2881(17/12/17)-2900(18/1/29)

今日の禁断 エノデン


 「DESTINY 鎌倉ものがたり」を見てきました。これは、原作は全部読んでますから何をおいても見に行きたかったんですよね。というか、他の人の評価が出てくる前に見ておきたかったものですから。
 この映画が公開されたのは先週でした。その時には角田に行っていたので見ることはできませんでしたね。それから1週間、普通はかなりお客さんは少なくなっているはずなのに、直前にネットで空席をチェックしてみたら、2時間後の回がもう半分以上埋まっていましたね。私が好きな最後列などは1席しか空いてませんでしたよ。それから速攻地下鉄に乗って、息せき切って駅前の映画館の券売機にアクセスしたら、その席はまだ残ってましたね。ラッキー。
 結局、中に入ってみたらほぼ満席になっていましたね。少し空いていたところも、予告編をやっている間に埋まってしまいましたから。やっぱり、あれだけ番宣をやっていれば、これぐらい入るのでしょう。
 もう、最初に主役のキャストが発表された時から、この二人には違和感がありました。いや、どちらも素敵な役者なのですが、原作のイメージとはあまりにもかけ離れていたものですから。キャスティングと同様、ストーリーも原作の世界とは見事に乖離したものでした。結局「三丁目の夕日」とおなじことで、この監督の作るものは原作はあくまで設定の参考ということからスタートして、ストーリーは殆ど別物になっているのですね。まあ、あの作品の世界をそのまま映像で表現することは最初から無理だと分かっているのですから、それは当たり前のことで、ここでは全く別物として味わうという姿勢が大切なのでしょう。とりあえず、原作にあったエピソードで感動的な逸話が前半に用意されていましたしね。
 と、あきらめがつけば、これほど面白い映画もありません。後半はまさにこの監督の独壇場ですから、壮大なVFXを思う存分楽しめましたよ。そして、それまでの伏線がここで見事につながっているのも、さすがの手腕です。
 他のキャストも「三丁目」がらみの人が多かったですね。でも、三浦友和は顔を見ても全然分からなくて、どこかで聴いたことのある声だと思ってやっとわかりました。それと、天頭鬼の声は絶対に吉田鉱太郎だと思ったのですが、違ってましたね。
 音楽は、もちろん佐藤直紀。もはや、彼が作った「三丁目」のテーマは、ほとんど「昭和時代」のライトモティーフとして至る所で流れるようになっていますね。今回は、もろ「ハリー・ポッター」のテイストを持たせていたので、それも原作の世界との逸脱が感じられた一因なのでしょう。メイン・テーマのクリシェが、かなり陳腐ですね。その音楽は、ピッコロが出てくるのですが、およそピッコロとは思えないようなサウンドに仕上がっていました。そんな、やはり勘違いの多いサウンドしか聴けないのは残念です。これも、いずれWOWOWで放送されるでしょうから、その時には自宅の音で再チェックです。
 前回、我が家ではSACDのサラウンドの再生はまだ出来ないようなことを書きましたが、あれから調べてみたら、最初のBDレコーダーを買った時に、BD-ROMの再生が出来なくなったので、一番安いSONYのBDプレーヤーをサブとして買ってあったのですが、それがなんとSACDのサラウンドに対応していたのですよ。それは、もうHDMIケーブルをつなぐだけで、簡単にサラウンドが実現してしまいました。長年SACDを聴いていますが、それが私のサラウンド初体験です。
 でも、今ではSONYでもこの価格帯ではもはや対応している製品はなくなっていますし、他のメーカーには全然ありませんから、もはやSACDサラウンドはすっかり見放されてしまっているんですね。つまり、BDレコーダーでアナログ音声出力がなくなってしまっていたので、仕方なくAVアンプを導入したら、そこで初めて聴けたSACDサラウンドは、すっかり過去のものになっていたという、皮肉な結末だったのでした。
Aventure Number : 2881 date : 2017/12/17


今日の禁断 タンコロ


 そういえば、新しい新車が届いてから、丸1年経っていました。去年、「第9」に行った後で納車されたんですよね。モデルチェンジして発売されたのが11月でしたから、けっこう早い時期に買うことを決めていました。ですから、走っていても同じ車と出会うことは全くありませんでしたね。なんでも、その頃には車種別の売り上げでトップになったということなのですが、それでもやはり同じ車に出会う確率はそんなに多くはないのでしょうね。さすがに最近では、その効果が現れてきて、1日に何台も見かけるようになってきましたけどね。
 買う前は、燃費のことしか考えていなかったのですが、実際に乗ってみると運転感覚が今までの車とは違っていましたね。特に、すべての制御をアクセル・ペダルだけで出来るというのが、とても気に入りました。もしかしたら、こういうのはエンジン車に乗りなれている人には不評なのかもしれませんが、私にはとても楽に感じられました。結局、アクセルを緩めることでモーターが発電機に変わって充電を行い、それがブレーキをかける力になるということなので、無駄がありませんからね。
 もちろん、充電を行うためにエンジンを回しているのですから、ガソリンは使いますが、今まで乗っていたエンジン車(車種も同じ)に比べると、同じガソリンの量でほぼ2倍の距離を走れるようになっていましたね。ただ、ガソリン車だと長距離のドライブをすると燃費が良くなっていたのですが、それはほとんど変わりません。モーター自体は長距離でも使う電力はそんなに変わらないのでしょうね。
 ただ、最大の欠点は、ヒーターの効きが悪いことです。というか、暖まり始まるまでの時間が、ずっと長くなってしまいました。前は朝職場に行くときには、中間地点ぐらいから暖気が出てくるのですが、今ではちょうど職場についた頃にやっと暖まりはじめる、といった感じです。暖房の熱源はガソリンエンジンの熱なのですから、それだけエンジンが動いていないということになるのでしょうね。
 ただ、その割には、エンジンはしょっちゅう回っているという気がします。電気自動車だから静かだというイメージは、全く裏切られましたね。CMだと、いかにも「スコーン」と走っているようなイメージがありますが、あれはウソです。
 この間中大騒ぎだったリコールの問題も、この車には適用されていて、結局定期点検と一緒にその再点検をやってもらいました。部品を一旦分解して再度組み立てる、ということをやったのだそうです。それで、普通は夕方までには終わるのですが、その日はかなり遅くなってから車が届きましたね。そのあと、お詫びのしるしに1回分の点検費用がタダになるということで、振込先などを書かされたのですが、そのあとで届いたのは、「ご迷惑をおかけしました」という挨拶状だけで、「振り込みました」という通知はいつまで経っても届きません。どうなっているのでしょうね。
 あとは、雪道でどうなのか、という検証が残っています。去年はそんなに雪が降らなかったので、あんまりわからなかったんですよね。今年もこのあたりはそんなには降らないようなので、どうなるのでしょうか。
 この間見てきた「鎌倉ものがたり」を原作で読んでみようと思ったのですが、なにしろ全34巻、351話ですから全部読んでいたら大変なことになってしまいます。そうしたら、なんと映画で使われていたエピソードだけを抜き出した本が出ているんですね。危うく買ってしまうところでしたが、Amazonにサンプルがあって、最初のあたりだけ読める中に、ちゃんと目次で出典がかいてあったので、そこだけ読むことが出来ましたよ。でも、中にはただキャラクターを引用しただけとか、やはりそれほどストーリーにまで大きく影響を与えたような話はありませんでしたね。堤真一のエピソードだって、原作の方がよっぽど「泣ける」エンディングでしたからね。
 とは言っても、やはりこの監督はこういうものの方が楽しいですね。某、クラシックファンの小説家の原作による映画は、どちらも本当につまらなかったですから。
Aventure Number : 2882 date : 2017/12/20


