2541(15/11/30)-2560(16/1/7)

今日の禁断 リンナイ


 うちのお風呂が危機を迎えました。熱いお湯に入ることが出来なくなったんですよ。お湯が熱くないお風呂なんて、フルートのいないオーケストラみたいなものじゃないですか(ちょっと違う?)
 我が家のお風呂は、入居以来使っていますからもう20年以上も経っています。もちろん、今のような「追い炊き」なんかは出来ない、ただガスで沸かしたお湯を浴槽に入れるだけという、シンプルなものです。そこで、湯沸かし器で沸かした高温のお湯に、適量の水をミックスしてちょうど良い温度にして入るわけですね。湯沸かし器では、温度設定に従って中を通る水の量が変わります。水温が低い冬場だと、水の量を減らして加熱しなければ、設定温度までには上がらないような仕組みになっているのだそうです。ですから、お風呂の水栓も、全開にすると暖かい時にはたくさん出てきますが、寒くなると水量が少なくなってきます。お湯をためるのに時間がかかるようになるのですね。
 それが、今年の秋口になっても、一向に水量は減りません。それでどんどん水温だけが下がってしまいます。とうとう、もうこれ以上温度が低いと、とてもお風呂としての体をなさないというところまで下がってしまったのですよ。そうなると、こういう構造のお風呂ではもうどうしようもありません。ただ、なぜか、同じ湯沸かし器から配管されている台所や洗面所では、全然変わらずに熱いお湯が出ています。それが不思議です。
 こうなったら、まずは湯沸かし器を疑わなければいけません。それで、メーカーのサービス窓口に電話をして事情を話すと、「お風呂だけ水温が低いのでしたら、当社ではなく、浴槽のメーカーさんのせいですね」と言い切られてしまいました。たしかに、他のところでは異常がないのですから、それは正論なのでしょう。
 そこで、浴槽のメーカーに連絡です。そうしたら、まず「水栓の型番を教えてください」と言うのです。見に行っても、そんなものはどこにも書いてありません。しかも、「そのような事例は、お宅様のような水栓の場合には、聞いたことがありません」とまで言われてしまいましたよ。それでも、出張料の無駄になるかもしれないけれど、とりあえず現物を見てもらおうということで、話を付けました。
 ネットで調べると、結構そんな「事例」はあるようでした。水栓で水が逆流してお湯と混ざってしまうことがあるそうなんですね。そういうことだったら、これさえ交換すれば元通りに直るじゃないですか。まずは一安心。ところが、しばらくしてやってきた修理担当の人は、現物を見るなり首をかしげています。これは、温水と冷水の配管が完全に分かれているタイプなので、逆流することはあり得ないというのですね。とりあえず、もっと詳しいことを現場の人に聞いてみます、とか言ってすごすごと帰っていきました。
 さあ困りました。そうなると、問題があるのは壁の中の配管ということになりますが、そんなことになったら大変です。そういうものは共有部分ですから、マンションの管理組合に話をしなければいけないことになります。でも、そもそもそんなところで異常が起きるわけはありません。メーターを見ても水漏れがしているわけではないことは分かりますし。
 しかし、安心してください。今ではちゃんと熱いお湯が出るようになっています。もしや、と思って、全開にしていたお湯の栓を、いつも熱いお湯が出ているときぐらいの量しか出ない程度にまで絞ってみたのです。そうしたら、見事に熱いお湯が出てきたではありませんか。今まではそんなことをしなくても全開で量が少なくなっていたのですから、もしかしたら湯沸かし器の能力が落ちているとか、確かにどこかは前と違ってはいるのでしょう。でも、とりあえずはちゃんと熱いお湯に浸かれるようになりました。これで、今年の冬は越せるはずです。
 そういえば、明日からはもう12月ですね。一番町の「芭蕉の辻」のアーケードも出来たようですし、ここに大きなツリーでも飾られるのでしょうか。いや、「アーケード」というので、もっと先まで屋根が付くのかと思ったら、出来たのはこの交差点だけだったんですね。
Aventure Number : 2541 date : 2015/11/30


今日の禁断 エレクトロン


 きのうは、角田第九のための指揮者練習、とにかく明るい寿一さんですから、練習は楽しく進みます。曲の配分も的確で、きっちり時間通りに全曲が終わってしまいました。その最後の音符「ララララレ」を吹いたとき、これは森高千里の「うちのごはん」と同じメロディだな、と思ったのも、そんな楽しさのせいだったのかもしれません。
 そして、今日はそのニューフィルの団長の代わりにということで、さるところに行ってきました。平日の3時半からという予定ですから、普通の会社員や公務員にはちょっと無理なので、私のところに回ってきたというわけです。それは、「県民会館利用者懇談会」というものでした。団長の話では、「ただ座っているだけでいいよ」ということだったので、私の想像としては、まあよくあるなんとか総会みたいに、前に会館の人が並んでいて、それに向かい合ってたくさんの人が座っている、というイメージです。入り口で名前を聞かれて、そこで資料を受け取って適当な席に座る、みたいな感じですね。
 ところが、です。会場の会議室に入って名前を言うと、「ご案内します」と席に連れていかれました。そこには、なんと私の名前が書かれた名札まで立っているではありませんか。すでにそこに置かれている資料を見ると、こんな感じですでに席順が決まっていることが分かりました。
 そこに座る前に、まわりにいたほかの参加者、テレビ局の人や新聞社の人が、私のところに名刺を持ってやってきましたよ。そういうところだったのですね。念のためにニューフィルの名刺は持ってきていましたが、少ししかなかったので全員には渡すこともできませんでしたね。
 そんな状況で、「懇談会」は始まりました。これは2回目なのだそうで、前回に出された提案にどの程度応えたか、応えなかったかというようなことが説明され、そのあとはこの会館に対する要望を聞く、という流れになりました。まあ、その時点で、受け答えをしている会館の幹部さんたちのそれぞれにも、運営に対してはかなりの温度差があることが分かってきましたし、この会自体が基本的に会館の運営に大幅な影響を与えるものでもないことも分かってきました。当たり前のことですがね。そうなると、まあ、絶対に実現が不可能なことでも、一つの「希望事項」として発言してみてもいいのではないか、という気がしてきました。そこで、私が発言したのが、こんなことです。
 今の市内の音楽ホールの少なさには、常に頭を痛めている。どこも取れずにやむを得ず多賀城のホールを借りたら、案の定集客は少なかった。この会館はいずれ2000人規模のホールに建て替えるようなことが言われているが、そうなったとしても多目的ホールになってしまうのは目に見えているのだから、この際県や市という枠を超えた大局的な見地から、新たに音楽専用ホールを作るような方向に持っていくことはできないだろうか。そもそも、仙台には理想的な音楽専用ホールは一つもないということを、行政は理解してはいないはず。国際コンクールまで開催している仙台市が、今ではほかの政令指定都市や、普通の市でも持っている音楽専用ホールを持っていないのは、とても恥ずかしいこと。そんなことが実現しないのは分かっているが、これは市内の音楽関係者が抱いている一つの「夢」であるということを、知っていただきたい。
 まっ、絶対できるわけがないことが分かっていて、言いたいだけのことを言ってしまいましたよ。どうせもう次回は出席はしないはずですからね。まあ、それに対して、「夢に終わらせないように、各方面に働き掛けていきます」みたいな、予想通りの「答弁」がありましたが、なんかむなしいですね。
 むなしいと言えば、「旅費」として渡されたのが、こういうのでした。往復の地下鉄代にもなりませんね。
Aventure Number : 2542 date : 2015/12/2


