2741(17/1/30)-2760(17/3/15)

今日の禁断 カルメン


 結構、生のオペラって観たことがありました。ベルリン国立歌劇場とかバイエルン国立歌劇場、そしてメトロポリタン歌劇場とか。バイエルンなどはクライバーの指揮でしたから。ただし、私はパートナーと一緒に外国に行ってオペラを観るなどという羨ましいというか、憎らしい機会などありませんでしたから(愚妻は飛行機が苦手)、それらは全て日本にやってきたオペラハウスでのことでした。まだ独身の頃、そんな一流のオペラハウスでもリーズナブルな価格で行くことが出来た時代の話です。ただし、そのころはまだ「字幕」などは付いていませんから、そのオペラのあらすじなどは前もってきちんと頭に入れておく必要がありました。まあ、私にとってはそれは何の障害にもなりませんでしたけどね。
 しかし、当時は日本にはオペラ専用の劇場はありませんでしたから、上演されるのは東京文化会館(上野)かNHKホール(渋谷)という、ばかでかいホールでした。不思議なことに、今ではちゃんとしたオペラ劇場があるというのに、外国から来るオペラは未だにそういう普通のコンサートホールで上演を行っているのですね。まあ、それはたくさんの客を入れなければギャラが払えないという事情からなのでしょう。当然入場料もとんでもないことになっていますから、そんなところに行きたいとは全く思いません。文化会館はまだましですが、NHKホールは最悪でしたね。
 そんな、ちゃんとしたオペラ劇場は、出来てからもう20年も経ったというのに、私はまだ行ったことはありませんでした。まあ、30年前に作られたサントリーホールにやっとこの間行ってこれたぐらいですからね。でも、やはりこの「新国立劇場」には一度は行っておかなければ、まずこれから外国に行くこともないでしょうから、ホールまで含めた「本物の」オペラを観る機会がなくなってしまうのでは、と思って、おととい行ってきました。
 夢にまで見た「新国」の入り口ですが、いったいこれがオペラハウス?というぐらい無機的な外観には、ちょっとがっかりですね。これから楽しいことが起こりそう、という気持ちが全く湧いてきませんね。なんか、やたら高圧的な建物、という気がしませんか。
 中に入ってすぐのところも、なんとも殺風景、まあ、まだ開場には時間があったので、人が少ないせいもあるのでしょうが、サントリーホールでは確かにあった「華やかさ」は全く感じられませんね。
 もう少し行ったところが他のホールへの連絡の場所なのですが、ここもなんと言う重苦しい空間なのでしょう。そして、オペラ劇場の前に行ってみたら、結構たくさんの人が待っていましたが、その先にシャッターが下りているんですね。一瞬、場所を間違えたのか、と思ってしまいました。そうしたら、開場時間になったらそのシャッターが上がり始めたではありませんか。もう、目を疑いましたね。銀行なんかが、開店する時にシャッターをあげるというあの風景が、オペラハウスの前で繰り広げられているんですよ。あんまり驚いたので、写真を撮ることも忘れてしまいましたよ。今まで数多くのコンサートホールに行ってきましたが、その前にシャッターが下りているホールなんて、1回も行ったことはありません。もしかしたら、どこかにはあるのかもしれませんが、私の中ではもうこれだけでここはオペラハウスとしては終わっているな、と思ってしまいましたね。
 でも、それとは全く別の世界が、ホールの中にはちゃんと広がっていたので、一安心です。なによりも、この恐ろしく高いプロセニアムを見たら、「こうでなくっちゃ!」と思ってしまいましたね。コンサートホールでは絶対この高さは出せませんし、逆に間口が広すぎて装置が間抜けになってしまいます。
 オケピットを覗いてみたら、弦は14型でした。地方オケ(東京の一部のオケも含む)の定期演奏会の標準サイズですよね。座ったのは2階席ですが、オケも歌手もとてもよく聴こえてきました。でも、一番素晴らしかったのは、合唱です。正直、オペラを観てこれだけすごい合唱を聴いたのは初めてです。
 とても気持ち良い体験が出来たのに、終わってからクロークに行ったら、またまた目を疑うような光景に出くわしてしまいましたよ。クロークそのものはかなり広いのに、係員が少ないので恐ろしく手際が悪く、待っているお客さんの列は伸びるばかり、そこでは「割り込みするな!」という、およそオペラを観た後の客とは思えないような罵声が飛び交っていましたからね。20年もやっていて、まだこんなことも解決できていないのでしょうか。この次にも来ることがあれば、コートは絶対預けないで客席に持っていこう、と、固く誓うのでした。ここが、そこまで含めた「本物」のオペラハウスではなかったことが、とても残念です。
 ここに来る前に、お隣のオペラシティのチケットオフィスに寄って、今度のニューフィルのポスターを貼らせてもらいました。このホールでのコンサート以外は受け付けてくれないとか、そもそもポスターの印刷はまだ終わっていないのだとか、そんな細かいことはいいじゃないですか。
 赤丸の中、これはきちんとここで3月19日に行われる、私も乗ったことのある合唱団のチラシが置いてありました。旅立ってしまうんですね。
Aventure Number : 2741 date : 2017/1/30


今日の禁断 シューダンス


 前回は肝心なことを書き忘れていました。新国で観たのはビゼーの「カルメン」だったのですが、そこで使われていた楽譜について、ちょっと不思議なことを見つけてしまいましたよ。ご存知のように、このオペラには2種類の楽譜があって、最初に出版されたのはビゼーの没後にギローが改訂した「ギロー版」、そして、後にギローが改訂した部分をオリジナルの形に直した「アルコア版」です。今ではどこのオペラハウスでもこの「アルコア版」が使われているはずなので、そのつもりで聴き始めました。確かに、最初の違いが出てくる「衛兵の交代」のシーンでは、きちんとアルコア版の「メロドラマ」が演奏されていたので安心していたら、なんと、そのあとはセリフの部分がを全てレシタティーヴォに変えられてしまっていたではありませんか。要するに、これは「アルコア版」と「ギロー版」の折衷版なのでしょう。アルコア版のセリフの部分を、ギロー版のレシタティーヴォに置き換えて演奏していたのですね。
 これは、プログラムの中にはちゃんと書いてありました。
1960年代半ばまでの上演は、ギロー版に基づいた慣用版に沿って行われていた。その後は、セリフ入りのオペラ=コミックの形による上演が一般的になってきたが、今回はレチタティーヴォをはさんだ形で上演される。
 なんか、とてものらりくらりとした文章ですね。もっとストレートに「セリフは入りません」と書けば、しっかり意味が伝わるというのに。つまり、この日本で唯一のオペラハウスでは、「一般的な」上演形態ではなく、半世紀以上前に廃れてしまっていたスタイルで上演を行っている、ということなんですよね。
 なぜそんな時代遅れのことをやらなければいけないのかは、明白です。日本人のオペラ歌手ではフランス語の「セリフ」をしゃべることが出来ないからなのですよ。例えば、今ツィクルスを上演している最中のワーグナーの「指環」のような、最初から日本人が歌うのは無理だと分かっている物だったらほぼすべてのキャストを「本場」の歌手を呼んできて歌わせるのでしょうが、この「カルメン」の場合は、「本場」の歌手は3人だけ、残りは全部日本人ですから、その人たちが「オペラ=コミック」としてセリフをしゃべることなんか出来ないと決めつけているのでしょうね。それで、レシタティーヴォだったらそんなにボロは出ないだろう、ということで、こういう形に決まったのでしょう。
 確かに、日本人のオペラ歌手がしゃべるフランス語のセリフなんか聴きたくもありませんが、アルコア版で「一般的な」上演をしたいと思っているのなら、全部のキャストをきちんとフランス語がしゃべれる人にすればいいんじゃないですか?それが出来ないのなら、最初から全部ギロー版で上演すればいいんですよ。それが「身の丈」というものです。
 そんな、版の違いまで分かるようになったのは、ニューフィルでも「カルメン」の抜粋を演奏した時にいろいろ調べたことがあったからです。もちろん、フルートのパートも演奏しましたが、結構コアな部分までやっていたので、今回観た時にはほとんどの場面がオケのパートまでしっかり馴染みがありましたね。つくづく、ビゼーのオーケストレーションではフルートが大切な役割を担っていることを痛感しました。
 もう一つ、最近やはりニューフィルの演奏曲について準備したものが、他の人の役に立つ、ということがありました。だいぶ前に末廣さんとマーラーの5番を演奏した時に、その前曲として「リュッケルトの歌曲集」をやったんです。その時に、その歌詞の対訳を私が作って、プログラムに載せました。もちろん、私が書いたものなので、そのままサイトにもアップしておきました。そうしたら、2月にその時と同じ曲目で演奏会を開くアマオケの方から連絡があって、ネットで見つけたその対訳を、その演奏会のプログラムに使わせてほしい、と言ってきたのです。確かに、「リュッケルト」と「対訳」で検索すると、一番先にその私の対訳がヒットしましたね。一応、その方には「私の名前(仙台ニューフィル)」というクレジットを入れてください、と言っておきましたが、これでニューフィルは横浜の人にも名前を知られるようになることでしょう。
Aventure Number : 2742 date : 2017/2/1


