2821(17/8/2)-2840(17/9/13)

今日の禁断 ムース


 「鎌倉ものがたり」の新刊が出るという案内がAmazonに出ていたので、予約注文していたら、それが間違いなく届きました。いや、間違いなく届くのは当たり前のことなので、別に驚くようなことはないのですが、なんせ、最近同じところでひどい目に遭ったものですから。
 それは、厳密にはAmazonではなく、マーケットプレイスという、いわば「店子」みたいなところなのですが、もう店頭では買うことが出来なくなった化粧品を(私が使うんじゃないですよ)そこでは扱っていたので、今まで何度か利用していました。ただ、注文した時に、Amazonではなく、そのお店から直接メールが来て、「ただ今欠品しておりますが、入り次第送らせていただきます。もしキャンセルする時にはご連絡ください」ということを伝えられました。まあ、急いで使うものでもなかったので、キャンセルはしないで待っていましたが、入荷予定日を過ぎても一向に連絡がありません。もうその時点でAmazonの配送状況の通知は使えなくなっていたので、何の情報も入ってきません。それがあまりに遅いので、とうとう今使っているその化粧品がなくなりそうになってしまい、「どうしてくれるのよっ!」という厳しい追及が始まっていましたね。
 仕方がないので、少し値段は高いのですが、別のところから1本だけ買ってみたら、それはすぐに届いたので、とりあえずは追及は免れるようになりました。そして、待望の「出荷しました」という連絡が入りました。どうやら詐欺まがいのものではなかったので、まずは一安心。それは西濃運輸で届くそうで、そこの追跡コードもちゃんと知らせてくれました。検索すると確かに発送はされているようですね
 しかし、それからがまたイライラが続く日々が始まります。その検索を見ていても、一向に先に進まないのですね。結局、発送から10日近く経って、やっと現物が届いたときには、もうどうでもいいような気になっていましたね。最終的に、注文してから届くまで1ヶ月かかってしまったことになります。もうここに注文するのはやめましょうね。
 ところが、届いた荷物の伝票を見ると、またまたおかしなことが分かりました。
 なんと、出荷日が、私が注文した日ではありませんか。その時点ではまだ品物は「欠品」していたのですから、こんな伝票が作れるわけがないじゃないですか。この「インフィニティビューティー」という会社は、限りなく疑惑に包まれています。
 ですから、「鎌倉ものがたり」がごくまっとうな配送で届いたので、少し驚いたというわけです。
 ただ、その帯を見た時には本当に驚きましたね。
 なんと、このマンガが実写で映画になるのだそうですよ。まあ、監督が同じ作者の「三丁目の夕日」を映画化させて大ヒットを飛ばした人ですから、予想は出来たことですがね。さらに、こちらの方がよりSF的な要素は多くなっていますから、監督の本領発揮となるはずですし。
 映画のサイトでは、もうトレーラーも流れていたのでさっそく見てみました。うーん、これだけでは分かりませんが、このマンガの世界(こういう時に「世界観」と言う人を、私は軽蔑します)とはかなり違うような気が。なによりも、亜希子ちゃん役の高畑充希にはかなりの違和感がありますね。いや、彼女は大好きな女優さんですけど、彼女には亜希子の持っている天然なところがないんですよね。彼女が天然を演じているのが、まさに今やっている「カホコ」なんですが、そこには悲壮感が漂ってはいませんか?亜希子にそういうものがあってはだめなんですよ。
 なんせ、このマンガは全巻そろえていますから、まさに30年以上の付き合いなんですよ。「三丁目」以後の作品がことごとく駄作だった監督に、その大切なものを壊されてしまうのが、たまりません。ぐらい言っておけば、実物を見た時にはそんなにがっかりしないでしょう。結局絶対見ることになりますからね。
Aventure Number : 2821 date : 2017/8/2


今日の禁断 ナクソス


 そろそろ次の「かいほうげん」のネタを考えなければいけない時期になってきました。そんな時に、どこからともなくネタの元がやってくるというのがいつものパターンです。まずは、今度の定期のメイン、エルガーの「交響曲第1番」を先日東京で指揮をした藤岡幸夫さんが、ご自身のブログにその曲についていろいろ書いていたものを、直接交渉して転載の許諾をいただきました。これで3ページ分のコンテンツが出来上がりました。
 もう一つ、これは「かいほうげん」に使えるかどうかは微妙ですが、ちょっと私好みのネタが見つかったので、忘れないうちに書いておきますね。
 さるレーベルのFacebookに久しぶりに行ってみたら、鼻持ちならないマニアックなスタッフがヒンデミットのことを書き込んでいました。そこで紹介していたのが、彼の弦楽四重奏のための「Ouvertüre zum "Fliegenden Holländer" wie sie eine schlechte Kurkapelle morgens um 7 am Brunnen vom Blatt spielt」という曲です。聴いたことがある人もいるかもしれませんが、ワーグナーの「オランダ人」序曲を、へたくそな楽団が演奏しているという想定で編曲した、とても愉快な曲です。もちろん、ドイツ語でそのままタイトルを書いたのでは誰も分かりませんから、このスタッフは日本語のタイトルで紹介していました。それが、普通目にするのとはちょっと違っていたのですね。そこにあったのは
「午前7時に村の井戸端で 二流楽団が初見で演奏する「さまよえるオランダ人」序曲」

 というものでした。私が知っているのには、「村の井戸端」なんて言葉はありませんでしたよ。それよりも、確か「湯治場」というのがどこかにあったような。
 調べてみると、これは、このサイトと関係の深いNMLでのCDの表記であることが分かりました。そのCDは手元にあったので、ブックレットを見てみると、英語では「Overture to "The Flying Dutchman" as Played at Sight by a Second-Rate Spa Orchestra at the Village Well at 7 O'Clock in the Morning」ですから、「Spa」という言葉が入っていますよ。だったらやっぱり「湯治場」じゃないですか。いったいどこから「村の井戸端」を引っ張り出してきたのでしょうね。あっ、「Village Well」か。だとしたら、ここはいったいどういう地形の場所なんでしょうね。
 実は、私はこの珍しい曲のCDをもう1枚持ってます。それは、この曲の楽譜が出版された直後にリリースされたもので、世界初録音でした。

WERGO/6197-2(1991)
 そのブックレットの英訳だと「The Overture to the "Flying Dutchman" as Played at Sight by a Second-Rate Concert Orchestra at the Village Well at 7 O'Clock in the Morning」、ここには「Spa」はないですね。
 実は、ニューフィルとも2回共演された指揮者の下野さんは、こういう曲が大好きで、2011年7月19日に、サントリーホールで読売日本交響楽団を指揮して、これを弦楽合奏用に直して演奏していました。その時のタイトルは
「〈さまよえるオランダ人〉への序曲 〜下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした〜」
 ですから、やはり「湯治場」系ですよね。なんでも、この時にはこのホールのオルガンの前に「読響温泉」という看板が立っていて、メンバーは頭に手拭いを乗せたり、うちわを持ったりして登場したのだとか。ただ、ここでは「宮廷楽団」となってますね。そんな格式の高い楽団が湯治場なんかに来るでしょうか。
 こういう混乱を一掃するために、私は原点のドイツ語に帰って考えてみることにしました。まず「Kurkapelle」という単語。「Kur」は「クアハウス」などに使われる言葉で、「保養所」の意味ですが、もう一つ、「宮廷」という意味もあります。下野さんはこちらを取ったのでしょうね。しかし、NMLで「井戸」と訳した「Brunnen」という単語には、まさに「湯治場」という意味があるので、それだったら「保養所」とリンクできますよ。つまり、演奏しているのは「湯治場の保養楽団」ですね。そこで、私の「定訳」はこうなります。
「朝の7時に、湯治場の二流の保養楽団が初見で演奏しているような、『さまよえるオランダ人』の序曲」
 どうです。もう、その情景が目に浮かびませんか?観光客を相手に適当な演奏をして生活している楽団が、何を思ったのか早起きをして、「オランダ人」を初見で演奏しているんですよ。これが「森の井戸端」だったら、具体的なイメージが全く浮かんできませんよね。
 まさかと思ったのですが、この曲の楽譜は、IMSLPで見ることが出来ます。
 とりあえず最初のページを見ただけで、これはきっちり作為的に「へたさ」を演出していることが分かります。オリジナルはD-Aの空虚5度なのに、ここではその上にそれぞれ長7度の「ずれた」音が入っていますからね。このあとは、ユニゾンになるはずの同じ音型を音符1個分だけずらしたりして、とても「初見」では演奏することはできない「難曲」です。ヒンデミットという人は、こういうものを作って喜んでいたんですね。
Aventure Number : 2822 date : 2017/8/4


