3161(19/9/18)-3180(19/11/1)

今日の禁断 シカゴ


 連休中は、今私にとっての最大の課題、今度のニューフィルの定期演奏会のプログラムに載せる曲目解説を書いていました。曲目はもちろんヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」です。この曲に関しては、以前から「かいほうげん」のためにこんなのとかこんなのを作っていましたから、もしかしたらという気はしていたのですが、プログラム係から正式に、「誰も書く人がいないので、ぜひお願いします」といういつものパターンで執筆依頼が来ましたからね。
 ですから、その2つのコンテンツをコピペすれば、かなりのクオリティの解説は出来てしまうのは分かっていたのですが、やはりそれだけでは肝心のことが抜けているような気がしていました。しかし、その情報は、実はすでに私の手中にあったのです。それは、オイレンブルク版の最新の「原典版」のスコアの「前書き」でした。この間東京に行ったときに買ってきたやつですね。本当はこんな高いものは買わなくても、IMSLPにスコアがアップされていますから、最初はそれをプリントアウトして使っていたのですが、やはり何かと気になるところがあったので買っておいたのが大正解だったことになります。そこには、私が知りたかったこの作品の成り立ちがきっちりと述べられていたのですよ。
 一応、ご参考のために、その全文をアップしておきましょうか。
 
20世紀半ばまで活躍していたドイツの作曲家、パウル・ヒンデミットが、過去のロマンティックな音楽からの決別を目指した時には、同じ頃のヨーロッパ音楽の一つの潮流だった「無調音楽」とは一線を画した、あくまで調性は維持した中から、自由な転調を繰り返すことによってモダンな浮遊感を得るという「新即物主義」のスタイルを貫きました。
 彼は、あらゆるジャンルで非常に多くの作品を残しましたが、それらはいわば「通」好みの渋いものが多く、とてもベートーヴェンなどのような人気を得ることはできません。通常のオーケストラのレパートリーとしては、せいぜい「画家マティス」、「気高い幻想」、そして今回仙台ニューフィルが手掛ける初ヒンデミット、「ウェーバーの主題による交響的変容」ぐらいのものしかないのではないでしょうか。
 先ほどの「気高い幻想」は、アッシジの聖フランチェスコを題材としたバレエ音楽ですが、それは1938年に、あのディアギレフの「バレエ・リュス(ロシアバレエ団)」が、ディアギレフの死によって解散した後に結成された「バレエ・リュス・ド・モンテカルロ」の芸術監督、レオニード・マシーンとのコラボレーションによって作られていました。その後もマシーンとヒンデミットは新しいバレエを作る計画を話し合い、ヒンデミットはブリューゲルの絵画「盲人の寓話」をモティーフにした台本を提案します。それを受けて、マシーンは、ドイツロマン派の作曲家、カール・マリア・フォン・ウェーバーのいくつかの作品をベースにした音楽を作るように提案したのです。
 この時期、ヒンデミットの作品はナチスによって「退廃音楽」の烙印を押され、ドイツでの作曲活動は困難になっていて、彼は一時スイスに亡命したのち、アメリカに亡命しています。その提案に従って、彼は1940年にウェーバーの4手ピアノのための作品をもとに作曲を始めました。しかし、結局マシーンとのこの共同作業は様々な理由で立ち消えになってしまいました。
 それからしばらくして、ヒンデミットはニューヨーク・フィルの音楽監督に就任したばかりのアルトゥール・ロジンスキーからオーケストラ作品の委嘱を受けます。ヒンデミットはこれを快諾し、マシーンのために用意してあったスケッチをもとに、さらに同じウェーバーの作品の編曲を加えてこの「ウェーバーの主題による交響的変容」を完成させ、それは1944年1月20日にロジンスキー指揮のニューヨーク・フィルによって初演されたのでした。

 タイトルに「交響的」とあるように、この作品は「交響曲」と同じような役割を持つ4つの楽章から出来ています。ですから、まずは型通りに「アレグロ」の楽章から始まります。この原曲は、ウェーバーのピアノ・デュオ「8つの小品」Op.60の4曲目です。軽快なダンスだったそのオリジナルは、旋律線は微妙に修正され、リズムはシンコペーションを加えられた上に「現代的」なオーケストレーションが施されて、ほとんどグロテスクな怪物のような姿に変えられています。
 2曲目は、スケルツォ楽章としての位置づけがされていて、そこには「トゥーランドット」というタイトルが付けられています。この名前は有名なプッチーニのオペラでおなじみですが、その原作はイタリア人のカルロ・ゴッツィという人が 1762 年に作った戯曲です。それを、1809年に、ドイツの劇作家フリードリヒ・フォン・シラーがドイツ語に訳したものを上演した時にウェーバーが作った付随音楽の序曲が原曲です。その際にウェーバーは、フランスの哲学者にして作曲家、ジャン=ジャック・ルソーが 1767 年に出版した「音楽辞典」の巻末に添付した世界各地の音楽の譜例を集めた図版の中の「中国の歌」というタイトルのメロディをそのまま使いました。ヒンデミットは、例によってここではそのいかにもな中国風のメロディを微妙にデフォルメしたものをテーマに、壮大な変奏曲を展開しています。さらに後半では、このテーマから派生したシンコペーションを多用したテーマをもとに、ほとんど「ジャズ」のビッグバンドを思わせるような編曲を作り上げています。そこではオーケストラの華、弦楽器はお休みで、管楽器と打楽器のセクションがノリノリの変奏を聴かせてくれます。
 3曲目は緩徐楽章です。ウェーバーのオリジナルはやはりピアノ・デュオのための「6つの小品」 Op.10a より第2曲です。これは短調で出来た3拍子(楽譜は6/8)の物憂げなダンスですが、中間部では長調になって、リリカルなレントラーに変わります。ヒンデミットは、短調の部分にはさらにおどろおどろしいオーケストレーションを加え、中間部では、その美しいメロディの一部を「ブルーノート」に変えてやはり「ジャズ」的なアンニュイさを演出しています。さらに後半には、まさにジャズのアドリブ・プレイのような、フルートによる超絶技巧満載の長大なソロ・オブリガートが続きます。
 そして、フィナーレは「マーチ」で締めくくられます。これも原曲は1曲目と同じ「8つの小品」の7曲目です。ここではヒンデミットは短調のマーチの本体は原曲の形をほとんどそのまま使って、勇壮で力強いオーケストレーションを施しています。そして、長調に変わった「トリオ」の部分も、いかにもウェーバーらしいキャッチーなメロディを最大限に重視しています。原曲ではそのあとにまた「マーチ」が繰り返されて終わるのですが、ヒンデミットはさらにそのあとに、より華やかなオーケストレーションでこの「トリオ」を再登場させているのです。それはもう、何の屈託もないイケイケの音楽、初めてこの曲を聴いた人でも、きっとここでは幸せな気持ちになり、「ジャジャジャジャン」というカッコいいエンディングを迎えた時には、間違いなく拍手をしたくなっているはずです。
 それは、あなたが、このユーモアのセンスにあふれてはいても、それを決して表には出さないブラックな作曲家の術中にまんまとはまってしまった瞬間です。
 これを読んで、聴きに行きたい、と思う人はいるでしょうか。
 私は、「超絶技巧満載の長大なソロ・オブリガート」を吹くことになっているのですが、オケとの合わせはなんだか絶望的になるほど仕上がっていないので、かなり自信を無くしています。そこでいろいろな音源を聴いてみたら、ものすごい演奏があるのを見つけました。それはこちら。IMSLPで「参考音源」としてアップされているものです。演奏しているのはアメリカの学生オケ、かなりの客席ノイズがあるのでライブ録音だと分かります。その3曲目のフルートソロが、後半に大きくオケから遅れてしまっているのです。それは、これを吹いたことがある人にとっては一目瞭然なのですが、おそらく初めてこの曲を聴いた人や、もしかしたら少しは聴いたことがある人でも、そのことには気づかないかもしれません。ですから、私もこの程度のズレがあっても、絶対に気づかれるはずはないと開き直って吹けばいいんじゃないかと、ひそかに思っているところなんですけどね。
Aventure Number : 3161 date : 2019/9/18


