3001(18/9/19)-3020(18/10/31)

今日の禁断 オンキョー


 私が今職場で使っているサラウンドのためのAVアンプは、これまでずっと使ってきた普通のオーディオ・アンプとはずいぶん「性格」が違っているのには、驚かされます。まあ、普通のアンプだったら仕組みはとてもシンプルで、入力切替とボリュームだけを操作すれば済んでいました。そもそも、アンプの仕事としては、入ってきた音声信号を、スピーカーで再生できるだけの大きさにするという、文字通り「amplify(アンプリファイ)=拡大」だけのことだったはずです。もちろん、その際には元の信号をいかに忠実に「拡大」するか、ということが問われるわけで、それはもう買った時の価格によって決まってしまいます。そして、それは右と左の2つのチャンネルについてのみ行われるだけでした。
 ところが、AVアンプとなると、そういう仕事はもちろん押さえたうえで、様々な入力と出力に的確に対応してそれなりの処理を行うという仕事が加わります。それはもう、よくこんだけのものがこなせるな、と驚くほど多岐にわたっています。入力では、サラウンドだとDTSとDOLBYがそれぞれ何種類かの世代が用意されていますし、SACDのDSDのサラウンドにも対応しています。
 そして、それを出力する時も、私のアンプの場合はまだ最高が5.1でしたが、最近では7.1とか9.1にも対応しているのでしょうね。これも、ユーザーの環境に応じてセンタースピーカーやサブウーハーをなくした設定も出来ます。私の場合は4.0にして使っています。
 そんなもろもろのことを、間違えずに行うのですから、時には嫌気がさして休みたいな、と思うこともあるのでしょうね。買ってすぐに、1つの系統からの音が全く出なくなってしまったことがありました。でも、それはちゃんと「リセット」が行えるような操作方法がマニュアルに書いてあるので、その通りにしたら見事に直ってしまいましたよ。やはり、あまり根を詰めないように、一休みしてもらうというのが、こういう機械の場合も必要なのでしょうね。ただ、これを行うと、それまで設定していたものが元に戻ってしまうのでまたやり直さなければいけないのが、ちょっと面倒ですけどね。
 先週の連休前に、やはりそんな「過労」によるトラブルが起こりました。なんと、全部の系統の音が出なくなってしまったのですよ。「来たな!」と思ったので、もうためらわずに「リセット」を敢行します。しかし、やはり音は出ません。もうやけになって何度も「リセット」を繰り返すのですが、結果は変わりませんでした。
 ということは、もはやこれは本格的に修理をしなければいけないような状態になってしまったのでしょうか。でも、そんな手間をかけるぐらいなら、いっそ別のものを新しく買った方がすぐ使えますから、そちらを検討した方がいいかもしれませんね。そんなことをいろいろ考えながら、暗澹とした気持ちで連休を過ごしたのでした。
 そして、きのう出勤して、そのアンプにスイッチを入れると、まるで何事もなかったように音が出てきましたよ。しっかり休養を取ったので、元通りに働けるようになったのでしょうか。どんな機械でも、おかしくなるにはちゃんとした理由があって、そこを直せば元に戻るものなのですが、こうなると、もう「機械」だと思ってあちこち点検するのが全く無意味に思えてしまいますね。
 新しくなった自宅のウォシュレットも、なんだか不思議な動向を示していました。トイレのドアを開けて中に入ると、その瞬間便器の中が明るくなって「清掃」が始まるんですよ。これが、もっとグレードの高いのだと、そこで蓋が開くのでしょうね。なんか、たかが便器がそこまで人間に対して卑屈になっているのが、なんとも馴染めません。
 それと、この間書いたように、ちゃんと座らないとお湯が止まってしまうのも、しっかり「注意書き」があったのですね。ただ、いくら注意しても止まることがあるのでちょっとそのあたりを見てみたら、なんとなく遊びが多すぎるようでしたので、間に厚めの紙を入れてその遊びを少なくしたら、前の機種と同じ感覚で使えるようになりましたよ。こういう、目に見える形で原因が分かってこその「機械」ですよ。
Aventure Number : 3001 date : 2018/9/19


今日の禁断 ツマガリ


 最近Facebookで、自分の苗字を入力するとそれが全国で何人いるのか教えてくれるアプリが好評のようです。なんか、年賀状に関連して郵便局が提供しているようですけどね。
 それで、私の苗字を入れて見たら、「100人」ですって。いや、意外と多いな、というのが正直な感想でしたね。
 なんせ、前に東京の電話帳(死語)を調べたら載ってませんでしたから、よっぽど珍しい苗字なのだな、という印象がありましたからね。でも、どうやらこれはかなり珍しい名前になるようなんですね。
 つまり、最近「朝ドラ」に登場している「津曲」という苗字を入れて見ると、これが「4200人」もいるというのですからね。最初にこの名前を聞いた時には、フルネームで「津曲雅彦」でしたから、間違いなく「津川雅彦」のもじりだと思いましたからね。「川」に横棒を3本足して「曲」にして「津曲」、そんなありえないような苗字をでっち上げて得意がっている脚本家の顔が目に浮かんだものです。そうしたら、結構ありふれた苗字だったんですね。絶対私より少ないと思っていたのに、あてが外れました。
 あとは「仙台」も530人いるのだとか。「四郎」さんしかいないと思っていたのに。
 そこで、私のよりも少ないのは何かな、と、検索しまくりました。そうすると、たとえば「死人」とか「愛人」なんてのは
 こういうのが出てきて、ここでは見当たらないというのですよ。もしかしたら、本当にレアな苗字はデータベースに入っていないのかもしれませんね。結局、いろいろ探して「100人」より少ないのは「右」さん(20人)と「銀」さん(60人)だけでした。「左」さんだと410人ですし、「銅」さんだと150人になって、私を超えてしまいます。あと、さっきの「愛人」さんはいませんでしたが、「愛」さんは160人ですって。
 意外なのは「日本」さん。たった160人しかいませんでしたよ。あ、これはあくまで漢字表現ですから、読み方は関係ないのだそうです。だから、「日本」だったら「にほん」、「にっぽん」、「ひのもと」、「やまと」、「ひもと」などという読み方を全部含めて160人ですから、本当かな、と思ってしまいます。
 ただ、「昭和」は40人、「大正」は80人、「明治」だと300人もいるんですね。ところが「平成」だとさっきの「わからない」になってしまいます。ですから、世の中には「平成太郎」さんなどは一人もいないことになり、「元号」という意味ではこの「平成」は大成功だったといえるのでしょうね。「昭和」さんなどは、なにかといじられて辛い思いをしていたのではないか、と心配してしまいます。
 ですから、今度出来るはずの元号は、まずこのアプリで苗字がほとんど見つからないものであることを確かめてから公表しないといけないでしょうね。
 とは言っても、最近はやたら「平成最後の○○」というのが聴こえてくるのが、おかしくてたまりません。だからなんなんだ、って思いませんか?こんな、まるで元号が変わると世の中のことがすべて変わってしまうような言い方は、やめにしませんか。たとえば「昭和歌謡」というようなやつ。これなんかは、文化の様式が元号によって変わることを前提にした言い方ですよね。便利な言い方だとは思いますが、こんな気持ちの悪いカテゴライズは本当にやめてもらいたいと思っています。
 というより、そもそも単なる「象徴」にすぎない天皇が代わることで、世の中までが変わると思いこませる風習が、いかに不気味なものであるかを、この際考えてみられてはいかがでしょうか。
Aventure Number : 3002 date : 2018/9/21


今日の禁断 イーグルス


 毎年、今頃はニューフィルの定期演奏会の指揮者練習と、秋のお彼岸が微妙なタイミングで重なっています。今年はもろにお彼岸の中日が練習日にあたってしまいましたから、なかなかスケジュールの調整が大変でした。とは言っても、なんたってニューフィルの予定が最優先ですから、あとはどの程度お彼岸の手を抜くか、という意味での「調整」となるのですけどね。
 さいわい、土曜日は午後の2時からですから、午前中は職場に行けます。問題は日曜日。ただ、練習は午前10時から始まるのですが、それは弦分奏の時間ですし、そのあとは協奏曲をちょっとやって昼休みになるので、その協奏曲を、私は2番なので他の人に頼めば、やはり午前中は仕事に行けます。でも、今回はその協奏曲で1番が代吹きになっているんですよね。2人とも代吹きというのはさすがにまずいので、ここは何とか10時ごろまでに仕事を片付けて行くしかありません。
 そうなんですよ。今回は、土曜日は管楽器と打楽器、日曜日は弦楽器の分奏が、最初の時間帯に設定されていたのですよ。新田さんの場合はそういうことをやるのは初めてのはずです。今回のニルセンはなかなか手ごわくて、合奏だけではなかなか細かいところまで徹底されないので、こういうことをやるようになったのでしょう。
 しかし、案の定、分奏をやると、合奏ではつかまらなかったようなところでボロが出てしまいましたから、より高度の課題を背負い込むことになってしまいましたね。でも、それもニューフィルを「スーパーオーケストラ」に育て上げたいという新田さんの熱意のあらわれなのでしょうから、それに応えられるように最大限の努力をしないといけないでしょうね。
 この間、新田さんのご本の購入希望を募ったら4人いたのに、7冊持ってきていただいたので、その残りのご本も売り切ったけど、さらにもう1冊の注文があった、ということを書きましたが、それもきのう持ってきていただいて、無事に私は8冊の売り上げに貢献させていただきました。その残りの1冊はサインを欲しがっているとお伝えしたら、さっそく入れたものをもってらしたのですが、私は、せっかくなのでそのサインを欲しがったご本人に直接渡してほしいとお願いしたら、そこで贈呈式が行われて、Hさんは大感激のようでした。
 そして今日は、やはり職場で突然の仕事が入って、もしかしたら出番に間に合わないかも、という事態だったのですが、なんとか時間前にはたどり着けて、弦楽器の分奏の写真と、
 メガネ姿の新田さんの写真を
 撮ることが出来ました。とても、チャーミングですね
 実は、今回、新田さんからあるお願いをされてしまいました。演奏会のプログラムには、新田さんに書いていただくプログラム・ノーツが掲載されることになっているのですが、そこで私が前に「かいほうげん」に書いた文章の一部を資料として参考にさせていただきたいというのです。もちろん、こんなうれしいことはないので、即OKと伝えました。というか、こんなところでお手伝いできるのが幸せです。
 きのうと今日の会場は、宮城野区文化センター。ここの駐車場はかなり広いのですが、場合によっては満車のこともあるので、用心が必要です。幸い今回はどちらの日もすんなり入れられました。そこで見つけたのが、こんな看板です。
 この会場は、よく金管のパート練習で使うことがあるのですが、それがたまたま楽天戦に引っ掛かると、この駐車場が使えなくなってしまうので別の会場に変更したことがありました。確かに、ここは球場までは歩いても行けるぐらいの近さですから、そういうこともあって、おそらく苦情が殺到したのでしょうね。でも、こんな看板だけでそういう人がいなくなるようには思えませんけどね。まあ、会場としてはやることはやっているのだ、と言いたいだけなのでしょうからね。
Aventure Number : 3003 date : 2018/9/23