今日の禁断 ファイナル


 杜の都合奏団のラスト・コンサートが終わりました。マエストロに言わせれば、私は、この団体の創立の時に多大な尽力をした、ということになっていますから、まあ、感慨深いものはあります。いや、本当はそんなたいそうなものではなく、ただ誘われたから参加しただけなんですが、そのあとはCDを作ったりプログラム・ノーツを書いたり、確かにそういう意味での「尽力」はあったかもしれませんね。でも、基本的にここではニューフィルとはちょっと違った形で演奏に参加できたのは、とてもうれしかったですね。ある意味、自由なことをやらせてもらえたということでしょうか。まあ、私だけの感想ですけど、ここに参加したことで、技術的に間違いなくスキルがアップしたという実感はありますね。特に、音についてはかなり自信が持てるようになったのではないでしょうか。
 さまざまな事情で、管楽器のメンバーは毎回変わっていました。特にオーボエは、いつも別の人でしたね。そして、今回も、初めてご一緒する人だったのですが、この人が、私がこの団体やニューフィルで一緒に吹いてきたオーボエ奏者の誰とも違う、特別のオーラを持っていました。音もきれいだし、何より自分のピッチやフレージング、アクセントなどに自信をもって吹いている、というのがまざまざと伝わってくるのです。まるで真剣勝負を挑まれているような感じで、私としては圧倒されてその人に付けざるを得なくなっていました。それが、何回かやっているうちに、ちょっとした快感に変わってきたのですね。私が彼に付けようとすると、彼の方でもそれを受け止めてくれるような感触があるのです。本番あたりは、もうオーボエとフルートが一体化したような瞬間を何度も味わいました。こんなことは、私がオーケストラに入って初めての経験です。
 ただ、練習の間、直接話をしたことはまずありませんでした。私もそうですが、なんか他人を寄せ付けないような雰囲気があったんですよね。それが、本番の前に私が「よろしくお願いします」といったら、会釈をしてくれて、コンサートの最後には握手まで求めてきましたよ。打ち上げでも、彼はとっても饒舌でした。今までの印象とガラリと変わっていましたね。そして、こわごわと私と一緒に吹いたときの感想を聞いてみたら、「きっちり合わせてくれて、とても吹きやすかった」ですって。彼がもしかしたらそう感じていたのではないか、というのを、私は演奏している時にはっきり感じていましたから、それが単なる社交辞令でなかったことは明らかです。もしかしたら、全然口をきかなくても、演奏しているだけでお互いの気持ちが通じ合えてしまったのかもしれません。ちょっとこれは忘れられない体験になったかも。こんな経験が出来たのですから、ここは本当に素晴らしい団体でした。
 そんなことがあった今回のコンサート、お客さんは338人だったそうです。800人収容のホールですから少ないような気もしますが、殆どのお客さんは中央の通路から後に座っていましたから、ステージからだと弦楽器の陰になって前半分は見えないので、結構一杯入っているように見えましたね。
 実際はこんな感じ。
 私は、序曲の時は降り番だったので、写真を撮っていたのでした。入場の時は、こんな「サイトウ・キネン」スタイルです。
 これが全景、弦楽器は「ほぼ」16型の対向配置でした。
 この前、職場でのコンサートに出演された合唱団から、こんな豪華なお花が届いていました。
Aventure Number : 2823 date : 2017/8/6


今日の禁断 アルチンボルド


 当初、新しい「かいほうげん」は8月の半ばごろには出せるような気がしていました。しかし、練習のスケジュールをよくよく確認してみると、15日の火曜日はお休みになっていましたね。一応13日から15日は「お盆」ですので、その中の日ということで、休日になる人が多いでしょうから練習も休みましょう、という発想ですね。私の実感としては、もはや15日はお盆は終わっているので、何も休まなくてもよいのでは、という気がしますが、世間一般の「お盆休み」には逆らえません。しかし、最近では「山の日」という意味不明の休日が8月11日に制定されてしまったので、実質的にはその日から「お盆」が始まることになり、15日頃にはもはや「お盆」でお墓参りに行く人もいなくなってしまうんですよね。
 ということで、この日あたりに「かいほうげん」を発行しようという目論見はもろくも崩れ去ってしまった結果、そのあとに行われる「アンサンブル大会」の後でなければ発行できないということになってしまいました。ですから、当然その中にはこのイベントのコンテンツも入ることになりますから、もはや紙面はほとんど埋まってしまっていたのですね。そうなると、前回取り上げた「湯治場のオランダ人」のネタは、今回は使わなくても済む。ということになります。まあ、これはストックしておけば、いつかは使うことがあるでしょう。
 その他にも、演奏会のチラシが出来たので、それを使った「作品」も用意してありますから、これは載せられるでしょう。一応「仙台駅」と「上野公園」の2パターンが出来ているのですが、前にご紹介した「仙台駅」はいまいちインパクトがないので、使うのは「上野公園」バージョンになるでしょうね。こういうのです。
 これは、細かいところですが看板の下の植木にまできちんと神経を通わせて、よりリアル感が高まるようにしたつもりです。初出はFacebookですが、これを見て「東京にいらっしゃっていたのですか?」と書き込んでくれた方がいましたからね。
 しかし、このような人工的なものではなく、何の加工もしていない自然の営みの中に、びっくりするような造形が潜んでいることがあります。もうすでに「山の日」を待たずにお盆に突入している私の職場では、その行事が行われて受付のために待機していたのですが、そばにある庭の植木を見ていたら、それが突然子供の顔に見えてきましたよ。
 すごいのは、最初私が見えていた顔の他に、もう一つの顔も見えていた、ということです。これも初出はFacebookですが、そのコメントでなんだか私が思っていたのと違うな、と思っていたら、よく見たら確かにそういう顔もあったんですよ。
 しかし、この毎年の行事の時には、きまって猛暑に襲われて大変な思いをするのですが、今年は逆に寒いぐらいでしたね。まあ、この方が参加する人にとっては楽でしょうから、ありがたいのですが、これでそのまま本格的なお盆に突入したりしたら、なんだか間抜けなことになってしまいそうですね。お盆ぐらいは暑くないと。
 つまり、毎年のこの期間の状況を見て、先週は自販機用の飲み物をこのぐらい用意していたのですよ。去年も同じぐらい注文してあったのに、最後には「綾鷹」が足らなくなってしまいましたからね。
 この写真も初出はFacebookです。
Aventure Number : 2824 date : 2017/8/9


今日の禁断 パクチー


 この前、大量の飲み物を自販機用に購入した写真を載せましたが、これが大量に売れ残ってしまいそうな予感がしてなりません。お盆だというのに、この寒さは何なのでしょう。雨まで降ってますしね。
 ですから、おとといの職場のイベントで、「暑くなくて楽だった」みたいなことを言ってましたが、来た人を集計してみるといつもの年よりかなり少なくなっていましたね。やはり、雨をおしてまでやってこようという人は少ないのでしょうか。確かに、受付をやっていてもいつものように人が押しかけて対応が滞る、という場面はほとんどありませんでしたからね。おそらく、それで丁寧にチェックが出来たのでしょう、きのうその時に受け取った会費などの集計をしてみたら、現金とぴったり同じ額になっていましたね。これは、非常に稀なこと。普通は、お金を受け取った時のチェックがどうしても行き届かないことがあっていくらかの誤差が出るのは避けられませんでしたからね。
 その勢いで、いつものように、イベントに来た人にだけ配っていた会報を、残りの顧客に発送するために、あて名シールの印刷を行いました。それがほぼ1000人分だったので、シール貼りはきのう中には終わらず、今日になって残りのシールを貼って、発送する、という段取りになっていました。
 ところが、けさ早く、思いがけない自体が勃発。ちょっとした書類に私のハンコを押して届けなければいけなくなってしまいました。それから職場に戻って残りの郵便物を仕上げて、それの集荷を手配、そのあとは、変な祝日が出来てしまったために、来客の対応をする人がいなくなってしまう、という事態になっていたので、そのアシスタントをお昼までやっていました。そこに、本来のスタッフが戻ってきたので、それから私は指揮者練習に向かいます。
 今回の橘さんとの2回目の指揮者練習は、午前中から予定されていました。うまい具合に午前の部は私が乗らない協奏曲だけだったので、午後に来ていればよかったのですが、最初のマーチには間に合いそうもなかったので、代奏はすでにお願いしてありました。それでも、乗り番の交響曲は、1時15分から始まる予定なので、それまでには若林の文化センターに着いていなければいけません。
 そんなタイトなスケジュールは分かっていたので、お昼ご飯はすでに買ってありました。ホールの駐車場に着いたのがすでに12時半を過ぎていたので、そのまま車の中でお昼を食べて、ホールへ行ったらまだマーチの練習中でしたから、まずはその写真を撮ります。
 客席の後ろとか、ステージの奥などいろんなところから撮っていたらもう汗だく。そんな汗も引かないうちに、交響曲が始まります。考えてみたら、今日までの3日間、私は全く楽器に触れていませんでした。それどころではない忙しさだったんですね。最初のうちは、ブレスがなかなか伸びなくて、苦労していましたね。
 橘さんの練習は、いつもながらの充実したもの、きちんと磨き上げられたところと、できないところが露わになって、課題がはっきりしたところとがはっきりする、というものでした。でも。「この前よりはよくなってますね」とは言われましたけどね。
 そのあとは、この間は時間がなくてできなかった、指揮者を囲む飲み会です。会場は東口の「土風炉」、私は初めてのところです。とりあえずメニューにジンジャーエールがあったので、私はそれを頼みましたが、これが今までこういうところで出てきたのとは全然違います。メニューを見ると、なんだか自家製のようですね。確かに、生姜の切り身などが入ってますね。これがおいしくて、4杯ぐらい飲んでしまったでしょうか。こういう飲み放題では、注文を取りに店員さんが近くに来た時に、飲み物を頼むのでしょうが、今日は、一人の店員さんが、わざわざ私のところに来て、「ご注文はありませんか?」と聞いてくるんですね。こんなのは初めてです。なんか、うれしくなってしまいます。ですから、その人にカメラを渡して、集合写真を撮ってもらいましたよ。
Aventure Number : 2825 date : 2017/8/11