今日の禁断 エンハーモニック


 今週もいろんなことがあった1週間でした。まず、週明けの火曜日には、2年ぶりとなる大腸の内視鏡検査をしてきました。これは、前の日も決められたものしか食べられませんし、当日はもうまずくてたまらない洗浄薬を2リットルも飲んで、それを出さなければいけませんから、それだけでもう疲れてしまいます。
 ですから、検査のために病院に着いた時には、かなりぐったりしていました。それでも、検査は「安定剤」つまり麻酔薬を使わないで受けることにしているので、ちょっと不安でした。検査着に着かえて待っていると、この病院の先生ではない見たこともない人が検査室から出入りしています。助手かなんかなのでしょうか。ところが、私の検査になったら、その人が担当のようでした。いつもやってくれる先生だと何も痛くなるようなことはないのですが、こんな、見習いみたいな人に任せてどうなるのか、とても心配になりましたね。
 でも、いざ内視鏡を入れ始めると、もうスラスラと、何のためらいもなく小腸の入り口まで届いていましたよ。前の先生は、その前でちょっと苦労して、看護師さんに私のおなかを広げさせたりしていたのですが、そんなことは全然ありませんでしたよ。もしかしたら、この人は超名人?もちろん、痛みなんかも全くありませんでした。
 前の検査から2年経っているので、ポリープが大きくなっていて切除するのだろうなと思っていたのですが、切除が必要なものは全然ないというので、ちょっと拍子抜けです。「次は3年後でいいですよ」なんて言われましたから、まずは一安心ですね。
 職場の大木「マルミガヤ」も、いつの間にか工事が終わって足場が切除、ではなく、撤去されていました。ですから、手術、ではなく修復の様子がはっきり見えるようになりました。
 3本のロープがはっきり見えますね。
 さらに、遠くから見てみると、
 ロープが巻かれたところに、こんなマークがついていることが分かりました。これを地上から観測すると、もし動いていた時にはそれが分かるんですって。これも、内視鏡に劣らずすごいですね。
 そして昨日は、ニューフィルの練習だったのですが、ブラームスの1番を吹く人がお休みだったので、私が代わりに吹くことになっていました。この曲はつい最近同じパートで本番をやっているので、目をつぶっていても吹けるのですが、それとは別にアンコールももしかしたらやるかもしれないので、それはきっちりさらっておきました。ところが、それが途中でピッコロに持ち替えると、途端にシャープ6つの調(Fis-Dur)に変わるだけではなく、前打音にダブルシャープなどがごちゃごちゃ付くようになるので、目と指が全然連動しなくなります。もう散々でしたよ。
 今日になって、これは、別の調、つまり異名同音でフラット6つのGes-Durでも吹けるのではないかと思い立ち、書き直してみました。
 これで吹いてみたら、あら不思議、何の苦労もなくすんなり吹けてしまいましたよ。2段目の最後などはいくら練習してもつっかえていたのに、こちらだと何の問題もありません。ダブルシャープがナチュラルに変わるだけで、見違えるように吹きやすくなっていました。まあ、これを又吹く機会はたぶんもうないでしょうけどね。
Aventure Number : 3162 date : 2019/9/20


今日の禁断 サイレント
 

 先週は、もう一つやったことがありました。それは、ピアノの処分です。我が家にはグランドピアノがあったのですが、震災の時に壁にぶつかってかなりのダメージを受けました。それは、一応修理はしてもらったのですが、結局マンションではなかなか音を出すことは難しいので、いつの間にか天板の上は物置と化して、ただ邪魔なものが部屋を占領しているという状態になっていました。
 そこで、先日のリフォームの時にこれも処分することに決めて、引き取って換金してくれる業者に連絡をとったら、すぐに来てくれたのです。
 まず、これを査定してもらったら、中身は完璧なのだけれど、天板の塗装が震災で剥げてしまっていたので、それですこし価値が下がりましたが、思った以上の値段が付きました。それを、この業者はその場で現金で支払ってくれました。
 あとは、二人がかりで輸送のための解体と梱包です。まずは、フタの間やペダルに通じる部分を固定します。
 そして、足を1本ずつ外していきます。
 3本目の足を外しているところです。
 外側をキルティングで覆って養生です。
 それを、台車の上に乗せて、毛布を敷いた家の中を運びます。
 玄関を出るところです。
 エレベーターに乗せて、1階まで下ろします。
 そして、トラックまで運び、
 荷台に収納します。これで、我が家のピアノともお別れです。
 あとには、こんなに広いスペースが残りました。今度はここに、電子ピアノを置く予定です。
Aventure Number : 3163 date : 2019/9/22


今日の禁断 オフィクレイド


 つい最近知ったのですが、佐伯茂樹さんが8月の初めにお亡くなりになっていたそうですね。それを知った時には「まさか」とおもいましたね。一面識もありませんが、まだまだお若くて、とても健康そうな風に見えましたからね。なにしろ、まだ58歳だったというのですから、とても信じられませんでした。
 もしかしたら、佐伯さんはそれほど世の中には知られてはいないのかもしれません。音楽でも、かなりマニアックな分野での豊富な知識をお持ちの方で、このサイトでもその著書は何度も取り上げていました。その分野は、私が興味を持っている部分とかなり重なっているので、なにかを知りたいと思って調べているとこの方のお名前に出っくわすことが非常に多かったですね。もちろん、私などは及びもつかないほどの知識と、そして、実際にプレーヤーとしての実績がありましたから、全てにおいて私の知らないことを明確に教えていただけていました。
 具体的には、歴史的な楽器に関することですね。特に金管楽器についての知識に関しては、右に出るものはいなかったことでしょう。謹んでお悔やみ申し上げます。
 もっと若いのに、不慮の事故でお亡くなりになった女の子の話が、東野圭吾の「人魚の眠る家」です。いや、その子は普通はお亡くなりになるところを、奇跡的に生き延びて、意識は全くないのに体を動かすことができるようになっている、という設定ですから、なんともあいまいな状態にあるのですけどね。ですから、普通はそれを「脳死」と呼ぶのでしょうが、そう呼んではいけないのだ、ということも、この本を読むと分かります。つまり、そのような状況にあっても、本人はまず意思表示はしていないでしょうから、両親が臓器移植を望まなければ「脳死判定」が行われることはなく、その子は「脳死」ではないとされるのだそうです。なんだか変ですね。
 そのあたりの矛盾については、この本ではかなり突っ込んで登場人物に追及させています。そこで読者も問題意識を持つことになるのですね。
 それを原作にした映画は、だいぶ前に公開されましたが、つい最近WOWOWで放送されました。
 これを見た時には、原作の細かいことはすっかり忘れていたのですが、なにか、とても重要なシーンが抜けているような気がしたので、改めて読み直してみました。そうしたら、やはり、さっきの臓器移植に関するディスカッションが登場する場面と、それに関する登場人物が映画では丸ごとカットされていることが分かりました。たしかに、このエピソードがなくなった方が、ストーリーとしては流れが良くなりますから、時間に制約のある映画としては正解なのでしょうね。原作と映画とは違うものだ、と割り切ればいいだけの話です。
 同じように、テレビのアニメがあまりに手抜きだと感じられるのも、それは実写映画とは違うものなのだと割り切る必要があることを教えてくれたのが、今回の朝ドラでした。あれだけ一生懸命仕事をしても、出来上がったのはあの程度のものなのですから、そういうものだと思うしかありません。
 まあ、それは仕方がないとしても、私は男の子の声を女性が演じるという今の「常識」には、なんと言い訳されようが馴染むことはできません。
Aventure Number : 3164 date : 2019/9/25


今日の禁断 ビートウォッシュ


 浴室をリニューアルして、快適な入浴タイムを満喫しています。予想通り、最新の浴槽は至れり尽くせりの機能が満載なのでした。一番期待したのは「追い焚き」でしたが、実際に使ってみるとそれはほとんど使うことがありませんでした。最初にスイッチを入れると、セットした温度でセットした量のお湯がたまりますが、それは湯温が下がってくると自動的に追い焚きが始まって、温度を一定にしてくれるのですよ。つまり、入ろうとしたらお湯がぬるいので追い焚きをするということは全く必要なく、いつでも温かいお湯が用意されているのですよ。その方が、ガスの使用量も少ないのだそうですね。今までは、家族が入ってぬるくなってしまったお風呂に入ることに慣れてしまっていましたから、入ろうとしたときにすでに適温になっているお風呂なんて、夢のようです。
 それと、もう一つ浴槽にはオプションで乾燥機を付けてありました。これまでは、雨の日に洗濯した時には、浴室に除湿器と扇風機を持ち込んで乾かしていました。もう長年それをやっているとかなり慣れてきますが、やはりそのたびにこういうものを運び込んでセッティングをするのは面倒くさいので、最初から乾燥機を付けようと思っていたのです。
 ただ、それは、今までやってきたものとはちょっと仕組みが違っていました。その「乾燥機」は、別にエアコンのように除湿機能があるわけではなく、単に温風が出てくるだけだったのですよ。要は、普通に洗濯機についている「乾燥機」と同じことですね。ですから、温風が当たるところはすぐに乾きますが、遠くに干しておいたものはなかなか乾きません。それでも、いろいろ工夫して、ベストポジションをみつけて、以前と同じように使えるようにはなりました。ちょっと時間はかかりますけど、まあ機材を運び込む手間を考えたら、こちらの方がずっと楽です。
 そうやって、何回か乾燥を行っていると、ある日、洗濯物にたくさんゴミが付いていることに気が付きました。これはだいぶ前から気が付いてはいたのですが、それほど気にはしていませんでした。しかし、今回はなにしろ新しい浴槽で床などはゴミ一つ落ちていませんから、そこに洗濯物のゴミが落ちるとすごく目立ちます。
 そのごみの正体は、洗濯槽の「外側」に付着したカビなどの汚れなのです。
 こんな風に、外側にべったり付いた汚れが、少しずつはがれて中に出てきて、洗濯物に付いてしまうのですね。これは分かっていたことなので、何度か市販の洗剤を使ってクリーニングをやっていたのですが、一向に改善されずにいた結果が、きれいなところに干すことではっきりしたということなんですよ。
 ですから、これを根本的に改善するには、このように洗濯機を分解して丸ごと洗濯槽をきれいにしなければいけません。前からそれは考えていましたが、いよいよその時が来た、ということですね。もう、買ってから5年経っていますから。
 そこで、まずは最大手の「ダスキン」に、ネットで見積もりを出してもらいました。というか、必要なことを書いてフォームを送信すると、あちらから電話がかかってきます。そうしたら開口一番「うちでは、日立の製品は扱えません」というではありませんか。なんでも、ダスキンでは、最近は分解せずに上のフタだけを外して、そこから隙間にブラシを入れて洗濯槽の外側を掃除する、ということしかやっていないのだそうです。それは、日立の製品ではできないんですって。我が家の洗濯機が、まさにその製品でした。門前払いです。
 そこで、2番手の「おそうじ本舗」に、こちらは直接電話です。そうしたら、折り返し、作業ができるお店を探して連絡をくれる、ということでした。その時にも、やはり日立の製品は分解が難しいので、他のメーカーより5000円ぐらい料金が高くなると言われましたね。
 ところが、それから丸3日たったというのに、何の連絡もありませんよ。ネットで調べると、この会社の支店は近くには3件ほどあるのですが、どれを見ても洗濯槽の掃除ができるとは書いてないのですね。ダスキンが撤退したぐらいですから、それはかなりの修練が必要とされる作業なんでしょうかね。はたして、我が家の洗濯機がきれいに「洗濯」される日はくるのでしょうか。
Aventure Number : 3165 date : 2019/9/27


