2221(14/3/2)-2240(14/4/9)

今日の禁断 フレミング

 今日は、一応都民響のチケット(招待状)は入手していたのですが、わざわざそれだけのために東京まで行くのもなんだなあ、と思っているうちに、新幹線のチケットを買うのも忘れていたので、ヒマになってしまいました。映画を見るにしても、今は何も面白そうなのはやってないな(しかし、「永遠の0」なんて極めつけの駄作がいまだに上映されているなんて、不思議です)とMOVIXのスケジュールをチェックしてみたら、なんと「METライブビューイング」をやっているではありませんか。それを見つけたのが8時半ごろ、スタートが10時ですから、まだ間に合います。

 ニューヨークのメトロポリタン歌劇場から、全世界の映画館に生中継しているのが「ライブビューイング」ですが、日本の場合は1ヶ月ぐらい遅れての上映になります。これは、WOWOWでは今でもしっかり新作を放送してくれますし、もちろんDVDやBDの製品として発売もされているコンテンツですから、そちらではずっと接していました。幕間のインタビューなども、そのまま収録されていましたね。これを、本来の形である映画館での上映でずっと見たいと思っていたのですが、やっとその機会がやって来たことになります。
 演目はドヴォルジャークの「ルサルカ」です。この中の「月に寄せる歌」というアリアだけは非常に有名ですが、なかなか全曲を見聞きする機会はないようです。もちろん、私もまだ1回も見たり聴いたりしたことはありませんし、ストーリーすらも全く知らないという、まっさらの初体験になります。私の場合、殆どのオペラは程度の差こそあれ、何かしらの知識はありますから、これほど何も予備知識がないというのは本当に珍しいケースですね。つまり、いわば本物の「映画」のように、「これからいったいどうなるのだろう?」というワクワクした気持ちが、最後まで続くということになりますから、これはとても貴重な体験になりました。
 この中のインタビューで指揮者のネゼ・セガンが言ってましたが、このオペラは「交響曲を3曲続けて演奏するみたいなもの」なんだそうです。たしかに、音楽はそんな「ドヴォルジャークの交響曲」のエキスが、いたるところに濃厚に注入されたものでした。しかも、オペラの作り方が、まるでワーグナーのような、「ライトモティーフ」や、「無限旋律」がベースになったものなんですね。ドヴォルジャークのオペラがこういうものだったなんて、初めて知りました。もちろん、その「モティーフ」はワーグナーよりはるかに親しみやすいものですから、これはたまりません。いや、そもそも最初のシーンが「ラインゴルト」そっくりなのには、のけぞってしまいましたよ。
 ストーリーは、「人魚姫」と同じパターンですが、「水の精」であるルサルカを愛していたはずの王子が、彼女の目の前で浮気に走る、などという設定がぶっ飛んでます。そんなことをするから、王子は呪いをかけられてしまい、それを許してもらおうとルサルカに「キスをしてくれ」と、まるでセクハラおやぢのように迫るのですが、その望みがかなうと同時に死んでしまうという、かなり恐ろしい話なんですよ。
 BDなどでは、幕間のインタビューが終わると、そのあとはカットされているのですが、映画館バージョンはリアルタイムにステージの変換の様子を見せてくれますから、これは貴重です。ですから、それに見入っていると、トイレに行く暇もなくなってしまいます。私は4時間席を立たないでいられましたが。
 一番のチェックポイントはもちろん「音」でした。これに関してはまあ予想通りでしたね。あまり大きな音ではないところではかなり善戦してはいるのですが、オケのトゥッティや、歌手のフルヴォイスになったら、かなりのヤバさです。そもそも映画館のシステムが大味なのか、音源のスペックが低いのか、ハイレゾを聴き慣れた耳にはせいぜい「CD並み」のクオリティしかないようにしか思えませんでした。ただ、放送やパッケージではしっかり5.1サラウンドというクレジットがあるというのに、映画館ではリアスピーカーは全く動作していないようにしか聴こえませんでした。これこそが映画館で見る時の最大のメリットだと思ったのですが、残念ながらMOVIX仙台ではそれを味わうことはできませんでした。
 料金は一律3500円。スタート当時は確か5000円だったはずですから、少しはリーズナブルになったのでしょう。まあ、音さえあまり気にしなければ、値段相応には楽しめるのではないでしょうか。お客さんも50人以上と、これはちょっと意外。こんなにオペラを見に来る人がいるなんて。チケットを売る時に、きちんと両隣が空くようにしたり、すぐ前の席に座らないようにしてくれているのも、なかなかです。一人だけで見に来ている人も多かったですね。そんなマニアっぽい人が持っていたので、上の写真のパンフを買ったら1400円。これはぼったくり。
aventure number : 2221 date : 2014/3/2


今日の禁断 ベーコンオムレツ

 今回のチラシ配りは、かなりの部分を他の人に割り振ったので私自身の担当は少なくなったはずなのですが、結果的には「残り物」であちこちに分散してしまいました。たとえば富沢の市民センターなどは、かつてはよく実際に使っていたのでついでに持って行けたものが、もうそういう状況ではなくなってわざわざ行かなければなりません。ですから、おととい映画を見に行った時などは、まさにチャンスだったのですね。あそこからだと5分ぐらいで着いてしまいますから。
 結局映画(というかオペラ)は、実際にホールで見るのと同じだけの時間がかかりましたから4時間、もちろん、少し早目に行ってましたし、終わってからも建物の端から端まで歩いて行って、フレッシュネスで高カロリーの食事をとったりしましたから、殆ど無料駐車時間上限の5時間を使い切ってしまいましたね。でも、帰りのゲートでは、混雑緩和のために開けっぱなしになっていましたから、もっといてもよかったのですけど、それは結果論。その時点で午後2時半でしたから、富沢だけでなく、残った他のところも楽々まわるだけの時間はあります。
 結局、コースとしては富沢に行ったあと長町まで戻り、旧道を北上して河原町から荒町の東端に出て、そのまま西に向かい荒町の市民センターに行きました。殆ど4号線との交差点の近くなのですが、4号線から右折することが出来ないので、こんな裏道を通ります。そのあとは、北目町から新寺小路に入り、宮城の萩大通りを北上、宮城野区中央市民センターに向かいます。そこが終わったら、そのままずっと北上、幸町からさらに鶴ケ谷への坂道を登って、まだ行ったことのない鶴ケ谷市民センターを目指します。
 ところが、Google Mapを頼りに行ってみると、そこには小学校はあるものの、市民センターらしき建物は見当たりません。なんか変ですね。そう言えば、ここはリストアップはしたものの、なんか廃止になったような情報をもらって、行くのをやめたことがあったようなことを思い出しました。とりあえず、ここは保留です(あとで調べたら、なんか移転したようですね)。
 そのあとは、オープン病院前を左折、南光台通りを通って、旭ヶ丘経由で自宅付近までやってきて、近くなのでいつでも行けそうだと思いながらなかなか行けてなかった水の森、中山、北山の市民センターまで行ってみたら、家に着いたのは5時過ぎでした。2時間半で7ヶ所、結構仙台も広いものです。
 と、まず一つの懸案を片付けたあとは、もう一つの懸案、「かいほうげん」の最後の仕上げです。これも、自宅にファイルをフォルダーごと持ちかえって残っていた最初のページを仕上げ、最終的な16ページの完パケファイルが出来上がっていました。それを、きのうの午前中に印刷してしまおうと思ったのです。何度も見なおして、ミスは完全に取り除いたはずだったのですが、全ページを印刷してみると、なんだか一つの画像だけがずいぶん解像度が粗くなっていました。確認してみたら、印刷用に画像を作った時に解像度の設定を間違えていたようで、あわてて元の写真から正規の解像度のものを作りなおして、やっと印刷が始まります。その時点で時間はちょうど10時でした。
 ちゃんと製本された状態で印刷が完了するモードでやっていますから、あとはもう、ひたすら出てきたページを折って重ね、ホチキス止めをするという作業を延々と繰り返すだけです。途中でトナーを1本交換した以外は、そんな単純作業がいつ果てるともなく続きます。ほとんど神経が麻痺して体だけが動いているというトランス状態になった頃、全ての作業が終了、それはちょうど12時のことでした。
 それさえやっておけば、あとはひとまず他の仕事でニューフィルのことは忘れましょう。次の日には、出来上がった「かいほうげん」を袋に入れて、「友の会」の会員向けのパッケージを作らなければいけませんからね。それが終われば、私の演奏会の前の仕事は終了です。
aventure number : 2222 date : 2014/3/4


