2601(16/3/27)-2620(16/5/4)

今日の禁断 オルフ


 久しぶりに萩ホールに行くことになったので、車を駐車場に入れた後、最近できたという「遊歩道」を探してみることにしました。なんでも、「地下鉄の国際センター駅から石段を上って萩ホールのすぐ横までまっすぐ行けるようになった」ということなのですが、まだ実際に現物を見たことがなかったものですから。
 そこで、見当として萩ホールの後ろ側に確か遊歩道があったはずなので、そこから逆にたどってみました。弓道場の横に、こんな看板が立っていますから、ここに間違いはないのでしょう。
 ただ、確かにそこは自然がそのままの遊歩道ではありましたが、舗装も何もしていないのでかなり歩きにくそう。というか、こんな道を来るんだったら今までのバス通りの方が楽なような気がしますが。
 と思っていたら、いきなりこんなきれいな道が現れました。先に行ってみると。
 確かに、長い石段がまっすぐ地下鉄駅の前まで伸びています。これのことだったのですね。
 さらに、その石段の先を見てみると、もう萩ホールのすぐ横じゃないですか。ということは、さっきみたいに裏から来るのではなく、堂々と表から来れば簡単にここに出たのでした。うん、これなら国際センターからの「直結道」と言っても構いませんね。ただ、この石段は、下るのは楽ですが上るのはちょっと大変なような気がします。
 萩ホールに来たのは、こんなコンサートを聴くためでした。関西の楽譜屋さんが中心になって毎年行っていた「復興コンサート」を、やはり地元で、ということで実現したものです。バッハの「ロ短調」を、全国から集まった総勢200人の合唱で演奏しようという企画です。もちろん仙台からも知り合いがたくさん出演していますから、だいぶ前から楽しみにしていました。
 しかし、200人の合唱でバッハというのは、ものすごいものがありました。正直、音楽的にはかなりバランスの悪いいびつなものになっていました。しかし、やはりこれはコンサートの趣旨を考えると、「多くの人が心を一つにしてバッハを歌う」というところに意義を見出すべきなのでしょう。そういう意味では、間違いなく訴えてくるものはあったのではないでしょうか。まあ、私はこういう形ではこの曲は歌いたくはありませんが。
 そんなことを考えていたら、隣に偶然座った知り合いの〇教音楽合唱団の人が、「カルミナ・ブラーナ、歌いませんか?」なんて聞いてきました。仙台フィルが10月にその曲を演奏することになって、そのメインの合唱団がそこなのですが、それだけでは足らないらしく、こんな高飛車なオーディションの案内を出してきたものですから、正直ドン引きしていたのですが、この合唱団の団員なら、フリーパスで出演できるよ、ということなのだそうです。ま、私はこの時期はちょっと無理でしょうけどね。
Aventure Number : 2601 date : 2016/3/27


今日の禁断 フィリップス


 この前シュガーベイブのハイレゾを買った時には、実はCDではアルバムは持ってませんでした。持っていたのはLPなんですよね。もちろん、最近プレスされた2枚組の方です。オリジナルのLPを持っていそうな人が身近にいたのできいてみたら、あいにくそれは買ってなかったんですって。ですから、とりあえずハイレゾとの比較でその最新のLPを聴いてみたのですが、なんだか前に聴いた時とは全然音が違います。まず、左のチャンネルから音が出ていないんですよ。これはだいぶ前から起こっていたことで、ヘッドシェルとアームとの接点の具合でそんな風になることがよくありました。そんな時はいったんシェルを外して接点を掃除すれば正常に聴けるようになるのですが、何回掃除をしても全然回復しません。さらに針圧とかオーバーハングとか、すべてのデータをチェックしてみたのですが、どうにもなりません。というか、もうこれ以上トラブルに巻き込まれるのはいい加減にしてほしい、と思ってしまいますね。なんせ、このプレーヤーを買ったのは40年ぐらい前のことですから、もはや終わっていたのですね。私たちの関係は。
 となると、これまで買いためていたLPはどうなってしまうのでしょう。これが聴けなくなってしまうのではたまりませんから、即刻新しいパートナーを手配することにしました。それにしても、今の世の中、レコードプレーヤーなんて売ってるんでしょうか。まあ、最近はLPの人気も盛り返していると言いますから、プレーヤーだって復権を果たしているのではないでしょうか。LPだけあってもプレーヤーがなければ音は聴けませんからね。
 そんな時、新聞に2面見開きのこんな広告が出ました。
 テクニクスの往年の名機、SL-1200は、すでに何度もモデルチェンジをしてきてもはや製造を終了していたのですが、それがまた新たなバージョンとなって発売されることになったというのですね。こういうことをこういう形で宣伝するということ自体が、もはやレコードプレーヤーはマニア向けではない一般の人を対象にした商品として再度認知されようとしている、という今の世の中を象徴しているのではないでしょうか。
 いっそ、これが出るまで待ってみようか、とも思いましたが、これが結構高いんですね。昔の同じ品番の製品の数倍の価格設定ではないですか。ですから、ここまでのものではなくても、そこそこ使えそうなものが現行品の中にないか、探してみることにしました。
 その結果、DENONのDP-1300MK2だったら、おそらく後悔することはないだろうという感触が得られたので、さっそく注文したら、もうきのうには届いていました。これは開梱してターンテーブルを乗せたところです。後ろにあるのが、右のラックから切り離した、今まで使っていたSONYのPS-2410です。もう何の未練もありません。たまたまヤフオクを検索してみたらこれと同じものが出品されていて、その説明に「稀にトーンアームとカートリッジ接続コネクターの接触が良くないことが有ります。」なんてありましたね。この「稀に」は、もう少しすると「常に」に変わってしまうのは、目に見えています。
 そして、シェルを取り付け、アームの調整を行ってLPをかけてみます。もちろん「SONGS」です。いやあ、この前まで聴いていたのはなんだったのか、と思ってしまうほどの音が出てきたのには一安心です。やっぱり、SONYは我慢して使い続ける価値なんてありませんでしたよ。これだったら、「SONGS」の場合は自信を持ってハイレゾよりもLPの方が音がいい、と言い切ることが出来ますよ。
 棚を探してみたら、50年近く前に買ったイ・ムジチの「ブランデンブルク」の2枚組LPが出てきました。出してみたら、盤面は新品同様、それをかけてみると、ノイズはほとんど聴こえません。あの時代ですから使われているのはモダンチェンバロ、そのガリガリとした音とともに、まさにあの時代ならではの音がよみがえってきました。
Aventure Number : 2602 date : 2016/3/28


今日の禁断 マクセル


 きのうの練習は、一人お休みだということが分かっていたので、私がその人の代わりにブルックナーのトップを吹くことになっていました。今まで何度か代わりに吹いていたことがあるのですが、それはまだほかの人がそんなに慣れていないころですから、そこに普段は吹いていない私が入っていてもそんなに目立つことはありませんでした。かなりひどいミスをしても、笑って許してもらえる、みたいな。しかし、この時期、もう本番まで1か月を切ってしまったところで、代吹きというのは、かなりの緊張を伴います。実際、いざ吹いてみるとオケ全体としてもかなりまとまりが出てきていますから、各方面からのプレッシャーがもろに感じられるようになっています。これは、やはり最初からトップを吹いていた人でないと、このプレッシャーに対抗するのは大変です。私は、もう全くの初心者になったような気分で、小節番号を数えるのでも絶対に間違えないように集中しなければいけませんでした。やはりこのあたりが、プロとアマチュアの違いなのでしょうね。プロだったら、どんな時にでもその場でベストを尽くすことができるのに、私あたりは時間をかけてこのポジションに徐々に慣らしていかないと、全く気持ちにゆとりがなくなってしまいますからね。
 そんなわけで、久しぶりにグッタリするほどの緊張感を味わった1日でした。まあ、それはそれでなかなか気持ちのいいものなんですけどね。
 練習の前には、いつも晩御飯を食べていくのですが、同じ敷地内にある本屋さんでまずこの間中に企画書を送っておいたタウン誌などをチェックです。そろそろ、ニューフィルの定期演奏会の案内が入った号が店頭に並ぶ頃ですからね。すでに、一つの新聞はもうそれを掲載してくれて、それを送ってもらったのをFacebookにはアップしてありますね。
 それは写真はモノクロでしたが、本屋さんで見つけた2種類の雑誌では、ちゃんとカラーで印刷されていました。実は、今回企画書と一緒に送った指揮者の写真は、普通に使われている公式のプロ写ではなく、私が指揮練の時に撮ったものでした。結構いい写真が撮れて、篠崎さんにも気に入ってもらえたようなので、ちょっと今までの殻を破ってみたのですね。そうしたら、新聞も雑誌も、全部その写真を使ってくれましたよ。私が撮った写真が、こんな公の印刷物に載るというのも、ちょっと新鮮な感じです。おそらく、その掲載紙の案内の部分は、次回の「かいほうげん」に掲載されることでしょう。
 その本屋さんには、新しい「レコード芸術」も置いてありました。こんなものを見ても悲しくなるだけなので、最近では立ち読みすらもしなくなりましたが、ちょこっと最初のあたりを見ていたら、なんだか不思議な広告が目に入りました。それは、「iVDR」の広告だったのです。これは、私は初めて聴いた言葉、また何か新しい再生メディアが出来たのでしょう。実体はHDDなので、もちろんPCにつなぐこともできますが、それをカセットのようにしてレコーダーに挿入すれば、大容量の映像ソフトになるというのですね。確かに、BD1枚では収まり切らないものもありますから、これはそれなりの価値はあるはずです。容量は最大1.0TBと言いますから、BD40枚分ですね。でも、そう考えるとそれほど大容量とも言えなくなってしまいますね。それよりも、一応「国際規格」にはなっているようですが、まだまだこれを全面的に採用しているメーカーは少ないようなので、果たして将来的に生き残れるものなのかは全く未知数です。私は、これはまず今のBDのような汎用性は期待できないのでは、と思っているのですがね。
 というのも、そのレコ芸の広告は、その映像ソフトのものだったのですが、それがベルリン・フィルの今まで何度も放送されてきたようなコンサートを集めたものなのですよ。実際、半分以上は私の手元にDVDやBDになって保存されているものですから、おそらくこれを買うような人はそんなにはいないのではないでしょうかね。なんせ、価格が19万円というのですから、ちょっとね。なんでも、このソフトには再生用のプレーヤーがセットになって付いてくるのだそうです。さらに、機械に詳しくない人のために、セッティングのサービスに自宅まで来てくれる(離島は除外とさせていただきます)というのですから、そこまでしなければ売れないものは、将来も売れるわけがありませんよ。1年後には間違いなく姿を消していると、断言しておきましょう。何よりも、このロゴの不細工なこと。
 そんなものを「とても便利です」みたいにオーディオ評論家に言わせているあたりが、やはりこの雑誌は終わっていることの証です。
Aventure Number : 2603 date : 2016/3/30


