2801(17/6/16)-2820(17/7/30)

今日の禁断 バーンスタイン


 このところ、差し迫っての必要な仕事(「かいほうげん」の発行とか)はないので、もっぱら先の予定の下調べのようなことに精を出しています。とりあえずは来月行くことになっている渋谷駅周辺の情報収集です。目的地は駅前の「ヒカリエ」ですが、実はここが出来てすぐに行ったことはありました。確か、鎌倉で親戚の結婚式があった時に、前日に鎌倉駅前のホテルにチェックインしたらあとはヒマだったので、渋谷のタワーレコードにでも行こうかと思って、その前に食事に寄ったのでした。その時は、普通にハチ公前の改札から出て、そのまま地上を歩いてヒカリエの1階から入ったのですが、今回調べてみたら、どうやら駅から直通の歩道橋のようなものが出来ているみたいなんですね。渋谷駅から道路をまたいで、直接ヒカリエまで行けるという、仙台駅だったらヨドバシみたいになっているようなのです。それで、どこからその通路に続いているのか、色んな構内図を探して見たら、JRだと「中央改札口」からそのまま行けるようなんですね。その改札は、なんだかずいぶん高いところ、建物の3階あたりにあるようでした。
 昔、東京近辺に住んでいた時には、確かそんなところに改札なんかなかったような気がします。だいたい行ったのはNHKホールでしたから(N響の定期会員でした)普通にホームから階段を下に降りてハチ公前に出て、そのまま公園通りまで歩くというコースです。でも、最近は渋谷駅に行くとそんな単純なことではなく、上の方に行く階段やエスカレーターがあるようになっていましたから、そこを上るとその「中央改札口」に出るのでしょうね。そういえば、前に埼京線で渋谷で降りた時も、ホームからとてもとても長い通路を歩いた末にそんなところに出たような記憶があります。おそらく、埼京線が出来たころにこの改札口が出来たのではないでしょうか。ですから、今度は山手線のホームから上に上って、果たしてそこにたどり着けるか、試してみることにしましょう。
 そんな地図を見ていたら、そのJRの改札口の真向いに、地下鉄銀座線の改札(出口専用)があることが分かりました。銀座線というのは、地下鉄のくせに渋谷のあたりでは高架になっていて、そのままビルに突っ込んでいる、というイメージがあったのですが、こんなところに出口があったんですね。というか、何度かそこまで実際に乗ってきたことがあるはずですし、渋谷駅からも何階分か階段を上って銀座線の乗り場まで行っていたはずなのですが、そんな記憶もあいまいになっていました。もしかしたら、そんな記憶のかなたにあった改札口にまた出会えるかもしれませんね。まあ、お互いだいぶ変わっているはずですから、もう昔の面影はなくなっているのかもしれませんけどね。
 渋谷での目的地は、ヒカリエの中にあるシアターオーブです。そこで、ブロードウェイ・キャストの「ウェストサイド・ストーリー」が上演されるので、見に行くつもりです。これも、いろいろサイトを調べていくと、同じ演目がこの劇場のこけら落としでやってきた時のことを書いたブログがたくさん見つかりましたが、なんだかカットされていたところがあったようですね。確かに、上演時間も劇団四季だと3時間近くかかるものが、2時間半しかかかっていないみたいでした。まあ、私だったらどこがカットされているかはすぐ分かりますから、逆にそんなところを見つけるのも楽しみです。
 今回の上演に関しても特設サイトが出来ていて、さる有名指揮者がこんなインタビューを載せていましたね。実は、プロモーション用の番組(「番宣」ですね)が放送されていたので見ていたのですが、それがそのまんまここに転載されていたのでした。写真もその時のもの、なんだか別人のようにたるんだ顔になっているな、という印象を受けましたね。このインタビューの中で彼はこのミュージカルの音楽的なことを語っているのですが、その中で重要なモティーフとして「ド、ファ、ソ」という音型を述べています。ですから、普通の人が聴いたらそれは「C,F,G」だと思ってしまうでしょうね。でも、そんな単純な音型では、何の面白味もないのでは、とも思うのではないでしょうか。本当は、これは「C,F,G」ではなく、「C,Fis,G」なんですよね。まあ、彼の頭の中では「ファ」にシャープが付いていたのでしょうが、テレビを見る人でそんなことが分かる人なんかいませんって。それよりも、どうせ移調されているんですから「ファ、シ、ド」と言った方が正確に最初の増4度とそのあとの半音がきっちり伝わるはずなのに。
Aventure Number : 2801 date : 2017/6/16


今日の禁断 ハンバーグ


 私が最近参加している1発オケ、「杜の都合奏団」は、これまでに年2回のペースで6回のコンサートを行ってきましたから、もはや「1発」ではなく、「6発」の実績のあるオーケストラになっていました。でも、それも今回の「7発目」で終わることになってしまいました。このプロジェクトは指揮者のNさんがお一人ですべてのこと、人集めから会場の手配、もちろん練習と本番の指揮もすべて行っています。なんたって打ち上げの会場手配までも行っているという、まさに「ワンマン・オーケストラ」ですからね。ですから、そのNさんが仙台からいなくなってしまうことになれば、もう存続は不可能となるのです。今度のコンサートは言って見れば、「弔い合戦」でしょうか。いや、別にお亡くなりになったわけではありませんが。
 そこで、彼が選んだのが、マーラーの大曲「交響曲第5番」です。しかも、このオーケストラの今までのサイズをはるかに超える、「16型」というフルサイズのメンバーで演奏するというのですよ。普通、オーケストラの楽器編成はスコアに書かれていますが、実際に必要な人数までは書かれていません。つまり、管楽器はどの楽器が何本ときちんと決まっていて、それぞれが別々のパートを演奏しますが、オケの要である弦楽器の場合は、単に「弦楽5部」となっていて、ファースト・ヴァイオリン、セカンド・ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの5つのパートだけ書かれているだけで、それぞれのパートが何人ずつ必要か、というのは、ほとんどの場合楽譜には書かれていません。「ほとんど」というのは、きっちり何人とスコアに書く作曲家とか、ファースト・ヴァイオリンだけで16種類の楽譜を作って、それぞれ別のことを演奏させようとしている作曲家も、「現代音楽」ではよくあるからです。
 もちろん、いわゆる「クラシック」と呼ばれているオーケストラの曲では、そんなことはありませんから、その弦楽器の数は、演奏家に任されていることになります。プロのオーケストラの場合、貧乏なオーケストラはたくさんの奏者は雇えないので、「12型」ぐらいになりますが、お金持ちだと「16型」とか、「18型」で演奏することができるようになります。この「〇型」の数字はファースト・ヴァイオリンの人数、それよりスコアで下段になるにしたがって通常2人ずつ減っていきますから、「12型」では「12+10+8+6+4=40」で40人、「16型」では「16+14+12+10+8=60」で60人の弦楽器奏者が必要になるのです。
 「杜の都」では、今まではせいぜい10型でやってきたものを、今回は16型まで増やそうとしていました。とてもそんなことは無理だろうと思っていましたね。ニューフィルでさえ、そんな人数には全然足らないので、毎回エキストラさんに加わってもらっていますからね。しかし、Nさんはそれを集めてしまいましたよ。16型の弦楽器に、一部の金管楽器にはアシスタントを付けて、総勢95人編成のオーケストラを準備してしまったのです。これは、人数だけだったら仙台のプロオーケストラよりも大きなサイズになっていますよ。これでマーラーを演奏すれば、ものすごい迫力が出せるはずです。
 とは言っても、やはりいろいろ忙しい人たちの集まりなので、最初から弦楽器が全員揃っているわけではありませんでした。張り切って人数分の椅子を並べてみても、かなり空きが目立つ、という状態が、今までは続いていますが、まあ、先は長いのでそのうちこれが全部埋まるようになるでしょう。いや、いまだって、ニューフィルの音出しの時よりははるかに多い人数がいるので、ぐっとくるところもありますからね。1楽章の最初に弦楽器でテーマが出てくるところなどは、最初に聴いたときにはゾクゾクしましたからね。
 ただ、正直、この曲で私の担当のフルートはそれほど重要な役目はありません。はっきり言ってかなりヒマ。Nさんも、私に「フルートはあんまり目立たないんですねえ」なんて言ってましたね。そして「次回は、もっと活躍してもらえる曲をやりましょう」と続けました。え?次回?・・いや、それはたぶん私の聴き間違いだったのでしょう。
 きのうは、午前中にその3回目の練習がありました。その時は弦楽器だけではなく、管楽器も、かなり空席が目立ちました。オーボエが誰もいないので、長い休みではきっかけが分からずに早く出てしまったりしてしまいましたね。でも、たまにはこんなシビアな練習も必要です。
 それが終わって、すぐそばのおなじみのイタリアン・レストランでランチを食べたら、ソースの中になんだか毛髪のようなものが見えました。ちょっとこれを口に入れていたらつらかったな、と、それをお皿に貼り付けておいたら、下げに来たフロア・スタッフさんが気が付いて、「申し訳ありません、お作りしなおします」なんて平謝りです。別にそんな必要もなかったので「いいですよ」と言ったのですが、結局シェフまで出てきて謝ってくれ、代金は要らないということになりました。誠意がありますね。ちょっと前に、東京の大きなお店でエビのてんぷらを食べたら背ワタが残っていた、ということがありましたが、その時には別に店長も出てきませんし、代金もしっかり取られましたからね。それが、東京と仙台との違いです。東京の人は、どこかで人として必要なことを忘れてしまっています。
Aventure Number : 2802 date : 2017/6/18