今日の禁断 バルブ


 「下町ロケット」はだいぶ好評のようですね。あ、ドラマの話ですが。でも、原作はずいぶん前に書かれたもので、そのあと1回WOWOWでドラマ化されていたのですが、いずれも全く興味がなかったので読んだり見たりはしていませんでした。でも、今回のドラマはあちこちで話題になっていますし、キャスティングも興味があったので、ちょっと見てみたいという気になっていた時、「『2』が始まります」という情報が伝わってくると同時に、朝日新聞にその書き下ろしの原作が連載され始めましたよ。なんでも、単行本で出版される前に連載が始まるということ、そんなことをしたら肝心の本が売れなくなってしまうのではないか、と心配してしまいます。
 その連載が始まった時には読むのも面倒くさかったので読んでなかったのですが、そんだけ盛り上がってくると読んでみたくなります。幸い、連載の1回目分からの新聞はリサイクルしてなかったので、全部切り抜いて読み始めました。土日だけに載るので、16回分ありましたね。それっぽっちですから、すぐに読めてしまいます。でも、読んでいるうちになんだか変な感じになってきました。ところどころでそれまでとは何の脈絡もない文章が出てくるのですよね。「〇〇社とのこともあるし」などと書いてあるのに、その「〇〇社」というのはそれまでに全く登場していないのですよ。それ以外にも、なにか「小説」としては描写が薄いというか手抜きのようなところがかなり多い気がします。まあそれは、それぞれの作家の資質ですから何とも言えませんがね。逆に晩年の井上ひさしのように、まわりの描写だけが細かすぎて、肝心の物語がちょっと拍子抜け、みたいな人もいますからね。そうは言っても、これはあまりにも薄すぎます。
 そのうち、ドラマが始まりました。それは、新聞の連載とは全く違っていたのです。小説のオープニングのシーンがいつまで待っても出てきません。そこに、まずさっきの「〇〇社」のエピソードが入っていたではありませんか。やはり、新聞ではかなりの部分が割愛されていたのですよ。
 それを確かめるために、発売になった単行本を本屋で調べてみることにしました。ところが、本屋さんに行っても「下町ロケット2」というポップ(「インフォ」とはちがいます)は立っているものの、肝心の本は1冊もありません。いや、正確には平積みは1冊もなくて、かろうじて棚の中に1冊だけありました。それを、あくまで商品としての価値を損なうことなく部分的に文字を追ってみると(「立ち読み」とはちがいます)、やはり、中身は新聞のとは全然違ってました。必要なエピソードは全部そろっているし、それが伏線となって話が先に進んでいくのもよく分かります。これだったら、まっとうな「小説」ですよ。新聞のものは、それの「ダイジェスト」、いや、それ以下の代物ですね。「digest」には「消化する」という意味もあります。原作の内容を十分に「消化」したうえで、本筋を変えずに文章を短くするというのが正しい「ダイジェスト」、だれがやったのかはわかりませんが、こんな短縮版をでっち上げたライターには、こんな仕事をする資格はありません。まさか、ご本人がやったんじゃないでしょうね。
 次の日、別の本屋さんに行ったら、ちゃんと大量の「下町ロケット2」が平積みになっていました。奥付を見たら、それは「第2刷」、増刷が間に合わないほどに売れていたんですね。
 ドラマの方は、まあそれなりの出来なのでしょう。主人公の滑舌が悪く、何をしゃべっているのが分からないのも、この人のいつものことですから気にすることはありません。ただ、サブタイトルにもなっている「ガウディ計画」というプロジェクト名の由来が、これは新聞版でもちゃんと書いてあったのにドラマでは何の説明もなくいきなり出てきたのは、ちょっとまずいのではないでしょうか。
 そういえば、今日の朝ドラで、はつの「お琴」は大八車に積んだのでしょうか。
Aventure Number : 2543 date : 2015/12/4


今日の禁断 キッコーマン


 角田市で毎年行われている「第9」の演奏会に、今年もオーケストラとして参加してきました。いや、「角田市で」というのは正確ではなく、角田の方々が中心になって作った合唱団が歌ってはいるのですが、今までは別の町の「えずこホール」というところで演奏会が行われていました。つまり、角田市にはそういう会場がないのでわざわざそういう近隣のホールまでやって来て、演奏会を続けていたのです。しかし、そもそも20年以上前にこの企画がスタートした時には、確かに角田市内で演奏をしていました。でも、その会場というのがだだっ広い体育館だったので、寒いし音もひどいしということで、ニューフィルからも「もっとちゃんとしたところで演奏したい」という希望を出し、その結果、2002年からはさっきのえずこホールが会場となっていました。
 そして、やっと待望のホールが角田市内に誕生したことを受けて、この「第9」の会場も、その新しい「かくだ田園ホール」というところに変更されることになったのです。やっと、自前のちゃんとしたホールでの演奏ができるという、記念すべき今年の「角田第9」だったのでした。
 ニューフィルの団員で、そのかつての角田の体育館時代を知っている人はかなり少なくなってしまいましたから、そんな、今まで行ったことのない人のために地図を作って「かいほうげん」に載せた、ということは、前にお伝えしました。まあこれは、実はそういう人だけのためではなく、ほとんど私が改めて行くために昔の道を思い出すために作ったようなものでしたけどね。でも、きのうの前日リハのためにこの新しいホールに集まった団員たちは、口々に「地図を使ってやってきました」と言ってくれたので、逆にこっちがうれしくなってしまいましたね。
 そんな地図を作った本人が言うのもなんですが、私は実はこの地図を使っては行っていませんでした。この路線に並行して走っている高速道路を使った方が、渋滞もなく早く着くのだ、という情報が寄せられていたので、実際にそこを通ってみたのですよ。確かに、それは地図の路線とは大幅に時間が短縮できるものでした。高速に入るまでの市内の渋滞があまりなければ、30分ぐらい早く着くことが出来ました。何よりも、途中の4号線バイパスの渋滞の影響を全く受けないのがいいですよね。帰りの夜道などは、本当にイライラするコースでしたからね
 ただ、ネックは高速料金。長町インターから南道路→東道路→常磐道経由で山元インターまでだと1080円もかかります。まあ、角田から交通費として2000円ほど支給されるので、それで1往復分はまかなえますが、角田には2日間通わなければいけませんから、それだけでは足りませんし。でも、やはり今日のように朝に行くときに使うのは、それだけ起きるのが遅くできますから、重宝しそうです。来年は、このコースも「かいほうげん」に載せることにしましょうか。
 新しいホールは、まだいろいろ新築物件特有のにおいがプンプンする建物でした。一応620人ほどのキャパなのですが、ステージが狭く、とても合唱とオーケストラは乗らないということで、合唱だけステージで、オーケストラは客席をどかした平土間で演奏することになりました。その分の座席が200ほど少なくなっています。
 こちらは本来の椅子の配置です(提供は仙台フィル)。
 そしてこちらが、きのうの同じホール内。平土間にあった椅子が、ステージの下に収納されています。
 こちらは今日の本番、前半のクリスマス・メドレーの写真です。このステージで降り番だったホルンのSさんにカメラを預けて撮っていただきました。もちろん、腕章も用意しましたが、うまい具合に母子室があったので、そんなものがなくても問題なく、たくさんの写真を撮ることが出来ましたよ。「第9」の方は、誰も降り番がいないので、写真はありません。
 今日のリハーサルで、寿一さんは仙台の新しい地下鉄の開業にひっかけて、「これから第1楽章を通しますが、途中で試運転が止まることがないようにしましょう」と、時事ネタで迫ります。全国ニュースでも取り上げられていたのでご存知かもしれませんが、開業日の前日の試運転で、運行トラブルが発生して、車両が止まってしまったことがあったのですよね。もう一つ、終楽章が終わった時に「『うちのごはん』にはならないように気をつけてください」と言ったのは、もちろん特定の人にしか分からないネタでした。お読みになっていたんですね。私は「やった!」とほくそえんでいました。
 これは今日のお弁当。とてもヘルシー。よく言えば(@寿一さん)メインがなく、主張の乏しいお弁当でした。「ずんだ」はあくまでおやつです。
Aventure Number : 2544 date : 2015/12/6


今日の禁断 キンピラ


 前回の「禁断」で角田の「第9」のことを書きましたが、結構演奏は疲れたし、高速を夜中に運転するというのも疲れたので、もうくたくたで気力がなくなっているところでの書き込みですから、いろいろ抜けてしまったところがありました。とりあえず「お弁当」については暖かい感想をいただいていますが、もう少し実のあるレポートを追加させてください。
 えずこホールでやっていた時には、オーケストラの控室は「平土間ホール」という広いところでした。そこに団員が全部と、合唱団も一緒に入っていました。ですから、お弁当などはみんなでにぎやかに食べられたのですが、着替えの時がちょっと大変でした。ちょっとしたものかげが着替え用のスペースになっているのですが、そこがとても狭いんですね。でも、今度の控室は男子は2階、女子は1階と別れ別れになっていました。
 こんな広い部屋を使わせてもらいましたし、女子に見られることもないので、着替えは広々としたところで出来ました。その部屋はホールの正面入り口を見下ろすことができるので、お客さんが集まってくる様子がよく見えます。もう1時間以上前から外で待っている人の列が出来ていましたね。それで、開演時間の前にロビーに入れてもらって、中で待っているようになっていたみたいです。
 その控室から舞台そでに集まることになるのですが、あのような配置になったので合唱団はステージの脇から入れますが、オーケストラはお客さんと同じ入り口から入場しなければなりません。当然、待っている間にそばをお客さんが通るということになるのですね。これって、かつての体育館時代と同じ感じでした。まあ、それなりにゆるい交流が見られるような状態ですから、そんなに悪いものではありません。おかげで、知り合いが聴きに来ていることが分かりましたし。
 いったいどんなチケットの売り方をしていたのかは分かりませんが、お客さんはピッタリ椅子の数だけ入っていましたね。本当に100%の入場者というやつです。スタッフが後ろに立っていて、遅れてきた人もしっかり空いた席に誘導していました。でも、オーケストラの位置はとても余裕がありました。これだったら、もっと間を詰めて一部の楽器をステージに乗せたら、もっとお客さんが入れるようになるような気がしましたね。ステージの上も合唱だけですからガラガラでしたし。まあ、これがこの会場での最初のコンサートですから、いろいろ試行錯誤もあるのでしょうね。来年はどうなっているのか、楽しみです。
 今年は、前半のステージも寿一さんが指揮をします。「第9」ではいつも燕尾を着てましたから、それでこのステージも振るのだろうと思ったら、なんと白いタキシードにワインレッドの蝶ネクタイとカマーバンド、それにクリスマスリースのようなポケットチーフという派手ないでたちで現れましたよ。実は、さっきの楽屋で、Wさんと「最近は白タキを着る人がいなくなったので、どこでも売ってない」という話をしていたばかりなのに、持っている人がいたんですね。
 これで客席を向いて指揮をしたりしていると、まるで山本直純みたいな感じですね。あちらは「赤タキ」でしたけど。さすがに、後半の「第9」ではきちんと「お色直し」をして燕尾でした。おしゃれですね。
 こんな写真をニューフィルのFacebookページにアップしたら、角田のスタッフの人が見つけてくれて、シェアしてくれました。さらに、あちらのサイトのブログにも使っていただいてます。こちらは最初からそのつもりで、合唱団のアップの写真も入れておいたので、役に立ててよかったです。 
 プログラムに子供合唱団の名簿がありましたが、最近はみんなこういう名前なんですね。「〇子」ちゃんや「△雄」くんなんて、一人もいません。
Aventure Number : 2545 date : 2015/12/8