今日の禁断 バルミューダ


 新しいウォシュレットに替えてから、1週間が経ちました。なにしろ、普通のホームセンターでは扱えないほどの最高級のグレードですから、なにかと戸惑うことがありましたね。そのことを1週間前に書いた時に、なかなか写真に撮れなかったのですが、やっとその「習性」が分かってきたので、どのタイミングでその現象が現れるかが予測できるようになり、こんな写真が撮れました。
 人がトイレに入っていくと、そこでやおらポンプが起動して清掃を始めます。そこで蓋を開けると、
 こんな風に中が青いLEDで照らされます。「どうだ、きれいだろう」とアピールしているのでしょうね。ただ、これが点いている時間が短いので、なかなか写真が撮れなかったのでした。そのあとは、普通に暗くなります。
 まあ、これは別に機能的には何の問題がないのでどうでもいいのですが、いざ温水を出そうとすると、座り具合のちょっとした加減でお湯が止まってしまうのには参りましたね。実は、同じメーカーでもっと普通のグレードのものを割と最近職場でも設置していたので、それと比較して使ってみると、職場のものはどんな座り方をしても止まることはありませんでした。
 それで、気を付けて聴いていると、座った時に本当に小さな音で「カチッ」と接点がつながるような音がしていることが分かりました。自宅に帰ってその音を聴いてみると、確かにそれが鳴ると止まってしまいますから、それがスイッチの音だということが分かりました。職場ではどんなことをしても、座ってさえいればその音はしないのに、自宅のはちょっと前後に動いただけでその「カチッ」が聴こえるのですね。その接点は、後ろの右側にあることも突き止めました。
 ですから、最初は接点に遊びがあるので、それが切れやすいのだと思い、ちょっとしたスペーサーを作ってその遊びを少なくしてみたら、その時は見事にうまく行きました。ところが、それで次の日になったら、愚妻が「なんてことをしてくれたのよ!」と激怒しているではありませんか。なんでも、使おうとしたらどんなことをしても温水が出なかったのだそうです。「さっさと元に戻してちょうだい!」と言われれば、私はそうせざるを得ません。きのうは確かに問題なかったのに。
 もう一度試してみると、そのやり方だと、さっきの「カチッ」はまだ出ていたのですね。ということは、問題は遊びではなく、別のところにあることになります。それを探すために、私はひたすらトイレにこもって、ウォシュレットに様々な負荷を与えて細かいデータを取りました。律くんが「そよかぜファン」のデータを取ったようなものですね。その結果、便座の前の部分に、わずかな隙間があることが分かりました。つまり、体を前に移動させると、その隙間が埋まると同時に、後ろの部分が持ち上がって、接点が切れてしまっていたようなのです。シーソーの原理ですね。
 ですから、それをなくすためには、その前の部分の隙間をなくしてしまえばいいはずです。そこで、厚めの紙を張り付けてみたら、見事、何の問題もなく使えるようになりましたよ。
 そんなのは、製造工程でチェックできなかったのでしょうかね。値段が高い割には、いい加減な品質管理でした。もちろん、国内で生産されたものではありません。
 その点、「そよかぜファン」は国内の工場で作るのでしょうから、安心ですね。しかし、「DCブラシレスモーター」が使われた扇風機なんて、今ではどこにでも売ってますけどね。
 と思ったら、これを実際に開発したメーカーがモデルになっていたんですね。「糸電話」もそうでしたし、この脚本家はなんかやることがせこくないですか。
Aventure Number : 3004 date : 2018/9/26


今日の禁断 パド


 ニューフィルの練習は、基本、旭ヶ丘の市民センターの大ホールでやっていますが、もちろんそこはうちだけが使わせてもらっているわけではありません。そこを借りるためには、何の特権もなく、毎月のネットによる抽選で「当選」しなければいけません。そういう制度になっても、最初のうちはほぼ毎回きちんと取れていたのですが、最近はけっこう「ハズレ」が多くなってきました。一つには、月曜日が休日になることが多くなったので、その翌日の火曜日が休館日になってしまうからです。ニューフィルの練習はずっと火曜日と決まっているので、その日が休みの週は別の曜日にシフトしなければいけません。そうすると、それだけ競争率も高くなって、「ハズレ」てしまうことも多くなってしまうのですね。
 9月は、そんな感じで3週目が取れませんでした。仕方がないので、そこはパート練習に替えて、パートごとに取れる会場を確保して練習していましたね。
 そんなわけで、きのうも火曜日から木曜日にシフトした練習日でした。これが、私にとっては実に3週間ぶりの旭ヶ丘となっていたのです。間に2回、別の会場でのパート練習が入っていたからです。指揮者練習もありましたし。
 まずは、演奏会のチラシとポスターを持って行ってもらうために、それを楽器倉庫から出さなければいけませんが、楽器を何度か運び出していたのでどこに行ったのか探さなければいけない程でした。あとは、やはり曜日が変わると途端に出席者が少なくなりますね。これは仕方がありません。でも、本番までもうあと3週間しかないんですよね。
 スーパーに行ったら、来月号の「りらく」が出てたので、チェックしてみました。この雑誌には、もうだいぶ前から企画書とプレゼント用のチケットを送っていて、その都度案内を出してもらっていますからね。ただ、送ったタイミングはこの前の月の号でも間に合う時期だったのですが、そこには掲載されていませんでした。ですから、これにはあるだろうと思ったのです。ところが、やはりどこを探してもニューフィルの記事は見当たりません。
 なんか、ずっと2か所のページに載せてくれていたものが春の時には一つしかなくなってしまっていたので、もしやと思っていたのですが、これはもうこちらがお願いしても載せてはくれないということなのでしょう。
 というのも、この雑誌にそのような案内を出してもらうためには、本当は定期購読の契約をする必要があるということを、やはりここに出稿していた他の団体の人に聞いたことがあったのですよ。うちではそんなことはしなくてもちゃんと載せてくれていたので、長いお付き合いだから特別にやってくれていたのかな、と思っていたのですが、やはり現実はもっとシビアだったようですね。
 そもそも、うちが企画書を送るときは、必要なところにプレゼント用のチケットを同封するだけで、それ以上のことはやるつもりは全くありませんから、そういうことであればもはや「りらく」には企画書を送るのをやめるだけのことです。同じような雑誌でも「S-style」さんあたりは、このやり方できちんと載せてくれていますから、そんな「賄賂」が必要なところはこちらから切ってしまいましょう。
 不思議なことに、こういうことをお願いしてそれを掲載してくれるところは、まず原稿のゲラを送ってきてチェックさせてくれるようになっていますが、「りらく」ではそのようなことは一切ありませんでした。さっきの定期購読のことも直接言われたわけではありませんからね。いくらお金は払っていないと言っても、金券であるチケットを送っているのですから、普通は何らかのアクションがあってしかるべきではないでしょうかね。せめて、今まで載せていたものをなぜ今回載せなかったのかという説明ぐらいは聴きたいですよね。というか、まっとうな出版社だったらそういうことをきちんと相手に伝えるのではないでしょうか。いや、出版界というのはそんな「常識」も通用しないようなヤクザな世界なのでしょう。
Aventure Number : 3005 date : 2018/9/28