今日の禁断 エイプリル


 仙台フィルの定期演奏会まで、もう半月になってしまいました。きのうは年度最後の練習ということになっていて、そろそろ「東京公演」の具体的な話が進むようになっていました。まず、練習場に行ってみると、パックで手配されている新幹線とホテルの割り振り表がありました。新幹線はもちろんパックですから各駅停車ですが、行きも帰りも1本では乗り切らないのか、2本に分かれて乗ることになっています。出演者全員をこんな風に割り振るのは大変だったでしょうね。そして、もっとすごいのがサントリーホールでの並びです。合唱団はステージの後ろ、パイプオルガンの前の「Pブロック」に座って歌うのですが、その座席にやはり全員がしっかり割り振られていたのですよ。「指定席」ですね。私の場合は「3-12」です。実際は最前列が2列目ですから、私は2列目ということになります。
 この表には、名前と所属団体が書いてあります。ただ、私は飛び込みの「一本釣り」ですから、特に所属している合唱団はないんですよね。別にそれはそれで私は全然構わないのですが、事務局のGさんはプログラムに載せるのになんかつけたがっているようで、「肩書はどうしましょう?」と聞いてきたのだそうです。まあしいて言えば「〇〇大学男声合唱団OB」でしょうかね。そんな「OB」で構わないのでは、ここで一緒に歌っている「〇〇放送合唱団」のOBですし、「〇〇〇青葉」のOBでもありますね。でも、「○○○青葉」の正式名称は「〇〇大学男声OB合唱団・〇〇〇青葉」という長ったらしいものですから、そこのOBということは「〇〇大学男声OB合唱団・〇〇〇青葉OB」という、長くてくどい名前になってしまいます。
 こちらはチケットの売り上げも快調で、そのサントリーホールの分はすでに完売、その前の仙台での定期演奏会も、土曜日の分はもう残りが僅少となっているのだそうです。
 そんなことよりも、本当はその1週間後にあるニューフィルの定期演奏会の方を心配しなければいけないのでしょうが、これがなんだか盛り上がりません。というのも、この間入場券の売り上げの調査結果が発表になったのですが、それによるとまだチケットは200枚ちょっとしか売れていないというのですね。これはとんでもない数字です。なにしろ会場の東京エレクトロンホール宮城は1500人収容できるのですから、そこに200人しかお客さんが来なかったら、あまりに悲惨ですね。どうしてこんなことになってしまったのか、見当もつきませんが、それを受けて開かれた委員会では、この現状を正視した時にとるべき方策は一つしかない、ということで全員の意見の一致をみました。それは、そんなスカスカの会場ではなく、確実に満席が見込まれるようなもっと小さなホールに会場を変更する、という決断です。
 そこで白羽の矢が立ったのが、この間私も参加した室内オケが使っていたホールです。ちょっとブルックナーをやるにはステージが狭すぎるような気はしますが、この際ですからエキストラの方々にはご遠慮願うことにして、管楽器も半分の人数にすれば何とか収まりそうです。ちょっとサウンド的にはさびしくなってしまいますが、あの響きのよいホールですから、それはかなり補ってもらえることでしょう。何よりも、ここだったらあと少し頑張れば間違いなく全席が埋まってしまうというところが最大の魅力です。
 もうすでに、会場を差し替えたチラシも出来上がりました。実は、前のチラシにはもうなくなってしまったプレイガイドも載っていたので、それもしっかり削ってあります。
 しかし、去年の同じ日には「チケットが売れすぎているので、広い会場に変えた」と言っていたのに、丸一年後にはこんなことになろうとは・・・。
Aventure Number : 2604 date : 2016/4/1


今日の禁断 ショーロンポウ


 今週は、久しぶりに何の予定もない週末でした。来週はニューフィルの指揮練、その次は仙台フィルの定期と東京のコンサート、そしてさらにその次はニューフィルの定期ですからね。オケを2つも掛け持ちすると、こんなことになってしまいます。実は秋にもやはり同じような予定を組むことも出来たのですが、さすがにちょっとそれはやり過ぎだと思い、自粛です。なんたって、そこでは仙台フィルの2日後にニューフィルの定期ですからね。
 そんな休みでしたから、まずは早起きをしてエスパルに新しくできた中華の店に並んでみようと思い、エスパルが開く10時に着いたらなんと一番乗りでした。意外と楽勝だな、と思っても、やっぱり開店の11時になったら外の連絡橋まで列が延びていて、そのあたりの人はお店に入れずさらに待つことになっていました。
 せっかくここまで来たので、気になっていたプレイガイドの現場を見てみることにしました。かつてそれがあった場所に行ってみると、確かにもう別のお店に変わっているようでしたね。そこの貼り紙に、プレイガイドがあった「パルショップ」というものは別の場所に移ったと書いてあったので、そこに行ってみると、
 そこはただのインフォメーションセンター。プレイガイドとしての機能は全くありませんでしたから、やはりもうここではチケットを扱うことはやめてしまったのでしょう。確かに、今では「プレイガイド」という商売がそれほど必要とされなくなっていますから、そろそろニューフィルでも「ぴあ」あたりにチケットを委託することを真剣に考えた方がいいのかもしれませんね。
 気になっていたことが解決したので、もう一つ気になっていた「地下鉄東西線」に乗ってみました。仙台から八木山まで行ってみたのですが、まず驚いたのはお客さんの少なさです。土曜日の昼間だというのに、同じ車両に乗っていたのはたった10人ですからね。
 そして、座席はこんな風に、2席ずつしっかり手すりで区切られていました。南北線(↓)のような間抜けなことにならなかったのはよかったですね。
 でも、走っていてなんだか恐ろしい音が聴こえてくるのが不気味ですね。まだ施設が新しいので、エージングが必要なのかもしれません。
 八木山に着いてエレベーターを上がると、そのまま動物園に直結するテラスに続きます。少し雨が降っていたのでお客さんは誰もいませんでしたよ。休日だというのに。それよりも、この足元は木製なのでとても滑りやすくなっていますから、雨の日は危ないですね。変な段差もあって、危うく転ぶところでした。
 そこから右に行くと動物園の入り口に着きました。でも、昔来た時の入り口とは全然違っています。記憶にあるのは、普通に門があって、もっと低いところでした。そして、その向かいにはココスがあったはずなのに。でも、これは地下鉄に合わせて新しくできた入り口のようで、昔の入り口もちゃんとありましたから、安心してください。ココスもまだちゃんとありましたよ。いや、別に中に入ったわけではなく、ストリートビューで確かめただけですけど。
 ほんとに、世の中は変わりすぎ。
Aventure Number : 2605 date : 2016/4/3