今日の禁断 ダルマ


 今回の朝ドラ、先週の視聴率は27.2%ですってね。これって、すごくないですか?調べてみたら、あの「あまちゃん」でさえ平均は20%ちょっとだったようですからね。今回は確か20%を割った時すらなくて、徐々に数字が上がっていきましたね。どこまで伸びるのか、楽しみです。でも、「半沢直樹」の最終回は42.2%と言いますから、そこまでは無理でしょうね。いずれにしても、今回の朝ドラは最初から期待していましたから、この結果にはとても満足しています。なにしろ前回がひどすぎましたから。
 まず、主題歌がいいですよね。誰でも口ずさめる、ということは、「どこかで聴いたことがある」ということにつながるのですが、そんなヒット曲の王道を行く作り方によって、本当に近頃では珍しい「ちゃんと歌える」曲に仕上がっているのが、いいのではないでしょうか。Aメロは前にも書きましたが「あの素晴らしい愛をもう一度」がそのまんまですし、サビはよくあるG/D/Em/Bmというコード進行ですから、何もしなくても心に入ってきます。このコード進行はなんたってベートーヴェンの「エリーゼのために」ですからね(こちらはC/G/Am/Emですけど)。つまり、この大作曲家の作品の素材を使って最近ヒットしているのが、この「365日の紙飛行機」と、「うちのごはん」ということになるのですよ。
 この曲がカップリングになっているAKB48の最新シングルが出たということで、さっそくカーラジオから聴こえてきました。もちろんフル・バージョンですからテレビで流れているものよりは長くなっていますが、なんだかあちこちで違ったところがありましたね。特にさっきのサビの後半は全然違ってました。テレビサイズは、放送の尺に合わせて何小節かカットされているような感じでしたね。なんだか本末転倒のような気がしますが、もしかしたらさまざまな「大人の事情」によって、一部分を変えなければいけないような必要もあったのかもしれませんね。楽譜も出ているようですが、それはどちらのバージョンになっているのか、興味があります。
 ただ、主題歌はそんな感じでとても素晴らしいのですが、ドラマ本体の音楽はかなり低レベルのもののような気がします。いまどきそれはないだろうというようなやり方を平気で使っているので、聴いていて恥ずかしくなってしまうほどのところもあります。まあ、制作が大阪ですから、どうしてもそういうレベルになってしまうのでしょうね。恥ずかしいことをあえてやるというところが、あのあたりの人にはあるようで、そういうのには奥手の東北人にはなかなかついていけません。私の理想とするドラマのBGMは、それが音楽であることを気付かせないで、そのシーンの雰囲気を雄弁に語る、というものですが、これではそんな境地になることなどはあり得ません。シーンのバックで流れる音楽からは、それこそ口ずさめるようなメロディが聴こえてきたら、それは使い物にならないのではないか、と思っているのですが、どうでしょう。
 でも、ほんとにテレビや映画の世界では、そんなキャッチーなメロディ満載の音楽であふれかえっていますから、もう耳をふさぎたくなる思いです。こういう音楽を作っている人は、絶対に重大な勘違いを起こしています。もちろん、それらはサントラとしての二次使用まで考えて作られているのですから、そういう使われ方にも耐えるような「魅力ある」音楽を作りたいというのは分かりますが、それこそがさっきの「本末転倒」の最たるものなのではないか、と思うのですよ。少なくとも、私は音楽が聴きたくてドラマを見るわけではありませんから。
 ただ、そういうスタンスでドラマを見ていて、本当にシーンを助ける役割を十分に果たしている上に、音楽としてのインパクトが感じられるというものにも、ごくまれに出会えることがあります。最近では菅野祐悟の「MOZU」でしょうかね。そのスピンオフをWOWOWで見て、その思いを新たにしているところです。映画はまだ見てませんが。
Aventure Number : 2546 date : 2015/12/10


今日の禁断 ノダヤ


 ガソリンが安くなってますね。けさ、家の灯油を買いに行ったついでに入れたら、1リットル113円でした。そういえば、灯油の方も18リットルが1000円ちょっとでしたね。ずっとこんな感じで安値を続けてくれればいいのですが(夕方になったら、111円に下がってました)。それで、お天気も良かったのでちょっと遠くまでドライブと、仙台港まで行ってみました。最近は例の「アクセルホール」をニューフィルの練習で使うことはないので(もはや、音を出す団体には使えないようになってしまったのだそうです)、このあたりに来るのは久しぶり、目指すのはそのお隣の「夢メッセ」です。
 ここにはもう10年以上前に1回だけ来たことがありました。何か大きな展示会のようなもので、とにかくだだっ広い駐車場があったな、ぐらいの印象があったのですが、そこで、さるオーディオ店の展示会があるということで、それを覗いてみることにしたのです。試聴もできるということでしたから。とは言っても、あの大きな展示スペースでのオーディオの試聴会というのはいったいどういうものなのか、全く見当もつきません。
 ただ、駐車場はガラガラだったので、ちょっと拍子抜け、とりあえず建物に一番近いところに車を停めて中に入ったのですが、人はほとんどいません。大きな入口が3つあるというのは初めて知りましたが、そのうちの2つはシャッターが下りています。一番駐車場から遠くにあるところだけが開いていて、何やら大声が聴こえてきますから、それがオーディオの会場なのでしょうか。それにしては、ちょっと無神経なやかましいMCが中から聴こえてくるのが気になります。前まで行ってみると、それはなんだかアニメ関係の集会のようでした。ということは、いったいオーディオはどこでやっているのでしょう。案内にはたしかに「夢メッセみやぎ」と書いてあったはずなのに。
 そこで、館内の案内図を見てみると、この展示場のほかにもう一つ、小さな「会議棟」というのがあるのが分かりました。それは、確かにいったん外に出たところにありました。そうしたら、やはりそこにはちゃんと案内があって、どうやら2階がその会場のようでした。行ってみると、普通の小さな会議室を3つ使って、「試聴」を行っているようでしたね。な〜んだ、こんなもんでしたか。いっぺんにガックリとなってしまいましたよ。それこそ「オーディオ・フェア」のようなものを想像していたのに、こんなしょぼいものだったとは。
 一応、3つのうちの2つの部屋では、「ハイエンド・オーディオ」が試聴できるようになっていました。最初の部屋からはハイドンの「ひばり」が聴こえてきたので入ってみると、こんな感じでデモが行われていました。
 ドイツのハイエンドメーカーの「中程度」の製品だというのですが、最近の海外オーディオの情報には疎い私には聞いたことのない名前でした。せっかくだから、うしろにあったB&Wなんかを聴いてみたかったのですが、これしか聴けないようでした。スピーカーは真ん中の2ウェイのトールボーイです。私の今のHD800を中心にしたシステムと比べるのはちょっと無理ですが、「ハイエンド」と言われているスピーカーでもこんなものか、という感じでしたね。ハイドンはCDでしたが、そのあとにジャズヴォーカルのアナログ盤もかけてくれました。それも、やはり「こんなものか」という感じ、ペアで150万円というスピーカーでしたが、何の魅力も感じられませんでした。もう一つの部屋ではJBLを中心にしたセットでのデモでしたが、これもそんな印象でした。どうやら、私はオーディオに関してはもうこれ以上の投資はしなくてもいいのではということが分かったのが、収穫でした。それよりも、SACDやBD-Aにお金を使った方がよっぽどいいですね。実は、そういうハイレゾの情報を仕入れたかったのですが、そういうものは「ハイエンド」の世界ではまだそれほど重要ではないみたいですね。
 そういえば、この会場は5年前の津波で被害に遭っていたはずだと思って調べたら、たしかにこんなのがありました。
 車が突っ込んで粉々になったガラスもすっかり元通りになっていて、本当にあんなことがあったのかなんて全然わからないほどでした。「復旧」の後に待っていたのは「風化」だったのかも。
Aventure Number : 2547 date : 2015/12/12