今日の禁断 チネケ


 こちらで書いた、バレンボイムの新しいブラームスの交響曲全集の不良品についての続報です。私が知りえた情報では、CDではなく、そのリリースに先行して配信が始まったNMLを聴いた人が、9月10日に「編集ミスがある」とTwitterで発信したのが、この「事件」の始まりのようです。
 これは、実際はどういうものかというと、
 ここの196小節のアウフタクトの部分(青い矢印)が、次の小節の同じ拍の部分と同じ音になっているそうなのですね。ただ、それもやはり他のTweetから得られた情報だけで、実際の音は聴くことは出来ていません。
 これを見たNMLは、あわててこの部分が修正された音源に差し替え、URLも上のTwitterのリンク先は無効として、別のURLを用意します。これが9月12日のことでした。ものすごい早業ですね。そんなに簡単にこの部分を差し替えるなどということが可能なのでしょうか。
 そして、このあたりから、CDの通販サイトからこのアイテムが「販売停止」となりました。HMVではその理由は明らかにされていませんでしたが、タワーレコードでは「不良品だったため」というようなコメントがありましたね。
 ただ、なぜか国内盤については何の措置も取られず、そのまま販売が続けられていたようです。ですから、私はよっぽどその国内盤を購入して、この部分がどうなっているのか確認しようと思ったぐらいです。ただ、ご存知のように国内盤は6480円もしますから、それだけのために買うのはいくらなんでもはばかられます。ただ、Amazonでも、同じような販売停止の措置が取られたようですが、中古物件に関してはその限りではなかったようで、同じものが新品で2745円、送料が350円で買えるようになっていました。スイスの業者のようですが、これだったら正規の新品よりも安いですし、このタイミング(9月16日)だったら間違いなく「不良品」のはずですから、さっそく注文してみました。
 そして今日、それが届きました。
 ちゃんとあて名が日本語になっているのがすごいですね。
 もちろん新品で、しっかりフィルムでシールされています。中身はこんな感じ、さっそく聴いてみましたよ。問題の個所はいったいどんな風に聴こえるのか、期待は高まります。ところが、それはNML、つまり修正後の音とまったくおなじものでした。
 いったい、これはどういうことなのでしょう。いくらなんでも、日本で不良が発覚した9月10日から、すぐ修正作業をしてカッティングやプレス、そして梱包などをやっていたら、9月16日にこんな製品が出来上がっているわけはありませんよね。実際、タワーレコードでは9月28日になって「良品が入荷しました」という告知を出していましたからね。ということは、だいぶ前にミスに気づいて、「正しい」製品が作られていたのでしょうか。もしかしたら、国内盤はそのマスターだったので、何の問題もなかったのかもしれませんね。真相は闇の中です。
 かえすがえすも、その「間違った」ところを聴き逃したのが、残念でたまりません。ただ、このCDでは、さっきのスコアの赤い矢印の部分で明らかに音源をつなげた跡が聴こえます。昔の「手貼り」ではないのですから、普通にクロスフェードをかけてつないでいれば、こんなみっともないことは起こらないはずなのに、よっぽどあわてて作業をしたのでしょうね。これは、NMLクラスの音でもはっきり分かります。
 それと、前にも書いたように「2番」の第2楽章の冒頭でホルンがとんでもない音を出していますが、それは全く「修正」されてはいませんでした。これはライブ録音ではないのですから、気が付けば絶対に直します。録音スタッフはよっぽど耳が悪かったのでしょうね。
 まあ、こんな「不良品」は世の中には掃いて捨てるほどあるのでしょうね。私が最近聴いたCDでも、こんなのがありましたからね。
 シベリウスの2番なのですが、第3楽章の時間が長すぎませんか。これは、第4楽章の冒頭ではなく、それと同じ音楽が再現される、ずっと先のところが「トラック4」の頭になっているからです。
 だいぶ前ですが、ゲルギエフが指揮をしたショスタコーヴィチの「9番」で、同じような「不良品」がありましたね。たまたま私が見つけて、それをメーカーに知らせたら、あわてて回収して、これもかなり短い期間で「良品」を出していたようですね。
 でも、このシベリウスは回収なんかしないでしょうね。続けて聴いていれば、まず気づきませんし。
Aventure Number : 3006 date : 2018/9/30


今日の禁断 コンサル


 もう10月になってしまったというのに、このサイトの毎月のコラムが更新されていないではないか、と思った方はいらっしゃいませんでしたか?いや、そこまできちんとチェックされている人はまずいないでしょうから、おそらく誰も気が付かなかったのだと思いたいものです。
 この「ジュラシック〇〇」というロゴマークを毎月初めに更新するというコーナーは、私の記憶では1日か2日遅れることはあったかもしれませんが、今回のように3日も遅れてしまったというのはまずなかったはずです。これは、別にもうジュラシックネタが枯渇してしまったわけでは全くなく、単に月が替わったのに気づかなかっただけの話です。
 このところ、なんとも危なっかしい生活パターンになっているので、もう毎日のことを追いかけるのに精いっぱいで、いったい今が何月か、なんてことには注意が向かなくなっていたんですよね。特におとといときのうは、それぞれ前の晩から洗濯機のタイマーを6時に終わるようにかけておいて、5時半に起床、食事を済ませると直ちに洗濯物を干してさる場所に出かける、ということを2日続けたものですから。
 そうなると、今までの習慣だった「7時半から朝ドラの最初の放送を見る」ということが出来なくなってしまいます。それで、1日目は一応録画しておいたのですが、夜にそれを見てみたら、まずテーマ曲がドリカムだったのにたじろいでしまいました。ただでさえこのバンドは嫌いなのに、今回の新曲はなんともかったるい駄作、前回の星野源(それにしても、「アイア」なんて言葉を使う人がまだいたんですね)は何とか我慢が出来ましたが、これはいけません。こんなのを毎朝聴いた日には、確実に私の中で何か大切なものが失われてしまいます。そして、そこに登場する主人公のなんと美しくない笑顔。もう、これで今シーズンの朝ドラは、私の習慣の中には入れさせないことが決定しました。もちろん、その前にやっている再放送も、これは最初の時も途中でつまらなくなって見るのをやめましたから、決して見ることはありません。
 これで、前回のように終わり近くになってずっと見てきたことを後悔することもなくなることでしょう。ほんとに、なんというあわただしい終わらせ方だったことでしょうね。そして、ここでも「天花現象」が起きていましたね。「瞬間移動」というやつです。東京とあの岐阜県の商店街というのは、あんなに早く行き来できるものなのでしょうか。というか、私の中では、岐阜というのは夜行バスでしか行けないところ、というイメージがあるものですから。
 きのうは、夜にはニューフィルの練習までありましたよ。まあ、どんなにイレギュラーな生活になっても、これだけは絶対に休むことはないというのは、もうこれが「生活以上」のものになってしまっているからなのでしょう。最近、つくづくそれが実感できるようになっています。つまり、もはやニューフィルは私の一部、ですから、当然楽しいこともあれば楽しくないこともあるわけで、それらを丸ごと引き受けてそれと同化しないことには成り立たないほどのものなんですよ。
 とは言っても、このところ、練習でも、それ以外でも、なにかと心がざわつくことが続きますね。そのうち、そんなことも達観できるようになるのでしょう。
 ですから、きのうの夜中に、もう10月になったのにここを更新していなかったことにはたと気が付いたわけです。でも、気が付けばそのあとは早いですよ。今朝には新しいファイルは出来上がっていましたからね。
Aventure Number : 3007 date : 2018/10/3


今日の禁断 ラトル


 前回の「禁断」で、「コラム」を更新したと書きましたが、それに合わせてトップページのバナーも「10月のコラム」という文字が入ったものに変えました。「変える」というのは、具体的には文字の部分を「10月」に直し、バックグラウンドを「ジュラシック・スチーム」の画像に差し替えた「column.jpg」という名前の画像ファイルを、FTPでASAHI-NETのサーバーに送る、ということです。その結果、サーバーにあった9月の画像ファイルが10月のものに上書きされることになって、トップページの画像も10月のものになるのです。
 ところが、その後、さるフォロワーさんから「コラムが10月になってません」という連絡がありました。確かに、普通使っているブラウザのCHROMEでは9月のままでしたので、iPhoneのSAFARIで確認してみると、それはちゃんと10月になっているので、間違いなく画像はサーバーには送られているのですよ。もちろん、IEでもきちんとそうなっています。つまり、なぜかCHROMEだけはそれが反映されていないのですね。左が今現在のCHROME、右がIEです。
 こういうことはよくあって、なぜかCHROMEだけが鈍いんですよね。他のファイルはすぐに変わるのに、ここにある3つのバナーだけが、よくそんな風になっています。それでも、普通は1日ぐらい経つとしっかり変わっているのですが、今回はちょっとその症状が長引いています。これは私にはどうしようもないので、困ったものですね。
 ところで、きのうは「おやぢ」でマーラーの「大地の歌」を取り上げたのですが、そこで一緒にもう一ネタ加えようと思っていたことが、字数制限のために載せることが出来ませんでした。それは、スコアでは第6楽章の途中に書いてあるこんな、作曲家による注釈です。
 赤枠内を大きくすると、
 ここは、まずオーボエ・ソロがイントロを吹いた後、ほとんど同じメロディをフルートが、今度はソリスト(アルトかバリトン)のオブリガートとして演奏するシーンです。そこでマーラーは、「フルーティストが大きな音を出すことが出来ない時には、オーボエでそこを代わりに吹きなさい」と書いた後に、ご丁寧に「ソリストは、フルート・ソロが聴こえなくならないように柔らかく歌いなさい」とまで書いています。どんだけ、フルートが信頼されていないか、という気がしませんか?
 オーボエ1番のパート譜にも、陰譜でそのフルートのフレーズが全部書いてありますし。
 たしかに、この音域だとフルートではちょっと低めなので響きにくい人はいるでしょうが、今のオーケストラのプレーヤーだったら、難なく「大きく」吹くことはできますよ。いや、それが出来なかったら、そもそもオーケストラの中では演奏できませんって。
 常々思っているのですが、マーラーという人はそもそもフルートという楽器を音量の点ではあまり信用していなかったのではないでしょうか。いつも吹いてて感じるのは、なんでここはソロにしなかったのか、という部分があちこちにあることです。一人で吹いた方がニュアンスも出るのに、なぜかことごとくユニゾンになっているんですよね。
 おそらく、それは楽器自体の問題ではなかったのか、という気がします。マーラーの時代はもうすでにベーム管は完成されていましたが、実際にそれをオーケストラのメンバーが普通に使うようになるには、かなり時間がかかるはずです。というか、特にドイツではワーグナーあたりも、かたくなにベーム管を嫌っていたということですからね。ですから、マーラーはベーム管ではないフルートが他の楽器とバランスをとるためには、重ねるしかないと思っていたのではないでしょうかね。さっきの「大地の歌」の指示からも、そんな事情が感じられるのですが、どうでしょう。
 その「おやぢ」をFacebookからシェアしたら、来年春の定期演奏会の指揮者の篠崎さんが、「近い将来、やりたいですね」なんてコメントを寄せられました。次にお願いする時は、これで決まり・・・かな?
Aventure Number : 3008 date : 2018/10/5