今日の禁断 クールビズ


 きのうはニューフィルの合奏でした。その前の週は分奏だったので、なんか久しぶりという感じ。この旭ヶ丘市民センターの大ホールは、今の時期になると晴れた日などはもうサウナのような暑さになっていることがあります。それでも確か6月にならないと冷房は入れられない、みたいな規定があるようで、そんな時はもう地獄ですね。きのうも、4階のエレベーターを降りたらなんとなくムッとしていたので、これはまだ冷房は入っていないと思いました。ですから、みんなが集まってきて椅子並べなどをやっていると、もう汗びっしょりになるぐらいでしたね。そこで、一応事務室に、ダメかもしれないけれど冷房を入れてもらうように頼んでみることにしましたよ。このまま練習を始めたら、きっと熱中症で倒れてしまう人が出てくるかもしれませんからね。
 いや、もちろんそれはウソで、今まで練習中に暑さで倒れた人なんか見たことはありません。ただ、最近はかなりお年を召した人も団員の中に出てきましたから、そういう人はもしかしたら、と思うじゃないですか。
 それで、内線電話できいてみると、受付の人は「もう冷房は入れてありますよ」ですって。なんでも、しっかり室温も分かるようになっているので、、それでちゃんと管理しているから、間違いないのだそうです。でも、実際に全然涼しくないのですから、現場では全く冷房が入っていないと判断せざるを得なかったのですが、そこまでいうのならしばらくしたらいくらかは涼しくなるのでしょうから、我慢することにしましょうか。部屋にあった温度計を見ると、確かに26度ぐらいになっていましたから、それだと「温度管理」の範囲内には違いありませんからね。
 結局、前半の私の出番が終わるころになって、やっと涼しいかな、と思えるぐらいの温度には下がって来たみたいですね。でも、やはりこれは「温度管理」ではなく、使っている人が「暑いな」と思う感覚の方を大切にしてもらいたいものですね。でも、来週あたりは寒すぎるぐらいにギンギンに冷えていたりするかもしれませんね。そんな攻防は、夏一杯続きます。
 そろそろ「かいほうげん」の準備に入らなければいけない時期になっているのですが、いまいちインパクトのあるネタが集まらないので、ちょっといつ発行できるかは分からない状況にあったのですが、今年も「アンサンブル大会」をやることになって、その案内を出してほしいという希望が出されたので、それに合わせて具体的に動き出すことにしました。そうなると、それまでに確実に準備をしておかなければいけないことが出てきますから、それを順次片づけていく、というのが、私の手順です。
 そこで、まずは新入団員の写真を撮ります。今回、載せなければいけない人は全部で6人にもなっていましたから、早めに撮っておかないと間に合わなくなってしまいます。顔を合わせるのは毎週の合奏の時しかないので、その人がお休みされてしまうとどうしようもありませんからね。それで、網を張っていると、そんな被写体が続々とやってきました。その人が荷物を置いて楽器を組み立て終わるのを待って、「ちょっと、顔、貸してください」と、隣の個室に誘い込みます。そこで、とてもネットでは公開できないような写真を撮ることになるのです。
 いえ、別にヘンタイなアブない写真ではありませんよ。こんなふうに、そこにある白い扉をバックにして、楽器と一緒に撮影するだけのことです。
 結局、合奏が始まる前には、5人分の写真が撮れてしまいましたよ。すごいですね。もう一人も、休憩時間には来ていたので、これで全員分が撮れました。幸先がいいですね。これさえあれば、もうあとはいつもお願いしている原稿も締め切りまでには確実に入ってくるでしょうから、これで次号は完成したも同然です。
 写真を撮った人のほとんどは、今回が再入団で私のことは知っていますが、その他の人はまだ誰がどんな仕事をしているのかわからないはずです。一人の人は、私が「かいほうげん」を作っているということを知って、とても驚いた様子でした。「アマチュアの内部資料で、こんなすごいの作ってるなんて、信じられません」なんておっしゃってましたね。そうなんですよ。この前のお寺でのコンサートの住職の前説と同じで、慣れていない人は一様に驚くんですよ。
Aventure Number : 2803 date : 2017/6/21


今日の禁断 ライブラリー


 きのうの「おやぢ」では、ブックレットの間違いだけではなく最後にはNMLの間違いを指摘していましたね。そこではシベリウスの合唱曲「フィンランディア」についての情報が間違っていたのですよ。
 「フィンランディア」というのは、シベリウスが作った、おそらく彼の作品の中ではもっとも有名な管弦楽曲ですね。その中間部にとても美しい旋律の部分があるのですが、それを合唱に直したものもよく演奏されます。シベリウス自身が編曲したのは、最初は無伴奏の男声合唱のためのバージョンで、その時の歌詞はヴァイノ・ソラという人のものでした。さらに、内容がもっと愛国心が強調されたヴェイッコ・アンテロ・コスケンニエミの歌詞のものも作られます。この2つのバージョンは、ア・カペラで歌われますが、オーケストラ曲と同じAs-durで書かれていますから、そのままオーケストラと共演することもできます。
 さらに、シベリウスは混声合唱のア・カペラ・バージョンも作ります。この時の歌詞はコスケンニエミのもの。そしてキーは男声版と同じAs-durでした。しかし、シベリウスはこれではなく、キーをF-durにして、編曲も手直ししたものを出版します。つまり、混声の場合、F-durのバージョンが「決定稿」となっているのですね。
 ということで、シベリウスが作った合唱曲としての「フィンランディア」は、男声2種類、混声2種類の計4種類残されていることになります。もちろん、現在ではそれ以外に多くの人が勝手に編曲したバージョンがいくらでも作られているので、「フィンランディアの合唱版」と呼ばれている曲は、無数に存在していることになります。
 シベリウスの2種類の混声版「フィンランディア」は、単にキーが異なっているだけではなく、編曲そのものが違っているようです。IMSLPではオーケストラの楽譜しかなく、合唱バージョンは見つからないので確実なことは言えないのですが、一応2つのバージョンを聴き比べると、はっきり違いが分かるところがありました。それは、最後の音。As-durでは和音で終わっているのに、F-durでは、最後の音だけ単音になっているんですね。あの、とても有名な「K」で始まる曲のオーケストラ(もしくは吹奏楽)バージョンで、ずっとハーモニーが付いているのに、最後にはユニゾンになってしまう、という、とても間抜けなアレンジとよく似ています。
 ですから、きのうのアルバムで歌われていた「シベリウスが編曲した『フィンランディア』」がAs-durのバージョンであることはすぐに分かりました。ところが、NMLで同じアルバムを見てみたら、ジャケットやブックレットにはキーに関しては何の説明もないのに、わざわざ「混声合唱によるヘ長調版」などと書いてありましたよ。いったいどこからそんな情報を持ってきたのでしょう。というか、実際に聴いてみればそれが「ヘ長調」ではなく「変イ長調」なのはすぐわかるはずなのに。
 もちろん、担当者がこんなのをいちいち聴いてチェックできないことはよく分かります。このサイトでは音源は毎日ものすごい量で増え続けていますから、すべてを聴いて中身を確かめるなんてまず不可能でしょうね。ですから、私は別のところでやはりものすごい間違いを見つけた時には、さっそく「レビュー」として投稿してやりましたよ。そこでは「ダフニスとクロエ第2組曲」が、日本語表記だけ「第1組曲」になっていました。つまり、「第1組曲」を聴いてみたくなって検索したらこれがヒットしたので聴いてみたら、紛れもない「第2」だったんですよね。ですから、「間違ってますよ」と投稿してみました。レビューに反映されることなんかは期待してなくて、直接教えてあげれば、間違いが訂正されるのでは、と思ったからです。他にも検索した人がいたりすれば、恥をかくのはこのサイトの担当者ですからね。でも、ご覧のように、もう何週間もたつのに訂正されてはいないようですね。
 ですから、「フィンランディア」も、こっそり教えるのはやめて、こんな風に誰でも読める形にしました。なにを言っても無駄なような気はしますがね。
Aventure Number : 2804 date : 2017/6/23


今日の禁断 プーランク


 今日は朝の9時から旭ヶ丘で「杜の都合」の練習です。日曜日のそんな早朝から練習なんて、たぶん初めてのことではないでしょうか。ただ、今回は管楽器と打楽器だけの分奏です。今までここではすべて合奏だけで仕上げてきていましたが、さすがにマーラーではきちんと分奏もやらないといけないということでしょう。午前中は管打、午後からは弦楽器というスケジュールです。
 少し早目に着いたら、まだホールが開いてません。そこにマエストロはもう来ていて、まず今回もプログラムノーツを書いてほしいと頼まれました。実は、マーラーなんてとても書く自信はなかったのですが、どうせ頼まれるのだろうと、資料をいろいろ集めていたところでした。まあ、それらを読んでみたら大体プランがぼんやりと見えてきたので、快諾しておきました。私自身がいつも知らないことを知らされて、とても勉強になりますからね。まだまだ先の話ですから、じっくり仕上げることにしましょう。
 せっかくの分奏なのに、オーボエとファゴットのトップが欠席していたので、なんだかマエストロは不満だったようですね。それでも丁寧に仕上げていきますから、まだ仕上がっていないところがどんどん露わになっていきます。まだまださらわないといけないな、と実感です。結局、時間が無くなって5楽章はほんの少ししかできませんでしたね。ここは私も一番ヤバいところですから、ホッとしましたけど。
 それが終わったら、急いで家に帰ってお昼を食べて、次の予定に出かけます。私が前に入っていた男声合唱団のコンサート、会場が萩ホールなので、駐車場に停めるにはだいぶ早めに行かないといけませんから。確か2週間前にも、ここで男声合唱のコンサートがあったばかり、その時は開場時間が近づいてもそれほど駐車場は混まなかったのに、今日は同じころにはもう正規の駐車場は満車になっていましたね。お客さんの列も、延々とその駐車場の端まで続いています。開場前にこれほど並んでいるのは、かなり珍しいですね。
 中に入ったら、団員のSさんがいたので、その様子を話すと「今日は4ケタの入場者が目標です!」と言ってました。あとでメールが来て、実際の入場者は1050人ですって。やりましたね。もちろん、これはこの合唱団の最高記録だそうです。
 確かに、いつの間にか人数も増えて50人を超えていましたし、今回は様々なゲストも盛り上げたくれていましたね。
 まずは、今年のコンクールの課題曲と自由曲という、いつも疑問に思ってしまうレパートリーです。まあ、でも、本番へ向けて場数を踏んでおこうという意図は理解できます。今年こそ、全国に行ってほしいものです。
 次のステージは、前回も出演した路上ライブ専門の男声合唱団。いつもながらのフットワークの軽さで沸かせます。
 前半のハイライトが、バンドが入った「昭和のヒット曲」のステージ、バンドは、パーカッションが「カホン」を使って、コンパクトにまとまってましたね。決してうるさくなく、合唱を盛り上げていました。その前の井上陽水のステージでは、この衣装でピアノ伴奏だけ、角田で演奏した唱歌集の編曲をしていたのと同じ人の編曲でした。こんなところでお目にかかれるなんて。でも、プログラムにちょっとしたミスが。
 休憩後には、仙台の作曲家への委嘱作品の初演。それに先立って作曲者と指揮者によるプレトークがありました。「とにかく、長い曲です」というので覚悟を決めて聴いたのですが、確かに、無駄に長い曲でしたね。とても律義でくそまじめという感じ。隣に座っていた人は、途中で席を立って帰ってしまいました。
 そして、最後は、このために出演者を募集したタダタケの「富士山」です。これが、2週間前にも聴いた曲です。これは素晴らしい演奏で圧倒されました。知り合いのKさんも参加してました。指揮者の趣味でしょう、左からセカンド、トップ、ベース、バリトンという「ODシフト」、うまく内声と外声が溶け合ってとても柔らかなサウンドに聴こえました。2週間前に聴いて「ちょっと」と思ったところがことごとくあるべき姿になっていて、一回り大人の音楽に仕上がっていましたね。
 結局、コンサートは2時間半かかっていました。もうおなかいっぱいです。
 でも、私はまだ行くところがありました。年に1度のフルートの点検会で宮城野区文化センター。4月にタンポ交換したフルートと、ピッコロも一緒に見てもらいました。それぞれに、ちょっと吹きにくい音があったのですが、それが見事に直ってしまいました。やはり、定期的な点検は大切ですね。
Aventure Number : 2805 date : 2017/6/25


