2781(17/5/3)-2800(17/6/14)

今日の禁断 キャノン


 連休の谷間となったきのう、暦通りの出勤となった私は、大変なことに気が付いてしまいました。本来なら連休に入る前に終わらせていなければいけないことをまだやっていなかったのです。それは、5月末に行うイベントの案内状。ニューフィルの定期演奏会とか何かと忙しくしているうちにすっかり忘れていたのですね。いや、イベントの準備の方はしっかりやっていたんですけど、肝心なことを・・・。
 そうなると、もう、それは気が付いたらきのうのうちに案内はがきを印刷して発送しなければいけないというスケジュールになっていたのですよ。焦りましたね。まず、郵便局に行ってインクジェット用のハガキを1200枚買ってきます。そして、表に宛名、裏に案内文と、両面への印刷が始まることになります。これは、普通に考えればまず物理的に無理でした。いつもだったら表に1日、裏に1日というのが必要な工程です。それを1日でやるには、プリンターが2台必要になってきます。確かに、普段すぐ使えるプリンターは2台ありますが、1台はレーザープリンターで、インクジェットの用紙は絶対に使うなと書いてありますから、使えません。住所だけはあて名シートに印刷、ということであれば、レーザープリンターでも可能ですが、その用紙の買い置きもありません。この辺の文具屋さんですぐに手に入りそうもないので、これも時間的にアウト、です。
 とりあえず、残業覚悟で作業を始めました。いざとなれば次の日も時間がなくはないので使えなくはありません。でも、休みになってしまいますから、できれば昨日のうちに投函しておきたいものです。と、去年こんなことがあって、欠陥プリンターを買ってしまったことを思い出しました。たぶん、難しいことは無理でもハガキ印刷ぐらいはできるのではないかと思い、物置から引っ張り出してPCに接続したら、ちゃんと動きます。さいわい、インクのスペアも残っていたので、これでやってみることにしました。
 こんな風に、今のプリンターの上にスキャナーが置いてあるのですが、その上に「欠陥」プリンターを乗っけて、下で宛名、上で案内文と、同時にプリント作業を開始、なんだか物々しいですね。ハガキを供給するタイミングなどはそれぞれ違っているので、なかなかスリルがありましたけど、結局時間内にすべての作業を終わらせることが出来ましたよ。これからはこんなミスもないでしょうし、インクもすっかりなくなったので、もう「欠陥」プリンターを使うことはないでしょう。
 ですから、今日の「タケノコ掘りたいかい?」には、心置きなく臨むことが出来ました。まずは、前の日にやろうと思っていたのにとてもやれる状態ではなかった洗車をやってしまいましょう。それが終わって車を拭いていると、まだ時間前だというのに最初の参加者が到着です。それに続いてもう一組、どちらも今回が初めてという方々です。竹藪のあるところに来たのも初めてというので、とても新鮮。私が最初に見本で掘ってみせたら、感激されていましたね。どちらも小さなお子さんが一緒だったので、そちらの方が夢中になってました。
 それから続々と集まってきて、思い思いに掘りはじめましたが、どうも今年は去年ほどの生育の勢いはなかったようで、予定開始時間にちょっと遅れて来た人が掘ろうとしたころには、もうほとんどのタケノコはなくなっていましたね。それでも根性で探し出して、かろうじて1本ぐらいは掘ることが出来たでしょうか。
 終わって、恒例の集合写真を撮って人数を数えてみたら、今日の参加者は小さなお子さんを含めて全部で42名でしたよ。これは、今までで最高だった去年の28人をはるかに超えた人数です。初めて参加された方々のお蔭です。来年もよろしく。それで、掘れたタケノコは去年の半分ほどでしたから、みんなに持って行ってもらったら、もうすっかりなくなってしまいましたよ。こんなことは初めてです。お天気も良く、皆さんにも楽しんでいただけたことでしょう。でも、常連のNさんがいなかったのが、とても残念でした。コーキくんは「焼きそば」を期待していたのに。
Aventure Number : 2781 date : 2017/5/3


今日の禁断 アブラゲ


 ゴールデンウィークの後半、きのうは、普通に近場へのドライブ、みたいな感じでした。ただ、「近場」とは言っても、何もなければ1時間ぐらいで着けるところに、3時間近くかかってしまうというのが、不条理というか憎らしいというか。向かったのはおなじみ定義山、まずは途中で走る48号線での渋滞は覚悟しなければいけません。これが、毎回の悩みの種です。ご存知でしょうが、この道はいつもニューフィルの練習に使う広瀬文化センターを過ぎたあたりで、急にそれまで2車線だったものが1車線に変わってしまいます。ですから、私のような「常連さん」は車線が減る前に左の車線に寄っておきます。そうすれば、車線の変わり目でそのまま走っていけますからね。ところが、この時期、そんなしきたりを知らない「一見さん」が、どんどん右の車線を走って先に行くのですよ。彼らは決してその先で右折するために真ん中の車線を走っているわけではなく、そのまま進んで合流点で強引に「割り込み」してくるのですよ。いつものことですが、これは本当に腹が立ちますね。ですから、私は無理やり入ってこようとする車は絶対に入れさせません。そんな不正な走り方をする奴は、いつまでも車線に入れずに立ち往生していればいいんですよ。
 でも、そんな抵抗も、押し寄せる無法者の大群には何の意味も持ちません。合流点の手前では、いつ果てるともしれない不毛の戦いが続けられているのです。
 そんな感じで、定義山に着いた頃には、もうお昼を回っていました。おそらく、名物の「三角定義」を買い求める人も、今がピークだったのでしょう。お店の前から続く長蛇の列は、今まで体験したほどのない長さになっていました。
 これは最後尾から撮った写真ですが、これはストリートビューで見ると、この矢印の範囲で列が出来ていたことになります。
 さいわい、席だけは嫁が先に確保していたのでそこに座って食べられることになっていましたが、そこで「お茶を買ってきて」と言われてしまいました。そこで、財布を持たされて自販機に向かいます。無事買い終わって席に座ろうとすると、突然財布がひとりでに口を開けて、内容物を吐き出してしまいました。なんてことでしょう。私は、テーブルの下に膝間づいて、カードやら小銭を拾わなければいけませんでした。向かいにはこんな場所にヒラヒラのスカートを穿いてやってくるバカップルの片割れが座っていますから、余計な動作をして痴漢と間違われることだけは避けなければいけませんでした。
 帰り道はそんなに混んではいなかったので、そのままさっきの合流点近くの花屋さんに寄って、名物のアイスを食べましょう。
 でも、私が買った時にはそんなに待たなかったのに、買い終わって後ろを見ると、ものすごい列が出来ていましたね。でも、これは仕方がありません。なんせ、ここのマスターはお客さんに対してとても丁寧な応対をしていますからね。お釣りを渡すときには、財布に入れて両手が自由になるまで待ってくれていますし、手渡しする時には一人一人に「休日をお楽しみください!」なんて声をかけていますからね。
 今日はどこへも行かないで、まだまだ残っていた仕事を片付けようと思っていました。ニューフィルの定期演奏会の写真の整理です。今回はすぐに写真は手元に集まったのですが、なかなか時間が取れなくて作業が出来ないでいました。それを連休中には仕上げようと思っていたのですが、まあ午前中やったところで見通しが立ったので、ちょっと息抜きにパフォーマンス広場に行って練習してきました。やはり連休のせいでしょうか、とても空いていて穴倉を独り占めしてエルガーやマーラーをさらっていると、普段は全く気にならないサックスが、信じられないようなばかでかい音で吹き始めたのには参りましたね。音ががでかいだけでなく、音程がものすごく悪いので、もう自分の練習に集中できなくなってしまいます。こういうのは迷惑ですね。そのうち、もっとでかい音でヒップホップが始まったので、帰ることにしました。
 結局、写真は時系列の確認が間違っていて、やり直さなければいけなくなりました。楽天は負けちゃうし、なんかさんざんでしたね。
Aventure Number : 2782 date : 2017/5/5


今日の禁断 リーム


 大型練習も終わりですね。外で遊んでばかりいないで、たまっていた録画を見るのにも、少し時間を使わないと。そこで、BSでON AIRされた直後にちょっとだけ見てみた「エルプ・フィルハーモニー」のドキュメンタリーをきちんと見ることにしました。もうおなじみでしょうが、今年の1月にハンブルクに完成した新しいコンサートホールがこの「エルプ・フィルハーモニー」です。エルベ川の河畔に建っているので「エルプ」なんですね。
 なにしろ、ものすごく大規模なホールで、ホール・マニアである私にとってはよだれが出るようなすごいものですが、それが出来るまでにはかなりの困難があった、という噂は聞いていました。それを、実際に計画が始まった時点からずっと追いかけていたスタッフがいて、その10年以上に渡る記録が、詳細にまとめられているのです。つまり、計画から完成までに「10年以上」かかってしまったということですね。いくら大きなホールだから言って、これは建設期間としてはあまりに長すぎます。
 これは、作っている途中で様々な問題が発生して、工事を中断せざるを得ないような状況に陥ってしまったからです。それに伴って建設費も当初の見積もりのなんと10倍もかかってしまったというのですから、これは最悪の事態ですね。ただ「素晴らしいホールが出来た」と手放しで喜ぶわけにはいかないでしょう。
 でも、現実にこういうことが起こったということは、これからこういうものを作るときにもそんなことが起きる可能性は十分にある、ということですよね。この国でも、すでに、さる国家的な事業の建設に関しても、同じようなスキャンダルは騒がれていましたからね。
 仙台市あたりでも、音楽ホールを建てようという動きはあるようですが、果たして担当している方々にこれほどの覚悟があるのかどうかは、とても疑問です。