今日の禁断 カッポ


 10日ぐらい前に「ハイレゾ音源を購入したら、ステレオではなくモノラルだった」という情報を提供させていただきました。それを販売元の「〇-Onkyo」に伝えたら、「関係部署に問い合わせ中」という返事が来たというところまではお伝えしてありましたね。その「問い合わせ」の結果が、やっと届きました。その問い合わせ先の「レーベル」によると、それは同じ人が指揮をした「1812年」は1954年(モノラル)と1958年(ステレオ)との2種類があって、このハイレゾ用にはモノラルのバージョンが使われている、ということだったのだそうです。まあ、想像していた通りの答えです。ただ、この「レーベル」の「1812年」と言えば圧倒的に有名なのはステレオ・バージョンの方で、モノラルはつい最近ボックスセットになって初めてCD化されたほどのレアなものなんですよね。ですから、こんなジャケット(実際は「物」はありませんが)を見せられれば当然ステレオだと思うじゃないですか。
 というか、この時点では私はモノラルのジャケットは見たことがなかったので、ここにある見慣れた大砲のデザインで間違いなくステレオだと思ったんですよね。これがステレオのジャケット。
 しかし、モノラルのジャケットは、これとほぼ同じデザインでした。
 ですから、確かによく見ればハイレゾのジャケットにはこちらのモノラル版が使われているのは分かります。しかし、言ってみれば「音」を聴かせるためだけのコンピですから、当然ステレオ版を使うのではないでしょうかね。確かに、このモノラル版はその時代としては卓越した録音ではありますが、このコンピにはそんなマニアックな意味合いなんて絶対ないはずです。私の想像では、これを作った「レーベル」の担当者は、やはりジャケットだけを見てステレオだと思ってこのモノラル版を入れてしまったのではないでしょうか。「レーベル」の社員なんて、その程度のレベルですよ。
 しかし、普通のCDだったら、モノかステレオかということはきちんとジャケットに表記されているのは常識です。そんな常識がハイレゾの世界では全く通用しないことに、またまた気づかされることになってしまいました。以前からそのデータのいい加減さはひどいものでしたからね。それほど購入したことはありませんが、クラシックの音源でしっかりした録音データが添付されていたものに出会ったことがありません。もちろん、このアルバムでもどこでトランスファーやマスタリングが行われたか、なんてことは全く知ることはできません。
 時代の流れが変わって新しいものが出てくることを否定はしませんが、その過程で絶対必要なものがどんどん削り取られていくのと見るのは、とても辛いことです。
 とは言っても、いくら時代が変わろうが、決して変わらないものもありますから、まあ悲観ばかりしてはいけません。職場の桜は、例年より早いペースで咲き始め、ものによってはすでに満開となっているのもあります。
 おそらく、これを去年撮影したのでしょう。こんな感じで知る人ぞ知る桜の名所を案内する記事が雑誌に載りました。
 きのう発売になったばかりですから、まだ本屋さんにはあるはずです。見かけたら手に取って現物を見てみてください。
 絶好調の梨田監督のインタビューもありますし。
Aventure Number : 2606 date : 2016/4/6


今日の禁断 ゾンビ


 「レリオ」の練習はいよいよ佳境に入り、きのうはとうとう最後の合唱団だけの練習になってしまいました。会場も、きのうは本番のコンサートホールですから、今までとは全然気分が違います。つまり、ここでは実際に「動いて」練習も行われるようになったのです。細かいことは書けませんが、指揮者はこの作品を一つの「劇場作品」ととらえて演奏するつもりなのだそうで、そのための仕掛けがあちこちに込められるようになっているのですよ。
 そのための小道具が、これです。
 なんだか分かりますか?犬の糞でしょうか。
 どうやらチケットの売れ行きも好調のようで、土曜日の分はすでに完売したのだそうです。金曜日だとまだ少し残券があるようですので、ぜひいらしてみてください。なんたって「仙台初演」ですからね。
 さらに、その次の日の東京公演はだいぶ前に全席完売になっていましたが、今日のFACEBOOKを見たら「関係者席解放につき、全券種追加発売決定!」という告知がありました。ということは、一部で噂されていた「皇族のご来場」はなくなって、その分の席が解放されたのでしょうか。たしかに、「ぴあ」を見てみたらまだ10枚ちょっと残っていましたから、こちらは「動かない」合唱ですが、興味のある方はお急ぎください。
 その会場のサントリーホールは、来年になると改修工事で長期間使えなくなるのだそうですね。けっこう影響が出てくるオーケストラはあるでしょうね。
 なんて、他人事のように言ってますが、仙台でもこのところちょっとしたホール不足の状態が起きかけているようです。というのも、来年の春のニューフィルの定期の指揮者が決まったので、会場をとろうと思ったら、4月1日に解禁になって申し込んだホールがことごとく「落選」になってしまったのですよ。その頃は県民会館がやはり改修工事で使えないことが、最大の原因です。一応時期も第2希望まで出して臨んだのですが、どちらもダメでした。うちの場合は1000人以上は入ることが常に見込まれますから、当然「パトナホール」なんて使えるわけもありません。そんな条件に合う市内のホールが、その日はどこも空いていなかったのですよ。
 そうなると、あとは近郊のホールに頼るしかありません。ただ、だいぶ前に多賀城市のホールでやった時は、やはり仙台のお客さんにとってはわざわざ電車に乗ってまでは行きたくなかったのか、集客は散々でした。ですから、なるべくそのあたりは避けたいのですが、もう指揮者も決まっているのですから、会場が取れないために演奏会を取りやめることなんか出来っこありません。しかし、その多賀城すらも、もうすでに予定が入ってしまっていたのです。
 そんなことを、火曜日の練習の時に団長が報告していた時に、奇跡的に名取のホールが希望する日に空きがあるということを付け加えていました。ここも来年の4月分の予約は4月1日に行われていたのですが、その時には誰も予約していなかったんですね。そうなるとあとは先着順ですから、一刻も早く、できれば水曜日の朝一で取りに行くことになりました。ただ、平日のそんな時間に名取まで行ける人は誰もいない中で、私だけが何とかなりそうだったので、結局私が行ってくることになってしまいました。
 帰ってきてそのホールの申し込み方法をネットで見てみると、なんと「使用料は現金で前払いのこと」とあるではありませんか。2日連続で借りる予定ですから、単純に計算すると40万円ぐらいかかることになります。そんな現金、我が家には・・・。
 仕方がないので、あるだけのお金をかき集め、あとは手続きの最中にATMに行って下ろすためにカードも用意して、朝早く名取まで出かけました。でも、応対してくれた石野真子似のおばさんは、「安心してください。使用実績があるので、銀行振り込みで大丈夫ですよ」ですって。確かに、ここは練習では何度も使っていたのでした。これで、晴れて会場は確保できましたが、どうなるのでしょうね。何とか、市内のホールでキャンセルが出て、こちらをキャンセルできるようになってもらいたいものですが。
Aventure Number : 2607 date : 2016/4/8


今日の禁断 ミランダ


 きのうと今日は、ニューフィルの指揮者練習でした。折しも仙台はいつもより早く桜が満開となって、この週末はまさに絶好のお花見日和だったのですが、私たちには無縁の出来事です。でも、きのうは篠崎さんをホテルから会場まで案内する役目を仰せつかっていたものですから、その途中でうまい具合に西公園の前を通り、公園中を埋め尽くした花見客を見ることが出来ました。そんなものを見てもしょうがないのですがね。
 そこから西道路に入って、練習会場の広瀬文化センターへ向かいます。ここは篠崎さんにとっては初めての場所なので、まず「控室はありますか?」と聞いてきました。もちろん、ニューフィルの場合はどんな会場でもしっかり楽屋などを用意していますから、安心していましたが、そんなことにえらく感激されていましたね。毎回のおもてなしが、とても素晴らしい、というのですね。これは、ヴィオラのSさんが中心となった「接待係」が、毎回用意してくれているものですが、他のオーケストラではそんな待遇にはあったことがないのだそうです。うちのおもてなしは、世界に誇れるレベルのものだったのでした。
 練習は、とても細かいところを何度も何度も繰り返していました。特に今回は弦楽器のエキストラがたくさん加わっているので、その人たちへの指示ということもあったのでしょうね。いつも思うのですが、なぜエキストラの人たちは間際にならないと全員そろわないのでしょうね。指揮者練習の時には常にフルメンバーがそろっていれば、こんな二度手間は必要なくなって、もっと深い練習ができると思うのですがね。
 そんな他のパートのことは言えないのですが、実は今回はフルートパートも一人メンバーが不参加でした。そのために私はブルックナーのトップの代吹きもやっていました。普通の練習でもこれは緊張するのに、指揮者練習ですからもうその緊張感はハンパではありません。まあ、なんとかそつなくこなしましたが、篠崎さんにはフルートに関しては前もって代吹きだと伝えてあったためか、全然捕まえることはありませんでした。やっぱり、ここに来て本吹きでない人に指示をしても意味がないということなのでしょう。やむを得ないことですが、ちょっと悔いが残りましたね。
 でも、弦楽器はたくさんいるし、篠崎さんの注意でどんどん音楽が深みを増していきますから、この2日間はとても楽しい時間を過ごせました。篠崎さんが描こうとしている「ドラマ」は、必ず現実のものとなることでしょう。
 今日は、なぜか赤ちゃんが2人、見学にやってきました。
 今日は、それが終わると旭ヶ丘まで移動して「レリオ」のやはり指揮者練習です。これが2回目となりますが、やはりまずはフランス語の発音を徹底的に叩き込まれました。前にも同じような指導を受けたのですが、その時にはまだ楽譜にかじりつきでそんな余裕もなかったものが、あれから2か月たって暗譜も完了すれば、同じことを言われても理解度が全然違ってくるものですね。
 さらに、この前の練習で大体の本番での動きなども付けられていたのですが、どうも指揮者にはそれとは別のイメージがあったようで、全く違う動きが要求されていました。このあたりはもう柔軟に受け取ってこなしていかないと大変なことになりそうですね。いずれにしても、来週の火曜日から日曜日までは、休みなくリハーサルと3回の本番が続けられることになります。いよいよですね。
 練習が終わって帰ってきたら、仙台フィルのFacebookページが更新されていて、前の練習の時の写真がアップされていました。その中から、男声合唱の写真をお借りしました。
 おそらく、本番はまたこれとは違った形になるはずです。あ、それと、本来「幻想」と「レリオ」は連続して演奏されるものですから、本当は休憩なしでやれば趣旨にかなうのでしょうが、きちんと間に休憩は取るのだそうです。やはり、2時間休憩なしはきついでしょうからね。
Aventure Number : 2608 date : 2016/4/10