今日の禁断 ハウシルト


 あっという間に1週間が終わったような気がします。なんだか今週は毎日仕事づくめだったような。いや、職場の仕事は雪かきにかなり時間を取られるようなことがありましたが、まあ、それは通常業務の範疇ですから何でもありません。「仕事」というのは、ニューフィル関係の雑務です。
 まずは、今度の演奏会のための、フリーペーパーなどに届ける企画書を、少し早目に作っておきました。締め切りの関係で、たとえば「りらく」なんかでは、チケットプレゼントの告知が出ても、それが本番までにあまり余裕がないので「申し込みはお早めに」というような扱いになっていたのですね。そうならないで、余裕をもって対応できるように、もうチラシが印刷できたらすぐにでも送れるように用意しておいたのです。
 そうしたら、月曜日になって、今度の演奏会場でもチケットを預かったくれそうだ、という情報が入りました。それまでは置いてはくれないということで進んでいたので、すでに印刷に入っているチラシやポスターには間に合いませんが、その会場周辺に配る分ぐらいには、ちゃんとこの情報を載せておきたいじゃないですか。ですから、そのためのシールを作ってみました。つまり、今度の演奏会は仙台市内ではなく名取市ということなので、その辺はきちんと対応しておかないとお客さんが集まらない可能性もありますからね。やれることは全部やっておかないことには。
 そして、水曜日には新しいチラシやポスターが出来てきました。そこでまず、作っておいたシールを貼りつけます。チラシの場合は150枚作りましたから、名取界隈に置いておけば間に合うでしょう。足らなければまた作ればいいんですから。実は、明日そっちの方に行く予定があるので、少し足を伸ばして名取の文化会館にチケットを置いてきて、ついでにチラシなどもそこともう1か所に置いてくる予定です。
 そして、これは先週の終わりからぼちぼち始めていたことですが、今度の「かいほうげん」のための原稿を作っていました。今回の号はこの間の総会以外にはこれといったこともなかったので、結構ページが空いていました。どうも6ページぐらいは使えそうな感じになっていたので、それを目いっぱい使って、今練習している曲についてのエッセイをヒマがあるときに書き続けていて、それが今日あたりでほぼ完成を見ました。テキストは5500字になったので、それにいろいろな資料を加えれば楽に6ページにはなるはずです。結構な長さですが、ほとんどはすでにサイトに載せてあった記事を集めて、再構成しただけの話です。言ってみれば「セルフ・コピペ」でしょうか。なにしろ、私のサイトの情報量はハンパではありませんから、すぐにこのぐらいのものは集まってしまいますよ。
 そこで、本当に大昔、サイトを始めてすぐぐらいに作ったコンテンツも取り込んでいると、その時に作った楽譜のデータが間違っていることに気づきました。ですから、即座に正しいものに差し替えて、ついでに、その頃のフォントなども今のものに変えておきましたよ。なんせ20年前ですから、今考えると幼稚なところが結構ありますから、こんな風に何かの機会にチェックをしておかないと。それにしても、20年間も間違ったままの情報をさらしていたなんて、なんと恥ずかしい。まあ、おそらく気が付く人は誰もいなかったのでは、と思っているのですが。
 しかし、いざ割り付けをやってみると、中に入れる画像のレイアウトなどを考えると、どうしても6ページには収まらないことが分かってしまいました。まあ、それも念頭に置いて、「捨て」の部分も作っておいたので、そこを削ったら見事に収まりましたけどね。
 それのゲラを、今校正というか「校閲」しているところです。発行は今度の指揮者練習の時ですから、まだ1週間ありますが、その間には別のことが入ってくる可能性があるので、できる時にやっておこうという、いつもながらの貧乏性です。
Aventure Number : 2743 date : 2017/2/3


今日の禁断 ワーグナー


 お約束通り、きのうは名取に行ってきました。その日には長町の楽楽楽ホールに知り合いの合唱団のコンサートを聴きに行く予定があったので、そこまで行くのならちょっと足を延ばして、しばらく行っていなかった名取のイオンでお昼でも食べて来ましょう。なんせ、私は、そこが出来たばかりの、まだ「エアリ」とか呼ばれていたころに1回行っただけですからね。
 相変わらず、広すぎる駐車場に迷いそうになりながら、レストラン街に行ってみたら、昔行った時にとてもまずいステーキが出てきたステーキ屋さんはまだやっていました。そこはパスするとして、今度はここでどこに入ろうか迷ってしまいましたね。結局、愚妻のお勧めで中華の「紅虎」に入ってみます。
 私は青椒肉絲を食べてみました。いつも「とらの子」で食べなれた料理ですが、それと比べてみるつもりでした。そうしたら、それはまさに「とらの子」とまったくおなじ味でした。肉や野菜の切り方もそっくりでしたね。こうなると、他の料理も食べてみたくなります。ニューフィルの本番の時のお弁当は、ここから取りましょう。
 それから、文化会館に向かいます。前もって電話をして、必要な書類は揃えていったので、すんなり受け取ってもらえました。さらに、ネットで調べておいた「市民活動支援サンター」というところにも行ってみました。そこにもチラシやポスターを置いてもらいに行ったのです。ただ、ここは名取の「市民活動」を「支援」する施設なのでしょうから、仙台の市民の活動までは支援してくれるかどうかは分かりません。まあ、一応名取市の後援もいただいているので、そこを押していけば何とかなるだろうと思いますが。
 入ってすぐのところに事務所があったので、そこでお願いすると、職員のおばさんは快く引き受けてくれました。チラシを見せると、「わあ、素敵ですね!」なんて言ってくれましたよ。私が「有名な曲ばかりなので、みなさんに聴きに来ていただきたいんです」と言うと、「本当ですねえ」と相槌を打ってくれて、「心がやすまりますものねえ」なんてうっとりしてました。もちろん、持って行ったのは「名取バージョン」のチラシ(↓)です。
 「こんなに手をかけていただいて」などと言ってくれましたが、別にそれほどのことではありませんし。でも、これだったら間違いなくここに置いてくれることでしょう。それで、文化会館に置いてきたチケットが売れるといいんですけどね。「足らなくなったら、いくらでも追加しますから」と言ってきましたから、そんなことが実際に起こるといいですね。
 それから、楽楽楽ホールでコンサートを聴いたのですが、このホールは響かないですね。今度の「杜の都合」はここで本番なんですが、今まで使っていたパトナに比べたらもう雲泥の差。ちょっと今回は苦戦しそうですね。
 そして、今日は朝のうちから、そのホールと同じ建物の中にある展示ホールで「杜の都合」の3回目の練習です。ブラームスだけ集中しての練習でしたが、だいぶ方向性がまとまって来たのではないでしょうか。
 実は、今日は6月に新国立劇場で上演される「ジークフリート」の「ゲスト会員」のための先行発売の日でした。私は、この間ネットで買ったので、いつの間にかその会員になっていたんですね。ただ、本当はその上に、ちゃんと年会費を払う「アトレ会員」というのがいて、その人たちはすでに昨日から受付が始まっていたそうです。それでも、一般の人よりは早めに買えるので、本当は朝早くから挑戦したかったのですが、まさか練習中に取るわけにはいきませんから、それが終わって帰ってきてからPCを開けてみると、私が行く予定をしていた日の分は、もうB席はすべてなくなっていましたよ。A席もなんだかなあ、というところしか残っていなくて、それならS席を買ってしまおうと、なんとかいい席を取ることが出来ましたよ。朝一だったら、もうちょっと安くていい席があったのでしょうかね。でも、先行でこれだけなくなっていたのでは、一般の人は殆どまともな席は手に入らないでしょうね。恐ろしいことが起こっていたのでした。いずれにしても、この日は2時から始まっても終わるのは8時ですから、最終の新幹線で帰ってこなければ。
Aventure Number : 2744 date : 2017/2/5


今日の禁断 ニコレ


 夕べのニューフィルのパート練習が終わって帰る時には、すごく寒かったですね。案の定、今朝起きて外を見てみたら、結構な雪が積もっていましたね。これは長靴の出番かな、と思って長靴を履いて表に出ると、駐車場では車の通ったところはアスファルトが見えてるではありませんか。あわてて家に戻って普通の靴に履き替えます。職場の広い駐車場はまだ車が通っていないので雪はしっかり積もっていましたが、別に雪かきもしなくてもすぐに融けてしまいましたね。もう今年は雪かきはしなくても済むかもしれません(なんて言うと、思いがけずドカ雪が降ったりします)。せっかくの新しい新車も、本当の雪道ではどうなのかというのも、来シーズンまで分からないのでしょうか。
 その新車、発売された11月には、ついに月間販売台数が1位になったというのはお伝えしてありましたが、12月には僅差で(ほんとに僅差、373台差)プリウスに負けてしまいました。しかし、今年の1月には再度首位を奪還していましたね。しかも、2位も同じメーカーの車で、プリウスは3位でした。その差は2934台、大きく引き離していますね。だいたい、新しいプリウスのデザインは私だったら絶対に買いたいとは思わないひどいものですからね。あの、やたらとげとげしいフォルムを好きになれるのは、暴走族だけなんじゃないですか。
 いやいや、そんな外見だけで他人(他車)を判断しては行けません。きのうの「おやぢ」で取り上げたフルーティストの方だって、正直ジャケットを見た時には絶対に友達にはなりたくないな、と思ってしまいましたけど、そんな外観を見事に裏切ってくれた素晴らしい音を聴かせてくれていましたからね。
 このメーク、というか、レースかなんかをかぶっているのでしょうか、最初はタトゥーを入れているのかと思ってしまいましたよ。ただ、それ以外にも演奏するうえでちょっとユニークなところはありました。この写真でも分かりますが、フルートに息を入れるための穴が、自分の顔の右側に開いていますね。
 この写真だともっとはっきり分かるのですが、鼻と唇の間にある「人中」という溝が、左に寄っています。つまり、唇の右半分が真ん中付近に移動してきて、そこに穴が出来ているのです。実は、どんな教則本を見ても、「フルートは唇の真ん中で吹きなさい」と書いてあるのですが、そんな吹き方をしている人はそんなに多くありません。例えばランパルなどは左側で吹いていますからね。
 ですから、左で吹けるのなら、右で吹くのも同じことだと思うかもしれませんが、「左」の人はたくさんいるのに(あのゴールウェイも「左」です)「右」の人は殆ど見当たりません。私は、何人かのフルーティストは知っていますが、それは殆どトラヴェルソの奏者、モダンフルーティストのCDのジャケットでこれだけはっきり「右」の人を見たのは殆ど初めてです。実際は、この楽器は右側に構えるので、「右」で吹くと右手が曲がってしまってちょっと窮屈になってしまうのかもしれませんね。ゴールウェイのマスタークラスに行った時には、彼は「右腕を伸ばして、唇の左から息を出すように構えろ」と言っていたぐらいですから。ただ、その時に、通訳をしていた日本のフルーティストが「それは個人差がありますから」とフォローしていましたけどね。
 実は、私も最初は「右」でした。しかし、初めて本格的な先生のレッスンを受けた時に、「それだと将来苦労するかもしれないね」と言われてしまったので、必死になって「左」に直したんですよね。次の週に「左」で吹いたら、その先生はびっくりしていましたけど。ただ、長いことフルートを吹いているうちに、やはり私の本来のポジションは左ではないような気がしてきました。それで、最近は穴は左ですが、それを真ん中に持ってきて吹くようにしています。それだとかなり安定した音が出るようになっているので、どうやらそこが私にとってのベストポジションなのでしょうね。でも、まだまだ奥は深いものがあります。
Aventure Number : 2745 date : 2017/2/8