今日の禁断 アクテリオン


 今日はお盆なので出勤、ラジオをつけていると、さる製薬会社がスポンサーの番組が流れてきました。声優の山寺さん(仙台市出身)がDJの番組ですが、ひとしきり前説があった後に、そのスポンサーのCMが始まりました。オーケストラを使った重厚な音楽がバックに流れていますが、そのメロディがなんか気になりました。とても甘ったるく、いかにも製薬会社らしい癒されるメロディなのですが、なんか別のシチュエーションで聴いたことがあるんですよ。しばらくして、これは、往年のヒット曲、カスケーズが1962年にリリースした「Rythm of the Rain」のメロディではないかと気が付きました。邦題は「悲しき雨音」、毎年梅雨の季節になるとラジオなどではよく流れる、永遠の名曲です。では、実際にそれを聴いてみてください。こちらから音源がリンクしてあります。最初がCM音楽、続いて「悲しき雨音」です。
 CMにはアウフタクトが入っていますが、それ以降のメロディは全く同じですよね。あとは、最後のフレーズだけは別物ですね。しかし、これはおそらくCMを作った人はこの「元ネタ」を全く知らなかったのではないか、という気がします。いくらなんでもこんな有名な曲のメロディをそのまま使うなんて、まっとうな作曲家だったらありえませんからね。もちろん、「パロディ」で使ったという可能性もあるでしょうが、この場合はそこに意味を見出すことなんてできませんから。そもそも製薬会社と「雨音」なんて、なんの関連性もありませんから、たまたま思いついたきれいなメロディを素直に使っただけのことなのでしょう。
 ただ、作った人はそうでなくても、例えばこの会社の関係者などで、このことに気が付いた人はいなかったのでしょうかね。もし私が社員だったら、こんな恥ずかしいことは即刻やめるために「稟議書」にハンコをもらおうと奔走しますけどね。「ツカポン」みたいに。
 でも、全く同じメロディなのに、こうして並べて聴いてみると全然雰囲気が違ってきますね。メロディ、というか、「音列」には、それ自体ではあまり意味は持たない(持てない)ということなのでしょうか。全く同じ音列でも、テンポや和声、オーケストレーションが変わってくると、実はそれが同じ音列だったことすら気が付かない、ということもあるのですよ。
 そんなことが、今練習しているエルガーの交響曲第1番では起こっているのだ、ということを、この間の藤岡さんのブログで初めて知りました。「かいほうげん」に載せようと思って許諾をもらったのも、それをみんなにも知ってもらいたいと思ったからなんですけどね。もちろん、これはエルガー・マニアの間では有名な話だったようで、そんな一人に聞いてみたらちゃんと知ってましたけどね。ですから、橘さんから、この間の練習の時にバラされたら、あのコンテンツはボツになってしまうな、と心配していたのですが、さいわいそれには触れていなかったので一安心です。
 それは、第2楽章と第3楽章の始まってすぐのところです。第2楽章のファースト・ヴァイオリンで出てくる、おそらくとても苦労されているであろうフレーズが、こちらです。
 一応、音源もこちらで聴けます。
 そして、こちらが第3楽章の頭。音源はこちらです。
 どうです。両方とも、「音列」は全く同じですよね。それが、こんなまったく異なる形で聴こえてくるのですから、ちょっとすごいことですよね。
 ですから、朝ドラのBGMが、「世界に国からこんにちは」や「故郷を離るる歌」にメロディがとてもよく似ていても、それは決して宮川さんがそれらの曲をマネしたのではなく、そもそもそんな曲は聴いたことがなかったからなのですから、そっとしておいてあげてくださいね。いずれにしても、恥をかくのは宮川さんご本人なのですから。
Aventure Number : 2826 date : 2017/8/13


今日の禁断 コーラ


 しかし、今年の夏はひどいことになってしまいましたね。確か、「長期予報」では今年は猛暑になるんじゃなかったんですか?まあ、これはあくまで「予想」ですから、こういう「予報」を出した人には何の罪もありません。いけないのは、それを真に受けてさもそれが真実であるかのように世の中に広めたメディアです。
 私も、そんな「フェイク」を信じてしまった口、「猛暑」ときいて、こんなに自販機用の飲み物を用意してしまっていました。
 ところが、その結果は、こんなものでした。
 売れたのは綾鷹だけ。これは暑さには関係なく、お墓にお供えするために購入する人が多いので、普通に売れましたが、それ以外はこんなに寒ければ売れるわけがありませんね。こうなれば、お彼岸だけが頼りです。
 それでも、お墓参りの人たちは雨にも負けずにやってきます。私も、一応お墓参りには行ってきましたが、そこでちょっとした事故が。我が家のお墓に花を供えたりして帰る途中で、全然花が上がっていないお墓がありました。ちょっと気になったので、誰のお墓なのか見ようと思って外柵の石に上ったら、そこで足を滑らせてしまいました。いや、普通はこのぐらいの滑り方だったら私の運動神経をもってすれば簡単に立ち直れるのですが、あいにくその時には片手に水の入ったバケツを持っていたので、バランスが狂ってしまったんですね。そのまま石の角に太ももをぶつけてしまって、ものすごい激痛が襲ってきましたよ。もしかしたら大腿骨骨折?などと思ってしまうぐらいの、激しい激痛でした。でも、しばらくしたらなんとか立ち上がれそうだったので立ってみたら、ただの打撲のようでしたので一安心。ただ、穿いていたジーンズは泥だらけになってしまっていたので、それからの予定を変えて一旦家に帰らなければいけませんでしたけどね。そこで見てみたら、そこは軽いかすり傷も出来てました。
 確かに、最近はいろんなところでやたらと滑りやすくなっていました。まあ、そんなものだろうとは思っていたのですが、靴の底を見てみたら、こんなことになっていましたね。
 かかとの部分がほとんどすり減ってまっ平らになっているではありませんか。これでは滑るのも当たり前ですね。確かに、今までの滑っていたシーンを思い出して見ると、かかとから足を着いたときに滑っていたような。この雨はまだまだ続きそうですから、早急に新しい靴を買わないことには。
 結局、足の傷の方はガーゼを当てる必要もないほど軽いもので、傷口は完全に塞がってしまいました。
 ガーゼといえば、そんな名前の人がいたはず、と思っていたら、それはデンマークの作曲家のゲーゼでした。今年はその人の生誕200年ということで、割とあちこちで名前を聞く人ですが、「Gade」というスペルなので昔は「ガーデ」、あるいは「ガーゼ」と呼ばれていましたね。
 そういう北欧の作曲家に詳しい指揮者の新田さんが、そのニルス・ゲーゼの交響曲を演奏したライブ録音が、最近NMLで配信されるようになった、という情報が伝わってきたので、さっそくニューフィルのFacebookページで紹介したら、結構速いペースでリーチが高まってきましたね。そして、なんと新田さんご本人のコメントまでいただいてしまいました。そうしたら、リーチの増加のスピードが急に上がってきましたね。よく分かりませんが、単純にリーチが増えるのはうれしいものです。というか、これも「かいほうげん」のコンテンツに使えますし。
Aventure Number : 2827 date : 2017/8/16


今日の禁断 ローストビーフ


 「杜の都合」の本番が終わって、やっと休日の練習がなくなることになりました。いや、ニューフィルでも指揮者練習は休日なので、まるまるなくなることはないのですが、「杜」はほぼ毎週でしたからね。というか、こうなるともう休みの日に練習というのがほぼ日課になっていましたから、それがなくなると逆になんだか物足りなくなってしまいます。こういう緊張感があと1回あるかもしれないという感じなのですが、その前提となっているニューフィルの指揮者練習の日程が、今のところ全くの白紙状態というのが、なんとも宙ぶらりんでもどかしいですね。
 ただ、今度は団内の「アンサンブル大会」の予定が1週間後に迫ってきています。これが終わらないと、やはりなんだかいつもの日常は戻ってこないような、緊張した日々は続きます。とはいっても、実際に練習があるのはそんなに多くはありません。今回も私は2つのグループでエントリーしていて、モーツァルトのフルート四重奏曲を演奏するグループは、もうすでに2回の練習をこなし、あとは本番の2日前に仕上げればOKという状態です。ただ、もう一つのフルートだけの四重奏のグループは、実はまだ曲目すらも決まってはいません。なかなかみんなが集まれる日が見つからないんですよね。結局、1日だけ、火曜日の木管トレーナー・レッスンが始まる前にやっと時間が取れたので、そこだけで候補曲(これは、一応楽譜が揃っています)を初見で演奏してみて、何をやるのか決める、さらには、それを本番向けにアンサンブルを磨き上げる、という作業を行うという、なんともタイトな予定が出来てしまいました。そんな程度の合わせでも、本番にはきちんと吹ける、という腕を持っている4人ならではの綱渡り、というか、やっつけ仕事ですね。どうなることでしょうか。
 実は、このアンサンブル大会、去年は15チーム出場していたものが、今年は9チームしかエントリーしていないのだそうです。この時期は何かと職場での行事が入っていて、参加できない人がたくさんいるみたい、せっかく普通のホールを借りたというのに、なんだかもったいない感じですね。大昔にやはり同じような行事が企画されていたのですが、それは結局3回か4回で終わってしまっていました。こちらの方はそんなことにはならずに、この先もしっかり続いて行ってほしいものですね。フルート四重奏曲も、ニ長調、ハ長調とやってきましたので、せめてイ長調まではやっておきたいですから。
 今回も、演奏が終わったあとには打ち上げが予定されています。その案内もすでに届いているのですが、なんでもデパート屋上のビアガーデンで行う予定なんだそうですよ。私は、そもそも飲めないので、ビアガーデンも大昔に何回か仕方なく行ったきり、最近は全くのご無沙汰なのですが、どうやらあの頃とはかなり様子が変わっているようですね。昔は、それこそ生ビールがメインで、おつまみはせいぜい枝豆に串カツぐらいしかなかったような気がしますが、いまは飲み物も食事もバイキングで、和、洋、中と揃っているんですってね。サイトには、こんな写真がありましたから、間違いないでしょう。
 まあ、一度くらいは経験しておきたいものです。お天気も、この日あたりからまた暑い日が戻ってくるような「予想」が出ているので、きっと雨は降らないでしょうし。
 私としては、この打ち上げがしっかり1時間半で終わる、というのが魅力です。この間の指揮練の後の歓迎会では、2時間で帰れると思っていたら、とうとう3時間半も粘ってしまいましたからね。というのも、私はこの日のアンサンブル大会の様子を掲載した新しい「かいほうげん」を、3日後に発行しなければいけないのですよ。一応2ページだけあけておいて、それ以外のページが全部出来上がった状態で土曜日の本番に参加、あとは、その写真を使ってページを作って、できれば月曜日には印刷する、というのが今のところの「皮算用」です。現時点で素材は揃っていてもまだ手を付けていないページが6ページありますから、突発的な事故(入院とか)が起こらないように願うばかりです。
Aventure Number : 2828 date : 2017/8/18


