2701(16/11/4)-2720(16/12/16)

今日の禁断 ディーゼル


 「ウェスト・サイド・ストーリー」を見てきました。映画ではなく、オリジナルのミュージカル、劇団四季が地方公演で全国を回っていて、宮城県では仙台と名取が会場になっています。仙台の会場はイズミティ、ミュージカルには広すぎるホールですが、かなり前の席を買っていたので、とても見やすくて、ストレートにドラマに入っていくことが出来ました。でもこのチラシ、「ウェスト物 サイド語」って読めませんか?
 映画の方はもうすっかり音楽も、そしてセリフ(英語)も頭に入っていますし、ミュージカルもこの劇団四季のものはもう何回も見ているので、それぞれのバージョンの違いなどもはっきり分かるようになっています。ただ、前に劇団四季を見た時には、緞帳が下りている間に序曲が演奏されていたのですが、今回はそれがなく、いきなり緞帳が上がってプロローグが始まりました。この序曲、その劇場の備え付けの緞帳にプロジェクターで映画のオープニングと同じ画像を映していたのですが、県民会館でそれをやると、マンハッタンのバックに「蔵王」や「松島」が浮かび上がるという、シュールなことになっていましたね。それに気づいたのかどうか、今回はそれがなくなっていました。いや、そもそもあの「序曲」は映画のために作られたもので、ミュージカルのスコアにはそんなものはありませんからね。
 なんたって作曲がバーンスタインで、そんなスコアも簡単に手に入るぐらいですから、クラシックとして結構全曲版のCDが出ているのですが、それらでは全て当然のことながらこのミュージカル版が演奏されています。映画版とミュージカル版の違いは結構大きくて、最初にこのステージを見た時にはちょっと戸惑ったものですが、今ではすっかり慣れて、今回見た時にも、やはりこちらの方がとても納得のいくプロットだということがよく分かります。やはり、映画ではナンバーの場所まで変わっていますから、なんか進行上不自然なところが出てきているんですよね。
 さらに、映画版では大幅なカットがあります。それは、第2幕ですぐ始まる「I Feel Pretty」(映画では第1幕になってます)の次の、トニーとマリアのダイアローグの後に、楽譜には「バレエ・シークエンス」から「少女」が歌う「サムホェア」を経て「ナイトメア」に至るまでの部分です。ここは、トニーとマリアの夢の世界が描かれていて、ステージではことさら現実離れした演出が見られて、この物語のテーマがくっきりと浮かび上がるとても感動的な部分です。ステージでは全員が衣装を真っ白なものに替えて踊るという、まさに非現実の世界なのですが、おそらくそれが映画とは馴染まないとカットされてしまったのでしょう。今にして思えば、こんなことをしなければ映画としての価値もワンランク上がっていたのではないでしょうかね。やはり、エンターテインメントとしての「映画」という位置づけは必要だったのでしょう。
 今回のステージを見てそのあたりの配慮がはっきり分かるのが、アニタがマリアの代わりにドックの店に行くシーン。ここで彼女はジェット団に乱暴を受けるのですが、映画ではそのあたりがきれいに処理がされていて、そのあとのアニタの怒りがいまいち理解できませんでした。それが、ステージでははっきりレイプしていることが分かる演出になっているのですよ。これだったら、あれほどひどいウソをつかなければならないほど、憎悪を募らせるのも納得です。
 今回のメンバーの中には、外国の人も入っていました。いや、今までも「外国人」はたくさんいたのですが、それらはみな東洋系の人たちばかり、外観は日本人と変わらない人だったのですが、その人はポーランドの方、もろ西洋人の顔立ちです。そういう人がオリジナルの英語ではなく、ちょっとへんてこな日本語に直されたものを歌っている、というのもなんだか不思議なことですね。彼はセリフもしゃべりますが、それはもちろん日本語です。ということは、日本人のキャストが西洋人の振りをして、日本語を話す、というこの現場で彼は、「西洋人のキャストが、日本人の振りをして、西洋人の振りをして日本語を話す」という複雑なことをやっていたことになりますね。でも、彼のダンスは素敵でした。
Aventure Number : 2701 date : 2016/11/4


今日の禁断 ルノー


 この週末は、お天気が良かったですね。土曜日などは気温が20°超えですって。北海道では大雪だというのに。
 実は、この間DMが来て以来、ディーラーさんからは執拗に試乗のお誘いが寄せられるようになっていました。見積もりの試算書が入ったDMだけではなく、なんと手書きによるご案内のハガキ、さらに金曜日には電話までかかってくるようになりました。まあ、私の場合試乗には行こうと思っていてこちらから連絡しようとしていたぐらいですから、渡りに船なんですけどね。
 ですから、一応その時は「明日お伺いします」と答えておきました。そして、土曜日になってこちらから都合の良い時間を聞いてみると、午後の方が確実だ、みたいな話、ちょうど駅前に行く用事があったので、それを済ませてから行くことにしました。
 駅に着いて、東口の天井を見上げてみたら、ガラスに影が映っていますが、それがどうも萩の花をデザインしたもののように見えるんですよね。どうでしょうか?
 そのあと本屋さんに行ったりしていると、今度はディーラーさんから、「もう一人試乗ご希望のお客さんが現れたので、何時ごろ来られるか教えてください」と聞いてきました。やはり、結構予約のスケジュールがタイトになっているのですね。ちょうどこっちの用事も終わったので、さっそくお店に向かいます。
 これが、試乗車。この色はパンフレットなどにあるのと同じでしたが、現物はもっと派手。ちょっとな、という感じです。
 コクピットは、ステアリングの形がユニークですね。下端が平らになってます。そして、シフトレバーは「レバー」というよりは「ボタン」といった感じ。ポジションはバックとドライブだけ、その間にニュートラルを経由することになります。というか、どちらのポジションに入れても、動き出すとニュートラルに戻ります。「ギア」ではなく「スイッチ」ですね。
 ディーラーさんが隣に座って、坂道の多いコースを指示してくれます。上り坂は軽快そのもの、ガソリン車にありがちな、上りはじめの減速感が全くありません。そして、すごいのがアクセルを戻した時の減速。これは、普通のガソリン車と同じ感じにするモードもあるのだそうですが、きのうはあえてこのEVならではの減速感を味わいます。細かい角を曲がるときにブレーキペダルに踏み変える必要は全くありませんし、下り坂でもアクセルを戻すだけで気持ちよくブレーキがかかります。ですから、そうなるとブレーキランプは点かなくて、後続車が危なくないのかな、と思ったら、ブレーキペダルを踏まなくても、速度が落ちてくるとブレーキランプが点くようになっているんですって。すごいですね。それと、駐車している車を追い越したら、「白線を超えた」という警報が鳴りました。そこまでのものになってるんですね。
 ただ、もし買うようなことがあればこの色ではいやなので、他の色の車を見たいと言ったら、本社に別な色があるということなので、それを一緒に翌日、つまり今日見に行くことになってしまいました。
 そして、見せてもらったのがこの色です。かなりインパクトがありますね。ただ、本当に見たかったのは、別な色だったのですが、それはどこにもないということでした。ただ、塗装コードが全く同じものが、前のタイプの車では出ているので、それを持っているユーザーさんのところにあとで連れて行ってくれるということでした。ところが、まさにその同じ色の車が、ここにあったのですね。
 やっぱり、これが一番いい感じですね。現物が見られてよかったです。
 それと、もう一つ偶然があって、以前お世話になっていたディーラーさんで、もうだいぶ前に出世されて別の部署に異動になった方にひょっこりお目にかかってしまいました。まさかこんなところでお会いできるなんて思ってもみなかったので、驚きましたね。その方は、私の娘の名前や、その頃やっていたことなどもしっかり覚えていてくれたというのも、驚きです。
Aventure Number : 2702 date : 2016/11/6


今日の禁断 ブルーレイ


 以前、近くの地下鉄の駅で、エレベーターの工事が始まった事を書いていました。その時の駅側のあまりにいい加減なやり方にちょっと腹が立ったので、投稿フォームで「車椅子の乗客に対する手は打っているのか」というような趣旨の質問を送っていました。それが10月の6日、それに対する返事なんかまず来ることはないだろうと思っていたら、それから1ヶ月以上経った今日、こんな文面のメールが届きました。

「交通局へのご意見」へのご回答
平成28年11月10日
あなた様へ
 日頃より、本市地下鉄をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
 交通局では平成25年度からエレベーターの更新工事を始め、現在、北仙台駅のエレベーター更新工事を行なっております。工事に伴い、ご利用のお客様には大変ご不便をおかけしております。
 ご質問にありました工事期間中の車イスご利用のお客様への対応につきましては、車イスご利用の団体へ工事の予定を事前にお知らせし、工事期間中、隣接駅をご利用して下さるようお願いをしております
 車イスご利用の団体は、工事の予定及び内容を各団体の関係者のみなさまに伝えてくださる等、工事へのご協力をいただいてまいりました。
 また、日頃北仙台駅をご利用いただいている車イスご利用のお客様にも工事内容を説明し、ご協力をいただいております。
 しかしながら、事前のお知らせをお知りにならない車イスご利用のお客様や歩行が困難なお客様が来られた場合に備え、北仙台駅のエレベーター地上部にインターホンを設置し、駅務員が対応できる体制を整えております。  
 工事期間中大変ご不便をお掛けいたしますが、今後ともお客様が快適に地下鉄をご利用いただけるよう努力してまいりますので、引き続き本市地下鉄をご利用いただきますようお願いいたします。
仙台市交通局鉄道管理部 
駅務サービス課 課長○○ 〇

