今日の禁断 |
ゴキブリ |
きのう練習が終わってからブラブラしていたら、「Y江さん、めっけ」としできさん。何事かと思ったら、「ロンドン版『キャッツ』のDVDあるんですが、見ますか?」ですって。前に、テレビで放送した「キャッツ」を録画してあったビデオが、どこを探しても見あたらないと書きましたが、このDVDはおそらくそれと同じものでしょう。確かに、あれを見た当時は退屈してしまったので、もしかしたらおそらく2度と見ることはないだろうと消去してしまったかもしれないビデオでしたが、ここに来てこれだけ「キャッツ」漬けになってしまうと、劇団四季以外のプロダクションも見たくなっていた矢先でしたから、本当に嬉しいプレゼントでした。
中身は、やはり録画したものと同じ内容でした。しかし、かつてあれほどつまらないと思ったものが、まるで別物のように新鮮な魅力で迫ってきたのは驚きでした。画面もきれいだし。そんなものなのですね。第一印象などはあてにならないもの、逆に、最初は凄いと思ったものが、繰り返し味わううちに正体がばれてしまうということもありますし(例えば、アーノンクール。ちょっとした必要に駆られて「スラブ舞曲第2巻」の中の1番、2番、7番と、「水の精」を聴き直しましたが、こけおどし以外の何者でもないことが再確認されました)。
そして、これは予想していたことですが、このロンドン版と劇団四季の演出は全く同じものだったのです。セットデザインも全く同じ、ちょっとした仕掛け、例えばバストファー・ジョーンズが腰掛けるのがシルクハットだなどというところまで、嫌になるほど瓜二つ。そう、ミュージカルがオペラと決定的に違うのは、そのようなショウビズとして細部まで取り決められた「契約」の重さなのです。「キャッツ」の場合、ロンドンで最初に上演した時のトレヴァー・ナンの演出を、そのまま継承することが、日本で上演する時にも求められるのでしょう。逆に言えば、成功したプロダクションをそのままの形で再生産するという、いわば品質管理が、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュの仕事、それと引き替えに莫大な契約金が彼の会社に転がり込んでくるのでしょう。「仙台キャッツ」のプログラムに「演出」とクレジットされているあの浅利慶太の仕事は、「オリジナルクリエイティブ・チーム」などという訳の分からない肩書きで、下の方に小さく書いてあるだけのトレヴァー・ナンの元の演出を、いかに忠実に再現するかという、ある意味大変困難なことだったのです。
その「キャッツ」もしっかり二人で見に行ったきのうの写真の新郎新婦ですが、「あれは、元ネタがあるのではないか」という声がどこからともなく聞こえてきました。本当は内緒にしておきたかったのですが、確かにあの写真は、すでにあったものを合成して作ったものです。それが見られるように画像をアップしましたが、パスワードがないとリンク出来ません。まあ、頑張ってみて下さい。 |
aventure number : 0301 |
date : 2004/1/28 |
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