今日の禁断 バンカー


 この前の「アンサンブル大会」の続報ですが、その後参加チームが2つ増えて、全部で11チームになったのだそうです。まずは2ケタ参加となってよかったですね。打ち上げも、この日はどうやらお天気は良くなって気温も高くなりそうなので、ビアガーデンを楽しむことが出来そうですから、まずは一安心です。
 しかし、油断をしていると「急な強い雨」が降ったりすることがありますから、注意は必要でしょう。なにしろ、関東地方あたりではものすごいことになっているようですからね。今日なども、東京の花火大会で絶対に雨なんか降りそうにないと思って浴衣姿でやってきたバカップルが、急な雷雨にあって困り果てている、という映像が放送されていましたが、こいつらはいったい何を考えているんだ、と思ってしまいますね。なんせ、真っ黒な雲が広がって近くで雷が落ちているというのに、そこから動こうとしていないんですからね。このあたりが、都会人の愚かさ、自然に対する無知さ加減を象徴している出来事なのではないでしょうか。
 この週末は、こちらはそれほどのひどい天気ではなかったものの、冷たい小雨がしとしとと降り続く、といった憂鬱な空模様だったので、地味にチラシ配りに励むことにしました。今回から、私の担当を3か所ばかり別の方が引き受けてくれることになったので、かなり楽にはなっていますから、先週ほとんど行けてしまったのですが、まだちょっと残っていたものがあったので、そちらを片付けます。
 まずは川内周辺の美術館や博物館に行ってみました。美術館は駐車場はガラガラだったのに、博物館の前では駐車場が「満車」ということで、「臨時駐車場」に誘導されてしまいました。それがいったいどこにあるのかと思ったら、なんと、かつては住宅地だった「追廻」が広大な更地になっていて、その真ん中あたりなんですよ。駐車場とは名ばかりの泥んこの土が丸出し、水たまりだらけの場所でした。降りてからが大変、雨の中を10分ぐらい歩いてやっと博物館の入り口ですからね。
 博物館ではこんな展示があったんですね。これだったら人気も高そうです。帰りもまたさっきの道を歩いていくのは大変だと思ったら、このあたりは確か仙台城の三の丸だったことを思い出しました。なんたって、ここのレストランが「三の丸」という名前ですからね。ということは、裏手に本丸に続く道があったはずで、そちらを通ればさっきの駐車場に近いところに出られるのではないかと思いました。確かに、さっき来た道の反対に行ってみると、道が二手に分かれていて、右は本丸方向で山の上に向かってますし、左に行くとすぐ目の前に駐車場がありましたよ。長年仙台に住んでいて、こんな大切な道を初めて知ることが出来ました。
 地図で見てみると。
 真ん中が博物館、その右のオレンジの区画が「追廻」の臨時駐車場です。私は、最初はそこから上(北)に向かって歩いてしまったので、遠回りだったんですね。
 このあたりは、いずれは広大な公園になるのだそうです。ここと博物館の間にある堀(長沼)も、なんだか水を抜いて補修工事をやってました。
 この間、ランチに髪の毛が入っていたのでタダにしてくれたレストラン「ティーズ」にも置いてきたし、これで、チラシはほぼ全部配り終えました。
 あとは、録画してあったこんなものを見ていました。
 WOWOWのドラマですが、タイトルに引っ掛かったものですから。1回目は見たものの、2回目を再放送まで録画し損ねて、それだったらいずれ再放送されるはずなのでそれまで待っていようと、それ以降は見ないでいたら、6話までをまとめて再放送していたので、それを録画して、一気に見てしまいました。斎藤工はあまり好きではなかったのですが、意外といい芝居をしているので、ちょっと見直しました。
 まあ、「下町ロケット」の作者ですから流れは読めてしまいますが、「悪役」が非常に分かりやすい人たちなので、結構楽しめます。榮倉奈々のダンナがそんな悪役サイド、というのがちょっとかわいそうですけどね。
Aventure Number : 2829 date : 2017/8/20


今日の禁断 ホームラン


 最近あちこちで目にする竹内涼真が出ていた映画をWOWOWでやっていたので、見てみました。
 こんな感じで出演していたのですが、高校の野球部員という設定なので髪も短く、なんだか、朝ドラなんかで見ていたイメージとは全然違ってましたね。はっきり言って「イモにいちゃん」という感じ、かなりがっかりです。ただ、この映画の主役は竹内クンよりはその同級生の土屋太鳳の方だったみたいで、彼女が属している吹奏楽部での出来事が大半を占める、という感じでしたから、そういう面では見ごたえがありましたね。いろんな意味で。
 まずびっくりしたのが、「吹部」という言葉。まあ、昔は「ブラバン」とか言っていたものが、最近ではそんな言い方はすっかり影をひそめたということぐらいのことは知っていましたが、まさか「スイブ」とはね。知り合いにこの関係者はたくさんいますが、そんな言葉は彼らの口からはきいたこともありませんでしたからね。いや、単に私の前では口にしなかっただけなのかもしれませんが。まあ、そんなことを言ったら、「部活」という言葉だって私が高校生の時にはありませんでしたからね。あのころは「クラブ活動」と言っていたような。
 その「吹部」の日常も、そのようなことには全く関係のない高校(大学も)生活を送ってきたものにとっては、驚くことばかりでした。指揮者の先生の言うことに、いちいち全員が大きな声で「ハイ!」などと答えているのは、まるで軍隊のようですね。その練習風景も、音楽を作っている、という感じが全くしないんですよ。みんなが心を合わせていい音楽を作りましょう、みたいな発想は全くなく、ひたすら他のパートの悪口を言い合っているのは、正直信じられませんでした。それはどうやら、「コンクール」で「金賞」を取ることが、至上目的になっているからのようなんですね。「金管が木管の足を引っ張るから、金賞は取れない」なんてことを、本気で言い合っているんですけど、あんな醜いことが彼女たちの日常だと思うゾッとします。
 それと、この巨大なメトロノームもなんか異様でしたね。こんなものを指揮者の横に置いて、いったい何をしようとしているのでしょうか。まさか、合奏の時に実際にこれを使う、なんてことはないですよね。そんなことをして出来上がったものは、とても音楽とは言えないんじゃないでしょうかね。いや、もしかしたら、そんな上っ面だけ整えたものが、今の「コンクール」では最も重要なことなのかもしれませんね。
 全くの門外漢の私にとっては、ここで描かれている「吹部」には、違和感以外のものは湧いてきませんでした。ですから、これはあくまで映画(というか、原作)の中だけの架空の出来事、物語を面白くするための誇張に満ちた世界なのだ、と思いたいものです。
 この高校の音楽の先生役は上野樹里、かつて「スイングガールズ」の時には生徒の立場だったのが、12年経って先生になれたんですから、なんかうれしくなってしまいます。あ、その前に彼女はピアニストにもなってましたね。
 いずれにしても、このような無意味な「訓練」は大人になってからはやるようなものではありません。ニューフィルのような大人のオーケストラでそんなことをやっていたのでは、私のようなぐうたら者はとても30年も続けることなんか出来なかったでしょうね。
 そんな私は、演奏だけではなくいろいろな雑務も任されているので、今週中に仕上げなければいけない仕事を2つ抱えています。その一つが、今度の土曜日の「アンサンブル大会」のプログラム作りです。きのうの練習で実行委員の人から原稿をいただいてきて、それをきちんと仕上げるのが私の去年からの役目です。その原稿が、久しぶりに「手書き」だったのも、新鮮ですね。私にとっては、日々タイピングの腕は磨いていますから、手書きでもデータでも仕上げる時間は変わりません。それよりも、まずは外見から仕上げようと思って、表紙に使う画像を作る方にかなりの時間がかかってしまいました。前の年の大会の時の写真を集めて、それをコラージュにする、というものなのですが、大量の写真を使うのでその配置に手間取ったからです。でも、当日までには十分に間に合いますから、ご安心ください。
 ここで、それぞれのチームの名前を最初に書くのですが、フルートパートのアンサンブルの今までの名前がダサかったので、独断で変えておきました。それは「ジュラシック&ガールズ」。もちろん、元ネタは「ジュラシック・ワールド」です。似てない?
Aventure Number : 2830 date : 2017/8/23