これが完成したホールの中。

そして、外観をバックにドキュメンタリーのタイトル。

続いて、スタッフのクレジット。

豊田さんの仕事ぶりが、克明に紹介されています。

建物のもとの姿。

中身をくりぬいて、外壁だけを残します。

その上に、ガラスの外壁の建物を乗せます。

多くの市民の反対運動もありました。

 「世界最高の音楽ホールを作ろう」と言い出したのは一個人、それに行政や市民団体も賛同して、プロジェクトは動き出したのですが、外壁のガラスや内装材を作るのにもものすごい経費が掛かっている上に、建設を始めてから強度に問題が出てきたり、ホールの部分を組み立てるのに予想していなかった手間がかかったりして、予算はどんどん増えていきます。責任を巡って裁判まで起こされるという事態になったというのですから、どうしようもありませんね。良識ある市民から反対の声が上がったのは当然のことだったのでしょう。
 もし、本気で仙台市に音楽ホールを作ろうとしている人がいるのであれば、これは「反面教師」として必見の映像です。
 それでもホールは完成し、盛大にオープニング・コンサートが開催されました。その模様も放送されました。これは、前半と後半がそれぞれ、いくつかの曲をエンドレスに演奏するというユニークなもの、オーケストラの現代曲の後にルネサンスの合唱曲が客席で歌われていたりしました。前半の最後には、メシアンの「トゥーランガリラ」の最後の楽章が演奏されましたが、そこにこんなコメントが。
 私は昔からのファンで、普通は「トマ・ブロシュ」という、オンド・マルトノ奏者です。ただ、いくら見てもこのキーボードだけしか見えず、この楽器特有のスピーカー群が見つかりません。
 そこで、色んなアングルの映像をしっかり見直してみたら、こんなところにありました。グランドピアノの脇にブロシュと彼の楽器がありました。
 その部分を拡大してみると、このあたりにキーボードがまとめて配置されていることが分かります。ブロシュの後ろにあるのがスピーカーなのでしょうが、なんかしょぼいですね。彼の前にあるのはツィンバロン。この前に演奏された曲で使われていました。さらに上手寄りにあるのが、チェレスタとジュ・ドゥ・タンブルですね。
Aventure Number : 2783 date : 2017/5/7


今日の禁断 ダウンロード


 長い長い休みが終わり、ニューフィルの練習が再開されました。なんたって、今度の曲はエルガーの交響曲第1番ですから、下準備が大変です。ぜひともこの長い休みの間にきちんとさらっておこうと思ってはいたのですが、「休み」とは言っても私がすべて休めるわけではなく、練習に使える時間などはほんの少ししかありませんから、完璧には程遠い出来に終わっていました。
 そんな、もう出たとこ勝負のような感じで臨んだ「初見大会」では、なんだか懐かしい顔があちこちに。久しぶりに戻ってきた、という人が急に押し寄せてきたのですね。それだけではなく本当の新入団員もいたりして、ちょっと景色が変わって見えました。私のお隣のオーボエパートなどは、3人のうちの2人がそんな「新人」でしたからね。
 合奏が始まる前に団長が「この曲やったことある人」と声をかけたら、予想通り手を挙げた人は誰もいませんでした。そのぐらい、普通のアマチュア・オーケストラにとっては馴染みのない曲を、これからやろうとしているのですね。始まってみると、そもそも音楽の作り方が普通の「クラシック」とはかなり様相が異なっているのが分かります。他の楽器との合わせ方がなんとも読めないんですね。フルートなどはそもそも鳴りにくい音域でもぞもぞやっているような感じなので、果たして正しい音を出しているのかさえ分かりません。結局、何度か落ちたり、入り損ねたりしていたのですが、なんかそこで「間違った」という気がほとんどしないのですよ。これは恐ろしい曲です。まずはもう1回スコアをちゃんと見てからさらわないと、どうにもなりませんね。
 逆に、こんだけ分かりにくいと、やる気は湧いてきますね。こんなダラダラした曲がどこまで納得して吹けるようになるのか、とても楽しみです。きっと、きれいにリズムもハマって、不思議なスケールもさらさら吹けるようになれば、気持ちがいいのでしょうね。そんな景色を、ぜひ見てみたいものです。
 何とか最後まで通した後、恒例の「懇談会」です。演奏会の反省事項などを語り合う場ですが、今回はお客さんもたくさん入ったのでそんなにネガティブな発言はなかったようです。逆に、今までほとんど言われたことのなかった、私が主にやっている広報活動について名指しで褒めてもらえたのが、うれしかったですね。「また名取でやりたい」という人が何人かいましたから、またここでやれるといいですね。
 そんな発言を録音したものを、今日の午前と午後に分けて文字起こししてしまいました。もちろん、次の「かいほうげん」のためなのですが、これを来週発行するのだ、という予定を立ててしまったものですから、これぐらいは早いとこやっておかなければいけなかったのですよ。というのも、来週を逃すと次の週は分奏なので、発行するのはさらに次の週になってしまいます。そうすると、その前に控えている、ぜひ告知しておきたいコンサートなどが終わってしまいますから、なんとしても来週には出す必要があるのですね。
 まあ、素材はおそらく必要なものは十分にそろっているはずなので、この「議事録」さえあれば、後は写真のレイアウトをチマチマやっていれば、なんとか間に合うような気はします。でも、1ページ分を新入団員として承認された人の紹介に充てようと思っていたら、なんとその人からの退団届が渡されてしまいましたよ。学生さんなので、年度が変わったら俄然忙しくなって練習に出る暇がなくなってしまったのだそうです。そんなこともあるので、ぜひ、たくさんの方、特に弦楽器は入ってきて欲しいですね。エルガーばっかりやっているわけではありませんから。
 定期演奏会の後始末として、全部で3人の人が撮った演奏会やその前後の写真を、やっとアップしました。公式サイトの日程表からリンクされていますから、ご利用ください。Facebookページにはここだけのパスワードも書いておきましたので、団員でなくてもアクセスできますよ。くれぐれも、良識の範囲を超えた拡散はご遠慮くださいね。
Aventure Number : 2784 date : 2017/5/10


今日の禁断 ステーキ


 この間の「禁断」を書いた直前に、ニューフィルの定期演奏会の写真をアップしたんですよね。そうしたら、その日のうちにあの写真のページへのアクセスが40件以上ありました。あそこにはカウンターが設置してあって、それに上書きして新しいページを作っていますから、前の演奏会の写真へのトータルのアクセス数がまだ残っていました。それは半年で140ちょっと、まあいつもこんなものでしょうか。アップした直後を過ぎるとあまり見る人はいなくなりますからね。それを、新しいページにした時に、カウンターもリセットしておきました。そうしたら、ほんの2時間ぐらいの間にこんなにアクセスがあったのです。
 あのページはパスワードを入れないとアクセスできませんから、この40件というのはこのパスワードを使った人によるアクセス、ということになりますね。ですから、ほとんどはFacebookページ経由でパスワードをゲットしてアクセスした人なのでは、という気がするのですが、どうでしょう。
 そして、この写真の中から選りすぐったものを集めて、「かいほうげん」の制作も始まりました。あまりに多すぎて、却ってどれを載せるかがなかなか決まらなかったり、必要な写真がどこにあるのかわからなかったり、結構手間取ってしまいましたが、なんとか、今日の6時過ぎには全部のページを完成させることが出来ました。こんなに早く出来上がるなんて、ある意味、快挙ですね。
 なにしろ、今回の、本来の「会報」としての伝達事項があまりにも多かったので、早いところそれを吐き出してしまいたかったんですよね。結局、いつも最後のページには、あまり書くことがなくて、別の写真などをでっち上げていることが多いのですが、今回はそのような入ってきたり辞めていったりする団員などの告知だけで、まるまる埋まってしまいましたからね。
 それと、来週には発行したかったのは、再来週に行われるコンサートの案内をぜひ載せたかったものですから。
 左の方は、団員の身内の方なので、大々的に宣伝したいと思っていました。なんでも、かつてニューフィルの演奏会にエキストラで出演したことがある、というのですから、実際にいつ頃のことなのか調べてみましたよ。そのために、昔の演奏会のプログラムを引っ張り出して出演者を見てみたら、それはもう20年近くも前のことだったことが分かりました。ちょうど、私が「ジュラシック・ページ」という個人サイトを始めたころですね。そのころは、ニューフィルの公式サイトはまだ出来ていなくて(正確には、他の人が作ったものはあったけど、ほとんど機能していませんでした)、個人サイトにニューフィルの情報も同居させていたような状態でしたね。ですから、今の公式サイトでは、その年から演奏会のコンテンツが始まっています。そんなことを、懐かしく思い出してしまいましたよ。
 そんな作業していたので、帰るのが遅くなって、外食をすることになりました。いつもだったら「とらの子」という中華に行くのですが、このお店が連休明けから2か月間、改築のために休業になっているのです。毎週練習の前にここに来ていましたから、ちょっと困りますね。ただ、そんな時に「プランB」で行けるお店が、すぐそばにありました。それは「KAYA」という洋食店です。ですから、そこに行ってみることにしました。いつも食べるのはカツカレーなので、それを頼むと、出てきたものがなんだかいつもと違います。カツが明らかに小さくなっています。それと、カレーの中に前は肉とか野菜が入っていたのに、今日は玉ねぎのかけらぐらいしかありません。味自体はいつもと変わらないのですが、その小さくなったカツのお肉がちょっと硬いような気がしました。そういえば、この前に来た時に食べたビーフシチューも、とても固い肉だったことを思い出しました。それまではとろけるようなおいしい肉だったのに。残念ですが、もうこのお店に来る価値はなくなってしまっているようです。
Aventure Number : 2785 date : 2017/5/12


