2941(18/5/5)-2960(18/6/15)

今日の禁断 タンノイ


 北目町に、「〇だや」という昔からそこで営業している高級オーディオを扱うお店があります。今職場で使っているスピーカーもそこで買いました。このお店の2階にはとても広々としたリスニングスペースがあって、そこで鳴らしているスピーカーの中から、大きさと予算の制限の中で一番気に入ったものを買うことにしたのですね。そこにはベテランの店員さんがいて、何度も何度もいろんなスピーカーを取り換えて聴かせてくれました。
 その後しばらくして、あのショルティの「指環」のバカ高いSACDが、市内ではこのお店だけで扱っているという情報を得て、わざわざ買いに行きましたね(それは、もう手放してしまいましたが)。その時にお店の中を見たら、なんだかオーディオだけではなくAVの方面にも手を出しているようになっていましたね。でも、それは1階だけのことで、2階ではやはりちゃんとハイエンドの機器をそなえてリスニングが出来るようにはなっていたみたいです。
 それからまただいぶ経って、たまたまそのあたりに行くことになったので、別に買うものもありませんがきっと素晴らしい音だけは聴くことが出来るのではないかと、そのお店に入ってみました
 でも、なんだかそこにはずいぶんくたびれたような雰囲気が漂っていましたね。なんか、店員さんに元気がありません。というか、すごく入りずらい感じでした。2階に行ってみようとすると、その階段はカーペットも擦り切れてとてもみじめな感じ、これから素晴らしいスピーカーが聴ける、というような期待は全く持てません。
 その2階には、確かに高価な外国製品が所狭しと並んではいました。でも、音は出していないんですね。配置もなんだか倉庫の中のようで、とても落ち着いて聴き込めるような状態ではありません。見ると、奥の方にもっと広がったところがあったのですが、そこは本当に物置になっていて、ガラクタが雑然と散らかっているだけで、もう使ってはいないようでした。それを見たら、もうすっかり景色が貧乏くさく見えてしまって、早々に出てきてしまいましたよ。なんか、見てはいけないものを見てしまった感じです。とても残念でしたね。
 残念と言えば、ニューフィルのサイトをスマホで見ると、広告が邪魔になってメニューのクリック(タップ)が出来ない、ということがありました。無料のサーバーを使っているので広告が出るのかと思ったのですが、有料のレンタルサーバーにアップしたコンテンツでも同じように広告が出るので、手の打ちようがありません。仕方がないので、隠れてもいいように、隠れないところにメニューを移すことにして、その作業を行いました。こんなヒマな時でないとできませんからね。
 なにしろ、今のサイトは昔からあるコンテンツを手直ししながらそのまま使っていますし、ディレクトリも様々な階層に及んでいて、まるでつぎはぎして積み上げた高層住宅みたいな様相を呈しています。ですから、ページ間のリンクでも、それぞれが別の階層にあったりしますから一つ一つ直していかなければいけません。それと、フォントなども作った時期によって違っていたりするので、せめてトップページに直結しているところぐらいは同じものにしようとするので、思いのほか時間がかかってしまいました。
 それでも、一応の完成はみたので、PCで確認してさらに細かい間違いを直して、それをスマホで見てみると、なんだかPCとは違っているんですね。一番の改造点は、今までフレームにメニューだけを入れて一番上に置いておいたものを、フレームを廃止してページの真ん中に持ってくる、というところでした。それが、スマホでは無くしたはずのフレームがまだ残っているんですよね。
 リンク先が違うのでこれはありえないことなのですが、そういうことがスマホではよく起きます。今日もフルートパート間で使っているiMessageが急に使えなくなってSMSしか送れなくなってしまいました。それは、相手の一人がちょこっと何かをいじったら、すぐに元に戻ってくれたので一安心なのですが、この、サイトのフレームの問題はいつになったら解決するのでしょう。
Aventure Number : 2941 date : 2018/5/5


今日の禁断 カープル


 割と近くに、おいしそうな感じのするハンバーグ屋さんがあるのは知っていました。いつも買い物の途中なんかに車で通る道沿いに建っているちょっとアンティークな感じのお店なので、気にはなっていたのですね。
 そこが、つい最近テレビで紹介されていました。そこで出てきたお食事もとてもおいしそうでしたので、これは一度は行っておかねば、と、今日のお昼に行くことにしました。
 11時半ごろ着いたら、広いお店の中にはもう結構お客さんも入っていて、注文した料理が届いた頃にはほぼ満席になっていましたね。やはり、テレビのお蔭なのでしょうか。店員さんもテキパキとしていていい感じです。
 ただ、ハンバーグそのものは、そんなにびっくりするような味ではありませんでしたね。というより、なにかつなぎが多すぎて肉の味がほとんどしないのが物足りません。それと、まるで乳幼児が食べるような変な柔らかさなのも、あまり良い食感ではありません。正直期待はずれですね。
 食べる前に写真を撮るのを忘れてしまったので、食べ終わってからのお皿。これにご飯と「味噌汁」が付くんですよね。
 味は好みの問題ですから仕方がありませんが、この鉄板がとても使い込まれているせいなのか、もう汚れがびっしりとこびりついているのが、とても気になりました。
 鉄板を乗せる木のプレートも、こんなに汚れていますね。こういうのを不快に思わないような人が作る料理がおいしいわけがないと思うのですが。まあ、ここも二度と来ることはないでしょう。
 帰ってからは、きのうのニューフィルの公式サイトに続いて、「ジュラシック」の方のリニューアル作業に取り掛かります。だいぶ前から直そうと思っていたところがあったのですが、なかなか取りかかれないでいたものが、やっとエンジンがかかってやる気になりました。
 それは、「おやぢの部屋」のインデックスの改修作業です。あまり人目には付かないようなところに、ひっそりと「おやぢ」で取り上げたアルバムの作曲家、アーティスト、そしてレーベルを全てリストにしたものがあるのですよ。PCで見るブログだと、右のスペースに「おやぢインデックス」というリンクが付いています。これは、主に私自身が聴いたCDなどを検索するために作ったもので、大変重宝しています。
 ただ、最初のうちは、十分に見やすかったものが、アイテムが増えてくるにしたがって作曲家の名前がどんどん増えていった結果、もう自分で見ても煩わしいほどみっともないものになっていました。ですから、この際、完全にアルファベットごとにページを分けて載せるように作り変えることにしたのです。今までは、たとえば同じページに「T」から「Z」までをひとまとめにしてたりしていましたから、それが見にくさの最大の要因だったのですよ。
 要は、1つのファイルを、3つか4つに分ける、という作業なのですが、それが意外と手間取って、結局午後の時間をまるまる使ってしまいました。そうやってできたものを改めて眺めてみると、なかなかレアなリストが出来ていたのだなあ、と思ってしまいますね。正直、自分でもどんな曲だったのか全く思い出せないものがほとんどですからね。
Aventure Number : 2942 date : 2018/5/6


今日の禁断 モリヤ


 この間開催された「タケノコ掘りたいかい?」で、竹藪の中のタケノコは根こそぎなくなってしまいました。しかし、今年のタケノコは全国的に大豊作なようで、その後もどんどん新しいタケノコがあちこちから伸び出してくるようになっていました。すごいのは、こんな風に枯れた竹の切り株から新しいタケノコが出てきたことです。
 ただ、私のことですから、合成でこんな写真をでっちあげたんじゃないの?なんて疑惑をもたれてしまうかもしれませんね。実際、自分でも、「これなら作れるな」と思ってしまいましたからね。でも、残念ながらこれは合成ではありませんでした。その2日後の写真がこれです。すごいですね。
 いずれにしても、このまま伸ばしておくわけにはいかないので、きのうのニューフィルの練習の前に少し掘って、持って行こうと思いました。
 そこで用意したのが、こんな、コンテナ一杯のタケノコです。ただ、こんなのを車で持って行っても、駐車場から練習場まではとても抱えていくわけにもいかないので、自宅で使っている、車にも乗せられる小さな折り畳み式の台車に載せていくことにしましょう。
 その駐車場ですが、連休前にいつも使っているスーパーの上の駐車場に車を入れようとしたら、こんな張り紙がありました。
 驚きましたね。もう長いことここを使っていますが、何の相談もなしにいきなり料金を倍にするというのですからね。もうここは使えません。そうなると、駐車場はお隣のホールの地下しかなくなりますね。今までは料金は同じだったのですが、スーパーの方は何か買い物をすると1時間分まけてくれるので、使っていただけですから、こんな料金になってしまったらもう未練はありません。
 ただ、そのホールの駐車場は、地下1階はそのままエレベーターに乗れますが、そこが空いてなくて地下2階になると、階段以外に通路はなくなってしまいます。つまり、地下2階に車を停めると、この重いコンテナを持って階段を登らなければいけなくなるのですよ。
 さいわい、きのうはガラガラだったので、無事エレベーターを使い、あとは楽器運搬で勝手知ったる道を使って練習場までタケノコを運びました。あ、もちろん私の楽器や楽譜も持っていきましたよ。
 そして、練習が終わってから「持って行ってください」とアナウンスしたら、みんなこのコンテナに群がって、すぐになくなってしまいましたよ。
 帰りは空のコンテナを台車に載せて駐車場に向かいます。ホールについて、エレベーターに一番近い入り口を開けようとすると・・・開きません。もう時間が遅いので、エレベーターが止まっているのでしょうか。そうなると、この大荷物を持って階段、ちょっと暗くなってしまいます。
 でも、なぜか自動ドアは開くんですね。早々とまわりの入り口は施錠してしまったと。もちろん、エレベーターはちゃんと使えました。駐車料は350円、スーパーの駐車場だと割引があっても600円ですからね。いつもこちらが空いているといいのですが。
 練習の時、録音、録画担当のWさんから、ホールで録音した音源を貸してもらいました。この間の演奏会では、同じマイクを使ってホールと私が別々に録音を行ったのですが、Wさんは両方を聴き比べて、公式のCDには私の録音の方を使ってくれました。ただ、それを聴くとちょっとした歪みが入っているところが見つかったので、ホールで録音したのはどうなっているのか聴きたくて、お願いしてあったのですよ。
 ホールのCDでは、やはり歪みはありました。ただ、私の録音ではそれが3ヵ所だったのですが、こちらは1ヵ所では歪みがなくなっているのですね。ただ、どうやらホールではリミッターをかけて録音していたような形跡がありました。歪みを起こすあたりのフォルテシモの付近になると、私の録音に比べるとなんだか全般的に少し抑えられているような音になっているのですよ。おそらく、それで1ヵ所は歪みを免れたのでしょう。でも残りの2ヶ所は、リミッターも力が及ばなかったのですね。私の録音では、リミッターは使ってはいません。ただ、別の種類の歪みを押さえるツールは使っていますが、それは殆ど音質には影響がありません。その違いがちゃんと出ていたんですね。
 それと、あの時私はリハーサルの録音を聴いて、ホールの担当者にメインのレベルを少し下げてもらうようにお願いしてありました。それがなかったら、ホールのCDももっと歪んだ箇所が増えていたでしょうね。
Aventure Number : 2943 date : 2018/5/9