今日の禁断 ゲルギエフ


 この週末は、たまったビデオを見て過ごしていました。まだ「ビデオを見る」というのは死語にはなってませんよね。「カメラを回す」とか「チンする」といった、今では実体が伴わない現象でも、昔同じことに使っていた言葉を流用するという美しい言い方は、残したいですね。逆に、絶対に広まってほしくない美しくない言い方ってのもありますね。最近では「軽減税率」というやつ。こういうといかにも「減税をする」みたいに感じてしまいますが、そんなことはなく、単に「増税をしない」というだけの話です。正しくは「据え置き税率」、だまされてはいけません。
 まず見たのが、最近のN響、ヤルヴィの就任記念コンサートで演奏していたマーラーの2番です。これはやはり映像で見たいもの。オケや合唱の配置とかバンダの出入りなど、様々な見どころがありますから楽しめます。まず、合唱は最初から入っていたのはよかったですね。というか、これが当たり前のやり方でしょう。途中で入るにしても、第1楽章(第1部)が終わったところ以外にはありえません。いつだったか、「原光」の前でドヤドヤ合唱とソリストが入ってくるという信じられないようなことが起きた現場に居合わせたことがありますが、そんなことを許した指揮者の見識を疑ってしまいます。いや、そうではなく、この曲で合唱が座って待っていられるようなコンサートホールがない街に住んでいることこそを恥じるべきなのかもしれません。
 それはともかく、合唱と言えばまずは版の違いですが、ここでは余計なものは一切加わらない形でしたね。キャプラン版での注釈を全て忠実に守った形、ということでしょうか。そして、そのキャプラン版では合唱は最初は座ったままで歌うようにも指定されていますが、それもここでは遵守されていましたね。それは最近では珍しくはないようですが、同時にソプラノ・ソロも座ったままだった、というのがとてもユニークでした。キャプラン版でもそこまでは言ってなかったはず、これはヤルヴィの指示だったのでしょうか。でも、これはとても効果的でしたね。ソリストが合唱のすぐ前だったら、もっと効果的だったのかもしれません。合唱が立つタイミングも、かなり最後近くでしたね。これも、確かキャプランの指定はなかったはずですから、指揮者の裁量に任されているのでしょう。
 バンダが終わって金管がステージに入ってくる場所は、本来の金管とは完全に別なところになっていましたね。都民響でこの曲を「見た」時(この時は、合唱は最初からステージにいました)には、ホルンの後ろに座っていましたが、こちらだと空間的な広がりが出るのでしょうか。もちろん、その時のように打楽器が出たり入ったりすることはありませんでした。
 それにしても、最近の日本のオーケストラは本当に上手になったな、と思います。この映像のN響も、アンサンブルは完璧、音もとてもきれいで、限りなく美しいと思えます。でも、それがものすごく物足りなくも思えてしまいます。この間すぐそばの席で聴いたミュンヘン・フィルの弦楽器などは、みんな全身の力を使って「暴れて」いるのに、このN響にはそれがないんですね。まあ、生と「ビデオ」とでは印象も違うのでしょうが。
 その、さっきの都民響を指揮していたのは、末廣さんでした。いつか、ニューフィルの末廣さんの指揮でこの曲をやりたいものですが、肝心のホールがないのですから、ちょっと無理ですね。
 その末廣さんとそっくりだと思っている小林薫が重要な役を演じている「誤断」というドラマが、今WOWOWで放送されています。この人、写真だとそんなに似ているような気はしないのですが、動いていると本当に似てますよ。ちょっとしたしぐさや表情がそっくりなんですね。そんなのに惹かれつつ見ていたら、たまっていた3回分を全部見終わっていましたよ。
Aventure Number : 2548 date : 2015/12/14


今日の禁断 ディキシー


 ミスチルの「盗作」事件が問題になってますね。正確にはミスチルが「盗作された」事件なのですが、最初にテレビのテロップを見た時には絶対に盗作をしたのはミスチルの方だと思ってしまいましたよ。後で歌詞だけを見た時も、それはどう読んでも演歌のテイストでしたからね。もっとも、ミスチルの歌詞なんかじっくり聞いたことなんかありませんでしたが。
 でも、ここまで似なくても、こういうポップスの歌詞の世界では、普通の生活ではまず使われないのに、なぜかよく使われるフレーズが非常に多くの作品の中に見られます。たとえば、「君と出合えた奇跡」みたいな言い方。誰が最初に使ったのかは分かりませんが、私が最初に聴いたのは「米米」でしたね。その時には非常に斬新な表現だと思って、この言い方には確かなオリジナリティを感じていました。しかし、それ以来本当にこのフレーズを他の人の曲で耳にすることが多くなりましたね。これほどの斬新な言葉が、そうなってくると俄然陳腐に思われてくるから不思議です。おそらく、「パクリ」の持つ弊害というのは、そのようにしてとてもショッキングだった言葉をごく平凡な言い方に感じられるものに変えてしまう、というところなのではないでしょうか。ですから、これを最初に使った人こそは、声を大にして「パクリ」を訴えるべきだと思うのですが、どうもそんな動きはなかったようですね。
 まあ、そんなもんですよ。今回のように演歌のサイドをまるで犯罪者のように扱って大騒ぎするのは、なにかなじめません。というか、なにか別の意図があるのでは、という思いしか浮かびません。
 もうすぐクリスマス、クリスマス・ソングの中にも、そんな「パクリ」の疑惑がもたれている曲がありますね。「ママがサンタにキスをした(I Saw Mommy Kissing Santa Claus)」は、「冬の星座」の元歌の「Mollie Darling」とそっくりのメロディですからね。実はこの曲は、先日の角田での「第9」の演奏会での前プロのクリスマス・メドレーにも使われていました。その中にある小林亜星の「あわてんぼうのサンタクロース」も、そのまんま「OB-LA-DI, OB-LA-DA」につなげられそうな感じですしね。
 そんな楽しい曲が最後に演奏されるコンサートが、今度の土曜日に行われます。ニューフィルがいつも使っている旭ヶ丘市民センターの主催行事で、会場はまさにその練習会場の4階の大ホールです。練習の時にはオーケストラだけでいっぱいになってしまうほどの大きさしかないホールに、お客さんを入れてコンサートを開くということですから、いったいどんな風にして演奏するのか分かりませんが、かなり狭いスペースになってしまうのでしょう。お客さんもそんなには入らないでしょうし、なにしろ入場無料で整理券すらありませんから、いったいどのぐらいの方が来られるのかも全く見当が付きません。団長あたりには「こっそり宣伝してください」という微妙なお願いがされていますし。でも、1時間程度の親しみやすい曲がたっぷりのコンサート、軽快なおしゃべりもあるはずですから、気軽にニューフィルを聴いてみたいという方はぜひいらっしゃってください。
 きのうと明日は、このコンサートのための練習です。クリスマスメドレーは角田でやったばかりですし、他の曲も最近の定期演奏会ですでに演奏したものですから、そんなに練習しなくても大丈夫なはずなのですが、出られない人がいたりして微妙にパートが変わったりしていますから、やはりそれなりの準備は必要です。私も本番では吹いたことのない「白鳥の湖」の2番フルートを吹かなければいけません。他の曲は1番とピッコロなので、曲が変わるたびに場所も移動しますし、けっこう大変です。さらに、録音・録画担当のWさんが出られないので、私が、ビデオは無理ですがせめて音だけでもと、レコーダーをセットすることになっています。それを頼まれた時、私は「じゃ、レコーダー回しときますね」と言ってしまいました。D-100にはどこにもモーターなんかついていないのに。いずれにしても、これが今年最後のステージです。
Aventure Number : 2549 date : 2015/12/16


今日の禁断 イクスカ


 仙台市の新しい地下鉄「東西線」にはまだ乗ったことがありません。というか、なんか東京の地下鉄のパクリみたいな名前なのがすごく気になってしまいます。でも、そんなことを言ったら、私が住んでいる「青葉区」というのも横浜市のパクリですからね。駅の名前や市町村には、絶対に同じ名前は付けないということになっているはずなのに、地下鉄の路線とかワンランク下がった区の名前だと同じものが許されるというのも、なんか変ですね。ですから、きちんと「みちのく東西線」とか「伊達青葉区」みたいにすれば、誰にも文句を付けられることはないのに(別の意味で文句が来るでしょうけど)。
 でも、こんな新しい線が出来たということで、今まで使われていたプリペイドカードがもうすぐ使えなくなって、ICカードにとってかわられるそうなのですね。ですから、そのICカードが最寄りの駅の券売機で買えるというので、試しに買ってみました。名前を登録するタイプの方がいいというので、それにしてみたのですが、本当に簡単に登録が出来てしまうんですね。ただ、ここで一つの疑問が湧いてきました。それは、電話番号を登録するところの画面です。
 電話番号の「入力例」というのが、東京の局番から始まっているじゃないですか。この券売機でICカードを買う人の中に、こういう市外局番の電話の人がいるとでも思っているのでしょうかね。仙台市の地下鉄なんですから、仙台市の市外局番を入れる人がほぼ全員だと思うのに、なぜ「03」なんでしょう。仙台市民をバカにしているとしか思えないんですけど。
 まあ、そんなつまらないことは無視して、この駅から歩いてすぐのところにあるイルミネーションでも見に行くことにしましょうか。毎年、このあたりの建材メーカーの駐車場では、とても大きなイルミネーションが飾られるようになっています。去年のはこんなんでした。
 そして、これが今年のです。さらにスケールアップしていますが、今まで使っていたパーツは、そのまま残してあるものもありますね。
 上手にある楽譜のモティーフは、去年は下手にあったやつですね。
 その下手が、今年はものすごいことになっていました。
 横には一面に魚が描かれています。今年開業した新しい水族館へのオマージュでしょうか。
 そして、正面にはこんな穴が開いています。と言っても、これが人が歩いて入れるほどの高さがある大きな穴、というか、トンネルですね。
 中はこんな感じ。これもおそらく水族館のトンネルをイメージしたものなのでしょう。とてもロマンティック。
 その先は行き止まりで、普通のお宅の玄関になっています。実は、これはこの会社の社長さんのお宅。ここの皆さんが、これを全部作っているのですね。その前には、そんな労をねぎらうようにプレゼントの山が。
 これを作っている最中の現場を見たことがありますが、ちゃんと建築用の足場を組んで制作を行っていましたね。職業柄、そのような方面には伝手があるのでしょう。こんな素敵なもので、これからもぜひ毎年楽しませていただきたいものです。
Aventure Number : 2550 date : 2015/12/18