今日の禁断 ザンクトガレン


 きのうの「おやぢ」では、バッハが使っていた珍しい楽器について書いていました。あそこで演奏されていたカンタータBWV5では、「tromba da tirarsi」という楽器が使われていました。こんな名前の楽器は聴いたことがありませんでしたが、まあトランペットの一種だということは見当が付きます。それで、ニューフィルのトランペット奏者、しかもこの時代の楽器を実際にお使いになっているNさんのお伺いを立ててみたら、即座に返事がいただけました。というか、その楽器に関する詳細なサイトを教えていただきました。
 その結果は「おやぢ」に書いた通りです。つまり、ナチュラルトランペットでは出せない音が出る「スライドトランペット」というものが、ルネサンスの時代にあったのですね。そして、そこから変化していった楽器が「トロンボーン」になるわけです。今まではなんとなくトロンボーンの方が昔からあったようなイメージがあったのですが、本当はトランペットの方が先だったんですね。勉強になりました。
 そうしたら、「おやぢ」のブログ版にコメントがあって、そこであの録音の映像を紹介してくれました。さっそく見てみたら、それはBWV5の全曲でした。トランペットのオブリガートがあるのは最後の方なので、最初のあたりは飛ばしてみると、確かにトランペット奏者が見つかりました。しかし、
 彼が吹いていたのは、ごく当たり前のナチュラルトランペットに穴が開いている楽器でした。別に「スライド」はしておらず、その穴でピッチを調整していています。でも、ブックレットのメンバー表では、
 ちゃんと「tromba da tirarsi」となっていますけどね。
 他にも気になるところがあったので、最初からちゃんと見てみることにしました。そうしたら、1曲目でこのHenrichsさんがアップになっていました。コラールのテーマを演奏していたんですね。そして、その楽器がさっきのとは全然違う形をしてました。そして、


 順番にキャプチャーしてみると、向こう側の管がスライドしているのがわかりますね。コラールのテーマには自然倍音にない音が出てくるので、バッハはこういう楽器を選んだのでしょうね。そして、さっきのオブリガートだと細かい音符が跳躍しますから、これではない方がいいと、Henrichsさんは判断したのでしょう。こんな珍しいものを即座に映像で見ることができるのですから、ありがたいですね。
 でも、これと似たことを、現代のトランペットでやっているのを見たことがありました。
 彼らは、よく、この赤丸のなかのリングを使って、このあたりを伸縮させているんですよね。こちらはおそらくピッチの微調整なのでしょうが、こんなところにスライド・トランペットの名残があったなんて。
Aventure Number : 3166 date : 2019/9/29


今日の禁断 ヨーク


 ついに消費税が上がりましたね。ただ、おとといあたりは、いつものスーパーに行っても別にそんなに混雑しているわけでもなく、ただ、「雑貨売り場は、表示変更でご迷惑をおかけしております」とかアナウンスしていただけでした。そうなんですね。そのスーパーのメインの商品の食料品は、今回の「増税」の対象にはなっていなかったのでした。
 これが「軽減税率」というやつですよ。いったいどこが「軽減」なんでしょうね。なぜ素直に「据え置き税率」と言えないのでしょう。そして、こんな面倒くさいことをやったおかげで、廃業に追いやられた個人商店は数知れずだというのに。
 もちろん、そのほかの多くの商品は確実に税率が上がっています。郵便料金もきのうからはがきが1円、手紙が2円高くなっていますね。そこで、私の職場のようにDMを大量に出すところでは、かなりの影響が出てくることになりました。こればっかりは「駆け込み」で出すわけにはいきませんからね。それで、さっそく郵便局から新しい料金表をもらってきたのですが、そこには私が知りたかった「区内特別郵便」の料金は書かれてはいませんでした。あまり一般的ではないので、公にはしたくないのでしょうかね。
 仕方がないので、郵便局のサイトで調べました。そうすると、確かにその料金は分かるようになっていましたが、何やら面倒くさい規定がいっぱい書いてあるのにはうんざりさせられます。もちろん、それらは実際に今まで使っていて何の問題もなかったので、クリアはしてますよ。
 ただ、その中で、「バーコード」を印刷して発送すると、かなりの割引がされるということが分かりました。
 こういう、DMのあて名の下に印刷してある模様ですね。これは「カスタマバーコード」というものなのだそうです。確かに、ほとんどのDMではこれがありますから、かなり普及しているのは分かりますが、これは個人的に扱えるようなものではないような気がしていました。なんせ、対象は1000部以上まとめて同じものを送る時だそうですからね。それもたったの3パーセント、それだったら、「区内特別郵便」の方がずっと安くなります。その郵便局のサイトによれば、84円の封書が74円で送れるのですからね。ただ、今と同じ条件(100部以上発送)で、バーコードを入れればそれが70円になるというのですよ。これは、耳寄りな話ですね(これが、1000部以上だと57円になるというのですが、さすがにそこまでは無理です)。
 その入れ方については、同じ郵便局のサイトで細かくその規格が説明されています。それを見ると、とても個人で簡単にできるようなものではないように思えてきます。でも、ネットで調べてみると、さるあて名書きソフトのサイトで、「カスタマバーコードの入れ方」なんて、もうアイコンを押すだけで簡単にタックシールの下にこのバーコードが生成される手順が紹介されていました。それは、じつは私が使っているのと同じソフトだったのですが、最新のバージョン、私のはもう10年以上前に買ったものですから、そんな「アイコン」なんて、どこを探してもありませんでした。ですから、よっぽどアップグレードしようと思ったのですが、もしや、と思ってツールバーを片っ端から開いてみましたよ。そうしたら、ありました。
 こんな分かりずらいところにしまい込んであったんですね。
 ですから、
 こういう宛名のカードが、さっきの操作を行うと、
 見事に、バーコードが出来ていましたよ。ちょっと感激ものですね。そんな前からこの機能があったのに、そんなのがあることすら知りませんでした。
 ここまでやってみると、これがどういうコードなのか知りたくなりますね。でも、その正体は意外と単純なものでした。このバーコードの情報は、「3640023 703-3-15-102」というだけのものだったのです。つまり、郵便番号と、その下の住所の中から数字情報だけを抜き出しただけの事なんですよ。もちろん、数字は漢数字でも構いませんし、もし住所にアルファベット(「A棟」とか)が入っていれば、それも数字に置き換えられます。
 ただ、これを自分で印刷した時には、必ず郵便局で動作確認をしてくれ、と書いてあったので、さっそく何種類か打ち出したシールを封筒に貼って、扱いの郵便局に行ってきました。もちろん、「これですぐ使えます」というお墨付きがいただけたので、さっそく年末の郵便物に使うつもりです。まあ、これで今回の値上げ分ぐらいは回収できることでしょう。
Aventure Number : 3167 date : 2019/10/2