今日の禁断 マーラー


 角田で「第9」を演奏してきたのは先々週の土日でした。そのあと、この様子が地元の新聞(自宅ではとってません)には必ず掲載されるので、毎朝職場でチェックしていました。去年は確か、演奏会の2日後の新聞に載っていたので、そのあたりは見落としがないようにしっかり見ていましたよ。でも、毎日そんな風にチェックしていても、とうとう金曜日になるまでに「角田第九」の見出しを見つけることはできませんでした。ということは、もう今年はこの行事を取り上げるのはやめることになったのだな、と、あきらめましたよ。いくらなんでも1週間以上もたってから載せたって何の意味もありませんからね。
 ところが、今週になって、角田第九のFacebookページに、あの演奏会の記事の写真がアップされたではありませんか。「月曜日の新聞」とありましたから、もう私はチェックをやめたころですね。あわてて古新聞の山をひっくり返して記事をスキャンしましたよ。この写真は「かいほうげん」に欠かせませんからね。
 さっそくこれもニューフィルの公式Facebookにアップしました。
 この記事を見ると、「角田に年の瀬」という見出しになっていましたね。1週間前ではさすがに「年の瀬」という感じはしなかったので、もしかしたらこの見出しが先にあって、それを使ってもおかしくない時まで掲載を延ばしていた、なんてことは考えられないでしょうかね。うがった見方ですが。
 いずれにしても、「年の瀬」などという言葉を聴くと、もう今年も終わりだという気になってしまいますね。まだ年賀状も書いていないというのに。
 ただ、私あたりはこの言葉には別の意味で反応してしまいます。そこで、この見出しでもこんな風にしたくなってしまいました。
 こうすると、この写真が全く別の意味を持ってくるから、面白いですね。子ども合唱団と、その前にいるニューフィルのメンバーにはかなりの「年の差」がありますし、後ろにいる合唱団の皆さん(特に男声)だったらもっと「年の差」があることになりますからね。
 この写真を、今度は「友達」以外には見ることが出来ない私のFacebookにアップしたら、その「友達」から、「大人の合唱団は楽譜を見ているのに子どもたちは暗譜なのは、『年の差』だね」みたいなコメントが寄せられました。そうか、私は気が付かなかったけど、そんな意味合いだってこの見出しからは受け取ることが出来たんですね。
 まあ、我々のようなオーケストラでは、「暗譜」で演奏することはまずありませんから、年をとったとしてもそんなことで「差」が付くことはありません。とはいっても、実際には「暗譜」に近い状態にまで持っていかないと、満足の行く演奏はできません。楽譜は見るけれど、そこからは自動的に指が動いてその音符が吹けるようになる、というのが理想ですね。そこに行くまでの時間が、やはり昔よりは長くなっているな、という感じはあります。というか、きちんと合奏で吹けるように準備をするには、かなり早い段階から譜読みを始めることが必要になってきました。
 そんな個人練習の成果は、ニューフィルの今度の定期演奏会の曲ではしっかり表れていましたね。まあ、たまに落ちることはありますが、とりあえず合奏に支障があるような事態にはなりませんでした。そうなると、次はあさってから始まる「杜の都合」ですね。これなんかはそれこそ楽譜を渡される前から、昔使った楽譜を使ってさらい始めていましたから、なんとかなるはずなのですが、なにしろ初練習の日がクリスマスですから、出席者はそんなにいないことが予想されていますから、どうなることやら。
Aventure Number : 2883 date : 2017/12/22


今日の禁断 ジプシー


 杜の都合奏団が、最後のコンサートを目指しての活動を開始しました。正式なチラシも出来上がってきましたね。
 「フェアウェル・コンサート」ということで、泣いても笑ってもこれ以上は続けないぞ、という決意が込められたタイトルになっています。これまでなかなかに大変な曲を、かなりの短時間で仕上げていたので、まさに集中力の塊のようなコンサートになっていましたね。そんな得難い体験も、これで終わってしまいます。
 今回も3月の本番へ向けて10回ほどの練習日が設けられていますが、その最初の日が今日、なんと、クリスマス・イブの日なんですよね。それも、朝の9時から夕方4時までという長丁場です。そんな日に家庭も顧みず練習に参加する人は、はっきり言ってヘンタイです。ですから、フルート・パートの5人のうちの4人までは、午前の部には不参加という、「ノーマル」な対応でした。つまり、たった一人の「ヘンタイ」である私だけが、午前中に行われた最初の大初見大会に出席した、ということです。
 そう、まずは、参加者は期待できないものの、取り合えずマーラーの「交響曲第9番」を全曲止まらないで最後まで初見で通して観ようというのが、今日の午前中の練習の趣旨だったのでした。そこに集まったのは、弦楽器はやはり少な目でしたが、木管などはきちんと必要なメンバーは揃っていましたよ。フルートは私だけですが、この曲の場合ユニゾンが非常に多いので、なんとか間に合います。まあ、ピッコロがいれば完璧だったのですが、それは仕方がありません。
 私は、この曲はニューフィルでやったことはありますが、その時は2番のパートでしたから、1番を吹くのは初めてです。それなりに下準備をしていたので、まあボロが出るところはあまりありませんでしたが、個人的にはまだまだやりきれていないところが見つかったので、これからの練習の目標が見つかりました。なんせ第3楽章は初めから本番のテンポでやったので、それにきちんとついていくにはもうちょっと頑張らないといけません。
 弦楽器も、初見でこれだけ弾けるのだったら、きっと練習を重ねれば素晴らしい演奏が出来上がるのではないでしょうか。
 それにしても、第3楽章と第4楽章に出てくる「ホワイト・クリスマス」のメロディは、なんとタイミングの良いことでしょう。知ってます?あの有名なメロディが、マーラーの交響曲の中にちりばめられているのですよ。いや、実際に作られたのはアービング・バーリンの方が後ですけどね。
 午後からは、会場を変えて細かい練習です。ここで、フルートはフルメンバーが揃いました。やはり、きちんとユニゾンになると、吹いていて楽ですね。そして、マーラーの前半が終わったところで、あとは前曲のヨハン・シュトラウスです。こういう曲をやるのは久しぶりなので、なんか新鮮ですね。
 そんな、とても楽しい練習に丸1日出るために、この時期の毎年の恒例行事である年賀状の印刷はきのうのうちに終わらせておきました。全部出来上がって、今朝投函してきましたよ。このあたりは、毎年繰り返される綱渡りです。
 この年賀状、なぜかハガキの値上げがあったのに、これだけは今まで通りだったんですね。まあ、年に一度のおめでたい行事ですから、特別にサービスしてくれたのでしょうかね。いやいや、そうではなく、ただでさえ年賀状を出す人が減っているのに、値上げでこれ以上少なくなることは避けたいという、単なる「朝知恵」だったのでしょう。ですから、「サービス」だったら絶対にありえないこんなコメントを年賀状に印刷することになるのです。
 こんなみみっちいコメントを載せなければいけないのだったら、最初から普通に62円で販売すればいいじゃないですか。1月8日を過ぎたって、年賀状を出す人はいるんですからね
Aventure Number : 2884 date : 2017/12/24


今日の禁断 アデーレ


 雪が降りましたね。同じ東北地方でも日本海側の県では今年はものすごい積雪なのに、太平洋側ではそれほどでもなくて、そんなニュースを見るたびに心苦しく思っていましたから、やっと降ってくれたな、という感じでしょうか。ただ、朝出かける時には車には結構な雪が積もってはいたものの、道路の雪は殆ど融けていたので、大したことはないと思ってました。職場までの急な坂道も楽々登れましたからね。
 でも、職場の駐車場は、新雪がたっぷり積もっていましたね。これが車で踏み固められて凍ったりすると大変なので、まずは雪かきです。そのうち、なんだか空が明るくなって青空まで見えてきましたから、そのまま融けてしまうんだと思いましたね。天気予報でも午後には雪はやむようなことを言ってましたからね。
 しばらく部屋にこもって、今年のニューフィルの最後の仕事、1月に行われる団員総会のための資料作りに励みます。新しく入団した人、諸事情で退団した人と、今年もたくさんの人が出たり入ったりしてましたね。つまり、「私の前を、多くの人が通り過ぎる」といった情景ですね。「上を・・・」じゃないですよ。
 それも仕上がったので窓の外を見ると、なんと大吹雪のよう。いつの間にかまた雪が降り始めていたではありませんか。もうしっかり降ってきて、結局もう1回雪かきをしなければいけませんでしたよ。その頃は、もう地面が凍り始めていましたね。帰りに坂道を降りるときは、ちょっと怖かったですね。でも、e-Powerの場合、ブレーキを踏まなくても坂の途中で完全に停まれることが分かって、安心しました。これが昨日でなくてよかったですよ。昨日はここで木管の分奏をやっていたので、終わってからこんな状態だったらかなり怖かったでしょうね。今年最後のニューフィルが分奏、しかもかなり欠席者がいたので、何ともさびしい練習でした。エアコンを全開にしても部屋がなかなか暖まらなくて、寒かったせいもあるのでしょう。
 おととい録画で見たのは、「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」でした。元題は「Florence Foster Jenkins」という、主人公のフルネームだけなのに、相変わらずおせっかいでセンスのない邦題です。まあ、我々だったら彼女のことはよく知っていますが、一般の人にはほとんどなじみのない名前だからかもしれませんが。「我々」というのはおこがましい言い方ですが、クラシック・ファンでこの名前を知らない人はまずモグリでしょう。というかだいぶ前に筋金入りのクラシック・ファンに、「なんでそんな名前知ってるの」と言われて、いたく傷ついたことがありましたからね。その人の場合は、ごく限られた人しか知らないと思っていたことが、私のようなシロートでも知っていることが分かって、逆にプライドを傷つけられたのかもしれませんけどね。
 ということで、そういう名前の超オンチの癖にレコードを出したりカーネギーホールでリサイタルを開いたりしていたあの女性を主人公にした映画です。
 おそらく、これはかなり史実に忠実に作られているのでしょう。彼女が録音したレーベルまできちんと押さえていましたからね。その上で、たぶん史実とはかなり異なる心情やエピソードを交えて、「感動的」な物語に仕上げている、といったものなのでしょう。「アマデウス」ほどのデタラメではないものの、思想としては通じるものがあるのではないでしょうか。
 ですから、ここには彼女の専属伴奏者だったピアニストも実名で登場しています。リアル彼女の録音を聴いていて、いつも感心しているのが、その伴奏者の演奏だったりしますから。彼は、完全に彼女のデタラメな歌にきっちり寄り添って、完璧な伴奏を弾いているように聴こえますからね。そんな彼の姿が「動いて」見えるのですから、これは感激ものです。しかも、ここではそれを演じている人(サイモン・ヘルバーグ)が、実際に演奏しているんですよね。確かに、彼はちゃんとした音楽家でした。これだけで、映画そのものに確かなリアリティが生まれていましたね。もちろん、メリル・ストリープも、「本物」をしっかり聴いて完璧にコピーしていたように見えました。それだけで十分です。あとの、夫の存在などは、余計なもののようにさえ思えます。彼は、邦題のような「夢」なんか見てはいなかったのではないでしょうか。
Aventure Number : 2885 date : 2017/12/27