 フォームを送信した直後に届いた自動送信メールにはちゃんと私の名前があったのに、ここでは「あなた様」ですって。そもそも、日付を間違えているあたりがおかしいですね。これについては、すぐ同じ文面で件名だけ【回答文の日付を誤ったので再送付いたします】が付いたメールが届きました。お役所仕事丸出しですね。ツッコミどころは満載ですが、とりあえず下線の部分。要するに、「車椅子の人は、この駅を使うな」ということなんでしょうね。「駅務員が対応できる体制」ったって、具体的なことが書いてなければ意味がありませんし。
 もう、こっちは返事なんか来ないものだと思って、「まあ、そんなものだろう」と気持ちを整理し終わったころにこんなものが届いたって、逆に誠意のなさをよりはっきりさせたことになってしまっているんですから、どこまで愚かなんだか。
 そんな愚かなことがもう一つ私のまわりであったのですから、嫌になります。それは、こちらの「おやぢ」でやり玉に挙げたキングインターナショナルのインフォの間違いですが、最近そこを見てみたら、修正されていました。おそらく、ここを見ていて(あるいは見ていた人に指摘されて)ヤバいと思って直したのでしょう。それはそれで結構なことなのですが、直す前のインフォはすでに多くのところに掲載されているので、自分のところだけを直しても何にもならないんですよ。というか、こういうものは販売店のインフォの方がよく見られているはずですから、あまり意味がなく、逆に「姑息な改竄」と思われてしまうのがオチなんですよね。
 つまりこういうことです。今現在の表記は、
○キングインターナショナル
なお、ガーディナーは、ウィーン・フィルと、1997年に1833年版、そして98年には1834年版の第2楽章から第4楽章をセッション録音しましたが、今回は1833年版を採用しての演奏となっています。
(これは正しい内容。しかし以前は下のものと同じでした)
○HMV
なお、ガーディナーは、ウィーン・フィルと、1997年に現行版、そして98年には1833年版の第2楽章から第4楽章をセッション録音しましたが、今回は1833年版を採用しての演奏となっています。
Aventure Number : 2703 date : 2016/11/9


今日の禁断 アカデミー


 「ラジコ」をインストールしてから、結構「タイムフリー」機能で、きのうより前の番組を聴くようになりました。いや、別に「今日の」番組だって聴けるんですけどね。
 今までは、車に乗っている時しかラジオは聴くことが出来なかったのですが、もっと聴いていたいな、と思っても目的地に着いてしまったので車を降りなければいけなくなれば、もうそれ以上は聴けません。そんな「残尿感」を解消するのにはもってこいのツールですね。
 それと、まず車に乗ることはないだろう、という時間帯の番組も、暇な時に簡単に聴くことができるようになりました。それは、日曜日の朝の7時から放送している「サンデークラシックス」という番組です。まさか、この地元のFM曲でクラシックの番組なんかやっているわけはない、とずっと思っていましたから、こういうものがあることを知った時にはかなり驚きました。まあ、確かに、この曲にはクラシックも強そうな女性のアナウンサーもいますからね。でも、その後のリサーチで、担当しているのは別の男のアナウンサーだと知った時には、なんだかがっかりしてしまいました。その人は朝の番組でしょっちゅう耳にしていますが、クラシックなんかには全く縁のなさそうな人でしたからね。
 でも、どんなものかは実際に聴いてみなければわかりませんから、何回か聴いてみました。最初に聴いたときは、いかにもタイアップという民放FMならではの選曲で、「やっぱりな」と思ったのですが、2回目に聴いたときには「フルートのジェームズ・ゴールウェイ」なんて言ってましたから、びっくりです。それも、いかにもな小曲集なんかではなく、モーツァルトのD-durのコンチェルトを全曲放送してくれましたよ。ただ、始まる前には、クラシック番組では必ず聞くことができるオケや指揮者の名前は一切言いませんでした。ですから、私としてはこれはいったいどの録音なのか、考えてしまいますよ。普通に手に入るものでは4種類の、それぞれ別の指揮者との録音がありますからね(一つは吹き振り)。音はあくまでのびやか、指の動きも完璧そのものの爽快さがありますから、これはかなり若いころの録音なのでは、とは思いましたね。そうしたら、全部終わったところで、そのアナウンサーはやおら指揮者とオーケストラを言ってくれました。そうしたら、それは1995年のマリナーとの録音だったのです。ということはゴールウェイは50代後半、まさに円熟の極みだったんですね。正直、このあたりのゴールウェイはCDは買ってもそんなに熱心に聴いてはいなかったのでしょう。まさか、このFM局にこんないいものを聴かせてもらえるなんて。
 同じ日曜日の夕方にやっている「NISSAN あ、安部礼司」も、最近は良く聴くようになりました。もう10年以上続いているんですね。始まったころはなんてつまらないんだ、と思っていたのですが、だんだん味が出てきましたね。タイトルからも分かるように、これは日産がスポンサーになっています。ということで、ドラマの中では車がらみのシーンもよく出てきますね。それで、先週のON AIRはちょっとした期待をしながらタイムフリーで聴いていました。その日の話は、飯野平太がついに結婚することになって、そのフィアンセと「今年中に3つのミッションをクリアする」と宣言していました。「新居、車、結婚式場」なんですって。その「車」でやはり反応してしまいます。案の定、結婚式場に行った帰りに、偶然通りかかった「N社」のショールームで、ひときわ輝くオレンジ色の「ノートe-POWER」を見て、二人とも一目ぼれしてしまう、という展開でした。あまりにも見え透いたお話なので、ラジオ(というかiPhone)を聴きながら爆笑してしまいましたよ。まだ、テレビのCMなんかは始まっていませんが、こんなところからジワジワ攻めていこうという戦略なのでしょうかね。でも、私はプレミアムコロナオレンジ(上)よりソニックブルー(下)の方が好きですね。
Aventure Number : 2704 date : 2016/11/11


今日の禁断 エグモント


 最近の「禁断」の流れからお分かりのように、さる事情があって、印鑑証明(正式には印鑑登録証明書)が必要になりました。となると、普通は平日に区役所に行ってもらってくることになるのでしょうが、この間「マイナンバーカード」を入手したときに、「これで、コンビニで住民票や印鑑証明が取れますよ」と言われたことを憶えていた私は、だったら実際にそれをやってみようと思いました。最初は、やはり市役所が開いている平日でないと取れないのでは、と思っていたのですが、ネットで調べると土日や祝日でも取れるんですって。だったら、今日でも取れるじゃないですか。
 そこで、セブンイレブンのマルチコピー機でやってみました。まず、ディスプレイの中から「行政サービス」というのにタッチして、あとは画面の指示に従ってマイナンバーカードをホルダーに置いたり、パスワードを入力していけば、プリントアウトしてくれます。ちょっとすごいのは、使い終えたカードを一旦どかさないと、次の段階に進めないようになっていること。これだったら、カードを置き忘れることは絶対にありませんね。気になる料金は1枚300円。これは、区役所でも同じ。休日に行けて、交通費もかからないんですから、これからはこれでしょう。
その前に見てたのが、「オケ老人!」です。封切り2日目ですからさぞや混んでいるのでは、と思ったのですが、TOHOシネマズ仙台の134人収容のスクリーン4には、たったの30人(目測)しかいませんでしたよ。やはり今日はお天気も良くとてもあったかでしたから、みんな定義山に三角油揚げでも食べに行ってしまったのでしょう。それと、お客さんの年齢層が、明らかに他の作品とは違います。どう見ても普段はこんなところには来ないだろうという「ご老人」が、たぶん半数以上を占めているようでした。そういう期待感がこの映画にはあったのでしょうね。そんな中では、私のような若者は逆に目立ってしまいます。
 原作は前もって読んでいたのですが、主人公が男性から女性に変わっていた以外は設定も同じ、まずはお決まりの勘違いから始まったドタバタ劇が始まります。でも、「威風堂々」なんて、出てこなかったような。その後も、多くの試練を乗り越えて、主人公はこのオーケストラの演奏会を成功させる、というところで話は終わります。それだけです。つまり、原作にあった「もう一つのお話」は完全にカットされているんですね。たしかに、あれは小説だからできるトリックですので、そもそも「映像化は不可能」だったのでしょう。いや、別にあの話はなくても、これだけで十分に成立する物語ですから、こちらに特化してまとめたというのは、正解だったのではないでしょうか。あれこれ悩みながら見るより、ストレートに笑い転げながら見た方がいいに決まってます。これだったら、普段映画なんか見ないようなお客さんでも楽しめたことでしょう。
 でも、やはりこういう客層ですから、まだ終わっていないのに途中で席を立って、またしばらくしたら戻ってくる、という人が2人ほどいましたね。なんせ、予告編まで入れると2時間以上拘束されることになるのですから、普通のお年寄りだったらトイレに行きたくなることもあるでしょうね。ですから、将来この作品のようにそういうお客さんも来ることが予想できそうな時には、間に休憩をとってみたらいかがでしょうか。いや、この間「ウェスト・サイド・ストーリー」を見に行った時でも、1時間ちょっとで休憩時間は長蛇の列でしたから普通の人でも休憩は必要なのでは(最後尾を案内して手を上げている係員は知り合いです)。
 なにしろ、演奏会のど頭が「新世界」の第2楽章から始まったり、メインがそれこそ「威風堂々」という、最低限のお約束さえ守られていない脚本ですから、これは下手にオケや音楽のことを知っている人が見て楽しめる映画ではありません。ですから、せっかく見るのであれば、ひとまずそんなちょっとした「教養」は全く意識の外に置いて、杏さんの熱演ぶりをひたすら楽しむように心がけたらいいのではないでしょうか。それと、エンドロールが一旦終わったあとでも、まだオチがありますから、トイレはそれを見終わるまでお待ちください。
Aventure Number : 2705 date : 2016/11/13