今日の禁断 カラヤン


 来年はベートーヴェンの生誕250年なので、それにあやかろうというCDなどが一杯登場します。それについては、明日の「おやぢ」でも一品ご紹介するつもりですが、それのネタにと、今から50年前の「生誕200年」の時はどうだったかと調べていたら、「グラモフォン・ベートーヴェン大全集」というのがあったことを思い出しました。それはどうやら、世界で初めてベートーヴェンの「ほとんどすべての作品」を集めた全集だったようですね。もちろん、当時ですからLPです。ただ、その概要は大体ネットで調べることは出来たのですが、一体それがいくらで販売されていたのか、という情報はどうしても見つかりませんでした。
 でも、その頃の「レコード芸術」のバックナンバーはどこかにしまってあったはずですから、もしかしたらそこには広告が載っているかもしれないと思って納戸の中を探したら、すぐに現物が見つかりました。そこには、確かに販売価格も書いてありましたね。
 もっと大きな文字で見たいときは、この画像をクリックすればPDFがリンクされています。
 このようなものがネットにはないのですから、たまたま取ってあったこの雑誌は、資料としてとても貴重なものになっているのでしょう。画像はすこし傾いていますが、これは雑誌のページそのものが傾いていたせいです。裁断の精度が低かったのでしょう。これが載っていたのはレコ芸の1969年11月号でしたが、雑誌の値段は280円でしたよ。今のレコ芸に比べると、厚さが倍近くありますね。そして、今では確かその5倍ぐらいの価格になっているはずです。ということは、レコードの値段も5倍になっているとすればこの全集は今の価格だと50万円もしたことになりますね。
 それは、職場で探したのですが、その前は自宅で洗濯槽のクリーニングの立ち合いでした。この前書いた「おそうじ本舗」に、あんまり連絡がないので電話したら、どうやら連絡ミスがあったようで、すぐに担当のお店から電話がかかってきましたね。なんか、そんなところに任せて大丈夫なのか、という気になりましたが、とりあえず来てもらうことにしました。ただ、その担当者は「現物を見て、分解できなければクリーニングは出来ません」とも言っていましたね。
 約束の時間より少し早めに、その人はやってきました。柄本明と出川哲朗を一緒くたにしたようなおっさんでしたから、なんか不安。でも、日立の洗濯機は同じ機種でも分解できないものがあるというのに、うちのはいとも簡単に洗濯槽が外れたようでした。本人もびっくりしていたみたいです。そこで、まずはその汚れ具合。
 これが分解前。
 底板を1枚外したところ。
 そして、洗濯槽を抜き取った後です。底に汚れが集中していますね。
 取り外して、さかさまにした洗濯槽。やはり、周りはそんなに汚れていないのに、底がすごいことになっています。
 リフォームしたばかりの浴室で、洗浄作業です。
 3時間ぐらいかかるという話だったので油断してました。きれいになった頃だと思って写真を撮ろうとしたら、すでに組み立てが終わってしまっていたのです。まあ、完全に汚れは落としたと言っていたので、信用しましょう。そのあと、水を入れて洗濯機を回してみても、ごみようなものは全然出てきませんでしたしね。
 ということで、果たしてできるかどうか不安だったクリーニングが、あっさり出来てしまいましたよ。普段からまめに洗浄作業はしていたので、まわりはそんなに汚れていなかったようです。ですから、やっぱり分解して底まできれいにしなければいけなかったんですね。これが「ダスキン」だと分解はしないで、外からブラシで洗うだけですから、底は絶対にきれいにはなりませんね。それでは、いくらやっても何の効果もないような気がします。
 帰り際に「エアコンもいかがですか?」と聞かれました。まあ、このおっさんだったら、エアコンのクリーニングも任せていいかもしれませんね。
Aventure Number : 3168 date : 2019/10/4


今日の禁断 センダン


 ニューフィルの定期演奏会は今月の末だというのに、その時の指揮者との練習は2か月前に行っただけでした。普通は2日連続の練習を3セット、というのがルーティンのスケジュールなのですが、今回の井アさんは何しろ世界中を飛び回っている方ですからなかなかスケジュールが取れず、やっと昨日と今日が、その2セット目ということになりました。
 その練習会場も、最近はなかなか取りづらくなっていて、当初は車で2時間はかかりそうな遠くの町のホールしか空いていませんでした。でも、最近になってこの「けやきホール」が使えるようになった、というのは前にも書きましたね。
 このホールと、それが属している大学のキャンパスは、我が家のすぐそばです。というか、ここの近くにある中学校に、私も、そして私の娘も通っていましたからね。もちろん歩いてですから、このホールだってその気になれば歩いていけました。でも、一応キャンパスから少し離れたところに大きな駐車場があるというので、車で行きましたよ。5分もかかりませんでしたね。
 今では誰も知っている人はいないでしょうが、その駐車場があった広いスペースは、私が中学生だったころには東北大学の太陽熱かなんかの研究所があって、そのための巨大な鏡が設置されていましたね。そして、道路を挟んで反対側も、かつてはグラウンドだったところに、やはり東北大学の留学生のための施設が所狭しと建っていましたね。
 その駐車場から歩いて数分のところの大学の正門から、坂道を登ったところにホールはありました。
 この坂が結構きついので、それだけで汗をかいてしまいます。
 ホールの全景です。
 1階ロビーの内部。
 2階ロビーです。
 これがホールの中。シューボックスタイプで、左右にバルコニーがあります。キャパは700ちょっと。
 ステージの後ろには、かつて旭ヶ丘の青年文化センターのコンサートホールにあったような階段が付いてますね。設計者が同じなのでしょうか。ですから、そこに登れば真上からのアングルでオーケストラが撮れます。
 井アさんのアップも。
 ヒンデミットの私のソロは、この前の時には討ち死にだったので、それから速めのテンポでメトロノーム練習を徹底的にやっておきました。その甲斐あってか、今回は何とかついていくことができるようになっていましたが、それで昨日言われたのが、「音色を変えてください」でした。いやあ、いまさら音色と言われても・・・
 でも、今日になったら、音色は変わらないまでも、楽なアンブシャーで吹けるようにはなっていました。しかし、やはりオケとは微妙にずれているので、「試しに」ということで、井アさんは普通は6/8の譜面を1小節2拍で振っていたのを(それだと、すごく分かりやすく、ずれていてもすぐ修正できます)、「6拍」で振ってみましたよ。終わって、「こんなの、いやでしょうね?」と聞くので、即座に「いやです!」と言ってしまいました。でも、やっぱりもう少しメトロノーム練習は必要ですね。
Aventure Number : 3169 date : 2019/10/6


今日の禁断 マーラー


 定期演奏会の前までにはもう1回「かいほうげん」を発行したいと思っていましたが、どうやら新しい情報も続々集まってきたので、次々回の指揮練の時には発行出来そうな見通しが立ってきました。まずは、来年の秋、つまり次の次の定期演奏会の曲目のメインが決まりましたからね。ただ、そのカップリングがまだ決まっていませんし、何よりも演奏会場がいまだに確保できていないので、本番の日そのものが決定していないんですよね。普通は1年前にはどこかには決まっているのですけどね。
 ただ、それは載せることはできても、まだ品数が足りません。あと2ページ分ぐらいは何かないかな、と思っていたら、きのうの練習の時に団内のメンバー同士のご結婚、というビッグなニュースが公になりました。ですから、これで2ページは出来るかな、と、まずは写真を撮ろうとしたら、もう新婦が恥ずかしがって1枚撮るのがやっとでしたから、それ以上の、例えばインタビューなどにはとても応じてもらえそうもありませんでした。それでも、写真でかなりのスペースは確保できるでしょう。
 それでもやっぱり足らないので、何かないかな、と思ったら、おとといのけやきホールでの指揮練のあとに、Facebookに楽しそうな写真が一杯アップされていました。それは、お昼休みの様子。私は出番が午後からでお昼過ぎからの参加だったのですが、弦の人たちは午前中からずっとやっていて、お昼を、ホールに隣接した学食で食べていて、その写真を載せていたのですよ。
 例えば、Nさんは
 Kさんは
 とか
 そしてNKさんは
 と
 です。
 カレーも唐揚げ定食もとてもおいしそうですが、それよりも、外の開放的な場所で食事をしている人の姿と、そのバックの景色が気になりませんか。なんと、この学食は屋根の上がテラスになっていて、そこから市内が一望のもとに見渡せるというロケーションなのですよ。つまり、航空写真で見ると、こんな感じです。
 坂道に沿って、建物が段階的に作られていますね。一番上がけやきホール、その下が学食、そしてさらにその前に1段ずつ下がって2層のガーデンテラスが広がっています。そこからの眺めが、さっきの写真だったのですね。
 この大学のすぐそばにある中学校の校歌の歌いだしが、「♪杜の都の北の丘」というフレーズなのですが、まさにそんな感じの眺望ですね。こんないいところがあるのなら、早めに行ってここでお昼を食べてみたかったですね。次回(いつのこと?)に期待しましょう。
Aventure Number : 3170 date : 2019/10/9


