2421(15/4/8)-2440(15/5/14)

今日の禁断 エソテリック


 この前書いた「アベノミクス」ではありませんが、こういうおかしな言葉を何とか正当化しようと躍起になっている人というのは確かにいるものです。というか、かつてはおかしかった言葉でも、何度も繰り返し使われているうちに、人々はそれを「おかしい」と感じなくなってくる、ということが言葉の世界にはあるようです。例えば、「痴漢」という言葉(いえ、別に「アベノミクス」と「痴漢」の間に何か意味を持たせようという下心は全くありませんからねっ)。
 私の言語感覚では、「痴漢」というのは「女性にみだらなことを行う男」という意味でした。この「漢」には「男」という意味がありますから、そういう意味で使われている言葉は、「悪漢」とか「巨漢」、「熱血漢」など、たくさんあります。それぞれ「悪い男」、「巨大な男」、「血が熱い男」という、そのまんまの意味ですね。
 ところが、最近ではテレビなどで頻繁に「痴漢をする」とか「痴漢される」という言い方を耳にします。本来は「男」だったものが、その男の「行為」にまで意味が広がっているのですね。実際、WIKIなどではしっかりそういう意味であることになっていますから、もしかしたら国語辞典ですでに「そういう意味でも使われる」と書かれているものがあるかもしれませんね。まあ、そんな風にいい加減なものが「言葉」なのですから、別にそれに反対することはあまり意味がないのでしょうが、「痴漢」だけは許せません!(2つの意味が込められています)
 あとは、「意味」ではありませんがちょっと気になっているのが「ぴーえむにてんご」という言い方ですね。もちろん、中国からやってくる大気汚染物質の「PM2.5」のことなのですが、これは普通は「ぴーえむにいてんご」と言いません?確かに「2」は「に」ですが、我々日本人は小数点の前に来る数では「にいてんご」、「ごおてんご」のように「にい」とか「ごお」と長くして2音節になるように発音しているのですね。なぜそうなのかはわかりませんが、みんなこれに慣れているので、誰もあえてその理由を知ろうとは思いません。ですから、そこにいきなり「にてんご」とやられると、かなり戸惑ってしまうのですね。
 別の数字だと「4」に関しても厳密な使い分けがあります。これは「し」と「よん(よ)」という2通りの読みがありますが、次に数詞が来るときにはまず「よん(よ)」と読まれるはずです。「4人」、「4番」、「4円」など、「4人」を「しにん」などと読んだら別の意味になってしまいますし。
 というわけで、この間買い取ってもらうために送ったCDの査定が完了したという連絡が届いたのですが、そこには「14万円」とありましたから「じゅうよんまんえん」と読むことになります。そうなんですよ。なにしろ、買った時に5万円だったSACDボックスを10万円で買い取ってくれたんですからね。そのほかにも、同じメーカーの限定販売だった1枚もののSACDも、軒並み買った時以上の価格で買い取られていましたよ。前にも書きましたが、これらのものは別のメーカーからやはりSACDやBD-Aで出ているものですから、私にとっては何の価値もありません。それがほとんど「投資」みたいに高値で転売されたのですから、「まるもうけ」ですね。
 要は、この世界でも「骨董品」がしっかり幅を利かせているということなのでしょう。これらのSACDに高値が付くのは、決してその音が飛びぬけてよいからではなく、販売されたものが少ないために希少価値が付いた、というだけのことなのですね。特にこのボックスについてこんなことが分かってからは、このメーカーのすべてのSACDに対して疑問を抱かざるを得ないようになっていましたから、もう、こんな高値が付くのはただの骨董品だからだ、と確信できるようになりました。
 10万円で買い取られたこのボックスは、なんと16万円で販売されるのだそうです。そんなものを買った人は、きっと聴きもしないで床の間にでも飾っておくのでしょうね。いや、なまじ聴いてがっかりするよりも、その方がずっとその人にとっては幸せなはずです。
Aventure Number : 2421 date : 2015/4/8


今日の禁断 クレメンティ


 ニューフィルの演奏会まであと2週間ですね。ここにきてFacebookでイベント招待を行った人から、参加される旨の連絡が入るようになってきました。おそらく、これを始めてから最高の申し込みになりそうな予感です。もちろん、「エイプリル・フール」で書いたように、マジでプレイガイドからは追加注文が来てますから、間違いなく今度の演奏会はたくさんのお客さんがいらっしゃることになるはずです。ですから、落ち着いて席を確保できるように、少し早めに会場にいらっしゃることをお勧めします。
 その時にお渡しするプログラムの制作も、快調に進んでいるようです。表紙を除いたページはほとんど完成しているみたいで、ゲラのPDFが送られてきましたからね。
 実は、そのプログラムに載せる曲目解説を、前もって団員に読んでもらおうと、本番の1週間前の指揮者練習の時に発行する予定で、その解説を掲載した新しい「かいほうげん」を準備しているところです。その解説、半分は私が書いたので原稿は手元にありますが、もう半分は別の人の担当なので、印刷担当のOさんにお願いして送ってもらいました。そうしたら、その量がハンパじゃありません。私のは3000字ぐらいだったのに、そっちは優に4000字を超えていましたからね。しかも、それを読んでみると、私の原稿の内容にも少し関係しているようなことが書いてあるではありませんか。私は、できるだけ簡素に仕上げるためにそういう細かいことは大幅にカットして仕上げたのですが、こちらにそういうことが書かれてあると、私の方もそれに対応したものがないことには、全体がちょっと間抜けなものになってしまいます。そこで、そんなことを含めて、原稿を少し書き直すことにして、その追加分をOさんに送りました。ちょっと長めですが、Oさんのスキルをもってすれば、それは楽々収まるはずですから。
 しかし、どうやらそれはあまりに無理な注文だったようで、「とても収まらないので1/3ぐらいに減らしてください」という、涙交じりのお願いが返ってきましたよ。実際の割り付けも送られてきましたが、確かに、もうパンパンに入れてもまだはみ出している、という感じでしたね。なんか、こういうのって、新聞記事の校正をやっている現場みたいでスリリングですね(そんなのを「出禁の女」でやってましたっけ)。
 私が担当したのは2曲なのですが、そうなるともう1曲の方も少し直したくなってきました。せっかくだから、その「魔笛序曲」に関するとっておきのネタを入れてみたくなったのですよ。ご存知かもしれませんが、この曲のテーマは別の作曲家のピアノソナタの最初のテーマをそのままパクったものなんですよね。
 そのことを加えて原稿を送ったついでに、Oさんにこの曲の音源が聴けるサイトを教えてあげました。そうしたら、Oさんもすっかりハマってしまったようで、「このURLをプログラムに載せましょうよ」と言い出しましたよ。さっき届いたゲラには、もうしっかりQRコードが印刷されていましたよ。ですから、スマホやケータイをプログラムにかざすと、この楽譜の2段目ぐらいまでがその場で聴けるようになります。ただ、これは会場の人が一斉にやりだしたら、かなりうるさいでしょうね。「ここでは聴かないでください」みたいな注意書きが必要かも。
 「かいほうげん」には、そんな最新の原稿を載せることが出来ました。そのほかに来年春の指揮者の篠崎さんの今までの写真などをまとめて2ページ分作ったりしたら、私が最初から作らなければいけない部分はほとんど完成してしまいました。あとは、お願いしている団員からの原稿さえ届けば完成です。
Aventure Number : 2422 date : 2015/4/10