今日の禁断 ドビュッシー


 RADIKOの「タイムフリー」はとても役に立つ機能ですが、いつでも聴けると思っていると、つい聴き逃してしまうことがままあったりします。「フリー」といっても、その期限は1週間しかないので、それを過ぎるともう聴けなくなってしまうんですよね。先週の日曜日に放送された仙台フィルの番組も、今週は何かと忙しくてまとまった時間がとれなくて(なんせ、3時間という時間制限があって、それを過ぎると聴けなくなりますから、一気に1時間とか聴かないといけません)聴けないでいたら、もう日曜日になってしまったではありませんか。今日中に聴かないことには、もう一生この回は聴くことが出来ませんよ。
 それで、最後の手段、車での移動の時にiPhoneをカーオーディオにつないで聴くことにしました。今日はちょっと遠いところ(市内ですが)まで知り合いの知り合いの合唱団のコンサートを聴きに行くことになっていましたが、駐車場が混んでて入れないことも見越して、かなり早い時間に出発しましたから、これを聴く時間は十分にあるはずです。
 新年度になってMさんが出演することになってこれが2回目になるのですが、もうすっかりMさんはDJ稼業が板についたようですね。前回はちょっと硬いところがあったものが、今回は普段通りのノリの良さで、とても面白い話を聴かせてくれていましたよ。次回も楽しみです。相方のアナウンサーがなんとも間抜けな受け答えしかできないのが、ちょっと痛いところですがね。一番ウケたのは、「鉄腕アトム」のイントロに全音音階が使われている、という指摘。これは、前から私も気が付いていましたが、そこから「未来に向けてのメッセージ」みたいな意味を感じるのは、さすがMさんです。これがスティーヴィー・ワンダーの「You are the Sunshine of my Life」だとどうなるのでしょうね。
 コンサートの会場にはすぐ着いてしまったので、そのまま駐車場で最後まで聴いてから、ホールに向かいます。この合唱の今回のプログラムは、全部仙台の女子大の先生で作曲家のA先生の作品だけを取り上げていました。さらに、後半のステージではA先生自身がピアノ伴奏も担当していました。そして、最後のステージではこの合唱団が委嘱した新作の初演もありました。なんと贅沢な。
 この方の作品は合唱界では全国的に有名で、色んなところで聴いたことがあります。とてもキャッチーなメロディで、親しみやすい曲なのですが、その親しみやすさとは裏腹にピアノ伴奏がとても難しそう、という印象がありました。以前も別の合唱団で先生がピアノ伴奏を弾いていたことがありましたが、それはさすがに自分の作品ということで、とても伸び伸びとかっこよく弾いていましたね。ですから、普通の伴奏者がこれをそのまま弾いたのでは、とても大変だろうなあ、という気にはなりました。
 今日の前半のステージでは、伴奏はそんな「普通の」人。まさにそんな危惧が現実のものとなっていました。最初の曲でピアノ伴奏が聴こえてきた瞬間から、これはどうしようもないな、と思ってしまいましたよ。音は外すし、リズムは合わないし、変なところでアクセントを付けるし、そして一番いけないのは、合唱と全く合っていないんですね。いや、合わせる以前の問題、ピアニストはAさんの書いた難しい音符と格闘するのに精いっぱいで、とても他人の演奏なんか聴いている余裕はなかったのでしょう。
 それが、後半にAさんの伴奏になったら、もう別物、まさに余裕で、その曲の味が最も美しく出てくるような絶妙のピアノが聴けました。軽々と弾いているので、合唱の声もよく聴こえるようになりました。これはもう至福の瞬間ですね。初演の曲はいつもと同じ親しみやすい作風ですが、最後の曲ではなんと「パッサカリア」が使われていたりして、とても楽しめました。
Aventure Number : 2786 date : 2017/5/14


今日の禁断 ジャスラック


 きのうは、ニューフィルの会報誌「かいほうげん」の発行日でした。いや、別に毎月20日とかに発行日が決まっているわけではなく、なんとかネタが集まって出せるようになる時が発行日なんですけどね。これはもう月曜日にはファイルは出来上がっていて、午前中に印刷と製本を行いました。今回は大体プリンターの能力と、私がそれを折ってホチキス止めするまでの時間がぴったり同じになっていたので、印刷が終わると同時に製本も終わるという非常に珍しいことが起こってしまいました。もちろん、これが実現するには私は休んだり他のことをやることは許されません。ひたすら脇目も振らずに、紙をぴったり二つ折りしたら、それを4枚まとめて、その折り目の上に正確にホチキスの針を打ち込む、という作業を繰り返さなければいけません。しかも100回も。
 全てが終わって時計を見たら、印刷をスタートしてから1時間40分でした。そんなに長い間集中していたんですね。いつもは、印刷が終わった時点で大量に未製本の紙が残っているのでそれを製本してると結局2時間ぐらいかかっていたのですが、うまく行くとこんな時間で終わるんですね。
 これで、ひと仕事終わったことになるのですが、今月はまだまだ別の仕事が待っています。それは、来週の週末に迫った職場でのコンサートの準備。もうセッティングなどの準備はほとんど終わっているので、いよいよ当日渡すプログラムを作らなければいけません。それも、曲目とかプロフィール、そして写真などが揃ったので、テキストの打ち込みとレイアウトを始めましょう。
 そこで、曲目とかクレジットなどを資料から拾い出して打ち込んでいったのですが、そこでハタと手が止まってしまいました。今回のコンサートの出演者はさる合唱団で、曲目には「作詞」と「作曲」のクレジットが付いているのですが、曲によって「作詞」ではなく「作詩」となっているものがあるのです。これは、以前から私もよく分からなかったことなのですが、普通の歌であれば「作詞」以外にはありえないものが、なぜか合唱曲の場合には「作詩」と呼ばれる場合が非常に多いのですよね。確かに、合唱曲では、必ずしも歌のために作られた「歌詞」を使わないこともあります。つまり、歌になることを前提とはしていない「詩」を、「歌詞」に転用することがかなりあります。ですからそういうもので作られた曲では「作詩」、あるいは「作詩、作曲」とも言わずにもっと直接的に「詩」、「曲」と書いたりすることがあります。というか、ほとんどの合唱作品では「詞」ではなく「詩」という字が使われているのではないでしょうか。「合唱組曲」だったら例外なく「作詩」ではないでしょうか。
 確かに気持ちはよく分かります。「合唱曲」は決して「歌」ではない、という思想の反映ですね。もっと言えば、「詩」は芸術作品として成り立つが、歌のための「詞」にはそれほどの価値はない、という思い上がりでしょうか。それはそれで、一つの矜持として一部の人にとってはとても大切なことなのかもしれませんが、そうなってくると「詩」と「詞」の境界はどこになるのか、という問題が出てきませんか。そもそも、「歌詞」ってなんだ、という問題ですよね。
 私としては、メロディが付けられて歌われるものは、その出自に関わらずすべて「歌詞」だ、と思いたいですけどね。そうすれば、さっきみたいにプログラムの印刷で考えなくても済みますからね。
 参考のために申し添えれば、そういう音楽作品を管理している団体では、演奏される曲の属性はすべて「作詞者」と「作曲者」になっています。
 このように、「作詩者」という項目は、この明細書にはありませんからね。
 「記入例」というのも見つかりましたが、下の方の、「合唱組曲」でも、やはり「作詞者」の欄にしか記入できません。このあたりが、最も納得できる措置だと思うのですがね。
 余談ですが、この記入例の投げやりなこと。「上原」というのは、この団体の本部があるところですね。「音野美子」とか「権利守」なんて、恥ずかしくなりますね。せめて「音羽美子」とか「権利守郎」だったら許せるのに(そこ?)
Aventure Number : 2787 date : 2017/5/17


今日の禁断 グールド


 身内に高齢の人がいて、ちょっと具合が悪くなると近くの病院に行って点滴を受けてもらったりします。もちろん、一人では行けないので 送り迎えは誰か手の空いた人が行います。今日は、他の人が都合が悪かったので、私が迎えに行くことになりました。ノートe-Powerを、ちょっと狭い病院の駐車場に、高齢者がすぐ乗れるように停めます。前の車だとなかなかギリギリまで壁に寄せたりできなかったのですが、これはソナーもバックモニターも完備しているので、後方視野は完璧です。
 待合室に入っていくと、もう終わって待っているはずなのに見当たらないので看護婦さん(死語)にきいてみると、「もう終わってますが、バッシンを行っているのでしょう」と答えてくれました。え、バッシン?バッシングのことでしょうか。何も悪いことはしていないはずなのに。いやいや、そんなわけはなく、私はすぐに「点滴の針を抜くことなんだな」と分かりましたけどね。「抜針」ですね。生まれて初めて聞いた言葉ですが、それで間違いはないはずです。ふだん、変な専門用語(「モツレク」とか「神たそ」)ばかり使う現場にいるものですから、こんな直球勝負の言葉だったら楽勝です。
 そのe-Powerですが、さすがに今日は暑かったのでエアコンを入れました。以前、この車はエンジンが暖まりにくいので暖房がなかなか入らない、と苦言を呈したのですが、冷房の場合は逆にこのシステムならではの快適さがあるようでした。エンジン車だと、エアコンの動力はエンジンから取っているので、エンジンがあまり回らない時、スタート時とかアイドリングの時にはあまり冷房が効きません。それが、こちらはエンジンに関係なくバッテリーでエアコンを動かすので、アイドリングの時でもしっかり冷房が効いてくれます。それと、エアコンを使っている時のエンジン車は、加速なども落ちてしまいますが、そんなことは全くありません。長いこと、そんな冷房時のパワーの変化を体験していたものですから、それに全く関係なく軽やかに走れるのは感動ものですね。
 でも、いいことばかりではありません。当然のことですが、バッテリーの消費が大きくて、今まではどんな時でも半分以上は充電されていたものが、エアコンを使ったらすぐに半分以下、あるいはもっと少なくなってしまいます。それを充電するためのエンジンが回るようになっているのですが、それは完全に自動で働くので、もうほとんどバッテリーがなくなって焦っているのにエンジンはさっぱり動いてくれなくて気が気じゃなくなる時がありますね。結局、いつの間にかフル充電されているようなので心配はないんですけど、なんかすべて機械任せというのは不安ですね。
 今月は、なんだかいつも忙しい思いをしていたようでした。気が付いたらもう来週は大きな行事が迫っていたのですね。懸案だった、グランドピアノの下に敷くコンパネも、昨日やっと買ってきました。持って帰るときにe-Powerに積むと、ちょうど中に入ります。ただ、天井に沿って運転席の上まで来るので、それを頭で支えていなければいけないかな、と思っていたら、ヘッドレストを上げればその上に乗ってくれました。ですから、何のストレスもなく運んで来れましたよ。ただ、後でヘッドレストの上を見てみたら、そこにコンパネの細かい木屑がいっぱい付いていましたね。それは払ったぐらいでは取れなくて、ガムテープで剥がさなければいけませんでした。
 来月になると、ほぼ毎週週末はコンサート、という予定になっています。特に、最初の週は東京まで日帰りで新国に「ジークフリート」を見に行く予定。日曜のマチネなので、楽々帰ってこれると思っていたのですが、サイトで演奏時間を見てみたら、休憩時間を含めて終演まで6時間かかるんですって。幕間の休憩がそれぞれ45分ずつあるんですよね。なんか中途半端。その間何をやって時間をつぶせばいいのでしょうね。2時から始まって8時に終わるのですが、帰りの新幹線も結局9時半までちょうどいいのがないので、ここでも時間が余りそう。でも、キッチン・ストリートは開いてますから、そこで遅めの夕食でしょうか。
Aventure Number : 2788 date : 2017/5/19