今日の禁断 ギュルケ


 今日は10日、ということは、市民センターなどの予約で、抽選に漏れたところにリベンジできるようになる日です。何のことだか、とお思いでしょうが、普段の練習などに市の施設を使うためには、ネットで予約が必要で、その応募が複数あれば当然そこで抽選が行われることになります。2か月先の予約の抽選結果が、毎月2日に発表になるんですよね。そこで当選したところは、それぞれ意志表示をして予約が確定することになるのですが、中には他と二股をかけて予約している人もいますから、両方とも当選したので要らなくなったものは先着順に取ることができるようになります。その申し込みが始まるのが毎月10日なんですよ。
 実は、ニューフィルの場合、その2か月先の予約で、落選してしまったものが2件ありました。まあ、それは練習に使うのではなく、ちょっとした仕事のために小さい部屋を借りる、というだけですので、最悪取れなくても別な日を探せばいいのですが、もしかしたらそんな放出物件になっていないかと思って、チェックしてみました。そうしたら、見事にそこは2日とも丸一日空っぽ、つまり、どの時間帯でも取れるようになっていましたよ。私もアカウントを持っているので、自分でそのまま予約も出来たのですが、ここは一応役割があるので、その担当者に「空いてますよ」とメールをしました。それを送信したのが、13:53。そうしたら、14:05に「取れました」というメールが来ました。よかったですね。でも、これで大丈夫、と時間を見たら、一つが朝の9時からとなっていました。私の感じではその日はお昼頃かな、と思っていたので、念のためその予約サイトに行ってみたら、9時から午後2時までの時間帯が埋まっているではありませんか。9時からというのが、うちでとったものですから、それを取る前に10時から午後2時までがすでにほかの団体に取られてしまっていたんですね。ですから、私がメールを出してほんの数分の間に、同じ場所取った人がいたということですね。なんという偶然でしょう。というか、9時から10時の間だけでも残しておいてくれてよかったですね。
 でも、この日は私も当番になっているので、お昼頃だったらそのまま別のところに練習に行けばいいのですが、これだとこの仕事をした後、一旦家に帰らないといけませんね。仕方がありません。
 そんなニューフィルの仕事の一つ、新しい「かいほうげん」も、無事に出来上がりました。今回は私が書いたものが6ページ分あって、それの校正にかなり時間を取られてしまいましたね。というか、印刷間際になってレイアウトをすっかり変えたくなったりして、もう大変でした。そのどさくさで、画像が入れ替わっていたことに印刷する時に気が付いて、またまたあわててしまいました。
 結局、印刷は予定通りに今日の午前中に全部終わったのですが、なんか心に引っ掛かるところがあったんですよね。もしかして、と、それに関することを調べてみたら、やはり私は間違ったことを書いていたことが分かってしまいました。いや、頭の中ではその概要はしっかり把握していたはずなのに、楽譜を見た時に別のことだと勘違いしてしまったんですよね。なんと恥ずかしい。でも、いまさら印刷しなおすなんてできませんから、ここは黙ってそのまま見ていただくしかありませんね。おそらく、途中で面倒くさくなってしまってそこのところまできちんと読んでもらえるかどうかも分かりませんから。
 でも、ペーパー版は仕方ないとしても、ネットにアップするのはきちんと直しておきたいので、それは正しいものに差し替えたPDFをすでにアップしてあります。興味があればこちらをごらんになってみてください。もちろん、こちらは直した方ですから、どこが間違っていたかなんてわかりませんね。みんなに配るのはあさっての指揮練の時になります。それを見れば、なんて馬鹿な間違いをしたのか、分かってしまいますけどね。
 実は、「かいほうげん」全体もすでにこちらにアップしてあります(こちらは要認証)。表紙に乗せた写真が、これ。
Aventure Number : 2746 date : 2017/2/10


今日の禁断 ロザリンデ


 先月の末から、毎週週末にはコンサートに行くということが3回続いてしまいました。まずは東京の新国で「カルメン」、次は楽楽楽ホールで「仙唱」、そしておとといはパトナホールで「オペ協」でした。オペ協って・・・。とりあえずみんなに合わせて4音節で略してしまいましたが、本当は「仙台オペラ協会」のことですね。
 会場に入ったら、いつも使っているこのホールの反響版が、真っ白い布に覆われていましたよ。前からこうでしたっけ?その下にはなんとも乙女チックなカーテンまでかかって、ステージにはおしゃれな生花スタンド、やはり「オペラ」だけあって夢のある演出ですね。
 ところが、客電が落ちて暗くなったら、その白い布の上にピンクに囲まれたハートが浮かび上がりました。そう言えば、このコンサートのタイトルは「ヴァレンタイン・コンサート」でしたね。オペラ協会の皆さんが、それぞれ親しみのある歌を歌う、というコンサートです。ニューフィルでご一緒した方もいましたね。これが、前の週に聴いたホールとは全然音が違うんですよ。ソリストだけではなく合唱の皆さんも、それぞれまるでマイクを付けているようにはっきりと声が聴こえてくるんですね。これがホールの音響というやつなんですね。それが、前の週の楽楽楽には全くありませんでした。もっと言うと、イズミティでは大ホールも小ホールも、そんなものは一切ありません。ですから、今度ドイツのちゃんとしたオーケストラが仙台にやってくるのですが、会場がここだと聞いて行くのをやめましたからね。あんなところで聴くぐらいなら、東京まで行った方がましです。
 そして、「オペ協」の次の日には、ニューフィルの最初の指揮者練習です。こちらの会場は、青年文化センターのシアターホール。ここはだいぶ前に使ったことがありましたが、やはりそんなに響くホールではなかったような印象がありますから、ちょっと不安です。私にしては珍しく、最初の練習からレコーダーを持ち込んで生録もやってみるつもりですから、できればいい音で録りたいのに。
 でも、練習が始まると、ここも十分に豊かな響きのホールだったことが分かりました。少なくとも楽楽楽よりはずっと響きます。指揮者の田中さんはいつものように伸び伸びとやらせてくれますから、なおさらリラックスして吹くことが出来ましたね。あとで録音を聴いてみたら、やはりとても素敵な音で録音されていました。
 実は、この日は練習以外にいろんな仕事を抱えていました。まずは「かいほうげん」の配達。ステージのセッティングが終わって譜面台を立て終わったところで、その上に置いておきます。それから、この間袋に詰めたチラシとポスターも、こちらに運んであったので、それをステージの前に持ってきて、担当の人たちにそれぞれの配布先を書いた紙を配ります。そこで、「私、別のところも行けます」みたいな人も出てきたので、そのあたりも調整、これで、市内の市民センターにはもれなく行き渡ることになりました。
 そうしたら、「名取市内の中学校に配ったらどうでしょう」という人も現れました。現場の先生だった方ですので、その辺の事情に詳しいのでしょう、私も漠然と考えていたことを、「市内には5つの中学校があります」とまで言ってくれたので、さっそくその計画を採用させていただくことにしました。結局、中学校だけではなく高校にも配ったら、ということになって、次の日には「名取バージョン」のシールづくりに励むことになります。演奏も、ただの「名曲集」には終わらないぐらいの気迫で臨んでいますし、これだけの広報の力があれば、きっとお客さんもたくさん集まることでしょう。
 練習の後は、恒例の指揮者を囲んでの飲み会。いつものところで、私は「辛口ジンジャエール」飲み放題コースです。田中さんの、まさにこの世界で長く生きてきた方にしかわからないような「秘話」は、面白かったですね。というわけで、夕べは遅かったので「禁断」は今日にシフトです。別に、それで気をもむような人はいないでしょうから。休みがあると、こういう時楽ですね。
Aventure Number : 2747 date : 2017/2/13


今日の禁断 リンドベリ


 きのうのニュースで、「内田光子がグラミー賞を受賞」と言ってましたね。そのあとで「クラシックの最優秀ボーカル・アルバム」と付け加えていましたが、てことは、内田光子は歌も歌っていたのでしょうか?いやいや、そんなことはありませんね。この「Best Classical Solo Vocal Album」というカテゴリーで受賞したのは、ソプラノのドロテア・レシュマンがシューマンとベルク歌曲を歌ったアルバム。内田光子はピアノ伴奏として参加していただけです。もちろん、レシュマンの歌を側面から支えたからこそ受賞したのでしょうが、この賞の趣旨としてはあくまで対象は「Solo Vocal」なわけですから、こんなに大騒ぎをするほどのものではないような気がするのですけどね。
 そのグラミー、数年前に五島みどりが受賞した時にはカテゴリーの数は82だったのですが、今回はそれが84になっていましたね。それだけ、新しいジャンルの音楽が出てきた、ということなのでしょうか。まあ「世界最大の音楽賞」とか言ってますが、たしかにカテゴリー数から言ったら、間違いなく「世界最大」でしょうね。
 この「Best Classical Solo Vocal Album」というのは80番目カテゴリーなのですが、その3つ前の77番目には「Best Choral Performance」というのがあって、そこで賞を取ったアルバムはこちらで聴いてました。内容的には空虚なアルバムでしたが、要は売れたかどうかが受賞の基準なのですから、こういうのがアメリカ人は好きなのでしょう。そして、ここでノミネートはされていても受賞は逃したものに私の大好きな「2L」のアルバムが入っていたのには、うれしくなりましたね。こちらの方がペンデレツキよりはずっと中身は充実していると思うのですが、これが「グラミー賞」なのですから、仕方がありません。でも、この「2L」は、他の部門でも結構ノミネートはされているのですね。なんか、うれしくなってしまいます。
 とは言っても、しょせんクラシックの部門はこの賞の中では「ついでに設けた」というイメージは避けられません。そんな結果に一喜一憂して、ここでの受賞アルバムを大々的に売り出そうとしているクラシック・レーベルの姿ほど、哀れなものはありません。
 どんなにあがいても、ニューフィルがグラミーを取ることなどはあり得ないので、こちらは淡々と日頃の活動を積み重ねていくだけです。この間、今度の定期演奏会が行われる地域への宣伝活動の話が出たことを受けて、私は早速その具体的な作業に入りました。とは言っても、実際に手をかけたのはポスターチラシに「名取市文化センターでもチケットを取り扱っています」というシールを貼りつけたことだけですけどね。実は、これは職場で大量に24面のあて名シールがあったので、それを使わせていただきました。そもそもは、郵便物を「ゆうメール」で送るときに、封筒にハンコを押す代わりにシートにコピーして貼り付けるために、ネットで安売りをしていたものを買ってあったのですが、それももう貼付が必要な封筒が残り少なくなったので(これからは、印刷してもらいます)、かなり余ってしまったんですね。ですから、2枚プリントすれば、48枚のシールが出来ますから、ほぼ1袋分のチラシに貼ることができるのですよ。
 あとは、昔多賀城でやった時に、同じように学校に配った案内状が残っていたので、それに手を入れて招待券と一緒に封筒に入れて発送すれば、出来上がりです。ただ、多賀城ではそれをやっても集客は悲惨でしたから、今回もそれほどの効果はないかもしれませんが、まあ、きっと報われることはあるはずですから。
 そういえば、ニューフィルのFacebookページの「いいね!」が、現在399件、あと一人で400になりますよ。
Aventure Number : 2748 date : 2017/2/15