今日の禁断 アクア

 この間、チラシ配りに走り回っている時に、長町駅前付近でこんな車が前を走っていました。
 話には聞いたことがありますが、これが「富士山ナンバー」なんですね。でも、車のナンバーというのは、実際にそこに住んでいる人が付けられるもののようなイメージがありますから、この人は富士山の頂上あたりに家があるのでは、などと考えたくなってしまいますね。正直、こんなナンバープレートを付けて走るのは恥かしいのでは、と、他人事ながら心配になってきますが、どうなのでしょう。
 こんな風に名所旧跡がナンバーになれるのなら、私の職場にちなんだ「東昌寺」ナンバーなんかもできるかもしれませんね。
 もうすぐ震災から3年ですが、職場ではこの間から始まった山門の工事は順調に進んでいますし、だいぶ前に頼んであった本堂の中の襖の修復作業も完了しました。
 これが、震災の時にボロボロになってしまった6枚組の襖です。その後、これが入っていたところは補強のために2枚分のスペースを壁にしてしまいましたから、もう入れる場所がなくなってしまうので、廃棄するか、襖絵だけをはがして保存するかという話になっていました。しかし、出来れば元通りにしたいという希望もあり、一応専門の業者に修復を依頼したのですよ。その成果が、これです。
  見事に、傷がなくなっていますね。ほんと、近くに行って見てみても、どこを修理したのか全く分かりません。ですから、「ビフォー」と「アフター」を、一番破損が激しかった部分で比べてみましょう。
 これが、
 こうなりました。いやあ、もう気の遠くなるような作業が行われたことが想像できますね。あとは、全体の汚れもきれいにふき取ったのでしょうね。幾分明るい色に変わってました。
 これは、もう前のようにつなげて入れるスペースがなくなってしまったので、実際はこんな風に入りました。
 これはこれで、なかなかいいものではないでしょうか。
aventure number : 2223 date : 2014/3/6


今日の禁断 シベリウス

 きのうからワイドショーをにぎわしている誰かの記者会見ですが、初めてその映像を見た時に「なんで、おすぎが?」と思ってしまいましたね。サングラスとヒゲをとると、あんなオカマ顔になるんですね。おもしろいものです。でも、オカマに「名誉棄損で訴えます」は似合いません。というか、もうこんな人には誰も関わらないようにすればいいのにな、と思うのですが、マスコミ的にはありがたい存在ですから、こうやって大々的に取り上げてしまうのでしょう。
 このオカマがやったことは極めてお粗末なことですが、それで利益を得ているレコード会社や出版社、プロモーターは、あくまで被害者面で通そうとしているのですから、もっとお粗末ですね。要は、世間の人たちに「感動」を与えて気持ち良くさせた対価なんですから、自分のところに貯め込もうとしないでもっとみんなが楽しくなるようなところに還元する、みたいな発想は出て来ないのでしょうかね。日本○ロムビアの社長が、「あのCDの売り上げは全額恵まれない人のために役立てます」みたいなことを言ったりすれば、この業界を少しは見なおす気にもなれるのでしょうが。
 私のこのサイトは、そんな業界とは全く関係がありませんから、もう、真摯に日々の更新を続けているだけです。もちろん、そこに何らかの「圧力」が加えられることもありません。アマチュアとしてオーケストラ活動の中で気が付いた事柄などを、ほんの少しマニアックな観点からネタにして楽しんでいるだけのことです。そんな、ちょっとした「トーク」は、基本的にはオーケストラの団内紙「かいほうげん」のコンテンツとして発表し、それをHTMLでこのサイトに掲載する、ということをずっとやっていました。しかし、最近では、せっかくまとまったものを作ったのだから、それをそのまま再利用しようということで、「かいほうげん」のページをそのままPDFにして、そこにリンクする、という形にしています。
 要は、毎日「禁断」や「おやぢ」を更新していると、それ以外のことにはとんと時間が割けなくなってしまったという物理的な要因もあるのですね。ですから、1回作ったものをもう一度別の形で作り直すという手間を省くための、これは苦肉の策なのです。ただ、最近はそれすらもなかなか出来なくなってきていて、ちょっとさぼっていたら1年近く新しいコンテンツがアップできないでいました。そこで、一念発起して、それをやってみました。と言っても、3つほど新しいものをアップしただけですが、これが更新情報からリンクされていますから、ご覧になってみてください。とは言っても、実は「禁断」などですでにアップしたものの焼き直しではあるのですがね。ただ、「展覧会の絵」は、実は数年前からの懸案で、いつかは作りたいと資料を集めていたのが、うまい具合にニューフィルで取り上げることになったので、それらを引っ張り出したり、新しい資料を仕込んだりしてまとめたものです。私としては、やっとこれで肩の荷が下りた、という感じです。
 いや、実はそこで安心してはいけないのでした。そんなことをちょこちょこ書いていたのが、演奏会のプログラムの編集者に見つかって、とうとうプログラムノーツを書かされることになってしまいました。これも、そろそろ手をつけないと〆切りなんてすぐ来てしまいますから、まだまだホッとすることはできません。なんか、「うまく書けて当たり前」みたいな空気を感じてしまいますから、それがプレッシャーにならないとも限らないのですよ。それは、「業界」の人が「公の仕事」として取り組むのと同じぐらいの、ハードルの高さなのではないでしょうか。
aventure number : 2224 date : 2014/3/8


今日の禁断 メディアテーク

 チラシとポスターの配達作業、このたび私の受け持ちは全て終了しました。このプロジェクト、前は殆ど私一人でやっていたものでした。まあ、それでも助手みたいな形で何人かの方にはお手伝いをお願いはしていたのですが、それでも私が北から南まで走りまわっていたことは変わりません。もっとも、その頃は置いてくるところはそんなに多くはありませんでした。ホールや図書館といった大きなところがメインで、市民センターなどは、まあ都合があって行くことがあれば置いてこようかな、ぐらいのスタンスでしたから、まずほんの数か所でしたね。
 しかし、最近になって、ほんの思いつきで市内の全ての市民センターに置いてみよう、みたいなことをかんがえてしまったので、いくらなんでもそんな陣容では対応できなくなり、もう少し範囲を広げてチケット係の人とかにも少しずつ割り振ってみました。さらに、掲示板などで呼び掛けたら、思いのほか「行ってもいいよ」みたいな人が現れて、ついにこのチラシ配達チームは15人以上のメンバーを擁する大所帯になってしまいましたよ。
 実は、こういう体制になって、私の受け持ちは、逆に前よりも増えてしまいました。そんなわけで、全部配り終わるまでにはほとんど1ヶ月ぐらい必要でした。これも、印刷のタイミングが早くなったので、それでも十分に演奏会には楽々間にあうように配ることはできますから、何の問題もありません。でも、もしさらに協力出来るような方がいらっしゃれば、まだまだ私の持ち分をいくらでも放出できますので、ぜひ声をかけてくださいね。特に、南の方面、富沢とか宮城野中央あたりに簡単に行ける方を、大募集しています。
 私がまわるのは、大体土日でした。なにかと出かける用事があるので、それに便乗して行ってくる、というやり方です。そこで、最後に残ってしまったのが美術館と博物館です。どちらも今結構大きな展示をやっているようなので、休日の昼間に行ったりすると車を停められないことになってしまうのでは、と考えたのですね。実際、博物館あたりは駐車場自体が狭いので、警備員がいていちいちチェックされますからね。
 ですから、休日でも閉館近くの夕方だったら少しは空いているだろうと、この間の土曜日に行ってみました。まず博物館に行くと、やはり警備員が立っていましたが、どうもそれは混んでいるためではなく、もう見学時間が終わったので、「これから行ってもダメですよ」と告げるために立っているようでしたね。時間を見ると5時ちょっと前、え〜っ。そんなに早く終わってしまうんですね。8時ぐらいまではやっていると思っていたのに。
 でも、私の場合は別に「法隆寺展」を見に来たわけではなく、チラシを置きに来ただけなので、その様に告げると、すんなり通してくれました。でも、駐車場にはもう車は全然いませんし、中には行ってもいつも行く事務室のあたりは真っ暗になっていますよ。せっかく来たのに、これでは置いて来れないな、と思ったら、一人のおねえさんが立っていて、「チラシ、お預かりしますよ」と言ってくれました。よかったですね。
 次に行った美術館では、もうすでに駐車場の入口が閉まっていました。でも、まだ「ミュシャ展」を見終わっていない人の車があったので、その辺に車を停めて、こちらはいつも行っている「創作室」に向かいます。予想通り、こちらでは仕事は終わっていましたが、スタッフがまだ談笑していましたから、難なく受け取ってもらえましたよ。これからは、もう少し早めの時間に来ることにしましょうね。
aventure number : 2225 date : 2014/3/10