今日の禁断 ヒドゥン


 子供のころは、「少年サンデー」と「少年マガジン」を創刊号からずっと読んでいましたが、大人になってからはそういう習慣はなくなっていました。かろうじて「ビックコミックオリジナル」だけは、毎週欠かさず立ち読みをするだけです。それも、最近では読むものが極端に少なくなっていて、「黄昏流星群」と「どうらく息子」しか読まないようになっていましたね。それ以外のものは、全く読もうという気にならないのですよ。特に絵が、生理的に受け入れられないようなものばかりで。とりあえず「どうらく」の方は読みごたえがあるので、毎号楽しみにしていました。
 ところが、きのうの最新号を見てみたら、その「どうらく」が載ってません。よくよく考えてみると、その前の号でも読んだ覚えがありません。そう、それでもう1度読み返して確かめてみようと思っていたら、すでに次の号が出ていたんですね。休載なのかな、と目次を見ても何の告知もありません。そうしたら、なんとこれはもう終わっていたというのですね。ですから、その「最終回」は確かに読んでいました。でも、記憶をたどると、とてもこれが最後とは思えないような内容だったような気がしますけどね。物語からしても、まだまだ先があるような作り方でしたし。
 ということは、これは体のいい「打ち切り」だったのでしょうか。なんか、とても気になります。
 もう一つの「黄昏」も、もうただ習慣で読み続けている、というだけですね。最近は完全に予想通りの展開、つまり、全く当たり前の結果しか出てこないというのには、本当にがっかりさせられます。もうストーリーを作り出すことが出来なくなっているのですから、潔く引退したらいいのにな、と思ってしまいますね。今の養殖漁業の話が終わったら、もう「オリジナル」を立ち読みすることはなくなるでしょう。これも創刊号以来という長い付き合いでしたが、これが潮時というものです。何事にも終わりはあります。
 こんな先が見通せる安直なコミックではなく、もっと強固なプロットを持った本は、やはり読んでよかったと思えるものがたくさんあります。最近読んだのが、この2冊。
 「京都寺町三条のホームズ」は、なんか軽いものが読みたくて「ジャケ買い」した第1巻がとても面白かったので、続巻が出るたびに読んでいます。それが今では7巻目、高校生だった主人公がそろそろ大学生になってしまうので、もうこのシリーズも終わりかな、と思って読んでみると、あとがきにはまだ続ける用意があるようなことが書いてあったので、まずは一安心。この作者だったら、いたずらに長引かせて「黄昏」の轍を踏むようなことはないでしょう。というのも、巻を重ねるにつれて、どんどん中身が濃くなってきていますからね。最初のころは、なんとも他愛のない話だったのが、今回などは恐ろしいほどの深いところまで行きついていましたよ。ある意味、登場人物の成長譚なのですが、作者自身も成長しているというのがよく分かります。
 成長はやはりどんな人にも必要なものなのではないでしょうか。それをやめてしまった人には、もう何の興味もなくなってしまいます(〇谷〇喜とか)。
 もう一つの東野圭吾については、もう完成されている世界ですから、新しい本を読んで裏切られたことはありません。ただ、この「虚ろな十字架」では、途中でちょっと「これは」と感じてしまうような場面がありました。ちょっと、「主張」が強すぎるんですよね。それも、かなりデリケートな問題で、相当の断定的な主張が登場人物から発せられるんですよ。ちょっと引いてしまいましたね。でも、それにはきちんと意味があったことが、最後になると分かります。いつもながらの、どこにも無駄のない伏線がきちんと張られていたのでした。つまり、清貴くんが葵ちゃんと別れたようなものなんですね。
Aventure Number : 2789 date : 2017/5/21


今日の禁断 ミズバショウ


 今回の朝ドラ、相変わらずサントラのセンスの悪さには引いてしまってばかりですが、職場の合唱団が登場するようになってちょっと印象が変わってきましたね。つまり、この間までBSで再放送をやっていた「てるてる家族」に通じるものがあるのでは、という気がしてきたのですよ。「てるてる」で音楽を担当していたのは、宮川泰、今の朝ドラの担当の宮川彬良のお父さんですね。彼がやったのは、ドラマをミュージカル仕立てにすることでした。それこそ、何の前ぶれもなくいきなり登場人物が歌い出すんですから、最初のころは「これはひどい!」と思いましたね。でも、こういうものは慣れるとだんだん面白くなるもので、逆に「朝ドラでよくこんなことができたな」と心配になったこともありましたね。確かに、もう使いたい曲を無制限に歌わせていたようで、後にDVDを出すときに使用の許諾が得られなくて、その部分だけカットしなければいけなかったようですね。ですから、完全版の映像という商品はそれまで存在していなくて、この再放送はとてもレアなものになっていたのだそうです。そんなことを知ったのは、もう半分以上ドラマが終わってしまった頃ですが、それで別に悔しいとは思いませんでしたけどね。
 そんな父親と同じようなことを、息子の方はまず合唱団で実現させました。最初に「手のひらを太陽に」が出てきた時には、まだこの曲は作られてはいないんじゃないか、と思ったのですが、調べたらギリギリで間に合ってましたね。その次は「トロイカ」でしょうか。「『トロイカ』ってなに?」と聞くと「それは『トロ』と『イカ』だよ」なんてベタなセリフが出てくるわけもなく、きちんと博学な子が説明してくれましたし、もしかしたら、と思っていた「バイヤン」も、きちんと「あのアコーディオンみたいな楽器」なんて答えるんですから、この子の知識には驚くしかありません。「本当は『バイヤン』じゃなくて『バヤン』だよ」と言ってくれたら、もっと驚いたことでしょう。
 それにしても、音取りもパート練習もしないで、初見の曲を歌ってしまうんですから、この合唱団の力はすごいですね。そのあとは「椰子の実」とか「夏の思い出」とか、最近ちょっと調べている曲が出てきたのもうれしかったですね。「夏の思い出」はイントロを聴いただけですぐわかりました。もしかしたらそのうち父親の曲なんかも歌わせるようになるかもしれませんね。「ウナ・セラ・ディ東京」なんかはもう出来ていましたから。
 そして、今日はまさかの「ウエストサイド物語」です。しっかり体育館のダンスを踊りだすのですから、もう間違いなくミュージカル路線への伏線ですよ。つい、素朴な茨城弁に騙されそうになってしまいますが、このドラマには実は洗練された最先端のエンターテインメントの要素が込められているのです、なんてね。
 ただ、ここで「ステージで演奏される『ウエストサイド物語』を見てみたいなあ」と指揮者が言っていましたが、調べてみたらこの前にすでにブロードウェイ・キャストが来日していたそうですね。てっきり劇団四季あたりが最初だと思っていたのですが、もっと前にそんなのがあったんですね。私も知らなかったので、このドラマの関係者(宮川さんも含めて)が知らないのは仕方がありません。
 その、劇団四季のミュージカルでは、しっかり生のオーケストラがピットに入っていました。そこで指揮をしていたのが高橋悠治だったというのは有名な話です。というか、実際に私はこのステージを見ているのですが、そこで、それまでずっと現代音楽のコンサートで追っかけていた高橋悠治が指揮をしていたのを知って、とても驚いたことがありました。それより驚いたのは、映画と同じ編曲で音楽が演奏されていたことです。あの映画を見た時には、音楽はかっこいいのに、なんか編曲が野暮ったいというか、ちょっと古臭いような気がしていたんですよね。ですから、それからかなり年月が経っていたので、もっと「現代的」なアレンジで聴けると思い込んでいたものですから。その後、いろいろなことを体験して、そんなことはあり得ないことを知るようになるのですが、その時には本気でそう思っていましたよ。
 たとえば、私の体験では、カツカレーのカレーには「具」もきっちり入っているものでした。ですから、この間「KAYA」で「具」のないカレーのカツカレーが出てきたので心底がっかりしたのですが、きのうの練習前に同じものを頼んだら、そこには
 ちゃんとたくさんの「具」が入っていました。カツも心なしか大きめ、この間のカツカレーは、いったいなんだったのでしょう。
Aventure Number : 2790 date : 2017/5/24