今日の禁断 カウフマン

 前回のニューフィルのFacebookの「いいね!」の400人目のキリ番は、私の知っている方でした。こんだけ人数が増えてくると、もう私の知り合いの範疇を超えてしまっているので、最近はまず知人にお目にかかることはないのですが、こんなところでお名前を目にするとは。コール青葉の最後の本番、あと1ヶ月ですね。頑張ってください。
 私も、「杜の都 合奏団」のコンサートが、本番の日まで、もう1ヶ月を切ってしまいました。すでに「禁断」ではそのポスターをご紹介してあったのですが、それははるか昔、ほぼ3か月前のことでした。実は、私もいったいいつ出したのかわからなくて、バックナンバーを見直してしまいましたよ。あんまり早く宣伝を始めるとみんな忘れてしまうものなんですね。ですから、ここでもう一回ポスターをアップさせてください。
 前にもちょっと書きましたが、今回は会場が楽楽楽ホールですので、今までのパトナよりかなり広くなっています。ぜひたくさんの人にいらっしゃって欲しいものです。曲目もご覧のように「名曲」が揃っていますから。
 それで、いつものことなのですが、このコンサートのプログラムのための解説文を頼まれています。それも、頼まれたのはだいぶ前のことなのですが、今週あたりからやっと腰を上げて書き始めることにしてみました。暇な時に少しずつ書き溜めて、今の時点でほぼ8割ぐらいは出来上がったでしょうか。一応ゴールは見えてきたので、まずは一安心です。
 でも、私が書くんですから、ありきたりのものにはしたくないというのはいつもまず考えることです。リサーチは徹底的に行いました。序曲の「オベロン」なんかでも、おそらくこれの全曲を聴いた人などはいないだろうという前提で、それなら全曲を聴いてやろうと、まず思いました。そうしたら、いろいろな発見がありましたね。つまり、単にプログラムノーツを書くだけではなく、もっとほかのことにも生かせるような発見がたくさんあった、ということです。その結果、どんな解説を見ても絶対に書いていないネタを披露することが出来そうです。というか、スコアの解説文も含めて、なんていい加減なことがネットにはあふれているなあ、と改めて痛感です。
 ところで、このコンサートのメインはブラームスの1番なんですが、それの第4楽章に「森のくまさん」のテーマが使われていることに最近気が付きました。あの「ソド〜シドラ〜ソ」という有名なテーマの後半が展開された形なのでしょうが、それが断片的にチラチラ現れていたと思ったら、練習記号の「M」で、いきなり管楽器がトゥッティで「ある〜ひ〜」とやるんですよね(ヤンソンス/BR響だと11:53付近)。それを受ける弦楽器の「ジャカジャカ、ジャカジャカ、ジャン」というのが、熊さんに驚いて逃げる女の子の様子なんですよ。分かりますか?
 こんな風に、思いもよらないところで似てるものというのはたくさんありますが、指揮者の末廣さんと小林薫さんがよく似てる、というのは、ずっと前から思っていました。その小林さんが出演していたWOWOWのドラマが終わりました。そこでの小林さんも、やはり末廣さんそっくりでしたね。顔だけではなく、ちょっとした仕草までとてもよく似てるんですよ。歩く時の後姿、なんてのもそっくりでした。このドラマでの小林さんはかなり悲惨な役どころでしたが、もっと明るい役で出てくるときでもやっぱり似ていますから、演技に関係なく、本質的に似ているということになりますね。ただ、その証拠に、と思って画像を検索してみたのですけど、どうもスティル写真だとあんまり似てませんね。やっぱりこれは動いているところを見てみないと、その似てる感じは伝わらないのかもしれませんね。
 でも、「森のくまさん」は、全く同じものですから、すぐわかるはず。そういえば、この歌ののカバーでちょっと騒がれた人がいましたが、さっきの「オベロン」を調べている時に、その方のお父さんが書いた文章に遭遇してしまいました。ご存知でしょうが、「レコ芸」にCD評を書かれている方です。
Aventure Number : 2749 date : 2017/2/17


今日の禁断 キンタ
 WOWOWで「もう」あの映画をやってました。ついこの間、この地方ではかなり評判になった映画です。
 なんせ、すぐ近くの町がモデル、というか、実際にあったと言われる話が元になっていますから、盛り上がるのは当たり前でしたね。私も、機会があったら映画館で見てみたいと思っていましたからね。でも、それをBSで見てしまったら、映画館に行かなくてよかったな、と思ってしまいました。
 とにかく、お話自体は面白いはずなのに、それが画面からは全然伝わってこないのですよ。あまりにも「いい人」しか出てこないとか、予定調和があまりにも多いとか、ドラマとしての盛り上がりがほとんど感じられませんでしたね。なんか、話題性だけ先走りして、肝心のことが何もできてないな、という感じです。
 でも、羽生クンはよかったですね。あんなにセリフや芝居があったのに、全然見劣りがしませんでした。というか、まわりの「プロ」があまりにふがいないのでこんなシロートがかえって素敵に見えてしまったのでしょうね。本間ちゃんも出ていたらしいのですが、こちらは全く気づきませんでした。
 こちらの録画を見ていたら、11時を過ぎていました。しまった、達郎の番組があったんだ。と、あわててラジコを立ち上げてみると、そんな番組はやっていないような感じでした。
 確かに、先週この時間に「夜」の「サンデーソングブック」をやります、という予告があったはずなのに、と思って聴き始めると、それは確かに、その時に予告していたような怪しげな音楽でした。プレイリストを開くと、「鈴木敏夫」とか「ジブリ」とは全く無縁なタイトルですから、これはダミーだったのでしょうね。なんせ、タイムフリーもやらないということでしたから、あくまで「深夜」にリアルタイムで聴くしかないのでした。
 その曲目の、ラジコでの表示がこちらです。
 機会があったら、検索してみたらいいんじゃないでしょうか。「ピエール〜」なんて、まさに「R-18」ですね。そう、これは、達郎の番組でたまにやっている「珍盤奇盤特集」の、「深夜放送」バージョンだったのですよ。ですから、もちろんタイムフリーなんかにできるわけはありませんね。
 でも、まあ、これは言ってみれば中学生レベルの楽しみ、という感じはしませんか?いい大人がこんなものでニヤニヤしているなんて、ただのえろおやじですよ。私だって嫌いじゃありませんが、正直途中で飽きてしまい、最後まで聴かないで寝てしまいましたからね。夕べの映画とラジオは、どちらも中身の薄いものでした。
Aventure Number : 2750 date : 2017/2/20


今日の禁断 バッファロー


 我が家で使っているWIFIルーターは、光を導入した時に一緒にNTTからレンタルしたものでした。それが2004年の11月、それ以来何の疑問も抱かずに、12年以上使い続けてきました。これを入れた時には、設定がとても面倒くさく、とても私の手には負えなかったのでちゃんとサービスの人に来てもらって設定を行ってもらっていました。その時の様子を見ていると本当に大変そうだったので、こんなことは2度とやりたくないと思ったのも、使いつづけた要因だったんでしょうね。
 でも、それからルーターも進化して、最近のものは全部自動的に設定が出来るようになっているようでした。考えてみたら、そのルーターと、今では全く使っていませんが、そのころは「LANカード」というのをPCに入れないと、つながりませんでしたから、そのレンタル分も合わせると月額1200円も払っていたのですね。そんなんだったら、半年で新しいルーターを買えてしまいますから、だいぶ損をしていたような気がします。
 思い立ったら少しでも早くと、迷わずにamazonで最初にあったものを注文したら、きのう職場に届きました。それを開けて、まずはマニュアルを見て設定のシミュレーションです。いや、そんなことをするまでもなく、ざっと読んだ限りではいともあっさり出来てしまいそうでした。これだったら、練習が終わって夜遅く帰っても、それから5分もあれば設定は完了するはずですね。
 その前に、晩御飯を食べてから行かないといけませんから、久しぶりのフォレオのモスに行ってみました。冬場のお汁粉が目当て、それだけではちょっと足らないので、ポテトを付けようと思いますが、ちょっと塩分は控えめにしている身、できれば塩をかけないでもらいたかったので、店員さんに「塩、抜いてもらえますか?」と恐る恐る聞いてみたら、あっさり「塩なしですね、かしこまりました」ですって。レシートを見てみたら、
 こんな感じ、ちゃんとレシートのフォーマットに含まれているんですね。つまり、こういう注文があることは、しっかり想定されているのですよ。出てきたら、こんなシールまで貼ってありました。
 楽しい練習が終わって家に帰り、そのまま着替えもしないでルーターの入れ替え作業を始めます。VDSLモデムはそのまま使いますから、そこにつながっているLANケーブルを外し、新しいルーターにつなぎ、電源を入れます。PCを開いて、SSIDを探すと目指すルーターのものがあったのでそれを指定、パスワードも分かっていたのでそれを入れたら、見事にルーターとはつながりました。しかし、ブラウザを開いても、インターネットにはつながっていません。そういえば、マニュアルにはインターネットが開かない時にはどうのこうの、という説明があったような。そんな場合は想定していませんから、もうパニックです。どうやら、その先にはプロバイダーの情報を入れてやるという作業が、私の場合は必要だったのですね。そういうプロバイダーからの資料は職場に置いてありますから、どうにもなりません。かろうじてパスワードだけは覚えていたので、それを頼りに設定してみたのですが、全然だめです。こうなったら、次の日に職場から資料を持って帰るまでは作業はお預けですね。
 でも、念のため、光を入れた時の資料はあったので見てみたら、そのプロバイダーの情報がありました。というか、それはそこのサイトにしっかり表示してあったものでした。ですから、落ち着いてサイトを調べてみればそれは簡単に入手できたのですよ。それに気が付いたのはもう夜も更けるころですから、もう寝てしまい、今朝、再挑戦。そうしたら、そのプロバイダーの情報を記入するページがなかなか出てきません。それでも、なんとかそこを見つけて、設定が終わり、「接続に成功しました」という表示が出た時はうれしかったですね。というか、こんなに苦労するとは思っていませんでしたよ。
 やっぱり、12年間の技術の進歩は著しかったようで、写真のダウンロードなどは見違えるように早くなりましたね。
 右が新しいルーター。真ん中がモデムで左の大きいのが前のルーターです。これがなくなって、やっとスッキリしました。邪魔なものはさっさと片づけないと。今日、解約の電話をしたら、そのうち引き上げ用の「荷造りパック」が届くそうです。もちろん着払いの伝票も付いています。
Aventure Number : 2751 date : 2017/2/22