今日の禁断 ヨドバシ


 きのうの「おやぢの部屋」では、さるBDを紹介したのですが、それはもう20年近く前にテレビで放送された番組のパッケージでした。これが発売されるという告知を見た時には、「初BD化」なんてありましたから、てっきりHD(ハイビジョン)の画面なんだと思っていました。でも、実際は普通の4:3の画面で、DVDスペックをアップスケールしたものでしたから、がっかりしましたね。これをリアルタイムで見ていた時には、もちろんハイビジョン対応のテレビなんかは家にはありませんでしたが、なんかハイビジョンで放送されていたような記憶があったんですよ。まあ、勝手にそう思っていただけなんですが、それを知っていれば買ったりはしなかったでしょうね。
 でも、放送を見た時にはすごく感激していたようで、あの中からリンクされていたようにそれをネタにして、「かいほうげん」に記事を書いていました。そんな前からやってたんです。それを探し出してきてPDFを作ってアップしてみました。つまり、そのころからPCで作っていたんですね。というか、1998年の初売りでPCを買ってきて、その年初めての「かいほうげん」を、すぐそれまで使っていたワープロをやめてPCで作るようになっていたのでした。そして、その年の2回目に発行した号に、この記事を載せたのです。ですから、あの番組が放送されたのは1998年だということになりますね。それを、最初にDVDが出た時のインフォでは「1997年2月」としているのですから、ちょっと納得できません。そんな1年以上前に放送されたものを取り上げるなんて、ありえませんからね。再放送だったようなわけでもなかったようですし。
 とは言っても、そのころは印刷までプリンターで、というわけにはいきませんでした。使っていたのはまだ白黒のデジタル・コピー機でしたから、まだそれをプリンターとして使うことはできなかったのですね。しかも、最初のうちは画像をきれいに入れるようなスキルもありませんでしたから、プリントアウトしたものに画像をコピーしたものを貼りつけて、それを「原紙」にして両面コピーをして、12ページぐらいの冊子を作っていました。
 当時は、「かいほうげん」のデータはMOに入れて保存していました。今でもMOのリーダーは健在なので、それで読み取ったらしっかり読み取れましたね(これは、いずれHDDに保存しておくつもりですが、なかなか時間が取れません)。そこで、このラトルの記事を見てみると、すでに画像も取り込んでありましたね。しかし、それは今見ると本当に何も知らない人が、いい加減な解像度の画像を見つけてきて適当に貼り付けただけ、という、とても今の水準では使い物にはならないものなので、それだけは新たに別のちゃんとした画像を用意して差し替えました。
 それで、十分に見るに耐えるものになったと思って、アップしたのですが、さっき見直してみたら「校閲ミス」が見つかってしまいました。今さら直すのも面倒ですから、そのままにしてあります。興味があれば、探し出してみてください。
 それを載せた「かいほうげん」は第96号でした。今、来週の発行を目指して作っているのは、第247号です。当初、4ページ分にはなりそうな原稿をお願いしていた人が、あまりにも多忙なのでちょっと来週には間に合わないということが分かって、一瞬焦ったのですが、作り始めてみると例えば来年秋のソリストの紹介記事が結構たくさんあったりとか、去年の今頃作った角田までの地図を手直しして入れたりしたら、十分間に合いそうになってきました。いざとなれば、2ページ分ぐらいはまた私が書かなければいけないかと思っていましたが、そんな必要はなさそうです。
 とはいっても、肝心の団内の連絡事項のページが、それほどの分量がありません。そこで、スペースを埋めるために、職場の紅葉の写真をFacebookにアップしたら思いのほか好評だったので(「これだったら、京都まで見に行くこともない」なんてコメントも寄せられました)、これを入れることにしました。春は桜、秋は紅葉の東昌寺です。
Aventure Number : 2706 date : 2016/11/16


今日の禁断 ディズニー


 この間映画を見に駅前に行った時、駅の中を通ってみたらなんだか雰囲気が変わっていました。何が違うのかと思ったら、それまで工事をしていた南側のエスカレーターの手前に、こんなコンビニが出来ていました。
 「竹に雀」がモチーフの渋い外装、欄干まで付いて、天井の格子に合わせたような「江戸時代」っぽい感じです。そうしたら、その反対側、北側のエスカレーターの前の、これは前からあったコンビニも模様替えしてましたね。こちらは「松島」がモチーフ。
 東京あたりのあちこちの駅ではいつ行っても必ずどこかで工事中、なんて状態が多かったものですが、仙台でもそんな思いを味わうとは、と思っていたものも、これでひとまず終了なのでしょうか。でも、まだ東口の出口付近が残っていましたね。ホテルはだいぶ形が見えてきましたが、ヨドバシの大駐車場の跡地はいったいどうなるのでしょう。噂では、そこにヨドバシのビルが建つことになっていますが、その中には「音楽ホール」が作られるという計画もあるというのですね。でも、そのホールに関しては、具体的な話は殆ど聞こえてきません。
 というのも、仙台に震災復興の名のもとに新しく「音楽ホール」を作ろうという動きは、だいぶ前から財界を中心に始まっていたような気がするのですが、それに関しては東京の別の団体が絡んでいるのだとか、なんとも怪しげな噂がありました。それが、最近になったら仙台の吹奏楽連盟や合唱連盟、そしてオペラ協会など、現場の音楽関係者が中心になって活動しているとされる団体が、署名活動をやっているような動きがあったかと思ったら、実際にニューフィルの練習場にまで乗り込んできて署名用のハガキを配っていくなど、かなり熱心な活動を行っていることが私にも分かるところでその実体が見えてくるようになっていました。それは、「楽都・仙台に復興祈念『2000席規模の音楽ホール』を!市民会議」という団体なのでしょう。その代表者には、私もよく知っている方々の名前がたくさん見られます。
 ただ、それと微妙に重なるようで、全く別の方面の人たちが行っている運動も、目に入るようになっています。職場の関係で市内のさる大手葬儀社とのつながりもあるのですが、そこの社長さんが中心になったこんな、こちらはクラウド・ファンディングも、かなり活発に宣伝を行っているようなのですね。
 ヨドバシのホール構想、音楽家たちの「会議」、そしてこのクラウド・ファンディングと、いったいそれぞれが何らかの関係があるのか、あるいはまったく別々に活動しているものがたまたま同じ目的を示しているだけなのか、それは私には全く分かりません。それよりも、実際にホールを建設するのであれば、それは民間ではなく仙台市なり宮城県なりの自治体の仕事になるのでしょうから、その方面の動きも知りたいところですが、おそらく彼らは何も考えてはいないのではないのではないかと思いますね。オリンピックとか、目に見えて「経済効果」が見込まれることだったらあれほど一生懸命になれる人たちでも、「音楽ホール」などという、間違いなく経済効果は期待できない「文化」に対しては、積極的に動くことは考えられませんからね。
 ですから、いろんな動きはあることでしょうが、実際に私が生きているうちに仙台市にまともな「音楽ホール」が出来るなんてことは、まずありえないでしょうね。それと、もしできたとしても、それは各方面からの要求をまんべんなく盛り込んだ「多目的ホール」になってしまうのが関の山でしょう。そんなものは作るだけ無駄です。私が欲しいホールは、ただ「2000人」入るだけではダメなんです。具体的には「ミューザ川崎」のような、豊田さんが音響設計をして、オルガンもちゃんと設置されているホールです。そんなものが仙台に出来ることは、まず永遠にありえないと思っています。
Aventure Number : 2707 date : 2016/11/18


今日の禁断 ピッコロ


 テレビドラマなんて、昔は全然好きではなかったのですが、今ではかなり見るようになっていました。最初に見始めたのが、WOWOWでの海外ドラマ。日本のドラマとは全然違う作り方で、同じシリーズがいつの間にか10年以上も続いていた、なんてのもありますから、そもそも作品としてのレベルが違います。まあ、そのうち、そんな中にあるパターンが分かるようになってきて、それが鼻を衝くようにもなりますが、まあそれも含めて楽しめるところの多いドラマにたくさん出会えました。
 でも、そのうち、日本のドラマでもちょっと我慢をすれば十分楽しめるものもあることが分かってきましたね。「MOZU」なんかは本当によくできたドラマでした。後半ではちょっと整合性がとれなくなっていましたが。これはWOWOWでしたが、それからは地上波でも面白そうなのを探して見るようになりました。基本的に選択のポイントは役者、つまり、地上波の場合は作品よりあくまで出演者が楽しめるかどうかで見るかどうかが決まります。私の場合。
 今のシーズンで地上波で見ているのは、「カインとアベル」、「レディ・ダ・ヴィンチの診断」、「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」、「コピーフェイス〜消された私〜」、「スニッファー・嗅覚捜査官」です。シーズン初めにはもう3つほど見ていたのですが、それぞれ最初の回を見てつまらないと思ったのでやめました。後ろの2つはNHKなので、あんまりおもしろくはありませんが、まあそれなりのレベルは保っているので見ています。
 残りの民放勢では、「校閲ガール」が飛びぬけて面白いですね。最初は「校閲」という仕事がおもしろそうだったので見始めたのですが、主演の石原さとみのキャラクターにすっかりハマってしまいました。実は彼女はこの前まで放送されていた10年以上前の朝ドラで結構おバカな役を演じていたので、それがそのまんまスケール・アップしているのがいいですね。とことんスタイリッシュに迫っているCGにも脱帽です。あと、オープニングがユーミンのカバーなんですが、本人よりクオリティの高い曲に仕上がっていますし。
 「カインとアベル」は、音楽が「MOZU」の菅野祐悟だというのが最大のポイントだったのですが、初回を見てショスタコーヴィチの5番の終楽章が聴こえた時には、ゾクゾクしてしまいましたね。ドラマのクレジットでは曲名すらも全く表記されていないのですから、何の曲だか知らないで聴いている人も多いことでしょうね。試しにShazamに聴かせた見たら判別できなかったので、出来合いの音源ではなくわざわざ録音したのでしょうか。たしかに、ちょっとこの曲にしてはユルいところがある演奏ですね。
 BSの方では、「クリミナル・マインド」、「グレイズ・アナトミー」、「エレメンタリー/ホームズ&ワトソン」、「CSI:サイバー」、そして日本版の「コールドケース」です。ですから、吉田羊主演が2つになります。これは単なる偶然。「コールドケース」は、本家との共同制作ということでいったいどんなことになるのかと思ったら、どうやらフォーマットを全て本家のものをそのまま使っているようですね。ですから、オープニングテーマやそれぞれのシチュエーションでの画面の質感の管理、演出のポイントから、さらには登場人物の設定まで、気持ち悪いほどおんなじものに仕上げています。脚本などはアメリカと日本の2人が担当しているようですから、実際はどのようにして作られているのでしょう。とにかく、そんなものですから、演じているのはとてもおなじみの人ばかりなのに、なんかとても居心地が悪く感じられてしまうんですね。ちょっと、これはやり過ぎのような感じがします。おそらく、1シーズンで終わってしまうのではないでしょうか。
 でも、ここまで行かなくても、なんだか今シーズンのものは外国のものが原作になっているものが多いですね。NHKの2つのドラマがそうですからね。それと、「カインとアベル」だって、一応「外国の作品」が「原作」だと言ってますからね。
 でも、1週間に10本というのは、明らかに私の能力を超えています。ですから、外国ドラマなどは録画したっきりまだほとんど見てません。それよりも、ストーリーがごちゃごちゃになってしまうのが、困ったものです。あ、あと、朝ドラが2本ありました。今回は初回の方は、タイトルすらも思い出せないほどの駄作ですが、仕方なく見てます。もちろん、オープニングは音を消して。
Aventure Number : 2708 date : 2016/11/20