今日の禁断 ファントム


 この3連休は、まるで夏に戻ったようなお天気になってましたね。とは言っても、そんな日差しを全身に受けて体を動かす、なんてことはとてもできません。まず、土曜日は、「劇団四季」の仙台公演の千穐楽のチケットを取らないといけませんからね。最初に予定が発表された時には、最後の日は12月の末だったのですが、あまりにチケットの売れ行きがすごいので、急遽半月延長して、1月14日が千穐楽となっていて、それの会員向けのチケット予約がその日だったのですよ。もちろん、そんなわけはなく、こうやって千穐楽を「延長」するのは、劇団四季のいつものやり方ですから、当然この最初から決まっていた「本当の」千穐楽のチケットを前から狙っていたのでした。
 これが、普通は電話でもネットでもなかなかつながらないのが当たり前なのですが、今回は仙台ということでしょうか、簡単にネットがつながりました。ただ、その時点では、お目当ての最前列あたりはすでになくなっていましたが、3列目が空いていたのでそこをクリックしたら、「すでにほかのお客様が確保されています」ですって。仕方がないので、真ん中の通路のすぐ後ろの席をとりました。10分ぐらいして覗いてみたら、もう1階の真ん中のゾーンはすべてなくなっていましたから、やはりすごいですね。
 そして、きのうと今日はニューフィルの指揮者練習です。本番まであと2週間ですから、そろそろ仕上げに入ろうというところでしょうか。1日目の新田さんのファッションは、こんなんでした。
 「ジュラシック」ではありませんか。「T-レックス」ですよ。新田さんにこんなご趣味があったとは。でも、ダラダラ演奏していると、食い殺すぞ、などというメッセージではなかったようで、終始いつもの暖かいご指導ぶりでしたよ。もちろん、まだまだ「宿題」が全部出来ていたわけではありませんが。
 さらに、今日は別の会場、ちゃんとしたホールでのリハーサルでした。
 やはり、音の聴こえ方が全然違っていて、ピッコロはもうホール全体に響き渡って気持ちがいいくらいです。それが客席からはどのように聴こえるのかを確かめるために、久しぶりにD-100を持ってきてましたから、あとでモニターするのが楽しみです。
 この日の新田さんは、こんなおしゃれなベストでした。最後には「消し難きもの」を初めて全曲通してみました。これは、私にとっては演奏とともに、ピッコロとフルートの持ち替えのタイミングや、ピッコロにたまった水を掃除する時間が確保できるか、というシミュレーションにもなりました。フルートだけの時にはこんなことはやらなくていいのですけどね。でも、他の管楽器の人たちはよく楽器を、時には分解して水を吹いたりしているんですよね。
 家に帰ったら、いつも演奏会に来てくれる利府の親戚から梨が届いていました。今年の梨は、スーパーで買ったのを何回か食べてみたのですが、全然甘くなかったので、きっとおいしくない年なのだろうと思っていたのですが、これはもう甘いのなんのって。やはり「梨は利府に限る」のでしょうね。
 食べ終わって、さっきの録音をプレイバックしてみたら、入力オーバーで歪みまくっていました。この間のアンサンブル大会と同じレベルで録ってみたのですが、これは演奏中のモニターは出来なかったので、チェックできませんでした。やはりフルオケの音圧はすごいものです。もう、ピッコロのバランスを確認するということなど、出来る音ではありませんでした。残念。この機種は、「オート」の設定がないんですよね。あ、いつも本番の時にもこれを使って録音しているのですが、それはきちんとラインのレベルになったものをそのままいただいているので、それほど神経質にはならなくていいんですよね。
Aventure Number : 3009 date : 2018/10/8


今日の禁断 ヒバチ


 私は健康診断などを受けると必ず「腎機能」で引っかかってしまいます。その数値だけを見ると、かなり悪いのですね。それで、かかりつけの医者から腎臓の専門医への紹介状を書いてもらって診察を受けたのが、2年前のことでした。ただ、そこでいろんな検査をした結果、その専門医が下した結論は「よく分からない」というものでした。特に悪いところは見つからないのに、なぜそんな数値になるのかがよく分からないのですって。
 結局、腎臓に負担をかけないように血圧を下げる薬を処方されて、あとは塩分を控えた食事にしなさい、と言われるだけでしたね。
 そのあとは、かかりつけの医者に定期的に検査をしてもらっているのですが、その数値はほとんど横ばい状態でした。それが、ついこの間の検査でちょっと悪い数値が出たので、「もう1回見てもらいますか」ということで、その同じ専門病院に行ってきました。
 予約は朝の9時半だったのですが、ここは駐車場が混むので少し早目に行っていないと。結局予約より早い時間に先生にまず問診を受けて、それから検査にかかります。これが、とても大変、広い病院のあちこちに散らばっている検査部門を、地図を片手に回っていき、終わったところで伝票にハンコをもらいますから、まるでスタンプラリーですね。まあ、それぞれ時間はそんなにかからないのですが、最後の超音波検査の場所に行ったら、そこは椅子に座れない人がいるほど、待合室は混みあっていました。これは、前回でも同じ状態で、確か2時間近く待たされた記憶があるので、もう腰を据えて待つしかありません。
 ところが、1時間も経たないうちに私の名前が呼ばれてしまいました。まわりには私より前に来た人がまだまだたくさんいるというのに。どういう事情なのかは分かりませんが、呼ばれたのであればいかなければいけません。前回は男の人が、そんなたくさんの人をさばくためにとても荒っぽく検査を行っていたような気がしたのですが、今回は女の人、こちらはとても丁寧に、時間をかけていろんな角度から写真を撮ったり、なんだかデータを測定したりしていましたね。
 時折、「息を吸って」とか「おなかを膨らませて」とか言われるのですが、それぞれ別のことを要求されているのか、あるいは同じことを言葉を変えただけなのかが、いまいち分かりません。同様に「息を吐いて」と「楽にしてください」との違いもどうなのか、なんてことばっかり考えていましたね。あと、「力を抜いてください」と言いながら、器具を力いっぱいおなかの真ん中に押し付けてくるのは、かなり痛かったですね。力を抜いたらそのまま刺さってしまいそうなので、つい力が入ってしまいましたよ。
 全部終わって、また診察室に帰ってきたのは、もうお昼近くでした。そこで、検査結果を踏まえてまた先生のお話を聞くことになるのですが、やはり前と同じで「よく分からない」のだそうですね。
 そこで、先生から提案されたのが、とても信じがたいことでした。人によっては、塩分を控えすぎると、かえって腎臓の機能が悪化することがあるので、しばらく塩分を気にしないで普通に食事をとってほしい、というのですよ。それで1か月後にまた検査をしてみましょう、ですって。この何年か、ひたすら塩分を摂取するのを避けるために、フライドポテトを頼むときも「塩抜きにしてください」と頼んでいたのは、いったいなんだったのでしょうか。でも、本当にそんなことがあるんだったらとてもうれしいんですけどね。いったいどうなることでしょう。
 とりあえず、病院の帰りのお昼ご飯は、近くのとってもしょっぱい味が売り物のステーキ屋さんで、「Tボーンステーキ」を食べましたよ。味噌汁も付いてきたので、それも飲み干しました。本当にこんなことをやっていていいのかどうか、私には分かりません。
Aventure Number : 3010 date : 2018/10/10