今日の禁断 ティーカップ


 大型台風が近づいていますね。最近の天気予報は、台風に関してはとても精度が上がっているようで、その進路が明らかになるとすぐに交通機関などは運休の準備に入ったようですね。本当は当たってほしくはないのですが、こうなったらひたすら台風が過ぎ去るまで耐えるしかありません。自然は残酷です。
 実は、ニューフィルでは明日指揮者練習が予定されていました。そんな状況ですので、東京から井アさんが来ること自体が不可能に思われたので(実は翌日本番があるそうで、来ても帰れなくなる可能性もありました)、早々と指揮者練習は断念することは決まっていました。ただ、もう会場はキャンセルはきかないような時期なので、練習自体は団内指揮者によって敢行されることになり、その旨の連絡などもありました。
 ただ、やはり台風のさなかなので、予定していた時間よりは短くなるようなことはありました。ですから、それが分かった時点で公式サイトなどでの連絡を始めようと、情報を待っていました。それは公式サイトの掲示板で知らせる、ということだったので、まずはその掲示板を定期的に閲覧していたのですが、なかなか新しい書き込みが載りません。いずれにしても、私のところにはメールで直接届くはずなので、きのうはずっと待っていたのですが、それもありませんでした。
 今朝になって掲示板を開いてみると、待望のタイムテーブルが書き込まれていました。ただ、それが書き込まれたのはきのうのお昼過ぎなんですよね。その頃だったら、何度も掲示板をチェックしていたはずなのに、どうして見れなかったのでしょう。
 いずれにしても、そこですぐさまその予定を公式サイトやFacebookページに書き込んで、連絡に努めます。
 しかし、台風情報が更新されるにしたがって、これはとても練習をやっている場合ではない、という意見が、技術委員会の一斉メールで寄せられるようになってきました。私としては、3年前にも同じように台風で練習が中止になったことが思い出されます。あの時は、「中止」ではなく「自由参加」という形になっていたんですよね。ですけど、そんなのではまともに合奏などできるわけがありませんから、私や私のパートの人たちは誰も行きませんでした。結局台風はそれほどのことはなかったので、全然中止にする必要はなかったようですね。ですから、まあそれなりの人は練習に参加していたようでした。ただ、そこで、私のように練習に行かなかった人は、なにかとても自尊心を傷付けられるような言葉で非難されたことを、今でも忘れられません。ですから、その一斉メールでも、「自主練習という形だけはやめてくれ」と言ってやりましたよ。
 結局、練習は中止となるという連絡が届きました。会場側が、使用料を全額返還してくれる、という寛大な措置をとってくれたのが決め手のようでしたね。きっぱり中止が決まって、本当によかったですよ。
 今日の夕方にスーパーに行ったら、パン売り場の棚が空っぽになっていました。
 この台風は、そのような「大災害」とみなされるものなんですよ。そもそもそんなときにキャンセル料を惜しんで練習を敢行しようというのが、ばかげていましたね。
 早速、公式サイトやFacebookも更新しました。そして、その連絡が掲示板にあるというので見に行ってみたのですが、なにも更新されていませんでした。試しにリロードしてみると、その連絡と、その前にもう1個あった書き込みが現れましたよ。どうやら、最近新しくしたこの掲示板は、自動的に更新はされず、一度開くと新しい書き込みはリロードしない限り見れないような仕様のようですね。だから、最初のタイムテーブルの書き込みも、見れなかったのでした。
Aventure Number : 3171 date : 2019/10/11


今日の禁断 ナナヤ


 結局、天気予報でしっかり予想した通りの、とてつもない台風がやってきてしまいましたね。さいわい我が家は何の被害もありませんでしたが、同じ県内で死者が出るほどの水害があったというのは、かなりのショックでした。たしかに、きのうの夜は雨と風の音がものすごかったですから、もしかしたらご近所でも浸水被害ぐらいはあったのかもしれませんね。実際、午前中にいつのもスーパーに行ったら道路にかなりの砂利や土砂がありましたから、このあたりは一時は水浸しになっていたのでしょう。
 なんせ、携帯からはひっきりなしに警報が鳴り続けていましたから、一層不安感は煽られます。「レベル5」なんてのが画面に出てますから、これは本気で避難しなければ、と思ってしまいますよね。まあ、うちはマンションですから、実際に避難する事態になることはまずないはずですけどね。
 ただ、その警報の音楽が、なぜ「ソレソシレ」なのかは、とても気になります。これって、モーツァルトのセレナードト長調K.525(つまり「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」)と同じメロディですから、あまり緊張感がないんですよね。これとは別に、「緊急地震速報」の時には、間違いなく緊急事態であることを伝える意味を込めて作られたとされる音楽ですから、なにか追い立てられるような気になりますが、このモーツァルトだとなんか馬鹿にされているような気になりませんか?
 このメロディが気になるのは、もう1件ありました。それは、長渕剛の大ヒット曲「乾杯」のサビ、「♪じんせいの」という歌詞に付けられたメロディです。この歌を聴くたびに、なぜここでモーツァルト?と思って、このシンガーの資質を疑いたくなってしまいます。
 いや、別に、これはモーツァルトが初めて使ったメロディではなく、ごく単純なブロークン・コードですから誰でも思いつくものなのですよ。ですから、長渕も気象庁も、つい使ってしまったのでしょうね。だから、そんな安直なことをやってしまったこの2者には、嫌悪感を抱いてしまうのでしょう。
 こんな警報が必要になるほど頻繁に大きな台風がやってくるということは、地球の温暖化と関係があるのだそうですね。確かに、これだけの大雨を降らせるためには、海上でかなりの量の水分を摂取する必要がありますからね。もう、こういうことはこれからは当たり前のように起こるのでしょうか。
 サンマが不漁だというのも、やはりそこに行きあたるのでしょうね。スーパーで大量のサンマを安売りしている光景を、今年はまだ見たことがありません。試しに買ってみたサンマも、なんかとても小さくてがっかりしましたからね。
 でも、きょう、たまたま入ったファミレスで「サンマ定食」という看板があったので、ダメモトで食べてみました。
 果たして、これが今年獲れた生サンマなのかどうかは分かりませんが、大きさもまあまあで、味も結構いけましたから、とても満足しましたよ。
 きれいに頂きました。
Aventure Number : 3172 date : 2019/10/13


今日の禁断 キャベツ


 今回の台風の被害は、事前からかなり大きなものだろうという予測が出ていましたね。それが、台風自体の予測と同じほどの精度で当たってしまいました。いや、結果的には予想以上だったのでしょうね。実際、あの夜にはしっかり避難警報でケイタイがひっきりなしになっていましたから、住んでいる場所によっては避難は必要だったことになります。ただ、私の場合は自宅は高層(中層?)マンションですから、「水害」に関しては全く心配はしていませんでしたね。そして、現実も、なんら影響はありませんでした。
 と、マンションだったら水害の被害はないのだな、と思っていたところに、あの武蔵小杉のタワーマンションの大災害です。あんなところに弱点があったなんて、まさに「盲点」でしたね。他人事ながら、お気の毒にとしか言いようがありません。あのマンションの資産価値は下がってしまうんでしょうね。
 うちのマンションは、あの震災にも耐えていたので、構造的には問題がないことは証明されてはいますが、やはりあれだけのことがあれば、時間が経てば何かしらの不具合が出てくるようです。私のところは全く問題はないのですが、一部の区画ではテレビの受信に異常が出ている人がいるそうなのですよ。壁の中のケーブルが劣化したこともあるのでしょうね。
 そのような時には、マンションの管理組合は何かしらの対策を立てて、それを実行するという体制は、かなり充実しているようでした。実はテレビ受信に関しては、建設当初は自前のアンテナからブースターを通して各戸に分配していたのですが、そのうちまわりの建物が増えて受信障害が出てきたので、ケーブルテレビから供給するように変えていました。そこでケーブルテレビに加入してそこのコンテンツを楽しむこともできましたが、同時に地上波はそこのアンテナで受信したものをそのまま流してくれたので、何もしなくても今まで通りに見ることは出来ました。BSに関しては、電波障害は関係ないので、マンションで建てたアンテナから一緒に同じケーブルに通していましたね。
 それが今回、受信障害を解消するためには、各戸の壁の中にあるケーブルを全部交換することはもはや不可能なので、新たに建物の外側にケーブルを設置して、それをエアコンの穴から室内に取り込む、という工事を行うことになりました。
 これが、ベランダに取り付けられた中継器です。ここからケーブルを伸ばして、
 屋内に端子を取り付けます。
 この工事を行う時には、作業員の他にケーブルテレビの営業の人がやってきて、ほぼ1時間近く、この件に関しての話を聴かされることになりました。つまり、マンションとしては、この工事に関しては全くお金は払っていないのですよ。あくまでケーブルテレビのサイドが、自分のところのコンテンツを受信してもらうことを想定して、全戸にこういうことをやるという工事を無償で引き受けた、という形なんですね。もちろん、そんなものは使わず、今まで通りに前からある端子に問題のない人はそのまま使い続けても何の問題はありません。ただ、そういう経緯なので、建前としてそんな、いかにケーブルテレビ、そしてそれと同時にサービス可能なインターネットや電話がメリットがあるかという話を聴かなければいけなくなっているのです。
 そんな話の中では、「4K」についてなかなか興味あることを教えてくれました。私はそんなものは普通の家庭では全く必要ないと思っているので、何も調べてはいなかったのですが、4Kを受信するためには、アンテナそのものもそれに対応したものに新しく交換しないといけないのだそうです。それと、うすうす気づいてはいましたが、こんな、一般家庭には明らかにオーバースペックだと思われるものを売り込もうというのには、国を挙げての大きな力が働いているということも分かりました。何の必要もないものをいかにも必要であるかのように見せかけて需要を作り、それに関係した業界を潤すという手法なのでしょう。これは、あの「原発」あたりと全く同じ発想のように思えます。
 この工事で設けた新しい端子からは、契約しない限り地上波しか見ることはできません。もしうちのBSアンテナがダメになってしまったら、いやでもここに加入しなければいけなくなってしまいます。
Aventure Number : 3173 date : 2019/10/16