今日の禁断 カフカ


 朝ドラは、みね子が引っ越してから俄然調子が出て来たみたいですね。やはり早苗さんの出現がポイントでしょうか。今週はビートルズ来日ネタ、それに絡めて「わたしは、リンゴ」ですからね。分かりますよね。彼女もドラムをたたきながら歌ってますからね。
 きのうのニューフィルの練習では、必要だった写真をもう一人分撮ったので、これで全部の写真が揃いました。その人は私のすぐ隣で吹いているのですが、エルガーの交響曲第1番をやりながら、「これ、今度シティ・フィルが演奏するんですよね」などと、貴重な情報を教えてくれました。最近知ったのですが、彼(彼女)は日本のオーケストラの情報にはかなり詳しくて、どこのオーケストラの常任指揮者がだれかだけではなく、客演指揮者のことまでよく知っているようでした。もちろん、私が11月に聴きに行くメシアンのことも知っていました。ちょっと前に書きましたが、私がチケットを買ったので、買おうと思ったらすでに売り切れだと知ってがっかりしていたのは、彼(彼女)です。
 帰ってからそのエルガーのことを調べてみたら、確かにこちらにありました。指揮者は私もモーツァルトの「レクイエム」で指揮されたことのある藤岡さんですね。休日ですから、行ってみようかな、とも思いましたが、この日は「杜の都合」の練習と、マンションの夏祭りですでに予定は埋まってしまってました。でも、せっかくの情報ですから、ニューフィルのサイトからリンクを張っておきましたよ。考えてみれば、このサイトは全国の人が見ているのですから、演奏会の案内もなにも仙台だけに限ることはないのですよね。これからも、こんなのを見つけたら載せることにしましょう。情報、待ってます。
 その練習の後には、また選曲の会議がありました。メインはもうチャイコフスキーの5番に決まったので、その前曲の候補選びです。結局、私の希望はことごとく落とされて、なんだかしょうもないものばかりが残ってしまったようですね。ほとんどが消去法で落とされて、その結果残ったというのですから、ポリシーも何もない曲の羅列です。悪しき民主主義が、ここでも大手を振っていました。
 メインにしても、結果的に仙台市内で同じ曲がうちの演奏会の前後に並ぶことになってしまいましたね。これも、変な原則を貫いた結果です。ということで、そんな結果を客観的に伝える「かいほうげん」では、おそらく発行までには全曲は決まらないでしょうから、メインだけでも紹介して、その前後のコンサートもきちんと紹介しておきましょう。それをさっきのエルガーと組み合わせて2ページ、というのを作っておきました。これで、今回は私の仕事はほぼ終わったも同然です。
 これは、最近読み終わった本。設定がかなり非現実的なのにはちょっとたじろぎましたが、読み始めてみるととてもすんなり入っていける心地よさがありました。一応ミステリーというか、謎解きが本来の趣旨なのでしょうが、それよりも二人の不器用な友情の関わり合いにとても惹かれてしまいましたね。やはり最後にものを言うのは、いかに現実をていねいに描くか、なのではないでしょうか。
 ですから、奇抜さと非現実しか追求していない「貴族探偵」は、ドラマになっても面白いわけがありませんでした。一応最後まで見ましたが、もうずっと相葉くんがかわいそうで仕方がありませんでした。なんでこんなドラマに出演したのでしょう。あと、「謎をひもとく」という言い方は間違いです。
 その点、みね子は、着実に好感度を高め続けているのではないでしょうか。彼女からは現実味が滲み出しています。というか、現実にこんな人がすぐ周りにいそうな気がしますから。
Aventure Number : 2806 date : 2017/6/28


今日の禁断 シール


 このところ、なんだか蒸し暑い日が続いています。そのせいでしょうか、職場の自販機の売れ行きも、少し活発になってきたような気がします。これからが、この自販機にとってはとても忙しい時期になるのでしょう。去年新しい機械に交換した時に、扱う製品を少し整理して、極力無駄のないようにしてあったので、管理はかなり楽になっています。そのまま仕入れる製品を変えずに足らなくなったものだけを補給していれば、あとは何もしなくてもいいようなシステムがしっかり構築されていたのでした。
 ところが、半月ほど前にいつものように注文をしようとしたら、ある商品が「もう扱っておりません」と言われてしまいましたよ。それは、「アクエリアス」の280PETです。いや、「アクエリアス」そのものはちゃんとあるのですが、このサイズはもうなくなってしまったのだそうなのですよ。「500PETしかありません」と言うのですね。うちの場合、一時500PETのコーラなども扱っていたのですが、あまり売れ行きが良くなかったので、やめてしまったんですよね。500mlって、結構多いですから280mlで十分なんですよ。うちに来るような人は。ですから、「綾鷹」も「い・ろ・はす」も全て280だけで、もう500は一切扱わなくなっていたのに、ここに来てまたそれを扱わなければいけないなんて。でも、アクエリアス自体はコンスタントに売れるものですから、置かないわけにはいかないんですよ。
 まあ、機械の仕様としては、どんなサイズにも対応しています。実は、今280のアクエリアスが入っているカラムも、しっかり500まで入る大きさでした。ですから、そのまま同じカラムを使うことができるので、交換作業は簡単です。ただ、容量が変われば当然価格も変わってきますから、その交換のタイミングは慎重にしなければいけません。しかも、無駄なく全部販売できるように、280を売り切ったところで500に入れ替えて価格を変更したいものです。ですから、280が最後の1本になった時に、その上から500を1本だけ入れておきました。普通、自販機では最後の1本は出てこないようになっています。これは、空になって新しい商品を入れた時に、最初の1本だけはきちんと冷えたものを提供できるようにするためです。つまり、まだ1本残っている状態で「売り切れ」の表示が出るようになっているのです。これだと、補給した後で、とりあえず最初に買った人だけは冷たいのが飲めますが、すぐに次の人が買おうとすると、それはまだ生暖かいものになってしまいますけど、仕方がありません(いや、実は、そのカラムだけ一定時間売り切れ状態にするタイマーもあるんですけどね)。
 いずれにしても、この「2801本の上に5001本」という状態にしておけば、最後の280が売れた時点で売り切れになりますから、そこで価格を変えることが出来ます。ただ、それまではコンスタントに売れていたものが、それからはだれも買ってくれなかったようで、2日間待ってみても売り切れにはなっていませんでした。今日変更しておかないと、週末のお客さんを逃してしまいますから、もう280を売るのはあきらめて、変更作業を敢行することにしました。
 そこで、まず強制排出でその280を出そうとしたのですが、それが出来ません。なんか、排出の部分が全然動かなくなっているみたいです。調べてみると、短い280はカラムの右端に入っていたので、その上に長い500が斜めになってつっかえていました。これが引っかかって出てこれなくなっていたんですね。何とか手を入れてその500を取り出すと、やっと280が出てきました。ということは、おそらくアクエリアスを買おうとする人が来たのに、いくらボタンを押しても何も出てこないという状態になっていたようですね。あきらめてコインを戻して、別のものを買っていたのでしょう。売れるのを待っていたら、永遠に交換が出来ないところでした。
 あとは価格設定を変えて、満タンにしておいたら、数時間で2本売れていましたから、やはり買いたい人がいたみたいですね。2本目がちゃんと冷えていたことを願うばかりです。
 大げさですが、今までずっと変わらないと思っていたものを変えるのには、相応の痛み(手間)が伴うみたいですね。
Aventure Number : 2807 date : 2017/6/30