今日の禁断 アランフェス


 来週月曜日の職場でのコンサートの準備として、私がやっておかなければいけないことは全部終わりました。というか、もう今週の火曜日の時点で当日のプログラムの印刷は終わり、お土産などと一緒に袋詰めにする作業もすでに終わっていたのです。しかし、そこに、ゲストの合唱団から「コンサートの案内は入れていただけましたか?」という問い合わせが来ました。そうだった、確かに、打ち合わせの時にプログラムの中に秋に行われるその合唱団のコンサートの案内も入れておきますよ、と言っていたことを、すっかり忘れていました。いや、実はそれも含めての原稿をお願いしてあったのが、結局資料だけ渡されてあとはお任せ、みたいなものに変わってしまったので、その時点で先方も忘れていたようですね。ですから、私も最初は全員合唱用の歌詞カードの裏側にでも印刷しようかと思っていたのですが、実際に歌詞カードを作っている時にはそんなことは完全に頭の隅からも消えていましたよ。
 ですから、構想通りに、袋詰めをしてしまった歌詞カードを全部抜き出して、その裏側に案内事項を印刷すればいいのでしょうが、それではせっかく袋詰めした労力が全く無駄になってしまいます。だったら、本物のチラシを作ってそれを袋に入れてやろうじゃないか、と思いつきました。ここのチラシはいつも見ていますし、ほぼ同じものが手元にあったので、それをスキャンして加工し、まるで本物のようなチラシを作るのは簡単なことです。せっかくだから、トンボを入れて、まわりを切って余白のないものにしてみましょう。
 ほんの2,3時間でそれは出来上がり、お客さん全員に配れるだけの枚数のプリントを始めました。それを、印刷が終わったものから順次トンボで切断していくと、なんだかまわりの余白にスジのようなものが入るようになってきました。そこであわてて一番新しい印刷チラシを見てみると、もう余白が真っ黒になるぐらいの汚いものになっていましたよ。これは、一旦止めてサービスを呼ばないとダメですね。どうやら、ドラムを交換する必要がありそうです。
 サービスはすぐに来たので、そのプリントを見せると、サービスマンはドラムではなく、トナーの清掃系の部品の摩耗だということで、その場で部品をバイク便で手配して交換しました。そうしたら、すっかりきれいに印刷できるようになりましたよ。ひとまずこれで安心です。でも、もし、最初のプランで歌詞カードの裏側に印刷していたら、それも使えなくなっていてもっとひどいことになっていたところでした。まあ、とんだところで被害を最小限に抑えることが出来たということですね。
 そんなわけで、今日の夕方にはやっと時間が取れたので、今年の「駅コン」に行ってみました。毎年、新田さんが指揮をして仙台フィルが駅のコンコースで演奏するのですが、今年はなんとイベールのフルート協奏曲を全曲演奏するというので、だいぶ前から楽しみにしていました。
 仙台駅は最近大々的な改修工事が行われて、コンコースの1段上の階がとても広々となりました。ですから、そこから下を見渡せるスペースが格段に広がりました。でも、私が行った時には真ん中あたりはもう一杯、かろうじて上手寄りがあまり人がいなくて、一人ぐらいだったら一番前に入れそうなスペースがありました。そうしたら、そこは空いてはいるのですが、なんだか両手を大きく広げて「席取り」をしている風の人がいました。そんなことをしても人がいないのでは意味がないよ、ということで、わざとトートバッグをその手のそばに置いて中からカメラを出してみたら、その人は驚いたように私の顔を見て私の名前を呼びました。一瞬誰かと思ったら、それはニューフィルの元団員でした。なんでももう一人の、やはりニューフィルの今の団員と一緒に見るために、席取りをやっていたんですって。そして、私の顔ではなく、カメラを見て、そこにいたのが私だと分かったのだそうです。結局、もう一人の人もすぐ来たので、3人の新旧ニューフィル団員が並んで駅コンを楽しむことになりました。
 今年も満席、コンコースの椅子席は、1時間ぐらい前にいっぱいになっていたそうです。
 新田さんはMCも担当。でも、風邪でもひかれたのでしょうか、声がガラガラだったのがお気の毒。でも、指揮ぶりはいつもの通りきびきびとしたものでした。
 イベールの協奏曲を生で聴いたのは初めてのことでした。仙台フィルの戸田さんのフルートは素晴らしかったですね。
 客席には、音楽監督のヴェロさんも。
 終わってから新田さんにご挨拶しようと思っても、なんだか忙しそうなのであきらめました。そうしたら、偶然フルートのAさんが通りかかって、しばらく立ち話。ニューフィルの「レニングラード」を聴いてくれたのだとか。冷や汗ものですね。
 こんな写真をFacebookにアップしたら、自動的に新田さんにタグ付されてしまって、新田さん宛ての「いいね!」が私のところに殺到しています。
Aventure Number : 2791 date : 2017/5/26


今日の禁断 ヴィヴァルディ


 毎年、この時期に職場で開かれている「かやの木コンサート」は、そもそもはこの若葉の季節を体いっぱいに触れる中で音楽を味わっていただこうと、国の天然記念物の「マルミガヤ」の前が会場でした。最初に始めた時には、その頃私が入っていた「仙台フルートの会」というところに出演してもらい、しばらくはそこが毎年演奏、という形でしたね。
 最近では、名前はそのままに、私以外のスタッフの知人など、音楽に限らずいろいろな分野のグループにお願いしています。去年は「すずめ踊り」でしたね。そして、今年は愚妻が所属している女声合唱団が出演してくれることになっていました。合唱団は以前、私が入っていた男声合唱団が出演したことがありましたが、その時は野外ではなく室内でやらせてほしいということで、本堂で行いました。その時には、ピアノはそこにあったアップライトを使いました。でも、やっぱり仮にもコンサートですから、なんかしょぼい感じでしたね。ですから、もし次に合唱団がやるときには、できればグランドを使いたいな、とは漠然と考えていました。
 今回は、全くの偶然でグランドをレンタルしているところが見つかり、一応はニューフィルとも仕事をしているところなので大丈夫だとは思いながらも、本当はちょっと不安もありながら、そこの楽器を借りることにしました。調律もちゃんとやってくれる、と言ってましたからね。でも、やはり実際に楽器が届くまでは、なんだか果たしてちゃんとしたのが借りられるのかどうかは全く分かりませんでした。
 コンサートの前日のきのう、その搬入の予定時間の少し前に、その調律の人がやってきました。その人は、私もニューフィルのコンサートの前に調律しているところを見ていたり、他のところでも頻繁に目にしていたSさんでした。こんな方と取引しているのだったら、そこの楽器も大丈夫だろうな、と、その時思いましたね。実際、そのグランドピアノは、とても素敵な音を本堂内に響かせてくれました。
 それにしても、この楽器の搬入と据え付けは、とても大変な作業なんですね。
 楽器が到着、前もって打ち合わせてあったように、ガードをくぐれるように、大きなトラックではなく、こんな小さな車です。
 3人がかりで中に運び入れます。
 まずは、足を2本付けただけで、起こしていきます。
 残りの1本の足は、2人が支えている中をもう一人が取り付けます。
 これで場所は決定、Sさんも仕事を始めます。
 ここまでを見届けてから、その日は「杜の都合」のマーラーの初練習に向かいます(結局、調律はそれから2時間半かかりました。)。いつもの旭ヶ丘のホールでしたが、椅子の数はもっとたくさんでした。その管楽器の席はほとんど埋まっていましたが、弦楽器はまだ空席が目立ちます。でも、これがいっぱいになることは間違いないので、そんな空席でも迫力があります。今回は新しいメンバーもたくさん参加していて、私の隣の1番オーボエの人も全くの初対面でした。でも、この人がとても上手なんですね。というか、今まで一緒に演奏して来たオーボエとは全然タイプが違っていて、とてもカッチリした吹き方をするので、ちょっと煽られてしまいそうになってしまいます。この人とぴったり合わせるのはかなり大変なような気がしますが、なんか燃えてきますね。
 そして、今日は朝からコンサートの準備、さらには指揮者やソリストの楽譜を譜面台まで置きに行ったり、合唱団の出のきっかけを指示したりと、私はステマネの真似事のようなことまで、いつの間にかやっていました。
 これが本番、ピアノはすっかり隠れていますが、よく聴こえてきました。
 せっかくですからD-100で録音もやってみました。ただ、リハーサルの時に回しっぱなしにしておいて、それを聴いてレベルを合わせようとしたら、音が全然聞こえてきません。焦ってしまいましたが、そういえば最近はもっぱらラインだけで録音していたので、入力がマイクになっていなかったんですよ。それに気が付いて再度リハを録音、ちょっとゲインが低めだったので微調整したら、本番はかなりきれいに録れていました。例によって、主催者の前説が面白かったので、それも全部含めてCDにしてみんなに配ってもらうつもりです。でも「『トロ』と『イカ』」って、私が教えたネタなんですけどね。
Aventure Number : 2792 date : 2017/5/29