今日の禁断 サラウンド


 来週の日曜日は、もうニューフィルの定期演奏会の本番になってしまいました。今回はただでさえ指揮者練習の回数が少なかったのに、この間は台風の影響でその1回分がなくなってしまいましたから、あとはもうあさって指揮者練習をしたらそのまま本番に突入という恐ろしいことになってしまいました。しかも、その台風の被害はニューフィルのメンバーの中にも及んでいて、その最後の指揮者練習や本番が何事もなく行うことができるのか、という不穏な噂も流れていますから、なんとも先の見えない不安定な気持ちです。まあ、私としては、自分で出来ることをしっかりやる、というだけのことですけどね。
 そんな状況でいたら、なんと、本番当日の演奏会が始まる直前に、ホールの周辺の道路が通行できなくなる、という情報が入ってきました。その日は、市内で大学女子駅伝が行われるのですが、そのコースの中に、もう、萩ホールのすぐ前の道路が入っていたのですよ。しかも、その選手が通過するために全面通行止めとなる時間帯が「13:10〜13:50」というのですから、まさにホールが開場する時間ではありませんか。
 とりあえず、公開されているそのコースと規制時間が入った地図の一部、関係のある部分だけをピックアップしたものを作って、公式サイトとFacebookページにアップして、そういうことなので車で来る人は気を付けてくださいという注意喚起を行ってみました。この「禁断」も、そんな広報の一環なんですけどね。もし、お知り合いで車でいらっしゃる方がいらっしゃれば、どうかこのことを連絡してあげてくださいね。
 これがアップされているFacebookページでは、「地下鉄で国際センターで降りても、道路を横断することができないかもしれません」というようなコメントが書き込まれていました。確かに、その先の川内まで行って、東北大のキャンパスの中を歩いてくる方が安全でしょうね。でも、おそらく歩行者は、ランナーの切れ目を見て、係員が渡らせてくれるはずですけどね。
 いずれにしても、本当に何があるかは分かりませんね。確か、前にもこの道路沿いの駐車場がイベントで使えなかったり、美術館で大きな展覧会の最終日にぶつかったりと、この周辺は危険だらけです。
 そんなあわただしい中、私のところにこんな荷物が届きました。
 がっしりした段ボールにくるまれた、正方形の物体です。
 それを開けると、ビートルズの「アビーロード」のLPサイズの分厚い本でした。
 それは、同じデザインのカバーの中に入っていました。
 表紙の裏にはCDとBDが入っています。
 そして裏表紙にはやはりCDですが、こちらはアウトテイクを集めたものです。
 私のお目当ては、もちろんBD、というかBD-A(ブルーレイ・オーディオ)です。これについては、あしたの「おやぢ」で。
Aventure Number : 3174 date : 2019/10/18


今日の禁断 ループル


 前回、今度のニューフィルの定期演奏会がまさに開かれようという日のその時間に、その会場にアクセスする道路が通行止めになってしまうという「大事件」についてお伝えしました。それに対して打つ手と言ったら、そういう事情を当日いらっしゃって下さるであろうお客さんに対して説明して、それなりの自衛策をとってもらうことしかありません。さらに、演奏会の開演時間も、多少は遅らせる必要も出てくるでしょうね。でも、これって、考えてみればとても乱暴な話ではないでしょうか。私たちには何の落ち度もないというのに、いきなりこんな、間違いなくお客さんに多大な迷惑をかける事態が起ころうとしているのですからね。
 まあ、私たちはいちアマチュア団体ですから、そんなことが起こってもそれを渋々受け入れてこんな措置をとることぐらいしかできませんが、これがプロの団体だったら、お客さんから訴えられても仕方がないほどの事態ですよ。公共の道路を通行止めにして、一般人が目的地にまで行けないようにするのは、よほどの事情がない限り許されることではありません。ですから、そういう時にはしっかり警察などにも届けを出し、警察はそれに対してしかるべき審査を行い、そこで問題がないという時に限って許可を与えているはずです。その時に、すぐ近くのホールで、通行止めが行われる時間帯にコンサートが予定されていることに気が付くことはなかったのでしょうか。
 まあ、実際には、主催者にも、単なるお役所でしかない警察にも、そんなことが分かるはずはないのでしょうね。というか、まさかこんなところで慌てている人たちがいることなんて、気づきもしないんでしょうね。いや、そもそも、市を挙げての一大イベントなのだから、もしそのようなことがあっても、そのぐらいのことは仕方がないだろう、ぐらいにしか思っていないのでしょう。そうだとすればとても悲しく、そして情けないことですね。
 ですから、そんな、人の思いをやすやすと踏みにじる主催者には何の期待もせずに、何とかこの道を通らなくても萩ホールにたどり着ける経路はないものか、考えてみました。
 そこで思いついたのが、八木山から青葉城址を通って、萩ホールのすぐ前まで出てくるという道です。その案内図も作ってみました。
 これだったら、通行止めの箇所は通らずにホールまでいけますよね。ですから、一旦はこの地図を公式サイトにアップしておきました。
 ところが、その後これを見たこのあたりの交通事情に詳しい方から、「青葉城のあたりは、一方通行になっているはずだ」という連絡が入りました。そういえば、連休の時などは川内から八木山方面に一方通行になっていたことを思い出しました。それが、今ではずっとそうなっているのだそうです。結局、八木山からだと、青葉城の駐車場を過ぎたところで左折して、工学部まで行って山を下りるという道を走るしかない様でした。
 さらに、もうお一方、『通行止めになった道路の手前では、渋滞が続くので、結局開通するまで動けない」という人もいました。確かに、それも一理あります。ですから、この地図はもう削除してあります。結局、こんな「暴挙」に対しては、何の打つ手もないということになるんですね。
 まあ、最も安全なのは、1時10分以前に萩ホールに着いている、ということでしょうかね。そもそも、あそこの駐車場は早く行かないと駐車スペースがなくなってしまいますからね。私は心配性ですからいつも開場1時間前には着くようにしてますよ。
Aventure Number : 3175 date : 2019/10/20


今日の禁断 デート


 きのうは、平日の指揮者練習などというイレギュラーなものがあったため、なんだか曜日の感覚がなくなっています。いや、べつに「平日」ではなく、れっきとした「祝日」だったのですが、それは今年限定の祝日というのですから、そもそもイレギュラーでした。なんでも、その日が休日だったことが分からずに、会社に行ってしまった人がたくさんいたそうですからね。
 もちろん私は、その日はどんなお祝いをするのかは分かっていましたから、しっかりテレビの生中継を見ていましたよ。なんか、まるで平安時代にタイムスリップしたかのようなきらびやかな衣装とセットには、うっとり見とれてしまいましたね。でも、途中で誰かが甲高い下品な声で「バンザーイ」とか叫んでいたのを聴いた時には、思わずのけぞってしまいましたね。でも、そんな罵声にも動じないで、ひたすら凛としたたたずまいを保っていた高貴な方々は、逆にそこで「尊厳」というものを見せてくれていたのではないでしょうか。
 でも、このセットを見て、数日前に見てきた劇団四季の「エビータ」を思い出していました。
 後ろにある同じぐらいの大きさの箱が、エビータが男たちを連れ込んでいる自宅。すごく狭いはずなのに、ここに並んでいる人たちが全部この中から続けて出てきたのには、驚きました。ですから、上の写真でも、あの中からぞろぞろとこんなお内裏様がたくさん出てくるのでは、と思ってしまいましたよ。それこそ、下品な連想ですね。
 下品と言えば、毎朝出勤時に聴いているラジオから聴こえてくる声で、ひときわ下品だな、と感じられる女子アナの声がありますね。それは、日替わりで3人のアナウンサーが担当する番組で、その人の担当は木曜日と金曜日です。他の2人は、まあ話の内容はとりとめのないことですが、これといって嫌悪感はありません。火曜日と水曜日担当の人などは、親しみすら湧いてきます。
 ところが、彼女はなんせ番組のタイトルを読み上げる時からもう気持ちが逆なでされるようなしゃべり方で迫ってきます。それは「モーニングブラッシュ」というタイトルなのですが、それを彼女は「モーヌィングブラッシュ」と発音しているのですよ。もちろん、それはもともとは「Morning Brush」という英語なのですから、ネイティブのしゃべり方に倣って「Morning」を「モーニング」ではなく「モーヌィング」と発音するのは、ある意味「正しい」ことなのかもしれません。しかし、なぜかそれが私には嫌悪感にしかつながらないんですよね。
 そうしたら、Radikoのタイムフリーで、日曜日に放送していた達郎の番組を今日になって聴いていたときに、リスナーから「どうして達郎さんは、英語の曲名をカタカナ読みにしているのですか?」という質問を紹介していました。つまり、例えば「Let It Go」という、大ヒット曲は、そのまま「英語読み」すれば「レリゴー」に近いものになりますが、それをカタカナ読みにすると「レット・イット・ゴー」になる、ということです。質問した人は若い人のようで、英語のタイトルは英語読みの方が自然に感じられるので、こんなことをわざわざ聞いたのでしょうね。
 それに対する達郎の返事は、「これは、日本のラジオだからです。日本の人が聴いて分かるように発音してます」という、非常に明快なものでした。達郎自身は英語の歌もネイティヴと遜色のないほどの発音で歌えますし、この質問に返すときにも、「バイリンガルの人が『new album』(とてもきれいなネイティヴの発音)と言ったりしてますが・・・」と、決してしゃべれないからカタカナ読みをしているのではないことを強調していましたからね。
 そう、これで私の嫌悪感の原因が分かりました。私も達郎と近い世代ですから、外国語のタイトルが日本風に読まれるのは、ラジオの場合は当たり前だと思っていましたから、そこに急に英語読みが入ってくると異質に感じてしまいます。「Morning」は絶対に「モーニング」でなくっちゃ。先ほどの女子アナには、そのような配慮が全く欠けていて、逆に「私はきれいな発音で英語が喋れるのよ」と誇示しているただのアホのようにしか思えません。
 いや、それはほんのひとかけらであって、彼女のトークの内容ときたら、こういう職業の人にしてはあまりにも無知であることがバレバレですし、そんな中身のない人間のくせに、他人をあざ笑うような言動が頻出しているのですよ。それは、アナウンサーとしては決して許されない「上から目線」そのものなんですね。
 とか言ってますが、私はそんな嫌悪感をも快感に変えるように、そのラジオを楽しんでいるのかもしれません。ほんと、これだけツッコミどころがあれば、聴いてて退屈しませんからね。
Aventure Number : 3176 date : 2019/10/23