今日の禁断 メトロポリタン


 3月30日の「禁断」に書いたことですが、今度の演奏会でのレパートリー「カルメン」の中の「カルタの三重唱」という、オペラの中では第3幕で歌われる曲では、楽譜によって歌手が歌うパートが異なっています。指揮者はギロー版を使っていたので、ソリストが楽譜と違うところを歌っていたので、そんなことに初めて気が付いたのですね。もちろん私もそんなことになっているなんて全然知りませんでしたから、その後いろんな楽譜を調べて、確かにギロー版とアルコア版とでは全く違っていることを確認しました。こんなこと、実際に自分で演奏しない限り一生気が付かなかったでしょうね。いや、今回はたまたまソリストが入ったからそんなことが分かったので、普通にオケだけの組曲版を演奏していたのではなおさらわからないことでした。
 その時に、プログラムに載せる対訳も歌手が歌っているアルコア版と同じものにしておかなければいけないと、例のOさんにはすでに送ってあった対訳の原稿の、配役が違っているところは連絡しておきました。完成したゲラは、そこがきちんと直ったものだったのは、もちろんのことです。そこに、指揮者から、ソリストたちと打ち合わせをする機会があるので、プログラムの原稿を見せてほしいという連絡があったそうです。ですから、もう出来ていたそのゲラを送ってもらいました。まあ、私にとっては「答え合わせ」のようなものですね。きっと、100点満点で帰ってくることでしょう。
 きのう、その「採点結果」が届きました。それによると、「ほぼ、この通りでOKだが、○○を直せばより正確」ということなのだそうです。1か所ダメを押されてしまいました。そこを見てみると、直した部分ではきちんと登場人物のフラスキータとメルセデスが別の行になっていたのに、その○○というところでは、名前がフラスキータ、メルセデスと並んでいるところに、それぞれの歌詞が横に並べて書かれていたのですね。そういう風に名前が並んでいるところでは、二人が一緒に同じ歌詞を歌っていて別に直すことはないので、そこもそうだと思って見過ごしていたのですね。残念!でも、これで間違っていたところをきちんと直すことが出来ましたから、完璧な対訳が出来ましたよ。ということは、なかなか世間では見かけない、「アルコア版に忠実な対訳」が完成したことになります。
 つまり、楽譜では6/8に変わった後に出てくるその二人のそれぞれのソロが
 アルコア版ではこういう感じになっているのですよね。フラスキータは若い恋人が出来て、メルセデスはお金持ちの老人から結婚を望まれるといううまい話です。その結果。
 となるのですよね。ここが、直す前は名前が逆になっていました。
 これが、この対訳の元の資料だったカラヤン版(ギロー版)のCDの対訳では、
 このように、その「予言の主」が逆になっています。しかも、アルコア版で演奏しているはずのラトル盤の対訳でも、
 このように、ギロー版と同じですね。そして、「アルコア版を元にした」そうで、内容には定評のあるはずの音楽之友社の「オペラ対訳ライブラリー」でも、やはりギロー版のようになっている上に、上のあとの方の歌詞が今度はアルコア版という、不思議なことになっています。
 ほんとうに、日本のレコード会社や音楽出版社ではまともな対訳ひとつ作れないのだな、とがっかりしたところに、1972年に録音されたバーンスタイン盤のリマスターSACDが届きました。それはアルコア版なのですが、この対訳では
 と「正しく」なっていましたよ。
Aventure Number : 2423 date : 2015/4/12


今日の禁断 ドラマ


 なんだか暖かいんだか寒いんだかわからないような日が続いていますね。お彼岸のころにはかなり暖かかったので、もう暖かい飲み物はいらないだろうと、自販機の「ホット」を終売にしてしまったのですが、昨日あたりはとても肌寒かったので、ぜひ暖かいコーヒーが飲みたかった、という人がいたりしましたね。まさかこんなに寒くなるとは思いませんでしたし、お彼岸が終わっても自販機で暖かい飲み物を買う人がいるとも思わなかったので変えてしまったのですが、やはりまだ「ホット」の需要はあったのでした。ですから、少しぐらい暖かくなってもしばらくは「ホット」を続けておけばいいではないか、と思われるかもしれませんが、そういうわけにもいかない事情がありまして。つまり、あまり知られてはいないのでしょうが、缶コーヒーなどは「ホット」にすると賞味期限がとても短くなってしまいます。それは、温め始めてから2週間以内に飲まなければならない、という基準です。正直、缶コーヒーのホットなどは、お彼岸が過ぎれば1本も売れない日が何日も続きます。下手をすると、その賞味期限中には売れないで残ってしまう商品がたくさん出てきてしまうのですね。そういうものは結局廃棄してしまいますから、それよりは潔く「ホット」の販売をやめてしまう方が、売る方としてはありがたいのですよ。もっとも、買う方にしてみればそんな事情は関係のないことなんですけどね。難しいものです。
 それでも、季節は確実に変わっていきます。職場の桜も、南に面した坂に沿って生えているものは、1週間ほど前にほぼ満開となっていました。
 今日あたりは北側の桜が満開、そして、この間ヤドリギがあることが確認された枝垂桜は、いつも通りまだまだ満開には程遠い咲き具合です。こんな風に、タイムラグを取りながら咲いたり散ったりしていますから、長い間楽しむことができますよ。
 そして、中庭と竹藪の間の湿地には、今年もミズバショウが咲きました。なんだか、少し数が増えたような気がしますね。
 こういう季節になれば、ニューフィルの本番も間近です。当日お客さんに配るプログラムも、いろいろ手直しがありましたが、ほぼ完成品が出来たので、関係者は最後のチェックです。私が見た限りでは、2か所ほど直したらいいのでは、というのが見つかりました。こういうものは、探せば探すほど何か見つかるもので、永遠に完成などできないのでは、と思ってしまうことがありますね。実は私が作っている「かいほうげん」も山場を迎えているのですが、やはりいくら見直しても何かしら直したいところが出てきてしまいます。でも、こちらは明日中にはすべて原稿が揃うはずですから、土曜日の発行予定はきちんと守られることでしょう。
 プログラムの方ですが、私のプログラムノーツのオマケとして、作曲家が別の人の作品から借用した音源を、QRコードを通して聴けるようにしてみました。ただ、前に書いたように、これだと音が出てくるので、演奏中に使われたりしたらちょっとまずいことになってしまいます。そうしたら、例の印刷担当のOさんは、こんな「警告文」を付けてくれました。うん、これだったら大丈夫でしょう。
 この演奏会のチケットは、先日のエイプリル・フールのネタのせいでしょうか、さらに売れ行きを伸ばしている状態になっているようです。プレイガイドからはさらに追加の要請が来ているのだそうですが、逆にあまり売れてしまうと当日券で入ろうとしている人が買えなくなってしまう事態も考えられるようなところまで行っているのだとか。痛し痒しですね。
 こんなにチケットが売れているのは、チラシにあったキャッチコピーのせいだ、とOさんは自画自賛していましたね。確かに、あのコピーは秀逸です。さすが、プロの仕事。
Aventure Number : 2424 date : 2015/4/14


今日の禁断 ラプソディ


 「かいほうげん」作りは予定通りに印刷用のファイルが完成して、明日印刷が終われば無事に終了することになります。いつものことですが、間近になって新鮮なネタが飛び込んできたりしますから、最後まで緊張は抜けません。今回もそういうことがありました。きのうFacebookを見ていたら、去年の秋にニューフィルと共演していただいたピアニストのヤスィンスキイさんのCDがリリースされた、というようなリンクがありました。とうとう発売されたのですね。去年の3月に録音が行われたことは彼のFacebookで知っていましたから、もしかしたら10月の演奏会までにCDが出来上がって、会場で即売、サイン会なんかがやれたらいいな、なんて思っていましたが、それはなかったようでした。そして、今頃、もうすっかりCDのことを忘れていたころにこんなニュースですから、驚いてしまいました。
 演奏会の時には、このCDに録音した曲の中からアンコールで演奏してくれました。おそらく、誰も聴いたことのないヨーゼフ・ホフマンの「マズルカ」ですが、このCDはそのホフマンの作品集、世界初録音のものも含めていろいろな作品が収録されているようです。実は、打ち上げの時にこの録音のことを彼に聞いてみたのですが、「マイクをたくさん使っていて、客席にもマイクがあった」というようなことを言ってましたね。確かに、録音会場の写真を見てみると、客席もついたスタジオには異様なほどにたくさんのマイクがありました。ですから、おそらく録音はサラウンド仕様で行われたのではないでしょうかね。録音したのはNAXOSだということですので、もしかしたらサラウンドの再生もできるBD-Aかな、とも思っていたのですが、製品は普通のCDでした。というか、レーベルもNAXOSではなく、「GRAND PIANO」という聞いたことのない名前です。調べたら、これはNAXOSのサブレーベルのようで、2012年からCDをリリースしている新しいレーベルのようでした。そして、このCDもそうですが、ジャケットのデザインがなかなか渋くて、全部同じ画家が描いているものなのだそうです。ほかのジャケットを見てみると、やはりこんな風に物憂げに歩いている人物がモティーフになっているようですね。
 このリンクでは、発売は5月12日となっていますが、日本では少し遅れて5月26日に発売になるようです。その代理店のインフォが載っているショップのページを見てみると、ヤスィンスキイさんの日本語表記が、「アルテム・ヤシンスキー」というなんか平べったい言い方になっていましたね。まあ、「ヤシンスキー」は許容範囲ですが、「アルテム」といったそのまんまのローマ字読みは、ちょっとまずいのではないでしょうかね。仙台でのコンクールの時の正式表記では「アルテョム」という、ちょっとどんなふうに発音していいのかわからないようなものでしたが、一応ニューフィルではそれをそのまま使いました。リハーサルの時には、指揮者はほとんど「アルチョム」みたいに発音していましたから、まあそんな感じなのでしょうが、少なくとも「アルテム」では絶対にないでしょうね。まあ、このインフォも日本のナクソスが作ったものですから、最初からあてにできないのは当然です。
 この情報をニューフィルのFacebookページにアップしたら、なんとヤスィンスキイさんご自身がシェアしてくれましたね。コメントが "My CD is now in Japan avaliable!" ですって。ですから、これを最新の「かいほうげん」に載せない手はありません。幸い、出来上がっていた最後のページ(左)で画像を1つ外せばそこにきれいに収まりましたね(真ん中)。
 これも、なんだかインパクトに欠けると思えてきたので、少し目立つようにしてみました(右)。これで、ニューフィルの人たちはみんな買ってくれるでしょう。一括購入すれば安くなるとか。
Aventure Number : 2425 date : 2015/4/16