今日の禁断 ホームラン


 「ブラタモリ」で大宮をやっていましたね。この番組、今の行政区名にこだわらないタイトルを使っているのが、なんだかありがたいですよね。「博多」の時にも、「福岡市」なんて言ってませんでしたから。今回も「さいたま市」とは言わずにきっちり「大宮」ですから、うれしくなります。実は私はかつて大宮市民だったことがありますから、なんか今の「さいたま」にはなじめないんですよね。
 その頃勤めていた会社が大宮にあって、最寄りの駅は高崎線の宮原駅、最初はそのそばの独身寮に住んでました。そのうち寮を出て川口市に新しくできた公団アパートに引っ越したのですが、会社に通う時には京浜東北線に乗って大宮で高崎線に乗り換えていましたね。そのころは東北、上越の新幹線と、在来線は高崎線と東北線、京浜東北線、それに東武線も同じ駅舎内にありましたね。
 それが、今ではいったい幾つの線路がこの駅に入っているのでしょうね。昔はなかった「湘南新宿ライン」とか「宇都宮線」なんて名前もありましたし、新幹線もずいぶん増えましたね。確かに、この番組のテーマの「鉄道の町」にふさわしい駅でした。そこであえて鉄道博物館を取り上げなかったのは、一つの見識ですね。
 氷川神社なんかも、確かに行ったことがありますし、大宮公園なんて、確か会社のお花見で真夜中に行ったことがあったことを思い出しましたよ。今では完全に新幹線の通過駅(たまには乗換駅)になってしまっていて、駅で降りて市内に行くなんてことはなくなっていますけどね。それにしても、ネットで検索したら、大宮駅の構内にはこんなタペストリーが飾られていたことが分かりました。もうこうなると「観光資源」ですね。この番組は。仙台でもこの番組に出た人が、一躍有名人になってましたからね。
 まあ、ここに住んでいたころには、よもやオーケストラに入ってマーラーを演奏しているなんて想像もできませんでしたね。フルートを手に入れて初めて吹いてみたのがこの頃でしたからね。そんなわけで、いつの間にかマーラーの5番と、エルガーの1番を別のオーケストラで同時に練習をする、などという、アマチュアのフルーティストにしてはかなりハードな現実に直面していることになっています。
 エルガーの方はまだ先の話ですが、マーラーはほぼ1か月後が本番となりました。今日の練習はお昼からだったのですが、いつものように少し前にパフォーマンス広場で音出しです。予定では、最初に私は降り番の序曲をやることになっていますが、誰からも欠席の連絡は来ていないので私が行く必要はなさそうですから、その時間もここでみっちり吹き込んでおきましょう。と思っていたらメールが来て、1番の人が少し遅れるということでした。それだったら代吹きをしなければいけないので、会場のホールに向かいましょう。
 そうしたら、練習開始ギリギリに、その1番担当が間に合いました。でも、まだピッコロ担当が来ていません。何の連絡もなかったのに、と思ったら、だいぶ前に今日はお休みと言っていたことを思い出しました。結局、代吹きはしなければいけないのでした。やはり、きちんと時間通りに来ていないと。
 序曲のピッコロパートを吹くのはこれが初めて、ピアニシモで高音の「C」を出さなければいけないような、結構大変なピッコロパートなのですが、それが軽々と吹けるようになっていたのはうれしいですね。
 メインのマーラーも、弦楽器はおそらく今までで一番の出席率、多くても2人しか休んでいないという、限りなく全員出席に近い状態でしたから、とても充実した音が出ていましたね。これがまだ1か月かけて練り上げられるのですから、本番にはものすごいハイレベルの演奏が聴ける期待が大きくなってきましたよ。
 木管も、全員トップが揃っていたので、ユニゾンとか受け答えもしっかり合わせられるようになりました。ただ、私のパートはたまに長い休みがあるので、その間に楽天戦の経過をスマホで追ってました。最初の頃は勝っていたのに、いきなり逆転されていたのを見た時には、一瞬何が起こったのか分からなくなってしまって、気が付いたときには私の出番が始まっていたのにそれに入れずマゴマゴしてしまいましたよ。練習中のスマホは禁止です。
Aventure Number : 2808 date : 2017/7/2


今日の禁断 ブロー


 後藤美代子さんが亡くなったそうですね。だれ、それ?と言われそうですが、おそらくこの名前を知っている人は、今ではだいぶ少なくなってしまったのではないでしょうか。この方は、NHKのアナウンサーですが、特にクラシックの番組ではほとんどのものを担当していたような印象がありますね。つまり、ラジオから出てくるクラシックの曲名とか演奏家の名前などは、ほとんどこの人の声で記憶している、ということになるのですよ。私の場合。そのしゃべり方はまさに「NHK」という感じで、良くも悪くも「型にはまった」ものでした。
 そうなんですよ。とにかくこの人の語りは格調高いもので、全く隙がないんですね。それだから、クラシックを任されるようになったのか、クラシックを担当している中でそのようなスタイルになってしまったのかは、私には分かりません。いずれにしても、彼女にはなにか「権威」というものが背後に見えてしまうところがありましたね。まさに「権威としてのクラシック」という図式が、非常に分かりやすく出ている人でした。
 かつてNHKの職員だった知り合いがいるのですが、その人が「のど自慢」の出演者を案内して廊下を歩いている時にたまたま後藤さんと出会ったそうなのですが、その時の彼女が出演者を見る目からは、なにか汚いものを見ているような態度がまざまざと感じられたのだそうです。そんな、お高く留まったところもあったのでしょうね。
 ただ、今となってはそのぐらい厳しい態度でクラシックに接していたのは、逆になんか懐かしいような気持ちになります。最近は、クラシックで登場するそういうMC関係の人には、なにか大衆に媚びたところがあったりしますから、それもどうかな、という感じがしますからね。いずれにしても、一つのスタイルを築き上げた人が、これでいなくなってしまいました。
 同じNHKでやっている朝ドラは、昔から「格調」などというものとは無縁でした。そこにあるのは、整合性の取れない設定と、無理に感動を誘い出そうとするミエミエの伏線だけです。今BSで再放送されている「こころ」あたりは、そんな駄作の要素を万遍なく備えている、したがって極めて「朝ドラ」らしいドラマです。ただ、そんなへたくそな作り方に騙されたつもりになってみている分には十分楽しめるのが面白いところです。つまり、これが放送された時にはほとんど無名だった人が、いまではすっかり立派になってしまっているというケースが、結構あるからです。中学生時代の加藤諒、なんてのも出てきましたからね。
 でも、今の朝ドラは、一味違っているみたいです。細かい設定なんか超えたところで、不思議なインパクトが醸し出されているのではないでしょうか。今週の「ビートルズ来日」ネタも、虚実織り交ぜて楽しめましたね。ただ、ここでちょっと不思議なことがあったので、そのご報告。
 こういうものは先が分からないで見ている方が楽しいのですが、ネットには先の予定が書かれた「ネタバレ」がたくさん公開されています。そうなると、ちょっと気になって読んでしまうんですよね。それで、愚妻にも「ムネオの奥さんもチケットが手に入るんだよ」なんて得意げに言ったりしていました。そうなんですよ。そんな「ネタバレ」では、確かにムネオさんは、アパートの学生さんだけではなく、奥さんからもチケットをもらえることになっていたんですよ。でも、実際はただTシャツを着て外で騒いでいただけでしたからね。そのサイトを見直してみると、そのあたりは見事に上書きされていましたね。
 今までは、こんな風に予告が変わってしまったことはまずなかったような気がします。それが今回はやたらと多いんですよね。これは、もしかしたらNHKがわざと偽の情報をリークしているからではないのでしょうか。なんか、そんなところでウソをついてもしょうがないような気がしますけどね。小っちゃいですね。どうせなら、アベの一味のようなどでかいウソをついてほしいものです。
 ついにブレイクしたムネオさんが、「あさイチ」に生出演した時には、それが大雨のニュースでつぶれてしまいました。その時の映像を今日流していたのですが、それがさも生であるかのように、「私たちもちょっと着替えを」と言わせられていたMCたちも、NHKの被害者?
Aventure Number : 2810 date : 2017/7/7


今日の禁断 カメ


 テレビで沖ノ島が世界遺産に指定されたというニュースをやっていましたね。それがめでたいことなのかどうかは分かりませんが、少なくとも私にとっては何のメリットもないことで全く関心はありません。まあ、好きにしてよ、というスタンスですね。ただ、そのニュースの映像を見ていると、その会議をやっている場所がとても気になってしまいました。
 こんな感じ、これは間違いなくワインヤード・タイプのコンサートホールですよね。客席やステージがサントリーホールなんかと同じです。調べてみると、これはポーランドのクラクフにある「コングレス・センター」というところなのだそうです。客席の椅子の上にテーブルを置いて、そこにマイクなんかが設置されているみたいでした。コンサートホールで国際会議なんて、ちょっと素敵ですね。さすがはポーランドです。というか、このように明らかに音楽専用ホールとして設計されているところを、会議などに多目的に使う、という発想がユニークですね。
 こういう感じのコンサートホールを作ろうという動きが、なんだかよく分からない形で進行していることは知っていましたし、実際にその関係団体のアンケートに答えたりもしていました。そうしたら、その運動のリーダー的な存在の人が、今度の市長選挙に立候補したというのですね。この方は、私の職場とも密接な関係がある人で、じっさいに、公示前に職場にあいさつに来ていたのだそうです。まあ、そんな人が市長になれば、もしかしたら音楽ホール建設も実現するかもしれません。
 と、そこだけを考えるとそんな人に市長になってもらって、ぜひとも音楽ホールを作ってもらいたいものだ、と思ってしまいますが、この人のバックが自民党というのでは、ちょっと、ですね。まあ、結局この国では、クラシック音楽は権力の庇護がなければ到底やっていけないものなのでしょう。今さら音楽ホールを作ると言っても、できるのははるか先のことでしょうから、もはや私あたりが実際にそのホールのステージに立つようなことはなくなっているかもしれませんからね。というより、あの、くそ面白くない観光CM動画を作った県知事が応援している、というのもとても不快ですしね。あの動画、当然県知事もOKを出したのでしょうが、ああいうもので宣伝効果があると考える時点で、首長としてのセンスを疑ってしまいます。制作した人は恥ということを知らないのでしょうね。あんなクリエティビティの全くないものを作ったら、壇蜜の部下の小林司クンみたいにクビになってしまいますよ。普通の会社だったら。そもそも、宮城県は全然「涼しく」ありませんし(「涼・宮城」で「りょうぐうじょう」ですって。泣きたくなりますよ)。
 それでも、もしかしたらニューフィルはいずれはその新しい音楽ホールを使えるかもしれませんが、「杜の都合」は確実に無理でしょう。でも、せっせと間近の目標に向けて精進に励んでいるところです。実は、本番までに1ヶ月を切ったのを機に、Facebookのイベントを作って、「お友達」に送信してみました。そうしたら、意外と食いつきがいいのですね。このままだと手持ちのチケットでは対応できなくなってしまいそうなので、さらに追加させてもらいました。ですから、Facebookに縁のない方でも、直接ご連絡をいただければ十分にチケットはご用意できますから、お申し出くださいね。
 おとといの練習では、間際になって序曲には私しかいないことが分かったので、1番を吹きました。ですから、こちらでも序曲に関しては全パートを代吹きで制覇したことになります。
 そして、マーラーは、細かいところをチェックする段階がある程度終わったということで、1楽章と2楽章は初めて続けて通して演奏していました。緊張感が、結構気持ちよかったですね。外は全然「涼しく」ない真夏だったのに、若林の展示ホールは冷房がききすぎて寒いぐらいでした。
Aventure Number : 2811 date : 2017/7/9