今日の禁断 カルメン


 年も押し迫ったというのに、愚妻はケータイの修理のためのスケジュールを入れてしまいました。7年使ったガラケーのバッテリーがもうダメになったようで、フル充電してもすぐ電源が切れてしまうというのですね。ですから、バッテリーさえ交換すれば簡単に治ると思ってショップに行ってみたら、「もうこのバッテリーは製造されていません」と言われてしまいましたよ。ひどい話ですね。でも、機種は違っても新しいガラケーに交換することはできるのだそうです。そして、もう一つの選択肢が「スマホに機種変更」というやつでした。愚妻はすっかり乗せられて「今さらガラケー」ということになって、「らくらくスマホ」というのに替えてしまいましたよ。
 やはり、まわりの人はみんなスマホになっているので、肩身が狭かったみたいですね。そうやって、みんな料金の高いスマホに流れていくのです。でも、この「らくらくスマホ」は、OSはアンドロイドなのだそうで、普通の人でも結構使えそうなんですね。でも、iPhoneとはいろんなところで「思想」が違うみたいで、なかなか興味があります。
 さて、本年最後の「禁断」なので、恒例の今年のコンサートです。私が出演した今年のコンサートからは、ついに合唱がなくなりました。それでも、大変な曲が並んだために、いつものオーケストラのスケジュールだけで本当に手一杯、という感じでしたね。
  • 3月12日(日):杜の都合奏団(楽楽楽ホール)
    ウェーバーの「オベロン序曲」、サン・サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番」、ブラームスの「交響曲第1番」という、この合奏団らしからぬノーマルなプログラムのせいでしょうか、今までより少し広めの会場になったのに、たくさんのお客さんにいらしていただけました。前半は2番とピッコロ、後半は1番、けっこうピッコロが大変で、なんとか吹ききりましたが楽器の限界も感じてしまいました。ブラームスはとても気持ちよく吹けましたね。
  • 4月23日(日):仙台ニューフィル定期(名取市文化会館))
    初めての名取での演奏会だったので、集客には不安があったのですが、宣伝活動の甲斐あってか(自画自賛)、満員のお客さんが集まりました。「フィガロ」、「運命」、「新世界」という超名曲というプログラムも喜ばれたのでしょう。私は「運命」のピッコロと「新世界」の1番を担当。本番2週間前に「ガラケー」から「スマホ」に替えたピッコロが大活躍でした。
  • 8月6日(日):杜の都合奏団(日立システムズホール仙台コンサートホール)
    「合奏団」から、フル・オーケストラに変身して、マーラーの「交響曲第5番」です。指揮者が仙台から離れてしまい、これが最後の演奏会になってしまうということで、多くのメンバーが集まり、この難曲に挑戦しました。結局、これだけでは終わらず、半年後にはさらに大曲での「フェアウェル・コンサート」が開催されることになりました。私のポジジョンは1番です。
  • 8月26日(土):ニューフィル・アンサンブル大会(戦災復興記念館ホール)
    ついに普通のホールに進出した、ニューフィルのアンサンブル大会です。私は、フルートパートの4人のメンバーでのアンサンブルと、昨年同様弦楽器と一緒モーツァルトのハ長調のフルート四重奏曲を演奏しました。
  • 10月15日(日):仙台ニューフィル定期(川内萩ホール)
    オール・エルガー・プログラムというマニアックな演奏会になりました。「威風堂々第4番」、「チェロ協奏曲」、「交響曲第1番」です。マーチの2番と交響曲の1番を吹きました。
  • 12月10日(日):角田第9(かくだ田園ホール)
    毎年の恒例行事ですが、角田の合唱団は指導者やソリストを一新していました。合唱は見違えるように立派になっていましたね。でも、2日連続で角田まで往復というのは、ちょっと辛いものがあります。

 「出る」方ではなく「聴く」方では、東京で新しいホールを2か所体験できました。まずは、1月28日(土)に行った新国立劇場です。今まで一度は行ってみたいとずっと思っていたのですが、やっと行けました。それに味を占めて、6月4日(日)には、「ジークフリート」まで見てしまいました。もう1ヵ所はクラシックではありませんが7月16日(日)に行ったミュージカルの専門ホール「シアターオーブ」です。まあ、ここはもう行かなくてもいいかな、という感じ、ホールはともかく、カンパニーのレベルが低すぎ。
Aventure Number : 2886 date : 2017/12/30


今日の禁断 クリストフ


 あけましておめでとうございます。今年もサイト、ブログ、Facebookをよろしくお願いいたします。
 もう、この年になってくると、新しいことへの挑戦というよりは、これまで積み上げてきたものをいかにクオリティを落とさずに維持するか、という、ある意味ネガティブな姿勢に変わっていくものです。とはいっても、そんな一見消極的に見えることでも、続けてさえいればいつの間にかレベルが上がっているかな、と感じることが出来たのが、この数年間です。そんな、自分を甘やかす姿勢を、今年も貫いていきたいものです。
 去年の締めくくりに、久しぶりにテレビで「N響の第9」を見てみました。ネットの記事や、実際に聴いていた人の話などで、「今年のピッコロはすごい」という声を何度も聞いていたものですから。いや、正確には「ピッコロには笑えた」という言い方だったかもしれませんが、それだったらなおさら気になってしまうじゃないですか。それと、今回、知り合いのフルーティストで、ニューフィルの指揮者練習の時に代吹きをやってくれて一緒に吹いたことがある人が、エキストラとして出演する、という情報もあったものですから。
 そのエキストラのパートが「2アシ」だということで、木管楽器は「倍管」だということは分かっていました。普通、そういう編成だとピッコロはその「2アシ」の人が吹くものですが、N響の場合はピッコロのオーソリティの菅原さんが担当していました。つまり、フルートパートは5人という、まるでマーラーの「9番」のような人数になっていました。同じ事情がファゴットの場合、終楽章だけコントラファゴットが加わるという事情があるのですが、そこでは2アシの人が持ち替えてコントラを吹いていましたけどね。つまり、木管のパートは全部で17人、その中で一人だけ、ピッコロの菅原さんだけが、1楽章から3楽章までの間は、何もしないで座っているだけだ、ということになります。でも、そんなことを言えば、合唱団員だって、同じことですけどね。
 今年の指揮者はエッシェンバッハ、もはやすっかり「巨匠」という風貌に変わっていましたね。そして、その音楽の作り方も、まさに「巨匠」のそれでした。最近のベートーヴェンの演奏は、ピリオド楽器、ピリオド奏法が幅を利かせていますから、そもそも「倍管」で演奏することなどはまさに「時代錯誤」と言えそうなやり方なのですが、最近はそんな動きの反動として、こんなN響みたいなことも起こっています。実際、ここでのエッシェンバッハの演奏を聴いていると、とても人間的な息吹が感じられますからね。
 そうなると、どんな楽譜を使っているのか気になります。私が聴いた限りでは、いくらそんな「懐古的」な演奏ではあっても、楽譜に関しては最近の原典版が使われているようでした。第4楽章のマーチが終わったあとのオケだけの長い間奏が終わろうかという時に現れるホルンのフレーズが、ベーレンライター版で初めて提唱された不規則な形になっていましたからね。この楽章で、テーマのオブリガートとして最初に出てくるファゴットのリズムも、微妙にベーレンライター版っぽかったですし、「vor Gott!」のフェルマータも、オーケストラがガンガンなってましたから、そこをオケだけディミヌエンドにしているブライトコプフ新版ではありえません。ただ、厳密なベーレンライター版でもないような。
 ですから、いかにエッシェンバッハが「巨匠的」だからといっても、それは、原典版やピリオド・ブームを乗り越えたところにある「ネオ巨匠」ということになるのではないでしょうか。
 ピッコロに関しては、楽譜の問題だけでは済まないところがあります。フルートもそうですが、ベートーヴェンの時代の楽器では高い音が出ないので、本当は高い音が欲しいところを楽器の性能に合わせて低く直してある個所がたくさんあるのですよ。ですから、現代のオーケストラのピッコロ奏者は、そんなところをきちんと「高く」吹いたりします。弦楽器の人数も増えていますから、それは妥当な判断です。
 ですから、私が今まで聴いたときには、菅原さんは以前からピッコロのパートで1オクターブ下げて書いたのでは、と思えるところは全部「高く」演奏していましたね。私も、この間の角田第9では、ちょっと無理なところはそのまま吹きましたが、極力「高く」吹いていました。ただ、マーチの最後だけは、合唱とのバランスを考慮して意図的に「下げ」ましたけど。
 菅原さんの場合、それだけでは済まず、なんと最後の「D」の音まで、1オクターブ高く吹いていた、という噂がありました。こんな音、私では絶対に出せません。ただ、私が地デジをサラウンドで聴いた時には、それは確認できませんでしたね。きちんとNHKの録音を聴いてみると、かなりワンポイント的な録りかたなので、それぞれの楽器は幾分ぼやけて聴こえます。ピッコロも、最後は他の楽器に隠れて聴こえなかった可能性があります。放送された日と別の日に実際に聴いた人の話では「ちょっと低めだけど確かに高い『D』が聴こえた」ということですから、吹いてはいたのでしょうね。
Aventure Number : 2887 date : 2018/1/1