今日の禁断 サン=サーンス


 明日は東京でも雪が積もるのだそうですね。もちろん、仙台でも雪が降るだろうという予報は出ていたので、きのうのうちにタイヤを交換しておきました。この前から話題にしているソニックブルーのノートe-POWERは納車が12月の末になるというので、それまで待っているわけにはいきませんからね。もうちょっと早ければ、冬タイヤ付きの新車が届いていたのですが、ちょっと間に合いませんでした。なんせ、12月の初めには角田まで行って来なければいけませんから。
 その角田のコンサートのための指揮者練習、きのうは2回目でした。先週は「第9」だけでした。今回のローテーションでは私はピッコロ担当だったのですが、1番の担当がお休みだったので、その代吹きをやってました。終わってから指揮者と話を交わして、本吹きではないというと、なんか意外そうな顔をしてましたね。まあ、確かに去年GPの時に一瞬指揮とのタイミングが合わなくて私が出られなくなってしまったことがあって、本番では私に合わせて(?)間を取らずに振るようになっていたので、先週もその個所ではなんか「阿吽の呼吸」みたいのがあったからでしょうか。
 実は、今年は「第9」だけではなく、前プロで初めて演奏する唱歌を集めた組曲でも、ピッコロを吹くことになっていました。きのうはそれも練習したので、本番指揮者の前では初めて吹くことになっていました。なぜか1番奏者が持ち替えでピッコロという不思議な楽譜なんですが、それが「村祭り」のど頭で打楽器だけのイントロに続いて本当にピッコロだけで10小節という、ものすごいソロが用意されていました。すごく目立ちますから、吹き始めたら前にいたセカンド・ヴァイオリンの人が振り返っていましたね。
 ただ、そのソロはとても気持ちいいのですが、そのあとまたフルートに持ち替えてアンサンブルをやった後に、こんな風に3小節だけ休んですぐにまたピッコロでソロを吹かなければ行けないようになっています。この楽譜は。この曲はBPMが120ですから、1小節がちょうど1秒、それが3小節ですから、休みは3秒しかありません。その間にフルートを膝の上に置いて、前もってそこに置いてあったピッコロを持ち上げ、それを構えて音を出す、という一連の作業を行わなければいけないのです。これはもう曲芸技ですね。自分で言いうのもなんですが。その前のフルートのパートを他の人に替わってもらえればずっと楽になるのですが、あいにく2番も同じところで吹いているので、それは出来ません。あくまで、私一人の責任になってくるのですね。
 でも、よく見てみると、1番がEの音を吹いている時に、2番はDを吹いているんですよ。太鼓の音の模倣ですから、全音でぶつかっているんですね。ということは、Dだったら片手で押さえられますから、そこだけ2番と替われば、私はDを左手で吹いている間に、右手でピッコロをつかむことが出来ます。そうすれば、フルートを置くのと同時にピッコロを構えることができるはずですから、十分に準備が出来ます。来週までに、その「技」を習得できるように、頑張ってみましょう。
 このところ、ピッコロを吹く機会はほとんどありませんでしたが、この後はなぜかピッコロづいています。春の定期では「新世界」では1番ですが、「運命」でピッコロ、その前にある「杜の都合」でも、コンチェルトでピッコロを吹くことになっています。実は「運命」のピッコロは、私がニューフィルに入って初めての演奏会でのポジションでした。それしかありませんでした。オーディションまでやっておいて、全プログラムの中の1楽章しか出番がないピッコロだけなんて、なんなんだ、と、その時は腹が立ちましたね。それが1987年の4月のこと、それからちょうど30年経って、ニューフィルは2度目の「運命」を演奏することになりました。それは私にとっても「30周年」のコンサートになることに、今気が付きました。同じ曲の同じパートを演奏しても、その時の景色は30年前とは全然違っていることでしょう。
Aventure Number : 2709 date : 2016/11/23


今日の禁断 ラッター


 この間練習に行った時に、メンバーが配っていたチラシです。これは、毎年行っている、ニューフィルやそのほかのアマオケのメンバーが集まって開いているコンサートの案内です。私が参加している「杜の都合」とよく似たスタイルの室内オケですが、全くの別物です。いつも指揮者が自らデザインして凝ったチラシを作っているのですが、これもなんだか不思議なデザイン。でも、なんとか「ハイドン」という文字は分かりますね。ただ、その文字を近くで見るとなんだかインクのムラがあるのが気になります。プリンターの調子が悪かったのでしょうか。まさか、手で彩色した文字を取り込んだわけではないでしょうね。でも、彼のことですから、なにかきちんとした意味があったのかもしれません。
 これを、ニューフィルの公式サイトの演奏会案内からリンクさせるようにスキャナーで取り込んでいると、普通の設定ではコントラストが強すぎて、肝心の曲目の文字がよく見えなくなっていました。それではまずいので、ちょっと明るめにしてみると・・・
 どうでしょう。なんか人の顔のようなものが浮かんでいるような気がしませんか?これは、どうやらハイドンさんの顔のようですね。やってくれました。
 でも、こんなに明るくすると、他の文字は完全に薄くなって、読めなくなってしまいますよ。そこまでして伝えたいメッセージだなんて、さすがはEさんですね。
 ついでに、「杜の都合」の方もお見せしましょう。こちらは直球勝負のチラシですから、何もしなくても情報はきっちり伝わってきますね。
 こういうチラシは、サイトで宣伝するだけではなく、もちろん「かいほうげん」にも掲載します。最新号は火曜日に発行されたのですが、それにはさっきのは間に合わなかったので、こちらだけが載りました。「ハイドン」は次号ですね。その時には、上のように2タイプ並べて掲載しましょうかね。
 ところが、その最新号にとんでもない間違いがあったことが、それをみんなに配った直後に分かってしまいました。私が連載している(というか、ただサイトの記事を転載しているだけですが)CD紹介で、ベートーヴェンの交響曲ツィクルスのBDがあったのですが、その中の「9番」について、ある楽器のフレーズがベーレンライター版でしか出てこない形だ、と書いてありました。ところが、練習でその「9番」が始まって、その部分が始まったら、私は全く別のところと勘違いしていて、それをあちらに書いてしまったことに気が付いたのですよ。おそらく、あれを手にとって読んで、そのことに気が付いた人はまずいないのではないか、という気はするのですが、私自身は冷や汗ものですよ。念のため、サイトの方はちゃんと直して「証拠隠滅」を図りましたから、大丈夫でしょう。いや、逆に、そこに気が付いてサイトと見比べて、こっちの捏造に気が付いてしまうかもしれませんね。さあ、果たして、私が取ったのは最善の策だったのでしょうか。
 この「かいほうげん」は、そのままPDFにして、サイトからリンクするようにしています。その作業を最近は怠っているな、と思って確かめたら、もう3号分サボっていたことが分かって、あわてて作ったところです。その時にも、前の号でやはり豪快な間違いを犯していたことに気が付いてしまいましたね。しばらく経って見直すとすぐわかるのに、どうしてできたばかりの時には気が付かなかったのでしょうね。でも、最近聴いたCDのブックレットでも、明らかに間違いだろうな、というところがあったので、仕方がないものなのかもしれません。そこには、新しく作られたさるオーケストラ付きの大きな合唱曲が、「楽譜が出版されてから半年の間に、アメリカ国内だけで500回のオーケストラコンサートが開かれた」とあるんですよね。それは英語ですが、ドイツ語に訳したものも同じことが書いてありましたから、翻訳ミスではないようです。どう考えてもそれは無理だ、と思うのですがね、どうでしょう?
Aventure Number : 2710 date : 2016/11/25