今日の禁断 ショスタコ


 毎回、私のニューフィルでの最大の仕事、「かいほうげん」の発行に関しては、タイミングが問題になっています。ただ原稿が集まったから出す、というのではなく、どんな時に出すか、というのがかなり重要なファクターなんですね。つまり、たくさんの人が集まれるときに発行するのが一番いいに決まっているのですが、ニューフィルの場合は毎回全員が同じところに集まるとは限らないのです。3回に1回はパート練習や分奏が入りますから、その時はだめなのはもちろんですが、みんなが集まる合奏の日でも、普通の火曜日以外に日程が入った時には、ガタッと出席者が減りますから、そんな日も避けた方がいいんですね。これは、合奏で使っている市民センターが、たまに火曜日がお休みになる時があるので、物理的に他の日に移動させるしかないんですね。このところめっきり増えてきた「ハッピー・マンデー」のお蔭で、「休日の次の日は休館」というルールに従って、自動的に火曜日が休みになってしまうからです。
 そこで、今度の号を出す時期を考えてみると、5月の1週目は連休でお休み、そのあと2週間は普通に火曜の合奏、次の週は分奏、そして最後の週は別にハッピー・マンデーでも何でもないのに、なぜか木曜日しか会場が取れませんでした。ですから、来週を逃すと、そのあとはその3週間後になってしまうんですね。こんなに遅いと、せっかくの定期演奏会のネタがすっかり腐ってしまいますよ。
 ということで、発行日は来週の火曜日に決定しました。ただ、その予定で作業を進めていくと、どうも1ページぐらい空いてしまうような感じでした。そんな時には他の団体の演奏会のチラシなどを載せれば埋まってしまうのですが、その演奏会も適当なのは1つしかありません。1ページまるまるチラシ1枚というのはいかにも間抜けなので、いつもは大体2枚を重ねて載せていますから、ここにもう一品あればなあ、と思っていましたね。
 そうしたら、この間の練習の時に、格好のネタを持ってきてくれた人がいたではありませんか。いつもこんな風に、欲しいと思ったものが直前に手に入るのですから、たまりません。
 それは、この間の定期演奏会を聴きに来てくれたお客さんによる新聞への投書の切り抜きでした。私はこの新聞はとってないので全然気が付かなかったのですが、読んでみると確かにニューフィルの演奏会のことを褒めてくれているだけではなく、プログラムに書いた私の原稿まで褒めてくれていましたから、うれしくなりましたね。これは、「かいほうげん」に載せないわけにはいかないでしょう。
 ただ、その切り抜きだけでは、いつの新聞に載ったのかが分かりません。その人ももうわからないのだそうです。それならば、確か職場ではこの新聞を取っていたはずなので、まだ紙類回収に出していないことを願って探して見ると、意外と最近だったのですぐに現物が見つかりました。これだったら、直接スキャンすれば切り抜きよりずっときれいな画像が出来ますから、きちんと日付も分かるように編集してこんな画像を作りました。これで、さっきのチラシのページの余白がきっちりと埋まることになりましたよ。
 ただ、よく読んでみると、その投稿の趣旨は別のところにあるようでした。演奏も、そしてプログラムの曲目解説も素晴らしく、そこからは団員の意気込みがしっかり伝わってくるのに、同じプログラムに掲載されている県知事や市長の祝辞が、いかにもおざなりだ、というのですね。まあ、そのような意見についてはあえて何の感想も付け加えずに、あくまで褒めてくれたところだけを見てください、というスタンスで載せていることをご理解いただきたいものです。
Aventure Number : 2944 date : 2018/5/11


今日の禁断 セレナーデ


 楽譜作成ソフトって、前から使ってみたいと思っていました。というか、いまどき音楽をやっていてこれを使わないのはほとんどモグリみたいなものですからね。以前東京の合唱団に入っていた時には、演奏会の楽譜をすべてこれで作って、みんなに配っていましたからね。いつか、あんなことがスラスラ出来るようになれたらいいな、と思ったものです。
 こういうものに全く縁がなかったわけではなく、その前からもMIDIを作る時には、そのためのシークエンサー・ソフトで楽譜らしいものは作ったことはありました。まあ、それを使って、たとえば「かいほうげん」に使う楽譜を作ったりもしていましたが、それはかなり自由度の低いもので、たとえば歌詞などを入れることはできませんでしたしね。
 いや、この世界では代表的なブランドの「フィナーレ」だって、インストールしたことはありました。でも、それはMIDIとは比べ物にならない面倒くさいものだったという印象があって、何回かいじっているうちにもうすっかり遠のいてしまいましたね。
 でも、最近、ニューフィルの知り合いが「MuseScore」というフリーソフトを実際に使ったら、とてもよかったことをSNSで語っていたました。彼が言うには、3日あればだれでも使えるようになるんだそうです。ですから、試しにそれをダウンロードしてインストールはしておきました。こんなのは実地に使ってみるのが一番ですから、何かそういうことが必要になった時にちゃんと使ってみようと、準備だけはしておいたのですね。
 その「そういうこと」が必要な時が、急にやって来ました。いよいよMuseScoreの出番ですね。でも、何も見ないで適当にいじってみても、なんだかうまく行きません。そうしたら、マニュアルの映像があるというので、その最初のあたりを見ると、とても丁寧に基本的な操作法を実地に映像で説明してくれていたので、もう勘所はそれだけでしっかり分かるようになりました。
 一度分かってしまうと、なにか別なことをやりたいときでも、自分で探せるようになるんですね。例えば、今回作ろうとした楽譜は途中で小節の中がリピートで分かれているようなところがあるのですが、それも難なくクリア出来てしまいました。「1かっこ」、「2かっこ」なんてのも、パレットからドラッグしてくるだけですぐ作れてしまいますし。
 何より、一番すごいと思ったのは、まずハ音記号で楽譜をコピーしたものを、その最初の音部記号をト音記号に変えるだけで、まるごと移調出来てしまうことです(移調とは言わないかも)。
 そうなんですよ。今回必要になったのは、ハ音記号で書かれた楽譜をト音記号に直す、という作業だったのですよ。最初は手書きでやってみようかと思いました。実際、私はかつて、バンドで楽譜を書いてましたし、そこでは移調楽器のサックスなどの楽譜も、ちゃんとその調に書き直して作るということをやっていました。
 でも、そんな面倒くさいことをやるよりは、おそらくこのMuseScoreをマスターすれば、最初はちょっと手間取るでしょうが、音符だけ入力できればあとは簡単に移調は出来るのではないか、という気がしたので、とりあえず試しに始めてみたということなんですね。それは見事に期待通りでした。いや、入力がとてもスラスラ出来てしまったのは、期待をはるかに超えていたかもしれません。その結果、
こういう楽譜が、
ワンタッチでこういう楽譜に変わってしまいました。
 実際は、これの10倍ぐらいの長さの楽譜を、2日間で完成できましたからね。あとは、これを使ってくれる人がいるかどうか、というのが問題なのですが。
 このソフト、なんでもできると思っていたら、意外な落とし穴がありました。上の楽譜にある「sf」つまりスフォルツァンドの記号が、どこを探してもないのですよ。仕方がないので、歌詞を入れるところを使って入れてあります。
Aventure Number : 2945 date : 2018/5/13