今日の禁断 ステレオサウンド


 新しい年も明け、朝早くから初売りなどに駆け回る日々が続いています。年々プレゼントなどがしょぼくなっていると感じるのは、錯覚でしょうか?
 今年もいろいろな音楽を演奏したり聴いたりするという私の日々も続いていくことでしょう。生の演奏を聴く機会をできるだけ増やしたいとは思っているのですが、それはなかなか難しいかもしれませんね。何より、仙台にちゃんとしたコンサートホールが出来るには最短でもあと10年はかかると言われていますから、それだったらきちんとしたホールのある東京などに行った方がいいに決まってます。そうなるとかなりの時間とお金がかかりますから、そう頻繁に、というわけにはいきませんよね。仙台は本当にいいところなのですが、コンサートの環境は最悪です。
 その点、CDなどの録音媒体は、そのような環境には左右されませんから、ガンガン聴きまくることになるでしょう。ノーマルCDの他に、ハイレゾ音源のSACD、BD-A、そして配信の音源と、今まで聴いてきたもののほかに、去年の末からはサラウンド音源が加わりましたから、楽しみも増えてきました。
 そんな中で、こんなSACDが出たという情報が伝わってきました。
 このアイテム、最初は2009年にESOTERICからSACDが出て、そのあと2012年に本家のUNIVERSALからBD-Aが出たんでしたね。さらに、今では配信データも入手できるようになっています。ただ、ちょっと気になるのは、この配信データのフォーマットが「24bit/44.1kHz」になっていることです。確か、BD-Aが出た時には「24bit/48kHz」だということだったはずなのですがね。ただ、これは実際にそのように表記されていたわけではないので、もしかしたら誤った情報だったのかもしれません。ネットではよくあることです。
 いずれにしても、そんな、あまり「ハイレゾ」っぽくないフォーマットなのは、これまでのSACDやBD-Aで使われていたデータは、マスターテープそのものではなく、まだあまり劣化が進んでいない頃、その時期の最高のフォーマットでデジタル化されたものだったからです。しかし、今回のSACDはあくまでアナログ・テープから直接DSDにトランスファーしてあるので、それらよりも良い音だということが強調されています。ところが、そのテープというのは、もちろんマスターテープではなく(それはもう劣化が進んでいて、今の時点では使い物にならないそうです)、かつてLPを日本でプレスしていた頃に、日本のメーカーにDECCAでカッティングされたメタル・マスターが送られて来た時にそのバックアップとして一緒に送られてきたマスターテープのコピーなのだというのですよ。それが、なぜか今まで行方不明だったものが「発見」されたというのですね。しかも、それは劣化はしていなかった、と。
 確かに、本当にそんなものがあったのなら、それは画期的なことで、こんな、SACD2枚組で14,040円(税込)などというぼったくりも甚だしい価格でも購入していたかもしれませんが、どう考えても、そんなことがあるわけはありません。まず、そのバックアップ用のテープというものがどういうものかというのは、こちらに書いたように、そのようなテープからカッティングされたLPと、オリジナルのマスターテープからカッティングされたLPを聴けばだれでもその違いが分かるほどお粗末な音のものだからです。
 さらに、それをDSDにトランスファーしたものをSACDとしてリリースしたのも、問題があります。常々、SACDよりも明らかにBD-Aの方が良い音が聴けることを実感していたのですが、それを裏付ける事実を最近知ることが出来ました。DSDというのは原理的に大量の高周波ノイズを発生するもので、それを除くために、SACDで使われている2.8MHzDSDでは、30kHz以上の帯域をカットしているのだそうです。つまり、この場合、PCMのサンプリング周波数だと60kHz相当の周波数までしかカバーできないことになりますから、これではまっとうなハイレゾ(96kHz以上)とは言えませんよね。このカットする周波数は、サンプリング周波数を上げることによってさらに高域にシフトするので、5.6MHzDSDでやっとハイレゾらしくなるのですよ。これは確かに、SACDは何か物足りないな、と思っていた私の感覚と見事に一致しています。やはり、SACDの開発者は、その規格を作る時に、取り返しのつかない過ちを犯していたのですね。
 そんなわけですから、こんなSACDには、何の価値も見出すことはできません。
Aventure Number : 2888 date : 2018/1/3


今日の禁断 アカペラ


 今日からは、いつものような生活に戻って、職場の仕事、ニューフィルの仕事と、追いまくられることになります。まずは今月分のニューフィルの日程表を作るところから始めましょう。練習会場はネットで2か月先のものを予約するようなシステムになっているのですが、その抽選の発表は毎月2日にあります。ですから、今月もそうだろうと2日に見に行ったら、今回に限って発表は「4日」なんですって。ネットでもしっかりお正月休みを取るんですね。通販サイトなどは年中無休で営業してるというのに。だから、「火の鳥」の1919年版の新しく校訂されたスコアが安く買えるというのでさっそく注文してみましたよ。確かに、CHESTER版に比べれば格段に見やすい大きな楽譜になっていますが、なんだかな、という感じはしますね。なによりも、出版元がカルマスだというのが一番のネックです(笑)。CHESTER版との相違点なども表になっていて、それらしい体裁はとられていますが、ピッコロ・パートで変わっている部分については何の言及もありませんし。
 そんなわけで、きのうも夜になってからその抽選のことを思い出して、見に行ったら1日だけいつもの会場が取れてない日がありましたね。でも、ちょうどこの日はパート練習の予定なので、他の会場を借りれば大丈夫でしょう。でも、それからサイトの日程表を更新するだけの時間はなかったので、それは今日に持ち越しです。
 そして、今朝は早起きしてその更新作業を行ってみると、職場にしか置いてないデータがあったことに気が付いて、それもお預けです。ところが、職場では本来の年始の恒例の作業が手一杯で、他のことをする余裕は全くなく、結局帰ってきてさっきようやくアップしたところです。
 それと同時に、新しい「かいほうげん」の作成作業もやりたかったのですが、もちろんそんな余裕は全くありませんでした。本来なら、お願いしていた原稿が昨日のうちには届いているはずだったので、それの編集をするつもりでしたが、どうせ無理だったんですね。こうなれば、今週の連休に届くことを期待するしかありません。そして、最初の練習の時に発行出来ればな、と思っています。
 何がそんなに忙しかったかというと、年末に顧客にもろもろの経費を納入していただくために振替用紙を郵送してあったものが、返送されてきたからなのです。別に1年のうちのどこで送っても構わないのですが、さっさと送ってしまいたい人が多いのでしょうね。それが、年を追うごとに増えてきているのですよ。その集計にエクセルを使っているのですが、月ごとにまとめられるようにテンプレートを作っていてそこに入力するようになっています。ところが、その12月のところが、毎年行が足らなくなっていて、そのたびに追加しなければいけないようになっています。ことしは、それが300件ほどになってしまいました。
 振替用紙には3つの品目が書いてあって、それぞれに好きなものを送っていただくようになっています。ですから、それを私は別の用紙に拾い上げて、集計します。ただ、その振替用紙には判読不明のものもあったりしますし、そもそも住所や氏名を記入していない人もいますから、その作業だけでえらい時間がかかります。それをさっきのエクセルに入力して、現物とあっていればOKとなるのですが、今回は、それがものすごく違っていました。毎年、最初からピッタリ合うことはまずないので、少しの誤差は仕方がありませんが、これはひどすぎます。でも、よく考えてみたら、これは私のミスでした。行を追加する時に、設定してあったSUMの範囲を超えたところで追加していたので、下の方の入力がはみ出していたんですね。それを直したら、ピッタリ合ってました。
 そんな単純作業の間は、ハイレゾのFLAC音源を流しっぱなし。「Singers Unlimited」の8枚のアルバムを全部エンドレスで聴いてしまいました。
Aventure Number : 2889 date : 2018/1/5


今日の禁断 トーシバ


 我が家の冷蔵庫は、もう買ってから20年近く経っています。でも、こういうものは別にそのぐらい使ってもほとんど故障なんかしないようになっているようですから、もっと長い間使っている人も普通にいるはずです。でも、この冷蔵庫は、数年前から「冷えなく」なってきました。冷蔵庫の癖に冷えないなんて、もう冷蔵庫ではありません。まあ、程度問題ではあるのですが、真夏にアイスが融けてしまうんですから、もうダメですね。
 ということで、今年の初売りの時に、新しい冷蔵庫を買うことにしました。その時の条件としては、今まで使っていたものと使い勝手が変わらないこと、というものが挙げられていました。具体的には、一番下に冷凍庫があって、その上に野菜庫がある、という構成ですね。それが今まで使っていたもので、それに慣れていましたし、野菜庫の方が使う頻度が高いんで、それを腰をかがめずに出し入れることができるのが、ポイントでした。
 ところが、お店に行って見てみると、今ではそういうタイプはほとんどなくなっているのでした。「野菜庫は一番下」というのが、今の冷蔵庫業界のトレンドだったのですよ。
 でも、なぜか、今まで使っていたメーカーだけは、「野菜庫は真ん中」というポリシーを貫いているのでした。正直、たった20年で「冷えなく」なってしまうようなメーカーの製品は絶対に買うつもりはなかったのですが、そこしか希望するタイプのものがないのでは仕方がありませんから、それを買うことにしました。
 もちろん、持って帰るわけにはいきませんから、配達をお願いして、それがきのう届きました。今回は、その時に古い冷蔵庫を取り出して、新しい冷蔵庫を据え付けるまでのドキュメンタリーです。