今日の禁断 ワイン


 いよいよ、休みなしの「レリオ」週間に突入です。きのうはまず「場当たり」。これは、ご存知でしょうが演劇用語で、普通に「場当たり的」というように悪い意味で使う言葉とは微妙に異なる概念をあらわしますね。今回の場合は、合唱が出たり入ったりするタイミングとか、その時に用意する道具などを誰が持っていくか、といった「演出」の上での約束事の確認のことです。これは合唱だけが動いたりするので、きのうコンサートホールに行ったら、ステージには今まで練習していたオーケストラの椅子が並んでいるだけで、団員はもう帰っていました。「幻想」を演奏するセッティングでしたから、最後列にはたくさんのティンパニが置いてあって、もうステージの上はいっぱいです。これでは、どう頑張っても合唱がステージに上ることは出来ませんね。
 秋には「カルミナ・ブラーナ」を演奏するそうですが、それはここではなく県民会館ですから、大丈夫でしょうけどね。ま、そういう事情もあったのでしょうが、やはり「レリオ」ではこの曲の演劇的な側面を強調するために、あえて合唱をステージに乗せなかったのだ、と思いたいものです。しかし、この場あたりの手際の悪いこと。いや、各々のスタッフは非常によく動いているのですが、指揮系統がめちゃめちゃで合唱に何をしてほしいのかが一発では伝わってこないのですよ。おかげで、合唱は同じことを3回も4回も繰り返させられて、正直腹が立ちましたね。それこそ「場当たり的」な指示ではなく、最初から決定されていた指示を出してほしかったものです。
 それと、今回ギュウさんが演じるレリオのセリフの日本語訳の台本が、我々にも渡っていたのですが、そのなかにちょっと不思議な訳が見つかりました。レリオが「新曲」のリハーサルをする時に、オーケストラのヴァイオリン奏者に向かって「弱音器は持ったか?」と言うのですよ。その曲はたしかに「con soldini」で始まるのですが、普通の感覚だったら「弱音器は付けたか?」となるのではないでしょうか。元のフランス語も、「持つ」と「付ける」の両方の意味を持つ単語でしたから、これは明らかな誤訳、というか、オーケストラの団員が聞いたら失笑ものですよ。
 そういう心配があったので、今回の責任者のような顔をしてふるまっていた職員に、そのことを進言してみたら、即座に「これはもう決めたことなので、変えられない」と却下されてしまいました。まあ、一介の合唱団員の言葉など聞いてはいられないのでしょうか、あんたにはより良いものを作ろうとする気持ちがないのか、と思いましたね。悲しいことです。で、今日になったらオケを入れてのランスルーだったのですが、このセリフのところで明らかにコンマスあたりが反応していたのが分かりましたね。ほんと、こんなひとことで、今までやってきたことがすべて無駄になることだってあるというのに。
 ということで、今日は前日の場当たりで決まった通りにオケと合わせる、ということでしたから、基本的に全曲通して、その間に上のようなセットを作るための小道具を運んだり、曲によっては楽譜を持つこともあるので、それを持ちに合唱団が待機しているシアターホールまで行って楽譜を取ってきたりと、舞台裏での「動線」もきちんと確認です。
 肝心の合唱とオケとのバランスとか、そんなことはもう我々には分かりません。というか、今さら何かを要求されても、どうにもならないでしょうね。でも、オケの音は意外とクリアで、CDで聴いていたようなそんなに暴力的なサウンドでは決してなかったので、きっと合唱もちゃんと聞こえるようになっていたのでしょう。
 これと同じことをあしたもう1回やって、いよいよ本番です。その時は、すぐ目の前にお客さんが座っているんですよね。
Aventure Number : 2609 date : 2016/4/13


今日の禁断 ソニー


 いよいよ「レリオ」の本番になってしまいました。私にとってプロのオーケストラと合唱で共演するというのはこれが2回目となります。前回のモーツァルトの「レクイエム」の時には楽譜を見ながらただ歌っていればよかったので、別になんと言うことはなく終わってしまったという感じでしたが、今回はとてもそんなことでは付いていけないハードな試練が待っていましたね。まずは「全曲暗譜」というノルマです。そして、それを前提とした様々な「振り」の要求です。とてもそんなことはできないだろうと、最初に練習に参加した時には思ってしまいましたが、人間、やろうと思えば何とかなるものですね。もう本番の1か月前には暗譜はきちんとできていましたから、もうそのあとのいろいろな要求にはどんなことだって付いていけるような気がしてきました。。でも、正直言って「山賊の歌」の振りは、「自主的にやってくれ」と言われていたのでかえって気が重くなっていたところでしたね。なんか、いろいろやってみてもそれが客席にはどのように伝わるのか、いまいちつかめなかったのですよ。正直、この曲だけはそれほど乗れなかったというか。
 でも、ソリストの宮本さんが加わって、一緒に歌うようになったあたりから、なんか自然と演技ができるようになっていましたね。やはり、オペラ歌手ならではのオーラで、合唱を歌だけではなく演技でもグイグイ引っ張って行ってくれるのですよ。そんな感じでしたから、満席のお客さんの前でもなんかそれらしいことが出来たような気がします。
 他の曲でも、きちんと自分の声がコントロール出来ていたのでなないでしょうか。特に最後の曲は、指揮者ときっちりコンタクトを取りながら歌えた、という気持ち良さがありました。
 ただ、最後のカーテンコールはちょっと間抜けでしたね。合唱は何をするでもなく、ただ突っ立ているいるだけなので、ステージの上で深々とお辞儀をしている人たちを横目で見て、ちょっと醒めていました。明日は、このあたりは何か改善されているのでしょうか。
 私としては、せっかく仙台フィルのステージに参加できたので、いろいろ裏方もしっかり観察してみようと思っていました。そこで目についたのが「ハイレゾ録音」という張り紙がされていたブースです。このコンサートがハイレゾで録音されることは知っていて、どんな機材が使われるかも知っていましたから、実際にどんな形で録音をしているのか、興味がありました。
 こんな風に、レコーダーもヘッドフォンも私が持っているのと全く同じものでした。D-100は2台並べていますから、片方はバックアップかな、と思ったら、マイクも2本ずつ使われていたようですね。
 おそらく、同じメーカーの型番違いのものを並べて使って、どちらかいい方を使うのか、あるいは両方ともリリースしてマイクの違いを聴き分けられるようにするのでしょうか。おそらく今週中にはリリースされるはずですから、楽しみですね。というか、音質的にはそれほど期待はしていませんが。
 ところで、この合唱に参加している学生の人が、自転車で来る途中で大風に煽られて大けがをしてしまったというのですね。リハーサルには間に合わなくて、救急病院に行って治療を受けてきたみたいですが、顔中腫らして本番前の楽屋にやってきました。その人が、「歯もなんだか具合が悪い」と言い出したので、すぐ歯医者さんに行った方がいいとそこにいる人たちがすすめたのですが、もうこの時間だと開いているところがありません。でも、私は、たしかホルンのUさんの病院が遅くまでやっていたのでは、と思い出して電話をしてみたら、やはりまだ診察はしてもらえそうだったので、すぐに地下鉄で行ってもらうことにしました。そこは地下鉄の駅のすぐそばですから、旭ヶ丘からだったらすぐ行けるはずですし。無事、治療を受けられていればいいのですが。
Aventure Number : 2610 date : 2016/4/15