今日の禁断 インフルエンザ

 3年前もとても寒い思いをしたことをよく覚えていますが、今年もこのところ寒い日が続いています。うちのガス給湯器はお風呂も台所も一緒につながっているので、お風呂にお湯をためている時には他のところには温水が行きません。夕食を作る時に、手が脂っぽくなったので石鹸で手を洗おうとしたら、蛇口からは冷水しか出てきません。そう、この手の冷たさは3年前、ガスが止まっていた時の、あの感触ではありませんか。どんなことからも、まだあの時のことは思いだされてしまうものなんですね。
 そんな寒さですから、夜にもなると冷え込みはこたえます。職場の会館は早めに暖房を入れておきましょう。きのうはいつもの管パート練習なのですが、トレーナーの先生(仙台フィルのMさん)がいらっしゃるということで、金管の人たちも「まぜさいん」と集まってくる予定ですからね。
 本当は、この時点で私は家へ帰ってしまうはずでした。きのう見てもらう曲はブラームスだけなので私の出番はないんですよね。ただ、練習が終わった後に、ここで今度は委員会が開かれる予定だったのです。ですから、私は一旦家へ帰って、それから夜中の9時過ぎにまたここまでやってきて、委員会に出席、終わったら鍵をかけて帰る、というスケジュールになっていました。でも、家で晩ご飯を食べてくつろいでしまったら、また出てくるのは嫌だなあ、という気はしましたね。
 そうしたら、当日になって同じパートの人から、家族が具合が悪いので休ませてください、という連絡が入ったではありませんか。申し訳なさそうに、私に代吹きを頼んできましたが、これはもう大歓迎ですよ。これで、行ったり来たりすることはなくなりました。「不幸中の幸い」、ってやつですか(ちょっと違うかも)。
 結局、7時から11時過ぎまで、ずっとその会館で過ごすことになりました。暖房とは言っても、ストーブではありませんから、そんな真夜中だと温度設定を30度ぐらいにしても、ちっとも暖かいという気がしません。会議の頃には、膝にコートをかけて寒さをしのぐ、といった感じですね。そんな遅くまでやって、でも、なんか方向性みたいなものはまとまって来たでしょうか。
 終わったら、部屋の電気を消したり、トイレに行った人もいるので、トイレの電気も点検です。案の定、誰もいないのに電気がついてましたから、ちゃんと消しておきましょう。玄関の外の電気だけは、スイッチを切って何秒かするとタイマーが働いて消えるという設定ですから、その間に鍵をかけて、完全撤収です。
 と思ったら、なんだか奥の方から人が歩いてくるような音が聞こえてきました。もしかしたら、さっき消してしまったトイレには、見えないところに誰か入っていたのかもしれませんね。それが消えて真っ暗になって、さぞやあわてたことでしょう。でも、消した時にはなんの叫び声も聴こえなかったんですけど。いや、こっちもびっくりしたので、詳しいことを聞く余裕もなく、その人が出ていったのを確認して鍵をかけます。
 ただ、車に乗ってちょっと気になりました。もしかして、その人があわててどこかのスイッチを押してしまったのかもしれない、と。そこで、もう一回中に入ってちゃんと点検することにしました。もう外の電気が消えているので真っ暗ですが、私はいつも懐中電灯を持ち歩いているので、大丈夫です。知ってました?iPhoneって、懐中電灯にもなるんですよ。

 この、下からスワイプした画面の左下の懐中電灯アイコンをタップすると、カメラの横のLEDが点くんですよ。実際に真っ暗なところで使ったのは初めてですが、かなり明るいですよ。それで鍵を開けて中に入ってみると、心配した通り、ちょっと普通の人では気が付かないところの電気が点けっぱなしになっていました。やっぱり見に来てよかったですね。
aventure number : 2226 date : 2014/3/12


今日の禁断 クーセヴィツキ―

 そろそろお彼岸、春も近付いてきますね。職場にも、かなり早めに花などを持ってやってくる人が見られるようになりました。ちょっと早すぎるのでは、と思っても、やはり自分ちのまわりの雪はどうなっているのか、などと気になってしまう人がいるのでしょうね。まあ、殆どの雪は融けて、普通にお参りするには支障のないコンディションになっていますから、ご安心ください。
 ただ、この間の大雪の時に、重機でとりあえず寄せてもらってあった雪の塊が、こんだけ経ってもまだほとんど溶けないで、裏に行く道の真ん中にドンと居座っているのが、ちょっと気になります。
 これは、寄せた時の写真です。まわりの雪は、もう全部融けているのですが、塀の前に積み上げて固めてしまったのが、表面が完全に凍ってどうにもならなくなっているんですね。でも、このままだとこの奥まで車で行く人には、かなり邪魔になりますから、今のうちに片づけておかないと。高さはまだ1メートルぐらいありますし。
 案の定、それはカチンカチンに固まっていて、平スコップではどうにもなりません。先のとがったスコップでも歯が立たないほどですよ。まあ、それでも根気よく崩していって、なんとか車が通れるぐらいにはなりました。ほんとに、こんなにハードな雪かき(いや、こうなるともう「雪砕き」です)を体験したのは初めてのことです。
 そんな仕事の合間を縫って、懸案のプログラムの原稿書きも始めたところです。一応資料は集まっていると思っていたら、こんなサイトが見つかってしまったものですから、大変なことになってしまいました。こんなものがあると、そうそういい加減なことを書くわけにはいきません。というか、常々この曲の表記については疑問に思っていたことがかなりあったので、それがスッキリしたということ。で、そこまでやるのなら、他のところもしっかり「裏」を取らないと、みっともないことになるな、と思ったのですね。
 ですから、一応書き上げるまでには、思った以上の時間がかかってしまいました。もちろん、私のことですから、通り一遍の解説などは書きたくありません。基本的に字数の制限はないと言われているのを真に受けて、いろいろ付け加えて楽しく読んでもらうような工夫も凝らしてみました。ところが、出来上がってみると、私が読む分には面白いのですが、もしかしたら、演奏会でこのプログラムの文章を見て、私が狙ったような読み方をしてくれないような人がいるかもしれないな、という気になってきました。そこで、「第2稿」として、少し穏健に手直ししたものも作ってみました。でも、「第1稿」と「第2稿」を比べてみると、明らかに「第2稿」はまともすぎて面白みがなくなっているように感じられてしまいます。まあ、ブルックナーの心境ですね。だいたい、最初に作ったものの方が、多少粗削りでも魅力的なことが多いもので。メンデルスゾーンの「イタリア」もそうですよね。最近ぼちぼち録音が出てきた「第2稿」は、明らかにつまらなくなっています。
 もうこうなると自分ではどちらか決められないので、他の人の意見も聞いてみたくなりました。曲がりなりにも公の出版物(?)に掲載されるものですからね。そこで、制作に関わっている人3人に両方の原稿を送って選んでもらったところ、今の時点では2人から返事があって、見事に1:1になっています。ですから、残りの一人の投票によって、どちらを採用するかが決まります。はたして、その結果は。
aventure number : 2227 date : 2014/3/14


今日の禁断 ジラール

 数日前からFacebookのPC画面のデザインが変わりましたね。なによりも戸惑ったのが新しいコメントなどの表示の位置です。完全に反対側に来てますからね。
 そんなこととは関係ないのでしょうが、きのうの朝iPhoneをチェックしてみたら、全く知らない人からの案内が来ているというので見てみたら、それに連動したメールが150通近く届いているではありませんか。どうやら、さる「お友達」の「グループ」に向けて発信されたスパムのようですね。他の人のコメントを見てみると「携帯が壊れる〜」みたいな悲痛な書き込みがたくさん見当たります。そのグループの主催者もなんだかわけが分からないようでしたね。ただ、しばらくして「スパムです」みたいなコメントは出しましたが、他のメンバーに向けての謝罪のようなものはありませんでした。彼も被害者だ、というスタンスなのでしょうね。
 この人は、実は私とは全く何の接点もない人、ただ、親しい「お友達」が何人か「お友達」になってますし、そもそもそのうちの一人からの推薦という形で「お友達」になったというものですから、最初からなんだかわけのわからない存在ではありました。そのフィードも、全く私の生活とは縁のないものですから、とりあえずフィードは非表示の設定だけはしておきましたよ。
 そうしたらこんな「不祥事」が起こり、それに対して何の謝罪もないということで、これは全く「お友達」としての「体をなしていない」と判断、即刻リストから削除しましたよ。これ以上何かあったら、それこそ携帯が壊れてしまうかもしれませんからね。
 以前しばしば来ていたのが、実体のないアカウントからの「お友達」リクエストです。なんか、いかにもなかわいいおねえさんのプロフィールがくっついているんですよね。これはそのFacebookに行ってみれば友達は少ないしコメントもないのですぐ分かりますが、今回の人は見かけはまっとうだったので何の不信感ももたなかったところが、「取り巻き」に問題があったのでしょう。
 ところで、前回途中経過をお伝えした「原稿レース」ですが、残りの人からの判定は「断然『第1稿』です!」というものでした。つまり、多数決で「第1稿」の勝ち、ありがたいことです。まあ、この結果だけで、私は大満足ですよ。というのも、「第2稿」を支持した人の言うことにも確かにもっともだと思えるとことがなくはないので、あくまで「第1稿」をベースにしながら、そこで問題になりかねないとされていた部分を取り除いて別のものに置き換えたという「第3稿」を、すでに書き終えていたからです。
 あとは、細かいところを見なおしてさらに推敲を行えば完成です。来週の頭には納品して、この件は見事かたが付きます。これで、定期演奏会までに私がしなければならない仕事は全部やり終えました。あとはしっかり練習して、チケットを売るだけですね。
 とりあえずそれで今日は時間が出来たので、たまっていたオペラのBDを見ることにしました。WOWOWでは、METのライブ・ビューイングをほぼ全部放送してくれているので、見る暇もないままダビングしたBDがたまりにたまっています。その中で、映画館でかかっていた時にぜひ見に行きたいと思っていた「パルジファル」を見てみましょう。しかし、見始めるや否や、猛烈な睡魔に襲われました。気が付いた時には、もうパルジファルが登場していた、とかね。確かに、このオペラは本当に退屈です。しかも、演出がなんともかったるいもので、眠くなって当たり前です。1幕だけで、そんな退屈なシーンが延々2時間も続きます。これを映画館に見に行かなくて、本当に良かったなと思っているところです。あそこはシートもふっくらしてますしね。
 これは、かつてチラシなどにあった写真。前にも書きましたが、阿部寛によく似てますね。
aventure number : 2228 date : 2014/3/16