今日の禁断 ラララホール


 「杜の都 合奏団」のコンサートの本番まであと2週間となってしまいました。演奏に関しては、まあいつもの調子で本番までには万全のコンディションを整えることは出来そうですが、私にはその前にやっておかなければいけないことがありました。この前にも書きましたが、それはプログラム用の原稿を書くことです。これが出来上がらないことには気がかりでしょうがないので、少し早目に仕上げて、さっきマエストロに送ったところです。この前のコンサートの打ち上げの時に、「本番前に読んでおきたかった」といううれしいことをおっしゃってくれた方がいたので、こちらに公開してみます。
 まだまだチケットには余裕がありますので、こんな曲を聴きに来ていただければ、とても嬉しいです。
 杜の都合奏団のコンサート、第6回目を迎えた今回はまるでコース料理のように、前菜(オードブル)は「序曲」、魚料理(ポワソン)は「協奏曲」、そして肉料理(ヴィアンドゥ)はボリュームたっぷりの「交響曲」の3品をお召し上がりください。もし興が乗れば、「アンコール」という名のデセールもご用意させていただきます。

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
 カール・マリア・フォン・ウェーバーは「ドイツ国民オペラの創始者」と言われています。彼の業績は、たとえばモーツァルトの「魔笛」や「後宮からの逃走」のような、間にドイツ語のセリフを挟んで音楽が進行する「ジンクシュピール」という昔からある形は踏襲した上で、ドイツ的な素材を前面に出して代表作である「魔弾の射手」のようなオペラを作った、ということになるのでしょう。
 その「魔弾の射手」の成功はヨーロッパ中に知れ渡り、ロンドンのロイヤル・オペラ(コヴェントガーデン歌劇場)からも作曲の依頼が舞い込むようになりました。そこで、かの地で上演するために英語の台本によって作られたのが、ウェーバーの最後のオペラとなった「オベロン」です。「オベロン」というのは、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」に登場する妖精の王として知られていますね。この物語にはパックなどの妖精も登場します。さらに、船が難破し、異国の海岸に打ち上げられるという、同じシェイクスピアの「テンペスト」のエピソードも付け加えられていますし、モーツァルトのそれこそ「魔笛」や「後宮」とよく似たプロットもあります。依頼から2年後の1826年にこのオペラは完成し、作曲家自身の指揮によって初演されました。しかし、ウェーバーはその直後、長らく患っていた結核のためイギリスで亡くなってしまいました。
 代表作である「魔弾の射手」でさえ、最近ではめったに上演されなくなっていますが、この「オベロン」も台本があまりにハチャメチャなこともあって、実際に取り上げるオペラハウスはほとんどありません。ただ、その序曲には、いかにもコンサートの幕開けにふさわしいワクワク感と甘美なメロディ、沸き立つようなクライマックスがぎっしり詰まっていて、オーケストラのコンサートには欠かせないものとなっています。
 最初のゆったりとした序奏の部分では、まずホルンが妖精の王オベロンをあらわす角笛のモティーフを演奏します。オペラの中では、オベロンがフランスの騎士ヒュオンに恋人探しを命じるときに、この角笛を「困ったときはこの角笛を吹いてわしを呼べ」と差し出します(まるで「魔笛」!)。その後にフルートとクラリネットで奏でられる細かい音符の煌めくようなモティーフは、妖精たちをあらわしたものです。それに続く金管の荘厳なファンファーレはオペラの終幕、ヒュオンが国王となるシーンで鳴り響く音楽です。
「ジャン」という全合奏をきっかけに軽やかなテンポの主部になると、そこでまずヴァイオリンによって低音から高音までめまぐるしく動き回るテーマが出てきます。これは、バグダッドの宮殿から恋人のレイザを救い出したヒュオンと、それぞれの従者のファティマとシェラスミンという4人の登場人物が船に乗って逃げようと歌う「暗く青い海の上Over the dark blue waters」という四重唱の中間部に現れるものです。そのあと、対照的にクラリネットで甘く歌われるのが、ヒュオンがレイザを思って歌う「少年時代から戦場で鍛えてきたFrom boyhood trained in tented field! 」というアリアの、やはり中間部分から取られたモティーフです。そして、最後に出てくるのが、レイザが乗っていた船が嵐で難破したあとに歌う「海よ、巨大な怪物よOcean! thou mighty monster」という、これだけは独立して演奏される機会も多いアリアの最後の部分に出てくる、まさにロマン派特有の倚音(非和声音)を多用した勇壮なテーマです。さらに、後半には主部の最初のテーマに、妖精パックが歌う「空気と大地と海の聖霊よSpirits of air, and earth and sea!」という歌の中の付点音符のモティーフが絡み付きます。

サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番
 フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲は全部で3曲あります。20代のころに作られた2曲の協奏曲は、「第2番」と呼ばれている協奏曲の方がまず1858年に作られましたが、初演されたのは1880年と、ずいぶん後になってしまいました。これは、若さの息吹きにあふれたすがすがしい作品、ハープの伴奏で歌われる第2楽章のテーマの美しさには魅了されます。「第1番」は、1859年に作られた、楽章が1つしかないラプソディ風の作品で、やはりキャッチーなテーマには惹きつけられます。
 ただ、いずれの曲も、それから20年以上経って円熟度を増した作曲家の手になるこの「第3番」の堂々たる佇まいの前には、影が薄くなってしまいます。実際、今では彼のヴァイオリン協奏曲と言えばこの曲しか頭に浮かばない人がほとんどなのではないでしょうか。作曲されたのは1880年、「1番」と同じくサラサーテに献呈されており、当然彼のソロによって初演されています。この曲は、どの部分を切ってみても、魅力にあふれたメロディで出来ているといういかにもサン=サーンスらしい音楽です。
 第1楽章では、神秘的な弦楽器のトレモロに乗ってソロ・ヴァイオリンが奏でるちょっと暗めでインパクトのあるテーマが、全体を支配しています。しばらくして現れる、夢見るような美しいテーマとの対比も絶品です。
 第2楽章では、波打つゴンドラのような6/8拍子のバルカローレ(舟唄)のリズムに乗って歌われるテーマがとても魅力的です。これが最初に出てくる時はソロ・ヴァイオリンで始まり、それがファースト・ヴァイオリン、オーボエと受け継がれ、さらにフルートが締めくくるというパターンですが、その後は担当楽器が替わって別の味わいも楽しめます。やがて、ゴンドラの漕ぎ手が歌うようなこぶしのきいたフレーズも現れ、ソロ・ヴァイオリンのフラジオレットとクラリネットとのユニゾンの夢見るような響きの中で終わりを迎えます。
 第3楽章の冒頭は、さっきの「こぶし」を用いたソロ・ヴァイオリンの序奏で始まります。やがて、軽快なテンポのタランテラのリズムに乗って現れるテーマはとってもおしゃれ。そして、その後にソロ・ヴァイオリンで現れる流れるようなテーマと、しばらくしてから弱音器を付けた弦楽器によって奏でられる、まるでオルガンのような敬虔なテーマが、入れ代わり立ち代わり登場して、この華麗な楽章を盛り上げます。