今日の禁断 レニングラード


 ニューフィルのスプリング・コンサートの本番まであと1週間となりました。今日と明日はその最後の指揮者練習です。そのための楽器運搬の当番が、今日は木管になっていました。これは、4階にある楽器倉庫から楽器を運び出してエレベーターに乗せ1階までおろし、それをトラックに積むという作業です。そういう楽器である打楽器とコントラバスのメンバーだけでは人手が足らないので、毎回ほかのパートを順番に当番にしてそのお手伝いをやる、というシステムがニューフィルにはあるのですが、それが木管だったということです。まあ、全員行くこともないので(そうすると、逆に多すぎて邪魔だったりします)時間が空いている人が行くようにすれば、大体ちょうどいいぐらいの人数が集まっているようですね。今日はフルートの人がだれも行けないということだったので、久しぶりに私が行ってみることにしました。
 今日は家には私しかいなかったので、午前中は原稿を書いたりBDのダビングをしたりして(「あまちゃん」が、1枚分たまりました)、早めにお昼を食べてから旭ヶ丘に向かったら、もう作業が始まっていて、エレベーターを待っていたらいきなり中から楽器が飛び出してきましたよ。まだ、約束の時間の前なのに、こんな風に早めに集まって仕事を始めるのがニューフィルの人たちです。
 無事に積み込みが終わったので、私は駐車場の割引を受けるために下のスーパーに行って買い物をしました。何か買えば、駐車料金が1時間分タダになるんですよね。そうしたら、最近セブン系のスーパーで買ったのとよく似たかりんとうを見つけました。それも、このスーパーのプライベート・ブランドで、製造しているところが「東京カリント」という同じ会社だったので、それを買ってみました。102円のお買いもので、駐車料金100円の割引です。
 左が「駐車場」、右が「セブン」です。
 同じ「東京カリント」(社名が「かりんとう」ではなく「カリント」というのが、いいですね)で作っているので、てっきり同じものをパッケージだけ変えて売っているのだと思ったのですが、成分表示を見ると微妙に違っていますね。
 外見も、かなり違います。なんか、「セブン」の方が小ぶりです。味も、かなり違っていました。「セブン」はいろいろな味がじわじわとしみだしてくるちょっと繊細な感じですが、「駐車場」の方は砂糖の味ばっかりが目立って、ちょっと粗野な感じです。ただ、食べたときのインパクトは、そんな粗野な方が食べ甲斐があるように思えるのが不思議です。シロート受けする味ということなのでしょうか。
 今日はとてもあたたくて、楽器を運ぶ時にはコートを着てると暑いぐらいでした。会場の広瀬文化センターに着いた時にも、かなりの暑さだったので、そのコートは車に置いておきます。ところが、ホールの中はそんな暖かさとはうらはらに、完全に冷え切っていました。もう寒いのなんのって。楽器はすぐ冷えてしまうし、あまり寒いので演奏に集中できません。そんな中で、指揮者の寿一さんは薄手の半そでTシャツ1枚ですから、若いですね。
 今日の練習では、本番通りの曲順で全部通してみました。確かにこれは本番に向けてのとてもいいシミュレーションになりましたね。私の「カルメン」の場合は、何の脈絡もなくばらばらの順序になっていますから、それをきっちり頭に入れて、次の曲のための切り替えを行う必要がありますが、そのあたりの気持ちの持ち方が分かってきました。なんだか、最後まで気が抜けないままで終わってしまいそう。
 練習の後、次の秋の演奏会のパート決めをするために2階のロビーに行ったら、こんなポスターがありました。
 今年も「田んぼアート」の季節が始まるんですね。
 あ、「び」さまからプレゼント(青森のお土産)をいただきました。
Aventure Number : 2426 date : 2015/4/18


今日の禁断 フォアグラ
 

 今日は、昨日に続いてニューフィルの指揮者練習なのに、それを休んで東京に行ってきました。目的地は東京国際フォーラムです。そこに10時までには行ってなければいけないので、朝は5時に起きて東京に向かいます。仙台駅はいつの間にかエントランスの天井がすっかりきれいになっていましたね。
 少し早目に着いたので、ビュー・アルッテに寄ってポイントをスイカに替えておこうと思いました。ところが、南口にそれがあったはずなのに、いつの間にかその周りのATMと一緒になくなっているではありませんか。
 ついこの間も使ったばかりだというのに、いつの間に廃止になったのでしょう。
 と思ったら、さっきの矢印の先にちゃんとありました。なんか屋根の改装が終わったと思ったら、今度は別のところで大規模な改修が行われていたのですね。そもそも、新幹線の改札口の場所が変わっていましたし。
 新幹線で東京まで行って、そのまま地下道を歩いていくと国際フォーラムに出ます。というか、改札を出たところで階段を上っていくと、こんな空間が広がっていたのでびっくりしてしまいました。実は、私はここに来るのは初めて、いろいろ写真などでは見ていたものが、実際にそこに行ってみると全く別のイメージだったのに驚いてしまったのですね。つまり、ネットの画像や地図などを見ても、このガラス張りの建物とホールとの関係がいまいち具体的に理解できていなかったのですね。こんな風にそこが屋外だったなんて。そこには、フリマでしょうか、ほとんどガラクタと変わらないものを勝手気ままに売っている人が群がっていましたね。なんだか、スラムみたい。ここが、もう少しすると、やはりガラクタのようなコンサートの会場になるんですよね。
 その「ホールA」に張り付くように、目的地がありました。結婚式場ですね。最初ここでやるといわれた時には、全くイメージできなかったものが、実際そこにはあったのです。
 確かに、中に入ってみると式場のチャペルはあるし、宴会場はあるし、もちろん待合室や着替えの場所もあるという紛れもない結婚式場でした。スタッフもやたら洗練されていて、披露宴では飲み物がなくなるとすぐに同じものを継ぎ足してくれるほどの気配りです。狭いなりにも効果的な配置がなされていて、思いがけない演出ができるようにもなっていましたね。
 チャペルでは、バージンロードにキャンドルが立ててありました。私が写真を取ろうと思ってうっかりしてそれを倒してしまったので、もしかしたら火が消えてしまったのでは、と心配していたら、横になっても火は消えず、スタッフがこともなげに元通りに直してしまいました。そんなことはあり得ないので、近くのキャンドルを上から覗き込んでみると、
 そこには炎なんかはなく、不規則に動く白い板に、LEDの光が当たってさも炎が揺れているように見えるだけだったのですよ。いやあ、こんなものが作られていたとは。
 ただ、その式ではソプラノとバリトンの歌手が生歌を歌っていたのですが、ヘンデルの「Lascia Ch'io Pianga」を歌っていたのはちょっと、という気がします。もっとすごいのは「Amazing Grace」。これがお葬式の場面で歌われるのはよくドラマなどでありますけどね。
 この並びに、レストランもあるのですが、その外側にはレッド・カーペットが敷かれていて、やがてここで「フラワー・シャワー」が行われることになるのですね。
 そのチャペルとさっきの入り口の間にレストランがあって、その外にレッド・カーペットが敷いてありました。ここで、式の後にフラワー・シャワーが行われることになるのでした。
 そこから奥まったところにあるのが、あの「ホールA」です。あんなだだっ広いところで音楽を聴こうとは全く思いませんが、さっきのガラクタ・コンサートのメイン会場ですから、なんか「威厳」のようなものを感じますね。文字通り、それは「狂った」威厳なのでしょうが。
Aventure Number : 2427 date : 2015/4/19