今日の禁断 エビチリ


 「かいほうげん」は、無事に予定通り発行出来ました。一番の目玉である定期演奏会の写真も、私のカメラで撮ったものだけではなく、Nさんが大量に撮ったものも提供されていましたから、選び放題でしたしね。ですから、もう先週のうちには全ページが完成できていましたよ。
 ところが、そのNさんから、「『火の鳥』の写真は使ってもらえたでしょうか?」という問い合わせがあったので、ちょっと焦ってしまいました。彼の写真では、ステージを撮ったものではなく、もっぱらオフステージとか打ち上げが主体でしたから、「火の鳥」を演奏している写真なんか1枚もありませんでしたからね。ですから、「なんのことでしょう?」と聞いてみたら、それは演奏ではなく、打ち上げの時にそんな被り物を持ってきてみんなに被らせて撮った写真のことだったんですね。たしかに、なんかちょっと変わった頭に毛が生えた帽子のようなものをかぶっている人の写真が大量にあったので、いったいなんだろうと思っていましたけどね。実はそれはロシアの農民の衣装で、「火の鳥」を表現していたそうなのですよ(それを脱ぐと「禿山」というのは、Nさんのジョークです)。
 そういうことであれば、せっかくですので使わせてもらいましょう。打ち上げの写真にはすでに別のものが用意されていましたが、面白さから言ったらこちらにはかないませんから即刻差し替えです。
 さらに、一番最後のぺーじには少し隙間があったのでそこを埋めるためにFacebookにアップしたさるタケノコの画像を載せておきました。
 こんな、まるで「かぐや姫」みたいに竹の中から生まれたタケノコがあったのですよ。もちろん、これは、たまたま枯れた竹を切った場所から生えて来ただけの新しいタケノコなんですけどね。
 それは、ものすごい勢いで伸びてきますから、2日後には「親」(じゃないって!)の竹を割ってしまいましたよ。ここまでが、最初に「かいほうげん」に使った写真です。
 でも、それはさらに伸び続け、もう完全に竹が崩壊する状態になったので、最終的にはこの写真を使いました。
 そして、それからたった2日後には、ここまで伸びました。いやあ、すごいですね。長年竹藪と付き合っていますが、一度全部掘ってしまったのに、まだこれだけのタケノコが出てくるなんてことは、初めてのような気がします。
Aventure Number : 2946 date : 2018/5/16


今日の禁断 ウィンストン


 先日、知り合いが「アイネクライネナハトムジーク」のエキストラとして、撮影に参加してきたそうです。長町のゼビオアリーナでボクシングの試合をやっているシーンなんですって。その時に、彼女は「この本にボクシングなんか出て来たっけ?」と聞くものですから、私は答えに困ってしまいました。彼女には私は熱心な読書家というイメージがあるようで、そんな映画になるような本だったら当然読んでいるはずだ、という前提の上での質問だったのでしょうね。
 ですからその時は、私は「井坂幸太郎はあんまり好きじゃないからね」とごまかしておきましたよ。まあ、こんな人気作家を「好きじゃない」というんだから、やはり只者ではない、というイメージを彼女に与えることには成功したのではないでしょうか。
 別にウソをついたわけではなく、彼の本はまだ1冊も読んだことはありませんが、それを原作にした映画は何本か見ています。それこそ仙台を舞台にした「ゴールデン・スランバー」あたりは、別の知り合いがエキストラで出ていましたからね。
 ただ、それらの映画は、なんかイマイチ面白くありませんでした。一応ミステリーなのでしょうが、その「謎」がかなりいい加減に思えたんですよね。「どうしてそうなるの?」と思ったシーンばかりが目についてしまいました。「ゴールデン・スランバー」では、整形手術でしょ?あれは反則ですよ。
 でも、「アイネ〜」の場合はミステリーではなくラブストーリーだという情報があったので、それだったら読んでみてもいいかな、と思って読み始めました。
 なにしろ、この表紙ですからたまりませんね。仙台の人だったらすぐわかる場所ですし、もしかしたらこれが書かれた年代だって分かってしまうかもしれませんね。あの高層ビルを建設している途中で、工事用のクレーンなんかがありますからね。
 もちろん、本の中にもこのシーンは登場します。そして、よく見ると向かいのビルの壁にボクシングの映像が見えますね。これが、ゼビオアリーナで撮影することになるシーンなのでしょうか。
 読んでみると、これは正確にはそのシーンではありませんでした。でも、ボクシングの試合が重要なモティーフになっていることは確かです。つまり、ボクシングの試合は2回(もしくは3回)行われていて、その最後の試合のシーンがゼビオアリーナだったんですね。
 この本は、オムニバス形式の短編集でした。それぞれの話が独立して一応完結しているものが、それぞれ何らかのポイントで相互につながりを持っている、という作り方がされています。そういう意味では、やはり「ミステリー」の要素も残している、ということになるのでしょうね。ですから、私が読んで「これは!」と思ったのも、そんなちょっとミステリーっぽいお話でした。というか、これはまんまと引っかかってしまったな、というM的な快感がありましたね。こういうのは大好きですから。
 ですから、最後までその調子で、しっかりだましてくれるのだろうと期待して読み進むのですが、どうもそこまでの仕掛けはないようなんですね。まあ、仕掛けと言えば、同じ「嘘」で急場をしのぐというシチュエーションが別々に登場して、その関係が分かるというのはありますが、これは私にしたら完全に外してしまったな、としか思えませんでしたからね。
 まあ、これだったらわざわざ時間を取って読むほどのものではありません。この作家に対する私のスタンスは間違ってはいませんでした。
 後日、彼女にまた会った時には、そのエキストラのシーンの話で盛り上がりましたね。私の話を聞いて、彼女はやっとそのシーンの意味が分かったようでした。また少し株が上がったかも。
Aventure Number : 2947 date : 2018/5/18


今日の禁断 バルーン


 朝ドラの秋風先生のお宅には、何種類ものオーディオ・システムがあるようですね。今日の回では、その中の3つのものが紹介されていました。
 まず、よく登場していたのが、メインの仕事部屋。先生が座っている椅子の背後に真空管アンプだけが良く見えますね。そのほかのパーツは、まだ見つけられていません。
 そして、次に現れたのは、先生のプライベート・ルームでしょうか。そこでは、実際にLPをかけてくれましたね。
 このLPのレーベルはおそらく何かのでっち上げでしょうね。朝ドラの小道具ではよくやる手法。そして、このプレーヤーにもなにやらブランド名が見えますが、これも実存しないものなのでしょう。ただ、このプレーヤーは間違いなく「一体型」で、アンプの操作パネルと、チューナーのメーターが前にあるという、非常に珍しいタイプです。だいたいこのタイプだとプレーヤーの右側につまみやメーターが付いているものが多かったような気がします。というか、これはいったいどこのメーカーの製品なのでしょう。一生懸命画像検索をやってみましたが、全くヒットしませんでした。流れていたのは「亡き王女のためのパヴァーヌ」でしたね。いかにも秋風先生。
 かつて、朝ドラの中の「カフェ・ドミンゴ」で流れたクラシックの曲を集めたCDが出たことがありますが、今回も「秋風先生のお宅から流れるクラシック」みたいな企画があったりするのでしょうか。というか、まだ「ショパン」は聴こえていなかったような気がしますが。
 そして、もう1つ、こちらも大き目なプライベート・ルームでしょうが、ペットのパネルの後ろにアンプ群が見えますね。LUXMANあたりでしょうか。
 そして、スピーカーがかなり離れたとことに置いてありましたね。
 これは、どうもタンノイのようだな、と思って検索したら、見事に見つかりました。
 タンノイ・プレステージ・サンドリンガム、ペアで40万円ぐらいですが、2005年には製造停止になっているのだそうです。
 腹が立つことがあった時には、こんなどうでもいいことに精を出すに限ります。狭心症の人の心臓の冠動脈にカテーテルを使ってステントを埋め込むという手術を見学したのですが、順調に行っていたはずのものが、ワイヤーが血管を突き破ってしまったために、手術は中止、患者はそのままICUに運ばれるというありえない(1000分の1の確率だとか)現場に遭遇して、なかなか冷静にはなれずにいます。
Aventure Number : 2948 date : 2018/5/19