ブラームス:交響曲第1番
 サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲が作られるちょっと前の1876年、ヨハネス・ブラームスが43歳の時に作られたのが、彼の最初の交響曲でした。ブラームスの交響曲は、ベートーヴェンのあとにドイツ、オーストリアで作られたシューベルト、メンデルスゾーン、シューマンたちの「新しい」交響曲よりもずっとベートーヴェンの流れと精神を正当に継承した、その意味では「古い」形の交響曲と言えるでしょう。だからこそ、同じ時代の「最新鋭」の音楽であったワーグナーやブルックナーにはついていけなかった人たちには、歓迎されることになったのです。しかし、ブラームスは決して懐古趣味で「古い」音楽を目指したわけではありません。形は伝統的ではあっても、そこで繰り広げられる音楽の中には未来を予見するようなものを見出すことだってできるのです。
 第1楽章は、まず、ティンパニの重苦しい連打に乗って、ハ短調という、ベートーヴェンが交響曲第5番で使った暗い調で始まります。ヴァイオリンが奏でる半音進行を交えたテーマは、かなり印象的。しかし、そのあと管楽器で出てくるモティーフは、さらに意表をつくものでした。それはなんと「減7度」の下降音、つまりそれは、1オクターブの中の12の半音を三等分した時に出来る4つの音の中の音程です。そして、そのあとはその半音下でやはり「減7度」が出現します。その結果、ここにはブラームスが意識したかどうかは分かりませんが、それからしばらくして出現する「12音音楽」、つまりすべての半音を平等に扱う「無調」のテイストが色濃く漂うことになるのです。これは、まさに時代を先取りした音楽です。それと同時に、偉大なベートーヴェンからの引用もあちこちで見られます。この楽章の中ほどで弦楽器に「タタタン」というリズムが何回か出てきますが、それはやがて「タタタター」という、あまりにも有名な交響曲第5番のテーマのリズムに変わり、それが縦横にさまざまの形で出現することになります。さらに、もう少しすると、ベートーヴェンの交響曲第6番(田園)の第4楽章の嵐の部分から、第5楽章の羊飼いの歌に移る場面の「ソラソファミ」というモティーフも聴こえてきますよ。
 第2楽章は、流れるような三拍子に乗って、穏やかな音楽が聴こえてきます。その間を縫って、オーボエやクラリネットが華麗なソロを聴かせてくれるのにもご注目、弦楽器と管楽器とが絶妙の掛け合いを見せる中、ヴァイオリンのソロに乗って静かに曲は終わります。
 第3楽章では、最初にクラリネットで奏でられるテーマがちょっと不思議なリズムになっています。古典的な曲では、大体4小節がテーマの単位になっていて、その単位が繰り返されて音楽が作られることが多いのですが、ここではそのテーマが5小節で出来ているために、最後の1小節でちょっとした「字余り」感があるのですね。それを、わがマエストロは前半は2/4拍子が2小節、後半は3/4拍子が2小節、ということで見事に解決しました。でも、そうなるとこれは「変拍子」になるので、いずれにしても古典音楽からは脱却した手法です。中間部には、「タタター」という、やはりベートーヴェンのリズムが現れます。
 最後の楽章は、長い導入の部分がとてもドラマティック。始まってしばらくは第1楽章のような重苦しい短調の部分が続きますが、ティンパニのロールを合図に突然霧が晴れたように曲は長調に変わります。その瞬間、聴こえてくるのがホルンのテーマです。その、まるでアルプスの山々に響き渡るような雄大なテーマは、ブラームスが実際にスイスで聴いたアルプホルンが奏でていたメロディだったのだそうです(彼は、これを採譜して歌詞をつけ、密かに想いを寄せていたクララ・シューマンの誕生日に贈っています)。このテーマはそのままフルートに受け継がれます。そして次の瞬間、トロンボーンとファゴットのコラールによって、「神」が現れます。さらにもう一度アルプホルンのメロディが出た後にテンポが変わって、やっと主部に入ります。ここでのテーマはなんとものどかな唱歌風のもの、後半がベートーヴェンの交響曲第9番の最後の楽章に現れる「歓喜の歌」とそっくりです。もちろん、これはしっかりブラームスのベートーヴェンに対するオマージュが込められてのことなのでしょう。曲の最後ではまた「神」が出現、壮大に全曲を締めくくります。

Aventure Number : 2752 date : 2017/2/24


今日の禁断 カシユカ


 「さくら野」が自己破産ですってね。私にとっては「丸光」の方が通りがいいんですけど。学生時代、ここで真夜中のアルバイトをしたことがありましたね。商品の入れ替えかなんかだったんですけど、その時に使っていた階段がまだあるみたいですから、もう相当昔に建った建物なんでしょうね。あんだけ広い敷地なんですから、この際立て替えて、それこそ立派なコンサートホールなんかが入るぐらいの建物を作ればいいと思いませんか?駅前にコンサートホールなんて、素敵ですね。金沢とか川崎で出来たことが、仙台に出来ないはずはありません。とはいっても、行政の長がその方面に何の関心もないのですから、まず無理でしょうけどね。
 ただ、ニュースでは、この敷地は地権者が入り組んでいて、再開発が難しいのだそうですね。たしかに、裏側に回ると、なんだか雑然としたお店なんかがあるみたいですね。かつては、「八重洲書房」というマニアックな本屋さんなんかもあって、ある時期通い詰めていたこともありました。もうなくなってしまったようですけど。今は、どんな本でも簡単に買えるようになっていますが、それは知らなければ買えませんよね。でも、こういう本屋さんに行けば、何かしら面白そうなものが見つかったりするんですよね。あとは、古本屋さんも少なくなりましたね。
 鎌倉に今でも営業をしている古本屋さん、という設定のお店が出てくるのが、「ビブリア古書堂の事件手帖」というシリーズですが、その第7巻がやっと出ました。本当に首を長くして待っていたんですよね。いろいろネットで調べたりすると、かなり執筆に手間取っているようなことが書いてありましたから、まだまだ先のことだろうな、とは思っていました。ですから、いきなり新聞にでかでかと広告が出ていたのには、びっくりしましたね。逆に、こんなにメジャーだったのか、と思ってしまいました。それこそ、本屋さんに行っても、これを置いてないお店の方が多かったような気がしますから。
 ただ、待っていたのは事実ですが、最初のうちはとても面白かったこのシリーズが、最後の方になってくるとなんだか話があまりに入り組んできて、ちょっと入っていきづらくなっていました。私は、ですが。第6巻などは、人間の続き柄なども頭に入らないで、結局なんか消化不良で読み終わった、という印象がありました。ですから、果たしてこれが楽しめるかどうかは、あまり自信はありませんでした。
 確かに、最初のあたりはやたら「今までの説明」が続きます。これを初めて読む人のためでしょうが、もうこの時点でなんだかわけがわからなくなりそう。でも、そんなところを超えると、急に物語が軽やかに流れるようになってきました。こうなったらもうしめたもの、最後まで一気に読めてしまいましたよ。こんな読み方が出来たのは久しぶりのこと、本当に面白かったんですね。
 ネタバレはまずいので、細かいことは一切書きませんが、なによりも昔の本の作られ方が面白かったですね。それと、同じ本でも版によって違いがあるなんてあたりは、「版マニア」の私にはたまりません。ただ、最後の仕掛けは、私は終わりまで読まなくても分かってしまいました。というか、これは文章で書かれても理解できない部分がありますから、困りますよね。現物を見れば分かるような気がするのですが。
 もちろん、これは推理小説なのですが、その周りを彩る主人公の物語がほんとに素敵ですね。栞子さんの喜んだ姿、私もうれしくなってきます。
 この帯にもあるように、映画化が決まったようですね。アニメはともかく、実写ではだれが彼女を演じるのかがとても気になります。以前テレビドラマでは剛力彩芽が演じたそうですが、もし映画でも彼女だったら絶対に見ないでしょうね。こんなミスキャスト、誰が考え出したんだか。かといって、とっさに思いつくような適役の人はいませんね。なんせ、現実にもうこの人しかいない、という人に出会ってしまっていますからね。強いて挙げれば、その人に良く似ているPerfumeの樫野有香さんでしょうか。でも、彼女、お芝居なんか出来たかな?
Aventure Number : 2753 date : 2017/2/27


今日の禁断 ブラウニー


 最近、私の「著作物」が他人の役に立つ、ということが重なりました。もちろん、「著作物」というのは、私のサイトのコンテンツのことですけどね。それぞれ、直接「使わせていただけませんか?」という連絡をいただいたのですが、こちらとしては何の問題もないので快諾したというものです。それの出来上がったものが、相次いで送られてきました。
 左は、さるクラシック音楽の愛好家のサークルの方からです。定期的に仲間が集まってCDやDVDを一緒に鑑賞するという会を行っているというのですが、その時に使うCDの解説文を、私のサイトから使わせてほしい、ということでした。
 そのCDというのは、2番目に書いてあるホフマンのフルート協奏曲です。よくぞこんな曲を取り上げてくださったものだ、と思いますが、そんな珍しい曲の解説なんて、確かにそうそう見つかるわけがありませんね。原文はこちらですが、もう16年以上前に書いたものでした。改めて読んでみると、あの頃とはいろいろ状況が変わってしまっていることが痛感されます。でも、一度ネットに出してしまったものですから、そんな感傷に浸っているわけにはいきません。それなりの価値を見出された方がいるのなら、なんだって提供するのが当たり前です。
 そして、右側の方はもう14年も前に、ニューフィルでマーラーの5番を末廣さんで演奏した時の前プロ、「リュッケルトの5つの歌曲」の歌詞の対訳です。プログラムに載せるために私が訳したもの、現物はこちらですね。なにも参考にしないで、女性が歌っているのだから、と、軽い気持ちで女性言葉、というか、ギャル語に近い感じで作ったら、さるマーラーの専門家には顰蹙を食らいましたね。でも、このプログラムを送って下さった方によれば、「対訳が良かった」という感想が寄せられていたというので、ホッとしています。
 こんな風に、きちんとクレジットを印刷してくれました。
 プログラムには、指揮者のサインまで入っていました。井アさんですね。このオケの常任指揮者なんだそうです。「またニューフィルとご一緒したい」とおっしゃっていた、というのが、送って下さった方からの伝言です。
 これを送ってくるときに、「宅急便で送りました」と言っていたので、プログラムだけだったら郵便でいいのにな、と思っていたら、一緒にお菓子まで送ってくれていました。こういうご丁寧な対応には、本当に救われます。ネットの情報などは無断でコピーして当たり前、みたいな風潮がありますからね。やはり、それなりの誠意は必要だと痛感させられました。
 ただ、中にはこんな情報が拡散されてはまずいだろうといういい加減なものもありますから、そういうものに対しては、毅然たる態度で接することも必要ですね。○ング○ンターやナ○ソ○のCDインフォなんて、読むたびにそう思ってしまいます。
Aventure Number : 2754 date : 2017/3/1