 これが、古い冷蔵庫。買ったのはこれと同じ横幅で、少し高さが高くなっています。


 前もって、玄関からここまで、スムーズに運搬が出来るように、邪魔なものを全部よけておき、通路を確保しておきました。それを見て、配達の人は「これだったら大丈夫です」と喜んでいましたね。まずは、冷蔵庫を引き出して、それを前にあるシートに乗せます。

 そのまま、シートを滑らせて廊下へ向かいます。

 出口はすぐそこです。

 入れ替わりに、新しい冷蔵庫を運び込みます。ドアの間にあまり隙間はないので、慎重に運んでいます。

 それを立てて、さっきのシートの上に乗せまあす。

 さっきとは逆のコースで運んできます。

 元の場所に押し込みます。

 あと少し。

 ピッタリ収まりました。ここまでの所要時間はたったの7分でした。

 これが、新しい冷蔵庫です。
Aventure Number : 2890 date : 2018/1/7


今日の禁断 チキンステーキ


 かつて、自宅のすぐ近くに「ビッグボーイ」というファミレスがありました。北環状線と、北四番丁大衡線との交差点です。今では、そのあたりの再開発のためにそのお店も、まわりにあった本屋さんもすっかりなくなって広い更地になっていますね。そうなってからもう何年も経つのに、新しい建物が建つ気配は全くありません。いったい何があったのでしょう。
 その「ビッグボーイ」は、かつては「ミルキーウェイ」という名前のお店でした。お店に入ると、店員さんが「ようこそ、ミルキーへ!」と言って迎えてくれましたね。さすがに恥ずかしかったのか、しばらくするとやめてしまいましたけど。
 そのお店が、いつの間にか「ビッグボーイ」という名前に変わっていました。ただ、変わったのは名前だけで、メニューなどには殆ど変化がなかったのではないでしょうか。目玉はサラダ・バー。料理を注文すると、必ずついてきて、サラダが食べ放題でしたし、スープ・バーもありましたね。そのうち、「カレー・バー」というのも始まりましたね。おなかがいっぱいになりたいときには、これほどありがたいお店もありませんでした。
 おそらくその時点で、仙台市内では「ミルキーウェイ」は全て「ビッグボーイ」に名前が変わってしまったのではないでしょうか。でも、その、よく行く近くのお店がなくなってからは、とんとその名前のお店自体にも足を運ぶことはなくなっていました。
 それからしばらくすると、今度は、「『ビッグボーイ』は、すべて『ミルキーウェイ』と名前を変える」というような情報が出回るようになりました。たしかに、たまにそんなお店の前を通るとしっかり看板を変えているところが続々出てきていましたね。でも、中には、いつまでたっても「ビッグボーイ」のままでいるお店もあることにも、気づきました。例えば、愛宕橋のそばにあるお店などはそうでしたね。でも、それは、単に経費のやりくりの都合で変えないだけなのだと思っていました。そして、おそらく名前を変えても変えなくても、やっぱりメニューはずっと同じだろうとも思っていましたね。
 ですから、久しぶりにサラダ・バーを食べたくなって、かつての「ビッグボーイ」だった「ミルキーウェイ」のお店に行ってみました。ところが、そこは以前の「ビッグボーイ」とは全然違っていたのです。まず、オーダーは全てタブレットで行うようになっていました。まあ、これは回転ずしでもやっていますから、こういうお店の一つの流れなのでしょうね。でも、お店の中を見ると、めざすサラダ・バーはどこにも見当たりません。当然のことですが、メニューも全く別のものに変わっていました。メインはハンバーグ、私がよく食べていたチキングリルは、もうここにはありませんでした。
 見た目がちょっとおいしそうだったので、ハンバーグとコロコロステーキのセットを頼んでみたのですが、そのステーキはひどいものでした。固くて噛み切れないのですよ。ハンバーグも期待していた味には程遠いものでした。
 さらに、料理の鉄板と、ご飯が一緒のプレートになっているのですが、ご飯とサラダが載っているのはプラスティックのトレイ、まるで学校給食のような味気なさです。ご飯なんか、すぐに冷めてしまってましたね。ですから、今までの慣例とは違って、今回は名前を変えるとともにその内容を大きく変えたお店に「生まれ変わって」いたのですよ。もちろん、それは全くダメな方へ向かった変化でした。肝心の料理がおいしく無くなったのですから、全く意味のない変化です。
 あんまりがっかりしたので、別の日にさっきの、まだ名前を変えていない愛宕橋の「ビッグボーイ」に行ってみました。そこは、メニューは多少は変わっていましたが、サラダ・バーやカレー・バーは健在でした。もちろん、ボタンを押せばちゃんと店員さんが来て注文を取ってくれます。まあ、サラダ・バーの中身は確実にしょぼくなっていましたが、カレーにはしっかりお肉も入ってましたから、満足できましたよ。
 どちらのお店も同じ会社が経営しているはずなのに、この違いは何なんでしょうね。
Aventure Number : 2891 date : 2018/1/10


今日の禁断 ツリー


 前回行った「ビッグボーイ」には、サラダバーの使い方についての注意書きがありました。それは、お代わりをするときには、容器を新しくしろ、というものです。以前はそんなことは別に言われていなかったような気がしますね。ですから、お皿が空いたら、そこにまた別のサラダを取ってくる、ということを繰り返していました。でも、そんなことをするなと言われれば、仕方がありません。その結果、食べ終わった時にはこんなにお皿がたまってしまいましたよ。まるで回転ずしみたいですね。
 ここに行ったのが8日の月曜日、成人の日の休日でした。その前の日にお願いしてあった原稿が届いたので、その連休にはまずそれを編集していましたね。ざっと見たらそのヴォリュームはほぼ10ページ、そのまま作ったら「かいほうげん」の半分以上を占めてしまうので、そうなると他の記事が入りませんから、それは避けなければ。というわけで、2日がかりで7ページにまで絞り込みました。もちろん、いただいたテキストは全てノーカットで使いましたよ。それを、フォントを変えたりレイアウトを工夫したりして、そこまでのダイエットに成功させました。
 そして、週明けから残りのページを作って完パケを完成させ、水曜日には印刷が出来ればいいな、というのが、皮算用でした。でも、やっているうちに手を加えたいところがたくさん出てきて、結局印刷は配布当日の木曜日にずれ込んでしまいました。でも、今までの経験で、印刷と製本は2時間かからないで終わることは保障されていましたから、お昼前には終わらせようとさっそく印刷を始めました。
 いつもの手順で、両面印刷が終わったものから順に二つ折りにして、それを4枚重ねてホチキスで綴じるという作業が始まります。その行程の繰り返しだと、全く無駄な時間がないんですね。印刷される速度と、折って綴じる速度とが見事にシンクロしているので、それをたった100回繰り返すだけですべての作業が終わってしまいます。もうやっている時は殆どトランス状態、何も考えなくても体が自然に動いて一連の作業を行うという、まるでロボットになったような気分を味わうことが出来ます。
 ところが、それが何サイクルか繰り返された時にふと見ると、印刷されたもののまわりの余白に、何やら薄くスジのようなものが入ってるではありませんか。あわててジョブを削除してプリンターを止め、チェックしてみると、かなり前からそんな現象が起こっていたことに気づきました。最初はなにもなかったものが、5セット目ぐらいから目につくようになっていましたよ。
 これは、以前にも経験したことがありました。両面印刷をやっていると、ドラムに転写されたトナーが完全に落ち切らずに、裏面にそのまま転写されてしまうんですよ。ここは、サービスを呼んで修理してもらうしか方法はありません。どんなに遅くてもその日の営業時間のうちには必ず来てくれますから、最悪でも練習の途中には出来上がるはずです。さいわい、私は前半は降り番でしたからね。
 結局、サービスは午後一番で来てくれました。20分ぐらいで調整と清掃は終わり、さっきまでのスジは全く消えましたから、あとは安心です。余裕を持ってすべての印刷が終わりました。
 実は、新入団員の写真が1枚撮れていませんでした。ですから、最初はその人が練習に来た時に写真を撮ってから発行しようと思っていました。ただ、そうなると間に団員総会が入ってさらにコンテンツが増えることになってしまうので、結局こんなスケジュールに落ち着いていました。写真も、この間の「第9」の時に撮ったのをチェックしてみたら、おあつらえ向きにはっきり顔が分かるアングルのものがあったので、それが使えました。なにより、その人はその日の練習には出席していなかったので、発行を先送りにしていたら、後悔していたでしょうしね。
Aventure Number : 2892 date : 2018/1/12