今日の禁断 トナカイ


 きのうのクリスマスコンサートは、正式には「音楽の力で元気になろう 旭ヶ丘みんなのコンサート」という名前だったんですね。始まる前に館長さんのご挨拶があったのですが、それによると震災のあとに被災者に元気をもらっていただこうと始めたコンサートだそうで、今回が6回目になるのだそうです。今まではソロや小さなアンサンブルでしたが、初めてにフルオーケストラによるコンサートを開くことになって、呼ばれたのがニューフィルだったということでした。
 ただ、こういうお話は、我々、バックステージで待機しているメンバーには全然聞こえてきませんでした。私がレコーダーを持ち込んで、お客さんが入る前に録音をスタートして(「回し」始めて)そのまま終わるまで置いておいたのを、昨日帰ってきてからプレイバックして、やっとそのご挨拶を聴くことが出来ました。録音自体は非常にうまく行ったので、これを定期演奏会の録音担当のWさんにお渡ししますから、そのうちCDになってみんなも聴くことができるようになるはずです。
 一応9時半に集合して会場のセッティングということだったので、定刻通りに行ってみたら、もうすでに椅子や譜面台は全て並べ終わっていました。仕事が早いですね。そこで、レコーダーを置いておく場所を確保しようと思ったのですが、並べた客席の後ろがずいぶん空いてます。担当の方に聞いてみたら、何人来るかわからないのでとりあえず100席ちょっと並べて、もしそれ以上いらっしゃった時には後ろに立っていただくようにしてあるのだそうです。そんなんだったら最初からもっと椅子を出しておけばいいのに。倉庫の中を見てみたら、まだたくさん椅子はありましたからね。でも、とりあえず立ち見の人が来ても邪魔にならないように、最後列の椅子の間に三脚を立ててレコーダーをセットしておきました。
 そのうち、お客さんが入ってきたのですが、確かに開場した時にはそんなに人はいませんでした。その中に、ニューフィルを捨てて青森に行って現地のアマオケに入ってしまったBさんの姿を見つけました。そういえば、この前の定期の時も来てましたね。その時には急遽写真係をお願いしたのでしたが、これ幸いとまたカメラを預けることにしました。
 そのうち、だんだんお客さんも増えてきて、やはり椅子が足らないということで20脚ぐらい出して並べていましたね。そこで録音を始めて、私はみんなに合流、開演時間まで裏で待っています。
 「ご入場ください」という合図があったので入ってみると、確かにお客さんはいっぱいで、後ろに立っている人がいましたね。ただそれは1列ぐらいしかないので、ちょっと不思議だったのですが、あとできいたBさんの話では、さらに倉庫の中の椅子を全部出して、それでも足らないので受付で使っていた椅子も動員して並べたのだそうです。ですから、1列分しか立つスペースはなかったのですね。このあたりの椅子をあわてて並べる音も、ちゃんと入ってました。Bさんが撮った写真では、最後列に置いたはずのレコーダーが、こんな前に来てました(赤い矢印)。これだったら、サラウンドで録音できましたね。いやD-100では無理ですが。
 演奏は、Nさんのドライブ感あふれる指揮ぶりで、とてもサクサクとした気持ちのいい感じで吹けました。私は角田の時には最悪だったピッコロがまずまずの出来で、ほっとしています。さっきの録音を聴いてみたら、そういう印象は間違ってはいなかったようで、とても流れの良い素敵な演奏に仕上がっていましたね。そんな中で、角田の時に前プロで演奏したクリスマスメドレーが、結構面白く聴けました。この曲、本当はあちらの合唱団と子供合唱団が入って演奏するもので、オケは単なる伴奏なのですが、今回は合唱はいないのでそのパートをいろいろな楽器に置き換えて演奏しています。フルートパートは「赤鼻のトナカイ」の最初のAメロ、という指定で、合唱の譜面が渡されていました。それはユニゾンで歌うことになっていたのですが、せっかくなので、ピッコロがメロディ、フルートはハーモニーという「3声」に編曲してみました。私がこけたらさまにならないので、結構緊張しましたが、結果は上々、最後にフェイクを入れる余裕までありましたよ。聴いてみたいという方は、こちらにクリスマスメドレーだけをアップしてありますから、どうぞ。そのフルートパートの華麗なソリは4:04あたりから始まります。
 写真も、Bさんはたくさん撮ってくれました。その中の一部を、こちらはFacebookページにアップしてあります。ニューフィルの公式サイトから行けますから、こちらもどうぞ。
Aventure Number : 2551 date : 2015/12/20


今日の禁断 アラシ


 もう今年も今日を入れてあと10日になってしまいました。「年末進行」みたいなことをやっている出版関係の会社とかは、まだまだ徹夜の日々が続くことでしょう。哀れなことです。
 わたしも、言ってみればそんな「年末進行」っぽいことがないわけではありません。ブログのネタなどは、ある程度仕込んでおかないと休みになってからだとなかなか時間が取れなくなってしまいますからね。でも、職場の方では、そんなに無理をせずに決まったスケジュールで、しっかりと今年の予定はこなしています。この時期の最大のイベントが顧客向けのDMの発送ですが、それはもうきのうすべての作業が終わってしまいました。一番手間がかかるのが、袋詰めの作業なわけですが、これも毎年のことでしっかり手順が決まっていますから、時間さえあれば何ということはありません。
 そんなことを言ってみても、やはり1年たつとすっかり手順を忘れてしまっていますから、これが、今年の作業のテーブルですが、こんな風に最も効率よく仕事ができる配列にするまでには、結構時間がかかったりしてしまいました。やっていて、なんか手の動線が不自然なので、内容物の場所を変えたりして、やっと手が馴染む位置に落ち着くことになります。毎年そんなことをやっていたのでは効率が悪いので、この写真を職場の公式サイトに載せておきました。来年これを見れば、最初からこのもっとも効率の良い並びで仕事が始められることになります。
 実は、去年もやはりこれを写真に撮って、サイトにアップしていたことをすっかり忘れていました。ですから、来年もきっと、また同じことを繰り返すのではないでしょうか。
 この袋詰めが終わると、郵便局から発送することになります。これは去年から「ゆうメール」の特約契約を結んでいますから。かなり安く送ることができるようになりました。ただ、これは1年契約なので、毎年更新しなければいけません。それも、別にこちらでは何もしなくても、郵便局で新しい契約書を作って持ってくるだけですから、全然手間はかかりません。
 その、今年の契約書が出来たというので、去年とは別の担当者がやってきました。去年はたしか係長のおじさんでしたが、今年はなんと若い女の人ですよ。おそらくまだ20代、それでも「主任」という肩書でした。そういえば、近所の郵便局の局長さんもおばさんでしたから、結構この会社では女性が活躍しているみたいですね。
 「去年と同じ金額でお願いします」と言って差し出した契約書を見てみると、なぜか料金が前より1円だけ安くなっています。さなえさん(仮名)は全くそのことに気づかずに、「まったく去年と同じに作ったのですが」と不思議がっています。でも、もちろん、すでに稟議印が押してある契約書ですから、そのままの値段でやっていただけることになりました。かなりいい加減、というか、実はもっと安くても大丈夫なのかもしれませんね。来年にはもう1円下がっているかもしれません。
 発送は、郵便局まで行かなくても、しっかり集荷に来てくれます。そのときに、その金額で作った伝票に部数と金額を書いて、一緒に持って行ってもらい、そのあと部数を確認して集金に来る、という手筈です。ところが、集金に来た時に、「伝票が間違っていました」と言われてしまいました。普通郵便だと定型は25グラムまでなのですが、それは超えているので、非定型になってしまいます。ですから、非定型の金額で申請したのですが、よく見るとゆうメールの場合は50グラムまでが定型なんですね。そこで、料金がさらに10円安くなっていたのですよ。それこそこっちのミスなので、何も言われなければ分からなかったものを、ちゃんと「安い」ほうに訂正してくれるなんて、ちょっとこの会社を見直してしまいました。
Aventure Number : 2552 date : 2015/12/22