今日の禁断 フィデリオ


 朝ドラの公式サイトを覗いてみたら、スタジオのセットの写真などがたくさん掲載されていましたね。特に、前にも書いた萩尾家のリビングのセットなどは、なかなか興味深いものでした。ただ、そこにはステレオの再生装置はまだ置かれていなくて、壁に「レコード」だけが飾ってありましたね。その「レコード」は、まぎれもないSP盤、レーベルは「POLYMBIA」ですって。分かる人は分かりますよね。
 ですから、そのうち秋風先生のお屋敷のセットもここに登場するのでは、と期待しているところです。
 それと、オープンセットも紹介されていましたね。あの商店街は絶対にスタジオではないと思っていましたが、あれほどのオープンセットを作るのは大変だったろおなあ、と思っていたのに、あれは実際の商店街を模様替えして使っていたんですって。最近はそういうこともやるんですね。もちろん、普段はその家の人は生活しているのですから、いろいろ問題がありそうですが大丈夫だったのでしょうかね。あるいは、それこそ「聖地巡礼」の観光客のためならば、と、説得されたとか。
 その商店街がある場所がちゃんと書いてあったので、その岐阜県まで行って、同じ場所を写真に撮ってきましたよ。
 これがセット。
 これが実際の場所です。地味ですね。
 あとは、新聞販売店の看板についてかなり触れられていたので、そのセットと
 現物です。
 もう一品。
 この雑貨屋さんは、
 民芸品屋さんでした。
 お気づきでしょうが、こんな飛騨の山奥まで実際に行くわけがなく、ちゃんとGoogleのストリートビューがあったのでそれを使っただけです。まあ、ここで撮影が行われていたころのこの商店街の喧騒は、すごかったのでしょうね。
 でも、今頃は本当に観光客が押し寄せているかもしれませんね。
 このサイトでは、Twitterで最新の情報を流しているようでした。これにだけは手を出すまいと思っていたのですが、ここまで一般化してしまうとアカウントぐらいは持っていないと何かと不便なのでは、と思うようになっています。
 実際に、コンサートの感想などを集めるのには重宝するだろうな、とは思いますね。そこで、さるブログで新国立劇場でのカタリーナ・ワーグナーの演出がひどすぎるという書き込みがあったのでTweetを集めてみたら、確かにみんながひどいと言っていましたね。私も、これは出来たら見に行きたいな、と思っていたのですが、わざわざ行かなくて正解だったようです。
 それにしても、Tweetの中にあったカタリーナの写真にはびっくりしましたね。
 昔はこうでしたよ。
 それが、いつの間にこんなただのデブになってしまったのでしょう。
Aventure Number : 2949 date : 2018/5/21


今日の禁断 ペンタトーン


 私の「アフター・サラウンド」には、「ビフォー・サラウンド」では聴けなかったSACDでのサラウンド体験という楽しいことが待っていました。なかなか時間は取れないのですが、たまにポカっとフリーの時間が出来た時には、今まで買いためたCDの中からSACDをほじくり出して、それをサラウンドで聴き直しています。
 SACDがデビューしたのは確か2000年ごろでした。その頃はそんなものが出ても全くなんの興味もわかなかったことを思い出します。それまでのCDの音に満足していましたから、これ以上良くなくてもいいと思っていましたし、もちろん普通のCDプレーヤーでは再生は出来ませんからそこまでして聴くこともありませんし。
 しかも、その頃はもっぱらSACDは「よい音が聴ける」という点ではなく、「サラウンドが聴ける」という点が強調されていたような気がします。当時の私としては、サラウンドには何の興味もありませんでしたから、どうせならピュア・オーディオとしてのメリットを広く知らせた方がいいのにな、と思っていましたね。
 ですから、やがてSACDプレーヤーを買ったのも、あくまで音の良さを体験したいということでしたから、それはオーディオ用の2チャンネルの出力しかない機種でした。知り合いにSACDでサラウンドを聴ける環境にある人がいたのですが、その人は、ヴェルディの「レクイエム」の「Tuba mirum」でバンダのトランペットが「後ろから聴こえる!」と自慢げに話していましたね。でも、私はそんな子供だましで喜ぶなんて、愚かなやつ、としか思っていませんでしたよ。
 それから10年以上経って、私のSACDに対するスタンスは今までとはガラリと変わってしまいました。その後に登場したBD-Aを聴いたことで、SACDの音はそれほど良くはないことを感じ始め、結局そのスペックをきちんと調べてみると、実はCDとそれほど違うわけではないことが分かってしまったので、もはやピュア・オーディオとしてのSACDには何の魅力も感じなくなっていたのですね。
 その代わりに、魅力となったのがサラウンドだったのです。もう、昔の知り合いをバカにすることは出来なくなってしまいましたね。まあ、人の好みなんか、時が経てば間違いなく変わっていくものなんですよ。
 ということで、その「ヴェルディのレクイエム」でのサラウンド体験を、しっかりやってみました。探して見たら、手元には全部で4種類のSACDがありました。
 左上からカンブルラン、ビシュコフ、ムーティ、アーノンクールです。アーノンクールの場合はSACDとBD-Aの両方がありました。
 まずは、その2つのメディアの違いを確認することも含めて、アーノンクールから聴いてみました。おそらく明日の「おやぢ」で紹介できるでしょうが、やはり両方のメディアが出ているアイテムで比較したら、BD-Aの方が明らかに優れた音だったものですから。でも、このアーノンクールの場合は、逆にSACDの方がいい音でした。ただ、これはBD-Aのマスタリングにちょっと問題があって、トランスファーされたレベルがかなり低いんですよね。これは、このレーベルがほんの気まぐれに出したBD-Aで、これ以降は完全にこのメディアからは撤退していますから、そもそも大した意欲もなかったのでしょう。おそらく、先ほどの知り合いが聴いたのはこのSACDだったはず、確かにバンダは後ろから聴こえてきましたね。ただ、ライブ録音なので、最初の音があまり大きくない時には、そのバンダの定位はあまりはっきりしていなくて、はっきり後ろだと分かるのはフォルテで吹き始めてからでした。
 この中で唯一セッション録音だったのが、ビシュコフ盤です。こちらに書いたように、これは2チャンネルで聴いてもサラウンド感が伝わってくる素晴らしい録音でした。その時には、ソリストが指揮者の後ろで歌っていたので、もしかしたらサラウンドでは彼らも後ろに定位しているかもしれないと思っていましたが、そこまではやっていませんでした。その代り、オーケストラからはしっかり離れた少し手前の位置にきっちり定位していましたね。バンダのトランペットも、最初から後ろ、しかも1、2番と3、4番がそれぞれ見事に左右に分かれて聴こえます。
 ムーティ盤とカンブルラン盤では、やはりライブならではの曖昧な定位でしたね。
 現在のサラウンド事情というのは、はっきり言っていつなくなってもおかしくないような状況なのではないでしょうかね。とは言っても、間違いなくこれを推し進めている小さなレーベルは存在するので、彼らの頑張りを期待したいところです。
Aventure Number : 2950 date : 2018/5/23


今日の禁断 ダンゴ


 朝ドラの中のオーディオ、今日の放送分でもう少し詳細が分かってきましたね。まずは、仕事部屋のオーディオ。
 まあ、以前もこういうアングルはあったかもしれませんが、再度確認ということで。メトロノームの下にあるのがCDプレーヤーでしょうか。そしてその向って右に真空管のメインアンプらしきものが。でも、スピーカーがどこにあるのかは、まだわかりません。
 そして、秋風先生のお部屋。
 左端にアンプの一部分が見えますし、別のアングルではその左にCDプレーヤー(?)さらに左にはレコードプレーヤーがありましたね。不思議なのは、そのアンプ群とタンノイとの位置関係です。いったい、このシステムのリスニングポイントはどこなのでしょう。つまり、もう一つのタンノイがどこにあるかが全く湧かないので、レコードをかけた人がどこでそれを聴くのか、全然分からないのですよ。いくらなんでも、このタンノイをモノーラルで使っているわけはないですよね。
 そんな流れとは全く関係なく、突然出てきたのがこんなお名前でした。
 「みのごんた」とか言ってましたよね。まあ、名前ですから「ごんた」の方が収まりはいいでしょうが、人によっては「ごんだ」と読むこともあるかもしれませんね。
 というのも、私はだいぶ前から「しらたみ ごんだ」さんというお名前の方をよくお見かけするのですよ。白民権太さん、でしょうかね。よく、西洋人風に名前と苗字をひっくり返して「ごんだ しらたみ」と言ってたりしました。
 この「ごんださん」は、よく神社のお祭りの時なんかにお見かけするんですよね。
 確か、きのうと今日は近くの青葉神社の秋祭りでした。この間やっていた「青葉祭」の本来の形になるお祭りです。ですから、ことしも「ごんださん」がいないか覗いてみることにしました。
 そうしたら、お目当ての「ごんださん」は今年はいないようでしたが、お仲間がたくさん来てましたね。
 「トテポ」さん。この方は利府町の出身なのでしょうか。
 「まとい」さんとお読みするのでしょうか。
 「ムーゲツーダ」さん。外国の方でしょうか。イスラム圏には、こんなお名前が多いのかもしれません。
Aventure Number : 2951 date : 2018/5/25