今日の禁断 タナバタ


 定期演奏会もいよいよ本番が近付いて、プログラムの校正などという仕事が回ってくる時期になりました。それは、ゲラがPDFで送られてくるので、出先でもスマホを見ながら仕事が出来ます。ちょうど、それを受け取ったのが病院の検査待ちで時間を持て余している時でしたから、そのまま直しを入れてメールを送って終わってしまいましたよ。どこにいてもこんなことが簡単にできるようになったのですから、とても助かりますね。
 今回は私は何も書いておらず、曲目解説は新田さんに丸投げでした。ですから、その中で私が書いたものを引用されていたのは、なにかくすぐったい気持ちになりましたね。曲の中で使われているテーマの元となった歌のタイトルだって、英語のライナーノーツを見て適当に日本語に訳していたのですが、それをそのまま使っていただけましたからね。
 それで、最後の<参考資料>というところに、斯界の立派な資料に混じって、しっかり「かいほうげんNr.260」という名前がありましたからね。ただ、これでは読んだ人が何のことだかわからないだろうと思って、「かいほうげん(仙台ニューフィル会報)Nr.260」と直させていただきました。
 それと同時進行で、あたらしい、その「かいほうげん」の編集です。今回は、たっぷりの原稿が集まったので、私が書いた部分はとても少なくて済みました。なんたって、2人の方から、それぞれにエッセイが届いたのですからね。一人は久しぶりにJAO(日本アマチュアオーケストラ連盟)のフェスティバルに行ってきた方の体験記。もう一つはほぼ隔回に寄稿してくれる、コンサートの記録です。原稿はしっかりWordで送られてきましたから、量は多いものの編集は簡単でした。ただ、そこに、写真を入れるのにちょっと手間取りましたかね。そして、レイアウトが決まったところで、その写真をすこし飾ることになるのですが、その作業がとても時間がかかります。ただ、作業自体は決まったことのっ繰り返しですから、何も考えずにひたすらサイズを変えたり影を付けたりということを何十枚分も繰り返すだけです。これはさすがにスマホではできないので、HDDに入れたファイルを持ち運んで職場と自宅とでの作業になります。
 それも全部出来上がってページを数えてみると、やはりどうやっても16ページには収まらないので、今回も20ページになってしまいました。そして、あとは最初のページだけきちんと作ればほとんど出来上がりです。
 その最初のページは、だいぶ前からこの時期だったら来年秋の定期演奏会の指揮者が決まっているはずだ、と思って用意をしておきました。ところが、候補者選びに時間がかかってしまった上に、いつもの会場が軒並み取れず、そんな時のための萩ホールもかろうじて空いてはいるものの、使用可能かどうかが確定するまでには、結構時間がかかってしまいそうなので、どう頑張っても今回の発行時には間に合いそうもないのですね。ということで、今回の掲載は見送ることにしました。
 そうなると、今度は別のものを持ってきて最初のページを埋めなければいけません。それを今、一生懸命考えているところです。まあ、いくつか使えそうなネタはあるのですが、やはりトップページはそれなりの重みが欲しいところですから、たとえばこんな写真を使うわけにはいきませんからね。
 いや、季節外れだ、というわけではなく・・・
Aventure Number : 3011 date : 2018/10/12


今日の禁断 ワード


 「かいほうげん」作りは、どうやら終わったみたいです。「みたいです」というのは、私の場合、一旦完成させたものでも、見直しているうちに気に入らないところが出てきて、また直してしまうということが、頻繁にあるからです。おそらく、そのままにしておくと止めどもなく改訂作業を繰り返してしまいそうになるので、ある時点で「終わったこと」にしないことには、どうしようもないのですよ。
 今回も、やはりそうでした。一応全部のファイルが出来たので、それをまとめて20ページ分の完パケを作り、もうこれを最終稿にして、明日印刷をやろうと思っていました。実は、発行日の火曜日は、先週のように午前中まるまるつぶれてしまう用事が入っているので、なんとしてでも月曜日中には印刷と製本を終わらせる必要があるのですよ。
 PCのディスプレイで見る限り、それは完璧なものに思えました。そこで、それを実際に印刷してみて、最終的なチェックを行うために職場まで行って実際の「かいほうげん」を作ってきました。こればっかりは、自宅ではできませんからね。
 そこで、「実体」として読み返してみると、なんだか写真のバランスが悪いんですよね。それで、大幅に写真のレイアウトを変える必要に迫られてしまいました。写真のサイズを変えると、また最初から作り直さなければいけないので、ちょっと面倒ですがそんなことは言ってられません。それから1時間半ほどで、やっとすべての作業が終わりました。もう、これ以上は気に入らないところがあっても直すことはないはずです。
 こういう作業は、普通の場合はほとんど職場だけで済んでしまうのですが、今回のように自宅との2ヶ所で行おうとすると、それぞれのアプリのバージョンが違っているので、戸惑うことが頻繁に起こります。たとえば、自宅で「表」を作ろうと思ったら、全然手順が違うだけではなく、いつもやっている「罫線を引く」とか「罫線を消す」といった作業が全くできないのですよ。いや、別にできないわけではなく、そういう作業に対する考え方が、自宅の新しいバージョンでは変わってしまっているのです。つまり、全く同じことなのに、「罫線を引く」のではなく、「セルを分割する」というコマンドになっているんですよね。同様に「罫線を消す」は、「セルを結合する」に変わります。さらに、罫線の太さや色を変えるのも、別のツールが必要になってきます。
 結果的には全く同じことになるのですから、なぜこんなところでわざわざ手順を変えなければいけないのか、理解に苦しみます。というか、こんな基本的なことを変えるのは、決してバージョン・アップではないと思うのですがね。
 いや、それ以前に、本当に基本的なことが全くできないという欠陥を、この文書作成アプリは抱えているのです。これまでに、何度となく「バージョン・アップ」したものを使ってきましたが、それらは全て同じものを同じ状態でコピーするといった単純なことさえ、出来ないのですからね。
 「かいほうげん」で言うと、それぞれのページにはバックグラウンドとして色を付けていますが、これは今のプリンターでは端までベタで印刷することはできないので、わざと余白が出来るように、ページより小さめの図形を貼り付けています。それを、すべてのページに貼り付けてあるのですが、新しいファイルを作ってそこにその図形を貼り付けようとすると、1回目はちゃんと同じ場所になるのに、2回目以降は必ず右下にずれてコピーされるのです。これは、テキストボックスなども同じこと、ここではノンブルにテキストボックスを使っていますが、それをコピペしていちいち場所を修正するのはかなり煩わしい作業です。
 さらに、ここに作ったファイルを印刷用に一つにまとめる時にも、「挿入」という作業で別のファイルをコピーしていくのですが、その際に行内文字数などの書式が変わってしまうんですね。せっかくレイアウトを決めて作ったものが、コピーしたとたんにガタガタになってしまうんですよ。それを、いちいち修正しなければいけないんですから、たまりません。これに関しては前にも書きましたが、何度でも訴えたいですね。こういう欠陥をMicrosoftは知らないのでしょうかね。
Aventure Number : 3012 date : 2018/10/14


今日の禁断 チャーハン


 予定通り、「かいほうげん」は月曜日に出来上がりました。もうあっけないぐらい、他の用事も入りませんし、プリンターの調子もいいし、いったいどうしたというのでしょう。今回は20ページですから、全部で500枚。2時間足らずで終わってしまいましたよ。これでまずは一安心、火曜日の午前中は前からの約束があるので半休ですが、心置きなく楽しんで(?)これますよ。
 そして、いよいよニューフィルの練習、ピアニストの初リハーサルに向かいます。開始はいつもと同じ7時なのですが、その前に楽器を青年文化センターの交流ホールまで運ばないといけないので、それに間に合うように職場を出ましょう。私は運搬の当番ではないのですが、倉庫に置いてあるチラシとポスターを持ってきたいものですから、運搬開始の6時には旭ヶ丘市民センターに着いていないと。
 その前に、晩御飯を中山の「とらの子」で食べてから。料理が届くまでスマホでFacebookを見ていたら、この間の指揮者の選考の時に名前が挙がっていた太田弦さんの写真が目に入りました。結構活躍されているんですね。いずれニューフィルでも。ここでは大阪交響楽団の指揮のようでしたね。そういえば、今回の「かいほうげん」で届いた原稿に「大阪皇居楽団」というのがあったので、最初はそんな、大阪にも宮内庁が関係しているオーケストラがあったのか、と思ってしまいました。まさかこれを書いた人が、変換ミスをするとは思わなかったものですから。でも、これは間違いなく間違いだとわかったので、一番最後の訂正で直しておきました。このオーケストラだったんですね・・・
 というようなことを考えていたら、突然、さっき車でここに来るときに、その「かいほうげん」が入ったバッグを積んだ覚えが全くなかったことに気が付きました。もうそれからは食事どころではなく、いかにして早く食べ終えて、まず職場に戻って「かいほうげん」を取ってきて、はたして6時に間に合うのかだけを考えていましたね。
 何とか、6時5分には市民センターに着きました。そこでエレベーターの前に行ってみると、もう楽器は全て降ろしてあって、これから倉庫に鍵をかけるところだというのですね。間一髪、間に合いました。ふう。
 そのピアノ協奏曲のソリスト、エヴァン・ウォンさんは、その頃は青年文化センターの練習室1で新田さんとリハーサルをしていたみたいですね。その時にコンクール事務局の方が撮った写真が、これです。
 そして、交流ホールにやって来て、オケのメンバーが集まるまでの時間の指慣らしです。新田さんが後ろから覗き込んでいる顔つきが、なんとも慈愛に満ちてますね。
 この練習では、ヴァイオリンのエキストラもほぼ全員揃っていたようで、とても豊かな響きがしていましたね。十分にピアニストと競い合えていたのではないでしょうか。最初の合わせでは、3楽章などちょっとかみ合わないところもありましたが、2回目にはちゃんと修正できていたので、もう本番は大丈夫でしょう。
 ウォンさんのピアノは、とても繊細で、ダイナミック。時折いかにも北欧的な情感が聴こえてきました。本番が楽しみです。ただ、チケットの売れ行きがあまり芳しくないという情報が伝わってきています。ピアノ協奏曲だけでなく、ニルセンの交響曲も、そしておそらく仙台初演となるクーラウの序曲も、順調に仕上がっています。ぜひ今度の日曜日には、川内の萩ホールにいらしてみて下さい。2時開演、当日券もありますから。
Aventure Number : 3013 date : 2018/10/17