今日の禁断 パンツ


 今使っているiPhone6sは、前の5cに比べると写真が格段にきれいに撮れるようになっています。つまり、それは、普通のデジカメよりもはるかにきれいだということ、以前使っていたコンパクトデジカメなんかをはるかにしのぐ画質なんですよね。ですから、ミラーレスには及びませんが、普段に使うには十分です。
 ただ、これの欠点は、普通のデジタルカメラでは消すことのできるシャッター音を、どんなことをやっても消すことが出来ないということです。このシャッター音というのはかなりどぎついもので、ミラーレスで機械的に発生するシャッター音よりもでかい音ですから、ちょっと困ることもあります。盗撮しようとしても、あまりに音が大きいので、すぐに見つかってしまう・・・いえっ、そんなことは絶対にしませんからね。そうではなく、ちょっと静かなところで使うと、他の人が一斉にこちらの方を見る、ということが起こってしまうんですよ。この間、オーディオの展示会に行った時に、試聴室の様子を写真に撮ってきましたが、あれは1枚撮るのが精いっぱいでした。みんな静かにスピーカーに向かって真剣に聴いている時に、このシャッター音はかなり異質ですからしっかり目立ってしまうんですよね。
 それがとても残念だったので、何とか音を出さずに撮る方法を見つけたいとネットで調べると、やはり同じように思っている人はたくさんいたようで、「シャッター音を消す方法はありませんか?」というような質問がたくさん見つかりました。それに対する回答として、確かに何種類かの方法が提案されていましたね。一番簡単なのは、スピーカーの穴を指でふさぐ、というやり方です。確かに、これで少しは音が小さくなりますが、こういう「肉体的」はやり方はあまりスマートではありません。そして、一般的なのが音を消す専門のアプリを使うというものでした。でも、これだとせっかくきれいな画質が損なわれそうな感じなので(本当はどうなのかは、わかりません)パスさせていただきます。結局、単純に音だけを消す方法はないということになりました。
 ところが、その中に「6sだったら、何もしなくても音が消せる」というのがありました。確かに、これは分かります。最初に6sで写真を撮った時に、シャッター音が全くしないのに驚いたことが、実はあったのでした。これは6sから加わった「Live Photos」という機能で、そのモードで撮影すると静止画ではなく動画が取れるのですよ。たった3秒ですが。動画なので、当然シャッター音なんかはしません。ただ、撮影が終わった時の「コロン」という軽い音がしますが、これはシャッター音に比べたらとても小さいものですから、ほとんど無視できます。この機能のメリットはと言えば、撮った写真をプレスすると3秒間だけ動いて見える、というくだらないものです。でも、確かにシャッター音はなくなりますから、これは使えますね。
 ただ、これは要は静止画と動画を同時に保存することになるので、普通の倍以上のメモリーを食うことになります。たくさん撮ったるするとバカにできない量になるので、できればシャッター音だけは消せるけど、動画は保存しない、あるいは簡単に削除できれば、それに越したことはありません。もちろん、iTunesにつないでファイルを削除するという原始的な手もありますが、やはりもっとスマートなものは・・・と思って探したら、やはりそういうアプリがちゃんとありました。
 それは、「Lean」というアプリ。もちろん無料です。これを開くと、動画の付いた画像の一覧が出てきますから、それにチェックを入れてボタンを押せば、いっぺんで動画ファイルだけが削除されます。その時に「〇MBのファイルを削除しました」という表示も出てきます。これさえあれば、盗撮・・・ではなくて、例えば料理の写真なんかを周りの人に迷惑をかけずにバンバン撮ることが出来るようになるはずですよ。
Aventure Number : 2553 date : 2015/12/24


今日の禁断 フレーズ


 自宅のラップトップに使っているワイヤレス・マウスは、もう買ってから5年半使っていますが、最近とみに調子が悪くなっていました。まず、すぐに電池がなくなってしまうんですね。もう使えないほどになると赤いLEDが点くのですが、それが電池を替えて1か月も立っていないのに点いたりします。それと、電源を入れる時に、これは前からあったことなのですが、なかなか起動してくれないのですよ。何回も入⇔切を繰り返さないと電源が入らなかったり、最近では何もしないのに電源が切れてしまうこともあります。これはもうストレスの最たるもの、さらに、指が当たる部分の軟質塩ビのコーティングもはがれてきてますし、これはもう潮時だと思って新しいのを買ってきました。これはもう電源に関する問題はすっかり改善されていましたが、ホイールの音が全然しないというところが、さらにうれしいものでした。前のは、ホイールを回すと「ガリガリ」とすごい音を立てるので、あまり長いことスクロールをしていると自分でもうるさくなって、もう使いたくなくなってくるんですよね。新しいのはそんな心配は要りません。もう快適そのもの、もっと早く古いの(右)をクビにするんでした。
 クリスマス・イブの前の日、用事があったので泉の方に行ったら、もうずっと行ってなかったケーキ屋さんの看板が目に入りました。久しぶりにそこでケーキでも買ってみようかと車で向かうと、いつものこのシーズンのようにお店の前は車が列を作っていました。ちょっと離れたところにある駐車場に入るために待っているのですね。ちゃんと誘導員がいて整理しています。そこで少し待って車を停めて、懐かしいお店の中には行ってみると、昔よく食べたケーキがたくさん並んでいます。値段もそれほど上がっていない感じ。でも、昔はもっとおいしそうに見えたものが、なんだかちょっとダサく見えてしまいます。他の、もっと派手なケーキを見慣れているせいでしょうか。
 何個か買って車を出そうとすると、さっきの誘導員の人が、並んでいる車の向こう側から車がバンバン来ているというのに、そのまま外に出るように誘導しています。こういう時には、ちゃんと道路まで出て、やってくる車を停めるとかしないととても危険です。ですから、その誘導員に向かって、そのようにしてくれと言ったら、「私はそこまでは・・・」とか、わけのわからないことを言ってます。そんな、入り口で道路の状況も見ないでただ指示をするだけでは、誘導員としての最低の責務を果たしていないことになりますね。こういう人こそ、クビにすべきです。というか、アベという人が「一億総活躍」とか言ってますが、こんな誘導員には絶対「活躍」なんかして欲しくありません。
 そのケーキは、やっぱり昔食べたものとはずいぶん味が落ちてました。そこで、テレビでやっていて、場所だけが「高森」ということしか覚えていなかった、最近できたばかりのケーキ屋さんを探しに、その泉の「高森」あたりをさまよってみました。ネットで検索すると、そのあたりのケーキ屋さんはそんなになかったので、最初に行ったところで、どうやらそのテレビで見たのと同じ店のような気がしました。
 小さなお店ですが、とてもセンスの良いフレッシュな内装、さっきの、ちょっとくたびれたお店とは全然違います。ケーキも見るからにおいしそう。みんな食べたくなります。
 そのケーキを食べる前に、まず箱がしゃれているところが気に入りました。普通のケーキ箱とは、フタの形が違ってます。すっぽりかぶせるような形ですね。
 ただ、フタを開けても、箱のサイドが開かないので、ちょっと中身を取り出しにくそう…と思ったら、
 そのサイドにこんな文字が印字されてました。
 それで引っ張ってみると、こんな風に横が開きました。
 こんなにスマートに開くなんて。
 あ、もちろん、ケーキもとてもおいしかったですよ。
Aventure Number : 2554 date : 2015/12/26


今日の禁断 ランジェリー


 年末の最終週、スーパーあたりでは、数々のおせちのパックがのさばっています。
 とは言ってもまだ連休には突入していないところもたくさんあるので、いわゆる「平日にはランチをご用意しています」というお店ではギリギリランチが食べられるはず、と思って、なかなか平日には稲荷小路までは出てくることがないで、そこにある「おでんの三吉」に行ってみました。このお店は勤務先の知り合いで、マスターはそちらの関係ではよく存じ上げているのですが、まだ実際にお店に伺ったことがありませんから、一度は客として行ってみたかったんですよね。最近ではこのお店はタウン誌などでやたらと露出がありますし、そんなところに載っているおでんの写真が、とてもおいしそうですから。
 一応、ランチをやっているかどうか確かめようと、早めにお店の前に行ってみると、なんだかすでに従業員が中にいるような雰囲気、表に貼ってある案内にも別に特別のことは書いてなかったので、安心して他の用事を済ませてから、また来てみることにしました。まだ開店にはかなり時間がありましたから。
 その用事のために青葉通りの方まで歩いていくと、その途中のお店にこんな垂れ幕がありました。
 一番町と中央通が交差するというとても重要なところにお店を構える老舗の女性洋品店が、ついに閉店するというのですね。なんでも、ここは江戸時代から続いている由緒ある商店だったそうで、今でもその向かいにある「藤崎」とともに仙台の商店街のランドマークとなっているお店ではありませんか。これはよくあるように、改装のために一時閉店するのではなく、完全な「廃業」なのだそうです。そのようなお店の代表格であった「森天祐堂」もだいぶ前になくなってしまって、今は高級ブランド店にとって替わられてしまっていますが、ここもそんな風に「中央」のお店に変わってしまうのでしょうか。ちょっとさびしいですね。でも、私にとってはそれだけの感慨しかありませんからね。このお店で主に扱っているような商品には、何の関心もありませんから。念のため。
 そういえば、そんな風に時代の流れでいつの間にか消えてしまったものの中に「ポコちゃん」というのがありますね。もしかしたらまだ残っているのかもしれませんが、「ペコちゃん」とともに洋菓子メーカーのマスコットキャラクターだったこの男の子は、もはや商品のパッケージなどには登場してはいないのではないでしょうか。初期の主力商品である「ミルキー」も、かつては箱の表はペコちゃん、裏はポコちゃんだったような記憶があるのですが。そして、目の部分が透明のプラスティックスで出来ていて、その中に「黒目」が入っているんですよね。箱を動かすと、その目が動いて楽しめるという、何ともイージーな仕掛けでした。
 最近、そのお菓子屋さんのケースの中に、こんな名前のケーキが入っているのを目にしました。
 これはもちろん、「資本主義」の「資本」を、「シフォンケーキ」の「シフォン」と置き換えたものですよね。こんなベタなネーミング、とっくの昔に誰かがやっていると思ったのですが、誰も「パクリだ」とか騒がないところを見ると、これが初めての試みだったのでしょうか。とても意外です。
 用事を済ませて「おでん三吉」に戻ってみると、新しい張り紙があって、そこには「本年のランチは終了しました。再開は1月6日です」という非情な文字が並んでいましたよ。残念、私がここのランチにありつけるのは、来年以降になってしまいました。
Aventure Number : 2555 date : 2015/12/28