今日の禁断 ホーマック


 まだまだ先の話ですが、8月の末にニューフィル恒例の「アンサンブル大会」が開かれることになっています。私は、これまで弦楽器の人と一緒にモーツァルトのフルート四重奏曲を取り上げて来ていて、今年もイ長調の四重奏曲を演奏する予定でした。しかし、日程が決まった時にメンバーの一人が都合が悪くて参加できないことが分かったんですね。ですから、そこで別のメンバーを加えて予定通り演奏するという選択肢もあったのですが、やはりずっとこのメンバーでやって来ているので、今回はお休みして来年またチャレンジすればいいんじゃないか、ということになりました。
 ただ、私は弦と一緒のアンサンブルは出来ればやりたかったので、全く別のメンバーを集めて、モーツァルトではなく他の作曲家の曲をやってみようと思いました。その曲は、ベートーヴェンの「セレナーデ」です。フルート、ヴァイオリン、ヴィオラという珍しい編成の曲ですね。これはベートーヴェンがまともにフルートを使った唯一の室内楽なので、フルート奏者にとってはマスト・アイテムですから一度はやってみたかったので、この際取り上げてみることにしたのです。まあ、けっこう長い曲なので全部は無理ですが、全6曲の中の3曲ぐらいだったら規定の時間に収まりそうですね。
 そうなると、あとは他のメンバー探しです。早めに頼んでおかないと、他の人にとられてしまうかもしれませんから、これは、という人に話をしてみたら、二つ返事でOKがもらえましたから、さっそく楽譜を用意して、スコアとCDも付けてお願いしました。もう後には引けませんよ。
 いや、もちろん後に引けないのは私の方で、そんなに難しくないだろうと思っていたのですが実際に吹いてみると結構な難所があちこちにありましたから、まずはそれをきちんと吹けるようにしておかないと、他のメンバーに嫌われてしまいます。
 ですから、このところ、定期の曲と一緒にそのベートーヴェンを集中的にさらっているところです。この週末も、午前中に2時間ぐらい、パフォーマンス広場でしっかり練習をしてきました。あそこはまわりがやかましいので、逆に伸び伸びと吹くことが出来ますから、なかなかはかどりますね。
 ふと気が付いてみると、なんだか前より指が楽に回るような気がしてきました。そこで、指をチェックしてみると、きれいな「3点支持」が無理なく出来るようになっていましたよ。
 これは、一つの目標でした。大昔にゴールウェイのマスタークラスを見に行った時に、「これでなくちゃだめだよ」と言っていましたからね。ただ、その時の通訳さんは「個人差があるので、こだわることはありません」とか言っていたのですが、私はこれがきちんとできるようになれば、間違いなく運指が改善されると確信していたので、ずっと挑戦し続けていました。でも、これは右手の親指をまっすぐ伸ばして楽器を押すことになるので、けっこう指が疲れます。最近はなんだかルーズになって、知らず知らずに親指が下に下がってしまっていたのですね。それが、いつの間にか意識しなくてもこれが出来るようになっていたみたいなのですよ。ここまでくれば、もう元に戻ることはないでしょう。
 練習が終わると、家には誰もいないのでどこかで昼食を食べなければいけません。せっかくなので、新しく泉のアウトレットに出来たフレッシュネスバーガーに行ってみることにしました。もちろん、お目当てはベーコンオムレツバーガーです。
 ところが、ここでそれを注文すると「当店では扱っておりません」ですって。ないんですね。他の店ではどこでもあるのに。仕方がないので他のものを頼んで、フライドポテトも一緒に頼みました。その時に「塩をかけないでください」と言ったのに、出てきたポテトにはしっかり塩がかかっていましたね。もう、ここで食べることはないでしょう。
 ですから、今日は北環状線沿いの別のフレッシュネスでリベンジです。もちろん、ここではちゃんと注文通りのものを食べることが出来ました。ポテトも塩抜き、しかも、それを持ってきたバイトの青年が「こちら、お塩を抜いております」ときちんと説明してくれましたし。同じ泉区内のお店なのに、この温度差は何なのでしょうね。
Aventure Number : 2952 date : 2018/5/27


今日の禁断 ナクソス


 今、秋の定期に向けて練習しているのは北欧の曲ばかりで、その中にデンマークに帰化したドイツの作曲家、クーラウの「妖精の丘序曲」というのがあります。指揮者の新田さんが提示されたもので、もちろん団員でこの曲を知っている人は誰もいませんでした。練習指揮者も「きっとそのうちYさん(私のこと)があらすじとか紹介してくれるでしょう」なんて言い出す始末ですからね。
 確かに、私はそんな痒いところに手が届くようなサービスを、今まで数多く提供してきました。もちろん、それは「かいほうげん」のネタになることを見越してのことですから、なかなかやりがいのある作業ではありましたね。でも、この「妖精の丘」は、あまりにも資料が少なすぎました。ネットでもこの話のあらすじを書いたものは、非常に不完全なものが1つあるだけでしたからね。
 ただ、一応「全曲盤」のCDは出ているようでした。NMLでそれは聴けるので、まあ参考にはなるでしょうが、あいにくブックレットまでは見ることはできません。
 そこで、現物を入手しようと思いました。でも、リリースが1996年ですから、もう廃盤になっている可能性は高いのですが、HMVに注文したらそれはすぐに届いてしまいました。今でも「2-3日以内に入荷予定」とあるので、きっと代理店の倉庫にはまだ在庫があるのでしょう。
 そして、そのブックレットを見てみたら、お目当てのものがしっかりありました。それは、とても詳細にこの曲が出来た背景から、それぞれの幕のプロットと、そこで使われている音楽を解説してくれていたのです。
 そこで分かったのは、これは「オペラ」ではなかった、ということです。これは、コペンハーゲンの王立劇場が当時の国王フレデリク6世からの委嘱を受けて制作したお芝居(戯曲)で、1828年の11月に予定されているフレデリク6世の娘のヴィルヘルミーネ・マリーと、後にフレデリク7世となる王子との結婚式の時に上演することが決まっていました。その話があったのはその年の5月、劇場側はあわてて台本作家を探し、有名なヨハン・ルーズヴィ・ハイベアという人が引き受けることになりました。そのお芝居には序曲や劇中歌も必要とされていて、その音楽を作ったのがクーラウだったのです。
 そこでは、もっぱら昔から伝わる伝承歌、「バラード」と呼ばれるものが素材として使われています。それらは、おそらくは専門の歌手ではなく俳優が歌ったのでしょう。素朴なメロディで出来た短い歌が、歌詞を変えて何番も歌われるという形がとられています。ニューフィルが演奏する「序曲」には、そんな歌のメロディが何曲か引用されています。それについては、「かいほうげん」で細かくご説明する予定です。
 ここでは、そのお話のあらすじを簡単にご紹介するつもりです。・・・と思ってCDのブックレットを読み始めたのですが、登場人物の関係がとても入り組んでいて、理解するのにはかなりの時間がかかってしまいました。でも、なんとか作りあげたのが、この「相関図」です。


 ご覧のように、登場人物の名前には「原語」を使っています。デンマーク語の発音はちょっと変わっているのでたとえばNielsenは「ニールセン」ではなく「ニルセン」になりますね。もっとすごいのだと、有名なAndersenは「アンデルセン」ではなく「アナスン」ですからね。ですから、ここでも真ん中の「Agnete」という人も、「アグネテ」ではなく「アウニード」となるそうなので、いろいろ面倒くさくなってこんな風にしてみました。
 ということで、この相関図をご覧いただくと、なんだか複雑な男女関係があることが分かりますね。近々村の近くのホイストルプ城でEbbesenとElisabethの結婚式が行われるのですが、新郎新婦はそれぞれ別に好きな人がいるのですよ。まだ結婚はしていないので「ダブル不倫」ではありませんが、そもそもなんでこんな結婚話が持ち上がったかということが、ブックレットのあらすじでは分からないのですね。
 しかも、この物語には、この相関図には登場していないもう一人のキャストがいるのです。それは、劇のタイトルにもなっている「妖精の丘」に住む妖精の王です。しかし、彼は実際に劇には現れず、登場人物の話の中にしか出てきません。それはどういう話かというと、両親が亡くなったために国王が名付け親となり、Waklendorffの城で育てられていたElisabethは、幼少のころにこの妖精の王に誘拐されていたのです。Walkendorffは、探すのをあきらめ、自分の姪をElisabethとして育てることにします。しかし、結婚式が近づいて彼女が国王から命名式のプレゼントにもらった指環をしていないことに気が付いて、焦っているんですね。
 なぜか、その指環をはめた幼い女の子は、かつて妖精の丘に捨てられていました。それをKarenが見つけ、Agneteと名付けて自分の娘として育てることにしたのです。その時に、女の子(つまりElizabeth)が身に付けていた指輪や宝石は、壺に入れ丘の中に穴を掘って埋めておいたのです。
 そのことを、結婚式の日にKarenはAgnete(つまりElizabeth)に打ち明け、Mogensとともに壺を掘出しに行きます。そこに国王も現れて、出てきた指環とAgnete(つまりElizabeth)を連れて城に向かい、全ては丸く収まってめでたしめでたしとなるのです。
 と、自分で書いていてもなんだかわけがわからないところがありすぎ。実は、このお芝居は2015年に日本で実際に上演されていて、その写真集とあらすじを「国際クーラウ協会」のサイトで見ることが出来ます。しかし、このあらすじが、今まで書いてきたこととかなり違っているんですよね。おそらく、あちらもあまりの煩雑さに、分かりやすく手直しをしていたのではないでしょうか。
 でも、このお芝居、本国ではとても親しまれていて、王立劇場だけでも今までに1000回近く上演されているのだそうですよ。もっとも、この劇で祝福を受けたカップルは、10年も経たないうちに分かれてしまいましたけどね。原因はもちろん夫の浮気。
Aventure Number : 2953 date : 2018/5/30