今日の禁断 チンジャオロースー


 今まで、ニューフィルの練習の前には必ず寄って晩御飯を食べていた「とらの子」が、5月の連休の後から改装工事を行うということでずっと休業していました。いや、「ご飯」とは言っても、食べるのはお米ではなく麺類なんですけどね。
 それが、2ヶ月経って無事工事も終わり、リニューアル・オープンを迎えることになりました。その日は7月10日だというのは、ここのサイトと、そしてお店の前に置かれた看板によって知っていました。ですから、こういうことが大好きな愚妻は、ぜひともその日に行ってみたいと言っていました。それで、その日の夕方、新しくなったお店に行くことになりました。
 改装の前に、どんなふうに変えるのか、ちょっとお店の人に聞いてみたことがありました。そうしたら、基本的に内装は変えないで、主に厨房を新しくする、という話でした。ですから、そんなに大幅に変わっていることはないだろうとは思っていましたが、入り口のドアなどは新しいものに変わっていましたね。それと、一部のテーブルが前は4人掛けで一つのテーブルだったのが、2人掛けが2つ、くっつけたり独立したりして使えるようになっていました。この店は基本的に合い席にはしないので、これはありがたい措置ですね。ただ、真ん中にあった大テーブルは、そのままでした。これが少し背が高すぎたので、これは直してほしかったですね。
 ただ、予想はしていたものの、メニューを見るとかなりのものが値上げになっていたのは残念でした。まあ、味は変わっていなかったので一安心ですが。実は、この時には、もう一人私の妹も一緒に食べていました。ほとんど食べ終わった時に、なんだか麺の中に短い髪の毛が入っているのを見つけたので、それを店員さんに知らせると、すぐさま、「申し訳ありません、すぐに新しいのをお作りします」と言って、本当にすぐに新しい麺を持ってきましたね。結局、それは食べきれなかったので、私も半分ぐらい手伝いましたが、全部は食べられませんでした。どっちかといえば、この間の「ティーズ」のように、「御代は要りません」と言ってくれた方が良かったですね。もちろん、店主が謝りに来るということもありませんでした。ちょっと残念。
 そして、きのうの練習の前には、そんなことにもめげず、いつも通りにここに来て、いつもと同じチャーシューメンを頼みました。これはしっかり値上げされていたメニュー、以前(左)は税抜880円だったものが、きのう(右)は税抜950円になっていましたね。こうして比べてみると、チャーシューの大きさまで小さくなっているように見えますが、きのうの方が厚みはあったので、それはなんとも言えません。ただ、以前はとても柔らかくとろとろしていたのが出てきた時もあったのですが、きのうのはちょっと硬めでしたね。これも、いつも同じものが出てたわけではないので、判断はできません。
 そして、練習に向かうと、前半の交響曲が終わったところで来年春の定期演奏会の曲目の会議がありました。メインのチャイコフスキーは決まっていたのですが、その前に置くプログラムが指揮者から伝わってきたので、その通りにムソルグスキーとストラヴィンスキーに決まりました。これで、来春は「3大スキー」によるコンサートになりました。詳細は、公式サイトかFacebookをご覧ください。
 そのFacebookは、このところ特に目新しい事件もなかったのでしばらく投稿がありませんでした。そこで、満を持してこの情報をアップしたら、おそらく皆さんも情報に飢えていたのでしょう、リーチ数がものすごいことになって、丸1日で1500にもなっていました。これは久々の大ヒット、この調子でお客さんもたくさん来てくれるといいですね。ただ、その前には、およそお客さんが来そうもないオール・エルガー・プログラムの秋の定期です。演奏する方も、2ヶ月経ってやっと勘所が分かってきた、というぐらいですから、よっぽど頑張らないと、萩ホールで「4ケタ」は難しいでしょう。でも、もう少しするとまた素晴らしいチラシが出来てきますから、それで攻めていくしかないですね。
Aventure Number : 2812 date : 2017/7/12


今日の禁断 エルガー


 前回の「禁断」にチラシのをことを書いたら、翌日にはその現物のゲラが届いてしまいましたよ。もちろん、それはいつも通りのスケジュールに従って作業を進めていただけのことで、単にそれに沿って私がそろそろだな、と思っていたにすぎません。いやあ、今回も素晴らしいチラシが出来上がってきましたね。すぐにでもネットにアップして皆さんに見ていただきたいところですが、まだ決定稿ではないので、チラシを丸ごと公開することはできません。ただ、そのアイコンのような物だけを抽出して、元のチラシとは似て非なる出来そこないのカバーを作って公式Facebookには使ってみましたから、雰囲気だけは味わえるはずです。
 私の本来の仕事は、そのゲラを見て校正を行うことです。ほぼ完ぺきな仕上がりだったのでそんなに直すようなところはなかったのですが、細かい英語表記などは少し手直しが入る余地はあったでしょうか。その他、気づいたことを送って、それで今回は終わりだな、と思っていたら、何度か見直しているうちにちょっと違和感があるところが見つかりました。今回はチェロ協奏曲を演奏するので、そのソリストの紹介も裏面に載っていますが、その表記で日本語の「チェロ独奏」の下に英語で「Solist」とありました。別に独奏者のことは英語では「ソリスト」といいますから、そういうスペルなのでしょうね。何の問題もないように思えるのですが、何か引っかかります。たしか、英語では「Soloist」という、やはり「ソリスト」を意味する単語があったはずですよね。「Solist」と「Soloist」の違いって、なんなんでしょう?
 そこで、英和辞典を開いてみると、なんと、「Solist」という単語は載っていないんですよ。びっくりしましたね。これって、英語じゃなかったんですね。「Soloist」はちゃんとあって、そこには「ソリスト」という和訳が書いてありました。いやあ、ショックです。生まれてこの方、ずっと「Solist」は英語だと思って生きてきたというのに。いや、正確には「Solist」も「Soloist」も両方英語だと思っていましたね。ですから、CDのクレジットを書き出すときでも、きちんとしたものでは「Soloist」を使っていたような気がします。
 ただ、それを日本語で「ソロイスト」なんて口に出してしゃべる人には、それこそ生まれてこの方、面と向かって出会ったことなんてありませんよ。たまに、それこそ後藤美代子さんのような気取ったアナウンサーがそう言っていて、何かっこつけてんだ、と思ったりしたようなことぐらいはあったかもしれません。そう、「ソリスト」はもはや「日本語」として確固たる地位を確立しているのですよ。
 ただ、英語では「Soloist」ですが、ドイツ語やイタリア語やフランス語ではなぜか「Solist」になっています。このあたりが、おそらく日本語としての「ソリスト」の由来だったのでしょう。ドイツ語だと複数形は「Solisten」ですが、もうこれは「なんとかゾリステン」という名前が石を投げればぶつかるほどたくさんありますからね。あ、でも、複数形だったら英語でも「なんとかソロイスツ」というのは最近はよく見かけますね。
 ただ、私の楽器「フルート」は英語読みですね。こればっかりは「フラウト」(イタリア語)、「フレーテ」(ドイツ語)、「フリュート」(フランス語)などという人は、今ではまず見当たりません。「今では」というのは、過去には吉田なんとかさんがことあるごとに「フリュート」と言っていたようですが、その方がお亡くなりになってしまってからは、その「伝統」も失われているからです。
Aventure Number : 2813 date : 2017/7/14


今日の禁断 パンダ


 シアター・オーブの「ウェストサイド・ストーリー」、行ってきました。今回は、せっかく行くのだからと、他の用事も詰め込んであります。まずは、上野の国立西洋美術館で開催中のアルチンボルド展、そして、銀座のヤマハです。ヤマハは、来年春の曲目が決まったので、そのスコアを入手しようと思ったら、アマゾンでは2週間待ち、アカデミアでは在庫なしだったので、ダメモトでヤマハに聞いてみたら2冊在庫があるというので取り置きにしてもらっていたものの受け取りです。さらに、愚妻も一緒に行くのですが、そちらはさるブランドのお店が有楽町にあるので、そこにも連れて行ってほしいというリクエストもありました。これを全部回るために、私は分刻みのスケジュール表まで作ってしまいましたよ。
 シアター・オーブは、前もって調べてあったので渋谷駅から迷わずに行けました。あまり前評判が良くなかったようなのに、客席は満席、宣伝の効果でしょうか。私が取ったのは2階席の最前列だったのですが、これがステージからそんなに遠くなく、しかも、手すりが全く視界に入らないというありがたい設計でした。ただ、音響も照明も装置もとても素敵だったのに、肝心のカンパニーのお粗末なこと。ダンスの切れは悪いし、歌は下手だし(マリア役の人など、ほとんどオンチです)、芝居の勘所がほとんど決まっていないしと、全くいいところがありません。こうして比べてみると、劇団四季のレベルがいかに高いものであるかが分かります。
 さらに、生オケが入っていたのはありがたかったのですが、これが「本場」の人と日本から加わっているメンバーの混成チームで、なんとも危なっかしい演奏なんですね。リズムのノリは悪いわ、ブラスのアインザッツは合わないわ、テンポがとてもだらしないわと、眠気を催すほどのひどさです。最後の最後、絶対にはずしてはいけない音を当てられなかったトランペット奏者は、プロとは言えません。ほんの小遣い稼ぎに日本にやってきたのでは、と思えるような志の低さ、これでは劇団四季にさえも太刀打ちできなくて当たり前です。カーテンコールも、おざなりでしたしね。
 彼らは。ブロードウェイの引っ越し公演なんて言ってますが、実態はその程度のものだったのですね。まあ、そういうものを大々的な宣伝で持ち上げているというのが、東京の大劇場の商法なのでしょうが、そんなことがいつまでも続くわけがありませんよ。少なくとも、私はこんなものを見るためにわざわざ東京まで出かけるような無駄なことは、金輪際やるつもりはありません。
 それから上野まで行って、美術館の前に行ったら、チケット売り場の前が長蛇の列、これは全くの想定外でした。
 30分ぐらい並ばないとチケットが買えないのでは、仙台に帰れなくなってしまいます。とりあえず中に入ったらグッズ売り場が展示の外にあったので、そこで図録だけ買って、今回はあきらめました。この売店の会計でも長蛇の列で、15分ぐらい並びましたからね。でも、9月までやってますから、今度はちゃんとチケットも入手しておいてゆっくり来ることにしましょう。
 しかし、私がこの画家のことを知ったころには、マニア以外にはほとんど知られていなかったのに、こんなに人気が出ているなんて、なんだか複雑な思いです。
 そのあとは、有楽町まで愚妻を道案内した後、銀座のヤマハまで歩きました。途中に「ゴジラの像」がありましたね。
 話を聞いたときには実物大だと思ったのに、こんなちっちゃなものだったとは。しかし、東京の暑さの中で地上を歩き回るのはとんでもない苦行です。ヤマハの帰りは、たまらず地下に降りて、地下鉄で東京駅まで行きました。涼しかったですね。
Aventure Number : 2814 date : 2017/7/16