今日の禁断 エドモント


 そして、仙台フィルの東京公演、サントリーホールです。その前の日は合唱団もオーケストラも飯田橋にあるホテルに泊まります。私はちょっと早い新幹線で東京まで行って飯田橋に降りた途端、ホテルとは反対側に歩き出してしまって、しばらくしてそれが間違った道だったのに気づくというへまをやらかしてしまいました。ストリートビューでシミュレーションしていたのですが、夜になると感覚が鈍ります。
 次の朝は、このメンバーだけが宴会場で朝食です。
 時間を決めて、全員が入れるぐらいの広いところでした。「団体さん」扱いですね。
 中身はごく普通のビュッフェ・タイプの朝食です。和食もあったかな?
 ホール正面には、今日の予定が。なんだか雨が降ってきそうな空模様です。
 その裏側が、楽屋への入り口です。
 まるで迷路のようなところを通ります。
 途中にはNHKの中継車も。この演奏会の模様は、7月ごろに放送される予定だそうです。
 この先の受付でパスを見せて初めて中に入れます。その先はエレベーターで昇ったところの「リハーサル室」が合唱団の楽屋。間を仕切って、男子と女子とで一緒に使います。
 女子の陣地の入り口から、ホール内のP席に行けます。そこからみんな写真を撮っていましたね。
 これは、マイクのセッティングが終わったところ。「レリオ」のリハが始まります。東京では合唱がさらに20人ぐらい増えていました。東京の音大の学生さんのようで、みっちり練習していて発音や音は正確だし、もちろんしっかり暗譜もしていました。私の両脇がその人たち、とても歌いやすかったですね。
 さらに「幻想」のリハの時にはハープがなんと4台もありました。「レリオ」では1本だけになっていました。
 本番は、結局両陛下は来られないことになってしまったそうなので、特別なセレモニーはなし、一応チケットは完売していましたが、部分的に空いている席もありました。しかし、暗転やギュウさんの語りなど、いろいろな仕掛けにはお客さんはみんな息をのんでいたような気配が伝わってきます。そして、このホールの音響はやはり素晴らしいですね。その前まで使っていた仙台のホールとは、響きが全然違います。もちろん、合唱も「増量」されていますから、ホール全体に響き渡っていたことでしょう。
 ただ、この日のリハで初めて、立ったり座ったりするタイミングが知らされたのですが、本番では間違えて早く立ってしまった人がいたようですね。。これが放送されるときには、そのシーンが使われていないといいのですが。
 終わってからのカーテンコールで、合唱が立たされた時に起こった拍手には、思わず涙が出そうになってしまいました。このホールで満員のお客さんからの拍手を受けるというのは、こういうことだったのですね。おそらく、こんな体験など、これに参加しなければ一生味わうことが出来なかったことでしょう。
 帰るときには、仙台フィルのトラックが楽器を運び出していましたね。皆さん、ご苦労様でした。特に、こまごましたことをてきぱきとこなし、時にはさりげなく励ましてくれた演奏事業部のGさんには、本当にお世話になりました。ありがとうございます。
 これで私はひとまず合唱モードからは離れて、来週のニューフィルの本番に向けて切り替えます。
Aventure Number : 2611 date : 2016/4/17


今日の禁断 ライブラリー


 きのうの体験があまりにものすごかったので、今日一日はなんだか抜け殻のようになっていた私です。やらなければいけないことはたくさんあるのに、なんだかネットばかり見ている、みたいな。もちろん、きのうのコンサートがらみの検索です。
 そのうちに、おととい一緒の新幹線に乗っていて、飯田橋に行く途中のお茶の水での乗り換えで偶然声をかけられてびっくりした、日ごろお世話になっている仙台フィルのMさんから、Facebookの友達申請が届きました。いつかはこちらから勇気を出してお願いしようかと思っていたものが、先を越されてしまいました。もちろん即座に承認、そうしたら、コンサート関係の情報がどっさり届いてしまいましたよ。そうだったんだ、Mさんは駅で私と別れてあんなとこに行ってたんだ。
 実は、今回のコンサートではとことん演出にこだわって、様々な「道具」がスタッフによって用意されていました。どこから持ってきたんだろうと思うような「骸骨」とか古書とか。そして、我々男声合唱が歌う時には、ステージの前に山賊のたまり場を作り出したりしていました。そのために、ハシゴとか木箱とか酒瓶などが用意されていたんですね。それはかなりの量ですから、スタッフだけでは運びきれないものは、合唱団員が自ら運びます。私も、木箱担当になって、行きと帰りにあの重い箱をかついで、お客さんの前を走っていきましたよ(いや、本当はすごく軽いんですけどね)。ただ、やはりメインはスタッフの仕事、もうそういうことは日ごろやり慣れているような人ばかりです。ハシゴを持っていく人などは、風貌もまさに肉体労働者という、失礼を顧みずに言えば知性のかけらも感じられないような荒っぽいヒゲ面でしたね。そうだ、誰かに似ていると思ったら、なぎら健壱にそっくりだ。
 それで、歌っている時は気が付かなかったのですが、彼らは、ハシゴを運ぶだけではなく、それに乗った人が危なくないように下からそのハシゴを支えているんですよね。もちろん、これは出来るだけ目立たないようにしゃがんでいますから、その「なぎらさん」は体型からしてもうってつけ、ほとんどハシゴの一部と化していましたね。この、後ろ向きのちょっと小柄な方。
 でも、仙台フィルのスタッフって、確かにステマネなどをいつもやっているような人もいましたが、こんな荒っぽい仕事ができる人なんてほかにいましたっけ?あるいは、今回だけのために専門の人をわざわざ呼んできたとか。それにしてはチームワークも抜群だし、「日頃の仲間」感がたっぷりありましたから、それはないかな、とか。
 そんな、ちょっとしたモヤモヤ感は、そのFacebookへの書き込みで氷解することになります。そのハシゴを支えていた方は、この日のために山賊になり切ろうと、ずっとヒゲを伸ばし続けて本番に臨んでいたのだそうです。そして、ご本人が「ヒゲを剃ってさっぱりしました」みたいな書き込みをしていたのですね。それは、時折名前を拝見していたあの方ではありませんか。えーっ、ですよね。あの「なぎらさん」はM'さんだったなんて。いや、すごいものです。M'さんは、普段のお仕事とは正反対の姿に、見事に化けられていたんですね。頭が下がります。というか、そこまでスタッフを本気にさせてしまう仙台フィルって、すごいところなんですね。この驚きは、ひょっとしたらきのうのサントリーホールでの感動よりも大きかったかもしれません。
 それと、仙台での2日目に、山賊の「首領」の宮本さんが、「野郎ども、写真を撮ろうぜ」ということで彼のiPhoneで撮った写真も見ることが出来ました。こうなると、とても寄せ集めとは思えないような一体感がありますね。私たちもしっかり「化けて」いました。
Aventure Number : 2612 date : 2016/4/18


今日の禁断 モンターニュ


 きのうは、本当に久しぶりのニューフィルでした。先週は「レリオ」の練習だったので仕方なくサボってしまったんですよね。私の長いニューフィル人生で、そんなことはほぼ初めてだったのではないでしょうか。いえ、そもそも最初にあちらの予定を聞いたときには、この日は何も入っていなかったんですよ。ですから、完全に両方のスケジュールを制覇できるはずだったんですけどね。それが、直前になって急遽「場当たり」の予定が入ってしまったのでした。でも、ニューフィルに不義理をしたおかげで、私は参加を認められてからすべての練習に参加することが出来ました。ありがとうございました。
 というわけで、1回休んだおかげで篠崎さんとの指揮者練習が連続することになりました。そうなんですよ。めったにないことですが、本番の前の週の平日の練習日に、指揮者が来てくれたんですよ。普通だと、この日は本番前なのに団内指揮者による練習ということになっているので、どうしてもそこで一旦テンションが落ちるというか、落とさないための変な気配りが必要になるというか、いずれにしてもちょっと中途半端な状態になりがちなのですが、こんな風に指揮者がやってくれば、それだけでごく自然に本番へ向けての気持ちが高まります。
 ただ、そういう平日だと、エキストラの人があまり出席できないのでは、という懸念がありました。ですから、最初にこの申し出があった時には、ありがたいことではあるけれど、ちょっと人数的なことは責任が持てません、みたいなことを言っていたみたいですね。団長は。しかし、蓋を開けてみればそんなのは杞憂でした。私は少し早目に行ってみたのですが、もうその時点でかなりの団員が来ていましたし、私より先にいらっしゃっていたエキストラの方だっていましたね。結局、この前の指揮者練習の時とほとんど変わらない弦楽器の陣容でしたから、何の心配もいらなかったことになりますね。逆に、管楽器の方で少し欠員が出てしまいましたが、それは仕方がありません。
 今回は、エキストラに仙台フィルの方々もお呼びしていたので、3人ぐらいは週末の3日間をご一緒した人と、また別のポジションで共演するということになりました。こんなのも、まずありえないことでしょうね。こんな方とか。
 時間はたった2時間半しかありませんから、篠崎さんはそれぞれの曲、楽章を一応通したあとは、本当に必要なところだけをきっちりと仕上げて、あとは「皆さんの心の中から湧き上がってくるものを大切にしてください」みたいなことを何回もおっしゃっていましたね。久しぶりに篠崎さんの指揮に接してみて、厳しいところはあるものの、最終的には「素晴らしい!」と言っていただける場面が多かったような気がしましたが、やはり最後に音を出しているのは我々なのだ、ということを、しっかりと叩き込みたかったのでしょうね。「皆さんが演奏されているのを聴いていると、私は音を出せないので嫉妬してしまいます」とまで言ってくれる指揮者なんて、まずいませんでしたからね。
 本当は少ない時間なので、できるだけ音を出した練習をやりたかったのでしょうが、あえてそれをしないでまるで雑談のように話されていたことの中にも、がむしゃらに演奏していただけでは伝わらないような指揮者のお気持ちが、しっかり込められていましたね。
 そんな実のある練習のお蔭で、やっとニューフィル・モードに戻ることが出来ましたが、もう終わったはずの「レリオ」の「山賊の歌」がいつまで経っても頭の中で繰り返し鳴っているのは、困ったものです。「完全暗譜」というのは、こういうことだったのですね。一度ここまで覚えてしまうと、簡単には削除できないようになっているのでしょう。まあ当面は別に覚えるものもないので、構わないのですが。
Aventure Number : 2613 date : 2016/4/20