今日の禁断 ビデオ


 本番前の最後の団内練習となった今日は、ごくあっさりと全体を通すことに終始していました。曲順にやっていったので、最初の序曲は2番なので楽勝、次の「カルメン」もとりあえずヤバそうなところを思い切り注意しながら吹いたら、うまい具合に出来たので、まあこのコンディションを本番までに保つことが出来れば、まず大丈夫でしょう。最近は、この段階でうまくいっていれば本番もうまくいく、というジンクスみたいのが出来ていますから、そういうことにして自己暗示をかける、というのが一番の過ごし方です。あとは、本番で変な緊張さえしなければ何とかなるでしょう。
 ただ、お客さんがそれこそ会場が満員になるぐらいに押し寄せたりしたら、ちょっと緊張してしまうかもしれませんね。なんせ、普段はスカスカのところで演奏するのに慣れていますから、急に立ち見のお客さんなんかがいたりすると、どうなることやら。
 それに関しては、先週会場の県民会館でまたチケットがなくなってしまったというので、さらに10枚追加しておいたものが、今日問い合わせてみたらすでに7枚が売れてしまっているというのですから、相変わらずすごい売れ行きが続いています。ただ、おとといの指揮者練習の時に最後の売り上げ調査を行って正確な数字を出してみると、まあ普通に当日券を売っても大丈夫だろうという見通しが立ったのだそうです。ですから、プレイガイドで入手できなかったという方でも、当日窓口で購入することが出来そうですので、少し早目にいらしてみてくださいね。
 あと、ちょっと不安なのが、当日の衣装ですね。この間買ったタキシードで、晴れて人前に立つことになるのですが、なんせ生まれて初めて着るタキシードですから、それが精神的にどんな影響を及ぼすのか、全く予測が付かないのですよ。まあ、演奏が始まれば何を着ているのかなんてすっかり忘れて吹くことに集中できるはずなのですがね。でも、例えば本番前に誰かから服装について何かを言われたとすると、それが頭の片隅に残ってしまっている、なんてことがないとも限りません。どうか、なるべく服装に関してはコメントは控えてくださるようにお願いします。なんて言っておきながら、私自身はスケスケのドレスを新調したなんていう人に対しては、冷やかしたりするのでしょうけどね。
 ところで、おとといの結婚式では、いろいろと新しいことが盛り込まれていましたね。ほんとに、この業界は常に新しいアイディアを持ち込んで「進化」しているようですね。つまり、ほんの数か月前にやった結婚式でも十分驚かされることがあったのに、今回はその驚きをさらに更新するようなこともあったのですからね。この会場は式が終わると一旦建物の外、というか、広場に出ることになるのですが、そこでまず参列者全員の集合写真を撮ることになりました。ふつうはひな壇のようなものが用意されて、そこに出席者が立つのでしょうが、ここではなんとカメラマンが脚立の上に立っていました。その上から、下にいる人々を撮るのですね。こちらは上にいるカメラマンに向かって手を振ったりさせられるのですね。
 披露宴でのケーキカットの後の「ファースト・バイト」にはもう慣れましたが、今回はそのパターンが、先に兄弟夫婦がまず食べさせあう、というのになっていましたね。正直、私はこのイベントはあまり好きではありません。口の周りにべったりクリームが付いているのを見せられると、気分が悪くなってしまいます。それと、キャンドルサービスで、それぞれのテーブルの一つのキャンドルに点けた火を、隣の人に順に回していく、というのは、うちでもやってなかなかだな、と思っていましたが、今回は、最後にそれを全員で吹き消してくれ、と言われましたね。「キャンドル・ブロウ」というのだそうですで、これもそれなりの意味があるのだそうですが、ちょっとなじめないイベントでしたね。
Aventure Number : 2428 date : 2015/4/21


今日の禁断 パティシエ


 今までになかったことですが、今回のコンサートでは手持ちのチケットがほぼ完売してしまいました。実は、いつも来ていただいている方にチケットを送ったところ、一人の方から「東京に転勤になったので、残念ですがうかがえません」というお手紙が届きました。いっしょにチケットを送り返していただいただけではなく、菓子折りまで一緒に送っていただいたのには、恐縮してしまいましたよ。いつぞやは「切手」なども送っていただいて、この場を借りてお礼を言わせてください(って、見てないでしょうね)。その、返していただいた分がなかったら、受付に置いておくチケットを用意することが出来なくなっていたところでした。
 そんなわけですから、今度の日曜日にはまず間違いなく1000人以上のお客さんは入ることは確実になりました。下手をすれば(いや、うまくいけば)1500人の「満席御礼」も夢ではありません。くれぐれもお早めに会場にいらしてくださいね。それと、お席に着いた時には荷物は膝の上に置いて、間を空けずに座るようにしてくださいね。いるんですよね。隣の席に荷物を置いて平然としているおばはんが。
 ところで、「あまちゃん」の再放送が始まってもう3週目となりました。もうだいぶ前からあの時間帯は、BSでまず7時15分から再放送の朝ドラをみて、そのあと7時半からはその時の朝ドラの最初の放送を見る、というのが習慣となっています。でも、今までは再放送の分は、一応前に見たことがあるのでそんなに熱心に見ることはありませんでした。なにしろ朝は忙しいですから、洗濯や食器洗いをまず優先、暇が見つかればこの再放送をチラ見して、その時の方はきちんと時間を作って見るようにしていました。
 でも、今シーズンは、まずは「あまちゃん」をきちんと見るために、少し早目に起きて、その時間には家事が入らないようにスケジュールを変更してあります。そしてきっちり「あまちゃん」を見て、それに続いて新しいやつもきちんと見る、という日々が続いていたのです。いやあ、その「あまちゃん」は、最初に放送された時には第1回目からインパクトがあったのでずっとしっかり見ていたはずなのに、再放送では見落としていたところ、というか、その時には気が付かなかったようなことがいっぱい見つかりましたね。もちろん、これは全部録画中ですから、ちょっと気を抜いてまた見逃してしまったところでも、すぐに確認できますからね。つまり、そのぐらいしっかり向き合って見ても、全く隙がなく作られていることが改めてよくわかるのですよ。キャストもすべて完璧、もうどの人が欠けても成り立たないぐらいの、それぞれの役割と関わり合いがきっちり出来上がっていたのですね。
 そんな、まさに完璧さに打ちのめされる至福の15分を過ごした後に、今の朝ドラを見ることになるのです。もうこれは不運としか言いようがないのですが、もうこれはどこをとってみても「あまちゃん」の比ではないのですね。まあ、このところの朝ドラは結構高いレベルのものが続いていたので、いつかはまた元の低レベルのものが出てきてもおかしくないとは思っていたのですが、今回がまさにそれでした。私にとって最悪の朝ドラは「天花」ですが、今回は、それに「劣るとも勝らない」ひどさではないでしょうか。とにかく、キャストたちのキャラクター設定がいい加減すぎるのですよね。彼ら、彼女らがいったい何を目指して生きているのか、全くわからないのですよ。もちろん、脚本も行き当たりばったりで、先が見えてくることはありません。さらに最悪なのが音楽。まあ、今のドラマでは役者の演技をカバーするために少し大げさに音楽を付けてシーンを成立させるというのはよくあることですが、これはもう音楽だけが独り歩きしていて、ドラマとは完全に無関係な存在になっています。というか、音楽を作った人はこれがドラマのための音楽であるという自覚が全くなく、ひたすら自分の作った音楽だけを他人に聴かせて満足感に浸っているとしか思えないのですよ。
 ですから、もうおとといあたりから、今回の朝ドラは見捨てることに決めました。朝の貴重な15分をこんなものに費やすなんて、耐えられません。
Aventure Number : 2429 date : 2015/4/23


今日の禁断 デビー


 今年はタケノコの「裏」の年だ、なんてテレビで言っていましたね。いつもの年よりタケノコが不作になる年が定期的にあって、それを「裏」というのだそうです。まあ、そういうことがあるというのは今までの体験で知っていましたから、別に驚きもしませんでしたが、そんなことには無関係に今年の職場のタケノコは順調に生育しているようですよ。
 これは、月曜日に撮った写真ですが、例年よりかなり早く顔を出し始めています。それで、これを掘ってさっそくあく抜きしてみたら、
 こんなにいい形のタケノコでした。早い時期に採れたタケノコは、こんな風にずんぐりしていますが、だんだん伸びてくるともっと縦長になっていくものです。それが、もう次の日になったらあちこちに出始めていて、掘っても掘ってもまだまだ生えてくるという状態が続くようになりました。もうこうなると「裏」でも何でもなく、まさに「豊作」の時のパターンですね。
 ですから、もうこういうんだったら、例年の「タケノコ掘りたいかい?」も開催できそうな気がしてきたので、まあやれるかやれないかはわかりませんが、一応常連さんに予定を聞いてみて、5月3日に開催することにしました。なにしろ今年は桜の開花と同じように早めに進行しているので、もうこの日あたりでは遅すぎる(確か、去年も同じ日にやっていました)かもしれませんが、まあ生えすぎるタケノコの除去をお手伝いする、といった感じで時間のある方はご参加ください。5月3日の午後3時スタート、場所は東昌寺の竹藪です。場所が分からない方は、お問い合わせください。
 それは、来週の週末ですが、今週の週末のイベントがいよいよ明日となりました。そのための前日リハーサルが、今回は会場が取れなかったので本番会場の県民会館ではなく、若林の文化センターで行われました。私にとっては、これは非常に大切な練習となります。なにしろ、前半の「カルメン」でそのカルメンを歌う人はこの日が初めての合わせですからね。「ハバネラ」などではフルートがもろにユニゾンでソリストのバックを吹くので、歌い方の癖を盗んできっちり合わせなければいけません。そんなこと、私にできるのでしょうか。さらに、有名な「間奏曲」では最初にハープだけの伴奏でソロを吹かなければいけませんが、そのハープもやはりこの日が最初に参加なんですよね。そのハーピストさんはなかなかおっかない人で、うまく吹けないとどやしつかれそうな感じがするぐらいですから、果たしてきっちり合奏ができるかどうかも、本当に心配でした。
 ですから、もう今日は練習に行かずにどっかに逃げ出したいような気分でしたね。でも、今更そんなことを言ってももうどうしようもないので、とにかく早めに行って準備だけはしっかりやっておきましょう。そうしたら、カルメンの方はなんだかとても気さくな方、体型もジェーン・ビンガム(「私はラブ・リーガル」というドラマの主人公)みたいな感じで、とてもチャーミングでしたから、一安心です。前もっての練習では、思い切りルバートをかけることを想定してかなりくさく作っていたのに、いざ本人と合わせてみるとかなりすっきりした歌い方で(その代わり、表情はとても豊か)、変に作らなくてもしっかり合わせることができるようでした。
 ハープの方は、まず心配だったのがピッチです。始まりのE♭の音は、ちょっと面倒な音で、コントロールしにくく低めになってしまいがちなのですが、これも普段の練習で、イントロをハープの代わりに弦楽器が演奏しているところにソロが入っていくと、あまりにピッチが違うので、もう嫌になってしまうほどです。私の音程はこんなに悪かったのか、と、チューナー相手にかなりきっちり調整しても、次の練習ではやはり全然合わないんですよね。ですから、これをあのハーピストでやったら、さぞやあちらは不愉快だろうなあ、と、本当に心配でした。でも、今日初めて合わせてみたら、もうなんてことはなく、ピッタリ合っていましたね。何も悩むことなんかなかったんですよ。うちの弦のピッチが悪かったんでしょう。これで、明日はのびのび演奏できそうです。
Aventure Number : 2430 date : 2015/4/25