今日の禁断 クイズ


 宮城県のPR動画が、評判になっているようですね。もちろん、「評判」には「よい」ものと「わるい」ものがあるわけで、これは当然「わるい評判」の方ですよね。宮城県知事は「目に付けばそれが成果」みたいなことを言ってましたが、彼はそれが自身のアホさ加減を世間に知らしめることになるとは全く気が付いていないようですね。いくら見られても、その結果全国の人に宮城県人はセンスがないと思われてしまっては、何にもならないとは思わなかったのでしょうか。
 こんな恥ずかしいことをやっているのは宮城県だけだと思っていたら、仙台市でも同じようなCMをやってましたね。こちらはネットではなくテレビCMですから、普通のお茶の間で見られてしまうという点でその害毒は大きくなっています。それは、今行われている市長選挙への投票を呼び掛けるCMです。おとなしそうに座っていた女子高生が、いきなり立ち上がってラップで「選挙、行ぐすぺ」などとがなり立てはじめるんですから、悪趣味も極まります。ネットならPCやスマホを開かない限り目につくことはありませんが、これは何の前触れもなくテレビの画面に現れますから、気が付いたらこの忌まわしいラップが聴こえてくるという最悪の露出です。正直、こんなのを聴いてしまうと選挙になんか行きたくなくなってしまいますよ。ラップ、特に日本語のラップは大嫌いという人も、世の中にはいるということを知ってもらいたいものです。
 そんな、宮城県や仙台市といったイナカではなく、大都会の東京でも、なんだかわけのわからないことをやっているみたいですね。この間東京に行った時に山手線に乗ったら、かつて広告が貼られていた場所が全部モニターになっていました。中吊りだけはまだ残っているようですけど。そのモニターには、広告以外にいろいろ案内が出てきて、次の停車駅とかそこでの乗換案内などが分かるようになっています。そこで、乗換路線の前になんだか「J〇」という2文字の記号が付いていることに気づきました。今まで、地下鉄ではそれぞれの路線にアルファベット1文字の記号が付いていましたから、それをJRも取り入れることにしたのでしょう。おそらく、オリンピック目当てでしょうね。
 ただ、そこで湘南新宿ラインは「JS」なのに、なぜか埼京線は「JA」になっているのがおかしかったですね。これでは「農協」と間違われてしまいそう。これは地下鉄にも使われた法則で、同じアルファベットが他で使われている時には、2文字目以下が使われる、というやり方なんですね。
 こんな感じ。でも、法則は分かりますが、それが果たして理にかなっているかどうかは疑問です。「JT」とか「JY」はそのまま頭文字ですからすぐわかりますが横須賀線が「JO」だということが感覚的に分かる人なんかいないのではないでしょうか。悲惨なのは鶴見線の「JI」でしょうか。TURUMIの最後の字になって、やっと使えるようになっているんですからね。分かりやすくするための略号なのに、これではかえって分かりにくくなっているのではないでしょうか。なんだか、世の中がすべて、普通の感覚が通用しないようなおかしな方向に進んで行っているような気がしてなりません。
 こういうものは、あんまり使いづらいと淘汰されることもあるんですけどね。こういう、首都圏を走っている電車のことを、昔は「国電」と言っていたものが、民営化で「E電」になったのに、そんな言葉は誰も使わなかったので、結局自然消滅した、ということもありますから。
 ということは、こういう電車は、今ではなんて呼ばれているのでしょう。あるいは、そういう名前を作る出すのはもう面倒くさいので、特に名前はないのかもしれませんね。この「J〇」だって、オリンピックが終われば自然消滅しているかもしれませんね。
Aventure Number : 2815 date : 2017/7/19


今日の禁断 マーラー


 今週は、練習漬けの1週間になろうとしています。火曜日、木曜日、そしてあさっての日曜日がニューフィル関係、そして明日の土曜日は杜の都合です。
 火曜日は、来月行われる「ニューフィル夏のアンサンブル大会」の初練習でした。去年結成されたニューフィルの精鋭を集めたカルテットです。ただ、メンバーには年齢制限があるというのがユニーク。その条件を満たしている人はほとんどいないので、必然的にこのメンバーになってしまった、というものなんですけどね。モーツァルトのフルート協奏曲は全部で4曲あるのですが、それを4年かけて制覇しようという、いわばツィクルスの完成を目指しています。去年はD Durをやったので、今年はC Durにしようと、去年のうちに楽譜を配って今年の大会に備えていました。
 私は、4曲ともフルートパートはいつでも吹けるようになっているのですが、それをアンサンブルで合わせるということになると、これが全くの初めてになります。テンポなどもちょっと遅すぎるぐらいでやってみると、それがなかなかしっくりくるので、それで行こうということになります。ただ、それだと息が持たないので途中でブレスが入ってしまって、ちょっとみっともないので、そこをどうするかが課題です。でも、やっぱりアンサンブルは楽しいですね。特に、こういう弦楽器の人たちとはなかなか機会がないので、これは貴重な経験です。
 木曜日はニューフィルの定時の練習、今週は火曜日が市民センターの休館日だったのでこの日にシフトしてました。エルガーもだいぶ馴染んできて、とても吹けないと思っていたような面倒くさいスケールなども克服できるようになってきましたね。最後までてこずるのではないかと思っていた4楽章頭のファゴットとのユニゾンの超絶パッセージも、ちゃんと吹けないのはただ走っているせいだということが分かってからは、すんなり吹けるようになっていました。ですから、残る課題はいかに他のパートの間に収まるか、です。エルガーのオーケストレーションはとてもヘンで、ユニゾンなのにずれて演奏していても、それが間違っているようには思えないところがありますから、よっぽど注意していないとその「罠」にハマってしまいます。きのうはまさにそれをやってしまいました。なんか変な感じなのに、妙な充足感もあったのでそのまま吹いていたら、確実に他のパートと一緒になるところで1小節早く出ていたことに気づいてしまいました。これは、もう場数を重ねるしかないですね。
 でも、今度の日曜が、初めての指揮者練習ですから、そんなことを言っている余裕なんかありません。指揮練とは言ってもスケジュールの関係で夜の3時間しかありませんから、通すだけで精一杯、そんなところで間違えたりしてはいられません。
 早いもので、その演奏会のチラシの原稿が出来上がってきました。
 これを見ただけで、コンサートに行きたくなるようなチラシですね。小さくて見えないかもしれませんが、「イギリス音楽界の巨人」というコピーは、私がオヤマダさんの著作からパクったフレーズです。
 指揮練の前の日には、杜の都合です。この前の練習の時に、5楽章でオーボエとユニゾンなのにいつもリズムが合わないので変だと思ってスコアを見たら、
 なんと、フルートだけが別のリズムでした。でも、手元のCDを聴いてみたら、全部オーボエの形で演奏しているようでしたね。前に末廣さんとニューフィルでやった時には、こんなことは気づきませんでした。同じ楽譜、というか、今回はその時のパート譜をそのまま使っているのに、何の書き込みもありませんでしたよ。不思議です。
 こちらは、演奏以外にも期限までに間に合わせなければいけないものがあったのですが、何とか出来上がりました。それを、明日の練習で全曲の通しを聴いて、忘れていたことがなかったか確認すれば、晴れて納品できます。
Aventure Number : 2816 date : 2017/7/21


今日の禁断 プログラム


 8月6日に開催される杜の都合奏団のプログラムノーツが出来上がりました。毎回、私が書いている、こんな曲を演奏します、ということを会場に来た皆さんに知っていただくためのコメントです。もし興味がわくようなことがあれば、ぜひ演奏会にいらしてみてください。

 私たち杜の都合奏団は、創設時から小人数の弦楽器による室内オーケストラとして活動を行ってきましたが、今回は弦楽器のメンバーを大幅に増やして、グスタフ・マーラーの大作「交響曲第5番」に挑戦することになりました。それに先立って、マーラーより6年早く、1854年に生まれた作曲家、エンゲルベルト・フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」の前奏曲をお聴き下さい。
フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
 この作曲家の名前を聞いて、1960年代から1970年代にかけて「Man Without Love(愛の花咲く時)」とか「Love Me With All of Your Heart(太陽は燃えている)」といった曲を歌って大ヒットを飛ばしていたイギリスのポップス・シンガーの名前を思い出す人もいらっしゃるかもしれません。もちろん、それはこの作曲家にちなんだ芸名です。ただ、芸名を付けるにしても、ふつうのアーティストだったら、たとえば「グスタフ・マーラー」などのようにクラシックの作曲家としてきちんと認知されている人の名前なんか絶対に名乗りたくないでしょうから、そのあたりからこのフンパーディンクさん(作曲家の方)の微妙な立ち位置が分かろうというものです。生前は作曲家、あるいは教育者(あのクルト・ワイルの先生でした)として名声を博していたフンパーディンクでしたが、現在ではこの「ヘンゼルとグレーテル」1曲しか知られていませんから、まさに「一発屋」です。さいわい、この歌手はそうはなりませんでしたが。
当時は偉大なワーグナーによって「ニーベルンクの指環」のような巨大なオペラが作られてしまった後でしたから、作曲家がその偉業を引き継いで新たにオペラを作ろうとした時には、かなりの困難が待ち構えていました。一部では、実際に同じような大規模なオペラも手掛けられますが、もっと別な道、ワーグナーの「指環」の中でも「ジークフリート」が色濃く残していた「メルヒェン」としてのオペラを目指す作曲家が数多く出てきます。フンパーディンクもその一人、多くの「メルヒェン・オペラ」を世に送りました。
 彼は若いころ実際にバイロイトでワーグナーのアシスタントを務めていたこともありますから、その音楽は師匠を正当に継承するものでした。彼が作った「メルヒェン・オペラ」は、確かに良く知られたドイツの子どもの歌の引用はありますが、それらはワーグナー風の厚いオーケストレーションで彩られ、無限旋律の中に埋め込まれているのです。
 開幕前に演奏されるこの前奏曲は、オペラの中で登場する重要なモティーフを使って、このお話の内容を簡潔に語っています。最初にホルンで演奏されるとても美しいコラールは、まさにこのオペラのテーマとして何度も何度も繰り返し劇中に現れます。それが最初に登場する時にはグレーテルによって、「お父さんから教えてもらった讃美歌よ」という説明の後に、「本当に困った時には、神が手を差し伸べて下さる」という、その讃美歌のテキストが歌われます。
 このコラールが朗々と何度も繰り返されたあと、音楽はアップテンポに変わります。その瞬間にトランペットで登場するのがお菓子の魔女のモティーフです。それに絡む半音階の進行が、魔女の不気味さを表現しています。と、そこに流れるように澄み切ったようなモティーフが現れます。これは、第3幕での霧の精がヘンゼルとグレーテルを目覚めさせる時に歌う歌の中に出てくるうメロディです。そして、途中で断片的に表れていた浮き立つようなモティーフが、終わり近くで完全な形で出現します。これは終幕で魔女に眠らされていた子供たちの魔法が解けて元気に歌う合唱のモティーフです。これに先ほどの目覚めのモティーフが加わって盛り上がったのち、最初の讃美歌のモティーフが静かに流れて、この前奏曲は終わります。