今日の禁断 ナクソス


 4日間JR東日本管内の列車に乗り放題で指定券も6枚までは取れる、という大人の休日倶楽部パスは、私はだいぶ前から利用させてもらっていますが、最近ではその利用者の数が相当なものにまで増えていることに実感されるようになっています。この週末、それを使おうとしたら、以前は指定席はごく普通に取れていたものが、全然取れなくなっていたのですからね。一応土曜日は愚妻と横浜、日曜日は私だけ東京ということで1週間前に買ったら、すでに乗りたかったノンストップの特急は軒並み満員、各駅停車は絶対嫌だというので、かなり不自由な時間になってしまいました。日曜日などは、マチネのコンサートに行くので、終わってすぐ帰ろうとしても、ノンストップは4時台、5時台、6時台とも、全くありません。かろうじて7時台だけ1本。2日前に見たら、各駅停車は5時台が1席だけ(それは、確かに私が取った直後に満席になりました)になっていましたよ。実際、帰りはもっと早く帰りたかったので各駅停車の自由席も狙ってみたのですが、これも東京発の時点でもう完全に定員オーバーでしたからね(諸般の事情で、私は上野から乗りました)。JRは、このパスの会員を増やすのには熱心ですが、それにきちんとしたサービスが追いつかないようになっているのでは、ほとんど「詐欺」ですよ。
 土曜日の横浜は、来年の4月に劇団四季が「オペラ座の怪人」をやるというので、そのチケットはもう取ってあったのですが、公演があるホールにはまだ行ったことがないので、下調べです。山下公園のそばなんですね。
 ここに行くのにみなとみらい線を使ったのですが、その深さが異常でしたね。地図を見たら海の下を通っているのでそれは納得ですけど、地上に出てくるまでの道のりがえらいことになっていました。帰り道は中華街から元町を通って石川町からJRに乗ろうとしたら、なんと、人身事故があったために運行停止ですって。いつ復旧するかわからないので、結局またみなとみらい線のの元町・中華街まで戻ったんですけどね。こんなことがあるから、都会は嫌です。
 日曜日も使わないと元が取れないので、なにかコンサートでもないかな、と調べてみたら、サントリーホールでヤンソンス指揮のバイエルン放送交響楽団、曲目はマーラーの9番などという、とんでもないものがありました。よくチケットが残っていたな、と思ってゲットしたら、これも最後の1枚だったようですね。まあ、値段は法外ですが、私にとってのサントリー・デビューですから、やはりこのぐらいのものでないと。
 もちろん、このホール自体は、実際に行ったことがありますが、それはステージ(正確にはP席)に乗ったものでしたから、客席に座ってオーケストラを聴くのはこれが初めてなんですよ。このホール、出来てから30年も経っているのだそうですが、そんなになるまで来ることが出来なかったのが、逆に不思議なんですけどね。
 ですから、まずは館内の探検です。席は1階だったのですが、まず2階席からの眺めを見てみようと思って、どこかに階段がないかと探したら、それがありません。このホールは、入り口を入ったところが大きなホワイエになっていて、その先のモギリの時点で、1階と2階が振り分けられるようになっていたのですよ。ですから、中に入ってしまうと、客席の外から別の階に移動することはできないのです。不思議な設計ですね。ただ、左右それぞれ1ヵ所だけ、客席への通路が分かれていて、それが2階につながっている、というところがあるんですね。そこを見つけて、やっと2階に行けました。懐かしいP席にも行ってみました。
 ところが、そのあと1階席に戻ろうとしたら、どこから来たのか分からなくなってしまいましたよ。このままだと、演奏が始まっても席にたどり着けなくなる、と、マジで焦ってしまいましたね。結局、冷静に考えたら帰ってこれましたが、方向音痴の人なんか、どうするのでしょうね。
 それと、CDの即売も行われるという情報があったので、それも探したのですが、プログラムは売っていても、CD売り場はどこにもありません。仕方なく、そのプログラムの売り子さんに聞いてみたら、モギリの外だと分かりました。ですから、チケットを見せて一旦外に出て、やっと見つかりました。代理店の人らしきおじさんが満面に笑みをたたえて「録音されたばかりの新盤ですよ」なんて耳元でささやくので、まだここでしか入手できないらしい最新盤をフラゲすることになって大収穫。でも、これもほんとに不思議ですよね。というか、今まで数多くのホールに行ってきましたが、こんなところで即売をするようなホールは、初めてのことです。これは、完全な設計ミスなのではないでしょうか。
 そんないい加減な設計のホールですが、音響に関してはもう何もいうことはありません。ずっと、こんな音が聴きたかったのですよね。それぞれの楽器の音がきちんと聴こえる上に、オーケストラ全体の質感がそのままつたわってくる、という、あたりまえのことが、例えば仙台の青年文化センターでは全くできていませんでした。サントリーホールの音を聴いてしまうと、この仙台のホールの音響設計は欠陥品以外のなにものでもないと思えてしまいます。
 そして、このオーケストラ。もう、終楽章の最後の弦楽器のピアニシモなんて、涙が出てくるほどの素晴らしさです。あとは、トゥッティになった時の質感が、やはり日本のオーケストラとは全くの別物だと感じてしまいます。音自体の綺麗さからいったら日本のほうが整ってはいるのでしょうが、そこに得も言われぬ「隠し味」が含まれないことには、到底太刀打ちは出来ません。
 マーラーの9番って、やったことがあるんですよね。でも、こんなにも深く、心を打つ音楽だったことには、初めて気づかされたような気がします。
Aventure Number : 2711 date : 2016/11/27


今日の禁断 シューベルト


 きのうの禁断、ブログ版のタイトルには説明が必要でしたね。バイエルン放送交響楽団のコンサートは、マーラーの交響曲第9番のみという「一曲プロ」でしたから、当たり前の話ですが、途中に休憩は入りません。ですから、開演前のアナウンスでは何度も「この演奏会には休憩がございません」と繰り返していました。アナウンスの情報はそれだけのことですが、その中には「お年寄りの方は、前もってトイレに行っておいて下さい」という意味が込められているのは明白です。映画館ではないのですから途中で席を立ってトイレに行く、などということは許されませんからね。ですから、それを聞いてみんなトイレに殺到していたんですね。それが、男子の場合は外にまではみ出て列ができるなんてことはまずないのに、それがロビーいっぱいに伸びていたのが、ちょっと珍しいことでした。
 ただ、そんな列が目に入ったのは2階のロビーだけ、あとで座席表を見てみたら、このホールは2階席の方が席数が多いのですね。ですから、プログラムを買う列も、2階ではものすごく長かったものが、1階ではほとんど並んでいる人なんかいませんでした(だから、その人にCD即売のことも尋ねることができたわけで)。
 演奏が始まるころになると、座席はほとんど埋まってきましたが、いくらかは空席がありました。やはり、人身事故の影響で電車が止まって開演時間に間に合わなかった人がいたのでしょうか。この都会ではそんな事故は毎日起こっていますからね。実は、私が座った席の隣も、空席でした。でも、そこには黒いコートが置いてあったので、ロビーに出ているのかな、と思っていました。ところが、演奏が始まってもそこには誰も戻っては来ませんでしたよ。コートだけ置いてロビーに出たものの、それこそ私みたいに1階への入り口が分からなくなってしまって締め出されてしまったのでしょうか。
 結局、その席には最後まで誰も座ることはありませんでした。演奏が静かに終わり、一旦静まり返った客席が、ヤンソンスが腕を下すと同時に盛大な拍手で満たされます。まだ開演してから1時間半しか経っていませんが、当然アンコールはないでしょう。ですから、あとは思う存分拍手を送り続けるだけです。と、正面、ステージの裏側のP席の人が、結構大人数で動き出しました。こんな素晴らしい余韻も楽しまないで、もう帰ろうというのでしょうか。しかし、彼らはその階の扉から外、つまり2階のロビーに出るのではなく、私が迷った唯一の1階への通路めがけて走っていくようです。案の定、しばらくしたら1階席の入り口から、その人たちが入ってきました。ということは、これは「一般参賀」のための準備なのでしょうか。
 ご存知でしょうが、「一般参賀」というのは、こんな風にオケのメンバーがみんなはけたあとに、指揮者だけ呼び戻されて観客の拍手を浴びるという「儀式」です(この写真は本文とは無関係)。私は、大昔、カール・ベームとウィーン・フィルをNHKホールで聴いたときにこれを体験しました。座っている人も、わざわざ前に出てくるんですよね。でも、それ以来一度も遭遇する機会がありませんでした。もちろん、ニューフィルのコンサートでそんなことが起こったことなんか、一度もありませんでしたからね。それを見届けてから帰りたかったのですが、ここに来た時にクロークがあまりに広かったので、せっかくだからとコートを預けてしまいました。私は少し早く着いたのですぐ預かってもらえましたが、そのあとはものすごい人が押し寄せていたようなので、帰りはすぐに受け取れるように、ちょっと早めに出たかったのですよね。
 そこで、オケが引っ込むタイミングで席を立って、まずコートを受け取り(一番乗りでした)、また引き返して外から様子を見ていると、どうやら「一般参賀」は行われなかったようですね。
 さっきの、私の隣の席のことですが、演奏が終わると、その向こう側に座っていた高齢の女性が、そのコートを取り上げて着始めたではありませんか。別に黒だからと言って、男物とは限らなかったのですね。というか、そうやって堂々とコートを置いていたということは、彼女はそこが空席であることを知っていたのだ、ということになりますね。その理由はただ一つ、本当はご主人と一緒にコンサートに行くつもりでチケットを2枚買ったのですが、普段から病弱だったご主人は、この不順な天候でとうとうお亡くなりになってしまったんですね。ですから、奥さんはせめて好きだったマーラーをご主人にも聴いてもらおうと、遺影を空席の上に置いて、一緒に聴いていたのでしょう・・・・なわけはないですね。ただ風邪をひいただけなのでしょう。そこには遺影なんてありませんでしたから。
Aventure Number : 2712 date : 2016/11/28