今日の禁断 ゲレンデ


 東野圭吾の文庫新刊を読み終えました。
 タイトルが「ゴンドラ」というので、ヴェネチアあたりの外国の物語だと思ったら、そのゴンドラではなくスキー場のゴンドラの事だったんですね。確かに、彼の作品にはよく使われる場面でした。ですから、当然登場するのはスキーヤー、ではなく、彼の場合はボーダーになるのですね。そうなると、もう私とは全く縁のない世界なので、聞いたことのない物の名前が続々と出てきます。まあ、別にそれが何かは分からなくても話は追っていけるので、そこは軽くスルーして読み進みましょう。でも、「ビーニー」というのが結構重要な小道具として出てきたので、どんなものか調べてみたら、別にボードの専門用語ではなかったようですね。そうか、あれが「ビーニー」というものだったのか。
 ストーリー自体は、短編集というかオムニバスというか、それぞれに関連性のある短編の集まりで、順に読んでいくごとに、前の話とのつながりが明らかになるという、技巧的なものです。まあ、そういうものは東野さんの得意分野ですから、なかなか楽しめましたよ。ちょっと疲れましたが。
 ただ、文庫化されたときに追加されたという最後のエピソードは、ちょっと期待外れでした。ああいう終わり方では、あまりに当たり前すぎて東野さんらしくありません。もう一工夫、というか、もうワンシーン欲しかったところですね。そもそも「日田さん」はどうなってしまったのでしょうね。
 さて、いよいよあさってがニューフィルの定期演奏会の本番となりました。もうやるべきことはすべてやったとは思っているのですが、なにかやり残したこともあるような気がしてなりません。なんか、あまりに切迫感がないんですよね。考えてみたら、この前の演奏会は全乗り、しかも2曲でトップというハードなシーティングだったのに、今回はメインが降り番でトップはヒンデミットだけだからなのかもしれません。いや、ヒンデミット1曲でも、本当は十分にハードなのですが、敢えてそこはハードだと思わないふりをしてやり過ごそうとしていますから。
 そうなんですよ。あのソロの事を現実的に考えてしまうと、とてもじゃないけど本番を迎える勇気がなくなってしまうので、もうあれは大したことなんかないのだと思い込むようなマインドコントロールを自らに課しているんですね。そうなってくると、明日の前日練習も前半だけ1時間ちょっと付き合えば終わってしまうな、晩御飯は何を食べに行こうかな、なんて「軽く」考えられるようになりますからね。
 実は、今回はいつもやっている本番の録音を、やめようと思っていました。前回あのホールでマイクからのライン出力をもらってD-100でハイレゾ録音をしたら、それがモノラルだったので、もうここのスタッフは信頼できなくなっていたのもありますが、やはり少しでも本番以外の負担を減らそうと思っていたのでしょうね。でも、やはり、ここはいつも通りに、オフステージで忙しくしていた方が、気持ちが楽になるだろうと思って、録音もやることにしました。
 実は、チケットがまだ手元にいくらか残っています。もし聴きに行きたいと思われた方は、私宛にコメントやメッセンジャーなどでご連絡いただければ、受付に用意しておきますよ。もちろん、無料です。くれぐれも、開演直前の交通規制にはご注意のうえ、いらしてくださいね。
Aventure Number : 3177 date : 2019/10/25


今日の禁断 ピザ


 ニューフィルの定期演奏会が終わりました。終わったのはきのうなので、本当はきのうのうちにアップしたかったのですが、雑用が立て込んでまして、1日遅れになってしまいました。
 今回は、なんせマエストロとのリハーサルが10月の毎週末というイレギュラーさだったのですが、それが台風のせいでそのうちの1回が本番前の火曜日にシフトしてきました。ですから、もう直前は本番に向けてまっしぐら、という感じでしたね。もう流れに乗っていくのが精いっぱい、いつの間にか終わっていたという感じです。
 そんなわけで、私にとっては演奏以外でなんとも手痛いミスがたびたび続いていました。まずは本番前日、萩ホールでのリハーサルで当日のプログラムが出来てきたのですが、その中の「友の会」の名簿に一人名前が抜けていることに気づきました。というか、それは前の演奏会の時のコピーだったのですが、その時には新たな入会者はいなかったはずだと思って実際に名簿と見比べるようなことはしなかったのですよね。それが、考えてみたら最近入った人がいたな、と思い始めてしまって、その時点で正誤表の製作の手順を考え始めていたのですよ。私のミスですからね。リハの後半は降り番なので、それから職場に行って正誤表を作って、それをA4で1000枚はつらいから、2面印刷をして半分に切って500枚印刷かな、まあ、30分もあればできるだろうから、それを翌日持ってきて、挟み込みの時に一緒に入れてもらおうか。なんてね。
 そこで、私の出番が終わったところで、団長に相談してみました。そうしたら、「そんなこと、やってられないでしょ」と一蹴されてしまいましたよ。「なんか苦情があれば引き受けます」とまで言っているので、まあ、そういうことで収めることにしましょうか。次回は気を付けないと。
 そのリハでは、もうすでにマイクもセットされていて、LINE出力も用意してくれていたので、そのリハを全部録音してありました。本番へ向けての録音レベルのチェックですね。それを家に持ち帰って、いざ、モニターをしてみようかと思ったら、ヘッドフォンが見当たりません。ホールに忘れてきたんですね。慌ててホールに行ってみると、
 ありました。そう、楽器と楽譜を持っていたので、一旦ここにヘッドフォンをかたずけて、その上に楽譜を置いていたら、これだけ残ってしまっていたんですね。それを持ち帰って、モニターしてみたらもう少し入力を上げても良さそうなので、本番では目盛り1つぐらい上げてみましょう。
 ところが、本番の日に同じ条件でレコーダーをつないでみると、すごくレベルが上がっているんですね。結局、前日よりの低いレベルで録音することになってしまいました。
 それを、夕べ、今度はPCで聴いてみると、かなりヴォリュームを上げないと聴こえません。レコーダーだとそれだけ大きくしても大丈夫なのですが、PCでは低域のノイズがかぶさってきます。どうしてこうなったのか全く分からないままに、とりあえずそれをネットにアップして、みんなが聴けるようにはしておきました。
 その録音は、公式にはハイレゾではなくCD-Rで別の人が録音していました。もちろん、それの出どころは私のレコーダーと一緒です。それが、今日になってその担当のHさんから「録音レベルが低すぎませんか?」という連絡があったのです。つまり、元のレベルがなぜか低くなっていたのですね。団員用のCDにするにはそれでは使えないので、編集ソフトでダイナミックレンジを補正するようにしてみました。ですから、私も、アップしたファイルを、その補正したものと全部差し替えました。本当に、このホールの音響はどういうことになっているのでしょうね、前々回は左右逆、前回はモノラル、そして今回はレベルミスですからね。
 その、団員用のCDとBDのセットも、たった今届きました。
 これは、CDは全く問題のないレベルになっているので、ご安心ください。早速BDで私の出番を見てみましたが、カメラ担当がフルート専攻の学生さんだったそうで、私のソロのところはしっかりどアップになってましたね。もう、すごく怖い顔して吹いていましたよ。ちなみに、このジャケット画像も、私がチラシを「修正」して作りました。
 まあ、そのソロは、自分で思っていたほど悪くはなかったようで、もういろんな人からお褒めの言葉をいただきました。そのたびに、私はひたすら謙遜していましたが、内心はうれしくてたまりませんでした。「年々上手になってますね」というのが、最高の誉め言葉でした。もしお聴きになりたいのでしたら、こちらから。2:49あたりから始まります。
 打ち上げでは、井アさんが指揮をされていた横浜のオーケストラから、「リュッケルト」の対訳をプログラムに載せたいというお話があったことをきちんと覚えていてくださいましたね。そのあと、Facebookの友達申請を了承してくださいました。他にもお二人ほど、新規のお友達が増えてしまいましたよ。
 でも、その打ち上げの会場は、今までと同じお店が、イタリアンだったものを和食に変えた、という触れ込みだったのですが、実際は基本的にイタリアンだったようですね。でも、なんだか、唐揚げの味付けはくどいし、ローストビーフは固すぎるし、結局みんなあんまり食べなかったようで、こんなに余ってましたね。もったいない。
 サイト関係は、公式サイトは更新して新しいファイルも作り、Facebookページもカバーを変えて写真集をアップしました。今回は、降り番だったAちゃんにカメラを預けて、ほとんどのショットを撮ってもらっています。最後の二次会はコンミスさんですけどね。
 これで、ヒンデミットを毎日さらうという苦行からは解放されました。あれに比べたら、他のものなんて楽勝、と思ったのですが、次回の「くじゃく」のピッコロも、結構手ごわそうでした。
Aventure Number : 3178 date : 2019/10/28