今日の禁断 レオナルド


 東京に行く前には満開だった桜も、帰ってきたらもうすっかり散ってしまっていました。なんか、今年の桜はちょっと物足りなかったような気がします。いつもはあふれるばかりの花を咲かせていた枝垂桜も、なんだかあまり元気がよくありませんでした。そろそろ寿命なのでしょうか。でも、確かだいぶ前にもう完全に枯れてしまったと思っていたソメイヨシノが、次第にまた花をつけるようになって今ではもう堂々たる満開の姿を見せるようになっていますから、長い間にはいろいろあるようですね。
 桜の季節が終わるとそろそろタケノコのことが心配になってきます。ですから数日前から、いくらなんでもまだだろうと思いつつ、竹藪をのぞいていました。もちろん、全然出てくる気配はありませんでしたけどね。桜の開花は例年より早かったようですが、タケノコにはそれは通用しないのでしょう。
 今日の朝のこと、雨も降ったことだし、もしかしたら頭ぐらい出しているのがあるかもしれないな、と思って竹藪に行ってみると
 目を疑いましたね。いきなりこんなに大量のタケノコが伸びているなんて。まさに「一夜にして」こんな風になっていたんですね。今年は、なんだか勢いが去年あたりとは全然違いますよ。大豊作の予感です。ただ、そうなるとちょっと困ったことが起きてしまいます。このペースで伸びてしまうと、連休のあたりにはもうみんな「タケノコ」ではなく「竹」になってしまうかもしれませんよ。つまり、毎年連休のあたりにちょうどいいぐらいに出てきて、それをニューフィルのみんなが集まって掘りあうという「タケノコ掘りたいかい?」が、あまりにタケノコのペースが早いので開催が危ぶまれてしまうのですよ。
 まあ、こればっかりは自然の営みですから、どうなるかはわかりませんが、ギリギリ連休まで残っていればぜひやりたいと思っていますので、チェックは怠らないでくださいね。
 でも、我が家の分はとても待ってはいられないので、2本ばかり掘ってきましたよ。
 先の方の皮を少し切って、
 皮を付けたまま米ぬかを入れてあく抜きです。
 しばらくゆでていたところで、なんせ1年ぶりのことですから、鷹の爪を入れるのを忘れていたことに気づきました。あわてて探したら、去年のがまだ残っていたので急遽加えます。
 ということで、今年は思いがけなく定期演奏会前にタケノコを掘るという珍しいことになっていました。なんたって明後日は本番ですからね。実はこの前の日曜日の朝に、FM仙台でスポット広告を放送してくれていたはずなのですが、聴かれた方はいましたか?今週も午後の時間帯になんか流していただけるようなことを言っていたのですが、それはどうだったのでしょう。この局では一応クラシックの番組などもやっているようですが、やはりそれは申し訳程度のものですから、そんなに期待はできないでしょうけどね。なんせ、毎朝ラジオで、今開かれている「ダ・ヴィンチ展」の案内をやっているのですが、そのBGMがバッハの「ブランデンブルク協奏曲第5番」なんですからね。ダ・ヴィンチとバッハって、国も時代も、そしてもちろん文化的な様式も全く異なっているのに、それを「クラシック」だからと強引に結びつけるセンスには、驚かされます。そもそも、ダ・ヴィンチの時代には「クラシック」はまだ始まっていなかったというのに。
Aventure Number : 2614 date : 2016/4/22


今日の禁断 タンホイザー


 ニューフィルの定期演奏会が終わりました。16年ぶりの篠崎さんは、16年前と同じような濃密なリハーサルを重ねた結果、やはり16年前と同じ、感動的な演奏会を作り出してくれました。そのリハーサルの密度は、本番が近付くにつれて高くなっていき、きのうのリハーサルでは用意していた時間を目いっぱい使って行われました。
 今日のゲネプロでは、全曲を一通り通して、数か所気になったところを丁寧に繰り返しただけ、それでも最後まで手は緩めません。「これまでせっかく頑張ってできるようになったことを、みすみすダメにするのはもったいない」とまで言われれば、頑張らないわけにはいきません。それが、「篠崎マジック」の真髄です。
 お客さんの入りはあまり良くないだろう、というのが、チケットの売り上げ調査の結果からの予想でした。でも、私が担当していたこの会場の県民会館のプレイガイドにきのうチケットを引き上げに行ったら、一般券30枚が完売していましたよ。なんか、「もしや?」と思ってしまいましたね。案の定、開場直後に客席に入ってくるお客さんの勢いは、ちょっと普通ではありません。瞬く間に席が埋まっていく感じです。
 そして、我々がステージに座った時には、とてもいい具合にお客さんであふれていましたよ。目測で1000人程度だったでしょうか。そんなお客さんを前にして、篠崎さんはリハーサルではあまり見せなかったとても激しい身振りで我々に強烈なゆさぶりをかけてきました。まさに本気モード、オケもそれにくらいついていきます。
 もう、あっという間に演奏会が終わってしまいました。というか、今回は私の場合はかなりヒマ、ローテーションの都合でたまにこういう、それほど頑張らなくても演奏会がやりおおせる時があります(だから、1週間前によそのオーケストラに合唱で参加することなんかも可能になります)。正直、燃焼しきれないところが残ってしまいました。最近よく聴きに来てくれるフルート仲間のTさんが「今回はあまり出番がなかったね」と言ったのは、見事にそのあたりを言い当てていました。でも、打ち上げでは篠崎さんは必ず近いうちにまた共演したいとおっしゃってくれましたから、その時にはもっと篠崎さんの熱気を真正面で受け止められるようなポジションにいたいものです。
 それでも、一応全乗りだったので、写真を撮るのはどうしようかと思っていたら、このほどニューフィルに復帰して、まだ練習には参加してはいないNさんが、写真係を申し出てくれました。それで、お言葉に甘えて、私のカメラを全面的にお任せして、いろんな写真を撮っていただきました。すでにFacebookページにはアップしてありますし、それはニューフィルの公式サイトにも埋め込んであるので、ご覧になってみてください。ぜんぶNさんに撮っていただいた写真です。
 それだけではなく、ちょっと面倒くさいこともお願いしてありました。最近は、ホールにお願いするとホールの三点吊りのマイクの出力を、そのままレコーダー用に提供してもらえます。それで、前回の定期はハイレゾ録音を行っていたのですが、今回もそれをやることにしました。ただ、その時にちょっと面倒くさかったのが、なにしろハイレゾはGB(ギガバイト)単位のファイルですから、レコーダーの規格として1GBを超えると、新たに別のファイルが作られてしまうのですね。24/96だと大体1時間分。今回もブルックナー全曲だと1時間以上なので、どこかで切れてしまうのですね。それでは音がつながらないので、楽章の間で一旦録音を停止して、直後にまた録音を始める、という作業が必要になってきます。もちろん、私がそれをやるわけにはいかないので、それをNさんにお願いしました。Nさんは、写真だけで手いっぱいのはずなのに、見事にその作業をやってくれていました。感謝の言葉もありません。ですから、写真と同時にそのハイレゾ音源も公開できるのですが、なんせサイズが大きいものですから、アップロードに時間がかかります。やっとブルックナーの第2楽章までが終わったところ、全曲の公開は明日になりそうです。
 それと、私のサイトの愛読者で、わざわざこの演奏会を聴くためだけに北海道からいらっしゃった方とお会いできました。なんか、格別なサイト対するお褒めの言葉、恐れ入ります。お土産までいただいて、こちらも感謝の言葉もありません。
Aventure Number : 2615 date : 2016/4/24