今日の禁断 プロデューサー

 前回で方が付いたと思われたプログラムの原稿問題ですが、私が決定稿を印刷担当者たちに送ったところ、第1稿を強烈に支持してくれた方が、「反対している人を説得するので、ぜひ第1稿にしてくれ」という返事を寄こしました。私自身は、これを取り下げてもっと穏やかなものに差し替えることには何のこだわりもなかったのですが、どうやら、私が書いた第1稿は、私が思っていた以上のインパクトを、他の人には与えていたようでした。まあ、そこまで言うのなら、私はその流れに任せるしかありませんから、その人が今日の練習の時に、その「反対している人」(実は団のCEO)を説得できるかどうかを見守るだけです。
 今日の練習は、私の出番は前半だけでした。少し早目に会場に着いたら、ホルン・パートだけはなんだかもうすでに殆どの人が集まっていました。
 でも、なんだか一人、見なれない、というか、かつては団員だった人が混じっているようです。確かに、それはYさん、ということは、ついに復帰されるのでしょうか。でも、話を聞いたら、今は別のところにいて、たまたま仙台に来たので、今日だけ練習に参加する、というのだそうです。しっかり楽器を持って来ていたんですね。ニューフィルの場合、たまにこんな風に、昔の仲間がやってきて吹いて帰る、なんてことがあります。だいぶ前ですけど、オーボエのKさんなんかも吹いて行きましたね。
 練習は、まず「展覧会」から始めます。この曲の解説を書くにあたって、さんざん他の解説を見たり、楽譜を調べたりなんてことをずっとやっていたものですから、なんだかその文章が演奏しながらあちこちによぎります。こうやって実際に音を出してみると、それがぴったりはまっているところもありますが、ちょっと違っていたところもあるのではないか、などと、思いは千千に乱れます。それにしても、今日の練習指揮者はていねいに合奏を仕上げていきますから、このペースで最後まで出来るのか、ちょっと不安になってきます。後半にはブラームスもやらなければいけないのですが、これではそちらの方の時間が本当に少なくなってしまいそう。
 結局、丸々2時間、休憩なしで「展覧会」をやってしまいました。なんとか最後まではたどり着きましたが、「キエフ」あたりはざっと通しただけでしたね。いやあ、疲れました。
 そこで私はお役御免で、ブラームス担当のチームと交代です。ですから、印刷担当者とCEOとの会談がどうなったのかは分かりません。まあ、そのうち連絡があるでしょう。
 と思っていたら、ついさっき、電話がかかってきました。CEOを説得、ということではなく、プログラム作成の最終的な決定権は担当者にあるということで、押し切ったのだそうです。そこまでしても、私の第1稿を載せたいという、とても熱い思いが伝わってきて、嬉しくなってしまいましたね。ですから、紆余曲折を経た結果、まわりまわって最初のものに落ち着いた、というのが結論です。
 と、「第1稿」とか「第2稿」などと、なんとも抽象的な言い方しかしてこなかったために、いったいどんな内容で、どんなところが問題だったのかは全く分からないことに、イライラしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういう方は、4月26日のニューフィルの定期演奏会に来ていただいて、実際にプログラムをご覧になることを強くお勧めします。
aventure number : 2229 date : 2014/3/18


今日の禁断 オープンカー

 今日は朝から雨降り、こんな風に本格的に降るのは久しぶり、まあこれだけ降れば、まだほんの少し残っている雪の塊も、跡形もなく流れてしまうことでしょう。なにしろこの雨ですから、お客さんもほとんどありません。部屋でのんびり、たまった仕事を片づけることにしましょうか。
 そんな、外の景色も見ないでデスクワークにいそしんでいる時に、ふと外を見ると、なんと雪が降っているではありませんか。それも、もうかなり積もっていますよ。いつの間にこんなことに。天気予報では雨が降るとは言ってましたが、雪なんて一言もありませんでしたから、本当にびっくりです。なんでも、まわりにはもう車のタイヤを交換してしまった人もいるそうで、そんな人も「まさか」ですよね。
 帰る時に車には、重たい雪がべったりと積もっていました。ただ、雪は殆ど雨に変わっていたようです。ですから、地面は雪と雨がまじりあってグジャグジャ、靴の中に水がしみ込んできます。でも、このまま雨が続けば、あしたの朝までにはもう溶けてしまうでしょう。
 と油断していると、またいつの間にか雪が降り始めてきました。なんともめまぐるしく変わるものです。一体明日の朝にはどういうことになっていることでしょう。まさか、この間みたいに車が出せないほど雪が積もっている、なんてことはないでしょうね。もう3月も末というのに、まだまだ用心は必要ですね。
 4月になれば、まさか雪が降るなんてことはないでしょう。オリンピックで金メダルをかっさらってきた仙台出身の選手の「パレード」の概要が、このたび決まったようですね。宮城県が発表したのがこちらです。楽天のときとは、なんとなく感じが違いますね。ちょっと規制が窮屈なような。いや、そうではなく、その日にちが4月26日というのが、ちょっと問題です。しかも、時間は1時半から2時まで。これは、ニューフィルの定期演奏会のまさに直前ではありませんか。一体どんな状況になるのか想像もつきませんが、演奏会に来ようと思っていた人にとっては、ちょっと微妙なところでしょうね。まあ、パレードを見てから来てもらっても、多分2曲目ぐらいには間にあうでしょうが、ユヅル君の雄姿を見て感動した後に、クラシック音楽なんか聴く気分になるかどうか。逆に、パレードなんかどうでもいいなんて人もいるかもしれませんが、そういう人も駐車場に入れるのに大変なことになるかもしれませんし。
 まあ、決まってしまったことは仕方がありません。出来るだけ、混雑に合わないように注意してご来場ください、みたいな告知を出して、しっかり周知を図ることにしましょうね。確か、ちょっと前に国際センターでやった時には、美術館が混みそうなのでやはり注意が必要、みたいなことをやってましたからね。
 もう一つ決まったことが、ニュースで流れていました。駅前にあったパルコが、もう1軒出来ることになったんだそうです。そんな場所、あるのかな、と思ったら、確かに1等地が残っていましたね。旧エンドーチェーンとエンタツパーキングの間ある駐車場ですね。いつまでこんな無駄な使い方をしているのだろうと思っていましたが、そうですか、ここに「パルコ2」が出来るとは。そのニュースの中で、「映画館が入るかどうかは決まっていない」と言っていましたが、これはぜひ実現してほしいものですね。もう知る人もいませんが、かつては、あの交差点の辻向かいに2軒の映画館があって、しのぎを削っていたのですからね。どうせ入るなら、浦和のパルコみたいに、IMAX対応になるといいなあ、とは思いませんか。東北初めて、ってことになりますよ。そこで、IMAX版の「ジュラシック・パーク4」なんかが見れたら、最高なんですがね。
追記:すっかり勘違い。演奏会は6:30開演でした。お客様には何の影響もありません。我々はGPの時間なので、パレードを見に行くことはできませんが。
aventure number : 2230 date : 2014/3/20