今日の禁断 アイアランド


 「あいみょん」という名前のアーティストが歌う「君はロックを聴かない」という曲が、このところヘビー・ローテーションでON AIRされています。最初聴いたときには、ずいぶん高い声の出る男だな、と思いましたね。小田和正の音域あたりを軽々と歌っていますから、なかなかのシンガーが出てきたのだな、と。なにしろ、歌詞を聴く限り1人称は「僕」、2人称は「君」で、もちろん曲のタイトルも「君」ですから、普通は男が歌っていると思うはずです。いや、最近は女性が2人称を「君」というのは、もはや日常化していますから、それはあり得ますが、なかなか「僕」と歌う女性はいませんからね。ウィスキーのCMで吉高由里子がそんなことをやっていますが、あれは完全に非日常のウケ狙いですから、問題外ですし。
 でも、ネットで調べたら、この人は女性でした。それだったら、何のサプライズもない声ですね。「僕」と「君」にしても、単に女性が男の立場になりかわって歌っていただけのことでした。「♪わたしばかよね〜」みたいな、逆のなりかわりはいくらでもありますからね。もうすっかり興味がなくなってしまいました。
 そのアーティスト写真がこれですが、小道具は割れたEPをセロテープで貼りあわせたものなのでしょうね。まあ、それこそ歌詞の「世界観」とやらを表現しているのでしょうが、実際にこういうレコード盤を日常的に手にしていた私にとっては、これはなんともウソくさい表現にしか見えません。そもそも、EPってこんなに簡単に割ることなんか出来ませんからね。そして、その割れたところがこんな白い線になるなんて、ありえません。ですから、こういうのを見てしまうとさっきの「なりかわり」の歌詞も、とてもつまらないものに思えてしまいます。
 そんな巷の出来事とは無関係に、ニューフィルのスケジュールは進んでいきます。
 まずは、明日必要な「アンサンブル大会」のプログラムが、無事に出来上がりました。最終チェックを行った時に、そもそものタイトルを間違えていたことに気が付いたときには、焦りましたね。まあ、去年のプログラムに上書きして作ったので、そこを直すのをすっかり忘れていたんですね。それと、タイトルページのコラージュをよくよく見てみたら、何人かの顔が隠れていることも分かって、その修正もしなければいけませんでした。
 それですっかり完成、もう間違いはないしこれでやることはなくなったはず、と思って、フォルダーの中を点検してみたら、去年作ったプログラムのファイルがなくなっているではありませんか。やっちまいましたね。いつもはきちんと新しく名前を付けてから上書きをしていたのに、それをすっかり忘れてしまったので、元のファイルが消えてしまったのですよ。最近はこういうミスはまずなくなったというのに。ただ、WORDファイルはなくなっても、それをPDFにしたものはネットにアップしてあったので、プログラムそのものはなくなってはいませんから、まずは一安心です。
 印刷は、去年使ったピンクの紙が少し残っていたのですが、ちょっと足らなかったので、ここは心機一転、レモン色の用紙を買ってきて、それを使います。ちょうど半分使ったので、これは来年も使えるでしょう。まあ、来年もあれば、の話ですが。
 そして、もう一つの宿題が、「2ページ分残してかいほうげんを完成させる」というものです。これも予定通りに出来上がっています。いや、もしかしたら予定以上のものが出来たのかもしれません。まあ、単なる自惚れですけどね。というのも、一応大体のページ割りだけを決めてあるだけで、どんなふうに入れていくのかはもう出たとこ勝負なんですよね。それで、最初のページは来年春の定期演奏会の曲目が決まったことをまだきっちり載せていなかったので(前回の発行の時には既に分かっていたのですが、まだ解禁になっていませんでした)、それを載せるつもりでした。それで、当初はその3曲の作曲者の写真でも入れて紙面を埋めようと考えていました。でも、それはもう今まで何度となく使っていた手なので、なんとなく避けたいな、という気はしてましたね。そこで思いついたのが・・・まあ、火曜日(これも、予定通り出来上がれば、ですが)になったらわかりますから。
 さらにもう一つ。家にはまだ聴いていないCDが山積みになっているのですが、それをチェックしてみたらこんなCDが出て来たではありませんか。こんなの買った覚えがありませんよ。いったいどこから紛れ込んだのでしょう。このタイミングでこんなCDが見つかるなんて(これも、まだ解禁になっていないので、これ以上は・・・)。
Aventure Number : 2831 date : 2017/8/25


今日の禁断 カレー


 きのうはニューフィル恒例の「アンサンブル大会」、これまでは交流ホールというただのベタなホールでやっていたのですが、3回目にしてちゃんとステージと客席のあるホールでやることになっていました。いや、単に交流ホールの倍率が高くて取れなかったためなんですけどね。でも、収容人員300人という、普通にコンサートでも使っているホールですから、こうなるとしっかり「発表会」というノリになってきますね。
 街中ですが車で行きたかったので、近くの駐車場をストリートビューで調べてみたら、こんなところがありました。
 ところが、実際に行ってみると、
 100円上がってましたね。ストリートビューは去年の8月にキャプチャーしたものですけど、もはや正しい情報を伝えることは出来なくなっていたのでした。ですから、その手前にあった「最大900円」に駐車しましたけど。
 会場は戦災復興記念館、ロビーにはしっかりニューフィルのポスターが貼られていましたよ。
 ここに持ってきたのは私ですから、うれしくなりましたね。
 コンサート(そう、もはやコンサートでした)は、しっかりホールのスタッフも付いて、照明なども本番あかりになってました。録音も、私が持ち込んだいつものレコーダーに使えるようにライン端子が用意されていました。それと並行して、スタッフがCD-Rへの録音をやってくれているのですが、2枚しか用意していなかったので、そのままでは足らなくなってしまいそうだ、と、そばにいる私に相談してきました。そもそも3枚は必要な予定だったので、ギリギリ1枚目まではこの曲まで、と指示したのですが、それが予定よりちょっと長かったので、最後は録音できませんでした。でも、私のレコーダーには全部入っていますから、何の問題もありません。
 そのほかにも、打楽器の音量が想像以上だったので、スタッフと一緒にレベルを下げたり、結構大変でしたね。
 私は今年もモーツァルトのフルート四重奏曲を演奏しましたが、去年のようにボロボロになってしまうことがなかったのは、進歩でしょうか。やっぱり、ちゃんとしたホールはいいですね。
 それが終わると、いよいよビアガーデンです。少し早目に行ってみると、こんな掲示がありましたよ。
 やはり、きのうは久しぶりの「夏の日」でしたから、みんな殺到したのでしょう。我々はちゃんと幹事さんが予約していたので、すぐに座れましたよ。
 これが、料理や飲み物などを持ってくるところ。普通のヴァイキングですね。チケットを持っていくとグラスとお皿とお箸が渡されます。それをもってここに来て好きなだけ持っていく、というシステムですね。正直期待にははるかに及ばないクオリティでした。なんと言っても、かつてのビアホールの定番の「串カツ」がなかったのは、致命的ですね。スイーツも品ぞろえはとても貧弱、ただ、ソフトクリーム(もちろんセルフ)があったので、少しは救われましたかね。
 屋上の会場では、建物の壁にプロジェクターを映写して、楽天戦を見せていました。9回裏でオコエのホームランが出た時には、みんなで拍手してましたね。結局負けちゃいましたが。
 コンサートも含めて、この打ち上げの模様が、こちらで見れますよ。
Aventure Number : 2832 date : 2017/8/27