今日の禁断 ドリル


 前回に引き続き、クーラウの「妖精の丘」のお話です。今回は序曲の中で劇の中の曲がどのように使われているかを見ていきましょう。序曲の音源はニューフィルの掲示板からリンクされていますし、「かいほうげん」の256号の1ページ目にあるQRコードからもアクセスできます。さらに、元になった劇の中の曲(実際には、クーラウは先に序曲を完成させて、その後で曲を選んでいます)の音源も、こちらのNMLで聴くことが出来ます。有料会員でなくても各トラックの冒頭の30秒間が聴けます。全体で15分経過すると聴けなくなりますが、いったんブラウザを閉じて再度アクセスすると、また15分間試聴できます。
 この劇は、1828年11月1日に行われたロイヤル・ウェディングに続く1週間のお祭りの中、11月6日に初演されました。まず、冒頭Andante maestosoの序奏では、複々付点音符が続く重厚な音楽に続いて、トランペットのファンファーレが聴こえてきます(0:33)。これはおそらく結婚式本体への祝賀の意味が込められているのではないでしょうか。
 そして、序奏の後半が始まると(1:27)第4幕で演奏されるバレエ音楽「Agnetaの夢」(トラック12)が流れます。
 それは、妖精の丘でうたた寝をしていたAgnethが、妖精の王からダイヤの指輪をもらうという夢を見るのですが、目をさましてみるとそばで壺を掘り出したMogensがその中からダイヤの指輪を取り出したところだったというシーンです。このテーマは、クーラウのオリジナルです。
 そして、Allegroの主部が始まります(2:55)。一応ソナタ形式をとっているようで、第1主題の前半は三連符によるロッシーニ風の軽快なテーマ、後半(3:27)は畳み掛けるようなイケイケのテーマです。
 三連符に乗って第2主題として最初に登場する(4:30)リリカルなテーマは、第2幕でElisabethが歌う「木陰は広がり、日は伸びる」というロマンスです(トラック6)。
 これは、昔から伝わる「バラード」がベースになった曲です。クーラウは、これがこの序曲の中で最も重要なテーマだと言っています。
 後半(5:10)には第3幕の最後の狩人の合唱「美しい夏の夜に」のクーラウのオリジナルのモティーフ(トラック11)と、
その幕の冒頭で村人たちが酒盛りをしている時にMogensと狩人たちが掛け合いで歌う(5:29)「いまや、どこも日は落ちた」(トラック8)も登場します。
 これも、古いバラードを元にクーラウが作りました。ただし、この部分は曲の後半なので、無料のNMLでは聴けません。
 6:09からは展開部の要素も入った再現部となり、これまでのテーマが繰り返されます。そしてコーダ(9:03)に登場するのが、デンマークの王室歌「クリスティアン王は高き帆柱の傍らに立ちて」のメロディです(トラック21)。劇の中での歌詞は「偉大なる神、我らが王を護れ」です。これは、国民が歌う国歌「麗しき国」とは別の曲です。
 その後に短いエンディングが入って、序曲は終わります。

 前回のブログをご覧になった新田さんから、「この曲は本国では別の意味で人気曲です」というコメントをいただいたので、何のことだろう?と思っていたら、それを見ていたヴァイオリンのNさんが、その映像を見つけてくれました。それがこちらです。
 この「Olsen Gang」(原語では「Olsen Banden」)というのを頼りに検索したら、これはデンマークで1976年に作られたこのシリーズの映画の8作目「The Olsen Gang Sees Red」の中の1シーンだと分かりました(この映像は、ノルウェーでのリメーク版?)。なんと、このギャング団が「妖精の丘」が初演された王立劇場の地下に忍び込んで、この序曲に合わせて壁を爆破したりしているのですね。それはとても面白いのですが、私は別のところに引っ掛かってしまいました。その時にギャングのボスが本物のスコアを見ながらその指示をしているのですね。そして、この表紙はWilhelm Hansenじゃないですか。
 この曲をやることが決まった時にポケット・スコアを探したのですが、Kalmusの大判以外は見つかりませんでした。でも、こんなのがあったんですね。そこでもう一度調べたら、やはりWilhelm Hansenから1948年に出版されていました。
 今はもう絶版なのでしょうね。
Aventure Number : 2954 date : 2018/6/1


今日の禁断 コレステロール


 私の縁者が心臓の手術を受けることになってしまいました。最近、階段を昇るのも苦しいとか言っていて、個人病院で診察してもらったら「狭心症」の可能性があるというので、さらに精密検査を受けるために総合病院に行くように勧められました。そこでは、なんと一泊してカテーテル検査をするというのです。そういう名前の医療器具については多少の知識はありましたが、それがこんなに身近に関係してくるとは、ちょっと驚きでしたね。どうやら、心臓に養分を送る冠動脈の状態を調べるために、カテーテルで造影剤を送って、そこを観察するということらしいですね。
 その結果、冠動脈が複数個所かなり狭くなっていて、このままでは心筋梗塞を起こす可能性があるというので、即刻手術を行うことになりました。検査の翌日、朝8時半からですが、簡単な手術なので午前中には終わるということで、その後も2、3日入院すれば退院できて普通の生活が出来るようになるのだそうです。
 その手術の様子は、見学が出来るようになっていました。外で待っているとカテーテルを入れ終わったところで中に呼ばれ、手術室をガラスで仕切られた場所で、モニターが見られるようになっていました。そこからカテーテルの中にワイヤーを通して、狭くなっているところを広げ、さらにそこにバルーンを入れて水圧でさらに広げ、そこにステントという金網状のものを入れて固定するのだそうです(「留置」というのだそうです)。
 最初のうちはそれはとても順調に行っているようでした。しかし、いざステントを入れるという時になって、なんだかまわりの空気が変わりました。そばにいた医師が説明してくれるには、どうやらバルーンを入れた際に血管が裂けて、その裂け目にステントを入れるためのワイヤーが入ってしまって、血管を傷つけたというのですね。これ以上続けるとあぶないので、その時点で手術は中止、そのまま患者はICUに送られて様子を見ることになってしまいました。
 ICUに行く途中で執刀医に「こんなことは良くあるのですか?」と聞くと、「1000人に一人は起こります」ですって。かなり落ち込みましたね。
 さいわい、その後の経過は良好で、一般病棟に移り、特に血管に異常もないようなので、すぐに別の個所のカテーテル手術を行うことになりました。もちろん、それも見学します。
 今度は、とても順調に最後まで出来たようでした。ステントも無事に「留置」できましたね。
 これが、手術前の血管。矢印の部分が狭くなっていますね。
 そこにステントを入れた(青いマーカーの横)ので、こんなに血管が広がりました。
 執刀医は「100パーセント成功です」と言ってくれましたね。
 それから1時間ほどは安静にしていて、それから立って歩けるようになれば、大丈夫だということで、病室で横になっていると、突然患者は顔色が悪くなり「気持ち悪い」と言い出しました。看護師さんに言ったら、即座に心電図をとって、医師に連絡を取っています。すぐに医師が飛んできて、「念のため、もう一度カテーテルを入れて検査をしましょう」ということになって、また手術室へ直行です。
 結局、さっき入れたステントのために、そこから枝分かれしている血管が詰まってしまって、血液が流れなくなっていたのですね(矢印)。確かに、造影剤が全く見えなくなっています。
 そこからは、もうなんだか医療ドラマを見ているようでした。執刀医はこの枝にワイヤーを送って、なんとかそこにステントを入れようとしているのですが、それも、最初の手術と同じように血管の裂け目に入ってしまった可能性が強いのですね。彼は外に出てきて、まわりで見守っているたくさんの同業者の意見を聴いたりしています。その結果、裂け目をよけてもう一度ワイヤーを真ん中に通すことをトライすることになりました。その時には、この私が何とか成功させてほしいと「祈って」ましたね。こんなに真剣に祈ったことなど、初めてです。
 祈りが通じたわけでもないのでしょうが、ステントは無事に留置出来たようでした。
 この青いマーカーの脇が、ステントが入った部分です。はっきり血流が見えますね。結局、すべての手術が終わったのは午後1時、始まってから4時間半後でした。
 まだまだ課題は残りますが、ひとまずは退院できるようになりました。それにしても、こんなものすごいことが目の前で行われているのを見ることが出来るなんて、今でも信じられないほどです。確実に、私の人生観も変わってしまったことでしょう。
Aventure Number : 2955 date : 2018/6/3