今日の禁断 ノンブレス


 ニューフィルのスプリングコンサートは、無事終了しました。
 たびたび今回の入場者数はいつになく多くなりそうだ、というデータが入ってきて、とても期待ができる状態だったのですが、それは、開場の直前には、県民会館の入り口から、そのブロックをほぼ半周するぐらいまでの行列が出来ていたことで、現実のものであることを知らされるのでした。
 その列に並ぶ人はとめどもなく押し寄せ、開場になって列が動き出した時点で、お隣のパチンコ屋の国分町に面した角にまで伸びていましたよ。これは、限りなく満席に近い時のパターンですね。
 予想通り、ホールの客席は3階席までほぼ満席という状態でした。前の隅にいくらか空席がありますが、ステージの席に座ると、そこは弦の人たちの陰になって見えなくなりますから、目の前は完全な満席状態が広がっています。これは気持ちいいものですね。
 そんなにお客さんがいると、不思議なもので全然緊張しなくなってしまいます。ゲネプロで派手に落ちてしまったところも、冷静に処理が出来ましたし、まずまずのいつも通りの演奏が出来たのではないでしょうか。ただ、本当に悔しかったのは、「間奏曲」で息が持たなかったことです。本番だけ予想外のテンポになってしまったので、それに対応できなかったのですね。まあ、ユヅル君ではありませんが、そういうところが残っているというのは、まだまだ伸び代があるということなのだ、と思いたいものです。
 そんなお客さんの数に比例して、プレゼントもいつになく、というか、今までになかったほどのものをいただいてしまいました。ほとんどはFacebookのイベントで「ご招待」したものです。本当にありがとうございました。打ち上げまでには少し時間があったので、これは車に乗せて職場の駐車場に置いておいて、それから地下鉄で会場に向かいました。
 会場は、こんな狭い、ちょっと怪しげなスポット。狭い机を囲んで、人であふれています。料理が来ると、まるでハイエナのようにみんな群がって、あっという間になくなってしまいます。
 最後の方は、枝豆しかなくなってましたね。
 でも、そんな窮屈なところで、結構いろんな人と話が出来ました。指揮者の寿一さんは私のサイトを見てくれていたということが分かって、さっそくその場でFacebookのお友達申請です。こんな、雲の上のお方と、気楽にこんなことができるというのが、何よりもうれしいことでした。
 そうだ。タキシード・デビューも無事済みました。なぜか、ゲストの歌手の方々との4ショットなんかも記念に撮っていただきましたよ。でも、なんだかカマーバンドがだらしなく下がっていますね。ずっと座って演奏していたので、こんなことになってしまったのでしょう。本当にタキシードにふさわしい人間になるには、まだ時間が必要なのかもしれません。
Aventure Number : 2431 date : 2015/4/26


今日の禁断 カルタ


 演奏会が終わって、今度はそのあと始末です。まず県民会館に行って預けたチケットの精算です。これは、本番の日にGPの途中の空き時間に済ませてしまおうと事務室に行ったのですが、なんか「取り置きを頼まれたのが1枚ある」ということで、その場では精算できませんでした。プレイガイドに取り置きを頼むという神経も、それを受ける県民会館の神経もちょっと理解不能なのですが、どうしようもないので後日、ということになりました。でも、結局その取り置きの人は現れなかったようですね。きっと当日券を買ったのでしょう。よい子はこういうルール違反はしないでくださいね。
 おそらく、一番待たれているのは、演奏会の写真でしょうね。一応私のカメラで撮ったデータは集まったのですが、もう一人、本番の時は3階席から撮っていたNさんのデータがまだ届いていないので、それが来たら全部まとめていつものようにダウンロードできるようにしますから、気長に待っていてください。あと、公式サイトも必要なところは更新してあります。その時に使った写真を、Facebookページのカバーにも使いました。これは「カルメン」の時の写真ですから、当然撮ったのは私ではなく、降り番だったトロンボーンのNさんが腕章をつけて撮ってくれたものです。ソリストの華やかなドレスが、さすが「スプリングコンサート」という感じですね。
 この時のソプラノさんたちは、翠さんがグリーン、寿美さんが「スミレ」でブルーに決めたのでは、というのは考えすぎでしょうか。それにしても、「トリオ」のイントロが始まった時に、このお二人が入ってきて拍手が沸いたのには、驚きました。なんせ、綱渡りのようなタイミングで私が一人で吹かなければいけないところがあるので、極度に緊張しているところに拍手ですから、よく出られたなと思います。でも、この二人、カルメンさんが歌い始めたところで固まっているんですよね。ここは私は休みだったので、横目でまるでお人形さんみたいにじっとしている二人を眺めていました。カバー写真は、そんなタイミングですね。でも、あいにくビデオには、この「フリーズ」したお二人は映っていませんでした。なんせワンカメですから、どちらかというと「動いて」いる人たちを追っかけていましたからね。でも、今回のカメラマンは音楽のことがよくわかっている人みたいで、私のソロではきっちりアップになっていましたね。
 その、肝心の大ソロ、本番の時は不本意だったのですが、こうして見てみるとなかなかいいじゃないですか(なんて)。結局、始まりのテンポがあまりに遅かったので、それならばと思い切り「くさく」吹いてやろうと開き直っていたことを思い出しました。これだから、本番は面白いんですね。
 もうビデオが見られたのは、いつもの早業のHさんのお蔭です。もう昨日の午後には何枚か出来上がっていて、それを夕方わざわざ職場に届けてくれたのですね。なんか、新しいカメラに更新したそうで、画質がずいぶんきれいになっているような気がしました。
 そんなHさんたちや、ヴィオラのSさんたちが、3日には「タケノコ掘りたいかい?」に来てくれるはずです。そこで、この前からずっと暇を見てやってきた枯れた竹の片づけを、もう少しやってみることにしました。
 今まではこんな感じでしたが、
 こんな風に、後ろにあった細かい枝を全部処理しました。これで、小さい人が来ても危なくないでしょう。
 ただ、タケノコはこの暖かさで順調に伸びているようですが、なんせこのところ雨が全然降っていないのが気になります。3日までには降る予定もないそうなので、それがどのように影響してくるかが、いまいち気になるところですね。
 何かあればまたお知らせしますが、一応3日の3時から始めることにしてありますから、初めての人も遊びに来てみてください。何も用意は要りませんが、靴だけは汚れてもいいもので。
Aventure Number : 2432 date : 2015/4/28