今日の禁断 ディーラー


 きのうニューフィルの練習に行く前に持ち物をチェックしていたら、なんだかあるはずのものが見当たりませんでした。それは濃紺のトートバッグ。ヴィオラのNさんから頂いた薬屋さんのノベルティなんですが、いつも「かいほうげん」を持っていくときに重宝しています。100部入れていくのにちょうどいい大きさなんですよね。それで、先週は発行日だったのでそれに入れて持って行って、帰りには展示していたチラシなどでもう必要がなくなったものとか、少したまりすぎた「かいほうげん」のバックナンバーなどを入れて持ってきた、つもりでした。ここにないということは、練習場に忘れてきたのでしょうか。確かに、何も残っていないことを確認したはずですが、見落としたのでしょうかね。あるいは自宅にまだ置いてあるとか。
 もし、会場に忘れていたのであれば、メンバーで最後に出た人の目につくはずですし、そうでなくてもいずれは係員の人が見つけて受付に持っていくでしょうから、それは大丈夫でしょう。だいぶ前に、そうやって忘れ物が返ってきたことがありますから。でも、きのうの練習では、誰からも忘れ物の話はありませんでした。帰ってきて自宅を見ても、やっぱりありません。まあ、中身はいずれ資源ゴミで出そうと思っていたものですから、別になくなっても構わないんですけどね。でも、本当に忘れたのかどうかが分からないのは、ちょっと気になります。
 気分を変えて、今度新しい車が届いたら、今の車は引き取ってもらわなければいけないので、今のうちにトランクの掃除でもやっておこうと思いました。11年間、まともに片づけたことはありませんでしたからね。そこでトランクを開けてみたら、そこに、探していたトートバッグがちょこんと置いてあったではありませんか。やっぱり、ちゃんと持ってきてたのですね。それにしても、練習の荷物はバックシートにしか置かないのに、なんでこんなところにあるのでしょう。それがちょっと気にはなりますが、これでこの問題は解決しました。よかったですね。
 おそらく、年中そんなことで悩んでばかりいるようなお年寄りばかりのアマチュア・オーケストラを舞台にした小説が「オケ老人!」でしたね。映画にもなりました。その映画化にちなんでなのでしょうか、それの「スピンオフ」のような本が出ていたことに、この間東京へ行く前に寄った改札の中の本屋さんで気づかされました。
 今度は、クラシックからガラリと変わって「ヘビメタ」ですって。まあ、あの作者だったら面白いのではないかと、それを買って、往復の新幹線の中で読もうと思いました。読み始めたら、期待以上の面白さ、仙台に帰ってきた時には読み終えていましたね。同じ音楽でも、こちらは「ヘビメタ」のバンドが主人公、この作者はこういう方面にも詳しいようですね。というか、クラシックの演奏家でこんな「ヘビメタ」とか「プログレ」が好きな人って、結構いるんじゃないでしょうか。私も、それほど詳しくはありませんが、この本に出てくるような「ヘビメタ」のアーティストの名前は全部知ってますし、かなり馴染みの曲も登場するので、そういう意味での違和感は全くありませんでした。
 このお話は、4人組のバンドのそれぞれのメンバーの「普段の」姿を描いていくものです。かつては盛り上がっていた「ヘビメタ」も、今では人気は完全に落ちている、というのが大前提。ちょっとさびしいことですが、それは本当のことなのでしょう。ですから、そんな、今ではマイナーになってしまった音楽に熱中できる「中年」ということで、一抹の哀愁感がバックに流れていることになります。しかし、この作者は、メンバーの声を通して、まだまだ熱くなれるこの音楽の魅力を語っているようにも思えます。
 そんな彼らがたまたま関わったそれぞれの「事件」について、ちょっと謎めいた物語が始まります。最初のうちは、それだけのほんのりしたお話なのかな、と思っていると、やがてそれぞれのメンバーの話がきちんと関連性を持つようになってきます。そして、楽しいことには、「梅響」のメンバーまでもさりげなく登場して、物語の重要な役を担ったりしているのですね。
 それだけでも十分に面白い本だとは思いました。でも、この作者ならそれだけで終わるわけはない、とずっと思いながら読んでいくと、最後に来て、やはりとんでもないどんでん返しが待っていました。予想はしていても、これはあまりにハマりすぎで、涙さえ湧いてきましたよ。これも、今度はきちんとこのプロット通りに映画化されるといいな、と思いましたね。「5人組」のヘビメタ・バンドを、ぜひ実際に見てみたいものです。
Aventure Number : 2713 date : 2016/11/30


今日の禁断 ラトル


 とうとう12月に入ってしまいましたね。あとはもう一気に年末に向けてまっしぐら、ほんとに嫌になります。今年は不順なお天気のせいなのでしょうか、いつも今頃になると届く「喪中」のハガキが、いつになく多いような気がします。やっぱり、サントリーホールで隣の隣に座っていた妙齢のご婦人も、今年はそんなハガキを出すのでしょうか(いや、本当に亡くなったかどうかは・・・)。
 そのサントリーホールのネタで、今月の「コラム」はまとめてみました。タイトルは「ジュラシック・クローク」です。「−ク」が元ネタと一緒ですから、かなり精度の高い作品なのではないでしょうか。もう300個近く作っているのに、まだこんなちゃんとしたのが残っているのがすごいですよね。
 最初は、あの巨大なクロークのことだけを書こうと思っていて、いったい幾つぐらいの棚が並んでいるのか調べてみました。私の記憶では10列ぐらいあったような感じでしたけどね。そこで、画像を検索してみたら、おあつらえのものが見つかりました。

 左の端が「A」であることは上の写真で分かりますから、右端のアルファベットが何かが分かれば、数は分かります。下の写真とあわせると、それは「H」のようですね。その先の斜めになっている部分は2階席への階段ですから、それ以上先にクロークがあるはずはありません。つまり、棚は8列あることになります。10列というわけにはいきませんでしたが、やはりかなりの数が用意されていたのですね。
 そこで上の写真のように、「A」から「H」まで8つの文字が並んでいるのを見ていると、なんだかそこに意味があるような気になってきました。そう、これはまさにドイツ語の音名そのものではありませんか。さすがサントリーホール。これは絶対に狙ってやったことに違いありません。ここでコートや荷物を預けると、番号札が渡されますが、そこには「A-21」みたいに、その棚のアルファベットが付いていますから、受け取るときにも迷わないのですね。
 ただ、そこのおねえさんたちは、例えば「E」の係りの人だと「『イー』の番号札をお持ちの方はこちらです」とか言って案内していますが、本当は「『エー』の番号札」と言わなければいけないんですよね。ただ、そうすると、「H」のおねえさんと「G」のおねえさんが案内するのがちょっとずれたりすると「『ハーゲー』の方」なんて聞こえるかもしれませんね。だから、今のところは英語で言っているのでしょう。
 そんなこだわりのあるホールですから、噂には聞いてはいたものの、実際に開場になった時に出てきたホールの係員が燕尾服を着ているのを見た時には、驚きましたね。まるで最高級のホテルにでも入るような気分になってしまいました。実は、4月にこのホールで歌った時にも、そんな格式の高さを思わせられるようなことがありました。我々合唱団員はちゃんとした楽屋なんかには入れずに、「リハーサル室」という名の大部屋に押し込められていました。男子も女子もおんなじ部屋で、真ん中を衝立で仕切ってその陰で着替えるようなところでした。そこは、2階のロビーの外側にあったので、そこからはいったんロビーに出れば客席に行けるようになっています。それで、みんなかわるがわるオルガンの前のP席あたりに行って写真を撮ったりしていたのですが、そこで声だしが始まる前に、事務局のGさんから、「絨毯の上は歩かないでください」と叱られてしまいました。というか、そういうクレームがホール側からあったそうで、お客さんが入る前に絨毯の毛並みが乱れているのは許されないことなのだそうですよ。そこまで気を使っているのですから、これはホテル以上の気の使い方なのではないでしょうか。
 そんなことを言われてしまえば、我々田舎者は黙って従うしかありません。なんせ、仙台のさるホールでは、かなり長い間絨毯に大きなシミが付いていたのを全く気にかけずに放置していたぐらいですからね。それと、サントリーホールでは楽屋のトイレにもちゃんとウォシュレットが付いていましたから、当然ロビーのトイレにもついているのでしょうが、仙台のホールで、例えばオーケストラが定期演奏会を開くようなところでも、いまだに付いていませんし、下手をすると和式トイレだったりしますからね。まあ、そもそもちゃんとした音楽ホールがないんですから、仕方がありません。「サントリーホールより立派なホールを作ってやる」ぐらいの意気込みのある人は、仙台にはいないのでしょうかねえ。川崎市にはミューザが出来たために、大物指揮者直々にコンサート会場として希望していたりするそうです。ヤンソンスもそうでした。仙台は、その点では川崎にさえ負けてます。情けない。
Aventure Number : 2714 date : 2016/12/2


今日の禁断 ズンダ


 きのうと今日は、恒例の「角田第9」でした。丸2日、車で約1時間半の行程で角田まで往復して、リハーサルと本番をこなしてきました。去年は高速を使ったのですが、一般道とそれほど時間は変わらないようだったので、今年は普通のバイパスを通って、角田までの一本道というコースです。このコースは、去年地図を作りに角田まで行ってきた時には、帰りには通りましたが行きは別の道を行った(というか、入り口を間違えた)ので、こちらから通るのは、昔角田の体育館でやっていた時代以来ですから、なんと15年ぶりのこととなります。自分で地図を作っておきながらなんですが、あの地図を作るためにストリートビューできちんと調べておいたので、迷うことはありませんでした。予想通り、バイパスを降りてからの一本道は信号もなく快適なドライブを楽しめました。
 今年のパートは、私は第9はピッコロ、その前プロの合唱では、出来合いの「ふるさと」という唱歌の組曲の伴奏ですが、1番を吹きました。その中に「村祭り」のイントロでピッコロが祭囃子のようなソロを吹くところがあるのですが、なぜかこれを1番が持ち替えで吹くように書かれているので、それも私が吹くことになっていました。
 これは、音域的にも技術的にもとても吹きやすいメロディなので、ピッコロが必ずしも得意とは言えない私でも簡単に吹けるソロでした。ただ、これが打楽器だけの伴奏の中でのどソロですから、目立つのなんのって。それも、結構本物の祭囃子を髣髴とさせる編曲でしたから、なんだか私のところに様々な感想が寄せられるようになっていました。オケをやっていて、なかなかこういうことは出会わないのですが、今回はちょっと異常、もう「盆踊りでは引っ張りだこになりますね」なんてのから、「実際に祭囃子を体験していないと、絶対に吹けないソロ」なんてのまで、たくさんの人からの言葉が私に伝えられました。いや、私はただ楽譜に忠実に吹いていただけなのですけどね。「以前、篠笛の修行などをなさっていたのですか?」なんて聞いてくるひともいますから、すごいものです。あ、もう一つ、「別のオケでこの曲を演奏するのですが、フルート奏者の参考のためにこの音源を送ってやります」なんてのもありましたね。
 まあ、何にしても、私の演奏が他の人の心に響いたのでしょうから、これはとても満足です。とても楽しい思いをさせていただきました。残念なことに、角田ではもう来年はこの曲は演奏しないのだそうなので、他の人で別の味わいを聴いてもらうことは出来なくなってしまいました。
 メインの第9でもピッコロというのは、本当に久しぶり、でも、これも前にやった時よりは楽に吹けるようになっていたので、確実に進歩はしているのでしょうね。ただ、マーチの部分は何ということはないのですが、最後のところはやはり途中でばててしまうことの方が多かったですね。でも、それが本番では本当に楽に吹けてしまったのですから、不思議です。これで、やっと私も一人前にピッコロが吹けるようになった、ということでしょうか。
 今年は、座席に限りがあるということで、全席指定になっていました。でも、ゲネプロが終わって控室のそばをブラブラしていたら、当日券を目当てに聴きに来た以前団員だったに出会ってしまいました。そこで、果たして当日券はあるのか確かめるために一緒に私も受付に行って座席表を見せてもらいました。そうしたら、ほとんどの席は埋まっているようですが、ところどころ、まだ売れていないところがありました。10ヵ所ぐらいはあったでしょうか。完売ではなかったのですね。ですから、その方はちゃんと聴くことが出来たようです。
 それでも、ステージに上がってみると、空席は全くないように見えました。前の方にパイプ椅子は並べてありますが、それは予備だったようですね。そこにも1列分ぐらいは座っていましたからね。そんな非常に客席が近いところで、満席ですから、気合も入ります。第9が終わった時には、スタンディング・オベーションが起こっていましたね。それはなんと市長さんたち、うれしくなりますね。
 仙台市市長さんにこのぐらいの熱心さがあれば、角田より前に音楽ホールが出来ていたかもしれませんね。
Aventure Number : 2715 date : 2016/12/4