今日の禁断 ペトルッチ


 今ニューフィルで練習している「北欧音楽」、序曲はこの間までの「妖精の丘」ですが、それに続く協奏曲がグリーグの「ピアノ協奏曲」です。なんたって、あの序曲にメインがニルセンなので、今回の定期演奏会は知名度から言ったらいまいち訴求力がありませんから、バランスをとるために「名曲」と呼ばれているこの曲が選ばれていました。この曲は今までに2回演奏したことがありますから、ニューフィルとしても手慣れたものです。
 私は、1回目は2番を吹いたような記憶がありますが、2回目では降り番でしたので、練習ピアニストを買って出ました。・・・なんてわけはなくて、弾いたのは確かに団員ですが、私はもっぱら譜めくりを担当していましたね。
 今回は、私は2番を吹くことになっています。この2番のパートは、曲の最後近くにだけピッコロに持ち替えるところがあります。

 ご覧のように、ここでのピッコロ(上から2段目)はその上のフルートと全く同じ音を出しています。ですから、何もわざわざピッコロで吹く必要はないように思えるのですが、次のページに高音の「C♯」が出てくるので、そこだけはフルートは1オクターブ低い音になっています。

 グリーグの時代だと、フルートではここに出てくる「H」も決して楽に出せる音ではないので、もちろんC♯なんかは出せるわけがありませんでしたからね。
でも、現代の楽器だったらその半音上の「D」まで出すことができます。もうちょっと高い音も出せます。つまり、マーラーなどはそれを知って盛んにその「ハイD」を使っていますから、その音が出せないとオーケストラのフルート奏者にはなれないのですよ。
 だから、今のオケで、そこをわざわざピッコロを重ねて補充する必要は全くないんですね。実際、2番奏者にしてみれば、このたった1フレーズだけのためにピッコロを用意するのは面倒くさいですし、その前のフルートからの持ち替えがたった2小節しかないのでかなり忙しいですからね。しかも、ここを吹き終わったら、また2小節しかないところでフルートに持ち替えなければいけません。
 実は、この曲はグリーグが最初に作ったものから、かなり大幅に自分で改訂した楽譜が、今では使われています。その最初の自筆稿が、さっきのスコアを引用したIMSLPで見ることが出来ます。それでこの箇所を見てみると、そもそも木管はこのメロディーを吹いてないんですね。もちろん、ピッコロも使われてはいません。それを、わざわざこんなフルート奏者にとってはややこしいことにしてしまったのは、困ったものです。
 ただ、この楽章で、この部分と同じメロディが最初に出てくる部分が、今ではフルート1本で朗々と歌い上げるという、これはフルート吹きにとってはとてもうれしいところがあるのですが、これは最初の自筆稿では、前半はクラリネット、後半はオーボエと一緒に吹くようになっていますけどね。
 いずれにしても、もしや、と思って、Youtubeでチェックしてみたら、案の定、ここでピッコロは吹かないで、そのまま2人ともフルートで吹いているという映像が複数見つかりました。誰でも考えることは同じなんですね。でも、中にはわざわざもう一人ピッコロだけを吹く人を座らせて、この部分は2番は休んでそのピッコロ奏者に任せる、なんて笑える映像もありました。こんなピッコロは、絶対にやりたくないですね。まあ、これと同じぐらい悲惨な「田園」のピッコロは、一応やりましたけどね。
 あ、私はこのグリーグは、律儀にピッコロを吹くつもりです。もちろん、新田さんが「フルートでもいいわよ」と言えば、その限りではありませんが。
Aventure Number : 2956 date : 2018/6/6


今日の禁断 モノクロ


 きのうの「おやぢ」では、コンサートでのオーケストラの写真を見てそこで演奏されている曲を当てようとしていましたね。結局分からなかったのがとても悔しいですね。最近では、こういうオーケストラでは公式サイトでアーカイヴが充実していて、これまでに演奏した曲がすべて分かるようになっているのですが、このオーケストラにはそれがないんですよね。いや、このサイトには「アーカイヴ」というページがあることはあるんです。ですから、期待してそこを開けてみると、アーカイヴとは真っ赤なウソで、そこには1年ちょっと前からのデータしかないんですよ。がっかりです。アマチュア・オーケストラでさえ、創立時からのすべての演奏曲目が網羅されているというのに。
 つまり、ここに、仮に5年前からのデータでも残っていれば、あの演奏曲は間違いなく分かっていたはずなんですよね。いや、いいところまではいったんですよ。「jansons premiere」で検索したら、最近そういうものが演奏されたという記事が見つかったのですが、それを今度は楽譜出版社のサイトで調べてみると、編成が全然小さいので全くの別物だと分かってしまいましたね。
 これは運が悪かったのですが、普通のことだったら探している資料がネットで見つかることはよくあります。先日から取り上げているクーラウの「妖精の丘」関係でも、とんでもないものが見つかってしまいましたよ。
 この間のブログを元に、「かいほうげん」のバージョンを今作っているところなのですが、いちおう4ページ分のファイルが出来上がりました。まあ、ページのレイアウトがあるので、文章の量をあちこち加減しなければいけないのでちょっと苦労しましたが、それでもやはり何か間の抜けたページになっていました。
 ですから、そこに何か一品加えて、少しインパクトを与えたくなったのですよ。そこで思いついたのが、この前に取り上げた「相関図」(「相姦図」ではありません)が文字だけでちょっとさびしいので、そこに何か画像が付けられないか、ということでした。たとえば、どこかで上演した記録があるのなら、そのときの登場人物の顔写真とか、ステージのセットの写真とかがあるのではないか、と思ったのですね。
 そこで、画像を検索してみたら、こんなポスターのようなものが見つかりました。
 これは、まさに「妖精の丘」そのものではありませんか。タイトルの下の文字を拡大してみると、
 前半には「J L Heiberg」という、台本作家の名前が見えませんか?そして後半には「F Kuhlau」らしき文字も。
 この画像が掲載されていたのは、こんなデンマークの映画のアーカイヴサイトでした。ということは、「妖精の丘」は「映画化」されていたんですよ。びっくりですね。
 このサイトによると、その映画が作られたのは1939年、そしてその映画のスティル画像までありますから、確かにこんな映画があったことが分かります。そして、そこにはいましたよ。実物のAgneteとかKarenが。ですから、その画像とこのポスターを照合すると、ポスターの人が何の役なのかということまで、しっかり分かってしまいましたよ。真ん中にいるのは国王クリスティアン4世ですね。こんなお年寄りだったとは。
 クーラウの名前があるのですから、きっと音楽も付いているんでしょうね。どこかでこの映画を見ることはできないのでしょうか。あ、劇場に忍び込んで壁を壊す、なんて映画じゃないですよ。
Aventure Number : 2957 date : 2018/6/8


今日の禁断 アメリカ


 この間、何の曲をやっているのか分からないコンサートの写真を振ったら、見事に「正解」をお寄せ下さった方がいました。実は、これはひそかに期待していたことだったんですけどね。正直、Facebookではそれなりの反応は分かりますが、ブログの場合は一応コメントなどは受け付けているのに、まず、それが届くことはないんですよね。一応ランキングではかなり上位にいるのでまあ見てくれている人は多いのだな、とは思っても、やはり直接の反応がないのはちょっと物足りないものがありました。
 でも、しっかり見てくれている人はいたんですね。なんか、うれしくなってしまいました。でも、かつてこの曲を取り上げたこともあり、なおかつ「初稿」と「改訂稿」があることまで分かっていたのに、そこまでの記憶にたどり着けなかったのは残念でした(詳しくは、ブログのコメントを見てください)。
 まあ、なかなか昔の記憶を正確に活用するのは難しいことは、いろいろな場所で思い知らされます。きのうも、「海街diary」を地上波でやっていたようですが、私は前にWOWOWで見ていたのでスルーしたら、愚妻(もう元気になりました)はしっかり見ていたようで、いろいろ私に質問してくるのですが、私はその家族関係などはすっかり忘れてしまってました。そもそも4人姉妹のところを3人姉妹と思い込んでいたところで、もはや記憶は怪しくなっていましたね。
 同じように、朝ドラで評判になった「正人くん」をチェックしていたら、映画の「3月のライオン」に出てた、というのがあったので、ごく最近見たものなのに全く思い出さなかったのには、本当に落ち込みましたね。あれだけ個性的な人だったら、絶対憶えていたはずなのに。
 そこで、その映画は前後編ともBDに焼いてあったので配役名を頼りにもう一度見直してみたら、確かにその役の人は出ていたのですが、それが「正人くん」とは全く結びつきませんでした。
 こんなんですからね。話し方だって全然違ってましたし。これだったら、憶えていなくても大丈夫でした。そういえば、この映画には秋風先生も出ていたんですね。こちらも、逆にこの映画の時には、声はよく似ているのに同じ人だとはしばらくわかりませんでしたからね。つくづく、俳優さんてのはしっかり役になりきれるんだなあと感心してしまいます。みんな器用ですねえ。
 私はそんな器用さは全く持ち合わせていないので、一時オケと合唱の同時進行などもやっていましたがそれはとても無理だと分かって、今ではすっかり合唱からは遠のいています。それでも、必要な情報は伝わってくるもので、なんでも9月に来日するエストニアの男声合唱団を仙台に呼んでコンサートを開くことが決まったのだそうです。
 彼らは、そもそもはN響の定期でシベリウスの「クッレルヴォ」を演奏するために来日するのだそうです。この曲については、新田さんがアマチュアのオケと合唱団を使って最近全曲上演をしてましたね。その時の合唱団と一緒に、私がかつて所属していた合唱団がジョイントをやったりしていたのですが、東京ではその合唱団が、そのエストニアの合唱団の単独コンサートにゲスト出演するそうですね。
 調べたら、やはり他に何箇所かでコンサートが開かれるようですが、それは全部東京以西なので、仙台のは北日本では唯一のコンサートとなるはずです。本当は、N響の本番でも聴きに行きたいところですが、あいにくその日はニューフィルで新田さんの指揮者練習でしたね。新田さんは、その前日にこれを聴いてから仙台に来るのかも。
 まだ、日程と会場と料金が決まっただけで、曲目などは未定なのでしょうが、おそらく他の場所のところとあまり変わらないだろうと、勝手にこんなダミーを作ってみて、ニューフィルの公式サイトからリンクを張りました。まあ、ここは申し出があればオーケストラに限らず解放しているつもりですから、かまわないでしょう。
 いずれ、正式のチラシが出来るでしょうから、その時にはちゃんとしたものに差し替えましょう。こんなことで、少しは協力できれば。もちろん、チケットはもう買いましたよ。トルミスの曲で、フルート・ソロが入るのがあるので、それも楽しみ。
Aventure Number : 2958 date : 2018/6/10