今日の禁断 バッハ


 きのうは週の真ん中になってしまったために、「連休」にはなり損ねた休日だったので、不憫に思って行楽に行ってあげようと思い、定義山に行ってきました。毎年大変な渋滞に引っかかっているので、いつもより早めに出発したら、全くの渋滞なし、1時間もたたずに着いてしまいました。
 もう何十回も来ているのに、奥にある五重塔などは近くで見たことはなかったので、そのあたりを散策。
 そのそばに、こんな「無料」のスポットがあったので、まあ観光地ですから騙されてもしょうがないと思って入ってみたのですが、ちょっとびっくりするようなしっかりした展示物でした。
 その中で、こんな優れものがあったのには本当に驚きました。ただのジオラマだと思ったら、その中にホログラムかなんかで実写の映像が写しこまれるようになっているのですよ。これによって、このお寺の由来を楽しみながら知ってもらおうというアトラクション、こんなところでこんなものに出会えるなんて、ほとんど感動的。
 そのそばにあるのが、このお寺の現在の本堂と右手にあるのが「寺務所」です。堂々たる伽藍ですね。その寺務所の上に黒い点が写っていますが、それはツバメ。たくさんのツバメが飛び回っていたのでよく見たら、
 寺務所の軒下にたくさんのツバメの巣がありました。
 そのうちの一つ。巣作りに励んでいるのでしょうね。
 もちろん、シメはこれです。おにぎりを買っていったので、こんな豪華なランチになりました。
 今日は普通に職場に出勤ですから、まずはタケノコの点検です。かなりのハイペースで生えてきているようですから、3日にはちょっと伸びすぎているかもしれませんが、まあ何もないよりはましでしょう。
 通販のCDも、確実に届くこちらを宛先にしているので、今日も新譜が届きました。
 楽しみにしていた「マタイ」の最新録音も届いていました。これはもちろん輸入盤ですが、日本の代理店によって日本語の解説が載った帯が付けられています。でも、この代理店(ナクソスジャパン)が作る帯は、毎回そのお粗末さに笑ってしまうので(ここでも何度紹介したことでしょう)、今回も「もしや」と思ったのですが、見事にその予想が当たってしまいました。赤枠の中は、
 「1936年」に改訂されているんですね。いったい誰が、この大作曲家を差し置いてそんなことをやったのでしょう。文章もおかしいですね。「晦渋」なものが「鮮やかに抉り出す」というのは、いったいどういう状況なのでしょう。下手に難しい言葉を使おうとしているのが、哀れです。
Aventure Number : 2433 date : 2015/4/30


今日の禁断 ガーデンガーデン


 いよいよ本格的に連休に入りました。お天気もいいので、観光地への行楽には絶好の日となっています。でも、私はそんなに遊び歩いているわけにもいきません。ニューフィルの次の演奏会の大曲の譜読みをまずしっかりやっておかないと、休み明けの初練習の時に恥をかいてしまいますからね。うちの場合、管楽器は「吹けてあたりまえ」という風潮がありますから、最初の合奏の時点でほぼミスもなく吹くことを期待されています。ソロともなればその上にしっかりした表現までついていないと、バカにされてしまいます。ただ、少しさらってみると、ショスタコーヴィチの場合は音符自体の難しさはそんなにないことにも気づきます。音だけだったらこの前やったチャイコフスキーの方がよっぽど難しいのではないか、という気がします。とは言っても、同じパターンを延々と吹かされるという、ほとんど「いじめ」のようなフレーズには、「難しさ」というよりは「辛さ」を味わうことの方が多いのですね。そんな作曲家の「挑発」に乗せられて真面目に吹いたらつぶれてしまいますから、そこを逆に難なく吹けるようにしておいて、「辛さ」を感じなくなるまでにさらう、ということが大変なのですよ。おそらく、そこまでになるためにはものすごい量の練習が必要になることでしょう。
 私の場合、その前にもう一つ別のオーケストラの演奏会(去年もやったところ)もありますから、それも大変です。こちらは普通に「難しい」ので、やはりそれなりの「慣れ」が必要ですし。
 さらに、今最もやらなければならないのが、終わったばかりのコンサートの写真のネット配信の準備です。これは、下準備がかなり手間がかかるので、そこに物理的にとても時間が必要になります。それを何とか今日中には終わらせたいと思って、ついに行楽にPCを持参するという反則技を使うことになってしまいました。まあ、私の場合、「連れ合い」が大きなガーデニングのお店で品定めをしている間は、どこかで休んでいる、というパターンが多いので、そこでそんな仕事をやってしまおうということなんですけどね。
 そんな甲斐あって、予想より早く写真集がアップできそうになっています。素材はすべてそろったので、あとはちょっとした調整を施せば完成です。全部で7つのファイルから写真をリンクするようになっていますが、そのうちの2つが完成して、すでにアップしてあります。興味がある方は、こちらから覗いてみてください。もちろん、認証がかかっていますから、ニューフィルの掲示板のIDとパスワードを使ってください。
 ところで、前回の「禁断」でご紹介したナクソスジャパンの帯には、その時に指摘した間違いのほかにも、まだまだたくさんの間違いがあることが分かりました。
 緑色の部分がそうです。「1936年」は単なるミスプリントでしょうが、そのほかにアーティストの名前で、これは英語を読めない人が書いたのか、と思えるようなひどい表記が見つかりました。「コア・オブ・ザ・AAM」というやつです。原文は「Choir of the AAM」。私は最初は「コア(→クワイア)」だけだと思っていたのですが、これをFacebookで「間違い探し」として公開したら、「ザ(→ジ)」というのも指摘してくれた人がいました。
 そして、最大の失態が「BWV244」です。確かにこれは「マタイ受難曲」に与えられたシュミーダー番号なのですが、実際にBWVを見てみるとこの「1727年稿」には「BWV244b」という「枝番号」が付いているのですよ。確かに、これ以前にリリースされている2種類の「初期稿」によるCDでは、きちんとこちらの番号になっていますからね。しかし、これは実はこのCDそのものにも「BWV244」と書いてあるのですから、仕方がないと言えば仕方がないのかもしれません。でも、それを見て「おかしいな?」と気づくのが、本当のプロのはずなのに。今更遅いですが、事前に気が付いていたらFacebookページにでも書き込んでいたかもしれません。

Aventure Number : 2434 date : 2015/5/2


今日の禁断 バーベキュー


 演奏会も終わったので、ちょっと伸びすぎた髪をカットしてきました。今度のスタイリストさんは、実は昔私が行っていたお店にもいたことがあるというので、そのお店が入っていて、今はもう震災被害のために解体されてしまったショッピングセンターの話題で盛り上がってしまいました。私はこういうところでは寡黙で通したいと思っているのですが、何かなついて話しかけてくるものですから。そこはお客さんから聞いた話などが集まっているのでしょう、今は更地になっているところには、どうやらパチンコ屋が出来そうだ、という、かなり確実な情報を得ることが出来ましたよ。なんか、このあたりにはパチンコ屋がありすぎるのに、まだ出来るなんて、ちょっとがっかりですね。
 それに刺激されて、帰り道にその「現場」に寄ってみることにしました。お友達がありえないポイントからFacebookに写真をアップしていたのですが、それがどこなのか確かめてみたかったのですよ。それは、北山トンネルのちょっと前ですぐに分かりました。車を停めるところもあったので、少し階段を上ってみると、
 なんか、実際に見てみると、「更地」というわけではなく、部分的に元の建物の一部がまだ残っているような状態でしたね。
 こんな階段や、
 こんな、確かマンションの入り口だったあたりが懐かしいですね。
 そして、きのうから本格的に始めたこの間のコンサートの写真集も、それから作業を再開してほぼ完成しました。それをサーバーにアップして、直にそこにアクセスしたら、思ったようにきちんと全部の写真が見られるようになったので、一安心です。でも、それを公式サイトからリンクをつなげようとしたら、そのサイトのサーバーに、送った更新ファイルが反映されていないのですよ。何らかの障害でしょうか。確認のために、ミラーサイトに同じものを送ったら、こちらは何の問題もなく更新されていてきちんとリンクもできましたから、やはり障害が発生しているのは間違いないようです。これはそのうち正常に戻るでしょうが、それまで待っていられないので、掲示板に直リンクを載せておきました。
 さらに、これには掲示板と同じパスワードでの認証がかかっているのですが、この写真だけを見せたい人のためのパスワードの設定も、なんだかおかしくなっているようでした。ですから、今回は認証をかけないで、同じ内容の別のURLを用意することにしました。それが両方とも掲示板にありますから、関係者への連絡はよろしくお願いします。
 と、そこまでやって、いよいよ今日の最大のイベント、「タケノコ掘りたいかい?」に向かいます。今年の参加メンバーは、いつもの常連さんのほかに今回が初めて、というKさんと
 Kくんが加わっていました。
 お二人とも、もちろんタケノコ掘りは初めての体験ということでしたが、楽しんでいただけたでしょうか。さらに、お子さんたちもそれぞれに大きくなってやってきましたが、小学生チームはザリガニに夢中でしたね。
 その子たちに、「焼きそばはやらないんですか?」と言われてしまいましたよ。なくしてしまって初めてその存在の重要性が痛感される、といったところでしょうか。
Aventure Number : 2435 date : 2015/5/3