今日の禁断 ソニー


 「アンサンブル大会」では、私は録音を担当していました。いや、別に私ではなく、しっかりホールのスタッフがステージ上のマイクを使って録音してくれるというサービスは利用していたのですが、いつものようにLINE出力も提供してもらえたので、そこに私のレコーダーをつないで、こちらはハイレゾで録音をしていました。リハーサルが始まる前にそんなセッティングをしていると、私が持ち込んだヘッドフォンは、ホールに備え付けのものと同じでした。そんなところから、スタッフは私が只者ではないことを知って、いろいろ話をしてきましたよ。
 私の予定としては、ハイレゾで録っていると1時間を超えると新しいファイルが出来てしまい、あとで編集するのが面倒なので、1時間以内にちょっと立ち寄って曲の間で切れ目を入れるぐらいで、あとはほったらかしておこうと思っていました。ですから、まずLINEの出力を決めてもらって、それでリハーサルをテストの意味で録音を始めてみます。ところが、私たちの四重奏が終わった後に打楽器の出番になったら、あまりに音が大きいので、とてもその設定では対応できなくなってしまいました。スタッフはあわてて上の調性卓まで走って行って、なんと12dBもゲインを下げてしまいましたよ。それに合わせて、私のレコーダーも録音レベルを上げておきました。ちょっと低すぎるかな、とも思ったのですが、それで打楽器がピークを超えることはなかったので、これでずっと録ることにしました。スタッフも、私の横で同じ出力でCDレコーダーを操作しています。
 本番でも、私は結構レコーダーのチェックで、そのあたりを行き来していると、そのスタッフが、「CD-Rが足らなくなりそうです」なんて言ってます。一応2枚用意してあったようですが、確かに、タイムスケジュールを見ると、休憩前は間に合いますが、休憩後がそのままでは1枚のCDには収まりそうもありません。いや、出入りの時間などをカットすれば、ギリギリ間に合うはずなんですが、そういうことはスタッフとしては出来ないのだそうです。あくまで、休憩から休憩までをベタで録る、というだけで、それ以外の操作は「お客様にやっていただく」ことになっているのだそうです。仕方がないので、前半は少し余裕があったので、後半の最初の曲をすぐそのあとに入れてみようと、提案してみました。どうせ、最後の曲は収まらないのですから、一か八かでその「セプテット」を入れてみよう、ということです。その時点で録音の残り時間は「17分」でしたから、一応各チーム「15分以内」となっているので、ギリギリ間に合うはずでしたからね。最悪、ダメでも、私のレコーダーのバックアップもありますし。
 でも、「セプテット」は、とても17分では終わりませんでした。その時点で、もうCD-Rは使えないことになったので、私のデータが頼りです。さいわい、こちらはしっかり全部の演奏が録れていました。
 その日は、Sさんに撮っていただいた写真にNさんの写真も加えて、Facebook用のアルバムを仕上げ、次の日曜日はほぼ丸1日かかって、「かいほうげん」の残ったページを作っていました。
 月曜日には、出来上がった「かいほうげん」の印刷(今回は1時間半で製本まで終わりました)、そして、火曜日に、録音の編集に取りかかります。
 それを聴いてみたら、やはり、打楽器に合わせてしまったので録音レベルがあまりに低すぎました。最初のMCなんか、全然聞こえません。仕方がないので、編集ソフトでダイナミック・レンジを操作して、打楽器以外のレベルを大幅に上げて、CD用のマスターにすることにしました。そして、余計な部分を削ったりして、マスターが出来上がりました。その勢いで、そのままCDを焼いて、「かいほうげん」に使った写真を使いまわしてジャケットを印刷、ケースはこの前の合唱の時のが残っていたのでそれに入れて、それで前半、後半それぞれ10枚のCDが出来ました。こんなことは予定してなかったんですけどね。
 それを、練習場に持っていき、こんな風にお金と引き換えに勝手に持っていけるようにしておきました。ほぼ、完売したようですね。これを見ていた人が、「野菜の産地販売みたい」と言ってましたね。あんな感じ、というか、私としては定義山の線香売場をイメージしていたんですけどね。
Aventure Number : 2833 date : 2017/8/30


今日の禁断 ケージ


 ジャズトランぺッターのHさんが、連日メディアやネットの話題になってますね。そこで語られている意見のほとんどが、なんとも見当外れで愚かなものだなあ、と感じるのは、いつものことです。
 私があの動画を見て最初に思ったのは、「これって、吹部じゃん」というものでした。この前、何とも理不尽な高校の吹奏楽部を舞台にした映画を見たばかりだったので、よく似てるなあ、と感じたのです。そこで最も重要視されるのは「全体」という思想。そこでは、あのドラムの子のようなはみ出し者は排除される存在でしかありません。そういう意味で、もしHさんが吹部の指導者だったとしたら、これはまさに賞賛すべき行動です。なんたって、「全体」のまとまりが最優先される世界でしょうからね。
 でも、私が知る限り、Hさんは決して「吹奏楽部の指導者」ではなく、「ジャズマン」だったはずです。そして、これも私が知る限り、「ジャズ」という音楽は基本的に「即興演奏」が最も価値があるとされているものです。それぞれのプレーヤーが自らのセンスをかけてオリジナリティあふれるフレーズを発すると、その他の人はそれを受けてさらに面白いソロを繰り出す、そんな相互作用から言いようのないグルーヴが生まれる。そんなものなのではないでしょうか。だから、そもそも大人数でやるものではないのでしょうね。あまり人数が多いと、そのような自由さを少し封印しても、「全体」で合わせるための約束事を決めなければいけなくなりますからね。でも、そんなことになっていても、ベースはあくまでジャズなのですから、そのような約束事は「絶対」ではないはずなのではないでしょうか。誰か一人が突然素晴らしいフレーズを思いついたのでそれをもっと続けたい、と思った時でも、それを容認できるぐらいのユルさが、その約束後のの中には組み込まれていなければ、それは「ジャズ」とは言えないのではないでしょうか。つまり、Hさんがドラムの子のスティックを投げ捨てた時点で、彼は「ジャズマン」ではなくなっていたのです。それだけのことです。
 ジャズに限らず、クラシックの世界でも「即興性」を重視しようという動きはありました。それは、おそらく約束事に縛られることに飽きてしまったクラシックの作曲家の、ささやかな息抜きだったのかもしれません。気が付いたら、世の中の新しい(クラシック)音楽が、何かしら即興性を求められるようになっていましたね。もちろん、それは長続きすることはありませんでした。その頃、そういうムーヴメントの先陣を切っていた作曲家のIさんなども、最近はすっかり丸まってしまって、この間中あの朝日新聞の連載インタビューに登場していたりしましたからね。クラシックの世界では、せいぜい「管理された即興性」ぐらいしか、生き残る道はありませんでした。それは、当然の帰結です。なにしろ自然倍音の中から長三和音を発見したように、生理的な要因をうまく体系づけ、「規則」を作って拡大を図ってきたのがクラシック音楽だったのですから。
 ですから、そういう音楽で「アンサンブル大会」を楽しむには、何回も何回も練習をして、きっちり「約束事」をメンバー全員が共有できるような「訓練」が必要になってきます。唐突ですが、あの録音を聴き直しているうちに、そんな気持ちになってしまったものですから。来年はもっとシビアに練習しないと。
 聴き直した、というのは、リハーサルの時に録音していた音源でした。まずは普通に飽和しない程度に高いレベルで設定しておいて、私のアンサンブルなどを録音していたのですが、そのあと打楽器のダイナミック・レンジに合わせて思い切りレベルを下げたものですから、CDにするときには編集でレベルを上げなければいけませんでした。その元の高レベルのリハーサルと、低レベルを修正した本番とを聴き比べてみたんですよね。当然のことですが、最初から高レベルで録音した方が、格段にすぐれた音でした。ですから、またこのような機会があったら、きちんと音源ごとに最適のレベルに設定できるようになれば、いいですね。
Aventure Number : 2834 date : 2017/9/1


今日の禁断 バルコニー


 仙台オペラ協会の「フィガロ」を見てきました。なんでも、このカンパニーがこれを上演するのは、これが5回目になるのだそうです。まあ、昔から市民オペラの定番としてこの「フィガロ」が好まれていましたから、そういうことにもなるのでしょう。直近の公演は2004年、末廣さんの指揮でした。それも私は、プレ企画として小さなところで「サワリ」を演奏したものと、本番とを見に行ってましたね。末廣さんの指揮がかっこよすぎて、歌手がどうだったかなんて全然覚えていませんけど。
 今回は、半分義理で買わされたようなものでしたから、そんなに期待はしていませんでした。正直、私は「フィガロ」はあんまり好きではありませんでした。モーツァルトだったら「魔笛」か「ドン・ジョヴァンニ」か、と思っていましたからね。実際、今まで何度もCDで全曲を聴いてますし、生の公演も何度か行ったことがありますが、特に後半の2つの幕が退屈で、途中で飽きてしまうんですよね。第4幕などは、いまだに何がどうなっているのか分からないぐらいでしたから。
 ですから、県民会館に入って演奏予定時間を見たら、休憩を入れて4時間近くかかるとあったので、もううんざりしてしまいましたね。なんと言っても、ソリストが全員、例えば新国立劇場並みの水準の人ではありませんから、そんなのを4時間も聴いていられるか、という気がしますから。
 確かに、最初の頃はまず歌手の皆さんのあまりのレベルの違いにのけぞってしまいました。フィガロとスザンナ、そして伯爵はとても素晴らしいのですが、その他のキャストがいまいちなんですね。ケルビーノなどは殆どオンチですし。
 でも、それを我慢して聴いていると(たとえば、オケピットの木管を眺めているとか)、なんだか演出がとても心地よいことに気づいてきました。別に変なことをやっているわけではなく、ごく自然な演出なのですが、なんともしっくりくるんですよね。第1幕ではフィガロがケルビーノをからかって歌う「Non piu andrai」の時に、ケルビーノを座らせて髪の毛を切ったりするんですが、確かにフィガロは元は理髪師だったんですよね。こんな演出は初めて見たような気がします。今回の演出家は渡部ギュウさん、基本的に演劇畑の人ですから、ご本人もオペラの演出は得意ではないようなことをプログラムに書いていましたが、逆にオペラ専門の演出家では見逃すような、演劇人としての視野のようなものが、感じられるのです。
 それに気が付いてしまうと、苦手だった後半の2つの幕がとても面白く見られるようになってきました。なんか、第4幕の仕組みが初めてよく分かったような気がします。それとともに、ダ・ポンテが巧妙に仕組んでいた伏線にも気づくことが出来ました。いやあ、「フィガロ」って本当はこんなに面白いオペラだったんですね。
 その第4幕では、確か2004年の公演ではカットされていたマルチェリーナとドン・バジーリオのアリアがしっかり歌われていましたね。ですから、生でこのアリアを始めて聴くことが出来ました(CDでは大体演奏されます)。つまり、前回はアリアがなかったテノールのJ先生は、今回はちゃんと歌えた、ということでしょうね。
 後半に出てくるアントニオも、とてもいい声だし芝居もうまいので、「客演」とあるから東京あたりからわざわざ呼んだ人かな、と思ってプログラムを見たら、なんと、かつて同じ合唱団で歌っていた人だったではありませんか。そういえば、オペラに出たこともあると聞いたこともありますし、本当にいい声をしていましたね。
 結局、あんまり楽しいので4時間なんてあっという間に過ぎてしまいました。見事に「期待を裏切られた」オペラでした。
Aventure Number : 2835 date : 2017/9/3