今日の禁断 スモーク


 きのうは、朝の10時から夜の10時まで、ぶっ続けでオケ関係の行事が詰まっていました。まずは、旭ヶ丘で「杜の都合奏団」の練習です。他の団体の行事もこの日は多かったようで、かなり欠席者が目立ちます。前曲をやっている時などは、木管の2列目(クラリネットとファゴット)なんか誰もいませんでしたからね。もちろん、弦楽器もかなり少なめ。それでも、みっちりと、間にたった20分の昼食休憩をはさんでハードな練習は午後2時半まで続くのでした。
 そのあとは、3時半からニューフィルの団員総会です。会場は街中なので、車は駐車場に置いて(最大800円)地下鉄で向かいます。そのあとは新年会も控えていますからね。
 総会が終わって少し時間があったのですが、そんな時いつも一緒にお茶を飲んだりして時間をつぶす相手が出席していなかったので、一人で本屋さんなどに入った後、新年会の会場に向かいます。
 ビルが立ち並ぶ商店街の裏側に、終戦直後にでも建てられたような、いずれは再開発でなくなってしまいそうな建物がひしめき合っていますが、そんな中の2階建てのお店です。ここに10分前に着いたら、もう夕方だというのにライトアップもされておらず、「CLOSE」なんて看板が出ていますから、本当にここでよかったのか不安になってしまいます。そのドアも、いくら引っ張っても鍵がかかっているみたいで開きませんし。仕方がないので、しばらく前でブラブラしていると、同じメンバーがやってきたので一緒に入ろうとしても、やはり開きません。でも、中にはちゃんと人がいましたね。と、その扉を横にスライドさせたら、簡単に開きましたよ。これは「引き戸」だったんですね。引っ張っていたのでは、永久に開くことはできませんでした。
 ここを入って狭い階段を上がった2階が予約席、テーブルは3つぐらいありますが、その中の1つだけに6人、もうすでにメンバーが座っていましたよ。ちゃんと入れたんですね。でも、私は最後の一人だったようで、結局今年の新年会はテーブル一つだけ、たった7人の出席者というコンパクトなものになっていました。
 そんなメンバーですから、いきおい、話は団内の「秘め事」に集中します。得難い情報がたくさん聴けましたね。
 料理は、なかなかのものでした。コースできちんと人数分持ってきてくれます。

スペイン風オムレツ。

自家製ベーコンと燻製卵のシーザーサラダ

丸ごと玉ねぎロースト。ピクルスが乗ってます。

自家製スモーク盛り合わせ。砂肝、レバー、スズキでしたかね。

石巻産ムール貝の白ワイン蒸し 。

彩菜鶏のスモークチキンBBQグリル。

最後は魚介と鶏肉のミックスパエリアです。
 最初は貸し切り状態だったのですが、しばらくすると別のお客さんの一団も入ってきました。その人たちはタバコを喫っているんですよね。せっかくおいしい料理を出しているのに、ここは「喫煙可」なのでした。残念。
Aventure Number : 2893 date : 2018/1/14


今日の禁断 ロシア


 このところ、必要があってザルツブルク音楽祭の昔の演目を調べています。これが、そこの公式サイトに行くと簡単に分かってしまうんですね。例えば「1985年の演奏曲目」が知りたいのなら、「アーカイヴ」というページに行って、そこにずらりと並んでいる年号のアイコンをクリックするだけで、その年に行われたオペラ、オーケストラのコンサート、さらには演劇まですべて分かってしまうんですよ。知ってました?ここは「音楽祭」って言ってますけど、演劇も上演されるんですよ。オペラの場合は、出演していた歌手の名前まで全部書いてありますからね。プログラムまでダウンロード出来てしまいますよ。大体、オペラハウスのサイトだと、こういうアーカイヴが充実しているようですね。METなどにはこれでだいぶお世話になったことがあります。
 でも、オーケストラではそのような記録をアップしているところはあまり見当たりません。ちょこっと外国のオーケストラのサイトを覗いてみても、これからのコンサートの案内は熱心なのに、過去のものを丁寧に扱っているところはあんまりなかったような気がします。もちろん、日本のオーケストラでも、本格的なアーカイヴを備えているところはほとんどありません。
 そんな中で、某NHK交響楽団では、しっかりした記録がアップされていたので、さすが、と思いました。ただ、それはただ単に膨大な記録をPDFにしてまとめたものにリンクしているだけで、ザルツブルクのようにワンクリックでその年のものが見れるという親切なものでは全然ありません。なにしろ、そのPDFときたら、何年か分が一つのファイルになっているのですが、それは本当にただの「リスト」にすぎないのですからね。一つの演奏会のコマがずいぶん多いと思ったら、それは演奏曲目1曲で一つの行を使っていたりします。確かに、これは「記録」としては完璧なものなのでしょうが、外部の人に対して適切な情報を分かりやすく伝えようという意思が全く感じられません。それにしても、ここには地方公演からオペラの伴奏まで、すべてのこれまでの演奏記録が入っていますから、まあすごいと言えばすごいのですが。
 我が、仙台ニューフィルの場合は、その点ではなかなか親切なのではないか、と、ひそかに自負しています。とりあえず、創設してからのすべての演奏会については、きちんとデータが揃っていますからね。そして、サイトが本格的に運用された1998年以降の演奏会では、その時の写真なども掲載するようになっています。
 ただ、20年もそんなことをやっていると、なかなか面倒くさくなってきます。最初のうちはきちんとページを作っていたのですが、その内容は実際は「かいほうげん」の中身と一緒なのですから、できれば手間を省きたいということで、このところは「かいほうげん」の演奏会の部分のページだけをPDFにして、そこに演奏会一覧のページからリンクするようにしています。たった今も、去年の末に行った角田市での「第9」の演奏会の模様をそのような形でアップしたところです。つまり、そうなると「かいほうげん」が発行されないとサイトの方も作れないので、少しタイムラグが出てきてしまうということになるのですが、まあ、その辺は大目に見てくださいね。
 そんなことをやっているうちに、4月の定期演奏会のチラシの原案がもう出来上がってくる時期になってしまいました。今回も素晴らしいチラシに仕上がっていますから、期待してください。ただ、いつもだとテキストの間違いとか、ちょっとしたレイアウトの手直しだけですぐ印刷に回せるのですが、今回はちょっとしたことで色んな意見が出てきて、それをなかなか一本化できない、というちょっと珍しい事態が起こってしまい、その判断を指揮者の末廣さんに仰ごうということになってしまったので、その返事が来るまでちょっと作業が中断しています。別にそこまでこだわることもないような気がするのですが、納得のいくものを作りたいという関係者の熱意のあらわれだと思って、待っていてくださいね。デザイン自体はこんな感じですけどね(わかんねー!)。
Aventure Number : 2894 date : 2018/1/17


今日の禁断 パン


 こんな映画は全く見るつもりはなかったのですが、たまたま予約のためにかけたWOWOWでものすごい恐竜(?)の格闘シーンがあったので、俄然食指が動いて、次のON AIRの時間を予約していました。しかし、去年の3月に封切りになったのが、1年も経ってないのにBSで放送ですから、ずいぶんサイクルが短くなったような気がしませんか?今までは1年以上は確実にあとでしたし、下手をすると2年近く待たされることもあったような。
 「キングコング」のシリーズなのでしょうが、その前にもリメーク版が上映されていたような気がしますけど、これはどういう位置づけなのでしょう。ただ、これはあまり難しいことは考えず、ひたすらCGのキンクコングやその他もろもろの「変な生き物」を楽しむための映画のような気がします。実際、ストーリー自体はかなりいい加減で、一応時間的な流れはあるようですが、なんか辻褄もあわないし、そもそも理解不能な行動パターンが相次いで登場しますから、そんなものには振り回されない方が楽しめそうです。実際、最初見た時にはオープニングの部分はいったいなんだったのか分かりませんでしたからね(見直したらすぐわかりましたが)。
 最初に「たまたま」見たというのが、この「スカル・クローラー」という生き物とコングとの対決シーンでした。後で考えれば、このシーンがこの映画の最大のポイントだったようで、よくそんなところが「たまたま」目に入ったものです。もう、最近のCGの進歩はすさまじいものがありますから、本当はこんな映像で驚いていてもしょうがないのかもしれませんが、「ジュラシック・パーク」の第1作で度肝を抜かれたものが、ついにこんなところまで行ってしまっていたということに、素直に驚いてしまいます。
 しかし、この生き物の不気味さと言ったら。上の写真はずいぶんきれいですが、画面で見るともっと「汚れ」が激しくて、とにかくリアルに汚いものに見えますよ。なにしろ、後ろ足がなくて前足としっぽだけ、という異様な姿ですから、もう夢にでも出てきそうですよ。そして、最後にコングが口の中に手を突っ込んで、内臓を裏返しにして出してしまうんですからね。これはもろグロテスク。というか、その時、突っ込んだ手の中には女の人が握られていたはずなんですよね。ま、彼女はその前に水の中に沈んで気を失っていましたから、気にならなかったのでしょう。
 そして、これを、居ながらにしてサラウンドの音声が体験できるんですよ。これはもう徹底してリアの音声を作っていますから、聴きごたえがありますよ。本当に、こんなに早くON AIRになって、映画館と変わらない音場が体験できるんだったら、もう映画館に行く必要は全くなくなってしまいますね。映画館だったら、それがつまらなかったら悲劇ですが、これだったらいつでも消去できますし。
 実は、自宅と同じAVアンプとリアスピーカーを、職場にも設置してあります。フロントのスピーカーは全然違うので、その比較のためにこのBD-Rを職場に持って行って、聴いてみました。そうしたら、もちろんのことですがかなり違った音で聴こえてきました。それぞれが全然別の傾向の音なんですね。特に、職場では人の声が、自宅だととても自然だったものがそれこそ映画館みたいな不自然な音に聴こえてしまいます。最近はもっぱらゼンハイザーのヘッドフォンだけで聴いていたので、あまり意識はしていなかったんですが、ちょっとこれではもうまともな音楽は聴けないような気がします。実際、バッハのカンタータを聴いてみたら、チェンバロの音がまるでモダンチェンバロのように聴こえてしまいましたから。もちろん、ゼンハイザーではとても繊細なヒストリカルの音がしていましたよ。
Aventure Number : 2895 date : 2018/1/19