マーラー:交響曲第5番
 1860年にボヘミアのカリシュトという村に生まれたグスタフ・マーラーは、その50年の生涯で11曲の交響曲を手掛け、そのうちの10曲を完成させました。彼が作った交響曲たちは、それまでのこのジャンルのしきたりを大きくはみ出した、とてつもない様相を呈していました。特に顕著なのが他のジャンルである歌曲との相互乗り入れと、規模の大きさです。
 そんな交響曲の中で、おそらく今日最も頻繁に演奏されているのが、この交響曲第5番ではないでしょうか。もちろんここにも、彼の歌曲からの引用はありますし、合唱こそ入っていませんがオーケストラの編成はかなり大きなものですから、その特徴は端的に継承されています。しかし、この交響曲がここまでの人気を獲得したのは、ひとえにその5つから成る楽章の4番目、「アダージェット」という表題を持つ楽章のお蔭でしょう。これは、トーマス・マンが自分自身とマーラーをモデルにして1912年に出版した小説「ヴェニスに死す」が1971年にルキノ・ヴィスコンティによって映画化された時にサウンド・トラックとして使われて、広く知られるようになりました。さらに、あの大指揮者カラヤンの死後、1994年にこの曲がメイン・チューンとして収録された「アダージョ・カラヤン」というコンピレーション・アルバムがドイツ・グラモフォンからリリースされ、全世界で500万枚もの売り上げを記録するに至って、「アダージェット」はヒーリング・ピースとしても多くの人の心をつかむことになったのです。
 マーラーがこの交響曲の製作を始めたのは、1901年ごろとされています。その年の11月には、彼にとって人生の転機ともいえる出来事が起こります。それは、アルマ・シントラーとの出会いです。その時のアルマは22歳、マーラーは41歳でした。いわゆる「ひとめぼれ」というやつで、二人は会った瞬間にお互いを好きになり、翌年3月には結婚します(その時、新婦は妊娠3か月でした)。アルマはとても聡明な女性で、それまではツェムリンスキーの元で作曲の勉強もしていました。結婚を機に、彼女は夫の命令で作曲をすることは禁じられますが、その分、夫の片腕として尽くすようになります。具体的には夫の楽譜の浄書、いや、時にはラフな下書きを渡されてオーケストレーションを施すようなことまで行っていたとされています。この交響曲第5番では、その初演前のリハーサルをこっそり聴きに行って、オーケストレーションが変えられていることに落胆したという彼女の回想録が残っています。
 単にそのようなアシスタントとしての実務ではなく、彼女の存在自体がマーラーの作曲意欲を盛り上げたのは間違いありません。いわば、アルマはマーラーにとってのミューズだったのです。ただ、アルマにとってのマーラーは、単なる「最初のオトコ」でしかありませんでした。マーラーと彼女との結婚生活は彼が亡くなる1911年まで続きますが、そのころにはヴァルター・グロピウス(バウハウスを創設した建築家)との不倫が発覚しての泥沼状態でしたからね。
第1楽章「葬送行進曲」(正確な歩みで、厳格に、葬列のように)
 「交響曲第5番」というタイトルで最も有名なものは、俗に「運命交響曲」と呼ばれているベートーヴェンの作品でしょう。それをマーラーが意識したのかどうかは分かりませんが、この交響曲の冒頭には、ベートーヴェンが使っている「タタタ・ター」というリズムのモティーフがソロのトランペットによって現れます。同じ音が続いた後、短三度上の音に跳躍するのですが、同じタイミングで半音高い長三度上の音になると、これは有名なメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の中の「結婚行進曲」になってしまいます。単なる偶然なのかもしれませんが、こんなところにもマーラーのアイロニカルな視点を感じてしまいます。
 このトランペットのソロに続いて、音楽は一気に盛り上がり、約30秒後にはとてつもないクライマックスを迎えます。これも見当外れかもしれませんが、マーラーの4歳年下で、ある意味ライバルだったリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはこう語った」の冒頭のファンファーレ(こちらはスタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」で有名になりました)と同じ種類のカタルシスを見る思いです。
第2楽章(嵐のように激しく、一層の激しさをもって)
 この交響曲は5つの楽章から成っていますが、マーラーはさらに第1楽章と第2楽章をまとめて「第1部」、第3楽章を「第2部」、第4楽章と第5楽章をまとめて「第3部」として、第3楽章を中心にしたシンメトリカルな構造を提起しています。したがってこの第2楽章は「第1部」の後半という位置づけになり、前の楽章で現れたモティーフが変形されて現れています。コンサートでは、第1楽章から続けてそのまま演奏されます。
 冒頭のまさに「嵐のよう」な場面が収まった時にフルートで現れるのが、お馴染みの「タタタ・ター」のリズム、しかも、ここではメロディまで「運命」と同じ長三度の下降になっています。そのリズムに乗って聴こえてくるのは、チェロによる第1楽章のゆったりとしたテーマです。楽章の終わり近くになって、金管楽器が奏する、まるでブルックナーのように壮大なコラールにもご注目。
第3楽章「スケルツォ」(力強く、速過ぎないように)
 スケルツォとは言っても、これはもっとテンポの遅い、ヨハン・シュトラウスのウインナ・ワルツのような音楽です。しかし、なんせマーラーのことですから、いつまでもそんな軟弱な音楽が続くわけがありません。クラリネットはまるでニワトリのように啼き叫び、フルートは超高音で悲鳴を上げています(マーラーはフルート奏者が嫌いだったのでしょう、楽章の最後には「あわててピッコロに持ち替えろ」という無茶振りがあります)。
この楽章ではまるでホルン協奏曲のようにホルン・ソロが大活躍します。ですから、ホルン奏者は立って演奏します。彼の名人芸にも酔いしれてください。
第4楽章「アダージェット」(非常に遅く)
 管楽器は全員お休み、弦楽器とハープだけで演奏される、まさに世紀末(いや、すでに世紀は変わっていましたが)的な頽廃感の中でエロティシズムさえ漂う、濃厚な媚薬のような音楽です。この楽章のために集まった総勢60人の弦楽器奏者が醸し出す、身も心もとろけるような極上の響きをご堪能下さい。
第5楽章「ロンド‐フィナーレ」
 そして、やはり間をおかずに最後の楽章が始まります。ホルンに続き、木管楽器のソロがそれぞれに素朴なメロディの断片を奏でます。この中には、マーラー自身の歌曲集「子供の不思議な角笛」からの引用もあり、その歌詞からマーラーのこの楽章、あるいは交響曲全体への「深読み」が試みられています。それは主に、第2楽章の最後に現れ、この楽章の最後でもさらにパワーアップして金管楽器によって響き渡る壮大なコラールに対する謎解きです。マーラーはそこにブルックナーのパロディという、どす黒い意志を込めているのだとか。
 ここに至るまでのとても長い時間、オーケストラは多くの声部が入り乱れてそれぞれの歌を歌うという複雑なポリフォニーを展開しています。それがこのコラールにたどり着いて、その勢いのままにエンディングを迎えるのかと思うと、最後の最後で現れるのはなんとドビュッシー風の全音音階です。印象派の音楽に対しては何の関心も持っていなかったとされるマーラーは、何を思ってこんなことをしたのでしょうか。