今日の禁断 マギィ

 「あと10日で、消費税が上がります」と、あちこちで大騒ぎですね。かく言う私も、わが社に置いてあるコーラの自販機の営業の人に、「130円に上げてください」とお願いされてしまいました。しかし、便乗もここまで来ると怒る気にもなれませんね。消費税5%を載せて120円で売っているコーラの消費税を8%にすると、いくらになりますか?123円43銭じゃないですか。どんなに頑張って四捨五入してみても、130円になんかなるわけがありませんよ。ぼったくり、ってやつですね。もちろん、これは販売者が価格を決めるものですから、わが社は値段は据え置きです。
 しかし、普通にレジでお金を払って買うものは、しっかり消費税分の増額が加算されます。「レコード芸術」の最新号を買ってきたら、その裏側にこんな表示がありました。
 定価が2種類書いてある本なんて、生まれて初めて見ましたよ。同じ本でも、4月に入ってから買うと39円余計に取られることになるのですね。
 この雑誌、相変わらず本文は何の役にも立たないつまらないものですが、最後の最後にこんな面白い「記事」が載ってました。
 なんか「いまさら?」って感じですが、月刊誌だとこんな間抜けなタイミングになってしまうんですね。それ以上に、この文章の間抜けなこと。いや、別に「あくまでその音楽を試聴したうえでの批評・記事であり」の後に「作曲者が誰であっても、あくまでその音楽を対象に批評・記述した」と、全く同じ意味のセンテンスをつなげる、とてもプロとは思えない美しくない文章力を嗤いたいのではなくて、そんな、誰が読んでも本気にするわけがないことを堂々とこういう場所に書く神経を、あざ笑いたいのですよ。この雑誌の中には、そのような「批評」が全くないとまでは言いませんが、こんなに自信を持って言い切れるほどの、自分のライター人生を賭けるぐらいの意気込みで書いたものなどはほんの少し、それ以外は、レコード会社から渡された資料を上手にコピペして、いかにその商品が素晴らしいものであるかをとうとうと語り上げる、という、単なる宣伝記事に終わっているものでしかないはずです。最も大切なのはレコード会社の意向、「音楽」や「作曲家」は二の次、というスタンスで作られている雑誌がこんなことを書いても、しらじらしいだけです。
 さらに「本誌は音楽専門誌であり、同氏の経歴や境遇を端から疑うことは本誌のスタンスではありません」ですって。「音楽専門誌」ですらない、単なる「音楽宣伝誌」がよく言うよ、とは思いませんか。レコード会社から頼まれたインタビューの相手を疑うなんて、そもそもあり得ませんって。「スタンス」以前の問題ですよ。
 この中の「2011年11月号」という、そのインタビューが載っているバックナンバーが、たまたま手元にありました。
 これを読むと、ああいうことがあったから、というのではなく、こういう雑誌での「インタビュー」がどういうものなのかがとてもよく分かります。インタビューを行った山野雄大さんという「ライター」は、しっかり資料は読んでるし、おそらく著書だって読んでいるのでしょう、とてもこの場にふさわしい「いい仕事」をしているのではないでしょうか。つまり、そこでは「現代音楽を学びたくないから、音楽学校へは行かなかった」というような、ツッコミどころ満載の経歴があるというのに、そういうことには一切触れず、ひたすらこの「作曲家」の述べることを、いかに感動的な文章にまとめるかという点にのみ、腐心しているようでした。
 たまたまこんな結末を迎えたために、これがいかにむなしいインタビューであったかがはっきり分かるのですが、実際にこういう世界に片足のほんの爪の先端だけを突っ込みかけていたことがある私としては、こういう媒体での記事の基本はみんな同じだ、という気がしてなりません。
aventure number : 2231 date : 2014/3/22


今日の禁断 シントラー

 ここによく登場するうちの社長は、音楽が大好き、ニューフィルの定期演奏会にも毎回来てくれます。と言っても、私みたいな変なマニアではなく、普通に楽しんで聴いているというまっとうな愛好家なんですけどね。その社長が、今日「有名な作曲家で、ゴーストライターをやっていた人がいるって知ってたか?」と聞いてきました。なんでも、テレビでそんなクイズをやっていたのだそうです。私はその番組は見てませんが、それは間違いなく先頃の「ゴーストライター騒動」を受けての企画なんでしょうね。三択で「モーツァルト、ベートーヴェン、それと・・・」というぐらいですから、正解はその二人のどちらかですよね。まあ、もしかしたらベートーヴェンだってやってたかもしれませんが、なんたって分かりやすいのはモーツァルトの方ですから、すかさず「モーツァルトだべ?」と答えてやりました。社長は意外そうに、「う・・・、うん、モーツァルト・・・」と、悔しそうです。もっと考え込むと思っていたのかもしれませんね。というか、まさかあのモーツァルトがゴーストライターをやっていたなんて、と、社長にしてみればものすごい驚きだったのでしょうね。それをあっさり受け流されたもんで、一瞬たじろいだ、と。
 私にとっては、そういうテレビのバラエティのレベルでも、そういうことが話題になっているという方が意外でした。あの「ゴーストライター」のおかげで、そんなことまでがネタになっているとは。
 だいたい、クラシックの世界で、昔学校で習ったこととか、昔から言い伝えられていることが、最近になってちゃんと調べると実は間違っていた、というものが結構あるのですが、それはマニアの間では「常識」になってはいても、特に興味のない人にとってはどうでもいいことで、間違いはそのまま通用する、というのが普通の姿でした。ベートーヴェンが交響曲第5番のテーマについて「運命は、このように扉を叩く」と言った、とか、シューベルトの「魔王」は作品番号が「1」だから、最初の作品だ、とか、「展覧会の絵」を最初にオーケストラに編曲したのはラヴェルだ、と言ったような俗説を真実だと信じて疑わない人がほとんどなのですよね。
 ですから、「神童」とあがめられているモーツァルトが、「ゴーストライター」のような卑しい仕事に手を染めたなどと言われても、誰も信じるわけはありません。というか、そういう状況があるからこそ、こんな「クイズ」が成立することになるのでしょうがね。もちろん、私たちはモーツァルトがれっきとした「ゴーストライター」であったことを知っています。それを行ったのは、彼の最後の作品となった名曲中の名曲である「レクイエム」であることも。ただ、この曲が出来たいきさつに関しては、割と最近までは本当のことは知られておらず、「見知らぬ黒い服の人が作曲を頼んだ」というような伝説がおおっぴらに語られていましたし、それが事実ではなかったことが判明した後でも、あの「アマデウス」という映画で、そんな嘘の上塗りをするようなデタラメをでっちあげていたのですから、真実はなかなか「バラエティのレベル」までは広がりにくい、というトリックもありました。なにしろ、あの映画での、サリエリがモーツァルトの口述筆記をするシーンはとてもよく出来ていましたから、実際にああいうことがあったのだと信じてしまう人だっていたはずですからね。
 ですから、そういう状況を分かっていて、このタイミングで「モーツァルトはゴーストライターをやっていた」というトリビアに基づくクイズを作った人は、なかなかのセンスの持ち主だと思えてしまいます。
 実は、「このタイミング」に便乗して、ちゃっかり演奏会のプログラム用にそれを盛り込んだ原稿を書いた人がいました。ちょっとふざけ過ぎかな、と、一旦はそれを引っ込めて穏健なものに直したのに、やはりそれがあった方がいいという声に押されて、結局元の形でプログラムに載せることになったそうです。バラエティ以外にも、あの事件は色んなところで役に立っています。 
aventure number : 2232 date : 2014/3/24