今日の禁断 バイヤン


 楽天は好調さを持続させているようですね。今日も大量リードを受けてピッチャーを確実に交代させていくという「勝利の方程式」とやらが使われているのだそうです。でも、いつも思うのですが、なんで「方程式」なんでしょうね。こういう使い方のように、確実に勝利につながる選手起用、という意味だったら、「公式」を使った方がいいのではないか、と、最近とみに思うようになりました。「最近」というのは、以前は私も深く考えずにこの「〇〇の方程式」を使ったことがありましたから。もちろん、その正しい使い方に気づいた今では、決して使うことはありません。というか、あれだけテレビでアナウンサーが「勝利の方程式」と連呼していれば、もうそれは正しい言葉として認知されてしまいますからね。正しくない言葉でも、頻繁に使われるうちに正しくなってしまうというのは、よくあることです。もっとよくあるのが、正しくない事実でも、時の政権が「正しい」と言い張れば正しくなってしまう、というやつです。本当に最近はそんなのばっかりです。
 おとといのコンサートの録音は、かなり近いところにレコーダーを置いたので、アラが目立ってしまうのではないかと思っていました。実際、何年か前に同じ状態で録音したものが、本番はそんなに悪くはないと思ったのに録音を聴いたらあまりのひどさにがっかりしてしまった、ということがあったので、今回もそうなってしまうのかな、と。でも、なんか会場の音響自体が、その時とは変わっているような気がしました。リハーサルを聴いていると、思っていた以上に響いていたんですね。前のコンサートは震災の前の年だったのですが、そのあと本堂では耐震工事が施されたので、そのせいなのかもしれません。具体的には、新しく壁を作って、建物の強度を上げてあります。それが、ちょうど合唱団が立っている後なので、うまい具合に反響してくれたのでしょう。
 お客さんが入って、いくらか響きがなくなったような気はしましたが、合唱はとても声がまとまっていて、ハーモニーも美しく決まっていましたから、本堂全体がとてもよく響いていたようでした。しかも、レコーダーもグレードアップしていますから、録音を聴いてみても、そんな美しさがきっちりと収められていましたね。ですから、これだったらおそらく聴かされてもがっかりするようなことはないだろうと、出演者の人数分のCDを作ってあげようと思いました。
 フォーマットは最初から16/44.1で録っていましたから、それをそのままレコーダーで編集してファイルを曲ごとに分割すれば、それをそのままCDに焼くことが出来ます。もちろん、前説や曲間のMCもすべてノーカットで入れました。さらに、ジャケットも、たくさん撮った写真を入れて作りました。それをインクジェット・プリンターで印刷すれば、結構きれいに出来上がるはずです。
 ところが、何枚か印刷が終わったところで、そのプリンターのインクが切れました。ですから、インクを交換したのですが、そのあとにエラーランプが消えなくなってしまったのです。とてもシンプルなプリンターで気に入っていたのですが、最近ハガキ印刷で酷使したので、もうおかしくなったのかもしれませんね。でも、この間予備のインクを買ったばかりだというのに。だから安物は困ります。結局、そのまま電源を切って、その日の作業は終わりです。
 でも、そのあとネットでマニュアルを調べたら、一つ解決策がありそうなので、次の日にそれを試してみたら大成功、また元通り動くようになりました。これで、全部のジャケットを印刷することが出来ます。
 こんな感じで仕上がりました。
 コンサートは一応30分ということでお願いしてあったのですが、CDにしてみると50分以上になっていました。そんなに延びてしまったのは、和尚の前説が長かったせいなのでしょう。
Aventure Number : 2793 date : 2017/5/31


今日の禁断 カチューシャ


 この間のお寺のコンサートの録音をCDにしている時には、当然プレイバックもしていますから、演奏前の住職さんの法話なども何度も聴き返していました。一部の方はご存知でしょうが、この法話はコンサートの名物のようになっていて、以前仙台フルートの会が続けて出演していた時には、いつも「今度はどんなお話が聴けるのかしら」と、みんな楽しみにしていたものでした。もちろん、「法話」と言っても堅苦しい内容ではなく、とても親しみのあるお話ですから、かしこまって聴く必要なんかは全然ありませんからね。
 まずは、本題に入る前に、コンサートのためにわざわざレンタルしたグランドピアノについてのお話から始まります。「グランドピアノは、本当はこんな室内ではなく、屋外で使われるものなんですよ」ですって。「グランド」って、野球とかをするところですからね。え?と思われました?「法話」とは言ってますが、ここの住職の場合は「抱話」、つまり、腹を抱えて笑うようなお話なんですよね。私たちは慣れていますが、初めて聴く人はびっくりするでしょうね。なんせ、自分の娘の結婚式でも、そんなことを言う人ですから。鎌倉でその式があった時には、「鶴岡八幡宮には鳥居が3つあって、1つ目には水、2つ目にはお酒が祀られています。では、3つ目は何でしょう」なんて真顔で挨拶してましたからね(答えはウィスキーです←3鳥居=サントリー)。
 そして、本題に入ると、今回の出演者が合唱団だということで、朝ドラで主人公の職場の合唱団(やはり女声合唱団)が登場するという最新の話題に絡めての「法話」となります。朝ドラではロシア民謡が歌われていました。「トロイカ」ですね。もちろん、そこではベタに「トロ」と「イカ」で迫ります。でも、その先がすごくて、それは寿司ネタの高いものと安いものの代表で、そのあとに「鈴の音高し」を持ってきて、かつては寿司の値段はセリで決めていて、ストップ値が出ると鈴を鳴らして、そこで金額が決まる、というのです。強引ですね。
 そのあとに、本当はトロイカは3頭立てのソリのことで、それから「トロイカ体制」という言葉が生まれたのだ、と、割ときちんとした話になるのですが、「その3人は、大統領と首相と、町内会長」と言ったところで、みんなが腹を抱える、というわけです。そのあと、「ソ連時代にペレストロイカという言葉があったが、それもトロイカから来ている」と言ったので、確かにそうだな、と、その時は思いました。でも、後で調べたら、この言葉は「ペレス・トロイカ」ではなく、「ペレ・ストロイカ」という2つの単語の集まりだったんですね。ほんとうですよ。これは。なんでも、「再構築」という意味なのだとか。「3人」とも「トロイカ」とも全く無関係だったんですね。私も初めて知りました。まあ、たまにはそういうこともあります。
 話は、そこから富岡製糸場に飛びます。去年、お寺の旅行会で行ってきたんですね。そこにもかつては女工さんが集まって女声合唱団があったのだそうですが、すぐに退職してしまうので、解散してしまったそうなのです。なぜ退職するのかというと、まわりは蚕(解雇)だらけ、というオチでした。
 そんな楽しいコンサートで、進行もスムーズに行ってまずは大成功だったのですが、一つだけ失敗したことがありました。合唱団の控室は本堂の横の書院を準備してあって、そこで着替えて本堂の裏手に並んで出を待つという段取りでした。それで、結構暑い日だったので、暑い時はその部屋のエアコンを付けるように言ってありました。でも、演奏の間にそこに行ってみると、障子が開けてあって、暑いので風を入れたような感じでした。エアコンはもったいなくてつけなかったのだと思い、スイッチを入れて、障子をしっかり閉めてきました。歌い終わって戻ってきたら、きっと涼しくなっていることでしょう。
 ところが、後で話を聞いてみると、蒸し風呂のようだったというのです。確かめてみたら、エアコンのリモコンはまだ「暖房」になったままでした。しばらく使っていなかったので「冷房」に切り替えていなかったのですよ。蒸し風呂になるのは当たり前でした。
Aventure Number : 2794 date : 2017/6/2


今日の禁断 シェーク


 きのうは、一人で旅に出てきました(探さないでください、とか)。
 いえ、そんな青いものではなく、単なるかっこつけなんですけどね。とにかく、まるまる6時間同じ場所に座り続けるという苦行のために東京に行ってくるだけのことです。まあ、途中で休憩はありますけど。
 ワーグナーのオペラの全曲は、だいぶ昔のバイエルン国立歌劇場の引っ越し公演で「ワルキューレ」を見たことがあるだけ、こればっかりは仙台で見ることなど全くあり得ませんから、この前新国で「カルメン」を見た時に、これをやることを知って、チケットを買ってみました。時間も、マチネだったら2時に始まって8時に終わりますから、最終のはやぶさで帰ってくることが出来ますし。
 ただ、問題はありました。ご覧のように幕間に休憩が2回ありますが、それがそれぞれ45分も取ってあるのですよ。まあ、なんたってワーグナーですから、歌手もオーケストラもそのぐらいの休憩は必要なのかもしれませんが、普通のコンサートでは20分ぐらいの休憩が1回あるだけですから、お客さんにとってはあまりに長すぎます。
 もっとも、おそらくこの時間に食事をしようという人も見込んでいるのでしょう。しかし、それだったらグラインドボーンやバイロイトのように1時間半ぐらい取ってもらいたいものですね。どこか近くでちゃんとした食事を摂ろうと思ったら、これでは短かすぎます。私は、仕方がないのでお隣のオペラシティの地下のロッテリアに行きましたけどね。
 でも、帰ってきたら、ホワイエにはいつの間にかたくさんの「屋台」が出ていたではありませんか。飲み物やサンドイッチ、さらには「ミーメのキッチン」とか言って、ちゃんとしたハヤシライスなんかも出していましたよ。1皿600円ですって。オペラハウスのホワイエでこんな値段は、安すぎます。こんなことをやっていたんですね。ただ、ここで買ったはいいけど、それを食べる場所を見つけるのにちょっと苦労しそうですね。最悪、立ったままお皿を左手に持って食べなければいけないかもしれません。
 さらに、入るときには無かったものがもう一つありました。
 ここは、モギリの前のエントランスで、開演前はこのようにシャッターが下りてます。「カルメン」の時には、このあまりにオペラハウスらしからぬ閉鎖的な態度の物証を撮り忘れていました。これが、休憩時間には、モギリの場所をもっと前に持ってきて、この空間にスタッキング・チェアをずらりと並べて、そこに座って時間をつぶせるようにするのですよ。たしかに、ロッテリアから帰ってきたらここにみんな黙々と座っていましたから、ものすごい違和感がありましたね。ここはオペラハウスのロビーではなく、病院の待合室か、と思ってしまいましたね。いや、いまどきの病院だったら、もっとふかふかのゆったりしたソファーを用意しているところだってありますよ。この前のクロークの不手際といい、ここは絶対何か勘違いを犯しています。
 オペラの方は、やはり勘違いをしている客がすぐ前の席に座っていたために、視界を遮られて腹が立ちましたが、演奏は素晴らしい歌手たちの歌に、まさに酔いしれてしまいました。最初のミーメ役のアンドレアス・コンラッドからして、ジークフリート役のステファン・グールドよりもすごい声を聴かせてくれていましたからね。もっとも、おそらくグールドはこのあたりは少し声をセーブしていたのかもしれませんね。もう、しり上がりに声の伸びが増していって、完全に圧倒されました。ヴォータン役のグリア・グリムスレイはちょっと軽めの声ですが、それが狡猾さを出していたのかもしれません。後半になって登場するエルダ役のクリスタ・マイヤーと、ブリュンヒルデ役のリカルダ・メルベートもすごかったですね。メルベートはずっと寝ていたせいでしょうか、立ち上がりはちょっと不安でしたが、最後はグールドともども、ホール一杯に声を響かせていました。
 最悪だったのは小鳥役の日本人のキャストたち。そもそも、なんで4人も必要なのか、全く理解できません。そして声がお粗末なだけではなく、体型もお粗末な人もいましたね。場末のストリッパーのような安っぽい肌襦袢を着ていますが、もろに三段腹が見えてしまうのは醜悪すぎます。
 それと、このプロダクションは故ゲッツ・フリードリヒが最後にフィンランドの歌劇場で手掛けたものなのだそうですが、装置もそこで使われたものをそのまま使っているためでしょうか、新国のプロセニアムの上半分がふさがれていました。「カルメン」の時の広々としたステージを期待していたのに。第3幕の第1場などでは、ヴォータンの乗ったステージがせり上がるのですが、そうなるとさらに圧迫感が強まってしまいます。それと、些細なことですが、第1幕のセットでは、2階席からは歌手が後ろに降りていく階段の手すりが丸見え、興ざめです。「共同制作」というのは、このような不具合を強制されるものなのでしょうかね。
 そんなアラ探しばっかりやっていたのは、オーケストラが何か違うな、という感じがあったからなのでしょうか。とにかく淡泊すぎて、ワーグナーらしいドロドロとしたものが全く感じられないのですよね。編成はハープは4台(楽譜の指定は6台)しかありませんでしたが、あとはしっかり16型の弦楽器がピットに入っていたのに。
 でも、バンダでコール・アングレ(ジークフリートの葦笛)を吹いていた人が、ニューフィルにトラで来たこともあるMさんでした。とっても「ヘタ」で、すごくよかったですね。
 幕が下りたのが19:44、予定より早く終われば、ギリギリ最終の一つ前のはやぶさに乗車変更しようかなと思っていましたが、これでは絶対無理です。予定通り、ゆったりと夜の東京を一人で楽しんできましたよ。
Aventure Number : 2795 date : 2017/6/5