今日の禁断 トラック


 この間中から、よく「テレビで見ましたよ」と声をかけられるようになっています。いや、別に私が出ていたのではなく、私の職場が出ていたそうなんですね。「どこかで見たことのある石段だった」とか。
 それは、確かにご指摘の通りなのでした。かなり前にテレビの制作会社の人が来て、なんだかお墓のリニューアルを行う過程を実物で紹介したいので、撮影を許可してほしい、ということでしたね。
 それが、いつの間にか放送されていたのですね。私は見ていなかったので職場では録画ぐらいしているだろうと聞いてみたら、なんと制作会社から完パケのDVDが送られてきていたみたいですね。見てみたらこんなタイトルがついていました。
 それでは、順番に見ていきましょうか。まず、最初にこんなシーンが出てきました。
 そして、これが「石段」ですね。来たことがある人だったらすぐわかるはずです。
 そこに、こんなテロップが入れば、もうバレバレですね。
 この中にある、なんでも明治時代に作られたという墓石を修復する、というのが、今回のテーマなのだそうです。
 まず、お墓に宿っている魂を抜くために、「心抜き」のお経をあげます。
 墓石だけの状態だと、こんな感じでした。これを解体して工場まで運びました。
 途中の作業の経過は省きますが、石を洗ったり磨いたりして、ここまできれいになりました。
 というわけです。別に、職場自体は何もしていなくて、ただ撮影の場所を提供した、というだけの話です。
 実は、だいぶ前にも、同じように撮影に協力した、ということがありました。それはドラマの撮影で、その時には墓石だけではなく、本堂なども使って撮影が行われ、人がいっぱいあふれて大変でしたが、今回は副住職がお経を読むときに映っただけで、他の人は撮影が行われていたことにも気づきませんでしたよ。
 探したら、こちらに、映像がアップされていましたね。
Aventure Number : 2716 date : 2016/12/7


今日の禁断 イーパワー


 おとといの夜に、仙台では少し雪が積もったようですね。でも昨日の朝になって外を見てみても、道路が少し濡れているぐらいでそんな痕跡はありませんでした。でも、
 駐車場は日陰だったので、車の屋根に積もった雪はまだ全部は融けないで残っていましたね。この程度では、「雪おろし」なんかは必要ありません。職場に着くころには、すっかりなくなっていました。もちろん道路もなんともありませんから、せっかく交換したタイヤも、威力を発揮することはできませんでした。ということは、おそらくこのタイヤは、今シーズンは1度も雪を体験しないままに、他の人のものになってしまうのでしょうか。
 そうなんですよ。新しい車を買ったのはいいのですが、納車のタイミングですでにスタットレス・タイヤにした状態で私の元へやってくることになっているので、もはや、今のタイヤを私が使うことはないのですよ。というか、全く同じ車種なのですが、タイヤのサイズが微妙に違っていて、そもそも新車には使えないんですけどね。
 今度買った車は、私としては以前から狙っていたものでした。ずっとハイブリッドに乗りたかったのに、なぜか私の愛車を作っている会社はあまりそれに乗り気ではありませんでした。電気自動車みたいな、ちょっと時代錯誤のようなものにはいたく熱心だというのに。とは言っても、もう私が車に乗り始めてからずっとこの会社とお付き合いしていますから、いまさら別のハイブリッドを積極的に作っている会社の車に乗り換えるという気にもなりません。ですから、この会社がハイブリッドを作るようになれば、すぐさまそれを買おう、と心に決めていたのですよね。
 結局、この会社は、ちょっと予想は裏切られましたが、まさに、期待を超えるような形で新車を発表してくれたので、もう迷いはありません。発売された次の週にはもう契約していましたね。
 おそらく、そういう人はたくさんいたのでしょう。数日前の新聞に、この新しい車が、11月の売り上げでトップに躍り出た、という記事が出ました。なんでも、この会社の車がトップになったのは30年ぶりなのだとか。それで、実際にその様子を調べてみようとしたら、「自販連」というところが、毎月の新車販売台数を公開しているサイトが見つかりました。そこでは、2012年からのデータが見れるようになっていたので、その数値を拾い出して、グラフを作ってみましたよ。サンプルは2012年1月のトップ3と、私の買った車種です。
 どうやら、車ってのは3月に一番たくさん売れることになっているみたいですね。あとは、モデルチェンジの時期と売り上げとが見事に連動していますね。プリウスは一時アクアにずっと負けてましたが、モデルチェンジした瞬間に追い抜いていますからね。
 ですから、ノートが1位になったのも、まさにそのせいなのでしょう。2015年の11月から12月にかけてのプリウスと、2016年の10月から11月にかけてのノートの伸び具合は全く一緒ですね。その後プリウスはまたトップの座をキープすることになりましたが、はたしてノートはどこまで頑張れるのでしょうか。別にどうでもいいことなのですが、ほんのちょっと気になります。
 それと、その新ノートの色別の売り上げ、というのも別のサイトにありました。私が選んだ色は、13色ある中での12番目の人気なのだそうです。これは、正直とてもうれしいですね。走っていて同じ色の車に出会うほど恥ずかしいことはありませんから。
Aventure Number : 2717 date : 2016/12/9


今日の禁断 パッサカリア


 忙しく過ごしている間に気が付いてみると、もう4か月も髪を切っていなかったことに気づきました。夏場だと後の髪が邪魔になってきてすぐわかるのですが、寒い時にはあまり気にならないので、ついついこんなに放ってしまっていました。そこで今日、いつもの美容室に行って、いつものスタイリストさんに見てもらうと、「後ろで束ねられますね」なんて言われてしまいましたよ。
 このスタイリストさんはまだ若いのに店長さんをやってます。腕はともかく、いつも明るく何かと話しかけてくれて、シャイな私でも全然緊張しないでやってもらえるので、とても気に入って、いつもお願いしています。今日も、「今年は忘年会に行かれますか?」などと、他愛のない質問を投げかけてくれて、和ませてくれます。私は適当に相槌を打っているだけなのですが、絶妙のタイミングでどんどん話題を振ってくるので、退屈しませんね。
 その忘年会ネタで、「私、小学校の同級生と毎年忘年会をやってるんです」なんて言い出したので、まあ、それこそただの相槌で「小学校、仙台ですか?」と聞いてみました。毎年忘年会をやるぐらいですから、まずこの辺に住んでいるのでは、と思うじゃないですか。しかし、彼女はなんだか一瞬ためらった末に、ちょっと恥ずかしそうに「実は、角田なんですよ」なんて言い出しました。いやあ、奇遇ですね。もちろん私は「この間、行ってきたばかりですよ」と、「第9」や新しくできたホールのことなどを話し始めましたよ。彼女は、地元には最近は帰っていないようで、そんなことになっているとは全然知りませんでしたね。結局、それからずっと角田の話題で盛り上がってしまいました。角田にある唯一のホテルも、別の同級生のお父さんが社長さんなんですって。世の中、狭いですね。
 この「第9」では、土日がまるまるつぶされますから、もちろんラジオなんかは聴いている暇はありません。ですから、この間中から紹介している「タイムフリー」は本当に重宝していて、例えば最近は職場で宛名印刷や袋詰めなどのような単純作業の時には、これを聴きながらできますよ。そこで聴いたのが、月に1回やっている仙台フィルの番組です。
 今回は、特にフルートのTさんもゲスト出演するというので、初めて聴いてみました。オンエアは日曜日の7時からでしたから、確か「第9」が終わって家に帰る途中で晩御飯を食べていたころですね。番組は、最近の仙台フィルのライブ音源を聴きながらいろいろ話す、というものでした。ただ、その前にしっかりCMが入るのがちょっと邪魔ですね。地元を代表する企業で、それこそ「仙台に音楽ホールを」などと騒いでいる人たちの先頭に立っている人が社長を務めている会社なのですから、それなりにこのクラシック音楽の番組にふさわしいCMを流すのかな、と思っていたら、なんとも田舎くさい、品位のかけらもないようなCMが聴こえてきたんですからね。こんな美意識しか持っていない会社がいくら「音楽ホールを」なんて言っても、何の説得力もないですよね。
 仙台フィルの音源は、この間の定期演奏会でのブラームスの交響曲第4番でした。ゲストとの関連で第4楽章が全部聴けましたが、それが始まる前にTさんは「いつもこのソロで吹いているのとは全く違う吹き方を指示された」と言っていましたから、とても興味がわきます。そのソロが始まると、確かにそれはなんとも居心地の悪い感じでした。Tさんも心なしか吹きずらそうに聴こえてきます。私も本番で3回ほどこのソロを実際に吹いたことがありますが、おそらくこんな指示を受けたらちょっとその指揮者に対する考え方が変わってしまっていたでしょうね。ですから、今までいろいろ聴いてきてこの指揮者は何かとびぬけた才能があるのではないか、とずっと思っていたのですが、このブラームスのフルート・ソロの歌わせ方に関してだけは、「いったい、どうしてしまったんだろう?」と思わずにはいられませんでした。まあ、どんなに才能豊かでも、それですべてのものをカバーすることは難しいのかもしれませんね。
 この人も、特に才能が豊かだとは思ってはいないのですが、ラジオの番組だけはとても面白くて好きです。それが、やっとタイムフリーで聴けるようになったようです。
Aventure Number : 2718 date : 2016/12/11