今日の禁断 デンタルオフィス


 最近、歯医者さんに通っています。なんせ、数十年も行ってませんでしたから、今どきの歯医者さんはまるで別世界でした。昔は椅子が平らになったりしませんでしたから、歯医者さんも大変だったでしょうね。患者さんにしても、平らに横にされているんだったら、何をやっても許される、みたいなところがありますからね。あと、治療中は口の部分に穴の開いたタオルをかぶせられますから、変なものを見ないでも済みます。
 それと、昔の椅子のまわりには、やたらと恐ろしげなものが立ち並んでいた、という記憶がありますね。ドリルとか。今回は、そういうものが一切目に入らないようになっていましたね。それで目隠しですから、いったいどこから取り出していたのか、今になっても分かりません。
 実際の治療の時も、まあ口をあけっぱなしにしているのは結構つらかったですが、歯のまわりをいじられている時の痛みは全く感じませんでした。本当に必要な時は麻酔をかけますし、かけないときで「痛いときは手を上げてくださいね」と言われていても、実際に手を上げたりしたことは全くありませんでした。お医者さんは「痛くはなかったですか?」と心配そうに聞いてくるのですが、本当に何の痛みもなかったですね。
 私の場合、例えば大腸の内視鏡検査なども、他の人は痛くてまらないとか言ってましたが、本当に「痛み」は何もありませんでしたね。確かに、おなかの中で何かが動いているという変な感じはありますが、それもいつもと違うことと楽しめている、という感じで受け止められましたね。ですから、そもそも私は痛みに対する感覚が、他の人よりも少ないのかもしれませんね。
 というより、長く生きていると大抵の「痛み」は経験しているので、それを前もって予想して何かに応じるということができるのかもしれませんね。あるいは、そういう時にはそのことに集中しないで、別の事を考えて気を紛らわすという知恵が働くようにもなっていましたね。実際、ドリルで歯を削られている間には、ヒンデミットのソロを暗譜しようとしていましたからね。
 最初は歯周病の治療だけのつもりで行ってみたのですが、やはりこんだけ長い間何もしていなかったので、続々治療が必要な個所が出てきました。なんせ、だいぶ前に、最後に行った歯医者で作ってもらったブリッジが取れてしまって、その下にあった歯がそのままだったので、それを抜かなければいけませんでした。それを、本当は先週やりたいと、歯医者さんには言われたのですが、それはせめて演奏会が終わるまではやりたくなかったので、少し先送りさせてもらってました。まあ、最近の技術だったら、抜歯をしてもそんなにひどいことにはならないのでしょうが、あえて演奏会の前にそんなリスクを負いたくはありませんからね。
 結局、きのう、その抜歯を行いました。厳重に麻酔をしたので、本当に何の痛みはありませんでした。出血も、昔の記憶では1日中続いていたような感じだったのですが、もうその場で止まっていましたしね。それと、その時は麻酔が取れた時の痛みがかなり強かったのですが、今回はそれも全くありませんでした。ただ、これは初めての経験なのですが、抜歯の時に切開をしたので、そこを糸で縫合してあったんですね。そのせいか、口を横に開くと、ちょっとその糸の存在を感じてしまいます。
 それで、フルートを吹いてみましたが、何の影響もないようでした。これだったら、別に本番前でもよかったと思うぐらいです。でも、長時間吹いていると、明らかに抜歯前より疲れてくるんですね。まあ、今度ニューフィルで吹くのは2週間先ですから、それまでには何事もなくなっていることでしょう。
 そんな風に、もう大概のトラブルは、自分の中でそれほど痛みを伴わずに解決できるようになっています。おそらくこれからも、そのノウハウを駆使する機会が何度か訪れるのでしょうね。負けないぞ!
Aventure Number : 3179 date : 2019/10/30


今日の禁断 ナチュラルホルン


 ニューフィルの定期演奏会が終わって、そろそろ1週間が経とうとしています。ですから、もう次の演奏会に向けての新しい曲の練習に取り掛かっている人も多いことでしょう。私は、今回のソロの練習ではもうクタクタになってしまいましたから、少しでも楽をしたいとシューマンのトップだけという希望を出したのですが、その願いはかなわず、私が2番目にやりたくなかった「くじゃく」のピッコロになってしまいましたよ。もちろん、「1番目」は同じ曲の1番です。
 前にも書きましたが、この曲は選曲会議で私一人が候補に挙げたもので、まさか通るはずはないと思っていたのが、とんとん拍子で決まってしまったという経緯がありました。もちろん、そこで演奏される大きなソロには魅力があったので、吹きたいな、とは思っていたのですが、いざその楽譜を見てさらってみると、思いのほか大変であることが分かりました。1か所、ちょっと人間技では不可能だろうと思えるような細かい音符のところがあるんですね。まあ、時間をかければいつかは吹けるようにはなるでしょうが、ヒンデミットの後ですから、できればしばらくはそんなことはしたくありませんでした。同じようなところはピッコロにもあるのですが、そこは指が簡単なので、数回さらったら吹けるようになりました。ですから、ピッコロだったら初練習までには、完璧に吹けるようになっている・・・かな。
 と、もはや気持ちは次に進んでいるのですが、まだ前の演奏会の仕事は残っています。それは、写真集の作成ですね。でも、今回はさいわいカメラマンが少なかったので、トータルの写真はいつもよりかなり少なめ、というか、半分以下です。ですから、おそらく明日からの連休の間には全部アップすることができることでしょう。
 今回から、印刷関係の発注先が変わっていたのも、以前お伝えした通りです。ですから、その仕事ぶりには一抹の不安がありました。チラシやポスターのデザインにしても、果たして今までと同じクオリティを保てるのか、非常に心配でした。それでも、係の人の伝手があった印刷所にお願いすることになって、これまでのチラシのデザインを参考のために見てもらって出来上がったのが、こんなチラシでした。
 確かに、全体的なテイストは、これまでのものを踏襲した流れになっていることはよく分かります。色合いとかレイアウトには、何の不満もありませんでした。ところが、ここにはオーケストラとかクラシック音楽のことをよく知っている人(つまり、以前のデザイナーさん)だったら絶対に犯さないような間違い、というか「勇み足」があったのですね。お判りでしょうが、一番上にでかでかと書いてある「OBERON」という文字です。
 おそらく、これを作った方は、演奏曲目の一番上に書いてある曲がメインだと思ったのでしょうね。確かに、中にはそのように、演奏順ではなく、メインの曲をまず最初に書く、というチラシもないわけではありません。ですから、そのタイトルを演奏会全体のタイトルとしてデザインしたのでしょう。おそらく、その曲ではホルンが大活躍することもご存じだったので、このようにその楽器(微妙に違和感はありますが)もモティーフとして使ったのでしょうね。
 もちろん、我々としてはこれでは困るので、即刻訂正をお願いして、こんなチラシが出来上がったというわけです。
 でも、それを除けば、仕事自体はきっちりやっていただいたような気がします。プログラムなども、以前のものを忠実に再現してくださっていましたね。あまりに素晴らしかったので、私がミスを見落としてしまった、というのは、見苦しい言い訳です。
Aventure Number : 3180 date : 2019/11/1

19/11/4-19/12/18