Aventure Number : 2817 date : 2017/7/23


今日の禁断 フィンランディア


 先日の仙台市長選挙、私は正直言ってそれほど関心はありませんでした。というか、現職の市長と宮城県知事までが全面的に応援していて、経済界のバックもしっかりしているS候補には、いくら市民連合で現職の国会議員をかつぎだしても勝てないだろうと思っていましたからね。それが、よもや東京都議会議員選挙と同じ展開でK候補が勝ってしまうとは。
 ですから、選挙期間中もその運動の様子には全く無関心でした。それで、終わってからテレビでそういうものをゾロゾロ放映してくれたのでそれを見ていたら、県知事あたりはとんでもないことをやっていたんですね。なんか、自分の立場が分かっていないというか、あまりにも露骨な応援活動には完全に引いてしまいますね。そして、最近明らかになったのが、S候補が震災後に行った土地の不正取得問題です。なんでも、「半壊」になったビルを土地ごと買うことになって、ビルの解体費用を差し引いて売買契約を結んだのに、その契約を締結する直前までに売主に無断で再度調査を行って評価を「大規模半壊」にしてもらい、契約通りの価格で買った上に、解体は公費で行った、というのですから、これはヤバいですよね。こんな人がもしかしたら市長になっていたかもしれないなんて、ゾッとします。
 一応S候補は公約で「音楽ホールの建設」を謳っていました。ですから、それに釣られて投票してしまった人も私のまわりにはいたようですね。確かに、この人はそういう運動の一翼を担っていたような気はしますが、前にも書いたように、その全体像がいまいち見えてきていないところがありました。それこそ知り合いの音楽家たちが役員として名を連ねている団体とはどのような関係にあるのかは、いまだによく分かりません。そこにこんなことが明らかになってしまったのでは、ホールは出来たけれど、そこには得体のしれない金の亡者のスキャンダルが絡み付いていた、なんてことにもなりかねませんでしたよ。
 いろんな見方はあるかもしれませんが、今回の仙台市民の選択は、立派だったと思います。もちろん、私もK候補に投票しました。
 ただ、音楽ホールに関しては、確実に実現からは遠のくでしょうね。それとも、もうすぐ行われる県知事選挙では、現職の対立候補に、その方面に積極的な方を担ぎ上げるとか。今の知事は、おそらく壇蜜愛を貫いた結果、自滅してくれるでしょうからね。
 東京には、「2000人収容の音楽ホール」なんかいくらでもあります。ちょっと小さめですが、1600人収容で非常に良い音のする東京オペラシティのコンサートホールで毎年コンサートを行い、常に満員のお客さんを集めていた合唱団が、このたびそのラスト・コンサートをそこで開催しました。あいにく私はニューフィルの指揮練があったので行けなかったのですが、音楽監督のPさんからその時の模様を収録したCDが送られてきました。さっそくそれを聴いて、お礼のメールをPさんに送ったら、「ハイレゾもありますよ」という返事が来たので、もちろんお言葉に甘えてDLさせてもらいました。CDでは2枚組でしたが、そのデータは24/192のLPCM(.WAV)だったので、全部で8.5Gにもなりましたね。最初は自宅のWI-FIでやっていたのですが、とてつもなく時間がかかりそうなので、LANケーブルにしたらすぐDL出来ました。
 それをちゃんと聴くには、職場のシステムが必要なのですが、待ちきれなかったのでとりあえずPCでCDと聴き比べてみましたが、それでもきちんと違いが分かりましたね。ですから、翌日ちゃんとUSB-DACを通して聴いてみたら、もうその違いは歴然としていました。いや、CDでもかなりのクオリティで、市販のCDよりもはるかに良い音で聴こえていたのですが、ハイレゾは別物でした。CDで聴いてちょっと不満が感じられていたところが、ことごとく意味を持っていたことが分かるんですよね。
 最後のステージでは、このホールのオルガンも使われていました。その音が、CDでは電子オルガンのように聴こえていたものが、ハイレゾではきっちりパイプオルガンの音になっていた、と言えば、その違いがはっきりするでしょうね。エンジニアは小貝俊一さん、このコンサートの1回目から彼が録音を担当されています。すべてが「一流」でした。この合唱団は。
Aventure Number : 2818 date : 2017/7/26


今日の禁断 タワー


 最近、テレビに米倉涼子さんがよく出てますね。これは、もうすぐ「シカゴ」が始まるので、その番宣なのでしょう。実は、この間渋谷のシアター・オーブに行った時には、そのポスターがでかでかと貼ってありましたから、そういうのもあるんだな、と思っていました。彼女が5年前に単身ブロードウェイに乗り込んで、このミュージカルの主役をあちらの劇場で演じてきたことは知っていましたが、今年もそのキャストで再演があって、それをそのまま渋谷に持ってきたものが、来月から始まるということなのですね。ためしにチケットぴあで調べてみたら、すでに全公演が満席になっていて、1枚も買うことが出来ない状態になっていました。それだったら、別にこんなに宣伝することなんか必要ないと思うのですが、もうすでにテレビ出演のスケジュールが決まっていて、今さらキャンセルはできなかったのでしょうか。読みが甘かったんですね(逆の意味で)。
 でも、私が行った「ウェストサイド・ストーリー」では、間近になっても売れていなかったようですし、当日券もしっかり販売してましたから、やはりこれは「日本人が本場で成功している姿を日本で見てみたい」と思っている人がたくさんいた、ということなのでしょうね。私はこのミュージカルの映画版は見ましたが、正直そんなに面白いものではありませんでした。まあ、チケットが手に入った人は、楽しんできてください。
 考えてみたら、私がそこに行ってきたのはほんの2週間前だったんですね。なんか、ずっと前のことのような気がしてしょうがありません。仙台に帰ってきて、なんだか毎日忙しい思いをしていたせいでしょうか。いや、普通の仕事だけではなく、家族のことでもちょっとイレギュラーな時間がとられてしまうことがあったからかもしれませんね。いずれは辿る道なので、おろそかにはできませんから、真正面から立ち向かわないことには。
 渋谷に行った時には、お昼ご飯は同じ「ヒカリエ」の中にあるトンカツ屋さんで食べようと思っていました。実は、ここがオープンしてすぐぐらいに一人でここに来たことがあって、かつ丼が信じられないほどおいしかった記憶があるものですから、それをもう一度味わってみたかったんですよね。それで、念のためフロアマップで調べたら、まだちゃんとそのお店はあったので安心したのですが、そこで「酢重」も同じフロアにあることが分かりました。このお店は東京駅の新丸ビルにもあって、そこのサバの塩焼きは絶品だと聞いていて食べに行ったら、それは平日だけのメニューでがっかりした、ということがありましたが、こちらの方は普通にメニューにもあるみたいですから、それだったらそこに行こうと思いました。
 着いたのは開店直後だったのですが、すでに窓際の席は満席になっていましたね。まあ、別に渋谷駅周辺の乱立したビルを見てもしょうがありませんけど。ほんとに、このあたりは収拾がつかないほどみっともないことになっていますね。
 これが、目指すサバの塩焼き定食。身がとても柔らかでとても満足しました。ご飯とみそ汁のお代わりが出来るので、どちらももう1杯ずついただきました。アブラゲの味噌汁もいいですね。
 注文した後で店員さんがやって来て、「シアターオーブにいらっしゃいますか?」と聞いてきました。そういえば、ネットで調べた時に、チケットを見せるとレストランでサービスを受けられるようなことが書いてあったので、それをやってみようと思っていたのに、すっかり忘れていましたよ。聞かれなければ、せっかくのサービスが無駄になってしまうところでした。
 それで、食後に出てきたのがこのみつまめです。量は少ないですが、あっさりしていておいしかったですね。
 それからエレベーターで6階から11階まで登ったところがホールの入り口ですが、本当の入り口はそこからさらに2階分エスカレーターで登らなければいけません。
 公演が終わると、このエスカレーターは下りに変わります。そこにはお客さんが殺到するだろうと思ったので、少しでも早く出ようと最初のカーテンコールが終わったらすぐ席を立ったのですが、結局カーテンコールはそれしかなかったので、他のお客さんもすぐに出てきてしまって、それほどのアドヴァンテージはなかったですね。「劇団四季」だったら、延々とオケが演奏していたものですが。まあ、そんなあたりに、お客さんに対するサービス精神の違いを見てしまったんですね。なんか、なめられてるな、と。「シカゴ」ではどうなのでしょうか。
Aventure Number : 2819 date : 2017/7/28


今日の禁断 パウエル


 今日は午後からコンサートに行く予定があったので、その前にちょっと仙台駅まで行って、今飾ってある七夕の吹き流しを撮ってきました。あと1週間もすれば撤去されてしまいますから、撮れる時に撮っておかないと。もちろん、それは、今度のニューフィルの演奏会のチラシを貼りつけるためです。もう、恒例行事になりつつありますね。
 でも、実際に見てみると、前の「嵐」ほどはピッタリとハマるような部分がありませんでした。ちょっとこの吹流しでは、相性が悪いようです。でも、1個だけ何とかなりそうなのがあったので、それにニューフィルと、その前の「杜の都」の両方を貼り付けて、こんなのに仕上げてみました。
 ただ、相対的にあまりにも小さくなってしまったので、これではよく分からないでしょうから、赤枠の中を拡大しておきましょう。

 とりあえず作ったものをFacebookにはアップしたのですが、いかにもやっつけ仕事で精度がいまいちで納得できなかったので、これはもう少し手を入れています。これだったら「かいほうげん」にも対応できるでしょう。
 そして、午後には、萩ホールまで行ってきました。知り合いがたくさん所属しているさる合唱団がバッハの「マニフィカート」を演奏するというのですが、そのチラシには
 と、「BWV243a」で、しかも「挿入歌付き」とありますね(でも、やはり「マニフィカト」にはなじめません)。となると、これは第1稿の変ホ長調版ではありませんか。現行のニ長調版は「BWV243」ですからね。まだ、第1稿は生では聴いたことがないので、これはぜひ聴きたいと思っていました。ですから、同じ日にあったフルートのコンサートも行きたかったのですが、やはりこちらの方になってしまいました(Sさん、ごめんなさい)。
 でも、当日のプログラムには
 これが、今回の版の正しい表記ですね。基本は現行版で、第1稿の挿入歌だけ「移調」して歌う、という形です。確か、おそらくヘルムート・リリンクが最初に録音した時には、この形だったはずです。もっとも、2回目に録音した時にはちゃんとした「第1稿」で演奏していましたけどね。まあ、オーケストラもモダン楽器ですし、そこまでこだわることはないのでしょう。でも、私としては8曲目の「Deposuit」で、イントロのヴァイオリンが1オクターブ低く始まるのも聴いてみたかったような。
 いつものことながら、ここの合唱は素晴らしいですね。かなり人数が多いのに、それぞれのパートがとてもきれいにまとまっている上に、きっちり主張し合っています。真ん中にあったシュッツの「音楽による葬送」では、ソリストと合唱が交代に出てくるのですが、合唱の部分になると安心して聴いていられます。二重合唱も素晴らしかったですね。ただ、ソリストが色々で、素晴らしい人がいる半面、ちょっと、という人がいたりして。
 「マニフィカート」でも、その「ちょっと」の人がかなり耳障りでしたね。オーケストラは、こんなものなんでしょうか。お隣にトランペットを目当てに聴きにこられたNさんがいたのですが、家に急いで帰らなければいけなかったので、感想は聴きそびれました。1曲目のカンタータに入っていたホルンも、なんだか高音でかなり苦労していたような気がするのですが。それと、フルートのAさんは、前から木管でしたっけ。なんか、前と違うな、と感じたのは楽器のせいでしょうか。
Aventure Number : 2820 date : 2017/7/30

17/8/2-17/9/13