)作業は一切行わないことになっています。正直、客席が一杯になってしまったら、私などはマスクなしで演奏しますから、ちょっと怖くなってしまいますからね。
 さっきの「100%の収容が可能」という政策は、各方面でディスられていますね。指定席はもう何か月も前から用意されているのですからいまさら変えられませんし、11月いっぱいまでという期限付きなので、この先も100&で売ったりしたら、どうなるかわかりませんからね。そうしてほしいのはやまやまですが、こんな形でやられてしまってはなんのメリットもありませんよ。「アベノマスク」と全く同じ発想ですね。
Aventure Number : 3318 date : 2020/9/18


今日の禁断 フィルハーモニー


 きのうから、期間限定で、クラシックコンサートや映画館の人数制限が事実上撤廃されてしまいましたね。いったい何を考えているのでしょう。それに対して、主催者の対応はいろいろなのだそうです。仙台フィルなどは困惑しているようですね。でも、劇団四季の対応は素早いものでした。
 きのうは仙台で行われる「コーラスライン」のチケットの発売日だったので、取ろうと思ってネットを開くと、
 こんな風に、全席選べるようになっていましたよ(●がないのはすでに売れたところ)。
 ただ、以前から売り出しているところは、別に増やしたりはしていないようですね。
 いずれにしても、一度規制を緩和してしまえば、基本的に後戻りはしないというのがこの国の政策のようですから、これからはコンサートではこういう満席状態が普通のことになってくるのでしょう。そのことによって少しぐらい感染者が増えたって、全然気にしないのではないでしょうか。
 ですから、ひところ大流行りだった「無観客」のネット配信コンサートなどは、もうなくなってしまうのでしょうね。そんな時代の名残が、先日の「おやぢ」でご紹介したBCJのケルンでの無観客ライブです。彼らは、ヨーロッパ・ツアーの最中に「コロナ」でコンサートがキャンセルされたため、3月15日にケルンでその無観客ライブを行い、それを挟んで14日から17日の間にレコーディングを行っていましたね。
 そのライブ映像は、こちらで全曲見ることが出来ます。
 最初にまず、このホールの支配人による前説がありました。そこでは、このライブの経緯、そして、ソプラノのソリストのハナ・ブラシコヴァが急いでチェコに帰ってしまったので、代わりに団員の松井亜希さんが歌うということが告げられていました。SACDではブラシコヴァがちゃんと歌っているので、この前日の14日に彼女のアリアだけ録音していたのでしょうね。
 このように、客席には誰もいないところでのコンサートです。でも、ステージの上は別に「ソーシャル・ディスタンス」は取られていませんね。
 演奏を見ていると、面白いことに気づきました。この演奏で使われた楽譜は「10曲目までは1739年の未完のスコア、それ以降は1749年に演奏されたときに使われた第4稿」ということでしたね。ただ、合唱団の人が持っている楽譜が右端だけ違っていますね。これは、ベーレンライター版の新全集のヴォーカル・スコアです。他のは、カルス版の「第4稿」のヴォーカル・スコアです。よく見ると、それぞれの楽譜で開いている場所が違います。つまり、カルス版では、第4稿の楽譜の巻末に「付録」として未完のスコア、つまり新全集に使われているのとほぼ同じものが印刷されているので、最初のうちは楽譜の最後の部分を開く必要があるのですね。ベーレンライター版はそのまま頭から使えます。さらに、「第4稿」と言っても、合唱のパートは全集版と変わらない(はず)ですから、そのまま最後まで使えるのですよ。
 演奏が終わると、花束が贈られました。
 退場の前には、全員が誰もいない客席に手を振っています。いや、これは「世界中に向けて手を振っている」ということなのでしょうか。左にいるジーンズ姿の人は、ニュースのカメラマンかなんかでしょうか。この人が最後にあちこち動き回っていたのが本当に邪魔でしたね。
Aventure Number : 3319 date : 2020/9/20