今日の禁断 コクヨ


 数日前から、CLASSICAさんのブログで、CDのソフトケースに関してのレポートが連載されています。普通のハードケースというのはけっこうな厚みがありますから、CDが増えてくるとその収納がだんだん困難になってくる、というのは、この方にとっては切実な問題なのでしょう。いや、これは他人事ではなく、私にとっても最近とみに切実さを増している案件です。この間大きな棚を導入して、これでしばらくはもつな、と思っていたのに、相変わらず部分的にもう隙間がなくなって、空いているところに移動させて場所をつくらなければいけないような事態が頻出していますからね。
 ですから、最近では真剣にCDの処分を考えるようになりました。もう物理的に棚を置く空間がなくなっているのですから、それ以外の選択肢はない、と思ったのですよね。具体的に選別を始めてみようかな、と思い始めた矢先に、このブログを見て、うん、この手があったか、と納得してしまいましたね。すでに、映像の方では録画したディスクは全て不織布の袋に入れただけで保管していますから、今のところそんなに困るようなことはありません。それと同じことを、CDでもやればいいという話なんですよね。
 ただ、市販のCDにはブックレットとかインレイさらにものによっては日本の代理店が作った「帯」なども付いていますから、それもきちんと保存するとなると、ただの袋では役に立たないんですよね。それが、このブログに紹介している商品だときっちり解決出来てしまうんですよ。それをAmazonで確認してから、100枚まとめて購入してしまいました。
 まず手始めに、おそらく持っているCDの枚数は一番多いはずのNAXOSのアイテムで、試してみましょうか。これは、ほとんどが普通のハードケースですから、まずこれを「ソフト化」すれば、かなりスペースが空くはずですからね。
 これが、元の商品の形。「帯」は裏側はまるまるケースを覆う大きさです。
 ケース以外のすべてのパーツをバラバラにすると、こんな感じ、CD本体、ブックレット、インレイ、そして巨大な「帯」です。
 それらを全てこのケースに収納できます。
 そうすると、このように「帯」の背面がきちんと見出しとなって見えるようになります。帯がない時でも、インレイの折り返しがここに来ますから、やはり背文字が見えることになります。これは、重ねて棚にしまっておいても、なんとなく横から見えてきますから、とても便利です。
 左のハードケースに入っていたものが、右のようにこんなに薄くなりました。半分以下の厚さです。これは使えますね。
 空いてしまったケースは、捨てないで取っておこうと思います。これは箱に入れて物置にでも放り込んでおけばいいんですから、邪魔にはなりません。というのも、いつのことか分かりませんが、これらのCDが全く必要なくなる時、つまり持ち主がいなくなってしまった時には、また元のケースに戻さないと中古屋では買い取ってくれませんからね。
 そうなんですよ。いくらCDがあっても、私以外の人にとっては殆どクズ同然のものですから、あとに残された人はこんなものは困るだけです。せめて、ケースだけでもちゃんとしておけば、葬儀費用の足しにはなるんじゃないでしょうか。
 いや、そのころには、もはやCDなんて何の価値もないものになってしまっていて、それこそ本物の「ゴミ」になっているかもしれませんけどね。せめてそうなる前に売ってしまうのが、正しい「終活」ってやつでしょうか。
Aventure Number : 2755 date : 2017/3/3


今日の禁断 サンサーンス


 「杜の都 合奏団」の本番はもう1週間後になってしまいましたね。ですから、きのうはその最後の練習になってしまいました。ただ、それは夜なんですが、その前にもう一つの予定をこなさなければいけません。それは、さる合唱団のコンサート。愚妻がかつて団員だったので、案内が来ました。
 そのコンサートの会場が、若林の文化センターだということで、かなり早めに家を出ます。ここは駐車場が少ないので、ギリギリに着いたりすると入れなくなってしまうんですよね。私も、以前別の合唱団に入っている時にここでのコンサートに出たことがありますが、その時にはせっかく来たのに駐車場に入れなくて、あきらめて帰ってしまったお客さんが結構いたのだそうです。
 そこに行くには、いろいろな経路がありますが、せっかくのe-Powerなのでまだ通ったことのない道を使ってみようと思いました。普通は二番丁を南下して、荒町から三百人町を通って三角公園に出るのですが、地下鉄が開通した時に連坊小路の先に新しい道が出来たというので、そこに行くために東口から南下している都市計画道路から連坊小路に入りました。確かに、そこからちょっと行ったところで南下すると、そのまま三角公園まで出るようになっていました。
 その前に、連坊小路にある私の母校の前を通るのですが、なんとそこには学校の敷地の中に地下鉄の出入り口が出来ていましたよ。究極の立地になっていたんですね。もう一つの母校でも、構内に駅が出来ましたし、便利になったものです。
 あとはさらに東に行けば目指す文化センターです。そこで駐車場に入ろうと右折車線に入ると、なんだか向かい側の区役所の駐車場に入っていく車が見えました。休日は閉鎖されていたはずなのに。そのまま右折して駐車場に向かうと、入り口に人が立っていて、なんか案内しています。窓を開けてみると、「図書館ですか?コンサートですか?」と聞かれました。コンサートだというと、「Uターンして向かいの駐車場に入れてください」ですって。最近は、ホールで催し物がある時にはさっきの向かいの駐車場を開放するようになったんですね。もちろん、こちらは無料です。そちらにも案内の人が立っていましたが、おそらくシルバー人材センターの人でしょう。来月ニューフィルでもこのホールを使いますが、その時にも開放してくれないでしょうかね。
 このホールで他の人の演奏を聴くのは久しぶり。最初のステージは無伴奏で古今の宗教曲。ペルトとニューステッドの間をほとんど空けないで演奏していたので、一瞬同じ曲だと思ってしまいましたが、やはりこの二人はハーモニーのベースが全く違うことがよく分かりました。次のステージはピアノ2台の伴奏で三善晃が編曲した唱歌集。ほとんど、角田で演奏したのと同じ曲だったので、そのあまりの編曲の違いにびっくり。やはり三善は、こんな素材でもしっかり自己を主張しているんですね。
 そのあとは、合唱界では有名な高校の女声合唱団。指揮者が何もしなくても、自主的に自分たちの音楽を作れるような団体ですね。若いのに、ちょっと暗めの音色に聴こえたのは、発声ではなく発音に違和感があったためでしょうか。そこまで聴いて、私は次の予定を控えているので、途中で帰ってきましたが、なかなかヴァラエティに富んだコンサートでしたね。
 帰りはさっきの道を通って宮城野通に出てパルシティの「生涯学習支援センター」にチラシとポスターを置いてきます。これで、私の担当分はあと4か所を残すだけとなりました。家へ帰って愚妻を降ろし、そのまま旭ヶ丘に。まだ練習開始まで1時間ちょっとありますから、いつものパフォーマンス広場で音出しです。きのうもとても混んでいて、座れるところは全部使われていたので、こんなところを陣地にすることにしました。
 ステージの端に座って、脇の階段に足を延ばすとちょうどいい感じ。ただ、ステージの上ではジャグリングをやっている人がいましたが、そのうち皿回しを始めたらもう落としてばっかりですから、楽器だけはしっかり守らないといけません。ピッコロを吹く時には、フルートはしっかりケースにしまっておきました。確認できただけで、ここには合奏団のメンバーが私を含めて5人いましたね。途中で、もう帰る人が「椅子、お使いになりませんか?」とそれまで使っていた椅子を示して私に話しかけてきました。そんな、赤の他人との交流があるのがうれしいですね。
 そして、練習は全員入ったらかなり窮屈な練習室4でみっちりです。コンチェルトもだいぶ仕上がって、面白くなってきましたよ。今度の日曜日の3時から楽楽楽ホールです。よろしく!
Aventure Number : 2756 date : 2017/3/6


今日の禁断 シール


 きのうのニューフィルの練習では、日曜日のコンサートの時にプログラムに挟むためのチラシを用意しなければいけなかったので、チェックしてみたら、もうほとんど残っていませんですた。何とかかき集めて200枚ぐらい用意しましたが、おそらくこれでは足らないでしょうから、私の配布分のチラシも一緒に持っていきましょう。それが必要になるぐらいお客さんが来ればいいですね。今回は、名取方面にかなりばらまいたので、もう残り少なくなってしまいました。つまり、現在4000枚近くのチラシが、この近辺に出回っている、ということになるのです。
 ポスターだって負けてません。今回はこんなところに貼らせてもらいましたからね。
 この間横浜に行った時に、ここに貼ってもらえたらいいな、と思ったところがあったので、そこにお願いしてこんな風にしてもらいました・・・なんてね。いや、これは前に仙台駅とか東映ビルにやったのと同じことですから。なんたって、ニューヨークのタイムズスクエアでも貼ってもらったことがありますからね。
 これは、その他の「作品」と一緒に、ニューフィルのFacebookページにもアップしてあります。公式ページでそんなことをやっていいのか、と言われそうですが、まあこんなのは「かいほうげん」でもやっていますからね。でも、慣れていない人は戸惑うかもしれませんね。そのFacebookページの「いいね!」が確かに400人まで行ったのに、その直後に少し減ってしまいました。どういうことなんでしょうね。もしかしたら、すでに「いいね」をした人がさらにクリックしてしまったので、取り消しになってしまったのかもしれません。心当たりの方は、再度クリックし直してくださいね。
 ところで、この間から始めてみたCD棚の「ソフト化」ですが、その成果には目を見張るものがありました。私の場合、合唱関係とそれ以外、という大きな分け方をまず行って、それぞれ別の棚に収納します。そして、「合唱以外」のものは、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ワーグナー、ブルックナー、マーラー、メシアン、リゲティ、ペンデレツキ以外の作曲家のCDは全てレーベル順に並べています。そこで、まずそこにたくさんある同じレーベルのものから手を付けることにしました。最初はなんたってNAXOSでしょう。これが最初の状態。もうパンパンですね。NAXOSは下から3段目。
 それが、こんなに隙間が出来ました。
 実際にやってみると、2枚組で普通のハードケースと同じ厚さのものだったら、そのまま1枚のソフトケースに収まります。CDを2枚重ねて袋に入れればいいんですからね。なんせ、これは2枚組のSACDではよく見られるやり方ですから、メーカーでも何の問題もないと思っているのはずなので、大丈夫なんでしょう。ただ、3枚組とか、紙ケースで包まれているものはだめですから、そのままにしておきます。国内盤でデジパックのものもありましたから、それもそのままです。
 次に、一番上の段にあるDGです。
 こんな感じ、思ったほど多くなかったですね。こちらもデジパックが結構あったのでそれは対象外です。
 ここまでやったら、ソフトケースは126枚使いました。当然、最初に買った100枚では足らないので、追加でもう100枚買いました。まあ、それを使い切ったら、また様子を見ることにしましょうかね。
Aventure Number : 2757 date : 2017/3/8