今日の禁断 チケット

 きのう、携帯を部屋に置いて外の仕事をして帰ってくると、着信が入っていたあとがありました。ただ、表示されているのは電話番号だけですから、「連絡先」に登録されている番号でないことだけは分かります。とりあえず、心当たりはないのでそのままにしておきましょう。本当に必要な用事で電話をしたのなら、もう一度かけてくるはずですからね。
 しかし、それから数分して、また同じ番号の着信がありました。そこで、おもむろに出てみると、「プレゼントが欲しいんですが」と、不思議なことを言い出しました。私はプレゼントをもらうのは好きですが、他人、しかも会ったこともない人にプレゼントなんかしようとは絶対に思いませんから、いったい何を言っているのか、と、その時は思いましたね。でも、その人が続けて「ぱどで〜」と言った時には、ちょっと思い当たることがありました。いつも演奏会の企画書を送る時には、ただ告知してもらうだけではなかなかやってくれないので、プレゼント用のブツを一緒に付けています。そうすると、先方としてはプレゼントの企画ができますから、まず間違いなく案内を載せてくれるんですよね。この「ぱど」というのも、そういう送り先の一つでした。そう言えば、ここに企画書を送った時に、あちらの原稿のゲラを送ってくれましたね。ということは、もう発行されたのでしょう。それを見て「連絡先」として書いてあった私の携帯に電話をかけてきたのでしょう。
 もちろん、私にそんなことを言われても、どうしようもありません。「どこかにプレゼントの連絡先があるはずですから、そちらに聞いてみてください」と丁寧に応対すると、その人は本当に恥ずかしそうにしてましたね。
 それにしても、これは自宅のあたりでも宅配されていますから、新しいのが出ていればチェックしていたはずなのに、と思って、ネットで調べたら、確かに最新刊の全ページがアップされていて、その中にもちゃんとニューフィルの案内がありました。
 本当は、この、モザイクがかかっている部分に番号がありました。そういうことだったんですね。ところが、すぐ下にプレゼントの案内があるではありませんか。こんな近くなのに見逃すなんて。あ、もちろんこれは修正なんかしてませんよ。
 でも、偶然ですが、こんな風に、出たばっかりのタウン誌を見て、すぐニューフィルの演奏会に来てみたいと思う人がいたということを知ることが出来て、なんだか嬉しくなってしまいました。なにとぞ、この方に招待券が当たりますように。というのも、この記事が面白かったのでそのままFacebookページにアップしてみました。そうしたら、結構沢山の人に見てもらえたのですね。ですから「ぱど」の編集部にはいつになく多くのプレゼントの応募があるに決まってます。ということは、さっきの人はせっかく早々と応募しても、「厳正なる抽選」の結果落選してしまうかもしれないのですね。
 家に帰ったら、厳重にパックされた現物が届いていました。
 実は、この原稿は、さっきのゲラが届いた時に1ヶ所だけ訂正してもらってあります。それは曲目。企画書でもチラシでも、普通は曲順に書きますから、あちらとしては1曲だけしか載らない時には、どうしても最初の曲を選んでしまうのでしょう、ゲラでは「魔弾の射手」になっていました。我々にとっては最後が最も重要な曲だというのは言わなくても分かるだろう、という意識があるので、そんなことは考えてもみませんでしたが、今回2ヶ所について同じような訂正をさせてもらっているので、これからは、「1曲だけの時には、これを載せて」みたいな案内も必要なのかもしれませんね。
aventure number : 2233 date : 2014/3/26


今日の禁断 カーボンブラック

 夕べは、WOWOWから録画していた「横道世之介」を見ていました。全く期待していなくて、とりあえず出演者に興味があったので見始めたのですが、なかなか面白くて、ついつい見入ってしまいました。なんという盛り上がりもない作り方ですから、終わり方もあっさりしているような気がしますから、そろそろ終わりかな、という気になってきます。いや、実はその段階で結末は明らかになっているので、すぐ終わると思っていたのですよ。ところが、2時間を超えてもまだ終わりません。邦画はまず2時間以内で終わるのに。どうやら、この映画は2時間40分もかかるものだとわかったので、もうレジュームして寝ることにしました。そろそろ日付も変わりますから。
 そこで、トイレに行って最後に水を流そうとロータンクのレバーを回すと、なんか「カクン」という感触があって、水が流れなくなってしまいました。どこかに引っかかったのかな、と思ってフタを開けてみると、レバーにつながっている鎖の先が切れています。本来ならそこは水の流れを止めるゴムのボールにつながっているはずなのですが、そこに切れ目が入って、鎖で引っ張ることが出来ない状態になっていましたよ。
 拡大すると、
 実は、こういう事態を正確に把握するまでには、水の中に手を突っ込んで、もう表面がふやけて、触ると手がまっ黒になってしまうゴムボールを取り外す必要がありました。最初は下が固定されているようだったので、これを外すにはタンクそのものを分解しなければいけないのではないか、そうなると、業者を呼ばないといけないな、とか思っていました。でも、引っ張ってみると先の方はただ棒が刺さっているだけだったので簡単に外れましたよ。ということは、このボールを買ってきて取り換えればいいはずです。なんか、近くのホームセンターでこんなのを見たような気がします。いずれにしても、もうこのトイレは、水を流すことは出来なくなってしまいました。小はともかく、大だと困りますね。さあ、どうしましょう。
 でも、ご安心ください。我が家にはトイレがもう1ヶ所あったのでした。とりあえず流せなくなってうずたかく積み上がる、という事態だけは避けられます。ここに来るまでに30分、早く寝たかったのにこんな夜中にこんな大仕事なんて。
 今朝になってネットで調べてみたら、やはりこのパーツは簡単に手に入ることが分かりました。間違いなくホームセンターで買ってくることが出来るでしょう。
 これと全く同じものが、お隣のホームセンターあったので即ゲット、一応大きさなども測ってあったので、間違いなく使えるはずです。でも、確かにボールの大きさは一緒ですが、買ってきたものはチェーンの接続部分が違っていました。前のものはゴムに穴が開いていてそこに直接チェーンを入れるのですが、これはゴムではなく、プラスティックのパーツに固定できるようになっています。当たり前ですよね。一番力がかかる部分がゴムだなんて、劣化してこんな風に切れてしまうのは誰でも分かりそうなものです。おそらく、メーカーもやっとそのことに気づいて、モデルチェンジしたのでしょう。でも、このマンションに入ってもう27年経ちますが、逆にそんなにもった方が驚きですね。
 交換は簡単に終わりました。チェーンの長さをちょっと調整するだけで、ロータンクはすっかり元通りになりましたよ。これにかかった費用は材料費の980円だけ、ニューフィルのチケット代よりも安かったですね。
aventure number : 2234 date : 2014/3/28


今日の禁断 エレベーター

 きのうと今日は、田中さんとの2度目の指揮者練習でした。もう本番まで1ヶ月を切り、これから先の指揮者練習もあと1回を残すだけ、まさに一つのハイライトとも言うべき練習です。
 今回のセットは、前回の「ちょっと様子見」と言った感じとはちょっと違って、「マジでシゴく」と言った、ワンランク突っ込んだ練習に徹するというモードに変わっていたのではないでしょうか。細かいところを、納得のいくまで徹底的に繰り返す、という作業が繰り返し行われていましたね。ただ、田中さんの場合は、指示されたことをうまく演奏出来たところでは、「そう、それですよ!」という感じで、必ず最後には「よくなりましたよ」と言ってくれるところですね。これがあれば、どんな厳しいことを言われても最後にはいい気分になれるのですから、練習が楽しくなります。こういうところが、田中さんの魅力なのでしょう。中にはいましたからねえ。言うだけ言って、なんのリアクションも示してくれなかったり、途中で明らかに諦めたことが分かるようなテンションに変わる指揮者が。
 私の出番の展覧会は、きのうは最初から通して行ったのに、「チュイルリー」から先を飛ばしていきなり「リモージュ」に入ってしまいました。その間は次の日、ということです。ということは、私が最も嫌なところが丸々なくなってしまうことになります。ちょっと拍子抜けですね。というか、そういうところはさっさと終わらせてしまいたいと思っているのに、次の日に持ち越しというのは、ちょっと辛い感じです。そうなると、逆に緊張感がなくなって、最後にやった「魔弾の射手」の2番フルートでは、休みも多いこともあって猛烈に眠気が襲ってくるようになっていました。
 でも、今日はそんなことを言ってはいられません。その「チュイルリー」は、オーボエの1番が見事にさらってきて、かなり早いテンポでも滑らかに吹けるようになっていましたから、ユニゾンの私のフルートがちょっとヤバそう、と思ったら、指揮者のテンポは前の時と同じでかなり遅めだったため、なんとかぼろを出さずに済みました。しかし、もう一つの難所「雛鳥」では、明らかに前回よりテンポアップ、私は付いていけましたが、1回目の通しでは、あちこちで事故が起こっていましたっけ。
 きのうはもう夏かと思えるような暖かい陽気だったので、思いきり夏向きのファッションで練習に行きました。ところが、今日になったらガラリと雨空に変わり、気温も10度以上下がってしまいましたよ。こうなるとファッションもセーターを着込んで冬服に戻さなければいけません。ところが、ホールにはなんと暖房が入っていましたよ。そうなるとセーターでは暑いので、脱いでシャツ1枚で演奏します。ただ、結構派手なプリントのシャツだったので、かなり目立ちます。たまたま、隣のフルートの人もほうずき色の派手な服を着ていたので、オーボエの人に「まるでクリスマスみたいですね」と、季節外れの感想を言われてしまいましたよ。
 それよりも気がかりなのは、練習が終わった後の楽器運搬です。会場がいつもの練習場の隣の建物ですから、運搬にはトラックなんか使わないでそこの楽器庫から人力で運んできました。それを、この大雨の中を戻さなければいけないのですよね。私はまず楽器を地下の駐車場に止めた車に置いてから、傘を持ってこの運搬ミッションに加わります。ちょうどティンパニを2人で運んできたのと出会ったので、それに合流、楽器に傘をかけて、雨の中をころがして行きます。途中の横断歩道は水たまりになっていて、そこだけは持ちあげなければいけませんでしたね。
 それでも、まさに人海戦術、メンバーはみんな手際よく荷物を運びこんで、30分もしないうちに、ミッションは完了してしまいましたよ。これがニューフィルの「底力」ですね。
aventure number : 2235 date : 2014/3/30