今日の禁断 ブーニン


 だいぶ前に、新聞広告で中央公論が「クラシックに未来はあるか」という特集を組んでいたことを知りました。こういう雑誌ですから、最初はよもやその「クラシック」が、「クラシック音楽」だとは思わず、ゴルフとかファッション関係の語彙だと思ってしまったのですが、その執筆者は確かによく知っている「クラシック音楽」に携わっている人たちだったので、これは音楽に関した特集であると理解したのです。
 もちろん、この雑誌のメインは「米中関係」みたいですから、「クラシック」でそんなに重要な議論がなされているとは考えにくいので、買ってまで読もうとは思いませんでしたね。本屋で、その部分だけ立ち読みでもいいかな、と。でも、最近はちゃんとした本屋に行く時間もないような状態なので、スーパーやコンビニの雑誌売り場を探してみたのですが、そこにあるのは「文芸春秋」だけでした。
 ですから、もう少しまともな本も扱っていて、かろうじて通勤圏にあるTUTAYAに行ってみると、やはり「文芸春秋」しかありません。その辺にいた店員さんに聞いてみると、「文芸春秋ですかあ?最近見ないですね」ですって。仕方がないので、Amazonで買ってしまいましたよ。
 まず、最初にこの本を見て驚いたのは、広告がほとんどないことでした。私が普段目にしている音楽雑誌などは、「記事のように見せかけた広告」を含めればほぼ100パーセント広告で出来ているようなものですから、これほど「普通の」文章だけが並んでいる雑誌にお目にかかると、ほとんどカルチャー・ショック状態です。よくこんなんでやっていけるものですね。
 それで、その「クラシック特集」とやらは、全ページの10パーセントほどのページ数が割かれていました。これを多いと見るか少ないと見るかは私には分かりませんが、こんな、正直「音楽」とは全く縁がないと思える雑誌で取り上げたにしては健闘しているな、という印象ですね。
 ただ、その内容は悪い意味で期待通りでした。ここにあるのは、もうすでに議論しつくされたことばかりで、私にとっては何ら目新しいものはありませんでした。要は、「クラシック」というイベントが、「経済活動」としてしかとらえられていないんですよね。それでもってそんな「経済的」な危機感をどのようにしたら払拭できるか、ということを一生懸命論じているのですよ。
 いや、きちんと音楽について語られている部分もありますよ。ただ、そこで重要なのは、「いかにしたら日本独自のクラシックを発信できるか」という点のようにしか思えてきません。なんでそんなに「日本」ということにこだわるのでしょうね。そもそも「クラシック」というのは、日本にはなかった文化ですから、いまだに本気でそれを愛している人はきわめて少ないのですよ。逆に、そういう人が少ないからこその価値があるのです。まあ、それを「優越感」と言っても構わないでしょう。ですから、「クラシック」はあんまり世の中に広まってはいけないんですよ。
 それを、無理に広めようとするから、そこにおかしなことが起こってくるのです。それが、この特集の中でどなたかが述べていた「クラシックのアイドル化」です。そこまでして「クラシック」を広めて、どうするのでしょう。勘違いしてはいけません。「クラシック」は、ファンが少ないからこそ、その価値が高まるのですよ。まあ、骨董品ですね。
 きのうも書きましたが、そんなクラシック・ファンが本当に素晴らしい演奏に接した時にその気持ちを表現しようとして発する「拍手」にまで、「マナー」という名の規制がかけられようとしています。こんなバカげたことは、「クラシック」が一応根付いているヨーロッパなどではありえません。あのメシアンの曲だって、手元にあるライブ音源や映像では、最後の音が消えるや否や、盛大な拍手が沸き起こっていましたからね。
 もっと言えば、オペラハウスやコンサートホールの映像では、カーテンコールでスマホをかざして写真を撮っている人をたくさん見かけますが、日本のホールではそんなことをしようものなら、警備員が血相を変えて駆け寄って、阻止しようとしますからね。本当ですよ。
Aventure Number : 3014 date : 2018/10/19


今日の禁断 フォトショップ


 きのうはニューフィルの定期演奏会本番の日でした。いつもだとその日の夜にはここも更新されることになっているのですが、いろいろ時間を取られてしまって結局今日に持ち越しです。
 本番の私の仕事は、演奏することの他にハイレゾでの録音と写真撮影です。録音の方は私がレコーダーを持ち込んで、ホールからステージの上の吊りマイクからの出力をいただきます。このホールでは、この前にやはり録音させていただいた時には、右と左のチャンネルが逆だったことがありますから、まずはその点をきちんとチェックしなければいけません。
 前日リハーサルの時に、すでにマイクはセットされていて、そこからの出力ケーブルなども用意されていました。ただ、それをレコーダーにつないでモニターしてみても、信号が来てないようなのですね。それでスタッフさんがあちこち接続をやり直して、やっと来るようになりました。そのケーブルを見てみると、最初は2本で来たものを、最終的にミニプラグ用に1本にまとめるのですが、その最初のケーブル自体は2本とも全く同じもので、特に左右の目印などは付いていませんでした。ですから、ここで逆になってしまう可能性はほぼ50パーセントということになりますね。
 そこで、ステージで音出しをしているのをモニターしてみると、特にチャンネルに問題はないようでした。というか、なんだか音像が真ん中に集まっていて極端に左右に離れてはいないので、マイクのセッティングがそんな、あまり広がらないような設定になっているのでしょう。
 ただ、入力レベルがかなり低いので、レコーダーの感度は思いっきり上げました。それでも、あとで聴いてみてもまだ余裕ですね。ただ、なにかステレオ感が乏しいのがちょっと気になります。
 それを家に帰ってから聴いてみると、どうもこれはモノラルなのではないか、と思うようになりました。メーターの動きが左右全く同じなんですよね。念のため、その波形を見てみたら、
 全く同じですよ(上が左チャンネル下が右チャンネル)。完全なモノラルでした。これではとても使い物にはなりません。そもそも、モノラルというだけでなく、音そのものがとてもしょぼいんですよね。ただ、同じ出力から「公式に」CDに録音されたものは、きちんとステレオになっていましたし、音自体もまるで別物でした。ということは、最後のケーブルあたりに問題があったのでしょうかね。もちろん、レコーダーの方は真っ先にテストをしてみましたが、なんの問題もありませんでしたから。
 ここのスタッフさんは、最初に音が出なかったことでも、ちょっと問題がありそうな気はしていたのですが、本番の朝に来てまずレコーダーをつないでチェックしてみたら、やはり音が来てなかったんですよ。よく見たら、ミキサーのフェーダーが完全に下がっていました。それを上げたら、きちんと音は来たんですが、普通はスタンバイした時にはすでにフェーダーを既定の場所に上げておくのが、私が今まで経験したホールの音声スタッフのやり方でしたけどね。そもそも、そここそがスタッフの「聖域」でしょうから、普通は触らせてくれませんからね。
 ということで、今回は恒例のハイレゾでの配信は取りやめとさせていただきます。これが、私の機材のトラブルならあきらめがつきますが、ホール側の責任というのがとても残念です。
 もう一つの仕事、写真撮影は、今回は私は全乗りなので自分ではできませんから、同じパートの降り番の人にそれぞれ前半と後半をお願いしました。その人たちには私のカメラを預けて、2階席から撮ってもらいます。それだけではちょっとアングル的に物足りませんが、他に頼めそうな人もいないので頑張ってもらいましょう。
 と思っていたら、お弁当の前にロビーに寄ったら、今はちょっとお休みしているNさんが、チラシ挟みのお手伝いをしていました。彼は以前の演奏会では降り番の時には自発的に写真を撮っていてくれたので、もしかして今回もお願いできないかきいてみたのですが、カメラを持ってこなかったのでそれはできないということでした。でも、お弁当を食べていると、そこにNさんがやってきて、わざわざカメラを取りに行って、写真を撮ってくれるというのですよ。ありがたいですね。ですから、お言葉に甘えて1階席からのアングルでお願いしました。
 打ち上げの途中で、Nさんからオンラインストレージに写真を送ったというメールが届きました。それが1通ではなく、5通もあったので、ちょっと不吉な予感がよぎります。家に帰ってそこを開けてみたら、なんと全部で500枚近くの写真が入っていたではありませんか。それをダウンロードした時点で、もう力尽きて、かろうじて公式サイトの更新だけをやって、寝てしまいました。
 今朝になって、その大量の写真からやっと数枚を絞って、公式Facebookにアップして、ひとまずは一段落です。あとは、Nさんからの写真が、これは郵便で届くそうですから、それを待って全アイテム掲載の写真集の準備です。
 あ、もう一つ、Wさんから頼まれたCDやBDのジャケット画像の修正もありました。
 これは、チラシから「消し難きもの」を消すという依頼、細かい手順は企業秘密ですが割と簡単で、30分ほどで出来てしまいました。多分、ジャケット制作には間に合うことでしょう。
 私の演奏のことは、またいつか。
Aventure Number : 3015 date : 2018/10/22