今日の禁断 マーラー


 いよいよ今年最後の「禁断」です。きのうになってやっと「AUツリー」だけは見ることが出来ましたが、「光のページェント」はまともに見れないまま、今年も終わりそうです。
 この「AUツリー」は、今年が12回目なんですってね。それで、今までのツリーの写真が下にズラッと並んでました。確かに、それぞれその時に写真を撮っていた記憶がよみがえってきました。「ページェント」は毎年同じデザインですが、こちらはいろいろ変わるので、また違った楽しみがありますね。

 ということで、今年の私の「本番」を振り返ってみることにしましょうか。
  • 3月20日(金):モーツァルトの「レクイエム」
    今年最初のコンサートは合唱でした。いまいち実体の分からない主催者でしたが、とにかくイタリアから来た指揮者とオーケストラ(なかなかいいオケでした)と外国人のソリストに日本人のソリストというところに、東北大混声のOBを中心として合唱団が参加するというものでした。彼らとはその前にヴェルディの「レクイエム」を歌ってましたから、その縁で私も一緒に混ぜてもらいました。私にとってはこの曲は2回目、かなり馴染んで歌えました。
  • 4月26日(日):ニューフィルスプリングコンサート
    こんなタイトルでしたが、実質的には定期演奏会。カウントを1個少なくするためのでっち上げなんですけどね。でも、ニューフィルが普段やらないような有名な曲をてんこ盛りの演奏会は、盛り上がりましたね。なお、こういう趣旨のコンサートなので、ニューフィル史上初めてのキャッチコピーを付けましたが、なかなか好評でしたので、続く定期演奏会でもキャッチを付けるような流れが出来始めています。
  • 7月20日(月・祝):杜の都合奏団「メンデルスゾーン」
    去年の同じ日にデビューした、新しい室内オケの3回目の演奏会です。2回目は弦楽器だけだったので出番はありませんでしたが、ここではメンデルスゾーンの1番と4番、それにヴァイオリン協奏曲がプログラムだったので、全乗りでした。4番とヴァイオリン協奏曲でトップを吹いています。正直、これだけの分量を数回のリハーサルだけで仕上げるのは大変、必死でさらいました。
  • 8月29日(土):ニューフィルアンサンブル大会
    今年から新たに始まったニューフィルの団内行事です。主にパート内のアンサンブルが集まって、それぞれかなりがっちりとした曲を演奏していました。私はフルートパート4人のアンサンブル、ちょうどアルトフルートが手元にあったので、アルト+フルート3本の編成でドビュッシーの「小組曲」をやりました。
  • 10月17日(土):ニューフィル定期
    「60回記念」ということで、ショスタコーヴィチの交響曲第7番という大曲に挑戦です。めったにやらない曲ですから、これが仙台初演になったのだそうです。とにかくいろんな面で勉強になりました。この時のキャッチも好評でしたね。きのうの「おやぢの部屋」で書いたハイレゾ録音というのは、この時のもの。まだこの時のデータ(96/24PCM)がウェブ上にありますから、ダウンロードしてみたい方はご連絡ください。
  • 12月6日(日):角田「第9」
    角田市に新しくできたホールでの初めての演奏でした。ちょっとマンネリ気味だったこの年中行事も、これを機会に新しい展開を見せてくれそうな予感です。
  • 12月19日(土):旭ヶ丘クリスマスコンサート
    いつも練習に使わせてもらっている市民センターさんからの依頼によるコンサート。春の定期でのストックがあったので、演奏自体は楽でした。これも録音してありますが、音が恐ろしくデッド、やはりこのホールは練習だけにしておいた方がよさそうです。
 来年は、その気になれば参加できた合唱の機会がいくつかありましたが、いずれも予定がタイトで実現していません。オーケストラでは、少なくとも4回の演奏会が決まっています。まだまだ頑張ります。みなさま、よいお年を。
Aventure Number : 2556 date : 2015/12/30


今日の禁断 ヤルヴィ


 あけましておめでとうございます。
 朝目を覚ましたら、なんだか外が明るいので障子を開けてみると、まさに山影から初日が昇りはじめたところでした。ベランダから初日の出を見れるなんて、なんだか得をした気分。しばらくするとすっかり空が曇って雪まで降ってきましたからね。
 そんな感じで始まった新しい年ですが、また一つ年を重ねて自分の技能をより高めるとともに、あくなき好奇心をますます働かせて、その結果を形にしていきたいと思っています。と、わざわざ普段書かないようなことを書いたのは、今まではそういうことは全然意識せずに出来ていたものが、だんだんはっきりとした意志を持ってやらないと進められないようになってきたものですから。これが年を取るということなのならば、それに合わせて気持ちをシフトさせていく必要がある、と、思い始めているところです。
 きのうは、「紅白」の裏番組でN響の「第9」をやっていたので、こちらを録画しつつ、断片的に見ていました。久しぶりに目にした「倍管」によるベートーヴェンは、なかなかのものでした。フルートパートなどではそれにピッコロが加わって「5管」になっていましたからね。合唱も200人以上の音大生の集まりでしたから、声は若いし迫力がありましたね。男声もたくさんいましたし。
 その「第9」と言えば、つい最近地元の別のオーケストラでの演奏を聴いたばかりでした。その時にちょっと違和感があった部分があったので、それを確かめるために別の演奏も見て、いや、聴いてみたかったものですから。それは、合唱のドイツ語の発音。仙台の合唱団の人たちは、一様にかなり「モダン」な発音で歌っていました。どういうことかというと、「Freude, schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium」という歌詞を、カタカナで表すと「フロイデ、シェーナー ゲッターフンケン、トホター アウス エリーズィウム」と歌っていたのです。要は、「er」という部分を、英語のように「アー」とまっすぐにのばしていたのですね。私などが以前歌った時には、ドイツで長いこと勉強してきた合唱指揮の方は、この部分は「エる(巻き舌)」と発音しろ、と口を酸っぱくしていましたから、みんな必死でなれない巻き舌に挑戦していたものですから、これがあまりに間の抜けたイージーな歌い方に聴こえてしまいました。ですから、それから何年も経っていませんが、今の「第9」の業界ではこういうスマートな発音が主流になっているのかな、と思って、それなら世界最先端の指揮者が指揮をしているN響ではどんな歌い方をしているのか、聴いてみたかったのですよ。
 その合唱団は、何事もなかったかのように、私が歌っていたような発音で歌っていましたね。やはりこの方が落ち着きますし、自然です。なんたってこれはベートーヴェンの音楽なのですから、仙台のような英語風の発音はなじみません。というか、英語でさえまっすぐに「アー」と伸ばすようなことはなく、語尾にかすかに「る」っぽいものが入るのが正しい発音のはずですからね。正直、仙台の合唱団の発音は、外国の言葉ではなく、ただの「日本語」にしか聴こえません。それもかなり幼稚な。
 そんな風に、今年も数々の揚げ足取りがここには登場するはずです。俎上に上った方々には、今のうちからお詫びを申し上げておきます。なにとぞご寛容を。
Aventure Number : 2557 date : 2016/1/1


今日の禁断 ダサイ


 今年のお正月には、WOWOWでは見たい映画をたくさん放送してくれています。ついこの間見たばかりの「マエストロ!」なども、元日にやっていましたね。これはすでに見ているので即BDに焼いて保存です。それに続いてやっていたのが、待望の「舟を編む」でした。もうだいぶ前の映画のような気がしていたのでとっくに放送されたものを見逃していたとずっと思っていたのですが、これが初オンエアでした。ふつうは公開されてから1年以内には見られるはずで、「デビクロくん」が丸1年経って放送された時には「やっと」と思ったぐらいですが、これは公開されてから足掛け3年ですからね。
 もちろん、これは最近原作を読んで、その時に映画化されていたことを知ってずっと見たいと思っていたわけです。なんたって「マジメくん」役が松田龍平だというのですから、これ以上のキャスティングはありません。ただ、「カグヤちゃん」が宮崎あおいだというのが、一抹の不安を抱かせます。
 台本は、基本的に原作に忠実な流れは大切にしていましたが、細かいところで原作にはなかったエピソードを付け加えたり、多少の変化を加えたりして、よりエンターテインメント性を増しているような気がしました。というか、原作を読んだのもだいぶ前でほとんど忘れてましたし、映画があまりに自然な流れなので、そんなに変わってはいないような気が、最初はしていたのですね。でも、もう一度、必要があって全編を早送りで見直しているうちに、なんだかこれは原作にはなかったな、と思えるようなところが出てきました。
 なぜ見直したかというと、エンドクレジットでキャストが出てきたときに、そこに又吉先生の名前があったからです。一瞬、え、又吉なんていた?状態になってしまいましたよ。あれだけ目立つ人ですから出てくれば間違いなく分かるはずなのに、もしかしたら髪を切って登場していたのかな、とか考えてしまいました。いろいろ考えてみると、そんな見落とすような役だと辞書作りの最後のところで出てくる学生アルバイトあたりしかいないのではないか、ということになったので、そのあたりまでインデックスで飛ばして、早送りで見てみたのですが、どう考えてもその人たちの中にはいません。そうなると、インデックスに頼らず、全部早送りして探すしかありませんよ。
 そうしたら、ついに見つかりました。こんな役で出ていたんですね、という感じ。原作では「赤シャツさん」と呼ばれるだけで名前も付けられていない、表紙のデザイナーでした。映画ではちゃんと「戸川」という名前をもらっていますが、原作を尊重して衣装は赤いシャツでしたね。これ、確かに最初にも見ていたシーンでしたが、全く気が付きませんでした。
 映画で変わっていたところはかなりたくさんありました。でも、それぞれの変更はとても納得のいくものでした。というか、原作はもっぱら辞書作りの過程を丹念に描いていて、それ以外のところではそれほど熱心な描写はないような感じなのですよね。マジメのラブレターにしても、確かにあんな手紙を書くような気はしますが、なんか「作り物」のような気がして少し違和感があったものを、映画ではとても上手な方法で、よりお互いの気持ちの機微が分かるようになっていました。しかし、それはあくまで台本上でのこと、それを実際に言葉にしていた宮崎あおいの演技は、正直がっかりしてしまいました。そもそも、最初に登場した時から、私が描いていたイメージは見事に裏切られていたのですが、この部分でその不信感は決定的なものになってしまいましたよ。私の個人的な好みとしては、この役はぜひ榮倉奈々にやってもらいたかった。
 それから、西岡さん(マジメの先輩社員、びおら弾きではありません)が「酔った勢いでプロポーズする」というシーンも確か原作にはなかったはず。これが見事にストーリーの本筋とリンクしていたのは、すごいですね。 
Aventure Number : 2558 date : 2016/1/3