今日の禁断 マスク


 きのう書き残したことなど。なんせ、一次会で失礼したものの、帰ってから写真をFacebookページにアップしたり、ニューフィルの公式サイトを更新したり、さらにはハイレゾ音源をアップロードしたりとこまごましたことをやっていたら、もうこちらの方は殆ど時間が取れなくなって、かなりとっちらかったものになっていましたから。
 まず、ハイレゾの方は今朝めでたく全データのアップロードが終わりましたので、すぐに公式サイトのトップページからリンクを作ってあります。まあ、これで問題はないのでしょうが、私が気付かないところで何か不都合があればご指摘ください。というのも、先日の仙台フィルの定期演奏会も会場で同じようにハイレゾ(あちらはDSD)の録音をやっていたので、すぐに配信が始まるのだと思っていたら、意外と時間がかかっているものですから。確か、「第9」の時などはもう即座に出ていたような印象がありましたからね。それで、打ち上げの時に、エキストラでいらっしゃっていた仙台フィルの方にちょっとお聞きしてみたら、今まではアーティストの許諾が下りなくて、お蔵入りになることもあったのだそうです。まあ、あちらはしっかりお金を取っての商売ですから、シビアな面があるのでしょうが、アマチュアが無料で行う場合には何か問題はないのか、ちょっと気になってしまいました。そういうことではなくても、ちょっと恥ずかしいミスをしてしまったので、できれば身内だけが聴けるようにして欲しいとか。これに関しては私も1か所とても不本意なところがあって、気持ちは分かりますので、是非に、というお申し出があれば対処したいと思っています。いやあ、練習やゲネプロでは失敗したことはなかったのですが、本番でちょっと別なキーに指が触れてしまって、とんでもない音を出してしまったものですから。
 まあ、でも、基本的に私たちの演奏を多くの人に聴いていただきたい、という思いはありますから、できればこの形でやらせていただきたいな、とは思っていますがね。
 あとは、打ち上げの時に最後に篠崎さんがおっしゃっていたことには、ちょっと響くものがありました。熊本の震災に関連して、ニューフィルでは5年前の震災でも結局団としては何もできていなかった、というようなほかの方のあいさつに対して、篠崎さんが「着実に演奏会を重ねてきたことにこそ、意味がある」というようなことをおっしゃったんですよね。いろいろな考えはあるでしょうし、決して一つの考えに収束できるような問題ではないのですが、これはこれでとても説得力を持って素直にうなずけました。そうなんですよね。自分たちが信念を持って音楽に向かっていくことを止めさえしなければ、なにも引け目を感じたりすることはないのではないでしょうか。
 そんな、私にとってはとても貴重な経験を2週間にわたって与えていただいたのに、来週はまだ重要なイベントが待っています。別に公式行事でも何でもない、ただの思いつきで始めたことなのですが、一度ぐらいは、声をかけられる人には全員にお知らせしようと案内を出してみたら、今回はなんだかとてもたくさんの人が来てくれそうな手ごたえです。ですから、やはり初めての人にも良い印象を持っていただきたいと、1年経ってかなり荒れてしまった竹藪の大掃除をやってみました。いつの間にか、植木屋さんあたりが入った時に奥の方に倒れていた古い木を、適当な長さに切ってくれて、それが入り口近くにうずたかく積み上げてあったんですね。こんなのがあったのでは小さいお子さんも来るかもしれないので邪魔になるしあぶないので、全部処分しましたよ。
 とは言っても、今日の時点ですでに背丈ぐらいに伸びてしまっているタケノコがたくさんありますから、1週間後にはどうなっているか、ちょっと恐ろしいような気がします。まあ、その時はその時で、バーベキューでも楽しみましょうか。
Aventure Number : 2616 date : 2016/4/25


今日の禁断 ライン


 夕べ遅く、例によって「郵便受けに入れておきました」というメールが届きました。これはニューフィルの定期演奏会後のお楽しみ、BDとCDが出来上がったので、自宅まで届けてくれた、という、録音係のWさんからの連絡です。いそいそと下まで降りて行って郵便受けを開けてみると、ありました。
 パッケージのデザインはチラシでおなじみのものですが、今回はしっかりキャッチコピーも入っていました。確かに、これはもうデザインの一部のようにしっくりしていたコピーでしたからね。こういう、少ない言葉で的確にコンサートがイメージできるようなコピーは、好きですね。次回はシューベルトとマーラー、いったいどんなコピーが出来てくることでしょう(って、もう完全にチラシにはキャッチコピーを入れることを前提に話が進んでいますね)。
 そういえば、このデザインのFacebookのカバーも、ニューフィルのページはすぐに当日の写真と差し替えましたが、私のやつはまだだったので、やっと取り替えました。つまり、定期演奏会が終わった時点で、すでに私が参加する次の演奏会のチラシが出来上がっていたので、それを元に作ったものをカバーにしたんですよね。最近は、オケ関係では1年に4回のステージというのがほぼ続いているので、こんなことが可能になってきます。
 まずはパックを開いて、さっそく、BDの本編ではなくボーナストラックを見てみます。バックステージとか打ち上げが入っているトラックですね。そこで初めて見たのが、女性用の楽屋です。いつも入り口付近は見えても、中まで入っていくことなんかはできませんから、どんなところかなんて全く知らなかったのですが、Wさんに頼まれた女性がカメラを回してくれたので、その全貌を克明に知ることが出来ましたよ。あんなに広いところだったんですね。男性用の楽屋2部屋分より広いぐらい、ここだったらくつろげるでしょうね。畳の部屋もかなり広いし。
 それと、私は行かなかった二次会の模様も見れました。結構行った人がいたんですね。普段は行かないような人までいましたから、楽しかったでしょうね。私は、その日のうちにやっておきたいことがあったので失礼してしまいましたが、ちょっと残念でした。
 CDも出来上がったので、今まで公開していたハイレゾ音源もひとまず一般の方にはアクセスできないところに引っ越しました。これは、当初から試験的にやってみたもので、こういう音源の公開はどんな形にしたらよいかという、ある意味モニター的なところがありました。その結果、今までは団員以外は聴くことが出来なかったものが、例えばエキストラさんなども聴けるようになって喜ばれた半面、予想通りのネガティブな意見も寄せられることになりました。まさに「やっぱりな」という感じ、でも、ここは別に我を通しても意味がないので、おとなしく従うことにしましょう。
 そのCDも、きちんとハイレゾ音源と比べて聴いてみました。今まではちょっとハイレゾを聴くには物足りない環境だったのですが、今はすんなり聴けるようになったので、即座にソースを切り替えて聴くことができるようになっています。それで「タンホイザー」を比較してみたら、やはりハイレゾは一味違います。「巡礼の合唱」でチェロが出てくるところの音が、ハイレゾでは輝いているんですよね。それがCDだとちょっと響きが暗くなってしまいます。次のヴァイオリンの入りも同じこと、ハイレゾは、まさに演奏している人の「心」までも再現してくれるようです。
 まあ、普通に聴くにはCDでも何の問題もないのですが、一度このハイレゾの味を知ってしまうと、やはりここまでのものが聴けるのだったら、しっかり録っておきたいな、という気持ちになってきます。単なる私個人の趣味で終わってしまうかもしれませんが、こういうことがこれからもできるように、会場との交渉をこれからもよろしくお願いしま~す。
Aventure Number : 2617 date : 2016/4/27