今日の禁断 プロポーズ


 そろそろ番組の改編期、新しく始まったドラマも、もはや終盤になってきましたね。結局、私が今シーズン地上波で見続けたのは「タラレバ」と「カルテット」、そして「お母さん、娘をやめていいですか?」だけでした。「お母さん」は、よもやあんな「ホラー」だったとは。斉藤由貴、ほんとに怖かったですね。あと、壇蜜も。でも、一番怖いのは案外波瑠だったりして。「カルテット」も予想外の怖さ、今週の最後にとんでもない展開になって、いったいどうなってしまうのか予想もできません。これは、台本がとてもしゃれていて素敵ですね。もう「音楽」はどうでもよくなっているのが、ちょっと気になりますが。
 結局、一番ハマったのが「タラレバ」でした。吉高由里子に対する違和感がなくなることはありませんが、こうなってくると結構我慢できるようになってくるから不思議です。榮倉奈々は予想通りの活躍ぶり、あと、坂口健太郎がいいですね。こちらもヘンな展開になってきましたが、どういう形で収拾されるのか、とても楽しみです。
 その吉高が、レストランで鈴木亮平と食事をしている時に(余談ですが、この二人は朝ドラで夫婦だったんですよね)、ナイフを左手に持っていました。なんか変だな?とは思ったのですが、まあ左利きの人だったらそれもありかな、と納得しました。とは言っても、こういうフルコースの場合、テーブルにあらかじめ使う予定のナイフとフォークが何本か置いてありますよね。外側から使うのが正しいマナーだとかね。それはもちろん、例外なく右にナイフ群、左にフォーク群がありますから、左利きの人は持ち替えるのでしょうね。
 と思ってネットをのぞいてみたら、これはそんな単純なことでは済まされない事態だったことが分かりました。このナイフ=右手、フォーク=左手というのにはしっかり理由があって、それを踏まえて出来上がったのが「テーブルマナー」なのだから、それを破ることはとても恥ずかしいことだ、みたいなことを堂々と書き込んでいる人がたくさんいるのですよ。そんなにマナーって大げさなものなんでしょうかね。私なんかは、ナイフで肉を切ったあと、右手にフォークを持ち替えて食べたりしますけど、そんなのはまさに「不作法」の極みなんでしょうね。その書き込みの中には「オバマ大統領は左手にナイフを持っていた」というのがあって、ちょっと救われましたけどね。
 まあ、物わかりの悪い人はどんな世界にもいるわけでして、さるレーベルのFacebookページを見ていたら、似たような書き込みを見つけてしまいました。そこでは、先日亡くなったスクロヴァチェフスキの追悼CDの案内をしていたのですが、担当者がコメントの中で1ヵ所「スクロヴァ」と書いてしまったのですね。それを目ざとく見つけた人が、こんな書き込みをしていました。
こういう表記の仕方は、故人に対して失礼とは思わないのかな?
恣意的な略称を用いていれば、いかにも通、みたいな輩がライターとしてはびこっているから、排他的な空気が醸成され、クラシック音楽受容は一定の数のファン層から外へ広がっていかないのだ。
反省してほしい。
 なんか、とんでもない難癖をつけている、という感じですよね。確かに、略称を使うのはあまり気持ちのいいものではありませんが(私は「ハクチョウコ」は絶対に許せません)それがクラシックの普及の妨げになっているというのは明らかな事実誤認です。だって、クラシック以外のジャンルではこの「略称」は大はやりじゃないですか。それこそ朝ドラの「ミスチル」とか。そもそも、この方はご自分が使っている機械を「パーソナル・コンピューター」とでも呼んでいるのでしょうかね。
 元のコメントを書いた人は、即座に訂正していたようです(履歴を見ればわかります)。こういうアホには、逆らわないのが一番です。
Aventure Number : 2758 date : 2017/3/10


今日の禁断 マーラー


 きのうは「杜の都合」の本番でした。いつものことですが、この団体は本番までの時間が本当に短くて、練習を始めたと思ったらもう本番というスケジュールです。今回も、私は練習の前にはほぼ毎回、パフォーマンス広場で1〜2時間の音出しをやっていましたね。そのぐらい曲と付き合っていないと、とてもニューフィルと同等のレベルまでにはなれませんから。要は、本番前には楽譜を見なくても自然に指が動いてくれる、というぐらいのコンディションを作っておきたいんですよね。そこまでやっておけば、決して本番になって裏切られることはありません。いや、もちろん完璧な演奏などできるわけもないので、これはあくまで本番で何かがあってもそれに対応できるだけの余裕が持てるための「保険」なのでしょうね。
 会場はこんなところ、キャパは700人ですから、この前のように「二けた」のお客さんしか来ないと、悲惨なことになってしまいます。私も、そして団員の皆さんも、かなり熱心に宣伝を行っていたようですね。
 ここは、ニューフィルの指揮練で使ったことはありますが、その時は確か反響版は使わなかったような気がします。このホールはちょっと不思議な構造になっていて、後ろの反響版が極端に前に来ています。ですから、オケがステージに乗るためには前の客席を撤去しなければいけません。
 その、取り除いた客席は、というと、
 こんなところにありました。
 なんと、反響版の裏側の方が表のステージよりずっと広くなっていたんですね。初めて知りました。なんと無駄なことをやっているホールなのでしょう。
 私は、今回は録音も頼まれてしまいました。なんでも、このホールの設備ではCDに録音するすることはできないそうなのです。ですから、提供されるのはカセットテープかDATなんですって。これも、いまどき、ですね。ですから、いつものようにステージ上のマイクからの入力をもらって、私のレコーダーで録音することになったのですよ。ですから、せっかくなのでハイレゾ(24/96)で録音しておいて、それをCDフォーマットにダウンサイジングしてマエストロに渡すことにしました。
 そんなことをホールの係員さんにお願いしたら、すぐに変換ケーブルを用意してくれましたね。ラインで送られてくるので、そのレベルも調節してくれるそうです。これは、レコーダーの方でリハーサルを録音して決めようと思っていましたから、大丈夫ですけどね。レコーダーをセットする場所も、きちんと用意してくれましたし。
 いよいよ本番が始まります。これがフルメンバー、結構多いですね(写真は、完全復帰したN岡さん)。前半は私はピッコロを吹かなければいけないので、かなり緊張していました。リラックスさえできればなんと言うことはないのですが、それが難しくて。でも、サンサーンスの決め所、最後のヴァイオリン・ソロと一緒になるハイHが見事に決まったので、とりあえず満足です。これは、ステージ脇ですぐモニターしてみたら、きれいに録れていましたよ。
 後半のブラームスは、なんと言っても第4楽章のソロが命です。これだけは、絶対にしくじるわけは行かないのでどんなことがあってもコントロールが出来るようになるまで作っておきました。その成果はこちらで聴けますよ。もちろん24/96です。
 お客さんはなんと300人近く入っていました。しかも、そのうちの80人は当日券を買って入った方なのだそうです。これはうれしい誤算でした。たしかに、ホールの中は適度に埋まっていましたからね。心配だった音響も、吹いていてはそんなにまずいところはありませんでした。録音を聴いてみても、十分に美しい音が出ていたようです。
 半年後の次の演奏会では、もっと広いホールで、なんとも無謀な曲に挑戦するそうです。弦楽器と練習時間が今の2倍あれば、十分に可能でしょうけどね。
Aventure Number : 2759 date : 2017/3/13


今日の禁断 リラク


 ニューフィルのコンサートの企画書を送っていたフリーペーパーなどからは、この間中掲載記事のゲラなどが送られてきていました。それの実物の第1号が届きました。
 まあ、こんな感じで、これからは多くのメディアで紹介されるはずですから、各種フリーペーパーは捨ててしまう前にチェックをしてみてください。とは言っても、これも前もって言われてなければ絶対わからないような小さな記事なんですけどね。
 日曜日のコンサートは、Facebookに写真をアップしたりしたら、かなり反響があったようですね。というのも、最近ではこちらで何もしなくても、勝手に私の「お友達」の顔を認識して、それが写っている写真にタグ付けしてくれるもんですから、そのタグ付けされた人のFacebookからも反応があったからなんですけどね。それはそれでありがたいことではあるのですが、以前は私が自分でタグ付けをしないと、決してこんなことにはならなかったような気がするのですけどね。というか、実際にタグ付した人からちょっと不都合なことがあるので、タグを解除してほしい、というような申し入れもあったりしましたから、それ以来、私は決してそういうことはしないようにしていたのに、今では有無を言わせずタグを付けられるようになってしまっています。
 もちろん、それは私が解除することは簡単で、実際、写っていない人の名前があったのでそれは削除しましたけど、今度は逆に削除して恨まれる、みたいなこともないわけではないでしょうから、本当に困りますね。
 それと、コメントも私にではなく、タグ付けされた「お友達」に対するものが寄せられることもありますから、その対応もなかなか難しいものがあります。まあ、コメントの内容で大体分かることなのでしょうが、それも微妙なものがありますからねえ。とは言っても、こんなことでコンサート自体の話が盛り上がって、次は聴きに行きたいな、と思う人が出てきたりしたら、それはそれでありがたいことですね。
 この時の録音は、一応チェックしたら最後まで何の事故もなくきちんと録れていました。それで、火曜日にはまた顔を合わせることになる人のために、すぐ編集作業を始めることにしました。こういうことはできる時にやっておかないとなかなかできないものですから。
 いつもは、会場で録音されたCDを元に編集するので、邪魔なものはほとんど入っていませんから、単純に曲ごとに分割するだけでいいのですが、今回は私がスタートボタンを押さなければいけなかったので、結構要らない部分が入っています。それと、普通は入っていないオープニングの陰アナもちゃんと録っておきましたから、それも含めて編集しました。余計な部分をカットする時も、ただカットしただけだと切れ目が分かってしまうので、その前後にきちんとフェイド・インとフェイド・アウトを入れて、絶対に分からないように仕上げましたよ。
 そうやって、楽章ごとにファイルが出来たら、それをCDに書き込むだけです。1枚では収まらないので、2枚使うことにしましょう。それはマエストロに渡す分だけでいいのですが、なんか1枚だけ作るのも、数枚作るのは手間は一緒なので、その他にすぐもらえたら喜ばれそうな人のためにもう何枚か焼いておきました。そうしたら、それをただ渡すのもちょっとさびしい気がしてきたので、この間ソフトケースに移した2枚組用の空のCDケースに収納して、ついでにインレイとジャケットを作って、本物のCDみたいにしてみましたよ。インレイには曲目リスト、ジャケットはN岡さんが撮ってくれた写真にタイトルを入れたものです。
 それをきのうのニューフィルの練習の時に配ったら、やはり大好評でした。今日になって、写真を撮っておけばよかったな、と後悔しています。私の手元には、音源はハイレゾとCDフォーマットの2種類が残りましたが、フィジカルなCDはもうありませんでした。
Aventure Number : 2760 date : 2017/3/15

17/3/17-17/5/1