今日の禁断 ペンダント


 そして(と言われても、サイトの「禁断」だけを見ている人には何の事だかわからないでしょうが)、「娚の一生」も無事BDに保存することが出来ました。いやあ、とても素敵な映画でしたね。何よりも、ロケ地がとても豊かな自然の中で、心が洗われるようなシーンが満載でした。お祭りのシーンなどは、なにかのオマージュといった感じでした。
 そんな現世から隔絶されたようなところで展開される年の差ラブストーリー、榮倉奈々は、かなり陰のある主人公を見事に演じていました。この人、いつの間にかとても幅の広い演技ができるようになっていたんですね。もうこうなると「大女優」じゃないですか。わたし的にはここまで成長してくれなくても、ただかわいいだけでよかったのですがね。もちろん、ここまで立派になってくれたんですから、何も言うことはありません。
 正直、この映画での彼女を見ていると、「かわいい」とか「美しい」と言った対象ではなく、もっと深いところでの魅力が発散されているのではないでしょうか。つまり、ただ美しいだけの人には絶対にできないような表情で、魅力を伝えてくれるのですね。こういうタイプの人は、年をとってもその魅力が衰えることはないのではないでしょうか。
 映像とともに、素晴らしいと思ったのが音楽です。よくある、演技の稚拙さを音楽によって助けてしょうもないシーンを感動的なものに仕上げる、というようなことはなく、あるのかないのかわからないほどにほんわかと存在している、というたたずまいがとても心地よかったですね。でも、残念なことに、最後のシーンになったらヴォーカルが思い切りかぶってきて、それまでのここでの音楽の在り方が全否定されてしまいました。もしかしたら、それまでの音楽はただの気まぐれで、別に狙ったものではなかったのかもしれませんね。やはり、この世界では音楽に関してはまだまだ「勘違い」が横行しています。
 もう一つ残念だったのは、最初に彼女が自転車を運転していた時に、道路の右側を走っていたことです。この映画が公開された時点で、それは立派な違反行為、こういうところに無神経なのは、許せません。あと、榮倉奈々にタバコは喫わせてほしくなかったですね。
 あと、「離婚が成立したから結婚しよう」と言いにやってきた不倫相手が、向井理だったのは笑えますね。なんたって、そのあと、この二人はテレビドラマで夫婦になるのですからね。ま、そういう見方は「反則」ですけどね。
 ドラマと言えば、嵐の二宮くんが主演の「坊っちゃん」も、CGなどはすごかったですね。でも、松山の中学生が標準語をしゃべっているのは絶対にまずいのでは。「『なめし』と『なもし』はちがうぞなもし」というセリフが、この小説のキーワードなのに。
 そんな楽しいお正月も終わって、いつもの仕事や練習が始まりました。職場ではこの時期大量に送られてきた会費納入の振替用紙の集計が待っているのですが、何回やっても金額が合いません。毎年やっていてこんなことはなかったので、明日もう1回最初からチェックをし直すつもりです。その差額がわずかだったとしても、それを払った人にとっては重大なことですからね。
 ニューフィルも、ブルックナーをほぼ初見に近い状態で合奏です。一応1回はやっていたのに、その間にクリスマスコンサートが入ったので、もうすっかり忘れていたみたいですね。もう、これがニューフィルか、と思えるほどのひどさでしたが、これがあと2か月もするとしっかりした形になるのですから、すごいですね。そんな仕上がりの様子をつぶさに味わえるのが、アマチュアの面白さです。
Aventure Number : 2559 date : 2016/1/5


今日の禁断 バルトーク


 去年の年末も押し迫ったころに亡くなったのが、クルト・マズアでした。とても喪中のあいさつを出す余裕もなかったでしょうに、年賀状はどうしたのだろうと、意味のない心配をしたものです。そうしたら、年を越したとたんに今度はピエール・ブーレーズが亡くなったというではありませんか。こういうのって、続くんですよね。職業柄、そういう事例をよく見ているものですから。そういえば、ニコラウス・アーノンクールも亡くなったでしたっけ?えっ、まだ?そうでしたっけ。まああの人は「引退」ですから、ミュージシャンとしての命は失った、ということですね。
 ブーレーズは、もう作曲家としても指揮者としても、確実に一つの時代を作った人でしたね。ですから、一音楽愛好家として、私も彼とは何らかの形でかかわっていたということになります。そんな、最初の「ブーレーズ体験」は、「春の祭典」を初めて録音した時のものでしょうか。なんか、「この曲のイメージを一新した」というような言い方で、日本中が大騒ぎしていたことを思い出します。もちろん、大騒ぎしていたのはほんのわずかなクラシック・ファンだけだったのでしょうが。それが、1963年に当時のフランス国立放送管弦楽団を指揮した録音です。それはその時には「コンサートホール」からリリースされたもので、ちょっと手に入りにくいものでしたが、後に日本コロムビアから出たのを聴いたような気がします(そのあたり、現物ももう手元にないので曖昧です)。ですから、先に聴いたのは1969年にクリーヴランド管弦楽団と録音した米コロムビア盤でしたね。これは、なんたってジャケットデザインが秀逸でした。これもLPはもう手放してしまったので、後にCDを見た時には、そのしょぼさにがっかりしてしまいました。
 そのころ、ブーレーズは初めて来日していましたね。1967年の「大阪バイロイト」でした。このイヴェントは今でも鮮烈に覚えています。とは言っても、実際に大阪まで見に行ったわけではなく、送られてきた大阪国際フェスティバルの案内を見ただけで、その豪華さに打ちのめされていたんですけどね。今となっては決して「天才」ではなかったことが明らかになってしまったヴィーラント・ワーグナーのバイロイトでの演出をそのまま、メインキャスト(ビルギット・ニルソンとかヴォルフガング・ヴィントガッセンとかハンス・ホッターとか)とともに大阪にもってくるというのですからね(オーケストラだけ、なぜかN響)。その時に「トリスタン」の指揮をしていたのがブーレーズでした。なんでブーレーズがワーグナー?とその時は思ったのですが、それからしばらく経つとパトリス・シェローの演出とともに新たなバイロイトの姿を作った立役者となるのですからね。
 大阪にこそ行けませんでしたが、実際に「生」でブーレーズの指揮を見たことはありました。それは1974年のニューヨーク・フィルの来日公演。NHKホールで「春の祭典」を、かなり後ろの席で聴いたのですが、とても解像度の高い、まるでレコードのようなサウンドが聴こえてきたことだけは鮮明に覚えてています。その時には、なんとバーンスタインも一緒に来ていました。その数日前に、バーンスタインが指揮をしたマーラーの5番を、モーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振りの後に聴いたのも、かなり強烈な印象でしたね。今でこそほとんどなくなりましたが、このころの外国のオーケストラはこんな風に指揮者が2人で来ることも珍しくありませんでした。ウィーン・フィルもベームとムーティが一緒に来てましたしね。
 作曲家としてのブーレーズは、正直ほとんど縁がありません。ただ、一応フルートとピアノのための「ソナチネ」だけは楽譜を持ってます。
 音の方は、とにかく大変、これはスコアではなくパート譜。小節ごとに拍子が変わりますし、ピアノの譜面もそのまま一緒でないと、到底「合わせる」ことはできません(いや、もちろん、実際に「合わせた」ことなんてあるわけないです)。
 ただ、一応ブーレーズの追悼ということで久しぶりにこれを吹いてみたら、なんだか少しは吹けるようになっていましたね。自分の楽器から「ブーレーズの音楽」らしきものが聴こえてきたのですから、なかなかいい気持になれましたよ。これを初演したのはガッツェローニだったのでしょうが、ニコレが録音したLPがあったので聴いてみたら、高音のフラッターなんて結構いい加減でしたね。でも、いくら一人では吹けても、絶対にピアノとは合わせられないだろうな、と改めて思いました。
 篠崎さんが、FacebookにLAPの副指揮者時代のブーレーズ体験をお書きになってましたね。そんなすごい方が、もうすぐニューフィルを振りにやってきます。
Aventure Number : 2560 date : 2016/1/7

16/1/9-16/2/15