今日の禁断 カエル

 今日は4月1日、私としては当然何かを仕掛けたいところですが、もう朝からネット上ではこの日のネタであふれかえっていましたから、逆に引いてしまいます。はっきり言って、どれもつまらないものばかりなんですよね。「それがどうした」という、いかにも浅い仕掛けしかなくて、本気で「だまされた!」と思えるものが一つとしてないのですから、困ったものです。最悪だったのは「安倍総理、辞任」というやつ。これのどこが面白いというのでしょう。こんな、誰もが望んでいることで他人をからかうのは、冗談を通り越して罪悪です。こんな後味の悪い「嘘」は、耐えられません。そもそも、あのにやけ顔を見るだけで、どっと疲れが押し寄せてきますから。
 なんか、こんな「エイプリル・フール」ひとつにも、みんな肩に力が入り過ぎているように感じてしまいます。もっとさらっと笑い飛ばせるようなセンスがなかなか表に出て来ないのが、今の世の中なのでしょうね。
 ということで、私はこれ以上の本物の「バカ」の上塗りはしたくないので、これに関してはパス、代わりに、もっと「春」にふさわしいものを探してみることにしました。そうしたら、ありましたよ。中庭の池の中には、これから世の中に飛びだそうという生命の息吹が、おびただしいほど眠っていました。
 ちょっとグロですか?でも、安倍総理の写真よりは、いい趣味なのでは。
 口直しにこんなのも。お馴染みミズバショウが花を咲かせていました。もう春本番ですね。
 その池のふちに建っている会館で、今日は木管のトレーナー練習です。いくら春とは言っても、まだまだ夜中は寒いはずですから、しっかり暖房をセットしてから晩ご飯を食べに出かけました。ところが、食事を終えて帰ってくると、もうだいぶメンバーは集まっていたのですが、部屋の中は結構な暑さになっていましたね。見ると、設定温度も、さっきよりかなり低くなっていました。しかも、練習が始まり、みんなが熱気を帯びてくると、もう暖房など必要ないぐらいに体が温まってきましたから、とうとうスイッチを切ってしまいましたよ。やはり春なんですね。
 トレーナーさんは、今回もいろいろ実戦に役立つ秘策を、数々伝授してくれました。その最たるものは、「魔弾の射手」の冒頭。ここはオーボエいかが低音で始まるのですが、「そこはクラリネットに任せて、オーボエとファゴットは吹かなくてもいいよ」というものでした。確かに、この低音をピアニシモで出すというのは、ダブルリードにとっては至難の技、今までの練習でも、いかにも苦しんでいるのがありありと分かるものでしたから、気の毒になあ、思っていたのですが、プロはそういうやり方で解決していたのですね。確かに「お金を払って聴きに来てくれたお客さん」のことを考えたら、これも一つの解決策です。
 「展覧会」の方でも、課題は山積、やっぱり、この曲の練習時間はあまりに少なすぎました。
aventure number : 2236 date : 2014/4/1


今日の禁断 ソニー

 先日の「ぱど」に続いて、「仙台リビング」にもチケットプレゼントの案内が出ました。
 これに関しては、やはり掲載前に連絡がありました。それは「画像を送ってください」というものでした。企画書を送った時には、一応指揮者の画像だけ生写真で同封してありますから、大体それを使ってもらえるのですが、ここはそれを見つけられなかったのか、あるいはこの指揮者の写真で紙面を飾るのはためらわれたのか、それは分かりませんが、単に「演奏会に関するお写真」とあったので、それだったらニューフィルのステージ写真がいいだろうと送ってあげました。確かに、この案内にはそれが使われていますね。
 この写真は、実は私が撮ったものです。私は写ってないでしょ?って、わかるわけがありませんが、同じアングルの写真がチラシやポスターでも使われているので、機会があったらご確認ください。この前の新田さんの定期の時の、序曲が終わった時の写真ですね。あの時は前半は降り番だったので、3階席のバルコニーから撮影していたのでした。
 実は、ニューフィルの場合、以前はずっとプロの写真屋さんに頼んで、演奏中の写真やオフステージのスナップなどを撮ってもらって、それを希望者に購入してもらうようにしていたのですね。もちろん、銀塩写真でしたらか、サンプルのプリントを大きな紙に貼って、その横に欲しい人は名前を書く、という、クラシカルなやり方でした。それを、毎回練習場の机の上に置いておくのですよね。ですから、実際に自分の写真を手に出来るのは、もうすっかり忘れたころでした。
 そういうやり方が面倒くさかったのか、それとも別の理由(写真代が高すぎるとか)があったのかは忘れましたが、ある時をもってそういう業者に頼むことはやめにして、団員が手分けをして撮ろうということになりました。その頃はもはやデジカメが全盛ですから、それをそのままサイトからダウンロードできるようになっていましたしね。
 ただ、そうなると、スナップなどは撮れても、演奏中の写真を撮るのが難しくなります。実際、この体制になってからはなかなか全体の演奏写真というものは提供されないでいました。そういうことが出来るのは降り番の団員ということになるのですが、なかなか客席に行って写真を撮ってくるというほどの勇気を持った人はいなかったのですね。それと、普通のコンパクト・デジカメでは、全体を撮った時のクオリティがイマイチですからね。
 ですから、私が去年新しいカメラを手に入れたのを機に、出来るだけそういう写真を撮ってみようと思いました。ちょうど指揮者が新田さんということもあって、張り切って客席からステージ裏から、撮りまくったのですね。その成果が、こんなところにも役に立つことになりました。小さいですが。
 今度の演奏会でも、中曲のブラームスでは降り番なので、やはり客席に行って写真を撮ろうと思っています。しかし、今回はデザイナーさんからしっかり注文を出されています。こういう、斜めからのアングルではなく、真正面からの写真が欲しい、というのですね。あるいは、いろいろな場所から撮ったものも、とか。そうなると、かなりアクティブな撮り方をしないと、望み通りのものは撮れないかもしれません。まあ、楽章ごとに客席を移動して、たくさん撮ってくるつもりです。ですから、相変わらず私が入った写真は撮れないことになります。
 でも、文句は言えません。業者に頼めば10万円(?)もかかってしまいますが、内輪のメンバーがやるんだったらタダで済みますからね。
 もう1件、「りらく」の最新号にも案内が掲載されていますよ。こちらは2ヶ所、それぞれ別の写真を使って紹介されています。
aventure number : 2237 date : 2014/4/3


今日の禁断 スタップ

 たまりにたまった新聞からいしいひさいちの「ののちゃん」を切りぬいてスクラップするのは、このところ3ヶ月に1回というペースで行われています。いや、べつにそんなにまとめる必要はさらさらないのですが、ついつい面倒くさくて後回しにしていると、このぐらいになるまではやる気が起きないのですよ。しかし想像してみてください。新聞3ヶ月分というのはかなりの厚さですよ。15センチではききませんね。30センチぐらいはあるでしょう。それが部屋の中にあれば、早くなんとかしてくれという声がどこからともなく聴こえてきますよ。そこで一念発起、切り抜き作業が始まることになります。
 切り抜きを始めると、いやでも紙面に目が行ってしまいます。なんせ、去年の年末からの分がありますから、その見出しだけを追って行っても感慨深いものがありますよ。そう言えば、こんなことがあったなあ、とかね。それで気が付いたのですが、小保方さんがSMAP細胞を発見したのは、佐村河内氏の偽装が発覚したのより前のことだったんですね。SMAPの方は、発見された時より「捏造ではないか」と騒がれた時の方が印象が強く残っていますから、ついこちらの方が後だったような気がしてしまいました。そうなんですよね。やはり他人の「成功」よりも「失脚」の方が、メディア的には喜ばれますから、それだけ取り上げ方が過激になって、強いインパクトが与えられるものなのでしょう。
 そんな風に、ちょっと油断をしていると半年や1年なんてすぐに経ってしまいますから、それなりの準備は早いに越したことはありません。というのも、最近ネットで、こんな動画(下の画像からリンクしてます)が出回っていて、つい泣かされてしまっているものですから。
 これは、岩手県にある東山堂という楽器店が作ったCMなのだそうです。このお店、「とうさんどう」というんですってね。なんでこんな縁起の悪い名前を付けたのか、本気で心配になってきますが(倒産したらどうするのでしょう)、これはとてもただの宣伝とは思えないような、しっかり胸に響く仕上がりになっていますよね。もちろん、しっかり泣かせどころを押さえている、ということもありますが、私としては、ついこの不器用な山中さんに感情移入してしまうのですよ。まあ、そんなに遠くない将来には、間違いなくこういう立場になることが予定されているものですから、山中さんの頑張りが他人事とは思えなくなってくるのです。一瞬停まってしまった時には、私も本気で「頑張って!」と叫んでいましたよ。
 もちろん、シチュエーションはかなり違っています。山中さんと同じ感動を与えるためには、まず一人娘の母親が亡くならなければいけません。それがないことには、こんなたどたどしいピアノを弾いたって、何の意味もないのですからね。でも、それはちょっとあり得ない話なので、私がこんなドラマティックなことをサプライズで仕掛けることは不可能です。とても残念ですが。
 でも、座を盛り上げるために、何か芸をするのはいいことなのかもしれません。ピアノや弦楽器(びおらとか)は難しいから無理でも、フルートぐらいだったら簡単でしょうから、今から音楽教室に通えば、今年中にはパッヘルベルの「カノン」ぐらいはなんとか吹けるようになるかもしれませんね。誰か、いい先生をご存知でしたら紹介してもらえませんか?
aventure number : 2238 date : 2014/4/5