今日の禁断 メッツマッハー


 最近、仙台のFM局が音楽づいていますね。タワーレコードとのコラボで「No Music No Date FM!」などという、恥ずかしすぎるコピーまで作って、盛り上がっているようです。そこで、色んな番組でゲストがやってきた時にも、パーソナリティが音楽がらみの質問などを交えてトークが進む、というような場面をよく耳にするようになってきます。そんな時にゲストに「あなたのルーツミュージックは何ですか」聞くと、「荒井由美でしたね」とか答える、なんてことが起こります。彼の根っこ(ルーツ)となっている音楽(ミュージック)、という意味で使ったのでしょうが、普通はこういう時に「ルーツミュージック」という言葉を使うのは明らかな誤用です。この言葉は、音楽用語としてきっちり定義されているもので、歴史的にポピュラー音楽の元になった音楽、という意味が与えられています。具体的にはゴスペルとかディキシーランド・ジャズ、ブルーグラスといったジャンルの音楽ですね。そのようなものが進化、あるいは変化して、今の音楽になったと考えられるものです。そう考えれば、「あなたのルーツミュージック」というような言い方は出来ないことは容易に分かります。もちろん、「荒井由美がルーツミュージック」などということは、絶対にありえません。
 クラシックの場合は、「ルーツミュージック」に相当するものは何になるのでしょうか。まあ、中世やルネサンスあたりの音楽なのでしょうか。それらは、脈々とその後の音楽の底辺を支え、現代の音楽にまでしっかりその影響を残しています。
 20世紀を代表する作曲家、オリヴィエ・メシアンも、そんな「ルーツ」を大切にしていた人なのではないでしょうか。決して頭でっかちにならずに、どんな時代でも通用するような感覚にあふれた彼の音楽は、多くの人を魅了してきました。シェーンベルクの後期の音楽はもうしばらくしたら完全に忘れ去られることでしょうが、メシアンの作品はこれからも愛され続けるはずです。
 そんなメシアンの唯一のオペラ、「アッシジの聖フランチェスコ」は、今まで国内では全曲が演奏されることはありませんでしたが、今年11月に、コンサート形式で全曲の日本初演が行われることになりました。東京では19日と26日にサントリーホール、そして、23日には滋賀県のびわこホールと、全部で3回のコンサート、シルヴィア・カンブルラン指揮の読売日本交響楽団です。このニュースを聴いたときには、絶対に聴きに行きたい、と思いました。これも、この間の「ジークフリート」と同じぐらいの時間がかかるオペラですけどね。
 何を隠そう、私はメシアンと、この作品の大ファン、今まで出ていた録音と映像は全て(と言ってもCDが2種類とDVDが1種類だけですが)持っています。DVDはオーケストラがステージの上で演奏する限りなくコンサート形式に近いものでしたが、それでも十分に楽しめましたから、この読響のステージも期待が出来ます。これはもう、発売初日には「ぴあ」で買ってやろうと、虎視眈々とその日を待ちました。
 発売日が発表されたのは、それからしばらくしてのこと、その日はお昼から「杜の都合」の練習がありましたが、発売は10時からなので間に合うでしょう。ところが、時間になってぴあに行ったら、まずはネットがつながりません。アクセス過多でパンクしていたんですね。それでも5分ぐらいでつながりましたが、なんと座席指定が出来るのは11時からなんですって。そんなこと、きいてませんよ。というか、ぴあの場合劇団四季のように最初から座席指定はできないようですね。そして、もちろんその時点で、数日前から始まっていた先行予約のため、BC席はすべて売り切れていました。
 ここは、焦る気持ちを抑えて11時まで待つしかありません。私にとって、座席指定はマスト、できれば2階席のBブロックで聴きたかったので、そこがなければ買わなくてもいいかな、ぐらいに思ってました。ところが、やっと座席指定のところまで行ってみると、なんと2階席はどのブロックもすべてなくなっていたではありませんか。もちろん、東京の両方の日をチェックしましたが、どちらも同じでした。日本のオーケストラでこんなことがあるなんて、信じられませんでした。それでも、やっぱり聴きに行きたいので、まだ残っていた1階席を買いましたけどね。
 それをニューフィルの友人に話したら、彼(彼女?)も行きたがってチケットを買おうと思ったのだそうですが、サイトでその日のうちに完売したことを知って、がっかりしていましたね。
Aventure Number : 2796 date : 2017/6/7


今日の禁断 トンカツ


 この間東京に行った時には、新しい道が見つかったり、前もって調べておいた隠れルートに実際に行ってみたりと、オペラ以外にも楽しいことがありました。
 まずは、朝に東口の駐車場に車を置いて、駅に行こうとしたら、いつものエスカレーター(写真に左端)の前に新しくオープンしたばかりのホテルの入り口があって、その中にエスカレーターが見えました。「仙台駅」と書いてあるぐらいですから、ここから駅まで行けるはずです。
 予想通り、仙台に初めてできたという「成城石井」の横を通って、中央通路に出ました。
 そこからは、この、前からある新幹線改札への直行入口からまたエスカレーターに乗れば、最短で行けます。
 一方、終点の東京駅の方では、前から気になっていることがありました。八重洲口の改札口は北、中央、南と3つあるのですが、それ以外にも「日本橋口」というものがあるのです。ただ、確かにこれは看板は目にしたことはあるのですが、実際にそこから出たことはありません。というか、新幹線を降りて普通にホームから下に降りると、そんなところに行く案内は全然ないのです。
 構内図で見るとこんな感じ。ピンク色の構内からは左上の「日本橋口」は完全に隔離されているんですよね。いったい、ここから出るには、どこを通ればいいのでしょう。
 それは、そこにもう1枚の構内図、ホームの配置図を重ねれば分かります。日本橋口は、新幹線のホームの北の端から直結しているのですね。
 ですから、私も、降りたらまっすぐホームを北に向かって歩きました。他のお客さんはみんな階段やエスカレーターで下に行ってしまいましたから、この案内があるあたりには誰もいませんでした。
 その先、本当にホームの端っこが、改札口への入り口でした。こんなところがあるなんて、知ってました?
 そこから出てくると、右手にはすぐキッチン・ストリートの看板があります。
 これで、今まで謎だったことが一つ解明されました。おそらく、これで東京駅の通路は、ほとんど手中に収めたことになります。もう、どこからでも出たり入ったりできるようになっているはずです。
 でも、それで喜んでいてはいけません。来月は渋谷駅のあたりに行くことになっています。道玄坂ではないですよ。あそこは東京駅以上に複雑ですから、いったいどうなることでしょう。というか、埼京線のホームって、あれはいったいなんですか。ほとんど隣の駅じゃないですか。まあ、東京駅の京葉線よりはましでしょうが。
Aventure Number : 2797 date : 2017/6/9