今日の禁断 メンデルスゾーン


 今度の定期演奏会では、本番の前日が指揮者の新田さんの誕生日でした。なにかめぐりあわせがいいのでしょうか、5年前に共演させていただいた時にも、その時は本番当日がやはり誕生日でしたね。ですから、憶えている方もいるかもしれませんが、その日にはリハーサルで演奏している曲が突然「Happy Birthday to You」に変わるというサプライズを仕掛けさせていただきましたよ。このアイディアは、私が新田さんのFacebookで他のアマオケにやはり同じような「お祝い」をしてもらったことを書かれていたので、それをうちでもできないかと、委員会で提案してみたんですね。
 ですから、今回も同じように提案してみました。でも、さすがに2回目ともなると新鮮味もないので、みんないまいち乗り気ではありませんでしたが、団長あたりはけっこう乗り気でしたね。結局、やるやらないを含めて、それは団長一任になったようでした。
 それから何の具体的な話も伝わってこなかったので、それは立ち消えになったかな、と思っていたら、本番前の最後の練習の時に休憩時間に団長が委員を集めて、ひそかにその実行案を示してくれました。ちょっとえぐいような気はしましたが、まあそれでやってみましょうということで、それぞれのパートにそのプランを流すことになりました。
 それは、演奏会での最初の曲目の「妖精の丘序曲」で仕掛けられていました。この曲は、王族の結婚式で実際に上演された祝典劇のための序曲で、曲の最後に王室歌が演奏されるように作られています。その部分で「Happy〜」をやろうというのです。それはアウフタクトで「ラ・レ」で始まるテーマなのですが、そこを「ラ・シ」とやるんですね。
 私は、その部分の直前までピッコロを演奏するようになっているのですが、その時には少し前で一旦iPhoneの録画をスタートさせて下を向けて椅子に置いておき、音が入るといやなので吹く真似だけをしていました。そして、いよいよエンディングというところでiPhoneを新田さんに向けて撮りだしたのです。結果は大成功。新田さんは、すっかり安心しきっていたのか、これが始まった時にはマジで心臓が止まるかと思ったそうですね。
 もちろん、その映像は公式Facebookにアップしました。そうしたら、前回と同じように新田さんご本人もシェアされて、かなり広範囲に拡散されたようですね。機会があったら、ぜひ見てみて下さい。
 この会場は萩ホールですが、新田さんはここで指揮をされるのは初めてでした。内装と言い、響きと言い、なかなかお気に入りの様子でした。ピアノ協奏曲をやったおかげもあって、このホールでニューフィルが演奏した中では最高の集客でしたね。開場前にはこんな長蛇の列が。
 そんなお客さんは、かなりノリがよかったですね。間違いなく初めて聴くことになる序曲が終わった瞬間に「ブラヴォー」という適切な叫びが入って、とてもいい気持になれました。やはり、演奏が終わって間髪をいれずに拍手が起こるというのは、演奏している人にとっては快感ですよね。東京ではホールとオーケストラが結託してこれを禁止しているのですから、かの地は文化的には仙台より未開です。
 グリーグのピアノ協奏曲はピアノもすごいし、それに乗せられたニューフィルも、信じられないようないい音を出していました。そして、ニルセンの「消し難きもの」は、今でも私の頭の中にあのテーマの数々が渦巻いています。
 それだけのことが出来たのは、やはり新田さんのお蔭です。今回は、いつにも増して要求が厳しく、「ここはぜひパートで合わせておいてください」と言われたところは数知れず。でも、終わってみれば、満面の笑みですべてのパートの演奏を賞賛してくれるのですから、たまりません。新田さんは、まるで女神のような包容力で、私たちをすっかりその気にさせてしまう「魔力」を持っていたのです。
 私は一次会で失礼してしまいましたが、新田さんは二次会だけではなく、そのあとのラーメンまでしっかり付き合ってくれたのだそうですね。ぜひ、またご一緒したいものです。今度は「宗教改革」の第1稿?
Aventure Number : 3016 date : 2018/10/24


今日の禁断 アトモス


 この間の定期演奏会のCDやBDのパッケージが届きました。ロー・データは演奏会の翌日には届いていて、それでCDの音には問題がないことが分かったのですが、パッケージが出来るのには、私がこの間作った画像が必要だったので、いつもより少し時間がかかったみたいです。その現物はこれ。
 そのまんまですね。CDのジャケットだときれいに収まるのでしょうが、このように縦長のケースだと、ちょっと下の空白(空黒)が間抜けですが、仕方がありません。これは表ですが、裏には公式Facebookにアップした、Nさんが撮った写真(上のディスプレイ)が使われていました。
 これで、録音と録画は晴れてみんなの手に渡ることになったのですが、写真についてはまだもう少し時間がかかりそうなので、待っていてください。すでに写真の整理と、ファイルへの振り分けは完了していますから、あとはいつものようにひたすらリンク用の画像を作る作業に邁進すればいいだけの話です。
 そんなわけで、要は時間さえあればあとは単純作業なのですぐに終わるのですが、そんな時間がなかなか捻出できないのが悩みの種です。それは、ついうっかり、こんな本を読み始めてしまったから。
 この作家の名前は、ずっと「千里」だと思っていたような気がします。それが、右側のほとんど「日記」と言っていい著作によって、「七里」だと指摘されてしまいました。いや、実際に彼のファンでも「千里」だと思っていた人がたくさんいたのだそうですね。
 この本は、紛れもなく「日記」なのですが、ネットのブログのようにそれが果たしてすべて真実なのかは分かりません。というか、こんな公になってしまうところで本当のことを書く人なんて、特に作家だったら絶対にいないと思いますけどね。ですから、そのあたりを差し引いて丹念に「真実」だけを読み取ろうとしてみると、この作家にこれまで抱いていた印象がガラリと変わってしまったのは、ちょっと困ったことです。
 そもそも、最初に読んだのが「さよならドビュッシー」というクラシックがネタになっている小説でした。やはり、なにかとっかかりがあった方が読みやすいですからね。そうしたら、その中で披露されている音楽の描写が、ものすごかったんですよね。見事に、音楽そのものが文章によってくっきりと目の前に現れてくるというすごさです。ですから、この人は音楽に関してはかなりの知識と素養を持っているのだと信じて疑いませんでした。
 しかし、この「日記」によると、そんなものはまったくないそうなのです。確かに、自宅にはものすごいAVシステムがあって、4Kなんかでもそれこそ映画館以上のリアリティで再生できるのだそうで、もちろんそこでクラシックの音楽を聴くこともあるのでしょう。でも、それはあくまでただの「愛好者」の域を出ないもののようですね。ですから、やはり私のように勘違いをしている音楽雑誌などからインタビューなどを求められても、本人は何も知らないのでとても困ってしまうのだそうです。おそらく、実際に音楽にはかかわっていなくても、それを描写するスキルが半端ではないのでしょう。それは全てのジャンルに及んでいて、ですから、どんなタイプの小説でも、何の資料もないところから書き上げることが出来るだけのバックグラウンドがあるのでしょうね。
 ウソに決まっていますが、小説を作る時には、その一字一句がすべて頭の中に出来上がっていて、あとは文字を打ち出すだけなんですって。なんか、「小説家」そのものに対するイメージが、すっかり変わってしまいましたよ。
 それで、左の、今度はまさにそんな手法で作られた「小説」を読んでみると。それはとても面白く、最後のどんでん返しも二重にひねってある手の込んだものだったのですが、それは出来るべくして出来たものなのだな、と、激しく納得してしまいます。でも、あちこちに東野圭吾あたりの作品とよく似たシーンが出てくるんですよね。
 こんなのばっかり読んでますから、本当にいくら時間があっても足りません。
Aventure Number : 3017 date : 2018/10/26