今日の禁断 ソニー


 この間、東京に行く時に早めに家を出たら、駅に早く着きすぎました。でも、東口のヨドバシはそんなに早い時間でも開いてますから、ちょっと冷やかしに行ってみました。ヘッドフォン売り場に行ったら、なんだか大々的に「ハイレゾ」関係の商品が展示されていましたね。それは主にウォークマンタイプのものだったのですが、こんなところまでハイレゾ化は進んでいるのですね。というか、これこそ過剰スペックなのでは、と思うのですが、売る方はまたとない商機だと思って売り込んでいるのでしょうね。そこにはデモ用の音源なども用意されていて、ヘッドフォンで聴けるようになっています。正直、こんなものをハイレゾで聴いたって、絶対違いなんか分からないだろうという機材とソースなのですが、まあ、そのつもりになればいい音のように聴こえるのでしょう。「信じる」ことは大切です。
 そこでは比較のために「ハイレゾ用ヘッドフォン」と「一般用ヘッドフォン」が用意されていて、同じ音源で聴き比べることができるようになっていました。そこで音源を検索してみたら、なんとシンガーズ・アンリミテッドの「セサミ・ストリート」なんてのが入っているではありませんか。
 これは、オスカー・ピーターソンのアルバムとしても有名ですから、そちらの方面から採用されたのかもしれませんね。とにかく、そんな聴きなれた音源があったので、さっそくその2種類のヘッドフォンで聴き比べてみましたよ。やはり、明らかに違いますね。ハイレゾ用と言っているものでもそんなに高いわけではないので、これで十分にハイレゾを楽しめそうですね。でも、これだったら私のところで聴いてみたくなります。シンガーズ・アンリミテッドのハイレゾ音源はお気に入りのものだけ買ってあったので、これはまだでしたから、これも購入することにしましょう。
 こんなところでデモに使っているぐらいですから、それこそmoraあたりで売っているのかと調べてみたのですが、扱ってはいないようですね。それなら、と、前にほかのアルバムを買ったドイツのサイトに行ってみることにしましょう。そうしたら、前にはほとんどのアルバムがあったのに、そこには3アイテムしかなくなっていましたよ。どういうことなんでしょうね。配信ならば、別に「在庫」のことを考える必要はないような気がするのですが、権利の問題などが絡んでいるのでしょうか。そして、その中には「セサミ・ストリート」が入っている「In Tune」というアルバムはあったので一安心、さらに、前はなかった「Christmas」までもがあったのには、感激です。
 さっそく買ってダウンロードしようとしたら、なぜかパスワードが通りません。つい最近ログインしたことがあったというのに、どうしたことなのでしょう。一応、メールアドレスが分かっていれば別のパスワードを登録すればいいようになっているので、それをやってみたら、やたら制約が厳しくなっていました。以前は普通にアルファベット7文字ぐらいで大丈夫だったのに、やれ「大文字を入れろ」とか、「数字を混ぜろ」とか大変なことになっています。前のパスワードは簡単すぎたのでもう使えないから、新しくもっと複雑なものに変えろ、ということなのでしょうね。でも、それならそれで、最初にパスワードを入れた時に「こんな簡単なのでは今の時代、通用しないので、新しいのを作りましょうね」ぐらいのメッセージでも出せばいいじゃないでしょうかね。いきなり、「IDかパスワードが間違っていますっ!」では、いったい何が起こったのかわからなくなってしまいますよ。
 結局、新しいパスワードを使ってダウンロードは無事に終わり、宿願だったハイレゾの「Christmas」と「In Tune」を満喫しているところです。ただ、こうして聴くと、そもそもの録音の時のオーバーダビングの歪みとか、経年変化によるマスターテープの劣化なども分かってしまうので、痛し痒しですね。
 そのあと、今度はそれこそmoraで聴きたいものがあったのでダウンロードしようと思ったら、これもパスワードが使えないようになっていました。例えば、FTPなどでは「パスワードを変えた方がいいですよ」という警告は出されますが、こんな風にいきなり使えなくなるようなことはありませんよ。確かに、最近は簡単にFacebookが乗っ取られたりしていますから、必要性は分かりますが、もうちょっとやり方を考えてほしいものですね。というか、最近のネットはヤバすぎ。
Aventure Number : 2719 date : 2016/12/14


今日の禁断 モーツァルト


 11月2日に発売された新しい新車に11月5日に試乗して、翌日は色見本を見に行き、それで満足してその翌週には注文をしてしまいました。その時には、納車までには最低1か月半はかかるので、年末ぎりぎりになってしまう、と言われたのですが、それが今日届きました。1ヶ月ちょっとしかかからなかったのですね。だいたい、そういうものは最初は長めに言っておいて、実際はそれより早くなるというのは、営業の基本なのでしょう。早くなって文句を言う人はまずいませんからね。そういえば、この間ドイツに楽譜とCDをセットで注文したら、一番送料の安いものだと1か月かかると言われたものが、10日も経たないうちに届いてしまいましたよ。これなんかは、あまりに早すぎて怖くなってしまうほどです。というか、これだったらそれの何倍もの送料を払っている人とそんなに違わないじゃないですか。私はありがたいと思っても、そういう人は逆に「騙された」と思うかもしれませんね。
 実は、最初に納車の日にちの連絡が来た時には、明日の土曜日を提案されました。なんでも、お休みの日に家族そろって営業所まで行って車を受け取ると、その時には「納車式」というセレモニーをやってくれるそうなのですよ。私が前の車を買った10年前にはそんなことは全然言われませんでしたから、これはそれ以降に広まった風習なのでしょうね。どうやら、営業所のスタッフが勢ぞろいして、写真を撮ってくれたり、花束を渡してくれたりするんですって。まあ、そんな珍しいものなら、一度ぐらいは体験したいと思ったりもしますが、やはりそれはちょっと異常な風景に思えてしまって、お断りしました。というより、営業所に行くより職場まで持ってきてもらう方が、荷物を積み替えたり、積んできた夏タイヤをしまったりと、なにかと便利ですしね。
 ということで、駐車場に並んだ初代ノートと、最新のノートe-POWERです。こうして並べてみると、車のデザインはもろ流行に流されていることがよく分かりますね。最近はライトなどがあちこち尖がった形になっているのが流行なのでしょう。どのメーカーの車でもこんな感じですから、初心者だと見分けがつかないんじゃないでしょうかね。とは言っても、やっぱりかっこいいな、って思ってしまいますね。
 セレモニーをやるぐらいですから、引き渡し自体はそんなに時間はかからないだろうと思っていたら、書類にサインしたり、なんせ今までの車とは全く違う仕組みで動く車ですから、その細かい説明を受けたり、さらにはいろんな危険防止の機能や、それをキャンセルするスイッチのありかの説明とか、結局1時間ぐらいかかってしまいましたね。もし営業所に愚妻と行ってたりしたら、その間散々待たされてブーブー言われたことでしょう。やはり、「納車式」をやらなくて正解でした。
 直前に打ち合わせをした時に、新しい車にはジャッキが付いていない、ということが初めて分かりました。というか、必要な人はオプションとして別途購入しなければいけないのだそうです。そんなものは最初から当然付いているものと思っていましたから、全く気にも留めませんでしたよ。もちろん、営業の人も何も言いませんでした。ですから、そこは、前の車についていたジャッキをそのまま使ってもいいよ、ということで話は付きました。後でオプションのカタログをよく見てみたら、「その他のパーツ一覧」という表の中に、確かに、「ジャッキ7,636円」と、本当にに小さな字で書いてありましたね。もちろん、「その他」ですから写真なんかもありませんから、誰も気が付かないでしょうね。
 新車には、他の工具(クランクとボックススパナ)は付いていて、そのためのスペースもトランクの床下にちゃんとあり、さらにジャッキが入るスペースもちゃんと用意してあるのに、それがオプションだというのですから、なんともみみっちい話です。というか、私が最初に車を買った時には、ちゃんと工具箱に入った工具一式が付いていたような気がするのですけどね。
 一度試乗しているので、運転はそれほど戸惑うことはありませんでした。ディスプレイに、この車を象徴する青いラインが明るく浮かび上がるのがかっこいいですね。そして、駐車場に入ってエンジンを切ったのですが、なぜかその明かりが消えません。そんなことは教わらなかったので、焦ってしまいましたよ。どこかほかにスイッチがあるのかと探しましたが、何をやっても消えないし。そうしたら、それはしばらくすると自動的に消えるものだったのですね。最近はそういうのが当たり前になっているのでしょうかね。「納車式」みたいに。もう付いていけません。
Aventure Number : 2720 date : 2016/12/16

16/12/18-17/1/27