今日の禁断 モンブラン


 秋ですね。果物がおいしい季節になりました。梨とかブドウとか栗とか。え、栗?栗って果物だったの?
 私も、「栗ごはん」なんかを見ているとなんだか栗は野菜っぽいと思えたので調べてみたら、「木になるものは果物」なんですって。単純明快ですね。でも、そうなるとスイカは野菜なんですかね。新たな謎が生まれます。
 ということで、以前にもご紹介した「山江栗」の季節となりました。実は、こんなもろにその栗のことを扱ったFacebookをフォローしているものですから、「今年のやまえ栗の収穫が始まりました」などというタイムラインが次々と目につくようになっているのですね。なんでも24日には「やまえ栗まつり」なんてイベントも開催されるそうですよ。
 もちろん、これは熊本県にある「山江村」で収穫される栗をブランドにして売り出しているのでしょうが、この際だからと、色々調べてみたら、WIKIにその名前の由来が載っていました。そこには「1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、山田村と万江村が合併して村制施行」とありましたよ。ということは、「山江」というのは昔からあった名前ではなく、「山田」の「山」と「万江(まえ)」の「江」を組み合わせた造語だったのですね。「万江」というのは、近くに「万江川(まえがわ)」という川が流れていたから付いた名前なのでしょう。「国分寺と立川の間にあるから国立」みたいな軽いノリだったとは。ですから、ここには「山江さん」がたくさん住んでいるわけでは決してないんですね。かなりがっかりです。
 ということで、もはやルーツでも何でもないことが分かってしまったのですが、いつかは実際に行ってみて、「山江村役場」の前で写真でも撮ってみたいものですね。ストリート・ビューで見てみても、役場の入り口までは行けませんでしたから。いずれこんな「村」は合併吸収されてその名前もなくなってしまうのでしょうね。
 この間のニューフィルのイベント、「アンサンブル大会」のCDは、先々週の練習の時にパート1、パート2とも10枚ずつ作って机の上に置いておいたのですが、私は後半の曲は降り番だったので、それまでに集まった11枚分のお金を回収して、そのあとは買う人がいてお金を置いて行ったらそのままケースの中に入れて倉庫にしまっておくように頼んでおきました。あとで聞いてみたら、私が帰ったあとでも何人か買った人がいたようで、残りはもう2、3枚になっていた、ということでした。その時は、どちらが何枚なのかは聞かなかったのですが、パート1の方が出演者が多かったので、それは完売して、パート2が3枚ぐらい残ったのだろう、と推測しておきました。そこで、パート1だけもう1枚作って、きのうの練習の時に置いておこうと思いました。
 そして、きのう、倉庫からそのケースを出してみたら、そこには想像通り6枚分の代金と、パート2のCDが3枚残っていました。ですから、そこに新しい1枚を加えてまた置いておいたら、1と2を、同じ人が両方買ってくれましたね。その人は、どちらのCDでも演奏していたのでした。衣装まで替えて。
 ということで、売れたCDは全部で何枚だったでしょうか。
 同じように、机の上に置いてあった定期演奏会のチラシとポスターですが、とうとうポスターが「完売」してしまいました。おそらく、もうみんなの分担分は行き渡っているはずですが、私が持っている分では3本ぐらいだったら余りそうです。次回からは、もう少し増やしてもらいましょうかね。
 そういえば、この間のオペラの時に、プログラムにニューフィルのチラシは挟み込まれてなかったですね。市民響のはあったのに。
Aventure Number : 2836 date : 2017/9/6


今日の禁断 マダム


 私が今使っている楽器のケースは、フルートとピッコロを一緒に収納できるダブルケースです。オーケストラではピッコロを吹く機会が結構あるので、いつでも一緒に持って歩けるので重宝しています。ただ、これは前に使っていたムラマツで作ったケースなので、今のパウエルにはちょっとサイズが合わないところがありました。あちこちにフェルトを詰めて、補正をしています。それで、この間仙台で調整を受けた時に、パウエルには同じようなダブルケースがないか聞いてみたら、あるけれど、アメリカに注文しなければいけないというので、一応予約だけして待つことにしました。それが、ついこの間入荷したという連絡があったので、今度の日曜日に新宿のお店まで行って、見せてもらうことにしました。送ってもらって、もしサイズが合わなかったりしたら面倒ですからね。
 それで、せっかく行くのだから、まずはこの間混んでいて入れなかった上野のアルチンボルド展に、まず行ってみようと思っています。そして、なにか面白そうなコンサートはないかと調べてみたら、サントリーホールで戦中あたりの日本人作曲家の作品を、下野さんが指揮をする、というコンサートが見つかりました。3時からというので、これに行くことにしたのですが、ぴあでチケットを買おうと思ったら座席指定が出来ない設定だったので、チケットは当日券を買いましょう。ほとんど売れていないようでしたから大丈夫でしょう。
 そうしたら、同じ日の1時半から、今度のニューフィルの定期の指揮者の橘さんが指揮をするアマオケのコンサートが、ミューザ川崎で行われる、という情報が見つかりました。これも魅力がありますね。でも、いくらなんでも完全に時間がかぶってますし、そもそも川崎と六本木では遠すぎます。でも、川崎の方は前半だけということにすれば、もしかしたらサントリーには間に合わないまでも、1曲目を聴き逃すぐらいで間に合いそうな気がしてきました。川崎のプログラムは、前半が「フィガロ」序曲と、シューマンの「交響曲第4番」の「第1稿」なんですよ。こちらの稿だと、改訂稿よりも短いので、20分ちょっとで終わってしまいますから、そこでホールを出れば、川崎駅には2時半には間違いなく着きます。
 ですから、それをスタートにして、ルートを3パターンに絞ってサントリーホールまでのシミュレーションを行ってみました。
  1. 川崎→(JR東海道線)→東京→(JR中央線)→四ツ谷→(東京メトロ南北線)→六本木一丁目→(徒歩)→3時18分着
  2. 川崎→(JR東京上野ライン)→上野→(銀座線)→溜池山王→(徒歩)→3時25分着
  3. 川崎→(JR南武線)→武蔵小杉→(東急目黒線+東京メトロ南北線)→六本木一丁目→(徒歩)→3時23分着

 1時間かからないで、着いてしまうんですね。もうちょっと早く乗れれば、うまくすれば開演に間に合ってしまいますよ。
 これを調べていて、「東京上野ライン」というのが出来ていたのを、初めて知りました。湘南新宿ラインみたいに、東北線や高崎線が、そのまま東海道線につながっているんですね。ですから、まず上野から川崎までは乗り換えなしでたった25分で行くことが出来るんですって。凄いですね。
 あと、東京メトロの「南北線」というのも、やっと全貌が分かりました。こちらも最近全線開通したんですね。そういえば、白金台あたりの人がホームドアがすごいと驚いていたのをネットで見たことがありましたっけ。
 川崎の方のシューマンは、まだ第1稿をちゃんと聴いたことがなかったので、NMLで探して見たら、なんとサヴァリッシュの録音なんてのがありました。
 あの時代の人が第1稿を録音していたなんてちょっと不思議に思いつつ、第1稿の楽譜を見ながら聴いていたら、それは普通の改訂稿でした。NMLでも、英語ではちゃんと「1851年改訂版」と書いてあるじゃないですか。
これは日本のNMLのスタッフの凡ミスですね。もっと言えば、上のリストで「第1稿」のことを「原典版」と言っていますが、この程度のいい加減な知識しかない人が、こういう仕事を任されていることが全く信じられません。別のセクションでしょうが、CDの帯解説もデタラメだらけですしね。
Aventure Number : 2837 date : 2017/9/8