今日の禁断 ワーグナー


 このページでことあるごとにご紹介しているように、最近では1970年代の「4チャンネル」、英語では「Quadraphonic」のレコードのために録音されたものが、最新のフォーマットで「サラウンド」としてリリースされることが多くなっています。それは、ハイブリッドSACDのマルチチャンネル・レイヤーを使うものと、BD-A(ブルーレイ・オーディオ)のマルチチャンネル・モードものとの2種類がありますが、その数は圧倒的にSACDの方が多いですね。中でも、PENTATONEというレーベルからは、かつてのPHILIPSとDGの録音を元にした夥しい点数のSACDがリリースされています。
 ただ、もう一方のBD-Aは、今のところDGのバーンスタインの「カルメン」が唯一のアイテムなのではないでしょうか。これは、全く同じものがその前にPENTATONEのSACDとして出ていましたね。もちろん、このレーベルからは他のDGのアイテムもたくさんリリースされています。クーベリックのベートーヴェンの交響曲集などは、その代表的なものです。
 これらのSACDやBD-Aによって、私たちは今まで決して聴くことのできなかったいにしえの「4チャンネル」を体験することが出来るようになりました。そして、PHILIPSやDGでは、そんな「4チャンネル」のマスターテープが、決して商品になることはなく人知れず倉庫に眠っていたことを知るのです。
 皮肉なことに、同じメジャーレーベルでもSONYやEMIでは、その「4チャンネル」時代には競って新譜のレコードをこの方式でリリースしてきましたが、それが現代のフォーマットで蘇ることは、特にEMIに限っては今の時点では全くありません。これは、EMIというレーベルが、今では複数の別のレーベルに身売りをしてしまったことも、関係しているのかもしれませんね。カラヤンとベルリン・フィルの録音など、ぜひ聴いてみたい気がするのですがね。
 SONYでも、しっかり本来の「4チャンネル」のためのミキシングで商品化されたものは、マイルス・デイビスの「ビッチェズ・ブリュー」以外にはないはずです。
 いま、そのようにかつては聴くことの出来なかったアイテムがどんどんサラウンド化されてリリースされているPHILIPSとDGとともに、かつてはPOLYGRAMという企業体の一翼となっていたDECCAでは、果たしてその時期の「4チャンネル」の音源は存在していたのか、という点に関しては、今までは何の情報もありませんでした。というか、DECCAにもしそんなものがあれば、なんとしてでも聴いてみたいものだ、とかねがね思っていました。そうしたら、突然、こんなBD-Aがすでにリリースされていたことが分かりました。
 ジャケットに貼り付けてあるシールには、
 ですって。なんと、ショルティとウィーン・フィルという、あの「指環」のメンバーによる「タンホイザー」ですよ。今までは、LP、CDとして多大のセールスを挙げていたアイテムです。それが紛れもない「4チャンネル」音源をサラウンド化して、BD-Aになったというのですから驚きましたね。
 録音されたのは1970年、すでに「指環」のプロデューサーだったジョン・カルショーはDECCAを去っていましたが、彼のチームのエンジニア、ゴードン・パリーはしっかりこの録音を担当しています。まさか、このメンバーが「4チャンネル」で録音していたなんて、とても信じられません。
 確かに、この少し前にDECCAは「Phase 4」というマルチチャンネルの録音方式を確立していましたが、それは最終的には2チャンネルにミックスダウンされていますから、決して「4チャンネル」を目指したものではありません。しかし、すでに1960年代から、しっかりその「実験」は行っていたのだそうです。その成果のひとつが、この「タンホイザー」だったんですね。なんでも、「巡礼の合唱」が進んでいく様子が、サラウンドではっきり表現されているのだとか、早く聴いてみたいですね。
 これはすでにインターナショナルには8月に発売になっているのですが、代理店経由で日本に入ってくるのは11月末になるのだそうです。待ちきれません。
Aventure Number : 3018 date : 2018/10/27


今日の禁断 グリーグ


 この間の定期演奏会の写真を、やっとアップできました。まあ、1週間で仕上がったので、私としては早い方でしょうか。前にも書いたように、思いがけない援軍が登場したことによって、当初の2倍以上の写真が集まったのは、うれしい「誤算」でした。結局今回の写真は、全部で722枚でした。それを100枚程度にまとめて9つのページに分けて、アップしてあります。
 それを入手する手段として、ご存知のように、私のスキルでは精一杯の「イメージマップ」という方式を使って、画面に表示したサムネイルから、現物の写真のファイルにリンクを張っています。その細かいHTMLはすでに作ってあるので、あとは部分的にテキストを「置換」すればHTMLファイル自体は瞬時に完成します。ただ、その前のサムネイルを並べた画像を作るのが、今まではちょっと大変でした。
 その大変さの原因は、集まった写真のアスペクト比がまちまちだ、というところです。映画などでは、スタンダード、ビスタ、シネスコなど、縦横比がまちまちのものがありますが、デジカメでもやはりいろいろな規格があって、それは簡単に切り替えることが出来ます。ですから、カメラが違うとその縦横比も違うことがあって、今回はもろにそれぞれが違うサイズで撮影していたのです。その結果、
このように、横幅を同じにすると高さが3種類の写真が混在することになっていました。というか、順番としてはカメラマンによってひとまとめにしてあるので、部分的に高さが異なることになってしまいました。
 これまでは、その高さは修正しないで、さっきの「イメージマップ」の座標を動かして、リンクの場所を修正していました。ですから、物によっては全部の座標を修正しなければいけなくなり、かなり手間がかがりました。
 そこで、今回は、そんな手間を解消するための画期的な方法を開発したのです。なんて、大げさですが、要は、一番高さのある行ですべてを固定することにしたのです。そのために、一旦その一番高さがある写真だけを100枚並べた画像を作って、そこで座標を決定、ファイル名だけを残して残りの写真のサムネイルは全て削除したテンプレートを作ります。あとは、そのファイル名の上にサムネイルを乗せていけばいいだけの話です。
 なんて、おそらくそれでどんなことをやっているのか想像できる人はあまりいないとは思いますが、私にしたらもう劇的に仕事の能率が上がるものに変わっていたのですよ。これで、おそらく手順は完全に決まったので、これからの演奏会での同じ作業は、もう完全なルーティン・ワークとなることでしょう。
 今回は、私のカメラで3人、それとあと2人の方がそれぞれご自分のカメラで撮ってくださいました。ただ、演奏会の本番の写真は、撮る人は限られてきますが、オフステージとか打ち上げでは、みなさんがスマホでたくさん撮っているので、それらも出来れば反映させたいですよね。今回は1枚だけ、打ち上げのページのそのように提供していただいたものを加えています。ですから、もしこれぞというショットがあれば、どんどん送っていただければここに加えたいと思っているのですが、いかがでしょうか?
 これは、いつものように公式サイトの日程表の一番下からリンクされています。パスワードは掲示板と同じもの、オプションで、もうワンセット用意してありますので、それは掲示板で見つけてください。
 この写真集が出来る前に、何枚かはすでにFacebookにアップしてありますから、それをそれぞれ使ってくださった人もいたようですね。びっくりしたのは、ピアニストのエヴァンさんが、その中の写真をご自身のFacebookのプロフィールに使ってくださっていたことです。
 これは、Nさんが撮った、エヴァンさんがステージに入ってくる瞬間ですね。貴重なショットをありがとうございました。
Aventure Number : 3019 date : 2018/10/29


今日の禁断 ベルリオーズ


 ニューフィルの定期演奏会が終わり、間に1回のお休みを取って、次の演奏会へ向けての練習が始まりました。会場はいつもの旭ヶ丘市民センターですが、考えてみたら私はなんと1ヶ月以上もここを使っていなかったことになりますね。本番前の週は交流ホールでソリストとの合わせ、その前は会場が取れなくて練習室4、さらにその前の週はパート練習だったのでここは使いませんでしたからね。
 そんな久しぶりの旭ヶ丘の大ホールに、なぜか私は一番最初に着いて鍵を開けることになってしまいました。演奏会当日、楽器類を全部積み込んだトラックが萩ホールを出発した時に、誰のせいなのかは分かりませんが、バス椅子が一つ積み残されていたのですよ。それに気が付いた頃には、トラックが発車してからかなり経っていたので、これから旭ヶ丘の楽器倉庫に行ってももう搬入は終わっていますから鍵がかかっています。仕方がないので、私が預かって職場に置いておいて、それをきのう運ぶことになっていたのですね。
 私としては、車にバス椅子を積むのは別に問題はないのですが、車は青年文化センターの駐車場に入れたいので、そこから私の重い荷物を持った上にこの重いバス椅子を抱えて歩いていくのではかなり辛いことになってしまいます。ですから、まず市民センターの前の道路に車を停めて、そこからバス椅子を運び込み、そのあと青文に車を入れる、というルートを取ることにしました。
 そうしたら、まだ誰も来ていませんでした。そのままホールの前に椅子だけを置いてきても、まさかこんなものを持っていく人などいるわけはないので大丈夫だとは思ったのですが、やはり何かあった時には困りますから、いちおう事務室に鍵をもらいに行ってきたということです。
 まだ真っ暗だったホールの電気をつけて、ステージの前にその椅子を置き、その上に鍵のケースを置いておきました。次に来た人は、なんだと思ったでしょうね。
 駐車場に車を置いてまたホールにやってきたら、その間にもう5人ほど来ていましたね。その中に、椅子を忘れてきた張本人もいたので、私に平謝りでしたっけ。
 次の演奏会と言えば、角田の「第9」になるのですが、今年はその本番の時期がいつもより遅くなっていたので、「第9」の練習だけをやっていたら次の定期の練習時間が足らなくなってしまうため、きのうはその定期のメインの曲「 幻想」をとりあえず全曲通すことになっていました。
 そうしたら、なんと、こんな楽器を持ってきている人がいましたよ。
 これは、「ファゴット」によく似た楽器で「バソン」と言います。つまり、フランス風のファゴットなんですよ。今度の定期は全曲フランスものなので、「楽譜に『バソン』と書いてあるので、これを使うことにした」と本人は言ってましたね。これは、アマチュア・オケとしては画期的なこと。そもそもアマチュアでバソンを持っている人なんて、普通はいませんからね。もちろん、ファゴットパートの他の3人は「ファゴット」を吹くのですが、1本だけでもこれが入っていれば、ずいぶん音色が変わるでしょうね。今回のキャッチコピーは「バソンが奏でるフランスの響き」にしましょうね。
 「幻想」は、ニューフィルにとってはこれが3回目の挑戦となります。私は、1回目はピッコロと1アシ(なぜかこの時のフルートパートは「大人の事情」で3人で吹くことになっていました)。2回目はピッコロ持ち替えの2番でしたが、今回は晴れて1番を吹けることになっていました。しかし、この曲のど頭はフルートとクラリネットのソリで始まるので、かなりの緊張感が伴います。私はそういうプレッシャーには弱いので、その最初の音はなんとも不本意なものになってしまいました。そのまま、第1楽章は立ち直れませんでしたね。2楽章以降は何とか普段のペースを取り戻せましたが、「幻想」をまた練習するのは「第9」が終わってからですから、その間にもっともっとさらっておかないと。
Aventure Number : 3020 date : 2018/10/31

18/11/2-18/12/13