今日の禁断 ベルリオーズ


 今日の朝ドラには「スクリーントーン」が出てきましたね。マンガを描く時に、貼り付ける、細かい模様が入った透明のシールのことですよね。私は、かつてこれを頻繁に使っていました。いや、別に私がボクテくんみたいにマンガ家になるための修業をしていたわけではないんですけどね。実は、ニューフィルで「かいほうげん」を作る時に使っていたのでした。
 私がこれを作り始めた時には、そもそもは手書きだったのはご存知でしょうね。原紙を手で書いて、それをコピーして作ってました。一応大きさは今と同じ、A4を2枚並べて両面に印刷して4ページにしていましたね。それが、すぐに「ワープロ」を使って文字を書くようになります。そして、写真なんかも載せたいな、なんて思うようになってきましたね。やはり「会報」ですから、写真があった方が絶対にいいですからね。そこで、ためしに白黒のフィルムを使って写真を撮って、それを原紙に貼ってコピーしてみました。
 でも、悲しいかな、それをコピーするとこんな濃淡が極端なものにしかなりませんでしたね。当時のコピー機では、これが普通の姿だったのですよ。あくまでコピーするのは文書に限る、という考えだったのでしょう、いや、そもそもそんな技術がなかったからなのでしょうが。
 そこで、私は、新聞の写真のように細かい点の集まりにすれば、いくらか写真らしくはならないかな、ということで使ってみたのがスクリーントーンだったのです。画材屋さんに行くといろんな種類、色んなサイズのスクリーントーンがありましたが、その中から何種類か買ってきて、試してみました。最終的には、こんな感じに仕上がるのが見つかりました。
 これだったら、かなり細かいニュアンスまで分かるようになっているのではないでしょうか。これからしばらくは、こんな感じで写真が載せられるようになります。
 これがどれほど前のことだったのかというのは、この写真に写っている人を見れば分かるのではないでしょうか。いや、分かるのはニューフィルのメンバーだけでしょうけどね。上の写真には1人、下の写真には2人、今でも活躍しているメンバーが写っています。
 しばらくこんな状態の写真でずっと作っていたのですが、コピーに使っている職場の機械がそろそろくたびれてきたころに、メーカーの営業の人が「これからはデジタルコピーの時代ですよ」と言って、新しい製品を持ってきました。本当に「持って」来たんですよね。車に積んで。そこでためしに写真をコピーしてみたら、今までのアナログコピーとは全然違って、すごくきれいに出来てしまうんですね。ついに技術もここまで進んだか、と驚いて、その機械を導入することにしました。
 それで作った最初の「かいほうげん」の写真がこれです。
 ここにも、今もいるメンバーが4人写っていますね。そのうちの一人は私ですけど。
 それからも「かいほうげん」はたゆまぬ進化を続けます。まず、文字しか打てない「ワープロ」は「パソコン」に替わり、コピー機もカラーになって今ではフルカラーの16ページという、自分で言うのもなんですが、かなり充実したものになっています。今では写真もこうですからね。
 この次の「かいほうげん」が発行されるころには、来年春の定期演奏会の曲目が決まっているはずです。メインの曲はもう決まったので、来週前曲を集約して、今度の指揮者の篠崎さんに諮るという流れですが、そのための希望曲目を集計し終わったところです。今までは、すでにストックしてある候補曲のなかからすべてリストアップできたのですが、今回はフランスものがメインになったということで、大量に新たにデータを仕込まなければいけない曲が寄せられてしまいました。やっとそのリストが出来たのですが、もはや数が多すぎて校正するのもめんどくさくなってしまい、丸ごとネットに上げて、各パートリーダーに確認してもらうことにしました。というか、かなりの曲をすでにストックしたと思っていたのに、まだこんなにやりたい曲があったなんて、かなり意外でしたね。なんせ、私が知らない曲が結構あるぐらいですから。いったい、何に決まることでしょうね。
Aventure Number : 2959 date : 2018/6/13


今日の禁断 メルトダウン


 最近読んだ文庫本です。というか、私は小説類はハードカバーを買って読むという習慣はないので、どんなに読みたい本でも文庫になるまで待ってから読むタイプです。この3人は、文庫本はほぼ全部読破してしまったので、新刊が出ればまず買いますね。なんたって、読んで裏切られることはないという安心感がありますから。
 近藤史恵の「スーツケースの半分は」は、短編集。ただし、それぞれの物語は共通のものでしっかりつながりを持っているという仕掛けがあるのは、彼女ならでは。ですから、主人公は「スーツケース」ということになるのでしょうね。表紙にもあるように、キャスターとハンドルが付いていて持ち運びが便利なカバンのことなのでしょう。でも、私あたりは「スーツケース」というとこれとは全く別のタイプのカバンを連想してしまいますからね。ですから、これは「キャリングケース」と言ってほしいものです。あと、昔は「ボストンバッグ」と言っていたカバンは、今は何と呼ばれているのでしょう。
 そんなツッコミは、この心地よい短編集にはどうでもいいことでした。要は、その「スーツケース」が多くの人の手に渡って行った時に、その人がどうなるのか、ということを、とても慈愛に満ちた筆致で語っていることの方が大事ですからね。そこにはちょっと苦いエピソードも登場しますが、それも含めて心が温かくなる本です。
 次の中山七里の「アポロンの嘲笑」は、そんなのんきなことは言ってられない、かなりヘビーな内容ですから、読むにあたっては覚悟が必要でしょう。一応はミステリー仕立て、この作者らしく最後になってそれが明かされるというパターンは変わりませんが、その中で描かれるまわりの状況が悲惨すぎます。もちろん、作者はそこに強烈なメッセージを込めていたのでしょうが、今となってはそのメッセージすらも色あせて感じられてしまうという事実の方が、とても悲しく思えてしまいます。
 つまり、あの頃は確かに大多数の人たちが抱いていたはずの思いを、克明に再現しているのに、それが「そんなこともあったんだね」という、まさに単なる「物語」にしか感じられないという、この今の状況が、とても歯がゆいんですね。
 そういう意味で、あれだけのことがたった7年で全く現実味を失ってしまったと感じさせるのが、もしかしたらこの本が目指したものだったのではないかとすら、思えてしまいます。
 これなんかは、映画にしたらどんだけすごいものが出来るのか、という気がしますが、まあそんなことは絶対にないでしょうね。
 東野圭吾の「人形の眠る家」は、最初はストーリーがいったいどこへ向かっているのか全く分からない感じでした。読み進んでいくうちに、あることに対する価値観が全く変わってしまうことになってしまうのも、ちょっとついていきにくいところがありましたね。確かに、いつものようにそれぞれの人物の細かい心情などは丹念に描いてはいるものの、なにかテーマが上っ面だけのもののように思えてしまいます。まあ、たくさんの作品の中には、こんな、はっきり言って駄作もあるのだなあ、というところでしょうか。まあ、こういうこともあるので、文庫本しか買わないんですけどね。
 そういえば、前回のマンガの話ですが、あの時代には確かにスクリーントーンは漫画家の必需品だったのでしょうが、いまではそんなものは使わなくなってるんでしょうね。そもそも、ペンで紙に描く、なんてことは、もう今ではほとんどやられていないのでしょう。この間手塚治虫賞をとった、あの芸人の人ですら、ペンタブレットで描いていましたからね。
Aventure Number : 2960 date : 2018/6/15

18/6/17-18/8/1