今日の禁断 チキン


 前回、今日の予定を書き込んで、ミューザ川崎からサントリーホールまでのルートと必要時間の調査結果を発表したところ、Facebook経由で「もっと早いルートがあるよ」と教えてくれた人がいました。確かに、それだと、川崎駅からサントリーホールまでの時間が、あの時の最短の48分から31分と劇的に短縮できますよ。ですから、スタートを10分早めて川崎発14:20の東海道線に乗れば、楽々開演前に着くことができることが分かりました。それは、新橋でJRから銀座線に乗り換えるというもの。確かに、これだったら全く無駄のない経路になりますね。さすがは東京民。
 ということで、まずは10:30に上野に着いたので、アルチンボルド展に向かいます。今度はチケットを前もって買ってあったので、すぐに入れました。展示は地下なんですね。
 ところが、降りたところでまた長い列が出来ていました。ここでまず入場制限がかかっているのでしょうか。
 でも、一旦並んで周りを見ると、別のところに「展示入口」がありました。そう言えば、なんか体験型のアトラクションがあったようなことを聞きましたから、この列はそちらの方なのでしょう。そんなところで時間を使ってはいられませんから、すぐに展示に向かいます。
 しかし、入ってすぐのところで、代表作の「水」の前にものすごい人だかり。なんか、ちっちゃなガキが「あのお魚な〜に」なんていちいち母親に聞いていて、全然動こうとしません。すぐそばで見たかったので、そのガキがどくのを待ってましたよ。でも、それから先はそんなに混んではいなかったので、大体見られました。というより、ここで1枚でも原画をみておけば、残りは図録で見た方がはるかにちゃんと見れるような感じでしたからね。
 ですから、1時間もかからないで、ここは終わってしまいました。お昼ご飯も、上野のエキナカでゆったり食べられて、川崎には12時には着いてしまいましたね。ですから、かなり前の方に並んで待ってられて、こんなところで見ることが出来ました。
 橘さんは暗譜で指揮をしていましたね。ニューフィルの時は楽譜を置いていたような気がしますが。やはり、こういう音の良いホールで演奏できるアマチュアのオーケストラは羨ましいですね。13:30ちょうどに始まって、「フィガロ」とシューマンの4番(初稿)が終わったのが14:05でしたから、ダメモトで駅まで早足で歩いたら、14:10の電車に間に合ってしまいました。ですから、シミュレーションどおり、14:41にはサントリーホールの前にいましたよ。
 予想通り、当日券はたくさんあって、目指す安いRA席のチケットも取れました。こんなところです。さっきの席と同じ感じですね。
 下野さんの指揮の東京フィルが、戦中に作られた日本人の作曲家の作品を演奏するという企画、正直退屈するだろうと思っていたのに、もうすっかり入り込んでしまって、面白いのなんのって。2曲目の山田一雄の曲などは、完全にマーラーの5番の第1楽章のパクリですからね(と、パンフレントに、片山さんも書いてました)。それと、やはりプロのオーケストラの音は、さっきまで聴いていたアマオケとは別物でした。
 お客さんはけっこう少なめ。あちこちに空席が目立ったので、後半は噂のRC席に移ってみました。ここはさっきの席の倍の値段ですが、誰も来ないのだから構わないでしょう。ここの音は本当にすごいですね。途中でアカリさんの長いフルート・ソロがあったのですが、さっきのRA席の直接音とは全然違って、えも言えぬ間接音がまとわりついているんですよね。ただ、このゾーンは席によってはステージの端が見えないところが出てきますね。
 これは、伊福部昭のピアノ協奏曲だったのですが、もうノリノリの曲で、最後の楽章では「ゴジラ」のテーマまで聴こえてきます。これでもうおなかがいっぱいになってしまったので、そこでまた休憩が入ったのを機に、ホールを出ることにしました(この時点で帰る人が結構いましたね)。そして、今度は新宿まで行くのですが、その話はまた明日。
Aventure Number : 2838 date : 2017/9/10


今日の禁断 ボンド


 上野でアルチンボルド展、川崎でミューザ川崎、そして六本木でサントリーホールと、それぞれに貴重な体験をした後は、今回の上京の当初の目的だった新宿のパウエル・ジャパンです。いつものことながら新宿駅の西口は出られません。迷っていてたまたま小田急線の改札の前を通ったら、「火災事故で全線運休しています」と大騒ぎでしたね。
 外にさえ出れば、あとは間違えることはないので、ビルの8階にあるパウエル・ジャパンに到着です。店員のSさんがいたので声をかけたら、「仙台の〇〇さんですね」とすぐに分かってもらえて、ケースを出してきました。
 これが、今使っているケース。隙間があるので、あちこちに詰め物が入っています。
 これが、きれいに収まるかどうかを確かめるために、これを丸ごと持ってきてありました。さっそく新しいケースを開けてみると、
 さっそく、楽器を入れてみます。
 ピッコロもちゃんと収まりました。でも、これでは私の注文は満たされてはいません。上のように、ピッコロの頭部管を抜いた状態で収納できるように、とお願いしてあったのですよ。
 仕切りを動かせば、このように頭部管を別に収納できますね。でも、これでは固定されませんから、使い物になりませんね。Sさんは、「間に何か入れて、動かないようにしましょうか」とか言って、技術の人を呼んできました。
 技術の人は、ちょっと悩んでいたようですが、「じゃ、何か作ってみましょうか」と、これを持って仕事場に引きこもってしまいました。待たされること30分。彼はこんなパーツを作ってきました。スポンジを切って、まわりにケースの中と同じフェルトが貼られています。まだ接着剤の臭いがしてましたね。
 これをケースにはめ込むと、こうなります。
 見事、頭部管が収まりましたね。
 もちろん、追加料金などは無し、親身になって希望をかなえてくれた、という感じですね。ま、これがまっとうな商売ということでしょう。でも、今までにこういう希望を出した人はいなかったんでしょうかね。ケース自体は在庫として何個か取り寄せていたようですが、普通は何もしないで使っているんでしょうね。
 今はピッコロの担当はありませんが、前回は「運命」とマーラーの5番で使いましたし、次回の定期でもおそらくどれかにはピッコロで参加するのでは、という気がするので、しっかり働いてもらいましょう。
 小田急線の事故はJRには何の影響もなかったので、無事東京駅まで行って新幹線に乗れました。「大人の休日パス」の期間中なので、例によって満席。もちろん私は指定席券を何種類か買っておいたので座ってこれましたが、デッキに立っている人はたくさんいましたね。最近は「立ち席特急券」というのが発行されているのだとか。それは号車が指定されていて、デッキが込み合わないような配慮がなされているようですね。そんなことをするより、臨時便を出す方が、まっとうな商売なのでは、と思いますけど。
Aventure Number : 2839 date : 2017/9/11


今日の禁断 ブラームス


 この間ミューザ川崎で聴いてきたのは、ソニー・フィルというアマチュアのオーケストラでした。その名の通り、ソニーの社員やOB、家族がメンバーのオーケストラです。なんでも、その演奏会は「定期演奏会」とは言わないで、ただの「演奏会」なんですって、「不定期」なんですね。そのわけがプログラムに書いてあって、まず会場を取ってから、演奏会の企画を始めるんですって。それがなかなか取れないので、「定期」は無理なんだとか。そういう人気のあるコンサートホールしか使わないんですね。今回は川崎ですが、調べてみるとトリフォニーとか東京文化会館とか、大きなホールばかりでした。確かに、そういうところはプロのオーケストラだけではなく、アマチュアもよく使っていますから、なかなか取れないのかもしれませんね。
 ということは、当然そのぐらいのお客さんを集めるだけの力があるのでしょう。確かに、私は開場の30分前に当日券を買って並ぼうとしたら、すでに20人ぐらいの列が出来ていましたからね。そして、開場間近になると、コンサートホールの前のかなり広いスペースはお客さんで一杯になってしまいました。主催者はもう心得たもので、列ができる前からしっかりロープを張って、きちんと列が蛇行できるように準備をしていましたからね。おそらく、あの感じだと、県民会館だったら列がホールの建物を一回りして頭に戻ってくるぐらいの人が並んでいたのではないでしょうか。
 でも、私はかなり前の方でしたから、席は選び放題でした。ここには1回来たことがあったので、並んでいるうちからどこの入り口から入ってどこの席を目指すか、ということを考えていましたね。そこで選んだのが、オケの真横の席です。ただ、そのようなマニアックな席はあまり人気がないようで、もっぱら1階席や正面の席が埋まっていきますね。
 おそらく、1000人は軽く超えているぐらいのお客さんが入ったみたいですね。一番上の席(3階席?)はほとんどいませんでしたが、それ以外のところはほぼ埋まっていましたから。羨ましいですね。その客席の間に、さすがソニーと思えたのは、ビデオ・カメラがたくさん設置されていたことです。おそらく、そのあたりの専門の部署から人が来ているのかもしれませんね。ステージの上にはワンポイントのマイクが1本あるだけでしたので、録音はそれほど凝ったことはしていなかったのでしょうが、もちろんハイレゾで録音ぐらいはしていたのでしょう。
 プログラムには、団員メンバーのほかに、こんな紙が挟まっていました。
 ちょっとこれはすごいですよ。すべてのメンバーが、曲によってどこに座っているかが、全部わかるようになっているのです。これを見ると、まあ、管楽器がそれぞれのローテーションで変わっているのは分かりますが、弦楽器まで曲ごとにプルトが変わるんですね。ファースト・ヴァイオリンなどは全ての曲で場所が変わっていますよ。なんか、ちょっと不思議な発想ですね。それがソニーのやり方なのでしょう。身内が見に来た時には、場所が変わってもどこにいるかがわかって都合がいいかもしれませんね。
 橘さんは、暗譜で指揮棒を持たずに指揮をしてました。1曲目の「フィガロ」が終わったところで、管楽器や打楽器の人をいちいち立たせていたのも、やはりソニーならではの配慮なのかもしれませんね。そのあとは、次の予定があったのでどうなっていたのかは見ていません。演奏はとても垢抜けていましたね。
 プログラムには次回の予定が書いてありました。それは来年の6月にトリフォニーなのですが、その指揮者が新田さんでした。新田さんはこれが2回目のようですね。そして、序曲がゲーゼというのはいかにも新田さんらしいものですが、シンフォニーはメンデルスゾーンの「宗教改革」でした。ということは、これは「第1稿」で演奏する可能性が非常に高いですね。というか、新田さんだったら絶対「第1稿」でしょう。
Aventure Number : 2840 date : 2017/9/13

17/9/15-17/10/29