今日の禁断 マクレガー


 キャッシュレスのアプリで、銀行口座から勝手にお金が抜かれるという事件がありましたが、あんなに簡単に出来てしまうなんて、意外ですね。そもそも、ネットのセキュリティといってもその程度のものでしかないのか、という気持ちをみんなが持ったに違いありません。本当にあんなシステムに任せていいのか、心配ですね。
 そこで、私も心配になったので、一応手持ちの口座を確認してみました。そうしたら、アプリから抜かれてはいませんでしたが、電気代やガス代、クレジットカードの支払いなどに交じって、なんだか見慣れない項目の支出が毎月あることに気が付きました。私は割とマメですから、そういう支払いの通知などは全部まとめてスクラップブックに貼っています。それをチェックしてみても、その「○ディ〇ゾン」というところの支出は見当たりません。というか、そもそもそこのカードなんか使ったことがありませんからね。
 しかも、それはかなり前から毎月同額引き落とされています。合計すればかなりの額になりますよね。そんな支出に見合うサービスなんか、受けていた覚えは全くありません。いったいこれは何だったんでしょう。悩んでしまいます。
 でも、数日悩んでいたら、突然ひらめきました。これはWOWOWの料金だったんですね。これはもう、アナログの時代、デコーダーが必要だということでそれを使って受信していた頃からのユーザーですから、もうあるのが当たり前なので、そんなところにお金を払っていたなんてすっかり忘れていたんですね。いや、確かに元を取ろうと毎月しっかり映画やドラマを見ていましたけど、それも習慣になっていたので気づかなかったのですよ。
 そのWOWOWで「シャイニング」と、その続編の「ドクター・スリープ」を連続して放送するというので、見てみることにしました。
 「シャイニング」はだいぶ前に見たことがあったのですが、細かいところはあまり覚えていませんでした。それと、その時は音楽は全くチェックしていなかったので、あとになってからペンデレツキの曲などが使われているということを聞いて、もう1回ちゃんと見て(聴いて)みたいと思っていたんですよね。なんたって監督がキューブリックですからね。
 映画の方は、ジャック・ニコルソンよりも奥さんの方が登場するなり驚かされましたね。あの顔だけで、すでにホラーです。そして、音楽は、オープニングでいきなり「Dies irae」が出てくるなんて、全く記憶にありませんでした。これは、そのベルリオーズの「幻想」バージョンですね。それを、キューブリックのお気に入り、ウェンディ(ワルター)・カーロスがMOOGで演奏しています。そのあと、やはりMOOGの曲が出てきますが、それ以外はもうほとんどペンデレツキとリゲティ、そしてバルトークの、すでに録音された音源がそのまま使われていましたね。
 ただ、最後のクレジットでは、バルトークだけはしっかり「弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽/カラヤン指揮ベルリン・フィル/ドイツ・グラモフォン」と表記されているのですが、後の二人は名前だけです。確かに、バルトークは聞こえてきたときにははっきりそうだと分かりました。ただ、なまじよく知っている曲だけに、BGMとしての働きが逆に弱くなってしまった感じはしましたね。
 それに対して、ペンデレツキとリゲティは、見事にその場の雰囲気を的確に伝える「サウンドトラック」として機能していましたね。いや、それは、まさにこの映画のために作られたかのように、それぞれのシーンにぴったり合致していたのですから、驚きましたよ。
 一応、サントラ盤も出ていて、ネットではどの曲が使われているのか分かるようになっているのですが、例えば同じキューブリックの「2001年」同様、それはとてもいい加減なものでした。Spotifyでも詳細なリストが作られているのですが、そこでのバルトークが1960年に録音されたEMI盤になっているんですから、お粗末です。
 ですから、まあリゲティの場合は「ロンターノ」だけなのですが、ペンデレツキで山ほど挙げられている曲も、それが本当に正しいのか全くあてにはなりません。それならばと、そこにある音源は全て手元にありますから、それを映画の中のBGMと比較して、しっかり特定させてやろうと思いました。でも、それはかなり困難な作業であることが、すぐに分かりました。キューブリックは、決してそれらの曲を頭から使っているのではなく、もう気分次第でいろんなところからの断片を使っているのですよ。ペンデレツキでそんなことをされては、それが一体どの曲のどの部分なのか特定することなど、とても無理です。この時代の彼の曲は、正直、どれを聴いても同じですからね。
 「ドクター・スリープ」では、さっきの「Dies irae」と同じものがオープニングに使われていましたね。なんでも、これは「シャイニングのテーマ」というのだそうです。初めて知りました。そして、他のところでは、「シャイニング」でのペンデレツキをそのままパクったような新しく作られた音楽が使われていましたね。不思議なことに、そこからは前作の恐怖感のようなものは全く感じることはできませんでした。ペンデレツキは決してこういうシチュエーションを描写しようとしたわけではないはずですが、それまでの音楽そのものを破壊したいという熱意が、しっかり「恐怖」という形で他の人に届いていたのですね。その上っ面だけをなぞったって、同じものが生まれるはずはありません。
Aventure Number : 3320 date : 2020/9/23

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