今日の禁断 エア


 大型連休に突入、私の場合は基本的にカレンダー通りの休みですから、とりあえず3連休は取れることになります。2週間連続の本番ということで何かとあわただしい生活でしたが、ここでやっときちんとした休息をとることができることでしょう。とは言っても、休日となれば休日ならではの過ごし方が必要になってきますから、それほど「休む」ということは期待できません。ということで、いつも通りに車で花屋さんまわりとかに付き合わされることになるのです。
 いつもの、愛子にある花屋さんに行った後、愚妻が秋保方面に行ってお昼を食べたいと言い出したものですから、とりあえず錦が丘経由で秋保温泉の方に向かいます。そこへ行く道すがら、そういえば近々秋保でフルートのコンサートがあったのを思い出しました。その案内はこちらのチラシにあります。実は、このチラシは、この間「レリオ」を一緒に歌ったメンバーで、昔同じ合唱団にいて何十年ぶりかに再会した人からいただいたものです。その人が、なんとご自分の家を会場にして、小泉浩さんという、かつては現代音楽の分野では第一人者だった方のリサイタルを開いていて、その2回目をもうすぐ開催することになっているのですよ。チラシをいただいた時には、小泉さんと知り合いだったり、自宅でコンサートを開くだけのスペースを持っているだのという、とてつもない話にちょっとたじろいでしまいましたね。もちろん、彼は私がフルートを吹いていることも知っていて、ぜひ聴きに来てほしいと言っていたのですが、あいにく当日はすでに別の用事が入っていて行くことはできません。でも、そのご自宅だけは、ちょっと興味があったので、機会があったらぜひ行ってみたいとは思っていました。そこで、たしかバッグの中にそのチラシがあったはずだと探したのですが、あいにく全部別の楽器を入れるカバンの方に入れてしまっていたので、ありませんでした。地図がないとまず行くことはできないぐらい辺鄙なところだったように聞いていましたから、今日はやめにしましょう。
 とりあえず、愚妻が1回行ったことがあるというこのホテルのレストランに行ってみようとしたら、駐車場はガラガラ、中に入ってもお客さんは誰もいませんし、レストランをのぞいてみると店員さんがお客さんを待っている状態でしたし、メニューも高いだけでそれほど魅力がなかったので、ここはやめてもっと中心部に近いホテルに行くことにしました。
 そこは、やはり「伝承千年の宿」というだけあって、人も多くレストランもそこそこにぎわっていました。うまい具合に名取川を見下ろせる窓際の席が空いたので、そこからの絶景を楽しみながら、天ざるを注文します。
 おにぎりが付いてきたのにはびっくりしましたが、それがとてもおいしいし、天ぷらも絶品でした。これでおそばがおいしければ言うことはないのですが、私はそばにはうるさい方なので、これはちょっと、でしたね。帰りに「さいち」に寄ったら、連休なのにかなり空いていてお店の前の駐車場に駐車できるという、とてもラッキーな目に遭いました。
 帰って考えてみたら、さっきのコンサート会場の地図はニューフィルのサイトからリンクしてあったのでした。そこで、それと実際の地図とを比べてみたら、全然違ってましたね。これだったら、たとえ地図があっても絶対に行けませんでした。もし行かれる方は、事前にネットなどで調べておいてください。グーグル・アースだと、こんな風に見える丸い建物が、たぶんそうです。
Aventure Number : 2618 date : 2016/4/29


今日の禁断 ファゴット


 「タケノコ掘りたいかい?」の当日となりました。タケノコの伸び具合とか参加者のスケジュールなど、あらゆることを考慮して決めた開催日だったのですが、数日前からどうやら雨になるのではないか、という予報が出ていて、気が気ではありませんでした。直近の予報でも、ほぼ1日雨で、夕方になってやっと曇りになる、というかなり厳しいものでしたから、心配になってしまいます。
 案の定、昨日から今日にかけて、「お天気は大丈夫でしょうか?」という問い合わせが参加者の方々から頻繁に届くことになりました。私としては、開催時間の午後3時ごろにはたぶん雨は止むのではないか、と、なんとなく明るくなってきた西の空を見ながら答えることしかできません。さらに、悪いことは続くもので、参加者のメインゲスト、今回初めてお呼びしたら快く参加を決めてくださった(わざわざこのためにスケジュールを調整されたのだとか)仙台フィルのMさんが、なんと入院されてしまわれたという知らせが届きました。まあ、連絡のメールの様子はとてもお元気そうなので少しはホッとしましたが、これは一大事です。
 それでも、午後になったらほとんど雨は止んでしまったような感じになりました。この分だったら別に雨具がなくても楽しくタケノコ掘りが出来そうです。少し早目に開場に向かって、まずはしばらく見ていなかった竹藪の状況を調べてみましょう。
 やはり、今年は大豊作の年だったようですね。もう竹藪の中はいくらでもタケノコが見つかりますし、こんな、竹藪の外にまで地下茎が伸びていて、しっかりしたタケノコが頭を出していましたよ。
 最初にやってきたのは、初参加のSさんとその娘さん。わざわざこのために長靴を買ってきたという気合の入れ方です。
 3時にはほとんどの人が集まり、竹藪全体に広がって掘り方を始めました。思い思いに楽しんでいただけたのではないでしょうか。中には、竹藪に生えているタケノコを見るのも初めて、なんて人もいましたから、新鮮な体験だったことでしょう。
 しばらく経つと、みんなが掘り出したタケノコがこんなに集まりました。ものすごい量ですね。毎年掘っている私でも、こんなにたくさん掘ったのは初めてです。たくさんの人が来ることが予定されていたので、果たして全員が掘る分が残っているだろうかと思っていたのは全くの杞憂でした。
 2年ぶりの参加となったNさんは、ひたすら調理に専念です。でも、途中で雨が強くなってきたので、思う存分腕を振るうことが出来なかったのは残念だったでしょうね。来年はがんばってもらえるといいのですが。
 そして恒例の集合写真です。ほんと、この竹藪にこんなにたくさんの人が集まったなんて、前代未聞です。この頃はもうかなりの雨、それにもめげず「楽しかった」と言っていただけたのはうれしかったですね。ニューフィルでは初めてのNさん、Mさん、Sさん、Tさん、そして仙台フィルのMさん、どうもありがとうございました。今年は都合が悪くて来れなかった方も、次回は懲りずにエントリーしてくださいね。
 あ、ここには私は写っていません。写真を撮っていたものですから。
Aventure Number : 2619 date : 2016/5/1


今日の禁断 サジ


 1か月前、新しい年度を迎えた時に、このサイトに関して一つの変更を行ってみました。というのも、今年に入ってから「おやぢの部屋」に使うアイテムがなかなか入手できなくなってきて、もうだいぶ前に出たものでも「新譜」扱いで取り上げないことにはどうにもならないような状況に陥ってしまっていたのですね。まあ、本当に聴きたいものがリリースされないということです。今のCD業界はかなりヤバい状態ですから、いろいろ厳しい面もあるのでしょう。サンプルもケチらないことにはやっていけないとか。
 そこで、限りある資源を有効に使うために、ほんの少しだけ「おやぢ」のリリースを少なくすることにしたのです。具体的には、今までは2日おきにコンスタントに書いていたものを、「週3回」にしました。同時に、「禁断」の方も基本週3回ということにして、毎週日曜日か月曜日には「休日」を設けることにもしました。ただ、「禁断」の場合週末に大きなイベントがあったりしますからうまくすれば2日分のネタが出来ることもあるので、必ずしも毎週休みになるわけでもない、というユルさです。
 実際、4月の第1週と第2週はこれをやってみました。そうすると、これがかなり楽なんですね。無理をしなくてもヒマな時にちょこっと書けばノルマが達成できるという感じです。でも、第3週と第4週にはそれぞれ大きな出来事があったので、お休みはありませんでした。そんな感じで、無理をせずに続けるというのが、長生きの秘訣なのでしょう。
 だから、このスケジュールは、ちゃんと読んでいらっしゃる方には浸透してきたのかな、と思っていたたのですが、おとといもそのローテーションで休みを入れたら、まるで私が憩室炎で入院したかのように「なにかあったんですか?」みたいなコメントが寄せられてしまいましたよ。やはり、長年「毎日更新」をやっていると、そんな習慣が出来あがっている人がいるようになっていたんですね。逆に、なんだかありがたいような気がしてしまいましたね。
 それはともかく、この間の「タケノコ掘りたいかい?」が雨にたたられたように、今年のゴールデン・ウィークはあまりお天気には恵まれてはいません。というか、なぜかこの地方だけが悪天候にたたられているという腹が立つお天気でしたね。寒かったし。
 きのうは、それでもまずまずいいお天気で、こんな時にはまず定義山に行って三角油揚げを食べるというのが例年のことなのですが、いざ向かおうと思って西道路に向かったら、ちょっと時間が遅かったのかものすごい渋滞で、広瀬文化センターの前あたりからほとんど進まなくなってしまいました。これでは明るいうちに定義に着くのは無理なので、ずっと手前の、この間も行ったばかりの花屋さんへの道で降りてしまいました。
 そこには、前からとても気になっていたカフェがありました。アイスのお店とセットになっていて、アイスの方はよく買っていたのですが、カフェのランチがなかなかおいしそうなのに、まだ実際に食べたことはありませんでした。というのも、いつ来てもお店の中は満席で(テーブルが5つしかありません)、あふれた人が外のテラスでも食べているという状態で、かなり待たされてしまいますからね。きのうも、やはり中で食べたかったので、結構待たされましたが、そのランチは期待通りのおいしさでした。
 ご飯は五穀米で、煮干しと牛蒡がトッピング。味噌汁は油麩とジャガイモがメインです。あとは豆腐のグラタンとか、シイタケのハンバーグなど、殆ど精進料理かと思えるような素朴さで迫ります。でも、味付けがそれぞれに工夫が凝らされていて全部がとてもおいしく食べられるんですね。
 食後は、お隣のアイス屋さんでラムネシャーベットとラムレーズンのダブルを頼みましたが、ここの店主のおじさんが、いつもながらのとても気持ちのいい挨拶をしてくれるんのがうれしくて。真顔で「どうぞ、楽しんでいってください」なんて言われると、本当にハッピーになれますね。
Aventure Number : 2620 date : 2016/5/4

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