今日の禁断 テレキャス


 小田和正が毎年行っている「クリスマスの約束」の録画を、やっと見終わりました。放送されたのはもちろん去年の末ですが、その時にまず再生してみて、しばらくするとちょっと見続けるのが辛くなったので、年が変わってから改めて残りを見た、ということですね。
 なぜ「辛くなった」かと言うと、とても贅沢な悩みですが、彼の率いるミュージシャンが奏でるハーモニーが、あまりに素晴らしすぎたからです。なにしろ、小田さんのコーラスのセンスといったらまるで魔法のようで、どんな人と一緒に歌ってもきっちりとハモるツボがおさえられているんですね。それに加えてギターもピアノもとても上手で、絶対間違えたりしません。まあ、当たり前のことなのでしょうが、これが70歳を迎えた人のやることか、と、ちょっと腹が立ってきましたね。というか、信じられない思い。同じ世代のミュージシャンでやはり同じように頑張っている人はいますが、その人たちはどれももう聴いていられないほど声も演奏も見る影もなく「劣化」しています。ところが、小田さんはまったく変わっていませんからね。つまり、私が小田さんと同じ年になった時に、今と同じ演奏面でのクオリティを保てるのか自信がなくなってきたのですよ。
 それは去年のこと、年が変わって、なんと今日が誕生日となってしまいました。そうすると、何の根拠もないのに、その頃まで今のフルートの腕を保てるのではないかという自信が湧いてきたのですよ。声の方はもうずっと前にどうしようもなく「劣化」していることを自覚していますから、絶対に小田さんには勝てませんが、フルートだったら(確か、小田さんはフルートも吹けるはず)勝てるのではないかという気がしてきたのですね。
 それで、改めて録画を見る気になって、今度は少し冷静に見てみました。そうすると、やっぱり凄いな、という思いは変わりませんが、今度は確かに勇気づけられるところをたくさん見つけることが出来ました。この分だと、80歳ぐらいになってもまだ若い人を相手にハモりあっているのではないか、とさえ思えてきますね。同じ世代として、ぜひ頑張ってほしいものです。
 いつも感じるのですが、このコンサートのためのリハーサルは、とても時間がかかっているようですね。こういう、普段は一緒にやっていないゲストと歌う時には、どうしてもそれぞれの歌い方のクセが出て、ピッタリと合うことはまずないのですが、小田さんの場合は、おそらくフレージングとかシンコペーションの入れ方などを、完全に相手と合うまで繰り返し練習しているのではないか、という気がします。そしてそれを本番できっちりとできるまで覚えるのでしょうから、やはりすごいですね。
 この番組は毎年会場が別のところになっているようですね。最初に、まわりの知り合いが出るということで見た時には舞浜のシルク・ド・ソレイユの跡地でしたが、今回は、後ろにも客席があったので、同じようなアリーナ型のホールなのかな、と思いました。かなり広くて、おそらく1000人以上は入っている感じでしたね。調べてみたら、これは「千葉ポートアリーナ」というところでした。
 確かに「アリーナ」、もろ体育館でしたね。こんなところがあれだけのセットで見違えるように素敵なホールに変わっていたのですね。
 ということで、誕生日なのでFacebookには恒例のメッセージが寄せられるようになっていました。今年も、たくさんの暖かいメッセージをありがとうございました。私は、正直こういうことをやるのが恥ずかしくてしょうがないので、他の人にはあまり送ってはいないのですが、やはりいただくのはうれしいので、これからは極力送るようにしましょうね。
Aventure Number : 2896 date : 2018/1/21


今日の禁断 カスチェイ


 公式サイトやFacebookではもう公開してありますが、今度の定期演奏会のチラシのデザインが出来上がりました。作ったのは、いつものOさん。もう、常に期待をはるかに上回るものを作ってくれるので、毎回出来上がるまでとても楽しみです。
 まわりを囲んでいるそれこそクリムトみたいな装飾が良いですよね。デザイン自体はこのOさんのもので最初から大好評でした。ただ、この画像では、上半分の中央にあるべきキャッチコピーが見えなくなっています。というのも、私はキャッチも含めて最初にできたデザインでOKだったのですが、そのキャッチにいちゃもんをつけた人がいたのです。その前に、それも含めて、全部の候補がこちらです。
 初稿は「珠玉のロシア」でした。私は、「そうきたか」と思いましたね。ホカ弁の「天丼よ、そうきたか」みたいな意外性があって、とても素敵なキャッチだと思えました。本来、理屈で考えるとちょっと意味不明でも、このような意外性があった方が人を引き付ける力はありますからね。ところが、悲しいことにこれを理論的に受け取って、「何か違和感がある」と言い出した人がいたのですよ。まあ、まじめに考えればこの曲目に対して「珠玉の」と形容するのはちょっとおかしいかもしれません。でも、世の優れたキャッチは、そんな理知的な思考を超えたところで何か引きつけられるところがあるものです。
 とは言っても、そういう意見を受けてまっとうに話し合いを始めたら、これには勝ち目がありません。そこで、別の案を考えようとそれぞれが出し合ったところ、「ロシアの息吹き」と「ロシアの魂」という2点に絞られたのですが、どちらにも決定的なものが欠けています。仕方がないので、これは末廣さんに決めていただこうということになって、しばらく様子を見ることになりました。
 ところが、数日経っても末廣さんからは何の返事もありません。やはり、これではちょっと決めかねるとことがあったのでしょうね。私が提案したのは「息吹き」の方だったのですが、これも自分でもイマイチだな、という気がしていましたからね。と、突然私の中で「ロシアの至宝」というキャッチがひらめきました。これはいけるんじゃないかな、と思いましたね。「珠玉」のフィーリングに通じるものもありますからね。そこで、それも候補の一つとしてキープしてもらいましたよ。
 結局、印刷へ進むデッドラインになっても返事はなかったので、めでたく「『至宝』で行きましょう」ということになりました。これが、紆余曲折の顛末です。
 それで最終稿が出来上がったので、それをネットに公開したのが、きのうの午後のことです。きのうの朝はかなりの積雪だったので、半日かけて雪かきを終えたら、夕方になったらまた降りだした、という最悪のコンディションでした。木管のパート練習の会場が職場だったので、坂道に融雪剤をまいたりしていましたよ。
 きのうは、「火の鳥」をやることになっていたのですが、そのピッコロ担当がインフルエンザで欠席することが分かっていたで、私はその代吹きとして出席しなければいけませんでした。昔やった時は1番フルートだったので、ピッコロ持ち替えの2番は吹いたことがありませんでした。というか、その時のピッコロがとても上手な人だったので、こんなの絶対吹けないな、と思っていましたね。でも、今回は代吹きの可能性はあるので、一応さらってはいましたよ。たしかに、楽器も変わって昔よりも吹けるような気にはなっていましたが、果たして合奏でみんなと合わせられるかは全く未知の世界でした。それが、恐る恐るやってみると、一応吹けてしまったんですね。高音のHなんか、絶対に無理だと思っていたのに、きちんと出てくれましたし、難しい譜読みもちゃんと出来ていたようでした。もしかしたら、少しだけスキルが上がっていたのかもしれません。ちょっとうれしいですね。
Aventure Number : 2897 date : 2018/1/24