今日の禁断 ラオックス


 本当にお天気が良い日が続いた連休でしたね。私は結局近場にドライブぐらいで安上がりに済ませてしまいました。今の時期だったらマグリット展もやってるし、ラ・フォル・ジュルネでは「マタイ」もかかっていたしと、その気になって準備すれば東京あたりで優雅な時間を過ごすことも出来たのでしょうが、結局実現はしませんでした。ですから、チケットがすぐなくなった「マタイ」に行ってきて「こりゃ病みつきになるわけだ」などと澄ましている人を見たりすると、無性に腹が立ってきますね。あんたに「マタイ」の何が分かるんだ、とかね。
 ということで、連休最後の日は娘夫婦と一緒に駅前のホテルのビュッフェランチに行ってきました。こちらも、ギリギリになってから予約を入れようと思ったら当然のことながら連休はすでにいっぱいになっていましたが、何とか「3人分」だけだったら確保できます、ということでした。
 少し早目に行ってみたら、予約で一杯ということを知らないで来た人がたくさんいたみたいで「1時間以上お待ちいただきます」と言われてすごすごと引き下がっている人と、それでも待っているという人の2派に分かれているのを「澄まして」眺めているという優越感を味わってしまいましたね。結局、ちゃんと4人分の席が用意されていて、おなか一杯ステーキやパスタを味わえました。
 食べ終わってから、東口のヨドバシに行ってみたのですが、ちょっと油断をしている間に連絡通路がガラッと変わっていたのには驚きました。
 エスパル前から入る場所は同じなのですが、その先がクランク状に曲がりくねっているのですね。
 こんな「工事中」の駅は、東京あたりではよく見かけますから、なんだか東京にでも行ったような気分になってしまいましたね。
 そして、ヨドバシの駐車場が、かつて店舗があったところまで広がっていたので、大幅に敷地が増えていました。いずれはここも再開発で新しい建物が建つのでしょうから、それまでの一時的な光景、こんな風に写真を撮っておけば、「記録」としてなにかの役に立つはずです。
 その駐車場に降りて駅の方を眺めると、新しい駅ビルが姿を現していましたね。その左側に見えているのが西口の、さっきまでランチを食べていたホテルです。
 本当に、こんな風に新しい建物が建ち始めている現場を見ると、とても興奮してしまいます。一応私は仙台市民ではありますが、このあたりの昔からの建物などには何の「腐れ縁」もありませんから、このぐらい大がかりな再開発が行われて、その表情がまるっきり変わってしまうことに、言いようのないエネルギーを感じてしまうのですね。
 さらに、いくら大規模なプロジェクトが進められたとしても、決して東京みたいな、人間が生活するための最小限のファクターまでも根こそぎ破壊するということは決してないだろうという安心感も、仙台の場合はあるような気がします。そう感じられる街に住んでいることが、私の誇りみたいなものなのでしょう。それは、東京に住んでいる、生半可な知識しかないくせにプライドだけは一丁前という人種に対する誇りでもあります。
Aventure Number : 2436 date : 2015/5/6


今日の禁断 ニルセン


 ニューフィルの来年の春の演奏会の指揮者は篠崎さんに決まりましたが、まだ何を演奏するかは決まっていません。それは、今月の末に選曲会議があって、そこでまず団員からの希望を集約して何曲かを「候補曲」として提出することになります。私も、何か希望を出したいところですが、あまり安直な曲はやりたくはありませんね。せっかくですから、篠崎さんとでなければ出来ないような、ちょっとコアな曲をやってみたいな、とは思っています。なんせ、最初のメールで「『中国の不思議な役人』をやりませんか?」と提案してくれたほどですからね。でも、団員にはちょっとこれはどうかな、というような雰囲気がありましたね。私はぜひやってみたいのですが、たぶん無理でしょう。
 そこで、いつか篠崎さんが武満徹の曲を演奏していたことを思い出し、何か、そんなに「難しく」ないものだったらニューフィルでもやれるのではないか、という気になりました。私が考えたのは「Family Tree」という、ほとんど最後のオーケストラの作品です。このころは武満の作風もずいぶんロマンティックになっていて、聴いていてとてもすんなり入っていける曲だと思ったのですね。それで、一応スコアを見てみようと、定価6000円のものが新品で4000円ちょっとで手に入りそうだったので、それを注文しました。それが昨日届いたので、さっそく音源を聴きながら読んでみると・・・
 いやあ、これは大変ですね。ほんとに、聴いている分にはそんなに難しそうではないのに、譜面は変拍子やら難しい譜割りだらけ、決定的なのは弦楽器がディヴィジになっていることです。うちの弦では、これはまず普段の練習では音にならないでしょう。そういえば、合唱曲も難しかったなあ。
 もうお一人の、ニューフィルにとって大切な指揮者の新田さんは、今年も仙台駅の「駅コン」にやってきました。もうこれで3年連続のステージですね。もはや仙台の初夏の風物詩として定着させてしまってもいいんじゃないでしょうか。そこで、今までのように写真を撮りに駅まで行ってきました。考えてみたら、この3回とも私が使うカメラが違っていましたね。最初の時はまだコンデジでしたが、次の年にはミラーレス一眼にして、画質が大幅に向上したんでしたっけ。そして今年は、それに200oの望遠ズームレンズが付きました。今までもデジタルズームでそのぐらいは出来たのですが、やはりこれも実際にニューフィルの演奏会で使ってみて、全然違うことが分かりましたから、さらにグレードアップした画像が得られることになっていました。
 いつもの通り3階のバルコニーからオケの正面を狙っていると、控室あたりに新田さんがいるのが見えました。前の方はグリーグの歌曲や「フィンランディア」で歌った方。とてものびやかな声でしたね。そこで、あわてて下まで降りて行って、一言ご挨拶です。
あとは、また3階から、ひたすら撮りまくります。
 見渡してみると、正面だけではなく、オケの下手や上手も、十分に指揮者の顔が撮れる場所のような気がしたので行ってみたら、なかなかのアングルのものが撮れましたよ。これが下手、南改札の前あたりからのものです。
 そして、正面改札からのアングル。
 あとは下に降りて、直近から撮ります。
 こんだけあちこちから撮ったら、かなり疲れましたね。まだ2日ありますが、その時にはちゃんと座って音楽をしっかり聴くようにしましょう。新田さんはGPでもかなりダメ出しをされていましたから、やはり本番の方が聴き甲斐があるでしょうし。
Aventure Number : 2437 date : 2015/5/8


今日の禁断 ソニー


 仙台駅の駅コン(どうしても「駅婚」と変換されてしまいます)、きのうの2日目は本番の方に行ってきました。ちゃんと椅子に座ってこの駅コンを聴いたのは初めてのことでした。
 リハーサルの時でもかなり早い時間から席に座っている人がいるぐらいですから、本番ではもっとすごいことになりそうな予感があったので、少し早目にと思って開演1時間前に着くように行ってみました。そうしたら、思った通りその時点ですでに半分ほどの席が埋まっていましたね。それでも、前から2列目が空いていたので、そこに座ります。ここはもちろん駅の構内ですし、オケもベタで座っているので、そのぐらいでないとたぶん前の人の頭が邪魔で何も見えなくなりますからね。ただ、そこはPA用のスピーカーのすぐ前でした。ちょっと不安ですが、まあ、実際にどんな音を出しているのかダイレクトに体験できるはずですから、しっかりモニターしてみましょうか。
 客席の周りにはたくさんのスタッフが「席取りはしないでください」という意味の看板を持って立っていました。一旦座ったら、そこに荷物などを置いて別のところに行って時間をつぶすようなことはやめてくれ、という趣旨の呼びかけなのでしょう。まあ、当然のことでしょう。数は限られていて、座れない人は周りに立つことになるのですから、そんなところをキープだけして買い物なんかをやっているなんて、許されないことですからね。私のすぐ後ろの席も、なんだかそんな感じで空席になっていました。確かにそこにいたはずの妙齢のご婦人が、いつの間にかいなくなっていて、その席には空っぽの紙袋かなんかが置いてあります。しばらくすると、そこに「ここ、空いてますか?」とやってくる人が現れました。これはもう、さっきからさんざん看板で訴えているように、完全に「いなくなってしまった」人の負け、あとから来た人は堂々と座れるはずです。ですから、すぐその前で看板を持っているスタッフさんは、率先してその看板の主張が実現されるように尽力すべきではないか、と思ったのですが、なぜかその方は「自分には関係のないこと」みたいな感じでこの事態を正視しようとはしません。職場放棄ですね。結局、そこには新しい人が座りましたが、しばらくして大きな荷物を抱えてそこにかつては座っていたご婦人がやってきましたよ。でも、これはあきらかな「反則」ですから、すごすごと立ち去らざるを得ませんでした。今度駅コンに行くときには、こんなミスは犯さないようにしましょうね。
 きのうの新田さんのプログラムは、とても「駅コン」とは思えないようなマニアックなものでした。なんせ、すべてがシベリウスの作品で序曲は「ペレアスとメリザンド」から「庭園の噴水」、コンチェルトは「ヴァイオリン協奏曲」、シンフォニーは「交響曲第2番」、さらにアンコールは「アンダンテ・フェスティヴォ」というフルコースのコンサートと同じなんですからね。ただ、もちろん全曲やったのでは1時間では収まりませんから、協奏曲では第1楽章、交響曲では第2楽章がカットされていますが、はっきり言ってこれは大冒険なのではないでしょうか。でも、お客さんはしっかり受け止めていましたね。特に、西本さんがソロを弾いた協奏曲は一部スタンディング・オヴェーション。
 音は、どうだったでしょう。なにしろものすごいグラウンド・ノイズの中で行われるコンサートですから、生音だけでは例えばコントラバスなどは絶対に聴こえてこないはずですが、どの楽器もしっかり聴こえてきます。確かに、マイクは管楽器はには一人1本、弦楽器はプルトごとに1本セットしてありますから、それこそホールでも聴こえてこないような個々の楽器の音までがはっきり聴こえてきます。
 ただ、問題はそのスピーカーから出てきた音のクオリティ。特にソロ・ヴァイオリンなどでは、へんなリバーブが付いているのがかなり耳障り、そして、客席向けのスピーカーはこの丸の中の2台しか用意されていないようで、
 すぐ前で聴くとトゥッティになるともろにひずんでしまいます。これは、長く聴いているとかなりの苦痛です。まあ、ホールのPAでこれよりひどいのはいくらでもありますから、これがスピーカーの限界なんでしょうね。ただ、もう少し高音がきちんと出るスピーカーを使えば、かなり改善できるような気はします。
 ミキシングはそのスピーカーの音を聴くのではなく、オケの横でをヘッドフォンを使ってやっていましたが、これでモニターしたのではスピーカーからのバランスは全然違ってしまいますよね。
 演奏が終わると、客席から花束が新田さんに渡されていました。その花を持っていたのが、さっきのご婦人、大きな荷物は花束だったのですね。結果的には、渡しやすいところにいたということになりますが・・・。
Aventure Number : 2438 date : 2015/5/10