今日の禁断 グローリア


 私はもうすっかり足が遠のいていますが、大学の合唱団のOBたちがこのところ活発に演奏会を開いているようです。その出演者からチケットをいただいていたので、行ってきました。今日は、北海道、仙台、東京、九州のそれぞれ国立大学の長い伝統を誇る男声合唱団のOBが集まったジョイント・コンサートです。会場の萩ホールのまわりには、出演者のお友達でしょうか、お年を召した人がひしめいています。いいお天気なので、みんな日陰に座って休んでいますね。そのうちに列が出来始めましたが、それは屋根のない炎天下に延びていったので、それに耐えられる人しか並びません。私も、そんなに長い時間ではないと思ったので並んでいましたが、結構きましたね。やっと開場になって中に入ったら、冷房がきいていたのでホッとしました。
 本当はバルコニーで聴きたかったのですが、あそこはあまりに目立ちすぎるので2階席を目指します。入ってみると、後ろ半分には出演者のような人たちが座っていました。その中に知り合いがたくさんいたので、まずはご挨拶、前半分はまだガラガラだったので、一番前に座ります。
 4つの団体は、それぞれ20分程度のステージをこなしていました。最初に出てきた団体の中に、杖を突きながら入場している人が2人ほどいたのにちょっと驚きました。そのうちの1人は椅子を用意してもらっていたようですね。でも、その方は初めのうちは椅子に座らずに、必死で立って歌おうとしていました。もう立っているのもままならないほどで、楽譜もめくれないほどですから、心配になってきますね。でも、考えてみればOBというのはこういう世代の方が中心になっているのですから、こういう方がいてもおかしくないはずです。あの「オケ老人」の世界ですね。大半はしっかりしている人のはずなのに、演奏も老人感が満載で、ちょっと聴いていてつらくなってしまいました。
 でも、次に歌った団体は、同じ年代のOBのはずなのに、全然違う前向きさがありました。テナーの声もよく出ていて、老人感は皆無です。それでも、歌っている曲では「時間をください」みたいな歌詞があって、なにか切実な思いまで伝わってきます。これには、圧倒されましたね。
 休憩後の団体は、コダーイの女声合唱のための曲を歌っていましたが、日本語の訳詞が付いていましたね。やはり、気持ちは分かりますがこれを男声、しかもかなりの高齢者が歌うのは、相当の違和感があります。ハーモニーはとてもきれいでしたけど。
 そして、最後が私の大学のOB合唱団。曲はタダタケの「富士山」です。それを、今回最大の人数(100人近く)で歌ったのですから、迫力はものすごいものがありました。このホールは低音がかなりブーストされますから、ベースの質感はとてつもないものです。トップテナーも、よく知っている安定感のある人の声がしっかり聴こえてきますから、安心して聴いていられます。まさに、大人数男声合唱ならではの魅力がフルで迫ってきます。もちろん、それだけで聴きごたえは十分なのですが、これだけの声が出ているのなら、もっと細かいところまできちんと仕上げれば、もっともっと素晴らしいものができるのでは、という残念感も、ちょっとは感じてしまいます。
 実は、2週間後に同じ会場で、やはりこのぐらいの人数の「富士山」を聴くことになっています。それはどんなものに仕上がっているのか、楽しみです。私の場合、この曲が合唱を再開してみようと思ったきっかけですからね。
 そして、最後出演者全員(250人だとか)による演奏です。最後の「箱根八里」だけピアノ伴奏が入りますが、その人が楽譜を落としてしまったのに、すぐに拾って何事もなかったように弾き始めたのが、すごかったですね。
 「富士山」の途中で、客席の赤ん坊が泣きだしました。その泣き声は曲が終わるまで聴こえ続けていました。これは絶対にあってはいけないこと、こういう時の母親がとるべき道は、速やかに赤ん坊を抱えてホールの外に出ること以外にはありえません。
Aventure Number : 2798 date : 2017/6/11


今日の禁断 ソリッドステート


 だんだん調子が上がってきて、ギャグもなかなか決まるようになってきた朝ドラですが、このところの展開は同じ脚本家の「ちゅらさん」そっくりになってきたのがちょっと気になりますね。いや、別に設定が同じでも全くちがう話がこれから始まるのでしょうから、そんなのはどうでもいいことです。要は、見て笑えて泣けれさえすれば、上質の朝ドラと認めてもらえるのですからね。
 時代的にも、この頃だと全く同じころに幼少期を過ごしたという世代がたくさんいることでしょうから、考証なども念がいっているようです。その時どきの実際の映像なども流すなど、同時代感をしっかりにじませているのではないでしょうか。ただ、細かいところではそんな考証が行き届かないところも出てきますから、そんなところもたかがドラマ、と言いながら許してあげるようにしましょうね。もしかしたら、作っている人はわざと間違った情報を織り込んで、見ている人を試しているのかもしれませんからね。
 ですから、こちらもきちんとそれに応えてあげなければいけません。今日のオンエアでは、かなり「気になる」部分がありましたからね。
 まずは、「事務員ではありません。オフィスレディです」というセリフ。これはちょっとギリギリ、という気はするのですが、この頃はまだ「ビジネスガール(BG)」と言っていたのではないでしょうか。もう少ししてから「BGというのはもっといやしい職業を指し示す言葉だから、オフィスレディ(OL)と言いなさい」というお触れが出ることになるのだ、というのが私の記憶です。
 もう一つ、「アプレ」という言葉も出てきましたね。確か、フランス語で戦後(アプレ・ゲール)をあらわす言葉を略したもののように記憶していますが、これなんかは私の親の世代の流行語だったような気がしてならないんですけどね。
 まあ、このあたりは、文献によっても様々ですから、確実に間違いだ、と決めつけるわけにはいきません。地域格差、というのもありますしね。
 でも、退職金代わりにもらったトランジスタラジオがアップになったとあっては、そんなことも言ってはいられません。
 なかなか精巧に作られた小道具ですが、「とと姉ちゃん」のように当時の現物を探し出してくればいいものを、なまじ丸ごとそれらしいモデルを作ろうとして、完全に墓穴を掘ってしまったようです。ちょっと見ただけでも分かる間違いが、3か所は見つかりました。
 まずは、この機械の名前。
 右下の部分をアップすると、こんな文字がありました。「FM/AM 2BAND RECEIVER」ですね。確かに、この頃はFM放送は実験段階でしたが始まっていましたから、FMとAMの2つのバンドがあるのは構いません。ただ、「レシーバー」というのは、当時はFM/AMチューナーが組み込まれていたアンプという、オーディオ機器の呼び名として定着していて、このような携帯用の機器には使われることはありませんでした。これは単なる「トランジスタラジオ」以外に呼びようのないものなのですよ。
 そして、この部分です。
 ダイヤルを合わせる目盛りが上下2段になっていますから、それぞれFMとAMとに対応しているのでしょうが、下段が「MW」となってますよ。その横には「Medium Wave」とありますから、それは「中波」の略であることが分かります。上段がFM、つまり「Frequency Modulation」なのですから、それに合わせればここはAM(Amplitude Modulation)でなければいけません。これは、それぞれ「周波数変調」と「振幅変調」のことですから、同じカテゴリーになるのですが、「Medium Wave」というのは波長のカテゴリーですから「Short Wave(SW)」つまり「短波」とセットで使わなければいけません。現物の「トランジスタラジオ」ではこんな感じですね。FMがまだ放送されていないころのラジオでは、このようにAMの「中波」と「短波」しか聴けなかったのです。
 そして、確実に間違いだと自信を持って言えるのが、「MHz、kHz」という周波数の単位です。下の「現物」では「KC」とか「MC」になっていますね。これは、当時は周波数には「C(サイクル)」という単位が使われていたためです。「C」(正確には「c/sec」)から「Hz」に変わるのは1972年のことなのですね。ですから、このドラマの時代にこんなラジオは絶対に存在していないのです。
Aventure Number : 2799 date : 2017/6/12


今日の禁断 ジープ


 おととし公開された「ジュラシック・ワールド」は、映画館に行って見てました。それがやっとWOWOWで放送されたので、その時にどんな感想を持っていたのか、その時の「禁断」で確認しておこうと思いました。バックナンバーを繙いてみると、それが8月17日の書き込みであることが分かりました。封切られたのが8月5日だったのに、そのあたりはちょうど職場が一番忙しい時で、この頃になってやっと見に行けたんでしたね。そのころはまだ駅前には映画館が出来てなかったので、長町のMOVIXまで行ったのでした。その書き込みを読み返してみると、肝心の映画の感想はほとんどありませんでしたね。それよりは、その映画館で本編が上映される前に流されるCM映像についての苦情が書かれていました。いや、あれは本当にお金を出して見に来ている人に対してはとんでもない仕打ちだとマジで思っていましたからね。でも、最近、駅前の新しい映画館に行った時には、たしか予告編以外のものはやっていなかったような気がします。でも、MOVIXではまだ平然と流しているんでしょうね。
 正直、映画館で見終わった時には、数々の疑問点がありましたね。一番の疑問は、最後に「9番ゲート」を開けて出てくる恐竜はなんだったのか、というものでした。でも、それはそのバックナンバーを見ると解決されていたようなので、きっと見た後にネットを調べて、疑問が解けていたのでしょう。
 そんなことはすっかり忘れて、WOWOWで録画したのを見ていたら、やはりあの最後の恐竜はなんだったんだ、と思ってしまいました。というより、自宅で見ていたら途中で睡魔が襲ってきて、そのあたりの細かいところを見落としてしまったんですね。仕方がないので、もう1度、その寝込む前から見直してしまいましたよ。
 なんにしても、やはりあの映画は、辻褄が合わないところとか、登場人物たちの不可解な行動はいっさい気にしないで、ひたすらカタストロフィーを味わうことに徹した見方をしなければ全然面白くない、ということがしっかり確認できました。というか、それ以上のものは何も期待できないのが、最近のこういう大作映画なのではないか、という気さえしてしまいます。
 さっきのバックナンバーでは、「1作目へのオマージュ」なのではないか、ということが書かれていましたが、今回見直してみるとそれは間違いないことのように思えてきました。それどころか、実際に前作から連続しているような物がありましたからね。もちろん、それの最大のものが最後に登場するT-レックスなんでしょうね。実は、そんな単純なことが、最初に映画館で観た時には思いつかなくて、あれは共食いでいなくなってしまった新種の恐竜が、実は生きていたという設定なのかな、と思ってしまっていたことを、今思い出しました。
 CGで作られた生き物たちはとてもリアルでしたが、たまに「本物」のロボットが出てくるというのも、前作と同じこと、技術は進化しているように見えても、実際にやっていることは大して変わってはいないのですね。
 最近、職場の近くに、まるで映画のセットのような建物が出来ました。


 それこそ、中にT-レックスが住んでいそうな建物ですが、これはどうやらアパートのようなのですね。別のアングルで、入り口のドアが何個か付いていましたから。ところが、ご覧のとおり、外側に窓が一つも付いていません。たぶん、このアパートは墓地の真ん中に建っているので、住む人のことを考えて外が見えないようにしたのでしょうが、なんか不気味ですね。洗濯物や布団なんかはどうやって干すのでしょう。
Aventure Number : 2800 date : 2017/6/14

17/5/16-17/7/30