今日の禁断 フンメル

 きのうの「おやぢ」で取り上げたCDを聴くまでは、モーツァルトの40番の第2楽章がこんなことになっていたとは知りませんでしたよ。いや、この曲がクラリネットが入っていない初稿と、それが加わった改訂稿があるということぐらいは知ってましたが、それ以上は別に何もないと思っていましたからね。確かに、ベーレンライター版のポケットスコア(音友版)の最後には、なんか変な楽譜が「付録」として付いていましたが、そんなものは大した意味はないのだと無視してましたし。
 でも、さっきのCDを聴くときに、まずライナーをしっかり読んでみたら(ライナーとデータはどんな時でもきちんとチェックします)かつてはこの部分が元の楽譜に加わっていたものが出版されていたことがあって、そのCDでもそのバージョンで演奏してる、というのですから驚いてしまいました。そこで、初めてスコアにあった校訂報告の序文もちゃんと読んでみたんですね。いや、正直、このCDは編曲も演奏もとことんしょうもないものでしたから、殆どボツにしようかと思っていたのに(そういうのが結構あります)、こんなにおいしいポイントがあったなんて、まるでゴミの山の中から杉浦茂の初版本を見つけ出したような気分でしたよ。
 その際に、これがいかに貴重な(もちろん、単に「版」的に、というだけですが)ものかを確かめるために、他に同じことをやっている録音はないか、調べてみることにしました。しかし、手持ちのものと、もちろんNMLを総動員しても、そんなことをやっているものは見つかりませんでしたよ。やはり、あそこを8小節に拡大するのは、どんだけこじつけようとしても普通は無理だと分かるものだったのですよ。たまたま、同じ楽譜を使って録音しているものも見つかったので聴いてみたら、それもしっかり4小節に直して演奏していましたからね。
 それと、いろいろ聴いた中で、問題の後から加えられた楽譜(テーマを木管ではなく弦楽器が演奏しているバージョン)に差し替えて演奏しているものは、「第1稿」と「第2稿」を両方とも録音しているホグウッド盤しかありませんでした。もちろん、差し替えられているのは「第1稿」の方です。これこそ、「オーセンティック」を気取るピリオド系だったら他にもありそうな気もするのですが、今のところ見つけられてません。もし、見つけた方はご一報を。
 そんな、一度バラバラになったものを、きちんと元の姿に戻すというのは、なんにしても興味深いものです。職場のお隣の青葉神社で、震災の時に倒れてバラバラになってしまった鳥居を再建する工事が、3年以上経ってやっと始まりました。少し前から石段のところに重機が入れるように鉄板を敷いたりしていたのですが、いよいよ本格的にその姿が現れようとしています。
 まだ土台部分しか見えませんが、ほどなくこの上に立派な鳥居が立つことになるのでしょうね。ここはいつも通勤の途中に通る場所なので、こんな間近のアングルで写真も撮れますから、楽しみです。おそらく、完成の目標は今年の青葉まつりなのではないでしょうか。まだ1カ月以上ありますから、きっと出来上がることでしょう。
 姿を現してきたのは、他にもあります。先日ご紹介した池の中の卵が、だいぶ育ってきて、こんな風になってます。
 黒い粒粒が、それぞれ小さなオタマジャクシです。これがそのまんま大きくなるのですから、これは壮観ですよ。もしかして、人によっては正視できないような写真がこれから載るかもしれませんから、こういううじゃうじゃ系が苦手な方は、ご用心を。
aventure number : 2239 date : 2014/4/7


今日の禁断 ステンドグラス

 きのうの練習は、前半ブラームス、後半展覧会という予定だったので、音出しギリギリぐらいに練習場に飛び込みました。出番はないのですが、練習が始まってから連絡用の机を出したりすると、結構でかい音がして(キャスターのストッパーが殆ど壊れているので、動かすとものすごい音が出ます)指揮者に睨まれてしまうので、先に出しておかなければいけません。さらに、準備が終わっても、まだフルートパートが誰も来ていないので、場合によっては最初のうちは代わりに吹かなければいけませんから、待機していましょう。確かに、もう音出しの時間を過ぎているのに、1番も2番も来る気配がありません。オーボエの人などはしびれを切らして手招きをしますから、とりあえず座るだけ座っていよう・・・としたら、2人が揃って息せき切ってやってきましたっけ。
 これで、私の出番まではヒマなので、お隣の「日立システムズホール仙台」(いわゆる青文)に行って、チラシ棚の点検をしてみましょうか。というのも、この前、ここの「日立システムズホール仙台交流ホール」という間抜けな名前に変わったところで指揮者練習をやった時に見てみたら、ニューフィルの演奏会のポスターが1枚もなかったものですから、新たにチラシを持って行ってあったんですね。ところが、持って行った次の日に見てもまだ置いてくれてなかったので、それからだいぶ経ったきのうはどうかな、と思ったのです。実は、最初に置いてもらった時も、次の日に行ったらまだ出てなかったので、もしかしたら・・・、という疑惑がありました。チラシはみんなが持って行ってなくなったのではなく、最初から意図的に出してはくれなかったのではないか、という疑惑です。なんでも、市内のさるプロのオーケストラは、自分たちの演奏会と同じ日に演奏会を開くアマチュアのオーケストラのチラシは、演奏会の時に折り込みを拒否するのだ、という「都市伝説」がまことしやかにささやかれているぐらいですから、それは充分ありうることです。
 しかし、予想に反して、新しいチラシはちゃんと棚の中に収まっていましたよ。ということは、前の50枚のチラシは、2か月の間に全て持って行かれたことになりますね。これからは、もっとマメに追加分を持ってきた方がいいようですね。ただ、この棚は、今気が付いたのですが、近くで眺めるとチラシの上の部分が見えなくなってしまう構造になっているのですね。普通はこういう風にチラシの上が表に出ますから、演奏会のタイトルはみんな上に入れるようにしています。
 しかし、ここは最上段以外は、チラシの一番上が見えにくくなってしまうのですよ。実は、最初見た時には、ニューフィルのチラシは渡辺貞夫のところに置いてありました。そこだと、もろに「ニューフィル」の文字が見えないのですね。ですから、こっそり一番上にあった渡辺貞夫と交換しておいたのです。まあ、腰をかがめて下からのぞくようにすれば一応どこでも見れるんですけどね。
 ところで、去年の今頃は新田さんがニューフィルに来る前に仙台駅の駅コンに出るというので、盛り上がってました。それは去年だけのことだと思っていたら、今年もやはり新田さんが仙台フィルを振ることになったそうで、そのチラシがネットに出回っていました。こちらからリンクしてあります。去年は、本番の前に「公開リハーサル」というのをやっていましたが、このチラシを見る限り、それはなくなったようですね。はたして、本番を見に行くことは出来るでしょうか。
 新田さんと言えば、最近Facebookのプロフィール写真を更新してました(©落合英俊)。
 ここは、間違いなくさっきの「日立システムズホール仙台交流ホール」ですよね。さらに、譜面台も見おぼえがありますから、これはニューフィルのリハーサルの時の写真なのではないでしょうか。そう言えば、あの時にプロの写真家さんが来て、写真を撮っていましたね。しかし、私も連日写真を撮っていたので見比べてみると、服装が違います。どちらの日もTシャツ、2日目はそれでは寒かったので、ベストを羽織っていましたが、この写真のようなシャツ姿ではなかったような気がするのですが、どうでしょうか?
aventure number : 2240 date : 2014/4/9

14/4/11-14/5/21