今日の禁断 レニングラード


 今日は火曜日、普通だったら演奏会が終わって、次の演奏会に向けての最初の練習が始まることになるのですが、なぜかそれは来週まで待たなければいけません。なぜかというと・・・
 いや、単に会場が取れなかったというだけなんですけどね。最近、たまにこういうことがあるんですよ。以前は「常連さん」ということで、まあなんとなくうちが優先的に使わせてもらえた、というような傾向はあったのですが、やはりこの会場は公の施設ですから、そういうことは許されないのではという「プチ公平感」がのさばりだしたのでしょうかね。そのうち、申し込みの方法がそんな「私情」は全く通用しない「ネット抽選」という形にシフトしていくと、もう毎回が心配でたまらなくなってきました。「ニューフィルは火曜日に旭ヶ丘で」という「方程式」は、もはや通用しなくなっていたのですよ。
 ですから、いつもは演奏会の次の週には練習があって、そのあとには恒例の「懇談会」という名の「反省会」があるのですが、それも1週間の繰り延べということになってしまいました。この時には、大体そこにいるパートごとに何か「反省」を話すことになっていて、まずパートリーダーがその役目を任されることになります。だけど、来週そんなことをしゃべらされたとしても、その時はもうはるか昔の出来事になっていますから、もう何も思い出すことはなくなっているかもしれませんね。今だってすでにほとんど忘れているというのに。
 そういうことなので、まあ、しゃべるしゃべらないはともかく、まだ忘れていないものだけでもここに書いておけば、少しは記憶が長持ちするのではないでしょうか。
 とにかくあの演奏会は、お客さんがたくさん来てくれました。そして、それがだいぶ前からわかっていた、というのがすごいことでした。つまり、プレイガイドのチケットが軒並みソールド・アウトになってしまって、チケットを追加してくれという連絡があちこちからあったらしいのですね。おそらく、ニューフィルのチケットが買われていくのは、圧倒的に団員からのつながりのはずです。何らかの知り合いが買ってくれる、あるいは譲られるというケースがかなりを占めるのではないでしょうか。それは、演奏会の曲目などはあまり気にしないで、いわば「お付き合い」としてのチケットの流れです。しかし、プレイガイドとなると、やはりこういう魅力的な曲目だから行ってみよう、という人が買っていくというのが、普通の買い方なのではないでしょうか。わざわざプレイガイドまで出かける人の心理を分析してみると、どこかでこんな素敵な演奏会があるということを知ったので、これだったら町なかのプレイガイドに足を運んでも構わないわ、という気持ちになったからだという結果が出てくるのではないでしょうか。つまり、言いたいのは、そのような気持ちにさせられるだけの宣伝が、今回はきちんと行き届いていたのではないか、ということなのです。これがいかに手前味噌な考え、ほとんど「妄想」ともいえるような感慨なのは十分に承知していますが、なんか言わずにはいられない気持ちですね。なんたって私は広報係ですからね。おそらく、私が手掛けた中でも、こんな大がかりの露出が功を奏したのは間違いないはずです。
 この特大ポスターは、北山トンネルを北側出口から出た車だったら、すぐ目に入るものですから、宣伝効果は抜群でしたね。
 あとは、このポスターやチラシに印刷してあったキャッチ・コピーの効果も、非常に大きかったのではないでしょうか。なんか、担当のOさんは打ち上げの時に「あのコピーのお蔭で、300枚は余計にチケットが売れた」と言われたと自慢してましたが、それは多分本当のことだったのではないでしょうか。ほんと、Oさんのセンスはポスターのデザインからコピーまで、冴えわたっていました。上の「お札」だって。
Aventure Number : 2439 date : 2015/5/12


今日の禁断 リネン


 今日、ちょっとした用事があったので車で街まで行ってみたら、途中でこんなセットが出来てました。
 そういえば、あさってからは「青葉まつり」ですね。いつの間にかそんな季節になっていたのでした。
 街での用事は、注文していた楽譜の受け取りでした。ふつうの楽譜屋さんで調べても扱っていなかったので、ヤマハからベーレンライターに注文してもらっていたものなんですよ。同じドイツの楽譜出版社でも、ブライトコプフではサイトから直接買うことができるのに、ベーレンライターだと、カートに入れて購入の手続きをしようとすると、ただ「代理店」を紹介してくれるだけなんですよね。買いたければ、そこを通して買ってくれ、というスタンスなんですね。なぜそんな面倒くさい(その結果、かなり高いものを買わされてしまいます)ことになっているのか、全くわかりません。でも、今回欲しかった楽譜はベーレンライターでしか手に入らないので、その「代理店」であるヤマハに発注をかけたのでした。
 それが、先週の金曜日でした。こんな中間業者が入っているのですから、そんなに早くは届かないのではと思っていたのに、今日になって「入荷しました」という連絡があったのですよ。早っ!
 あまりに早いので、今日受け取った時に「在庫があったんですか?」と聞いてみたら、ちゃんと取り寄せたそうなのです。「ベーレンライターとはよく取引があるので、すぐ入ってくるんです」ですって。これは使えますね。今まではアカデミアあたりで買っていたものも、ここで買えるかもしれません。そこで、同じベーレンライターの「モルダウ」のスコアを、その場で注文してしまいましたよ。
 今日届いたのは、バッハの「マタイ受難曲」のスコアです。ただし、ハードカバーの布貼りという豪華な装丁、表紙には「BACH」としか書いてありません。これは、「新バッハ全集」の装丁のようですね。
 中をあけるとやっとタイトルが書いてあります。「マタイ」だったらすでに安いスコアが出ているのに、なんでこんなものを、とお思いでしょうが、これは別バージョンのスコアなんですよ。そんなに需要はないので、ポケットスコアなんかは発行されていませんから、かなり高いけどこれを買うしかないんですね。
 最近、この「1727年稿」を使って録音されたCDが相次いで出たのですが、そのスコアの現物を見てみないことにはわからないようなことがたくさん出てきて、思い切って買うことにしました。やはり、その辺のいい加減な「帯職人」とは目指すものが全然違う「マニア」なのであれば、そのぐらいの投資は当然のことでしょう。
 さっきざっと見てみただけですが、すでにいろんなポイントが見つかりました。
 左が今回の1727年稿、右が普通の1736年稿、第1コーラスには通奏低音がありません。というか、通奏低音は第2コーラスと「共有」しているのですね。こんなことは、録音を聴いただけでは絶対にわかりません。
 もう一つ、これが一番確かめたかったことです。実は、この「リピエーノ」パートを「オルガンだけ」で演奏している録音があったので、その根拠を知りたかったのですよ。でも、これだったらオルガンだけというのはおかしいですね。この先のこのパートが出てきたところには、ちゃんと「歌詞」も付いていますし。あくまでソプラノがコラールを歌っているのと、「コラ・パルテ」でオルガンが伴奏する、ということを意味しているのだ、と解釈したいものです。エガーさんは何を勘違いしていたのでしょう。
Aventure Number : 2440 date : 2015/5/14

15/5/14-15/6/24