今日の禁断 スリップ


 寒いですね。でも、なんだか東京とか埼玉の方がもっと寒いというのですから、笑ってしまいます。テレビでは、凍った道で転んでいる人の映像を連日流していますし、笑ってはいけないと知りつつもついほくそえんでしまいます。いつものことですが、こういうのを見てしまうと、この大都市の機能は、とても危なっかしい土台の上に成り立っていることがよく分かります。ほんのちょっとのことでもバランスが崩れてしまって、駅がパンクしたり高速が動かなくなるというパニックを起こしてしまうのでしょうね。
 仙台あたりでは、たとえいつもより大量の雪が降ったとしても、十分にそれに対応できるだけの「伸びしろ」を持っています。私は確実に雪が降るだろうと言われていた時点で、その時に備えて必要な仕事を前もって終わらせていましたからね。案の定、予想通りの雪が降った時には、全力で雪かきに邁進することになるのです。
 でも、火曜日の雪には腹が立ちましたね。20センチぐらいの雪が積もっていても、その日は青空が出てきていたので、張り切って全部の雪をかいて、もうこれで安心だな、と思ったら、夕方になって今度は雨が降って来たではありませんか。そして、それは夜更け過ぎには雪へと変わってしまったのですよ。これには焦りましたね。まず雨が降ったことで、軽く残っていた雪が融けたものが、完全に凍ってしまったのですよ。その上を新しい雪が覆ったものですから、もうこれはどうしようもありません。いつもだったら凍る前に日陰の雪もきちんと撤去するのですがこれはもう手遅れです。
 ただ、会館の裏側の搬入口のあたりは、そもそも大量すぎてほとんど手つかずだったので、まだ間に合いますから、きっちりアスファルトが見えるまで雪をかいて、それを空いたところに積み上げることが出来ました。夢中になってやっていたら、そこにはもう背丈を超えるほどの雪の山が出来ていましたね。
 私は、今練習している曲にちなんで、これに「禿山」と名前を付けて、Facebookにアップしました。そうしたら、一枚上手の人がいて、「今度は『アルペン』に」というコメントが寄せられましたね。ということで、来年の春のプログラムは、リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」に決まりです。
 もう一つFacebookにアップしたのは、こんな写真。
 私の部屋のすぐ前の、ふつうは植木とか庭石が置いてあるところに雪が積もったので、それがつながってまるで一匹の亀のようになっていました。右側が頭部で、嘴や目がちゃんと見えますよね。
 それが、丸1日経っても、ほとんど雪の量は変わりません。ただ、「目」の部分は少し融けてしまいましたね。
 雪はともかく、インフルエンザがものすごいことになっているのはちょっと心配です。なんせ、テレビやラジオでレギュラー出演している芸能人が軒並み「インフルエンザで番組をお休み」状態なんですからね。こんなことって、これまであんまりなかったような気がするのですが。おそらく、ワクチンが足らなかったからなのでしょう。早く収まってもらいたいものです。
 あ、そういえば、やっと「ジュラシック・ページ」のトップに、ブログとFacebookへの直リンクを付けました。
Aventure Number : 2898 date : 2018/1/26


今日の禁断 ココス


 今日は、「杜の都合」の練習だったのですが、フルートパートは5人のうちの3人がお休みということになってしまいました。そもそも、最初から他のオーケストラの練習日と重なっていたところに、ご家族がインフルエンザにかかってしまったという悪条件が重なって、そういうことになってしまったのです。そうなると、マーラーは出来れば一人はピッコロのパートを吹いてもらいたかったので、急遽パート譜をコピーしてくることにして、練習前に職場へ向かいました。そうしたら、坂道の登り口のJRのガードと別れるところで、なんだか事故が起こっているようでした。
 近くに行ってみると、こんな風に大型トラックが斜めになっています。さいわい、車が通るスペースは空いていたので、そのまま左の道を行って職場には着けました。その時に見てみたら、どうやらガードをくぐれないでぶつかってしまったようですね。
 帰り道で反対側から撮ったのが、この写真です。前の白い車は事故車の前を通っていく普通の車です。確かに、トラックの荷台が見事にガードにぶつかっていますね。それにしても、このトラックの運転手は自分の車の高さがどのぐらいだったのか、把握はしていなかったのでしょうかね。通る前に分かりそうなものですが。プロドライバーのくせに。
 私は練習に行かなければいけませんから、そのままこの白い車のように左に曲がってガードをくぐろうとしました。と、前にいた警察官が、そのまま直進するように指示を出してきましたよ。もしかしたら、何か問題があるので、もうガードの下は通れなくなったので、そっちに誘導していたのでしょうか。ですから、私はそれに従ってそのまままっすぐ進みますが、ここは一方通行の道路なので、反対側から車が来て、先には進めませんよ。そうしたら、さっきの警察官が車までやって来て「ここは一方通行なので、通れません!」なんて騒いでいるではありませんか。
 私は、「あなたが誘導したんでしょう」と言ってやりましたよ。国家権力に向かって。いったい、この警察官は何を考えていたのでしょう。結局、元のところまでバックして、無事練習には間に合いましたけど。
 ですから、プロの人が自分の仕事を熟知しているかというと、必ずしもそうでないという事例が、ここでたまたま重なっていた、ということになりますね。
 そんな「事例」を、さるファミレスで、その前の日には体験していました。
 これは、おそらく「おたる」という名前のワインなのでしょうが、普通の日本人がこれを読むと、だれでも「おるた」としか読まないはずですよね。プロであるデザイナーは、見た目を重視してこんなおかしなことをよくやりますね。

 この2つは、メニューに書かれたコメント。当然これもプロのライターが書いた文章なのでしょうが、どちらもぱっと読んでものすごい違和感がありました。
 「牡蠣フライ」の方は、「揚がった」、「包まれた」、「詰まった」という、同じ活用形の動詞が3つ並んでいるのが、とても異様です。しかも、それがどの言葉を修飾しているのかが、あいまいになっています。つまり、「衣に包まれた旨み」なのか「旨みが詰まった牡蠣フライ」なのかがはっきりしないのですよ。「カラッと揚がった衣に包まれ、旨みが詰まった牡蠣フライ」だったら、きっちり伝わるのに。
 「海鮮丼」は「漬けタレに漬け込んであります」というのが、いかにも幼稚ですし。「タレに漬け込んであります」でいいじゃないですか。
Aventure Number : 2899 date : 2018/1/28


今日の禁断 シール


 愚妻がスマホを買ったのは去年の末でした。案の定、もうほとんどパニック状態で、電話がかかって来ても受けられないほどの悲惨なことになっていましたね。メールを送るにも、入力のやり方が全然違いますから、もう大変です。
 そんな愚妻は、さる女声合唱団に入っていて、練習の時には必ずレコーダーを持って行って、しっかり録音をしています。毎回ですから、偉いですね。それも、以前はMDレコーダーだったのですが、それはもう壊れても修理できないし、MDのメディアもなかなか手に入らなくなっているので、ICレコーダーを導入したのですが、それも最初の頃は大騒ぎでしたね。そして、それを遠隔団員に送るために、マイクロSDにコピーしたりしなければいけません。当然そんなことは自分ではできませんから、私が代わりにやらされることになります。そのマイクロSDを毎週郵便で送っていましたね。
 でも、せっかくスマホにしたのだからと、他の仲間からの「スマホで音源を送れるよ」という言葉を真に受けて、音源のmp3データをそのまま送ることはできないかと聞いてきました。もちろん、愚妻にはいったいそれがどういうことを意味するのかは全く分かりません。ただ、中には「別の合唱団では、ホームページからダウンロードしている」などという人もいるのだ、というようなことも聞いているようです。そうなれば、私にとってはその方が手っ取り早いので、さっそくその手順を考えてやることにしました。データは1時間以上録音してありますから、8メガぐらいはザラにあるので、そのままメールに添付するのは無謀ですから、サーバーにアップしてそれをダウンロードできれば、一番楽でしょうね。
 そこで、まず私のサーバー(「ジュラシック」やニューフィル公式サイトの写真や音源がたくさん入っています)に、その音源をアップします。ICレコーダーにはUSB端子が付いていてそのままPCに接続できますから、アップロードは簡単にできます。でも、愚妻はそもそもそのあたりの仕組みが全く理解できないようで、レコーダーを借りようとすると「最初まで巻き戻すから、ちょっと待ってて」なんて言ってましたね。逆にそういう感覚の方が、私には理解できません。
 そして、その音源のURLを普通のメールにコピーして、愚妻のスマホに送ります。愚妻は、それを送り先に転送するだけ、簡単ですね。ですから、送った直後に、先方から「ダウンロードできました」という返事が来ていたようですね。これで、このミッションの手順は確定しましたから、それ以後は同じことを繰り返せばいいことになります。
 ところが、そんなメールを何度か送っていたら、今度は「前に送っていただいた音源が聴けなくなってしまいました」という連絡があったのだそうです。そんなわけはない、ダウンロードしたのだったら、あちらのスマホかPCには残っているのだろう、と思ったのですが、どうやらそういうことではないようなのですね。私は、「ダウンロードが終わった」という言葉を信じて、送り終わったデータはもう必要がないので即座に削除していました。ところが、先方はどうやら「ダウンロード」したわけではなく、単に「ストリーミング」で聴いただけだったのでしょうね。ですから、もう1度聴こうと思ってアクセスしても、もはやデータがないので聞くことはできなかったのですよ。つまり、その方は「ダウンロード」の正しい意味を把握していなかったのですね。
 まあ、これは当然と言えば当然。こういうことに関しては基本的に愚妻と同じレベルなのでしょうから、そんな人が「ダウンロードしてデータを保存」することなんてできるわけがないと考えるべきでした。ですから、しばらくはアップしたデータは削除せずにそのままにしておくことにしましたよ。
 なんて、他人のことはいくらでも笑えますが、私もとんでもないミスをしていたことに夕べ気が付きました。今度のニューフィルの定期演奏会のチラシの裏面に、重大なミスがあったことに今頃気が付いたのですよ。なんで今まで気が付かなかったんでしょうね。というか、正直これは間違いなんかないだろうと、読みもしなかったのかもしれません。ニューフィルの「校閲マン」たる私の、痛恨のミスでした。
 幸い、まだ印刷には入っていなかったようで、ちょっと納品は遅れますが、きちんと直ったチラシは出来上がるみたいです。
 ニューフィルのトップページからリンクしているPDFも、直しました。↓は直す前、さあ、どこが間違っていたのでしょう。
Aventure Number : 2900 date : 2018/1/29

18/2/2-18/3/18